原作とは違って、イッセーが苦労人な話。

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熱血ドライグと苦労人なイッセー

 

 

…もしかして俺は選択を間違えてきたのだろうか?

 

 

 

きっかけはそんな思いつきだった。

 

俺のせいで、俺を宿した者たちはいつも早死にしていたのだろうか?

 

俺がもっと宿主達へと積極的に語りかけていれば…もっと彼らと真っ向から向き合っていれば何かが変わっていたのだろうか?

 

だったら、俺はどうするべきだったんだ?

 

そう考えたとき俺は真っ暗な闇の底で一つの答えへと辿り着いた。

 

『……そうか!俺には宿主と一緒に強くなろうとする意思が足りなかったんだな!』

 

弱音を吐きながらも、ひたすらに強さを追い求める根性!

 

今の己の強さに甘んじるのではなく、さらなる強さを身につけようとする努力!

 

そして、何よりも大切なのは…

 

『それら全てを支える柱…熱血だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

 

次の瞬間、俺の視界は一変した。

 

暗闇に支配された世界は業火に包まれた世界へと変貌したのだ。

 

普段の俺ならば『暑苦しい』の一言で切り捨てるのだろうが、今の俺には何故か灼熱の炎がチリチリと己の赤き鱗を焦がす感覚が妙に心地よかった。

 

『ふ、ふふ、ふふふ…ふはははははははははははははははははははははははははははは!!!!』

 

俺は心の中にこみ上げてきた感情のままに笑った。

 

 

嬉しいからか?

 

 

ムカついたからか?

 

 

楽しいからか?

 

 

悲しいからか?

 

 

違う!俺はやっと理解したからだ!

 

『そうか!俺には強くなろうとする圧倒的な熱意が欠けていたんだ!』

 

…と。

 

 

 

ちなみにその日は限界まで高まってしまった感情を抑えるために一万回ほど腹筋をすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物心ついた頃から俺こと兵藤(ひょうどう)一誠(いっせい)の日課は、体を鍛えることだった。

 

何故…そう聞かれると困るな。だって、俺の意思とは関係ないし。

 

じゃあ、なんでそんことをしているのか…その答えは簡単だ。

 

相棒(イッセー)!おはよう!今日もいい天気だな!はは、こんなにも天気がいいと叫びたくなるな!ブラジルの人、聞こえますかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』

 

コイツだ…この声の主が全ての原因だ。

 

コイツの名前はドライグーーー赤き龍の帝王(ウェルシュ・ドラゴン)とか呼ばれている奴らしい。コイツ曰く、今はもうそんな二つ名に興味ないと言っていたが。

 

って、聞こえるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!今、一瞬サラッと流しそうになったけど無理だわ!

 

というか、ここ、日本だぞ!?地球の裏側にあるブラジルまで声が届くわけねえだろ!

 

そう心の中で突っ込みを入れていると、俺の制服の上着のポケットからバイブ音が聞こえた。

 

そこに入っていたのはつい最近親に買ってもらった新品のスマホだ。慣れた様子で画面をタッチすると、通知が沢山来ていた。

 

これは…SNSからの通知か。いったい誰からなんだ…そう思いながらSNSのアプリを起動させるとそこには…

 

 

 

ーーー安眠妨害しないでください。

 

ーーーやっと眠れそうだったのに眠気が飛んだ。どうしてくれる!

 

ーーーちくわ大明神。

 

ーーー誰だ今の。

 

…等々、他にもいっぱい通知は来ていたが、通知元を確認するとそれら全てブラジルからだった。

 

はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?さ、さっきのドライグの声、ブラジルの人に届いていたの!?

 

俺が驚愕のあまり閉口していると、ドライグが笑いながら話しかけてきた。

 

『ははははははははははははははははははははは!!!!いいか、相棒!根性・努力・熱血…これら全てが揃えば、不可能はないんだ!』

 

いや、これはそういうレベルの話じゃねえだろ!?大体、日本からブラジルまで声を届けるってどんな荒技だよ!

 

『これこそが熱血を極めし者がなせる技だ!熱いぜぇぇぇぇぇ!!!!』

 

お前が一番暑苦しいわ!!!!

 

だ、駄目だ…朝からもう疲れた…スタミナ全部持っていかれた…はあ、腕立て伏せ一万回とか普通に死ぬぅ…

 

 

 

 

 

だが、この時の俺は知らなかった。

 

これはまだ序章に過ぎないのだと…

 

『続く!!!!』

 

いや、続かねえからな!?

 

 

 


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