『東仙、アウトー』
何処から聞こえたのか、マユリの間抜けな声と共に東仙は、突然地面に開いた落とし穴に落ちた。
「やられたらああなるのか……」
「てかいつこの仕掛け作ったん?そしあの穴、どこに繋がってるん?」
壁に隠れながら藍染とギンはそう呟いた。そして、トランシーバーに言った。
「こちらチームヨン様。阿散井、黒崎と交戦中。東仙隊長がやられましたわ」
『了解。敵はその2名ですか?』
「パッと見ただけやからわかりません。もしかしたら、もう一人か二人いるかもしれん」
『すぐに他の部隊を回させます。ポイント1-Aで一度合流して体制を立て直して下さい。その後の指示は後ほど』
「了解」
一方、恋次と一護と雛森。
「水上くん⁉︎今、東仙隊長を落として藍染隊長と市丸隊長と交戦中!」
『おいっ、てめそれ俺の煎餅だ殺すぞメガネ‼︎』
『弱肉強食という言葉を知らないのかい?随分とマヌケなんだね君は』
『いやそれ意味違ぇーから‼︎マヌケなのはテメェだろカス‼︎』
「何やってるのよ……」
てんめマジいい加減にしとけよ、するのは君の方だおっぱい星人、てめーに言われたかねんだよむっつりエロメガネ、ブチ殺す、などと声が聞こえて数秒後、またまた何処からか声が聞こえた。
『石田、アウトー』
「何やってるのよ‼︎」
思わずツッコンだ直後、トランシーバーから声が聞こえた。
『えっと、何か言った?誰?』
「雛森よ!ていうか何してんの⁉︎」
『え、いや何もしてないけど』
「今、石田さん死んだよね⁉︎」
『え、いや違うよ。今のは違うよ。今のはこの人が悪いんだ。だから、
「やったのよねつまり⁉︎って、そんなことどうでもいいから聞いて‼︎」
『どうでもいいんだ』
「現在、藍染隊長と市丸隊長と交戦中!」
『ああ、見えてる見えてる。多分、向こうは引き気味に応戦して、他の部隊と合流して態勢を立て直して来るはずだ。なら、合流させて、別の部隊と挟み撃ちで一気に叩く。いいな?』
「了解」
雛森はそう返すと、戦闘中の二人にそのまま指示を伝えた。
「了解!っしゃ、サバゲーっぽくなって来たぜ‼︎」
「恋次、お前サバゲーやったことあんの?」
「ワールドトリガー読んでな!」
無視することにした。
*
日番谷は砕蜂と歩いていた。
((……き、気まずい))
(なんだ、なんで私とこいつなんだ?)
(大して話したことねーよ。隊長同士って別に仲良いわけじゃねぇし)
(なんだ、なんの話をすればいい)
(いや、戦場で話をするというのが間違いなんだが……にしても気まずい)
(私とこいつの共通する話……二番隊と十番隊にあんま共通することないよな)
(と、なると他に共通すること……)
(他にこいつと共通する話……あっ、)
((祐作の愚痴だ))
直後、砕蜂から口を開いた。
「祐作とさ、現世でゲーセン行ったんだよね」
「マジで⁉︎」
「なんか出会い頭にいきなり顔面殴られたんだ。あれは驚いた」
「え、なんで?なんでそんなことになったの?」
「や、なんかよくわかんないけど私だと思われてなかったらしい。でもそのあとは太達なりマリカーなり色々とやったぞ」
「俺はあっち向いてホイしかやってねぇってのに……」
「私は祐作には勝てなかったが、夜一様よりは強かったぞ」
「で、それ以来あいつと割りと仲良くなったわけだ」
「あー、まぁそうだな。結果的に見れば」
「しかし、普段のあいつは怠け者でアホで失礼で何を考えてるかわからんただのバカだ。よく仲良くできるもんだなお前」
「…………」←自分はボロクソ言うけど他の人が悪く言うのは許せないタイプ
「つかあいつの斬魄刀なんなんだろうな。なんで木刀なんだよ。どうやったらあんな斬魄刀になるんだ」
「…………おい、貴様」
二番隊と十番隊の間に亀裂が生まれた。
すると、トランシーバーから声がした。
『もしもしバカ二人?ちと、一護や恋次の援護に行ってほしいんだけど』