ロウきゅーぶで貞操観念とか逆転もの (ワンコ派)
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ぷろろーぐ

作者が最近の貞操逆転ものに触発された。

最近30歳の友人が16歳の嫁をもらった。

数年前から付き合っていたらしい。

ロリコンってなんだろう?

四天王すごいなぁ

から始まりました。完全に見切り発車の殴り書きです。
お目汚しすみません。


自分が前世の記憶を取り戻したのは2歳の頃だった。

特に死んだ時の記憶は無い.

現代日本で普通の男子高校生だったのに、ある日突然小さな子供になっていた。

その奇妙な感覚に戸惑って、肉体に精神が引っ張られているのか不安から号泣してしまった。

そしたら妙な所に力が入ってしまったのか漏らしてしまった。

戸惑いと不安、股間の嫌悪感。

ないまぜになった感情からみっともなくギャン泣きしてしまった。

 

しばらくして落ち着くと、今度は周囲の違和感に戸惑った。

テレビで流れるニュースでは、政府のお偉いさんは大抵女性だった。

前世でもあまり政治に興味はなかったが、さすがに総理大臣が女性、他の国の代表も女性ばかり。

それどころか初の男性首相が誕生した外国のニュースまであればおかしいと思う。

別に性差別をしているつもりはないが、前の時とかなり違う。

西暦を見ても、前の時よりも離れた未来というわけでもない。

 

両親も、母が働いており父は専業主夫。

別にそういう家は前の時も全くないわけではなかったので最初はあまり不思議に思わなかった。

ただ、テレビで流れているドラマを見ていても価値観が違うのがわかった。

共働きの家庭も増えているようだったが、古い価値観とされているのが女は働き男は家事というものとくれば明らかにおかしい。

「お母さんは許しませんよ!」とドラマの中では姑と嫁がバトルを繰り広げていた。

 

この時点で、俺は単なる転生をしたのではなく、ここが前世と価値観があべこべな世界なのだと理解した。しかし、単に逆というだけではないと認識したのは幼稚園にあがった時のこと。

園児の男女比がおよそ1対5。

ほとんど女児ばかりだったのである。

さすがに幼稚園児ではあまり詳しく調べられなかったために詳細がわかったのは小学生になってからだったが、この世界では男子の出生率がかなり低い。

戦後から右肩下がりで、相手のいない女性が独身のままあぶれているようだ。

事態を重く見た政府が一夫多妻制度を設けたらしく、男は最大で5人まで妻を作ることができるらしい。

年々男性の性欲が減退しているらしくあまり成果は芳しくないようだったが。

現にうちの父は一人としか結婚していない。

結婚可能な年齢を男子は16歳まで引き下げたが、未婚の女性が男子高校生に迫ることもあり、痴漢や強姦などに発展して逮捕者が出るという社会問題まで起きた。

そう、この世界の男は性欲が減退しているのに対して女性は異様に性欲過多な人間が多いのである。

単純に前の世界の男よりも頭の中ピンク色なやつが多いみたいだ。

前世では健全な男子高校生だった俺としては、最初はウェルカムな状況だと思っていた。

未だ精通のしていない俺だが、高校生になったら可愛い彼女作ってウハウハだと勝手に妄想していたのだ。

 

それが単純に喜べないことだと理解したのは小学生にあがってからのこと。

唐突に女子にズボンを下ろされてパンツを露出させられた。

 

「キャー‼︎」

 

悲鳴をあげたのは、現場を目撃した別の男の子。

馬鹿笑いしているのは、俺のズボンを下げた女の子。

俺には露出癖はないし、自分から見せるのならともかく脱がされても嬉しくもなんともない。

たんたんと無言でズボンをたくしあげるだけだった。

前世でいうスカートめくりなのだろうが、なるほどこれは楽しくない。

正直すまんかった。前世の同級生よ。

更に、それまでは仲良くやっていた女の子がある日を境に急によそよそしくなったり攻撃的になったりする。

前でいうところの、気になる女子にいじわるする男子の構図なのだろう。

最初のうちは微笑ましかったが、そのいじわるなり悪戯なりが続けばさすがにイライラもする。

ツンデレが可愛いのは二次元に限るのだと気がついた。

もう、なんとなく面倒くさくなった。

3年生になると、電車で初めて痴漢にあった。

珍しく満員電車に乗ったのだが、何かが俺の尻を撫で回して来るのだ。

まぁ何か、などと表現するまでもなく人の手なのだが。

次第に手の動きはエスカレートしてきて、撫でるどころか揉んでくる。

どうせ揉むのなら柔らかい方がいいと思うのだが、こんな肉付きのない小学生男子の尻を揉んで何が楽しいのやら。

そう思うのは俺が 前世でそれなりにスケベな男子高校生の記憶があるからだろうか。

これが美人のお姉さんなら、いっそのこと尻を撫で返してやる。

そう思って背後を振り返った。

 

「はぁはぁはぁはぁ……」

 

「oh……」

 

俺の尻にご執心だったのは、目算50代の化粧の濃いオバさんだった。

満員電車の暑さからか、それとも太っているから汗をかきやすいのか、興奮しているからかはわからないが、汗で化粧が崩れている。

青春時代に恋愛できず、こじらせて持て余した性欲を目の前の小学生についぶつけてしまった新人OLという妄想の中のお姉さんは、所詮は妄想だった。

ボンキュッボンのお姉さんではなく、ボンボンボンのおばさんやないか。

現実は非情である。

それ以来、なんとなく年上は苦手になった。

と同時に前世で痴漢される女性を妄想して自家発電した経験を思い出して妙な罪悪感を覚えた。

痴漢もののAVって業が深かったんだな。

 

勉強はあまり好きではなかったし、同年代の子供と遊んでも楽しくなかった。

男の子は前世の女の子の遊びが主流だったし。

だから俺はちゃんと地域のチームに入ってスポーツをするようになった。

単純に体を動かすのが好きだったし、友達というよりもチームメイトとしてなら男子とも話があって楽しかった。

女子と混ざって遊ぶスポーツだと、遠慮されて本気で楽しめないし。

選んだのはバスケットボール。理由としては背を伸ばしたかったから。

この世界、平均身長が女子より男子の方が低いのだ。

前世の影響か、やっぱり男なら背が高いのにあこがれる。

何より将来彼女ができた時に相手を見上げてキスするよりも、見下ろしながらキスがしたいと思った。

この世界の恋愛漫画なんかじゃ女性主導のキスが多いが、俺としてはキスはこっちが主導権をにぎりたい。

むしろ男が主導権を握る形でドッキングしたい。上でも下でも。

飲み込まれるよりもねじ込みたい。

愛されるよりも愛したい。

始めた当初は不純な体格作りという理由だったが、続けるうちにバスケ自体が楽しくなっていった。

 

練習すればするほど、面白いほどに実力がつく。

さすがにバトル漫画のような動きは無理だが、現実的な範囲ではあるものの着実に身体能力も増していった。

元々男子の人数が少ないから、男子バスケは競技人口自体も前世のように多いわけではなかった。

だからライバルもそこまで多くなく、あっという間に俺は地元の小学生クラブチームのエースになっていた。

中学では公立のせいか、男子バスケ部が最初存在していなかったから、同じ中学でチームメイトだったやつを誘って創部しなければならなかったくらいだ。

そこから俺の、俺たちバスケ部の快進撃が始まった。

あっというまに地区大会優勝。

1年目にしてインターミドル出場し準決勝で敗退、3位決定戦でも負けてしまい4位の結果に終わった。

 

しかし、部員全員が一年生で初出場で4位だ。

ただでさえ、男子競技というのはエロ目的で視聴する女が多いこの世界。

注目されないわけがなく、バスケ雑誌で特集が組まれ、俺たちのインタビュー記事が掲載された雑誌が本屋に並んだ。

日本ひきこもり協会が取材に来て、ドキュメント番組が流された。

全国放送で、俺たちのワキやへそがちらちらしているのが流れた。

地上波に乗って発電エネルギーを供給されたひきこもり女性たちはより一層ひきこもった。

 

モテた。そりゃモテた。

俺たち男子バスケ部はめちゃくちゃモテた。

一番すごい時はラブレターを一週間で5枚ももらった。

そして呼び出された体育館裏でほぼ毎回押し倒されそうになった。

早く筆下ろしがしたいものの、告白の途中でテンションあがって発情して襲いかかってくるとかどういうことなの……

雑誌でも絶賛されたステップで回避した。

めちゃくちゃ回避した。

俺はむしろ襲う側でありたいのだ。

恥ずかしさで悶えている女の子を食べたいのだ。

羞恥心など母親の胎内に忘れてきたかのようなすけべ顏の女子というのはエロ本では随分とお世話になったはずなのだが、現実だとドン引きである。

生まれ変わって今回の人生で女子の趣味なども変化しているのかもしれない。

 

二年生ではついにインターミドル決勝戦にまで登りつめた。

相手チームのエースがかなりのやり手で、本人の技量もさることながら、まるで空から見ているような指揮能力でこちらの動きを阻害してきた。

試合終了後、意気投合しメアドを交換した。

昨年のニュースなどで知名度があがったせいか、俺たち一人一人にファンクラブができていた。

そしてチームメイトの半分が彼女持ちで童貞卒業を終えていた。

まじか……マジかー。

インターミドル後、芸能界にスカウトされた。

歌って踊れるアイドルかと思いきや、グラビアアイドルの勧誘だった。

せめて名刺だけでもというからその場では受け取ったんだけど、もしかしたら可愛いアイドルと恋人になれるかもしれないと後日話を聞きに行った。

 

「こんな初めては嫌だー‼︎」

 

気がつけば窓から逃走していた。

だって仕方ないじゃないか、部屋の出口の扉は鍵をかけられた上にプロデューサーが立ちふさがっているんだから。

その香水臭のどぎつい年増プロデューサーが襲いかかってくるんだから。

こんなくそみたいな枕で初試合をしてまでデビューなんぞしたくない。

書類とか見せて真面目ぶってたの最初だけじゃねぇか!?

妙に飲み物勧めてくるから怪しいと思い口につけなくて正解だった。

あれ絶対何か変なもの入ってる!!

 

三年生になると、身長も170センチを超えた。

この世界の成人男性の平均が155程と考えるとかなり高いことになる。

インターミドルは優勝した。

昨年アドレス交換した水崎先輩が卒業していたため、強豪校がひしめくインターミドルといえど俺たちを止められる学校は存在しなかった。

そして、ついにチームメイトで童貞が俺だけになった。

残りのメンバーも気がついた時にはレイプされていたか、大人し目の子と仲良くなったと思いきや地雷娘で既成事実を作られたとからしい。

悲壮な顔で「避妊だけはできるようにしろよ」とアドバイスをくれた田中は、卒業と同時に責任を取る形で籍を入れるらしい。

年上は苦手、同年代はケダモノと地雷ばかり。

どこかに理想の女の子はいないものか。

そんな時、俺に一つの道を教えてくれたのは水崎先輩だった。

 

《いなければ、育てればいいじゃない by水崎》

 

目からウロコだった。

男を信頼してくれて、適度なエロさで、こちらで主導権を握りつつ思う存分いちゃこらできる存在。

周りにいなければ、理想の女の子になるように育てればいい。

なるほど盲点だった。

同年代なら強く出る女の子も、年上の男相手には敬意を示す。

前世でいうおねショタの関係から育んでいき、その関係を維持したまま成長していく。

完璧じゃないか。

先輩いわく、女の子は性欲が強くなるのが早いから適度に餌を与えつつ、過度な接触は控えてと加減が大事らしい。

罷り間違って義務教育が終わっていない時にやらかそうものなら、同意の上でもおまわりさんにご厄介になるだろう。

だから、興味をもたせつつ最後まではやらないのが大事だと。

「俺の学校に来いよ、教えてやんよ」と先輩はいった。

今年度から高校生の水崎先輩は、学校のバスケ部の顧問の子供と仲良くやっているらしい。

強い自己主張をせず、従順で、先輩の三歩後ろをちょこちょこついてくるらしい。

なんと、前世の大和撫子はここに残っていたのか。

俺は複数ある全国の高校からの誘いを全て蹴り、先輩の通う七芝高校に進学することにした。自転車でいける距離だというのも決めてだった。

 

そして見事合格し、晴れて俺は高校生になった。

入学式が終わると同時、当たり前のようにバスケ部に入部届けを出し、期待しているよと先輩たちに声をかけられた。

よろしくお願いしますねと笑顔で答えていると、顧問の先生となぜかポリスメンがやってきた。

水崎先輩が両腕を掴まれ、ドナドナされていった。

なんでも小学5年生にして妊娠4ヶ月らしい。

 

「……やらかしてんじゃねぇか!?」

 

予定調和のように、七芝高校男子バスケ部は翌日から一年間の部活停止が決定された。

こうして、俺こと長谷川昴の光源氏計画は先輩という名の教科書を失ってしまった。

さーてどうしよう。

 

 

 

 

 

 

 




インターハイをインターミドルに修正しました。


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一話 ロリmyペドアニメーション パンチラあるよね?

サブタイに意味なんてないです。あえて言うなら空耳です。
そしてまだ小学生達は登場してませんすみません。



七芝高校男子バスケット部が活動停止処分になって三日目のことだった。

授業が終われば学校に残ったところですることのない俺は、早々に帰宅して夕飯までの間、日課である自家発電に勤しんでいた。

 

「うっ、くぅ……」

 

生命の神秘がエレクトリカルパレード。

小さきものが生まれると書いて性。

何億という命の輝きが、しかし実ることなく儚く薄紙に包まれて死を迎える。

人生は儚いからこそ気持ちいい。

俺の部屋が栗の花のごとき香りに包まれた。

どうでもいいけど、イカの臭いよりも栗の花という表現の方が詩的でいいと思うのだがどうだろうか?

まぁ栗の花とか実物嗅いだことないけど。

どっちでもいい? あらそう。

俺も別にどっちでもいいよ。

重要なのはそこじゃない。

 

「いよーう昴ーぅ‼︎」

 

「ミホ姉……」

 

問題は、鍵を閉めたはずの扉を意図もたやすく解錠してノックもせずに入ってくるこの合法ロリである。

名前は篁美星、俺の母方の叔母である。

母さんとは姉妹とはいえかなり年が離れていて今年23歳。

むしろ母さんよりも俺のほうが年齢が近い。

よくて中学生、下手したら小学生に見えるほどのちんちくりんで小柄なドラム体型。

ツルペタというと怒るので、浴衣が似合う体型だよねと適当にはぐらかすのが正解だ。

童顔で笑うと八重歯が見えることから、子供にしか見えない。

容姿も10年くらい前からあまり変化ないよなぁ。

性格はかなりはた迷惑な人種である。

勝手に人の部屋の鍵を開けて入ってくることからもお察しだろう。

こんなので小学校教諭なんて職についているが、泥棒家業でもしていればかなり儲かるんじゃないだろうか?

もしするなら俺の与り知らないところで勝手にやって勝手に警察に捕まって欲しいが。

昔から俺の父の第二夫人の座を狙ってよく家に遊びに来ている。

本人は順縁婚は浪漫だとかぬかしているが、父さんにその気はないし、何よりも母さんが許すはずもないので未だに何の進展もないが。

義兄にちょっかいかけては姉にアイアンクローで黙らされるを繰り返しているが、もしかしたらそれも姉妹でのスキンシップ的なサムシングなのかもしれない。

最近はむしろ、父さんより俺へちょっかいをかける方が多い。

現状はご覧のとおりである。

 

「いつもノックくらいしてくれって言ってんじゃん」

 

そしていつもノック以前の問題じゃん。

本来ならもう一発テイクオフしようと思ったのだがそんなわけにもいかないし。

俺のアーボックがアーボに退化してしまったのでいそいそとズボンにしまう。

 

「にゃはは、気にすんねぇ。私とお前の仲だろう?」

 

叔母と甥っ子の仲である。

思春期としては、少なくともオナ○ーのタイミングぐらい気を使う仲だと思う。

まぁ、初めて夢精してガビガビになった甥っ子のパンツを振り回してはしゃぎ回るこの叔母にデリカシーを期待する方がまちがっているのだろうが。

ちなみに、精通は前の世界でいう初潮と同じように家族の間で祝われる。

赤飯ではなくちらし寿司なんだがね。

当然、俺を溺愛している母は怒り狂った。

細い腕のどこにそんな力があるのかは解らないが、ミホ姉をアイアンクローしながら腕一本でもちあげて振り回していた。

それだけ怒られたのに、次の日にはケロッとして普段通りだったミホ姉マジ鋼メンタル。

家ではこんなんなのに、学校では子供たちに理解のあるいい先生で通っているらしいから納得がいかない。

 

「んで、聞いたぞ昴。部長が顧問の娘に手を出して一年休部だって?」

 

「なんだよ耳が早いな。まだ一週間も経ってないぞ」

 

どうせ口の軽い母さん経由なんだろうけど。

 

「バスケ部も大変だなぁ。高校生ならなんとでもなるが、妊娠したの小学生なんだろ?」

 

「らしいね」

 

「私も中学あがる頃には○ックスしたいってばかり考えてたから、その年頃の娘の気持ちもわからんでもないけど」

 

にゃははとミホ姉は笑うと勝手知ったるとばかりに俺のベッドに腰掛ける。

大股開きで座るもんだからパンツがもろに見えているんだが、叔母のが見えても全然嬉しくない。

同級生のパンツが偶然見えた時は、相手が地雷と理解していてもなんだかんだで嬉しいはずなんだが、ミホ姉相手だと全く嬉しくない。

それどころかなんか損した気分になるのは何故だろうか。

これが血の運命か。

 

「昴もハメるのはいいけどゴムは外すなよ?」

 

「へいへい」

 

当たり前だろ。準備大事。

ゴムは自分で持参しないと、女が用意したものは信用できないからな。

かつてのチームメイト田中は罠にはまり、穴を開けられた近藤さんを使用した結果宝くじに当選してしまい、高校進学せずに囲われるはめになったんだから。

この世界では、女子から見た処女の価値というのは前世ほど大事にされていない。

だから平気で襲ってくる処女ビッチは大勢いるし、当然のように妊娠を口実に結婚を迫るのを狙ってくる。

個人差はあるのだろうが、少なくとも俺に群がってくる性欲100%の女子はそのタイプに近いだろう。

そして悲しいことに、容姿に恵まれなかった娘ほど生き残る本能かガンガン来る。

気弱な蝶々である男子は、美人で一見大人しい華に誘われる。

だが高確率でその華は食虫植物のように止まったが最後離してくれない。

そのまま受粉の手伝いをさせられて囚われるはめになる。

どうせ受粉するなら俺も見目麗しい女子にしたい所だが、いかんせん群がってくるのが多すぎてそこまでたどり着けていないのが現状である。

とにかく、避妊は男子にとって死活問題なのである。

 

「そんでさ、昴に頼みたいことがあんだけど……」

 

「何?」

 

「んー、女子バスケのさ、コーチやってくんない?」

 

「……んあえ?」

 

思わず変な声が出てしまった。

普段は何も言わず無理難題をふっかけてくるミホ姉が、今回はちゃんと頼んでくるから何事かと思えば……意味が解らない。

しかも話の流れ的に、水崎先輩が小学生を妊娠させたとかの話から、女子小学生にコーチしろとな?

そこはむしろ忌避するとこじゃないのか。

計画段階のまま目処が立っていない光源氏計画を目論んでいる身としては、ありがたい申し出ではあるのだが。

 

「いやー実はさぁ、何やかんやあって男子バスケの顧問のババァと喧嘩してね」

 

「その喧嘩と俺がコーチすんのに何か関係があるのかよ?」

 

「にゃはは。そいつことある毎に私を目の敵にしてきてさぁ。なんやかんやで女子バスケの顧問になった途端男子バスケ部と試合させろって言ってきたんだよね」

 

なんだそりゃ。巻き込まれたバスケ部達はいい迷惑だな。

基本的に今生の世界では、女子の方が男子よりも身体能力が高いといってもそれはあくまで第二次性徴が本格的に始まる中学からだ。

正直、小学生であるならそこまでの開きはないと見ていいだろう。

 

「私はバスケのルールも碌に知らんし、あの子達に何も教えてあげられないんだよね。

でも売り言葉に買い言葉でさ、負けた方は体育館の利用権利を渡すことになっちゃって……」

 

「……ちなみに喧嘩の理由は?」

 

「んー、たぶん私があのババァが30超えた処女だって馬鹿にしたから根に持ってるのかな?」

 

「アンタが全部悪いんじゃねぇか」

 

鬼畜ぅ‼︎ ミホ姉鬼畜‼︎

30歳まで守り続けたからって魔法使いにはなれないし一角獣がファンタジーの世界に逃避させてくれるわけじゃないんだぞ。

自分だって処女じゃないだけでさして経験多くもないだろうによくもまぁ。

知ってるんだからな、相手がいなくて風俗で卒業したの。

ちなみに、興味本意で調べたことがあるのだが、この世界には風俗嬢はいない。

代わりに男娼がいる店があるのだがくっそ高い。

ただでさえ男が少ないのに、仕事にできるほどの性欲を持っている男はもっと少ない。

需要1000に対して供給1か2といった具合だろうか。

一回平均うん十万する上に予約待ちとか普通にあるらしい。

年収いくらくらいなんだろうか。

物凄い金額なんだろうが、そういう男は大抵借金まみれで身動きできない奴がなるのだ。

なにそれ怖い、超怖い。

 

「何にせよ、決まってしまったもんは仕方ない。負けるとあの子達の大切な居場所がなくなっちまうからさ……負けるわけにはいかないんだよ」

 

しんみりとした表情で何か決意したようなこと言ってますけど全部あーたのせいですからね?

 

「男子バスケはさ、小さいころからの経験者も何人かいて上手い子が多いんだよね。あんたなら中学でインターミドル優勝までしたんだし、あの子達を鍛えてやれるだろ?」

 

「どうだろうな、自分たちで練習するのはともかく人に教えるってのはまた別だし」

 

「別にただとは言わんよ。褒美にほれ、引き受けてくれたらお姉さまを一晩好きにしていいぞ?」

 

「チェンジで」

 

俺は真顔で即答した。

 

「何でだよ! 自分で言うのもなんだがまだまだ若いぞ!」

 

ある程度ロリでもいける口だけど、叔母と鬼畜ロリBBAは対象外です。

 

「むぅ、ならその辺で釣った子でどうだ?」

 

「釣った子てあんた……」

 

また適当なことを。

自慢じゃないがモテる俺なら相手が誰でもよければすぐにでもテイクオフできるんだぞ。

ただ選り好みしてるだけなんだからな?

 

「例えばそうだなぁ、確かこの辺に……」

 

ミホ姉は何かぶつぶつつぶやきながら部屋を出て行くと、物置にしている部屋から釣竿を持ってきた。

確か昔母さんが買ったはいいものの、あまり使いこなせなくて放置していたやつだ。

俺でも忘れていたものを、当たり前かのように場所まで覚えているミホ姉。

この人この家の住人じゃないのになぁ。

 

「そんでもってこれをこうしてっと」

 

「おい」

 

ミホ姉はあろうことか、ゴミ箱をあさると餌の代わりに丸まったティッシュを針にくくりつけた。

何してんのこの阿呆は。

 

「まぁいいから見とけって。よっと」

 

そしてそのまま窓を開けると、家の前の道路へとテイッシュを投擲した。

えー、この人本当に何やってんの?

あれ俺の叔母らしいですよ奥さん、信じられます?

 

「おっ、さっそく釣れた!」

 

「えっ、本気で!?」

 

数秒もしたらすごい勢いで竿に反応が出た。

こんな住宅街でこんなゴミで何が釣れるっていうんだよ。

俺は見ないほうがいいんじゃないかと思いつつ、窓の外を見た。

 

「昴の! 昴の使用済み‼︎」

 

そこでは俺の知り合いである荻山葵が、針からティッシュを強奪しようと躍起になっていた。

えー、あの人本当に何やってんの?

あれ俺の幼馴染らしいですよ奥さん、信じられます?

 

「なぁ昴、報酬にあの子はどうだ?」

 

「チェンジで」

 

俺は真顔で即答した。

 

 

 




ロリっ子の尻を撫で回すのを期待していた人は申し訳ありません。
件の友人が、叔母と同じ年の幼馴染はロリコンとして論外とのことだったので早々にヒロイン枠から退場していただく描写を先に出しました。
友人曰く、幼女が年齢に合わずボインなのに性知識薄かったりするのはギャップ萌えだけど、高校生がボインなのはただのボインでいらないそうです。難しいね。

ミホ姉:鬼畜ロリBBA
葵:小学生時代に初恋の照れから昴に攻撃的な振る舞いをしてしまい、そのまま昴に距離をおかれた幼馴染。恋慕の念と性欲が日に日に増大したが、過去の言動から思うように近づくことができず色々こじらせている処女。
彼女にはこのまま健全にこじらせて喪女の道を進んで欲しいですね
  


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1.5話幕間 ジャンルは?パンチラ

この幕間は短いもので、別に読まなくても本編に支障はまったくありません。
アニメでもあった謎snsによるチャットアプリみたいなものを書いてみただけです。
スマホだとたぶん大丈夫なんですが、pcだと読みづらいかもしれません。


チャット、それはインターネット回線を経由して複数人でリアルタイムに会話するコミュニケーションシステムのことである。

これは、とある電子の海の片隅で謎のアプリを使っていたいけな少女達が姦しく騒いでいる一場面である。

 

 

 

 

システム  :TOMOKAさんが入室しました。

      :女子トイレROOM を現在5人のメンバーが利用中です。

 

TOMOKA  :みんなおまたせー

 

マホ=魔法 :おぉもっかん待ってたよー!

 

ひなた   :おーともかー

 

sakiですが :さっきぶりね。そんな時間すぎてないから大丈夫よ

 

あいりーん :おかえりともかちゃん

 

TOMOKA :お母さんにお手伝いたのまれちゃってちょっと遅くなっちゃった

      :何の話してたの?

 

sakiですが :今度来るコーチの人についてよ

 

ひなた   :お兄ちゃんせんせーについてー

 

マホ=魔法 :やっぱさー、私ら試合までにレベルアップしなきゃじゃん?

      :だからね。コーチにもやる気だしてもらえるように色仕掛けはどうかなって

 

TOMOKA :ええ!?

 

あいりーん :私は普通でもいいと思うんだけど

      ;はずかしいし

 

ひなた   :かんげいしない?

 

あいりーん :違うよひなたちゃん。ただ困っちゃうんじゃないかなって

 

sakiですが :それもそうよね。

      :変に小細工してひかれても嫌だし

 

マホ=魔法 :えー、大丈夫だって。絶対そっちのが面白いって

 

ひなた   :おー

 

TOMOKA  :でも長谷川さんもやっぱり困っちゃうんじゃないかな

 

マホ=魔法 :えー、大丈夫だって。やんばるも大丈夫って言ってたよ?

 

ひなた   :やんばる!

 

マホ=魔法 :高校生なんでしょ? 

      :それぐらいはまわりがへんな女ばっかだから

      : 私らみたいな年下のほうがくいつくはずだって!

 

あいりーん :よくわからないけど

:変ってどんなふうに変なの?

 

マホ=魔法  :さぁ?

 

TOMOKA :知らないんじゃない

 

sakiですが :それはまだ知らなくていいことよ

 

マホ=魔法 :なんだよいい子ちゃんぶってさー

 

sakiですが :いいこですから

      :どうせあんたもクイナさんが言ってたこと真に受けてるだけなんでしょ

 

ひなた   :わからない

 

sakiですが :私たちにはまだ早いことだからわからなくていいのよ

 

マホ=魔法 :なんだよノリ悪いなー

      :いいじゃん。それで少しでも強くしてもらえるんなら

 

ひなた   :わからないけど強くなるならひなたやります

 

マホ=魔法 :おおひなた!

      :そのいきだ!

 

ひなた   :はい

      :あいりもやる?

 

あいりーん :ええ?

      :私はやっぱりはずかしいし

 

マホ=魔法 :男子に勝つんだろー?私は男子相手でもようしゃしないぜ

      :男女平等!

      :それに体育館守るんだろ?

 

TOMOKA :居場所、守りたい。けど

 

マホ=魔法 :やんばるにコーチが全国大会で優勝した人だっておしえたらさ

      : きっとコーチなら私たちをさおしまいにしてくれるって

 

sakiですが :jkl;:

 

あいりーん :さきちゃん?

 

マホ=魔法 :ん? どしたさき?

 

 

《1分後》

 

 

マホ=魔法 :おーいさきー?

:さーきちゃーん?

 

あいりーん :どうしたんだろうね?

 

ひなた   :おー、なにかあった?

 

あいりーん :わからないけど

      :そういえば、そのさおしまいってなんなの?

 

マホ=魔法 :よくわかんないけど、最強の仲間だって

      :やんばるが言ってた

 

ひなた   :おー最強

 

TOMOKA  :なんだろうね?

      :お母さんなら知ってるかな?

 

あいりーん :どうなんだろう

 

TOMOKA :とりあえずお母さんに聞いてみる。

 

システム  :sakiですが さんが退室されました。

      :女子トイレROOM を現在4人のメンバーが利用中です。

 

マホ=魔法 :なんだあいつ?

      :帰ったのか?

 

あいりーん :もしかしたらパソコンの調子が悪いのかもしれないよ

      :明日聞いてみよう

 

TOMOKA  :そうだね

      :さきも出ちゃったし、今日はここまでにしようか

 

マホ=魔法 :そだな

      :また明日学校で話そう

      :おやすみー

 

あいりーん :うん

      :おやすみマホちゃん

 

システム  :マホ=魔法 さんが退室されました。

      :女子トイレROOM を現在3人のメンバーが利用中です。

 

ひなた   :また明日です

      :おやすみなさい

 

あいりーん :うん、おやすみなさい

      :私ももう落ちるね

 

TOMOKA :うん。二人ともまた明日。

 

システム  :ひなた さんが退室されました

      :あいりーん さんが退室されました。

      :女子トイレROOM を現在1名のメンバーが利用中です。

 

TOMOKA :さおしまい

      :

:

:ふj

 

システム  :TOMOKA さんが退室されました

      :女子トイレROOM を現在0名のメンバーが利用中です。

 

 

 

 




これからも話の途中でたまにチャット内容をあげます。
それからロウきゅーぶのアニメを見た友人の感想
マホ:八重歯の後ろを歯ブラシで磨いてやりたい。
サキ:優等生ぶっているからお尻をひっぱたきたい。
ヒナタ:69
アイリ:露出プレイで恥ずかしがり屋を克服させたい
などと供述していました。
なんであいつ捕まったことないのか不思議でしょうがない。

ちなみに、あいつの奥さんの感想
トモカ:映ってないだけで絶対こいつオナ○ーしてる。絶対だ。
とのお墨付きをいただきました。



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2話 解っているよ、非ロリの無力さなんて

最近残業ばかりでろくに書けなかったため、長くすると投稿が遅れに遅れそうだと判断して短くても投稿することにしました。
やっと5人を出せましたが。自己紹介だけで終わった印象。
次からちゃんと練習させます。

しかし、前投稿してからいきなりお気に入りとUAが増えててびっくりしました。
こんな作者のてきとーな作品に評価や感想くださった方ありがとうございます。






私立慧心学園。

近くにある有名な私立学校であり、そこの初等部は俺の叔母であるミホ姉の勤務先でもある。

小学校から大学までエスカレータ式の学校で、金銭的にも裕福な層の子供達が純粋培養で育てられるイメージだ。

外部からの悪意から守ろうという意思が垣間見えるような高い塀に囲まれているせいか、校門前に立つとけっこうな威圧感がある。

これからこの中に入るわけだが、付き添いもいないでいきなり入るとか不審者にみられないだろうか?

 

「……見られないんだよなぁ」

 

現世日本での変質者という言葉で一番に人々が思い描くのが、あどけない少年に挙動不審に声をかける女というイメージがある。

そのため、堂々としていれば犯罪行為をしない限り、男は通報される心配は少ないんだよなぁ。

こちらにはミホ姉に頼まれたコーチという大義名分もあるからおかしいことではないし。

まさかそれを口実に俺の壮大な光源氏計画の対象を物色しにきているとは夢にも思うまい。

指定された体育館は、校舎とは別の建物で校門からでも視認できた。

 

そこまでの道を歩く俺を、制服に身を包んだ幼女たちが遠慮なくじろじろと見てきた。

ごめんな、さすがに低学年では育てるのも時間かかりすぎるから対象外だ。

もう10年したらお兄ちゃんとすけべしような。

頭の中で冗談を言いつつ、口に出したら面白いんだろうなと考える。

前世だったら、綺麗な年上のお姉さんに「大きくなったらいいことしようね」と叶える気もない口約束を適当にされているのと同じなんだろうなぁ。

ちょっとおませな男の子なら、興奮して叶いもしないのにドキドキして夜眠れずに昼間寝て怒られるんだろうな。

ちなみにソースは俺(前世)。

お隣のひふみお姉さんはそれはもうエロかった。幼き頃の俺の憧れだった。

でも結局俺が大人になる前にどっかの男とできて結婚してどっかに引っ越してしまった。

幼い頃は気恥ずかしさでできなかったけど、大きくなってから気付くんだよな。

子供のやることで済むうちに、あの立派なお山に登山挑戦してみるべきだったって。

今世じゃあそれをすると下手したら身の危険があるからなぁ。

 

体育館前まで来ると、気持ちをひきしめる。

何事も第一印象が大事だ。

焦りは禁物。まずは俺が頼りになる優しいお兄さんだと印象づけるんだ。

真剣にバスケを教えつつ、少し警戒心のゆるさも忘れずに。

たしか水崎先輩は、偶然を装って鎖骨や腕を見せるって言ってたっけ。

照れさせて向こうから意識させる。

こちらから相手を意識しているのがばれてはいけない。

気持ちの余裕は常にこちら側に。

ショタが綺麗なお姉さんのちょっとしたチラリズムに恥ずかしがるようなもんか。

できる、いや、やらねばならぬ。

俺の輝かしい将来のために!

 

「失礼します」

 

『おかえりなさいませ、ご主人様』

 

「………………はっ!?」

 

 

国境を抜けると雪国でした。

 

 

正確には、扉を開けるとメイド喫茶でした。

布面積の狭い、コスプレ用に改造されたメイド服を着た少女たちがそこにいた。

股下数センチで屈まずとも動くだけで下着が見えそうなミニスカート。

一言で言えば『これが私のご○○様』といえば前世の紳士ならば理解できるだろう。

どちらかといえば正統派のシックなメイド服を好んでいたのだが、実物を見るとこれはこれでありだな。

 

「えと……君達が女子バスケ部でいいのかな?」

 

俺が脳内HDDに目の前の光景を録画しながらそう問いかけると、一人の少女が一歩前にでて自己紹介してくれた。

 

「け、慧心学園初等部6年、湊智花です!」

 

この子がこのバスケ部のリーダーポジションなのだろうか。

桃色がかった髪をシャギーの入ったショートカットにしていて、片側だけ藍色のリボンで結んでいる。

身長はおそらく140台前半といったところか。

小学校6年生の平均よりもすこしばかり小柄だが、スカートから伸びる足は成長途上ながらも他の子たちよりも筋肉質なことがうかがえる。

きっと揉んで見れば柔らかさの奥に筋肉特有の弾力が秘められているだろう。

胸や尻はまだまだ二次性徴の兆しが見えないが、まだ蕾の段階なので将来性に期待したいところだ。

左目の下に泣きぼくろもあるし、前世ではピンク髮は淫乱というジンクスも存在していたことから、将来は魔性の女に成長する可能性を秘めていると見た。

声もなんだか甘ったるくて可愛いし、何かこういけない言葉を言わせてみたくなるね。

 

「同じく三沢真帆でーす!」

 

次に押しのけるようにして前に出て自己紹介をしてきたのは栗色の髪をした少女だった。

大きな瞳と、八重歯もあってやんちゃなイメージを受ける。

一つ一つの動きが大きくて元気一杯といったところから、このメンバー内のムードメーカー的な存在なのだろう。

前世での勉強よりも騒ぐ方が好きな小学生男子をそのまま女子にしたような印象だ。

ツインテールにした長い髪が動きに合わせてバサバサと振られることから、尻尾を振る犬を彷彿とさせた。

身長は智花よりも若干高いが、胸も尻も将来に期待するしかない。

手足も健康的で実によろしい。

ただ、この世界の他の女子とあまり変わらない雰囲気のため、育て方を間違えると「昔はあんなに可愛かったのに、何故こうも残念な方向に……」とかなりそうだから注意が必要かもしれない。

 

「永塚紗季です」

 

どこかクールな印象を受けるのは、メガネをかけているからだろうか。

次に名乗ってくれた少女は真帆よりも知的なイメージに見えた。

腰ほどまで伸びた、薄く水色がかった髪を三つ編みにしている。

身長は150センチ程で、この世界の小学6年生女子の平均くらいだろう。

前者二人と比べ、ウエストのくびれが若干出てきていることから第二次性徴が二人よりも早いのかもしれない。

ただし、澄んだ良い声をしているのだが何故か将来的には胸は全く成長しないだろうという予感がする。否、これは確信だ。

細身のためか、大胆に露出した首元に見える鎖骨の窪みがいいね。

ジュースを垂らしてぺろぺろしたいと思わせる。

澄ました顔をしているが、この手のタイプはおませでむっつりな場合が多い。

ソースは俺(前世でも今世でも)

前世ではこのぐらいの時はまだエロスに興味があることを前面に出すのが恥ずかしくて、素知らぬふりをしていたものだ。

ただむっつりタイプは、反動で一度ふっきれると助兵衛丸出しになって下ネタとか言いすぎて周りをドン引きさせてしまうこともあるから注意が必要かな。

 

「んん……香椎愛莉です」

 

そして、恥じらいながら挨拶してくれたのは170は確実にある身長を持った女の子だった。

でかい。色々でかい。

小学校6年生にして俺とさほど変わらない。

身長伸ばすよう努力しといてよかった。かろうじて俺の方が少し高い。

発育というのは個人差があるものだし、成長の早い子もいるものだがそれにしても大きい。

成人女性の平均よりも高いのだが、胸部の方も成人女性の平均よりもあきらかに大きい。

食の欧米化が進み、日本人女性の平均カップサイズも徐々に大きくはなってきているが、彼女の乳房はおそらくFと見た。

尻も安産型で、それでいて鍛えているのかウエストは引き締まっている。

茶色の髪をボブカットにしており、眉は太めでかなり童顔だ。

性格は引っ込み思案なのか、おどおどとこちらの様子を見るように上目遣いでいるのだが、両手を前で合わせてもじもじしているせいで谷間がひたすら強調されている。

表情とのギャップが凄い。たまらんね。

顔も声もまだまだ幼いのに、首から下はもう子作りのスタンバイ完了してるこのギャップ。

寄せて上げていない天然物の谷間がI字を描いているよ。

YじゃなくIだ。これ重要。

 

「ひなた、袴田ひなた」

 

とろける。その一言につきる。

最後に自己紹介してくれたのは、5人の中で一番幼い容姿をしている少女だった。

身長も130センチ程で愛莉と並ぶとどう見ても同じ年には見えない。

緩いウェーブのかかった桃色のロングヘアで、ビスクドールのような美少女だ。

少し垂れ気味の瞳と、ゆったりとした口調のせいかかなりのんびりとした印象を受けた。

ミルクキャンディーを耳に投げ入れられたような錯覚を覚えるほど甘い声。

どちらかといえば、元気発剌とした少女が多いこの世界で、前世ですら珍しいほどののんびりとした女の子というのはものすごく貴重である。

きっと同年代の男子には、見るからに大人しそうなこういう子はモテるんだろうなぁ。

スマホゲームで10万以上課金しても出るかどうかのSSRといったところか。

どんな例えだっつの。

しかも何だ、どういうことだ。

身長からしてあきらかに第二次性徴始まっていないように見えて、5人の中で2番目に胸が大きい。

一番目は規格外としても、目で見て一目でわかる程度には膨らんでいる。

あぁ、柔らかいのかどうかを確かめてみたいと思うのは間違っているのだろうか?

 

「せーの……」

 

『よろしくお願いします! ご主人様!』

 

タイミングを合わせて5人が決め台詞を言ってくれるのだが、うむいい眺めである。

これはもうご主人様として奉仕とはなんぞやということを教え込んでやりたいと思うのだが、俺の変態生を表に出すにはまだ早い。

窓の外はまだまだ明るいしね、夜中の放送時間じゃないのだよ。

メイド服の胸元の隙間に手を突っ込んでやりたい衝動にかられつつ、表情に出すことなく爽やかな笑顔を見せておく。

 

「歓迎ありがとう、でもご主人様はやめておこうか?」

 

本来ロリコンの属性を持ち合わせていなかった俺の精神を初見でここまで揺さぶってくるとは。

ミホ姉まじグッジョブ! たまにはいい仕事頼んでくるじゃないか。

 

「俺は長谷川昴、こちらこそ今日からよろしく」

 

今日、この場所から俺の光源氏計画を始めるのだ。

水崎先輩の二の轍は踏まんよ。

……要はばれなければいいんですよね?(踏む気満々)

 

「とりあえず、練習のためにも着替えてこようか?」

 

「えー?」

 

真帆が不満げな声をあげるがすまんね。

さすがにメイド服で練習というのは外聞的にもあれだし。

今日のオカズは体操服の女の子に決めてるもんで。

 




君に決めた!

モッカン:隠れ淫乱のむっつり少女。
    :オナニーは週に12回はしているとの作者の見立て。
    :育て方を間違えるとヤンデレ(依存)になりそう。
    :他の女はダメだけど、仲間は大丈夫なので将来チームメンバーで昴を囲む気満々になる。
    :基本的に今の仲間にも依存してると思うから。
    :なんでか作者の中ではcv花○キャラは何かしらくんかくんかしてるイメージ。

魔法  :エロい単語を面白いと思っている段階のイメージ。
    :面白がって下ネタ言うけどあまり理解はしていないし、エロい場面に遭遇するとテンパる。
    :歯磨きプレイか、お尻叩いて折檻プレイが似合いそう。
    :普段オナニーはしない。
    :この世界では成長すると、普段なイケメンならぬイケマンな性格になりそう(なお夜は)

水色  :むっつり2号。
    :作者の中では勝手に耳が性感帯だと思い込んでいる。
    :実家のお好み焼き家で、客用に置いてある週刊誌のグラビア記事を捨てる前に切り抜いてる。
    :オナニーは週に4回はしている。
    :母親に、綺麗なお兄さんのエロ本の隠し場所がばれている。

ボイン :ブルンバスト。
    :この世界の小学生男子の認識で、巨乳=性欲強いケダモノと思われてちょっと虐められていた。
    :いじめないし、自分のことを子供扱いしてくれる昴に依存する。
    :エロい体してるのに、エロいことに躊躇いがあるとか興奮する。
    :ちなみに作者は愛莉押しです。

桃ロリ :性知識皆無。オナニーもほとんどしない。
    :ただ、エロいことすると体は反応するイメージ。
    :外見も声も全部犯罪な気がする。(どう見ても犯罪)
    :体がエロスに反応して「どうしちゃったの?」と困惑する無知シチュとかどうかな?
    :この世界でも、前の世界でも男子にもててた気がする。


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3話 失いそうなもの(処女) (無い)胸に手繰り寄せた

なんか、今回は書き始めたら早かったんですけど今までの倍くらいの長さになりました。
蛇足になりそうな部分はカットしながら書いてはいるんですけどね。

そして仕事が年末に近づくほどクレーマーが増えて忙しい。
前任者がクレーム大量生産して処理せずに放置して辞めやがったせいで、後任の自分に全て降りかかってきているという。
本当に今の仕事転職したい。

サブタイトルは相変わらず空耳から引用。

練習日を月水金にして、試合が日曜日。
コーチ開始が丁度月曜日という設定に変更しました。
※ご指摘を頂いて紗季の名前を修正しました。誰やねん沙希て。


さて、着替え終わった少女たちが俺の前で一列に並んでいるわけだがどうするか。

互いに挨拶も終わり、それぞれ自己紹介も済んだ。

時間は有限。

体育館を賭けた試合までもう日数も残り少ない。

いつまでも視姦しているだけではいけないので、練習に入ろうと思う。

並列思考は得意だ。

脳内で昴1号をバスケ脳担当に。

昴2号をエロス担当に割り振ってシミュレーションする。

彼女達に割り振られている練習時間は月・水・金。

1日2時間、残り練習日程は3日で単純に考えて6時間。

正直、あまり変化など与えられないだろう。

 

「とりあえず、まずは基礎練習から皆がどれくらいの状況なのかを見せてもらう」

 

体力、瞬発力、判断力。

パス、ドリブル、シュートといった技能面。

全てを均等にレベルアップさせられるのならそれに越したことはないが、それには時間が足りなさすぎる。

ならば、勝つための戦力アップとしては個人の得意な能力を伸ばしつつ、周囲がカバーできる程度に不得意な部分を改善させる。

一人一人の課題を最初からはっきりさせてしまおう。

 

「それでいいと思います」

 

「おおー、なんか本格的じゃん」

 

特に異論はないようなので、その方針で固めよう。

だが練習以前にまずは軽くストレッチだ。

 

「じゃあまずは軽くストレッチで体をほぐすよ。俺が数を数えるから、その後同じように……そうだな、今日のところは智花が数を数えてくれるかな?」

 

「解りました」

 

「それじゃ、まずは肩や背筋なんかを伸ばしてくよ。同じ動きをしてね」

 

背筋をまっすぐ伸ばしたまま、足を肩幅に広げて立つ。

まずは右腕を肩に平行に伸ばしたまま左に、それをL字に曲げた左腕で固定する。

右の二の腕から肩甲骨までの筋肉が伸びていき、じんじんとした刺激を感じる。

等間隔に場所取りした少女たちも、俺の真似をした。

 

「いち、に、さん、し、ごぅ、ろく、しち、はち……」

 

「にぃ、に、さん、し、ごぅ、ろく、しち、はち……」

 

次に反対の腕も同様にする。

こういった練習前の集団での準備体操も経験があるのか、智花も堂々としたものだ。

今度は、右腕を真上に伸ばしたのちに肘を曲げて手の平は首の後ろに。

左手で肘を掴んで、ぐっと左側へと力を引っ張るようにして脇や、そこから連動して脇腹あたりの筋肉が伸びる。

おぉう、でかい。

みんな真面目に準備体操をしているのだが、この姿勢だと胸を前に突き出すような形になる。

右から、真帆、紗季、智花、ひなた、愛莉の順に並んでいるのだが胸の大きさが一目瞭然である。

ちっぱい、絶壁、ちっぱい、ちょっとあるかーらーのボイン。

これが胸囲の格差社会か。

というかこの娘たち、ブラつけてんのかな。

右3人はつける必要すらないだろうけど(超失礼)、ひなたちゃんはつけていてもいいと思うんだ。

だけどね、体操服の上着ってね、白いんだよね。

他の子より凹凸があるせいか、生地の下から薄くピンク色が透けて見えているような気がするんだけどね。

お兄さんガン見しちゃいますよそりゃ。

前世では小学校高学年くらいになると体育の着替えとかも男女別々だったし、もうつけてるもんだという認識があったけど、この世界だとそうでもないのか?

いやでも、発育に関するものでもあるから、早熟ならつけるはずなんだけどな。

愛莉はちゃんとつけてる。

いや、もうつけないと将来型崩れするし、周囲の大人がつけさせるだろうねあれだけ大きければ。

でもなー、そのブラの形がうっすらとわかるんだよなー。

 

「にぃ、に、さん、し、ごぅ、ろく、しち、はち……」

 

反対の腕も同様に終わると、次は足を延ばす運動だ。

足を閉じて立ったまま、地面に触れるように上半身を前に倒す。

体の柔らかさに自信のある俺としては、手のひらをぴたりと床につくことができる。

智花とひなたちゃんはかなり体が柔らかいのだろう。

俺と同じく見事に手のひらを床につけて見せた。

真帆は指先がつくだけの柔軟性がある。

紗季は少し固めかな、指があと少しまできているが届かない。

愛莉は硬いのかなかなか床に届かないようだ。

まぁ、足と胸の間に障害物があるからね、仕方ないね。

状態を起こす際、右三人のがまだブラをつけていないのが確認できた。

襟元の隙間から見えてしまったわけだけど何が見えたのかは秘密にしよう。

 

 

 

準備運動を最後まで描写していては先に進まないので、次の練習に移ろうと思う。

ちゃんと柔軟しましたよ? ほんとほんと。

もう少ししたら二人組での柔軟体操も取り入れようかな。

5人だし一人余るよねとかゲスいこと考えてないよ? ほんとほんと。

俺エロいことしか考えてないもん。

ゲスいことなんてそんなまさか、ねぇ?

余った一人の補助をしながらまさゲフンゲフン……風邪ひいたな。

 

「まずはドリブルを見てみようかな」

 

とりあえず、その場でドリブルをさせてみた。

5人それぞれがボールを持って、一斉にドリブルを開始する。

 

「これぐらい余裕だぜー!」

 

「……」

 

真帆は騒がしくしているが、動かない限り全く問題なくボールを操っている。

小学生にしてはなかなか上手い。

もともとの運動神経がいいんだな。

ただ、隣でいいところを見せようとしているのか、こちらをチラ見しながらすごいスピードでドリブルしている智花のせいで普通に見える。

俺と目が合うと、頬を少し紅くしながらボールを股くぐらせたりしながら右へ左へと無駄に動かしてアピールしている。

今は普通に見せてくれるだけでいいんだけどな。

とりあえず意味もなく頷きながら微笑んでみた。

智花の操るボールが床を叩くテンポが速くなった。

 

「よっ、と」

 

紗季は無難に無理のないスピードでドリブルをしている。

まだつたなさはあるものの、体の芯はしっかりとしているため軸がぶれていない。

 

「おー?」

 

「わわ、わ……」

 

この二人はまるっきり初心者だな。

ひなたちゃんは手の力が一定でないからか、何回かドリブルするとボールが手元まで弾んでこないことがある。

愛莉は一応ドリブルできているものの、まっすぐボールが弾んでいないため、手の位置を一定に保てていない。

おそらく走り出すとドリブルが無理になるだろう。

 

「はいそこまで! じゃあ次はドリブルしながら動いてみようか」

 

『はい‼︎』

 

元気のいい返事が返ってきた。

体育館の中を横切るように1往復。

5人一斉にスタートするが、結果は想像通り。

智花が圧倒的な速さでゴール。

それでも皆の様子を振り返って確認しながらだったので、あれで本気ではないはず。

続いて真帆と、それに少し遅れて紗季。

走りながらだとまだムラがあるため智花よりもけっこう遅くなってしまったが、こればかりは経験がものをいうものだから仕方ない。

愛莉は自分の動きにボールが付いてくるというよりも、ボールの弾む方に自分が振り回されている。

なんだか犬に引っ張られて体制を崩している散歩中の飼い主のようだ。

ひなたちゃんは走るというよりも歩いている。

ボールが弾むのに合わせて自分の頭もつられて上下に動いている。

なにあれかわいい。

 

「よし、ドリブルの課題は解った。智花は問題なし。真帆と紗季も反復練習すれば問題ないだろう」

 

「はい」

 

「よっしゃー!」

 

「ありがとうございます」

 

「三人はしばらく、ドリブルしながら動けるようにさっきの練習をしようか。智花には悪いけど、二人の練習を見てあげてくれるかな?」

 

そう言って、智花の肩に手を置いた。

さりげないボディタッチ。

やはりブラの肩紐がない。

 

「は、はい! 頑張りまひゅ!」

 

「頼んだよ」

 

真っ赤になって噛んだ智花が真帆と紗季にいじられている。

実に楽しそうなので結構なことだ。

三人はあれでいいとして、問題は残りの二人である。

 

「さて、愛莉とひなたちゃんはドリブルが苦手そうだから今のうちにやり方を覚えようか」

 

「おー、よろしくお願いしますおにいちゃん」

 

「上手くできなくてごめんなさい」

 

ひなたちゃんはずっと楽しそうににこにことしているが、愛莉は上手くできないことがつらいのかうつむいてしまっている。

 

「大丈夫大丈夫、二人ともバスケ始めたばかりだろ? 最初は誰だって上手くできないものだよ」

 

「長谷川さんもそうだったんですか?」

 

「そうそう、最初は格好悪いもんだったよ。こればかりは体がこつを覚えるしかないしね」

 

前世ではそうだったよ。

今世ではそもそも前の経験があったから最初からそれなりだったけど。

 

「ボールってさ、こうやって真下に落とすとまっすぐ上に跳ねるだろ?」

 

俺は二人の前で、両手で挟むように持っていたボールを手放した。

重力に従って落下したボールは、上へと跳ね上がる。

ただ、落としただけなので手元までは戻ってはこなかった。

 

「今、手元まで戻ってこなかったのは力が籠っていなかったからだ。これを力を入れて落とすと……」

 

今度は床に力をこめて落とした。

床に当たって、運動エネルギーが反射したボールは手元まで跳ね返ってきた。

 

「ここまではなんとなく解るかな?」

 

「はい」

 

「わかります」

 

頷く二人を見て正直ほっとする。

これでわからないと言われたらどうしようと思った。

 

「後は単純。愛莉はドリブルするときにボールを真下に落としていないんだよ。ひなたちゃんは手元に戻ってくるだけの力が込められていないときがあるんだね。どれくらい力をいれればいいかを覚えればすぐだよ」

 

「おー、算数みたい」

 

「そうだね、スポーツっていうのは体を動かしながら算数や理科をしているようなもんだから」

 

実際に二人にドリブルを再びさせてみると、解説しただけでかなり改善した。

愛莉はまだたどたどしいが、ボールが変な方向にいくことが無くなってきた。

ひなたちゃんはスピードこそのんびりしたものの、安定したドリブルができている。

 

「二人ともさっきより全然できてるじゃないか。すごいすごい」

 

「えへへ、そうかな」

 

「おー、ひなたできました」

 

さすがに小学生に床に対しての入射角やベクトルの話をしても難しいだろうけど、これくらいなら解るよな。

あとは反復練習あるのみ。

智花達の方を見れば、スポ根漫画のキャラになりきったかのような真帆と智花に、少し体力的についていけなくて息切れをおこしている紗季がいた。

紗季は三人の中では体力面に難ありか。

智花は一人特出して上手いせいか、テンションあがるとワンマンプレイになりそう。

真帆は楽しそうで何より、てか経験者でもないのにこいつ凄いな。

愛莉とひなたちゃんも三人の横で走らせてみたが、ドリブルしながらもなんとか動けるようになっていた。

それでもこのままでは試合になるほどではないけれど。

10分もかからずにここまで上達するのだから、まるでスポンジが水を吸うような学習能力である。

運動しているせいか、肌に汗をかいて体操服が張り付いている。

先ほどよりもうっすらと透けている。

スパッツもぴったりと肌のラインを浮き上がらせている。

……紗季、いい尻してんなぁ。

 

「うん、これでドリブルの問題はそんなでもないかな。水を入れたら次はパスに移ろうか」

 

ずっと動き回っていた三人は特に水分補給が必要だろう。

んくんくと喉を鳴らしてスポーツドリンクを飲む少女達の喉の動きをチラ見しながら、着たままだったブレザーを脱いでネクタイを外す。

5人しかいないので、二人組を組むのならば俺も誰かの相手をしなくてはならない。

パス練習くらいだったらたいしたことないけど、体動かすのにブレザーって窮屈で嫌なんだよな。

ふと気がつくと、智花と紗季が俺がネクタイを外そうとしているのを凝視していた、

ははーん興味あるのね?

年上のお兄さんの首元に興味があるのね?

 

「ふぅ……」

 

俺はわざとシャツのボタンを上から二つあけて、そこから空気を入れるように襟元をぱたぱたとしてみる。

何か二人でキャーキャー言って騒いでいるのを、ひなたちゃんが不思議そうな顔をして眺めていた。

袖をまくりながら、俺はその光景を内心にやついて見ていた。

 

「まずは見本を見せようか、智花、相手頼めるかい?」

 

「はい!」

 

凄い気合いの入った返事を返してくれる智花。

そんなに力まなくてもいいんだけど。

初心者である4人に見えるように解説する。

 

「バスケでは相手へまっすぐ早くパスすることが重要だ。床をバウンドさせたりと応用もあるけど、まずは基本から。脇は締めすぎないで、両手で三角を作る。ボールをこの指と腕を使って相手に向けて発射するんだ。智花」

 

智花が俺のわかりやすく作った手の三角形に向けてボールをよこしてくる。

危なげなくキャッチしてみせる。

 

「キャッチするときは指を突き指しないようにね。相手に対してのこの手の形はここにボールくださいって意思表示だから」

 

チームでアイコンタクト取れるぐらいの意思疎通ができるまでは、基本この姿勢を徹底させたほうがいい。

 

「おお、まっすぐ飛んだ!」

 

「ちゃんとできる」

 

「おー、ひなたにもできたー」

 

「わ、私も……」

 

実際にやらせてみると、最初ひなたちゃんと愛莉は相手まで届かなかったが、先ほどのドリブルのように力の強弱と向きを教えてあげればすぐにできるようになった。

ただ、ここまでは男子バスケに経験者がいるという話からも向こうはできて当然なんだろうからな。

どの程度の経験者かは解らないが、それがもし俺が小学生のころの地域の倶楽部チーム程度の能力だったら難しいかもしれない。

いや、智花が一人いるだけでそれなりな勝負はできるかな。

天才っているもんだなぁ。

まぁかくいう俺も世間的には天才の一人らしいですが。

 

 

 

シュート姿勢の確認の時にそれは起こった。

俺が一人一人にシュートを打たせながらボディタッチをしつつ、修正すべき点を指導していた時のこと。

 

真帆……ではない。

力まかせのシュートを、腕の位置を修正させるために腕を触ったのだがなんか恥ずかしそうにしていた。

騒がしいわりに初心だよな。

 

紗季……ではない。

もう少し膝を曲げて、体全体でバネのようなシュートを出して欲しかったために仕方なく太ももに触れたのだが、その時耳元に息がかかってしまった。

そしたら腰のあたりがびくびくとしていたから耳が性感帯なのかな?

試合に勝ったらご褒美に耳掃除してやろう。

 

ひなたちゃん……でもない。

姿勢を修正しようとした時に、他のメンバーとは違いブルマを穿いているひなたちゃんの尻を偶然にも左手の甲がなでそうになった時、ひなたちゃんの方から「なんだかお兄ちゃんいい匂いがします」と言ってシュートそっちのけで俺の首元をくんくん嗅いできたのには度肝抜かれそうになった。

むしろ君の方が砂糖菓子みたいな甘い匂いするんですが。

 

愛莉……でもなかった。

ひなたちゃんまでの流れを見ていたせいか、自分の順番が回ってきた時には顔が真っ赤で今にも泣き出しそうだった愛莉。

嫌われているわけではなさそうで、男に慣れてなさすぎて初心なようだった。

ちょっと今までの流れでいきなりタッチを連発しすぎたので自重して頭撫でてほめるだけに留めた。

俺にナデポの能力が備わっていたらいいのだが。

今までの女の子は撫でるとポッを通り越してルパンダイブしてきたからなぁ。

 

問題は智花である。

経験者のくせにシュートだけ下手、というわけでは勿論ない。

小学生のくせに軽々とワンハンドシュートを華麗に決めて見せたのだ。

かがんだ瞬間、全身の力が足に集約された。

無駄な力が入っていない体は、足の力が解き放たれると軽々と飛び跳ねる。

全身の筋肉をたどり、その運動エネルギーを余すことなくボールへと伝える。

右手の力強い発射に対し、左手は添えるだけ。

ボールといっても色々あるだろうが、バスケットボールというのは数多の球技の中でも直径の大きなものを扱う。

よく弾むように空気の入れられたそれは、小学生が簡単にワンハンドでシュートを打てるものではない。

かくいう俺も、あのシュートができるようになったのは中学1年生の時だ。

小6の4月の段階で、平均身長よりも小柄な智花が打つのは本来かなり難しい。

一瞬を見逃すまいと気がつけばZONEに入っている俺がいた。

ゆっくりとスローモーションで智花が着地するのが見える。

重力に従って床に降りる肉体に反し、未だ衣服は動きに合わせて上へと登っていた。

そのため、捲れ上がる智花の上着。

健康的な少女の腹部が露出し、あわや胸部も全て見えるかと思われた。

しかし下乳までで丘の頂上は顔を出さずに服が元に戻っていく。

遅れて、パサッというゴールにバウンドすることなくボールが入った軽やかな音。

正直見惚れた。

シュートを終えてこちらを振り返る智花。

 

「ど、どうでしたか長谷川さ……きゃ⁉︎」

 

「もう一度見せてくれ!」

 

気がつけば残像を残して智花に詰め寄っていた。

残像に話しかけていた智花は、いきなり目の前に俺が現れて驚いていた。

おっとテンションあがって我を忘れてしまったな失敗失敗。

だがそれも無理もないだろう。

こんな所に文句なしのこんな天才がいたのだから。

 

「あ、あの……?」

 

「凄い、凄いよ智花! 君になら俺の持てる全てを伝授できる!」

 

目指すは年内中に長谷川流ステップの奥義である分身ステップ習得だな。

こりゃあやる気が出てきたぜ。

 

 




ここの昴は半分人間をやめています。
現在の分身ステップでは最大4人に増えて見える。
バスケの他に、いろいろなものから逃げてるうちに壁を使っての三次元起動も習得済み。

後半からだれてきて早足な感じ。
早く先にいきたいねん。


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3.5話

また、今回はチャット内容の投稿です。
内容短い上に本編としては読まなくてもなんら問題ないものとなっております。
台本形式的なものは苦手というかたは無理に読まないほうがいいと思います。


サブタイトルは空耳の続き

お気に入りが900件に到達しました。
ありがとうございます!


チャット、それはインターネット回線を経由して複数人でリアルタイムに会話するコミュニケーションシステムのことである。

これは、とある電子の海の片隅で謎のアプリを使っていたいけな少女達が姦しく騒いでいる一場面である。

 

 

 

 

マホ=魔法:いやー、それにしてもスバルンすごかったな。

 

TOMOKA :格好良かったよね

 

ひなた :おー、お兄ちゃんかっこうよかった

 

マホ=魔法 :なんか今から明日がたのしみだな!

 

sakiですが :しっかりした人だったわね。

 

マホ=魔法 :イケメン相手だとよりやる気でるよな

 

あいりーん:もう、真帆ちゃんたら

 

ひなた :お兄ちゃんいいにおいだった

 

sakiですが:そうそれ!

     :なんかいい匂いした! 制汗剤かな?

 

TOMOKA :あれはシトラス系の制汗剤の匂いだよ。

     :きっと私たちに会う前にスプレーしてきてくれたんだよ

 

あいりーん:やっぱり男の人だからみだしなみに気をつかうんだね

 

マホ=魔法:高校生ってすごい大人って感じする

 

ひなた :おっきい

 

あいりーん:うん。私より大きい男の人初めて見た

 

sakiですが:手なんかも凄い大きかったわよね

 

TOMOKA :うん、指とかもごつごつしてて凄く……その……

 

sakiですが:色っぽかった?

 

マホ=魔法:濡れたのか?

 

ひなた :ぬれた ?

     :ともかおもらししたの?

 

TOMOKA :ち、違うよ!?

 

あいりーん:もうみんな。ともかちゃんが困ってるよ

 

sakiですが:濡れるってのは冗談にしてもさ

     :ドキドキしちゃうわよね

 

マホ=魔法:スバルンもろお前の好みだもんな

     :紗季のエロ本って年上のお兄さんもの多いもんな

 

sakiですが:ちょっと!! なんであんたが知ってるのよ!

 

あいりーん:さ、さきちゃん……

 

ひなた :おー? エッチな本?

     :さきはお兄ちゃんとエッチなことしたいですか?

 

あいりーん:ひなたちゃん何言ってるの!?

 

ひなた :んん

 

あいりーん:だめだよ、まだそういうのは私たちには早いよ

 

マホ=魔法:でもさでもさ、練習の時にスバルンの手に触っただろ?

     :私でもドキドキしたもんな

 

sakiですが:愛莉はどうだったの?

 

あいりーん:私はその、そういうのは解らないけど

     :頭なでなでしてもらったの久しぶりで嬉しかった。

 

TOMOKA:……みんないいな。私なんて肩に手を置かれただけなのに

 

マホ=魔法:なんだよ、もっかんだってほめてもらってたじゃん

 

ひなた :おー、ともかバスケ上手い。

     :たくさんほめられてた。

 

sakiですが:まぁ、初心者の方が手がかかるのは普通だしね

 

マホ=魔法:もっかんはスバルンに触って欲しいの?

     :もっかんはエロいなー

 

ひなた :ひなたもお兄ちゃんと仲良しになりたいです。

    :ともかもお兄ちゃんとなかよくなりたいの?

 

TOMOKA:うん

    :即ハボ

 

マホ =魔法:え

 

sakiですが:ともか……

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃の昴というか、俺なんだが。

夕飯を食べ終えて部屋でくつろいでいたら、今日会った少女たちが俺について話している気がした。

うーむ、これはきっと俺の隠しているポケットモンスターが何かを推理しているに違いない。

タマタマかジャングルもじゃもじゃなナッシーか。

ビリリダマやマルマインは、爆発したら怖いな。

カメックスでハイドロポンプをお見舞いしてやりたいなんて、そんな下品なことは考えてないそ。

えっ、違う?……え?

ごめん、俺赤と緑しかやったことないから。

 

「風呂の時間まではまだしばらくあるな」

 

ミホ姉はさきほど帰ったばかりだし邪魔は入らないだろう。

腹ごなしに脳内ポケモンバトルでもするかな。

今日の対戦相手はそうだなぁ。

紗季、君に決めた!

スパッツの触り心地と、ハリのある臀部の形状を思い出してイメージトレーニングを開始した。

 

 

 

 




作者は自分はロリコンじゃないと思っていましたが、この作品を書き始めて初めてロウキューブのキャラで愛莉以外でゲフンゲフンしたので、今回は昴のイメトレ相手は紗季にしておきました。
結論、二次ならいける


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4話 やらしい言葉 するりと法をかすめて

試合まで三日というのを、試合まで一週間で体育館を使用できるのが月水金ということに変更しました。
そしてここからオリジナルで好き勝手やってます。
もしかしたら原作には合間の描写あるかもですが作者はアニメしか見ていないため、原作の設定との差異は御都合主義で流してください。

サブタイトルは相変わらず空耳なので意味はなし。


初めてコーチ役をしてみた次の日。

女子バスケが体育館で練習できるのは月・水・金のみ。

火曜日である今日は、体育館が使えないので各自の自主練習ということになっている。

だから放課後は空いているのだがどうしたものかな。

昨日の晩も、彼女達にどうやって教えるのかを考えて気がつけば日が昇りそうな時間帯になっていた。

コーチと生徒が一心同体になってくんずほぐれつなんて、さすがにまぁ一週間でそこまでの信頼関係は無理だろうから、さすがに妄想に過ぎるだろうけど。

 

「ふぁ……」

 

おかげで睡眠時間は2時間くらいしかない。

うーん、腰は下半身に溜まっているもの出すだけだしたから軽いんだけど、肩がこっているのか倦怠感が否めない。

端的に言うと眠い。

体調不良とか言って一限目保健室で寝ようかなぁ。

正直、バスケ部目的で入学した学校だっただけに休部中は本当にしたいこともやりたいこともなく、勉強にやる気がおきるわけがない。

そもそもスポーツ推薦で入っており、テストに関しては赤点さえ取らなければ文句を言われないのだ。

学校に到着し、駐輪所に自転車を停めに行く。

自転車を降りた所で視線を感じた。

 

「あぁ、いいなぁ……自転車のサドルになりたい」

 

柱の陰から顔を出してこちらを凝視している危なそうな女がいた。

正確には俺ではなく、俺が今しがたまで座っていた自転車のサドルを凝視していた。

前の世界の価値観で言えば、美少女が運転する自転車のサドルになって尻で顔面むにむにされたいということだろうか。

解らないわけではないけど、かなりMっ気の強い願望だよな。

実際前の男子高校生なら、 三分の一くらいの割合で考えたことあるやついると思うし別にいいんだけど、口に出したら完全に危ないやつだな。

サドル外して教室に持って行った方がいいんだろうか?

でも面倒くさいな。

盗まれたりしないように祈っておくか。

無くなっていたらその時はそれはそれで仕方ない。

 

 

 

 

一年生の教室がある3階に向かうため、現在階段を上っているのだが、前を行く生徒のパンツが丸見えである。

前は自然を装って女子高生の背後を陣取り、なに食わぬ顔をしながら一瞬見えるパンチらに心躍らせたものだが、こうも丸見えだと嬉しくない。

いや、素直に嬉しいとも言えるんだけど何だろう。

ありがたみが凄い薄いというか。

以前は鞄で隠している女子高生を見ては「見られたくないならそんな短いの穿いてるんじゃないよ」と思っていたが、恥じらいが無さすぎてまるで水着を見ているような感覚がするのだ。

嬉しいし、布面積も変わらないけどエロさは半減とでも言おうか。

俺の結論としては、触れないパンツよりも触れるスパッツの方がいい。

おっといかん。

昨日の紗季のスパッツのすべすべとした肌触りを思い出したせいか、夜更かしのせいで寝坊していた一部が朝を主張しそうになっている。

煩悩退散煩悩退散。

こんな時は幼馴染の出番である。

脳内に再生される荻山葵の行動。

ティッシュ欲しさにダバダバと暴れ、一本釣りされる光景を思い出すとほら。

玩具を買ってもらう前の子供のようにそわそわしていた息子が、喫茶店でコーヒーを飲みながらくつろぐジェントルマンに劇的ビフォーアフター。

ふぅ、助かったぜ葵。

俺たちずっと友達でいような!

心の中限定で。

 

「はぁはぁ」

 

3メートルくらい背後から、俺の尻を凝視して荒い息を吐いている乙女にズッ友であることを心に宣言する俺なのであった。

 

 

 

 

 

 

教室に鞄を置いた後、仮眠を取ろうかと思っていたのだが保健室を覗いてみてやめた。

朝っぱらから女同士で盛っている保険医と女子生徒がいたからである。

さすがにあの空間に入っていくのは無理ですわ。

仕方なく諦めて普通に授業を受ける。

教師の言葉を聞き流しながら、ぼんやりと黒板を見ている……ように見せかけて前の席の女子のうなじを凝視している。

うなじっていうのは自分では見えないから、案外無駄毛処理ができていない場合がある。

別に産毛のない綺麗なうなじも好きだ。

逆に、短い産毛がうっすらと生えているのも趣がある。

前の席の女子は後者だった。

あの肌に舌を這わせて、産毛を逆立てさせてみたいと思ったことってない?

女子をこうやって盗みみることにはあまり罪悪感を抱かなくなった。

何故なら、俺の後ろの席の女子も俺の後頭部を凝視しているからだ。

お互い様だね。

これが夏なら、女子のブラ透けが嬉しい季節だけど女の子から見たら男の背中にも何か思うことあるんだろうか。

 

「−−−であるからして……」

 

教師の退屈な声をBGMに、放課後のことを考える。

自主練習といっても昨日の反復練習ならば場所は限られてくるだろう。

ドリブルやパスならともかく、シュートに関してはやはりバスケットゴールは欲しいところだ。

彼女達はどこで練習するのだろうか。

普通に考えて学校だろうが、体育館は男子バスケ部の順番で今日は使えない。

校庭にでもゴールがあればそこでできるが昨日確認するのを忘れていた。

場所さえわかっていれば一緒にみてあげることができるんだけどな。

 

 

 

 

 

昼休み。

父さんが作ってくれた弁当をつつきながら、携帯に届いたメールを確認していた。

えっ? 誰かと一緒に食べないのかって?

最初は俺も誰かと食べようかと思っていたさ。

ただ、この近隣ではかなり有名人になっちゃってるんだよね。

最初の数日間は結構なアプローチがあったけど、入学から2週間も経過するとかなり落ち着いている。

なんだか女子が互いに牽制しあっているらしい。

ファンクラブの会員達が規則を作ったとかなんとか聞いたけれどどうなのだろう。

積極的な女子は減って少し楽になった気もするが、逆にこじらせた女子も周囲に増えてきているような気もする。

朝のサドル少女しかり、幼馴染しかり。

いつか自宅のベッド下に全裸の少女が潜んでいる事案とか起きないだろうな。

美少女で命の危険がないならありかな。

おっと話が脱線していた。

メールの内容はミホ姉からだった。

今日の女子バスケ部は、真帆の家で練習するらしい。

俺の家の庭にも家庭用のバスケットゴールが一つある。

バスケを始めた俺に、親バカな母さんがプレゼントしてくれたものだ。

おそらく同じようなものがあるのかと思いきや、真帆の両親はうちの母さんよりも親バカらしい、

なんと娘のために家の敷地内にバスケットコートを作ったというのだ。

コート作れるとかどんだけぇ。

えっ、真帆の家ってもしかして物凄い金持ちなの?

ミホ姉に返信で聞いてみると、まさかのあの三沢財閥のお嬢様らしい。

凄い、全然金持ちのようには見えなかったのに、

むしろ金持ちの私立学園に通う彼女達の中では真帆が一番庶民に近いとすら思っていたのに逆かよ。

三沢財閥とは、戦後の財閥解体の流れからも生き残った日本の大財閥である。

デパートや自動車メーカー、航空産業に造船業、医薬品メーカーと多岐に渡る商売を行っていて会長は高額納税者ランキングで毎年3位以内に入っている。

真帆がその会長のお孫さん?

……玉の輿狙ってみる?

あぁでも下手こいた時が怖いな。

怖すぎる。

しかもその家に俺がミホ姉経由でお呼ばれしているのですが。

既に先方には俺を連れていくと伝えていて放課後迎えに来るらしい。

あまりのことに吐血した。

あっ違うこれ血違うケチャップだ。

ハンバーグについていたケチャプだ。

 

 

 

 

 

放課後、校門の前に一台の黒のクラウンが停車していた。

その車からスーツ姿の女性が一人降りてくる。

 

「君が長谷川昴君?」

 

「はぁ、そうです」

 

この人が三沢家の迎えの人だろうか?

ミホ姉が一緒に来ると言っていたけれど、どうやら一緒ではないらしい。

 

「私こういうものですが……」

 

「芸能プロダクションの方ですか」

 

別口じゃねぇか!

過去の苦い思い出が脳裏にフラッシュバックする。

やめろぉ! 俺には熟しすぎた果実を理解するにはまだ早すぎるだろ!

せめてアラサーにしてぇ‼︎

脳内の昴2号がトラウマで発狂しているが、表情筋担当の1号は冷静である。

 

「君、芸能界興味ない?」

 

「ありません」

 

俺は真顔で即答した。

 

「そんなあっさり……」

 

悩むそぶりも見せずに断られたのはさすがに予想外だったのか、少し困った顔をしているスカウトさんらしき人。

でもこっちも今日は予定があるから話だけでもというわけにもいかない。

どうするべきかと思っていると、一台の車が俺たちの横に止まった。

それは黒のロールス・ロイスだった。

 

「……はっ⁉︎ えっ、ロールス・ロイス⁉︎」

 

なんでこんな高級外車がこんなところに! 

とか驚いてみたが理由なんて一つしかありませんねそうですね。

理由なんて考えるまでもないけど、一度とりあえず驚いてみる。

様式美って大事だよね。

そもそもミホ姉が自慢げに外車で迎えに行くぜってメールに書いてたし。

 

「律儀に驚いていただいてありがとうございます」

 

「いえいえどうもどうも」

 

運転席から出てきたのは、昨日見たなんちゃってメイド服ではなく正統派な英国式のメイド服に身を包んだ女性だった。

長いワンレングスヘアに柔らかい顔立ちをした美人さんだ。

化粧はあまり濃くないのか、よく見ないと化粧しているとはわからないナチュラルメイク。

見た感じ20代後半と思うのだが、ナチュラルメイクもあってもっと若くも見える。

ご立派な二つの果実をお持ちではあるもののそれは年齢の推測には使えない。

愛莉という極端な前例があるからな。

 

「えっ? えぇ……」

 

いきなりの高級車とメイドさんの登場に狼狽するスカウトさん。

 

「よう昴」

 

「えぇ……」

 

そして後部座席から出てきたちんちくりんな叔母の姿に狼狽する俺。

英国王家御用達なイメージのある市民には縁のない高級車から出てきたのは、所々ボロくなって生地が傷んでいる赤いジャージに身をつつんだミホ姉だった。

あーあーポテチ食ってるよこの人。

ちょっとこぼしすぎじゃないですかね。

車内にこぼしたり、ましてやその脂ぎった指で革張りのソファをべたべたと触りまくってんじゃないだろうな。

や、やめろおおおおお! 車のボディで指を拭くなあああ‼︎

ああ傷一つなかった黒のボディに汚れがぁ!

 

「長谷川様、お気になさらす。どうせ後で清掃いたしますので」

 

「いいんですかこれ、えっ、本当に?」

 

「んだよ昴。小さいこと気にしすぎだぞ」

 

「いや、小さくねぇよ。むしろ大きいよ高額だよ」

 

「身長とチン長ばっかり大きくなって、肝っ玉が小さいままなんだよねぇ」

 

「あらあらまぁまぁ」

 

なにこのながれ。

なんで俺が逆にディスられてんの?

 

「長谷川様の自転車は後ほど別の者がご自宅までお送りさせていただきますので、安心してこちらにお乗りください」

 

九井奈聖と名乗ったメイドさんはミホ姉の愚行を全く気にかけた様子はない。

本当にいいのだろうか。

あとで清掃費用とか請求きたりしないよね?

請求するなら俺は関係ないので全てミホ姉にお願いします。

既に少女たちは三沢家に向かっているらしいので、俺も早く向かうとしよう。

 

「じゃあそういうことで」

 

「んじゃねー」

 

「そういうわけですので、本日は長谷川昴様は当家のお客人です。御用はまた別の日にお願いいたします」

 

三者三様にスカウトのお姉さんに別れを告げて車に乗り込む。

お姉さんと、帰宅途中の生徒たちはポカンとした顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 




スカウトレディはもう出てくる予定はありません。
こんな作品に高評価くださっている方、感想くださっている方、本当にありがとうございます。

作者は、件の友人にこの作品がばれてしまいました。
あいつ本物の嫁がいるくせに、16歳の嫁さんにロリコン物書いてることばらされたくなければ智花で18禁書けとふざけ半分で脅してきやがりました。
むしゃくしゃしたので、その友人の嫁にこれを書いていること、友人のエロの隠しフォルダの情報を道連れに暴露してやりました。
そしたらその友人嫁が、智花じゃなくていいから紗季か真帆で18禁書きなよって言ってきました。
君16歳でしょ?しかもエロフォルダは既に発見済みとのこと。
どういうことなの……


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5話 寄せる署相談(被害届) タバコを湯につめた

みなさんあけましておめでとうございます。
新年もよろしくお願いします。


なんやかんやで到着しました三沢邸。

でかい、超でかい。

えっ何? テーマパークか何か?ってくらいでかい。

近隣にこんな大きな家があるなんて知らなかった。

立地的には、俺の家の最寄駅から二つ分駅が離れている場所らしい。

この辺っててっきり国有地の森が広がっているとばかり思っていたのだが。

 

「いやいや、一家族住むだけなのにこんな大きさいらないんじゃあ」

 

「そうかもしれませんね。新人のメイドは誰かと一緒でなければ迷いますから」

 

久井奈さんが言うには、敷地面積は東京ドーム4個分に相当するらしい。

だいたい本邸がドーム一つ分で、庭含めてその他が3個分とのこと。

よく使われる表現だけど東京ドーム行ったことないからあまりピンとこない。

正面玄関から、建物まで数十メートルあるんですが。

あの大学かなんかの校舎くらいあるばかでかいのが家らしい。

規模が大きすぎる。

てっきりあの中に案内されるのかと思いきや、本邸をスルーして裏庭の方に案内される。

途中自家用のプールもあり、当然あるだろうとは思っていたけど、アメリカのセレブ特集とかであるような家庭用プールじゃなくて普通に25mプールだったのに驚いた。

ほかにも庭師の人用の倉庫とか言われたのが普通に俺の家と同じくらいある。

普通に一軒家と変わらんぞ。

 

「住む世界が違うよなぁ」

 

「そう緊張されなくても大丈夫ですよ」

 

「そうそう、金あろうがなかろうが真帆は真帆だよ」

 

余裕ぶってるミホ姉がなんかむかつく。

言っていることは正論だし良いことなんだけどな。

 

「それにもし長谷川様が真帆お嬢様とご結婚された場合は、この家が長谷川様の家にもなるわけですし」

 

「おっ、昴玉の輿狙ってみるか? 上手くいったら旨い物食わせてくれよー?」

 

「えぇ……」

 

いや冗談でそんなこと考えたこともあったけどさ。

さすがにこの規模は尻込みするわ。

でもまぁ、あの5人は特に真帆の実家が金持ちだからと特別視している様子はなかったし、コーチの俺がそれを気にするわけにもいかないか。

でもなぁ。真帆の場合変にすれてない分躾に成功したというのだろうか?

むしろ財閥のお嬢様としては失敗のような気も。

いやいかんいかん。考えちゃダメだ。

 

 

 

しばらく歩くと、新設されたというバスケットコートについた。

おお、ちゃんと公式に合わせた大きさだ。

屋外なので雨の時はできないだろうが、それ以外の時なら十分すぎるほどの練習施設だろう。

周囲をフェンスで囲んであり、ボールが遠くへ飛んでいかないように配慮されている。

運動中水分不足にならないよう、水道とウォーターサーバーまで備え付けられている。

そこでは、すでに5人が揃って昨日教えた反復練習を行っていた。

 

「あっ、すばるーん!」

 

真帆が俺に気がついて、元気にこちらに手を振ってくる。

昨日の2時間足らずでえらく懐いてくれたもんだな。

現実を目の前にしても、やはり真帆がこの家の子だというのが想像しにくい。

どう見ても言動は、前世のわんぱくな男子小学生とあまり変わらないもんなぁ。

むしろひなたちゃんの方が浮世離れしていてしっくりくる。

 

「おー、お兄ちゃん」

 

件のひなたちゃんも真帆と同じく俺に手をふってくる。

他の三人は練習の手を止めて嬉しそうに笑っていた。

 

「お待たせ。ちゃんと練習してるみたいだな」

 

「はい。既に準備運動も終えました」

 

「おっ、えらいえらい」

 

本音としては残念。

せっかく柔軟でいろいろしようと思ってたのに。

胸元のチラリズムも見逃したか。

褒めてくださいといわんばかりに主張する智花を、とりあえず言葉ではあるが労っておく。

あぁでも、今日は久井奈さんという監視がいるからな。

あまり積極的なボディタッチなどは封印しておくべきだろうか。

 

「練習してどれくらい?」

 

「まだ15分くらいしかたってません」

 

「そうか、じゃあ俺も準備してくるから。その間にみんなは水分補給しておくように」

 

『はい!』

 

元気な返事が聞けたので、とりあえず併設されているベンチに荷物を置きに行く。

ついでにブレザーを脱いでネクタイも外しておこう。

今日は基礎練習を確認した後、動き方を見ていこう。

 

「ん?」

 

そこで俺は、久井奈さんがハンディカメラで俺のことを撮影していることに気がついた。

 

「あの……何か?」

 

「あぁ資料用の撮影ですのでお気になさらず。自然体でお願いします」

 

え、資料用って何?

なんで撮影する必要あんの?

まずいな、下手にパイタッチ映像でもカメラに収められた日には言い訳がきかなくなる。

今日は真面目モードでいくぞ!

脳内のマルチタスク思考を司る昴1号〜3号も、どことなく作画がリアルたっちになった気がする。

いや所詮イメージだけどね。

 

 

 

 

 

 

練習の最初に、昨日教えた基本動作の確認をした。

ドリブル、パス、シュート。

みんな飲み込みが早くて、明らかに昨日よりも上達している。

不純な動機で始めたコーチではあるが、目に見えて成果が発揮されていれば嬉しいに決まっている。

全く、小学生は最高だぜ。

 

「それじゃあ今日は3対2に分かれてオフェンスとディフェンスの練習にしよう」

 

「はい」

 

「わかりました」

 

智花と紗季はすぐに返事をしたが、残り三人は思案顔。

 

「ねぇねぇすばるん。おふぇんすって何?」

 

あぁそこからですか。

最近の小学生って英語も授業に含まれているんじゃなかったっけ?

それともオフェンスって使わないのかな。

 

「攻撃のことだよ。逆にディフェンスが防御」

 

「おーわかった」

 

「成る程なー」

 

「オフェンスが3人でディフェンスが二人。バスケっていうのはいかに相手を抜いてシュートするかを競うスポーツだからね。今回は上手く人数の優位性を利用してシュートできるか見るよ」

 

「わかりました」

 

メンバーはその都度入れ替えて行う。

じゃあ最初のチーム分けは、智花と紗季と真帆のチームとひなたちゃんと愛莉チームにしようか。

 

「あっ、愛莉」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「君は身長がみんなより高いから、ディフェンスの時は……愛莉?」

 

ゴール前でシュートコースを潰す役割について話そうとした時のことだった。

それまで普通に会話していた愛莉がうつむき、急にぺたりと地面に座り込んでしまった。

 

「愛莉?……どうしたんだ?」

 

呼びかけると顔をあげてくれたが、先ほどまでの明るい顔が一変。

ぼろぼろと大粒の涙を流して泣きじゃくっている。

 

「うわあああああああん! やっぱり私大きいんだああ! デカ女なんだああ!」

 

大声で泣きだす愛莉に、みんなが駆け寄ってくる。

 

「おー、あいり泣かないで」

 

「大丈夫だって、あいりーんは4月生まれなんだから。すばるんそれ知らなかっただけだって」

 

「愛莉は早熟なだけなのよ?」

 

ひなたちゃんと真帆と智花が慰めている。

4月生まれって、え、何?

紗季が俺の隣に来てこっそりと教えてくれた。

 

「愛莉は背の高いことを気にしているんです。長谷川さん、申し訳ないんですけど愛莉に4月生まれだって知らなかったんだって言ってもらえますか?」

 

「えぇ、そんなことで納得するのか?」

 

「一応今までも同じようなことがなんどかありましたけど、いつもこれでなんとか思い込ませてますから」

 

たかが数ヶ月早く生まれたくらいではここまで発育の差はでないけどな。

完全に個人差ってやつだろ。

でも仕方ないのか。

小学生中学年くらいから中学生まで、男子の中の価値観には性的なものは忌避する傾向がある。

恋愛話とかは好きなくせに、自分たちの性欲が薄いからかそういったものに反感を覚えるやつが多い。

だから俺はチームメイトとは仲良くなれても、その他の男子とは仲良くなれなかったわけだけど。

 

「愛莉は以前、ちょっといじめられてたんだ」

 

ミホ姉が補足説明をしてくれた。

肉体の発育と性的欲求は必ずしも比例しない。

愛莉は早熟ではあるものの、子供趣味でまだまだ興味もないのだろう。

だが、周囲はそう見ない。

成長が早くて背が大きい=エロいやつという図式がなりたち、男子たちや妬む女子たちから心無い言葉をなげかけられていたらしい。

でもミホ姉、そういう情報は事前に欲しいんだけどな。

禁句があるなら最初から教えておいてくれよ。

今度他の子にも似たような事情の背景とかないかミホ姉から聞き出しておこう。

とりあえず今は愛莉を泣きやませなくちゃな。

 

「愛莉、ごめんな知らなくて」

 

「ひっく、グス……いえ、こちらこそ」

 

片膝をついて、座り込む愛莉に目線を合わせる。

友達に慰めてもらってか、涙は止まっているようだ。

 

「でもな、そんなに気にすることないんじゃないか」

 

「えっ?」

 

ほら、と彼女の手を引いて立ち上がらせる。

二人正面から向き合って経てば、しゃがんでいた時は同じ高さだった目線が、今では俺の方が見下ろす高さになった。

……ほんと数センチの違いだろうけど。

 

「ほらな、大きいっていっても俺よりも小さいじゃないか」

 

「あっ……」

 

頭をぽんぽんと軽く叩いてやれば、そのことに気がついたのか可愛らしく目を見開いた。

正直、小学6年だから驚くというだけで、170ある女の子ってだけなら普通にいるんだよな。

前の世界での成人男性が平均170くらいあったように、成人女性の平均は165。

そこまで極端に高いわけではない。

今生では、スポーツや格闘技の世界には、どこの世紀末覇者ですかと言いたくなるような2メートル近い女性も多いのだ。

気にするほどのものでもない。

むしろスタイルがいいんだから胸張っていればいいのだ。

軽く正面から抱きしめて、子供をあやすように背中をぽんぽんと叩いてやる。

 

「俺からしたら、愛莉は魅力的な女の子でしかないよ。他のやつがいうことなんて気にしないでいい」

 

「あぅう」

 

うひょー、おっぱいやわらけー。

俺の胸板で愛莉の年齢にそぐわない豊満な胸がつぶれてその柔らかさが伝わって来る。

真面目なシーンだからね、不可抗力不可抗力。

こんな時でも表情に出さない俺は、将来俳優も向いているかもしれない。

あっ、でも好みじゃない女優との濡れ場シーンとかやらされたら嫌なのでやめとこう。

 

「おおー! すばるんがあいりーんに愛の告白を!!」

 

「は、は、長谷川さん。わ、わたしどうしたらいい? キャーー‼︎」

 

背後で真帆と紗季がなにやら騒いでいる。

どうやら女子たちにはまるで告白しているようにでも見えたらしい。

実際、腕の中の愛莉は真っ赤になっている。

おぅおぅ耳まで真っ赤になって可愛いやつめ。

もっと意識してもええんやで?

うん?……確信犯ですが何か?

 

「うぅううぅうううぅうううぅううぅうううぅうう…………」

 

ちらりと智花を見れば、形容しがたい表情で唸っていた。

小学6年生がしていい顔ではないな、うん。

どこかの世界線ではメインヒロイン張ってそうな容姿の娘がしていい形相ではない。

妬みに嫉みといった暗い感情と、友達が喜んでいて嬉しいといった明るい感情が攪拌されてよく分からない状況なのだろう。

昨日の練習では一人上手かったせいで、智花にはあまりスキンシップしなかったからだろうか。

しかし初対面の男がスキンシップしなかっただけでここまで何かをこじらせたようになるかね?

 

「おー、ひなもお兄ちゃんに抱っこしてもらいたい」

 

ひなたちゃんは平常運転ですね。

今日は久井奈さんの目があるからまた今度な。

具体的には体育館倉庫とかで抱っこしてやってもげふんげふん。

ちょっとやりすぎたかなーとか思ってもいるわけで、ええ。

もうばっちりね、久井奈さんね、カメラでこっち撮影しているもんでね。

カメラからは死角になっているから俺の表情は見られていないのが救いかな。

ポーカーフェイスには自信があるけど、メイドさんには見破られるかもしれないしね。

 

 

 

 

その後、テンションの収まったころに練習を再開した。

適正を見るに、真帆と沙希をオフェンスにして、ひなたちゃんと愛莉はディフェンス。

智花には状況に合わせて動けるチームの司令塔になってもらうのが一番いいだろう。

スタミナに優れる真帆には、攻めつつ相手を撹乱する役目を。

紗季はスタミナで真帆に負けるものの、身体能力的にはあまり変わらない。

シュートの精度は高いので、積極的にシュートを狙ってもらう。

愛莉はリーチの長さを生かして壁役に徹底してもらおう。

意外だったのはひなたちゃんがかなりパスが上手くなってきたことか。

スピードというよりも、相手の隙間を縫うコースを見つけるのが早い。

あと余談ではあるが、ミホ姉に愛莉にスポーツブラを用意させるように頼んでおいた。

一緒に下着売り場にいっても良かったんだけど、それは愛莉が恥ずかしがったからやめておいた。

 

 




原作でメインヒロインの智花、現時点で空気の模様。
なお、まだ本編に書いてないネタバレとして、智花は昴に会う前からテレビで昴のことを知っているファンであり、周囲に合わせて知らないふりしていただけでファンクラブ会員だったりする裏設定があります。
だから羨ましがったり妬んだりとするんですね。
完璧ストーカーに変貌するファンみたいですね。

18禁書いたものの、件の友人はログインユーザーじゃないので読めないということが判明。
書くとは言ったけどお前に読ますとは言ってない(ゲス顔)
フォルダについては同じパソコンでしかもロック誕生日にしているのが悪い。


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5.5話

今回は本編に登場させる気のないオリキャラが出てきます。
これ以降特に出番はありません。
読まなくても本編にはなんら影響はない完全な蛇足です。
昴がみんなといちゃこら練習している裏側で動き出した闇の場面です。
子供達は知らなくてもいい大人たちの陰謀とかありそう。
むしろそれくらいないとどうあがいても途中で昴逮捕エンドしか思い付かない。


深夜の三沢邸。

子供の真帆やその父親、祖父母が寝静まった夜中の1時過ぎ。

邸宅の一室に未だに灯りがついている。

当主の書斎である。

そこには3人の女性が集まっていた。

 

「では、報告してもらおうか」

 

デスクチェアーに座り、両腕を組んでいるは三沢萌衣。

三沢 家現当主であり、三沢財閥の会長であり、世界的なファッションデザイナーとしても活躍する有名な女傑であり、この三沢真帆の母親である。

細身で長身、長髪を後ろで結んでいる。

遺伝的要素を考えるのであれば、真帆の一部の成長はあまり芳しくないだろう。

 

「はい、まず初めに長谷川昴様の履歴から説明させていただきます」

 

銀のフレームのメガネをかけた、理知的な印象を受けるメイドが応える。

彼女は三沢家の侍従隊における序列2位、情報関係を担当する矢作静。

三沢財閥の仕事ではなく、三沢家のプライベートにおける情報処理を担当している。

彼女が手元のパソコンを操作すると、書斎の白い壁にプロジェクターの映像が投影された。

そこに映し出されたのは、この作品の主人公である長谷川昴の制服姿。

右側に、簡易なプロフィールが表示される。

 

「長谷川昴、現在は私立七芝高等学校の一年生です。

 誕生日は10月11日。

血液型はA型。

 入学当初の身体測定の結果では身長176センチ、体重57キロ。

 成績、人柄共に優等生として教師の受けはいいようです。

 真帆様の担任である篁美星様の甥にあたります。

 小学生頃に地元のバスケットのジュニアチームに入団。

 頭角を現し、5年生の時点ですでにエースとしてチームの柱に。

 中学校は地元の公立に入学。

 その学校には男子バスケットボール部が存在しなかったようです。

 メンバーを募り創部。

 驚異的なプレーで初出場にしてインターミドルで4位という成績を残しています」

 

「すごいわね」

 

「えぇ、かなりのスター性を持った選手だったようです。

 こちらの話題については萌衣様もテレビでご覧になられたことがあるかと。

 バスケットボールを取り扱う雑誌に特集。

 世間に注目され、数々のテレビから取材されているみたいですね。

 同時期に非公式ながらファンクラブも有志で作られたそうです。

 アイドルにはおよばないものの、全国レベルで会員が存在。

 真帆様のご学友である湊智花様も会員であると調査結果が出ています」

 

「あら、もっかん様も会員だったのですね」

 

そこで発言したのは、三沢真帆のお世話係を担当している久井奈聖。

今回、真帆のバスケコーチとなった昴の内容のために報告会に呼ばれたのだ。

 

「そうね。湊智花様は当時小学3年生。

 おそらくは お母様が代わりに申請されたようですね。

 会員数458人の中でシリアルナンバー008をお持ちのようです」

 

「ふむ、状況によっては智花ちゃんが一番の障害になるかもしれないのね?」

 

「いえ、真帆様はご学友との絆を大切にしていらっしゃいます。排除よりもこちらに引き込んでの囲い込みが良いかと」

 

「そうね……正妻は真帆なのは譲らないけど。いっそ5人全員で彼と婚約させればいいかもしれないわね」

 

そう、ここは三沢真帆の許嫁をどうするかを話し合っているのだ。

日本有数の巨大財閥の令嬢である真帆には、世界各国から婚約の話が舞い込んでくる。

昔ならばいざ知らず、まだ小学生の真帆には早いと考えた萌衣はその全てを保留にして本人にはシャットアウトしていた。

これもひとえに、娘にはのびのびと子供時代を過ごしてほしいと思う親心。

のびのびとさせすぎなのは否めないが。

そんなのびのびとさせていて、異性の影も形もなかった娘から昨日初めて男の名前が出た。

なんでもバスケ部のコーチとして担任が連れてきたとか。

それだけならなんとも思わないが、妙に娘が気に入ったのか、食事中の話題もその男の話題ばかり。

親として気にならないわけがない。

名前をネットで検索すれば、ごろごろと出てくる。

これは普通の一般人ではないのは明らか。

優秀で見込みのある少年であれば、三沢家の将来の婿として候補にいれてもいい。

真帆が気に入っているのであれば、例え経営学も知らない素人でも立派な後継者に育て上げる自信が萌衣にはあった。

 

「報告を続けます。

 中学2年生に上がってからは、インターミドルで決勝戦まで進みました。

 三年生ではついに優勝。

 途中、芸能プロダクションに勧誘されているようですが断ったようですね」

 

「あら、どこの会社かしら。うちの系列だったりするの?」

 

「いえ、黄土プロダクションのようですね。

 目撃者の証言によれば、長谷川様はそこの社長に面接時に犯されそうになり上手くお逃げになられたようですね」

 

「そう……これだけの美少年だものね。わかるわ」

 

「わかりますねぇ。本当に格好いい男の子でした……じゅるり」

 

「久井奈、手を出してはダメよ?」

 

「承知しております」

 

「…………とりあえずそのプロダクション潰しときなさい」

 

「承知いたしました」

 

静がパソコンを再び操作すると、今度は動画が再生される。

 

「こちらが、去年のインターミドル決勝戦の試合の録画映像です」

 

画面の中では、相手プレーヤーと対峙した瞬間に昴の体がぶれて見えた。

次の瞬間には相手の硬直時間を利用して抜き去った昴が、見事なダンクシュートを決めた。

 

「この子、今ぶれなかった?」

 

「そうですね。長谷川昴様の必殺技である神ステップです」

 

「神ステップ?」

 

昴が自称しているわけではないが、誰が命名したのかその名も神ステップ。

単にものすごい速度でステップを刻むことで残像を生み出し、相手の時間感覚を幻影で一瞬固定することで、相手に致命的な隙を作り出す必殺技である。

意味がわからないという人も多いだろうが、要するにものすごいスピードの反復横とびとでも思えばいい。

対峙した選手によれば、最大で4人にまで増えて見えるようで未だに破られたことがない。

現役のプロバスケプレーヤーにも使い手はおらず、高校卒業とともにスカウトしようと思っている団体は国内外問わずかなりの数がある。

 

「すごいのね」

 

「身体能力に優れているようで、バスケット以外にもこのような動きにも秀でているようです」

 

そこに映し出されていたのはパルクールの真似事をしている昴であった。

様々な障害物を物ともせず、手足を使って飛び跳ね一瞬のうちに移動する。

ただ、パルクールに壁走りなどというものはない。

しかし昴は普通に壁を走って校舎の外から二階の窓まで昇っている。

 

「何者なのこの子は?」

 

「身体能力は異常ですが、調査結果を見る限りは普通の高校生としかいえません。

 久井奈が採取した唾液、毛髪からは特に薬品や特別な反応は出ていません。

  あとは担任の篁美星様からの情報提供のものがあります」

 

「続けて」

 

「あそこの長さは写真のものを計算した場合、勃○時に約14センチ」

 

映像が切り替わり、そこでは自室と思われる場所で昴が自家発電に勤しんでいた。

どうみても盗撮です。

写真から推測するに、カメラの位置は彼の勉強机の下からのアングルである。

そんなところに人がいれば昴が気がつかないはずがないので、明らかに隠しカメラを利用したものだ。

 

「……大きいわね」

 

膨張率には個人差があるものの、通常時の男子の象徴がポーク○ッツに例えられることを考えれば相当な大きさだろう。

大きさもこの世界の男子平均と比べても驚愕のものだが、何よりも驚くべきは最近の男子高校生にしては珍しく自家発電をするほどに性欲があるということ。

 

「ちなみに若干右曲がりのようです。

 そして、この写真は昨夜のものらしいです。

 この時のおかずは真帆様のご学友である永塚紗季様だそうで」

 

「……真帆じゃないのね」

 

「美星様によると、長谷川様の好みは多岐にわたるそうです。

 ただ、最近は主に女子中学生から女子大生までの女性を対象にしているらしいですね」

 

「気に入らないわね。あんなに可愛い真帆がいるのに他の子で抜くなんて」

 

萌衣としては、紗季は娘の親友であり会ったことがある。

しっかりとした性格のいい子で、容姿にも優れていたのは認める。

自分の娘がよく一緒にいるメンバーの中では一番のしっかりものであることから、中学生が対象に入るのであれば解らなくもない。

だが真帆も紗季も昴と出会ったのは昨日が初めてのはず。

だというのに自分の娘ではなく別の女子をおかずにするなど。

これが愛莉であれば、年齢はともかく発育は良いためあまり問題視しなかっただろう。

これは是が非でも自分の娘に夢中になってもらわなければならない。

選ぶ権利があるのはこの少年ではなく真帆にある。

 

「決めたわ。この昴って子……真帆の許嫁候補に入れるわよ」

 

「承知いたしました」

 

容姿、能力、そして肝心の子作りに関する能力にも問題がなさそう。

逆に能力ありすぎて問題ありそうではあるが、そこはまだ調べて1日の三沢家の面々が知る由もない。

 

「しかし、真帆様が長谷川様を独占してはご学友との間に溝を生みかねないのでは?」

 

女の友情は、色恋沙汰が一番亀裂が入りやすい。

古今東西、紀元前の頃から男を取り合い血みどろの戦いを繰り広げる逸話には事欠かない。

項羽と劉邦が一人の男を取り合って戦ったり。

帰蝶に横恋慕した明智光秀が織田信長を本能寺で燃やしたり。

あっ、ちなみに昴の前世と違い性別が逆転しております。

 

「一番いいのは、この子の嫁を全て真帆の友達で埋めることね」

 

「それが一番揉めないかと」

 

「各家も三沢家がバックアップするのであれば、真帆様が正妻になることに異論はないでしょう」

 

世界有数の富豪である三沢家の加護の元にあれば、大抵のことは大丈夫になる。

お金の力は偉大なのである。

 

「まずは外堀を埋めるわ。各家に話がしたいと連絡しなさい」

 

昴の知らないところで、囲い込み作戦が発動した。

どうする昴。

負けるな昴。

早くしないと逃げ場がなくなるぞ。

 




次はアニメ1話の時系列でいうと練習二日目。
この作品では練習三日目。
すでに二日目までのイベントは消化しているので何をするか決まってない。
次にスポット当てるのは智花か真帆で考え中です。


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6話 泣きそうだった心を温めてくれた芭蕉

今回10000文字超えて長くなってしまいました。
サブタイトルは相も変わらず空耳。
最近ランキングにもあがっているようで、皆さんに感謝です。
ありがとうございます。

パソコン画面の前で、ひっそりと喜びのドラミングをしているゴリラがいたらきっとそれがわたしです。


 

水曜日の放課後、練習三日目。

この学園に来ることはこれで二回目だけど、やはり体育館に向かうまでにじろじろと通りすぎる女児たちに見られている。

体育館につくと、今回は既に皆は体操服に着替え終わっていた。

挨拶もほどほどに、俺も着替えてくることにする。

今日からは俺も一応、動きやすくするために学校指定の体操服を持ってきていた。

男子更衣室を借りて着替える。

 

「途中で乱入とかはないか」

 

不自然にならない程度にゆっくり着替えてみたが、漫画にあるような覗きだったり乱入だったりで合法的に女児の前でパンツ姿を披露することにはならなかった。

まぁ当然か。

これが女子高生だったら7割以上の確率で発生していただろう。

つまり5人もいれば一人は高確率で行動を起こしている。

やっぱり同年代はケダモノだな。

 

 

着替え終わると、準備運動から開始する。

等間隔で広がって、前と同じように数を数える。

うむ、女の子が体をほぐしているのは実に目の保養になるな。

あと愛莉が昨日教えた通り、ちゃんとスポーツブラをつけてきたようで安心する。

クーパー靭帯を痛めないためにも大事だからね。

あれは単なる布切れに見えて、ちゃんと体の動きに合わせて補助するよう計算されて作られているものだから。

ミホ姉はちゃんと仕事をしてくれたようだ。

他の4人は相変わらずノーブラか。

何故わかったかって? ……襟元から見えたんだよ。

 

 

準備運動の後、おなじみの基礎練習をワンセットずつ行った。

今日でコーチして三日目だが、初日より昨日、昨日より今日と一日ごとにかなり進歩している。

彼女たちは智花以外初心者であることからも、飲み込みが早いのもあるのだろう。

真帆はすでに安定してドリブルもパスも問題なくこなしている。

シュートだけはあまり精度が高くないから、自分の中で得意な位置取りを探してやるのがいいだろう。

紗季も真帆同様、試合をする上では特に問題なさそうだ。

あとは試合の動きによるが、真帆よりもシュートの精度が高いからどんどんゴールを狙っていきたい。

反面、やはり体力が劣るので前半で息切れしないかが問題だな。

こればかりは一週間でつくものでもないので、ペース配分に気を使う必要が有る。

ひなたちゃんはドリブルしながら動き回っても、ボールの動きに合わせて頭が上下しなくなった。

あれはあれで可愛かったが、お遊戯ならともかく試合であの調子ではさすがに最低限の動きすらできそうになかったからな。

体の小ささを活かして、空いているスペースに潜り込んでもらうようにしよう。

実際パスを出さないにしろ、そこにいるだけで相手は警戒しなくてはいけなくなる。

囮だと思われて放置されるならそれでもいい。

警戒がなくなったタイミングで効果的なパスを一度成功させてしまえばこちらの思う壺だ。

愛莉は気の弱さもあることから、あまりドリブルで自分から攻めていくことが難しそうだ。

なので、ディフェンスでゴール下を守護してもらうのがいい。

基本的なドリブルやパスは大丈夫だと思うので、あとは残り数日で相手を前にしても怖がらない勇気が必要か。

 

「今日は昨日と同じくオフェンスとディフェンスに別れる前に、ワンオンワンをする。

一対一でボールを取り合って相手を抜けるように練習しよう。そのあとで昨日同様の練習をすることで、よりパスのタイミングや位置取りを考えるようになるだろう」

 

『はい』

 

元気の良い返事をする女子たち。

 

「まずは全員で当たれるようにしようか」

 

一回制限時間30秒。

あまり時間を取りすぎても、夢中になりすぎて体力を使い果たしてしまってはこの後の練習に支障をきたす。

それに一対一の状況での30秒というのは、短いようで思いの外長く感じるものだ。

結果は想定内。

智花は誰にも負けることはなかった。

真帆と紗季は、メンバーの中では幼馴染ということもあってか、互いが相手だとライバル心が働いてか白熱していた。

ひなたちゃんは全部負けてしまっていたが、特に気にしている様子もないどころか純粋に楽しんでいる。

うーむ、楽しめるのはいいことだが競争心が全くないのも困ったものだ。

愛莉は攻撃ではドリブルで攻め込めず、その場から無謀なシュートを打って外してしまいがち。

ただ、回を重ねるごとにディフェンスでは相手の進路上に手を出せるようになってきていた。

あとは体でも進路を塞ぐようにできればなぁ。

 

「よし、最後は俺がディフェンスでやってみよう」

 

「おぉ、すばるんが相手か!」

 

「が、頑張ります!」

 

ここまでの練習、智花にとっては技術向上とまではどれもいっていない。

だから俺が相手をしようと思った。

依怙贔屓にならないように全員を相手にするけど。

 

「よーし、俺を抜けた人には何かご褒美あげようかな?」

 

「ご褒美! 何、ジュースおごってくれんの!?」

 

褒美と聞いて真っ先にジュースが思い浮かぶ感じ、やっぱり真帆って子供だよなぁ。

そもそも発想が金持ちっぽくない。

 

「ご褒美……ふ、ふひ」

 

智花は何を想像しているのだろう。

都合のいい妄想でもしているのか、にやにやしている。

あぁ、この子絶対耳年増な上に妄想癖とかありそうな感じがするな。

三日目にもなるとさすがに解ってきたぞ。

じゃんけんで順番を決めて、紗季、愛莉、ひなたちゃん、智花、真帆の順となった。

動いている時に紐が絡まって相手に怪我をさせてはいけないので、ホイッスルを外す。

順番が最後の真帆にホイッスルを渡した。

 

「えっ、私?」

 

「あぁ、真帆が順番最後だろ? 開始と終了のホイッスル頼んだよ」

 

「で、でもこれすばるんと間接キスじゃ……」

 

露出の高いメイドコスプレしてみたり、俺にじゃれて抱きついたりしてくるのは大丈夫でも、間接キスは恥ずかしいようだ。

薄っすらと頰を赤くして躊躇している。

そしてなんか無表情でホイッスルをガン見している智花がちょっと怖い。

さっきまでの笑顔はどうした。

 

「何、恥ずかしい? ……それとも俺が使ったやつなんて口つけたくない?」

 

「そ、そんなことないよ! だいじょーーーぶ!」

 

「無理しなくてもいいのよ真帆、なんなら私が……」

 

「だ、だから大丈夫だって。もぅ、もっかんもすばるんも何言ってんのー?」

 

うむ、本人が大丈夫と言っているのだしいいだろう。

この程度じゃあ羞恥プレイというわけでもないし可愛いものだ。

だから智花ちゃん、その変な顔で友達をガン見するのやめなさい?

 

 

練習を開始するため、順番が最初の紗季とコートの真ん中で対峙する。

他のメンバーはコートから出て観戦だ。

 

「よろしくお願いします!」

 

「あぁ、じゃあ今から30秒……スタート!」

 

俺の声に合わせて、ピヒュルルル……と力の抜けるような音を出す真帆。

一瞬がっくりと力が抜けそうになるが、気にせずはじめよう。

真剣な顔でドリブルしながら抜こうと頑張る紗季。

色々と考えて左右に振ってきたりしているが、さすがにまだ手の動きと体を別にしてのフェイントまでは使いこなせないため、少しバスケをかじったものになら動きがわかってしまう。

全国大会レベルならともかく、小学生の部活で楽しむ程度なら上出来なんだけどね。

 

「くっ、ダメ、全然抜けない」

 

俺からはボールを積極的に奪いにはいっていないが、進路を塞ぐだけで紗季はゴールに近づくことができないでいる。

制限時間ぎりぎりになって、賭けに出たのかその場で跳躍。

しかしその場しのぎのシュートで初心者が点を決められるほど、バスケットは簡単ではない。

予想通り、ボールはゴールを外れて見当違いの方向へ飛んでいく。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 

膝に手をついて、前かがみで息を整えている紗季。

彼女の肩に手を置いて、顔をあげさせる。

 

「紗季」

 

「はい……は、長谷川さん!?」

 

顔を上げて俺と目を合わせた紗季は頰を赤らめる。

まぁ近いですからねぇ。

あと一歩近づけばキスしそうな距離でにっこりと笑ってやる。

うーん、この距離でにっこり笑うとかただしイケメンに限るというやつだな。

大丈夫大丈夫、ありがたいことに俺周囲からよくイケメンて評価されてるから。

イケメンに産んでくれたお母様、遺伝子提供してくれたお父様ありがとうございます。

自分の容姿が優れてるなら利用しないと勿体ないでしょ。

そこの君、単純に羨ましいとか思うなよ?

容姿が優れているってことはそれだけ狙われるってことだぜ?

例えば50代のオバさんに痴姦されたりレイプされそうになったり。

おっと思い出すとぶるってきそうになるからこれ以上はいけない。

 

「紗季の動きは良くなってきてるけど、まだまだ素直すぎるかな。せっかく賢いんだから、フェイントとかも織り交ぜられるようになればもっといいかもね」

 

「な、なるほど……」

 

「まだ試合まで日数があるからね、失敗を気にせず色々試していこう」

 

「はい!」

 

 

 

次は愛莉の番だ。

入れ替わるようにコートに入ってきた彼女は、おっかなびっくりといった様子で俺の前にやってくる。

 

「よ、よろしくお願いします」

 

「うん。よろしく」

 

今度はちゃんとしたホイッスルが鳴る。

ボールをドリブルし始める愛莉の前で、軽く手を開いていつでもかかってこいとアピールする俺。

 

「…………?」

 

しかし、5秒ほど経過してもその場から動かない。

 

「愛莉、動かないと俺を抜いてゴールを目指せないぞ」

 

「は、はいぃ」

 

返事をする彼女はがちがちに固まっていた。

どうやら俺が怖い、というよりも男が怖いのか?

女子メンバー相手には練習で動けているが、これはちょっと問題かもしれない。

試合ではまだまだちびっこい奴が相手とはいえ男子は男子。

躊躇って動けなければいくら練習で動けても意味がない。

 

「動かないならこっちから行くぞ」

 

「えっ、ひゃうい!?」

 

このままでは制限時間まで動かないので、俺の方からボールを奪いにいった。

といっても本気で取るつもりはなく、俺のボールを取る真似に対して逃げるように動けばいいかと思ってのことだ。

しかし、それは成功とはとても言えるものではなかった。

あろうことか、愛莉は左右に俺を避けるように動くのではなく、後ろに逃げるように動いたのだ。

がちがちに固まっているせいで足をもつれさせ、背後に倒れそうになる愛莉。

 

「わっ、きゃ!」

 

「危ない!?」

 

慌てて倒れそうになる愛莉を抱きとめる。

おっと、このラッキーはさすがに想定外だ。

無意識に動いた結果、愛莉は俺の腕の中で真っ赤になっている。

鼻先数センチに愛莉の顔。

このどさくさに紛れてならおっぱい揉んでも大丈夫なんじゃないかと悪魔の囁きが聞こえたが、他のメンバーならいざ知らず愛莉の場合本気で恥ずかしがって泣いてしまいかねない。

いや、他のメンバーならいいのかよ。

よくない……よ、良くないよ、ね?

おいこらGOサイン出すな昴2号。

おかしいな、最近脳内のマルチタスク分身が俺の意思よりも本能を重視しすぎている気がする。

こんな思考遊びをしている間にも、腕の中の愛莉は真っ赤になって目尻に涙をためてぷるぷるしている。

今にも表面張力が限界を迎えて、涙がぼろぼろと流れ落ちそう。

 

「悪い愛莉、大丈夫か?」

 

「は、はい……」

 

抱きとめていた姿勢から解放し、その場に立たせると少し落ち着いてきた。

 

「愛莉はまだ、男子と相対するのが怖いのかな」

 

「あぅ、ごめんなさい」

 

「謝らなくてもいいさ。試合までになれればいい」

 

本当なら男に慣れるためにエロいことする前世でお世話になったエロ本のシチュエーションを試したいところだけど、それだと速攻でお巡りさんと署内でお茶することになる。

とりあえず場を濁すために彼女の頭をなでておく。

再び真っ赤になってうつむくが、今度は泣きそうではない。

さらさらの髪を手櫛で梳くように、ゆっくりと撫でながら目尻に残った涙を指で拭いてやる。

 

「愛莉は、俺のことも怖い?」

 

「こ、怖いとかじゃ……長谷川さんは他の人みたいに意地悪しないし。その……」

 

「じゃあこれから慣れていこう。な?」

 

さて、ここいらで次の練習に移ろうか。

いい加減こちらを見ている面々がキャーキャー言って騒いでいるからな。

 

 

次はひなたちゃんか。

メンバーの中で一番体が小さいからか、同じ大きさのはずなのに、抱えているボールがより大きく見える。

 

「おー、ひながんばります」

 

「はい、じゃあよろしくね……スタート」

 

ひなたちゃんが構えたのを合図に、真帆のホイッスルが鳴った。

正直あまり運動神経が良いとは言えないひなたちゃんではあるが、ぽわぽわしているものの頭が悪いわけではないようで、色々自分なりに考えて動こうとしている。

先の二人のものを見ていてか、上手くいっていないが左右に振ったり、急に立ち止まってみたり工夫してみせた。

ただ、その工夫の結果としてボールが手からこぼれていったり、無意識のうちにダブルドリブルになっていたりと修正すべき点も多くある。

結局、制限時間を使い切っても俺を抜けそうになる場面はなかった。

 

「はぁ、ふぅ、ひな……がんばったけどダメでした」

 

「それでもよく頑張ったじゃないか。まだまだ直さなきゃならないところはあるけど、色々考えて動けてたね」

 

ひなたちゃんには、そうやって考えて試合中に動いてもらう必要がある。

さしあたってその方向性へと本人が動けるのであれば良しとしよう。

ダブルドリブルとかは反則とられちゃうから修正しないといけないが。

 

「おにーちゃん、ひなえらい?」

 

「おう偉いぞー」

 

「じゃあひなにもご褒美ください」

 

そういってこちらに頭を下げて何かを待つひなたちゃん。

あぁ、頭を撫でろってことね?

そんなことでいいのならいくらでもしてあげよう。

 

「えへへ、お兄ちゃんにほめられたー」

 

頭を撫でられただけで花の咲いたような笑顔になるひなたちゃん。

あぁ俺、シスコンの気もあるかもしれない。

この子お持ち帰りしちゃダメ?

お兄ちゃんっていってるし、もう長谷川家の子供にしていいんじゃないかとか考えてしまった。

 

 

次、この練習をすると決めた切欠である大本命の智花。

これで何かしらを掴むなり、自分の問題点を感じてくれるなりしたらいいのだけど。

無理であっても、自分よりも上の実力の者と練習するのは経験値的にも良いものになるはずだ。

智花がいくら天才的とはいえ、現時点での実力は年齢も上の俺の方が高い。

 

「智花、君は他の皆より上手いから、俺もボールを積極的に奪いに行くよ」

 

「はい!」

 

自分の中の縛りとして、トップスピードは出さない。

勿論全力のスピードではないので、4体分身のステップは封印。

してもせいぜい普通の分身ステップだ。

シュートをするならゴール真下からのダンクのみ。

 

「それじゃあスタート!」

 

真帆のホイッスルと同時、智花が重心を低くして急加速する。

キュギッっと体育館の床をシューズで擦る音とともに、俺の右側を通過しようとする智花。

しかし俺も腕を伸ばして軌道を塞ぐと、彼女はフェイントをかけて今度は左へと方向転換した。

おぅ、この急激な方向転換。

最初から全力なようだ。

コートの外で他のメンバーが息を飲むのがわかった。

急制動をかけて動き回っているのに体の軸がぶれていないから、安定してボールを操れている。

この子、俺が小学六年生の当時よりも上手い気がする。

いいねいいね、教える側の俺も楽しくなってしまう。

ただ、これだけ上手いと相応に試合中はマークがつくだろう。

最初から最後まで全力では体力も持たないし、他のメンバーに任せるべきは任せてしまって流れに緩急が必要だな。

それと、智花自身はおそらくまだあまり経験がないようだが、ディフェンスにとっても実力が上なのであればフェイントも有効であるということ教えよう。

あえて俺の片足の反応を一歩遅らせ、タイミングのずれを作ってやる。

智花ほどの実力なら、考えるまでもなく直感的にそこが抜けると思うだろう。

こちらの狙い通りに急制動をかけて姿勢を入れ替えると、作り出された隙間を抜けようとする智花。

その動きを勿論想定していた俺は、彼女の手からボールがドリブルされて床から跳ね返った瞬間にすくい上げるように指先を絡める。

俺の指によりベクトルの向きを変換されたボールは彼女の手に戻ることなく、反対側の俺の手へと納まった。

 

「えっ?」

 

「ほらほら智花、まだ時間はあるぞ」

 

いつのまにか俺がボールの主導権を奪っていたことに驚く智花。

制限時間は残り15秒。

気持ちを切り替えて俺からボールを奪わないと、彼女の勝利はありえない。

それどころか俺にシュートを決められても敗北が決定する。

こちらに向き直った彼女は、懸命にボールを奪いにきた。

それをバックステップでかわし、ボールを股の下をくぐらせるようにしてドリブルさせて、背後の手へと入れ替える。

これだけで俺の正面にいる彼女は、ボールを奪うためにはなんとか俺の背後に回らなければいけない。

試合中ではこのように背後で隙だらけのドリブルを続けているわけではないが、これはワンオンワン。

相手が一人しかいないからこその状況だ。

 

「残り5秒!」

 

真帆が残り時間を告げる。

さて、せっかくなので智花に上の世界を一つ見せてやろう。

技というのは目で見て盗むもの。

是非とも将来、この技を君に会得してほしいと願いを込めて。

 

「いくよ智花」

 

足の親指に込めた力を爆発させる。

横にステップし、着地の瞬間。

ブレーキをかける際、その力を制御しているのは足の小指である。

つま先が床に触れた瞬間に、制動をかけようとする小指に力が入ると同じくして親指の力を再び爆発させる。

爆発させるといってもそれはあくまでイメージの問題で、実際に火を吹いて爆発するわけではないよ。

あっ、解ってらっしゃる? めんごめんご。

要するに、反復横跳びを人の目で追えるのは、一つの動作をした後に次の動作に移る瞬間、どうしても硬直しているからだ。

ならば硬直時間をなくせばいい。

あらかじめ着地と同時に跳ねるようにしておけばいいのだ。

結果として生まれるのは、認識のズレからくる意識の空白と、残像のような幻影だ。

智花の目には俺が一瞬二人に増えたように見えたのだろう。

体が反応できずに硬直している一瞬の隙をついて俺は横を抜き去った。

残り2秒。

それだけあればバスケットには十分。

ゴール真下から跳躍して、ダンクシュートをゴールに叩き込んだ。

 

「うおおお! ダンクだ! すばるんすげー!!」

 

「おー、お兄ちゃん格好いい」

 

「私ダンクシュート生で見たの初めて」

 

「凄い……」

 

大人気なかったかもしれないが、尊敬の眼差しでこちらを見ているからまぁいいだろう。

智花はその場で、俺が抜き去った時の体勢のまま固まっていた。

 

「……これが……神ステップ」

 

「うん? ……智花? とーもーかー?」

 

「…………えっ、あっ、ひゃい!」

 

よほど衝撃だったのか、俺の問いかけにも反応しない。

目の前で名前を呼びながら手をひらひらと振るとようやく気がついたようだ。

 

「あ、あの、あの……凄かったです! 長谷川さんがビュバッって二人に増えたように見えて、それで、それで、あの!!」

 

「ああ、解った解ったありがとう」

 

うぅむ。めちゃくちゃ興奮している。

ここまで感動してくれるのであれば披露した甲斐があったというものだ。

 

「難しいかもしれないけど、ステップは極めるとあんなことができるようになる。智花はどう、今の動きできるようになりたい?」

 

「私が、長谷川さんの神ステップを? ……はい、できるようになりたいです!」

 

「簡単じゃないぞ、習得するのにはかなりの練習が必要だ」

 

「大丈夫です!」

 

よし、気合は十分のようだ。

しかし智花は俺の長谷川流分身ステップの世間での呼び名を知っているようだ。

神ステップとか俺はちょっと恥ずかしいから自分で名乗ったことないんだけどな。

雑誌とかでも特集されたことあるから、それを読んだことがあるのかな。

なら難しさは他の子よりも知っているだろう。

これは個人レッスンが必要かもしれないね。

 

 

さて、最後に相手するのは真帆か。

今まで真帆が担当してくれていたホイッスルは、智花がやりますと主張してきたので彼女にやってもらうことにした。

 

「こ、これが長谷川さんのホイッスル……」

 

「でも長谷川さんの後に真帆が舐めちゃってるわよ?」

 

「ぐぎっ」

 

そんなやり取りをしている誰かさんがいるがスルーしておこう。

 

「すばるんからのご褒美はあたしがもらうぜー!」

 

そう言って元気に人差指を天井にかかげて、勝利のポーズをとる真帆。

やる気があるのはいいが、そういえばご褒美とか言ってたな。

でもジュースを奢るとか真帆は言っていたが、そんなに俺の奢りでジュースを飲みたいのだろうか?

別の生臭い飲み物ならいくらでも用意ができるのだけど、法律が禁止しているから駄目なんだよな。

えっ、どんな飲み物かって? …………酒ってことにしとけばいいんじゃない?

 

「それじゃあ始めようか」

 

「えっと、スタート!」

 

「よっしゃー!!」

 

先ほどの智花とのやり取りで感化されたのか、テンションの上がってやる気満々の真帆は、大きな声で気合をいれると俺に向かって突撃してきた。

このままぶつかるかという至近距離に来て、無理やりに床を蹴り体を横へスライドさせる。

おお、この急制動はまだまだ未熟だが智花のそれに近い。

先ほどのを見ていて真似したのか。

だが、そんな付け焼き刃で抜けるほどこの俺は甘くはないぞ。

体で真帆の進路を塞ぐようにしつつ、ボールの軌道の先に手を移動させて邪魔してみる。

本能的にこのままでは突破できないと悟った真帆は、その場で止まる。

 

「ぬー、そう簡単にはいかないか」

 

「ふふ、流石にびっくりしたけどな」

 

「でもまだまだー!!」

 

しかし諦めていない真帆は、反対方向へと切り替えて再チャレンジしてくる。

時折、つたないながらもフェイントをまぜようとしてくる事からも言動はおバカでありながらも、決しておつむが悪いというわけではないのだろう。

ただ、素直すぎるのでフェイントであるというのがばればれだ。

 

「ふぎゃ!?」

 

ついには、慣れない急制動を多用した動きのでせいで足をもつれさせて転んでしまった。

 

「だ、大丈夫か真帆」

 

「いてて、転んじゃった」

 

「もう、大丈夫? 真帆」

 

「おー、まほ痛そう」

 

見れば、真帆は左腕の肘をすりむいていた。

うっすらと赤く血がにじんでいる。

 

「大丈夫だって、こんなのつばつけときゃ治るよ」

 

前の記憶にある男子のような事をいう真帆。

色々と価値観が逆な現世ではそれが正しいのだろうけど。

つばを付けるなら指で塗れば届くだろうに、必死に自分の肘を舐めようとして届かないでいる真帆を見て、やはりおつむは良くないのかもしれないと思い始めた。

 

「真帆、ちょっとごめんよ」

 

「えっ? …………す、すばるん!?」

 

俺は真帆の代わりに、彼女の左腕を掴むとその肘の傷を舐めてやる。

突然のことにうろたえる真帆。

他人の血を舐めるのは本来良くないらしいけど、よくある傷を舐めてやるシーンやってみたかったんだよね。

うん、鉄の味がする。

さすがに美少女の血だからといって甘いとかそんなわけもなく、普通に血の味だった。

これで美味しいとか感じたら、本格的にやばい人なので病院にいかなければならないじゃないか。

俺の味覚はいたって正常ですので安心してください。

医療行為だからね、不可抗力不可抗力。

 

「うん、たいした傷じゃないみたいだからすぐにカサブタになるだろ。真帆、痒くても引っ掻いたりすんなよ?」

 

「う、うん」

 

真っ赤になって借りてきた猫のように大人しくなる真帆。

嫌がっていたならさすがに傷つくが、この子の場合、本気で嫌なら今も掴まれている腕を振りほどこうとすると思う。

されるがままになっているという事は、少なくとも嫌というわけではないのか。

顔が茹で蛸のように真っ赤になっている。

おぉ、照れてる照れてる。初心なやつよのう。

 

「キャー! 傷をぺろって!」

 

「おにいちゃん、いたいのいたいのとんでけもしないとだめですよ」

 

「ほわぁ……漫画みたい」

 

「は、はしぇがわしゃん……わたしも血が……」

 

後ろで姦しく騒いでいるメンバー。

あと智花、視界の端に映っていたけどその傷自分で今つけたろ。

指先をかじってたの見てたぞ。

まぁでもせっかくだし。

俺は真帆の頭をぽんぽんと軽くあやすように叩いてから、智花のところへと向かった。

ぷるぷると震えながらこちらに見せてくる指先を見ると、けっこうがっつり噛んでんなおいと言いたくなる傷だ。

利き手じゃない方をしている辺り、理性が働いた結果もあるだろうが、この子はなんというかえらく積極的だよなぁ。

まだ幼いながらも発散できない性欲を持て余している気がする。

このままでは俺の幼馴染のように残念な女性に成長しないか心配である。

適度にガス抜きしてやる必要があるかもなぁ。

そんなことを考えつつ、その場で片膝をつくと彼女の手をとった。

彼女の左手の人差し指には、血が滲んでいた。

先ほども言ったかもしれないが、本来は他人の血を舐めるのはよろしくないのだが医療行為だからしかたないね。

 

「はわぁぁぁぁあああぁ」

 

ぱくりと口に咥えて気がつく。

そういえば智花がかじった跡ということは、ある意味これも間接キスともいえるだろう。

口の中で舌で指を包むように、優しく傷を舐めて唾液を刷り込んでやる。

智花は恍惚とした表情を浮かべていた。

しばらくすると舌に感じる血の味が薄まったので、出血が少しましになったようだ。

チュポ……という小さな音をたてて指と俺の唇が離される。

 

「はふぅふふ、もうわたしこのてあらいましぇんんん」

 

「いや洗いなさい」

 

俺は真顔で即答した

 

「はひぃいいい」

 

ちょっとこの子はバスケ以外についてポンコツすぎじゃないですかね。

 

 




感想をいただいたものを見ていると、作者の友人について気になるといったものが多くて大変恐縮です。
この間、年が明けて一緒に飲んだ時にそのことについて照れている友人を見て少しイラッ⭐︎としたのは間違っていないと思いたい。

年末年始で考えていた内容をとりあえず書いてしまったので、もともと不定期更新ではありますが、ここからは更新が少し遅くなっていくかもしれません。
といっても、二日おきくらいだったのが三日おきから一週間とかくらいのつもりではいるのですが。
あっ、でもこの後の幕間チャットの話は案外すぐできるかもしれません。
もしくはそれすらもすぐにできないかもしれません。


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6.5話

今回は幕間のチャット回です。
週間と日間のランキングに載っていて嬉しいですね。
たくさんの感想評価ありがとうございます。
それだけたくさんのロリコンがハーメルンにいるということでしょうか。
凄いですね。



今日も電子の海の片隅で、いたいけな少女達が一時の語らいを求めてチャットアプリに集う。

チャットシステム、それはインターネット回線を利用したコミュニケーションツールである。

これは、そんなコミュニケーションツールで絆を深め合う、少女たちの友情と努力と勝利と、あとなんか愛とかそんな感じの微笑ましい一場面である。

 

 

 

 

ひなた:きょうもたくさん練習しました

    :つかれたね

 

あいりーん:そうだね

 

sakiですが:でも日に日にうまくなれている気がするわ

 

マホ=魔法:だよなー

      :もうかなりレベルアップしたんじゃね?

 

sakiですが:長谷川さん様様ね

 

あいりーん:説明もわかりやすいし

 

TOMOKA :そりゃ長谷川さんだもん

      :私たちかなり恵まれていると思うよ

 

ひなた:おにいちゃんすごい

    :ともかとするとき、びゅーんってなってた

 

あいりーん:凄かったよね

 

sakiですが:いつのまにかトモのボールを奪ってたし

      :抜き去るときなんて風みたいだったし

 

マホ=魔法:さすが全国覇者だよな

      :わたしたちもこのまま練習したらできるのかな

 

TOMOKA:そんな簡単なことじゃないよ

     :プロでも今の所公式では他にできる人いないんだよ

 

あいりーん :そうなの?

      :長谷川さんすごいんだね

 

TOMOKA :すごいなんてもんじゃないよ

      :神ステップって呼ばれてるんだからバスケの神様なんだよ

 

ひなた:かみさまですか?

 

sakiですが:それはさすがに言い過ぎなんじゃ

 

TOMOKA :言い過ぎなんかじゃないよ。

      :長谷川さんの神ステップの名付け親はね、月刊バスケットの編集長の佐々木さんで、人の領域を超越した正に神の領域のステップとい

     :われているんだから。

 

マホ=魔法:もっかんくわしいな

 

TOMOKA :え

     :調べたからね

 

ひなた:おー、おにいちゃんすごい

 

あいりーん:そんなすごいのをともかちゃんに教えてくれるんだ。

     :とっても難しそうだけど、ともかちゃんできそう?

 

sakiですが:長谷川さんがいうくらいだから、トモに素質があるってことじゃない?

 

TOMOKA:えへへへへ

 

マホ=魔法:あー、もっかん調子のってんなー。このこのー

      :でもさすがに試合までにしゅうとくは無理かもなー

 

TOMOKA :そりゃさすがに間に合わないよ。

      :長谷川さんでもできるようになったのは中学一年生の夏からだよ?

      :あれは素早いはんぷく横とびみたいなもので、高速で動くことによって分身を作り出してその幻影で相手を惑わせる技なの。

      :全国のプロバスケ選手でも分身をつくるのはいまのところ無理らしくて、その技をみこんで去年の段階でたくさんの学校や団体から勧誘がきていたのよ?

      :足にかかる負担もかなり大きいし、着地とジャンプを同時しなくちゃいけないらしいし、でもそのぶん効果はぜつだいで

 

マホ=魔法:もっかん

 

TOMOKA:何?マホ

 

マホ=魔法:長い

 

TOMOKA :え

 

sakiですが:長谷川さんが凄いのはわたしたちもわかってるから。

      :そんな長く書かなくてもいいわよ

 

ひなた:おー、おにいちゃん忍者

 

あいりーん:分身の術だね

 

TOMOKA :そんなぁ

 

マホ=魔法:すばるん忍者かー

      :お色気の術とか使いそうだなー

  :さきとかすぐひっかかりそう

 

sakiですが:ちょっと!?

      :あんた人のこと言えないでしょ!

      :今日の練習の時だって長谷川さんに傷舐めてもらってデレデレしてたじゃない!

 

TOMOKA :……間接キス

 

ひなた:そういえばマホ、お兄ちゃんの笛なめてた

 

マホ=魔法:なめてねーよ吹いただけだし!

       : すばるんにたのまれたんだからしょうがないだろ!

      :そんなん言うならもっかんなんて自分で血だしてたじゃんか!

 

あいりーん:そうだ、ともかちゃん大丈夫?ちゃんと薬塗った?

 

TOMOKA :うん

      :長谷川さんがあとでちゃんと処置しなさいって言ってたから

 

あいりーん:でも漫画みたいだよね

      :怪我はこわいけど、ちょっとあこがれちゃうな

 

マホ=魔法:おお、ここであいりーんがすばるんそうだつせんに参加か!

 

あいりーん:そ、そんなつもりじゃないけど

 

sakiですが:あいりも長谷川さんに抱きとめられて嬉しかったの?

 

マホ=魔法:どきどきした?

 

あいりーん:えっと、どきどきして恥ずかしかったけど……漫画みたいでちょっとうれしかった

 

ひなた:おー、あいりお兄ちゃんとなかよくなっておっぱいもんでもらうの?

 

あいりーん:ひなたちゃん!? そんなことしないよ!

 

ひなた:んん?

    :でもかげのマンガだとなかよしになったらおっぱいもむよ?

 

sakiですが:かげってひなたの妹さんよね

      :ちょっとそのマンガについてくわしく

 

マホ=魔法:どうせスッとん共和国のサキじゃもむおっぱいないじゃん

      :参考にならないよ

 

sakiですが:なんですってー!

      :あんただってちっぱいのくせに!

 

TOMOKA :大丈夫だよ

      :お母さんが赤ちゃんできたらおっきくなるって言ってたよ

 

ひなた:なるほどなー

    :あいりもあかちゃんいるの?

 

あいりーん:いないよ!? いるわけないでしょ!?

 

マホ=魔法:でもおっきくなって結婚したら赤ちゃんできるだろ?

      :あたしは絶対大きくなるね

 

sakiですが:そうかなぁ

 

マホ=魔法:おうなんだ。あたしのおっぱいはおおきくならないってか

 

ひなた:じゃあひなはお兄ちゃんの赤ちゃん産みます

 

あいりーん:ひなたちゃん?

 

TOMOKA:あっずるい。私も長谷川さんがいい

 

sakiですが:あっ、じゃあ私も長谷川さんとの子供がいい

 

マホ=魔法:おいおいすばるんモテモテだな

     :じゃあ私も

 

あいりーん:えぇ!? みんな!?

      :えっと、え、あの

      :じゃあ私も

 

sakiですが:どうぞどうぞ

 

マホ=魔法:どうぞどうぞ

 

TOMOKA :長谷川さんの赤ちゃんとかぜったいかわいいよね

 

マホ=魔法:おいもっかん流れ読めよ

   

ひなた:どうぞどうそ

 

sakiですが:ひなた……タイミング遅かったわね。

      :あと最後ぞがそになってるわよ

 

ひなた:おー、まにあわなかった

    :みんなもじうつのはやい

 

 

 




途中、智花のが中途半端で切れているのは、文字数制限的な表現です。


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7話 痛みをこらえても(意味深)真帆で抜きたくて

サブタイトルは相変わらず空耳だけど、この原作アニメは空耳本当最低だなと思う。


木曜日、コーチを始めて4日目になった。

試合までで練習できるのは残す所今日をいれて三日のみ。

本格的に試合に向けての動き方をそろそろ取り組んでいかなければならない。

今日は体育館の使用は男子の順番になっているから、女子バスケ部の練習場所は以前と同じく真帆の家になるのだろうか?

それはそれでいいのだけれど、また学校前に迎えに来られるのもなぁ。

あれはあれで恥ずかしい。

せめてメイド服は非日常すぎて目立つので、他の格好にしてもらえないか相談しておこう。

 

 

…………とまぁ、事前にメールで相談しておいたのだ。

しておいたのだが、これはこれでどうなのだろうか。

 

「おまたせしました長谷川様」

 

てっきりスーツ姿か、おとなしめの私服で来てくれると思っていたのだが、俺を迎えに来た久井奈さんは完全にTPOを無視した格好で現れた。

露出度としては嬉しいんですけどね、何故に競泳水着なのでしょうか?

俺が反応に困っていると、可愛らしくこてんと首をかしげる久井奈さん。

そのあどけない表情はナチュラルメイクなことも相まって、とても成人してるようには見えない。

前に会った時も思ったが、一目では化粧をしているようには見えない上に、自然で素朴な印象を受ける顔をしているので実年齢よりもかなり若く見える。

年上というよりも、少し大人びた同年代といった感じがする。

しかし身長は平均的ながら、豊満な果実をお持ちである。

泳ぐ上で実用を重視している競泳水着を着ているせいで、体にフィットする生地でスタイルがはっきりとわかってしまう。

無駄と思える脂肪がなく、それでいて女性的な丸みを帯びた肢体は魅力的の一言に尽きる。

そんな女性が、真っ赤なポルシェを背にして学校正門前の並木道に立っている。

意味のわからないギャップに戸惑いと興奮を覚えている俺がいた。

 

「あの……何故に水着なので?」

 

「はぁ、長谷川様は私服よりもこちらの方がお喜びになると篁様が教えていただきまして」

 

ミホ姉何教えてんだ?

どうせならプールとかで見たかったなぁ。

現在進行形で俺の評判がおかしな方向へ転がっていく気配がする。

具体的には背後で遠巻きに見ている他の生徒達のざわめきとかね。

 

「もしかしてバニースーツの方がお好みでしたか?」

 

「はい……いや、はいじゃなくてですね」

 

えっ、バニーちゃんとか持ってんの? うわすごい見たい。

思わず顔に出そうになるが今はそんな場合ではない。

早くこの場を立ち去らなければ。

 

「す、すすすす、すばる‼︎」

 

「あ、葵」

 

背後からどもりながら俺の名前を呼ぶ声がして振り返ると、幼馴染の荻山葵が顔を真っ赤にしながらわなわなと震えていた。

 

「そそそそ、その、その変な女誰なの!」

 

まぁ普通気になるよなぁ。

俺だって知り合いが人の往来で水着美人と仲良くしていれば気になる。

 

「貴女は荻山葵さんでしたね」

 

「な、何よ……なんで私の名前知って……」

 

さすが三沢財閥というべきか、娘のコーチの周辺人物に関しても調査済みということだろうか。

普通に怖いわ。

 

「私は、そうですね……昴様に将来身も心も捧げる者、とでも名乗っておきましょうか?」

 

「……な、なななななな‼︎」

 

突然変なことを言い出す久井奈さんに、今まで以上に真っ赤になって狼狽える葵。

何故か先ほどまで長谷川と苗字で呼んでいたのに、久井奈さんの俺の呼び方が名前呼びになっているし。

俺は葵に聞こえないように久井奈さんの耳元に近づいて話しかける。

 

「あの、なんでそんな変な嘘を?」

 

「あら嘘ではありませんよ。真帆様とご結婚された暁には長谷川様も私にとって仕えるべき三沢家の一員になられるのですから」

 

おうふ。耳元でぽしょぽしょと答えられると甘い声が心地いいというかこのアングルから見える胸の谷間のなんという色気。

 

「強いて理由をいうなら、からかうと面白そうな子だと思いまして」

 

「いや、後々面倒なのでほどほどにしてもらえます?」

 

「承知しました」

 

そう言って俺の腕に自分の腕を絡めて密着してくる久井奈さん。

彼女の視線は葵に向いていた。

見せつけるように、豊満な胸の谷間に俺の腕をはさんでやわらけええええ‼︎

いやいや、承知してないですよねからかってるよね現在進行形で。

周囲から突き刺さる視線が気持ち良……違う、気まずい。

 

「さぁ行きましょう昴様」

 

「えっ、あ、ああはい」

 

その場から逃げるように車に乗り込む。

助手席に俺が乗り込んでから、久井奈さんは運転席へ乗ろうとした。

そのタイミングで復活した葵が車のドアに飛びつく。

 

「ちょ、ちょっと!? 昴をどこに連れて行くのよ!」

 

「どこへ、と申されましてもいいところとしかお答えできません」

 

いいところって、単に真帆の家のバスケコートに行くだけじゃないか。

練習場所としてはそりゃいいところではあるんだけどさ。

 

「い、いいところ……」

 

「そう、いいところです」

 

久井奈さんはドアの内側のポケットから何かを取り出して葵に手渡した。

どうやらそれはライターのようだった。

あぁ、だいたいどんなデザインのライターか理解できてしまった。

最初不審気な顔をしていた葵だったが、そのライターがどういう場所で手に入るものか理解した途端、盛大に鼻血を噴出させてその場に倒れた。

えっ、そういうの持ってるってことは久井奈さん恋人いるの?

もしくはこの容姿で人妻とかだったらどうしよう。

年上は苦手だけど久井奈さんはなんかそんなに年上な感じがしないからか興奮するんですけど。

 

「さぁ行きましょう」

 

「え、あの……」

 

久井奈さんは愉悦の垣間見える笑顔を浮かべて、倒れる葵を見下ろすと、車を発進させる。

この人も少し天然入っていそうではあるが、人をおちょくるのが好きそうという意味ではミホ姉と似た匂いがする。

あぁ明日から色々学校大変だなぁ。

 

「すみません長谷川様。ついついあの手の女の子を見ると遊びたくなりまして」

 

「はぁ、できれば次からは控えてくれるとありがたいのですが」

 

呼び方が名前から苗字呼びに戻っていた。

前を見ながら真面目な顔のままぺろりと舌を出す年上女性に、ついつい許してしまいそうになるが、今後もこんなことが続けば俺の社会的なあれこれが危ない。

 

「おわびに、長谷川様がお望みであれば今度バニースーツを着てご覧にいれましょう」

 

「本当ですか!? 是非にお願いします!」

 

「かしこまりました」

 

全部許した。

 

 

 

 

 

 

三沢邸のバスケコートに到着するとすでに皆は準備運動を終えていた。

 

「あっ、すばるーん!」

 

「おー」

 

前に来た時と同じく、真帆とひなたちゃんが元気に手を振ってくれる。

他の三人も照れたような笑顔を浮かべながら手を振ってくれる。

しかし誰だろうか、こちらを値踏みするように見ながらコート脇のベンチに座る女性が一人。

細身で長髪を後ろで結んでいる妙齢の美女だ。

気の強そうな目と、栗色の髪をしていることから真帆の母親だろうか?

女性は俺と目があうと、ベンチから立ち上がり近づいてきた。

 

「初めまして、真帆の母親の萌衣よ。貴方が長谷川昴君ね」

 

「どうも初めまして。お邪魔しています」

 

差し出された右手に握手する。

なんだろう、こちらを値踏みするような視線を全身にひしひしと感じる。

 

「真帆のコーチをしてくれる少年というのがどういった子か一度見たかっただけなのよ。

あまり緊張しなくてもいいわ」

 

「はぁ……」

 

「昴君は練習の後、少し時間あるかしら」

 

「はい、練習の後でしたら大丈夫ですよ」

 

「そう、それは良かった。なら話したいことがあるから、練習が終わったら久井奈に案内させるわ」

 

話とはなんだろうか。

もしかして、女子バスケ部のメンバーにセクハラまがいのことをしているのを咎められるとか?

それだとガクブルもんだが視線に嫌悪とか攻撃的な色は見えてこない。

 

「なぁなぁ早く練習しよーぜ」

 

「あ、あぁそうだな」

 

「あらあらごめんね真帆。じゃあ邪魔しちゃ悪いし私は行くわね。皆またあとで」

 

急かす真帆に苦笑しながら、萌衣さんはそう言って去っていった。

 

 

運動着に着替えた後、皆と一緒に練習した。

試合の動き、大まかな作戦を伝えて今日はひたすらその動きの練習をする。

3対2に分かれてオフェンスとディフェンスを入れ替えつつ、試合での自分の役割というものを理解してもらう。

こればかりは残り数回の練習で完璧にできるものではない。

付け焼き刃でしかないが、最低限試合できる程度には仕上げたつもりだ。

身体能力ではあまり差がないと推測される以上、あとは技術力の問題。

個人での技術力では勝てなくても、それぞれの得意分野で上手く勝負できるように試合を動かせば十分勝機はある。

あとは最後、気持ちで勝てれば大丈夫かな。

彼女たちは仲良しで、友人と楽しめるバスケ部という居場所を大事にしている。

なら、その場所を守りたいという想いが力に変わることを信じよう。

俺にできるのは、作戦を授けることと、汗をかきながら走り回る少女たちを眺めることだけだ。

毎日の積み重ねで確実に身についてきた実力に、少女たちの顔にも自信が見えた。

 

練習の後、俺たちは三沢家の晩餐にお呼ばれすることになった。

シャワーを借りて練習の汗を流す。

本邸の風呂場を使っていいとのことだったが、風呂だけでどこかの銭湯くらいの広さがあるんですが。

どこかテーマパークにでも来たのかと錯覚するほどだ。

サウナとかもあるらしいけど、さすがに時間のある時でないと借りるのも憚られる。

この後の食事で待たせているしね。

一番汗をかいているであろう女子たちに先にシャワーを浴びさせた。

俺よりも彼女たちの方が、長い髪を乾かしたり用意にも時間かかるだろうしね。

あとは俺が出てくるのをみんな待っているだろう。

さっさと髪と体を洗って脱衣所に出る。

最初、メイドさんが俺の体を拭こうと思ってか脱衣所にスタンバイしていたが遠慮して下がってもらった。

さすがに他人に息子を見られるのには抵抗がある。

メイドのお姉さんが俺の脱衣シーンを見て息を荒げていて身の危険を感じたっていうのもあるけどね。

用意されたバスタオルで体についた水滴を拭き取る。

髪を乱雑にがしがしと拭きながら、設置された鏡に全身を映し出す。

うむ、我ながら引き締まっているな。

前世ではなかった、蝉のような割れた腹筋は自慢の一つだ。

ナルシストと笑わば笑え。

人間関係において容姿というのは重要なのである。

それが全てだとは口が裂けても言えないが、第一印象というのは基本容姿で決まる。

男としての理想はドラゴンボールにでてきそうな筋肉だが、あいにくと細身であるのが否めない。

食べても筋トレしても、筋肉の密度は高くなっている気もするのだが、あまり太くなってくれないのだ。

俺としてはもう少しガッチリした方がワイルドな感じがしていいと思うのだが。

それでも、今の俺であってもクラスメートの男子に「一人だけ画風が違う」と冗談で言われるほどではあるのだけれど。

 

「すばるん遅いぞー! いつまで着替えて……」

 

「ちょっと真帆、あんたなn……」

 

「おー」

 

「はわわわわわわ」

 

「……ふひゅひ」

 

考え事をしていると、ドアを蹴破るような勢いで脱衣所に乱入してきた女子バスケ部の面々。

正確には男が着替えているところに突入する真帆を他のメンバーが抑えようとして失敗した形みたいだが。

全員が固まって俺の股間を凝視している。

あっ、ひなたちゃんだけ動じてないなさっすがー。

この作品はきっと成人指定ではないから、謎のレーザー光線が邪魔してちゃんと見えていないことを祈っておこうかな。

しかしこのままではアーボからアーボックに進化する光でレーザーをかき消してしまいかねないので、早々にパンツの中にしまった。

これがポケットモンスターの正しい在り方さ。

 

「とりあえず、もう少し外で待っててね」

 

「わわわ、ごめんすばるん!」

 

「すみませんでしたー!!」

 

「ありがとうございましたー!」

 

真っ赤になって脱衣所から逃げていく彼女たちの中で、なぜか智花だけが感謝の言葉を口にしていた。

…………さぁて、晩餐のメニューは何かなぁ。

 




どうも皆様、投稿が前回より遅くなり申し訳有りません。
正月も終わる時期になって、仕事から帰って来たら親戚の子供がお年玉をせびりに遊びに来てまして。
その子供たちとスパイダーマンごっこをしていて書くのが遅れました。
後半やっつけ。


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8話 見えないパ・い・パン

今回は短めです。
というか本当は前回の続きで一緒にしようと思ってたけど作者が力尽きて分割になっただけ。
下ネタは今回控えめです。


晩餐に用意された食事は非常に美味であると言っておこう。

食事中でも会話が弾んではいたが、基本喋っているのは俺と萌衣さんだけだった。

話を振られれば、他のメンバーも相槌を打ったりはするんだけど。

俺と目を合わすと真っ赤になってうつむいたりする。

どうやら俺の蛇さんが未だに頭の中にちらついているようだ。

ちょっと刺激が強すぎたかしらん?

今度練習の時に、どさくさで俺の股間に触れたりしたらどんな反応するかなとか考える。

思考が犯罪的ですね。

でも大丈夫、思考や想像する分には自由が認められているのだよ。

反応が面白そうなのは智花と紗季かな。

今もちらちらと俺を見ては、椅子で隠れている俺の股間のある場所に視線が動いているのがわかる。

気になるんだね。

義務教育さえ終わればいくらでも二人きりで見せてあげるんだけどね。

多分今夜はベッドの中で盛るんだろうなぁと勝手に想像している。

真帆と愛莉はガチで照れてるから、あまりからかうとかわいそうな気もする。

愛莉は無言だけど、真帆は俺がからかう前に母親である萌衣さんに散々からかわれているしこれ以上は酷だろう。

ひなたちゃんは既に気にしていないのか、ナイフとフォークで必死に魚をほぐすのに夢中になっている。さすがやでぇ。

 

「それで昴君、真帆たちの仕上がりはどう? 試合には勝てそうかしら?」

 

「そうですね。皆上達してきてますし勝ち目はあると思っていますよ」

 

「あら、自信ありみたいね」

 

萌衣さんは俺の言葉に満足そうに微笑むと、ワインをくいっと飲み干す。

その姿がすごく様になっていた。

格好いい人だけど、真帆も成長したらこんな感じになるのだろうか?

財閥の会長やりつつファッションデザイナーとしても有名で、よく仕事で世界中を飛び回っているらしい。

素直にすごい人だと思うけど、真帆が将来こうなるとはあまり想像できない。

いや、5人の中でも負けん気が強いから母親似なのかな。

本人は将来大きくなると断言しているから、胸は母親ゆずりでないといいね(超失礼)。

 

「試合が終わったら、昴君はどうするの?」

 

……それはまだ決まってはいないんだけど。

試合に負ければ体育館が使えなくなるわけで、事実上の女子バスケ部の廃部だ。

そうなれば実態のない部活にコーチなど不要となるだろう。

勝ったとしても、ミホ姉の依頼は試合に勝てる様にすることだからある意味仕事としてはその時点で終了ともいえる。

どの道、俺自身のバスケ部の活動が来年度になって再開すればコーチどころではなくなるしな。

オナ○ーしかやることないぜ!

嘘ですにぶらないようにトレーニングも必要です。

えっ、自家発電も立派なトレーニング?……だよね、俺もそう思ってた。

 

「まだ決まってませんね」

 

「そんな、すばるんこれからもコーチしてよ!」

 

「長谷川さん!」

 

それまで俺と萌衣さんの会話を黙って聞いていた真帆たちが悲壮な顔をする。

まるで捨てられる子犬のような絶望顔をしなくてもいいのに。

 

「心配しなくても、君たちさえ良ければ今年度が終わるまでは続けるさ。来年になったら俺も自分の部活が再開するから難しいけどね」

 

「良かったぁ……」

 

「ありがとうございます」

 

あからさまにほっとした顔をして胸をなでおろす面々。

俺が思っていた以上に信頼してもらえているというか、良い関係を作れているようだ。

うむ、光源氏計画は順調のようである。

 

「そっか、今は部活が停止中だから時間があるのよね。確かに再開すればこの子達の練習どころではないか……逆を言えば、来年までは時間があるってことよね?」

 

「まぁ、あると言えばありますが」

 

こんな状態になってしまってはいるが、俺はスポーツ推薦で入学している。

成績は赤点を回避さえすれば進級に問題はない。

同年代と遊んでもあまり楽しくはないし、習い事があるわけでもバイトの予定もない。

正直、智花たちのコーチがなければ放課後することはない。

萌衣さんはまるで我が意を得たりとばかりににやりと笑った。

 

「なら昴君、この子たちの試合が終わったら一つバイトしてみない?」

 

まさかの仕事のお誘いだった。

 

「バイトですか?」

 

「そう、モデルのお仕事。ちょうど次の企画にイメージの合う子を探していたのよ」

 

「長谷川さんがモデル……」

 

「おぉ、いいじゃんモデル!」

 

「おー、おにいちゃん本に載るのー?」

 

俺よりも先に子供達が食いついている。

やっぱりモデルっていうのは価値観が変化していても憧れの強い職業であるようだ。

しかし俺のような素人でもいいのだろうか?

 

「謙遜することないわ。昴君男の子なのに背も高いし、スラッとしていて手足も長いし絶対見栄えするはず。バスケでのインターミドル優勝経験者という肩書きも話題性あるしぴったりよ」

 

「はぁ……」

 

「実は国主導での結婚関係やファッション関係の雑誌の合同企画があってね。私が想像する新郎の役に昴君ならかなり近いと思うの」

 

国主導とはこれまた大きなプロジェクトだな。

そんなものに一介の高校生が出てしまっていいのだろうか?

新郎役ということは明らかにウェディング特集とかだと思うのだけど、プロのモデルや俳優を起用したほうがいいのではなかろうか。

しかし萌衣さん曰く、そうでもないらしい。

今回の企画の趣旨は結婚式っていいなぁと見る人に憧れを持たせることにあるとのこと。

男子の出生率が右肩下がりの昨今。

比例して結婚する男女の数も減ってきている。

一夫多妻制度で一人の男性につき5人まで妻が認められるようになったものの、未だに制度を利用するほどの男性は極端に少ない。

結婚願望の元々薄い相手に、あまりガチの結婚を勧める内容を見せても拒絶されるだけである。

だからこそ、高校生くらいで真似事の延長上の微笑ましいくらいが望ましい。

微笑ましさの中に格好いい、可愛い、綺麗というようなプラスイメージを持ってもらうことで興味を持つとっかかりを作るというのが今回国が主導するイメージ戦略なのである。

まわりくどいというか何というか、いろいろ考えているんだなぁ。

自治体主導の街コンとかもこちらでもあるらしいけど、男女比率が違いすぎて上手くいかないみたいだし、色々役所も試行錯誤しなければならないのだろう。

……他人事みたいに言ってるけど、このままだと人口減る一方だから当たり前か。

社会主義国なんかでは、国が相手を無理やり決めてさっさと子供作れやオラァ!みたいな政策の国もあるらしいし。

少し羨ましいと思ったこともあるが、自分の好みに合致した相手が割り振られるとは限らないしむしろ可能性としては人口比率的に低いだろう。

基本的に嫁ぎ先のない行き遅れた女性が優先的にあてがわれるのは各国の現状を見るに明らかである。

国の認可の元、好みでない年増女性に複数人がかりで犯されるのだ。

何それ怖い。本当に怖い。ガクブルである。

それを考えれば日本のものは随分と良心的な政策だ。

 

「長谷川さんが新郎さん役……」

 

「きっと似合うよね」

 

「いいなぁお嫁さん役の人」

 

「おー、ひなもドレスうらやましい」

 

「綺麗なウェディングドレスってあこがれるよね」

 

羨ましがる少女たちに、俺も悪い気はしない。

だから本当にそう思っていたのもあるけど、つい口に出てしまった。

 

「あはは、きっとみんなのドレス姿も綺麗なんだろうね」

 

「おっ、何々? すばるん私の花嫁姿みたい?」

 

「そうだね、見てみたいかもね」

 

「あら、なら見れるようにしましょうか」

 

「……へ?」

 

俺と真帆の冗談に、萌衣さんがのっかってきた。

何やらピンと来たという顔をして一人納得している。

 

「そうよそうよ。小学生が相手ならあまり本気の結婚式というよりもごっこ遊びみたいな雰囲気も出るし、より微笑ましさが前面に出るし、今回のコンセプトに合致するわ。丁度5人いるし、一夫多妻制度のアピールにもなるし……貴女達もモデルで出なさいな!」

 

「やります‼︎」

 

「やらせてください‼︎」

 

食い気味に意思表示する智花と紗季。

 

「すばるんのお嫁さん役かぁ、恥ずかしいけどやってみたいかも」

 

「おー、おにいちゃんのお嫁さん」

 

「み、みんながやるなら……私もやってみようかな」

 

特に深く考えるそぶりもなく、何故か全員がやる気満々である。

えっと……もしかして決定路線なのか?

 

「でも結婚前にドレスを来た女子は婚期が遅れるって言いません?」

 

「……ならその時は長谷川様が皆様とご婚約なされればいいかと」

 

「……へ?」

 

今までずっと無言で俺たちの背後に立っていた久井奈さんが唐突にそんな発言をする。

 

「そうね、それがいいわ。よく言ったわ久井奈」

 

「おーいぇー」

 

えっ、そんな軽いノリで決めていいの?

俺がいうのもなんだけど、えっ冗談だよね……えぇ?

主従関係とは思えないほど軽いノリでサムズアップしているし、冗談だよね?

 

「なら決まりね。バイト代は弾むから試合が終わった来週から頼むわね…………あっ、私だけど例の企画のモデルが決定したわ。えぇ、そう。また後で詳しい内容送るから」

 

有無を言わさずどこかに携帯で電話をかける萌衣さん。

すでに断れるムードではないようだ。

何故か、部屋がすでに鉄格子か何かで囲われているような幻が見えた気がする。

……これって俺どうすりゃいいの?

 

 

その後、俺たちが深く考えたり話し合ったりする暇を与えられる間も無く晩餐会は終わり帰宅することになった。

戸惑っている間にいつのまにか全員、それぞれ別の車にて一斉に家までまっしぐら。

会話にはあまり不自然なところはないと思うのだが、あまりにも用意周到すぎる気もしないでもない。

家に帰った後、とりあえずモデルの話を父に伝えたのだが口では驚きつつも明らかに予定調和なところが特にもうなんというか、ねぇ?

俺の父さんは演技力はないと初めて知った。

あぁでも天然入ってるおとぼけさんだし想定内ではあるのか。

 

「ダメだ、考えるだけ無駄だ……もう寝よう」

 

風呂に入った後は、そのままベッドへダイブ。

もう寝ると決意してから、結局5回のシャドーボクシング(意味深)で体力を消耗するまで寝付くことができなかった。

 

 




どんどん外堀が埋められていく主人公。
おいお前らバスケの話題はどうした?
そんな状況で試合大丈夫か?……大丈夫、この作品にはまともな人はいない。
つまり、結果はわかりますね?


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9話 今はま・ン・毛・無い

竹中書こうと思ってたのに、書くの忘れた。
中身よりもサブタイの方が危ない


金曜日の放課後、試合まであと二日の練習となった。

試合と同じ環境で練習できる日程としては最終日となる。

相も変わらず威圧感の強い門をくぐり抜け、回を重ねるごとに俺を凝視する幼女たちがその数を増やしている気がするのを放置して体育館を目指す。

俺の後ろをぞろぞろとついてくる小学生女子の群れ。

……アヒルの行進か何かかな?

気にしてはいけないと思いながら、たまたま目があった少女ににこりと微笑みかけてみる。

前世だったら完全に事案扱いされそうだが。

するとどうだろう、真っ赤になって硬直した少女を押しのけるようにしてわらわらと俺の視線上に位置取ろうとする女の子たちの群れが動く。

ううむ、何だろうこの既視感。

まるでそう、インターミドルに初出場した後の中学時代の時のような……

 

「ちょっと! 一体これは何事ですか!?」

 

体育館までもう少し、というところでついに教師と思しき女性が登場。

怒られることを危惧してか、まるでモーゼのようにその教師を避けるようにして人並みが動く。

やがて、その教師らしき女性と目があった。

ジャージを着ているが体育担当なのだろうか?

いや、私立だからはっきりとは言えないけど、小学生の教師って基本的には全部の科目をするはずだから別に体育に限ってはいないかもだけど。

すらりとした体躯、ショートカットに乱れなくセットされた髪型、銀縁フレームの眼鏡を着用した鋭い眼をした女教師だった。

この場で明らかに小学生ではない俺を視認し、きっと睨めつけてきたが目が合うとピシリと固まり、次第にぷるぷると震えながら真っ赤になって目がぐるぐると回り出し、終いには足ががくがくと震えだしてその場に尻餅をついた。

 

「す、すすすすすすすすばるきゅんんんんんん!?」

 

……すばる、きゅん?

テレビにも取り上げられたことがある身としては、別に赤の他人が俺を知っていたとしても別段変だとは思わないが、昴きゅんっておい。

 

「な、なんで……なんですばるきゅんがこんな場所に……これは夢? 夢なの?」

 

俺がこの場所にいるのが不思議なのか、眼鏡をくいくいと動かして確かめようとしているが、体温上昇のせいなのか、眼鏡のレンズが曇ってきているように見える。

 

「どうすっかなこれ……」

 

「長谷川さん!」

 

体育館に行くにもこの現状を放置していいものか悩んでいると、俺を呼ぶ声がした。

ピンクの髪を揺らしながらこちらに走り寄ってくる智花だった。

どうやら俺が時間になっても来ないから心配して迎えに来てくれたらしい。

智花の後を追うように、ぞろぞろと他のメンバーも体育館から出てきた。

 

「もうすばるん遅いぞー」

 

「えっと、何でこんなにいっぱい人が?」

 

「もしかしてお昼の時の話を聞かれてたんじゃ……」

 

俺を囲うように幼女の壁ができていたために、紗季と愛莉は戸惑っているようだ。

何か紗季が気になることを言っているが、何か昼間に話していたのか?

 

「おー、お兄ちゃん」

 

ひなたちゃん曰く、コアラアタックとかいうもので飛びついてきた。

ようするにジャンプして抱きつくだけなんだけど。

位置的に俺の胴体に抱きついている形だけど、これけっこう危うい格好だよな。

俗にいうだいしゅきホールド。

俺とひなたちゃんの股間が真正面からくっついている状態で、衣服越しでなければ合体承認されているところだ。

その光景を見ていた少女の群れから黄色い歓声があがる。

 

「ぶー、お兄ちゃん遅刻ですよ」

 

「ごめんごめん、ちょっとね」

 

「えへへ」

 

ぷっくりと頰をリスみたいに膨らませているが、実際は全然怒っていないのがまるわかりなひなたちゃんについ俺の頰がゆるみそうになる。

頭を撫でながら謝ると、にへら、と笑うひなたちゃん。

 

「あー‼︎ ひなたずるい!」

 

「ちょっ、ちょちょちょちょっと! 貴女すばるきゅんになんてことしてるの‼︎」

 

ひなたちゃんの行動に慌てる智花と女教師。

 

「……すばるきゅん? 先生、なんで長谷川さんをそんな変な呼び方するんです?」

 

「はぁ? 貴女こそこの人がどんな人か知ってるの?」

 

お互いの心の逆鱗に触れたのか、急に険悪なムードになる智花と教師。

俺の知っている可愛らしい智花と違い、視線で人を殺せたらと本気で思っているかのように眉間にしわを寄せ、ドスの利いた声を出していた。

まぁ、ちょくちょく変な顔を披露してくれていたから、別にこういう一面があってもおかしくはないと思うけど。

でも小学6年生が教師に向けてする表情ではない。

そして女教師も、少なくとも自分の勤務する学校の生徒に向ける表情とは言えない。

冷徹に底冷えするような視線で智花を見下ろしているが、鼻から流れ出ている鼻血のせいで色々迫力とかが台無しになっている。

小学生といい大人との間で視線の火花が散っている。

何この状況……

 

「えっと、紗季あの人は誰かな?」

 

「あの人は男子バスケ部の顧問の先生ですよ」

 

「あぁ、この人が」

 

いつの間にか俺の隣にいた紗季に聞いてみると、この人がミホ姉に勝負を提案してきた教師のようだ。

今の俺の立場としては対戦相手の顧問ということなのだが、ミホ姉に色々言われてキレてしまったのだろうことを考えるとなんだかかわいそうではある。

だって、ミホ姉の言葉が本当なら未だに処女なんだよなぁ。

しかもけっこう気も強そうだし、この世界の男性に受けがいいとはあまり思えない。

可哀想だが、一見した限りだと彼女がこの先女としてテイクオフできる見込みは限りなく低いと言っていいだろう。

この二人をどうにかしないと、練習が始められそうにない。

……あと、未だに抱きついたままのひなたちゃんもどうにかしないと危ないな。

ブルマ越しに微妙に股間を俺の下腹部にこすりつけてきてるんですが、周囲のこの状況を全く意に介さずよくやるね君。

たぶん意識してのことではないのだろうけど。

あれかな? 登り棒で股間が挟まれてなんだか妙にじんじんした痛みと一緒に気持ちよい気もして動きづらくなるのに似ているのかもしれない。

今試される、俺の忍耐力。

葵……俺に理性を分けてくれ!とか幼馴染に超失礼なことを考えて乗り切る。

ズッ友は偉大だ。

これが愛莉とかだったら絶対無理だったな。

衆人環視の中など関係なくドッキングからのパレード行進で終点は警察署に指定されるとこだったわ。

 

「おいおい、何だいこの騒ぎは……お前ら部活はどうした?」

 

そこに現れたのはミホ姉だった。

周囲の子供たちと大差ない身長のちんちくりんではあるが、この場においては普段と違い救世主のようにも見えた。

 

「おんや〜? そこにいるのは鈴木すぇんすぇ〜じゃないですか」

 

「あ”?」

 

訂正。

周囲の子供たちと大差ない身長のこのちんちくりんは、この場においても普段同様悪魔のように見えた。

いやらしい笑顔を浮かべ、鈴木先生と呼ばれた女教師を明らかに挑発する気満々のミホ姉。

 

「うちの部と甥っ子に何かご用ですかな?」

 

「えっ、お、甥っ子?」

 

怒りの表情をひっこめて、俺とミホ姉の顔を交互に見やる鈴木先生。

とりあえず自己紹介しておくか。

向こうはこっちを知ってるみたいだけど。

 

「初めまして、そこの篁美星の甥の長谷川昴です。今はこの女子バスケ部のコーチをさせていただいています」

 

「こ、こここ……こーちゅ!?」

 

舌噛み噛みやなこの先生。

なんというか、葵が成長したら将来こんな雰囲気になりそうな気がする。

幼馴染の将来を憂いつつ、非力な俺にはどうしようもないと諦めて心の中で涙した。

 

「わ、わたす……私、昴君のファンで……」

 

「そうなんですか、ありがとうございます。日曜日の試合では正々堂々と戦いましょう」

 

「は、はい!」

 

右手を差し出すと、真っ赤になっておずおずと先生も手を差し出してきて握手する。

それにしても俺のファンか。ふむ。

ここはひとつ、精神的に揺さぶれたりしないものだろうか。

 

「でも、小学生の試合で体育館の権利をかけるのは感心しないですね」

 

「へぇ!?」

 

「貴女が男子を優遇しようとしてくれるのは、同じ男子としてありがたいとも思います。ですが、性別に関係なく機会は平等に与えられるべきです。大事なのはバスケをしたいと思う子供たちにその場所を与えてやることであって、片方に占有させるのはいかがなものかと」

 

「ぐふぅ!?……ち、ちがっ、これはその……」

 

おお、慌ててる慌ててる。

 

「うちの叔母も畜生みたいな性格してますから、売り言葉に買い言葉だったのかもしれませんが……」

 

「おい昴、聞こえてんぞ」

 

「わ、解りました。昴君のおっしゃる通りですね。試合の勝敗に関わらず体育館の使用権利は今まで通りで賭けの対象にはしないようにします」

 

「ありがとうございます」

 

なんか解決した。

やったぜ、試合の前から勝負に勝ったとでも言おうか。

当初の目的であるバスケ部存続が決定した瞬間だった。

 

「でもせっかくお互い練習していることですし、日曜日の試合は行いましょう」

 

「そ、そうですよね」

 

「なんなら試合が終わったら顧問同士で飲みにでもいったらどうですか?負けた方は勝った方に一杯おごるというほうがまだ賭け事としては健全な気もしますが」

 

「おっ、いいねぇ」

 

「えっ、でも……篁先生とお酒だなんて」

 

面白そうだと笑うミホ姉に対して、鈴木先生は難色を示す。

まぁくそ生意気な後輩と飲みに行っても楽しくなんかないよなぁ。

しかも負けたら奢らなければいけないわけだし。

 

「あっ、あ、でででも勝ったら昴君が一緒に食事でも……」

 

どもりながらも、中々に図々しいというかなんというか俺とのデートを持ちだそうとした先生。

それを警戒してか、女子バスケ部の面々が俺を取り囲むようにして先生との間に壁を作った。

 

「すばるんは私たちのだぞ!」

 

「そ、その……長谷川さんを賭けにするのはちょっとやだなって」

 

俺の前に立ち、抗議する真帆と愛莉。

気の強い真帆はともかく、気弱な愛莉が前に出るとは少し驚きだ。

 

「ぶー、お兄ちゃんはひな達のコーチ」

 

相変わらず俺に抱きついたままのひなたちゃん。

いい加減降りてくれると助かるのだけど。

 

「すみません鈴木先生。定員は5人までなので貴女の席はありません」

 

俺の横に立ち、眼鏡をくいっと上げながら告げる紗季。

お前の席ねぇからってことか?

しかし定員って何のことだ。

 

「ま、待ちなさい! 何を勝手な……私はねぇ、昴君大好きっ子クラブの会員なのよ‼︎ あんた達みたいな子供が会員を差し置いてそんな羨ましいことしていいと思ってるの!?」

 

子供達の態度に怒りが再燃したのか、鬼の形相を浮かべる鈴木先生。

彼女はまるで水戸黄門の「この紋所が目に入らぬか」と言わんばかりの動きであるカードを見せつけてきた。

そこに記されていたもの。

それは、『長谷川昴君大好きっ子クラブ〜会員No331〜』というものだった。

プラスチック製のもので、俺の顔写真が入っている。

……うわぁ(ドン引き)

まさかのガチ勢と判明し、女子バスケ部や周囲でこの状況を見守っている幼女達に戦慄が走る。

ミホ姉は一人爆笑していた。

そんな中、智花がまるで道端に落ちている犬の糞を見るような目で先生を見ながら俺たちの前に立つ。

 

「会員ナンバー3桁台か……ゴミめ」

 

おもむろに智花が取り出して見せたもの。

まるで切り札を引き当てた時の決闘者のように、存在感をまとって人差し指と中指で掲げてみせる一枚のカード。

そこに記されていたもの。

それは、『長谷川昴君大好きっ子クラブ〜会員No008〜』というものだった。

プラスチック製のもので、勿論俺の写真が入っている。

ただ、鈴木先生所有のものと違ってカードの周囲を金色の縁が枠を作っている。

……うわぁ(ドン引き)。

まさかのスパッツから取り出しておいて格好つけているという智花の黒歴史的な場面を目撃してしまいドン引きです。

でもちょっとそのカード触ってみたい。

 

「ば、馬鹿な……シングルナンバー……だと?」

 

まるで対戦相手が予想だにしなかった切り札を持っていて逆転負けしたような、そんな敗者としての立場が決定して愕然とする決闘者もとい鈴木先生。

その場に両膝をついて崩れ落ちた。

……何もそこまで落ち込まなくてもいいのに。

 

「フン…………は、長谷川さん、早く練習しましょう」

 

「お、おう……」

 

なんだろう、俺の方に振り返っていつもの甘ったるい声で話しかけてくる智花は、この数日見てきたいつも通りの智花でありながら、なんだか瞳の色が濁っているように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このあと無茶苦茶練習した。

あと、最後まで鈴木先生は鼻血が出たままだったけど誰か指摘してあげたのだろうか?

 

 




嬉しいことに、原作知らないけど楽しんでいただいている読者さんがいてくださるらしくありがたいです。
ネットで調べればキャラの容姿に関してはすぐ出てくると思うのですが、原作の知識ない人用に登場人物の紹介とかメモとかって別にあったほうがいいのでしょうか?
他の作者さんの作品だとたまに見かけますが。
あったほうがわかりやすいという声があれば、一応まとめます。


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9.5話

投稿が遅れて申し訳ありません。
今回は、前回にあったセリフの昼間の会話というのをどういったものだったかを書いたものです。
幕間です。短いです。
実験的にテレビでよくある修正音の一つを入れています。
脳内で他のものに変換してもいいですが、作者的に修正音はこれが一番好き。
アイデアはあったんだけど上手くいかず何度も書き直してたら遅くなった。


 

金曜日、4時間目の授業後。

全国の小学校と同じく、慧心学園の初等部も給食の時間となっていた。

配膳された料理を仲の良いメンバーで集まって食事をとる。

6年生の教室でも、それぞれあらかじめ組まれている班で机を動かして集まって食べている。

智花達女子バスケ部の面々は、普段から仲が良いこともあり班も一緒に組んでいた。

憂鬱な午前の授業から解放され、おしゃべりに花が咲く。

盛り上がっているが、どうやら話題は愛莉の持ってきた玩具のようだ。

玩具は玩具でも、子供らしいもので大人のものではない。

智花や紗季がこっそり持っていそうなものではなく、近所の本屋に設置されているガチャガチャで当たったものらしい。

それは平たく、卵型の形状をしているキーホルダー。

ボタンが一つ付いており、電池式で収録されている音声が流れるものだ。

 

「へぇー、こんなのあるんだ」

 

「面白そうだったからやってみたんだけど、これ赤ちゃんの笑い声がするんだよ」

 

実際にボタンを押してみると、《エヘェヘェヘ!》と赤ん坊が機嫌の良い時に出すような笑い声が流れ出す。

その音声を聞いていた真帆が何かを思いついた。

 

「これあれだ! テレビのバラエティーでやってるピー音のやつだ!」

 

「そういえば禁止用語に赤ちゃんの笑い声を重ねるの昔あったわね」

 

「おー、やってみる?」

 

「えぇ!?」

 

自分の想定していた遊び方とは違うことに驚く愛莉だったが、彼女以外のメンバーは好奇心に満ちてやる気満々だ。

今が食事中だということも御構い無しに下ネタを言ってみたくなる、そういう時期が誰しも思春期には経験があるだろう。

彼女達は小学6年生、まさに思春期!

行儀が良いとはお世辞にもいえないが、担任の篁美星は(女子)生徒に理解のある教師と知られていることからも解る通り注意する気配がない。

彼女自身、通ってきた道だからこそ理解があるのだろう。

小学校高学年ともなれば、休み時間に黒板に落書きされるものに、うんこ以外に男性器が描かれ始めるお年頃。

意味を深く理解していなくても、うんこと陰茎が会話に出て来ればそれだけで笑いが起こる年齢だ。

そして、個人差はあるものの知的好奇心が痴的好奇心に変わり始める時期でもある。

完全に痴よりな智花と紗季、いろいろ駄目な単語だけメイドに吹き込まれている真帆、楽しければ何でもござれなひなたがいればこの流れは必然だった。

 

「私やってみたい、愛莉貸して貸して」

 

「えっ、あ、はい真帆ちゃん」

 

愛莉から受け取った玩具のボタンを押すと《エヘェヘェへ!》と音が鳴りにやにやと笑う。

 

「なぁなぁ紗季、なんでもいいからエロいこと言ってみろよ」

 

「私なのね、まぁいいけど……オチン《エヘェヘェへ!》……オマ《エヘェヘェへ!》」

 

「ぶはははははは‼︎」

 

「あはははははは‼︎」

 

真帆と智花が爆笑する。

 

「ハァハァ、もう真帆は……今ご飯食べてるところよ?」

 

「一緒に爆笑してから言うなよ。あー面白い、次愛莉なんか言ってみてよ」

 

「えぇ、でも私恥ずかしいよ」

 

「まぁまぁ、遊びなんだしちゃんと隠すから」

 

友達からの無茶な振りに、戸惑いながらも愛莉は人の良さから応えようとする。

 

「じゃあ……セックs《エヘェヘェへ!》……もう真帆ちゃん!」

 

「あははは! ごめんごめんタイミング遅かった」

 

友達を信じて勇気を出したものの、ほとんど言い終わってからの音に恥ずかしがる。

そんな彼女に特に悪びれた様子もなく、軽く謝る真帆だった。

 

「おー、次はひなやってみる」

 

「ひなたか、よしこい!」

 

「お兄ちゃんの《エヘェヘェへ!》……あははおもしろい」

 

「長谷川さんの……」

 

特に深く考えてもいないだろうひなたのチョイスだったが、昨晩に三沢邸で目撃した長谷川昴のキノコを思い出して真っ赤になる愛莉。

恥ずかしがってはいるが、咄嗟に思い出せる程度にはしっかりと彼女の脳裏にも焼きついているようである。

 

「いやぁ、でも本物ちゃんと見たの初めてだったよな」

 

「お父さんのより大きかった」

 

ひなたが、父親が聞いたらダメージの大きいだろう言葉を口にする。

それを聞いて苦笑しつつも、同意する紗季。

 

「そうね、普通の人よりも大きいんじゃないかしら。やっぱり長谷川さん背も大きいし」

 

「紗季はエッチな本でいろんな《エヘェヘェへ!》見てるだろ? 他と比べてどうなんだ?」

 

「大きいわね……ってちょっと!?」

 

「やっぱり大きいんだ……」

 

「これくらいあったよね……」

 

狼狽したり想像したりで赤くなる紗季や愛莉。

智花は思い出した光景を元に、筆箱から15センチ定規を取り出してサイズを推定してみる。

 

「個人差もあるかもだけど、勃起したら単純に倍と考えると15センチ前後?」

 

「すげー! でけー!」

 

昴のマックスが14センチなので、智花の推測はなかなかに近いところをいっている。

盛り上がっている女子バスケ部の会話に聞き耳を立てていた周囲の女生徒達も、何人かは定規を出して長さを確認しながら自分の下腹部に当てて驚いている。

 

「おっきいといいの?」

 

「そうね、大きいってことは子《エヘェヘェへ!》どくから、それだけ《エヘェヘェへ!》やすいんじゃないかしら」

 

「赤ちゃんが作りやすいってこと?」

 

「一回出したら終わっちゃう人もいるらしいし、やっぱりちゃんと《エヘェヘェへ!》るのは大事なんだと思う」

 

「智花ちゃん詳しいね」

 

「このくらい保健の教科書に載ってるよ」

 

小学生の保健の教科書にそんなことまで書いてあったか疑問顔の愛莉。

このメンバーの中では別段、その教科書を熟読しているわけではないのでもしかしたら自分が気が付かなかっただけで載っていたのかもしれない。

素直な彼女は友達の言葉を信じたが、本当は平均サイズだの持続力だのが記載されているわけがないので完全に智花の嘘である。

 

「試合の後は長谷川さんと結婚式のモデルするのよね」

 

「おー、とっても楽しみ」

 

「それなんだけどさ、お母さんがすばるんと私たちを婚約させる気なんじゃないかってやんばるから聞いたんだけど……」

 

「真帆、それ本当?」

 

「何それいい、すごくいい」

 

「お兄ちゃんと結婚したらみんなはどうしたい?」

 

「セックスした《エヘェヘェヘェ!》」

 

「……あー、もっかん即答するから間に合わなかったじゃん」

 

「あんた長谷川さんのことになるとキャラ変わりすぎよね。溜まってるの?」

 

「だって長谷川さんだよ!? 毎日毎日すっごくエロいし‼︎」

 

「お兄ちゃんはエッチなカラダ。ひなでもわかる」

 

智花の熱弁とひなたの特に考えてない適当な言葉から、教室中の長谷川昴を知らない女子たちに、『長谷川昴なる人物はすごくエロい』という認識が生まれた。

まぁ間違ってはいない。

中身はいかに蛇とあわびの異種格闘技をするかばかり考えているし、その容姿や行動から童貞にも関わらず『歩くセックス』と一部の女子から呼ばれているぐらいである。

 

「私もね、長谷川さんが色っぽいのは同意するけど。具体的に智花はどこがいいの?」

 

友人の言葉に同意しつつ、なんとなく智花に聞いてみた紗季だったが、彼女はあくまでどこが一番気になるのかという事を聞きたかっただけだ。

にも関わらず、智花の何かに火をつけた。

智花はデザートのバナナを握りしめながら立ち上がり力説する。

 

「頭の先から足まで全部だよ!あのサラサラの髪すごいいい匂いだし普段優しいあの目もバスケの時は鋭くなるし! あの目で見られただけでちょっと濡れたし声、声もやばい!」

 

「あ、あの……智花ちゃん?」

 

「あの首筋、耳裏からのあのラインを汗がこうツツーってなるのも! あの筋肉質で硬い腕、指もごつごつしてて大きい! それに見たでしょあの腹筋と胸板すごい撫でたい舐めたい乳k《エヘェヘェへ!》し指でこりこりしたらどんな反応してくれるか考えただけでもご飯三杯はいける! それにあの脚線美、まさにアスリートのふくらはぎの盛り上がりエロいしあの足で男王様みたいに踏まれたいし長谷川さんが舐めろっていうなら足の指舐めれるよむしろ舐めまわすよ!それにあの大きなおち《エヘェヘェ《エヘェヘ《エヘェヘェへ!》もカリのう《エヘェヘェへ!》な《エヘェヘェ《エヘ《エヘェヘェへ!》《エヘェヘェへ!》たり《エヘェヘェへ!》……真帆?」

 

「いやもっかん、気持ちはわかるけど一回落ち着こ?」

 

最後の方がひどいことになっていたために、そのほとんどが真帆のディフェンスの前にかき消された。

そのことが不満なのか眉根をよせて頰を膨らませる智花だったが、さすがに教室内の男子を主とするおとなしめの生徒がドン引きしていた。

力説している間に手に力が籠ってしまったのか、バナナが中折れしたあれのように悲惨な姿をさらしている。

 

「とも、長谷川さん好きなのは解ったから」

 

「はいはいお前ら、その辺でおしゃべりやめてさっさと食べなさい。もう給食の時間終わるぞー」

 

さすがに給食としての時間が残り5分となってきたために担任教師である美星からストップがかかる。

担任から制止されれば、智花も認めるしかなく大人しく着座した。

 

「とにかく、みんな長谷川さんと婚約とかの話になっても嫌じゃないってことでいいのね?」

 

「お兄ちゃんならおーけー。ひなだいしょうり」

 

「私も長谷川さんとみんなと一緒なら」

 

「すばるんモテモテだな。じゃあもしお母さんがそんな話してきたら皆OKだって言っとくよ」

 

「えぇ、なりましょう皆で……竿姉妹に!」《エヘェヘェへ!》

 

最後の最後、真帆のディフェンスをすり抜けて智花の下ネタシュートが決まった。

 

 




後書きで報告している友人に聞いたのですが、三ヶ月らしいです。
この場を借りて、おめでとう。
いやメールでも祝福したけども。
祝いに酒おごれとかいうけど、むしろ独り身の作者におごれと思う。
嫌がらせにベビーベッド作ってやるから覚悟しろ。
サイズの採寸は?
デザインは?
予算の貯蔵は十分か?
置き場所を確保して待っていろ。



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10話 小さなペロン、高く広げて

お久しぶりです。
投稿ない間も感想や評価頂いた方ありがとうございました。
本当はエイプリルフールくらいには投稿をと思っていたのにいつのまにやらゴールデンウィークが終わっていた。
それもこれも「転職しよっかなー(チラッチラッ)」とちょっとアピールしたら携帯ド⚪︎モしか通じないというど田舎に出張に行かせた上司が悪い。a⚪︎が通じない。

上司「ワンコ派君、出張するなら日本のど田舎とお隣の国、どっちがいい?」
ワンコ派「出張しないっていうのは?」
上司「……にっこり」
ワンコ派「……ど田舎で」

まぁ帰ってきてからも時間あったのに書けなかったのは作者のせいですが。


土曜日の朝。

現在俺は三沢家へ向かう車に乗っているのだが、隣に座る真帆がまるで別人のようにおとなしい。

顔を真っ赤にしてうつむきながらも、時折ちらちらとこちらを窺っているのがわかる。

普段なら静かな事に堪えられないかのようによく喋るのだけど……

練習の時間までには元に戻ってくれる事を祈りつつ、ちょっとばかりやらかしたなぁと今朝の出来事を思い出していた。

 

 

 

全国的にはどうかは知らないが、少なくとも俺の地元は第二第四土曜日は学校が休みだ。

練習も三沢家に11時集合ということもあり、朝はいつもよりゆっくりと寝ているつもりだった。

いつもなら目覚まし時計も6時にセットしているところを今日は9時。

昨晩はいつもより夜遅くまで内職に勤しんでいたので、その分ゆっくり寝るつもりだったのだ。

ゴミ箱の中身をいくら量産しても金にはならないけれど。

あ、いや……売れば買うというやつも実際にいそうだけど、それはさすがにねぇ?

それはともかく。

朝早く、すやすやと俺が眠っている所へ侵入者が現れたわけだ。

 

「へへー、すばるん朝だぞー?」

 

お察しの通り、それは俺を迎えに来た真帆だった。

久井奈さんが俺を迎えに行くと聞いてついてきたらしい。

家に着いたはいいが、父さんからまだ寝ていると聞いて起こしに来てくれたみたいなんだが、いたずらっこな真帆は俺がすぐに起きないと見ると悪戯したくなったのだろう。

 

「おーい起きろー。すばるんは寝坊助さんだなぁ……起きないと悪戯しちゃうぞー?」

 

真帆が掛け布団を捲ると、彼女の目に飛び込んできたのは股間に建てられたテントだった。

 

「……うわ」

 

その頃になるとさすがに目を覚ましかけていた俺だったが、起きぬけの思考回路は寝ぼけていた。

目の前に、真っ赤になって俺の股間を凝視している美少女がいるわけで。

発育はまだまだだが、こちらに好意的な将来有望な女の子である。

ここは俺の部屋で、悲しいかな小3くらいから女の子を部屋に入れたことはない。

ミホ姉?……いやあの人叔母だし中身もあれだしカウントしなくていいでしょ。

まぁそんなわけで、これは夢だなと。

夢ならちょっとくらい悪戯してもええやないかと。

 

「うひゃあ!?」

 

寝ぼけた思考のまま、俺は真帆の左手首を掴むと強引にこちらへと引っ張った。

体勢を崩した彼女は仰向けで寝転ぶ俺に覆いかぶさるような格好となった。

互いの顔が数センチ先にある。

俺の視界には真っ赤になりながらあわあわと狼狽する真帆の顔があった。

空いている真帆の右手を掴むと、彼女の手を俺のへその下5センチほどの場所へと誘導する。

もう少し下へ移動すれば、彼女の手がテント内へとお邪魔することになるだろう。

陰毛に触れるか触れないかといった所で止める。

 

「あわ……あわわわわ」

 

いつも騒がしく、恥じらいなく下ネタの単語を口にする真帆らしくない反応。

その反応を見てなおさらこれが夢だと思った。

夢にしては触れた感触がやけにリアルだとも思ったけれど。

 

「男の寝床に入ってくるなんていけない子だね」

 

「へ? あの……起こそうと……ひゃう!?」

 

真帆の左手首を掴んでいた手を離し、その手でハーフパンツに包まれている彼女の尻を撫でた。

今思えば完全にアウトである。

羞恥心やら驚愕やらでわちゃわちゃとしているが、こちらに対する嫌悪感は見えてこない。

上半身を少し起こし、彼女の耳元に口を近づけた。

 

「……真帆のエッチ」

 

囁いて、彼女の耳たぶをぺろりと舐めた。

 

「……にゃぁあああああああああああああああああ‼︎」

 

鼻血を出しながら真帆が叫んだ。

その確実にご近所迷惑なレベルの声量に、耳を痛めつつ思考がクリアになっていく。

あれっ、これはさすがに夢じゃないんじゃない?

ばたばたと暴れながら部屋を飛び出していく真帆を目で追えば、扉の向こうから久井奈さんがハンディカメラを構えてこちらを撮影していた。

目と目が合う−−−瞬間現実だと気がついた。

無表情でサムズアップしてくる久井奈さんに、苦笑いでこたえる。

 

「さすがです長谷川様」

 

「アッハイ」

 

 

 

 

そんなこんながあって、真帆は落ち着きを取り戻したものの、いつもの溌剌さはなく随分とおとなしいというわけだ。

 

「さっきは本当にごめんな」

 

「……いいよすばるんも寝ぼけてたんだし、そんなに何度も謝らなくても」

 

怒ってはいないようなんだけど、やはり恥ずかしいのだろうか。

前世の俺はどうだっただろう?

近所の憧れのお姉さんに、冗談で尻を撫でられたあの日を思い出してみる。

あぁ、今だからいい思い出だけど当時は嬉し恥ずかしかったなぁ。

うん?……じゃあ嫌がってはいないということは真帆も少しは嬉しいのかな?

ただ恥ずかしくてどう接すればいいかわからないだけか。

思春期的なサムシングですね解ります。

 

 

まだ少しぎこちないものの、三沢家に着くころにはだいぶ普段に近い態度になっていた。

ただやはりどこか違和感を感じるのか、智花と紗季の二人はいぶかしげに真帆のことをちらちらと見ていた。

コートの中で準備運動を終えると、軽く基礎練習を流す程度に終える。

明日は試合だ。

あまり練習に力を入れて疲れを残してもいけない。

今日は軽く確認するだけにして、この後は試合に向けて作戦を伝える時間にするつもりだ。

コートの中を駆ける少女達の未発達の尻を眺める。

目で見る限りはまだまだ肉付きが足りない気がするが、今朝揉んだ真帆の尻の感触はちゃんと女の子なんだなぁと少し感心した。

 

「はい、じゃあ次はオフェンスとディフェンスに別れようか。今日は試合のポジションでやるよ」

 

『はい!』

 

5人の元気のいい返事が重なる。

やる気十分で大変よろしい。

ポジションはあらかじめ伝えている。

経験者で実力が突出している智花は司令塔。

中央で指示を出しつつ攻撃と防御、臨機応変に対応してもらう。

彼女の負担は大きいが現状のメンバーでは頑張ってもらうしかない。

真帆と紗季はオフェンス。

二人は幼馴染という事もあってか、5人の中でも特に息のあった動きをする。

持久力にも優れる真帆には積極的に攻めるように、真帆よりもシュートの成功率が高い紗季には少し離れた位置からのシュートを積極的に打つように指示している。

二人でゴールの近〜中距離を攻めてもらう。

愛梨はだいぶオフェンスも動けるようになってはきたものの、男子相手だと萎縮してしまいかねない。

なので、その手足の長さを活かしたディフェンスをしてもらう。

彼女が相手のシュートコースに手を伸ばすだけで、相手はシュートを打つのをためらうだろう。

コンプレックスである長身を活かした戦法だけに、愛梨としてはあまり好ましいものではないだろうが、これを乗り越えてしまえばコンプレックスも緩和されるかもしれない。

ひなたちゃんもディフェンスだ。

一週間前と比べると、5人の中では一番成長したと言ってもいい。

しかしそれでも元々の身体能力の差か、スピードも持久力も心もとない。

だが観察力に優れているらしいひなたちゃんは、最近は相手の動きを先読みしようとしている。

だからこそ前半は適度に動きつつ、相手の動きを観察することに集中してもらう。

心理戦みたいだが、相手から彼女は戦力外とでも思われれば儲け物。

油断したところで後半から相手のパスやシュートの妨害をする作戦である。

 

「はぁ、はぁ……」

 

軽い練習といっても、練習中は本気で動いているわけだし汗もかく。

上着が肌に張り付いて体のシルエットがはっきりと見え出す。

相変わらず愛梨以外の4人はブラしてないんだよなぁ。

あれから言いつけを守ってスポーツブラをしている愛梨はえらいと思う反面、普通のブラなら練習中にホックが外れて慌てたりするシーンが拝めたのではないかと思うと勿体ないことをしたかもしれない。

いや、未来あるおっぱいのクーパー靭帯を守るためにはそれくらいの犠牲は涙を飲むしかあるまい。

……あれだけ大きかったら肩こるだろうなぁ。

もう少し仲良くなれたら肩を揉んでやりつつどさくさでホックを外す悪戯とかダメ?……あっ、逮捕? しないしないダイジョブ。

 

「はい、じゃあ今日はここまで」

 

「えー、まだ時間あるよ」

 

「試合は明日なんだし、もっと練習したほうがいいんじゃ?」

 

いつもの半分くらいの時間で切り上げることを告げると、真帆と紗季はどこか不満そうだ。

それだけ練習に熱心なのはいいことだが、試合前だからこそである。

 

「最初に言っただろ? 明日が試合だからこそだよ」

 

「おー、そういえば言ってた」

 

「そっか、疲れを残さないようにしなきゃいけませんしね」

 

納得してくれたなら、とりあえずシャワーを浴びてもう一度集合だ。

久井奈さんにはこの後、DVDが見れる場所を借りれるように頼んである。

ちょっとそこの君?

DVDと聞いて真っ先にアダルトな内容を連想するのは間違っているぞ?

さすがに小学生にそんなもの見せるわけないでしょ。

まぁ、平行世界の俺は小学生と際どいシーンの映画を見ている気もするがこちらの世界はあくまで健全なので。

そう、我々は健全なので。

単なるバスケの試合の映像を見て、初試合の参考にしてもらえたらと思っただけである。

一旦解散して俺は映像の準備をすることに。

 

「長谷川様はこちらへ」

 

「えっ、ちょ」

 

と思ったら三沢メイド隊の面々に拉致られた。

雇う基準に容姿が優れていることが必須なのか知らないが、どのメイドさんも美女ばかり。

そんな女性陣に囲まれてパンツ一枚にひん剥かれる俺。

あーれー、犯されるー(カモーンヌ!!)

いや冗談よ、年上が少し苦手な俺としてはさすがに筆下ろしがお姉様ズとの大乱行スマッシュシスターズはきついわ。

貞操の危機を感じたけれど、実際はただの服の採寸だった。

あぁ、例のモデルの件ですねそうですね。

でも胸部のサイズやウエストを測るときに必要以上に抱きついている気もするし、わざわざ採寸する場所が変わるたびに人が変わる必要もないと思うんだけどな。

いろんなお山の感触が感じられて役得ではあるけども。

必要性をあまり感じない撮影係りまでいるし。

何々?……後ほどドキュメンタリー的な何かで使うから云々。

成る程なー。

お国の事業の一環だもの仕方ないのか?

 

「あんた達、何してるのかしら?」

 

と思ってたら違ったらしい。

いつのまにやら現れた真帆のお母さん。

額に青筋がたっていて、めちゃくちゃ怒っているのがうかがえる。

声が聞こえた瞬間には、メイドさん達は全員が土下座していた。

どうやら採寸を命じたのは真帆のママンらしいが、あくまで命じたのは1人にで10人単位にではないらしい。

あとから久井奈さんに聞いた話では、彼女達はこの後《三沢家愛の説教部屋》と呼ばれる場所で再教育が施されたらしい。

ちょっとエロスな名前の響きだと思ったけど、SMプレイのための部屋とかではないらしい。

ですよねー。

 




最近、近所に回覧板を回しにいった時のこと。
近所の幼稚園くらいの姉弟が「うわぁ、おっきいねー。ごりらみたい」と作者を見てのたまった。
物怖じしないのか、作者の足元まで三輪車でくると「おじさんはごりらのフレンズなのー?」と聞いてきた。
その子達のお母さんが謝ってきたが、このお母さんは子供と一緒にけものフレンズ見てるんだなーと思うとなんかほっこりした。
お母さんが恥ずかしそうにしていたのは、子供の失礼な態度のことよりもたぶん作者にけものフレンズ見てることばれたからだろうなぁと推測。
恥ずかしがらんでもいいんやで?

弟「うほうほやって、うほうほやって」

作者「……がおー!食べちゃうぞー!」

姉「ごりらはがおーっていわないんだよ。それににくしゃくじゃないからたべないよ」

母親「こら、せっかくお兄さん構ってくれたのに。すいませんすいません」

お姉ちゃんのほうにマジレスされました。
でも惜しい、にくしゃくじゃなくて肉食なんだよなぁ。



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11話 迫るBBA 受けで抱きしめ

短いですが、久々の投稿。
以前の投稿のあと、ロリコンになりそうという感想が多かったため、ロリコン成分を中和するために今回はPTA提出用なくらいに下ネタ成分薄めにしたつもり。



 

ついに試合の日となった。

慧心学園の初等部の体育館へと向かっているのだが、校門をくぐってからもちらほらと生徒たちの姿が伺える。

中学生とは違って、小学生のクラブ活動には休日の活動とかは基本無いはずなのだが、まるで登校日かのようだ。

校庭で何かイベントをしているようにも見えないので、おそらくは智花たちの試合を見に来ているのだろうが。

単純に友達の応援に来ているのか。

それとも好奇心で見に来ているだけなのか。

……すでに智花たちがいるであろう体育館には向かわずに、遠巻きに俺を見ていることから後者なんだろうなぁとは思う。

ちっさい子から大きな子までいるので、もしかしたら全学年?

小学生の頃って、ここまで女の子は異性に興味あったっけと思い返してみる。

浮かんでくるのはズボン下ろしや、黒板のきのこの落書き。

着替えを覗こうとする子もいたなぁ。

そういや不可抗力とはいえ、この間バスケ部の子たちにもろに見られたばかりだったっけ。

うん、興味深々だったね。

俺が歩くのと同時に、人の群れが付いてくる。

なんか数日前にもあったなぁ。

最早恒例ともいえるものすごい既視感を感じる。

 

「おーい! すばるーん!」

 

遠くから俺を呼んでいるのは真帆だった。

まるで飼い主を見つけた子犬が尻尾を振るかのように、ぶんぶんと手を振っている。

その周りには、他のメンバーも揃っていた。

皆いつもの体操服に着替えて準備は整っているようだ。

 

「お待たせ」

 

「はい、まだ試合まで時間があるから大丈夫ですよ」

 

試合開始までまだ一時間近くある。

にっこりと微笑む智花には緊張の色は見られなかった。

 

「うー、早く試合始まんないかなー。うずうずして仕方ねーよ」

 

「あんたは少しは緊張感持ちなさいよ」

 

むしろ真帆などは初めての試合が楽しみで仕方がないようだ。

そんな彼女に紗季が呆れたような声を出す。

 

「おー、ぜったい勝つ」

 

「うん。頑張ろう」

 

ひなたちゃんも愛梨もやる気十分のようだ。

当初はあわやバスケ部存続不可能になるかもしれないと、どこか悲壮な覚悟を決めていたようだが、今はそれが取り除かれている。

純粋に楽しみで仕方がないようだ。

 

「よーし、皆一週間でよく頑張った。今日はその成果を特等席で見せてもらうよ」

 

「は、はい‼︎ 任せてください‼︎」

 

近くにいた智花の頭を優しくぽんぽんとしてやる。

大きな声を出しながら、智花は胸を叩いて自信満々だ。

うん。揺れないね。

 

おっぱいを たたいてみても ゆれないね

 

……一句できたな。

えっ、季語がない?

えーっと、……おっぱいをちっぱいに変えて春的なのはどうだろうか。

思春期とか青春とか。

あっ、駄目ですか……そうか。

頭の中でけっこう失礼なことを考えながらも表情には出さない。

そのあとウォーミングアップのために体育館の中に入った。

 

 

 

 

中ではすでに男子バスケ部の面々が練習をしていた。

ふむ、俺の小学生の頃のチームに比べて総合力はそこまで高いわけではなさそうだ。

ざっと見て全国まではいけないが、地区大会までならいい線行きそうな感じ。

体格としては、互いにそれほど差はない。

こちらは小学生離れした愛梨がいるが、逆に最も体格で劣るひなたちゃんもいる。

それでも智花以外は初心者の集まりである女子バスケ部の試合の相手としては強敵に違いない。

中でも一人、他の子よりも動きにキレのある子がいる。

おそらくはその男子がエースなのだろう。

紗季に教えてもらったところ、竹中夏陽というらしい。

幼少からバスケをしていて、やはり男子バスケのエースとのこと。

ちなみに真帆と紗季にとっては幼馴染であるとのこと。

おそらく性格的なことは互いに知っているため、二人の動きは他のメンバーよりも読まれやすいかもしれない。

注意が必要な相手だ。

 

「じゃあ皆、昨日話した通りでいくよ」

 

「はい!」

 

試合前のアップでは、あまりこちらの手の内を見せないようにする。

主にドリブルやパスの基本練習のみでシュート練習はしない。

ただ思わぬところでディフェンスの動きは見られてしまった。

向こうの顧問……確か鈴木先生だっけ?

彼女が挨拶に来てくれたのだが、それを遮るように智花と紗季がディフェンスの動きで邪魔していた。

小学生相手に「むきー!」と怒っていたが、彼女の相手は向こうでにやにやしているミホ姉にまかせよう。

とりあえず、遠目から軽く会釈しておく。

問題は、智花と紗季のディフェンスの動きを竹中が注視していたことだ。

智花以外のメンバーもそれなりに基礎が身についていることに勘付いているかもしれない。

まぁ、始まってみなければわからないか。

 

 

 

柔軟とアップは十分に終わり、試合の時間となった。

公平にするためか、審判は鈴木先生でもミホ姉でもなく別の教師が担当してくれるようだ。

 

「これより、男子バスケットボール部と女子バスケットボール部の試合を始めます。礼!」

 

『よろしくお願いします!』

 

両チームが整列し、挨拶が交わされる。

他のメンバーがそれぞれのポジションにつく中、ジャンパーだけはセンターサークルに残る。

もちろんこちらのジャンパーは愛梨だ。

身長が一番高いのもあるし、何よりここで出なければ不自然だ。

相手側の選手は特に一番高い選手ではない。

おそらくは愛梨に高さでは敵わないと考え、最初からジャンプボールは捨てるつもりなのだろう。

笛の音と共に上へ投げられるボール。

両者ジャンプするが、やはり愛梨の手がボールに触れた。

 

「えい!」

 

「ナイスあいりーん!」

 

弾かれたボールは真帆の手へと渡る。

 

「来るわよ真帆!」

 

「えっ、わきゃ!?」

 

しかし、相手もすでに動き出していた。

のんびり次の動きを考える暇を与えてくれるわけもなく、真帆のボールを奪いに選手の一人がプレッシャーをかけてきた。

たまらず真帆は智花にパスを出したが、その動きを読んでいた竹中にカットされる。

 

「行かせない」

 

ドリブルでコートを駆け上がる竹中の進路に立ちはだかる紗季。

すると竹中は、無理に紗季を抜こうとせずに反対側に走りこんでいた選手にパスを出す。

本来であればコート下を守る愛梨は、まだその場にいない。

遮るもののないシュートは、そのままゴールに吸い込まれた。

 

「よっし先制点」

 

「ナイッシュー!」

 

先制点を取り活気付く男子チーム。

うまいことやられたな。

0−2。

開始早々に点を取られてしまった。

特に自分のパスをカットされた真帆は悔しそうだ。

しかしこの状況も元々考えには入っていたこと。

 

「どんまいどんまい。まだ始まったばっかだよ」

 

コート下、紗季のスローインで再スタート。

ひなたちゃんから愛梨、真帆へとボールが渡る。

そこへ男子がボールを奪いにやってくる。

 

「さっきは、やられたけど……今度は!」

 

「えっ!?」

 

真帆はそれをドリブルでターンを決めて回避した。

想定していなかった動きなのか、硬直する選手。

真帆はそのままコート右側から相手陣地に切り込むようにドリブルする。

慌てて相手選手の一人がディフェンスに入るが、その隙間を見逃す智花ではない。

走り込んだ智花に、真帆がパスを出す。

 

「ナイスパス、真帆!」

 

竹中が気付いて智花のパスコースを潰そうとジャンプするが、それは一足遅かった。

以前俺が見惚れたあのジャンプシュートが、綺麗に弧を描いてゴールに吸い込まれる。

2−2。

 

「おー、智花ないっしゅー」

 

「うん。ありがとひなた」

 

取られたらすぐに取り返す。

喜び合う女子バスケ部に対し、早々に点を同点に戻された男子は悔しそうだ。

智花を警戒してか、二人が彼女のマークについた。

まぁ、これもそうなるだろうとは元々想定してたことだから焦りはしない。

そこからは互いに点差があまり開かず6分が経過。

6−8で第1クォーターが終了となった。

マークがついた智花が思ったように動けず、そこを竹中に攻め込まれた結果だ。

しかしこちらも紗季が手堅くシュートを決め、愛梨も2本のシュートを防いで見せた。

ここまでは予想通りだろう。

互いにまだ様子見といったところか。

試合経験の差から言えば、相手が本気ならもっと点差が出てもおかしくはない。

クォータータイムの間に水分を補給させる。

 

「どう、ひなたちゃん。見えてきた?」

 

「んー、もうちょっと」

 

「わかった。多分相手もさっきまでは様子見だったからね。次は動くと思うからよく見てね」

 

「がってんしょーち」

 

ひなたちゃんは他の4人と比べ、あまり汗をかいていない。

ディフェンスに徹しつつ、相手を観察してもらっているからだ。

だが、まだ相手も手の内を出していないせいか情報不足。

後半までには何か見えるといいが。

 

「智花、大丈夫?」

 

「はい、まだまだいけます」

 

「よし、頼んだよ」

 

逆に4人の中で一番負担が大きいのは智花だ。

マークが二人、相手を引き付けながら中央で指示も出している。

しかも、二人で止められると思わせる程度に手加減してもらっているのだ。

これで疲れないわけがない。

 

「頼りにしてるよ」

 

「は、はひ! 頑張りましゅ!」

 

観客の目に見えないようにしながら、智花の腰に手をやりつつ耳元で声をかける。

それだけで、気力が回復してしまう智花。

……ちょろい。

側から見たら、健気な子供を手玉にとる悪い大人だよなぁ。

 

「みんな、締まっていくよ!」

 

「「「「おー‼︎」」」」

 

そして、第2クォーターが始まる。

 

 

 




先日、ベビーベッドが完成したので友人にプレゼントしました。
喜んでくれて良かったけど、マットの下の板を一枚はがしたら神社のお守りが多数入っているというギミックに結局気がついてくれませんでした。

それとは関係ないですが、掃除をしていて小学校のころのアルバムが出てきたんですが、中学年までは写真の中の子はブルマだったのに、高学年になると半ズボンになってたんですね。
時代の転換期だったんだなぁとしみじみと思いました。
どうでもいいですね、えぇ。
作者としてはブルマやスク水よりも、どちらかといえば競泳水着が好きなので。
もっというなら浴衣から覗くうなじが大好きなんですが。
近所の盆踊りの祭りでは、ここ3年ほど自治会が出す屋台でフランクフルトを焼いているのです。
浴衣の女性が作者の焼いたフランクフルトを食べる姿はいいと思いますか?
でも残念。丁度いい年齢の女性は浴衣着て近所の祭りなんて来ないんですよねぇ。
浴衣きてくるのは将来の浴衣美女かかつて浴衣美女だったかの年齢の方々だけなんですよねぇ(超失礼)




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12話 金返すんだ! りそなへ!

お久しぶりです。
ワンコ派です。
短いですがお待たせしました。

もう夏が過ぎてだいぶ涼しくなりましたが皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
作者は失恋したり、二日酔いしたり、高熱出したり、そのせいかスタンディングするのが少し遅くなるようになったり、色々ありましたが元気です。

先日、件の友人の赤ちゃん無事に生まれたとのことで写真を見せてもらいました。
予定より少し早く生まれたらしいですが、元気だそうで。
きっとこの赤ちゃんも、父親に似て成長したらロリコンになるのかなと思いました。


コートの中で向かい合う選手たちに、体育館内に緊張が走る。

長めのホイッスルの音とともに第二クォーターが始まった。

男子ボールからの開始。

司令塔である竹中を中心にして、三人で攻めてくる。

それぞれに智花、真帆、紗季がマークに入った。

一人の男子選手が竹中に出そうとするパスをカットして、智花がボールを奪う。

 

「切り替えなさい、ディフェンス戻れ!」

 

速攻でカウンターを決めようとした智花だったが、向こうの監督である、す、す……何先生だっけ? 

まぁ先生がちゃんと監督らしい指示で選手を下がらせる。

攻守の切り替えがきっちりできるチームは手強い。

さすが地区大会優勝は伊達ではないか。

 

「まずはパスで回すよ!」

 

「よしこい!」

 

軽快なパスまわしでコートを駆け上がる智花と真帆の2トップ。

 

「させないよ!」

 

しかし単なるパスとドリブルでは、当然男子チームの妨害を受ける。

智花には二人がかりで、真帆には一人だが竹中が止めに来た。

ふむ、これは完全に真帆は竹中にカモられているな。

案の定、俺との特訓で練習したフェイントとかも取り入れているが、ここぞという時の抜き去ろうという考えを読まれている。

 

「あぁ!?」

 

「分かり易いんだよバカ真帆」

 

竹中があえて見せた隙に、横を抜き去ろうとする真帆。

その瞬間、彼はボールの進行方向に手を少し差し出すだけで弾いた。

真帆の意図とは別方向へと弾んでしまうボールを、竹中は掬い上げるとそのまま山形に放り投げる。

着地点には別の男子選手がいた。

向こうにとっては一番やっかいな智花を飛び越えてのパスだった。

やっぱりあいつは男子チームの中でも抜きん出てるな。

 

「よしあがれぇ!」

 

竹中の号令でフリーだった残り二人の選手がカウンターをしかける。

今度は逆に攻め込まれる女子チーム。

 

「おー、ひながとめる」

 

「悪いけど止められないよ!」

 

むん、とやる気を見せるひなたちゃんだったが、あっさりと抜き去られた。

しかし一人抜かれてもまだ愛梨がいる。

 

「わ、私も……」

 

シュートモーションに入る選手とゴールとの間に立ちふさがる愛莉。

背の低い小学生男子からすれば、ジャンプした愛莉の作る壁は驚異だろう。

スポーツブラをつけて揺れを抑えているはずなのに、力一杯飛んだせいで大きな果実がぶるんと揺れ動く。

その動きからも、どれだけ跳躍力があるかが伺える。

この一週間で愛莉のジャンプ力もかなりレベルアップしている。

身体能力が伸びたのではなく、単にもともとあった高いポテンシャルを利用した跳躍の仕方というものを覚えたのだ。

だが、逆に高く跳ぶということは着地までの時間も長いということ。

そして愛莉の長所でもあり短所でもあるのは素直すぎるということだ。

普段は騙されやすい女の子ってちょろ可愛くていいんだけど、勝負の世界でそれは欠点となる。

シュートモーションはフェイント。

選手はその場で屈伸するだけでジャンプしないまま、愛莉の足が床につくまでにパスを出す。

 

「えっ?」

 

繋がったパスからの邪魔するもののいないシュートは、ぱさりと軽い音をたてて決まった。

6−10。

男子選手がハイタッチを決めていると、観客から黄色い歓声があがる。

点を取って取り返されての繰り返しだった第1クォーターから、初めて4点差になったな。

そのことに活気付く男子チーム。

 

「どんまいどんまい。まだまだこれからだよ」

 

流れが向こう側になったかな。

だけど、これも想定内。

この第2クォーターで10点差くらいはつくかもしれないと思っているので、気にしてはいけない。

むきーっと真帆が悔しがっているが、事前に話していたのを忘れたのだろうか?

 

「智花」

 

「……はい!」

 

全体的な技術では敵わないことは解っている。

だからこそ、こちらは小学生ではまだまだ苦手だろう戦術で戦うのだ。

智花に、あらかじめ決めていたハンドサインを送る。

こちらの意図を理解した彼女は、大きく頷いた。

ひなたちゃんは第1クォーターと今回の動き、完全に相手にされていないほどの軽さで抜かれた。

そろそろ向こうもひなたちゃんを戦力外と認識しているだろう。

マークする意識は智花と真帆、紗季に集中している。

確実にするならそろそろだ。

 

 

 

「いくわよ智花!」

 

「うん!」

 

ホイッスルの音と共に、ゴール下から紗季が智花へとパスを出す。

ドリブルをしながら駆け上がる彼女。

それを二人の選手が正面に立って阻害しようとするが……

 

「な、何ぃ!?」

 

「うわぁ!?」

 

ゆらりと左右に上半身を振った後、フェイントからの急激な方向転換。

俺の指示でギアを一つ上げた智花は、二人の間を縫うようにして駆け抜けた。

 

「このぉ‼︎」

 

三人目の選手が立ちふさがるも、智花はそこで踏み込んだ右足を軸に反時計回りに回転。

背中を見せることで相手の視界からボールを隠し、反転して突破した。

あれで本気じゃないんだよなぁ。

末恐ろしいものだが、味方に腕のいい選手がいることはいいことである。

一気にゴール近くまで攻め込んだ智花。

しかし竹中も、彼女が他の選手を突破することを読んでいたのか、既にゴール下まで戻ってきていた。

 

「やっぱりお前か湊……止めてやる!」

 

シュートモーションでジャンプしようとする智花。

それを阻止しようとする竹中。

 

「……えっ?」

 

だが、こちらも竹中ならここまでディフェンスしてくるだろうとは読んでいた。

智花の手から、ボールがぽろりと後ろへ落とされる。

前方に射出されると思っていたボールが、なぜか彼女への背後へと。

そこには、フォローのために走り込んでいた紗季がいた。

 

「この距離からなら外さない」

 

立ち位置はゴール正面の3メートル。

メンバーの中でも智花に次いでシュートの精度の高い紗季が外すとは思えない。

何故ならその位置は、俺がこの1週間紗季にシュート練習でひたすら覚えさせた位置なのだ。

智花のシュートを妨害しようとして跳躍している竹中。

実際にボールを持つ紗季との間には、智花がいるためそのシュートを止めることはできない。

お手本のような動作で放たれたボールは、危なげなくゴールへと吸い込まれる。

 

「紗季、ナイスシュート!」

 

「やったぜ紗季ぃ!」

 

8−10。

完全な点の取り合いに、観客からも喝采が飛ぶ。

いける。全然いけるな。

油断や慢心はいけないが、経験者相手であろうと彼女たちはちゃんと戦えている。

とても1週間前まではドリブルすら碌にできなかったメンバーのいる試合には見えない。

男子ボールから再スタートする。

ちゃんとした試合にはなっているが、なかなか相手からボールを奪えない。

やはり相手選手一人一人の実力も高いせいか、真帆と紗季もマークして妨害はできているものの、ボールを奪うまでには至っていない。

智花が率先してボールを奪いに行くも、相手も彼女を警戒してか正面から戦わずに近づく前にパスで翻弄してくる。

互いに攻めあぐねる状況が続き、第二クォーターも時間切れとなった。

 

 

 

 

 

「いいぞみんな、その調子。ちゃんと水分補給して息を整えてね」

 

「はい」

 

コートを出て水分補給をする五人。

前半が終わって、特に智花の消耗が激しい。

続いて真帆と紗季の二人もはぁはぁと息を荒くしている。

流れる汗を拭こうと、真帆が体操服の襟をひっぱって顎を拭いている。

そのせいでへそが丸見えになってしまっている。

 

「ほらほらタオルあるんだからこっちで拭きなさい」

 

「わぷっ」

 

おもむろにタオルで真帆の顔を拭いてやると、驚きつつもされるがままになる。

 

「あっ、ひなもひなもー」

 

「はいはい」

 

気がつけば順番待ちの列ができていて思わず苦笑する。

本当なら顔だけでなく服の下も拭いてあげたいけれど、むしろ拭きあいっことかしたいけれど。

スパッツの中とか蒸れ蒸れなんじゃないかな?

愛莉にいたっては胸の谷間とかもね。

まぁ、衆人環視の中でやれば冗談じゃなく逮捕されそうでやらないけど。

でもなんか頼めば智花とかひなたちゃんはさせてくれそうな気がする。

いや、頼まないけどね?……本当だよ?

 

「いまのうちに皆、糖分とか補給しておこうか」

 

今日のために(俺の父さんが)作っておいたレモンの砂糖漬け。

保存パックの蓋を開けて差し出せば、大喜びで群がる5人。

 

「おー、あま〜い」

 

「美味しいです! これは長谷川さんが作ったんですか?」

 

「いや、俺の父さんだよ」

 

「へー、長谷川さんのお父さんですか」

 

「お義父さん、こういったものも得意なんですね」

 

父さんの作ったものと聞いてがっかりする真帆。

愛莉と智花は、父さんが子供達のために作ってくれたことに感心しているようだ。

 

「前半はよく頑張った。特に智花、偉いぞ。ご褒美にもう一つレモンあげよう」

 

「は、はい!ありがとうございます!」

 

特に消耗の激しい智花に対して、ここでご褒美をあげよう。

前世で俺が近所のお姉さんにされてドキドキしたことの一つ。

飴をあーんしてもらったあとに、唇を指先で撫でる。

今回は飴じゃなくレモンだけど。

 

「はいあーん」

 

「ふぇえ⁉︎……あ、あーん……」

 

驚いて恥ずかしそうにしつつも、断らずに口を開ける智花。

小さな口の中が見えた。

歯並びの良い小さな白い歯と、緊張からか少し震えているピンク色の舌。

口腔内に指を突っ込んでみたい衝動にかられるが自重する。

そういえば、犬というのは信頼している相手は口の中に指を入れても怒ったりせずされるがままだそうだ。

智花は人間だけど、なんとなくそんなことを思い出した。

レモンの砂糖漬けを彼女の舌の上に置く。

溶けて粘液状になった砂糖が、俺の指先と彼女の舌先とを繋ぐように垂れる。

その垂れそうになった砂糖を智花の柔らかい唇に、リップクリームを塗るように優しく練り込んで行く。

 

「ふぁ、あふ……ん、甘いれす」

 

そりゃあ砂糖漬けだからね。

周囲からすごい視線を感じるが、気にしないでおこう。

他のメンバーが顔を真っ赤にしてキャーキャー言っている。

というか体育館中の視線がこちらに向いている。

ミホ姉もこっちを凝視しているが気にしたら負けだ。

勝つためだよ勝つため、と自分の中で正当化させる。

コートの反対側で男子チームの監督の先生が何か色々吐いていた。

向こうも糖分補給できたようで何より。

 

「ねぇねぇ智花だけー?」

 

「さっきは一番頑張ってたからね。次は別の人にご褒美をあげようか」

 

「よっしゃー! 約束だかんな!」

 

「やってやるんだから!」

 

「おー、ひなもお兄ちゃんにあーんしてもらいたい」

 

「あわわわわわわわわ……」

 

三者三様にやる気を出す面々と、ジ⚪︎パリパークのポンコツガイドのように狼狽する愛莉。

そして、後半戦が始まろうとしていた。

 

 




健康診断の季節ですね。
働いている皆さんも会社によって誤差はあれどそろそろじゃないでしょうか?

作者の会社は9月に一斉にあったんですがね。
最近ズボンのウエストが少しきつくなったかなぁ?と思っていたら、夏に銭湯で測った時より2キロ太っていました。
そして、身長も2.5センチ伸びていました。
思わず看護師さん(測定の人)の測り間違いかと思って二度測定しましたが間違いなく伸びてました。

ワンコ派!
31歳!
第3次性徴期!
あこがれの190センチまであと2センチくらい!

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13話 (ロリを)やめない勇気 

メリークリスマス!(錯乱)


年内に投稿と思っていたらいつのまにかクリスマスどころか元旦すら終わっていた。
わけがわからないよ……
皆さん去年はどうでしたでしょうか?
作者の去年は、一番嬉しかったことはエアコンを買うときに知り合いの店員が社員割以上に値引きしてめちゃくちゃ安くしてくれたこと。
一番イラっとしたことは、すがすがしい朝に散歩をしていると道端に真っ黒なディルドーが落ちていていい気分を台無しにされたこと。

なにはともあれ、待っていてくれた方々は本当にお待たせしました。
サブタイトルは空耳は独創性がないという意見も評価のところでいただいてますが、ここまで続けたのでこれでいきます。


当初の想定よりもかなり接戦で戦えている。

心配なのは体力面か。

水分補給もして息も整えたとはいえ、みんなの顔には若干の疲労が見える。

ただ、その目を見ればまだまだ闘志は衰えていないようだけど。

 

「みんな、頑張れよ!」

 

後半戦、第3クォーターが始まる。

ホイッスルの音で女子チームのボールからスタート。

ひなたちゃんから愛莉、さらに紗季へと順調にパスが回る。

 

「……マークが早い」

 

先ほどの第2クォーターの智花の動きを見てか、智花へのマークが3人になった。

竹中を含む男子三人が智花へのパスコースを最初から潰しにかかる。

真帆対策としては、向こうは竹中を当てるのが一番なのだろうがそうも言っていられないのだろう。

エースはエースで封じようというわけだ。

他の一人は真帆と紗季と対峙している。

完全にひなたちゃんと愛莉は脅威ではないと見なしたのだろう。

これまでひなたちゃんは活躍と呼べるプレーを何もしていないし、愛梨も肉体的なポテンシャルは相手からすれば脅威だろうが、これまでオフェンスに参加していないからな。

それでもかなり思い切った判断といえる。

これはエースの竹中の判断か、もしくは向こうの監督役の先生の判断か。

 

「智花には三人で私たちには一人か……舐められたものね」

 

安定したドリブルで相手と対峙する紗季が自嘲気味にため息を吐いた。

 

「湊には驚かされたけど、あいつさえ封じちゃえば後は1対1じゃ負けないよ」

 

「あらそう、1対1じゃあないのだけどね」

 

「……えっ」

 

「マズイ! 香椎だ‼︎」

 

そこへ、紗季を追い越すようにして走りこんでくる愛莉。

存在感のある愛莉が来れば、いくらオフェンスに参加していなかったとしても無視できるものではないだろう。

竹中の声に反応して、すぐさま相手男子はマークを紗季から愛莉へと切り替える。

 

「さき、ないすぱーす」

 

「何ぃ⁉︎」

 

だが、実際に紗季からボールを渡されたのは反対側から上がってきたひなたちゃん。

前半でのたどたどしいパスしかしなかった子とは思えないほど、危なげなくドリブルして駆け上がる。

ノーマークだったために、妨害もなくコート近くまであっという間だ。

 

「ほい」

 

そのままシュート。

しかし、まだコントロールが甘いせいかポストに弾かれる。

ゴール下には、今にも落ちてくるボールを確保しようと両チームのメンバーがせめぎ合う。

 

「頑張れ!……愛莉!」

 

「はい!」

 

こと高さを競う勝負で、この場で愛莉以上に優れている者はいない。

誰よりも高く跳躍した愛梨は、そのままボールを両手でがっちりとキャッチした。

これまでの彼女なら、気の弱さから男子と入り乱れてボールを取り合うことなどできなかっただろう。

一週間とはいえ、男子が苦手という意識を克服する特訓が生かされたのだ。

……あれ? でもどの特訓が活かされたんだろうか?

セクハラまがいのことしかしていない気もするけど考えちゃいけないね。

 

「紗季ちゃん!」

 

「まかせて。私の間合いだもの」

 

ゴール真正面、少し離れた位置に走りこんできた紗季にパスが回る。

一番練習し、彼女が一番自信のある位置からのシュート。

任された仕事はきっちりとこなす。

パスッと軽い音で危なげなくゴールへとボールが吸い込まれた。

10−10。

 

「紗季、ナイッシュー‼︎」

 

体育館を歓声が包む。

周囲の観客として集まった幼女たちは、たぶん男子チームか俺が目当てだったのだろうが、今はもう試合に夢中になっていた。

 

「くそっ‼︎ 湊は俺が一人で相手するから、それぞれマークだ」

 

こんなはずじゃない。

そう、男子チームのメンバーの顔にはありありと出ていた。

いくら女子の方が男子よりも身体能力に優れるといっても所詮は小学生。

さほどの差があるわけでなく、むしろ普段から練習をしている自分たちの方が体力も技術も優れているという自負があるはずだ。

本来なら、第3クォーターの時点でかなりの得点差ができている想定だっただろう。

ましてや相手はまともに練習したのはこの一週間だけ。

智花以外は初心者もいいところなのだから。

向こう側の誤算は、智花が小学生離れしたプレーヤーだったこと。

そして何よりも他のメンバーもしっかりとプレイできている点だろう。

俺の教え方が良かった、というよりもまるっきりの初心者だからこそ変な癖もなかったことが幸いしている。

素直で、こちらの教えることをスポンジが水を吸うかのように身につけていく。

技術を戦術で補うプレイ。

小学生ではまだまだそういった相手と戦ったことは少ないだろう。

 

「上がれ竹中!」

 

男子チームのボールから再スタート。

やはり攻守の要であるエースの竹中にボールが回る。

 

「へへーん、ここは通さないぞ」

 

「いや、通る」

 

「なにぃ⁉︎」

 

サイドを駆け上がる竹中の前に真帆が立ちふさがった。

しかし素早く左右にフェイントをかけられ、あっさりと抜かれた。

ふむ……あのフェイント。

小さく右にステップした後、全力で再度右にステップしている。

相手からは急激にペースを上げられて捕らえづらいだろう。

 

「やっぱりお前か……」

 

「竹中君、あなたは私が止める」

 

真帆を抜いて減速した間に、今度は智花が行手を阻む。

1on1、エース同士の対決。

強引に抜こうとしても、フェイントをかけてもまるで動きの先がわかるように竹中を止める智花。

逆に智花が手を伸ばすタイミングがわかるかのように巧みなボール捌きでドリブルしている竹中。

体育館に、激しく擦れ合うシューズと床の摩擦音が響き合う。

互いに睨み合い、他の選手が立ち入れない激しさを見せる激闘。

キュギッと一音だけ他とは違う音がした。

智花の体勢が一瞬だけ崩れたのだ。

 

「もらった!」

 

その隙をついて突破しようとする竹中。

 

「ほい」

 

しかし、激闘を制したのは竹中でも智花でもなかった。

いつのまにか彼の背後に移動してきていたひなたちゃんが、気の抜けるような掛け声とともにボールを奪い取ったのだ。

 

「そい」

 

「よっしゃナイスパース!」

 

意識外からの攻撃でボールを奪われた竹中は一瞬硬直する。

ひなたちゃんはまるで跳び箱でも跳ぶかのように、股の間をくぐらせながら背後ヘとバウンドさせる。

そこにいたのは真帆だ。

ボールをキャッチする姿は、相手チームの司令塔でもある竹中からは隠れて見えづらい。

 

「にゃはははは! マホマホのお通りだぜー!」

 

「止めろ、止めなさい‼︎」

 

向こうの監督役の先生の声で我に帰った男子たちが、ディフェンスに回る。

しかし、真帆を止められはしない。

軽く右にステップし、着地と同時に大きく再度右にステップする。

突然のチェンジアップに相手はついてこれない。

それは、つい先ほど竹中が真帆に見せた動きだった。

 

「何だと⁉︎」

 

俺はあの動きを真帆に教えてはいない。

先ほどのを一度見て、覚えて、たった一度で自分のものにしてしまったのだ。

全く末恐ろしい才能である。メタ○ンか。

 

「いやはや、お嬢様はさすがですね」

 

「うおぅ⁉︎ びっくりしたぁ」

 

真帆のプレーに感心していると、いつの間にか隣に三沢家のメイドである久井奈さんがハンディカメラ片手に立っていた。

相変わらずの無表情でカメラのレンズをコート内の真帆へと向けている。

何故か格好は体操服であり、スパッツではなく紺色のブルマを着用していた。

ゼッケンをつけてはいないが上着の裾をブルマの中に入れていることにこだわりを感じる。

そのせいか、身長に見合わない胸部の盛り上がりが強調されて大変魅力的である。

トランジスタグラマーって最高だよね。

 

「……いたんですか?」

 

「ええ、ずっと」

 

嘘だ。絶対さっきまでいなかった。

この小学生だらけの体育館で、こんなコスプレ美女がいればかなり目立つ。

あ、いや、実は俺よりも大人の女性だと知らなければ中学生くらいに見えなくもないけどさ。

小学生ばかりの場でこんな色気のある人がいれば解りそうなもんだけど。

現に今もめちゃくちゃ浮いているのだが、いつのまにいたのか全く気がつかなかった。

 

「嘘です。実は今さっきです」

 

「はぁ……」

 

「来ちゃった☆てへぺろ」

 

「…………」

 

表情を一切変えずに、キャラがぶれぶれなセリフを声音を変えて喋る久井奈さん。

えっ、マジで? そんな声も出るの?

男に媚び媚びのあざとく甘い後輩女子みたいな声を、クールに表情を変えずに出すそのギャップにムラム……ドキドキしてしまいそうになる。

ピピーっとホイッスルが鳴る音に我に返る。

あ、やっべ。見てなかった。

少し目を離した間に智花がシュートを決めていたようだ。

スコアが12−10で逆転していた。

いつのまに真帆から智花にボールが移ったんだろう?

真帆と智花がハイタッチをしている。

きっと素晴らしいコンビネーション技が炸裂とかしたのかもしれないが見ていなかった。

……すまん二人とも。

第3クォーターを終え、みんながベンチに戻ってくる。

 

「長谷川さん、見ててくれましたか今の!」

 

「あぁ、うん。凄かったな。さすが智花だ」

 

ものすごいドヤ顔で褒めてオーラを振りまいている智花。

あぁ、これは相当自分の中でも気持ちのいいシュートが決まったに違いない。

すまん智花。全然見てなかった。

後でちゃんとビデオで確認しておこう。

ごまかそうと頭をぽんぽんとしてやると、へへへとにやけている。

 

「みんなも凄いじゃないか。もう初心者だなんて言えないな」

 

「にへへ、まぁ〜な〜」

 

「おー、ひな達つよい」

 

誇らしげにしている面々。

ずっとコートの中を動き回って汗だくで、体操服が肌に張り付いてしまっている。

ブラを着けていない面々のピンクのぽっちが透けて見えそうになっており、気を抜けばそこに視線を集中してしまいそうになる。

いかんいかん。平常心平常心。

この一週間で見慣れた光景のはずなんだけどなぁ。

最近、俺が何かしら性的なアクションを起こすのを狙うかのように久井奈さんのカメラがこちらを向いているからね。

でも愛莉が透けているのは灰色のスポーツブラだからガン見しても大丈夫だよね?

 

「この調子なら油断しなければ本当に勝てるかもな」

 

「かもじゃないですよ、勝ってみせます」

 

自信満々に言ってのける紗季。

その言葉に同意するように頷いている面々。

 

「へぇ、頼もしいね。じゃあもし10点以上の差で勝てたらご褒美をあげようか」

 

「ご、ご褒美⁉︎」

 

「おー」

 

「よっしゃー! 本当だな⁉︎」

 

なんとなしに口にした言葉にめちゃくちゃ食いついてきた。

特に智花とひなたちゃんと真帆。特に智花。

 

「おお、俺にできることならなんでもいいぞ」

 

 

 

 

 

 

「……なぁにこれぇ?」

 

先ほどの言葉が発破をかけたのか。

第4クォーターはそれまでの試合状況と違い、一方的な蹂躙劇と化した。

まるでメディア○ークスから集○社に出版社が変わったんじゃないかというぐらいの変化だった。

ボールを絶対弾く壁と化した愛莉。

相手パスコースをカットして潰してしまうひなたちゃん。

小学生のくせに3ポイントを決める紗季。

試合中に竹中の動きを見切り、完全に封じてしまう真帆。

そして、竹中が封じられた時点で智花を止められるプレーヤーなど向こうにはいない。

瞳からハイライトが消えて、おそらくZONEに入った智花。

あの獣のような動きは小学生の地区大会レベルではどうしようもないだろう。

既に中学のトップレベルのプレーヤーと同程度といってもいい。

最後の数分はもう向こうの選手は心が折れていた。

今までのように詳しく描写するのが馬鹿らしくなる戦力差。

結果は27ー12。

竹中とそのチームメイト達、なんかその……すまん。

 

こうして、女子バスケ部と男子バスケ部の試合は当初の予想を裏切り女子バスケ部の圧勝で終わった。

 

 




年末、忘年会って嫌ですよね。
嫌じゃない?
少なくとも作者はあまり好きじゃありません。
仲間内で普段集まるのはいいんだけどね、職場の忘年会はいや。
店も混雑してるし、作者的にはシーズンを外して飲み会する方が好きです。
職場の忘年会は、何よりも一発芸が面倒。
最早新入社員だったことから何年か経過しているのに、未だに最初に披露した北斗の拳ごっこをやらされる。
あの筋肉膨張させてシャツを破るやつ。
毎年やらされてるけど、なにが面白いのか自分でも正直わからん。
わざわざサイズ小さいシャツを使い捨てで用意しなきゃならないし。
小さいから着るのも苦労するし。
漫画のシーンみたいに爆散するわけではないし。
店員さんには白い目で見られるし。
何より笑ってるのが年配の社員ばかりで若い女子社員にはひかれるし。

誤字修正しました


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14話 明日へジャンプ 円堂シュート

今回も短めですが。
空耳も残りあとわずか。
そして、作者の作品の構想的にはあと2、3話くらいで完結するようなしないような。
誤字修正しました。


 

試合から一週間後の週末。

真帆のお母さんである萌衣さんからの依頼であるモデルの仕事を行った。

金曜の夜から日曜までの二泊三日。

新郎新婦に扮してタキシードとウェディングドレスで着飾った俺たち。

リゾートホテルに併設された教会でそれぞれの組み合わせで撮影したり、全員で撮影したりした。

真帆が俺のことを王子様抱っこするって言って無理をしていたのには笑った。

そうだよな、さすがに小学生じゃ俺を持ち上げられないよな。

真っ赤になってぷるぷる震えているのが微笑ましかったのか、スタッフさんが温かい眼差しで笑っていた。

代わりに俺が彼女達をお姫様抱っこしたんだっけ。

抱き上げる際、偶然指が胸に触れたりしていたかもしれないけどわざとじゃないよ?

ひなたちゃんと愛莉は柔らかゲフンゲフン!……風邪かな?(すっとぼけ)

あとあれにはびっくりしたなぁ。

智花が段差でつまづいて転んで、俺のズボンを咄嗟に掴んだせいでズボン脱げちゃったんだよね。

虎ブルのリコみたいなラッキーすけべだよ。

あっ、ちなみに虎ブルっていうのは世間の思春期女子に人気の漫画で、漫画家の娘がある日宇宙人の男の子と出会ってからなんやかんやあってハーレムみたいになる漫画だよ。

どういう転け方したらそうなるのか解らない格好になったりする。

今回みたいに男の子のズボンずらしてなぜか頭部がパンツの中に入ったり。

謎の発明で男子の服が溶けたり。

智花が(たぶん紗季も)愛読しているっぽい。

ちなみに俺は漫画はゴールデンボールの方が好きだ。

タイトルはあれだけど、中身は全員性別逆のドラゴンボ○ルだし。

集めるのは7つの玉っていうか7対の玉だけど。

ぱふぱふも、おっぱいじゃなくなぜか金玉でぱふぱふという発想が所々狂っているところはあるけど。

 

その後はモデルハウスで撮影。

一緒に遊んでいる写真や俺が料理をしている写真。

新婚生活をイメージしているらしい。

新婚といえば裸エプロンという勝手な想像をしていたけど、みんなの裸エプロンは見れなかった。

むしろするなら俺なんだってさ。

……ですよねぇ、すばるんしってた。

まぁ真面目な内容での撮影だから無いわな。

 

「でも愛莉の裸エプロンとか見たかったなぁ」

 

今より仲良くなったらお願いしてみよう。

丈は短めでお願いします。

誰かとの子供という設定なのか、赤ちゃんを抱っこしての撮影などもあった。

あえて金髪の赤ん坊を探してきたことに三沢家の作為なんかを感じてしまうのは、今となっては気のせいではなく確信犯なんだろうなと。

しかし相手が小学生なものだから、おままごと感が否めない。

それが狙いでもあるんだけどね。

まぁ、なんだかんだでそういうシチュエーションということでいちゃいちゃしてそれなりに楽しかった。

 

 

 

 

 

その約一ヶ月後、ファッション雑誌のブライダル特別号として発売された。

かなり売れた。

めちゃくちゃ売れた。

特別号ということでかなり多めに刷ったらしいが、初版は速攻で売り切れ。

国家プロジェクトでもあったことから各地の役所などにサンプルとして置かれていたものが盗まれることもあったとのこと。

急遽、雑誌としては異例の重版が決定。

テレビやネットでも取り上げられ、何度かインタビューの依頼が来た。

鼻息あらげてインタビュアーの独身女子アナが俺に迫った。

母さんが追い返した。

俺が出ていることを知った独身女性が家にまで詰め掛けた。

母さんが追い返した。

独身じゃない女性も何人か詰め掛けた。

母さんが追い返した。

学校では女子生徒が「女にしてください」と土下座し、通学路では「結婚してください」と見知らぬ女性が土下座し、家に帰れば俺のベッドの下に全裸の見知らぬ女性がいて「子供を作らせてください」と頼み込んできた。

ミホ姉がここぞとばかりに俺の写真を売りさばいて金儲けを画策していた。

母さんがブチ切れた。

不法侵入していた人はポリスメンにドナドナされていった。

ミホ姉はボロ雑巾のようになった。

家が半壊した。

家が半壊したのにも関わらず、ニコニコ笑顔の父さんは天然通り越してどこかおかしいんじゃないかと思う今日この頃。

 

「で、こうなってるわけですが」

 

今までの住所はばれているし、家も壊れてしまった。

それを知った三沢家がすぐさまフォローしてくれたんだが……

現在いる場所は三沢家の屋敷の一室。

萌衣さんのご好意で家族で厄介になっている。

そこの窓から見える広大な敷地の一角に、突貫で一戸建ての新築工事が進められている。

ハハ、ワロス。

……笑えない? いいから笑えよ。

俺だって何故に敷地内に家を建てるのか未だに理解できないし。

国家プロジェクトな仕事をした影響なのだからと、国もいくらか賠償してくれるらしいが、足りない金額は全て三沢財閥から出してくれるという破格対応。

 

いぇーい太っ腹〜。

そこまではいい。

いや、破格すぎてそこまででも十分すぎるほどおかしいんだけど。

一番おかしいのはやはり何故三沢家の敷地に家を建てるのか。

別の住所は急で用意できなかったとか言ってたけど、んなわきゃない。

天下の三沢財閥に中流階級の一戸建てを用意できないわけがない。

むしろ中古で物件を抑える方が何かと手っ取り早いはず。

きっと札束ビンタで即日用意できたはずだよ。

 

「言うだけ無駄なんだろうけど」

 

父さんは「いい人だねぇ」と単純に喜んでるし。

母さんは当初悩んだみたいだけど、安全、安心、金がいらない、更には萌衣さんが研究内容に興味を持ってくれたらしくスポンサーになってくれるとのことから速攻で賛成していた。

もうこれ全方位で逃げ場ないよね。

頭の悪い俺でも、全力で囲いに来ているのはわかる。

開き直ってしまえば早いのだろうねぇ。

何せ世界の三沢財閥だ。

これ以上の玉の腰的なのってもうどこぞの王族と結婚するしかないレベルだよね。

安心、安全のマネーパワー。

相応にプレッシャーは半端ないけど。

逆に考えてしまえば、普通は義務教育終了前に手を出せば警察署でお茶会に強制参加だけど、婚約して双方の両親が納得済みならいいんじゃね?

今回、国家プロジェクトにも参加していることだし、条件さえそろえば超法規的措置としてお役人も見なかったことにしてくれるのでは?

 

「なーんつって」

 

なーんつってつっちゃった。

こういう時はあれだ思考を放棄するんだ。

別のことを考えよう。

そうだな、試合の後結局バタバタしてうやむやになっていたご褒美はいつにしようか。

 

 

一応、それぞれの希望は聞いたんだけど、見事にバラバラなんだよなぁ。

全員希望通りに叶えてやるべきか。

折衷案的なもので同じことをしてあげるべきか。

智花の要望は一緒にツイスターゲームがしたいんだってさ。

よく知ってるなぁ、というかむしろよく持ってるなぁそんなもの。

明らかに狙ってるんだろうね。

紗季の要望は膝枕で耳かきをしてほしいとか。

前世でも耳かき屋とかあったくらいだし、やっぱり需要はあるんだなぁ。

俺も美人に膝枕で耳かきってしてほしいし。

真帆は肩をマッサージしてほしいだって。

最初はジュースおごってだったけど、他の皆の希望を聞いて慌てて変更してた。

でも咄嗟に思いつかなくてマッサージにしたっぽい。

ひなたちゃんはおままごと。

前世では女子らしい遊びではあるけど、今世の女子が喜ぶ遊びではないんだよなぁ。

年齢的にも、小学6年生だとおままごとは卒業してたりするし。

愛莉はまた頭を撫でてほしいそうだ。

それくらいならいくらでもしてあげるのだが、控えめな彼女の事だからあまり主張できなかったのかもしれない。

要するに父性を求めているのだろうけど。

 

「うむ、見事にばらばらだな」

 

しかしどうしようかな。

全員の希望を叶えつつ、可能なら1日で終わらせて、かつ俺にも旨味があればなお良い。

ポクポクポク……チーン。

 

「そうだ、プールに行こう」

 

水着でツイスターゲームして、耳に入った水を綿棒でとってあげて、あそび疲れたらマッサージしてあげて、おままごとの合間に愛梨を赤ちゃん役にして抱っこして撫でる。

これだ。

俺の中で、勝手にプールに行く事が決まった。

 




マッサージはwakuwakuさんの意見を参考にさせてもらいました。不思議ちゃんさんも貴重な意見ありがとうございました。


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