「天才科学者と恋の話」 あとがき

 お久しぶりです。
 作者のオルトルートです。

 この度、拙作、「天才科学者と恋の話」が無事に完結いたしました。
 これもひとえに、評価や感想をくださった皆様、拙作を見てくださった皆様、拙作をお気に入り登録してくださった皆様のおかげです。おかげさまで、日刊ランキングでほんの少しの間ですが四位を取ることができました。それもこれも、支えてくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

 さて、あとがき、という事でここで本作についていろいろと語っていきたいと思います。

 まず、この作品が出来たきっかけですが。
 もともとこの作品は「束さんをヒロインにした小説を書こう」と思って始めた作品であります。ただ、このサイトには束さんをヒロインとして扱った良作がたくさんありますので、それらの作品とは違った形で物語を形成したいという思いがありました。なので、拙作の原型となる「ありふれた一般人と束さんが恋に落ちた物語」が出来たわけです。
 さて、では書くか、と思って気づきました。
 「あれ、これって無理ゲーじゃね?」と。
 まず、一般人は束さんに認識してもらう時点で無理ゲー。よしんば認識されても、束さんが恋に落ちるなんてあり得るのか、という点。加えて言えば、もしお付き合いをしたとして、国際指名手配されている人物に恋人がいるなんてわかったら絶対人質にされて死ぬパターンです。
 ヤバイ、これはマズイ。
 そう思って、色々と手を加えていくうちに、「束さんの性格がめちゃくちゃ甘く」「一般人だった奴は幼馴染に」「束さんはそいつに好意を抱いている」という風に変化していきました。そして、ラストシーンと告白のシーンをどのようにするか決めた段階で、「天才科学者と恋の話」が誕生いたしました。なんとか二番煎じにならないように怪文書要素も取り入れてみましたが、ちょっと失敗したかな……? なんて戦々恐々しておりました。

 次に、「優しい世界」についてです。
 拙作の舞台は、(束さんがアレコレと手をまわしたおかげで)束さんとオリ主君に優しいように作られていますが、そうしなければならない理由として、そうしないとオリ主君が死ぬか監禁されるってことがあります。 
 感想への返信でも度々触れていた「束さんと恋愛するだけで鬱エンドフラグが立つ」っていうのはこのことになります。優しい世界ではない、つまり原作尊守の世界の場合
 ・女性有利な風潮を作り出した張本人の恋人
 ・ISも動かせるっぽい
 ・ついでに後ろ盾もない
 とトリプル役満でオリ主君は権力者に拉致られて解剖or束さんとの取引材料に使われるパターンです。そうなると束さんの怒りに触れて世界滅亡エンドか、恋人を失った束さんがすべてに対して無気力になったまま余生を過ごす鬱エンドの二パターンしかエンドがありませんでした。恋愛を描きたいのにこのエンドはないだろ(困惑)という事で、原作尊守の世界は没になりました。
 

 続いて、準ヒロインになっていたちーちゃんこと織斑千冬さんについて。
 実を言うと、この人はもともとはヒロインの予定でした。オリ主くんと束さんがくっつく前に告白して、束さんに負けちゃったけど「そうか……がんばれ」みたいなことをいう予定でした。しかし、ちーちゃんがオリ主君によって変化したイベントが起こせない(束さんの「化け物」関連のやつにあたる)こと、そもそもタイトルに『天才科学者』って書いてあるのにヒロインを二人にするのはどうかということ、などの理由から途中で没になりました。あと、作者の心情的に「負けさせるのに告白させるのはちょっとな……」と抵抗があったことも挙げられます。


 さて、長々と書いてきましたが、最後に今後の作品の予告をしたいと思います。
 ここで一度完結となった『天才科学者と恋の話』ですが、実は色々とパラレル的なお話を考えております。なので、そういった作品が出来た場合、不定期に追加投稿となると思います。
 「天才科学者と恋の話」アナザールート、『世界最強と恋の話』……は、アイデアがまだ浮かばないので、不定期での更新になると思います。
 これとは別に、また新しい物語を書こうと考えております。次の作品は、スタンダードなボーイ・ミーツ・ガールでIS学園でおりむーとオリ主ちゃんが出会うお話です。タイトルは未定ですが、連載でやる予定ですので、こちらの更新がメインになるかと思われます。(怪文書要素は)ないです。


 ここまで読んでいただきありがとうございました。
 皆様のPVの一つ一つ、頂いた感想の一つ一つが執筆の励みになり、「新元号発表までに完結できるかな」なんて思っていた拙作も無事に完結を迎えることになりました。
 最後にもう一度、たくさんの応援、ありがとうございました。


日時:2019年03月04日(月) 19:39

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サマーブック

怪文書なんてとんでもない。
心情がよく分かるいい文章に思えました。

原作もこのような優しい世界なら良かったのに.....

この作品を生み出してくれた作者様に多大なる感謝を。


日時:2019年03月04日(月) 23:46


文字のフォント変えにより気持ちが伝わりやすくされており、束さんの言っている言葉の感情が良く伝わってきて、とてもほっこりしました。
また、後書きに書かれていたどんな事を思っているか、Q&Aでらある程度の疑問の解消まできました。

読むことが楽しい物語でした。
ありがとうございました


日時:2019年03月04日(月) 22:11



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