ブルメシアの焔尾 (makoron)
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第1話 

アルティマニア片手にコツコツ書いていきます。
亀更新になるかもしれませんがよろしくお願いします。


FF9の世界に転生してから15年の月日が流れた。

 

 

え?いきなり時代飛ばしすぎだって?仕方ないだろ!赤ん坊時代の話なんて羞恥プレイもいいとこだし!幼少期をだらだら描いてもグダるだけだし、何より作者の脚本力はそこまでないからな!

 

ちなみに俺はフライヤ姉さんの1歳年下だから原作開始の時点で20歳だな、今は15歳で姉さんは16歳、来年にはフラットレイ兄貴を追っかけて旅に出るんだっけ、原作まではあと5年か、それまでに悲劇回避の対策を練らないとな。

 

まずアレクサンドリアが攻めてくるって話を進言するのは無いな、未来に起きる事を誰が信じるってんだ?頭オカシイと思われるのがいいとこ、下手すりゃ他国との関係を壊そうとする者として牢屋にぶち込まれるな。

 

 

俺そんな頭良くないからどう回避するかなんて中々思い浮かばないんだよな、狩猟祭前まで他国を旅して情報を集めてアレクサンドリアが攻めてくるという証拠を持って帰って王に進言して戦いに備えるくらいしかないわ、原作だと完全に不意打ちだからほとんど成すすべ無しだったからな、それと可能な限り強くなる事!少なくともベアトリクスとタイマンで勝てるレベルじゃないといけねぇ!そしてクレイラでのオーディンによる攻撃を防ぐためにもアレをやるしかない「斬鉄剣返し」!!

 

 

生身の人間であるサイファー(FF8)に出来るならやれない事ないんじゃないか?といってもオーディンを倒すんじゃなくて剣による攻撃を逸らすのが目的、真っ向から返すより受け流して逸らすほうが力は必要ないしな。

 

・・・・我ながらかなーり脳筋な作戦だなオイ(汗)

 

それに折角FF9の世界に来たんだ、色んなところ見てまわらないと損だしな

 

 

「さっきからなーにを百面相してるのじゃブレイズ?」

 

『どぅわ!?って姉さんかよびっくりさせないでくれ』

 

 

『いやちょっと考え事をな、もっと強くなるにはどうすればいいかなーって』

 

「はぁ、相変わらずじゃな、フラットレイ様と毎日のように特訓してるのにまだ足りないのか?」

 

『まぁな、俺が目指すのはフラットレイ兄貴よりも強く、大陸一の戦士だからな』

 

 

ちなみにフラットレイ兄貴とは幼馴染になってからずっと稽古をつけてもらってる、強くなるには師匠がいるのが一番だしな、戦い方は二槍流、転生前はFF9だけじゃなくて戦国BASARAもやってたからな、幸村は一番使ってた、だから幸村の技を使用してる。

 

ここはFF9の世界だから精神力(MP)を使って色んな特殊技や魔法が使える、実は魔法も少し覚えたんだよな、だけどビビみたいな魔法は全然無理だった、そこでヒントになったのがスタイナーのおっさんが使ってた魔法剣、剣にビビのファイアやブリザドを纏わせて斬り付ける連携技だ。例え魔法を放てなくても自身の槍や拳に纏わすのなら出来るんじゃないかと思ってやってみたら何とか成功した、相性が良いのは火属性だったから幸村のように槍に火を纏わせて攻撃するスタイルを確立した。

 

烈火とか大車輪とか使えるぜ!流石に丸々コピー技だけじゃなくてそこから応用させた新技もある、どれもこれも他作品を参考にしたけどな、二槍を繋げジタンの盗賊刀みたいにして大回転させる技とか。

 

竜騎士らしく大ジャンプして上空から錐揉み回転しながら落下して敵を突き刺す技とかな(それに火を纏わせたverもある、ちなみにフレアフォールって名付けた)。あとフライヤ姉さんのように竜技も使えるけど姉さんよりかは数段劣る、竜の紋章はチート技だから覚えておきたかったけど無理だった、レーゼの風使えるだけありがたいけどな。

 

 

『そういえば兄貴はそろそろ旅に出るって言ってたよな』

 

「そうじゃ、止めはしたんじゃが決意は揺るがないそうじゃ・・・」

 

『そっか・・・それじゃ俺も同じくらいに旅に出ようと思うんだ』

 

「!!!、ブレイズ、お主までフラットレイ様と共に行くのか!?」

 

『いいや、兄貴には断られた。「俺を超えるつもりなら俺と共に行くのは薦められない、同じ道を歩んでも変わらない、お前自身の道で己を鍛えろ」ってさ』

 

「なるほど、フラットレイ様らしいのう・・・ってそうではなくてお前まで出て行く事の方に驚いてるんじゃ!」

 

『言ったろ?大陸一の戦士を目指すって、井の中の蛙のままじゃいられないんだ!』

 

 

「おほー!!蛙アルか!?」

 

 

『!!?? 何か今幻聴が聞こえたような?』

 

「・・・・?何も聞こえんが?」

 

『そ、そうだよな・・・(気のせいだよな?クイナはク族の沼にいるはずだし)』

 

「まぁフラットレイ様もお主も決意が硬い様なら私に止める権利はない」

 

『本当にいいのか?だって姉さんは兄貴の・・・』

 

「明日、もう一度だけ話してみる、まぁ変わらないじゃろうがな」

 

『(多分原作の回想であったシーンだよな) わかった、俺も一緒に兄貴に挨拶に行くよ』

 

 

それに今の記憶の兄貴に会うのはこれで最後だろうな、次にもしクレイラで会うとしたら記憶は失ってるだろう、今の兄貴には散々世話になったから挨拶しないと・・・

 

記憶を失わないように助けるって手も考えたけど、一緒に行くの断られたからそれも無理になっちまった、後からコソコソついて行っても兄貴にはバレるだろう、兄貴の事頼んだぜパック王子。

 

 



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第2話

主人公がブルメシアを旅立つところまで


次の日

 

 

「フラットレイ様、今一度お聞きします。本当に行くのですか?」

 

「フライヤ、今のままでは私は上へと行けないのだ、私は強くならなければならん、あのベアトリクスよりも」

 

 

「ベアトリクス?」

 

 

「そうだベアトリクスだ、他にも、世界には私よりも強き者がたくさんいると聞く

 

なかでも、ベアトリクスの剣技はアレクサンドリアはおろか大陸で一番だと聞いた」

 

 

『ベアトリクス・・・泣く子も黙る冷血女、100人斬りの異名を持つ天才剣士の事ッスね兄貴』

 

「ああ、ブレイズ、お前もヤツを超えたいと言ってたな」

 

 

「フラットレイ様はどうしても私を置いて旅立つといわれるのですね?」

 

 

「ああ、そうだ・・・分かってくれフライヤ、今は平穏なブルメシアだが他国は確実に力をつけ始めている

 

私の槍一本でどこまでブルメシアを守れるものか・・・その前に世界を周り強者と会っておきたいのだ」

 

 

「フラットレイ様・・・私はひとりで生きてゆける自信がない・・・」

 

 

「フライヤ、おまえなら大丈夫だ!自分の力を信じるんだそして、自分の運命を信じるんだ

 

私は世界をひと巡りすれば、必ずブルメシアに戻ってくる!!

 

 

「その言葉を信じても良いのでしょうね?」

 

『俺はいずれ兄貴も越えるつもりッスよ?その前にくたばるなんざ許さないッスからね!』

 

 

「ああ!もちろんだ!!」

 

『ありがとうございました!兄貴!』

 

 

そしてフラットレイはその場をあとにした

 

 

「行ってしまわれたか・・・」

 

『ああ、行っちまったな・・・』

 

「なんじゃ?その顔は」

 

『いつも思うんだが姉さんってホンマ兄貴の前だと乙女口調だよな~って』

 

「言うな!それに口調の事でお主に言われる筋合いはないぞ!」

 

『うぐっ!まぁ確かにそうなんだが、師匠である兄貴にタメ口は聞けねぇよ』

 

 

前世で学生だった時は運動部だったからついつい体育会系の口調になってマーカスっぽくなるんだよこんちくしょー!

 

 

『俺も少ししたら出るつもりだ、兄貴の他に挨拶周りしないといけねぇからな』

 

「フラットレイ様もお主もいなくなるとなると寂しくなるのう・・・」

 

『兄貴はともかく俺がいなくなって寂しがるタマかよ』

 

「折角気遣ってやってるのに何じゃその言い草は!」

 

『おーこえ、そんだけ元気ありゃ十分だぜ、そいじゃちょっくら挨拶行ってくらぁー』 ハイジャンプ

 

「こら待たんかこの愚弟がぁ~!」

 

 

ブルメシア居住区

 

 

『ガルさんウェイさん、色々お世話になりました。』

 

「おぅブレイズ、そろそろ行くんだってな」

 

「気をつけてね、フラットレイさんもあなたも何かあったらフライヤが悲しむわ」

 

『大丈夫ッスよ、兄貴も俺も死なねえ、必ず帰ってきます』

 

「まぁな、ブルメシア中ならフラットレイとお前が二強だからな、外に出ても平気だろう」

 

『兄貴にはかないませんって、それに姉さんも総合力なら俺よか上かもッスよ?あぁ、あと2人ともそろそろ身を固めたらどおッスか?もう付き合ってそこそこでしょ』

 

「ば!テメ!何言いやがる!?」

 

「ちょ、ちょっとブレイズ君!?」

 

『いずれ元気なお子さん5人くらい見せてくださいよー』 ハイジャンプ 

 

「変な事ぬかすなぁ!!しかも何だその具体的な人数!?」

 

「/////」(赤面するウェイ)

 

 

原作じゃ助かってた2人だけど俺がいるこの世界線じゃ何が起こるか分からねぇ、必ず守ってみせる

 

 

『ダンさん!』

 

「ブレイズじゃねぇか、聞いたぜ?旅に出るんだってな」

 

『ええまぁ、今日は非番ッスか?』

 

「ああ、今日はたっぷり家族サービスしないとな」

 

『はは、羨ましいッス、やっぱ家族思いッスねダンさん』

 

 

ダンさんはクレイラで黒魔道士に殺されて家族もオーディンの一撃で殺される運命だ、絶対に変えてみせる!必ずだ!

 

 

「ああ、もしも国に何かあっても家族を優先させるかもしれないな俺は」

 

『かもッスね』

 

 

実際その通りに行動したんだよな、王より家族を優先する・・・兵士としては間違ってるかもしれないけど1人の父親としては正しいのかもしれない

 

 

「じゃあなブレイズ、お前さんにもいい相手が見つかるといいな!」

 

『あはは、俺にはまだ早いッスよ』

 

 

ひたすら特訓の毎日だったから女友達なんざ作ってる暇なんてなかった、身近にいる女性なんて姉さんくらいなもんだ

 

俺が言うのもなんだが姉さんは周りの女性と比べてもかなり美人だと思う、ネズミ族の体に転生してから感性もそうなったからな、時々見惚れる事もあったっけなぁ~

 

・・・・・いやシスコンじゃないからな俺は!?

 

でもこのまえ間違って着替え中の姉さんの部屋に入ったときに見た体はかなり・・・その・・・つまり・・・

 

って何考えてんだ俺は!?実の姉に発情すんなよ!!

 

 

ちなみにそのあと姉さんにブルメシア中を追っかけまわされた、あの時はマジで生きたここちしなかったぜ

 

つーかなんか姉さんトランスしてた気がする、飛んでくるヤリが大量だったもん

 

 

その後も世話になった人々に挨拶周りをし、準備を整えいよいよ旅立つ日がきた

 

 

『じゃあな姉さん、行ってくるぜ』

 

「ああ、気をつけるんじゃぞ?外の事はわからないことばかりじゃからな」

 

『心配スンナよ、俺を誰だと思ってやがる?』

 

「実の姉の着替えを覗いた変態じゃ」

 

ズコッ!!『だからあれは事故だっつってんだろが!』

 

「冗談じゃ、それでは行ってこい愚弟よ」

 

『愚弟は余計だ!・・・・行ってくるぜ姉さん』

 

 

こうして俺の旅が始まった

 

 

さぁーてまずはリンドブルムにでも行ってみますか!

 

 



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第3話

ギザマルークの洞窟にて


ブレイズはブルメシアを出発したらまずはギザマルークの洞窟へと向かっていた。

 

 

『リンドブルムに行くにはあそこを通らないといけないからな』

 

 

ギザマルークの洞窟、ブルメシアの守護竜であるギザマルーク様がいる洞窟だ。

 

ギザマルーク様がいるお陰で外敵からブルメシアは守られているといっていい。

 

ちなみにまだ洞窟の中は魔物などはいない、ブルメシアの国境でもあるからブルメシア兵も駐屯してる。

 

 

『アレクサンドリアの襲撃時にあの下種ピエロ共に洗脳されたのが原因でジタン達と戦う羽目になって

 

 倒されて、その後どうなったのかわからなくなったんだよな・・・』

 

 

その後も出てくる様子がなかったから恐らくは・・・・

 

 

『それも防がねぇとな』

 

 

そう決意して歩みを進めていくブレイズ

 

 

『でも周回プレイ時は氷のつえ盗んだ後に速攻テント使ってごめんなさいギザマルーク様』

 

 

などと失礼な事を考えながら

 

 

 

 

洞窟にはいないが洞窟までの道中は当然魔物と遭遇する

 

 

『どおりゃあああ、大車輪!!まだだ鳳凰落!!』

 

 

敵を打ち上げ連続で斬り付けて、そこから叩き落すように追い討ちする

 

BASARAで幸村を操作してた時わりかし使ってたコンボだ、使いやすくてお世話になってた

 

 

ちなみに火焔車や大紅蓮脚は使えない、どうやれってんだよアレは

 

挑戦したら目を回して吐く羽目になり兄貴と姉さんに生暖かい目で見られたのは苦い思い出だ

 

ハイジャンプからの錐揉み回転の技も回るけど、あれは短時間だから耐えれる。

 

火焔車や大紅蓮脚は長時間回り続けるから絶対目を回す。幸村の三半規管どうなってんだよ!?

 

 

道中にいる魔物くらいは苦戦する事もなく倒せる、兄貴と特訓中にはよくブルメシア付近で実戦で魔物を倒してたからな

 

 

初めて魔物と戦った時は本当に辛かった、前世でも経験はしていない初めての命のやりとり、自分に明確に向けられた殺意を受けて体が

 

硬直し、危うく怪我するところを兄貴に助けられた。そして初めて魔物を殺したときは何とも言えない不快感があった

 

やらなければこっちがやられる、改めてこの世界が如何に危険かと言う事を再認識させられた。

 

 

そしていつかは必ず経験しなければならない、アレクサンドリアとの戦争に参加するならば避けて通れない道・・・

 

 

人を殺す事。

 

 

戦争で人殺しできない兵なんて前線に出れるわけが無い。

 

 

人を殺せなきゃ自分や大切な人達が逆に殺される。だから敵を殺さなければならない。

 

本編では描写はされてなかったけどジタン達も人を殺す葛藤とかあったんだろうか?

 

あれだけアレクサンドリア兵とかと戦って一切人を殺さずに切り抜けられるわけがない。

 

描かれてない所でそういうのはあったと思う。

 

 

『プレイによっては人型の敵をクイナに食わせるとかあるしな』

 

 

まずいアルね、の一言で済ますクイナと普通に倒したときのように消える敵と描写はゆるいが

 

リアルならどんなスプラッターな現場だよまったく

 

FF8の「食べる」の表現を規制なしでやられてると思うと・・・・

 

 

『やべ、気分悪くなってきた、やめやめ!変な事考えないようにしよう』

 

 

っと考え事しながら戦ってたらいつの間にか敵は倒しきっていた。

 

 

『さてそろそろ洞窟が見えてきたな、駐屯兵とギザマルーク様に挨拶をしてから抜けるか』

 

 

ブルメシア側の洞窟出入口についた

 

 

「お?ブレイズじゃないか、ここにいるって事は旅に出るんだな?」

 

『グレイさん!最近見ないと思ったらここに駐屯してたんスか?』

 

「ああ、シフトの順番でここ一週間は俺が門番なんだよ、洞窟を抜けていくんだろ?」

 

『はい。まずリンドブルムに行こうかなと思って』

 

「ああ気をつけていけよ、あとギザマルーク様に挨拶もちゃんとしてけよ」

 

『わかってますよ、それでは』

 

 

洞窟に入ると泉の真ん中に端が掛かってる部屋があった、ここがギザマルーク様のいる場所だ

 

 

ざっぱあぁぁん 

 

 

泉の中からギザマルーク様が出てきた

 

 

「-----!-----。-----。」

 

 

ギザマルーク様は優しげな瞳で俺を見ている。

 

本当は心優しくてブルメシアの人達を守ってくれる守護竜だ、結婚式の誓いを見届けたり、こうして旅に出る者を

 

見送ったり・・・

 

 

こんなお方すらあいつらは洗脳して利用したんだ。絶対にやらせねぇ!

 

でもやっぱり・・・つえ盗んでテント使ってごめんなさい

 

 

そんな事を考えてたら何かギザマルーク様の俺を見る目が少しだけ曇ったような気がする

 

まるで苦笑いしてるような・・・

 

 

『ああいや、別になんでもないですハイ!』

 

 

そんな事言いながら俺は改めてギザマルーク様に頭を下げてその場を後にした。

 

 

 

洞窟内は魔物がいるわけでもなく侵入者防止用のベルの扉も開いている、まあ平和な時だからな

 

大きなベルがある部屋を通ってすぐに奥の方へ進む、確かここには・・・

 

 

「こんにちはクポ!」

 

 

そうそうモーグリのモグタがいるんだったな、ちなみにモグミはいない、まだ出会ってないみたいだ

 

 

「兄ちゃん初めて見る顔クポ!旅人クポ?」

 

『ああ、まだ旅を始めたばっかだけどな』

 

「そうなんだクポ、あ、そうだ、旅の記録していくクポ?」

 

 

この世界のモーグリは旅の記録、いわゆるセーブポイントの役割をしてるが、

 

ゲームではなく現実には普通に旅の記録帳に記録をする役割だ、これによりいつ誰がこの場に訪れたか確認できるのである。

 

記録したからって死んだらここから再出発、とか出来ないからな?

 

『ああ、折角だししていこうか。・・・・えーと1794年○月×日 ブレイズ・クレセント と』

 

 

こんな感じである、よくよく見たら少し前の項目にフラットレイ兄貴の名前があった

 

兄貴もここで記録したんだなー

 

 

「それじゃあ気をつけてクポー」

 

『ああ、ありがとさん』

 

 

ちなみにここから上に登って出る平原に行くつもりは無い、今の実力でグランドドラゴン狩れるわけないしな!

 

俺はレベル5デスなんて使えねーんだよ!

 

 

その後は特に何もなく駐屯兵の人達に挨拶しながら進み、いよいよリンドブルム側の出口にでる。

 

こちらに詰めている門番の人にリンドブルムの方角を聞いて洞窟を出た、一応この大陸のワールドマップは持ってるけど念のためにな。

 

あと、ク族の沼にでも寄っていくかな?クイナに会っておいてもいいかもな

 

 



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第4話

ク族の沼~リンドブルム散策まで


ク族の沼

 

 

ク族の沼にはク族という謎多き種族が住んでいる

 

本編でも確認出来たのはメインキャラの1人であるクイナ、その師匠であるクエール、そしてビビのおじいちゃんであるクワンの3人だけだ

 

恐らく少数部族なのだろう、食に対する執着心が人一倍高く、中でもクイナは異常なくらいその傾向がある。

 

好物はカエルであり、世界各地にあるク族の沼にはたくさんのカエルが生息している。

 

 

『クエールさんがどうやって霧の大陸以外のク族の沼に移動してるのか、FF9最大の謎の一つだよなぁ』

 

 

どう考えてもク族の沼に別大陸の沼への次元を繋ぐ出入口があるとしか考えられない、多分ク族にしか通れないんだろう

 

っと勝手に考えておく、これをクエールさんに追求する気はない、なんか触れちゃいけない気がする

 

 

『あんななりでクイナ70歳オーバーだからな、それでいて一番若いってなにさ。エルフなの?FF9でのエルフ的な立場なのク族って?』

 

『あと選択肢次第じゃビビと結婚の儀式あげるんだよなクイナ・・・それで「ビビ、私幸せアルよ」って・・・・女?女の子なのクイナって?あのみてくれで?』

 

『つか公式で性別不詳だし、そもそもどうやって繁殖するのかすらわからん、普通の繁殖方法だとしたらエンディングに出てたビビの子供達ってクイナ産んだの?』

 

『って、んなわけねぇか、普通に黒魔道士兵と同じように生み出されたんだろうな、寿命のリミッターをちゃんとなくして・・・ブツブツブツブツ』

 

 

「さっきから沼の入口でブツブツと何を独り言を言ってんだあんた?」

 

「あんちゃん何か怖いよあの人」

 

 

『のわああ!?って何だモーグリか(そういやここに居たよなモグタローとモグジロー)』

 

「こっちが何だって言いたいぞ、沼の入口で延々とわけ分からん事を延々と呟かれたら怪しむに決まってんだろ」

 

『わりぃわりぃ、俺ってばつい考え込むと思ってる事口に出す癖あってな、ところでここがク族の沼で合ってるんだろ?』

 

「ああそうだよ、あんたは旅人かい?」

 

『ああ、旅をはじめたばかりだけどな、俺はブレイズ。ブレイズ・クレセント、見てのとおりネズミ族だ』

 

「俺はモグタロー、こっちは弟のモグジローだ。何かわかんない事あったら遠慮なく聞いてくれよ」

 

「あんちゃんはとっても物知りなんだよー」

 

『うーんそうだな、この沼にはク族は何人住んでんだ?』

 

「俺が知ってる限りじゃ2人だな、」

 

 

クエールさんとクイナか?クワンさんはクイナと面識ないからだいぶ昔に出てったんだろうな。んで1799年ごろにビビを拾って育てるんだっけな

 

原作が始まるのは1800年初め、たった数ヶ月だけしか一緒に過ごせなかったけど、それだけの時間であそこまでの家族関係を築いたんだ、やっぱ良いおじいちゃんなんだろうな

 

生前のクワンさんにも会ってみたいな、今ならクワン洞に居るだろうしリンドブルムのあとはトレノに行きつつ寄ってみるか?

 

そーいやアレクサンドリアでパック王子とビビが出会うんだったな、あの時パック王子とビビが出会わなかったらビビは人知れずどこかで・・・

 

 

『ありがとな、それじゃ行ってみるか』

 

「おう、じゃあな!」

 

「ばいばい~」

 

 

とりあえず進めそうな草むらを掻き分けて進んでいく、途中ギガントードが襲ってきたのでサクっと返り討ちにした。

 

小さい頃はカエルを食うとか考えられなかったけど、調べてみれば意外と料理として出てくるんだよな、揚げれば鳥のから揚げみたいに美味いとか言われるし

 

クイナにから揚げカエルについて教えてみるか?俺が作ってやってもいいか、これでも前世では1人暮らしで自炊してたんだ、料理はそこそこ出来るぜ

 

 

しばらく進むとカエルが沢山いる沼地に出た、そこにはク族と思わしき人物がカエルを必死に捕まえようとしていた、多分クイナだろうな

 

「うん?誰アルか?」

 

『よぉ、俺はブレイズっつーんだ、見てのとおりネズミ族だ。あんたはク族か?』

 

「そうアルよ。私はクイナね、お兄さん何か美味しいもの持ってないアルか?」

 

 

初対面の相手にこれだよ、ホンマ食い意地張ってんなオイ

 

 

『食料は持ってるけどやらねーぞ?見たところ今しがた自分で食いモン捕ろうとしてたろ』

 

「そうアルね!カエルが大好物アルよ!お兄さんカエル持ってないあるか?」

 

『持ってねーよ!俺は生ガエルは食わねぇからな?』

 

「アイヤー、あんな美味しいモノ食わないなんて不幸アルね」

 

『人の味覚は人それぞれだっつーの、でも油でカラッと揚げたカエルは美味いらしいぜ?俺は食った事ないけどな』

 

「!!それは本当アルか!?今度やってみるアル!!」

 

 

クイナはこう見えて料理人だ、いずれアレクサンドリアの料理長として雇われる事になる、王国の料理長、そう考えたら一流のシェフだよなクイナって

 

たしかスタイナーのおっさんがつまみ食いしてたけど美味いって言ってたな・・・・しかしスタイナーおっさんって味オンチだからな~

 

でもエーコが料理してたとき的確にアドバイスしてたし、やっぱ生粋の料理人なんだろうな

 

 

「お客人、ク族の沼に何か御用アルか?」

 

 

とクイナに良く似たク族がやってきた、クエール師匠だろう

 

『ああすみません、俺はネズミ族のブレイズってもんッス、旅の途中でたまたま寄っただけですよ、特に用があるってわけじゃないッス』

 

「そうアルか、まぁ面白いところがアルわけではないが、ゆっくりしていくアル」

 

「クエール師匠、私この人に新しいレシピ教えてもらったアルね!なんでもカエルを油でからっと揚げる料理アル」

 

「それは本当アルか?それにしてもカエルをから揚げにする料理アルか」

 

『ああ、まずカエルのモモ肉を酒とか塩とか調味料に漬けて、その後に小麦粉をまぶして・・・・』

 

 

・・・・・・

 

 

『とまぁこんな感じだ』

 

「なるほど、確かに美味しそうアルな」

 

「クエール師匠早速作ってみるアルよ!」

 

「そうアルな、お客人、わざわざ教えていただいてありがとうアル」

 

『いやこちらこそ、沼にお邪魔させてもらったお礼だと思えば、じゃあそろそろ行きますんで』

 

「それではお気をつけて」

 

「お兄さんありがとうアル~!」

 

 

単にクイナと面識持つつもりだけだったんだが、いつの間にか料理談義になってた、まぁいいや、とりあえず改めてリンドブルムに向かうか

 

チョコボの森は・・・行く必要ないか、チョコとメネに会うのはジタンの方がいい、俺じゃ避けられるかもしれん、チョコは人見知りだし

 

 

さっきリンドブルムの後にトレノに行きつつクワン洞に行こうと思ってたが、トレノを拠点にするのもいいんじゃないか?あそこは大都市の中でも

 

アレクサンドリアの魔の手から逃れられた数少ない都市だ、それに金稼いだりしやすそうだし(同じくらい危険もあるが)

 

確か武器屋の地下でモンスターと対戦も出来る、負けても死の危険はないから修行には持って来いかも?

 

無論拠点にするだけで永住するとかじゃない。アレクサンドリアとかにも行かなきゃならんし、

 

まさかサラマンダーと会ったりしないだろーな?

 

 

もしかしたら蓄音機とか手に入るかもしれねぇ、蓄音機でアレクサンドリアでのブルメシア侵攻の話とか録音出来たら証拠として出せる。

 

だがそれだけじゃ証拠としては不十分だからやっぱ忍び込んで侵攻作戦書類とかかっぱらうか?ただネズミ族の俺が捕まったらそれこそ侵攻のきっかけになったりするかもしれん、

 

侵攻時期が変わるのは避けたい、それに忍び込んで盗みをする技術なんて俺には無いし・・・

 

そういや盗賊といえばタンタラスか、リンドブルムでタンタラスと面識持っておいて損はないかもな。

 

原作開始の時点でタンタラスと一緒に城に忍び込んで姫様誘拐を手助けしつつ極秘の侵攻作戦書類を盗む。

 

短期間でブルメシア侵攻とか大規模な作戦練れないだろ。多分原作開始頃には侵攻作戦もある程度練ってあるはず、

 

この作戦でいくか!

 

 

 

 

魔物を倒しながら霧の中を進んでいくと大きな門が見えてきた、崖の中に埋め込まれるように建築された門のようだ、記憶に間違いなければここがリンドブルムの下からの入口「地竜の門」のはずだ。

 

その前にナ○シカにでも出てきそうな出で立ちの兵士が番をしている。

 

 

「ここより先はリンドブルムになります。あなたは旅の方ですか?」

 

『はいそうです。リンドブルムへ行きたいのですが・・・』

 

「それでは通行証はお持ちですか?」

 

 

は?通行証?そんなの原作にあったっけ?そんなの要るのかよ・・・

 

原作で通る時はいつも緊急時だったからそんな描写なかった。ジタンは自分の故郷を探す旅に出た時は確か水竜の門から出入りしてたよな?

 

通行証とか持ってたんだろうか?

 

 

『あ、いえ初めてここに来たので持ってません。』

 

「それでは発行代として500ギルいただきます。」

 

 

あちゃー、金払わんといかんのかー、500ギルくらいはあったはず・・・・

 

あれ?無い!?ご・・500ギル入った俺のサイフがーー!!??

 

 

って、マッシュ(FF6)ネタでふざけて兵士の人を待たせる必要ないわな、ちゃんとあるよ、ただネタかましたかっただけだっての

 

 

『はいどうぞ』

 

「・・・・・・確かにいただきました。こちらが通行証です。無くしたら再発行代としてまた500ギル掛かりますのでお気をつけください」

 

『どうもです』

 

 

そもそも国境をただで通れるわけないわな、南ゲートだって通りすぎるの有料だったし。

 

 

その後、トロッコ?に乗って中央まで行き、エレベーターで下層からリンドブルム巨大城へと入る。

 

 

 

リンドブルム巨大城

 

 

『すっげぇ~、これがリンドブルム城の中か、生で見ると迫力あるわ~』

 

『お?女神像のある噴水か、メダルをはめるところは・・・ないな』

 

 

と原作でもジタンがやってたバ○オ2ネタをかましながらエアキャブ乗り場へ向かう

 

 

「どちらまでお乗りですか?」

 

『えっと工場区までお願いします』

 

「はい、まもなく発車いたします。」

 

 

弁当はク族の沼で料理談義中に食べてしまったから実は腹が減ってしゃーない(弁当のいくつかは結局クイナに食われたからストックが切れた)、まずはジタンのいきつけの酒場にでも行って腹ごしらえだ

 

エアキャブで飛行中、リンドブルムの景色を楽しむ

 

 

『うおお、すっげぇ!これ全部リンドブルムの町並みなのか滅茶苦茶広い!!』←おのぼりさん全開

 

 

どこかで聞いたけど本編のリンドブルムで探索出来る範囲はリンドブルム全体のわずか2%なのだとか、結構広いマップなのにあれでたった2%なのかよと唖然としたが

 

エアキャブから見える町並みの広さを見てみればそれも納得だ。流石大陸一の大都市だ。物凄い広さだ

 

 

 

リンドブルム工場区

 

 

「工場区~、工場区~、お降りの際は足元にご注意下さい」

 

 

工場区で降りた俺は記憶を頼りに酒場へと向かう

 

 

『お?あったあった多分あれだな』

 

 

それっぽい酒場を見つけ、俺は店の前に行く

 

 

『今日のおすすめは・・・お!ラッキー、原作で出てた沈黙のスープだ、あれ食べてみたかったんだよなー』

 

 

うきうきしながら入店する

 

 

「いらっしゃい、お?見ない顔だな、あんたブルメシアの民か?」

 

 

本編でジタンにケチつけられてたマスターのラグーが出迎える

 

 

『こんにちは、ええ俺はブルメシアから来ました。リンドブルムは初めてです』

 

「へぇ、初めてで俺の店を選ぶとは、あんた見る目あるぜ」

 

『はは、じゃあ今日のおすすめでお願いします』

 

「あいよ!沈黙のスープだな、待ってろ」

 

 

しばらく待ってたらおやっさんが料理を運んできた。ジタンにナンパされてたリリアンはまだいないみたいだ、5年前だからな、それにジタンの反応から見て

 

あの時初めてリリアンに会ったみたいだから原作の時期近くに雇われたんだろう。昔なじみの店にいる女性を忘れるとかジタンならまずありえないし、

 

ちなみに今の俺はネズミ族の感性になってるから普通の人間の女には全く興味が沸かない、やっぱ同族のネズミ族の女に目がいく

 

やっぱ女性は凛とした感じと容姿端麗さに加え、時に乙女らしさを持っていて、心許した相手なら純情になるネズミ族の女がいいかもなー

 

・・・・・・って全部フライヤ姉さんの事じゃねーか!!違う違う!!俺はシスコンじゃねええええ!!

 

 

馬鹿な事考えてないで目の前の料理を食べるか・・・

 

 

 

『どうもー、うおぉ、こりゃ美味そうだ』

 

「ごゆっくりー」

 

 

まず一口食べてみた

 

!!こりゃ美味い!どんどんスプーンが進む、ひたすら黙々と飲みたくなる味わいだ

 

言いえて妙だな「沈黙のスープ」たしかにこれは沈黙するわ

 

 

『ふー、美味かった、ごちそうさんッス』

 

「おう!代金は200ギルだ」

 

『はいどうぞ。また食いに来ますねー』

 

 

さーて腹ごしらえも済んだし、武器屋とか合成屋にでもいくかな?今の俺の武器はブルメシアで買ったミスリルスピア2本である。

 

以前、色々な竜技を習得しようとしてレーゼの風しか身につけられなかった話だったけど、考えてみれば当たり前だ、ミスリルスピアにはレーゼの風しかスキル込められてねーもん!

 

戦国BASARAの技は槍や拳に火属性を付加して動きを真似てるだけだから身につけられたのだが、竜技とかになれば話は変わってくる。

 

FF9は武器を装備する事でその武器に込められたスキルが使えるようになり、武器を使い込んでいく上で初めて完全習得できる。

 

レーゼの風しか習得できなかったのはミスリルスピアしか装備してないからだ

 

竜の紋章とかよく考えたらホーリーランスかランスオブカインでしか習得できない、どっちも終盤で手に入る武器だ

 

ランスオブカインはラスダンの拾得武器だから今の段階じゃどうあがいても無理

 

ホーリーランスはテラかダゲレオにしか売ってない

 

今の段階で手に入れるならダゲレオに行くしか方法はねえ、だけどどうやってダゲレオに行こう?あそこ飛行艇無しじゃ行けねーじゃん

 

とりあえず今は無理って事で後で考えよう

 

 

あ、そだ。商業区行く前に劇場区へ行くか、確かあそこには・・・

 

 

そう思い劇場区へと向かう

 

 

『劇場区も凄い賑わってるなー、景色も相変わらずスゲーし』

 

 

そう呟きながらとある場所へと足を進める

 

 

『あった、多分ここだよな』

 

 

大きな時計のある建物の前にまで来た

 

 

『うーん、どうすっかなー?今会ってもいいもんかなー』

 

 

建物前で考え込んでたら、後ろから急に声をかけられる

 

 

「おいあんた、そこは劇場タンタラスのアジトなんだけど、俺らに何か用でもあるのか?」

 

 

!!驚いて後ろを振り返ったら金髪の少年がいた、青を基調としたノースリーブの服、フリルの付いた手袋、腰に装備された2本のダガー、そして尻の後ろから伸びたフサフサの尻尾

 

前世でも聞いた事あるとある鋼のニーサンボイス

 

 

FF9の主人公ジタン・トライバルが俺の目の前に居た

 

 



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第5話

タンタラスとの邂逅、そして交渉


ジタン・トライバル

 

 

言うまでもなくFF9の主人公である。

 

性格は明るく、優しく気遣いができ、、困ってる人(特に女の子)をほっとけないナイスガイ

 

少々ナンパでスケベな所がたまにキズだが、いざって時の判断力や行動力は素直に尊敬してる。

 

 

「誰かを助けるのに理由はいるかい?」

 

 

この一言に彼の全てが集約されてる。

 

 

だけどそんな彼も弱い所がある、パンデモニウム城でのあのイベントだ、自分の正体、存在を突きつけられ

 

仲間に迷惑はかけられないと自分1人でケリを付けようとした事だ、それまで頼りになってたジタンが初めて見せた"弱さ"だ。

 

 

困った誰かを助けたいという思いは人一倍あるけど"自分"をなんとかしたい、という事には意外と無頓着なのだ。

 

 

 

と色々とジタンの事を思い出しながら目の前にいるジタンを改めて見てみる。

 

本編5年前だから今のジタンはかなり若い、そりゃ11歳だもんな、あっちじゃまだ小学6年か中1だ、それでも彼から感じる気の強さ、芯の強さはゲームで見てた時のまんまだ

 

 

『ああいや、俺リンドブルム初めてなんだよ、色々見てたらちょっとこの時計が目に入ってな、特に何ってわけじゃないんだけど』

 

「ふーん、でもさっきの独り言聞いてた限りだと俺らタンタラスに会うかどうか迷ってたみたいだぜ?」

 

『聞かれてたか、お前タダもんじゃねーな、こう見えても周囲は気にしてたんだ、気配感じなかったぞ』

 

「この俺を舐めてもらっちゃ困るぜ、こう見えても結構強いんだぜ?」

 

 

ったく生意気ざかり真っ只中だな・・・俺が言えた立場じゃないか

 

 

『まぁタンタラスって劇団にちょっと興味があったんだよ、んで人づてに聞いてここがアジトだって知ってさ、ちょっと寄ってみただけだ』

 

 

嘘ではない、タンタラスに興味あるのは本当だし、場所は知ってるけど実際に行った事ないから人に聞いたのは事実だ

 

 

「へぇ、なんならボスと話しでもしてみるか?今の時間なら中に居ると思うぞ」

 

『そーだな、そうしてみっか、あとお前の名前は?・・・っと自分から名乗るのが礼儀だな、俺はブレイズだ、ブレイズ・クレセント、みてくれで分かると思うがブルメシアに住んでるネズミ族だよ』

 

「ブレイズか、俺はジタン、ジタン・トライバルだ。よろしくな!」

 

『ああ、よろしく』

 

「にしてもやっぱネズミ族だったか、結構前に隣に住んでたネズ美って子がネズミ族だっていってたからな、顔付き似てたからそうなんじゃないかと思ったぜ」

 

 

ってオイィィィ!?ネズ美って本当に居たんかいぃ!!??

 

あれジタンの作り話じゃなかったのかよ!?

 

つーか誰だよ!?自分の娘に種族の名前そのまま付ける親は?キラキラネームってレベルじゃねーぞ!?

 

 

「?? 何すっとぼけた顔してんだ?」

 

『いや、すげえ名前付ける親がいたもんだなーって思っただけだ』

 

「そうか?ネズミ族って結構変わった名前いると思うんだけどな、お静とかクリスティーヌとかいう名前の子とか居たぜ」

 

 

そっちも実在してんのかよ!!??

 

なんなのネズミ族!?ヘンテコネームのブームとかあったっけ!?

 

・・・俺まともな名前で本当に良かったよまったく

 

 

『とりあえず中、入っていいか?』

 

「ああいいぜ」

 

 

中へ入っていくと中央に大柄な中年の男がいた、端の方にはベルトを頭に巻いてる赤髪の男と布を巻いた男、なんか怖い顔した男がいた。

 

多分タンタラス団のボスのバクーとその仲間であるブランク、マーカス、シナで間違いないだろう。

 

 

「よぉ、ジタン、遅かったじゃねーか、・・・後ろのヤツはいったい何処から連れてきたんだ?」

 

「なんか入口で中に入ろうか迷ってたみたいでさ、なんか俺らに用があるみたいなんだよ」

 

「なんだぁ?ネズミ族じゃねーか、なんでここに居るんだ?」

 

「ネズミ族っていったらリンドブルムと友好関係を築いているが、閉鎖的な国で滅多に国外へ出ない種族の筈だ」

 

 

とバクーとブランクにそう言われる。

 

 

バクー達が言うようにブルメシアは国外に出る事をあまりよしとしない国だ。

 

フラットレイ兄貴が国外修行を王に申し出て対立したのは記憶に新しい、その後に兄貴を追っかけて出国するフライヤ姉さんもそうだった

 

だから2人は国への出入禁止がされてしまうのだ。

 

 

俺か?俺は王を説得したんだよ、かなり苦労したし妥協もしたけどな

 

まず友好関係を築いているリンドブルム周辺までしか出ない事をいい渡された。守る気はサラサラないけどな、監視がいるわけじゃないしはっきり言って無意味な約束だ

 

続いて二ヶ月ごとに必ず帰国をする事、これは守らざる終えない、一回でも破ったら即座に兄貴と同様に出入禁止措置がとられる。姉さんにも心配かけないよう会いに戻るのもあるけどな

 

・・・・別に姉さんが恋しいとかじゃねーぞ?

 

後は各国の情勢や情報を帰国の際に報告する事、ぶっちゃけこれが一番重要だと思ってる、これには俺もすぐに同意した、なんだかんだ言ってブルメシア王も各国の動きが気になってるようだ。

 

 

俺がアレクサンドリアで証拠を持って帰ったら約束を破った事が王に知られてしまうが

 

アレクサンドリアが戦争を仕掛けてくるという情報の方が大事に決まってる、だからそれで罪に問われようが知った事か、兄貴や姉さんだってそれ覚悟で出国したんだ、俺だけ我が身可愛さに

 

すべき事をしなかったなんてするわけないだろ!

 

 

あとタンタラスと接点を持つ事はいずれシド大公との接点に繋がるかもしれない。バクーはシド大公の古くからの親友だ、だからタンタラスとは友好な関係を築きたいんだが、

 

どう話し出すべきか・・・・ちょっと危険な賭けになるがあの手でいくか。

 

 

『一応、ブルメシア王から二ヶ月おきに帰国という条件で許可は貰って旅に出たんだがな、それはそうとして俺の用件だが』

 

「なんだ?」

 

『あんた達と取引がしたい劇団タンタラス・・・いや盗賊団タンタラスと言った方がいいか?』

 

 

!!!!!

 

 

瞬間 場の空気が一気に緊張した

 

 

バクーをはじめブランクやマーカス達が一気に警戒態勢に入った、すぐ近くにいたジタンも俺から離れダガーを抜刀する

 

 

「てめぇ・・・どこでその事を知った?」

 

『俺の独自の情報網、とだけ言っておく』

 

「それで、俺らを退治でもしに来たか?」

 

『話をよく聞けよブr・・・赤髪、俺は取引がしたいと言ったんだ』

 

「それが嘘じゃない証拠でもあるズラか?」

 

 

・・・しゃーない

 

 

俺は背中に背負ってる2本の槍を足元に置き、手を上げながら少し後ろへと引く

 

 

『戦闘の意思はない、話をする機会をくれ』

 

 

まぁぶっちゃけ格闘でもそれなりに強いから本当は意味ないんだけどね、拳に炎を纏わせてパンチする「虎炎」とか槍での通常攻撃より遥かに威力高いしな

 

 

「・・・一応話は聞いてやる、妙な真似をしたりしたらわかってんだろうな?」

 

『ああ、承知した』

 

「それと取引の内容次第だ、もしも取引が決裂しても無事に帰す気はないぞ?」

 

『盗賊団タンタラスという存在を知ってる俺を野放しにはしないよな、そりゃあ』

 

「話してみろ」

 

『さてどっから話すかな、俺にはある目的があるんだ』

 

「目的?」

 

『詳しくは今は言えないが、俺の国の存亡に関わる事だ、しいてはリンドブルムという国にも関わってくる』

 

「!!! どういう事だ?」

 

『詳しく言えないと言ったろ?少なくとも今の段階じゃ言ったところで意味が分かると思えないしな』

 

「チッ、それで?」

 

『その為の対抗策としてあんたらの力が借りたいんだ、無論タダとは言わない、その分の礼はするつもりだ』

 

「盗賊団とわかって協力を求めるのなら、つまりてめぇの目的ってのは盗みか?」

 

『まぁ正解だ、盗みや潜入はあんたらの専売特許だろ?』

 

「ああそうだ、だが俺らに何か得がある仕事か?」

 

『・・・いや、ない事ないが、直接的ではないな』

 

「だとしたら相応の報酬が必要だ」

 

『無論、金は出すつもりだ、今は無いが必ず用意する』

 

「承諾出来ねぇな、国の存亡に関わるって事はそれだけ危険の多いヤマだってことだ、俺らの命を天秤にかけるにゃ金だけあっても足りねぇ」

 

『だったら俺自身を天秤に乗せてやる、相互関係だ、俺はお前らに仕事を依頼するように、俺はお前らの頼みを聞いてやる』

 

「本気か?俺らがどんな無理難題をふっかけてくるかわからねぇぞ?」

 

『まあ流石に人道的に反する事は断るかもしれんが可能な限り聞くつもりだ』

 

「ハッ!盗賊団が人道的な事を守るとお前は考えてんのか?」

 

『ああ思ってる、だってお前ら義賊だろ?弱い立場から金を巻き上げて私服を肥やす下種だとは聞いたことないぜ?』

 

「チッ、そうズバズバ言い当てられると調子が狂うぜ」

 

『あと、こう見えて俺結構強いからな、良い戦力になると思うぞ』

 

「そこまで言うなら、てめぇの話、乗ってやろうじゃねーか」

 

『感謝するぜ、だが仕事自体は今すぐってわけじゃない、数年先の話だ、時期が来れば俺から話す、それまでお前らの手助けをする、これで交渉成立ってことでいいか?』

 

「わかった、だが最後に確かめておきたい事がある」

 

『??? 何だ?』

 

「おめぇ、ちょっとツラ貸せや、その槍拾ってからな」

 

 

あ、この流れは・・・

 

 

「ここならいいな?よし、てめぇの実力を確かめてやる、かかってきやがれ」

 

 

出たー!!タンタラス式の試験(物理)!!!

 

 

 

次回 vsバクー

 

 



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第6話

VSバクー戦 戦闘描写は本当に難しかった、ちゃんとそれぞれのキャラクターらしさが出てるのか心配。




タンタラスのボス バクー

 

この男はまだ国同士の戦争が激しかった頃に生まれた戦争孤児だった、戦争を終結に導いた先代のシド8世の事を心服しており現大公のシド9世と繋がりを持ってる

自分たちと同じような孤児を引き取りタンタラス団を結成し今に至る。

表は劇団、裏は盗賊団とうたっているが、現大公であるシドから依頼を受けたりしてるから実はリンドブルムという国の情報収集機関という重要な組織なんじゃないかと俺は思ってる

性格は豪快、その時のノリで行動するしちょっと乱暴な性格だけど仲間思いで判断力はピカイチだ、ジタンの判断力と行動力はバクー譲りなのかもな

強さに関しては実ははっきりとわからない、本編では一番最初の敵として戦うのと演劇でのレア王役として、そしてジタンとの一騎打ちの3回戦うのだがどれも本気ではなかった、明らかに手加減して覚悟の程を見極めてたように見える

・・・まぁシナだけは防御低い所為か一発でのされてたけどな、とにかく本当の実力は不確定な相手だから戦うのは緊張するな

 

 

「さぁ、どっからでもかかってきやがれ」

『あぁ、じゃあ遠慮なくいかせてもらうぜ!』

 

まずは小手調べとばかりに片方の槍を突き出す!が大剣で簡単に受け止められてしまう

間髪しれずにもう片方の槍をなぎ払うように振り出すが今度は片手で槍の切っ先の根元の柄を掴まれる

そのまま槍ごと俺をぶん投げた

 

『うおっと!?なんつーバカぢからだよ!?』

「がはは、なんだ?おおみえ切っておきながらそれっぽっちか?」

『ケッ、まだ序の口だよ、これから少しずつ上げてくから楽しみにしてな!』

 

体勢を立て直し、すぐさま攻撃に移る、今度は連続攻撃だ

 

『火走!、烈火ァ!!』

 

一気に間合いを詰めながら攻撃し、間髪入れずに連続突きを放つ。先ほどと同様にある程度防がれたが手数の多さから何回か攻撃が当たる、だが

 

「くすぐったいじゃねぇか!」

 

大してダメージは負ってないようだ

 

「今度はこっちから行くぞ!」

 

ブン!と大剣を振るう、とっさにガードして受け止めるが

 

『がぁ!?重!?』

 

凄まじいパワーを受け止めきれず後ろにぶっ飛ばされる

 

ちょ!?バクー強え!?なんつーパワーしてんだよ!単純なパワーだけならフラットレイ兄貴より上だぞコレ!

しかもさっき俺の烈火を少しは食らったはずなのに全然こたえてねぇ!硬すぎだろ!?

どう考えても本編序盤でジタンと戦ってる時より強い、やっぱり手加減してたのがわかる

 

「なんでぇ、もう終わりか?」

『なめんなァ!』

 

こうなったら出し惜しみしてる場合じゃない、本気でいかないと力出し切らないままノックアウトだ

 

ハイジャンプ!!

 

俺は大きく飛び上がりバクーに向かって錐揉み回転しながら急降下する

 

「そんな単純な軌道、避けて下さいと言ってるようなもんだぜ?」

 

そう言いバクーは後ろへ下がる

 

甘いな!この技はある程度軌道修正出来るんだ、避けるなら距離をもっと開けないと避けられんぜ!

後ろに下がったバクーを追尾するように軌道を変える、バクーもこれには予想外だったのか防御の姿勢をとる

 

ガッキィイイン!!!

 

大剣と槍かぶつかり火花が飛び散る

流石のバクーも今の衝撃には耐え切れなかったのか体勢を崩される、今がチャンス!

 

『ハアァァ!!千両花火ィ!!!』

 

片方の槍に火を込めてありったけの力でなぎ払う、タメ時間が長く隙が大きいがその分威力はかなり高い、体勢崩してる今なら丁度間に合う

 

ドゴォッ!!

 

大柄な巨体であるバクーをぶっ飛ばす、こいつは効いただろ!!

 

『どうだ!』

 

だがバクーはすぐに起き上がってくる

 

「がはは!やるじゃねぇか、今のはちぃと痛かったぜ」

 

ちぃと痛いで済ますんじゃねぇよ!?どんだけタフなんだよ!

 

『バケモンかお前は!?今の結構本気だったぞ』

「いいや人間だぜ、単純におめぇのパワーが足りないだけだろ?」

 

ムカッ、ちょっとイラっときたぞ、絶対弱音吐かせたらぁ!!

 

「おらぁ!!」

 

バクーが再び攻撃をしかけてくる! さっきみたいに防いだところでガードブレイクされるのがオチだ、避けてもいいけどそれだと反撃の機会が少ない、ならば!

 

『どぉらぁ!!』

 

襲い掛かる大剣を横から薙ぐように右手の槍で叩き、軌道を変える。受け止めきれない攻撃なら受け流す、古来から伝わるパワー差がある相手の攻撃を防ぐ手段だ、しかも避けるのと違い

相手は攻撃の軌道を無理に変えられ体勢が崩される事になるため反撃のチャンスが生まれる!

 

『大車輪!!鳳凰落!!』

 

反対側の左の槍から斬り上げるように攻撃しさらに降下しながら追撃するいつものコンボ

バクーに当たったがかろうじて急所は避けており決定打にはいたらなかった

 

「ぐおっ!?っとと、今のはヒヤっとしたぜ、まったく殺す気かよおめぇは」

『平然と立ち上がってきてよう言うわ!!どうしたらそんだけ硬くなるんだよ?』

「鍛え方がちげーんだよ」

 

どんな鍛え方してんだよ!?崖からワザと転落してタフさを鍛える範○勇○郎式の特訓でもしてんのかコイツは!?

 

そうこうしてるうちに再びバクーが攻撃を仕掛けてくる、先ほどと同様に受け流そうとするが、大剣の軌道が突如変わった!それにより俺は空振りする羽目になった

 

『フェイント!?』

「同じ手が何度も通用すると思うんじゃねぇ!」

 

大剣による攻撃をまともに食らう

 

『ぐあああ!!!』

 

一撃でかなりの痛手を負ってしまう

 

「今のでもう動けないはずだ、おめぇの負けだ」

 

っぐ、確かに今ので大ダメージを負ってしまいまともに動けない、本当の殺し合いなら即ポーションやハイポーションを使ってるところだが

今は腕試しだ、アイテムを使うのはいかん、ならば・・・

 

『レーゼの風!!』

 

自分自身に竜技であるレーゼの風をかける、ケアルなどの回復魔法みたいな即効性はないが徐々に回復するリジェネの効果を持つ技である

これによりしばらくの間少しずつ傷が治っていく

 

「回復魔法か」

『ああ、だからまだ戦闘は続行出来るぜ!』

 

っと痛む体を誤魔化して起き上がる、本当は徐々に回復するから今の段階じゃまだ傷は深いままだ、だがそれをわざわざ相手に言う必要は無い

戦いにはブラフも必要になってくる、だから少々やせ我慢しても相手にケアルのような即効の回復魔法と思わせるのも手だ

もし今の状態をバクーが知ったら回復しきる前に速攻仕掛けてくるに決まってる、とにかく時間稼がねーと

 

『にしてもフェイントとは、やっぱあんた戦い慣れてるな』

「大人をなめるんじゃねぇクソガキ、踏んでる場数が違うぜ」

『確かにな、おれはまだ15歳で戦闘も魔物相手にしかやった事ないから足りねぇところは沢山ある』

「その歳でそれだけ戦えるってこたぁ随分と鍛えたんだなおめぇ、何のためだ?」

『さっき言っていた国の存亡に関わる事だ、それだけ言えば分かるだろ?』

「なるほどな、自国の為、大切な人の為ってか?」

『ああ、強くなる理由としては十分すぎるだろ?』

「違えねぇな、旅に出たのもそのためか?」

『まぁな、国の中に閉じこもってたらそれ以上先に進めねぇ、世界を知り、自分より上の存在と戦わないともっと強くなれねぇんだよ!』

 

「・・・・国に閉じこもってたら先に進めない、か」

 

ふとジタンが呟いた、その言葉は周りの誰にも聞こえなかった

 

「やっぱり今のままじゃ見つけられないのかな・・・」

 

ジタンの中でとある思いが芽生え始めるがそれを行動に動かすのは2年くらい先のことである

 

 

 

「さてと、大分くっちゃべったからそれなりに治ったろ、続きといこうや」

 

んのやろぉ・・・気付いてやがった、その上で待ってたのかよチクショー

 

『ッチ、ワザと待ってたってか?後悔するぜ!』

「御託はいい、次で決めようや」

『ああ、お互い次の一撃でケリ付ける、文句は無ぇ』

「よっしゃぁ行くぜ!」

『ああ!!』

 

バクーは大剣を両手持ちし振りかぶる、俺は2槍を連結させ大きなツインランサー状の連結槍にして火を纏わせて回転させる、今の俺が出せる最大威力の技だ

 

「おらあああ!!」

『どぅらあああ!!』

 

バクーは一気に大剣を振り下ろす、俺は回転させて生み出した遠心力を火を纏った連結槍に乗せて思い切り振りぬく

 

ガッキャァアアアン!!!!

 

最初の激突よりさらに激しい音と火花が散り、凄まじい衝撃が生まれる

 

ドガアァン!!

 

俺とバクーはお互いにぶっ飛んだ。

 

「終わった・・・のか」

「ど、どっちの勝ちッスか?」

「わからないズラ」

「・・・・ボス!!」

 

立ち上がったのはタンタラスのボス、バクーだ

ブレイズは吹っ飛ばされたあと気を失っていた

 

「がはは、俺が負けるとでも思ったかおめぇら!!」

「ボスー!!」

「まったく無茶をするッス」

「まぁボスが勝つとは思ってたけどよ、ここまでボスを追い詰めるって、ブレイズって何モンなんだ?」

「あぁん?こいつブレイズって言うのかジタン」

「ああ、入口で一応自己紹介はしてた」

「なるほど、ブレイズか、おもしれぇヤツを見つけたぜ、出来ればタンタラスに入れてやりたいとこだが、まぁ無理だな、国に家族もいる様だし、自由に旅をしたいらしいからな」

「まぁそれでもコイツとはこれから長い付き合いになるだろうな」

「まぁ何にせよコイツとの取引は成立だ、実力も申し分ねぇ、たっぷりこき使ってやるか!がはは!」

 

「(ブレイズ、目が覚めてから色々と大変だぜ?)」

 

ジタンはそう思いながら伸びているブレイズを抱えてベッドへ運ぶ

 

 

 




ブレイズ、バクーに敗北

バクーの実力は本編でははっきりわからなかったのでパワーならフラットレイより強いくらいに設定、本編では3回の戦闘は全て全力を出さずじまいでした、実際強いと思うんですけどね


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第7話

今回は前話から1年くらい時間飛びます。その1年の間の行動のまとめと今後の予定についてのお話


タンタラスのバクーと取引成立してから1年の月日が流れた

 

あの決闘以来すっかりタンタラスとは馴染みになった。

最初はタンタラスにも誘われたが俺はやるべき事があるからと断った。

バクーも予想してたらしく

「ま、そうだろうな、試しに言ってみただけだ、気にすんな」

と言ってたから断られるの前提で話したんだろうな

 

それとバクーに負けてからは俺はより修行に力を入れている、今のままじゃどうあがいてもベアトリクスに勝つなんて無理な話だ、しかも生かすつもりで戦わなければならないからより強くなければならない

 

ベアトリクスはFF9のストーリーでもそれなりにキーマンになるところあるから死なせてはならない、スタイナーのおっさんにとっても大切な人となる存在だ、戦闘において相手を殺す気で戦うのと生かすつもりで戦うのはどちらがキツイか言われれば当然後者だ。相手をねじ伏せて負けを認めさせなければならないから殺すつもりで戦うより遥かに難しい。

全力を出せないって事だからな、もっとも、全力を出し切ってもベアトリクスが

それより上の実力なら手加減する必要はないのだが、それでは本末転倒だ。仲間を守りきれなくなるどころかそのまま俺が殺される。

 

万が一負けてもせめて命は助かる方法は・・・・ひとつ思いついてるけど

確実とはいえないな、でも可能性があるだけでもする価値は十分だ、その為に強いカードを集めてる

 

カード、FF9の世界で流行ってるカードゲーム「クアッドミスト」だ、FF8のもの違いランダム要素があり

ルールがわかりずらいのが難点だが、とにかく勝てる確率上げるためにも良いカードを見つけないとな。

 

『そういえばそろそろ姉さんがブルメシアを出国した時期か、この間の定期帰国の時に会った時凄く思いつめてたし』

 

回想

 

「フラットレイ様が帰ってこないのじゃ、しかも風の噂で何処かの地で果てたと・・・」

『しっかりしろ姉さん!あの強え兄貴が簡単に死ぬようなタマかよ!?』

「わかっておる!噂だって信じとうない!!自らの目で確かめない事には!」

『だろ?人の噂に流されてあっさり兄貴の事諦めるほど姉さん達の絆は脆いわけじゃないだろ!』

「当然じゃ!どこかで必ず生きてるはずじゃ!だが何か帰れない原因があるに違いない、私はそれを知りたいのじゃ」

『・・・何考えてるのかなんとなくわかるけど、無茶だけはすんなよ、俺は止めるつもりはない』

「すまぬ、ブレイズ。お主にも苦労をかける事になる」

『気にすんな、弟として姉を助けるのは当然の事だ』

「ああ、よく出来た弟じゃ、変態なのを除けば」

『いつまでそのネタ引っ張るんだよ!?事故だっていってんだろがぁー!!』

「そういいたいなら間違って部屋入ってきた時に即座に目を逸らして部屋を出て行けばよかったじゃろ!

 ジーっと私の体をガン見しおってからに!!」

『あ、いやっ、唐突の事で頭が追いつかなくて、ちょっとフリーズしちゃった、的な?』

「的な?じゃない!!早く出て行け!と叫んでも動かなかったじゃろが!」

『いやホンマごめんってば!だからもう勘弁してくれよ~』

 

回想終了

 

・・・思いつめてたけどオチは結局いつも通りの展開だったな、こりゃ一生言われるかも、マジであの時は頭真っ白になったんだよちくしょ~

だって目が釘付けになるほどエロい体付きしてる姉さんが悪いんだもん!!←最低の責任転嫁

 

何にしても次に帰国する時は姉さんは居なくなってるだろう、その事でブルメシア王から絶対追求があるだろうな・・・

はぁー何て言い訳しようか、とりあえず俺は知らなかった、を貫き通すしかないわ

んで姉さんは旅の途中でジタンと会って、少しの間一緒に旅をする事になるはず

そういえばジタンも来年旅に出るんだっけ?確かそうだったよな

 

『少しずつ物語は動き始めている、俺が何もしなければ運命は変わらず、だからこそ動かないとな』

 

ここ1年間の事についてだが

修行の他にやれる事もなるたけやっている、リンドブルムの書庫の閲覧許可をもらい、ある魔法の事を調べたりした。

「転送魔法」、所謂遠くの場所へと一瞬で移動できる魔法だ、これがあればアレクサンドリアやリンドブルムやブルメシアを一瞬で移動できる、だがこの世界には他のシリーズであるようなテレポやデジョンとかは存在しない、ならば転送魔法なんてFF9に存在しないのではないか?と思うがよくよく思い出してみたらクジャとか使ってたし確かテレポットという移動魔法道具もあった、だから転送魔法ってものがあるのか調べたらそれっぽいものを見つけた。

 

己の魔力をその地点に存在させる事でその場まで移動できる魔法だ、ただし移動距離は魔法力に依存する上に魔力をその地点に残すという

行為はかなり難しい、多分俺が移動したいと思った時には既に残したはずの魔力は消え去ってるだろう、それぐらい短時間しか魔力を残せない。

それを永続させるのが転送魔方陣を描くとかテレポットを作る事だが生憎そこまで高度な魔法技術は俺には無理だ、ビビレベルじゃないといかん

だけどその事がある技のヒントになった、それを今鍛えているのだが、上手くいけば戦闘を有利に進められる、必ず本編開始までに間に合わせる!

 

あとトレノを拠点にするつもりだったが、結局やめにした、確かにあそこはアレクサンドリアの戦火を免れたが考えてみれば当たり前だ。

 

だってあそこクジャの住処あるじゃん!自分とこ攻撃するバカはいないだろう、あそこであまり動きすぎると俺の動きとかクジャに目を付けられてバレるから

結局リンドブルムを拠点にする事に落ち着いた、トレノにはもっぱら武器屋のモンスターを倒す事、オークション、カードゲームしに時折行くのみだ。

いちいち南ゲート通るのは面倒くさいけどな、南ゲートは去年完成したばかりでまだ真新しい、お陰でトレノとリンドブルムを行き来できる。

モンスター退治は修行の為(目指せベヒーモス討伐)。オークションでは良いアイテムを手に入れるため(お陰で金が・・・)。

カードゲームは定期的に開催される大会に出るため(ルールがムズイ)

とまあこんな具合だ。

 

ギルについては普通に魔物を倒せば手に入るのはゲームと同じだ、だけど魔物がギルを持ってる理由はその魔物が襲った旅人や行商人の持ち物を奪っているかららしい

中にはギルを体内に隠し持ってる魔物もいる、なんで体内にあるのかは・・・・察してくれ。魔物の死体から体液まみれのギルを回収するのはマジきつい。

それに魔物退治する事で報酬がもらえたりするしな、FF15で言うところの討伐依頼とかモブハントっぽい事をやってるのだ。

 

まぁそんなこんなで生活費には困ってない。それにタンタラスの手伝いで報酬こそ貰えないが何だかんだで飯奢ってくれたりするから助かってる。

宿代だって前世の相場と比べても格安もいいとこだしな、長期宿泊しても毎日の稼ぎの方がずっと上だし、だからそれなりに衣食住は充実してる。

 

 

『あ、そういえばクワン洞にはまだ行ってなかったな、トレノに行きながら寄ってみっか、クワンさんいるかな?』

 

次の予定を決めて明日にトレノ及びクワン洞に向かう為の準備をする。

 

アイテムショップ

 

『アリスさん、こんちわッス』

「あらブレイズ君じゃない、また遠出でもするの?」

『ええ、またトレノにでも行こうかと、それでアイテムを揃えてこうかなって』

「そうなの?じゃあ沢山買っていってね?」

『ええと、ポーションとエーテルと、あと毒消しに・・・・』

 

『これだけあれば十分だな、よし』

「毎度ありがとうねー、あ、そういえばあと1ヶ月後に狩猟祭の時期ね」

『へー、もうそんな時期ッスか、俺出てみようかな?』

「ブレイズ君すごく強いし優勝狙えるかもね?」

『確か望みの品貰えるしシドさんとも会えるんだよな、よっしゃ、やってみっか!』

 

そう決意しアイテムショップを後にする。

 

狩猟祭

 

リンドブルムで年1回開催されている大規模なハンティングフェスティバルだ、街中にモンスターを放ち、それらを狩って競いあうお祭りだ

優勝者には望みの品とシド大公との謁見が許される。

 

『今の時期ならまだブリ虫にされてないだろ、会っておきたいな、よし必ず優勝してやらぁ!』

 

どうせ本編の狩猟祭の時はブルメシア危機の時期に重なるから出られないのだから今のうちに出ておこう

 

 

 

 




なんかブレイズの姉に対する変態度がどんどん上がっている様な気が・・・


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第8話

今回はクワンさんとの出会い、カードゲーム、アイツとの遭遇になります。


リンドブルム城下

 

 

「よぉブレイズ、アイテムなんか買いこんでる所見るとまたどっか行くのか?」

 

『おぅジタン、ちょっくらトレノまでな』

 

「なんだまたか、今度はカード大会か?それともオークションで掘り出しモンでも探すのか?」

 

『うーん、今回は色々回ってみるつもりだ、それと別の用件もあるけどな』

 

「別の用件ってなんだ?」

 

『大した用件じゃねーよ、ちょっと知ってる人に会ってくるだけだ』

 

 

知ってる人ってのはクワンさんだ、相手はこっちを知らないから知り合いではない

 

 

「ふーん、そっか、じゃあなんか土産でも買ってきてくれよー」

 

『へいへい、あ、そういや1ヶ月後に狩猟祭あるんだってよ、ジタンは出るか?』

 

「お!ブレイズは今回出るのか、悪いけど俺は出れねーと思う、ちょうどタンタラスの仕事が被ってさ」

 

『そっか残念だな、ジタンならいい線行くと思うんだけどな』

 

「まぁ、いつかは出たいとは思ってんだけどな、いっつも都合が悪いんだよな、タンタラスってこう見えて忙しいからさ」

 

 

結局ジタンが出場するのには4年半くらい先の本編まで待たないといけないんだよな、やっぱタンタラスって結構

 

重要な諜報機関なんじゃねーの?わりと忙しい毎日送ってるし

 

 

「あ、そうそう、以前に見せてもらったブレイズの連結槍ってやつと似たような武器、扱える様になったぜ

 

 ほらこれ、盗賊刀っつって2本のダガーを柄同士でくっ付けてダブルセイバー状にした代物だ」

 

『おー、なんか知らんがジタンによく似合うな』

 

「だろ?俺もなんか初めてなのに妙にしっくりくるんだよな、ただ慣れるまで大変だったぞ、よく間違えて尻尾切りそうになったし」

 

 

原作でも扱ってた盗賊刀だ、俺の連結槍をヒントにして盗賊刀で戦うやり方を覚えたらしい、思わぬところで本編先取りしてしまった。

 

でもやっぱあれ尻尾切りそうになるよな、俺もプレイしててよく尻尾とか腕とか切らないなーって思ってたもん。

 

 

「ただこれだと重量あるから攻撃力は上がるけどスピードが少し遅くなるな、早く行動したいなら今までのダガーの方がいいかもな」

 

『だな、武器は一長一短だから状況に応じて使い分けるといいだろ』

 

「サンキュー、色々試行錯誤してみるぜ」

 

 

ジタンとだべりながら移動し、商業区の街の入口まできた。

 

 

『じゃあな、今度また手合わせ願います。ってボスに言っといてくれ』

 

「おぅ、でももうボスより強くなってるだろブレイズ」

 

 

あの決闘以来、バクーとはしょっちゅう手合わせをしている、同格以上の存在との模擬戦は一番いい修行になるしな

 

今ではバクーも倒せるようになった、今の所53勝37敗と大分勝ち越せてるな

 

 

『何だかんだ言ってもボス相手にするのは大変だからな、いい修行だよ』

 

「なるほどな、じゃあボスには伝えとくよ、あと機会あったらまた俺にも稽古つけてくれよ、俺ももっと強くならないといけないからな」

 

『オーケー、ジタンも強くなりたい願望あるんだな』

 

「まーな、強くならないと色々大変だろうしな、仲間を守ったり、あるいは1人で戦っていかなきゃいけない時とかな・・・」

 

『おぅ、ジタンも頑張れよ、じゃあ行ってくるぜ』

 

 

ジタンのヤツ結構悩んでるな、多分家出の事だろう、来年にはここを出て故郷探しの旅に出るはずだ、

 

しかし結局見つけられずに帰ってくる、でもしゃーないわ、自分が異世界の人間だなんて夢にも思わないだろ、

 

言ってる俺も異世界の人間だけどよ、俺の場合は記憶引継いでここに来たからわかるだけで、赤子の頃にクジャに捨てられて

 

このガイアに来たジタンじゃ気付けないよそりゃあ・・・

 

 

もし自分が記憶を持たぬまま転生したら、多分ブルメシアでむざむざと殺されて終わってたろうな、ただそうなると姉であるフライヤが

 

どうなるか、原作の悲劇の上に実の弟を殺されるという悲しみを更に上乗せされたら精神が壊れかねない。

 

それは今この世界でも同じ事が起きかねないとも言える、俺がアレクサンドリアとの戦いに負けて殺されたら姉さんは・・・

 

 

ええいネガティブな事は考えない!その悲劇を起こさない為に今行動してるんだ、まずはやれる事をやっていくしかない。

 

そう言いながら俺は南ゲートへと向かう。

 

 

 

南ゲート

 

 

アレクサンドリアとリンドブルムの国境に作られた飛空挺用のゲートだ、飛空挺が飛べる高度ギリギリに作られているらしい

 

徒歩で国境越えるなら麓から列車が出てるからそれに乗ればいい、なんにせよゲートパスは必要だけどな

 

 

いつも通り俺はボーデン駅から列車に乗り込み山頂駅までいく、毎回ここでまんまるカステラを食っていくのはちょっとした楽しみだ

 

シナの言うとおりかなり美味い。その後下りの列車に乗ってアレクサンドリア駅に出る。んでトレノ側とダリ村側にそれぞれゲートが

 

あるのでトレノ側に出る、ちなみに原作じゃトレノからアレクサンドリアには徒歩で行けないのだが、それは多分行けたらまずいから

 

ワザと通れないように制作スタッフがそうしたんだろ、実際には行けるのだ、でないとビビがどうやってクワン洞からアレクサンドリアへ行ったというんだ

 

実際原作どおりの地形ならアレクサンドリアへは飛空挺でしか行けないもんな、山脈と崖に囲まれた孤立都市になっちまう

 

 

それと来る時に通ったボーデン駅も本来なら飛空挺か山チョコボじゃないとこれないけど実際には山道があった

 

まさかスタイナーとダガーがロッククライミングしてボーデン駅に行くわけないだろうしな

 

 

アレクサンドリアにも何回か行ったけど今の所変わった様子はない、俺が旅に出始めた時にブラネの夫がなくなったんだっけ・・・

 

んで原作1年前にクジャにつけこまれて戦争へと発展する、今はクジャもいないので特に変わりは無いってことか

 

 

まぁ何にせよまずはクワン洞にいってみるか、トレノはその後行こう。

 

 

 

クワン洞

 

 

天然の洞窟で、ク族のクワンさんが住処としている洞窟だ。中には体力を回復できる泉がある(湯気たってたから温泉なのか?)

 

奥のほうにはクワンさんの居住スペースがある、1799年頃にクワンさんがビビを拾い、2人で暮らすのだが僅か数ヶ月で死別する事となる

 

なんでも「食即是空」の極意とかいう境地に目指し、それを知る事な出来、そして満足しこの世を去るという未来だ。

 

 

その極意って確か絶食する事で、その料理を食べなくても完全に想像する事が出来るようになるとかいうトンデモない理論だったはず

 

なるほどクエールさんが離反するのもわかる、ク族にとって食は命より大切な目標だ、それを捨てたクワンさんは

 

クエールさんにとって頭がおかしくなったと感じるのも無理は無い、死んだ原因も恐らく餓死だ。

 

ビビの事もあるから食べるように説得するのも考えたが、自分自身で進むと決めた道を俺の自己満足で勝手に変えるわけにもいかない

 

満足のうちに死ねる未来と、目標を失い足りないまま惰性で生き続ける未来、どっちがいいかなんて俺にはわからない。

 

だけどこればかりは邪魔しちゃいけないと俺は思った。ただ、ビビには悲しい思いをさせてしまうのが心残りだけど・・・

 

後々再会できるサブイベあるから是非会わせてあげたいな、まぁそれは4年以上先の話だけど

 

 

そう思いながらクワン洞の中へと入っていく、いちおう他人ん家だからまずは家主に挨拶だ

 

 

『すんまっせーん、誰かいますか?』

 

「おや、こんなところに何か用アルか?」

 

奥の居住スペースにクワンさんがいた

 

 

『あ、どうもお邪魔します。俺は旅をしてるもので、ブレイズと言います』

 

「これはご丁寧にどうもアル」

 

『いや旅の途中にたまたまこの洞窟を見つけたんで中を確認したら人が住んでる様子があったんでつい入ってきたんスが、迷惑でしたか?』

 

「いやいや別に迷惑とかないアルよ」

 

 

ないアルって、ないのかあるのかどっちだよ、と心の中でさり気なくツッコむ

 

 

『・・・あの、間違ったら申し訳ないんスけど、クエールさんって方の親戚ですか?』

 

「! クエールを知ってるアルか?クエールは同じク族で私の元弟子アル」

 

『やっぱりク族の方なんスね?」

 

「クエールは元気にしてたアルか?」

 

『ええ、今もク族の沼でクイナって弟子を鍛えてます。』

 

「クエールも弟子を取ったアルか」

 

『はい、仲は悪くなくて上手くやってるみたいッスよ?』

 

「そうか、それは良かったアル」

 

 

何だかんだ言っても元弟子のクエールさんの事は気にかけてるみたいだな

 

その後も他愛ない世間話をした、ずっと一人暮らしだったし話相手とかいなかったんだろーな

 

 

『用が無いのに長居してもアレなんで、そろそろお暇させてもらいます、俺はたまにトレノに寄ったりするんで

 

 その時にここにも会いに来ましょうか?見たところ一人暮らしみたいなんで話相手にはなりますよ』

 

「ありがとうアル、今度来た時は何かごちそうするアルよ、料理は得意アル」

 

『ありがとうございます。是非ごちそうになります』

 

 

これでクワンさんとも面識が出来た、いずれビビとも面識を持っておきたいし、今度から時々来てみるか

 

ビビが狩猟祭前に言ってたゴマ虫まんじゅうとかも食べてみたいな

 

 

そしてクワン洞を後にした俺はトレノへと向かう

 

 

 

トレノ

 

 

何故か常に夜の街である、「眠らない街」として有名で色々なプレイスポットがある

 

カードゲーム大会が行われてるスタジアム、オークションが開かれてるキング家、ステラツィオ収集家のクイーン家

 

ショップを営みながらモンスターとの試合を企画してるナイト家とある。

 

 

常に夜なのは地形の所為か気候の所為かわからんけどデリングシティ(FF8)やゾゾの街(FF6)みたいなもんだろ

 

常夜街だからその分治安が悪い、人気の少ない裏路地とかを歩けば大抵・・・

 

 

「おいそこの兄ちゃん、良い武器を持ってるじゃねーか、ちょっとそれ俺らにくんねーかな?」

 

「い、嫌とは言わせないんだな、お、おとなしく渡した方が身のためなんだな」

 

「アニキィ、さっさといただいて売っぱらっちまいましょうぜ」

 

 

・・・はぁ、テンプレだなもう、マジでいるんだなチビ・デブ・ノッポの3バカトリオなゴロツキって

 

こういうのアニメやゲームでよく見たぞ?なんだっけ?恋○無双?リ○ロ?

 

なんでもいいや、こういう輩は瞬殺しとくに限る、前世なら逃げるか助けを呼ぶの二択だったけどな

 

 

『はぁー(クソデカため息)、お前らみたいなゴロツキに何でこうもエンカウントするかねぇ、武器?やらねーよ

 

 相手見てケンカ売れよ3バカ』

 

 

「あんだと!?てめぇ・・・どうやら痛い目に遭いてーみたいだな?」

 

「ど、どうなっても知らないんだな、あ、アニキを怒らせると怖いんだな!」

 

「やっちまいましょうぜアニキ!」

 

 

そういい3バカが襲ってくる

 

 

『はぁぁ!虎炎!!(炎無しver)』 ドカ!!バキ!!ズゴォ!!

 

 

槍を抜くまでも無く、拳に火を纏わせる程でもなく、単純なぶん殴りで3バカをぶっとばす

 

 

「「「ぷげらぁぁ!!!!」」」

 

 

はい、伸びた3バカの出来上がりっと、全く時間と体力を無駄にしたぜ・・・

 

っと、3バカの懐から何か出てきたな、これは・・・カードか、しかも結構良いステータスじゃねーか

 

これ貰っとくか、どーせ俺からモノ奪おうとした奴らだ、逆に盗ってもいいだろ、俺は下種に対しては容赦する気ねーし

 

 

など追剥返しをしながらトレノの街を進む

 

 

 

カードゲームスタジアム

 

 

 

 

『俺のターン!!ドロー!モンスターカード!』

 

 

ノリノリで遊○王ごっこしながらクアッドミストの大会をエンジョイ中、なお、使用カードは3バカから奪ったカードだ

 

 

『なーはっはっは!パーフェクト勝ちじゃあ!』

 

 

もはや何キャラになっているのか分からないブレイズであった・・・・

 

 

『っしゃあ、大会優勝したぜ!ブツも手に入ったし次はどうすっかなー?』

 

 

ステラツィオ集めはする気がしないなー、あれは飛空挺とか手に入ってからした方がいい気がする。

 

オークションは今日は欲しい物がないなー、以前蓄音機を手に入れたいと思ってたけど、それはとっくに手に入れてる、

 

探せばあるもんだな、これでアレクサンドリアで侵攻作戦の盗聴出来るな、ちなみにドーガの魔導器やウネの夢幻鏡とか

 

競売にかけられてたけど今俺が持ってても意味無いのでスルー、ただネズミのしっぽだけは即行競り落とした。

 

何故か分からんが競売されてる事に無性に俺のしっぽが疼いたからだ、ネズミ族の血がそうさせたのか?

 

後で必要になった時にジタンに渡すか、バクーに渡したら酒のつまみと間違えて食われかねん(確か昔そんな事をやらかしそうになったって記述あったよな)

 

 

ショップのモンスター退治は、今回はいいか、次の機会にでもやるか

 

 

今日はトレノの宿で一泊し明日リンドブルムへ戻るか、ダリやアレクサンドリアに寄る理由は無いし、すぐ帰る事にした、次は今年の狩猟祭に向けて準備だな

 

例の技も実戦で使えるように訓練しないとな

 

 

と考え事しながら宿に向かってる途中に曲がり角で誰かとぶつかりそうになった

 

 

『おっと、すまない、前をよく見てなかっ・・・・ッ!?』

 

「・・・・・」

 

 

サ、サ、サラマンダー!?何故ここに!?ってここはトレノだったな、そりゃ居てもおかしくはないか

 

以前トレノでサラマンダーと会ったりしないだろうなって考えた事あったけど完全にフラグだったんかい

 

 

「・・・なんだ?俺の顔に何か付いてるのか?」

 

『い、いや何でもない、悪かったな、俺の不注意だ』

 

「・・・そうか、だが身のこなしが素人のそれとはまるで違うな、一体何者だ?」

 

『・・・一応名乗っておくけど、俺の名前はブレイズだ、見ての通りただのネズミ族だよ』

 

「ただのネズミ族か・・・まぁいい」

 

『そっちだけ俺の素性を聞いて、自分は名乗らないのかい?』

 

「・・・名前はない、焔色のサラマンダーと周りはそう呼んでるがな」

 

『そっか、じゃあサラマンダーでいいか、あんたも強いな、何の仕事をしてんだ?』

 

「・・・・・」

 

『語らず・・・か、まぁ無理に聞こうとは思わねぇよ、じゃあな、縁があったらまた会おう』

 

 

流石後々に裏稼業No.1と言われる男だ、全く隙がねえな、でも実力はベアトリクスよりは下だよな?

 

ベアトリクスに手も足も出なかったジタンにタイマンで敗れてるし、それとも単に相性の問題か?ベアトリクスとサラマンダーが

 

直接戦ったらどんな結果になるんだろうな、まぁとにかくサラマンダーはこっちからケンカ吹っかけなきゃ基本は戦う事はない

 

姉さんは何故かサラマンダーと初対面の時におもっくそケンカ吹っかけてたけどな、イライラしてるのわかるけど頭に血上りすぎだっての

 

その時点では見ず知らずの男に「やるか!?」はねぇだろ、でもその後はサラマンダーと妙に仲が良くなるんだよな、火の祠の前とかやたらとサラマンダー

 

に絡んでたし・・・クールな性格同士気が合うのかねぇ、フラットレイ兄貴がいなかったら意外とサラマンダーと良い感じになったんじゃねーの?

 

 

そんな事を考えながらブレイズはその場を離れていく、思わぬところで原作メインキャラと遭遇したが特にイザコザが起きたわけでもない、

 

今度会う時は自分の顔なんて忘れてるだろうとブレイズは考えてたがサラマンダーはしっかりと記憶していた。

 

尚、ブレイズは自分が姉であるフライヤとかなり似た容姿である事を全く考えてなかった為、後々サラマンダーがアレクサンドリアでフライヤと初めて会う時に原作より余計ややこしい事になるとはこの時思いもよらなかった。

 

 

 

さーて明日はリンドブルムに帰ってまた修行とタンタラスの手伝いだな、1ヶ月後の狩猟祭に向けての準備もしねーとな。

 

 

 

 

 

 




次回、レッツハンティング!


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第9話

今回の話はBGM「ハンターチャンス」を聞きながらお読みください。


リンドブルムの狩猟祭

 

以前も説明したが毎年行われるモンスターハントフェスティバルだ、街中にモンスターを放ちそれらを狩り、ポイントを競うお祭りだ。

制限時間は12分、はっきり言って超短い、原作でもてこずってたらザグナルを倒せずフライヤ姉さんに優勝をかっさらわれるのだ

まぁアイテム的に姉さんが勝ったほうがおいしいんだけどね、地味にクイナとかラニとかゲネロとか参戦してたんだよなぁ。

 

本編の狩猟祭の時は大抵のプレイヤーはリンドブルムでオーガニクスを合成してるからザコは1撃で倒せるようになり時間短縮になる、

逆にメイジマッシャーとかのままだと時間ロスが発生してかなり困難になるのだ

 

『そういやジタンのヤツもうオーガニクスを扱ってたな、本編最序盤からオーガニクスとか反則レベルだろ、あれDisk2の最初の方まで通用するぞ』

『それでもFF8のDisk1でライオンハート作成よりかマシだけどな、言うなればDisk1でアルテマウェポン入手って事じゃん、まぁFF8は寧ろ魔法とジャンクションが重要だけど』

 

狩猟祭の12分というリミット、ゲームじゃマップの関係でギリギリ全部回れるけどリアルのリンドブルムじゃ絶対無理、それにゲームと違いエアキャブに乗ってる間は時間は止まるとか

そんな生易しい仕様なんて無い、そこで俺はある技を鍛えてる、以前転送魔法を調べてた事あったけどあれをヒントに編み出した技だ、どんな技かは後でのお楽しみだ、狩猟祭でデビューといこうじゃないか。

 

『確かモンスターの狩猟ポイントは敵の体格によって決まるんだったな、同じ種類のモンスターでも1ptだったり10ptだったりまちまちだ、今年もいるかは知らんけどザグナルは50~100ptだっけ』

『とにかく見た目でっかいヤツを片っ端から倒せばいいはずだ、よーし派手にかましてやる』

 

そしていよいよ狩猟祭当日

 

リンドブルム巨大城の広間

 

集まった参加者を見てみるがジタン達は仕事でいないから顔見知りはいない、と思ったら・・・

 

『ってあれクイナじゃん。今年の狩猟祭にも参加してたんかい、ってクエールさんまで!?あの人も参加すんのかよ!?』

 

クエールさんって超強かった記憶あるんだけど、隠しボスのオズマやハーデス、ラスボス格のトランスクジャやペ○シマンよりも更に上の体力の持ち主だったような、たしかジタンの9999固定まで鍛えた盗賊の証に6発は耐えた覚えが・・・

思わぬ強敵だ、こりゃあ油断ならねーぞ。

他にも顔見知りいないか見てみると顔見知りではないが知ってる顔がいた

 

『あ、ラニだ。あいつも今年も参戦してたんだな、・・・なるほど胸がデカイな、発育よすぎだろ、俺と同い年か少し下だったはずなのに、だけどあれならジタンがつい目がいってしまうのがわかる』

 

俺は人間の女には興味がなくなったから別に気になるとかはない

 

『やっぱネズミ族である姉さんみたいな綺麗な形の胸が一番良いよなぁ、あの時見た胸は本当に良い形してて・・・・って何を口走ってんだ俺は!?』

 

もはやシスコンである事は確定してるのだが意地でも認めないブレイズであった。つーかもはや変態以外の何者でもないじゃないの君?

 

『じゃかぁしいわナレーション!!次元の壁突破して俺に話しかけんな、メタいわ!!』

 

※ここでの天の声との会話はこの物語と一切関係ありません。

 

『はぁー、何で姉さんがこんな気になるんだろ、ここに転生する前からFF9では一番好きな女性キャラだったけど、ネズミ族になってから身近な存在になって憧れから愛に感情が変化したとか?いやまさかな、

どうせなら弟じゃなくて別のネズミ族になって姉さんと会いたかったな、でもフラットレイ兄貴いるからどのみち無理か、くぅー兄貴ってば羨ましいぜ全く』

 

既にシスコン全開な独り言を言ってるブレイズは自分の危ない発言に気付いてなかった。

 

『まぁ、よくある初恋は身内、みたいなもんか、まぁ叶わぬ恋なら相手の幸せを願うのが一番だ、姉さんは兄貴と一緒に幸せになる未来が一番合ってる』

 

さてそんな事より対戦相手の確認の続きだ。でももう見た顔はいないな、サラマンダーとかいるかと思ったけどアイツこういうのには興味ないんだろうな

 

しばらくすると兵士がやってきた

 

「それではこの後狩猟祭が開幕いたします。こちらの方に名前と優勝時の希望の品を書いて下さい」

 

と書類が渡されたので記入する

 

さーて希望の品だけど、武器にしようかと思ってる、折角だから強い武器が良いなぁ

ちなみに今の俺の武器はパルチザンとアイスランスの二刀流だ、アレクサンドリアで手に入れた、お陰さまでホワイトドローが覚えれたぞ、でも竜剣は無理だった、エーコとダガーみたく同じ武器でも覚えれるアビリティが違うとかあるんだろうな

俺の場合はレーゼの風とホワイトドローだから援護、支援、回復系の竜技が覚えられるって事か、まぁ攻撃系はBASRAの幸村の技とか使えるし問題ないけど、でも竜の紋章は覚えられるといいなー

 

『名前はブレイズ・クレセントと、希望の品は強力な槍を2本・・・・と』

 

名前と商品を記入する

 

「はい、ありがとうございます。それでは30分後に開幕となります、ブレイズさんは劇場区からスタートになります」

 

 

いよいよ始まるな、劇場区で開始だから移動するか

 

劇場区の駅内でスタンバイする

 

 

その頃

 

城壁前

 

「ヒャハハ!今年のザグナルちゃんは勢いがあるのー、今年の参加者は果たして倒せるかのう?」

「じいさん!まもなく始まるがこいつは始まって6分経ったら放つ予定の筈だ」

「無理じゃろ!6分も待ってたら城壁が壊されてしまうぞ?ここまで連れてくるのも苦労したわい」

「くっ、相変わらずだな全く、オイ!門を開けろ!!」

 

城内

 

「シド様、ヒルダガルデ様、オルベルタ様、準備整いました」

「うむ、では開幕といこうか」

「あまり大怪我する方が出なければいいのですが・・・」

「まあ無理でしょうな、それを覚悟で参加してるのですから、一般市民はみな建物の中に避難済みです、いつでもいけますぞ」

「それでは、狩猟祭、開始だ!!」

 

 

城下街で狩猟祭開幕の号砲が鳴る

 

 

『よっしゃあ、行くぜ!!!』

 

頭の中で「ハンターチャンス」を流しながら駅の外へと飛び出す

 

 

 

劇場区駅前にさっそくムーがいたので仕掛ける

 

『火走!!』

 

一撃でふっとばす

すぐ近くにファングがいたので間髪入れずに攻撃を繰り出す

 

『朱雀翔!!』

 

前方に前転するように飛び込み空中から斬りつける

 

『まだまだ、大車輪!!』

 

そしてカチ上げるようにぶっ飛ばした。

 

『ほい、二丁あがり!』

 

[トップはブレイズ選手の21ポイントです]

 

街のいたるところにある町内放送機器から放送がながれる

 

『いきなりトップか、幸先いいな!』

 

周りにモンスターがいなくなったので次の場所へ移動する

 

 

同時刻 

 

「みんなまとめて食べるアルねー」

「クイナ!いちいち食べてたら時間がかかるアル、ちゃんと倒すアル!」

「でも美味しそうなモンスターもいるアルねー」

「はあ、今はライバル同士アル、勝手にするアル」

 

とクエールは自前のガストロフォークで魔物を狩っていく

 

[トップは沼の料理人選手の30ポイントです]

 

『沼の料理人って多分クエールさんの事だよな?クイナが多分謎の食通でクエールさんが沼の料理人って・・・』

 

どんなネームセンスだ、しかも開始前にチラッと見たけどガストロフォーク装備してたよな?ここで最強武器とかチートじゃねぇかよ!

 

※ブレイズもこの時点でDisk3以降の武器を装備してるので十分チートだと思われる

 

『なんにせよ負けられねぇぜ!お、トリックスパロー発見!でも上空にいるから手出し出来ないな、普通のヤツならな!』

 

ブレイズはネズミ族の竜騎士だからあれくらいの高さは普通にジャンプで届くのだ

 

ハイジャンプ!!

 

『安全圏と思ったら大間違いだぜ!おらぁ!!』

 

空中で攻撃を仕掛けトリックスパローを叩き落す

 

[トップはブレイズ選手の31ポイントです]

 

『よしまたトップに躍り出た!』

 

[トップはラニ選手の35ポイントです]

 

が、すぐに塗り替えられる

 

『ぐずぐずしてらんねーな、っとここら辺にはもういないか、街の下のほうに結構いるな、なら・・・』

 

そのまま向かうんじゃ時間が掛かる、今こそあの技を試すときだな。

 

ジャンプして上空から見通し、広い場所を探す

 

あそこが良さそうだ、よし!

 

『技を借りるぜ、ノクティス(FF15)!!!』

 

思いっきり片方の槍をその場所までぶん投げる、そしてその場所に槍が突き刺さった瞬間ブレイズの体が高速移動し、槍の突き刺さった所に転移した

 

『よし!上々!!大分慣れたな』

 

ブレイズが使ったのはシフトと呼ばれるFF15の主人公ノクティス・ルシス・チェラムが使う魔法だ、原理は不明だが剣を投げつけた場所へ超高速移動する技でFF15では一番よく使う技とも言える。

ブレイズは以前転送魔法を調べてた(第7話参照)、だが結局遠くへ転送するような技量や技術がなく諦めてたのだが、短距離なら技として使えるのではないかと思ったのだ、

問題はその場に残してもすぐに消えてしまう魔力だったのだが、ふとFF15でノクティスが使ってたシフト魔法の事を思い出したのだ。

槍に魔力を込めて、それをぶん投げれば魔力が消え去る前に移動したい地点に転移出来るのではないかと思いつき、転送魔法を学んだのだ。

移動距離は持ち主の魔力に比例するので超長距離は無理だが槍で投げれる距離ならブレイズの魔力でも十分だ、それによりノクティスのシフト魔法を再現出来たのだ。

だがあくまで使えるのは槍を用いるシフト移動か、敵に直接刺し高速移動による勢いを付けた追撃のシフトブレイクだけだ。

回避のシフトアボイドと回復専用のマップシフトは再現無理だった。そしてメリットばかりじゃなくデメリットもある。

 

『精神力の消耗が結構大きいんだよなコレ、連発したら4~5回でスッゲエ疲れて倦怠感出てくるんだよな、所謂MP切れってやつか』

 

無論その時はエーテルを使えばいいが、そんなペースで使ってたらあっという間にエーテル不足に陥る

 

余談だがまったく別技であるがFF9にもシフトブレイクは存在する、ジタンのトランス時に使える裏技のひとつだ。

 

『さて、結構モンスターいるな、まとめてぶっ飛ばすか』

 

槍を繋ぎ連結槍にして回転させモンスターはなぎ払いながら突き進む

 

『おらおら!近寄ると星になるぜ!』

 

一応周囲の民家に被害が及ばないように配慮はしてる、一気に3~4対の魔物をぶっ飛ばした

 

[トップはブレイズ選手の58ポイントです]

 

残り時間9分

 

工場区

 

「アイヤー、ここらへんにはもうおいしそうなモンスターいないアルね、次の場所行くアルよ」

「・・・!?美味しそうなニオイが漂ってくるアル、あの店ね!」

 

とクイナはあのいきつけの酒場の美味しい料理のニオイにつられて酒場の方に行ってしまう。

 

[おおっと謎の食通選手!建物内に避難したようです、これは棄権とみなし失格です]

 

と戦闘の意思無しと判断されて無念のリタイヤ

 

「なにをやってるアルか、クイナは・・・・」

 

あきれ返るクエールだった

 

「とにかく今は自分の事に集中するアル」

 

とガストロフォークを振るいながら一撃で魔物をどんどん倒していく

 

[トップは沼の料理人選手の77ポイントです。]

 

 

『流石クエールさん、強えなオイ、このままじゃ負けちまう』

 

今のブレイズの点は69ポイント、同じペースで倒していったら逆転出来ない

 

『多分今年もあのデカブツはいるだろう、そんな話は城で聞いたし、残り時間少なくなったらアイツを狙うか』

 

と考えながら次の標的を探す

 

残り時間5分

 

[トップはラニ選手の132ポイントです]

[トップはブレイズ選手の137ポイントです]

[トップは沼の料理人選手の140ポイントです。]

 

この3人によるデッドヒートが繰り広げられる、だが・・・

 

「アイヤー、どんどん敵が少なくなっているアルね、また移動しないといけないアル」

 

「まったくどいつもこいつも歯ごたえがないわねぇ、それにしても移動の時間ロスが痛いわね」

 

ラニとクエールは移動によるロスにより徐々にペースが落ちていく、一方ブレイズは

 

『そこだ!!シフトブレイク!!』

 

周りの魔物が見当たらなくなったらジャンプして魔物がそれなりにいる地点を探し、シフトブレイクで攻撃しながら移動をする

そのおかげで移動時間を大幅に短縮できたのでペースは落ちずに済んでいる。エーテルもそれなりにストックはしてるから今の所MP切れの心配はない

 

[トップはブレイズ選手の217ポイントです。]

 

残り時間3分

 

『やべ、そろそろあのデカブツ倒さないと、他のヤツに倒されたら流石に今の点数(235ポイント)でも逆転される可能性あるし』

 

とまたジャンプをしザグナルを探す

 

『・・・・・いた!!あそこか!』

 

とザグナルを見つけその付近へシフトする

 

『おいデカブツ、俺が相手してやる』

 

「グオオオオ!!」

 

ちまちま戦う事はねぇ、大技で一気に決めてやる!

ブレイズは再度連結槍の状態にし、連結槍にありったけの魔力を込める。魔力を込められた連結槍はオーラが吹き走り一本の巨大な槍状になる

 

『行くぜ!編み出した今の俺の最強奥義!!』

 

再びジャンプし巨大な槍状オーラを構え、ザグナルの頭に向かって急降下する

 

 

『グングニル・ドライバァァァー!!!!!』

 

ドッグァァァン!!!

 

「ギャオオオ!!」

 

槍がザグナルの頭に突き刺さり悲鳴のような雄たけびを上げる

ブレイズがその前方に着地し、再び二槍を構えなおす

 

『っしゃあ!上手く命中したな、これでそれなりにダメージが与えられたはず、このまま押し切って行く・・・ぜ・・・・えぇ?』

 

既にザグナルはその場に倒れて動かなくなっていた

 

ちょ、え?何!?ザグナルってこんなだったっけ、いくら大技っつっても一撃でやれるとは思ってなかったぞ!?

 

[トップは320ポイントのブレイズ選手です]

 

マジか!実感してなかったけど俺こんな強くなってたんだ・・・

 

[タイムアップ、終了で~す]

 

[優勝は・・・ブレイズ選手!320ポイントで見事優勝です!]

 

 

 

 




新技2つをお披露目、ひとつはノクティスのシフト、もうひとつは一応オリジナルの大技


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第10話

シド大公へ謁見と新しい武器と新しい竜技とブルメシアへの帰路


狩猟祭終了後

 

見事にぶっちぎりで優勝した俺はシド大公への謁見と賞品を渡される事となった。俺は城の昇降機で大公の間へと向かってる途中だ

 

『にしても320ポイントねぇ、本編じゃ200ポイントいけばそれなりなのに300ポイントオーバーまでいくとは、恐るべしシフト魔法、FF9の世界観でFF15の技は強力すぎるな』

 

シフトにより行動範囲が大幅にあがり普通ではありえない速度でモンスターを狩れたのでこの点数になったんだろう

もうひとつお披露目した奥義「グングニル・ドライバー」だが、俺独自の必殺技が欲しくて開発したんだけど、これもまた強力だった

 

『まさかザグナルを一撃で倒せるとは思わなかったわ、俺の勝手な予想だとあれ多分ゲームでならダメージ5000オーバーいってたろ』

 

「グングニル・ドライバー」について改めて解説すると

まず2本の槍を繋げて連結槍にしそれにありったけの魔力を込める事で一本の巨大なオーラスピアーと化してジャンプの要領で上から突き刺す技だ、武器に込める魔力が多ければ魔力が目で見えるくらい噴出してくるので

まるで巨大な光輝く槍になったように見えるだろう。

オリジナルではあるが元ネタもあるっちゃある、スコール(FF8)のブラスティングゾーンだ、ガンブレードに魔力か気力かわからんけどそれを込める事で巨大な剣を作りだし、それで敵を一刀両断する技である。

イメージとしてはディシディア版のブラスティングゾーンが近いな、原作版はいくらなんでもデカ過ぎる、宇宙まで届くオーラブレードってなによ?

 

なんにせよ「グングニル・ドライバー」を極めればオーラスピアー状態のまま継続して戦闘が出来るようになるかもしれないな、あるいはそれをブン投げて攻撃するのもありだが回収する手間があるな

巨大な槍を上空からブン投げて攻撃・・・・「ニーベ○ン・ヴァ○スティ!!」って叫びたくなるかも

 

 

『オーディンが持つグングニルと名前被っちゃうのがアレだな、でもこいつをクレイラでの切り札とさせてもらうぜ、どっちのグングニルが強いか、勝負だ』

 

そうこうしてる内に昇降機が上層についた。

 

「どうぞこちらへ、シド大公がお待ちです」

『ありがとうございます』

 

大公の間

 

 

大公の間へと入ると正面の玉座にシド大公がいた、傍らにはオルベルタさんとヒルダさんもいる。

流石にこの時期はブリ虫になっていないな、ヒルダさんもいるし、事件が起きるのは3年後くらいだったっけ?

俺は入室したら一礼をし、適度な位置まで進んだ後、帽子を取り、こうべを垂れる

 

「お主が今回の優勝者のブレイズ殿であるな」

『は!お目にかかれて光栄であります。』

 

流石に大公様の前だ、普段の口調は勿論の事、マーカス口調もNG、スタイナーがダガーに対して使う言葉を参考にする。

 

「いやいや、そんなに畏まらんでもよい。ブルメシア殿の国のネズミ族と伺っている」

『その通りです』

「それにしてもよもや300点を超えるものが現れようとは思わなかったぞ、今までの最高記録を大幅に塗り替えた事になる、見事な戦いぶりだった」

『恐縮です』

「その強さは一体どうやって身につけたのだ?」

『ひとえに我が国での教え、そして最高の師匠をもてた事だと思います。』

「なるほど、ブルメシア殿は国民を鍛え、国力を上げていると聞く、このような強き者を育て上げるとは流石じゃ」

『ありがたきお言葉、王も喜びます』

「うむ、それでは希望の品を渡すとしよう、オルベルタ」

「は!ブレイズ殿、これを」

 

[ヘヴィランス×2を手に入れた!]

 

ってええええ!?ヘヴィランスじゃんか、後半のエスト・ガザにしか売ってないぞこれ、どうやって閉ざされた大陸にある武器を手に入れたんだ?

いやまあ聞く必要はないか、入手ルートが気になるけど、まぁ手に入った事に違いないし別にいいか。

 

『ありがとうございます!・・・ですがこの場で受け取ってもよろしいので?』

「うん?どういう意味じゃ?」

『無論そんなつもりは微塵もありませんが、もしも自分が悪しき考えを持つ輩だったら武器をこの場で渡すのは危険ではないのかと思いまして』

「それならば心配はいらん、城下での貴公の前々からの活躍は聞いておる、それにお主の目は心の清い真っ直ぐな目をしておるからな」

 

目は口ほどに物を言う・・・か

 

『重ね重ね恐縮です』

「お主はこの後はどうするつもりじゃ?」

『自分は修行の旅をしております。リンドブルムを拠点とし、各地を転々としております。あと2ヶ月に一度は帰郷しています。まもなくその期間なので一度ブルメシアへ戻ろうかと』

「なるほど、それではブルメシア殿にはよろしく言っておいてくれ」

『は!ありがとうございました』

 

そうしてシド大公との謁見を終えて宿へ戻る、帰ってる途中ヘヴィランスを装備してみた

 

『ヘヴィランスって言うだけあってなかなか重いな、重い分攻撃力は高いけどその分機動力が少し遅くなるしブン投げる距離が短くなる、つまりシフトの距離も短くなるな』

 

まぁそこは筋トレして鍛えるしかないか、問題はコイツに込められたアビリティだけど

 

『六竜・・・確か約3分の1の確率でそれぞれHPMP全回復、現状のまま、HPMP1に減る、の3通りのどれかになるバクチ技だったっけ』

 

はっきりいってリスクが高すぎる、キツイ場面で全回復がくれば一気に立て直せるけどもしHPMP1なら一気に詰みだ、結局プレイでは一度も使わなかったな

 

『六竜は封印推奨だな、しゃーない。それより気になるのはもうひとつ込められたアビリティだ』

 

槍を装備し初めて分かった事だが、なんとヘヴィランスにはもうひとつアビリティが込められてた、しかも俺の知らない技だ、こんなのゲームには無かったぞ!?

ブレイズは武器から自分の頭に流れ込んでくるアビリティ情報を確認する。

 

『えーと「聖竜の祝福」・・・・体力大回復+状態異常回復ぅ!? んだよこれケアルガ+エスナって事か?』

 

こんな便利な竜技あったのかよ!?姉さんはこんなん使えなかったぞ、いわゆる俺専用アビリティって事なのか?なんにせよこんな使い勝手が良い竜技使わない手は無い!

早速試してみよう!!

 

・・・・・・・

・・・・・

・・・

 

っとそうそう上手い話はないか、やっぱデメリットあるわこれ、まず消耗が激しい、シフトと同じくらい疲れるから今は使えて4~5回、次に発動までの時間が長い事だ

所謂詠唱時間?ってのがあって発動するまで結構時間を要する、タイマンじゃ相当な隙が無いとまず潰される、あと「レーゼの風」とちがい対象は単体しか無理っぽいな

でも仲間と一緒に戦ってる時なら凄く便利だ、最悪エーコとダガーの役目を一時的に補える、是非極めておきたいなこのアビリティ

 

『さてそろそろ定期の帰国時期か、多分姉さんはいない、ブルメシア王になんて言い訳しようか・・・』

 

色々言い訳を考えながら帰国の準備をする

 

 

翌日

 

『準備はこんなもんでいいか、さ、ブルメシアへ戻るか・・・』

 

宿屋の主に挨拶をし、外へと出る。タンタラスのみんなにも挨拶しておきたかったけど生憎まだ仕事から帰ってこないから無理だった。

いつも通り城から地竜の門へと下りてそこからブルメシアへと向かう、ここ1年で何度も通った道だ

途中これも毎度だがク族の沼によってクイナとクエールさん達に会う、毎回なんて事はない世間話や料理談義に花を咲かすのだ

今回は狩猟祭であった事を色々話した。

 

『クイナ、お前酒場の料理に釣られて失格とかなにやってんだよ?祭のアナウンスで聞いててズッコケたぞ』

「仕方ないアルね、モンスターいなくなってたから美味しい匂いを辿ったら酒場についたアル」

『いやまぁ、あそこの酒場は美味いのはわかるけどお前何しに狩猟祭に来たんだよ?』

「モチロン美味しいモンスターを片っ端から食べるためアルね!」

 

ズデッ!! またしてもズッコケる羽目になったブレイズであった。

 

「クイナよ、たまには自制心というものを考えてくれアル」

 

はぁー、クエールさんの苦労はまだまだ続くなこりゃ・・・

 

「それにしても凄い成績だったアルな」

『ああ狩猟祭の事ッスか、いやまあ自分でもびっくりしてますよ、まさか300以上いくとは・・・』

「完敗アルね、どうやってあんなに稼いだアルか?」

『まぁ高速移動する技を利用したって感じですね』

「なんと、そんな方法があったとは」

『はい、実はリンドブルムの書庫で・・・・』

 

割愛

 

『というわけなんスよ』

「いやはやまさか転移魔法を使えたとは驚いたアル、しかも魔力を込めた槍を投げる事によってその地点に魔力を一瞬で移動させる方法とは」

『俺なりに考えたのがこの方法なんですよね、魔法陣もテレポットも作れないならどうやって極短時間で飛びたい地点に魔力を残すか、と』

 

ぶっちゃけFF15プレイしてなかったら思いつかなかったと思う、ありがとうノクティス

しばらく雑談して・・・・

 

『さて、あまり長居すんのもアレですし、そろそろ行きます』

「また来るアル、また面白い話を聞かせてほしいアルね」

『了解ッス、それでは』

「また美味しいモノ持ってきて欲しいアル!!」

『「クイナは少しは食い物の話題から離れろ(アル)!!!」』

 

クエールさんとシンクロしてツッコむ

 

 

ク族の沼をあとにした俺はギザマルークの洞窟へと向かう

 

 

「よお、ブレイズか」

『グレイさん!今日はこっちの警備だったんですか?』

「ああ、そうだ、いつもの定期帰国か」

『はいそうッス、ここ最近変わったことはありますか?』

「それなんだが、実はフライヤのヤツがフラットレイを追っかけて出国しちまったんだよ・・・」

 

やっぱりか、時期と前回の帰国時の姉さんの様子からわかってはいたんだが・・・

 

『そうッスか、やっぱ姉さんは出て行ったんですか』

「って、あんま驚いてないな?知ってたのか?」

『知ってたというか薄々感づいてはいたんスよ、姉さんが兄貴を追っかけるかもって』

「そうか、フライヤはお前と違って出禁覚悟で旅立ったんだ、フラットレイと同様にな、その事で王は恐らくお前に追求するのは間違いないだろう」

『それも想定してた事ッス、ここだけの話ですけど、何となく察してはいたけど知らなかったのは事実だし、それでひたすら言い逃れるつもりッス』

「はぁ、お前も大変だな、まぁ今の話は胸の中にしまっておくから、頑張って言い訳考えとけよ?」

『言い訳を頑張るってのも変な話ッスけどね』

「違いねえな」

 

そんな会話をした後、再びブルメシアへの帰路を急ぐブレイズだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




またしても新技を習得、ブレイズの覚える竜技は回復、支援型になります。


次回 王との対話と姉からの置き手紙 


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第11話

ブルメシア王との対談と姉からの手紙


 

ブルメシアに戻ってきた俺は自宅に行く前に王宮へと向かう、ブルメシア王への報告の為だ。今回は間違いなく姉さんの事で追及があるはずだ、さてと、どう答えるな・・・

 

ブルメシアの王宮

 

『このたび定期帰国の為、戻ってまいりました。』

「うむブレイズ、よく戻ってきた、ついてはお前に聞きたい事がある」

『それはやはり・・・姉の事でしょうか』

「やはり知っておったか、事と次第によってはお前までも罰せなければならない事になるぞ!」

『姉の事については今日帰ってくる時に知り合いに聞きました、恐らくフラットレイ殿を追いかけて出たのかと・・・』

 

流石に王の前で姉さんだの兄貴だのは言い方がマズイので形式状の呼び方にしてる

 

「前回の帰国の際にお前とフライヤで色々話したはずだが変わったところは無かったか?」

『姉はフラットレイ殿が旅の途中で果てたという噂を聞いて取り乱しておりました。その時は自分が落ちつかせはしましたが・・・』

「恐らくその時に出て行くことを決意したんだろうな、お前はその時フライヤになんと申した?どのように行動した?」

 

ここで素直に本当の事を言ったら姉さんが出て行く事を助長したという事になり出禁刑になるかもな

 

『いえ、特に何も言っておりません、あの時は落ち着かせただけです』

「その言葉に偽りはないだろうな?」

 

ブルメシア王が鋭い眼差しで俺を射抜く

 

『私はブルメシア国の為を思って行動しております。この国に対して、王に対して裏切るような行為は一切ありません!』

 

はい!とは言わない

だがこの言葉自体は本心だ、それもブルメシアが滅ぼされない為、ひいては世界の為だ!

姉さんがもし国にそのまま残れば下手すればそのまま戦争に巻き込まれて死ぬ可能性がある、姉さん自身は強いから生き残りはするだろうけど・・・

だけどジタン達の救援が望めなくなる、本来はフライヤ姉さんの為に救援に来てくれるはずだが、出会いが無かったら来てくれるかどうかわからなくなる

その時は俺がジタン達に助けを求めればいいのだが、そうすれば俺はリンドブルムに赴く必要があり、侵攻してくるアレクサンドリアとの戦いに参加出来なくなる、そうなると原作の通りに進むどころか下手すればより損害が大きくなりかねない。

 

ギザマルーク様洗脳の阻止、黒魔道士達の対応、そしてベアトリクスの足止め、やる事は沢山ある

 

それにこれから先の物語に姉さん無しで進めば何が起こるかわからない、だから姉さんには旅に出てもらいジタンと出会う必要があるのだ。

姉さんが抜けた分を俺が全部肩代わりするという方法も無い事はないが、そんな選択肢は最初っから選ぶつもり毛頭ない

俺は姉さんじゃないから代わりなんてつとまる訳ない、そもそも大好きな姉さんが死んだ世界なんて絶対嫌だ!!

 

「あいわかった。お前の言葉を信じよう、それで各国の状況はどうなっておるか?」

『はい、以前も話しましたが昨年アレクサンドリア女王の夫が無くなってから女王の様子が少し変わった模様です、今の所大きな動きは無いですが、もしかしたら今後、なんらかの異変が起こりえるやもしれません』

「うむ、アレクサンドリアのブラネ女王は自国の政治に関しては申し分はないのだが、他国に対しては善も害もなく不明なところがあって判断がつかん」

『今後も様子を見て変わったところがあったら帰国の際に報告します、もし緊急を要する異変が起きた時は即時に戻ります』

「わかった、頼んだぞブレイズよ」

『はっ!』

 

そして王宮を後にする

 

ったはぁ~!!緊張した!、以前タンタラス相手に交渉した時よりプレッシャーがキツかった、これが王たるものの覇気ってヤツなのか?

ブルメシア王自身もかなりの強さを持ってる上に王としてのカリスマと厳格さとシビアさも持ち合わせてる、少々頭が固いのがアレだけど・・・

兎にも角にもなんとか俺まで出禁にならなくてよかった

 

そうして俺は自宅へと帰路を進む

 

 

クレセント宅

 

『ただいま、っと誰もいないか』

 

姉の姿はもう無い、旅に出たので今この家は誰もいない状態だ

 

『・・・なんか寂しいな、いつも帰ってくれば姉さんがいてくれた、急に家が広くなった感じがする』

 

そう思いながら自室へと行くと・・・

 

『うん?机に何かある、これは手紙か?』

 

机に見覚えのない手紙が置いてあった

 

『ブレイズへ・・・?これ姉さんからか?』

 

 

ブレイズへ

 

「この手紙を読んでいる頃には私はもう旅に出ているだろう、勝手に出て行くことを許してほしい。

だが以前に話したように今のまま帰ってくるかどうかわからぬフラットレイ様を待ち続けるのは私には辛いのじゃ

あの時お主に止められてこの国に残る選択をしたらフラットレイ様と二度と会えぬという予感がしたのじゃ

だからあの時お主が励ましてくれて背中を押してくれた時は本当に嬉しく思った、そして心の中にあった迷いが晴れた

私はやはりフラットレイ様に会いたい、このままフラットレイ様の事を忘れて次の人生を進むという選択は

私には選べぬ、それを選べば大切な人の事や思い出を全て否定してしまう様な気がしてならぬ

死ぬことより忘れてしまう事の方が私には恐ろしい、だから私は旅に出る。真相を知るまでは戻ってこぬつもりじゃ

こんな形で旅に出ることを伝える姉をどうか許してほしい、もしも旅先でお主と再会できたのならその時改めて詫びさせてくれ、お主は私の自慢の弟じゃ」

 

『姉さん・・・・あんたやっぱいい女だよ、こんなにも慕われてる兄貴は最高の幸せモンだよな』

 

だけどその結果が記憶も何もかも恋人である自分の事も忘れられた状態で再会するなんてあまりにも残酷だ

再会した後はEDでまた仲を取り戻してたけど記憶は恐らく戻らなかったと思う。

 

最後の、思い出は作り直せばいいという言葉・・・

 

『兄貴は姉さんに人生に二度"初恋"をする、そして姉さんも兄貴に二度惚れる』

 

その結末だけはもう変えるつもりもない、そして変えさせない

 

『そして俺の初恋も見事に玉砕か、まぁ最初っから実る事は無い恋だったけど』

 

つーか実ったら色々ヤベーよ、倫理的に

・・・ん?まだ続きがあるな

 

追伸

 

「お主も早くいい相手を見つけろ、いつまでも私の事ばかり意識する変態のままでいるんじゃないぞ」

 

 

『余計なお世話じゃああ!!!!シリアスで終われないのかよおおお!?』

 

オチがつくのがいつもの流れだった

 

 

その後、ブルメシアで数日を過ごし、再び旅へと出る

 

 

 

 




次回、また時間が飛びます


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第12話

また1年ほど時間が飛び、ジタンの旅立ちのお話


フライヤ姉さんが旅立ってからまた1年の月日が経った

 

今の年は1796年、ジタンが旅立つのも今年だ。原作開始まで3年ちょいくらいか

俺は相変わらずリンドブルムを拠点に修行と情報収集をしながら旅をしている、ここ1年で結局姉さんとは会えてない、まあ大陸を旅しててたまたま再会出来る確率って低いしな

 

「はぁ!!でやっ!!」

『おっと!まだまだぁ!!』

 

俺はいまジタンと模擬戦をしている、ここしばらくでジタンも強くなっている、完全にオーガニクス使いこなしてるし原作開始の時点のジタンよりずっと強化されてると思う

「今だ!刀魂放気!!」

『ぐぉ!?目がー!?』

 

ジタンの刀魂放気によりオーガニクスに込められた暗闇の効果が俺にかかって目が見えなくなる

 

「でやぁー!」

『舐めんな!』

 

目が見えないなら全方位に攻撃をすればいい、ジタンが近づいてきたのを気配で感じ取り、タイミングを合わせその場で回転しながら両槍を振るう

 

ガキィン!!

 

振り回される槍を盗賊刀で咄嗟に受け止め後方へ逃れるジタン

 

「くそっ!近づけねぇ!!」

『視界を奪ったからって容易に仕掛けられると思うなよ!』

「だったら!」

 

ジタンは今度は盗賊刀の接合部を離して普段の二刀流ダガースタイルにチェンジすると高速でヒット&アウェイの攻撃を繰り出してくる

時折フェイントを織り交ぜて仕掛けてくるので対応が難しくなる

 

『ちっ!とにかく目を治さねーと』

 

とはいえ目薬などのアイテムは使用禁止にしてるので治すなら聖竜の祝福を使うしかない、だけど発動まで時間が掛かるのでどうにか時間を作らないといけない

・・・攻撃食らうの覚悟でやってやるか?

ぶっちゃけスピード重視にしてる状態のジタンに視界奪われた状態で槍を当てられる気がしない、シフトで遠くに一旦離れるのも無しだ、なら!

 

「な!?槍を!?」

 

槍をその場に落とす、そして格闘の構えをする

 

『どっからで来い!』

「うおおお!」

 

ジタンのダガーが迫ってくるのが気配でわかる、そしてダガーが振るわれ俺の肩を切り裂く

 

『そこだ!!』

 

咄嗟にジタンのダガーを持ってる腕を掴む

 

「しまった!」

『肉を切らせて骨を絶つ!でりゃあ!!』

 

掴んだ方と逆の腕でジタンにパンチをぶち込む

 

「ぐあっ!!」

 

衝撃でジタンが吹っ飛ぶ、今だ!

 

『聖なる竜よ、今ここに癒しと浄化の祝福を与えてくれ!』

 

すぐに詠唱し聖竜の祝福を発動する

それにより先ほど切り裂かれた肩の傷と暗闇状態の目が回復する

 

『よし!見える・・・っていねぇ!?』

 

だが視界が晴れて正面を見据えるがジタンの姿がない、だが後ろに気配を感じて咄嗟にしゃがむ、すると頭があった場所にダガーが振るわれた

 

『食らうかよ!そら!!』

 

カウンター気味にキックでジタンを攻撃する

 

「ぐっ!!」

 

ジタンは飛ばされながらも体勢を立て直しすぐに身構えようとするが・・・

 

『勝負あり、だ』

 

体勢を立て直しきる前にブレイズが槍を拾いなおしジタンの目の前に突きつけていた

 

「ここまでか・・・、ちくしょーまた負けかよ」

『いやいやジタン、お前どんどん強くなってるぞ、油断したら負けるところだった、このままだと追いつかれるかもな』

「嫌味にしか聞こえねーって、その分だけブレイズも同様に力付けるじゃん」

『まぁ追いつかれるつもりはさらさら無いし・・・』

 

大分ジタンが強くなってる、ジタンらしくトリッキーで意表をつく戦法は初見には辛いだろうな、それと二刀ダガーと盗賊刀を使い分けて戦うスタイルも

相手に対応されにくくていい、にしても同戦闘中でダガーと盗賊刀を使い分けるのはディシディアっぽいな、あっちは必殺技の時に連結する、確かリバースガイアだっけ?

ジタン版の超究武神覇斬、エンドオブハートといった感じだ、FF9本編には存在しないディシディアオリジナルのジタンの最終奥義だ、もしかしたらこの世界線のジタン、習得したりして・・・

本編でのジタンの最強技と言えば形式状ではトランス時のソリューション9かグランドリーサル、性能で言えば盗賊の証だろう、もしもリバースガイアを習得したら文句無しにジタンの最強技になると思う

 

『にしてもさっきの技は凄かったな、息つく暇も無い連撃だったからもう少し追撃されてたらヤバかった』

「へへ、スピードを生かして反撃の隙を作らせずに四方八方から叩き込むから良い感じに押せると思ったんだけどな」

『あともう一押しが足りないってとこか?』

「そうなんだよ、あれ以上にスピードと威力を上げるには色々足りないんだよな、何かいいきっかけがあればいいんだけど」

『・・・それトランスした時ならいけるんじゃねーか?』

「そうか!トランスしてれば体力も気力もパワーみなぎってくるし一気にいけるかもしれないな!」

『それと最後はド派手に盗賊刀状態に戻してトドメの連撃をかます、とかどうだ?』

「いいなそれ!すっげぇ試してみてえ!」

『その技を極めれば良い切り札になると思うぜ』

「サンキュー、良い技になりそうだぜ、それにしても初めての技なのに妙に俺にしっくりくるというか、元々俺の技だったような感覚がするな」

 

そらそうよ、別次元の自分自身の奥義だし、しっくりくるだろうよ

なんにせよジタンはリバースガイアを習得するきっかけを掴んだ、アレ覚えればマジでジタンの強さがヤバくなりそうだ

 

『ふぅ、とりあえず今日はここまでだな、そういやジタン、なんか最近妙に俺の旅先の事とか聞くよな、何か知りたいことでもあんのか?』

 

ここ最近ジタンの様子が変わっている、特に外の世界についてとか自分と同じ種族はいないか?とか聞いてきたりする、そろそろジタンが旅に出るっぽいな

 

『前々から思ってたけど、ジタン、実は外の世界に出たいんじゃないのか?』

「・・・ブレイズにはわかっちまうか、散々質問もしたし」

『出たい理由は何だ?・・・言いたくなければ無理して聞く気はないけどさ』

「ブレイズには言ってもいいかな、探してるものがあるんだ」

『探しモノ?』

「自分の生まれ故郷さ、いつか帰るところ、と言えばいいのかな」

『故郷か』

「ああ、俺小さい時にボスに拾われてさ、自分の生まれた場所や両親とか知らないんだ、だからそれを知りたいんだ」

『なるほどな、それで故郷探しの旅に出たいと』

「ああ、でもボスに言ったところで許可降りるわけないしなぁ、行くなら言わずに抜け出すしかないんだ」

『オイオイ、そんな事俺に言っていいのかよ』

「正式なタンタラス団員じゃないからかなブレイズはさ、それにボスにチクッたりとかそんな事する気はないだろ?」

『ああ、今聞いたことはここだけの話にするさ』

 

本当はジタンの出生の事や故郷の事、全部わかってるけどそれをここで暴露する気はない、これはジタン自身で探し当てなきゃいけないもんだ

 

『・・・んで、いつ出るつもりなんだ?』

「早いうちに行く、多分今週中だ、もう迷いは無くなったし、決めたからにはすぐに動かないとな」

『そっか、気をつけてけよ、縁があったら旅先で会えるかもな』

「ブレイズも旅人だってこと時々忘れそうになるな」

『まぁリンドブルム拠点にしてるしな、あ、そうだ、もし旅先で俺の姉さんとあったら俺の事とか言っててくれないか?』

「ブレイズが前々から言ってた姉の事か?別にいいぜ」

『サンキュー、頼んだぜ』

「おぅ」

 

そう会話しつつその日は解散した、そして数日後、ジタンは水竜の門から旅に出た

 

 

タンタラス団アジト

 

「へっ、ジタンの奴やっと行きやがったか」

『なんだよバクー、気づいてたのか?』

「あたぼーよ、何年あいつの育て親やってると思ってやがる」

『なら快く見送ってやりゃーいいのに』

「ガラじゃねーや、それにタンタラスとしての決まりもあるしな」

『そーかい』

「まぁ、帰ってきたら何発かブン殴ってやるつもりだがな」

『手加減してやれよ、折角ジタンが帰ってきたのに別の所に逝っちまったらどーすんだ』

「がははは!まぁ大丈夫だろ!」

『はぁー相変わらず豪快な性格ですこと』

 

でもこの絆は本物だ、ジタン、やっぱタンタラスがお前の家、いつか帰るところだよ

 

・・・なんか久々に姉さんに会いたくなっちまった、ジタンについていって姉さんと再会するってのもありだったかな?

いやいいか、ジタンの邪魔はしたくないしな

 

「おぅ、そうだブレイズ、次の仕事なんだが少し危険がある上に少々人手不足でな、お前にも来てほしいんだが」

『ジタンが抜けちまったしな、わかったよ、いつも通り決行日とか計画決まったら連絡くれ』

「おぅ頼むぜ」

 




ジタンを原作より強化

ディシディアジタンの最終奥義「リバースガイア」を習得させます。


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第13話

大変お待たせしました。
今回は大分難産でしたので粗い表現になってるかもしれません。
あと流血表現あるのでご注意ください。


自分の手を見る

 

人に血に塗れ、真っ赤に染まっている。服は元々赤かったけど更に赤黒い返り血で汚れている

俺の目の前には既に事切れている人間がいる、俺は今日初めて人を殺した・・・・

 

 

前日

 

 

『んで?明日の仕事ってのは?危険っつーのは前に聞いたけどさ』

「おぅ、シドのやつからの依頼なんだが、なんでも不正をしている貴族の証拠を取ってきてほしいんだとよ」

『不正?そういうのってシド大公が裁けないのか?』

「証拠が欲しいっていったろ?中々尻尾が掴めなくて参ってるんだとよ、それで正攻法じゃ無理だから俺たちに依頼が来たわけよ」

『なるほどねぇ、んで危険ってのは?』

「そいつは中々手強い傭兵を雇ってるみたいでな、正規兵士でも歯が立たないレベルらしい」

『ふーん、分かった、とりあえず明日に備えとくわ(まさかサラマンダーとかじゃねーだろうな?)』

「おぅ、場所はその貴族の屋敷の裏門近く、時間は明日の早朝3時だ、遅れんなよ」

 

そして翌日の3時頃

 

「さてオメーら、今の時間帯は警備がある程度手薄だ、予定通りマーカスとシナは潜入して証拠を探してくれ、俺とブランクは陽動だ」

「とりあえずこのブリ虫の袋詰めをプレゼントしてやらねーとな」

 

さっきからブリブリとしてた袋はやっぱりブリ虫かよ、本編でもそうだけどそれ好きだねぇ・・・

 

「んでブレイズ、オメーは潜入するマーカス達についてってくれや、いざって時には護衛してやってくれ」

『了解、出来ればそうならない事を祈るけどさ』

 

今回の相手は人間だからな、それに不正をしてる貴族にやとわれてるとはいえ傭兵には恨みもないし出来ればやりあいたくはねぇな

 

「よっしゃ、作戦決行だ!」

 

そうして二手に分かれる

俺は潜入組のマーカスとシナと一緒に建物の中へと入る

 

「証拠とか資料とか言えば大抵その貴族の私室にあるズラ」

『となれば屋敷の構造的に上の方だろうな、階段を探すか』

「ボスの方も上手くやってくれたみたいッスね、警備が大分手薄になってるッス」

 

どうやら正門付近の方に警備してた傭兵が集まってるようだ、大量のブリ虫に四苦八苦してる頃だろう

 

『とはいえ全員を向かわす事はないだろうし残ってる傭兵もいるだろうから注意しねーと』

「そうッスね、あ、階段ありましたね」

「上るズラ」

『待った、やっぱ傭兵がいる、俺が何とかするからそのまま待っててくれ』

 

そっと相手の近くに移動し相手が後ろを向いてるタイミングを見計らって槍を相手の足元にぶん投げる

 

ザクッ

 

「な、なんだ!?」

『シッ!!』

 

顔を見られる前に相手を後ろから絞め落とす

 

「ぐっ!?ううぅ・・・」 ドサッ

『しばらく寝てろ』

 

周囲の安全を確認し後ろに控えてるマーカス達に合図をだす

 

「はぁー、いつ見ても凄い技ッスね」

「瞬間移動なんてはっきり言って反則ズラ」

『とはいえ連発出来る様な手軽なモンじゃねーけどな、計画的に使わないとすぐガス欠だ』

 

敵にはなるべく見られたくはない、マーカス達はまだしも俺はネズミ族だ、顔を見られればあっという間に特定されかねない、ネズミ族がリンドブルムの貴族の屋敷を

襲撃したなんて知られればブルメシアとリンドブルムの関係にも響くかもしれない、まぁブルメシア王なら俺の事を切り捨てて俺の単独犯行という事にするだろうな、俺もそこは納得せざる終えない

その場合は俺は二度とブルメシアの地に帰る事は出来なくなるだろうだからかなり危ない橋を渡っている事になる

一応すぐにバレない様に顔をフルフェイスのメットで隠してる(イメージはフライヤ姉さんのトランスした時のフルフェイスアーマー姿が近いかな)

 

『お?また傭兵がいるな・・・・今度は3人か、流石に1人じゃバレずに落とすのはキツイな』

「なら俺達も同時に仕掛けるッス」

「ブレイズだけにまかせっきりじゃかっこ悪いズラ」

『ああ、頼む』

 

ステンバーイ、ステンバーイ・・・・GO!!

 

「な!?賊か!?テメェr、ぐはぁ!!」 ドサッ

「ど、何処に隠れていやが、ぬわぁ!!」 ドサッ

「くそ!よくもやりやがったなぁ!!」

 

『はいお疲れさん』 バキィ!!

「のぎゃ!!」 ドサッ

 

 

後ろから最後の1人を片付ける

 

『よっしゃ、コレで全員だな』

「上手くいったッスね、あ、そこが例の貴族の私室みたいッスよ?」

「鍵が掛かっているズラ、ここはおいらに任せるズラ」

 

とシナがピッキングで扉の鍵を開けにかかる

 

カチャカチャ・・・・ガチャ

 

「あいたズラ」

「例の貴族はいないみたいッスね」

『いや待て、隣の部屋に気配を感じる・・・だけど眠ってるみたいだな、恐らく隣は寝室か、なら・・・』

「何しに行くズラ」

『せっかくグッスリ眠ってるんだ、もっと深い眠りについてゆっくりしてもらおうと思ってな?』

 

そういい懐からとある薬品を取り出す

 

「それってなんスか?」

『ああ、スリプル草を煎じたお香みたいなモンだ、起きてきたらメンドーなんで起きないようにしてくる』

 

寝てる相手にスリプル草飲ませるのは無理だから嗅がせられるようにお香みたいにした、自分が嗅いでしまって自滅しないように注意しないとな

スリプル草を煎じたお香を焚いてその貴族の枕元に置く

 

『ゆっくり眠ってろ、起きたら色々大変な事になるからな?今くらいは安眠してな』

 

いかにもなヒゲをたくわえた太っちょの貴族にそういい残しマーカス達のいる私室へ戻る、同じヒゲでもシド大公とはみてくれのよさは段違いだな、シド大公のほうが渋いイケメンだわ

 

『さてと証拠を探しますかね、ちなみに寝室の方にはそれっぽいのは無かったからやっぱ私室が怪しいな』

「了解ズラ、さっさと探すズラ」

 

物色中・・・

 

「変なモノばかりあるッスねぇ」

「あんまり趣味が良いとは言えないズラ・・・」

『ああ全くな、黒い噂はあったけど、悪趣味なのは知らなかったな、知りたくもなかったが』

 

さっきから見つかるのは悪趣味な道具や嗜好品ばかりだ

 

『なんだこりゃ?ってオイオイ・・・お約束のスケベ本かよ!?』

 

FF9の世界にもスケベ本ってあったんだな、書店に行ったことあんまりないから知らなかった、本は大抵リンドブルム城の図書室を借りてるしな、そんなところにスケベ本置くわけないだろうし

 

『ふんふん、やっぱ人間モノだから全然何とも思わん、ネズミ族のエロは無いのかオイ?』

「ブレイズさん・・・変な本読んでないで探してくださいッス・・・」

『あぁ悪い!』

「ブレイズって時々抜けてるところあるズラ」

 

『ぐぬぬ、言い返せない、・・・お?これは』

 

スケベ本が置いてあった引き出しの奥に何かある

 

『・・・・ビンゴだ、不正な資金のやり取りの事が書かれてる書類だ』

「見つかったッスね」

『ああ。しかもそれだけじゃねぇ、あの貴族がやってきた悪行の事とか証明する書類や品物があったぜ』

「これだけあれば、もう逃げ場はないズラ」

 

にしてもスケベ本をカモフラにするとかどんな考えだよ、逆パターンならよくあるだろうが

 

『よし、もうここには用は無い、ずらかるぞ』

 

そうして来たルートを戻っていく

 

「ここまでは順調ッスね」

「でも陽動したの方の騒ぎが大分落ち着いてきてるズラ、早くしないと傭兵達が戻ってくるズラ」

『急いだ方がよさそうだな』

 

「こっちに行くズラ!」

 

もと来たルートは既に傭兵達が詰め掛けてきていたのでルートを変えた、事前に屋敷の構造はシナが覚えていたのでシナが先導する

 

「あとはここを抜ければ屋敷の外へ抜けられ・・・!!??」

 

とシナが咄嗟に自前のトンカチでガードする

 

ガキィン!!

 

ルート上に敵が待ち伏せていたのだ、シナは何とか不意打ちを防いだがその場に倒れこんでしまった

 

『シナ!!危ねぇ!!』

 

既に敵はシナに追撃しようと剣を振りかぶってる、今からじゃかばうには間に合わない、迷ってる暇はなかった、あの技を使うしかない!!

 

『シフトブレイク!!』

 

持ってる槍を敵に投げる、槍は敵の胸に突き刺さった、そしてその場にシフトする

 

「ぐああああ!!」

 

敵は断末魔を上げて倒れ伏した、おびただしい血が噴出し、返り血を浴びる、その他にも数名敵がいたので即座に槍で敵を斬り伏せる

 

 

ザシュ!!「ぎゃああ!!」

ドシュ!!「うがああ!!」

 

無我夢中だった、手加減するとか、殺さないように急所を外すとか全く考えられず槍を振るった

気づいた時には血貯まりの中に数人の死体が倒れていてその中心には返り血で真っ赤になったブレイズが佇んでいた・・・

 

自分の手を見る、血で真っ赤に濡れている

 

俺が・・・殺した?人を?・・・なんで?・・・殺したかった?・・・違う!!俺はシナを助けようとして・・・

殺したかったわけじゃ・・・・そうしないといけなかったから・・・言い訳じゃない・・・違う・・・違う違う違う!!!!

 

「ブレイズさん!!!!」

 

はっ!?

 

とマーカスの声で我に返る

 

「落ち着いてくださいッス!今はここを抜ける事が先決ッスよ!」

「ブレイズ、助けてもらったズラ、ありがとうズラ、だけど今は走るズラ!!」

『あ・・・・ああ』

 

そうして俺達は屋敷を無事に抜け出した

 

ボス達と合流したが、様子がおかしいブレイズにバクーはマーカスに事の顛末を聞いた

 

「そうか、あいつ多分人を殺すのは初めてだったんだろうな」

「やっぱりそうなんスか、あの様子から何となくは分かってたんスが」

「モンスターとはよく戦ってたの知ってたが・・・」

「モンスターを殺すのと人を殺すのじゃワケが違う、だがこればっかりはアイツ自身の問題だ、最後はアイツが越えなきゃいけねぇ問題だ」

「どうするズラか?」

「だけど、ちぃとばかしお節介でもするかな、ひとまずはシドの奴に成果を報告しねぇとな」

 

とバクーはそう言い、その場を解散させリンドブルム城へと向かった




次回は

人を殺す事への葛藤について書く予定


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