初めまして。
今回、このコトブキ飛行隊の二次創作小説を全話読破したので感想を贈ります。
結論から言うと、読者である自分にとってとても晴れやかな気持ちになる小説でした。良かったと思うポイントはたくさんあるので、一つ一つ伝えようと思います。
(9行省略されています)
まず、最後まで完走した物語である事が凄いと思いました。
普段、自分はあまり二次創作小説を読まないので……最近はどうなのかは分からないのですが、ずっと昔にニコニコ動画で様々なジャンルの二次創作ストーリー動画を作っていらしている方が居た時代に様々な理由で無数の中断され未完結となった物語を見てきましたので、「まず最後まで完結した物語である」という事に感銘を受けました。最後まで描き通す物語であった事、これはとても凄いです!
そして、全体を通して読むと、私から見れば「これはキリエの物語である」という事も凄いと思いました。ユークのキャラクターが立っていないという事ではなくて「キリエは将来どうなっていくのか?」についてとても真摯に描かれた物語であり、同時にキリエを気遣い共に闘うコトブキ隊のメンバー同士やナオミとの絆が描かれており、作者のコトブキ愛ならびにキリエ愛……「自分はキリエが好きなんだ、だからキリエの主役としてこの話を描く」という気持ちが小説という形を通して表現されていた、と自分は強く感じました。そういった形態で小説を描くという事は自分はあまり想定していたものではなかったのでインパクトがありました。私は公式の人間でもなんでもないので………強く主張できないと同時に大袈裟な表現と受け取られるかも知れませんが「荒野のコトブキ飛行隊の2期、あるいはもっと先があれば、こういった作品になっていた可能性がそこそこあるだろう」という感覚を受けました。それぐらいの感覚を産むぐらい作品の中の世界観が作られた……のめり込んで読んでしまったという言い方が適切になるかも知れません。
戦闘シーンも力を入れて描かれていました。4話以降は筆が乗っていると感じました。2ヶ月間の間にどういった作戦が、パイロット単位ではどういった戦術が展開されていたか?についても、自分はミリタリーについて初心者なので何が正しいのか正しくないのか全く分からないのですが、そういった初心者から見ても読むに難しくなく、同時に本編には登場していない未確認の戦闘機や大量の戦闘機による大空戦やユークが撃墜された時のキリエの人としての反応やイケスカ戦以降成長したキリエの自制やキリエとチカによるコンビネーション等、ロマンを感じるような「燃える」展開が多く、バトルものとしてもしっかり描かれていたと思います。
ラブロマンスとしても、とても良く出来ていたと感じます。自分もキリエがコトブキにて最も好きなキャラクターであり「キリエにもいずれそういった人が出来る時が来るだろう、そうなった時にキリエはどう感じるのか」というのは考えていた事なのですが、ユークとキリエの「お互いを失いたくない。不安定になりつつあるが、それで終わりたいわけではない。絆を深め合う事でそれを乗り越える」という点は凄く良く描かれていたと思います。自分は快人の物語も知っているのですが、ユークも快人と同じぐらいキリエと幸せになって欲しいキャラクターだと最終的に思えました。それと同時に叶わなくなった恋の話も………その切なさも過不足無く描かれていたと思います。
感想としてはとても長い文章となりましたが、これが自分のこの小説に対しての感想になります。ガッツリと楽しませてもらいました。いい小説をありがとうございました!!
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