タイトルペルソナ5 混沌の反逆者小説ID250207
原作ペルソナ5作者結露
あらすじメメントス。

その日、そこに一体の何かが流れ着いた。それは、全身に光るタトゥーを帯びた、上裸の男……少年と言っていい程若く見える。
彼は広いレールの中央で、身体を丸め眠り込んでいる。項から尖る微かに艶やく角と、全身に走る淡青色の発光線だけが、彼がそこにいることを現していた。

周囲は突然現れた異物に対し、仄かに剣呑な空気を漂わせ始めた。通常、この地に人間が存在する事はない。ここに蔓延るのはシャドウという精神生命体のみ。彼等は息を潜め、未だ目覚める気配のない彼を眺め思案する。


あれは何だ。余り美味くは無さそうだが、腹の足しにはなるだろうか?


暗がりから一体のシャドウが抜け出、攻撃体勢に入った。巨躯に似合わぬ身のこなしで足音を殺し、慎重に背後を取る。あと一歩……獲物を目の前にして、蛇の尾を持つ巨犬はその毛を無意識に逆立てた。
しかし、哀れなシャドウは気が付かなかった。同胞たちが自分を残し、いつの間にか姿を消していることに。少年の双眸に、静かに、金色が灯された事に。




微睡みに取り憑かれたまま、蕩けた頭でゆっくりと辺りを見渡す。握り締めた拳の甲には、白い毛がこびりついていた。反射的に奮った拳の的は、この僅かな片を残して消し飛んだらしい。
……直前の記憶が無い。ここはどこだ?

暗い、洞窟か?地面にはレールが走っている。見覚えがないが……何処かの坑道へ迷い込んだのか。
確か…………そうだ、最後の記憶はルシファーに挑んだ所だった筈だ。
俺は勝ったのか、負けたのか……。


「…………思い出せない」


少年の呟きに応える者は誰も居なかった。
彼がこの世界に辿り着いたのは、大いなる意志か、魔王の謀略か?この世界で彼を待ち受けるのは、更なる苦難か、試練か?

……その日、そこで一体の悪魔が目を覚ました。彼が何を掴むか。何を成すか。それはまだ誰も知らない。
タグペルソナ5 真・女神転生III 人修羅 独自解釈あり プレイ済み推奨
必須タグ残酷な描写 クロスオーバー
掲載開始2021年02月13日(土) 03:27話数連載(連載中) 32話UA61,169
最新投稿2024年02月08日(木) 23:52しおり219件お気に入り527件
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