Fate/sn×銀英伝クロスを考えてみた
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推薦一覧(4件)
ファミリールート・法律&神話方面からの切り込み風味マシマシ、恋愛&武力無双分抜き?
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
家族愛や友情で団結した若人達と、半数がマスターへの情で動いているサーヴァント達の行動に、
書き割りやコマのようではない、あたたかい血の気が通った肉の感触や息づかいを感じてほっこりします。
主にギリシャやケルトの神話・風習に裏打ちされた各サーヴァントの描写や、
法律の面から切り込まれて掻き回される展開の興味深さが、読み応えを一層深めて実に面白いです。
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あと、召喚されたサーヴァントがサーヴァントなので、
苛烈で壮大な白兵戦や魔術戦を期待して読むのはいささかオススメできません。
(とはいっても、渋く手堅くまとまった戦闘シーンもまた愉しめるものでしたが。)
代わりに、戦場の心理学者の舌鋒の前に、理と利と情で、ひと組またひと組と切り崩され、
盟を結んでいくまでの有様も、戦略シミュレーションゲームのようで愉しめました。
▼読む際の注意事項など
――マスターになった少年少女の個人史にとって、
月の聖杯戦争で明らかになった、英雄王の戦闘力の高さは何か関わりがありますか?
――CCCでのギルガメッシュの強さの描写は、そこまで本気を引っ張り出したザビーズすげえ、
そこまでのチートキャラだったギルすげえ、
チート全開ではなかったとはいえギルを打倒した士郎すげえ、
という三者とも下げさせない名采配だったのではないでしょうか。
といった内容のコメントがあったように、ギルガメッシュの圧倒的な強さはお蔵入りしてしまっていて、
そこが歯痒い、期待外れだという感想も多々見受けられますが、そこはご愛嬌という事で……。
なお、第四次聖杯戦争が第五次と同じく2月頃に行われていたという事になっていたり、
間桐鶴野が生存していたりといった独自設定もありますが、
そこら辺は作中におけるセラの独白や、間桐桜が片親しか存在しない養子先に、
10年も居続け「られた」理由に関わっているので、必要な改変だったかと。
……ただ、第五次聖杯戦争までの令呪の総数については純粋な数え間違い、なのかなぁ。
まあこちらも作中の流れに密接に関わっている程ではない瑣事という事で……。
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ふたばや/2015年09月29日(火) 15:07/★ (参考になった:39/ならなかった:15)
作者の力量に唸らされる作品
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
頭のいいキャラクターを描くには、書き手にも相当な力量が必要です。
それも人気の作品をクロスオーバーさせ、一方の超人気キャラクター…それも知力全振りのキャラクターを主役に据える…二次創作として、恐ろしいほどのハードルの高さです。
(30行省略されています)
クロスさせるキャラクターにシェーンコップやリューネブルク、オフレッサーのような武力系を選ぶならともかく、よりによって知力全振りのヤンです。
しかもクロス先は、設定ミスをつつくのが三度の飯より大好き…或いは、展開が自分の解釈に合わないのが許せない…そんな狂信者がうようよいるType Moon作品。
常人にはとても無理。やったところで、ぼっこぼこに叩かれて心を折られ、自然消滅が関の山です。
にも関わらず、高い評価を受けた上で完結させている(Pixivで完結まで投稿されています)というだけで、客観的に見て只者ではありません。
個人的にも予測通り、大いに楽しませて頂きました。
本作の特徴は、ヤンの
・「戦いが嫌い」かつ「子供を戦場に送りたくない」という嗜好
・情報を駆使し自分の有利な土俵を最大限に用意した上で、相手の力を出させない・できれば利用する実力
・舞台が現代日本という情報ソース
これらを深く吟味し、原作とは全く離れた舞台で「ヤン」の凄さを表現し、加えて子供を思いやる大人としての貫録を表現している事です。
もちろんFate側のキャラクターも丁寧に描かれていますので、心配はご無用です。
展開も強引さや不自然さを感じさせず、Fate原作とは全く違う展開をしていきます。
総合すると、他の銀河英雄伝説二次ともFate二次とも違う、この作品ならではの魅力に満ちていると言っていいでしょう。
欠点は、タイトルがちっとも魅力的に感じられない事でしょうか。
このタイトルを見て「読もう」と思う人は、あまりいないのでは。
正直、この推薦文を書こうと思った最大の理由は、タイトルのあんまりさですので。
このあたりは「ふと思いついたFate/zeroのネタ作品」みたいですね。本作とは一切関係ありませんが、そちらもお奨めです…これを読んでいる方は多分、もう読まれているでしょうが。
▼読む際の注意事項など
戦闘の回数は最低限ですので、一戦一戦はかなり丁寧に描かれているものの、そちらを期待する方には物足りないかも知れません。
また、ものすごく捻くれた解釈をすると「Fate原作の矛盾点を叩いている」と取れなくもありませんので、Fate原作を狂信する方には、他のどのFate二次創作にも言える事ですがお勧めできません。
あと、ものすごく些事ですが、ヤンが九条を高く評価している事だけは、ちょっとモヤモヤしました。ヤンらしくもあり、らしくなくもあり。
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酔いどれ狼/2015年02月22日(日) 23:41/★ (参考になった:84/ならなかった:31)
Fateのifルートとしての完成度が非常に高い。銀英伝とのクロスオーバー 注ちょっと改変
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
銀河英雄伝説のもう一人の主人公ポジションである、ヤン・ウェンリーという司令官を凛が引き当ててしまったというところから始まる物語。
この作品、非常に完成度が高い作品である。
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この手のクロス物の場合、触媒に無理があることが多いが、この作品ははるか未来のストーリーであることを利用し、かつエミヤの触媒問題も絡めて運用し、宝石の代わりに未来でヤンが保有していた骨董品を凛が召喚時に持ち込むという、絶妙な流れを作っている。
ヤン・ウェイリーは単独での直接戦闘能力など凛で普通に倒せるほど無きに等しい⁽そもそも司令官が白兵戦をする状況が現代以降では非現実的⁾ため、その知略を駆使して行動するが、その展開が非常に見事。
規格外の頭脳をもつ歴史マニアであるがゆえに、資料/zero状態から聖杯戦争の本来の目的を推察。その後もその立場からくる聖杯戦争の戦略を見事に描き切り、しかもこの手の作品では非常に珍しい「戦争に乗り気じゃない父親的常識人」であるため同盟の頭脳兼保護者ポジションで行動しており、戦略的にも心情的にもチームの柱になっていくも、その考察をあくまで「ヤンが自分の知る知識で推察した」形にとどめているのがポイント。
聖杯戦争の元の形は考察できても、その最終目的までは推察できない。
ほぼ公式重要ポイントな、サーヴァントとのコミュニケーションをある程度ではあるが否定。
必殺技が騎乗物で基本当たり鯖が多いライダーのクラスを、「騎乗物がメインじゃ、戦闘じゃ弱い」サーヴァントだと判断する。
時臣が悔やんでいた「ギルガメッシュを弓兵で呼んでしまった」を、逆に絶賛するような御三家必勝パターンの推測。
などと、原作知識が邪魔になり普通書けない判断を、歴史学者志望の天才戦術家の視点で書かれているのがミソ。最初はついツッコミたくなったが、冷静に考えると非常に完成度が高いと納得します。
▼読む際の注意事項など
一 評価点の裏返し。あくまで聖杯戦争をヤンの知識から考察しているため、Fateの知識だけで見ると違和感があること。そこに対するフォローなども全くないのが難点。この手の作品のお約束にもバッサリツッコミを入れてくるのがキツイ
二 戦闘が少ない。ヤンの方針が「平和な社会で子供に殺し合い、しかもこんな怪しい儀式をさせるなんてナンセンス」なので、戦闘を避けることを第一にしている。英霊バトルが好きな人にはがっかり。
三 一部の登場人物がほぼ書かれない。これは原作のIFルートと考えればむしろ当然ではある。
四 作者が銀河英雄伝説の大ファンなため、無自覚だろうが、他サーヴァントなどが基本手玉に取られ続けること。ごく一部を除くとワンサイドゲームなのが残念。
五 ストーリー的に不都合な設定を無視してることが活動報告で発覚。ファンサイトを見ていれば普通にわかる内容が無視されている。どうも製作傾向としてまずドラマのために設定を使うタイプの二次創作かである模様。
つまり、「ドラマを作るために設定を利用する」タイプであるため、自分のような「設定を利用することでドラマを作る」タイプには抵抗が強い。・・・まあ、それを差し引いてもなお余りある魅力があることこそ、この作品のすばらしさを証明しているのだが。
非常に完成度は高いのだが、熱狂的なFateのファンが読むには覚悟を必要とする作品になっている。またヤンの思想自体も理論的に批判されることがあるそうだが、白詰草氏はヤン側のポジションが大好きなようなのでそのあたりも書かれそうにない。そのため銀河英雄伝説ファンの中にも受け付けない人はでる
のでその辺もご注意を。
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グレン×グレン/2015年09月27日(日) 08:01/★ (参考になった:148/ならなかった:27)
約束された傑作
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
この作品は一度別のサイトで完結したクロス物。その内容はとにかく面白いという一言に尽きる。
絶対に見て損はない、ぜひ見て欲しい。
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▼読む際の注意事項など
銀河英雄伝説というとんでもない長編の小説、アニメを扱っているため予備知識があると更に楽しいが今から調べるのはかなり大変かもしれない。
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サボテンMk.2./2015年01月29日(木) 21:26/★ (参考になった:40/ならなかった:61)