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オリジナル推薦一覧(280件)
ひねくれガールとまっすぐボーイのタイムリープ・ジュブナイル
推薦作品:今周の予定は決まってる? オリジナル:現代/日常
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
完結済み。
物語は、理屈っぽくて少しひねくれた女子高生「和乃」が、同じクラスの男子「真山」に話しかけられ、真山が周期的に、「意識だけが過去に戻されてしまう」タイムリープ現象に巻き込まれていることを知る。
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この作品の特徴として
・ループの発生には劇的な理由が無く、ループから抜け出す方法も「短さに比例した回数だけループすること」以外に存在しない。
・物語が一貫してループ「していない」和乃の主観として語られること。
がある。
ループの間隔が短い場合は、代わり映えのしない時間に閉じ込められ、長い場合は喪われる物がずっと増える。
発生するタイミングは予測はできるものの突然で、決して便利に使えるわけではない、理不尽で特異な状況。
そんな状況でも、当事者である真山はとてもまっすぐ、善良な少年だ。
他の誰も、ループ中の彼の行動を知ることが出来ない中で、誰かを傷つけたり、悪事を働こうとすることはなく。
ループ中での退屈しのぎ、ストレス緩和の意図はあれど、抜け出した時のことを考えて、勉学や運動、社交を精力的に行い、建設的に時間を使うことができる好少年だ。
対して和乃は、聡明さと年頃の少女らしさを併せ持ち、良い方向にも悪い方向にも知恵が働き、そんな自分を強く自覚している。
彼女の知恵の回りは全編にわたって発揮され、特に真山に関する知識が毎回リセットされ、ほぼ初対面の状況にも関わらず、彼の事情をすぐに把握し、理解者として振る舞う序盤の姿は、この作品にぐっと引き込んでくれる。
過去の経験から、ドライで、退廃的で、ひねくれて面倒で、だからこそ可愛らしい内心の部分も、語り部として強く描写される。
そんな対照的と言える性格の彼と彼女が、ループの内と外、非対称的な時間の流れの中。
少しずつ心を通わせて、学び合い、関係が移り変わって行く描写が、魅力的に書き上げられている。
・総括
ループの中で積み上げたものは、真山の意識、記憶、経験以外はすべてリセットされてしまう。
しかし、真山と和乃の関係性は決して一方的なものにはならず、ループ中の和乃の行動、感情も、それを覚えている真山を通して伝えることで。
また、和乃自身が察することで、次の和乃へと反映されていく。
そうして、多くは喪われながらも、確かに積み重なっていく物、喪われてしまうからこそ起きる、二人のコミュニケーションの密さ、真摯さ。
互いに高校生という、自由で、不自由で、開放的で、閉鎖的な立場ゆえのインモラルさ。
ループという要素が、二人の主人公を魅力的に描く舞台として効果的に配置された、素晴らしい青春小説になっている。
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ゆーれすた/2024年04月09日(火) 03:31/☆ (参考になった:3/ならなかった:1)
これぞSF短編
推薦作品:グレイ・クレイヴ・ブレイク・スターズ オリジナル:現代/文芸
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
5,000字あまりの文章のなかに無駄無く纏まった、これぞSF短編というべき作品です
親しみ易いキャラクターと分かりやすい言葉でかかれており、SFは堅苦しい、難しいから苦手というかたにも読んで頂きたく推薦致しました
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物語は、とある大学生が酒の勢いで、怪しげな宇宙人セールスマンから、空に瞬く星を1つ買ってしまう所から始まります。
見所はふたりの繰り広げるユーモラスでキレの良い会話、そしてその会話を余さず回収したオチはとても綺麗です
▼読む際の注意事項など
感想ネタバレに注意下さい
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最低限の仕事/2024年03月31日(日) 10:34/★ (参考になった:17/ならなかった:1)
灰と青春すら凌ぐ最高のWIZ小説だが…
推薦作品:侍は迷宮を歩く オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
序盤はほとんどウィザードリィ関係無いテンプレ作品だが30話辺から暴力的な文章力でゴリゴリと物語に引き込んでくる。
竜人、女王、師匠、アザトースといったボスとの状況が一転二転する見せ場だらけの熱い戦い、設定には既視感こそあれど凄まじい文章力によって生き生きと動き出すキャラクター
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最終章後半からwizwizしはじめるのでそこを是非読んで欲しい。特に最終盤の展開の巧みさは隣り合わせの灰と青春に匹敵する。
分かりやすく文章力の高さを見せつけられるため自分ではこの一言やこのエピソードを入れられるか、こんな言い回しができるか、こんな自然に会話をさせられるかを考えて苦しくなった。
▼読む際の注意事項など
最初の登場人物紹介とモンスター紹介は7割方本筋に絡まないので無視して構わない。
4章入るまでWIZARDRY要素はあってないようなもの。
人によっては4章後半だけ読むのが良いかもしれない。
そうでなくてもエンジンがかかり始めるのが30話くらいからなのでそこから読むのがおすすめ
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ちんこ良い肉/2024年03月31日(日) 10:33/☆ (参考になった:1/ならなかった:3)
弱肉強食の世界を生き抜くスライムちゃん!?
推薦作品:ぽよぽよちゃんは栄えたい オリジナル:ファンタジー/ノンジャンル
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
弱かった故に孤島に逃げたスライム達。
彼等は生き抜く為に、そこで進化を遂げた。
そうして島の物を食べ尽くしちゃって、いつものように漂着物(食べ物)を待っていた時、色々あって1人のスライムちゃんが海に落ちちゃった!
流され流され行き着いた先は人間や魔物がいる大陸だった。
(4行省略されています)
スライムちゃんは弱肉強食の世界でどう生きるのか!?
ハートフルで、ハードフルな作品です。
▼読む際の注意事項など
・スライムちゃんは可愛い子ですが、本質はただのスライムです←重要
・救いはありません←最重要
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SNO・MNM/2024年03月23日(土) 20:47/☆ (参考になった:3/ならなかった:0)
典型的な立身出世ものなのに、嫌味なく読ませてくれ、先が気になる!
推薦作品:バッドランド・サガ オリジナル:ファンタジー/日常
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
オリジナル。主人公のスキルやカリスマmax以外は、よくある立身出世もの。スキルについての掘り込みもさほどなく、RPG感も薄い、古い伝記ものを読まさられている気分にさせられる。しかし葬送のフリーレンのような、という枕詞をつければ今の人でも手に取ってもらえるのではないか。
非ライトノベル的な丁寧な話の進め方は、逆に今からいくらでも世界を広げられる期待や、キャラクターたちのさらなる魅力的な一面を今か今かと楽しみになるもので、好ましい。連載がこのまま続くなら追って損ない作品だと思う。
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▼読む際の注意事項など
いわゆるボーイミーツガールものではない感じなのでイチャラブメインや戦闘メインで見たい人には向かないかも。領地経営や開発パート多め。
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pop181/2024年03月20日(水) 06:53/★ (参考になった:3/ならなかった:2)
”ネタバレ注意” 「物騒な世界だこと」と思うが、とても面白い話。
推薦作品:一般やられ役警官に転生した転生者の憂鬱 オリジナル:現代/コメディ
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
舞台はアメリカンナイズされた現代日本、”万和”日本。毎日ドンパチが繰り広げられる硝煙香る物騒な世界、、、、
そんな世界の日本の治安を守る警官、佐倉 恵(めぐねえ)と警察の愉快な仲間や転生者掲示板の個性豊かなスレ民達を主軸に行われる時々シリアスで、銃撃戦などのドンパチを主とした作品。
勤務初日からジャガーノート銀行強盗に遭遇するなど、まあ物騒な世界。
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そんな世界で起きる事件をドンパチと掲示板のスレ民たちの援護で解決していく。
▼読む際の注意事項など
掲示板方式を採用しており、人によっちゃ読みづらい可能性あり。
男性をヒュッとさせる行動がある。注意されたし
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川野冷/2024年03月31日(日) 00:52/☆ (参考になった:0/ならなかった:1)
勘違いコメディとしての話の作りこみがすごい作品
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推薦作品:全てはあのお方の思し召すままに……と言いまくってたら引くに引けなくなった オリジナル:ファンタジー/コメディ
▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
歯に衣着せずにいうと、”陰の実力者になりたくて!”に似ている作品。
しかし待ってほしい、ただのパクリと思うことなかれ。
ストーリーの構築、主人公の認識、世界観の設定。
一つ一つを取ってみれば、おおよそよくあるタイプのファンタジー作品だが、言語化しずらい独自性による魅力もある。
物語を読んだり書いたりする上で、何にも前例のない、完全オリジナル~、なんて、作る事のなんと難しいことか。
そして『アレに似ている!』と真っ向から否定することの、なんと容易い事か。
しかしながら、勘違いコメディモノとして難しいであろう『勘違いの認識を共有する存在』もしくは『共犯者』とも呼べる相棒を隣に据えるという大胆なプロットを構築。
その上で物語が破綻しないように伏線をちりばめていく様は、行き当たりばったりで次々と問題を一つ一つ解決していく、よくある勘違い系と違い、作者が計画性を持って、必然性のある物語を書いていることの何よりの証左。
一つ一つの話の作りこみに関して言えば、陰実などの、
週刊連載のように次々と面白い話を書かなければ人気になれない”なろう系”というジャンルの作品に比べ、非常に優れていると言えるでしょう。
地の文章に関しては一人称と三人称の切り替えによる、子細な世界観の説明と、主人公自身の思想と認識による体感を基にした、芯のある文章で、読みやすい上で『そうはならんやろ……』と頭から否定しきれない説得力のあるものになっている。
主人公自身も、どこか達観し、人間離れした……悪く言うと人間味の薄い共感性の持ちずらい主人公―――ではなく。
どうにか今世を楽しく生きようと努力している、どこにでも居そうな、ちょっと痛い過去を持つ普通の青年といった感じ。
周囲に美人が多いわりに性欲を持て余したりする事がなく、モテる顔のいいイケメンには当たり強かったりするのはもう主人公補正とか全年齢補正とかで納得するとして、そういう(陰キャ的な)意味でも強く共感できる部分の多いキャラクターになっている。
本作には、勘違い系によくある事として、表の顔用のヒロインと裏の顔用のヒロインがあり、そしてその二つを兼任する相棒キャラクターも存在する。
実妹と相棒と王女様、あと主人公陣営の幹部の少女。
しかし安心してほしい、ハーレムという訳ではなく普通に老騎士とか若い男の部下とかもいる。
多分幹部にも男の幹部とかいるんでしょ知らんけど、多分後の方になって出てくるよ。
癖になるポイントとして、主人公の一々の周囲の人間への呼称や認識がちょっと言い得て妙というか、面白い。
▼読む際の注意事項など
前提として、この作品の主人公は最強である。
腐っていた主人公が旅立ち覚醒して、様々な障害にぶち当たりながら、ご都合主義もクソ喰らえな泥水を啜る程の努力をして、血脂滴る剣と濁った瞳で強者に抗う―――そんな作品が好みなら、ゴーバック!ゲラウェイ!
主人公最強、ご都合主義、身に受けた才能、もはやバグ。
強い事に理由はいらない。
正確にはいるにはいるけど『これをこうこう強くするためにこれをあーしてこーしれアレして、アレの理論をこうしてああして』とか、ファンタジー理論を展開して万倍の長文で説明されて、一瞬で『山羊のべろべろ顔』と『「はぁ?」って言う猫のミーム』になるくらいなら、説明すっ飛ばして
『つまり、強い!才能とか、努力とか、大体そんな感じ!』
みたいにしてもらった方が読みやすいし納得しやすい。
でも、それでもすべてに説明が欲しいって人がいるのなら、やっぱりこの作品は向いてないんだと思うなぁ。
天魔宿儺/2024年03月03日(日) 10:10/★ (参考になった:4/ならなかった:17)
クラシック五冠を追う熱い物語です
推薦作品:俺と邪神のクラシック五冠道 オリジナル:現代/スポーツ
クラシック五冠という夢を追う神様と転生架空馬のお話です。
クラシック五冠とは「桜花賞、皐月賞、優駿牝馬(オークス)、東京優駿(日本ダービー)、菊花賞」のことです。
桜花賞と皐月賞は一週間おきに、オークスと日本ダービーも一週間おきにあります。当然史実でクラシック五冠はいませんしそれどころか桜花賞と皐月賞を制覇した馬すらいません。……オークスと日本ダービーを制してるクリフジという1947年の馬はいるようです(しかも圧勝)史実が既におかしいです。
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そもそも牝馬として生まれなければ挑戦すらできません。尤も挑戦しようと思うことすら悪(馬のためにならないため)です。そんな「夢」に、一般人が転生した馬「カミノライザン」と神様が挑戦します。
競馬が大好きな神様が、夢にチャレンジしたいと思い、たまたまクラシック五冠が見てみたいといった主人公を捕まえて馬に転生させます。クラシック五冠が取れなければ微生物に転生させると脅しを入れてです。
主人公は最初は渋りながらやっていましたが、段々と本気になっていきます。GⅠに挑む様はとても熱くてついのめり込んでしまいました。
ただ調教師や厩務員、新聞社や世間も「クラシック五冠は無理だからやめとけ!」という考え一色です。まあ馬に無理させすぎですよね……脅されて走らされてるとは思わないですし。
そんな考えを神様が扮する馬主の政治力で翻意にさせていきます。神様の性格が非常に独特でよかったです。ずっと神様が出てくる小説は、ストーリーに起伏を作るのが難しく、中々面白くできないイメージがあったんですが、見事に懸念を払拭してくれています。神としての力は一切使わず、調教師をクラシック五冠挑戦に傾けさせていました。
クラシック五冠の夢は成ったのか。ぜひ読んでみてください。非常におすすめです。
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愉悦部出身/2024年02月05日(月) 22:44/☆ (参考になった:4/ならなかった:0)