もし高坂穂乃果と五代雄介という人物が知り合いだったらというお話。
残念ながらタグに乗せるべきなのかというぐらい、戦闘描写は一切ありません
普段は別の小説を連載しているヨーヨーという者です。
以前からラブライブの小説にチャレンジしてみたいな~と思い完成したのがこの作品。アニメでしか知りえない部分があったり、粗の目立つところがあるかもしれませんが、視て頂けるとうれしいです。
では、どうぞ!
きっと飛べる…あの日のように!
幼き日の自分がそうであったように、今も、これからも、スクールアイドルはどこまでだって飛んでいける。
そう確信した高坂穂乃果は自身がリーダーを務めるスクールアイドルμ`sの仲間達を中心として、一大イベントを企画。彼女達の心意気に賛同し、集まった全国のスクールアイドル達によって行われたライブは大成功という形で幕を閉じた。それは穂乃果達がスクールアイドルという輝ける存在である事を広めると同時に、μ`sとして他のスクールアイドルと共に歌い、踊る最後の瞬間でもあった。
それから数日後…μ`s最後のライブを1週間後に控えた日。
穂乃果はある人物と再会を果たしていた。
「ん…」
窓から差し込む日差しを避けるように自室のベットの上で顔を逸らす穂乃果は寝返りをうち、布団の中へと潜り込んでしまう。
現在、穂乃果が通う音ノ木坂学院は春休みという事もあり、現在午前9時を回っていても睡眠を妨げる目覚ましはなる事はない。ライブに向けてのレッスンはあるのだが本日は午後からのスタートだ。なので時間いっぱいまで惰眠を貪ろうとした穂乃果であったのだが…
「お姉ちゃーん!…ってやっぱり寝てる」
遠慮なしに扉を開けて寝息を立てる姉の姿を見て、妹である高坂雪穂は一度溜息をつくとベットの傍まで移動するとゆさゆさと穂乃果の身体を優しく揺らす。この程度では起きない事は百も承知ではあるが、順序というものがある。
「お姉ちゃん、朝ご飯冷めちゃうってお母さん言ってたよ~」
「んにゃ…あと…9時間…」
「それもう夕方だよッ!?」
寝ぼけているのか頓珍漢な言葉を発する穂乃果に思わず声を荒げてしまった雪穂であったが、休みの日に姉が中々目を覚まさないことなど想定の範囲内だ。いつもなら姉が自ら起きるのを待つか、自分が引きずってでも食卓に連れて行くかの二択となるが本日はいつもと違う。取って置きの手段をもってこの場に現れたのだ。
それに、知った時のリアクションが大変楽しみであるので姉の耳元に顔を近づける雪穂はにんまりと意地悪な笑みを浮かべている。
やがて穂乃果の『もう食べられない…』なんてありきたりな寝言を聞き流しながら囁くように、姉が一発で起きる言葉を雪穂は呟いた。
「お姉ちゃん起きなよ」
「さっきお母さんから聞いたんだけど、ユースケ先生が帰って―――」
瞬間、雪穂は見た。
姉が被さっていたかけ布団だけでなく、身を包んでいた寝間着までが宙を舞う光景を。
「お、お姉ちゃ―――!?」
窓のカーテンが全開となっているというのに、姉があられもない姿となっているのではないかと慌てて視線を穂乃果へと向ける雪穂であったが、この一秒にも満たない時間の中で穂乃果は学校指定のワイシャツとプリッツスカートを既に身に纏っており、髪の毛をゴムで片側にまとめながら階段を駆け下り始めていた。
「わぷッ!?」
そして頭上へと落下した布団の下敷きにされてしまった雪穂。ため息交じりに布団を定位置へ戻し、やれやれと頭をかきながら穂乃果の脱ぎ散らかした寝間着を回収し、開けたままになった入口を見て、クスリと笑ってしまった。
「ほんと、冒険から帰って来るたびこれなんだから…」
「お母さーんッ!」
「ど、どうしたのよ穂乃果?そんなに慌てて…それより、階段を駆け下りちゃダメだって何度も―――」
「それよりも!この前私がアイディア出した新作は!?」
エプロン姿で和菓子屋『穂むら』の開店準備に追われる母親の注意をそれよりもで流してしまう穂乃果は陳列された出来立ての商品…自分が提案し、父親が実践した事で完成した新作の饅頭へと目を向けると慣れた手つきで箱詰めし、一目散に店の入り口へと駆けていった。
「ちょ、ちょっと穂乃果?」
「ごめんなさーい!お代は今月のお小遣いから引いていいからー!!」
「えぇ…?」
店の外まで追いかけては見たが既に穂乃果の姿は声も届かない距離にいる。ハァ…と溜息を付いて暖簾をくぐると、一家の大黒柱である穂乃果の父親が娘が失敬した分をしっかりと補充している様子を見て『いいの?』と視線で訴えて見た結果は…
「………………」
無言で手を振って作業に戻る夫の姿から許していると察した母は、苦笑しながら家計簿を手に取る。
本人の宣言通りに、饅頭の代金を今月支給する小遣いから差し引かせてもらうとしよう。
「ハッ、ハッ、ハッ…」
パフォーマンスの為に日頃から走っている賜物なのか、家から随分と全速力で走っているのに疲れはない。いや、それ以上に一秒でも早くあの人に会いたい、教えたいという気持ちが強まっている穂乃果は胸の前で饅頭の入った箱を両手でしっかりと抱えながら目的地へと目指す。
(本当に、いつも突然。いなくなるのも、帰って来るのも…)
前だって、みんなで顔を出した際に何も告げずに海外に行ってしまったのだからと文句の一つも言いたくなるが、それもあの人だから許されるのかもしれない。こうしてまた会えるのだからと、穂乃果は1人納得しながら路面を蹴る強さが自然と強くなり、自分でも気が付かないうちに額に汗が溜まっている。花の女子高生にはあるまじき姿かもしれないが、今の彼女にとっては二の次なのである。
(…見えた!)
ついに視界へと入った目的地は以前とまるで変わらない。
だから、開店前である今の時間から既に扉の鍵が開いているという事も変わらないはずだ。
もしや今日に限って等の疑いなど一つも考えずに、穂乃果はドアノブを掴み、勢いを付けて、扉を開放した。カランッとお客の来店を伝えるドアの鐘が店内へと響き、店内のカウンター奥で仕込み中であった男性が何事かと顔を出し、息を整える穂乃果を見ると一瞬だけ目を細めるが、あくまで一瞬。彼女が誰であるかが理解できた途端、柔和な微笑みを浮かべて、彼は言った。
「おぉ!穂乃果ちゃんじゃない!久しぶりだなぁ!!」
「うん、久しぶり!そして―――」
「おかりなさい!雄介先生!!」
五代雄介
彼は何者かと一言で言うのであれば、冒険家だ。
自由気ままに世界中を歩き回り、行き先にいる全ての人を笑顔にしてしまう。そして、誰よりも泣き虫で、心優しい人間だと、穂乃果は聞かされていた。
穂乃果が雄介と出会ったのは、彼女が幼稚園に通っていた時。務めていた保母である五代みのりの兄である雄介は度々幼稚園に現れては数々の技を披露し、園児たちは夢中になっいた。
穂乃果もその1人であり、雄介から木登りや水たまりを駆けて飛び越えるなどの技を伝授され、幼馴染み達に止められても実践し、その度に泥だらけになって母親によく叱られたものだ。
しかし、出会って1年も経過しないうちに雄介は再び冒険へと旅立ち、いつまた日本に戻るかわからないと聞かされた時は盛大に泣き、きっと自分を忘れられてしまうから離れたくないと雄介にしがみついて離さないと回りを困らせていたのだが。
そんな穂乃果を見た雄介は約束した。
『じゃあ穂乃果ちゃん、約束しよう』
『やくそく…?』
顔をクシャクシャにして泣き続ける穂乃果の頭にポンと優しく掌を置いた雄介はゆっくりと頷いた。
『そう!俺が一番最初に教えた技をずっと続けて、たっくさんの人に伝えていくんだ!きっとそれは日本を越えて、世界中に広がって、俺のいる所に届くから!』
『それを見れば、俺は穂乃果ちゃんの事を絶対に忘れない!」
『ひっく…でも…』
涙を止められない穂乃果には不安しかなかった。雄介に教わった1番目の技は、一番得意のはずなのに、今はできる自信が全くない。雄介は自分を忘れないと言ってくれているのに、穂乃果はその方法を今、忘れてしまっている。そんな自分でに、雄介との約束を守れないと俯いてしまったが…
『大丈夫!』
そう言って、顔を上げた穂乃果に向けて雄介は親指を立てた仕草…サムズアップを見せる。
『穂乃果ちゃんなら、きっとたくさんの人に伝えられるはずだよ。海未ちゃんと同じように、ね?』
『ユースケ…』
『だから、見せてほしいな。穂乃果ちゃんの飛びっきりの『笑顔』を!』
雄介の大丈夫という言葉を受けて穂乃果は自然と涙が止まり、次第に雄介の良く知る、向日葵のような微笑みう浮かべていた。その顔を見て満足したように頷くともう一度穂乃果の頭を撫で、ゆっくりと手を離すと背を向けて、ゆっくりと離れていく。他の園児たちも口々に彼の名前を呼び、穂乃果のように泣き出す者が現れた。みのりや他の職員が懸命にあやす中、穂乃果は涙を拭い、離れていく大きな背中に向け、大声で叫ぶ。
『約束だよー!絶対、ぜーったいだからねぇ!!』
穂乃果の主張に応えるように、雄介は一度振り返るともう一度サムズアップを見せると共に、穂乃果たちを安心させるどこまでも優しい微笑みを向ける。そして、穂乃果も大きく右手を振り上げ、雄介の元へ届かせるように突き出し、親指を立てて見せると同時に、精一杯の1番目の技…笑顔を見せるのであった。
それからの穂乃果は数日間落ち込む姿を見せるものの、雄介との約束を守る為に、明るい笑顔を周囲へと見せるようになっていた。雄介に伝授された技で時には友人や家族を驚かせ、または怒られはしたものの、関わる人々を自然と笑顔にしてしまう少女へと成長していったのだ。
以来、数年ごとに雄介が帰国すると聞くたびに彼の居候先である喫茶店ポレポレへと赴き、これまで身の周りに起きた報告や雄介の旅先での体験談を聞きに、何よりも自分は笑顔でいることを伝える為に来店していたのであった。
「そっかー。穂乃果ちゃんももう高校の3年生かぁ」
「アハハ。雄介先生会う度にそればっかりだよ。この前なんか『そっかー。穂乃果ちゃんももう中学生かー』なんて言ってたんだから!」
「うーん、そうだったかなぁ…」
「それとはい!うちのお饅頭。私が考えたやつなんだ!」
「おぉ、久々のほむ饅だ。後でおやっさんにもあげなくちゃね」
「味わって食べてね!そうだ、雄介先生今度はどんな国に行っていたの?」
「お?それじゃあ話しちゃおっかな。少し長くなっちゃうけど、この前行ったのはマレーシアのね…」
雄介に差し出されたお手拭きで汗を拭い、カウンター席へと腰かけた穂乃果は乗り出すように雄介へと尋ねる。雄介もそんな穂乃果のウズウズした様子に応えて、旅先で起きた様々な出来事を身振り素振りを付け加えて語っていく。
ちなみに穂乃果は幼き頃は「ユースケ」と呼んでいたのだが、ある日幼馴染みの1人に「さすがに年上の方に何時までも呼び捨てでは失礼です」と念を押されて以来、先生と呼ぶようになっていた。
「―――そうだ!穂乃果ちゃん、アイドルになったんだってね!」
「えぇ、先生知ってたの!?」
「もちろん!…と言いたいところだけど、知ったのは日本に帰ってからなんだ。驚いたよ、空港のゲート潜った後にあったモニターに穂乃果ちゃん達がたくさんの女の子達と踊って歌ってたんだから!」
「あ、アハハ…」
雄介が見たのは恐らく先日秋葉原で行われたライブなのだろう。冒険家であるが故に日本の流行に疎い雄介にも流石に知り渡っていた事に少々照れながらも、穂乃果は「今度は穂乃果ちゃんの番だよ」と完全に話を聞く態勢となった雄介の姿を見て覚悟を決め、語り始めた。
穂乃果が通う音ノ木坂学院が廃校の危機に直面している事を知り、それを阻止するためにスクールアイドルとなって立ち上がった事。
紆余曲折を経て、8人のかけがえのない仲間達とμ`sを結成し、廃校を乗り越えた事。
だが、自分の失敗で新たな目標であるスクールアイドルの頂点を決めるラブライブへの出場が不可能となり、親友の悩みに気づくことが出来なかった事。
それが原因で一度はバラバラになりかけた仲間達と再び手を取り合い、再度スクールアイドルとして歌い、踊り続けながら新しい夢を見つけると決意した事。
早期に決定した第2回ラブライブを3年生と共に迎える最後のチャンスとして優勝を目指した事。
大雪の中、全校生徒の力を借りて会場にたどり着き、ラブライブ決勝戦への切符を手に入れた事。
3年生の卒業と共に、μ`sの活動を終わりとする。けど、悲観せずに最後までスクールアイドルとして歌と踊りを楽しむ事。
そして、ラブライブを優勝して終えた事―――。
「そっか…頑張ったんだね。穂乃果ちゃん」
「ううん、私はただ夢中だっただけなんだ。たくさんの人に応援されて、支えられて、迷惑をかけて…だから、ラブライブを優勝できたのも、アキバでのライブも成功できたのも、みんなのおかげなの!」
穂乃果の語りに「おぉ!」や「そうだったんだ…」など彼女と共に感情を浮き沈みしつつ聞き続けてくれた雄介の称賛に慌てて畏まってしまうが、それは本心だ。事実、自分1人の力ではμ`sがここまで大きな存在になるなど、ありえなかっただろう。
ニューヨークでのプローモーション撮影以降、スクールアイドル活動の延長を望まれながらも自分達が決めた通りにμ`sの活動を終了させる事に躊躇いを見せた穂乃果だったが、そんな贅沢な悩みすら与えてくれたスクールアイドルという存在の無限の可能性を示す為に開催された先日の秋葉原でのライブだって、みんなの存在があってこそだ。
「だから、とっても嬉しかったんです!みんなと会えたことが!」
「うんうん。大切な人達なんだね、穂乃果ちゃんにとって」
「はい!…けど」
「…?」
今まで楽しく話し続けた穂乃果の表情が曇り、話すことすら戸惑いをみせる様子を雄介はただ黙って待つ。彼女が抱いてしまった不安を口に出してくれる事を。
「…私、笑えるのかな。本当の、本当に最後のライブで…」
雄介へ仲間達と過ごした軌跡を話すうちに、どうしようもない悲しさがこみ上げてしまった。
最後だと思えたラブライブ決勝の後に、心のどこかで考えていた『まだ3年生と一緒に活動したい』という思いに神様が叶えてくれたかのような海外からのオファーや日本でのライブ。
だが、偶然は何度も続かない。数日後には、μ`sの正真正銘、最後のライブが待ち構えている。
3年生の3人とは、今生の別れではないという事ぐらい穂乃果は理解している。だが、共に1年を過ごした大切な人々と、もう一緒にライブをすることが出来ないという現実を改めて思い知らされた穂乃果にこみ上げてくる感情を押さえつける自信が無くなってしまったのだ。
泣いてはいけない。自分が泣いてしまえば、他のメンバーを困らせてしまうし、動揺させてしまう。リーダーである自分がしっかりしなければ…と考える度に不安が胸を掻き立てる。
考えれば考えるほど、漠然とした不安が積り、心許なくなってしまう。
(どうしよう…)
次々と深みへと嵌っていく穂乃果の不安を止めたのは、昔から彼であった。
「泣いても、いいんじゃないかな?」
「え…?」
「確かに、穂乃果ちゃんが泣いたら周りのみんなは心配するかもしれない。けど、泣いてしまうというのは穂乃果ちゃんの正直な気持ちでもあるんじゃない」
「で、でも…」
「泣いて、本当の気持ちをみんなに伝えればいいんだよ。穂乃果ちゃんの友達はきっと受け止めてくれる。そしたら、心の底からきっと笑顔になれる」
「昔から、そうだったみたいにね」
「あっ…」
そうだ。周りに気を使って、自分の気持ちを押し込めることは逆に仲間達を心配させてしまう。自分はまた繰り返すところだったと気が付いた穂乃果の心につっかえていた不安が、徐々に軽くなっていく。
「穂乃果ちゃんは、そういう弱いところも見せられる人達と出会えたんだ。不安に思う事は、なにもないよ」
「け、ど…」
言い淀んでしまう穂乃果が言おうとする弱気の言葉を遮るように、雄介は言ってくれた。幼き頃から言い続けてくれた魔法の言葉を。
「大丈夫!」
「穂乃果ちゃんは絶対に笑顔でライブができるよ。大切な仲間達と一緒にね!」
どうして、この人はいつも自分を前向きにしてくれるのだろう。
自分が欲している言葉をくれるのだろう。
彼の暖かな言葉は、いつも勇気をくれる。
だから自分は頑張れるんだ。
この人の笑顔に、答えるためにも!
「ありがとう…雄介先生」
「…うん」
「…って、あぁッ!?」
時計へと目を向けた穂乃果は突然大声を発して立ち上がる。
時刻は既に12時30分。
どうやら時間を忘れて随分と話し込んでいたようであり、準備の為に一度家に戻る事を配慮しても完全な遅刻だ。
「大変、海末ちゃんと絵里ちゃんに怒られちゃうーッ!!」
提供されたコーヒーを一気に飲み干した穂乃果は急ぎ席を立つと店の出口に向かって駆け出していく。
「穂乃果ちゃん、俺のバイクで送ってく?」
「ううん、平気!走っていけばなんとか…」
これは嘘だ。雄介からたくさんの気持ちを貰ったのに、これ以上雄介に迷惑をかける事はできないという穂乃果の意地。
だから、自分の足で走って見せる。
「雄介先生!」
「ん?」
「私、絶対、ぜーったい笑顔で歌って見せる。だから――」
「私達のライブ、絶対見に来てね!!」
開けられたドアの前に立ち、真上に上った陽の光をバックに満面の笑みを浮かべる穂乃果は雄介に向かい、グッと親指を立てサムズアップを向ける。
穂乃果の眩い笑顔を見て、雄介も自然と同じ仕草を見せ、青空を思わせる鮮やかな笑顔を浮かべるのであった。
穂乃果は笑う。かつての自分がそうであったように、自分が笑顔となることで、他の誰かが笑ってくれる事を信じて。
「よぉし、いっくぞぉーッ!!」
穂乃果は走る。走ることができる。
だって大切な事をしっかりと教えられたのだから。笑顔と共に。
~ここから先は、五代雄介がとある戦士だった場合の展開~
「あんれぇ?雄介、さっきまでここに誰か来てたの?」
「あ、おやっさん。足りない材料揃ったの?」
「いや~不覚!まさか
穂乃果と入れ替わるように現れたのは、店長である飾玉三郎だ。登場と同時に放ったギャグを聞き流しつつ、コーヒーの豆挽きを続ける雄介は先ほどまで穂乃果がいた事を伝える。
「へぇ~穂乃果ちゃんが…ってえぇ!?あの高坂さん家の穂乃果ちゃん!?」
「そうだよ?」
「いや~なんてタイミング悪いんだ。かつてのキャンディーズを彷彿とさせる人気を誇るユーズになった穂乃果ちゃんが…」
「おやっさん、μ`sだよμ`s」
「お、そうか…惜しかったなぁ、もし会えたらサイン貰っておきたかったなぁ…」
残念そうに肩を落とす姿に苦笑しながらも、雄介は玉三郎が飛んで喜ぶような情報を伝えて見る。
「それなら期待できるかもよ。夕方、練習が終わったらお友達を連れてお店に来るんだって」
「やや!それって他のメンバーもご一緒ってことか…雄介、今日のカレーは一段とよりをかけるぞ!」
「やる気になっちゃって…っと、電話か」
材料を持って厨房へと向かう玉三郎の現金な姿に変わらないなぁと呟きながらベルが鳴り続ける電話を手にする雄介は、お馴染みとなった挨拶を口にした。
「はい、オリエンタルな味と香りでお馴染みの―――はい、俺ですけど…えぇ、すぐに向かいます!」
エプロンを外した雄介はカウンターの奥へと引っ込んだ玉三郎へと一声かけ、店の外に停車してあるバイクへと飛び乗った。
穂乃果が自分のすべき事を笑顔で挑むように、今度は自分が挑む番であると、雄介はヘルメットを装着し、バイクを急発進させる。
(みんなの笑顔を守る…その為に!)
雄介はその言葉を叫ぶ。
「変身!」
と、いう内容でございました。
最後の部分は雄介さんが我らの知る人物だったら…というおまけですね。
時系列やら雄介さんの帰国頻度やら、最後の無線やら…まぁファンタジーという事でご容赦を…
お気軽に感想など頂けたら幸いです!