タイトル「俺を忘れろ」と婚約者に言われましたので記憶を消しました――ところで、あなたはどちら様ですか? ~記憶消去スキルで好きも嫌いも選び直します~小説ID420038
原作ファンタジー / 恋愛作者aquali
あらすじ伯爵令嬢カロリーネ、二十三歳。十六の春から七年、侯爵家の嫡男の婚約者として、彼の好みに自分を磨り合わせて生きてきた。
苦手な若草色のドレスも、声を立てない笑い方も、ワルツを断る癖も、全部。

その婚約者が、夜会の満座で言った。
「俺のことなど、忘れろ」

――承知いたしました。

カロリーネは母方に一生へ一度だけ伝わる〈選び忘れ〉――忘れたい人をひとりだけ、心から解いて流す秘伝――を、その夜のうちに使った。
消えたのは彼の名と姿、彼がいた場面の「意味」だけ。
なぜ苦手な色ばかり衣装部屋に並んでいるのか。毎週の観劇で、なぜ一度も笑わなかったのか。七年の暮らしの跡には、理由だけが抜けた、きれいな空白が残った。

翌朝、泣き顔を見物に来た元婚約者へ、彼女は完璧な礼とともに首を傾げる。
「――ところで、あなたはどちら様ですか?」

以来、彼が何度「会えば思い出す」と迫っても、先入観ゼロで向き合った彼女は三分で席を立つ。
そんな中、観劇の幕間に口論ばかりしてきた無愛想な公爵だけが言うのだ。
「昔の君を教える気はない。今の君が選べ」

彼女は過去を復元しない。好きも嫌いも、自分の舌と目で選び直す。
――一年後、元婚約者が同じ夜会・同じ音楽・同じ言葉で過去を再現した夜、彼女は静かに首を傾げるのである。
「初対面の方にしては、ずいぶん馴れ馴れしいですわね」
タグ婚約破棄 女主人公 記憶喪失 じれじれ ラブコメ 身分差 ハッピーエンド
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掲載開始2026年07月21日(火) 00:15話数連載(完結) 30話UA5,166
最新投稿2026年07月28日(火) 00:36しおり14件お気に入り26件
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