タッグフォース 未来の英雄を継ぐ赤帽子 (TOUI)
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1年目
第一話 英雄のデッキ


 

 

sideコナミ

 

 

結論から言って俺がつくのはどうも早すぎたようだ。

しばらくは他人のデュエルを見ていることとなったが、久しぶりの経験だったので割と退屈ではなかった。

 

「《E・HERO アブソルートZero》でプレイヤーに直接攻撃です!」

 

「ぐぅぅ」

 

今も1人の生徒が教官相手にデュエルをし勝利している。

 

「龍牙教官が相手だなんて、新入生も不運ね」

 

俺は席につかず、奥の手すりにもたれ掛ってみていたのだが、隣で同じようにもたれ掛ってみていた女子がつぶやいた。

今の話からして彼女は受験生ではなく観戦に来たエスカレーター組の生徒だろう。

 

「あの先生何かあるのか?」

 

「あら、気になるのボウヤ?」

 

「まあ」

 

ていうか今ボウヤって言われた?俺あんたより実年齢は多分年上なんだが。

 

「龍牙教官は去年アカデミアの生徒に50連勝という規約を達成して今年この学園に入ってきたのよ」

 

「なるほどそれだけ強いと。でも負けたじゃん」

 

「あれは試験用のデッキだから、でもあれは強いだけでは終わらなかったの。あれは負けた生徒からカードを奪い取っていたのよ。

だからここで負けた生徒は入学前から目をつけられることになるってことよ」

 

「なるほど、それは迷惑な話だ」

 

ていうか教官をあれ呼ばわりしてるよこの人。

 

「受験番号10番、コナミくん」

 

「ああ、俺の番か」

 

とにかく俺の番が来たので会話を区切ってリングに向かうことにした。どうやら俺の相手も龍牙教官とやららしい。

 

「……君、神聖なるデュエルアカデミアの試験にそれはどうかと思うのだが」

 

龍牙教官が俺の帽子を指して言った。

 

「これは外すわけにはいかないんだ」

 

「ほう、あくまで試験に社交的に望む気はないと」

 

なんだコイツ、自分の言うことが通らないとヒステリックを起こすタイプか?

 

「いや……そういうわけじゃ」

 

「君がそう言うつもりなら」

 

そう言って龍牙教官はデッキを入れ替えた。

 

「龍牙くん、それは君のデッキではないか!そんなことをしたのがクロノス教諭にばれたら」

 

「クロノス教諭などいくらでも言いくるめられる。それよりこいつに社会の礼儀を教えてやらねば!」

 

妙に熱くなってるな。意外と沸点が低かったのか?

 

「覚悟はいいかねコナミ君」

 

「ええ、いつでもどうぞ」

 

 

「「デュエル」」

 

 

「先攻ぐらいは君に譲ろう」

 

「どうも」

 

 

 

1ターン目:コナミ

 

 

 

「俺のターンドロー《ボルト・ヘッジホッグ》を守備表示で召喚。これでターンエンド」

 

 

ボルト・ヘッジホッグ

効果モンスター

☆2/地属性/機械族/攻800/守800

自分のメインフェイズ時、このカードが墓地に存在し、

自分フィールド上にチューナーが存在する場合、

このカードを墓地から特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 

 

 

コナミ

LP4000

手札 5

モンスター ボルト・ヘッジホッグ(守)

魔法・罠 なし

 

 

 

2ターン目:龍牙

 

 

 

「私のターン、そんなモンスターを出しただけで終わりとは。筆記試験10位というのも単なるまぐれだったのでは?」

 

いや、むしろ筆記試験でトップ5に入る自信はあったのだが、こういうのをブランクって言うんだろうな。違うか?違うな。

 

「私は《ハイパーハンマーヘッド》を召喚する」

 

 

ハイパーハンマーヘッド

効果モンスター

☆4/地属性/恐竜族/攻1500/守1200

このモンスターとの戦闘で破壊されなかった相手モンスターは、

ダメージステップ終了時に持ち主の手札に戻る。

 

 

「《ハイパーハンマーヘッド》でそのチビモンスターを攻撃だ。これでターンエンドだ。次はもう少しましな手を見せてくれよ」

 

 

 

 

龍牙

LP4000

手札 5

モンスター ハイパーハンマーヘッド(攻)

魔法、罠 なし

 

 

3ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《ジャンク・ブレーダー》を召喚」

 

 

ジャンク・ブレーダー

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1800/守1000

自分の墓地に存在する「ジャンク」と名のついた

モンスター1体をゲームから除外する事で、

このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで400ポイントアップする。

 

 

「さらに手札の《ジャンク・サーバント》の効果発動。自分のフィールドに《ジャンク》と名のつくモンスターがいるとき特殊召喚できる」

 

 

ジャンク・サーバント

効果モンスター

☆4/地属性/戦士族/攻1500/守1000

自分フィールド上に「ジャンク」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「バトル、《ジャンク・ブレーダー》で《ハイパーハンマーヘッド》を攻撃」

 

「罠カード発動《攻撃の無敵化》このターン私のモンスターは戦闘では破壊されない」

 

 

攻撃の無敵化

通常罠

バトルフェイズ時にのみ、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターはこのバトルフェイズ中、

戦闘及びカードの効果では破壊されない。

●このバトルフェイズ中、自分への戦闘ダメージは0になる。

 

 

「だがダメージは受けてもらう」

 

龍牙 LP4000→3700

 

「ちぃ、《ハイパーハンマーヘッド》の効果発動。このカードとの戦闘で破壊されなかったモンスターは手札に戻る」

 

「……これでターン終了だ」

 

 

コナミ

LP4000

手札 5

モンスター ジャンク・サーバント(攻)

魔法・罠 なし

 

 

4ターン目:龍牙

 

 

「私のターンだ。速攻魔法《バグ・ロード》発動。お互い自分フィールドのレベル4以下のモンスター1体を選択し、そのモンスターと同じレベルのモンスター1体を手札から特殊召喚する」

 

 

バグ・ロード

速攻魔法

お互いに自分フィールド上に表側表示で存在する

レベル4以下のモンスター1体と同じレベルのモンスター1体を

手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「私は《ハイパーハンマーヘッド》を選択。同レベルの《ワームドレイク》を特殊召喚」

 

 

ワームドレイク

通常モンスター

☆4/地属性/爬虫類族/攻1400/守1500

 

 

「俺は《ジャンク・サーバント》と同レベルの《ジャンク・ブレーダー》を特殊召喚」

 

「そしてこの瞬間、手札の《サイバー・ダイナソー》の効果発動。相手が手札からモンスターを特殊召喚した時、手札のこのカードを特殊召喚することができる」

 

 

サイバー・ダイナソー

効果モンスター

☆7/光属性/機械族/攻2500/守1900

相手が手札からモンスターを特殊召喚した時、

手札からこのカードを特殊召喚する事ができる。

 

 

「さらに魔法カード《超進化薬》発動。爬虫類族モンスターを1体生け贄に捧げ、手札から恐竜族モンスター1体を特殊召喚する」

 

 

超進化薬

通常魔法

自分フィールド上の爬虫類族モンスター1体を生け贄に捧げる。

手札から恐竜族モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

「《ワームドレイク》を生け贄に、《暗黒恐獣》を特殊召喚する!」

 

 

暗黒恐獣

効果モンスター

☆7/地属性/恐竜族/攻2600/守1800

相手フィールド上に守備表示モンスターしか存在しない場合、

このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。

 

 

「上級モンスターが2体……か」

 

「怖気づいたかね?」

 

「いや別に」

 

最上級で25と26ってむしろ低いだろ。

 

「そうか、ならその生意気な口を叩けなくしてやろう!《サイバー・ダイナソー》で《ジャンク・ブレーダー》を攻撃!」

 

「くっ……」

 

コナミ LP4000→3300

 

「《ハイパーハンマーヘッド》で《ジャンク・サーバント》を攻撃、相殺!」

 

これで俺のフィールドは魔法・罠も無い正真正銘のがら空きか。

 

「くらえ《暗黒恐獣》でダイレクトアタック!」

 

「手札の《ジャンク・ディフェンダー》の効果発動。相手の直接攻撃時、手札から特殊召喚できる。守備表示で特殊召喚」

 

 

ジャンク・ディフェンダー

効果モンスター

☆3/地属性/戦士族/攻500/守1800

相手モンスターの直接攻撃宣言時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

また、1ターンに1度、このカードの守備力を

エンドフェイズ時まで300ポイントアップする事ができる。

この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

 

 

「それで防いだつもりかね」

 

「なに」

 

《ジャンク・ディフェンダー》が召喚されたにもかかわらず、《暗黒恐獣》は俺に攻撃してきた。

 

「ぐっ、なんだと」

 

コナミ LP3300→700

 

「《暗黒恐獣》は相手フィールド上に守備表示モンスターしか存在しない時、相手プレイヤーに直接攻撃できるのだよ。これで私のターンは終了だ」

 

 

龍牙

LP3700

手札 1

モンスター サイバー・ダイナソー(攻)

      暗黒恐獣(攻)

魔法・罠 なし

 

 

5ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン」

 

今俺の手札には《団結の力》と《死者蘇生》がある。《死者蘇生》で《ジャンク・ブレーダー》を蘇生。そして《団結の力》を装備すれば2体の攻撃力は上回るな。

 

「俺は魔法カード《死者蘇生》を発動」

 

しかし《死者蘇生》は発動しなかった。

 

「は?」

 

なぜ発動しない?確かにデュエルディスクは“自作”の物だがメンテナンスを怠ったことはない。となると……

 

「おいおい、いつまでカードと睨めっこしているんだい。長考しすぎじゃないか?」

 

こいつめ白々と。お前が何かしてんのはわかってんだよ。どうせここに来る前の50連勝だってこういう細工してたんだろ。

 

「カードを2枚伏せる」

 

セットは可能……やはり発動はしないか。だがセットさえできれば。

 

「《ソニック・ウォリアー》を守備表示で召喚。さらにカードを1枚伏せターン終了」

 

 

ソニック・ウォリアー

効果モンスター

☆2/風属性/戦士族/攻1000/守 0

このカードが墓地へ送られた時、

自分フィールド上に表側表示で存在する

レベル2以下のモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。

 

 

 

コナミ

LP700

手札 0

モンスター ジャンク・ディフェンダー(守)

      ソニック・ウォリアー(守)

魔法・罠 セット×3

 

 

6ターン目:龍牙

 

 

「私のターンだ。《サイバー・ダイナソー》で《ジャンク・ディフェンダー》を攻撃!」

 

「永続罠発動《強制終了》、バトルフェイズ中にこのカード以外の自分フィールドのカード1枚捨てることでバトルを終了させる。伏せていた《死者蘇生》を捨てバトルを終了」

 

 

強制終了

永続罠

自分フィールド上に存在する

このカード以外のカード1枚を墓地へ送る事で、

このターンのバトルフェイズを終了する。

この効果はバトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。

 

 

――おい、あいつ《死者蘇生》をあんな使い方してるぞ――

 

――デュエルのセオリーがわかってないのか?――

 

――弱い奴なんじゃないか?――

 

俺の行為に観衆がざわめく。そりゃそうだ、《死者蘇生》を単なるコストに使ったのだからな。こいつめ俺に恥をかかせやがって。

 

「ちぃ、無駄なあがきを。これでターン終了だ」

 

 

龍牙

LP3700

手札 1

モンスター サイバー・ダイナソー(攻)

      暗黒恐獣(攻)

魔法・罠 なし

 

 

7ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、カードを1枚伏せターンエンドだ」

 

 

コナミ

LP700

手札 0

モンスター ジャンク・ディフェンダー(守)

      ソニック・ウォリアー(守)

魔法・罠 強制終了

     セット×2

 

 

8ターン目:龍牙

 

 

「随分と防戦一方だな、私のターン。《サイバー・ダイナソー》で《ジャンク・ディフェンダー》を攻撃」

 

「《強制終了》の効果発動。伏せていた《団結の力》を捨てバトルを終了させる」

 

さっきと同様観衆がざわめく。いや、もはや呆れてる。この屈辱は貴様の敗北で償ってもらうしかないな。

 

「その苦し紛れの戦法もいつまで続くかね。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

龍牙

LP3700

手札 1

モンスター サイバー・ダイナソー(攻)

      暗黒恐獣(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

9ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、このターンもカードを1枚伏せターンエンドだ」

 

 

コナミ

LP700

手札 0

モンスター ジャンク・ディフェンダー(守)

      ソニック・ウォリアー(守)

魔法・罠 強制終了

     セット×2

 

 

10ターン目:龍牙

 

 

「私のターン、罠カード《砂塵の大竜巻》を発動。相手の魔法・罠を1枚破壊する。《強制終了》を破壊だ!」

 

 

砂塵の大竜巻

通常罠

相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。

その後、自分の手札から魔法・罠カード1枚をセットできる。

 

 

「これで忌々しい壁もなくなった。さらに魔法カード《地砕き》発動。相手フィールドの守備力が最も高いモンスターを破壊する」

 

 

地砕き

通常魔法

相手フィールド上に表側表示で存在する守備力が一番高いモンスター1体を破壊する。

 

 

俺のフィールドの《ジャンク・ディフェンダー》が破壊された。

 

「《サイバー・ダイナソー》で《ソニック・ウォリアー》を攻撃!」

 

……これでまた俺の壁モンスターは0か。

 

「これで終わりだ《暗黒恐獣》で直接攻撃だ!」

 

「罠カード発動《ガード・ブロック》相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動し、その戦闘ダメージを0にする。さらにカードを1枚ドローする」

 

 

ガード・ブロック

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「またしても、ターン終了だ」

 

 

龍牙

LP3700

手札 0

モンスター サイバー・ダイナソー(攻)

      暗黒恐獣(攻)

魔法・罠 なし

 

 

9ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン」

 

 

コナミ

LP700

手札 2

モンスター なし

魔法・罠 セット×1

 

 

 

やれやれ、入学前から目立つ行為は控えたかったが、ここで負けるよりはましだ。全く魔法カードの妨害などなければ穏便に終わっていただろうに。

 

「どれだけ考えても無駄だよコナミ君、もうサレンダーしなさい。奇跡でも起きない限り私の勝利は揺るがないのだから」

 

「奇跡ねぇ?なら見せてあげるよ近未来の奇跡を。チューナーモンスター《ジャンク・シンクロン》を召喚」

 

 

ジャンク・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

☆3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する

レベル2以下のモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。

 

 

「チューナーモンスターだと、なんなんだそいつは」

 

「《ジャンク・シンクロン》の召喚に成功した時、墓地のレベル2以下のモンスターを特殊召喚できる。《ソニック・ウォリアー》を特殊召喚。

さらに手札の《ドッペル・ウォリアー》の効果発動。墓地のモンスターの特殊召喚に成功した時、手札からこのカードを特殊召喚できる」

 

 

ドッペル・ウォリアー

効果モンスター

☆2/闇属性/戦士族/攻 800/守 800

自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功した時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

このカードがシンクロ召喚の素材として墓地へ送られた場合、

自分フィールド上に「ドッペル・トークン」

(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

「さらに墓地の《ボルト・ヘッジホッグ》の効果発動。自分のフィールドにチューナーモンスターがいるとき、墓地から特殊召喚できる」

 

「ハハハハハハ、1ターンでよくここまでのモンスターを並べられたものだな。だが所詮下級モンスター。そいつらでは私のモンスターは倒せまい」

 

ま、普通そう言う反応になるよな。観衆からも同じような声が聞こえるし。

 

「龍牙教官、ちりも積もれば山となるって言葉知ってます?」

 

「なぜ今そんなことを?」

 

「ふっ……レベル2の《ドッペル・ウォリアー》に、レベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

 

「チューニング!?なんだそれは?」

 

☆3+☆2=☆5

 

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!」

 

 

ジャンク・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

☆5/闇属性/戦士族/攻2300/守1300

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、

このカードの攻撃力は自分フィールド上に表側表示で存在する

レベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分アップする。

 

 

「シンクロ召喚!?なんだそれは?」

 

せめてチューニングと、シンクロ召喚でリアクション変えろよ。

 

「チューナー1体とその他のモンスターをシンクロ素材として墓地に送りその合計レベルと等しいシンクロモンスターをエクストラデッキ、もとい融合デッキから特殊召喚する。これがシンクロ召喚だ」

 

「なるほど、その召喚方法は理解した。だが結局私のモンスターに攻撃力は及ばないではないか」

 

「解かったなら続けるぞ。《ドッペル・ウォリアー》の効果、このカードがシンクロ召喚の素材として墓地へ送られた場合、自分フィールド上に《ドッペル・トークン》2体を攻撃表示で特殊召喚する事ができる」

 

 

ドッペル・トークン

トークン

☆1/闇属性/戦士族/攻 400/守 400

 

 

「そしてジャンク・ウォリアーの効果発動。召喚に成功した時、自分のフィールド上にいるレベル2以下のモンスターの攻撃力の分だけ攻撃力がアップする。俺のフィールドにはレベル2以下のモンスターが4体。その合計攻撃力分、攻撃力がアップする」

 

《ジャンク・ウォリアー》 ATK2300→4900

 

「攻撃力4900だと!」

 

「そして罠カード《ブラック・アロー》を発動。このカードは発動後、装備カードとなり、装備モンスターの攻撃力を500下げる。そして装備モンスターが相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの守備力分のダメージを与える」

 

 

ブラック・アロー

通常罠

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

エンドフェイズ時まで、そのモンスターの攻撃力は500ポイントダウンし、

守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、

その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

選択したモンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの元々の守備力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

《ジャンク・ウォリアー》 ATK4900→4400

 

「なんだと!」

 

「《ジャンク・ウォリアー》で《サイバー・ダイナソー》を攻撃」

 

「ぐぁぁ!」

 

龍牙 LP3700→1800

 

「そして《ブラック・アロー》の効果発動。《サイバー・ダイナソー》の守備力分のダメージをお前に与える」

 

「ぐわぁぁぁぁ!」

 

龍牙 LP1800→0

 

 

Winコナミ

 

 

「くそ、この私が負けるだと!ありえないそんなこと!」

 

「よく言うよ、イカサマまで使っておいて」

 

「な、何を言い出すんだ、私はイカサマなど」

 

弁解する龍牙の腕を無理やり上げ、はめていたリングを奪い取った。

 

「これだな。魔法カードの発動を妨害していたのは。どうせ生徒に50連勝ってのもこれを使ってたんだろ」

 

「な、何を言って」

 

「それはほんとデスーノ?」

 

俺たちがもめていると妙な片言で喋る金髪の男が割り込んできた。

 

「ク、クロノス教諭!」

 

「さっきの話が本当ならシニョール龍牙の処遇も変わるノーネ。一先ずそのリングを調べてみルーノ」

 

「ちょっ、ちょっと待ってくださいクロノス教諭、こんなやつの言うことに流されるのですか!」

 

「調べるくらいならいいじゃなイーノ。それとも、調べられると困るんですかシニョール龍牙?」

 

「くっ……」

 

もうこの反応が動かぬ証拠って感じだけど、ま、こいつの処遇なんざ入学後に軽く聞けばいいさ。

 

「と、とりあえず、試験はまだ途中なので、お2人のお話は裏で続けてもらってもよろしいでしょうか」

 

この騒然とした状況に戸惑いつつも、試験官の1人が2人に言った。

 

「分かったノーネ。後の試験は任せルーノ」

 

「は!そういうわけだから君も席に戻ってもらっていいかな」

 

「はい、ありがとうございました」

 

一応礼儀として1礼してから席に戻った。



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第二話 赤帽子の一級フラグ建築術

 

 

 

 

sideコナミ

 

 

「……やはり俺はラーイエローか。まあ教官のガチデッキを倒したとなれば無理ないか…」

 

俺はごくごく普通の漫画喫茶でアカデミアの受験生の仮の合格通知のデータを見ていた。

何故ごくごく普通の漫画喫茶のPCでそんなものが見れるかって?そりゃもちろんハッキングだ。

 

「しかしラーイエローだと何かと動きにくいんでね…」

 

ただでさえあんなカードを使って目立ってしまったんだ。なのに新入生のエリートのラーイエローなんかに入ってしまったら……

……まあ単に黄色より赤が好きだっ手のもあるが、帽子も赤いし。さらに言えばレッド寮の良心的な狭さとボロさの方が落ち着くのでな。

 

「と言うわけで、結果を偽装させてもらうよ」

 

ハックして俺の結果を偽装した後、形跡を全て消して、その場を後にした。

 

 

あれから3日後、デュエルアカデミアから合格通知が届いた。もちろん結果はオシリスレッドだ。

廃墟住みなのになんで通知を受け取れたかって?細かいことは気にするな。

 

それからは面白いこともないので割愛。

 

 

 

 

数日後、俺はデュエルアカデミアへ行くための船に上にいたわけだが……

周りが俺の事を話しているのが聞こえる。そりゃ今まで見たことのない召喚方法を披露したんだ、無理もない。

俺のトレードマークの帽子のせいで顔?も覚えられたし。視線に耐えかねた俺は、看板から室内の人気のない場所に逃げた。

 

「あうぅ、あうぅぅ」

 

そこでは1人の少女がへたり込んでいた。

 

「……大丈夫か?」

 

一応声をかけてみた。このまま無視するのは後味悪いし。

 

「あうぅ、船によってしまって……」

 

「酔い止め飲まなかったのか?」

 

「忘れて、しまいましたぁ」

 

「そうか」

 

俺はポケットから酔い止めと水を取り出した。

 

「ほら、もう酔ってるからあまり効き目はないだろうけど、気休めにはなるだろう」

 

「あ、ありがとうございます」

 

俺から受け取った酔い止めを何の疑いもせずに飲んだ。素直な子だな。まあ本当にただの酔い止めだけどさ。

 

「ありがとうございます、少し楽になった気がします」

 

いや、そんなすぐには効かないだろ……

 

「うーん」

 

調子が少し戻った少女は、俺の顔をまじまじと見つめた。まあ帽子かぶってるから顔は見えないだろうが。

 

「やっぱり、あなたは試験ですごい召喚をした」

 

「ああ、あの時居た子だったか」

 

まあ新入生はだいたい居たよな。居なかったのは興味のないエスカレーター組ぐらいだし。

 

「すごかったです、シンクロ召喚でしたっけ?」

 

「ああ。まあそこまですごい召喚でもないが」

 

「そんなことないですよ。……あの、お名前聞いてもいいでしょうか」

 

「……コナミだ」

 

「コナミさんですね。私は宮田ゆまです。ゆまとお呼びください」

 

その後も2人でしばらく話していた。主に俺のシンクロ召喚についてだったが。ただ彼女のデッキも興味深かった。

何しろあの《E・HERO》だったのだから。しばらくして船は到着したようだ。

 

「じゃあな」

 

「はい、また会いましょう」

 

ゆまとはクラスが違うので、島に降りたらすぐに別れた。

島へと下りた一同は、まず受付を済ませた。そしてアカデミアの生徒手帳とも呼べるPDAや制服等を支給された。

新入生達は早速それぞれの寮に行く、俺もその波に乗って移動した。

俺がオシリスレッドの寮に行くとみんな驚いていた。まあ、筆記実技ともに上位の生徒がいたらそりゃ驚くだろうな。

その視線を無視し自分の部屋で制服に着替えた。

 

 

 

 

そして入学式が始まる時刻となり、寮を出た。

 

入学式はこのデュエルアカデミアの校長である鮫島先生の挨拶で始まり、保険医である女性、鮎川からの注意事項等が行われた。

 

入学式を終えた一同は数時間後の歓迎会まで自由時間だ。学園を見たり寮でくつろいだりしている様だが。

 

「はぁー」

 

俺がこれからやることを考えると自然と大きなため息を吐いていた。

 

「あら、そんな深いため息なんかついて、悩み事?」

 

突然後ろから色っぽい女性の声が聞こえ、その女性のものと思われる腕が抱きつくように首に絡みついてきた。

 

「はい?」

 

「貴方……あの時のボウヤね?」

 

「あの時?ていうかボウヤって、この時間にこの場所に入るって事は同い年じゃないのか」

 

「私にとって認めた真の男以外は年上だろうとボウヤなのよ。それよりも…シンクロ召喚、だったかしら?それで龍牙教官の本物デッキに勝ったボウヤ…そうでしょ?」

 

「……まあ、そうだが」

 

「そんなボウヤが何故オシリスレッドなのかしら……気になるわ。何故?」

 

女性、いや一応少女はそう言い寄ってきた。何故か所々俺の身体に触れながらだが。

 

「さあね、一応龍牙教官の言うことも一理あるし、身だしなみが気に入らなかったんじゃない?」

 

俺が適当に言ってごまかすと少女はピクリと眉を動かし、前に回りこんで顔を近づけた。

ようやく顔を見ることが出来た少女は、薄紫色の髪をツインテールにした少女だった。

いや、声から創造できるように少女というよりも女性と言わせるほど大人びている。

 

……ああ、この間の試験のとき龍牙の事を話してくれた生徒か。

 

 

「本当にそうなのかしら?」

 

「なんのことかな?」

 

突然間近に顔を寄せられ少し同様したが、何とか悟られないように対応した。

 

「私の名前は藤原雪乃。あなたの名前も聞いていいかしら?」

 

「……コナミだ」

 

「コナミ……本名なの?」

 

「さてね…でも名前なんてものはただの識別信号、それが個人を断定できるものであれば真でも偽でも問題ないだろ」

 

「ふふ、なかなか深いことを言うのね。でも今はそれよりも、あなたには入学試験の事とか色々聞きたいことがあるのよ。そう、色々とね……」

 

「……」

 

何だろう、本能的に危険な香りがするのだが、

 

「でも残念、そろそろ歓迎会が始まってしまうわね。本当はいきたくないのだけれど、最初ぐらいは顔を出さないとだから。また会いましょう?ボウヤ」

 

そう言って藤原は去っていった。

 

「名前聞いといてボウヤって呼ぶのかよ」

 

ふと周りを見渡すと、より一層鋭い視線で見られていた。主に男子生徒から。

もしかしてさっきの藤原とかいうやつ結構な有名人だったのか?

その視線に耐えかねた俺は小走りでそこを移動した。走っていると誰かとぶつかった。

 

「きゃっ!?」

 

そのまま床に倒れそうになったところを手を掴み止めた。

 

「悪い、大丈夫か?」

 

「べ、別に僕は平気なんだから!離してよ!」

 

そう言ってピンク色の髪の少女が俺を払いのけると、彼女が持っていたカードがバラバラになってしまった。

 

「……《六武衆》?」

 

「ちょっと!勝手に見ないでよ!」

 

「ああ、悪い。ぶつかったのは俺のよそ見のせいだしな……これで全部か?」

 

そう言って俺がカードを渡す。少女はカードをひったくる様に受け取った。

 

「べ、別に感謝なんかしてないんだから!……でも、ありがとう」

 

そう言って顔を紅くし、立ち去ろうとしたが、

 

「ちょっと待って」

 

あわてて俺は腕を掴みとめた。

 

「ちょ、ちょっと、何!?」

 

彼女は突然のことで顔を真っ赤にしてあわてながら言った。

 

「君の名前を聞いてもいいか?」

 

「僕はツァン・ディレ……って、なんでアンタなんかに自己紹介しなきゃいけないのよ」

 

「そうか……俺はコナミ、引きとめて悪かったな」

 

「……さよなら」

 

そう言ってツァンは走って行った。

 

 

「よくわからんまま名乗ってしまった」

 

やはり俺は人見知りでこそないが、若干コミュ症なところが否めない。何しろ人と会話しない期間が多かったから。

 

などと考え前を見ずに歩いていると、突然ドサッと人が倒れる音が前でした。

 

え?また誰かとぶつかったか?だが、さっきとは違って全く何かにぶつかった感覚は無かったが。

そんなことを考えながら前方を見ると、日本人形のように黒いおかっぱの少女が倒れていた。

まさか、俺がぶつかったからじゃないよな?

とりあえず見てしまったからにはしょうがないと、俺は彼女をお姫様だっこで保健室まで運んだ。

 

「失礼しまーす、って誰も居ない」

 

入学式の後で忙しいのか保健室には誰も居なかった。とりあえずベッドに少女を寝かせて立ち去ろうとしたが、

……なぜかこいつ、俺の制服の袖を掴んでいる。

寝ているはずの少女は、俺の制服の袖をしかっりと掴んでいた。それは俺が強引に引っ張ってもなかなか取れないぐらい強く、本当は起きてるのかと疑惑もあがるほどだった。

俺はあきらめず掴まれていない左手で少女の掴んでいる右手を掴み、力いっぱい袖を掴まれた自分の右手を引っ張った。

 

「よし、外れた」

 

と、歓喜したのもつかの間、少女の右手は今度は俺の左手をがっしり掴んだ。

……手は駄目だろ。心底困り果て仕方なくすぐそばにあった椅子に腰を下ろした。

 

「う……うう~ん……」

 

それからあまり時間のたたない内に、眠っていた少女がもぞもぞ動き始めた。お?起きるのか?

 

「う~ん……うん?あら……ここは?」

 

少女が目を擦りながらキョロキョロと周りを見渡す。そして正面にいる俺に気づいた。

 

「あなた様は?」

 

「ああ、俺は」

 

名乗ろうとしたとき、少女は自分の右手が俺の左手を握っている事に気づいた。

 

「あなた様は、もしかするとわたくしめが眠りについている間ずっとこの手を握っていてくださったのですか?」

 

「えっと、念のため言っておくが、この手は」

 

「わたくしめ、殿方からこのようなご好意を受けるのは始めてで、大変嬉しゅうございます」

 

「あ、嬉しいんだ」

 

少女はさっきまで俺に握られていた右手を胸に当てながら感激していた。

 

「もしかして、倒れたわたくしめをここまで運んでくださったのもあなた様なのですか?」

 

「そうだけど、そもそも君が倒れたのは」

 

「何から何まで、ありがとうございます。あの、わたくしめは紬紫と申します。あなた様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

 

「はぁ……俺はコナミだ。よろしく紬」

 

「……」

 

突然悲しそうな顔をして上目づかいで見てきた。

 

「どうした?」

 

「わたくしのことは紫と呼んでいただいても」

 

「え?あ、ああわかったよ紫」

 

「はい!」

 

今度は嬉しそうに俺を見上げた。どうも話がかみ合わず、心底困っていると、ガラガラっと音を立てて扉が開いた。

 

「あら、誰かいるのかしら?」

 

どうやら先ほど入学式で注意事項を言っていた保険医のようだ。

 

「すいません、彼女ちょっと体調が悪いそうで」

 

「彼女?ああ紬さんね」

 

どうやらこの保険医と紫は顔見知りのようだ。

 

「では、俺はちょっと用があるので後を頼んでいいですか」

 

「はい、解かりました」

 

「え……もう行かれてしまうのですか?」

 

俺が立ち去ると聞くと、紫が寂しそうな声を上げて聞き返してきた。

 

「えっと、大丈夫、このアカデミアに入る限りまた会えるから」

 

「……そうでございますよね。ではコナミ様、また会えるときを楽しみにお待ちしております」

 

そんな別れの挨拶を終えて、俺は保健室を後にした。

 

 

 

 

 



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第三話 パーティよりもお忍びデュエル

このあたりで、この小説専用の禁止・制限リストをのせておきます。

禁止カード
《イレカエル》
《ヴィクトリー・ドラゴン》
《混沌帝龍 -終焉の使者-》
《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》
《キラー・スネーク》
《黒き森のウィッチ》
《混沌の黒魔術師》
《サイバーポッド》
《サウザンド・アイズ・サクリファイス》
《処刑人-マキュラ》
《聖なる魔術師》
《月読命》
《デビル・フランケン》
《同族感染ウィルス》
《ファイバーポッド》
《魔導サイエンティスト》
《八汰烏》

《悪夢の蜃気楼》
《いたずら好きな双子悪魔》
《王家の神殿》
《押収》
《苦渋の選択》
《強引な番兵》
《強奪》
《強欲な壺》
《心変わり》
《サンダー・ボルト》
《蝶の短剣-エルマ》
《天使の施し》
《ハーピィの羽根帚》
《早すぎた埋葬》
《ブラック・ホール》
《マスドライバー》
《突然変異》
《遺言状》

《王宮の勅命》
《現世と冥界の逆転》
《第六感》
《刻の封印》
《破壊輪》
《ラストバトル!》


制限カード
《異次元の女戦士》
《E・HERO エアーマン》
《オネスト》
《カードガンナー》
《カオス・ソーサラー》
《剣闘獣ベストロウリィ》 
《クリッター》
《スナイプストーカー》
《ダーク・アームド・ドラゴン》 
《魂を削る死霊》
《ダンディライオン》
《深淵の暗殺者》
《マシュマロン》
《魔導戦士 ブレイカー》
《冥府の使者ゴーズ》
《馬頭鬼》 
《メタモルポット》
《黄泉ガエル》
《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》
《ローンファイア・ブロッサム》

《大嵐》
《オーバーロード・フュージョン》
《巨大化》 
《高等儀式術》
《サイクロン》
《地砕き》
《次元融合》
《死者蘇生》
《地割れ》
《スケープ・ゴート》
《生還の宝札》 
《洗脳-ブレインコントロール》
《増援》 
《団結の力》
《手札抹殺》
《ハリケーン》
《光の護封剣》
《未来融合-フューチャー・フュージョン》
《名推理》
《モンスターゲート》
《リミッター解除》
《レベル制限B地区》

《異次元からの帰還》
《神の警告》
《神の宣告》
《グラヴィティ・バインド-超重力の網-》
《激流葬》
《死のデッキ破壊ウイルス》
《聖なるバリア -ミラーフォース-》
《ダスト・シュート》
《停戦協定》
《転生の予言》
《光の護封壁》
《魔法の筒》


準制限カード

《召喚僧サモンプリースト》
《大天使クリスティア》
《D-HERO ディアボリックガイ》
《トラゴエディア》 
《ライオウ》
《輪廻天狗》

《王家の生け贄》
《連鎖爆撃》
《ヒーローアライブ》
《魔法石の採掘》

《王宮の弾圧》
《血の代償》
《奈落の落とし穴》


レッド寮生活初日、出されたメニューに俺以外の誰もが絶句した。それは近頃の小学生の給食でも、もっと良い物が並ぶであろう品揃えだったらしい。“らしい”というのは単純に俺が近頃の小学生の給食のメニューを知らないだけだ。

他の奴がそう言ってたからこの表現を使わせてもらった。そして他の寮からは明らかに御馳走であろう匂いが漂っていた。

最も、その日食べるものにも困る生活をしていた俺としては充分なメニューなのだが。

 

 

他の寮がいまだに盛り上がっている中、俺は寮を抜け出し海辺を散歩していた。

少し歩くと、ピンクの髪の見覚えのある女子生徒を見つけた。ツァン・ディレだったけ?せっかくだから声をかけてみるか。

 

「やっほー」

 

「……」

 

……やっほー、は無かったか。さっきも言ったが、俺は人見知りではないが若干コミュ症なところが否めないからな。

こういう時、なんて言えばいいかわからない。世の中笑えばどうとでもなるようになればいいのに。

 

「何か用」

 

第一声から進まない俺をジト目で見ながらツァンが言ってきた。

 

「えっと、ブルー寮はまだ歓迎会の途中じゃないか?」

 

「僕ああいう雰囲気嫌いなんだよね」

 

「あー、なんとなくわかるよ」

 

「キミ、龍牙教官の本物のデッキに勝ったデュエリストだよね」

 

「ああ、そうみたいだが」

 

「なんでオシリスレッドにいるの?」

 

ああ、やっぱりみんなその質問するよね。

 

「……まあ色々あるんだよ、色々と」

 

「ふーん、まあ僕にはどうでもいいことだけど。でも、ちょっとは気になるかなって思ったから聞いてみただけ」

 

回りくどい子だな、正直ちょっと面倒くさい。

 

「あら、私はすごく気になるけど」

 

突然耳元で艶かしい女性の声がしてきた。まあすぐ誰かはわかったけど。

 

「藤原か。お前もツァンと同じで抜け出した口か」

 

そういや本当は出たくないとか嘆いてたしな。

 

「ええ、周りのボウヤ達は自慢話しかしないし、強い子に取り入ろうとするみじめな子も山のようにいるのよ」

 

「なるほど、社会を生き抜くには悪くない選択だが、上に立つ気はない臆病者の選択だな」

 

「そ・れ・よ・り・も」

 

「?」

 

「なんでツァンは名前で呼ぶのに私は藤原なのかしら?」

 

「別い深い意味はないよ」

 

だってディレって呼びにくいじゃん。

 

「私のことは雪乃と呼んで頂戴」

 

「…わかったよ、雪乃」

 

「ふふ、それでいいのよボウヤ」

 

「ちょ、ちょっと!何僕を無視して話進めてるのよ!」

 

「あら?嫉妬かしら?」

 

「そ、そんなんじゃないわよ!た、ただ僕と話してたのに、突然違う女の子と話したのが気に入らないだけなんだから」

 

それ、嫉妬っていうんじゃ。

 

「それよりも、覚えているわよね、昼間の件」

 

昼間…ああ、シンクロモンスターについて話すってやつか。

 

「あー、そう言えば約束したっけな」

 

「ちょ、言ってるそばから僕を置いてきぼりにしないでよ!何の話よそれ! 」

 

「あら、あなたには関係のないことよ。私とボウヤの秘め事なのだから」

 

「ひ、秘め事って!」

 

にぎやかな奴らだ。雪乃の回りくどい言い方のせいでツァンは紅くなってるし。

 

「シンクロ召喚について話すだけだよ」

 

「な、なんだそう言うことか」

 

「もう、あっさりばらすんだから。口の軽い男は嫌われるわよ」

 

「結構ですよ。さて、と言ってもどう説明していいか」

 

プロローグでも言ったが人に物事を説明することなど今までなかったからな。

 

「百聞は一見にしかず」

 

「「え?」」

 

「2人のどっちか俺とデュエルしないか?口で言うより見た方がわかりやすいだろ」

 

「ふふ、いいわよ。私が相手をしてあげるわ」

 

「ちょっとまってよ、こいつは僕にも声をかけたんだから僕だってデュエルする権利があるんだよ!」

 

やれやれ、相手を決めるだけだというのに、俺はあきれながらポケットからコインを取り出した。

 

「コイントス。あたった方が俺とデュエルするってことで」

 

そう言って俺はコインを投げた。

 

「どっち?」

 

「裏」

 

「ツァンは?」

 

「表しか残ってないじゃん」

 

手をどけると、コインは表だった。

 

「あら残念。仕方ないから今回はツァンに譲るわ。今はこのデュエルをたっぷりと傍観させてもらうわ」

 

そう言って雪乃は少し離れた場所に移動した。

 

「それじゃあはじめようか」

 

「う、うん。よろしく……」

 

 

 

「「デュエル」」

 

 

 

「よーし、僕のターン。フィールド魔法発動《六武院》」

 

 

六武院

フィールド魔法

「六武衆」と名のついたモンスターが召喚・特殊召喚される度に、

このカードに武士道カウンターを1つ置く。

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力は、

このカードに乗っている武士道カウンターの数×100ポイントダウンする。

 

 

「来て!《六武衆-イロウ》を召喚。《六武衆》が召喚されたから《六武院》に武士カウンターが1つ乗るよ」

 

 

六武衆-イロウ

効果モンスター

☆4/闇属性/戦士族/攻1700/守1200

自分フィールド上に「六武衆-イロウ」以外の

「六武衆」と名のついたモンスターが存在し、

このカードが裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、

ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、

代わりにこのカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

「六武衆」と名のついたモンスター1体を破壊できる。

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

ツァン

LP4000

手札 3

モンスター 六武衆-イロウ(攻)

魔法・罠 六武院

     セット×1

 

 

2ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、魔法カード《調律》発動」

 

 

調律

通常魔法

自分のデッキから「シンクロン」と名のついたチューナー1体を

手札に加えてデッキをシャッフルする。

その後、自分のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。

 

 

「《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップのカードを墓地に送る」

 

墓地に落ちたのは《ソニック・ウォリアー》だった。

 

「《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で《ソニック・ウォリアー》を特殊召喚」

 

 

ソニック・ウォリアー

効果モンスター

☆2/風属性/戦士族/攻1000/守 0

このカードが墓地へ送られた時、

自分フィールド上に表側表示で存在する

レベル2以下のモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。

 

 

「くるの……」

 

「ああ、さっそく見せてやるよ。レベル2の《ソニック・ウォリアー》に、レベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

 

☆3+☆2=☆5

 

「大地の痛みを知る戦士よ、その健在を示せ!シンクロ召喚!傷だらけの戦士《スカー・ウォリアー》」

 

 

スカー・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

☆5/地属性/戦士族/攻2100/守1000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は表側表示で存在する他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。

また、このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

 

「《スカー・ウォリアー》!?」

 

「この前見たときとは違うモンスターね」

 

「で、でも《六武院》の効果で君のモンスターは武士カウンターの数×100ポイント攻撃力が下がるよ」

 

《スカー・ウォリアー》 ATK2100→2000

 

「《スカー・ウォリアー》で《六武衆-イロウ》を攻撃」

 

ツァンLP4000→3700

 

「軽っ!罠カード発動《紫炎の計略》自分フィールドの《六武衆》と名のついたモンスターが戦闘で破壊された時、手札から《六武衆》を2体まで特殊召喚する」

 

 

紫炎の計略

通常罠

自分フィールド上に存在する「六武衆」と名のついたモンスターが

戦闘によって破壊された場合に発動する事ができる。

手札から「六武衆」と名のついたモンスターを2体まで特殊召喚する。

 

 

「よろしくね《六武衆-ザンジ》と《六武衆-カモン》を特殊召喚」

 

 

六武衆-ザンジ

効果モンスター

☆4/光属性/戦士族/攻1800/守1300

自分フィールド上に「六武衆-ザンジ」以外の

「六武衆」と名のついたモンスターが存在する場合、

このカードが攻撃したモンスターをダメージステップ終了時に破壊する。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、

代わりにこのカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

「六武衆」と名のついたモンスター1体を破壊できる。

 

 

六武衆-カモン

効果モンスター

星3/炎属性/戦士族/攻1500/守1000

自分フィールド上に「六武衆-カモン」以外の

「六武衆」と名のついたモンスターが存在する場合、

1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる。

この効果を発動するターン、このカードは攻撃宣言できない。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、

代わりにこのカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

「六武衆」と名のついたモンスター1体を破壊できる。

 

 

「《六武衆》が召喚されたから《六武院》に武士道カウンターが1つ乗るよ」

 

《スカー・ウォリアー》 ATK2000→1900

 

「俺はカードを3枚伏せてターン終了だ」

 

 

コナミ

LP4000

手札 2

モンスター スカー・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×3

 

 

3ターン目:ツァン

 

 

「僕のターン、びっくりするよー!手札の《大将軍 紫炎》を特殊召喚。このカードは自分フィールドに《六武衆》と名のついたモンスターが2体以上存在するとき、手札から特殊召喚できる」

 

 

大将軍 紫炎

効果モンスター

☆7/炎属性/戦士族/攻2500/守2400

自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが

2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は1ターンに1度しか魔法・罠カードを発動できない。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、

代わりに自分フィールド上に表側表示で存在する

「六武衆」と名のついたモンスター1体を破壊できる。

 

 

リリース、もとい生け贄なしで最上級モンスターを。

 

「僕の切り札が出た以上、シンクロモンスターだって関係ないよ。さらに装備魔法《漆黒の名馬》を《六武衆-ザンジ》に装備」

 

 

漆黒の名馬

装備魔法

「六武衆」と名のついたモンスターにのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力と守備力は200ポイントアップする。

装備モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。

 

 

「装備モンスターの攻撃力を200ポイントアップさせるよ」

 

《六武衆-ザンジ》 ATK1800→2000

 

「バトル!このー!《六武衆-ザンジ》で《スカー・ウォリアー》を攻撃!」

 

コナミLP4000→3900

 

「《スカー・ウォリアー》は1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない」

 

「この瞬間《六武衆-ザンジ》の効果発動。このカードが攻撃したモンスターをダメージステップ終了時に破壊する」

 

「破壊できなかった時の対策もしてあるとは。やるね」

 

「あ、あんたに褒められたってちっとも嬉しくないんだから!《大将軍 紫炎》でプレイヤーに直接攻撃!」

 

「罠カード発動《くず鉄のかかし》相手モンスター1体の攻撃を無効にする。さらにこのカードは発動後も墓地へはいかない」

 

 

くず鉄のかかし

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

その攻撃モンスター1体の攻撃を無効にする。

発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。

 

 

「まだまだ、《六武衆-カモン》でプレイヤーに直接攻撃!」

 

「リバースカード発動」

 

……しかし、発動しなかった。

 

「?」

 

なぜだ。まさかこの間のデュエルで龍牙にやられた影響が残って、

 

「無駄だよ《大将軍 紫炎》の効果で相手は1ターンに1枚しか、魔法・罠カードを発動できない」

 

なんだそうだったか。故障ではなかったか。

 

コナミLP3900→2400

 

「これでターンエンドだよ」

 

 

ツァン

LP3700

手札 0

モンスター 大将軍 紫炎(攻)

      六武衆-ザンジ(攻)

      六武衆-カモン(攻)

魔法・罠 六武院

     漆黒の名馬→六武衆-ザンジ

 

 

 

side雪乃

 

 

《大将軍 紫炎》が出た以上この後はかなりツァンが有利に進むわね。シンクロモンスターも倒されたし。

 

 

4ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、チューナーモンスター《クイック・スパナイト》を召喚」

 

 

クイック・スパナイト

チューナー(効果モンスター)

星3/地属性/機械族/攻1000/守 800

このカードがシンクロモンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

相手フィールド上に表側表示で存在する

モンスター1体の攻撃力は500ポイントダウンする。

 

 

「またチューナーモンスター……」

 

やっぱりシンクロモンスターは1体じゃなかったのね…

 

「そして永続罠《血の代償》を発動。ライフを500払うことで、モンスターを召喚できる」

 

 

血の代償

永続罠

500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。

この効果は自分のメインフェイズ時及び

相手のバトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。

 

 

「ライフを500払い《ダッシュ・ウォリアー》を召喚」

 

コナミ LP2400→1900

 

 

ダッシュ・ウォリアー

効果モンスター

星3/風属性/戦士族/攻 600/守1200

このカードが攻撃する場合、ダメージステップの間

このカードの攻撃力は1200ポイントアップする。

 

 

また2体のモンスターが揃ったわね。今度は何を見せてくれるのかしら。

 

「レベル3の《ダッシュ・ウォリアー》に、レベル3の《クイック・スパナイト》をチューニング!」

 

☆3+☆3=☆6

 

「事象の地平より推参せよ!重力の闘士!《グラヴィティ・ウォリアー》」

 

 

グラヴィティ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星6/地属性/戦士族/攻2100/守1000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカードの攻撃力は

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの数×300ポイントアップする。

1ターンに1度、相手のバトルフェイズ時に相手フィールド上に

守備表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを表側攻撃表示にする。

このターンそのモンスターが攻撃可能な場合には攻撃しなければならない。

 

 

また別のシンクロモンスターを、でも《大将軍 紫炎》の方が攻撃力は上ね、さてここから何をしてくれるのかしら?

 

「またしても…そんなモンスターを出したところで《大将軍 紫炎》にはかなわないよ。しかも《六武院》の効果で攻撃力は下がる」

 

《グラヴィティ・ウォリアー》 ATK2100→1900

 

「《グラヴィティ・ウォリアー》の効果発動。このカードがシンクロ召喚に成功した時、相手フィールドのモンスターカードの数×300ポイント攻撃力はアップする。

ツァンのフィールドのモンスターは3体。よって攻撃力900ポイントアップ」

 

《グラヴィティ・ウォリアー》 ATK1900→2800

 

「《大将軍 紫炎》攻撃力を上回ったわね」

 

「くぅぅ」

 

「さらに《クイック・スパナイト》の効果発動。このカードがシンクロ素材として墓地へ行ったとき、相手モンスター1体の攻撃力を500下げる。対象は《大将軍 紫炎》だ」

 

《大将軍 紫炎》 ATK2500→2000

 

さらに《大将軍 紫炎》の攻撃力を下げるなんて、容赦ないわね。

 

「《グラヴィティ・ウォリアー》で《大将軍 紫炎》を攻撃」

 

ツァンLP3700→2900

 

「ぐぅぅ、負ける、もんか《大将軍 紫炎》は破壊されるとき、代わりに自分フィールドのほかの《六武衆》を破壊できる。《六武衆-カモン》を代わりに破壊」

 

「やっぱ切り札はそう簡単に倒せないか。カードを1枚伏せターン終了」

 

 

コナミ

LP1900

手札 0

モンスター グラヴィティ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 血の代償

     セット×4

 

 

5ターン目:ツァン

 

 

「僕のターン、この子で《六武衆-ヤイチ》を召喚。《六武衆》が召喚されたから《六武院》に武士道カウンターが1つ乗るよ」

 

 

六武衆-ヤイチ

効果モンスター

☆3/水属性/戦士族/攻1300/守 800

自分フィールド上に「六武衆-ヤイチ」以外の

「六武衆」と名のついたモンスターが存在する場合、

1ターンに1度、フィールド上にセットされた魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる。

この効果を発動するターン、このカードは攻撃宣言できない。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、代わりにこのカード以外の

自分フィールド上に表側表示で存在する「六武衆」と名のついたモンスター1体を破壊できる。

 

 

「えい!《六武衆-ヤイチ》の効果発動。自分フィールドに他の《六武衆》が存在するとき、1ターンに1度、フィールドにセットされた魔法・罠1枚を破壊できる」

 

ボウヤの《くず鉄のかかし》が破壊された、これで1回の攻撃を毎ターン防ぐことはできないわね。

 

「いくよ、《六武衆-ザンジ》で《グラヴィティ・ウォリアー》を攻撃」

 

「攻撃力の低い《六武衆-ザンジ》で攻撃、効果破壊が目的か」

 

ツァンLP2900→2100

 

「くっ、い、痛くないよ《漆黒の名馬》の効果発動。装備モンスターが破壊される時、代わりにこのカードを破壊できる。《六武衆-ザンジ》の効果で《グラヴィティ・ウォリアー》を破壊」

 

《六武衆-ザンジ》 ATK2000→1800

 

「お情け無用!《大将軍 紫炎》でプレイヤーに直接攻撃!」

 

「罠カード発動《スピリット・フォース》発動。戦闘ダメージを0にし、墓地から攻撃力1500以下の戦士族モンスター1体を手札に戻す。《ジャンク・シンクロン》を手札に戻す」

 

 

スピリット・フォース

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

その後、自分の墓地に存在する守備力1500以下の

戦士族チューナー1体を手札に加える事ができる。

 

 

「また通らなかった……《六武衆-ヤイチ》は効果を使ったターン攻撃できない。ターンエンド」

 

チューナーモンスターを手札に加えた…もしかして、また見れるのかしら。

 

 

ツァン

LP2100

手札 0

モンスター 大将軍 紫炎(攻)

      六武衆-ザンジ(攻)

      六武衆-ヤイチ(攻)

魔法・罠 六武院

 

 

 

sideコナミ

 

 

6ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、どうやらこのターンで終わりにできそうだ」

 

 

コナミ

LP1900

手札 2

モンスター なし

魔法・罠 血の代償

     セット×1

 

 

「な、何を言ってるの」

 

「この状況から逆転……いったいどんなことを」

 

俺の勝利宣言に2人とも驚いてるようだ。まあこの状況なら無理もない。

 

「《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で《ソニック・ウォリアー》を特殊召喚。さらに《血の代償》の効果で《スピード・ウォリアー》召喚」

 

 

スピード・ウォリアー

効果モンスター

☆2/風属性/戦士族/攻 900/守 400

このカードの召喚に成功したターンの

バトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。

このカードの元々の攻撃力はバトルフェイズ終了時まで倍になる。

 

 

コナミLP1900→1400

 

《スピード・ウォリアー》 ATK900→600

 

「バトル、《スピード・ウォリアー》で《六武衆-ヤイチ》を攻撃」

 

「《六武衆-ヤイチ》より攻撃力の低いモンスターで攻撃!?」

 

「《スピード・ウォリアー》は召喚に成功したターンのバトルフェイズ時、このカードの元々の攻撃力はバトルフェイズ終了時まで倍になる」

 

《スピード・ウォリアー》 ATK600→1500

 

ツァンLP2100→1900

 

「きゃっ、そんなもの!それだけじゃ僕をこのターンでは倒せないよ!」

 

「ああ、わかってる。罠カード発動《緊急同調》バトルフェイズ中に、フィールドのモンスターでシンクロ召喚できる」

 

「バトルフェイズ中にシンクロ召喚!」

 

☆3+☆2=☆5

 

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!」

 

 

ジャンク・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

☆5/闇属性/戦士族/攻2300/守1300

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、

このカードの攻撃力は自分フィールド上に表側表示で存在する

レベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分アップする。

 

 

「そしてジャンク・ウォリアーの効果発動。召喚に成功した時、自分のフィールド上にいるレベル2以下のモンスターの攻撃力の分だけ攻撃力がアップする。さらにその効果にチェーンして《ソニック・ウォリアー》の効果発動。

このカードが墓地に送られたとき、自分フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力を500アップさせる」

 

《スピード・ウォリアー》 ATK1500→2000

 

「これでフィールドのレベル2以下のモンスターは攻撃力2000の《スピード・ウォリアー》1体。よって攻撃力2000アップ」

 

《ジャンク・ウォリアー》 ATK2300→2000→4000

 

「攻撃力4000!」

 

「これで終わりだ。《ジャンク・ウォリアー》で《大将軍 紫炎》を攻撃」

 

「きゃあぁぁぁぁ!」

 

ツァンLP1900→0

 

 

Winコナミ

 

 

「負け、ちゃった……」

 

「いいデュエルだったよ」

 

デュエルに負け座り込むツァンに手を差し伸べて言った。

 

「え、あ、うん、ありがとう」

 

ツァンは俺の手を取って立ち上がった。

 

「いい雰囲気なところ悪いんだけど」

 

「ん?」

 

雪乃が2人を遮るように入ってきた。

 

「ああ、シンクロ召喚についてはわかった?」

 

「ええ、おかげさまで」

 

「むぅぅ……」

 

「さて、もうこんな時間か、そろそろ夜時間になっちまうな。2人も寮に戻った方がいいんじゃないか?」

 

「そうね。名残惜しいけど帰ることにするわ。じゃあね、私のかわいいボウヤ」

 

「ボウヤじゃないよ。ツァンもまたな」

 

「う、うん。じゃあね」

 

2人を見送った後、俺も寮に帰った。

入学初日はわりと平和に終わったとみていいだろう。

こんな日々が続けばいいが、そうはいかないんだろうな。

まあいまはこの束の間の平和を楽しむとしますか。

 

 



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第四話 女帝の誘惑と星屑の反乱

 

sideコナミ

 

 

アカデミアに入学してから数週間後、今日は学園全体で行われるデュエル試験の日だ。だからどうってことないのだが。

試験日ゆえ授業は休み。のんびりと朝を迎え、購買で朝食にドローパンを買い食した。

 

「ごほっ!がはっ!」

 

キムチだった。誰だよこんなパン作り出したのは。

 

「み、水!げほっ!」

 

「ボウヤ?大丈夫?ほら、お水よ」

 

雪乃に渡された水を一気に飲み干す。ていうかいつの間に隣にいた。

 

「あらあら、ボウヤは辛いの苦手なのね?じゃあ私のクリームパンと交換して上げるわ」

 

雪乃がクリームパンを差し出したが明らかに食べかけだ。しかも雪乃の顔、確信犯だ。

もしかするとさっきの水も飲みかけだったかもしれない。

だがこの舌のダメージには変えられない。俺は雪乃のパンを受け取り食した。

 

「ふふ」

 

雪乃が勝ち誇った顔をして俺の食べかけのキムチパンを食べている。あーはいはい俺はアカデミアの女帝の策略にまんまと嵌りましたよ。

 

「……」

 

少し離れた場所でツァンがジト目で見てきた。目を向けると、『フンッ』と目をそらされた。

やっぱ女子から見ても今の光景は気に入らないようだ。

 

『それではこれよりデュエル試験を開始します』

 

「始まったわね」

 

「そうだな」

 

殆どの生徒はデュエルリングで観戦していたが、数人の生徒は購買にも残っていた。俺と雪乃ついでにツァンもその1人だ。

試合はモニターにも放映されているので観戦は問題なくできた。

 

「あ、ゆまだ。しかも相手は紫か」

 

しばらく試合を眺めていると、ゆまと紫の対戦となった。

 

「ボウヤ、あの2人を知ってるの」

 

「ああ」

 

軽く答え横目で雪乃を見ると、さっきのツァンのようなジト目で俺を見ていた。

 

「どういう関係?」

 

まるで尋問されてるようだ。

 

「ちょっと話したことがあるだけだよ」

 

「そう」

 

よくわからないが何とか回避できたようだ。

 

「雪乃とそこまで変わらない関係だよ」

 

「え!?」

 

前言撤回、地雷を踏んだようだ。

 

「そ、それより試合だよ。あの2人はどっちが勝つか……」

 

モニターに目をやると、すでにデュエルは終了してた。

ライフ的には接戦だが、内容は紫の圧勝のようだ。紫のフィールドにある《王宮の弾圧》を見れば一目瞭然だ。

 

「ちょっと話したことがある、ボウヤにとって私はその程度の存在だったの。ボウヤのくせに生意気よ……」

 

雪乃が目を伏せて言った。後半は小声だったが俺には聞こえたよ。

 

「ちょっと席を外すわね」

 

突然雪乃は立ち上がりどこかへ去ってしまった。

 

「なんだ?」

 

「ね、ねえ」

 

雪乃が去ると、さっきまで横目に見ていたツァンが寄ってきた。

 

「どうした」

 

「えっと……」

 

『オベリスクブルーのツァンディレ、試験会場に至急来なさい』

 

「ツァンの番だな」

 

「あ、うん」

 

「頑張ってこいよ、応援してるから」

 

「応援してくれるの!ま、まああんたの応援なんて嬉しくないけど……ありがとう」

 

そう言い残してツァンは試験会場に向かった。しばらくすると入れ替わるように紫がきた。

 

「お久しぶりです、コナミ様」

 

「ああ、久しぶり」

 

「こんなところでまたお会いできるなんて、感激でございます」

 

「そ、そうか」

 

紫と会うのは入学初日以来だから確かに久しぶりだ。

 

「わたくしの試合、見てくださったでしょうか」

 

「ああ、なかなかいいデュエルだったよ」

 

「本当ですか、コナミ様に褒めていただけるとは、大変光栄でございます」

 

「いや、俺はそんなたいそうな奴じゃ」

 

『オシリスレッドのコナミ、試験会場に至急来なさい』

 

あれ、オシリスレッドの試合は午後からのはず。まだ12時前だというのになぜ俺の名が。

 

「コナミ様の番のようですね」

 

「あ、ああ。とりあえず行ってくるよ」

 

「はい、心から応援しております」

 

紫に見送られ試合会場に向かった。

本来、実技は同じ寮の生徒同士で行われるのだが、

 

「なんで雪乃が?」

 

「ふふ、先生に頼んで特別にあなたとの対戦に変えてもらったのよ」

 

なるほど、俺がこのタイミングで俺が呼ばれた理由がわかった。

 

「ねえコナミ、一つ賭けをしない?」

 

「賭け?まあ構わないが……いったい何を賭けるんだ?」

 

「このデュエルに勝ったほうが何でも好きなことを一つ、相手に命令できるの。そう、なんでもね」

 

とんだ爆弾発言だったが、発言者が雪乃なららしい発言だ。

 

「そして敗者はその命令を拒否することはできない、絶対にね」

 

「……お前何命令する気だ?」

 

「あら、そんなこと女の口から言わせる気?ふふ、罪な人」

 

……悪寒が走るとはこのことか。

 

――そんなこと許さんぞ!――

 

――貴様など負けてしまえ!!――

 

なんかガヤが俺に敵意むき出しの声を飛ばしてくるし、

勝っても負けても俺へのリスクが大きすぎる……

 

「とにかく受けるの受けないの?」

 

「まあいいよ、受けてやるよ。その代わり、俺が勝ったら覚悟しろよ」

 

「決まりね。ふふ、楽しみだわ」

 

うわ、悪い顔してるよ。俺が勝ったら、それはそれで命令を楽しみにしているって顔だ。

ガヤが一層ひどくなる。いや、近頃の男子高校生は卑猥なことばっか考えてるわけじゃないぞ。

例えば世界平和とか。あとは……特に無いや。

 

「まあいい、始めるぞ」

 

「さあ、いらっしゃい」

 

「「デュエル」!」

 

 

 

side雪乃

 

 

「レディーファーストだ、お先にどうぞ」

 

「ふふっ、では遠慮なく」

 

 

1ターン目:雪乃

 

 

「私のターン、おいで《センジュ・ゴッド》を召喚するわ」

 

 

センジュ・ゴッド

効果モンスター

☆4/光属性/天使族/攻1400/守1000

このカードが召喚・反転召喚に成功した時、

自分のデッキから儀式モンスター1体を手札に加える事ができる。

 

 

「《センジュ・ゴッド》の効果発動!私は儀式モンスター《終焉の王デミス》を手札に加えるわ。

 カードを1枚伏せるわ。はい、あなたのターンよ」

 

 

雪乃

LP4000

手札 5

モンスター センジュ・ゴッド(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

2ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《レベル・ウォリアー》を自身の効果によりレベル4で特殊召喚」

 

 

レベル・ウォリアー

効果モンスター

☆3/光属性/戦士族/攻 300/守 600

フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル2モンスターとして手札から召喚する事ができる。

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル4モンスターとして手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「《ニトロシンクロン》を通常召喚」

 

 

ニトロ・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星2/炎属性/機械族/攻 300/守 100

このカードが「ニトロ」と名のついたシンクロモンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「さらに手札のレベル1モンスター《チューニング・サポーター》を捨て《ビッグ・ワン・ウォリアー》を特殊召喚」

 

 

ビッグ・ワン・ウォリアー

効果モンスター

星1/光属性/戦士族/攻 100/守 600

自分のメインフェイズ時、このカード以外の手札の

レベル1モンスター1体を墓地へ送って発動する事ができる。

このカードを手札から特殊召喚する。

 

 

相変わらずすさまじい展開力ね。今日はどんなモンスターを見せてくれるのかしら?

 

「レベル4の《レベル・ウォリアー》とレベル1の《ビッグ・ワン・ウォリアー》にレベル2の《ニトロ・シンクロン》をチューニング」

 

☆2+☆4+☆1=☆7

 

「集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ、《ニトロ・ウォリアー》」

 

 

ニトロ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

☆7/炎属性/戦士族/攻2800/守1800

「ニトロ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

自分のターンに自分が魔法カードを発動した場合、そのターンのダメージ計算時のみ

1度だけこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする。

このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、

相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を攻撃表示にして

そのモンスターを続けて攻撃する事ができる。

 

 

「《ニトロ・シンクロン》の効果で1枚ドロー。《ニトロ・ウォリアー》で《センジュ・ゴッド》を攻撃」

 

「リバースカードオープン、罠《和睦の使者》発動ね」

 

 

和睦の使者

通常罠

このカードを発動したターン、相手モンスターから受ける

全ての戦闘ダメージは0になる。

このターン自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

「……カードを1枚伏せてターン終了」

 

 

コナミ

LP4000

手札 3

モンスター ニトロ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

3ターン目:雪乃

 

 

攻撃が通らなかったのに悔しそうな顔1つしないで、まだまだ余裕って思ってるのかしら?

 

「私のターンね。儀式魔法《エンド・オブ・ザ・ワールド》発動」

 

 

エンド・オブ・ザ・ワールド

儀式魔法

「破滅の女神ルイン」「終焉の王デミス」の降臨に使用する事ができる。

フィールドか手札から、儀式召喚するモンスターと同じレベルになるように

生け贄を捧げなければならない。

 

 

「場のレベル4の《センジュ・ゴッド》と手札のレベル4の《デーモン・ソルジャー》を生け贄に捧げるわ。お楽しみは、これからよ《終焉の王デミス》を儀式召喚」

 

 

終焉の王デミス

儀式・効果モンスター

☆8/闇属性/悪魔族/攻2400/守2000

「エンド・オブ・ザ・ワールド」により降臨。

フィールドか手札から、レベルの合計が8になるよう

カードを生け贄に捧げなければならない。

2000ライフポイントを払う事で、

このカードを除くフィールド上のカードを全て破壊する。

 

 

「悪い子にはお・し・お・き・よ《終焉の王デミス》の効果発動ね」

 

雪乃LP4000→2000

 

「この効果で、ボウヤのカードを全て破壊するわ」

 

「大量のライフで全体破壊とは、肉を切らせて骨を断つってやつか」

 

「さらに墓地の光属性の《センジュ・ゴッド》と、闇属性の《デーモン・ソルジャー》を除外して、私のしもべ《カオス・ソーサラー》を特殊召喚ね」

 

 

カオス・ソーサラー

効果モンスター

☆6/闇属性/魔法使い族/攻2300/守2000

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地の光属性と闇属性のモンスターを

1体ずつゲームから除外した場合に特殊召喚できる。

1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在する

モンスター1体を選択してゲームから除外できる。

この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。

 

 

「さあ、踊りましょう。《終焉の王デミス》で直接攻撃」

 

「ぐぅぅ」

 

コナミLP4000→1600

 

「楽しかったわボウヤ。でもこれで終わり《カオス・ソーサラー》の直接攻撃」

 

さすがのボウヤもフィールドにカードがない状況でこの攻撃は、

 

「手札の《ジャンク・ディフェンダー》の効果発動。相手の直接攻撃のとき、手札から特殊召喚できる」

 

 

ジャンク・ディフェンダー

効果モンスター

☆3/地属性/戦士族/攻 500/守1800

相手モンスターの直接攻撃宣言時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

また、1ターンに1度、このカードの守備力を

エンドフェイズ時まで300ポイントアップする事ができる。

この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

 

 

バトル中にモンスターを特殊召喚するなんて、さすがこれは侮れないわね。

 

「いいわ、そのまま《カオス・ソーサラー》で《ジャンク・ディフェンダー》を攻撃。ターンを終了」

 

 

雪乃

LP2000

手札 2

モンスター 終焉の王デミス(攻)

      カオス・ソーサラー(攻)

魔法・罠 なし

 

 

4ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《ジャンク・フォワード》を特殊召喚」

 

 

ジャンク・フォアード

効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻 900/守1500

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「さらに《デブリ・ドラゴン》を通常召喚」

 

 

デブリ・ドラゴン

チューナー(効果モンスター)

☆4/風属性/ドラゴン族/攻1000/守2000

このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を選択して

表側攻撃表示で特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

このカードをシンクロ素材とする場合、

ドラゴン族モンスターのシンクロ召喚にしか使用できず、

他のシンクロ素材モンスターはレベル4以外のモンスターでなければならない。

 

 

「《デブリ・ドラゴン》の効果で《チューニング・サポーター》を特殊召喚」

 

 

チューニング・サポーター

効果モンスター

☆1/光属性/機械族/攻 100/守 300

このカードをシンクロ召喚に使用する場合、

このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。

このカードがシンクロモンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

あの状態からここまでの展開、本当に素直に驚かされるわ。

 

「レベル3の《ジャンク・フォワード》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル4の《デブリ・ドラゴン》をチューニング」

 

☆4+☆3+☆1=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

☆8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

「フィールド上のカードを破壊する効果」を持つ魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし破壊する。

この効果を適用したターンのエンドフェイズ時、この効果を発動するためにリリースされ墓地に存在するこのカードを、

自分フィールド上に特殊召喚できる。

 

 

きれいな竜……

 

「あなた、こんなモンスターも持っていたの……」

 

「ああ、俺の真の切り札だよ」

 

「たしかに攻撃力は私のモンスターより上。でも私のモンスターはどちらも除去効果を持っているわ。どちらか片方でも残せば次のターン、そのモンスターを除去するわ」

 

「でも、《終焉の王デミス》の効果にはライフコストが2000必要。雪乃にはそのコストは払えないだろ」

 

ふふ、そう思うわよね。

 

「《スターダスト・ドラゴン》で《カオス・ソーサラー》を攻撃」

 

「あぁん!いじわる!」

 

雪乃LP2000→1800

 

「ふふっ、いいわぁ、貴方の攻撃ゾクゾクしちゃう」

 

 

 

 

sideコナミ

 

 

「ふふっ、いいわぁ、貴方の攻撃ゾクゾクしちゃう」

 

雪乃が攻撃を受けて顔を紅くして体を震わせ、吐息を洩らして悦んでいる。

こいつMっ気もあったのか。雪乃のおかげで観戦してる生徒も皆顔を紅くしてるじゃない。

やばいな、もう少し虐めたくなってきた。

 

「これでターン終了だ」

 

 

 

 

side紫

 

 

なんとお美しい竜でございましょう。あのようなモンスタアをこの目でじかに見ることができたら、

わたくしめのちっぽけな病などすぐに治まってしまいそうでございます。

 

コナミ様、そんなカードを持っているなんて、やはりあなた様はわたくしの……

 

 

 

sideコナミ

 

 

《スターダスト・ドラゴン》のおかげで多少は戦局をつかめたが、雪乃もこのままただでは負けてくれないだろうな。

 

 

コナミ

LP1600

手札 0

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 なし

 

 

5ターン目:雪乃

 

 

「私のターン、カードを1枚伏せるわ。そして速攻魔法《非常食》を発動。ライフを1000回復するわ。」

 

 

非常食

速攻魔法

このカード以外の自分フィールド上に存在する

魔法・罠カードを任意の枚数墓地へ送って発動する。

墓地へ送ったカード1枚につき、自分は1000ライフポイント回復する。

 

 

「今伏せた《奈落との契約》を墓地に送りライフ回復するわ」

 

雪乃LP1800→2800

 

「これで終わりね。《終焉の王デミス》の効果で、ボウヤのカードを全て破壊するわ」

 

雪乃LP2800→800

 

やはり発動してきたか。雪乃ならもう1度《終焉の王デミス》の効果を使ってくれるって信じていたよ。

 

「《スターダスト・ドラゴン》の効果発動。このカードをリリースもとい生け贄にすることで、カードを破壊する効果を無効にし破壊する」

 

「なんですって!」

 

「ライフを無駄に払った上、切り札まで失って、今どんな気分だい?」

 

「あぁ、いじわる……」

 

あれ?俺こんなキャラだっけ。また雪乃に影響されたか……

 

「で、でもボウヤのモンスターも0よ。カードを1枚伏せてターン終了」

 

「効果で生け贄にした《スターダスト・ドラゴン》はエンドフェイズにフィールドに舞い戻る」

 

「そ、そんな……」

 

「俺のフィールドのモンスターがなんだって?」

 

「酷いわ……カードを1枚セットね、ターンを終了」

 

 

雪乃

LP800

手札 0

モンスター なし

魔法・罠 セット×1

 

 

6ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《スターダスト・ドラゴン》で攻撃!」

 

「調子に乗らないで、罠発動《次元幽閉》攻撃モンスターを除外するわ」

 

 

次元幽閉

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

その攻撃モンスター1体をゲームから除外する。

 

 

「破壊ではない除外よ。これなら《スターダスト・ドラゴン》の効果は使えないわ」

 

「甘いよ雪乃。俺が対策してないと思った?《禁じられた聖槍》発動」

 

 

禁じられた聖槍

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は800ポイントダウンし、

このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。

 

 

「このカードの効果により《スターダスト・ドラゴン》は《次元幽閉》の効果は受けない!」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→1700

 

「そ、そんな……」

 

「雪乃、君の戦術はなかなか良かったよ。でも、俺には一歩及ばなかったね。《スターダスト・ドラゴン》でプレイヤーにダイレクトアタック!」

 

「きゃっああああ!!」

 

雪乃LP800→0

 

 

Winコナミ

 

 

「私の負けね」

 

「いや、雪乃もなかなか強かったよ」

 

倒れている雪乃に手を差し伸べながら言った。

 

「ふふ、よく言うわよ、終始私のフィールドを制圧してたじゃない」

 

雪乃も俺の手を取り立ち上がりながら言った。

 

「いやいや、《スターダスト・ドラゴン》の効果が知られていたら、もっと別な結果があったと思うぞ」

 

「でも今のコナミ、なかなか素敵だったわよ」

 

「ん、今コナミって言った?俺はボウヤからランクアップしたのか」

 

「ええ、デュエル中のコナミはとても凛々しかったわ。だからこれは私からのご褒美」

 

「いや、できれば今のデュエル中の俺は忘れてくれ。変なスイッチ入ってたし」

 

「あら、そこが良かったのに。ふふっ、ところでコナミはいったい何を命令するのかしら?」

 

「命令?……そういや、そんこと言ってたな……」

 

完全に忘れてた。

 

「一先ず保留してもらっていいか、ジックリ考えておきたいから」

 

やば、さっきの感じが抜けてなかった。ちょっとS顔だったかも。

 

「うぅ、仕方ないわね……」

 

少し顔を紅らめながら雪乃が頷いた。意外な反応だ。

 

「すいません、そろそろ次の試合を始めたいんで」

 

「あ、すいません。ほら、いくぞ」

 

そう言って俺は雪乃に手をだした。

 

「ええ……」

 

雪乃は俺の手を取ってゆっくり立ち上がり、俺の手を握ったまま、リングを去って行った。

 

 



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第五話 お嬢様とアンティな朝を

 

 

sideコナミ

 

 

試験を終え一段落した翌日のこと、

 

ドンドンドンッ

 

激しくドアを叩かれる音で目覚めた。誰だよこんな時間から。

 

「はいはーい、開いてますよー」

 

ベットで上半身を上げた状態で呼びれた。

 

「ごきげんよう、オシリスレッドの庶民」

 

扉の先には青い髪を靡かせたオベリスクブルーの制服を着た少女がいた。

 

「何かご用でしょうか?」

 

「やっと見つけましたわよ、あなたがコナミね」

 

「ああ」

 

「入学式であなたの話を聞いてから、ラーイエローと念のためオベリスクブルーをくまなく探しましたが、一向に見つかりませんでした。どおりで見つからないわけですよ。オシリスレッドにいるのだから」

 

よく喋る女だ。こっちは生返事しかしてないというのに。

 

「……で要件は?」

 

「そうでしたわ。あなたの持つシンクロモンスターとやらを見せてもらってもよろしいかしら?」

 

「ああ、構わないが」

 

そう言って俺はカードを手渡した。全部ではなく、すぐそばにあった2枚だけだが。

 

「これがシンクロモンスター。ねえあなた、このカード私に譲ってくださらない?」

 

「はい?」

 

何を言い出すんだこの女は?まあ回りくどく言うやつよりはストレートでましだが。

 

「もちろんただとは言わないわ。あなたが望むだけの財産を与えるわ」

 

「……魅力的な提案ではあるが、このカードは金には変えられないんだよ。キミもデュエリストならわかるだろ」

 

「……」

 

あれ?こういう金持ちって自分の思い通りにならないと、『なんで』って喚きだすイメージがあったが、

 

「でしょうね。あなたが捻くれた人物というのは噂で聞いていましたから、お金を掲げたぐらい解決するとは思っていませんでしたわ」

 

意外だ。金持ちって金で全てが解決すると考えてるもんだと思ったが、結構あっさり引いてくれるんだな。

 

「……要件が済んだなら引き取ってもらっていいかな」

 

「デュエルしましょう」

 

「は?」

 

「ここはアカデミアでは何事もデュエルで決めるもの。あなたのシンクロモンスターを掛けてデュエルしましょう」

 

前言撤回、金持ちは横暴だ。

 

「断る。俺にメリットがない」

 

「もちろん、あなたが勝った場合の事も考えていますわ」

 

「というと?」

 

「あなたが勝ったら、このわたくしがあなたの言うことをなんでも1つだけ聞いてあげますわ」

 

うわ、なんかすごく聞いたことシチュエーションなんだが。

 

「さあ、どうでしょうか」

 

この感じ、雪乃の勝っても負けてもいいって感じではなく、自分が負けることなんて考えてないって感じだ。こういうやつの鼻を明かすのも面白い。

 

「いいよ、受けて立とうじゃないか」

 

「そう来なくては」

 

 

 

俺はこの女に連れられ海岸まで来た。レッド寮の前でいいかと聞いたが?庶民の見世物になるのは嫌だということでここに来た。

 

「なるほど、確かにここなら人はあまり」

 

「あうぅ~、ツァンさん、待ってください―」

 

「もう、僕についてこないでよぉ」

 

前言撤回、すごく聞き覚えがある声がした。なんかもめてる気がするが、どうせ素直じゃないツァンにゆまが直球で当たってるんだろ。

 

「あ、コナミさんです。それとえっと?どなたでしょうか?」

 

ああ、そう言えば俺もこいつの名前聞いてなかった。

 

「海野幸子、海野財閥の令嬢で世界でも5本の指に入る大富豪よ」

 

ツァンがゆまに説明した。ついでに俺も理解した。

 

「あら、ギャラリーが2人だけいるようですが、あなたの知り合いでもあるようですし、まあいいでしょう」

 

「え?コナミさん何かするのですか?」

 

「ああ、これからこいつとデュエルするんだ、シンクロモンスターを賭けて」

 

「え?本当に」

 

「ええ、それと庶民、わたくしはこいつではなく海野幸子という名前があるの」

 

「それは失礼海野さん。それじゃあ、始めようか」

 

「ふふ、たっぷりわからせてあげる」

 

 

「「デュエル」」

 

 

「先攻はあなたからでいいわ」

 

「そりゃどうも」

 

1ターン目:コナミ

 

「俺のターン、効果により《ジャンク・フォワード》を手札から特殊召喚」

 

 

ジャンク・フォアード

効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻 900/守1500

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「《ニトロ・シンクロン》を通常召喚」

 

 

ニトロ・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星2/炎属性/機械族/攻 300/守 100

このカードが「ニトロ」と名のついたシンクロモンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「さらに魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動。手札のボルトヘッジホッグを捨て、レベル1のチューニング・サポーターを特殊召喚」

 

 

ワン・フォー・ワン

通常魔法

手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

チューニング・サポーター

効果モンスター

星1/光属性/機械族/攻 100/守 300

このカードをシンクロ召喚に使用する場合、

このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。

このカードがシンクロモンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「レベル3の《ジャンク・フォアード》と効果でレベル2扱いとする《チューニング・サポーター》にレベル2の《ニトロ・シンクロン》をチューニング」

 

☆2+☆3+☆2=☆7

 

「集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ、《ニトロ・ウォリアー》」

 

 

ニトロ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星7/炎属性/戦士族/攻2800/守1800

「ニトロ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

自分のターンに自分が魔法カードを発動した場合、そのターンのダメージ計算時のみ

1度だけこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする。

このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、

相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を攻撃表示にして

そのモンスターを続けて攻撃する事ができる。

 

 

「来ましたね、シンクロモンスター」

 

「《ニトロ・シンクロン》の効果で1枚ドロー。《チューニング・サポーター》でもう1枚ドロー。これでターン終了」

 

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター ニトロ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 なし

 

 

2ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン、フィールド魔法《伝説の都 アトランティス》を発動」

 

 

伝説の都 アトランティス

フィールド魔法

このカードのカード名は「海」として扱う。

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上の水属性モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。

また、お互いの手札・フィールド上の水属性モンスターのレベルは1つ下がる。

 

 

「御出でなさい《水陸両用バグロス Mk-3》を通常召喚」

 

 

水陸両用バグロス Mk-3

効果モンスター

☆4/水属性/機械族/攻1500/守1300

「海」がフィールド上に存在する限り、

このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。

 

 

《水陸両用バグロス Mk-3》 ATK1500→1700

 

「《水陸両用バグロス Mk-3》で攻撃!」

 

「俺のフィールドに《ニトロ・ウォリアー》がいるのに攻撃だと?」

 

「これだから庶民は。《水陸両用バグロス Mk-3》はフィールドに《海》が存在するとき、相手プレイヤーに直接攻撃できるわ」

 

「なるほど……《伝説の都 アトランティス》は《海》として扱うカード……」

 

「さあ、優雅に。《水陸両用バグロス Mk-3》でダイレクトアタック!」

 

「ぐぅう」

 

コナミLP4000→2300

 

「カードを1枚伏せターン終了」

 

 

 

幸子

LP4000

手札 3

モンスター 水陸両用バグロス Mk-3(攻)

魔法・罠 伝説の都 アトランティス

     セット×3

 

3ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《ジャンク・ブレーダー》を召喚」

 

 

ジャンク・ブレーダー

効果モンスター

☆4/地属性/戦士族/攻1800/守1000

自分の墓地に存在する「ジャンク」と名のついた

モンスター1体をゲームから除外する事で、

このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで400ポイントアップする。

 

 

「《ジャンク・ブレーダー》の効果発動。《ジャンク・フォワード》を除外し攻撃力を400アップさせる」

 

《ジャンク・ブレーダー》 ATK1800→2200

 

「《ジャンク・ブレーダー》で《水陸両用バグロス Mk-3》を攻撃」

 

「くぅう、所詮は五流ね」

 

幸子LP4000→3500

 

「さらに《ニトロ・ウォリアー》でプレイヤーに直接攻撃」

 

「貧相ね。罠発動《ガード・ブロック》戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローするわ」

 

 

ガード・ブロック

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「そうか……カードを1枚伏せターン終了」

 

 

コナミ

LP2300

手札 3

モンスター ニトロ・ウォリアー(攻)

      ジャンク・ブレーダー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

 

side幸子

 

4ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン」

 

どうやら噂通りの展開力の持ち主だったようね。相手にとって不足が無くていいわ。

 

「わたくしの手足です《水陸両用バグロス Mk-3》を除外し《水の精霊 アクエリア》を特殊召喚」

 

 

水の精霊 アクエリア

効果モンスター

☆4/水属性/水族/攻1600/守1200

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地に存在する水属性モンスター1体をゲームから除外した場合に特殊召喚する事ができる。

相手のスタンバイフェイズ毎に、相手フィールド上に表側表示で

存在するモンスター1体を選択し、表示形式を変更する事ができる。

そのモンスターはこのターン、表示形式を変更する事ができない。

 

 

「お父様からのプレゼント《水の精霊 アクエリア》を生贄に、《伝説の都 アトランティス》の効果でレベル6となった《海竜(リバイアサン)ーダイダロス》を召喚」

 

 

海竜(リバイアサン)ーダイダロス

効果モンスター

☆7/水属性/海竜族/攻2600/守1500

自分フィールド上に存在する「海」を墓地に送る事で、

このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する。

 

 

海竜ーダイダロス ATK2600→2800

 

「攻撃力2800、攻撃力は《ニトロ・ウォリアー》と互角だが、確かそいつの効果は」

 

「知っているようね。なら話は早いわ。《伝説の都 アトランティス》を墓地に送り、《海竜ーダイダロス》以外のカードを全て破壊するわ」

 

「罠カード《和睦の使者》をチェーン発動。このターンのダメージを0にする」

 

 

和睦の使者

通常罠

このカードを発動したターン、相手モンスターから受ける

全ての戦闘ダメージは0になる。

このターン自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

ぐぅぅ、フリーチェーンとは、わたくしに逆らうなんていい度胸じゃない!

 

「カードを2枚伏せターンエンド!」

 

 

幸子

LP3500

手札 1

モンスター 海竜ーダイダロス(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

5ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、魔法カード《調律》発動」

 

 

調律

通常魔法

自分のデッキから「シンクロン」と名のついたチューナー1体を

手札に加えてデッキをシャッフルする。

その後、自分のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。

 

 

「《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップのカードを墓地へ送る」

 

墓地に送られたカードはどうやら罠カードのようね。これなら効果が発動するようなことは…

 

「《リミッター・ブレイク》の効果により、デッキから《スピード・ウォリアー》を特殊召喚」

 

 

 

リミッター・ブレイク

通常罠

このカードが墓地へ送られた時、

自分の手札・デッキ・墓地から「スピード・ウォリアー」1体を特殊召喚する。

 

 

スピード・ウォリアー

効果モンスター

☆2/風属性/戦士族/攻 900/守 400

このカードの召喚に成功したターンの

バトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。

このカードの元々の攻撃力はバトルフェイズ終了時まで倍になる。

 

 

ぼ、墓地から…

 

「墓地からトラップですって!」

 

わたくしとしたことが、思わず声を上げて叫んでしまいましたわ。

 

「墓地からですか!」

 

「墓地からトラップなんて!」

 

他の2人も同じようね。

 

「《ロード・シンクロン》を通常召喚」

 

 

ロード・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

☆4/光属性/機械族/攻1600/守 800

このカードを「ロード・ウォリアー」以外のシンクロ素材とする場合、

このカードのレベルを2つ下げたレベルとして扱う。

このカードが攻撃した場合、そのダメージステップ終了時に

このカードのレベルをエンドフェイズ時まで1つ上げる。

 

 

「墓地の《ボルトヘッジホッグ》の効果発動。チューナーモンスターがいるとき墓地から特殊召喚できる」

 

 

ボルト・ヘッジホッグ

効果モンスター

☆2/地属性/機械族/攻800/守800

自分のメインフェイズ時、このカードが墓地に存在し、

自分フィールド上にチューナーが存在する場合、

このカードを墓地から特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 

 

また3体のモンスターが、なんて展開力なの……

 

「いくよ、レベル2の《スピード・ウォリアー》とレベル2の《ボルトヘッジホッグ》にレベル4の《ロード・シンクロン》をチューニング」

 

☆4+☆2+☆2=☆8

 

「集いし希望が新たな地平へいざなう。光さす道となれ!シンクロ召喚!駆け抜けろ、《ロード・ウォリアー》」

 

 

ロード・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

☆8/光属性/戦士族/攻3000/守1500

「ロード・シンクロン」+チューナー以外のモンスター2体以上

1ターンに1度、自分のデッキからレベル2以下の

戦士族または機械族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 

 

「バトル《ロード・ウォリアー》で《海竜ーダイダロス》を攻撃」

 

「まあ、浅ましい。罠カード発動《ポセイドンウェーブ》。この効果で《ロード・ウォリアー》の攻撃を無効にし、 あなたに800のダメージを与えるわ」

 

 

ポセイドンウェーブ

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

相手モンスター1体の攻撃を無効にする。

自分フィールド上に魚族・海竜族・水族モンスターが表側表示で存在する場合、

その数×800ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

 

「ぐぁ」

 

コナミLP2300→1500

 

「《ロード・ウォリアー》の効果発動。デッキからレベル2の戦士族モンスター《マッシブ・ウォリアー》を守備表示で召喚」

 

 

マッシブ・ウォリアー

効果モンスター

☆2/地属性/戦士族/攻 600/守1200

このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

 

「カードを1枚伏せターン終了」

 

 

コナミ

LP1500

手札 2

モンスター ロード・ウォリアー(攻)

      マッシブ・ウォリアー(守)

魔法・罠 セット×1

 

 

6ターン目:幸子

 

 

いくらモンスターを展開しようと、わたくしの切り札がいる限り、すぐに葬って差し上げますわ!

 

「わたくしのターン、綺麗でしょ。永続罠《忘却の海底神殿》を発動」

 

 

忘却の海底神殿

永続罠

このカードがフィールド上に存在する限り、

このカードのカード名は「海」として扱う。

1ターンに1度、自分フィールド上の

レベル4以下の魚族・海竜族・水族モンスター1体を

選択してゲームから除外できる。

自分のエンドフェイズ時、この効果で除外したモンスターを特殊召喚する。

 

 

「そのカードも《海》として扱うカード……」

 

「その通り。《海竜ーダイダロス》の効果発動。《忘却の海底神殿》を墓地に送り《海竜ーダイダロス》以外のカードを全て破壊するわ」

 

「その効果にチェーンして、手札の《エフェクト・ヴェーラー》の効果発動。このカードを墓地に送り、《海竜ーダイダロス》の効果を無効にする」

 

 

エフェクト・ヴェーラー

チューナー(効果モンスター)

☆1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードを手札から墓地へ送り、

相手フィールド上の効果モンスター1体を選択して発動できる。

選択した相手モンスターの効果をエンドフェイズ時まで無効にする。

この効果は相手のメインフェイズ時にのみ発動できる。

 

 

きぃー、なんてこと!でもまだ終わらないわよ!

 

「魔法カード《アクアジェット》発動。《海竜ーダイダロス》の攻撃力を1000ポイントアップさせるわ」

 

 

アクアジェット

通常魔法

自分フィールド上の

魚族・海竜族・水族モンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。

 

 

「でたー!幸子さんのマジックコンボ!」

 

「ゆ、ゆま、どうしたの急に?」

 

「いや、お約束かと思いましてー」

 

いつもわたくしの崇拝者が行う喝采が聞こえてきましたわね。あんな庶民でも雰囲気は読めるようですわね。

 

「バトル、すなわち戦闘!ありがたく頂戴しなさい!《海竜ーダイダロス》で《ロード・ウォリアー》を攻撃!」

 

「ぐわぁ!」

 

コナミLP1500→900

 

「カードを1枚セット。ターンエンド!」

 

 

 

幸子

LP3500

手札 0

モンスター 海竜ーダイダロス(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

 

 

sideコナミ

 

 

7ターン目:コナミ

 

 

攻撃力3600の破壊効果持ちか、最低でもこいつだけはこのターンで何とかしないとまずいだろうな。

 

「俺のターン、魔法カード《貪欲な壺》を発動。墓地の《ニトロ・シンクロン》《ニトロ・ウォリアー》《ジャンク・ブレーダー》《ロード・シンクロン》《ロード・ウォリアー》の5枚をデッキに戻し、2枚ドロー」

 

 

貪欲な壺

通常魔法

自分の墓地のモンスター5体を選択して発動できる。

選択したモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。

その後、デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

「《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で《スピード・ウォリアー》特殊召喚」

 

 

ジャンク・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

☆3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する

レベル2以下のモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。

 

 

「効果で手札の《ブースト・ウォリアー》を特殊召喚」

 

 

ブースト・ウォリアー

効果モンスター

☆1/炎属性/戦士族/攻 300/守 200

自分フィールド上にチューナーが表側表示で存在する場合、

このカードは手札から表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分フィールド上に表側表示で存在する戦士族モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。

 

 

「レベル2の《マッシブ・ウォリアー》とレベル2の《スピード・ウォリアー》とレベル1の《ブースト・ウォリアー》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

 

☆3+☆2+☆2+☆1=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

☆8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

「フィールド上のカードを破壊する効果」を持つ魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし破壊する。

この効果を適用したターンのエンドフェイズ時、この効果を発動するためにリリースされ墓地に存在するこのカードを、

自分フィールド上に特殊召喚できる。

 

 

「綺麗な竜ね……でもそのモンスターじゃ《海竜ーダイダロス》には到底及ばないわ」

 

「分かっている。罠カード発動《シンクロ・ストライク》」

 

 

シンクロ・ストライク

通常罠

シンクロ召喚したモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで、

シンクロ素材にしたモンスターの数×500ポイントアップする。

 

 

「《スターダスト・ドラゴン》のシンクロ素材は4体。よって攻撃力は2000アップ!」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→4500

 

これで《海竜ーダイダロス》の攻撃力は上回った。あとはあの伏せカードが俺の思い通りなら…

 

「《スターダスト・ドラゴン》で《海竜ーダイダロス》を攻撃」

 

「お馬鹿さん!リバースカードオープン《ポセイドンウェーブ》!《スターダスト・ドラゴン》の攻撃を無効にして800のダメージよ!」

 

「うわぁ」

 

コナミLP900→100

 

「残念だったわね。これで《スターダスト・ドラゴン》は攻撃することなく攻撃力が戻り、《海竜ーダイダロス》で攻撃すればわたくしの勝利ですわ!」

 

説明は死亡フラグだよ、海野さん。

 

「速攻魔法発動《ダブル・アップ・チャンス》。《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を倍にし、もう1度バトルを行う」

 

 

ダブル・アップ・チャンス

速攻魔法

モンスターの攻撃が無効になった時、

そのモンスター1体を選択して発動できる。

このバトルフェイズ中、

選択したモンスターはもう1度だけ攻撃できる。

その場合、選択したモンスターはダメージステップの間、攻撃力が倍になる。

 

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK4500→9000

 

「攻撃力9000ですって!」

 

「《スターダスト・ドラゴン》で《海竜ーダイダロス》を攻撃」

 

「あああぁぁぁぁ!」

 

幸子LP3500→0

 

 

Winコナミ

 

 

「大丈夫か?」

 

「きぃぃぃ!わたくしが、負けるだなんて」

 

やっぱこいつは単なる自信家だったようだ。

 

「そう悔しがるなよ、いいデュエルだったよ」

 

「くぅ……庶民に慰めるなんて屈辱ですわ。ですが、敗者が何を語っても負け犬の遠吠え。その言葉は素直に受け取りますわ……ありがとう」

 

「ああ、でも約束は忘れないでよ」

 

「あ……そうでした」

 

思い出した海野が俺を卑猥な物を見る目で見てきた。

 

「あんた、幸子ともそんな約束を」

 

「え?何かあったのですか?」

 

「くっ、約束した以上仕方ありませんわ。さ、さあ、なんでも言いなさい」

 

一応最低限のプライドはあるのか震えながら海野が言ってきた。

 

「いいよ今は。じっくり考えさせてもらうから」

 

あ、やばい、またS顔になってたかも。

 

「くぅぅ」

 

それが屈辱的だったのか海野は赤くなりながら顔を伏せていた。

 

「とりあえず、俺はもう帰らせてもらうよ」

 

「え、帰っちゃうの……」

 

「コナミさん、今日は何か用事が?」

 

「いや、2度寝。突然起こされたからまだ寝たりないんだよ」

 

そう言い残して俺は3人に背を向けた。

 

「なによ、つれないわね……」

 

「えっと、おやすみなさい。でいいのかな?」

 

「寝起きの庶民に負けるなんて、屈辱ですわ……」

 

3人の少女に見送られながら。俺は寮へと帰還した。



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第六話 情けは自分のためならず

 

 

 

 

sideコナミ

 

 

海野とのデュエルから数時間後、2度寝した俺が起床したのはもうお昼過ぎだった。

まだ少し眠いが、さすがに起きないと休みが終わり授業が始まってから響く。

眠気を覚ますには日の光を浴びるのが1番と最近知った。単に太陽に免疫がなかっただけかもしれないが

 

「うんしょ、よいしょ」

 

下を見るとなんか大きなダンボールを持ったアムナエル……もとい大徳寺先生だっけ。

あの人の事も三幻魔の事も俺が解決することではないが、今はなんとなく気分がいい。少しトークしてみるか。

俺は大徳寺先生に声をかけるため、寮を駆け降りた。

 

「先生、何してんですか?」

 

「おや、君から声をかけるなんて珍しいニャ。これを本土の中等部に届けるところニャ」

 

「なんですかこれ?」

 

中をのぞくと大量のカードが入っていた。

 

「うわ、これはまたずいぶん大量に」

 

「いやいや、これもう1箱あるニャ」

 

大徳寺先生が後ろを向いて言った。たしかに後ろの方にもう1箱見えた。

 

「なら手伝いましょうか」

 

「お、いいのかニャ、そうしてくれると助かるよ」

 

 

 

「いやー、コナミ君のおかげで助かったニャ。お礼と言ってはなんだけど、ほしいカードがあったら持って行ってもいいニャ」

 

「それはそれは、ありがとうございます」

 

とはいっても、殆どが大した効果のないノーマルカードじゃ、ん?《ダメージ・ダイエット》このカードは初めて見るな。なになに?

 

「墓地からトラップだと!?」

 

思わず声を上げてしまったが、よく考えたら俺も《スキル・サクセサー》ってやつ持ってたな。だが面白いからこれはもらっておこう。

他には、《黒き森のウィッチ》《八汰烏》《大寒波》禁止カード混じってるが、大丈夫か?間違って使われたりしないのか?

いや、《大寒波》はまだ禁止ではなかったか、モンスターを軸とした魔法・罠カードに頼らずに戦うデッキがあまり注目されてない時代だからな。せっかくだからこれももらっておくか。

 

「じゃ、この2枚はありがたくもらっておきますね」

 

「ありゃー、2枚でいいのかニャ?遠慮しなくてもいいのに」

 

「いえ、これで十分ですよ」

 

「じゃあ、私はこれを船に運んでくるニャ」

 

船に向かう大徳寺先生を見送り、俺は帰ろうとした。

 

「きゃぁぁぁーー!」

 

「え?」

 

突然後ろから悲鳴が聞こえたと思ったら、俺に激突してきた。

 

「いたたた……はう!大丈夫ですか!?」

 

声の主はゆまだった。

 

「ああ、俺は平気だが、」

 

「だ、大丈夫……って、なんであんたがいるの?」

 

少し遅れてツァンが来た。

 

「なんでって、カードを運んでたんだが、ツァンは?」

 

「ゆまとデュエルしてただけだよ」

 

「はい、負けてしまいましたが、それよりコナミさんのカードが」

 

ぶつかった衝撃で俺のデッキがバラバラに散らばっていた。

 

「すいません、すぐに集めますね」

 

「もう……しょうがないね」

 

2人も手伝ってくれたので散らばったカードはすぐに集まった。

 

「おや?私がいない間にお楽しみだったかな?」

 

「教師が何を考えてるんですか。近くでデュエルしてたんで声かけただけですよ」

 

まあ若干違うけど。

 

「冗談ニャ。それじゃあ、ほんとに助かったニャ」

 

そう言い残して大徳寺先生はもう1つの段ボールを持って船の方へ去って行った。

 

「ところで2人はなんでデュエルしてたんだ?」

 

「そ、それは……」

 

「これを賭けていたんです」

 

そう言ってゆまはパンを1個取り出した。

 

「ドローパン?」

 

「はい!黄金のプリンパンです」

 

そう言えば聞いたことがある。アカデミアで1日1個だけ生まれる黄金のタマゴ、

それを使用した黄金のタマゴパンなるものがあるが、

さらに期間限定でそのタマゴを使用して作った黄金のプリンパンになる時期があると。

 

「ようやく引き当てることができたのです。それでこのパンをずっと食べたがっていたツァンさんと一緒に食べようと思って声をかけたのですが、断られてしまいました」

 

うん、容易に想像できるな。

 

「でも、一緒に食べた方が絶対おいしいのでデュエルを申し込んだのです。私が勝ったら一緒に食べましょうって」

 

……普通逆だろ。まあ、ゆまらしいちゃらしいけどさ。そう言えばさっき会ったときなんかもめてたっけ、これが原因だったのか。

 

「と、とにかく僕が勝ったんだからもうどこか行ってよね」

 

「そう…ですよね……」

 

「……」

 

「うぅ……」

 

「……あーもう!そんな悲しそうな顔をしないでよ!」

 

「はぅぅ……」

 

「もういいわよ!……一緒に食べてあげるから」

 

あ、ツァンがディレた。

 

「本当ですか!ありがとうございます!」

 

嬉しそうにゆまはツァンに千切ったパンを渡した。渡したパンが少し小さい気がするが、まあ俺には関係ないし、帰るとするか。

 

「待ってください、コナミさんも一緒に食べましょうよ」

 

さらに半分に千切ったパンを俺に差し出しながらゆまが言った。

しかし、なんて屈託のない笑顔っ!こんなの断るなんて無理だろ。そりゃツァンもディレるわけだ。

 

「ああ、ありがとう」

 

思わず受取っちまったよ。結局俺も2人と一緒にパンを食べた。確かにパンは絶品だった。

 

「ん~おいひぃーですぅ」

 

「んんっ、僕これ好きだな」

 

その後とくに何かあるわけでもなく、少し話して解散となった。

だが、この時気づいていれば、翌日のあの事態は避けられたかもしれない。

 

 

 



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第七話 失われた星屑

 

 

 

 

sideコナミ

 

 

翌日

 

「今日の実技授業は、レッド・イエロー・ブルー合同で行うノーネ!名前を呼ばれた者から始めルーノ!」

 

合同授業か、こういうのは自分の番が来るまでは結構暇だからいいな。合同だけあって、雪乃やゆま、ツァンの姿も見える。

海野や紫は見えないが、まあ全員同じ授業を受けるわけじゃないし、当然といや当然か。

 

「次、オシリスレッドのコナミ!フィールドに上がるノーネ!」

 

ああ、ようやく俺の番か。相手オベリスクブルーか?だったら面倒だな。

 

「あれ?コナミさんが相手なのですか!」

 

「ゆま、お前だったのか」

 

なんか今の言い方だと、食料を恵んでくれたゆまを猟銃で撃ったあとみたいだな。

 

「うふ、よろしくお願いします」

 

やっぱ屈託のない笑顔っ!まあだからと言って手加減するつもりはないが。

 

「ああ、いいデュエルにしよう」

 

 

「「デュエル!」

 

 

1ターン目:ゆま

 

 

「私の番からですね。《E・HERO フォレストマン》を守備表示で召喚です。カードを1枚伏せてターン終了です」

 

 

E・HERO フォレストマン

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1000/守2000

1ターンに1度、自分のスタンバイフェイズ時に発動する事ができる。

自分のデッキまたは墓地に存在する「融合」魔法カード1枚を手札に加える。

 

 

ゆま

LP4000

手札 4

モンスター E・HERO フォレストマン(守)

魔法・罠 セット×1

 

 

2ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン」

 

この手札ではシンクロ召喚はできないな。このターンは様子見だな。

 

「《ドッペル・ウォリアー》を守備表示で召喚。カードを1枚伏せターン終了」

 

 

ドッペル・ウォリアー

効果モンスター

星2/闇属性/戦士族/攻 800/守 800

自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功した時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

このカードがシンクロ召喚の素材として墓地へ送られた場合、

自分フィールド上に「ドッペル・トークン」

(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター ドッペル・ウォリアー(守)

魔法・罠 セット×1

 

 

3ターン目:ゆま

 

 

「こぼさないように、私のターン、《フォレストマン》の効果発動です。デッキから《融合》を手札に加えます」

 

《融合》、《E・HERO》のキーカードがきたか。

 

「魔法カード《精神操作》を発動です。コナミさんの《ドッペル・ウォリアー》のコントロールを貰い受けます」

 

 

精神操作

通常魔法

相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスターのコントロールを得る。

この効果でコントロールを得たモンスターは攻撃宣言できず、リリースする事もできない。

 

 

「そして魔法カード《融合》を発動です」

 

 

融合

通常魔法

手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた

融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を

エクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

「手札の《E・HERO レディ・オブ・ファイア》とフィールドの《ドッペル・ウォリアー》で融合召喚。私のもとに、《E・HERO エスクリダオ》を融合召喚」

 

 

E・HERO エスクリダオ

融合・効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2000

「E・HERO」と名のついたモンスター+闇属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在する

「E・HERO」と名のついたモンスターの数×100ポイントアップする。

 

 

「効果で攻撃力がアップします」

 

《E・HERO エスクリダオ》ATK2500→2600

 

俺のモンスターを奪いつつ融合召喚とは、やるな。

 

「バトルです。え、えーい!《E・HERO エスクリダオ》でダイレクトアタックです!」

 

「罠カード発動《攻撃の無敵化》このバトルフェイズ中のダメージを0にする」

 

 

攻撃の無敵化

通常罠

バトルフェイズ時にのみ、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターはこのバトルフェイズ中、

戦闘及びカードの効果では破壊されない。

●このバトルフェイズ中、自分への戦闘ダメージは0になる。

 

 

「あうぅ……通りませんでしたか。これでターンエンドです」

 

 

ゆま

LP4000

手札 3

モンスター E・HERO エスクリダオ(攻)

      E・HERO フォレストマン(守)

魔法・罠 セット×1

 

 

4ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、手札の《レベル・ウォリアー》をレベル4として特殊召喚」

 

 

レベル・ウォリアー

効果モンスター

星3/光属性/戦士族/攻 300/守 600

フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル2モンスターとして手札から召喚する事ができる。

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル4モンスターとして手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「次に魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動。手札の《ソニック・ウォリアー》を捨て、デッキから《チューニング・サポーター》を特殊召喚」

 

 

ワン・フォー・ワン

通常魔法

手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 

チューニング・サポーター

効果モンスター

星1/光属性/機械族/攻 100/守 300

このカードをシンクロ召喚に使用する場合、

このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。

このカードがシンクロモンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「最後に《ニトロ・シンクロン》を召喚」

 

 

ニトロ・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星2/炎属性/機械族/攻 300/守 100

このカードが「ニトロ」と名のついたシンクロモンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「レベル4の《レベル・ウォリアー》と効果でレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル2の《ニトロ・シンクロン》をチューニング」

 

☆2+☆4+☆1=☆7

 

「集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ、《ニトロ・ウォリアー》」

 

 

ニトロ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星7/炎属性/戦士族/攻2800/守1800

「ニトロ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

自分のターンに自分が魔法カードを発動した場合、そのターンのダメージ計算時のみ

1度だけこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする。

このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、

相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を攻撃表示にして

そのモンスターを続けて攻撃する事ができる。

 

 

「《ニトロ・シンクロン》の効果で1枚ドロー。《チューニング・サポーター》でもう1枚ドロー。

バトル、ニトロ・ウォリアーでエクスリダオを攻撃」

 

「ううぅ、が、我慢我慢」

 

ゆまLP4000→3800

 

「《ニトロ・ウォリアー》の効果発動。《フォレストマン》を攻撃表示にしてもう1度攻撃する」

 

「きゃぁぁ!い、痛い、けど……」

 

ゆまLP3800→2000

 

「カードを2枚伏せてターン終了だ」

 

「コナミさんのエンドフェイズにリバースカード発動です。永続罠《リミット・リバース》。墓地の《フォレストマン》を特殊召喚です」

 

 

リミット・リバース

永続罠

自分の墓地の攻撃力1000以下のモンスター1体を選択し、

表側攻撃表示で特殊召喚する。

そのモンスターが守備表示になった時、そのモンスターとこのカードを破壊する。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。

 

 

コナミ

LP4000

手札 2

モンスター ニトロ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

5ターン目:ゆま

 

 

「コツコツ行きます、私のターンです。《フォレストマン》の効果発動です。墓地から《融合》を手札に加えます。おいで《E・HERO オーシャン》を召喚です」

 

 

E・HERO オーシャン

効果モンスター

星4/水属性/戦士族/攻1500/守1200

1ターンに1度、自分のスタンバイフェイズ時に発動する事ができる。

自分フィールド上または自分の墓地に存在する

「HERO」と名のついたモンスター1体を選択し、持ち主の手札に戻す。

 

 

「はい、魔法カード《融合》発動。《オーシャン》と《フォレストマン》で融合召喚。

私のお守りです。《E・HERO ガイア》を融合召喚」

 

 

E・HERO ガイア

融合・効果モンスター

星6/地属性/戦士族/攻2200/守2600

「E・HERO」と名のついたモンスター+地属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードが融合召喚に成功した時、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスター1体の攻撃力を半分にし、

このカードの攻撃力はその数値分アップする。

 

 

「行きます《ガイア》の効果発動です。《ニトロ・ウォリアー》の攻撃力を半分にして、《ガイア》の攻撃力をその分アップさせます」

 

《ニトロ・ウォリアー》 ATK2800→1400

 

《E・HERO ガイア》 ATK2200→3600

 

「これかな。魔法カード発動《融合回収》。墓地の《融合》と《オーシャン》を手札に加えます」

 

 

融合回収

通常魔法

自分の墓地に存在する「融合」魔法カード1枚と、

融合に使用した融合素材モンスター1体を手札に加える。

 

 

「行きます、魔法カード《融合》発動です。手札の《オーシャン》と《E・HERO フラッシュ》で融合です。私を助けて《E・HERO アブソルートZero》を融合召喚です」

 

 

E・HERO アブソルートZero

融合・効果モンスター

星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000

「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する

「E・HERO アブソルートZero」以外の

水属性モンスターの数×500ポイントアップする。

このカードがフィールド上から離れた時、

相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

 

 

「バトルです。元気を出して!《ガイア》で《ニトロ・ウォリアー》を攻撃です!」

 

「罠カード発動《ダメージ・ダイエット》このターン俺が受ける全てのダメージを半分にする」

 

 

ダメージ・ダイエット

通常罠

このターン自分が受ける全てのダメージは半分になる。

また、墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、

そのターン自分が受ける効果ダメージは半分になる。

 

 

コナミLP4000→2900

 

「通って《アブソルートZero》でダイレクトアタックです!」

 

「うぁ!」

 

コナミLP2900→1650

 

「カードを1枚伏せます。いいよね、ターンエンドです」

 

 

ゆま

LP2000

手札 0

モンスター E・HERO アブソルートZero(攻)

      E・HERO ガイア(攻)

魔法・罠 リミット・リバース

     セット×1

 

 

6ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で《チューニング・サポーター》を特殊召喚」

 

 

ジャンク・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する

レベル2以下のモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。

 

 

「《ジャンク・シンクロン》がフィールドにいることにより、効果で手札の《ジャンク・サーバント》を特殊召喚」

 

 

ジャンク・サーバント

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1500/守1000

自分フィールド上に「ジャンク」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

これで合計レベル8だ。3体で《スターダスト・ドラゴン》をシンクロ召喚し、伏せてある《シンクロ・ストライク》を発動し、攻撃が通れば俺の勝だ。

 

「いくぞ、俺はレベル1……」

 

だがここで、《スターダスト・ドラゴン》を出すためエクストラデッキを確認したのだが

 

「……ない」

 

……ないない、な~い!。《スターダスト・ドラゴン》がない。なぜだ、何処に行った。いやそれより今の状況をどうするか……完全に《スターダスト・ドラゴン》に頼ってたからな…

 

「えっと、どうかしましたか?」

 

手の止まった俺をゆまが心配そうに見てくる……仕方がない。

 

「……の《チューニング・サポーター》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

 

☆3+☆1=☆4

 

「集いし心がさらなる響きを轟かす、光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ《アームズ・エイド》」

 

 

アームズ・エイド

シンクロ・効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1800/守1200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとしてモンスターに装備、

または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。

この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、

装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。

また、装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

「《チューニング・サポーター》の効果でカードを1枚ドローする」

 

 

side雪乃

 

 

おかしいわね、今の状況なら《スターダスト・ドラゴン》を出すこともできたはず……なにかあったのかしら?

 

「レベル4のシンクロモンスター、あんなのもいたんだ」

 

ツァンは気づいてないのかしら?

 

「《アームズ・エイド》の効果発動。《ジャンク・サーバント》に装備し攻撃力を1000アップさせる」

 

《ジャンク・サーバント》 ATK1500→2500

 

「《ジャンク・サーバント》で《ガイア》を攻撃」

 

「あぅ、あれ?平気?」

 

ゆまLP2000→1700

 

あんな効果があったのね。それならこのモンスターの方がよかったかもしれないけれど、やっぱり何か釈然としないわね…

 

 

sideコナミ

 

 

「まだだ《アームズ・エイド》を装備したモンスターが相手モンスターを破壊した時、その攻撃力分のダメージを与える」

 

「ま、待ってー、罠カード発動です《リフレクト・ネイチャー》私が受けるダメージをコナミさんに与えます!」

 

 

リフレクト・ネイチャー

通常罠

このターン、相手が発動したライフポイントにダメージを与える効果は、

相手ライフにダメージを与える効果になる。

 

 

「お願い、通って!」

 

「悪いけどそうはいかない、罠カード《ダメージ・ダイエット》を墓地から発動」

 

「墓地から罠ですか!」

 

「墓地から罠ですって!」

 

「墓地から罠だなんて!」

 

「墓地から罠を発動なんてありえないーノ!」

 

「「「「「ぼぼぼ、墓地から罠だって!!」」」」」

 

「全員で口をそろえて言うようなことじゃないだろ!」

 

まあ俺も初見のとき言ってしまったが。

 

「とにかく《ダメージ・ダイエット》の効果だ。墓地のこのカードを除外することでこのターン受ける効果ダメージを全て半分にする」

 

コナミLP1650→550

 

まさか効果ダメージのメタカードだったとは、《スターダスト・ドラゴン》がいればこうはならなかったのだが……

 

「カードを1枚伏せてターン終了だ」

 

 

コナミ

LP550

手札 1

モンスター ジャンク・サーバント(攻)

魔法・罠 アームズ・エイド→ジャンク・サーバント

     セット×2

 

 

sideゆま

 

 

墓地からトラップカードなんて考えもしませんでした。でも私の有利に変わりはないはずです、このままいけば!

 

 

7ターン目:ゆま

 

 

「私のターン」

 

きました!私の切り札が!

 

「魔法カード《ミラクル・フィージョン》を発動です」

 

 

ミラクル・フュージョン

通常魔法

自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって

決められたモンスターをゲームから除外し、「E・HERO」という

名のついた融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。

(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)

 

 

「墓地から《オーシャン》と《フォレストマン》を除外して融合です。この子を信じます《E・HERO ジ・アース》を融合召喚です」

 

 

E・HERO ジ・アース

融合・効果モンスター

星8/地属性/戦士族/攻2500/守2000

「E・HERO オーシャン」+「E・HERO フォレストマン」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

自分フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO」と名のついた

モンスター1体をリリースする事で、このカードの攻撃力は

このターンのエンドフェイズ時まで、リリースしたモンスターの

攻撃力分アップする。

 

 

「《ジ・アース》の効果発動です。《アブソルートZero》を生贄にして、その攻撃力分《ジ・アース》の攻撃力をエンドフェイズまでアップさせます」

 

《E・HERO ジ・アース》 ATK2500→5000

 

「攻撃力5000か……」

 

「はい!《アブソルートZero》の効果発動です。このカードがフィールドを離れたとき、相手フィールドのモンスターを全て破壊します」

 

「なるほど、ただの強化ではなくコンボ効果だったか」

 

「バトルです!思い切って―!《E・HERO ジ・アース》でダイレクトアタックです!」

 

これが通れば私の勝ちです…コナミさんに私が……

 

「罠カード発動《ガード・ブロック》この戦闘でのダメージを0にし、カードを1枚ドローする」

 

 

ガード・ブロック

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

あうぅ、また通りませんでした。やっぱりさすがです…

 

「ターンエンドです」

 

《E・HERO ジ・アース》 ATK5000→2500

 

 

ゆま

LP2000

手札 0

モンスター E・HERO ジ・アース(攻)

魔法・罠 リミット・リバース

 

 

8ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《シンクロン・エクスプローラー》を召喚。効果で《ジャンク・シンクロン》を特殊召喚」

 

 

シンクロン・エクスプローラー

効果モンスター

星2/地属性/機械族/攻 0/守 700

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する

「シンクロン」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

「レベル2の《シンクロン・エクスプローラー》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

 

☆3+☆2=☆5

 

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!」

 

 

ジャンク・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

☆5/闇属性/戦士族/攻2300/守1300

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、

このカードの攻撃力は自分フィールド上に表側表示で存在する

レベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分アップする。

 

 

《ジャンク・ウォリアー》……で、ですが、攻撃力は《ジ・アース》の方が上です。

 

「いくよ、罠カード《シンクロ・ストライク》発動。《ジャンク・ウォリアー》の素材は2体。よって攻撃力1000アップ」

 

 

シンクロ・ストライク

通常罠

シンクロ召喚したモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで、

シンクロ素材にしたモンスターの数×500ポイントアップする。

 

 

《ジャンク・ウォリアー》 ATK2300→3300

 

「攻撃力が!」

 

でもこの攻撃ではまだ私は負けもません!次のターンで何とか…

 

「さらに装備魔法《ジャンク・アタック》を《ジャンク・ウォリアー》に装備する。このカードを装備したモンスターがモンスターを破壊したとき、その攻撃力の半分のダメージを与える」

 

 

ジャンク・アタック

装備魔法

装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

「そ、そんな!」

 

「これで終わりだ、《ジャンク・ウォリアー》で《E・HERO ジ・アース》を攻撃」

 

「きゃぁ!」

 

ゆまLP1700→900

 

「そして《ジャンク・アタック》の効果で《E・HERO ジ・アース》の攻撃力の半分のダメージを与える」

 

ゆまLP900→0

 

「きゃぁぁぁーー!」

 

うう、負けちゃいました…

 

 

Winコナミ

 

 

 

sideコナミ

 

 

「勝者、シニョールコナミ!」

 

「あああう、あう、負けちゃい、ました」

 

「だがいいデュエルだった。負けることも覚悟したよ」

 

「本当ですか!?コナミさんにそう言われるなんて光栄ですぅ!」

 

俺の称賛にゆまは笑顔で喜んでくれた。しかし何度見ても屈託のない笑顔っ!

しかし《スターダスト・ドラゴン》……いったいどこへ消えたのか。

 

 

 



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第八話 帰還!集いし願いの先に

 

sideコナミ

 

 

そして放課後、まずは自分の部屋を探してみようと思い、レッド寮に帰ったところ、雪乃、ツァン、ゆまの3人が待ち伏せしていたかの様に立っていた。

 

「ねえコナミ、さっきのデュエルはどういうことだったの?」

 

「どういうことってなんだよ」

 

「さっきのデュエル、6ターン目の時点で《シンクロ・ストライク》伏せていたわよね。《スターダスト・ドラゴン》を出していたら勝てたはず、なぜそうしなかったの?」

 

うっ、さすが雪乃、気づいていたか。

 

「そうだったんですか!コナミさんもしかして私に手心を加えてくれたのですか?」

 

「いや、俺はデュエルで手を抜くようなことは決してしない、相手にも失礼だからな」

 

「じゃあどうして?」

 

下手にごまかすよりも、こいつらには本当のことを言った方がいいか。

 

「いや、実は……なくしたんだよね《スターダスト・ドラゴン》」

 

「なんだそうだったんですか……って、えー!それって大変じゃないですか!」

 

「まあ部屋の中を探せばあると思うし、そんなに心配しないでいいよ」

 

なるべく軽い口調で言い部屋に戻ろうとした。

 

「でしたら私たちも一緒に探しますよ!いいですよね?」

 

「ええ、もちろん私も手伝うわよ。コナミの部屋を隅々までかき回して」

 

「し、仕方ないな、僕も手伝ってあげるよ」

 

うーん、ゆまは完全な善意、ツァンは流されてるって感じだが、

雪乃は絶対違うこと考えてるな。まあ見られて困るものはないしいいか。

 

「ありがとう、そうしてくれると助かるよ」

 

3人にも頼み、俺の部屋を探し回ったが、

 

「だめだ、みつからない」

 

「ど、どうしましょうコナミさん……」

 

「ほんと、何もなかったわ」

 

おい雪乃、お前は何を探してた。まあ予想はしてたが。

 

「ここまで探してないとなると、ここにはないんじゃない」

 

「そう考えるのが妥当ね。コナミ、他に心当たりはないの?」

 

「と言ってもな……ああ、そう言えば昨日、1度デッキを落としたっけ」

 

「も、もしかしてあの時ですか!」

 

「あの時……!」

 

ゆまとツァンもどうやら思い出したらしい。

 

「あら、2人も関係してるの?」

 

「はい……だとしたら、私のせいで」

 

「ゆまのせいじゃないさ。とりあえず探すだけ探してみようか」

 

そして俺達4人は港に行き、再び《スターダスト・ドラゴン》を探した。

 

「あう、やっぱりありません」

 

「もしかして海に落ちたんじゃ」

 

「そうなってしまうと、もうどうしようもないわね」

 

「そんな、あのカードはコナミさんのエースモンスターなのに」

 

「……」

 

「……」

 

なんかみんなの顔が次第に暗くなってきた。これはなんか言った方がいいか……

 

「そんな顔するなよ皆。心配はいらない、俺がカードを必要としているようにカードも俺を必要としていれば、必ず戻ってくるさ」

 

さすがに臭すぎる台詞だったか。

 

「コナミさん……」

 

「ふふ、さすがコナミ、言うことが深いわね」

 

「何ちょっといいこと言っちゃってるのよ……」

 

あれ、意外と好感だった、さすが俺と同じデュエル脳だ。

 

「まあそう言うわけだからあまり心配するな。帰ってもう1度探してみたらあっさり見つかるかもしれないし」

 

「……そうね」

 

「まあ、あんたがそう言うなら」

 

「ああ、もう日も暮れてきたしみんなはもう寮に帰ってよ」

 

「私たちももう少し探しますよ」

 

「そうよ、私達に対して遠慮なんていらないわ」

 

「僕も、少しくらいなら遅くなっても」

 

「大丈夫だって、気持ちだけ受け取っておくよ」

 

 

 

 

そして数日後の休日、

3人はまだ見つからない《スターダスト・ドラゴン》を心配して休日だというのに来てくれた。

 

「毎日悪いな」

 

「それは言わない約束でしょ」

 

「僕は暇でしょうがないから来てあげただけだからね」

 

「それじゃあ今日はどこを探しましょうか」

 

……そして手分けしてお昼過ぎまで探すも結局見つからず、一旦レッド寮の前まで戻った。

 

「結局見つからなかったわね」

 

「やっぱりアカデミアにはもうないんじゃ」

 

「あ、諦めちゃだめですよ!もう1度心当たりを……」

 

「ちょっと、コナミちゃん」

 

今後について話している時に、急に声を掛けられ振り向くと、そこにいたのは購買部のトメさんと、

 

「ここにいらっしゃってくださいましたか。お会いできてよかったです」

 

病弱少女の紫だった。

 

「あなたは購買部のトメさん、えっとそちらの方は?」

 

「はい、紬紫と申します」

 

「紫ちゃんですか。初めまして宮田ゆまです。ゆまと呼んでください」

 

「それで2人はどうしてここに?」

 

「実はこれをコナミちゃんに届けようと思ってね」

 

「わたくしめにはそれが一目でとても大切な物だとわかりました」

 

「それってもしかして」

 

「はい、このカードだよ」

 

トメさんが差し出したのは《スターダスト・ドラゴン》だった。

 

「《スターダスト・ドラゴン》!」

 

「どうしてあなた達がこのカードを?」

 

「はい、そのことなのですが……」

 

「本土の方に届いたカードの中に妙なカードがあるって言って、間違って入った可能性も考慮して送り返してもらったそうだよ」

 

なるほど、あのばらまいた時に、偶然にも後ろにあったダンボールの中に入ってしまったのか。

 

「それを今朝たまたま私が受け取ったんだよ。本来なら朝1番に返しに来るべきだったんだろうけど来る途中で寄り道をしていて遅くなっちゃってね。本当にごめんね」

 

「トメ様を叱らないでください。悪いのは全てわたくしめなのです」

 

「紫ちゃん……」

 

「どうして紫ちゃんが悪いんですか?悪いのはあの時コナミさんにぶつかった私ですよ」

 

「……まあ、飛ばしたのは僕だし、僕にもちょっとは責任が……」

 

「いいえ、カードをお持ちするのが遅れたのは、わたくしめの我が儘のせい……

 わたくしめは普段から病がちなのですが、あ、病と申しましてもたいていは貧血などで……

 ですから、生死にかかるようなことはないのですが、ともかく、そのようなわけで昨日も臥せっていたのです。

 そこにトメさんが来てくださり、思いがけず《スターダスト・ドラゴン》を手に入れたと」

 

「伝えずにはいられなかったんだよ。紫ちゃんのあのカードへの思いを知っていたからね」

 

「わたくしめは飛び上がらんばかりに驚きました。いえ、とこから10センチは飛び上がっていたでしょう」

 

「……どっちだよ」

 

「と申しますのも、わたくしめは以前から《スターダスト・ドラゴン》に興味を持っていたのです。

 いえ、憧れていたと言った方が正確かもしれません」

 

「憧れていた?」

 

「はい、定期試験の時のコナミ様と雪乃様のデュエルで初めて目にした時から、あの美しいドラゴンの虜でした」

 

あのときか。そういえばあの時紫は購買部にいたっけ。ならトメさんが紫の思いを知っているのも納得だ。

 

「わたくしめも1度でよいから《スターダスト・ドラゴン》の華麗な姿をこの目で直接見てみたい……

 想像しただけで、熱は上がり、胸の鼓動は高まり……ああ、明日をも知れぬわたくしめの命……ああっ」

 

「紫ちゃん、大丈夫かい!?無理をしちゃだめだよ」

 

「うぅ、少し休んだ方がいいんじゃ」

 

「いえ……いえ、大丈夫です。最後まで、わたくしめの口から……説明させてください」

 

「……わかった。続きを話してくれ」

 

「話を聞いてわたくしめは、たまらずトメ様に頼みました。せめて、せめて一目でも……と。トメ様は、カードを見せるためにわたくしめの部屋まで寄ってくださったのです。

 ですから、遅れた責任はわたくしめにございます。この身は、煮るなり焼くなりお好きにしてくださいませ」

 

「そういうわけだったの……」

 

「でも、何かに夢中になっちゃうその気持ち、私にはわかるわよ」

 

雪乃、お前が考えてるものとはだいぶ違うと思うぞ。

 

「はい!わかります」

 

ゆま、そこは頷くとこじゃないと思うぞ。

 

「でもきみ、病気で寝てたわりにはピンピンしてるよね」

 

「それが凄いんだよ、カードを見たら、みるみる元気になっちゃたんだよ」

 

「ええ、病は気からと申しますが、わたくしめも驚きです」

 

「そうか……」

 

「コナミさん、そういうわけなら怒らないであげてください」

 

「……良かったな、元気になって」

 

「……!」

 

「えっ!?怒らないのコナミ?」

 

「なぜ俺が怒らなければいけないんだ?そんな気はないさ。カードを愛する気持ちを咎めるつもりはない。

 それになにより、カードを見て紫が元気になったのなら《スターダスト・ドラゴン》が旅に出た甲斐があったじゃないか。

 こうしてカードが戻ってきたわけだし、俺はそれで十分だ。怒る理由なんてない」

 

「コナミさん」

 

「さすがねコナミ」

 

「……」

 

「コナミ様……ありがとうございます」

 

「本当にごめんね。はい、カードだよ」

 

トメさんから俺はカードを受け取った。

 

「戻ってきてくれたか」

 

「やっぱりコナミさんにはこのカードがなくっちゃです」

 

「しかしコナミも人がいいって言うか……」

 

「でも、コナミがそう言うんじゃ私達も文句を言うわけにはいかないわ。そうよね、2人にも全く責任がないわけじゃないんだから」

 

「うっ、そうだけど」

 

「はうぅ!そうでした……すみませんコナミさん、あの時私がもっと周りを確認しておかなかったばかりに」

 

「……まあその、ごめん、なさい……」

 

「済んだことだし、もう気にするなって」

 

「それでコナミちゃん、厚かましいお願いだけど、紫ちゃんとデュエルしてもらってもいいかな?」

 

「デュエルですか?」

 

「この子は人一倍デュエルに打ち込んでいるけど、体の事もあってあまり勝負をする機会がないんだよ。それに《スターダスト・ドラゴン》の戦う姿を見せてあげたいんだよ」

 

「トメさま……」

 

「どうするのコナミ?」

 

「応えてあげましょうよ」

 

「当然だ、断る理由がないしな」

 

「ふふ、それでこそコナミね」

 

「本当によろしいのですか、光栄の至りです」

 

そして俺たちはデュエルのために、レッド寮の裏に回った。

 

「じゃ、さっそく始めようか」

 

「はい、お目汚しやも、しれませぬが……」

 

 

「「デュエル」」

 

 

「先攻は紫からどうぞ」

 

 

1ターン目:紫

 

 

「かしこまりました、わたくし目の番です。兵を《レッド・ガジェット》を攻撃表示で召喚です」

 

 

レッド・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1300/守1500

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「イエロー・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

「《レッド・ガジェット》の効果を発動いたします。デッキより《グリーン・ガジェット》を手札に加えます。札を2枚伏せます。はい、あなた様の番です」

 

 

LP4000

手札 4

モンスター レッド・ガジェット(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

2ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、俺のフィールドにモンスターがいないことにより《ジャンク・フォワード》を特殊召喚する」

 

 

ジャンク・フォアード

効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻 900/守1500

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「看破いたします。伏せた札を開示いたします。永続の罠《王宮の弾圧》この効果により、ライフポイントを800支払いモンスタアの特殊召喚を無効に致します。う……うぅ、」

 

王宮の弾圧

永続罠

800ライフポイントを払う事で、

モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む効果を無効にし破壊する。

この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。

 

 

紫LP4000→3200

 

まじか、特殊召喚メタ。こりやシンクロデッキには天敵のカードだな。

 

「《ジャンク・サーバント》を通常召喚」

 

 

ジャンク・サーバント

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1500/守1000

自分フィールド上に「ジャンク」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「その兵法は、伏せた札を開示いたします。通常の罠《サンダー・ブレイク》あなた様のカードを1枚破壊いたします」

 

 

サンダー・ブレイク

通常罠

手札を1枚捨て、フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードを破壊する。

 

 

ことごとくモンスターを……こうもモンスターの展開を阻止されたのは久しぶりだ。

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

コナミ

LP4000

手札 3

モンスター スカー・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

side雪乃

 

 

珍しいわね、コナミの展開が阻止されるなんて。普段なら後攻1ターン目のシンクロ召喚は当たり前なのに。

 

 

3ターン目:紫

 

 

「参ります、わたくしめの番です。一所懸命に《霊滅術師 カイクウ》を攻撃表示で召喚いたします」

 

 

霊滅術師 カイクウ

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 700

このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、

相手の墓地のモンスターを2体まで選択してゲームから除外できる。

また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手はお互いの墓地のカードをゲームから除外できない。

 

 

「戦闘いたします、口切を《レッド・ガジェット》で直接攻撃いたします」

 

「くっ、」

 

コナミLP4000→2700

 

「全霊をかけて《霊滅術師 カイクウ》で直接攻撃いたします」

 

「それは通さないよ、罠カード発動《コンフュージョン・チャフ》。これで攻撃対象は《レッド・ガジェット》に変更される」

 

 

コンフュージョン・チャフ

通常罠

1度のバトルフェイズ中に2回目の直接攻撃が宣言された時に発動する事ができる。

その相手モンスターは、直接攻撃した1体目の相手モンスターと戦闘しダメージ計算を行う。

 

 

「ぅぁぁ……」

 

紫LP3200→2700

 

「札を1枚伏せます。恙なく、あなた様の番です」

 

 

LP2700

手札 2

モンスター 霊滅術師 カイクウ(攻)

魔法・罠 王宮の弾圧

     セット×1

 

 

ここまで押されてるコナミは初めて見るわね。単にデッキの相性が悪いのか、それともあの紫って子が…

 

 

4ターン目:コナミ

 

「俺のターン、《マックス・ウォリアー》を召喚」

 

 

マックス・ウォリアー

効果モンスター

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 800

このカードは相手モンスターに攻撃する場合、

ダメージステップの間攻撃力が400ポイントアップする。

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

次の自分のスタンバイフェイズ時までこのカードのレベルは2になり、

元々の攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

「《マックス・ウォリアー》で《霊滅術師 カイクウ》を攻撃。効果により攻撃時に《マックス・ウォリアー》の攻撃力は400アップする」

 

《マックス・ウォリアー》 ATK1800→2200

 

「ぁぁっ」

 

紫LP2700→2300

 

「そして攻撃後《マックス・ウォリアー》の攻撃力とレベルが下がる。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

《マックス・ウォリアー》 ATK2200→900 ☆4→2

 

このターンもシンクロ召喚ができないなんて、下手をすればこのまま…私が認めた男がこんな人知れぬところで負けるなんて許さないわよ!

 

 

コナミ

LP2700

手札 2

モンスター マックス・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

 

side紫

 

 

5ターン目:紫

 

「畏まりました。わたくしめの番です」

 

コナミ様はそれはもうすさまじいモンスタアの展開力をお持ちと伺っておりましたが、

わたくしめのために遠慮してくださっているのでしょうか?

ですがわたくしめがお相手にしているのはあのコナミ様。わたくしめは手を抜くわけには行きませぬ。

 

「《イエロー・ガジェット》を召喚いたします。効果により《グリーン・ガジェット》を手札に加えさせていただきます」

 

 

イエロー・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1200/守1200

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「グリーン・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

「こちらです、永続の罠《血の代償》を発動いたします」

 

 

血の代償

永続罠

500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。

この効果は自分のメインフェイズ時及び

相手のバトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。

 

 

「《血の代償》の効果を発動いたします、ライフを500支払い、手札の《グリーン・ガジェット》を召喚いたします」

 

紫LP2300→1800

 

 

グリーン・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1400/守 600

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「レッド・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

うぅ…ライフを支払うときのこの感覚には、まだ慣れませぬが…

 

「《グリーン・ガジェット》の効果を発動いたします。デッキより《レッド・ガジェット》をもう1度手札に加えます。

 もう1度《血の代償》の効果を発動いたします、ライフを500支払い、手札の《レッド・ガジェット》を召喚いたします」

 

紫LP1800→1300

 

ライフをお支払いし、どうにかコナミ様のライフポイントを削りきるだけのモンスタアをそろえました……

 

「参ります、《グリーン・ガジェット》で《マックス・ウォリアー》を攻撃いたします」

 

「ぐぅ」

 

コナミLP2700→2200

 

「口切を《イエロー・ガジェット》で直接攻撃いたします」

 

「うっ、」

 

コナミLP2200→1000

 

この攻撃が通ればわたくしめの勝利。《スターダスト・ドラゴン》をご覧になれないのは残念でしたが、コナミ様に勝てるのならば…

 

「お覚悟を《レッド・ガジェット》で直接攻撃いたします」

 

「罠カード発動《ガード・ブロック》この戦闘でのダメージを0にし、カードを1枚ドローする」

 

 

ガード・ブロック

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

防がれてしまいましたか、さすがはコナミ様。

 

「札を1枚伏せます。恙なく、あなた様の番です」

 

 

LP1300

手札 2

モンスター レッド・ガジェット(攻)

      イエロー・ガジェット(攻)

      グリーン・ガジェット(攻)

魔法・罠 王宮の弾圧

     血の代償

     セット×1

 

 

6ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《ハイパー・シンクロン》を召喚」

 

 

ハイパー・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星4/光属性/機械族/攻1600/守 800

このカードがドラゴン族モンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターは攻撃力が

800ポイントアップし、

エンドフェイズ時にゲームから除外される。

 

 

「バトル、《ハイパー・シンクロン》で《イエロー・ガジェット》を攻撃」

 

「渾身の一手を、伏せた札を開示いたします。通常の罠《強制脱出装置》を発動いたします。《ハイパー・シンクロン》を手札に戻させていただきます」

 

 

強制脱出装置

通常罠

フィールド上のモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す。

 

 

「くっ、魔法カード《光の護封剣》を発動。3ターンの間、相手は攻撃できなくなる。カードを1枚伏せてターン終了だ」

 

 

光の護封剣

通常魔法

相手フィールド上のモンスターを全て表側表示にする。

このカードは発動後、相手のターンで数えて3ターンの間フィールド上に残り続ける。

このカードがフィールド上に存在する限り、

相手フィールド上のモンスターは攻撃宣言できない。

 

 

あのコナミ様を防戦一方に追い込んでいるなんて、考えただけで動悸が高まってしまいまする。

 

 

コナミ

LP1000

手札 2

モンスター なし

魔法・罠 光の護封剣

     セット×1

 

 

7ターン目:紫

 

 

「わたくしめの番です。光明を《魔導戦士 ブレイカー》を召喚いたします」

 

 

魔導戦士 ブレイカー

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1000

このカードが召喚に成功した時、

このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大1つまで)。

このカードに乗っている魔力カウンター1つにつき、

このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

また、自分のメインフェイズ時に

このカードに乗っている魔力カウンターを1つ取り除く事で、

フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。

 

 

「《魔導戦士 ブレイカー》は召喚に成功した時、魔力カウンタアを1つ乗せます。そして1つにつき、攻撃力が300上昇いたします」

 

《魔導戦士 ブレイカー》 ATK1600→1900

 

「肩身の1手です《魔導戦士 ブレイカー》の効果を発動いたします。魔力カウンタアを1つ取り除くことで、あなた様の魔法・罠を1枚破壊いたします」

 

《魔導戦士 ブレイカー》 ATK1900→1600

 

「なんだと、こうもあっさりロックカードを」

 

こんどこそ、わたくしめの……

 

「戦闘です。ご無礼いたします《魔導戦士 ブレイカー》で直接攻撃いたします」

 

「罠カード発動《攻撃の無敵化》このターンの戦闘ダメージを全て0にする」

 

 

攻撃の無敵化

通常罠

バトルフェイズ時にのみ、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターはこのバトルフェイズ中、

戦闘及びカードの効果では破壊されない。

●このバトルフェイズ中、自分への戦闘ダメージは0になる。

 

 

「《光の護封剣》が破壊されたときの対策もございましたとは、さすがです。3体の《ガジェット》を守備表示に変更します。札を1枚伏せます。はい、あなた様の番です」

 

 

LP1300

手札 1

モンスター 魔導戦士 ブレイカー(攻)

      レッド・ガジェット(守)

      イエロー・ガジェット(守)

      グリーン・ガジェット(守)

魔法・罠 王宮の弾圧

     血の代償

     セット×1

 

 

8ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、どうやらようやく戦闘で輝く《スターダスト・ドラゴン》を披露できそうだ」

 

なんと、フィールドにカードが1枚もあらぬこの状況から…戦いのさ中だというのに、楽しみにしてしまいます。

 

「メインフェイズの始めに、魔法カード《大寒波》を発動。このターンお互いに魔法・罠を使用できない」

 

 

大寒波

通常魔法

メインフェイズ1の開始時に発動する事ができる。

次の自分のドローフェイズ時まで、

お互いに魔法・罠カードの効果の使用及び発動・セットはできない。

 

 

「これで《王宮の弾圧》は封じた。手札の《レベル・ウォリアー》をレベル4として特殊召喚」

 

 

レベル・ウォリアー

効果モンスター

☆3/光属性/戦士族/攻 300/守 600

フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル2モンスターとして手札から召喚する事ができる。

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル4モンスターとして手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「《ハイパー・シンクロン》を召喚。レベル4の《レベル・ウォリアー》にレベル4の《ハイパー・シンクロン》をチューニング」

 

☆4+☆4=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

☆8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

「フィールド上のカードを破壊する効果」を持つ魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし破壊する。

この効果を適用したターンのエンドフェイズ時、この効果を発動するためにリリースされ墓地に存在するこのカードを、

自分フィールド上に特殊召喚できる。

 

 

「《ハイパー・シンクロン》の効果発動。このカードをシンクロ素材としたドラゴン族モンスターの攻撃力は800アップする」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→3300

 

攻撃力3300、これが《スターダスト・ドラゴン》の戦う姿…ああ、なんと美しいのでしょう……

 

「いくよ《スターダスト・ドラゴン》で《魔導戦士 ブレイカー》を攻撃」

 

「きゃぁぁぁ!」

 

紫LP1300→0

 

 

Winコナミ

 

 

 

sideコナミ

 

 

「おや、負けちゃったね紫ちゃん頑張ってたけど」

 

「ですがトメさん、わたくしめはとても清々しい気持ちです。まさかあのようなコンボで突破されるとは」

 

そう言いながら紫が伏せてたカードを取り出した。そのカードは《因果切断》だった。このターンで決めてなかったら負けてたのは俺だったか。危ない危ない。

 

「コナミ様、また何時か、わたくしめとデュエルしていただいてもよろしいでしょうか?」

 

「ああ、もちろん」

 

「ありがとうございます。本日はとても楽しゅうございました」

 

笑顔で紫が頭を下げ、トメさんと一緒に帰って行った。

 

「またです、紫さん」

 

「……このジゴロが」

 

「全く、あちこちでフラグを立てて、いけない子ね」

 

なんだか痛い視線を感じるが、まあ気にしないでいいか。《スターダスト・ドラゴン》も戻ってきたことだし。

 



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第九話 学校の怪談

 

 

sideコナミ

 

 

アカデミアに来てからそこそこ時は経ち、6月も終わりに差し掛かったころ、

熱いな、ブルーやイエローの寮とは違い、レッド寮には冷房の設備が何もない。

これはゆゆしき事態、少し直談判してみるか。

 

「大徳寺先生、レッド寮に冷房設備をください」

 

「結論から言おう、それは無理ニャ」

 

「こんなに頼んでもだめですか」

 

「そんなに頼んでないと思うニャ」

 

やはりか。まあ言ってみただけだし実際通るとは思ってなかったよ。

 

「じゃあせめて涼しくなるようなアイデアをくださいよ」

 

「涼しくなる、そうだニャ……怪談話なんてどうかニャ?」

 

「怪談話?」

 

「そだニャ、身の毛もよだつ怖ーい話をすればきっと涼しくなるニャ」

 

「怪談話か……ありだな」

 

「お役にたてて良かったニャ、それじゃ、私はこれで失礼するニャ」

 

大徳寺先生が去った後、俺はとりあえずいつものメンバーに連絡取っておくか。

 

「お待たせしました、コナミさん」

 

「あなたの方から声をかけるなんて、珍しいこともあるものね」

 

「まあ僕は暇でしょうがなかったから仕方なく来てあげただけだけど」

 

「わたくしめまでお誘いいただけるなんて、光栄です」

 

夕食が済んだ頃にに呼びかけた4人がレッド寮の前に集まった。

 

「それで、これから僕達は何をするの?」

 

「ああ、怪談だよ」

 

「階段と言いますと……デュエリストとして肉体を鍛えようということでしょうか?」

 

「いや、そっちの階段じゃなくて、怖い話って意味の方だよ」

 

「ふーん、ま、最近暑くなってきたし、気持ちは分からなくもないよ」

 

「怖い話ですか!ちょっと楽しみです!」

 

「わたくしめはさほど得意ではございませんが、コナミ様に恥じぬよう一所懸命に語らせていただきます」

 

「いや、そんな重くならなくても……ん?」

 

怖い話と言ったとたん、雪乃は顔が瞬時に青くなっていた。どうやらこういう話は苦手なようだな。

 

「あ……ごめんなさい私仕上げなければならないレポートがあったの、悪いけど今日は帰らせてもらうわ」

 

逃げる気か、俺が逃がすと思うか?

 

「レポートってあのクロノス教諭のレポートか?」

 

「そ、そうよ、クロノス教諭の……」

 

「ま、あのレポートは3日前に提出期限過ぎてるけどね」

 

「あ……」

 

墓穴を掘ったな。

 

「安心しろ、こういうのは皆でいると意外と怖くないぞ?」

 

「だ、誰が怖がっているものですか!?いいわ、私も残るわ!」

 

やはりプライドの高い雪乃を誘うのはそう難しいことではないな。

5人でセッティング済の暗い食堂に入った。と言っても蝋燭とカードの束があるだけだが。

1つしかない蝋燭を5人で囲み、目の前にはカードの束を置いている。

 

「ルールは簡単だ、5人で順番にカードをドローし、そのモンスターのレベルに合わせた怖い話をしていくんだ」

 

ちなみに大徳寺先生の入知恵です。

 

「はい!じゃあ私から行きます!」

 

 

 

「それ以降、カードに取り込まれた彼の姿を見たものはいなかった」

 

「す、すごいですコナミさん」

 

「もう、そんな本気にならなくても……」

 

「うぅ……いじわるぅ……」

 

俺が引いたのはレベル9の《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》。全員腰を抜かすような話をしたつもりだったが、

 

「……」

 

1名微動だにしない者がいた。

 

「紫ちゃんもすごいです、怖くなかったですか?」

 

「……」

 

「紫?」

 

「……」

 

「この子、気絶してるわ」

 

なんと、雪乃よりも上がいたか……

 

「おい、紫?」

 

「はっ!こ、ここは、何処でしょうか?」

 

「しっかりしろ、ここはレッド寮の食堂だよ」

 

「そうでしたか……」

 

そうでしたかって…

 

「大丈夫なのか、まだフィクションの話しかしてないのに?」

 

「フィクションってこういう話は基本そうでしょ」

 

「話はな。でもこういう話をしてると寄ってくるって言うじゃん」

 

「寄ってくるって何ですか?」

 

「そりゃ……」

 

「いま、足音が聞こえてきませんでしたか?」

 

紫の発言に一同が凍り付いた。

 

「な、何を言ってるの?僕にはそんなもの」

 

コツン、コツン、

 

「き、聞こえてきますよ!」

 

「な、なんなの……」

 

一同はおびえているがこの時間なら十中八九……

 

「ほっほ~!皆さーん、何をしてるですかニャ?」

 

「「「きゃあぁぁぁ!!」」」

 

食堂の奥から現れたファラオを抱いた大徳寺に、3人が今までで1番驚いてた。

 

「……あぁ!」

 

1人遅れて驚いた。

 

「び、びっくりしましたぁ」

 

「脅かさないでくださいよ!」

 

「もう……だめ……」

 

3人は涙目になりながら必死に呼吸を整えていた。なにもそこまで驚かなくとも。

 

「……」

 

「紫?」

 

「はっ!いえ、寝ては御座いませんよ」

 

箱入り娘がどこで覚えたんだよそんな言葉。

 

「コナミ様は驚かれなかったのですか?」

 

「突然背後から大徳寺先生に声かけられることなんてレッド寮では日常茶飯事だからな」

 

「え~……?」

 

そして大徳寺は眉を歪めていた。本人としては、普通に話しかけたつもりなのだろう。

 

「なにをしてるかって言いますと、カードのレベルだけ怖い話するってゲームやってるんですよ」

 

「なるほど、昼間の私の助言をもう実行したわけですか。しかも黄色い悲鳴に囲まれながらとは、いいご身分だニャ。どれどれ?私も……」

 

本来ならば、そろそろ消灯時間。早めに部屋に戻るように、寮長ならば言うべきだろ。まあ、色々な意味で決まり事に緩い大徳寺らしいちゃらしいな。

 

「うわっ!出たよ、レベル12……」

 

「とっておきなものをお願いします」

 

「うぅ……もう帰りたい…」

 

なんて灌漑に更けていたら《F・G・D》引きやがったよ。

ゆまとツァンは怖がりながらも期待しているようだ。雪乃は放心状態、紫は、よくわからない表情だ。

 

「そういえば、この島の奥に……使われていない寮があるの、ご存知ですかニャ?」

 

「「「「「使われていない寮?」」」」」

 

「そう。昔、この学園の特待生達の寮だったらしいのですが……その寮では、何人もの生徒が行方不明になってるそうだニャ~」

 

「ほ、本当ですか……?」

 

「何でも、その寮では『闇のゲーム』に関係する研究をしていたらしいのニャ」

 

「「「や、闇のゲーム?!」」」

 

3人のあまりの怯えっぷりに、大徳寺もノリノリで話を続ける。

 

「伝説のアイテムによって発動する恐ろしいゲームだって、話ですニャー。私がこの学園に来た時には、あの寮は立ち入り禁止になってたんだニャー。噂では、夜な夜な闇のゲームの被害者達が……デュエルの相手を求めて徘徊しているとか……」

 

「にゃ~」

 

大徳寺先生の腕の中のファラオが欠伸にも似た声を上げている。

 

「おっと、そろそろ、部屋に戻る時間だニャ?では、お休み」

 

小さく会釈をし、大徳寺はファラオと共に食堂の奥へと消えて行った。

「は~い」

 

俺は軽く返事をしたが、果たしてこいつらがすぐに動くことができるかどうか……

 

 

 

「皆でお泊りなんて久しぶりだから楽しみです!」

 

「わたくしめまで呼んでいただいて、光栄の至りです」

 

「まあ僕はどうしてもって雪乃が言うから」

 

「あら、だったらツァンは来なくてもいいのよ」

 

どうやら4人は一緒の部屋で寝るようだ。ブルー寮の個室はそんなに広いのか、決してうらやましくはないがな。

 

「じゃあ皆、気負つけて帰れよ」

 

「待ちなさい!」

「待って!」

「待ってください!」

「お待ちくださいませ!」

 

部屋に戻ろうとした俺はなぜか引き留められた。

 

「なんで俺まで……」

 

「あら、暗い夜道を女の子だけで歩かせるなんて男の風上にも置けないわよ」

 

「ぼ、僕は怖いわけじゃないけど、みんながコナミもって言うから」

 

「コナミさんがいれば夜道も心強いです」

 

「はい、コナミ様がいれば百人力でございます」

 

そんなに褒めても今の俺からはため息しか出ないぞ。

 

「うぅ、夜に通るとこの道って、結構不気味で怖い所だったんですね」

 

「ふ、ふん。夜の道は、ど、どこでも怖く感じるものだよ」

 

「あら、結局怖いんじゃない」

 

ツァンも雪乃も口では強がってるが、足が震えてるぞ。

 

「怖い怖いって言ってるが、俺はこの後この道を1人で帰るんだぞ」

 

「ならコナミも今夜は泊っていく?」

 

「ちょっと雪乃、何を言って」

 

「そうですよ、その方が心強いですし」

 

「はい、コナミ様なら歓迎いたします」

 

「気持ちだけ受け取っておくよ」

 

こんなくだらないことで退学なんてごめんだからな。しばらく進むと、廃墟同然の建物の前を通りかかる。おそらく大徳寺先生が話していた廃寮だろう。まあ今は特にかかわるようなことは……

 

「ん?」

 

「あら、どうかしたのコナミ?」

 

「いや、なんでもない」

 

少し気になることはあったが、今はスルーしブルー寮に向かった。

 

「じゃあな、喧嘩するなよ」

 

「子供じゃないってな」

 

「はい、仲良くします」

 

「それではコナミ様、お気をつけて」

 

「……」

 

「ああ、じゃあな」

 

4人とわかれた後、俺は真っ直ぐ寮には向かわず、廃寮に立ち寄った。さて、気配を感じた部屋はっと…

 

 

side雪乃

 

さっきのコナミの様子は変だったわ。さっきまでだるそうにしていたのに、急に何か使命感か何かを見つけたような…

 

「私、ちょっとコナミを見てくるわ」

 

「は、はあ?何を言ってるの!?」

 

普通はツァンの言う通りだわ。やっとこの夜道から寮に帰れたのに再び外に出て行こうというのだから。

 

「もしかして、コナミさんに何かあったんですか!?」

 

ゆまって普段はどこか抜けてるのに、こういうところは鋭いのね。

 

「ちょっと気になっただけよ。別れ際のコナミの様子が普段と少し違った気がしただけだから」

 

「そ、そんなの気のせいじゃ…」

 

「でしたらわたくしもついてゆきます」

 

「わ、私も行きますぅ!」

 

ふふ、相変わらずモテモテねコナミ。

 

「わかったわ、じゃあ3人で」

 

「ちょ、ちょっと、僕を仲間はずれにしないでよ!」

 

「あら、だってツァンは」

 

「僕も行くんだからね!」

 

「…ええ、わかってるわよ」

 

そして私達4人はコナミを追って外へ出た。そしてしばらく行くとコナミを見つけた。

でもやっぱり様子がおかしかった。真っ直ぐ寮に向かわず、今はだれも寄り付かない立ち入り禁止の廃寮にやってきたのだ。

そしてコナミはその廃寮の中に消えて行った。

 

「コナミ様!」

 

「なんであんなところに」

 

「と、とにかく追いかけなくっちゃ!」

 

「そうね」

 

ここまで来て見失なっちゃたら話にならないわ。私達4人はコナミを追って廃寮の中に入った。

 

 

 

sideコナミ

 

 

廃寮の1部屋の中心で闇の様に黒い渦がゆっくりと逆巻き、その渦の中には、絵柄も何もないカードが何枚かあった。

 

「ビンゴ、あれはさしずめ未完成の闇のカードと言ったところだな」

 

闇のカードとは、力を得る代わり、持ち主を暴走させたりダメージを現実にしたりする、まあよくあるあれだ。

誰が何のために作ったか、まあ俺にはなんとなく察しはついているが、今のうちに回収しておくべきだよな。

 

「……シンニュウシャ…ハッケン…」

 

「ん?」

 

声が聞こえた気がしたが……気のせいか?

 

「……シンニュウシャ…ハイジョ…」

 

いや、気のせいではないむしろ…俺が声がした方を振り向くや否や、そいつは気弾らしきものを放った。

 

「うわっ!」

 

思わず声を上げながらかわすが、奴は攻撃の手を緩める気はなさそうだ。一先ず今いる部屋を飛び出し、別の部屋に身をひそめる。さすがに生身で砲弾には対抗しかねる。

 

「「「「コナミ(さん)(様)」」」」

 

「え?」

 

逃げ込んだ部屋の先ではなぜか雪乃たちがいた。

 

「なんでここにいる?」

 

「雪乃がコナミの様子がおかしかったって言うから、あの後みんなでつけてきたのよ」

 

こいつらごときの尾行に気づかなかったとは、俺もずいぶん落ちたものだな。

 

「それより今、すごい音がしましたけど」

 

「まさか、コナミに何かあったんじゃ」

 

「コナミ様……」

 

「説明はあとだ、今は逃げ、」

 

俺が言い終わる前に、部屋全体が黒い霧で囲まれてしまった。

 

「な、なんなのよこれ」

 

「わかりませぬが、なんだか気分が悪くなりそうです」

 

「この霧、進んでも進んでも出口につけません!」

 

「閉じ込められたというわけね」

 

ただの霧じゃない、闇の霧だ。

 

「シンニュウシャ、ハイジョ…ハイジョ…」

 

そして奴が部屋に入ってきたが、今度はデュエルディスクを構えていた。

 

「な、なんですかあの人は!」

 

「デュエリストなの?」

 

「ああ、おそらくあいつを倒さなくてはここから出られないだろうな」

 

俺もデュエルディスクを構えつつ前に出た。

 

「コナミ!」

 

奴の前に出ようとする俺を雪乃が止めようとする。

 

「大丈夫だすぐに終わらせる」

 

「き、気を付けてね」

 

「頑張ってください!」

 

「勝てるようお祈りします」

 

「もし負けたら、許さないわよ!」

 

 

「「デュエル!」」

 



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第十話 闇のゲームの始まりだ

 

sideコナミ

 

 

1ターン目:???

 

 

「ワタシノ先攻ダ。《ネクロ・ガードナー》ヲ守備表示デ召喚。カードヲ4枚セット、ターンエンド」

 

 

ネクロ・ガードナー

効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300

相手ターン中に、墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。

このターン、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。

 

 

???

LP4000

手札 1

モンスター ネクロ・ガードナー(守)

魔法・罠 セット×4

 

 

2ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、手札の《ADチェンジャー》を捨て、《クイック・シンクロン》を特殊召喚」

 

 

クイック・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星5/風属性/機械族/攻 700/守1400

このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、

手札から特殊召喚する事ができる。

このカードは「シンクロン」と名のついたチューナーの代わりに

シンクロ素材とする事ができる。

このカードをシンクロ素材とする場合、「シンクロン」と名のついた

チューナーをシンクロ素材とするモンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。

 

 

「《スピード・ウォリアー》を召喚」

 

 

スピード・ウォリアー

効果モンスター

星2/風属性/戦士族/攻 900/守 400

このカードの召喚に成功したターンの

バトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。

このカードの元々の攻撃力はバトルフェイズ終了時まで倍になる。

 

 

「コノ瞬間、《ネクロ・ガードナー》ヲリリースシ、リバースカード発動。永続罠《暴君の暴飲暴食》発動。

 

 

暴君の暴飲暴食

永続罠

自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースして発動する。

このカードがフィールド上に存在する限り、

お互いにレベル6以上のモンスターを特殊召喚する事はできない。

自分の手札が3枚以上の場合、このカードを破壊する。

 

 

「《暴君の暴飲暴食》、これでコナミのシンクロ召喚は封じられてしまったわね」

 

「そんなそれじゃあコナミさんは」

 

「でもこれであいつのフィールドにモンスターはいなくなった」

 

「攻撃する絶好の機会ですね」

 

いや、セットカード3枚もあるし……ま、厄介な伏せカードは序盤で使わせた方がいいしな。

 

「いくぞ、《スピード・ウォリアー》で直接攻撃。効果で攻撃力が倍になる」

 

「リバースカード発動《聖なるバリア‐ミラーフォース‐》攻撃モンスターヲ全テ破壊スル」

 

「そんな、コナミさんのモンスターが全滅しちゃいました!」

 

まさか《聖バリ》を成功されるとは、4人も一気に不安になったようだ。《クイック・シンクロン》を攻撃表示で出したのはプレミだったな。

 

「くっ、カードを2枚伏せてターン終了だ」

 

 

コナミ

LP4000

手札 2

モンスター なし

魔法・罠 セット×2

 

 

3ターン目:???

 

 

「ワタシノターン、《記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)》召喚」

 

 

記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)

効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600

このカードが相手プレイヤーへの直接攻撃に成功した場合、

相手の融合デッキの枚数×100ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

 

モンスターが現れた瞬間、そのモンスターから強い闇のオーラが放たれた。

 

「なるほど、そいつがお前の持つ闇のカードか」

 

「闇のカード?」

 

「なんですかそれ?」

 

4人の疑問の声が聞こえたが、俺はあえて答えなかった。

 

「《記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)》デプレイヤーニ直接攻撃」

 

「罠カード発動《ガード・ブロック》ダメージを0にし、1枚ドロー」

 

 

ガード・ブロック

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「シカシ攻撃ハ通ッタ。。《記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)》効果発動。貴様ノ融合デッキノ数×100ポイントダメージヲ与エル」

 

「融合デッキの数ですか!」

 

「コナミの融合デッキには大量のシンクロモンスターがいるはず」

 

「ではダメージはいかほどに!」

 

「俺の融合デッキの数は15枚だ」

 

「デハ1500ノダメージヲ受ケヨ」

 

「うぁぁ!」

 

コナミLP4000→2500

 

 

 

side雪乃

 

 

コナミがダメージを受けたとき、その光景に目を疑った。

 

「コ、コナミ……血が…」

 

震えながらツァンがその光景を簡潔につぶやいた。もっとも震えているのは私たち4人全員だったが。

その言葉通り、攻撃を受けたコナミの腹部から血が流れていた。どういうことなの!ソリッドビジョンのはずなのに…

 

「も、もしかして故障か何かですか!?」

 

「大変です、早く手当てをしなくては!」

 

「心配ない、闇のデュエルとはこういうものだ。覚悟していれば見た目ほど酷くはないさ」

 

私達の様子に気づいたコナミが軽い口調で言った。闇のデュエル…これはいったい何なの?

そしてコナミ、あなたはなぜこの闇のデュエルの存在を知っているの…

 

「ワタシノターンハ終了ダ」

 

…今は…いえ、これからだってそんなことはどうでもいいじゃない。コナミは私の認めた唯一の男。

あなたが何者かなんてどうでもいい。だから…

 

「コナミ」

 

「?」

 

「絶対に勝ちなさい!」

 

「……ああ」

 

 

 

sideコナミ

 

 

 

???

LP4000

手札 1

モンスター 《記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)》(攻)

魔法・罠 暴君の暴飲暴食

     セット×2

 

 

4ターン目:コナミ

 

 

女の子から発破かけられるとは、みっともない限りだ。こりゃ絶対に勝たないとな。

 

「俺のターン、《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で墓地の《スピード・ウォリアー》を特殊召喚」

 

「あの2体の合計レベルは5」

 

「これなら《暴君の暴飲暴食》の効果を受けずにシンクロ召喚ができるわね」

 

「俺はレベル2の」

 

「コノ瞬間、リバースカード発動《妖怪のいたずら》全テノモンスターノレベルヲ2ツ下ゲル」

 

「何」

 

「そんな、2体のモンスターのレベルが1になっちゃいました」

 

「さすがにコナミもレベル2のシンクロモンスターなんて、いないでしょうし」

 

確かに雪乃の言う通り俺のデッキにはこの2体のシンクロで逆転できるモンスターはいない。

それにさっきからあいつのカードはなんだ、シンクロメタのカードばかりじゃないか。

さすが、シンクロ召喚の間違いを正そうとしてるだけのことはある。

 

「俺は《ジャンク・シンクロン》で《記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)》を攻撃」

 

「墓地ノ《ネクロ・ガードナー》ノ効果発動。コノカードヲ除外シ攻撃ヲ無効ニスル」

 

「そういやいたな。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

コナミ

LP2500

手札 2

モンスター ジャンク・シンクロン(攻)

      スピード・ウォリアー(守)

魔法・罠 セット×2

 

 

sideツァン

 

 

5ターン目:???

 

 

またシンクロも攻撃も防がれた…このままじゃコナミは……じゃなくて僕たちは…

 

「ワタシノターン、伏セテイタ魔法カード発動《財宝への隠し通路》」

 

 

財宝への隠し通路

通常魔法

表側表示で自分フィールド上に存在する攻撃力1000以下のモンスター1体を選択する。

このターン、選択したモンスターは相手プレイヤーを直接攻撃する事ができる。

 

 

「また《記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)》の直接攻撃が可能に!」

 

「この攻撃が通ればコナミ様は」

 

そんな!何とかしてよコナミ!

 

「《記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)》デ直接攻撃」

 

「《ジャンク・ディフェンダー》の効果発動。直接攻撃時に特殊召喚する」

 

 

ジャンク・ディフェンダー

効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻 500/守1800

相手モンスターの直接攻撃宣言時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

また、1ターンに1度、このカードの守備力を

エンドフェイズ時まで300ポイントアップする事ができる。

この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

 

 

モンスターを出しても直接攻撃には変わりないのに…さすがのコナミも打つ手がないの!

 

「コナミ様はいったい何をなさるおつもりでしょうか?」

 

「罠カード発動《奇跡の軌跡(ミラクルルーカス)》。《ジャンク・シンクロン》の攻撃力を1000上げ、2回の攻撃を可能に、そしてお前はカードを1枚ドローする」

 

 

奇跡の軌跡(ミラクルルーカス)

通常罠

自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

相手はデッキからカードを1枚ドローする。

このターンのエンドフェイズ時まで、

選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、

1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃する事ができる。

そのモンスターが戦闘を行う場合、

相手プレイヤーが受ける戦闘ダメージは0になる。

 

 

「相手は直接攻撃なのに、コナミさんはなんで」

 

「いえ、目的は相手にカードを引かせることでしょうね。《暴君の暴飲暴食》は手札が3枚以上になったとき自壊するカード」

 

「お相手の手札は2枚、1枚引きますと3枚になります!」

 

「でももう攻撃は通ってるんだよ、今更《暴君の暴飲暴食》を破壊したところで」

 

…でもなんで、コナミは落ち着いてる。もしかして何か手があるの!

 

「罠カード発動《緊急同調》バトルフェイズ中に、俺の場のモンスターでシンクロ召喚を行う!」

 

「「「「バトル中にシンクロ召喚(ですって)((ですか))!」

 

「レベル2の《スピード・ウォリアー》とレベル3の《ジャンク・ディフェンダー》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

 

☆2+☆3+☆3=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

 

 

「まさか、相手の番の間に《スターダスト・ドラゴン》を召喚なさるなんて」

 

「でも攻撃は止まってないです!」

 

「ええ、でも融合デッキが減った今、この攻撃でコナミが負けることはないわ」

 

「ダメージは……受けるんだよね」

 

「「「……」」」

 

今度のはさっきより1000ポイント近く大きいダメージ…まさか死んだりしなよね!絶対に耐えてよ!絶えないと許さないんだから!

 

「バトル続行。《記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)》デ直接攻撃」

 

「うぁぁ!」

 

コナミLP2500→1500

 

「効果デ貴様ノ融合デッキノ数ダケダメージ」

 

「ぐぁぁぁ!」

 

コナミLP1500→100

 

ダメージを受けたコナミが膝をついてうずくまった……もう限界なの…

 

「コナミ様!」

 

「しっかりしなさいよ!」

 

「が、頑張ってください!」

 

雪乃達の声を聴いてコナミが行くりと立ち上がった。

 

「よかった…」

 

はぁ!思わず安堵の声が漏れちゃったよ!誰も聞いてないよね……

 

「メインフェイズ2、《記憶破壊者(メモリー・クラッシャー)》ヲリリース、《千年の盾》ヲ守備表示デ召喚」

 

 

千年の盾

通常モンスター

星5/地属性/戦士族/攻 0/守3000

 

 

「永続魔法《波動キャノン》発動。カードヲ1枚伏セターン終了」

 

 

波動キャノン

永続魔法

自分のメインフェイズ時、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送る事で、

このカードの発動後に経過した自分のスタンバイフェイズの数

×1000ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

 

「不味いですよ、あのカードを破壊しないと、次のターンでコナミさんは負けちゃいますよ!」

 

「しかも場には《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を耐える《千年の盾》がおります!」

 

「…コナミ」

 

こんな状況なのにコナミからは怖がるようなそぶりは全く見えない…コナミ、あんたは…

 

「……何とかしなさいよ!コナミ!」

 

 

 

sideコナミ

 

 

???

LP4000

手札 0

モンスター 千年の盾(守)

魔法・罠 波動キャノン

     セット×1

 

 

6ターン目:コナミ

 

 

わかってるよ、全く。女の子にそこまで心配かけてんだ、ここで勝たないでどうするよ。

 

「俺のターン、罠カード《シンクロ・ストライク》発動」

 

 

シンクロ・ストライク

通常罠

シンクロ召喚したモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで、

シンクロ素材にしたモンスターの数×500ポイントアップする。

 

 

「《スターダスト・ドラゴン》の素材は3体。よって攻撃力1500アップ」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→4000

 

「これで《千年の盾》を上回りました!」

 

「ですが《千年の盾》は守備表示です。このままではダメージを与えることができませぬ」

 

「墓地の《ADチェンジャー》の効果発動。このカードを除外し、《千年の盾》を攻撃表示に変更する」

 

 

ADチェンジャー

効果モンスター

星1/光属性/戦士族/攻 100/守 100

墓地に存在するこのカードをゲームから除外し、

フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターの表示形式を変更する。

 

 

「墓地から効果なんて、さすがコナミね」

 

「これなら、いける!」

 

「《スターダスト・ドラゴン》で《千年の盾》を攻撃」

 

「リバースカード発動《ドレイン・シールド》攻撃ヲ無効ニシ、ライフヲ回復スル」

 

 

ドレイン・シールド

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

攻撃モンスター1体の攻撃を無効にし、

そのモンスターの攻撃力分だけ自分のライフを回復する。

 

 

???LP4000→8000

 

「そ、そんな」

 

「ライフポイント8000、この差はもうさすがに……」

 

「俺がその程度の展開、読めてなかったと思うか?」

 

「「「「!?」」」」

 

「手札から速攻魔法《ダブル・アップ・チャンス》発動」

 

 

ダブル・アップ・チャンス

速攻魔法

モンスターの攻撃が無効になった時、

そのモンスター1体を選択して発動できる。

このバトルフェイズ中、

選択したモンスターはもう1度だけ攻撃できる。

その場合、選択したモンスターはダメージステップの間、攻撃力が倍になる。

 

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK4000→8000

 

「攻撃力8000!」

 

「すごいです!」

 

「いけ、《スターダスト・ドラゴン》で《千年の盾》をもう1度攻撃」

 

「ガガガガガガガッ」

 

???LP8000→0

 

 

Winコナミ

 

 

俺が勝つと、相手は闇の中に消えてしまった。

 

「や、やった!コナミさんが勝ちました!」

 

「さすがですコナミ様!」

 

「ま、まあ、当然だよね」

 

「全く無茶して…」

 

勝利した俺に声を掛ける雪乃達に振り向いた。

 

「いつぅ!」

 

「ちょ、ちょっと、血が出てんじゃん!」

 

「はうぅ、大変です!早く手当てしないと!」

 

「申し訳ありませぬ、今は手当てできるようなものは持ち合わせておりませぬので……」

 

「私達が手当してあげるから早く寮に戻るわよ」

 

「ああ、でも最後に1つ確認したいことがあるんだ」

 

そう言って俺は最初に行った部屋へと戻った。その部屋にはすでに何もなかった。どうやらあいつがデュエルでひきつけている間に回収されてしまったようだ。

 

「この部屋がどうかしたのでしょうか?」

 

「いや、なんでもないよ」

 

「それじゃあ私の部屋にいらっしゃい。手当てしてあげるから」

 

「いや、雪乃の部屋って女子寮だろ、それはまずいだろ」

 

「じゃあ、私がコナミの部屋に行けばいいわね」

 

「ちょ、ちょっと雪乃!それこそ何かあったら!」

 

「もちろんわたくしめもご一緒いたします」

 

「だったら私もいきますぅ」

 

「み、みんな……しょうがないな、僕も行ってあげるよ」

 

「いや、そんなに俺の部屋には……」

 

どうやら言っても無駄なようだな。

雪乃が俺の手を取って屋敷を出ていく。ツァンが何か言いながらあわててついてきた。

 

 

 

sideゆま

 

 

あんな状況から逆転しちゃうなんて、コナミさんはやっぱりすごいです。

それに怪我をしながらも私たちのために闘う姿は…なんだかかっこよかったです。

でも怪我がひどくないか心配いです、何事もなければいいのですが…

 

「それではゆま様、わたくしたちもゆきましょう」

 

「ふぇ?」

 

気づいたらここに残っていたのは紫ちゃんと私だけでした。思っていたよりも余韻に浸りすぎてたみたいです。

 

「はい……あれ、なんでしょうかこれは?」

 

部屋を出ようとしたら、足元に1枚のカードが落ちていることに気づきました。なんとなくそれを手に取ってみました。

 

「ゆま様?みなさん行ってしまわれましたが?」

 

「ま、待ってくださーい!」

 

紫ちゃんに呼ばれた私は、特に気に留めることなくそのカードをしまってみんなのところに向かいました。

 



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第十一話 赤帽子の一級ラッキースケベ術

 

 

 

sideコナミ

 

 

「ん……」

 

どうやら朝を迎えたようだ。壁にかかった時計を見るとまだ5時過ぎだった。昨日あんなデュエルをしたからギリギリまでぐっすりだと思ったが。

とりあえず体を起こそうと手を伸ばした。

 

ムニュ

 

何だ?

 

ムニュ、ムニュ

 

この感触は、まさか……

 

「ああぁ!コナミったら、朝から大胆なんだから…」

 

「雪乃!?」

 

なぜか俺の隣には雪乃が寝ていた。どうやら今の感触は雪乃の胸のようだった。

俺に胸を揉まれたせいか、顔が少し火照っている。なに、これ事後ってやつなのか?

 

「これは私の、酷いわ鷲掴みにするなんて」

 

「なんて表現するんだよ」

 

思わず後ずさりしようとするが、

 

ムニュ

 

また?

 

「あぁ、コナミ様、なりませぬ。まだ心と体の準備が…」

 

反対側には紫が寝ていた。

 

「ですが、どうしてもコナミ様がお望みとあるのならば、わたくしめは全霊をかけて」

 

「いや、今のは誤解だから脱がないでくれ」

 

パジャマに着てたジャージを脱ぎ始める紫を止めた。

 

「何もう、朝から騒がしいな」

 

「ふぁ~、もう朝ですかぁ?」

 

ベットの2段目からも声がする。これはゆまとツァンの声だな。ゆまの声はいかにも眠そうだ。

 

「あ……とりあえず、おはよう」

 

目が覚めてきてようやく思い出した。あの後4人も俺の寮についてきて……

 

 

 

 

「じゃあコナミ、服を脱ぎなさい」

 

「は?」

 

「ちょ、ちょっと、いきなり何を言ってるの!?」

 

ツァンの言う通りだ、雪乃はいきなり何を言い出すんだ?

 

「あら、私は傷を見ようとしただけよ」

 

「そうですよ、早く手当しないとバイ菌が入っちゃいますよ!」

 

「あ、ああそう言うこと……」

 

「ツァンはどんな意味だと思ったのかしら?」

 

「なっ…なんでもないよ!」

 

その反応、雪乃の思うつぼだな。とりあえずそう言う理由ならと俺は上の服を脱いだ。

 

「……コナミ様、わたくしめが思っていた以上に逞しい体つきをしていたのですね」

 

この子は第一声から何を言ってるんだ…

 

「まあ、そこそこ鍛えてるからな」

 

「本当です、服の上からはわかりませんでした。こういうのを細マッチョと言うのでしたっけ?」

 

純粋な目での評価もいらない、早く手当てするならしてくれ。

 

「体つきの評価もいいけれど、早く手当てしてあげないとコナミがかわいそうよ」

 

「とか言いながら手当てする振りをして俺の体をあちこちさわりまくるのはやめろ」

 

「雪乃様……羨ましいです」

 

羨ましいのかよ、紫お前は1度自分のキャラを見直してみろ。

 

「良かったです、傷はそんなにひどくなかったです」

 

ゆまお前だけだよ、純粋な目で俺を見てるのは…

 

「……」

 

わかるよツァン、俺もお前のポジションにいたら話について行けず黙り込むよ。

 

 

 

そのあとみんなに俺は大丈夫だから帰る様に言ったが、深夜時間を過ぎているのに外には出れないと言って俺の部屋に泊まると言い出した。一応俺は1人部屋で2段ベッドがあるから、狭いながらもどうにかなりそうだ。

 

「まあベットの上と下に2人ずつならばなんとかなるかな。俺は床で寝るから」

 

「だめですよ、怪我をしてるコナミさんを床で寝かせるなんて」

 

「それに床に寝るなんて行儀がよろしくありません」

 

「そうは言ってもお前らの誰かを床に寝かせるわけには」

 

「あら3人ぐらいならつめれば入れるわよ」

 

なんかお前はそんなこと言いそうな気がしたよ。

 

「ではわたくしめもコナミ様とご一緒します」

 

まあ流れ的にこの2人だとは思っていたよ。

 

「じゃあ私はツァンさんとですね」

 

ゆま、君は適応力が高すぎる…単に天然なだけか。

 

「もういいよそれで…3人は仲良く寝れば」

 

ツァンも諦めないで説得してくれよ。

 

 

 

 

「みんな着替えはどうするんだ?」

 

「僕は仕方ないからこの恰好のまま寝るよ」

 

「私もそれしかなさそうです」

 

まあ急な話だし寝間着を待ってくる余裕なんて、

 

「私は着替えを持ってるわ」

 

「なんで?」

 

「あなたを追うと決めたときからこうなる気がしてたの」

 

確信犯かよ、たちが悪い。

 

「だからコナミ、着替えるから後ろを向いてちょうだい」

 

「ああ」

 

「それではわたくしめも失礼します」

 

「え?ああ」

 

紫も着替え持ってきてたのか?

 

「私はもう終わったわよ。紫も早く着替えたら」

 

「いえ、わたくしめの寝姿はもうできておりますが?」

 

「ねえ紫、その恰好で寝るつもり……」

 

「えっと、冗談だよね?」

 

「いくら暑くてもその恰好は…」

 

なんか不穏な空気が漂ってるが、もう終わったみたいだし、

 

「とりあえずもういいのか?」

 

「「「まあ、紫がいいのなら(でしたら)」」」

 

……振り向いた俺の目にまず映ったのはネグリジェ姿の雪乃だった。

人の部屋来るならもう少し大人しいのにできなかったのかよ…

そして視線を少し横に移すと…

 

「紫……せめて何か着てくれ」

 

紫は制服を脱ぎ下着姿の状態だった。どうでもいいが、紫って着やせするタイプだったんだな。

 

「ですが制服のままで横になったら制服が皺になってしまいます」

 

「いやそれでもさ」

 

「ハクチュ……」

 

可愛らしいくしゃみが紫の口から出てきた。病弱の女の子を下着姿のまま寝かすわけにはいかないだろ…

 

「ならせめてこれを着ろ」

 

「これは?」

 

「俺のジャージだ」

 

「コナミ様の!……」

 

あー、やっぱり男が着たのとか着たくなかったか?

 

「一応洗濯はしてるんだが」

 

「コナミ様の…すぅー、はぁー…」

 

「匂いを嗅ぐな」

 

「残念、私も持ってこなかったらコナミのジャージをもらえたのかしら」

 

「悪いが予備は一着しかないんだ」

 

「えっと、私たちも制服のまま寝るのはやっぱりまずいですかね?」

 

「いや、僕たちはもういいでしょ」

 

 

 

なんやかんやあってようやく就寝だ。ちなみに俺と雪乃と紫が下、ゆまとツァンが上で寝ている。

2人でも若干狭いベッドに3人で寝ているんだ、2人の体が常に密着している。両腕には何やら柔らかい感触があるし…

 

「なあ2人とも」

 

「なあにコナミ?」

 

「どうかされましたか?」

 

「なんで俺の方に体向けて寝てんだ?」

 

「この方がコナミが喜ぶと思って」

 

「コナミ様のお顔を見ながら眠りたかったので」

 

「……頼むから上を向いて寝てくれ」

 

間違いが起きると色々まずいんだよ、この小説R-18のタグ付いてないし。

 

「ところでコナミ、寝るときぐらいは帽子を脱いだらどうかしら?」

 

ああそこツッコンじゃうの。

 

「これは俺のアイディンティティなんだ、いついかなる時も人前で脱ぐことはできない。たとえ寝るときでもだ」

 

「自分のトレードマークには他者には理解できないこだわりがあるのですね。さすがです」

 

 

 

 

……まあこれが昨晩の全貌だ。

 

とりあえず着替える。そう思った俺はベットから起き上がった。

 

「どうかしましたか、コナミ様?」

 

「……着替えるんだよ」

 

服を脱ぎだした、雪乃が俺に近づき、昨日の様に体を指でなぞった。

 

「昨日も言ったけど、コナミってなかなかいい体つきをしてるわね」

 

「昨日も言ったが、そこそこ鍛えてるからな」

 

「コナミ様のような逞しい体に、いつか抱かれてみたいものでございます」

 

実は初対面の時抱いてるんだよな、紫は気絶してたが。

 

「コナミさん、だったら抱いてあげたらどうでしょうか?」

 

ゆま、お前は純粋すぎるだろ。

 

「・・・・・」

 

ツァンが無言で痛い視線を向けてくる。身の危険を感じたので、軽く雪乃から逃れ服を着た。

 

「さて、お前たち朝食どうするんだ?レッド寮に客人を迎える量なんてないぞ?」

 

「そう、それなら5人でブルー寮に戻りましょうか」

 

「俺がブルー寮に入れるわけないだろ」

 

とりあえず4人を説得し1度別れた。早朝だったので無事ほかの寮生に見つかることもなかった。

 

「朝からお盛んだったようだニャー」

 

そう“寮生”には見つからなかった。

 

「まあ常識ある君の事だから間違いは起こしてないとは思うけど、あまり目立った行動はしないでニャ。私も教官である以上目に余る行為は見過ごすわけにはからニャー」

 

「わかってますよ。昨日怖い話したらみんな怖くて1人で寝られないとか言って止まっただけなんで」

 

「それならいいけどニャ」

 

こんな感じで大徳寺先生をかわした俺はいつも通り質素な朝食を食べ、授業に行くため支度をしに部屋に戻った。

 

「さて…」

 

多くの生徒が授業に向かう中、俺は別の場所へ向かった。まあ授業をさぼるのなんて初めてじゃないしその行為自体は問題ないのだが問題は何をするかだ

 

「……微かに感じるが、昨日よりだいぶ弱いな」

 

俺は昨日の廃墟にいた。結局あの後、カードのあった部屋を少し覗いただけだったので、廃墟内をくまなく探してみたかったのだ。

 

「結局収穫は無さそうだ」

 

ここまで収穫が無いことにため息をつきながら最後の部屋に入った時だった。

 

「こんなところで何をしているのかしら?」

 

「え?」

 

急に声を掛けられ振り向くと、そこにはウェーブのかかった青い髪を靡かせたいかにもお嬢様なブル―の生徒がいた。

 

「…えっと、海野……幸子(さちこ)だっけ?」

 

「ゆ・き・こ!ですわ!」

 

「失敬、海野幸子(ゆきこ)じゃないか。どうしてこんなところに」

 

「あなたが入ってくるのが見えたので興味本位でついてきただけですわ」

 

興味本位で着けてきたやつに気づかないとはうかつだった。

 

「で、立ち入り禁止にされている場所に入ったりして、どういうつもりなの?」

 

「……危険性、有害性調査?」

 

「なんですのそれ、そしてなんで疑問形ですの?」

 

「いや俺がここでしてる事なんてこの際いいじゃないか。海野もここに入った以上同罪なんだからさ」

 

「庶民のくせにわたくしを恐喝しようなどとは生意気ね」

 

いや、だって俺が言わなきゃそっちから言い出しそうだったじゃん。やられる前にやらないと。

 

「まあいいわ、その度胸に免じてあなたがここに入ってたことは見なかったことにしてあげても……あら?」

 

海野は足元に落ちていた1枚のカードを見つけ言葉を止めた。

 

「こんなところにカードを落とすなんて?」

 

そして海野がカードを拾った瞬間だった。

 

「きゃ!な、なんなの!」

 

カードから黒い渦が発し、海野を包み込もうとした。

 

「危ない!」

 

俺は海野を闇から解放するため、カードを薙ぎ払い、手を引いて渦から解放した。が…

 

「うわ!」

 

「きゃぁ!」

 

勢い余って床に倒れこんでしまった。

 

「いたた…はっ…きゃぁぁぁ!」

 

海野の急な悲鳴に俺まで悲鳴を上げそうなぐらい驚いた。

 

「ちょ、ちょっと!何をしているの庶民!」

 

倒れた拍子に海野は仰向けになり、足を広げた状態のところに俺が上から覆い被さってる……これは…

 

「どいて!早く!お願い!」

 

「あ、あぁ……」

 

顔を真っ赤にし涙目になりながらの海野らしからぬ必死の声に、余計な思考をふり払ってどいた。

 

「そ、そう言うことでしたの!」

 

「なんだよ…」

 

「あなた!わたくしをここに誘い込んでそういうことをしようとしていたのね!」

 

「そういうことって?」

 

「それは……わたくしの口から言わせるつもりですの!あんなカードの細工までして浅ましい!」

 

「カード…そうだ、あのカードは」

 

俺が海野からふり払ったカードを確認しようとしたが、もうそのカードはなかった。

 

「カードが消えた……」

 

手掛かりになると思ったのだが…残念。

 

「ちょっと、話をそらそうとしても無駄ですよ!未遂とはいえこのわたくしをお、押し倒したところまでしてただで済むと思っているの!」

 

しかしあらぬ誤解を抱かせてしまった、こういうタイプの子を弁解するのは至難だぞ…

 

「コナミ様?」

 

「え?」

 

さらに入口の方から聞き覚えのある声がした。

 

「先ほど大きな音がしましたが大丈夫でございますか?」

 

「ああ大丈夫だ。それよりなぜ紫がここに?」

 

「実は朝食の後コナミ様をお迎えに来たのですが」

 

まずそこにツッコミたいが、ただでさえ言いたいことが多いし、この際今はスルーでいいや。

 

「ですがコナミ様が急いでどこかへ向かわれたので後を追ったのですが、何分体力のないわたくしめがコナミ様と並走できるはずもなく見失ってしまいました」

 

俺そんなに早く走ってないのだが…まあ紫だからしょうがない。

 

「そのあと周辺を探していましたら、この場所で今の音を聞き駆け付けた次第でございます」

 

「なるほど理解した」

 

まあなぜその思考に至ったかはわからない部分もあったが、とりあえず過程は理解したので間違いは言っていない。

 

「で、あなたもこの庶民の共犯者なの!」

 

突然現れた紫に対して海野が叫ぶ。

 

「コナミ様、この方は?」

 

「ああこいつは海野幸子と言って、今少し面倒なことになってる人だ」

 

「……なるほど理解いたしました」

 

「そうか、察しが良くて助かるよ」

 

「この方は、敵ですね」

 

全然察せてねーよ。

 

「いいわ、あなたも共犯なら、あなたも成敗してあげるわ!」

 

「コナミ様の敵はわたくしめにとっても敵でございます、ここはわたくしめにお任せください」

 

2人がデュエルディスクを構えて向かい合いだした。もういいよ、好きにしてくれ……

 

 

「「デュエル!!」」

 

 



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第十二話 2人のお嬢様

 

side幸子

 

 

「わたくしの先攻、《スクリーチ》を攻撃表示召喚」

 

 

スクリーチ

効果モンスター

星4/水属性/爬虫類族/攻1500/守 400

このカードが戦闘によって破壊された場合、

デッキから水属性モンスター2体を墓地へ送る。

 

 

「カード1枚セット。ターン終了よ」

 

 

幸子

LP4000

手札 4

モンスター スクリーチ(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

2ターン目:紫

 

 

「畏まりました、わたくしめの番です。《グリーン・ガジェット》を召喚いたします」

 

 

グリーン・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1400/守 600

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「レッド・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

「こちらです。モンスタアの効果を発動いたします。デッキから《レッド・ガジェット》を手札に加えます。そしてフィイルド魔法《ガイアパワー》を発動いたします」

 

 

ガイアパワー

フィールド魔法

フィールド上に表側表示で存在する地属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、

守備力は400ポイントダウンする。

 

 

《グリーン・ガジェット》 ATK1400→1900

 

「口切を、《グリーン・ガジェット》で《スクリーチ》を攻撃いたします」

 

幸子LP4000→3600

 

「くっ、この瞬間《スクリーチ》の効果発動。デッキの水属性モンスター《海皇龍 ポセイドラ》と《海皇の竜騎隊》を墓地に送りますわ」

 

「札を2枚伏せます。はい、あなた様の番です」

 

 

LP4000

手札 3

モンスター グリーン・ガジェット(攻)

魔法・罠 ガイアパワー

     セット×2

 

 

3ターン目:幸子

 

 

どうやら彼女のデッキは《ガジェット》を中心としたデッキのようね。あのデッキは魔法・罠でモンスターを除去することに特化していますが、わたくしには関係ないわね。

 

「わたくしのターン、《ハンマー・シャーク》を召喚」

 

 

ハンマー・シャーク

効果モンスター

星4/水属性/魚族/攻1700/守1500

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

このカードのレベルを1つ下げ、

手札から水属性・レベル3以下のモンスター1体を特殊召喚する。

 

「この瞬間、手札の《シャーク・サッカー》の効果を発動しますわ。魚族の《ハンマー・シャーク》が召喚されたことにより、手札からこのカードを特殊召喚するわ」

 

シャーク・サッカー

効果モンスター

星3/水属性/魚族/攻 200/守1000

自分フィールド上に魚族・海竜族・水族モンスターが召喚・特殊召喚された時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

このカードはシンクロ素材とする事はできない。

 

「そして《ハンマー・シャーク》の効果発動。レベルを1つ下げ、《ロスト・ブルー・ブレイカー》を特殊召喚」

 

 

ロスト・ブルー・ブレイカー

効果モンスター

星3/水属性/海竜族/攻1400/守 0

フィールド上にこのカード以外の

魚族・海竜族・水族モンスターが存在する場合に

このカードをリリースして発動できる。

フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。

 

 

「一気に3体のモンスターを並べるとは、さすがだな。だが攻撃力は低いモンスターばかり。ここから何をする気だ?」

 

所詮庶民にはわたくしの考えはわからないわよ。

 

「カードを1枚セット。さらに墓地の《海皇龍 ポセイドラ》効果発動。レベル3以下の水属性モンスター3体をリリースして、墓地のこのカードを特殊召喚しますわ」

 

 

海皇龍 ポセイドラ

効果モンスター

星7/水属性/海竜族/攻2800/守1600

自分フィールド上のレベル3以下の

水属性モンスター3体をリリースして発動できる。

このカードを手札または墓地から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚に成功した時、

フィールド上の魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。

この効果でカードを3枚以上手札に戻した場合、

相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は

手札に戻したカードの数×300ポイントダウンする。

 

 

「《海皇龍 ポセイドラ》のもう1つの効果発動。この効果で特殊召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻すわ」

 

「なんと…」

 

相手のセットカード2枚と《ガイアパワー》さらにわたくしのセットカード2枚が手札に戻された。

今の反応、やはりあのセットカードは攻撃に対して発動するカードのようね。

 

「さらに戻ったカードが3枚以上ならあなたのモンスターの攻撃力は戻したカードの数×300ポイントダウンしますわ」

 

《グリーン・ガジェット》 ATK1400→0

 

「ありがたく頂戴しなさい!《海皇龍 ポセイドラ》で《グリーン・ガジェット》を攻撃!」

 

「ああぁぁぅ!…引き裂かれそう」

 

紫LP4000→1200

 

「カードを1枚セット。ふふ、優雅に、ターンエンド」

 

 

幸子

LP4000

手札 2

モンスター 海皇龍 ポセイドラ(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

4ターン目:紫

 

 

「参ります、わたくしめの番です。《レッド・ガジェット》を守備表示で召喚いたします」

 

 

レッド・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1300/守1500

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「イエロー・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

「効果でイエロー・ガジェットを手札に加えます。札を2枚伏せます。…あなた様の番です」

 

 

LP1200

手札 4

モンスター レッド・ガジェット(守)

魔法・罠 セット×2

 

 

5ターン目:幸子

 

 

性懲りもなく同じカードを伏せてくるなんて、しょせんは五流ね。

 

「身の程を知りなさい、わたくしのターン。魔法カード《浮上》を発動。墓地の《ロスト・ブルー・ブレイカー》を特殊召喚するわ」

 

 

浮上

通常魔法

自分の墓地のレベル3以下の

魚族・海竜族・水族モンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを表側守備表示で特殊召喚する。

 

 

「綺麗でしょ、《ロスト・ブルー・ブレイカー》の効果発動。このカードをリリースし、あなたの伏せカードを1枚破壊するわ」

 

相手のフィールドに伏せられた《次元幽閉》が破壊された。やはり1枚は攻撃に対するカードでしたね。

 

「ふふ、これで遠慮なく攻撃できますわ。《海皇の突撃兵》を召喚。効果で攻撃力800ポイントアップ」

 

 

海皇の突撃兵

効果モンスター

星3/水属性/海竜族/攻1400/守 0

自分フィールド上にこのカード以外の

魚族・海竜族・水族モンスターが存在する場合、

このカードの攻撃力は800ポイントアップする。

 

 

《海皇の突撃兵》 ATK1400→2200

 

「バトル、すなわち戦闘!《海皇の突撃兵》で《レッド・ガジェット》を攻撃!」

 

これでフィールドはがら空き。あっけなかったわね。

 

「これで終わりよ!《海皇龍 ポセイドラ》でダイレクトアタック!」

 

「渾身の一手を、伏せた札を開示いたします。永続の罠《血の代償》を発動いたします」

 

 

血の代償

永続罠

500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。

この効果は自分のメインフェイズ時及び

相手のバトルフェイズ時にのみ発動する事ができる。

 

 

「ライフを500支払い、兵を召喚いたします」

 

紫LP1200→700

 

「《イエロー・ガジェット》を守備表示で召喚いたします」

 

 

イエロー・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1200/守1200

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「グリーン・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

「《イエロー・ガジェット》の効果により、《グリーン・ガジェット》を手札に加えます」

 

「小賢しいことを!《海皇龍 ポセイドラ》で《イエロー・ガジェット》を攻撃!カードを1枚セット。ターンエンドよ」

 

 

幸子

LP4000

手札 1

モンスター 海皇龍 ポセイドラ(攻)

      海皇の突撃兵(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

7ターン目:紫

 

 

 

side紫

 

 

このお方、予想以上に強力でございます。しかし、コナミ様のお役にたつためにも、ここで負けるわけには行きませぬ!

 

「わたくしめの…番です。《グリーン・ガジェット》を召喚いたします。《グリーン・ガジェット》の効果により、デッキから《レッド・ガジェット》を手札に加えます。

 そして、手札の《マシンナーズ・フォートレス》の効果を発動いたします。手札の《レッド・ガジェット》と《マシンナーズ・フォートレス》を捨てまして、墓地より《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚いたします」

 

 

マシンナーズ・フォートレス

効果モンスター

星7/地属性/機械族/攻2500/守1600

このカードは手札の機械族モンスターを

レベルの合計が8以上になるように捨てて、

手札または墓地から特殊召喚する事ができる。

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。

また、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

相手の効果モンスターの効果の対象になった時、

相手の手札を確認して1枚捨てる。

 

 

「そしてフィイルド魔法《ガイアパワー》を発動いたします」

 

《マシンナーズ・フォートレス》 ATK2500→3000

 

《グリーン・ガジェット》 ATK1400→1900

 

「《海皇龍 ポセイドラ》の攻撃力を上回るモンスターを…!」

 

「口切を、《マシンナーズ・フォートレス》で《海皇龍 ポセイドラ》を攻撃いたします」

 

幸子LP3600→3400

 

「くぅ、他のモンスターがいなくなったことで《海皇の突撃兵》の攻撃力が下がるわ…」

 

《海皇の突撃兵》 ATK2200→1400

 

「《グリーン・ガジェット》で《海皇の突撃兵》を攻撃いたします」

 

「この程度で、リバースカードオープン!《海竜神の加護》この効果でこのターン《海皇の突撃兵》は破壊されないわ」

 

 

海竜神の加護

通常罠

このターンのエンドフェイズ時まで、自分フィールド上の全ての

レベル3以下の水属性モンスターは、戦闘及びカードの効果では破壊されない。

 

 

「くぅ、浅はかだ事」

 

幸子LP3400→2900

 

ライフどころか、モンスタアまでフィールドに残してしまうとは…不覚です。

 

「お粗末様でした」

 

 

LP700

手札 2

モンスター マシンナーズ・フォートレス(攻)

      グリーン・ガジェット(攻)

魔法・罠 血の代償

 

 

7ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン、魔法カード《貪欲な壺》を発動」

 

 

貪欲な壺

通常魔法

自分の墓地のモンスター5体を選択して発動できる。

選択したモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。

その後、デッキからカードを2枚ドローする

 

 

「《ハンマー・シャーク》《シャーク・サッカー》《スクリーチ》《ロスト・ブルー・ブレイカー》《海皇龍 ポセイドラ》をデッキに戻し2枚ドロー。《真海皇 トライドン》を召喚」

 

 

真海皇 トライドン

効果モンスター

星3/水属性/海竜族/攻1600/守 800

このカードと自分フィールド上の海竜族モンスター1体をリリースして発動できる。

手札・デッキから「海皇龍 ポセイドラ」1体を特殊召喚する。

その後、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。

 

 

「《真海皇 トライドン》の効果発動!このカードと海竜族の《海皇の突撃兵》をリリースし、デッキの《海皇龍 ポセイドラ》を特殊召喚」

 

またしてもあのモンスタアが、しかし今はわたくしのモンスタアの方が!

 

「《真海皇 トライドン》の効果により《マシンナーズ・フォートレス》の攻撃力は300ポイントダウン!」

 

《マシンナーズ・フォートレス》 ATK3000→2700

 

なんと、こうもあっさりと攻撃力が!

 

「《海皇龍 ポセイドラ》で《マシンナーズ・フォートレス》を攻撃!」

 

「ああぁっ!」

 

紫LP700→600

 

しかしあえて《マシンナーズ・フォートレス》を狙うとは、御見それいたします。ですがそのおかげで、効果が発動できまする。

 

「…《マシンナーズ・フォートレス》の効果を発動いたします。このカードが戦闘によって破壊された時、あなた様の場のカード1枚を破壊いたします。《海皇龍 ポセイドラ》を破壊いたします」

 

「ふふ、その程度の手が読めていないとお思い?リバースカードオープン《激流蘇生》!」

 

 

激流蘇生

通常罠

自分フィールド上の水属性モンスターが

戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時に発動できる。

その時に破壊され、フィールド上から自分の墓地へ送られたモンスターを全て特殊召喚し、

特殊召喚したモンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。

「激流蘇生」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

 

「この効果で《海皇龍 ポセイドラ》を特殊召喚。さらに庶民に500のダメージ!」

 

「うぁぁ!…」

 

紫LP600→100

 

こ、この効果も計算した上での攻撃でしたとは…

 

「これで《血の代償》のコストも払えないわ。今度こそ終りね。《海皇龍 ポセイドラ》で《グリーン・ガジェット》を攻撃!」

 

「看破いたします!手札の《ジェントルーパー》の効果を発動いたします」

 

 

ジェントルーパー

効果モンスター

星4/光属性/爬虫類族/攻1200/守1000

相手モンスターの攻撃宣言時、このカードを手札から特殊召喚できる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は他のモンスターを攻撃できない。

 

 

「バトル中に特殊召喚ですって!ならそのモンスターを攻撃なさい!カードを1枚セットしてターンエンドよ」

 

 

幸子

LP2900

手札 2

モンスター 海皇龍 ポセイドラ(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

「何とか持ちこたえたって感じだが、せめて次のターンで《海皇龍 ポセイドラ》を何とかしないと厳しいな…だが海野のセットカードは…」

 

コナミ様にはあの伏せられた札がわかるのでしょうか、さすがです。わたくしには全くわかりませぬ…

 

「わたくしめの番です」

 

 

 

side幸子

 

 

9ターン目:幸子

 

 

どうせあなたは《マシンナーズ・フォートレス》をもう一度特殊召喚して攻撃するつもりでしょうけど、わたくしのセットカードは攻撃を無効にしつつダメージを与える《ポセイドン・ウェーブ》攻撃してきた瞬間わたくしの勝利よ。

 

「……コナミ様…」

 

「?」

 

引いたカードをしばらく見つめた後、相手の女は庶民に目を向けた。

 

「このターンで終わりにさせていただきます」

 

「…ああ、頼んだよ」

 

わたくしを差し置いて他人に勝利宣言とは!

 

「ずいぶんと生意気ね!やれるものならやってみなさい!」

 

「はい、心得ております!」

 

 

 

side紫

 

 

「魔法カード《大寒波》を発動いたします」

 

 

大寒波

通常魔法

メインフェイズ1の開始時に発動する事ができる。

次の自分のドローフェイズ時まで、

お互いに魔法・罠カードの効果の使用及び発動・セットはできない。

 

 

「あのカードは、俺とのデュエルで決め手となったカード」

 

「このカードの効果によりこのターン一切の魔法・罠を発動することはできませぬ」

 

「な、なんですって!」

 

かつてわたくしがコナミ様とデュエルされたとき、コナミ様が最後のターンに使用なされたカード。わたくしもこのカードを使用した以上このターンで終わりにせねばなりませぬ!

 

「《イエロー・ガジェット》を召喚いたします。効果により《グリーン・ガジェット》を手札に加えます。

 そして手札の《グリーン・ガジェット》と《イエロー・ガジェット》を捨てまして、墓地より《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚いたします」

 

「くぅ、またそのモンスターが……」

 

「《大寒波》の効果はすでに発動しているカードには影響されませぬ。つまり《ガイアパワー》の効果は健在でございます」

 

《マシンナーズ・フォートレス》 ATK2500→3000

 

《イエロー・ガジェット》 ATK1200→1700

 

「参ります《マシンナーズ・フォートレス》で《海皇龍 ポセイドラ》を攻撃いたします」

 

「きゃっぁぁ!」

 

幸子LP2900→2700

 

「お覚悟を、2体のモンスタアで直接攻撃いたします」

 

「ああぁぁぁぁ!」

 

幸子LP2900→1000→0

 

 

Win紫

 

 

 

sideコナミ

 

 

「ぐぅ、またしても庶民に敗北するなんて…」

 

「えっと、一応フォローすると、紫も庶民じゃなくてお嬢様だぞ。海野財閥には大きく劣るようだが」

 

なんかすっごく落胆している海野についついフォローを入れてしまった。

 

「庶民の慰めなんて必要ないは。それよりも、なぜあなたはこの女よりわたくしを下に見ているのですか!」

 

「は?」

 

何のことだ、俺がいつ海野を下に見た?

 

「そっちの女は下の名で呼ぶのに、なぜわたくしだけ上の名で呼ぶのですか!」

 

「なぜと言われても」

 

特にこだわりはないのだが

 

「海野とは財閥を代表する名であり、わたくしの個人名ではないわ。あなたはわたくし個人を見ていないと!」

 

「ああ」

 

そう言うこと気にするタイプの子だったんだ。

 

「そんなことはないよ。わかった、今からは幸子(さちこ)と呼ばせてもらうよ」

 

「ふん!」

 

俺が言った瞬間、俺の弁慶の泣き所に強烈な回し蹴りが入った。

 

「いたた、冗談だって。幸子(ゆきこ)と呼ばせてもらうよ」

 

「…ふん、わたくしが負けた以上、さっきのあなたの粗相は見逃してあげるわ」

 

「そりゃどうも」

 

「…わたくしはそろそろ帰らせていただきますわ」

 

「ああ、またな幸子」

 

「……」

 

そして不満足げに帰っていく幸子を見送った。

 

「コナミ様、あの方を見逃してよいのですか?」

 

「見逃すっていうか、紫が誤解してるだけで、彼女は別に敵じゃないから」

 

「なんと、そうでございましたか」

 

「ああ、今度会ったとき誤解を解いておかないとな」

 

「ところでコナミい様はなぜこのような場所にいらっしゃったのですか?」

 

「いや…昨日忘れ物したみたいで」

 

嘘はついてないぞ、確認を忘れてたのだから。

 

「そうでございましたか……コナミ様」

 

「……なんだ?」

 

「わたくしめも微弱ですが、いつでもコナミ様のお力になりますので」

 

「……ああ、ありがとう」

 

紫もこれで結構鋭いところがあったんだな。

でもあのデュエルにみんなを巻き込むわけにはいかない、あれは俺の役目なのだから。

 



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第十三話 コナミ君の湯けむり旅情!

sideコナミ

 

 

「……静かだな」

 

現在アカデミアは夏休み真っ最中。俺にはほとんどの生徒は実家に帰っているが、生憎そんなものは無いのでな。

皆俺についてこないかと誘ってくれたが、家族水入らずの中に俺が入るのは気が進まないので断った。

皆残念そうにしていたが、今ぐらいは俺の事は忘れてほしいものだ。

 

「お前は悩みとかなさそうでいいな、ファラオ」

 

今俺は窓から差す光に照らされながらベッドの上でファラオとか言うデブネコのノミ取りをしている。これがやってみるといい暇つぶしになる。

ノミ取りが終わったあとは毛をブラッシングして、さらにそのあとは爪を切って、耳掃除をして……もうこれで1日が終わる…

 

「全く、こんなんでいいのか?」

 

あの闇のデュエル行こう、不審なことは起きていない。しかしあの大量の闇のカードは確かに存在した。

いずれ闇のデュエルを行うときが来るはずだ……その時、俺はともかく、皆は……

 

「ファラオ、ここにいたのニャー?」

 

ブラッシングに移行したところで大徳寺先生が俺のところにやってきた。

 

「大徳寺先生、何か用ですか?ファラオに」

 

「今日はご飯に手を付けてないから少し心配になっただけニャ」

 

コイツ最近の俺のフルコースに味を占めて、食よりも優先してここへ来たってか?

 

「おや、顔が良くないどうかしたのかい?」

 

「顔が良くないのは生まれつきですよ」

 

「ああごめんごめん、顔色が良くないけどどうかしたのかい?」

 

この人でもわかるぐらい真剣な顔だったか…

 

「少し悩み事をしてただけですよ」

 

「ニャんだ、ファラオのせいじゃニャかったのか」

 

飼い主としての責任の心配だったのかよ…

 

「そんな悩み多きコナミ君に1つおすすめの場所があるんだけどニャ」

 

「おすすめの場所?」

 

・・・・・・

 

「はぁー」

 

大徳寺先生の言うおすすめの場所は温泉だった。なんせ火口近くの温泉だから悩みも吹っ飛ぶとのことだ。

ただでさえ里帰りで人がいないのにこの時間だ。浸かっているのは俺1人だけだった。

 

「しかし…本当にこの先どうすればいいのか…」

 

闇のデュエルの事は勿論だが、なによりあいつらをまきんでしまう。それが心残りだ。

この件にかかわるのは俺1人でいいはずなのだから……

 

「……」

 

湯船に顔をうずめながら考えていた時だった…

 

「がばぁ!」

 

突然足元にあった床が消え、温泉の底に沈んでいった……

 

 

 

 

「ん……」

 

目が覚めたとき、見たこともない場所にいた。ちなみに服も来ていた。口で説明するのは難しいが、

ただ1つ言えるのは、周りに大量のモンスターがいる。しかもソリッドビジョンではなく実態で……

 

「フン、よく来たな、誇り高き未来のデュエリストよ!」

 

「え?」

 

俺は突然現れたその男の発言に驚いた。どこに驚いたかはノーコメントだが。

 

「精霊を持たぬ者がここに来るのは異例だが、まあいい、それだけ貴様のデュエルに関する悩みが深かったということだろう」

 

「ちょっとそっちのさじ加減で話を進めないでもらえないか?」

 

俺に声をかけてきたのは変なコスプレをいた人だったが、こいつもモンスターの精霊なのか?

 

「お前はここのリーダーか?お前も闇のデュエリストなのか?そもそもここはどこなんだ?ちゃんと俺を帰す気はあるのか?」

 

「フン、ずいぶんと質問の多いやつだ。百の言葉お交わすより、1度のデュエルで全て伝わる、そうじゃなかったのか?」

 

そう言ってそいつはデュエルディスクを構えた。少し前の俺なら意気揚々とまでは行かずとも前向きに了承した条件だったが、まあいい。

 

「……ああ、デュエルで道が切り開かれるというならわかりやすい」

 

俺もデュエルディスクを構えた。

 

「フン、闇のデュエルの恐怖には埋もれていないようだな。悩みは恐怖とは別のところにあると見た」

 

コイツの言う通り、別に俺は闇のデュエルそのものに恐怖は感じていない。俺が恐れているのは仲間を巻き込むことだ……

 

「まあいいこのデュエルで全てが分かるだろう。わが名は正義の味方 カイバーマン!この気高い龍の力に貴様がどれだけ対抗できるか楽しみにしているぞ!」

 

 

「「デュエル!」」

 

 

1ターン目:コナミ

 

「俺の先攻、《シールドウィング》を守備表示で召喚。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター シールドウィング(守)

魔法・罠 セット×1

 

 

2ターン目:カイバーマン

 

 

「俺のターンドロー!俺が引いたカードは《正義の味方 カイバーマン》!攻撃表示で召喚する」

 

 

正義の味方 カイバーマン

効果モンスター

星3/光属性/戦士族/攻 200/守 700

このカードをリリースして発動できる。

手札から「青眼の白龍」1体を特殊召喚する。

 

 

「カイバーマンが2人…」

 

「このカードを生贄に、手札からしもべを1体召喚する!」

 

「しもべ…まさか」

 

「伝説を見せてやろう。いでよ、我が忠実なしもべ!見るがいい!そして戦くがいい!《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》!」

 

 

青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)

通常モンスター

星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

 

 

「これが《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》……」

 

「ゆけ《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》!守備モンスターを攻撃だ!」

 

「《シールドウィング》の効果発動。このカードは1ターンに2回まで戦闘では破壊さえない」

 

「フン、一撃目は防いだか。だがこれはほんの始まりにすぎん。カードを2枚伏せターンエンドだ」

 

 

カイバーマン

LP4000

手札 2

モンスター 青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

3ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン」

 

いきなり現れたと思ったら、伝説のデュエリスト海馬瀬人しか持っていないはずの《青眼の白龍》を使うとは、コイツはいったい何者なんだ……

 

「魔法カード《調律》を発動。《ジャンク・シンクロン》を手札に加える。そしてデッキトップのカードを墓地に送る」

 

墓地に落ちたのは《ドッペル・ウォリアー》。これならいけるな。

 

「《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で墓地の《ドッペル・ウォリアー》を特殊召喚。

 

「レベル2の《ドッペル・ウォリアー》に、レベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

 

☆3+☆2=☆5

 

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!」

 

 

ジャンク・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

☆5/闇属性/戦士族/攻2300/守1300

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、

このカードの攻撃力は自分フィールド上に表側表示で存在する

レベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分アップする。

 

 

「それが貴様のキーモンスターか」

 

シンクロモンスターにも驚かないとは…本当に何者だ?

 

「《ジャンク・ウォリアー》の効果発動。レベル2以下のモンスターの合計攻撃力分攻撃力をアップする。

 この効果にチェーンして《ドッペル・ウォリアー》の効果発動。

このカードがシンクロ素材となったことで《ドッペル・トークン》2体を特殊召喚する」

 

《ジャンク・ウォリアー》 ATK2300→3100

 

「ほう、《青眼の白龍(ブルーアイズ)》の攻撃力を超えたか」

 

「行くぞ、《ジャンク・ウォリアー》で《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を攻撃」

 

「甘いぞ!速攻魔法発動《収縮》この効果で貴様のモンスターの元々の攻撃力を半分にする」

 

 

収縮

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる。

 

 

「何!?」

 

《ジャンク・ウォリアー》 ATK3100→1950

 

「さあ《青眼の白龍(ブルーアイズ)》の攻撃を受けるがいい!」

 

「うわっ!」

 

コナミLP4000→2950

 

「くっ、カードを2枚伏せターン終了だ」

 

 

コナミ

LP2950

手札 2

モンスター シールドウィング(守)

      ドッペル・トークン(攻)×2

魔法・罠 セット×3

 

 

4ターン目:カイバーマン

 

 

「俺のターン、魔法カード《調和の宝札》を発動」

 

 

調和の宝札

通常魔法

手札から攻撃力1000以下のドラゴン族チューナー1体を捨てて発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

「このカードの効果で手札のチューナーモンスター《伝説の白石(ホワイト・オブ・レジェンド)》を捨てカードを2枚ドローする」

 

 

伝説の白石(ホワイト・オブ・レジェンド)

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/ドラゴン族/攻 300/守 250

このカードが墓地へ送られた時、デッキから「青眼の白龍」1体を手札に加える。

 

 

「チューナーモンスターだと!?」

 

本当にこいつは何者だ、この時代でシンクロモンスターを持っている奴はいないはず…

 

「さらに《伝説の白石(ホワイト・オブ・レジェンド)》が墓地へ行ったとき、デッキから《青眼の白龍(ブルーアイズ)》1体を手札に加える」

 

2体目の《青眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)》が奴の手札に…

 

「さらに永続罠《リミット・リバース》を発動」

 

「そのカードは」

 

「知っているのか、なら話は早い。墓地の《正義の味方 カイバーマン》を特殊召喚!さらにこのモンスターを生贄に、手札の《青眼の白龍》を特殊召喚!」

 

「2体の《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》がフィールドに……」

 

「行くぞ!《青眼の白龍(ブルーアイズ)》で《ドッペル・ウォリアー》を攻撃!」

 

「リバースカード発動《攻撃の無力化》攻撃を無効にし、バトルを終了させる」

 

「防戦一方とは情けない。魔法カード《マジック・プランター》を発動。《リミット・リバース》を墓地に送りカードを2枚ドロー」

 

 

マジック・プランター

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

「カードを1枚伏せターンエンドだ」

 

「エンドフェイズに罠カード《捨て身の宝札》を発動する」

 

 

捨て身の宝札

通常罠

自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター2体以上の攻撃力の合計が、

相手フィールド上に表側表示で存在する攻撃力が一番低いモンスターよりも低い場合、

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

このカードを発動するターン、

自分はモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができず、

表示形式を変更する事もできない。

 

 

「俺の攻撃表示の《ドッペル・トークン》2体の攻撃力の合計はお前のフィールドの《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》より低い。よって2枚ドローする」

 

 

カイバーマン

LP4000

手札 3

モンスター 青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)(攻)×2

魔法・罠 セット×1

 

 

5ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン……」

 

このモンスターなら仮に攻撃に失敗しても、壁モンスターを置くことができる。

 

「《ロード・シンクロン》を召喚」

 

 

ロード・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星4/光属性/機械族/攻1600/守 800

このカードを「ロード・ウォリアー」以外のシンクロ素材とする場合、

このカードのレベルを2つ下げたレベルとして扱う。

このカードが攻撃した場合、そのダメージステップ終了時に

このカードのレベルをエンドフェイズ時まで1つ上げる。

 

 

「レベル2の《シールド・ウィング》とレベル1の《ドッペル・トークン》2体に、レベル4の《ロード・シンクロン》をチューニング!」

 

☆4+☆2+☆1+☆1=☆8

 

「集いし希望が新たな地平へいざなう。光さす道となれ!シンクロ召喚!駆け抜けろ、《ロード・ウォリアー》」

 

 

ロード・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻3000/守1500

「ロード・シンクロン」+チューナー以外のモンスター2体以上

1ターンに1度、自分のデッキからレベル2以下の

戦士族または機械族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 

 

「《ロード・ウォリアー》の効果発動。デッキの《ボルト・ヘッジホッグ》を守備表示で召喚」

 

「また守備モンスターか」

 

「罠カード《スキル・サクセサー》を発動。《ロード・ウォリアー》の攻撃力を400アップさせる」

 

《ロード・ウォリアー》 ATK3000→3400

 

「バトルだ《ロード・ウォリアー》で《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を攻撃」

 

「ふん、そんな申し訳程度の攻撃力増加で俺の《青眼の白龍(ブルーアイズ)》は倒せまい!リバースカード発動、永続罠《竜魂の城》」

 

 

竜魂の城

永続罠

1ターンに1度、自分の墓地のドラゴン族モンスター1体をゲームから除外し、

自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで700ポイントアップする。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが墓地へ送られた時、

ゲームから除外されている自分のドラゴン族モンスター1体を選択して特殊召喚できる。

「竜魂の城」は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。

 

 

「このカードの効果により、墓地の《伝説の白石》を除外し《青眼の白龍》の攻撃力を700アップさせる!」

 

 ATK3000《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》→3700

 

「向かい打て《青眼の白龍(ブルーアイズ)》!」

 

「うぁ!」

 

コナミLP2950→2650

 

「くっ、カードを3枚伏せターン終了だ」

 

青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》 ATK3700→3000

 

 

コナミ

LP2650

手札 1

モンスター ボルト・ヘッジホッグ(守)

魔法・罠 セット×3

 

 

6ターン目:カイバーマン

 

 

「俺のターン、このターンで貴様に《青眼の白龍(ブルーアイズ)》の究極形態を見せてやろう!魔法カード《融合》を発動」

 

「《融合》だと!」

 

「フィールドと手札の《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を素材とし、ここに降臨せよ!《青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)》!」

 

 

青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)

融合モンスター

星12/光属性/ドラゴン族/攻4500/守3800

「青眼の白龍」+「青眼の白龍」+「青眼の白龍」

 

 

あれが海馬デッキ最強のしもべ、《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》の究極形態……

 

「さらに速攻魔法《エネミー・コントローラー》を発動。貴様のモンスターを攻撃表示にする」

 

「なに!」

 

 

エネミー・コントローラー

速攻魔法

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●相手フィールド上に表側表示で存在する

 モンスター1体を選択し、表示形式を変更する。

●自分フィールド上のモンスター1体をリリースして発動できる。

 相手フィールド上に表側表示で存在する

 モンスター1体を選択し、エンドフェイズ時までコントロールを得る。

 

 

「さらに《竜魂の城》の効果発動!墓地の《青眼の白龍》を除外し《青眼の究極竜》の攻撃力を700アップさせる!」

 

《青眼の究極竜》 ATK4500→5200

 

「いくぞ!《青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)》で《ボルト・ヘッジホッグ》を攻撃!」

 

「罠カード発動《ガード・ブロック》ダメージを0にし、カードを1枚ドローする」

 

「またその場しのぎのカードか」

 

くっ、何とかこのターンは乗り切ったが、このモンスターをどう対処すれば……

 

「敵を恐れ防御に徹するとは、貴様はそれでも誇り高きデュエリストか!」

 

「俺は敵など恐れていない!」

 

俺が恐れているのは俺の戦いに仲間が巻き込まれて犠牲になること……

 

「ふん、敵を恐れるのは愚かだが、仲間を恐れるのはさらに愚か者だ!」

 

「何!?」

 

「自分が一方的に仲間を守るなど自惚れるな!仲間とは共に戦い傷つけあう者。

 仲間のために守りを固める暇があれば!仲間に背中を預け反撃を顧みず攻撃するぐらいの度胸を見せてみろ!

 それとも貴様の仲間には貴様に守られなければ戦うことのできぬ軟弱ものしかいないのか!」

 

「……そんなことはない、俺の仲間はみんな強い」

 

「なら恐れることはない、せめて来い!誇り高きデュエリストコナミ!さあ貴様のターンだ!」

 

青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)》 ATK5200→4500

 

 

カイバーマン

LP4000

手札 1

モンスター 青眼の究極竜(攻)

魔法・罠 竜魂の城

 

 

7ターン目:コナミ

 

 

「ああ、俺のターン!《デブリ・ドラゴン》を召喚。効果により攻撃力500以下の《シールド・ウィング》を特殊召喚。さらに墓地の《ボルト・ヘッジホッグ》の効果発動。チューナーモンスターがいるときこのカードを特殊召喚できる」

 

「そのモンスターたちで貴様の切り札を見せてくれるのか」

 

「ああ。レベル4の《デブリ・ドラゴン》とレベル2の《シールド・ウィング》にレベル2の《ボルト・ヘッジホッグ》をチューニング」

 

☆4+☆2+☆2=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

 

「ほう、そいつが貴様の切り札の龍か」

 

「ああ。墓地の《スキル・サクセサー》の効果発動。このカードを除外することで《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力は800アップする」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→3300

 

「《スターダスト・ドラゴン》で《青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)》を攻撃!」

 

「攻撃力の低い《スターダスト・ドラゴン》でか?何をするつもりだ」

 

「伏せカード発動《シンクロ・ストライク》スターダストの攻撃力は、シンクロ素材となったカードの数×500アップする」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK3300→4800

 

「これで《スターダスト・ドラゴン》が攻撃力は上回った!」

 

「忘れたか!俺のフィールドには永続罠《竜魂の城》があることを」

 

「もちろん覚えていた、速攻魔法《サイクロン》を発動。《竜魂の城》を破壊する!」

 

 

サイクロン

速攻魔法

フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して発動する。

選択したカードを破壊する。

 

 

「これで《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力が上のままだ!を《青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)》攻撃!」

 

カイバーマンLP4000→3700

 

「ふん《竜魂の城》の効果発動。このカードが破壊されたとき、除外されたドラゴン族1体を特殊召喚できる!蘇れ《青眼の白龍》!」

 

「さすがだ、こうも《青眼の白龍》を巧みに操るとは。だがリバースカード発動《奇跡の軌跡》相手にカードを1枚ドローさせ、攻撃力を1000上げ、もう1度攻撃を行う」

 

 

奇跡の軌跡

通常罠

自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

相手はデッキからカードを1枚ドローする。

このターンのエンドフェイズ時まで、

選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、

1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃する事ができる。

そのモンスターが戦闘を行う場合、

相手プレイヤーが受ける戦闘ダメージは0になる。

 

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK4800→5800

 

「……いい目になってきたな。そのいきだ、敵を恐れるな!臆せずせめて来い!」

 

「ああ、《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を攻撃!ただし《奇跡の軌跡》の効果でダメージは0になる。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK5800→2500

 

 

コナミ

LP2650

手札 0

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

8ターン目:カイバーマン

 

 

「俺のターン、チューナーモンスター《青き眼の乙女》を攻撃表示で召喚。カードを2枚伏せターン終了だ」

 

 

カイバーマン

LP3600

手札 0

モンスター 青き眼の乙女(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

またチューナーモンスター…しかも攻撃表示。攻撃を誘っているとしか思えないが、例えモンスターを破壊するカードが伏せられていても、《スターダスト・ドラゴン》はそれを無効に出来る!

 

 

9ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、行くぞ《スターダスト・ドラゴン》で《青き眼の乙女》を攻撃!」

 

「よく臆せずせめてきた!だが《青き眼の乙女》の効果発動。このカードを守備表示にし、攻撃を無効にする」

 

 

青き眼の乙女

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードが攻撃対象に選択された時に発動できる。

その攻撃を無効にし、このカードの表示形式を変更する。

その後、自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚できる。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

カードの効果の対象になった時に発動できる。

自分の手札・デッキ・墓地から「青眼の白龍」1体を選んで特殊召喚する。

「青き眼の乙女」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

「さらに《青き眼の乙女》が効果を使ったとき、1《青眼の白龍(ブルーアイズ)》体を墓地から特殊召喚する!」

 

「そうはいかない、罠カード《奈落の落とし穴》を発動。《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を破壊し除外する」

 

 

奈落の落とし穴

通常罠

相手が攻撃力1500以上のモンスターを

召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。

その攻撃力1500以上のモンスターを破壊しゲームから除外する。

 

 

「そんな罠に掛かる《青眼の白龍(ブルーアイズ)》ではない!罠カード《緊急同調》を発動!」

 

バトル中にシンクロ召喚を行うカード、やはり何らかのシンクロモンスターを持っていたのか!

 

「レベル8の《青眼の白龍(ブルーアイズ)》にレベル1の《青き眼の乙女》をチューニング!」

 

☆1+☆8=☆9

 

「強靱にして無敵!最強の伝説が新たな力で敵を粉砕する!降臨せよ!《蒼眼の銀龍》!」

 

 

蒼眼の銀龍

シンクロ・効果モンスター

星9/光属性/ドラゴン族/攻2500/守3000

チューナー+チューナー以外の通常モンスター1体以上

このカードが特殊召喚に成功した時に発動する。

自分フィールド上のドラゴン族モンスターは次のターンの終了時まで、

カードの効果の対象にならず、カードの効果では破壊されない。

また、1ターンに1度、自分のスタンバイフェイズ時に発動できる。

自分の墓地の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。

 

 

「これがお前のシンクロモンスター……カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

コナミ

LP2650

手札 0

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

10ターン目:カイバーマン

 

 

「俺のターン、この瞬間《蒼眼の銀龍》の効果発動!自分のスタンバイフェイズに墓地の通常モンスター1体を特殊召喚する!再びその姿を現せ《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》!」

 

「まさか1度のデュエルでこんなにも《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を見ることができるとは…」

 

「行くぞ《青眼の白龍(ブルーアイズ)》で《スターダスト・ドラゴン》を攻撃!」

 

「速攻魔法発動《禁じられた聖槍》このカードの効果で《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》の攻撃力を800下げる。これで《スターダスト・ドラゴン》が《青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)》を返り討ちにする!」

 

 

禁じられた聖槍

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は800ポイントダウンし、

このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。

 

 

「ふっ、さすがだと言いたいが、爪が甘かったな!《蒼眼の銀龍》の効果発動!このカードが特殊召喚された次のターンの終了時まで俺のドラゴン族はカードの効果の対象にならない!」

 

「なん…だと!」

 

「よって《禁じられた聖槍》は無効!《青眼の白龍(ブルーアイズ)》よ《スターダスト・ドラゴン》を粉砕せよ!」

 

「うわあぁぁ!」

 

「強靭!無敵!最強!」

 

コナミLP2650→2150

 

「これで終わりだ《蒼眼の銀龍》でプレイヤーへダイレクトアタック!」

 

「うわあぁぁぁぁぁ!」

 

「粉砕!玉砕!大喝采!」

 

コナミLP2150→0

 

 

Winカイバーマン

 

 

「……負けた…」

 

「己の手で立ち上がれ、立てればよし立ち上がれなけれそこまでだ」

 

「……立ち上がれるよ」

 

「まだ戦いを恐れるか?」

 

「いや…楽しいデュエルだった」

 

「それでいい、負けを恐れるな、負けて勝て!」

 

「ああ」

 

「そしてどうしても立ち上がることができなくなったとき、貴様のは1人でないことを忘れるな」

 

「……ああ」

 

カイバーマン、あんたはそのことを俺に伝えるためにここに俺を呼んだのか…

 

「ところで俺が負けたってことは、俺ここから帰れないのか?」

 

「この世界とお前の世界はつながっている。目を閉じ、強く念じろ、道は自ずと開かれる」

 

目を閉じ、強く念じる……

 

「ぷはぁ!」

 

そして念じると俺は温泉に戻っていた。ご丁寧に服がログアウトした状態で。

 

 

そしてその後もしばらくは夏休みも何事もなく時は過ぎた。結局あのカイバーマンが何者だったのかはわからない。そもそもあれは夢だったのかも知れないし。

だが、たとえ夢でも俺はあいつとのデュエル、あいつの言ったことを忘れないだろう。

 



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第十四話 赤帽子の一級修羅場構築術

 

 

sideコナミ

 

 

夏休み最終日を迎える今日のこと。

 

「コナミさんお久しぶりですー」

 

いつものように猫の耳かきをしてたらゆまがやってきた。そりゃもう最終日だし帰ってくるよな。

 

「コナミさん何をしてるんですか?」

 

「見ての通り猫の耳かきだよ」

 

「うわぁ~、気持ちよさそうですぅ」

 

「ならゆまもやってあげようか?」

 

当然冗談のつもりだったんだが、どうもこの時の俺は久しぶりの友との会話で入りがわからなかったんだろうな。

もし相手がツァンや幸子だったら馬鹿じゃないとか言って終わったし、雪乃は悪乗りしそうだがいつも通り流すだろうな。紫は……なんか怖いから断っただろう。

 

「本当ですか!是非!」

 

でも、俺が相手にしてたのはゆまだった。

 

「それじゃあ私はどうすればいいですか?」

 

きらきらした目で見てきやがって、こんなの断れるわけなかろう…

状況を察したのか俺の膝にいたファラオものそのそと部屋を出て行った。

 

「……じゃあベットに寝てもらっていいか?」

 

「はい!」

 

ベットに横になったゆまの耳の高さはちょうどいい感じだった。

 

「じゃあゆっくり入れてくよ」

 

「は、はい、よろしくお願いします」

 

「いやそんな堅くなんなくていいから」

 

そして俺はゆまの耳を掃除していった。人の耳は初めてだったが意外とできるもんだな。

 

「んっっ、あぅ…」

 

時々気持ち良さそうな喘ぎ声が聞こえるが……ゆまだから純粋に自然と出ただけだよな…

 

「ふぅー」

 

「ひゃうぅ!」

 

「あ、悪い、いつも猫には最後に行き吹きかけてたから勢いで」

 

「い、いえ、今のも気持ちよかったです。ちょっとびっくりしただけですから」

 

「ならいいが、じゃあ反対もやってくよ」

 

ゆまが反対に体制をひっくり返した時だった。

 

「コナミ様、お久しぶりでございます」

 

「元気にしてた、私のかわいい子」

 

雪乃と紫がひってきた。全くノックもなしに。まあいつものことだけど

 

「「……」」

 

そして2人は中にも入らず何かに驚愕したような表情で俺とゆまを見ている。

 

「紫ちゃん、雪乃さんお久しぶりです」

 

「ええ久しぶりねゆま。ところで2人は何をしているの?」

 

……何とかうまくいってくれよ、天然でも多少空気を読むぐらい、

 

「コナミさんが耳かきをしてくれてるんですよ!」

 

やっぱりできないか…

 

「あら、そうだったの」

 

「そうですか、2人はそう言った関係でございましたか」

 

なんだかあらぬ誤解をされてる気がする……

 

「コナミさん、早く反対側も」

 

空気が読めない子だな…もういいけど。

 

「どうやら私たちは邪魔みたいね」

 

「また日お改めさせていただきます」

 

ちょっと怖い目をしながら2人が帰ろうとする、後が怖いよ。

 

「ええ、帰っちゃうんですか?」

 

「私たちが居たらゆまも落ちついてコナミにしてもらえないんじゃない?」

 

「そんなことないですよ。そうだ、2人にもしてあげたらどうでしょうか」

 

何を言い出すんだ、これはゆまみたいな純粋な子だからやってあげられる行為で、

 

「でも私が決めちゃダメ、ですよね?」

 

俺はどうも純粋な子には弱らしいな。それにゆまだけやって2人にやらないと、それこそ後で何言われるか…

 

「俺はやってもいいよ、ゆまの後でな」

 

「本当ですかコナミ様?」

 

「あら、コナミにしては積極的ね」

 

もういいさ、とことん付き合うよ。

 

 

 

sideツァン

 

 

……大丈夫、旅行から戻ってきて挨拶するのは普通だもんね。

 

「すぅー、はぁー」

 

とりあえず深呼吸、僕は今コナミの部屋の前にいる。まあ特に用があるわけじゃないけど、

しばらく顔を見せてなかったから、コナミも寂しがってるんじゃないかなと思ってきたわけだけど。

 

「あぁ、やぁっ!」

 

なんだか扉の向こうから妙な喘ぎ声が聞こえてきた。

 

「あっ、やぁ、だめぇそこは、ああん!」

 

「うるせーよ、あんま変な声出すとやめるぞ」

 

「あら?コナミが喜ぶと思ったのに?」

 

「どういうサービスだよ?」

 

何なの?あの気持ちよさそうな声は、それにサービスって何!?

 

「それよりもう浅い所は十分よ、もっと奥に入れて頂戴」

 

え?奥にい、イれる!

 

「じゃあ奥まで入れるよ」

 

「はぁはぁ、ええ、来て……」

 

「ちょちょちょっと!何をしてるの!」

 

僕は思わず扉を開けて入り込んだ、そこでは雪乃を膝に寝かせて耳かきをするコナミと、

それを眺めるゆまと、何処か放心している紫だった。

 

「何してるの?」

 

「見てわからないか?耳かきだよ」

 

「コナミったら、意外とテクがすごくて」

 

相変わらず卑猥な言い方をするわね。

 

「雪乃さんすごく気持ちよさそうな声が出てましたよ」

 

相変わらずピュアな意見ね。

 

「……」

 

この子はどうしちゃたんだろう?

 

「はい、終わったよ」

 

「あらもう終わりあの?」

 

「もう終わりだよ。あんま汚くなかったし」

 

「こんなことなら3月ぐらい溜めておけばよかったわ」

 

「全く……挨拶が遅れたが、久しぶりだなツァン」

 

「う、うん、久しぶり」

 

挨拶するのが遅いんだよ、もう…

 

「で、来て早々だけどツァンはどうするの?」

 

「どうするって何が?」

 

「耳かき、する?」

 

「な、ななな何言っちゃってるのかな君は!?」

 

「いやもう3人も4人も変わらないからさ、まあいやなら全然いいけど」

 

「べ、別にいやじゃないけど…どうしてもって言うならさせてあげないこともないよ」

 

「相変わらず素直じゃないわね」

 

「ツァンさんもやってもらいましょうよ」

 

「ま、まあ皆がそこまで言うなら」

 

そういってコナミのひざに頭を乗せようとしたが、

 

「…ねえ、何でここ濡れてるの…」

 

コナミの膝の一部が濡れていた。

 

「…あんたまさか!」

 

「すみませぬ、それは私目のものでございます」

 

「紫の?」

 

「はい、コナミ様の耳掃除があまりにも気持ち良いものでしたので、ついウトウトと」

 

「本当に気持ち良さそうに寝てました」

 

「でもまさか膝にヨダレを垂らすほど熟睡するなんてね」

 

「お恥ずかしい限りです…」

 

で、でも、紫がそんなになるぐらい…

 

「じゃ、じゃあ失礼します」

 

「ああ、始めるよ」

 

 

 

sideコナミ

 

 

「はい、終わったよ」

 

「う、うん」

 

たどたどしくツァンが俺から離れた。

 

「あ、ありがとう、まあ気持ちよくないこともなかったよ」

 

「相変わらず素直じゃないわね」

 

まあみんなが満足してくれたならそれでいいが、なんか俺も耳痒くなってきたな。

 

「コナミさん、どうかしましたか」

 

俺のむず痒い態度にゆまが気づいたようだ。

 

「いやみんなの耳かきしてたら俺も耳が痒くなってきたから耳かきしようかなと」

 

「だったらさっきのお礼に私がしてあげるわよ」

 

「いえここはわたくしめがして差し上げます」

 

「私もコナミさんにお礼がしたいです!」

 

「まあやられっぱなしじゃ悪いし、ぼ、僕もしてあげない事ないよ!」

 

「「「「…………」」」」

 

ん、なんだか空気が穏やかやないな…

 

「もちろん私にお願いするわよねコナミ」

 

「コナミ様、わたくしめが一番気持ちよくできる自信がございますが」

 

「お願いです、私を選んでください!」

 

「この僕がするって言ってるんだから僕を選んで当然だよね」

 

「「「「さ、誰を選んでくれるの(ですか)(でしょうか)!」」」」

 

誰を選んでも結果が変わらないと思うのは俺だけか…この状況を解決するには…

 

「ここはデュエルの聖地デュエルアカデミアだ。もめ事はデュエルで解決するべきだ」

 

「それなら僕で決まりだね」

 

「あら、たいした自身ね」

 

「わ、私だって負けませーん!」

 

「全霊をかけてコナミ様を手にして見せます!」

 

皆の気がまぎれたな……今のうちに逃げるか。こうして俺はこのギスギスした場所から逃亡した。

 

 

「さて、とりあえず校内に逃げたがどうするか」

 

もう休み最後の日だけあって、ほぼすべての生徒が帰ってきており、普段の休みと同じ風景だった。

 

「このまま人ごみにまぎれるのもありだが…いや、あいつらなら見つけるか…」

 

「あら、ずいぶんと浮かない顔をした残念な庶民がいると思ったらあなたでしたか」

 

聞き覚えのある声を聞き振り返ると幸子がいた。

 

「幸子か久しぶりだな。夏休み前に会って以来か」

 

「そうですわね、夏休み前のあの日に会って以来……って何を思い出させるの!」

 

突然幸子が顔を赤くして怒鳴った。いったい何を思い出した?

 

「……それよりも何か悩み事?」

 

「まあね」

 

「ちょうど今は退屈していたの、と・く・べ・つ・に、聞いて差し上げてもいいわ」

 

「そりゃどうも。実は現在逃走中で4人のハンターから逃げ回ってるんだよ」

 

「それは何かの企画ですの?」

 

「それぐらいの軽いのりで済めばいいが。まあそんなわけで身を隠すところを探してる真っ最中なんだよ」

 

「それは大変ね…まあどうしてもと言うのなら、わたくしの部屋で匿わないこともなくてよ」

 

「本当か?そうしてくれると助かるかな」

 

そんなわけで俺は幸子の部屋に転がり込んだ。

 

「そもそもあなたは何で逃走する羽目になったの?」

 

「まあ簡潔に言うと、耳かきかな」

 

「はい?」

 

「いや…ある4人に耳かきをしてあげたら、御礼に俺には誰がするかでもめて気まずかったんで、逃げた」

 

「何をいい顔で情けないことを…でもあなたに耳かきをされた上で御礼をしなくてはとは、その4人も気の毒なこと」

 

「何を、あいつらはなかなか絶賛だったぞ」

 

「それは庶民の感覚ですから」

 

「そんなに信用できないなら試してみるか?」

 

「あら、専門の耳かき士にもされたことのあるわたくしを満足させられると?」

 

「その耳かき士を呼ぶのがもう馬鹿らしくなると思うよ」

 

「それは面白いわ。じゃあお願いするわ」

 

 

 

side雪乃

 

 

「《終焉の王デミス》の効果発動ね。ツァンのカードをすべて破壊するわ」

 

「そんな、僕の布陣が!」

 

「さらに墓地の昆虫族モンスター2体を除外して、《デビルドーザー》を特殊召喚ね」

 

 

デビルドーザー

効果モンスター

星8/地属性/昆虫族/攻2800/守2600

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地の昆虫族モンスター2体を

ゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる。

このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、

相手のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。

 

 

「激しくね、2体のモンスターでダイレクトアタック!」

 

「きゃぁぁぁぁ!」

 

ツァンLP4000→0

 

「くぅぅ、なんて大人気ない…」

 

「ふふ、残念だけどコナミは譲れないわ」

 

コナミをめぐるデュエルはトーナメント方式で決めることになり、私は後攻1ターン目でツァンを1キルで倒したわ。

どうやら向こうももう決着が付きそうね。

 

「わたくしめの番です、通常魔法《地割れ》を発動いたします」

 

「ああ《アブソルートZero》が、でも《アブソルートZero》の効果で紫ちゃんのモンスターを全て破壊します!」

 

「心得ております。《グリーン・ガジェット》を召喚いたします。その効果で《イエロー・ガジェット》を手札に加えます」

 

「《ガジェット》さんがまた!」

 

「さらに永続の罠《血の代償》を発動いたします。ライフポイントを500支払い―――――4体の《ガジェット》で直接攻撃いたします」

 

「きゃぁぁぁ!」

 

ゆまLP4000→0

 

「あうぅ、負けちゃいました…」

 

紫も1ターンキル…コナミへの思いは本気ってわけね。

 

「どうでしたかコナミ様、わたくしめの活躍を…おや、コナミ様?」

 

「ああ、コナミさんがいません!」

 

「何だって!?」

 

ゆまと紫の声を聞き周囲を見渡したけれど、確かにコナミの姿はなかった。

 

「まさか私たちがデュエルに集中してる間に逃げたの!?」

 

全くこんなことで私たちを付け上がらせておいて、見つけたらおしおきよ!

 

「ここは一先ず休戦してコナミを探しましょう」

 

「そうだね、誰か心当たりはない?」

 

「私はわかりませんけど、誰かの部屋に入れてもらったんじゃないですか?」

 

「そういえば先日、コナミ様の知り合いの女生徒と出会ったのですが」

 

「女子生徒…怪しいわね」

 

「よし、じゃあその生徒をまずは探してみよう!」

 

 

 

sideコナミ

 

 

ん、なんか今体に悪寒が走ったが、

 

「くぅ、まさか庶民のでこんなにも気持ちよくなってしまうなんて、屈辱だわ」

 

「卑猥に聞こえるから『耳かきで』をつけてくれ」

 

しかし今感じた悪寒は……そうだ、雪乃以外は俺と幸子に繋がりがあるのを知っている、部屋の場所を調べるのも4人がかりならそう時間は掛からないだろし…

 

「幸子、庇ってくれて助かった。だがもう十分だ、俺は次の場所へ移動するよ」

 

「あらそう……って、何で窓から?」

 

「玄関からでは鉢合わせの可能性があるからな」

 

「でもここ3階よ」

 

「問題ない、デュエリストだから」

 

そういって俺はなんなくビル3階分はありそうな高さを飛び降り逃走した。

 

 

 

その後どこへ逃げようかと考えながら走っていると、一人の女性が古びた軽トラックを押していた。

少しぽっちゃりめで後ろで一本に纏められた太めの三つ編…購買部のトメさんか。

 

「うんしょ、よいしょ」

 

さっきから軽トラックを押し続けているのだが、ちっとも前へ進んでいない。むしろ、次第に後退している。

これはさすがにほうってはおけないな。

 

「手伝うよトメさん」

 

そういって俺は軽トラックの後ろに手を伸ばし、力いっぱい押した。

 

「え?言いのかい?」

 

「ああ、困ってる人を見過ごせない主義でね」

 

さっきまで全く動かなかった軽トラックも、俺の力が加わった事でゆっくりと前へと進み始めた。

 

「はぁ……やっとついた」

 

「ふぅ……ふぅ……有難うね?コナミちゃん」

 

「いえいえ、それじゃ俺はこれで」

 

「ちょっと待ちな、お礼にお茶でも入れるからよって行きな」

 

「いやでも……」

 

まてよ、購買部の中に一般生徒が居る等とは考えないよな。

 

「本当にいいんですか?」

 

「ああ、私がそうしたいんだから」

 

トメさんに案内されるままに購買部の奥の部屋に案内された。こんな部屋があったのか。

 

「こんなものしかないけど」

 

「いえお構いなく」

 

ここに隠れていられるだけで満足ですから。

 

「おや、お耳が痒いのかい?」

 

「え?ま、まあ」

 

どうやら無意識の内に指で耳をかいていたようだ。

 

「良かったら私が耳かきしてあげようか?」

 

「え?いいんですか?」

 

「ああ、こう見えても結構自信があるんだよ」

 

「それじゃあ、お願いしますかね」

 

こうして俺はトメさんに耳かきされた。

 

 

 

sideツァン

 

 

「つまり、誰があの庶民に耳かきをするかで争っている隙に逃げられたと」

 

コナミは幸子のところに居るという推測は正しかったが、一歩遅かったようだった。

 

「でもやられっぱなしというのはわたくしらしくないわね。いいわ、その戦いわたくしも参加させてもらうわ!」

 

なんでそんな話に?

 

「あら、あなたのようなお嬢様が誰かに耳かきをしたことなんてあるのかしら?」

 

「…………」

 

雪乃の質問に幸子が黙り込む。どうやらないみたいだ。

 

「したことがないんじゃコナミは任せられないわ」

 

「コナミ様もあの腕の持ち主ですから、初めての方では満足できぬでしょう」

 

「くっ!」

 

……言えない、僕も人にしたことはないなんて、いまさら言えない…

 

「大丈夫です!わ、私も人にしたことはありませんが、頑張ればコナミさんだって受け止めてくれますよ!」

 

ゆま何て健気な、隠そうとしていた僕が情けないよ。

 

「そ、そうよ!経験なんて関係ないわ!結果が全てなのだから!」

 

「まあ、まずはコナミを見つけないことには始まらないし」

 

「そ、そうだよ、まずはこの窓から降りた付近を捜してみよう」

 

そしてその付近の生徒から、トメさんと軽トラックを押していたという情報を手に入れ、購買部に向かった。

 

 

 

sideコナミ

 

 

「はい、こっちの耳も終わったよ」

 

「ええ、ありがとうございます、おかげですっきりしましたよ」

 

「そうかい、それは良かったよ」

 

耳はすっきりしたが、この光景をあいつらに知られたらどうなるか……

 

「おや、ちょうど出迎えの子たちも着てたようだね」

 

「え?出迎え」

 

トメさんに言われ、入り口を見ると、

 

「「「「「………」」」」」

 

ああトメさん、この人たちは出迎えではなくお迎えです。

 

「コナミ、私たちから逃げたと思ったら、こんなところで女遊びとはいいご身分だ事」

 

女遊びって……

 

「しかもトメさんと、守備範囲広すぎるよ」

 

「いや俺はただ、良かれと思って困ったトメさんを手伝っただけだ」

 

「百歩譲って手伝ったのはよろしいですが、争いの原因の耳かきまで済ませてしまうとは、庶民のその性根、ン熱血指導ゥよ!」

 

「何だその危ない発言、すまないが俺の耳はもう十分きれいになってしまったんだ」

 

「コナミさんが満足しても私は満足してません!私たちの満足はこれからです!」

 

「ゆままでそっちサイドに!とにかく皆落ち着いてくれ」

 

「この状況でお話し合いが出来るとお思いとは、コナミ様はとんだロマンチストでございますね」

 

「他の4人ならまだしも僕たちと全く関係ない女の下に転がり込むなんて、コナミ、懺悔の用意は出来ているの?」

 

「だめだ5人から良からぬ空気しか感じ取れない……」

 

「さあコナミ、覚悟は出来た」

 

「良い訳ないでしょ!」

 

「待ちなさい!」

「待てー!」

「お待ちなさい!」

「待ってくださーい!」

「お待ちください!」

 

再び全力逃走を始めた俺を5人が追いかける。

 

「おやおや、最近の若い子は元気だねぇ」

 

トメさんののんきな声をバックに俺たちは走る。今後もこの程度の戦争で全てが治まるばいいのだが、そんな思いを胸に俺は走り続けた。

 



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第十五話 始まった非日常

夏休みも終わり1週間が過ぎた。今のところは平和だが、あの時から2月ほどたったし、そろそろ動きがあっても……

 

「コナミ、また怖い顔してるわよ?」

 

「ん?そうだった?」

 

現在はレッド寮で昼食中だ。寮の食堂だと俺だけ省かれるからとみんな来てくれた。別に1人でもよかったのだが。

 

「そうですよ、夏休みが明けてからいつも何か悩んでいるみたいです」

 

「なんか悩みがあるならご相談ください」

 

「まあ言うだけでも楽になるって言うし、僕も聞くだけなら」

 

「ありがとう気持ちは嬉しいけどたいして悩んでいるわけではないから」

 

なるべくの笑顔で言うが、正直言ってあのカードは見過ごせない。…しかし今は他の生徒からの視線が痛い。

 

――あいつ、女子を4人も侍らせて!――

 

――くそっ!見せつけやがって!――

 

――リア充爆発しろ!――

 

言葉も痛いぜ。

 

「あうぅ、そんなに落ち込んでたらよくないですよ、お昼を食べて元気出しましょう。はい、あーんです」

 

「え?あ、ああ」

 

ゆまに差し出されたサンドイッチを思わず食べてしまった。

 

「コナミ、このチーズフォンデュも絶品よ」

 

「……この野菜の煮物も大変、美味しゅうございますよ」

 

「この肉じゃがもあげるから、口開きなさいよ」

 

3人が立て続けに、左手を添えておかずを俺に差し出した。心なしか周りの嫉妬の目が殺気の目に変わった気がする…

しかし、そんな平和な時間は突然終わりを告げた。

 

「「うわぁぁぁ!」」

 

突然2人のブルーの男子生徒が吹き飛ばされてきた。

 

「なっ、なに!」

 

「な、なんですか!」

 

ゆま達や、周りにいた生徒がざわめく。2人の生徒が飛んできた方を見ると、もう1人レッドの生徒が立っていた。

 

「あのオーラは……」

 

その生徒はあの時と同じ黒い霧が纏われたカードを手にしていた。

 

「コナミ…あのカードは」

 

「ああ、雪乃も気づいたか」

 

そう言って俺はその生徒に歩み寄った。

 

「ちょ、何いきなり近づいてるの!危ないじゃない!」

 

「落ち着きなさいツァン。コナミならきっと大丈夫よ」

 

「雪乃……」

 

なんかよくわからんが雪乃は俺を信頼してるようだ。

 

「どうしたんだ、もめごとか?」

 

とりあえず挨拶の様に声をかけてみる。

 

「ククク、俺は力を手に入れた!もうオシリスレッドの屑などとは呼ばせない!俺はこの力でキングにだってなってやるぜ!」

 

だめだ、完全に狂ってるよコイツ。

 

「さあ、次に俺、栄彬(さかえあきら)のキングへの糧となる生け贄は誰だ!」

 

「えっと……じゃあ、はい」

 

とりあえず手を挙げてみる。

 

「貴様か。オシリスレッドでは物足りないが、まあいいだろう!」

 

お前もオシリスレッドじゃねーかよ。そんな愚痴を思いながらデュエルディスクを構える。

 

「ほい、準備できたよ」

 

「さあ、いくぞ!」

 

「「デュエル!!」」

 

 

1ターン目:栄彬

 

 

「俺の先攻だ!《ガーゴイル・パワード》を召喚!」

 

 

ガーゴイル・パワード

通常モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1200

 

 

「永続魔法《凡骨の意地》を発動」

 

 

凡骨の意地

永続魔法

ドローフェイズにドローしたカードが通常モンスターだった場合、

そのカードを相手に見せる事で、自分はカードをもう1枚ドローする事ができる。

 

 

「カードを1枚伏せターン終了だ!」

 

 

LP4000

手札 3

モンスター ガーゴイル・パワード(攻)

魔法・罠 凡骨の意地

     セット×1

 

 

2ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、俺のフィールドにモンスターがいないので、《ジャンク・フォワード》を特殊召喚」

 

 

ジャンク・フォアード

効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻 900/守1500

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「さらに《クイック・スパナイト》を召喚」

 

 

クイック・スパナイト

チューナー(効果モンスター)

星3/地属性/機械族/攻1000/守 800

このカードがシンクロモンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

相手フィールド上に表側表示で存在する

モンスター1体の攻撃力は500ポイントダウンする。

 

 

「レベル3の《ジャンク・フォワード》にレベル3の《クイック・スパナイト》をチューニング、

 

☆3+☆3=☆6

 

「己の魂をまといて勝利を目指せ、戦士の勇姿が今ここに!現れろ《マイティ・ウォリアー》」

 

 

マイティ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星6/地属性/戦士族/攻2200/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

「《クイック・スパナイト》がシンクロ素材として墓地に送られたことで、《ガーゴイル・パワード》の攻撃力を500下げる」

 

《ガーゴイル・パワード》 ATK1600→1100

 

「バトル、《マイティ・ウォリアー》で《ガーゴイル・パワード》を攻撃」

 

「ぐぁぁ!」

 

彬LP4000→2900

 

「《マイティ・ウォリアー》の効果発動。相手モンスターを破壊した時、その攻撃力の半分のダメージを与える」

 

「なに!がぁぁ!」

 

彬LP2900→2100

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

コナミ

LP4000

手札 3

モンスター マイティ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

3ターン目:彬

 

 

「俺のターン、今引いたのは通常モンスター《闇魔界の覇王》よって《凡骨の意地》の効果発動。もう1枚ドロー。《ドラゴン・ゾンビ》を召喚」

 

 

ドラゴン・ゾンビ

通常モンスター

星3/闇属性/アンデット族/攻1600/守 0

 

 

「さらに魔法カード《ゼラの儀式》を発動。手札のレベル5の《闇魔界の覇王》とレベル3の《ガーゴイル》を生贄に、《ゼラ》を特殊召喚!」

 

 

ゼラ

儀式モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻2800/守2300

「ゼラの儀式」により降臨。

場か手札から、星の数が合計8個以上になるよう

カードを生け贄に捧げなければならない。

 

 

「さあバトルだ!《ゼラ》で《マイティ・ウォリアー》を攻撃!」

 

「リバースカード発動《ダメージ・ダイエット》このターン俺へのすべてのダメージを半分にする」

 

 

ダメージ・ダイエット

通常罠

このターン自分が受ける全てのダメージは半分になる。

また、墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、

そのターン自分が受ける効果ダメージは半分になる。

 

 

「構わん!攻撃続行だ!」

 

「くっ…」

 

コナミLP4000→3700

 

「さらに《ドラゴン・ゾンビ》でダイレクトアタックだ!」

 

「……」

 

コナミLP3700→2900

 

…今のダメージ、間違いなくソリッドビジョンによる幻想ダメージだ。肉体的なダメージは一切ない。

周りに闇も出ていないし、やはりこれは闇のデュエルではないようだ。

となるとあいつは単に闇のカードに操られているだけなのか…

 

「これで俺のターンは終了だ!」

 

 

LP4000

手札 0

モンスター ゼラ(攻)

      ドラゴン・ゾンビ(攻)

魔法・罠 凡骨の意地

     セット×1

 

 

4ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、手札の《ボルト・ヘッジホッグ》を捨て《クイック・シンクロン》を特殊召喚する」

 

 

クイック・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星5/風属性/機械族/攻 700/守1400

このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、

手札から特殊召喚する事ができる。

このカードは「シンクロン」と名のついたチューナーの代わりに

シンクロ素材とする事ができる。

このカードをシンクロ素材とする場合、「シンクロン」と名のついた

チューナーをシンクロ素材とするモンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。

 

 

「《シールド・ウィング》を召喚」

 

 

シールド・ウィング

効果モンスター

星2/風属性/鳥獣族/攻 0/守 900

このカードは1ターンに2度まで、戦闘では破壊されない。

 

 

「レベル2の《シールド・ウィング》にレベル5の《クイック・シンクロン》をチューニング」

 

☆5+☆2=☆7

 

「集いし怒りが忘我の戦士に鬼神を宿す。光さす道となれ!シンクロ召喚!吠えろ、《ジャンク・バーサーカー》」

 

 

ジャンク・バーサーカー

シンクロ・効果モンスター

星7/風属性/戦士族/攻2700/守1800

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

自分の墓地に存在する「ジャンク」と名のついたモンスター1体をゲームから除外し、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択した相手モンスターの攻撃力は、除外したモンスターの攻撃力分ダウンする。

また、このカードが守備表示のモンスターを攻撃した場合、

ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する。

 

 

「《ジャンク・バーサーカー》の効果発動。墓地の《ジャンク・フォワード》を除外し、《ゼラ》の攻撃力を900下げる」

 

《ゼラ》 ATK2800→1900

 

「《ジャンク・バーサーカー》で《ゼラ》を攻撃」

 

「ぐぁぁぁ!」

 

彬LP2100→1200

 

「カードを1枚伏せ、ターン終了だ」

 

 

コナミ

LP2900

手札 0

モンスター ジャンク・バーサーカー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

5ターン目:彬

 

 

「俺のターン、引いたカードは通常モンスター《レッド・サイクロプス》よってもう1枚ドロー!ククク来たぜ!俺の力の象徴が!」

 

来るか、奴の闇のカードが……

 

「墓地に闇属性モンスターが4種類存在する今、闇属性の《ドラゴン・ゾンビ》1体を生贄に《堕天使ゼラート》を召喚!」

 

 

堕天使ゼラート

効果モンスター

星8/闇属性/天使族/攻2800/守2300

自分の墓地に闇属性モンスターが4種類以上存在する場合、

このカードは闇属性モンスター1体をリリースしてアドバンス召喚する事ができる。

手札から闇属性モンスター1体を墓地へ送る事で、

相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

この効果を発動したターンのエンドフェイズ時にこのカードを破壊する。

 

 

「《堕天使ゼラート》の効果発動!手札の《レッド・サイクロプス》を墓地に送り、貴様のモンスターを全て破壊する!」

 

《堕天使ゼラート》が体中から闇を発し、俺のフィールドを飲み込んだ。効果を終えても《堕天使ゼラート》は常に体中から闇を放っている…あのカードが奴の闇のカードなのか…

 

「くらえ!《堕天使ゼラート》でダイレクトアタック!」

 

「ぐぁぁっ!」

 

コナミLP2900→100

 

この体から力が抜かれるような感覚……間違いない、これがが奴の闇のカードだ。

 

「効果を発動した《堕天使ゼラート》はエンドフェイズに破壊されるが、罠カード《亜空間物質転送装置》を発動。《堕天使ゼラート》をエンドフェイズまで除外する」

 

 

亜空間物質転送装置

通常罠

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、

このターンのエンドフェイズ時までゲームから除外する。

 

 

「ターンエンドだ。そして《堕天使ゼラート》はフィールドに戻る」

 

 

LP1200

手札 0

モンスター 堕天使ゼラート(攻)

魔法・罠 凡骨の意地

 

 

6ターン目:コナミ

 

 

闇のカードが判明した以上、これ以上このデュエルを長引かせる必要はない。さっさとあのモンスターを倒してデュエルを終わらせる。

 

「俺のターン、《デブリ・ドラゴン》を召喚」

 

 

デブリ・ドラゴン

チューナー(効果モンスター)

☆4/風属性/ドラゴン族/攻1000/守2000

このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を選択して

表側攻撃表示で特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

このカードをシンクロ素材とする場合、

ドラゴン族モンスターのシンクロ召喚にしか使用できず、

他のシンクロ素材モンスターはレベル4以外のモンスターでなければならない。

 

 

「効果で《シールド・ウィング》を特殊召喚。さらに墓地の《ボルト・ヘッジホッグ》を効果で特殊召喚。

 レベル4の《デブリ・ドラゴン》とレベル2の《シールド・ウィング》にレベル2の《ボルト・ヘッジホッグ》をチューニング」

 

☆4+☆2+☆2=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

☆8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

「フィールド上のカードを破壊する効果」を持つ魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし破壊する。

この効果を適用したターンのエンドフェイズ時、この効果を発動するためにリリースされ墓地に存在するこのカードを、

自分フィールド上に特殊召喚できる。

 

 

「何かと思えば、《堕天使ゼラート》より攻撃力の低いモンスターではないか」

 

「それはどうかな。罠カード発動《シンクロ・ストライク》」

 

 

シンクロ・ストライク

通常罠

シンクロ召喚したモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで、

シンクロ素材にしたモンスターの数×500ポイントアップする。

 

 

「《スターダスト・ドラゴン》の素材は3体。よって攻撃力1500アップ」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→4000

 

「攻撃力4000だと!」

 

「今、解放してやる。《スターダスト・ドラゴン》で《堕天使ゼラート》を攻撃!」

 

「うわあぁぁぁ!」

 

彬LP1200→0

 

 

Winコナミ

 

 

「……大丈夫か?」

 

「う…うぅ…」

 

俺が闇から解放されたと思われる生徒に歩み寄っていくと、

 

「あいつめ!さっきはよくもやりやがって!」

 

「ブルーの生徒に逆らった罰をきっちり与えてやる!」

 

後ろからさっきまでびくびく怯えていたブルーの生徒がガンを飛ばしながら走ってきた。

 

「うわ!」

 

しかしそのうちの1人が同じく俺の方に向かっていた雪乃に足を取られ転倒した。

 

「何しやがる!」

 

そう言ってもう1人が雪乃につかみかかるが

 

「気安く触らないで!」

 

「がぁ!」

 

雪乃に急所を蹴られて悶絶した…あれは痛い、さっきの《堕天使ゼラート》の攻撃よりも痛いよ。

 

「自分より弱いと思った相手やすでに弱った相手にばかりに集って、恥を知るのねボウヤ!」

 

「くっ……」

 

雪乃の喝を受けて2人の生徒はひるんでいる、いい気味だがもう1つ脅しとくか。

 

「なあ、ブルーに逆らったレッドには罰を与えるんだよな?だったらまず俺にかかってきなよ」

 

「は!?」

 

「俺もお前らには不満があるんだよ。さあ、さあ、さあ!」

 

必要以上に俺が迫ると、またさっきみたいな怯えた表情に変わっていった。

 

「くっ、おぼえてろよ!」

 

したっぱ感丸出しの台詞を吐いて奴らは消えて行った。

 

「大丈夫ですかコナミさん!」

 

「お怪我はありませぬか」

 

「ああそれよりこいつを保健室まで運ばないとな」

 

そう言って俺は倒れているレッドの生徒を担いだ。

 

「そいつ、助けるの?」

 

「ああ。放置するのも後味悪いし、それに聞きたいこともあるし」

 

 

 

 

「結局何もわからなかったわね」

 

「いったいさっきのはなんだったのでしょう」

 

あの後起きた生徒から話を聞こうとしたが、カードを拾ってからの事は、デュエルをしてた気がすると言うことしか覚えていなかった。ただ、

 

「情報ならあった」

 

「え?あの人、何か覚えてたんですか?」

 

「ああ。あのカードを拾ったときのことは覚えていた。浜辺での実習中に見つけたと」

 

「でも、そんなの大した情報じゃ」

 

「そしてデュエルの後、彼のデッキを見たが、《堕天使ゼラート》は消えていた」

 

「カードが消えるって…そんなことあるんですか!」

 

「大ありですわ!」

 

ゆまの疑問に答えたのはその場にいた4人の誰でもなかった。

 

「ああ、幸子(さちこ)か」

 

声のした方に目をやると、その主は海野幸子だった。

 

「何度言えば分るのかしら!わたくしの名前はゆきこですわ!ゆ・き・こ!」

 

「すまない幸子(ゆきこ)」

 

「それより、カードが消えることがあり得るって、どういうことかしら?」

 

「簡単なことですわ。さきほどわたくしが倒した相手がそうだっただけよ」

 

「さっき?」

 

「ええ、さきほど自信満々にわたくしに言い寄ってきた男がいて、強引に引き離したら逆ギレしてデュエルをしてきたので倒して差し上げたのですわ」

 

「闇のカードを倒したの…」

 

「す、すごいです!」

 

「ふふ、当然よ。それでその相手が使っていたカードに妙なカードが1枚あったのですわ。そのカードの攻撃を受けると、なんだか体から力が抜かれるような感覚に襲われたのよ」

 

その特徴、間違いなく闇のカードだ。

 

「しかしわたくしが勝利すると、そのカードはわたくしの目の前で黒い霧となって消えたのですわ」

 

目の前で消えたか。そこはさっきと違うな。

 

「しかもその生徒、起きたら何も覚えてないってとぼけるのよ!」

 

「何も覚えてない…」

 

「さっきの生徒と同じね」

 

「唯一覚えていたのはカードを拾ったのは森の中ってことだけでしたわ」

 

「森の中…」

 

浜辺とはずいぶん離れているな。となるともう島中に闇のカードがばらまかれてると考えるべきか…

廃寮で見たカードは少なく見積もっても20枚はあった。学園の力を借りれば誰かが拾う前に見つけることも可能かもしれないが、できることなら穏便に済ませたい…

 

「コナミ、どうしちゃったの怖い顔して」

 

「また悩み事ですか?」

 

ああ、またそんな顔してたか。

 

「いや、なんでも」

 

「「コナミ!」」

「コナミ様」

「コナミさん!」

 

「うっ、なんだみんなして…」

 

「庶民のくせに、わたくしに隠し事をするなんて、100億光年早いですわ」

 

ばれた…まあ顔に出てたって言ってたし…次から帽子をもっと目深に被らないとな。

あと100億光年って距離だぞ。

 

「…実はこの間廃寮に行ったとき、大量の闇のカードを見たんだよ」

 

「あの時ですか!?」

 

「なんでそのとき言わなかったの!?」

 

「ただでさえ闇のデュエルの後で心配かけると思ってさ。でもデュエルの後にどこかに消えたんだよそのカード」

 

「消えた?」

 

「どういうことですの?」

 

「あの時は未完成のようだったしどこかに隠したのかと思ったが、もしかするとあれでも十分であの時俺がデュエルをしている間に、アカデミア中にばらまかれたのかもしれない」

 

「アカデミア中にですか!?」

 

「それが本当ならまたさっきみたいな生徒が出てきかねないわね」

 

「あの時見たのは少なく見積もっても20枚はあった。それを回収しつつこれを企てた元凶も見つけるとなると…」

 

「……!」

 

「痛っ!なんだ急に…」

 

突然雪乃が俺の膝に無言でけりを入れた。

 

「なんでそんなこと隠していたの!そんなことならまず私たちに相談するべきじゃないの」

 

「そうですよ!水臭いですよ!」

 

「わたくしたちはいつでもコナミ様について行きますのに」

 

「…闇のカードによる攻撃は、疑似的に闇のデュエルの力を引き出す…疑似的とはいえ命の危険もある…」

 

「わたくしが負けると思っていまして!庶民のくせに生意気よ」

 

「コナミは僕達の腕を疑ってるの!?」

 

皆が力強いめで俺を見てくる。……その俺は夏休みの精霊界でのデュエルを思い出した…

 

「そうだったな…みんなは強い。それは俺もよく知ってたはずなのに……みんな、俺に協力してはくれないか!」

 

「もちろんよ!」

 

「当然!」

 

「もちろんです!」

 

「かしこまりました!」

 

「言うまでもないわ!」

 

皆は笑顔で答えてくれた。

 

 

 

 



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第十六話 デュエルデュエルデュエルデュエル

sideコナミ

 

 

7ターン目:俊輔

 

「俺のターン、《ダーク・シムルグ》で《ハイパー・シンクロン》を攻撃!」

 

「くっ」

 

コナミLP1600→500

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

俊輔

LP2000

手札 2

モンスター ダーク・シムルグ(攻)

魔法・罠 魔封じの芳香

     セット×1

 

 

闇のカードの回収を始め3日目、俺は今アカデミアの山の中で闇のカードに魅入られた、

オベリスクブルーの吉光俊輔(よしみつ しゅんすけ)とデュエルの最中だ。

オベリスクブルーだけあってか、ぶっちゃけ闇のカードなしでもそこそこ強かった。

 

 

8ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、これで準備は整った。このターンで終わらせてもらうよ」

 

「何を言う、貴様のフィールドには1枚もカードがなく、魔法・罠も使えないこの状況でどう決めるというのだ」

 

「《シンクロン・エクスプローラー》を召喚」

 

 

シンクロン・エクスプローラー

効果モンスター

星2/地属性/機械族/攻 0/守 700

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する

「シンクロン」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

「効果で《ハイパー・シンクロン》を特殊召喚」

 

 

ハイパー・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星4/光属性/機械族/攻1600/守 800

このカードがドラゴン族モンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターの攻撃力は

800ポイントアップし、エンドフェイズにゲームから除外される。

 

 

「チューナーモンスターがいることにより、墓地の《ボルト・ヘッジホッグ》を特殊召喚。

 レベル2の《シンクロン・エクスプローラー》とレベル2の《ボルト・ヘッジホッグ》にレベル4の《ハイパー・シンクロン》をチューニング」

 

☆4+☆2+☆2=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

 

 

スターダスト・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

☆8/風属性/ドラゴン族/攻2500/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

「フィールド上のカードを破壊する効果」を持つ魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし破壊する。

この効果を適用したターンのエンドフェイズ時、この効果を発動するためにリリースされ墓地に存在するこのカードを、

自分フィールド上に特殊召喚できる。

 

 

「《ハイパー・シンクロン》の効果で《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力は800アップする」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→3300

 

「さらに墓地の《スキル・サクセサー》を除外し、攻撃力800アップ」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK3300→4100

 

「攻撃力4100だと!」

 

「最後に《スターダスト・ドラゴン》のレベルを1つ下げ、《レベル・スティ-ラー》を特殊召喚」

 

 

レベル・スティ-ラー

効果モンスター

星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0

このカードが墓地に存在する場合、

自分フィールド上のレベル5以上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターのレベルを1つ下げ、

このカードを墓地から特殊召喚する。

このカードはアドバンス召喚以外のためにはリリースできない。

 

 

「いくぞ、《スターダスト・ドラゴン》で《ダーク・シムルグ》を攻撃」

 

「うわぁぁぁ!」

 

俊輔LP2000→600

 

「最後に《レベル・スティ-ラー》で直接攻撃」

 

「……」

 

俊輔LP600→0

 

 

Winコナミ

 

 

「う…うぅ…」

 

「大丈夫か?」

 

「お、俺はいったい、今まで何を……」

 

ああいつもと同じ反応だ、と言うことはこいつも正常に戻ったようだ。

 

「俺とデュエルをしてたんだよ」

 

「そうだったのか、そう言えばデュエルをしてた気がするよ」

 

「力が入らないなら手を貸すよ」

 

「すまないけど…頼むよ」

 

俺は吉光に肩を貸して保健室に向かった。こんな感じで闇のカードの回収は特に大きな犠牲も出さずに

進んでいるが、今日も皆は大丈夫だろうか……

 

 

 

side雪乃

 

 

 

「踊りましょう、《闇の支配者-ゾーク》で《スピリット・ドラゴン》を攻撃ね」

 

「うわぁぁ!」

 

太一LP4000→2300

 

「これでターンエンドね」

 

「この瞬間、速攻魔法《終焉の焔》を発動。《黒焔トークン》を2体特殊召喚」

 

 

終焉の焔

速攻魔法

このカードを発動するターン、

自分は召喚・反転召喚・特殊召喚できない。

自分フィールド上に「黒焔トークン」

(悪魔族・闇・星1・攻/守0)2体を守備表示で特殊召喚する。

このトークンは闇属性モンスター以外のアドバンス召喚のためにはリリースできない。

 

 

 

雪乃

LP2350

手札 3

モンスター 闇の支配者-ゾーク(攻)

魔法・罠 なし

 

 

私は今浜辺で、闇のカードに魅入られたオシリスレッドのこのボウヤ梅原太一(うめはら たいち)とのデュエルの最中だった。

 

 

7ターン目:太一

 

 

「俺のターン!来たぜ来た来た!」

 

品の無いあの騒ぎよう、闇のカードを引いたのかしら……

 

「《黒焔トークン》2体を生贄に、《ダーク・ホルス・ドラゴン》を生贄召喚!」

 

 

ダーク・ホルス・ドラゴン

効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守1800

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手のメインフェイズ時に魔法カードが発動した場合、

自分の墓地のレベル4の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚できる。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

「《ダーク・ホルス・ドラゴン》で《闇の支配者-ゾーク》を攻撃!」

 

「ああぁぁっ!」

 

雪乃LP2350→2050

 

たった300でもこの力の抜ける感覚、あれが闇のカードで間違いなさそうね。

 

「これでターン終了だ!」

 

 

太一

LP2300

手札 0

モンスター ダーク・ホルス・ドラゴン(攻)

魔法・罠 なし

 

 

8ターン目:雪乃

 

 

「私のターン、儀式魔法《エンド・オブ・ザ・ワールド》を発動」

 

 

エンド・オブ・ザ・ワールド

儀式魔法

「破滅の女神ルイン」「終焉の王デミス」の降臨に使用する事ができる。

フィールドか手札から、儀式召喚するモンスターと同じレベルになるように

生け贄を捧げなければならない。

 

 

「手札の《甲虫装甲騎士》と《ソニック・バード》を生贄に、《終焉の王デミス》を特殊召喚」

 

 

終焉の王デミス

儀式・効果モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻2400/守2000

「エンド・オブ・ザ・ワールド」により降臨。

フィールドか手札から、レベルの合計が8になるよう

カードを生け贄に捧げなければならない。

2000ライフポイントを払う事で、

このカードを除くフィールド上のカードを全て破壊する。

 

 

「なんだよ《ダーク・ホルス・ドラゴン》の方が攻撃力は上じゃないか。《ダーク・ホルス・ドラゴン》の効果発動。

 相手が魔法カードを発動した時、墓地のレベル4の闇属性モンスター1体を特殊召喚する。《レアメタル・ドラゴン》を特殊召喚」

 

 

レアメタル・ドラゴン

効果モンスター

星4/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守1200

このカードは通常召喚できない。

 

 

「攻撃力でしか場を見れないなんて、かわいそうなボウヤね」

 

「負け惜しみを!」

 

「《終焉の王デミス》の効果発動。ライフを2000払い、このカード以外のカードを全て破壊するわ」

 

「なんだと!」

 

雪乃LP2050→50

 

「これで終りね《終焉の王デミス》でダイレクトアタック」

 

「うわぁぁぁ!」

 

太一LP2300→0

 

 

Win雪乃

 

 

《終焉の王デミス》の攻撃で吹き飛んだボウヤが伸びているわ。

まあただ気絶しているだけで放っておいてもすぐ目を覚ますことが今までのデュエルでわかっているのだけれど。

それにしてもコナミも想像以上と言っていたけれど、どれだけのカードがこの学園内に散らばってるのかしら……

 

 

 

side幸子

 

 

「《海皇龍 ポセイドラ》で《次元合成師》を攻撃」

 

「ぐぅう!」

 

伸介LP4200→2600

 

「だがこの瞬間《次元合成師》の効果発動。このカードが破壊され墓地に送られたとき、除外されているモンスターカードを1枚手札に加える」

 

「カードを1枚セット、ターン終了よ」

 

 

幸子

LP3200

手札 0

モンスター 海皇龍 ポセイドラ(攻)

      ロスト・ブルー・ブレイカー(攻)

      海竜-ダイダロス(攻)←デモンズ・チェーン

魔法・罠 セット×1

 

 

わたくしは今、森の中で、いかにも闇のカードを持つ雰囲気を出しているラーイエローの庶民 向井伸介(むかい しんすけ)と

デュエルの最中でした。

 

 

8ターン目:伸介

 

 

「俺のターン、手札に加えたカードが気になるか?今見せてやるよ、お前の特定の場でしか力を使えない劣化体ではない、俺の《ダイダロス》を!」

 

《ダイダロス》ですって、わたくしのエースにケチをつけるとはいい度胸じゃない。

 

「俺の墓地に4体以上の光属性モンスターがいることにより手札の《ライトレイ ダイダロス》を特殊召喚する」

 

 

ライトレイ ダイダロス

効果モンスター

星7/光属性/海竜族/攻2600/守1500

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地の光属性モンスターが4体以上の場合のみ特殊召喚できる。

1ターンに1度、フィールド上のカード2枚と

フィールド魔法カード1枚を選択して発動できる。

選択したカードを破壊する。

 

 

光の《ダイダロス》……しかしそれとは裏腹に、自身の体からは闇を放出している。

 

「そのカードがあなたの闇のカードですか」

 

「《ライトレイ ダイダロス》の効果発動。フィールド魔法が場にあるとき、そのカード1枚と、ほかのカード2枚を破壊する!」

 

「なっ、わたくしのフィールド魔法を利用しての破壊ですって!」

 

「そうだ!コストさえも相手から奪い取れるのが俺の《ダイダロス》だ!《伝説の都 アトランティス》《海皇龍 ポセイドラ》そして《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》を破壊する」

 

くぅ、わたくしのカードを一気に3枚も…

 

「バトルだ!《ライトレイ ダイダロス》で《ロスト・ブルー・ブレイカー》を攻撃!」

 

「リバースカード発動、永続罠《忘却の海底神殿》この効果で《ロスト・ブルー・ブレイカー》を除外するわ」

 

 

忘却の海底神殿

永続罠

このカードがフィールド上に存在する限り、

このカードのカード名は「海」として扱う。

1ターンに1度、自分フィールド上の

レベル4以下の魚族・海竜族・水族モンスター1体を

選択してゲームから除外できる。

自分のエンドフェイズ時、この効果で除外したモンスターを特殊召喚する。

 

 

「盾となるモンスターを自ら除去だと、血迷ったか!?まあいいお望み通りダイレクトアタックを決めてやるよ!」

 

「あぁぁ!」

 

幸子LP3200→600

 

くぅ、2600のダメージはさすがに答えますわね、体の力が根こそぎ奪われたような…

ですがまがい物の《ダイダロス》の攻撃で倒れるわけにはいきませんわ!

 

「カードを1枚伏せ、俺のターンは終了だ」

 

「エンドフェイズに《忘却の海底神殿》の効果で除外した《ロスト・ブルー・ブレイカー》を場に戻すわ」

 

 

伸介

LP2600

手札 0

モンスター ライトレイ ダイダロス(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

 

9ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン!」

 

どうやら《ロスト・ブルー・ブレイカー》を守ったわたくしの判断に間違いはなかったようね。

 

「永続魔法《異次元海溝》発動、墓地の《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》を除外するわ」

 

 

異次元海溝

永続魔法

このカードの発動時に、自分の手札・フィールド上・墓地の

水属性モンスター1体を選んでゲームから除外する。

その後、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊された時、

このカードの効果で除外したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。

 

 

「そしてフィールドに海竜族の《ライトレイ ダイダロス》がいることで《ロスト・ブルー・ブレイカー》の効果発動。このカードを生贄にして《異次元海溝》を破壊するわ」

 

 

ロスト・ブルー・ブレイカー

効果モンスター

星3/水属性/海竜族/攻1400/守 0

フィールド上にこのカード以外の

魚族・海竜族・水族モンスターが存在する場合に

このカードをリリースして発動できる。

フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。

 

 

「《異次元海溝》が破壊された事で《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》を特殊召喚するわ!」

 

「ちぃ戻ってきやがったか。だが攻撃力は互角だろ。(それに俺のセットカードは《突進》だ。戦闘で負けることはない)」

 

「浅はかね、わたくしのフィールドにもう1枚カードがあるのをお忘れ?」

 

「《忘却の海底神殿》……なっ、そうだ、そいつの効果は!」

 

「気づいたようね、でももう遅いわ!《忘却の海底神殿》を墓地に送り、《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》以外のすべてのカードを破壊するわ!」

 

「な、なんだと!」

 

「相手の場にカードを1枚も残さない、これがまがい物との差よ!《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》でダイレクトアタック!」

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

伸介LP2600→0

 

 

Win幸子

 

 

デュエルが終わると相手の庶民はのびてしまいましたわ。まあ後で誰か回収に向かわせればいいでしょう。

 

「うぅ……」

 

さすがに3日続けてこんなデュエルをするのは体に答えますわね。

わたくしでもこれなら、わたくし以外の人はちゃんと持つのか疑問なところね…

 

 

 

side紫

 

 

「札を1枚伏せます。はい、あなた様の番です」

 

わたくしは今、港にて闇のカードをお持ちと思しき方とデュエルをしております。

確かラーイエローの柴田リョウ(しばた)様でしたか。

 

 

LP3100

手札 1

モンスター 魔導戦士 ブレイカー(攻)

      イエロー・ガジェット(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

6ターン目:リョウ

 

 

「ミーのターン、この瞬間、前のミーのターンに墓地に送った《ダーク・ネフティス》を特殊召喚する」

 

 

ダーク・ネフティス

効果モンスター

星8/闇属性/鳥獣族/攻2400/守1600

自分のメインフェイズ時に

自分の墓地の闇属性モンスターが3体以上の場合、

その内2体をゲームから除外する事で、このカードを手札から墓地へ送る。

次の自分のスタンバイフェイズ時、この効果で墓地へ送られた

このカードを墓地から特殊召喚する。

また、このカードが特殊召喚に成功した時、

フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。

 

 

「そして効果によりユーの伏せカードを1枚破壊する」

 

わたくしめが伏せていた《次元幽閉》が破壊されてしまいました…

 

「さらにセットカードオープン《闇次元の解放》」

 

 

闇次元の解放

永続罠

ゲームから除外されている自分の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚する。

このカードがフィールド上から離れた時、

そのモンスターを破壊してゲームから除外する。

そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。

 

 

「除外された闇属性モンスター《超魔神イド》を特殊召喚する」

 

 

超魔神イド

効果モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻2200/守 800

このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、

次のターンのスタンバイフェイズ時にこのカードを墓地から特殊召喚し、

このカード以外の自分フィールドに存在するモンスターを全て破壊する。

このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、

自分はモンスターを通常召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができない。

「超魔神イド」は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。

 

 

「さらにフィールド魔法《ダークゾーン》を発動。ミーのモンスターの攻撃力は500アップする」

 

 

ダークゾーン

フィールド魔法

フィールド上に表側表示で存在する闇属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、

守備力は400ポイントダウンする。

 

 

《ダーク・ネフティス》 ATK2400→2900 DEF1600→1200

 

《超魔神イド》 ATK2200→2700 DEF800→400

 

「さあバトルだ《超魔神イド》で《魔導戦士 ブレイカー》を攻撃」

 

「ひゃぁ!」

 

紫LP3100→2000

 

「《ダーク・ネフティス》で《イエロー・ガジェット》を攻撃!」

 

「ひゃぁぁぁっ!」

 

紫LP2000→300

 

闇のカードの攻撃…ひ、引き裂かれそう……です…しかし、終了前に倒れるわけには……

 

「立ち上がったか、なかなかやるな!カードを1枚伏せターンエンドだ」

 

 

リョウ

LP2100

手札 1

モンスター ダーク・ネフティス(攻)

      超魔神イド(攻)←闇次元の解放

魔法・罠 ダークゾーン

     闇次元の解放←超魔神イド

     セット×1

 

 

7ターン目:紫

 

 

「わたくしめの番です……《グリーン・ガジェット》を召喚いたします」

 

 

グリーン・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1400/守 600

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「レッド・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

「《グリーン・ガジェット》の効果を発動いたします。デッキの《レッド・ガジェット》を手札に加えます。

 そして、手札の《レッド・ガジェット》と《マシンナーズ・フォートレス》を捨てまして、《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚いたします」

 

 

マシンナーズ・フォートレス

効果モンスター

星7/地属性/機械族/攻2500/守1600

このカードは手札の機械族モンスターを

レベルの合計が8以上になるように捨てて、

手札または墓地から特殊召喚する事ができる。

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。

また、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

相手の効果モンスターの効果の対象になった時、

相手の手札を確認して1枚捨てる。

 

 

「戦闘いたします。《グリーン・ガジェット》で《超魔神イド》を攻撃いたします」

 

「攻撃力の低いモンスターで攻撃だと…いや、ユーのモンスターはどちらも機械族だ!」

 

「ダメイジステップに速攻魔法《リミッター解除》を発動いたします。このカードの効果でわたくしめのモンスタアの攻撃力を倍にいたします」

 

 

リミッター解除

速攻魔法

このカード発動時に、自分フィールド上に表側表示で存在する

全ての機械族モンスターの攻撃力を倍にする。

この効果を受けたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。

 

 

《グリーン・ガジェット》 ATK1400→2800

 

《マシンナーズ・フォートレス》 ATK2500→5000

 

「シット!やはり持っていたか!」

 

リョウLP2100→2000

 

「参ります、《マシンナーズ・フォートレス》で《ダーク・ネフティス》を攻撃いたします」

 

「残念だが2体目は通さない!リバースカードオープン 《鳳翼の爆風》手札を1枚捨て、そのモンスターをデッキトップへ戻す」

 

 

鳳翼の爆風

通常罠

手札を1枚捨て、相手フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

選択した相手のカードを持ち主のデッキの一番上に戻す。

 

 

「これでユーのモンスターはエンドフェイズに破壊され、次のターン、ミーの攻撃でミーの勝だ!」

 

たしかにこの方の言う通りこの攻撃が通らなければそうなりますが、

 

「看破いたします。伏せていた札《魔宮の賄賂》を発動いたします。あなた様の罠の効果を無効にします」

 

 

魔宮の賄賂

カウンター罠

相手の魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。

相手はデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「なんだと!そいつは前のターンから伏せていたカード、《闇次元の解放》に使わず、この瞬間のために温存していたというのか!」

 

「これにて終幕です、《マシンナーズ・フォートレス》の攻撃を続行いたします!」

 

「うわあぁぁ!」

 

リョウLP2000→0

 

 

Win紫

 

 

「ゲームエン…ド…」ガクッ

 

デュエルが終わると相手のデュエリストは倒れてしまいました。

各いうわたくしめも立っているのも限界ですが……他の…みな…様は…うぅ…………Zzz……

 

 

 



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第十七話 傲慢なタッグデュエル

side幸子

 

 

「おーい?幸子?」

 

誰かが呼ぶ声で目を覚ました。

 

「ん?あなたでしたか。わたくしいつの間に寝て…はっ!」

 

わたくしが寝ていた場所は森の中、どうやらあのデュエルの後力尽きて寝てしまったようですわね。

 

「くっ…わたくしとしたことがこんなところで寝てしまうなんて……」

 

「まあその…悪かったな」

 

「はい?」

 

なぜ突然謝ったり……はっ!

 

「まさかあなた、わたくしが寝ている間にわたくしの体になにか…」

 

「いやするわけないから」

 

その言い方はそれで少し傷つきますが…

 

「ではなぜ謝るの?」

 

「いや、俺が闇のカードの抹消なんか頼んだから疲労がたまってこんなところで寝ちまったんだろ」

 

ああ、そんなことでしたか。

 

「別にいいですよ、わたくしが好きでしていることです。庶民に恩を売ってやろうというわたくしの意思で」

 

「俺に恩を売っても庶民的な物しか返ってこないぞ」

 

それはそれで興味がありますが…

 

「しかし闇のカードですか。全く、こんなカードを使おうというやつの気がしれませんわ」

 

「別に闇のカードを手にすること自体は悪いことじゃないんだよ」

 

…てっきり彼もそう思っていると思っていたわたくしにとっては意外な回答で驚いたわ。

 

「あら、悪いことだから止めていたのではなくて?」

 

「悪いからじゃない、危険だからだ」

 

悪いと危険……

 

「強くなりたいから強いカードを求める、それ自体は全くおかしくないからね。悪いというなら闇のカードを使うやつじゃない。そんな人の願いに付け込んで闇のカードを渡すやつだ。

 まあそれでも人の迷惑を顧みず闇のカードを乱用するやつも全く悪くないとは一概には言えないかもだが、それも傾向を見る限り闇のカードが暴走させてる感じだしな」

 

確かにそろそろ10人に達しようという生徒とデュエルしていますが、この庶民はだれ1人としてそれを憎んだり咎めたりするようなそぶりはなかった。庶民の割になかなかこの状況を考えていたのね。

 

「少しだけ、あなたの事を見直しても……」

 

わたくしが声に出しかけたときでした。

 

「「うわぁぁぁ!」」

 

少し離れたところで悲鳴が聞こえてきた。

 

「また、ですの!?」

 

「まあ普通のデュエルの可能性もあるし、一応見に行ってみようか」

 

悲鳴のした方に行くと、案の定2人の男女の生徒が倒れていた。そしてその向かいに2人の男子生徒が立っていた。いずれもオベリスクブルーの生徒のようね……

 

「この人たちは…」

 

「幸子、知ってるのか?」

 

「ええ。現3年生の中でも特に強いデュエリストが6人いますの。それぞれ別の属性をテーマにしたデッキを使うので“属性デッキ六人衆”などと呼ばれているわ」

 

「なるほど、あの2人はそのうちの2人ってことか」

 

「ついでに言うと倒れてる2人もそうですわ」

 

 

 

 

 

「全く、風見と水城もこの様か」

 

「地原と温田も大したことなかったし、どうやら強すぎる力を手にしてしまったようだな」

 

聞き覚えのある名前が出ましたね、どうやらほかの2人も先にこの2人の餌食になってしまったようね。

 

「はぁ、あの感じ、間違いなく持ってるな」

 

倒れている2人を木陰まで運びながら庶民がつぶやいていた。でしょうね、あの2人は仲間思いな性格と聞いていますし、同じ6人衆を倒して慢心に浸る輩ではないでしょうね。

 

「そこのお2人!」

 

「「は?」」

 

「自分たちと同じ境遇でデッキを知り尽くした相手に勝って誇らしげになるなんて浅はかだ事」

 

「なんだと?」

 

「わたくしのようなデッキも分からず、かつ強力なデュエリストに勝ってこそ初めて強いといえるんじゃなくて?」

 

「安い挑発だな。だが力を使いたいのも事実だしな。いいだろうお前の挑発、受けてやろう」

 

「ちょっと待て!」

 

わたくしがデュエルの体制に入ろうとするとわたくしを制止してきた。

 

「何をするの!」

 

「さっきまでばてて倒れてたやつがいきなり2人も相手にして体が持たないだろ。ここは俺が引き受ける」

 

「何を勝手なことを!あなたに心配される筋合いはなくてよ!」

 

それにこれはわたくしが言い出したこと、わたくしが戦わなければあの2人も当然納得しないでしょうしね。

 

「俺たちは2人同時に来たっていいぜ」

 

「なんならタッグデュエルにするか?」

 

揉めているわたくしたちを見て2人は提案してきましたが、

 

「ふざけないで!なんでわたくしが庶民などと組まなければならないの!」

 

「そこまで言うな…少し傷つくぞ」

 

「ほう、タッグでは自信がないと言うのか」

 

「行ってやるな黒川、1人よがりのお嬢様にかわいそうじゃないか」

 

「なっ、なんですって!」

 

自信がないだの1人よがりだの好き勝って言ってくれて!

 

「いいわ、庶民をつけた方がちょうどいいハンデになるわ!」

 

「ちょ、幸子、煽ってた相手から煽り返されてどうするんだよ」

 

「いいから構えなさい、わたくしがタッグを組んであげると言っているのよ、本来なら泣いて喜ぶべきことなのよ!」

 

「……分かった、だがあくまでタッグデュエルだからな。そのことを忘れるなよ」

 

「何を言っているの、あなたはそこに立っているだけで十分よ」

 

最もわたくしは庶民の事など期待していませんけど。

 

 

 

「「デュエル」」

 

 

 

「俺から行くぞ」

 

「ああ、任せるよ」

 

 

1ターン目:唯一

 

「《キラー・トマト》を守備表示で召喚。これでターン終了」

 

 

キラー・トマト

効果モンスター

星4/闇属性/植物族/攻1400/守1100

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を

自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

 

2ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン!《ニードル・ギルマン》を召喚」

 

 

ニードル・ギルマン

効果モンスター

星3/水属性/海竜族/攻1300/守 0

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分フィールド上の魚族・海竜族・水族モンスターの

攻撃力は400ポイントアップする。

 

 

「《ニードル・ギルマン》は自信の効果により攻撃力が400アップするわ」

 

《ニードル・ギルマン》 ATK1300→1700

 

「《キラー・トマト》を攻撃!」

 

「この瞬間《キラー・トマト》の効果発動。デッキの攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を特殊召喚する。《召喚僧サモンプリースト》を特殊召喚」

 

 

召喚僧サモンプリースト

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻 800/守1600

このカードはリリースできない。

このカードは召喚・反転召喚に成功した時、守備表示になる。

1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てる事で、

デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターは、そのターン攻撃できない。

 

 

「カードを2枚セット、いいわターンエンド」

 

 

幸子

LP4000

手札 3

モンスター ニードル・ギルマン(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

3ターン目:光一

 

 

「俺のターンだ、《召喚僧サモンプリースト》の効果発動。手札の魔法カードを墓地に捨て、デッキの《聖鳥クレイン》を特殊召喚」

 

 

聖鳥クレイン

効果モンスター

星4/光属性/鳥獣族/攻1600/守 400

このカードが特殊召喚した時、

このカードのコントローラーはカードを1枚ドローする

 

 

「《聖鳥クレイン》の効果でカードを1枚ドロー。《聖鳥クレイン》を生贄にし、《雷帝ザボルグ》を召喚」

 

 

雷帝ザボルグ

効果モンスター

星5/光属性/雷族/攻2400/守1000

このカードがアドバンス召喚に成功した時、

フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。

 

 

「こいつの効果で《ニードル・ギルマン》を破壊する」

 

「浅はかだ事、リバースカードオープン、永続罠《忘却の海底神殿》の効果よ。《ニードル・ギルマン》を除外するわ」

 

「うまくかわしたか、だがお前たちを守るモンスターが消えたことには変わりない!《雷帝ザボルグ》で直接攻撃!」

 

くっ、このタイミングで使うのは不本意ですが、最初から2400ものライフを削られては庶民に示しがつかないわ……

 

「リバースカードオープン《ポセイドン・ウェーブ》モンスター1体の攻撃を無効にするわ!」

 

「防いだか、カードを2枚伏せる。《召喚僧サモンプリースト》を守備表示にしてターン終了だ」

 

 

光一

LP4000

手札 3

モンスター 雷帝ザボルグ(攻)

      召喚僧サモンプリースト(守)

魔法・罠 セット×2

 

 

4ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、魔法カード《調律》を発動。デッキの《ニトロ・シンクロン》を手札に加え、デッキトップのカードを墓地に送る。

 次に魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動。手札のモンスターを捨て《チューニング・サポーター》を特殊召喚。手札に加えた《ニトロ・シンクロン》を召喚」

 

2体のモンスター、シンクロ召喚にはもう1体ほどほしいところでしょうが……

 

「効果によりレベル2とする《チューニング・サポーター》とレベル3の《ニードル・ギルマン》にレベル2の《ニトロ・シンクロン》をチューニング」

 

☆2+☆2+☆3=☆7

 

「集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ、《ニトロ・ウォリアー》」

 

 

ニトロ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星7/炎属性/戦士族/攻2800/守1800

「ニトロ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

自分のターンに自分が魔法カードを発動した場合、そのターンのダメージ計算時のみ

1度だけこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする。

このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、

相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を攻撃表示にして

そのモンスターを続けて攻撃する事ができる。

 

 

「な…なぁっ!」

 

なんてことよ、庶民のくせにわたくしのモンスターを勝手に…まあいいわ、私のモンスターを使ったからには元は取りなさいよ!

 

「《ニトロ・ウォリアー》で《雷帝ザボルグ》を攻撃」

 

唯一&光一LP4000→3600

 

「くっ、だがこの瞬間、罠カード《オプションハンター》を発動する。破壊された《雷帝ザボルグ》の攻撃力分俺たちのライフを回復する」

 

 

オプションハンター

通常罠

自分フィールド上のモンスターが戦闘によって

破壊され墓地へ送られた時に発動する事ができる。

自分は破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のライフポイントを回復する。

 

 

唯一&光一LP3600→6000

 

 

「だが《ニトロ・ウォリアー》の効果発動、相手に守備モンスターがいるとき、そのモンスターを攻撃表示にし、攻撃できる」

 

「攻撃時に罠カード《モンスター・レリーフ》を発動」

 

 

モンスター・レリーフ

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

自分フィールド上に存在するモンスター1体を手札に戻し、

その後手札からレベル4モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

「《召喚僧サモンプリースト》を手札に戻し特殊召喚」

 

「…2度目の攻撃は最初に選択したモンスターにのみ有効、1度でも対象を失った《ニトロ・ウォリアー》の攻撃は止まる。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター ニトロ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 忘却の海底神殿

     セット×1

 

 

5ターン目:唯一

 

 

「俺のターン、《召喚僧サモンプリースト》の効果発動。手札を1枚捨て、《終末の騎士》を特殊召喚」

 

 

終末の騎士

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1400/守1200

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る事ができる。

 

 

「《終末の騎士》の効果発動。デッキの《闇・道化師のペーテン》を墓地に送る」

 

 

闇・道化師のペーテン

効果モンスター

星3/闇属性/魔法使い族/攻 500/守1200

このカードが墓地へ送られた時、

このカードを墓地から除外する事で

手札またはデッキから「闇・道化師のペーテン」1体を特殊召喚する。

 

 

「《闇・道化師のペーテン》の効果発動。このカードが墓地に送られたとき、このカードを除外し、デッキから同名モンスターを特殊召喚する。

 そして《闇・道化師のペーテン》を生贄に《邪帝ガイウス》を召喚」

 

 

邪帝ガイウス

効果モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻2400/守1000

このカードの生け贄召喚に成功した時、フィールド上に存在するカード1枚を除外する。

除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、

相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

 

 

「《邪帝ガイウス》の効果発動《ニトロ・ウォリアー》を除外する。バトルだ、《邪帝ガイウス》でダイレクトアタック!」

 

「伏せカード発動、《攻撃の無敵化》このターンのすべてのダメージを0にする」

 

「また防いだか、カードを2枚伏せターン終了だ」

 

 

唯一

LP6000

手札 2

モンスター 邪帝ガイウス(攻)

      終末の騎士(攻)

      召喚僧サモンプリースト(守)

魔法・罠 セット×2

 

 

相手のライフを見す見す回復させたうえ、モンスターをフィールドに残すこともできないなんて、予想以上だわ、やはり所詮庶民ね。あてにはできないわ

 

 

6ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン《コダロス》を召喚するわ」

 

 

コダロス

効果モンスター

星4/水属性/海竜族/攻1400/守1200

自分フィールド上に表側表示で存在する「海」を墓地へ送って発動できる。

相手フィールド上のカードを2枚まで選択して墓地へ送る。

 

 

「《コダロス》の効果発動。《海》としても扱う《忘却の海底神殿》を墓地に送り、《邪帝ガイウス》と《召喚僧サモンプリースト》を墓地に送るわ」

 

「ちぃ、効果による除去か…」

 

「そして魔法カード《死者蘇生》を発動するわ。墓地の《ニードル・ギルマン》を特殊召喚」

 

「攻撃力の高い《帝》モンスターが墓地にいるのにそんなモンスターを蘇生しやがったぞ!?」

 

「なんだ、お嬢様もプレイングミスをするのか?」

 

「他人のカードに頼るような浅はかなデュエル、わたくしは嫌いなのですわ。《ニードル・ギルマン》の効果によりわたくしのモンスターの攻撃力は400アップするわ」

 

 

《コダロス》 ATK1400→1800

 

《ニードル・ギルマン》 ATK1300→1700

 

 

「バトルよ、《コダロス》で《終末の騎士》を攻撃!」

 

「永続罠《デプス・アミュレット》を発動。手札を1枚捨て、攻撃を無効にする」

 

 

デプス・アミュレット

永続罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

手札を1枚墓地へ捨て、相手モンスター1体の攻撃を無効にする。

このカードは発動後3回目の相手のエンドフェイズ時に破壊される。

 

 

「さらに手札から捨てた《エクリプス・ワイバーン》の効果発動。このカードが墓地へ送られたときデッキからレベル7以上の光か闇属性のドラゴン族1体を除外する」

 

 

エクリプス・ワイバーン

効果モンスター

星4/光属性/ドラゴン族/攻1600/守1000

このカードが墓地へ送られた場合、デッキから光属性または闇属性の

ドラゴン族・レベル7以上のモンスター1体をゲームから除外する。

その後、墓地のこのカードがゲームから除外された場合、

このカードの効果で除外したモンスターを手札に加える事ができる。

 

 

「まだ《ニードル・ギルマン》の攻撃が残っていますわ!《終末の騎士》を攻撃なさい!」

 

「ぐぅぅ!」

 

唯一&光一LP6000→5700

 

「カードを1枚セット、いいわターンエンド」

 

 

幸子

LP3200

手札 1

モンスター コダロス(攻)

      ニードル・ギルマン(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

 

sideコナミ

 

 

強いなこの2人、たいていのやつは弱いから強い力を欲してカードに取り込まれていたが、こいつらはさらなる高みを目指す感情を付け込まれたタイプか。そりゃもともと強いやつがさらに強くなっちゃ……

 

 

7ターン目:光一

 

 

「俺のターン、魔法カード《マジック・プランター》を発動。《デプス・アミュレット》を墓地に送り2枚ドロー」

 

 

マジック・プランター

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

「さらにリバースカード発動《極限への衝動》を発動」

 

 

極限への衝動

通常罠

手札を2枚墓地へ送って発動する。

自分フィールド上に「ソウルトークン」

(悪魔族・闇・星1・攻/守0)2体を特殊召喚する。

このトークンはアドバンス召喚以外のためにはリリースできない。

 

 

「手札の《光帝クライス》と《ライト・サーペント》を捨て《ソウルトークン》を2体特殊召喚する。《ライト・サーペント》の効果発動。このカードが手札から墓地へ行ったとき、特殊召喚する」

 

 

ライト・サーペント

効果モンスター

星3/光属性/爬虫類族/攻1200/守 800

このカードが手札から墓地へ送られた場合、

このカードを墓地から特殊召喚する事ができる。

このカードはシンクロ素材とする事はできない。

 

 

「《ライト・サーペント》を生贄に《マテリアル・ドラゴン》を召喚」

 

 

マテリアル・ドラゴン

効果モンスター

星6/光属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

ライフポイントにダメージを与える効果は、ライフポイントを回復する効果になる。

また、「フィールド上のモンスターを破壊する効果」を持つ

魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、

手札を1枚墓地へ送る事でその発動を無効にし破壊する。

 

 

「これで俺の墓地に5種類の光属性モンスターが揃った!見せてやろう、俺の新たなる力を!」

 

……くるか、奴の闇のカードが…

 

「《ライトレイ ディアボロス》を特殊召喚!」

 

 

ライトレイ ディアボロス

効果モンスター

星7/光属性/ドラゴン族/攻2800/守1000

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地の光属性モンスターが5種類以上の場合に特殊召喚できる。

1ターンに1度、自分の墓地の光属性モンスター1体をゲームから除外する事で、

相手フィールド上にセットされたカード1枚を選択して確認し、

持ち主のデッキの一番上または一番下に戻す。

 

 

「《ライトレイ ディアボロス》の効果発動!《ライト・サーペント》を除外し、貴様の伏せカードを確認させてもらう!」

 

幸子が伏せていた《聖なるバリア -ミラーフォース-》が表にされた。

 

「なかなかいいカードを伏せていたな。《マテリアル・ドラゴン》がいる限り脅威ではないが念には念をだ。デッキの1番下に戻してもらおう」

 

「くぅぅ…」

 

恨めしそうに相手を見ながら幸子はカードをデッキに戻した。

 

「さあバトルだ!《マテリアル・ドラゴン》で《ニードル・ギルマン》を攻撃!」

 

「あぁぅ…」

 

コナミ&幸子LP4000→3300

 

《コダロス》 ATK1800→1400

 

「これで《コダロス》の攻撃力は戻った。《ライトレイ ディアボロス》で《コダロス》を攻撃!」

 

「あうぅぅ!」

 

コナミ&幸子LP3300→1900

 

「大丈夫か?」

 

「フン……あなたに心配されるほど参ってないわ!」

 

それだけの口が叩ければ大丈夫そうだな。

 

「俺はカードを1枚伏せターンエンドだ」

 



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第十八話 献身的なタッグデュエル

光一

LP5700

手札 0

モンスター ライトレイ ディアボロス(攻)

      マテリアル・ドラゴン(攻)

      ソウルトークン(守)×2

魔法・罠 セット×1

 

 

8ターン目:コナミ

 

 

さて、闇のカードも出てきたし、そろそろ俺も本格的に役に立たないとな。

 

「俺のターン、《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で《チューニング・サポーター》を特殊召喚。さらにフィールドに《ジャンク》がいることで《ジャンク・サーバント》を特殊召喚」

 

 

ジャンク・サーバント

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1500/守1000

自分フィールド上に「ジャンク」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

 

「レベル4の《ジャンク・サーバント》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

 

☆3+☆1+☆4=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

 

「そいつがお前の切り札か?だが《ライトレイ ディアボロス》には及ばないな」

 

「それはどうかな、装備魔法《ファイティング・スピリッツ》を《スターダスト・ドラゴン》に装備」

 

 

ファイティング・スピリッツ

装備魔法

装備モンスターの攻撃力は相手フィールド上に存在する

モンスター1体につき300ポイントアップする。

装備モンスターが戦闘によって破壊される場合、

代わりにこのカードを破壊する事ができる。

 

 

「キミたちのフィールドにモンスターは4体。よって攻撃力1200アップ」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→3700

 

ここは安泰で《マテリアル・ドラゴン》を攻撃する手もあるが、セットカードを毎ターン除去されるのはきついな…

 

「《スターダスト・ドラゴン》で《ライトレイ ディアボロス》を攻撃」

 

「甘いぞ、速攻魔法《虚栄巨影》このカードで《ライトレイ ディアボロス》の攻撃力をエンドフェイズまで1000アップさせる」

 

 

虚栄巨影

速攻魔法

モンスターの攻撃宣言時、

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を

選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力は、

そのバトルフェイズ終了時まで1000ポイントアップする。

 

 

《ライトレイ ディアボロス》 ATK2800→3800

 

「なに!」

 

「返り討ちにしろ《ライトレイ ディアボロス》!」

 

コナミ&幸子LP1900→1800

 

「くっ、だが《ファイティング・スピリッツ》を墓地に送ることで《スターダスト・ドラゴン》は破壊されない。カードを3枚伏せターン終了だ」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK3700→2500

 

 

コナミ

LP1800

手札 0

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 セット×3

 

 

9ターン目:唯一

 

 

「俺のターン、《エクリプス・ワイバーン》を除外し《ライトレイ ディアボロス》の効果発動。そのカードを見せてもらおうか」

 

ピンポイントでいいカードを選んでくれたな。

 

「ならば俺は《ハーフ・アンブレイク》をチェーン発動。このターン《スターダスト・ドラゴン》の戦闘破壊を無効にし、ダメージを半減する」

 

 

ハーフ・アンブレイク

通常罠

フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、

そのモンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは半分になる。

 

 

「ちぃ、バウンス効果は不発だったが、除外された《エクリプス・ワイバーン》の効果発動。このカードが墓地に行ったときに除外したカードを手札に戻す…ククク」

 

変な笑い方しやがって、お前の闇のカードはそれか…

 

「俺は《ソウルトークン》2体を生け贄に《魔王ディアボロス》を召喚!」

 

 

魔王ディアボロス

効果モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000

このカードは特殊召喚できない。

このカードをアドバンス召喚する場合、

リリースするモンスターは闇属性モンスターでなければならない。

相手のドローフェイズのドロー前に発動する。

相手のデッキの一番上のカードを確認して

デッキの一番上または一番下に戻す。

また、このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、

カードの効果ではリリースできない。

 

 

「いくぞ!2体の《ディアボロス》で《スターダスト・ドラゴン》を攻撃!」

 

「ぐっ…」

 

コナミ&幸子LP1800→1650→1400

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

この状況なら、次のあいつらのターンに俺たちは負けるな。

幸子のターンで何としても勝たなくてはだが……

伏線は打っておいたが幸子は俺と協力する気はなさそうだし…気づいてくれるだろうか…

 

 

唯一

LP5700

手札 2

モンスター 魔王ディアボロス(攻)

      ライトレイ ディアボロス(攻)

      マテリアル・ドラゴン(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 

 

side幸子

 

 

10ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン!」

 

「その前に《魔王ディアボロス》に効果発動だ、デッキトップのカードを見せな」

 

「くっ」

 

「《レベル制限B地区》か、なかなかいいロックカードだな、デッキの1番下に戻してもらおうか」

 

「うぅ…わたくしのターン!」

 

くぅ…召喚できるモンスターは引けませんでしたわ……

 

「どうやらキーカードは引けなかったようだな!」

 

「あきらめな、お前らではこの布陣は倒せねーよ」

 

「くぅぅ…」

 

悔しいですが彼らの言う通り、今のわたくしでは……

 

 

「まがい物の力を受けて強くなった気でいる奴がよく言うよ」

 

「なんだと!」

 

「負け惜しみを」

 

「さてどうだろうね、ピンポイントでフリーチェーンが可能だったカードを打ち抜くあたり、

 所詮は五流って言うのかな」

 

…!そうですわ、フィールドにはあなたが伏せたカードが2枚……このカード、

わたくしがモンスターを出せれば使えますが、わたくしの手札に召喚できるモンスターはない…

もう1枚は《エンジェル・リフト》ですか。下級モンスターを並べたところでこの状況は…

 

「貴様が伏せた残り2枚のカードが何かは知らんが、その女の顔を見る限りそれを生かせるカードはないようだな」

 

「それもどうかな、デュエルはただ1度の引きで全てがひっくり返ることもある」

 

「何を言っているんだ、もうあいつのドローは終わってるじゃねーか!」

 

彼の言う通りわたくしのドローはもう……いえ!そうですわ、あなたの墓地には《調律》と《ワン・フォー・ワン》で墓地に行ったモンスターが!

 

「わたくしは永続罠《エンジェル・リフト》を発動。この効果で《ミスティック・パイパー》を特殊召喚!」

 

 

 

エンジェル・リフト

永続罠

自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。

 

 

 

ミスティック・パイパー

効果モンスター

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードをリリースして発動する。

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

この効果でドローしたカードをお互いに確認し、

レベル1モンスターだった場合、自分はカードをもう1枚ドローする。

「ミスティック・パイパー」の効果は1ターンに1度しか使用できない

 

 

「《ミスティック・パイパー》の効果発動。このカードを生け贄にし、カードを1枚ドローしますわ!」

 

お願いだから来て、わたくしたちを勝利に導くカード!

 

「わたくしが引いたカードは《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》!」

 

「そいつは確か貴様のエースモンスター」

 

「だがそいつは上級モンスター。この状況では召喚できまい」

 

「それはどうかしら?フィールド魔法《伝説の都 アトランティス》を発動。これで《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》のレベルは6となり生け贄は1体少なくるわ」

 

 

伝説の都 アトランティス

フィールド魔法

このカードのカード名は「海」として扱う。

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上の水属性モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。

また、お互いの手札・フィールド上の水属性モンスターのレベルは1つ下がる。

 

 

「《スターダスト・ドラゴン》を生贄にするつもりか」

 

「仲間のカードを生贄にか、いかにもお嬢様らしいな!」

 

「さて、どうする幸子……」

 

ええ、わかっているわ。あなたに頼ろうとしなかったわたくしが愚かでしたわ。

 

「墓地の《アマリリース》の効果発動。このカードを除外して、《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》の生け贄を1体減らしますわ」

 

 

アマリリース

効果モンスター

星1/地属性/植物族/攻 100/守 200

自分のメインフェイズ時、墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。

このターンに1度だけ、

自分がモンスターを召喚する場合に必要なリリースを1体少なくする事ができる。

「アマリリース」の効果は1ターンに1度しか発動できない。

 

 

「墓地から!」

 

「モンスター効果だと!」

 

「さあ、現れなさい!《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》!」

 

 

海竜(リバイアサン)-ダイダロス

効果モンスター

星7/水属性/海竜族/攻2600/守1500

自分フィールド上に存在する「海」を墓地に送る事で、

このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する。

 

 

海竜(リバイアサン)-ダイダロス》 ATK2600→2800

 

「ちぃ、現れたか貴様のエース!だが残念だったな、《マテリアル・ドラゴン》の効果で貴様のモンスターの破壊効果は無効だ!」

 

「俺の手札は2枚、つまり破壊効果も2回まで無効にできる!」

 

「なるほど、《マテリアル・ドラゴン》の効果を《スターダスト・ドラゴン》で無効にしようとしても、それをさらに無効にできるってわけか」

 

「そのとおりだ!(しかも俺の伏せカードは《突進》、先に戦闘破壊しようとしても返り討ちに出来る)」

 

説明は死亡フラグ、かつて自分が体感したことをまざまざとして来るとは…所詮は五流ね。

 

「そう思うのなら見せて差し上げるわ。わたくしの真のエースモンスターを!」

 

「「何!」」

 

「《海竜(リバイアサン)-ダイダロス》を生贄に捧げ《海竜神-ネオダイダロス》を特殊召喚!」

 

 

海竜神-ネオダイダロス

効果モンスター

星8/水属性/海竜族/攻2900/守1600

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上に存在する「海竜-ダイダロス」1体を

リリースした場合のみ特殊召喚する事ができる。

自分フィールド上に存在する「海」を墓地へ送る事で、

このカード以外のお互いの手札・フィールド上のカードを全て墓地へ送る。

 

 

《海竜神-ネオダイダロス》 ATK2900→3100

 

「このカードは《海竜-ダイダロス》の効果を引き継いでいるわ。ただし破壊ではなく墓地へ送る効果よ!」

 

「破壊ではない除去効果だと!」

 

「そんなものが!」

 

「さらにもう1枚の伏せカードを発動《シンクロ・ギフト》!」

 

 

シンクロ・ギフト

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスター1体と

シンクロモンスター以外のモンスター1体を選択して発動する。

このターンのエンドフェイズ時まで、選択したシンクロモンスターの攻撃力を0にし、

その元々の攻撃力分もう1体のモンスターの攻撃力はアップする。

 

 

「この効果で《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を《海竜神-ネオダイダロス》に与えるわ!」

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→0

 

《海竜神-ネオダイダロス》 ATK3100→5600

 

「「攻撃力5600だと!」」

 

「そして《海竜神-ネオダイダロス》の効果発動!《伝説の都 アトランティス》を墓地に送り、このカード以外の手札・フィールド上のカードを全て墓地へ送る!」

 

《海竜神-ネオダイダロス》 ATK5600→5400

 

「そんな馬鹿な!」

 

「俺たちの布陣が!」

 

「さあ、自分達の愚かさを痛感しなさい!《海竜神-ネオダイダロス》でプレイヤーにダイレクトアタック!」

 

「「ぐああああ!」」

 

唯一&光一LP5700→300

 

「これでわたくしのターンは終了、さああなた達のターンよ。闇のカードを失った今、そのカードの力に頼っていたあなた達が逆転のカードを引けるかしら!」

 

「くっ、俺のターン!……くそ!ターンエンドだ」

 

あの庶民の手から引いたカードが零れ落ちた。条件つきの特殊召喚モンスターの《ガーディアン・オブ・オーダー》でしたわ。

 

「俺のターン、行くぞ!《海竜神-ネオダイダロス》でダイレクトアタック!」

 

「「うああああ!」」

 

唯一&光一LP300→0

 

 

Winコナミ&幸子

 

 

「そんな…俺たちのタッグ…がっ」

 

「あいつらのコンビネーションの方が、上だったというの……かっ」

 

最後の言葉を言い残して2人は倒れた。

 

「まあ当然ねわたくしに勝てるわけがないのに」

 

「俺もいたんだけど、この勝利は2人のものじゃ?」

 

何を得意げに、あなたが貢献したのは最後だけじゃない、まあでも……

 

「少しはあなたの事を認めてもよくてよ、泣いて喜びなさいコナミ」

 

 

 

sideコナミ

 

 

「泣いて喜びなさいコナミ」

 

泣いて喜べって、だが初めて名前で呼ばれたな。

 

「ああ、ありがと」

 

「随分素直ね、調子狂うわ」

 

どうしろと言うんだよ?

 

「随分とお楽しみのようね」

 

「ファ!」

 

急に声を掛けられ振り返ると、雪乃と紫の姿があった。

 

「2人ともいつからいたんだ?」

 

「コナミ様たちの最後のターンからでしょうか」

 

そこそこ前からいたのか…

 

「わたくしめより先にコナミ様とタッグを組むとは……」

 

紫さん、なんかまた目が怖いですよ?

 

「コナミ様、今すぐわたくしめとタッグデュエルを」

 

「いや、相手がいないじゃん」

 

「あら、わたくしが相手になって差し上げてもっ!」

 

「無理するなよ、連続であんなデュエルしたんだ…少し休め」

 

「わたくしの心配をするなど、コナミのくせに生意気よ」

 

「少し見ないうちに随分と仲良くなったのねコナミ」

 

「痛っ、なんで背中つねった?」

 

「さあ、胸に手を当てて聞いてみたら」

 

何の事だかさっぱりだ。……まあなんにしてもこういう平和な会話ができるのはいいことだ。闇のカードもほとんど浄化できただろうし、ゆまとツァンとも合流して……

 

「え……!?」

 

突然体にツンと来る刺激を受けた…この感覚は……

 

「どうしたのコナミ?」

 

「…向こうの方で強力な闇の力を感じる」

 

「感じるってあなたそんなこともできたの?」

 

「今までのやつらのような微弱なものは感じられない。だがここまで強力だとわかるんだ」

 

「さすがコナミ様です」

 

これだけの力だとみんなを巻き込むわけにはいかないだろうが、

 

「少しここで待っていてくれ、状況を確かめたい」

 

「何を言ってらっしゃるの?」

 

「私たちも行くに決まってるでしょ」

 

「当然の理でございます」

 

そう言うと思ったよ……

 

「わかったけど、危険だったらすぐに逃げろよ。それと俺は急ぐが無理して走らなくていいぞ」

 

そして俺たちは急いで気配を感じる方へ向かった。

 

 



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第十九話 そして彼女は闇へと走った

コナミと幸子がデュエルをしている時とほぼ同時刻、

 

 

sideゆま

 

 

8ターン目:ツァン

 

 

「なんて強さだ、俺たちのカードが」

 

「俺たちの展開力が追いつかないとは…」

 

私はツァンさんと闇のカードを持っていると思われる生徒さんとデュエルの最中でしたが、

 

 

 

ゆま&ツァン

LP1900

手札 0

モンスター 大将軍 紫炎(攻)

      六武衆の師範(攻)

      紫炎の老中 エニシ(攻)

      六武衆-ザンジ(攻)

      六武衆-イロウ(攻)

魔法・罠 六武の門

     一族の結束

 

 

 

ツァンさんのおかげでもう決着はつきそうです。

 

 

「いっくよー、《大将軍 紫炎》で《デーモンの将星》を攻撃!」

 

「うわぁぁぁ!」

 

「まだまだ!《六武衆の師範》で《ダーク・クリエイター》を攻撃!」

 

「ぐわぁぁぁ!」

 

「残りの3体でダイレクトアタック!」

 

「「ぬあぁぁぁ!」」

 

 

Winツァン&ゆま

 

 

…すごいです、殆どツァンさん1人で勝っちゃいました。

 

「くぅぅ、でも今のデュエルは堪えたな……」

 

「あうぅ、ごめんなさい、足引っ張ってばかりで…」

 

「別に…そんなこと思ってないよ」

 

ツァンさんはそっけなくそう言ってくれましたが、

 

「私も早くツァンさんと並べるぐらい強くならないと!」

 

「ん?何か言った?」

 

「いえ、なんでもないですよ?」

 

「ふう、それにしても激しいデュエルをしたらちょっとのど乾いたね」

 

「じゃあ私が買ってきますね」

 

そう言って私は飲み物を買いにツァンさんから離れました。

 

「えーと、ここからじゃ本館まで行った方が早いですかね」

 

かくゆう私もちょっと連日のデュエルで少し疲れていました。

それにしてもコナミさんも言っていましたが、闇のカードがこんなに出回っているなんて

でも闇のカードってみんなどこで拾うんでしょうか…

 

「そういえば!」

 

疲労と言えば以前私もカードを拾ったことがありました。なんとなく融合デッキに入れてそのままでしたが

 

「絵柄がないです……」

 

枠を見る限り融合モンスターのようですが…戻ったらツァンさんに相談してみましょうか?

そんなことを考えながらジュースを持ってツァンさんのところに戻るときでした。

 

「きゃぁぁぁぁ!」

 

「ふぇ!」

 

突然ツァンさんの悲鳴が聞こえてきました。

私は徒歩から全力疾走に切り替え迎いました。

 

 

 

sideツァン

 

 

どうも今のデュエルを気にしてるようだけど…べつに僕は気にしてないのに…でも

あの子もデュエルで疲れてるはずなのに気を使って……

 

「いやー、今のデュエルすごかったな」

 

「ああ、全くだ」

 

「俺たちの腕試しにはふさわしいな」

 

「え!?」

 

突然声を掛けられ振り向くと3人の生徒がこっちを見ていた。

 

「なあ、俺達ともデュエルしないか」

 

「俺たちのカードが戦いを欲してるんだよ」

 

このカードって……うっすらとだけど見えるあのオーラ…闇のカードだ!まだあったんだ……

 

「さっきのやつが戻ってきたら俺らともデュエルしてくれよ!」

 

ゆまの事か…だめ、あの子もだいぶ疲れてるはず、ここは……

 

「必要ないよ!」

 

「は!?」

 

「君たちなんて僕1人で十分だよ」

 

「本気で言ってるのか?」

 

「まあお前がそう言うならいいぜ。まずは俺からだ!」

 

1人ずつなんて相手にしてたらゆまが帰ってきちゃうよ!

 

「面倒だから3人まとめてかかってきなよ!」

 

「マジかよ、大した自信だな」

 

「そっちが言い出したことだからな、遠慮はしないぜ」

 

「後で泣いても遅ーからな」

 

闇のカードと言ってもさっきだって対して手強くはなかったし、今回も大丈夫だよね……

 

「「「さあ行くぞ」」」

 

「いつでもいいよ!」

 

「「「「デュエル!」」」」

 

 

 ―――――――――――

 

 

「くっぅ……」

 

闇のカードの3連攻撃……ここまで体に答えるなんて…

 

「3人まとめてなんて威勢のいいこと言っていたが、情けないな!」

 

「俺らのライフもフルに残ってるっていうのに、がっかりだぜ」

 

…そうだよ……さっきのデュエルはゆまのサポートがあってこそできたものだった。今は私1人で相手もさっきより多い3人、勝つなんて無理だったんだ…

 

「どうした!お前のターンだぞ!」

 

「もう立ち上がれもしないか!」

 

「くっ!」

 

何とか立ち上がろうとするけど、もう力が入らない…このままじゃ…

 

「ツァンさん!」

 

「ゆま……」

 

もう戻ってきちゃったの……

 

 

 

sideゆま

 

 

「ツァンさん!」

 

駆け付けるとツァンさんがボロボロになって倒れていました。

この人たちとデュエルしてたみたいですが、3対1なんて無茶ですよ!

 

「今更戻ってきたか」

 

「今はこいつとデュエルしてるんだ、もうちょっと待ってな」

 

そ、そんな、だって…

 

「ツァンさんはもうボロボロじゃないですか!デュエルなんて無理ですよ!」

 

「そ、そんなことないよ!僕はまだ大丈夫だから……」

 

「ほら、こいつだってそう言ってんだからさ」

 

「それに曲がりなりにもデュエリストが、途中でデュエルを中断してたまるかよ」

 

「でしたらそのデュエルは私が引き継ぎます!」

 

「引き継ぐだと?」

 

「はい!皆さんのフィールドはそのままで、もちろん私のライフもツァンさんの残りと同じです!」

 

「ゆま…そんな不利な条件ダメ!」

 

「まあ俺たちは構わないぜ」

 

「そうだな、お前が変わるならそっちの女は見逃してもいいぜ」

 

「ダメだって言ってるでしょ…僕が何とか時間を稼ぐから、疎な間にゆまは…」

 

「そんなの嫌です!大事な友達を見捨てて逃げるなんてできません!」

 

私はツァンさんの前に出てデュエルディスクを構えた。

 

「話はついてないようだが、ディスクを構えた以上、デュエルは貴様のものだ」

 

「ほら、貴様のターンだ、カードを引きな」

 

デュエルの引き継ぎが完了し、私はカードを引きました。

 

 

 

9ターン目:ゆま

 

 

「私のターン!魔法カード《融合》を発動です!手札の地属性の《E・HERO クノスペ》と

《E・HERO フラッシュ》で《E・HERO ガイア》を融合召喚」

 

 

E・HERO ガイア

融合・効果モンスター

星6/地属性/戦士族/攻2200/守2600

「E・HERO」と名のついたモンスター+地属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードが融合召喚に成功した時、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスター1体の攻撃力を半分にし、

このカードの攻撃力はその数値分アップする。

 

 

「《E・HERO ガイア》の効果発動です!

《ダーク・アームド・ドラゴン》の攻撃力を半分にして《ガイア》の攻撃力をその分アップさせます」

 

《E・HERO ガイア》 ATK2200→3600

 

《ダーク・アームド・ドラゴン》 ATK2800→1400

 

 

「バトルです!《ガイア》で《ダーク・アームド・ドラゴン》を攻撃です!」

 

「そうはいかねーよ!罠カード《セキュリティー・ボール》を発動。そのモンスターを守備表示にする!」

 

 

セキュリティー・ボール

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

その攻撃モンスター1体の表示形式を変更する。

相手の魔法・罠カードの効果によって、

セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、

フィールド上に存在するモンスター1体を選択し破壊する。

 

 

「そんな…《幻影の魔術士》を守備表示で召喚します」

 

 

幻影の魔術士

効果モンスター

星3/闇属性/魔法使い族/攻 600/守 700

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから攻撃力1000以下の「HERO」と名のついたモンスター1体を

表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

 

 

「カードを2枚伏せてターン終了です……」

 

《E・HERO ガイア》 ATK3600→2200

 

《ダーク・アームド・ドラゴン》 ATK1400→2800

 

 

ゆま

LP1000

手札 0

モンスター E・HERO ガイア(守)

      幻影の魔術士(守)

魔法・罠 セット×2

 

 

10ターン目:生徒A

 

 

「俺のターン!《ダーク・アームド・ドラゴン》の効果発動!墓地の闇属性モンスター1体を除外し、《E・HERO ガイア》を破壊!」

 

 

ダーク・アームド・ドラゴン

効果モンスター(制限カード)

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地の闇属性モンスターが3体の場合のみ特殊召喚できる。

自分のメインフェイズ時に自分の墓地の闇属性モンスター1体を

ゲームから除外する事で、フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

 

 

「《ダーク・アームド・ドラゴン》で《幻影の魔術士》を攻撃!」

 

「くぅぅ、《幻影の魔術士》の効果を発動します!デッキから《E・HERO ボルテック》を特殊召喚します」

 

 

E・HERO ボルテック

効果モンスター

星4/光属性/雷族/攻1000/守1500

このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、

ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついたモンスター1体を

選択して自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

 

「カードを2枚伏せてターン終了だ!」

 

 

11ターン目:生徒B

 

 

「俺のターン、《ダーク・ジェネラル フリード》の効果発動。ドローを放棄することで、デッキのレベル4の

 闇属性1体を手札に加える」

 

 

ダーク・ジェネラル フリード

効果モンスター

星5/闇属性/戦士族/攻2300/守1700

このカードは特殊召喚できない。

自分フィールド上に表側表示で存在する闇属性モンスターを

対象にする魔法カードの効果を無効にし破壊する。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分のドローフェイズ時に通常のドローを行う代わりに、

自分のデッキからレベル4の闇属性モンスター1体を手札に加える事ができる。

 

 

「手札に加えた《ジャイアント・オーク》を召喚」

 

 

ジャイアント・オーク

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻2200/守 0

このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。

次の自分のターン終了時までこのカードの表示形式は変更できない。

 

 

「《ジャイアント・オーク》で《E・HERO ボルテック》を攻撃!」

 

「あぅ!」

 

「《ジャイアント・オーク》は効果で守備表示になる。次の攻撃で終わりだ!」

 

「ま、待ってー!罠カード《ヒーロー・シグナル》を発動します!」

 

 

ヒーロー・シグナル

通常罠

自分フィールド上のモンスターが戦闘によって破壊され

墓地へ送られた時に発動する事ができる。

自分の手札またはデッキから「E・HERO」という名のついた

レベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。

 

 

「デッキから《E・HERO エアーマン》を守備表示で特殊召喚します」

 

 

E・HERO エアーマン

効果モンスター(制限カード)

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカード以外の自分フィールド上の

「HERO」と名のついたモンスターの数まで、

フィールド上の魔法・罠カードを選んで破壊できる。

●デッキから「HERO」と名のついたモンスター1体を手札に加える。

 

 

「このカードの効果でデッキから《E・HERO フォレストマン》を手札に加えます!」

 

「ちぃ、無駄なあがきを!《ダーク・ジェネラル フリード》で《E・HERO エアーマン》を攻撃!カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

12ターン目:生徒C

 

 

「俺のターン、もはや伏せカードを使うまでもない。《ダーク・パーシアス》でダイレクトアタック!」

 

「さ、させませーん!《ヒーロー見参》を発動です!」

 

 

ヒーロー見参

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

自分の手札から相手はカードをランダムに1枚選択する。

選択したカードがモンスターカードだった場合、自分フィールド上に特殊召喚する。

違う場合は墓地へ送る。

 

 

「手札のカード…貴様のカードは《E・HERO エアーマン》の効果で加えたその1枚だけ…」

 

「そうです!だから《E・HERO フォレストマン》を特殊召喚します!」

 

 

E・HERO フォレストマン

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1000/守2000

1ターンに1度、自分のスタンバイフェイズ時に発動する事ができる。

自分のデッキまたは墓地に存在する「融合」魔法カード1枚を手札に加える。

 

 

「《E・HERO フォレストマン》の守備力は《ダーク・パーシアス》より上です!」

 

「さてどうかね!罠カード2枚発動《ストライク・ショット》《針虫の巣窟》!」

 

 

針虫の巣窟

通常罠

自分のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る。

 

 

 

ストライク・ショット

通常罠

自分フィールド上に存在するモンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

そのモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで700ポイントアップする。

そのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が越えていれば、

その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

 

 

「この2枚のカードの効果でデッキから3枚の闇属性モンスターが墓地に送られた。《ダーク・パーシアス》は効果により、闇属性モンスター1体につき攻撃力が100アップする!」

 

 

ダーク・パーシアス

効果モンスター

星5/闇属性/天使族/攻1900/守1400

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

自分の墓地に存在する闇属性モンスター1体をゲームから除外する事で、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在する

闇属性モンスターの数×100ポイントアップする。

 

 

《ダーク・パーシアス》 ATK1900→2200

 

「さらに《ストライク・ショット》の効果で攻撃力は700アップし、貫通ダメージを与える効果を与える!」

 

《ダーク・パーシアス》 ATK2200→2900

 

「そんなっ!きゃぁぁぁーー!」

 

ゆまLP1000→100

 

「ちぃ、1枚足りなかったか。《ダーク・パーシアス》のもう1つの効果発動。墓地の闇属性モンスター1体を除外し、1枚ドロー。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

「う…うぅ…」

 

 

「どうした、お前のターンだぞ!」

 

「うぅ……はうぅ…」

 

「いきがって出てきてこの様じゃ示しがつかねーよなぁ!」

 

「「「ハハハハハハハ!!」」」

 

今の私を見て3人は嘲笑っています。

 

「くっ…ゆま…あんな奴らの言うことなんてどうでもいいよ!もう1度、僕と変わって…ゆまだけでも逃げて…」

 

ツァンさんが力なく私に言いますけど、そんなことできるはずないです!

ツァンさんの方がよっぽど酷い状態なのに…

 

「なんで…なんで私は……」

 

力が、欲しいです…仲間を守れるだけの、力が!…

 

『へぇー、力がほしいんだ?』

 

「!だ、誰ですか!」

 

『誰でもいいじゃん、それより力がほしいんだろ?』

 

「何処にいるんですか?力ってなんですか!」

 

「今度は独り言か、いい加減あきらめたらどうだ?」

 

「時間稼ぐとか無駄だから!」

 

他の人達には聞こえてないんでしょうか…

 

『何処にいるかって?それは俺の事か?それとも力の事か』

 

「力がどこって……」

 

『俺は言えないけど?力ならここにあるじゃないか!』

 

謎の声がそう言うと、さっき見ていたカードが急に黒く光りだしました!

 

「こ…これは…」

 

闇のカードと同じ…いえ、もっとすごくて黒い…すごい!この力があればツァンさんを…

皆も守れる…いえ、そんなレベルじゃありません…もうなんというか…

 

 

 

 

 

「今ならだれにも負ける気がしねぇ!」

 

 

 

 

 

そんな気分になって叫んだあと、ふぅっと意識が…

 

 

 

sideツァン

 

 

「ゆ…ゆま…」

 

あんな気性が荒く叫んだ由真を初めて見た…

でもそれ以上に様子がおかしい…なんだか今まで見た闇のカードを持つデュエリストに似たオーラを持って

いつの間にか妙な形をした仮面をつけている…まさか…

 

「なんだよ脅かしやがって!」

 

「急に叫んで気でもおかしくなったか?」

 

「何をしたってこの状況は覆らねぇよ!」

 

さんざん罵声を浴びせる連中にも微動だにしない…仮面で表情は見えないけど、無表情な感じが伝わってくる。

 

「……闇の力を満足に扱えない愚かな輩たちだ。真の力を持つ者は、己でドローカードも導くものだ!」

 

 

13ターン目:ゆま?

 

 

「我のターン!魔法カード《ホープ・オブ・フィフス》を発動。墓地の《E・HERO クノスペ》を除く5体の《E・HERO》をデッキに戻し、カードを3枚引く」

 

 

ホープ・オブ・フィフス

通常魔法

自分の墓地の「E・HERO」と名のついたカードを5枚選択し、

デッキに加えてシャッフルする。

その後、デッキからカードを2枚ドローする。

このカードの発動時に自分の手札・フィールド上に他のカードが存在しない場合は

カードを3枚ドローする。

 

 

「一気に3枚もだと!」

 

「だがこの状況を覆すカードがそう都合よく」

 

「言ったはずだ真の力を持つ者は、己でドローカードも導くと、魔法カード《大嵐》を発動」

 

「《大嵐》だと!」

 

「俺たちのカードが!」

 

破壊された計4枚のカードは《奈落の落とし穴》《我が身を盾》《収縮》《聖なるバリア -ミラーフォース-》だれも魔法・罠の破壊対策をしていなかったとは…

 

「魔法カード《ヒーローアライブ》を発動。ライフを半分支払、デッキから《E・HERO エアーマン》を特殊召喚する」

 

 

ヒーローアライブ

通常魔法

自分フィールド上にモンスターが表側表示で存在しない場合、

ライフポイントを半分払って発動する事ができる。

自分のデッキからレベル4以下の

「E・HERO」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する

 

ゆま?LP100→50

 

「《E・HERO エアーマン》の効果で《E・HERO オーシャン》を手札に加える。そして魔法カード《カップ・オブ・エース》を発動する」

 

 

カップ・オブ・エース

通常魔法

コイントスを1回行う。

表が出た場合、自分はデッキからカードを2枚ドローする。

裏が出た場合、相手はデッキからカードを2枚ドローする。

 

 

「ここへきて運だのみカードか」

 

「運ではない、真のデュエリストは運命さえも自らの手で導く」

 

そしてゆまはそれが当然かの様に表を出した。

 

「カードを2枚ドロー。魔法カード《融合回収》発動。墓地の《融合》と《E・HERO クノスペ》を手札に戻す」

 

 

融合回収

通常魔法

自分の墓地に存在する「融合」魔法カード1枚と、

融合に使用した融合素材モンスター1体を手札に加える。

 

 

もしかして《ヒーローアライブ》で戻さない1枚を《E・HERO クノスペ》なんて弱小モンスターにしたのはこのカードを引くと分かっていたからなの…

 

「ゆま…あんたいったい……」

 

「我は魔法カード《融合》を発動!手札とフィールドの3体の《HERO》を融合素材とし…………」

 

そこで強烈な黒い光にあたりが包まれた

 

「ゆま!」

 

視界はほぼ完全に遮断されて、ゆまが何を出したのかも分からなかった…ただ、ゆまのデッキに3体融合のモンスターなんてなかった、それは確かなはずなのに…

 

「なっ!なんだと!」

 

「その攻撃力で俺達全員に攻撃だと!」

 

「そんな効果ありか!」

 

「さらに我は魔法カード《フォース》を発動」

 

 

フォース

通常魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター2体を選択して発動できる。

エンドフェイズ時まで、選択したモンスター1体の攻撃力を半分にし、

その数値分もう1体のモンスターの攻撃力をアップする。

 

 

「貴様の《ダーク・アームド・ドラゴン》の攻撃力を半分にし………」

 

ついにはわずかに聞こえていた声も聞こえなくなった。

 

 

 

「「「うわぁぁあぁぁ!」」」

 

 

Winゆま

 

 

そして3人の悲鳴が聞こえると、すぐに黒い光は消えた。

 

「ゆ、ゆま!」

 

僕が何とか立ち上がってゆまによっていくと……

 

「もう我はゆまではない」

 

「ゆま?」

 

「闇の力を手にした我は、破滅の女神 ダークネスゆまへと進化を遂げたのだ!」

 

「ダークネス……それより闇の力って!」

 

「ツァン、ゆま!」

 

僕が今のゆまに困惑していると、コナミ達が駆けつけてきた。

 

「二人ともどうしてここに?」

 

「コナミ様、気配と言うものはどこから……」

 

「コナミ、聞いてらっしゃるの?」

 

他の3人は気づいてないみたいだけど、コナミだけは、今のゆまの姿を見て唖然としていた。

 

「来たか、我が好敵手コナミよ」

 

「好敵手?まあ見方によってはそうかもしれないが…それより……そうか…」

 

そしてコナミは何か察したようだった。

 

「みんなの事は信じていた。だが度重なる闇のカードとのデュエルの中で、その力に触れてしまう者もいるそれも……考えてなかったわけじゃない」

 

「コナミ…それって」

 

「まさかゆま様は」

 

「闇のカードに魅了された、と言うわけね」

 

「だがこれほど大きな力……」

 

意を決してコナミはデュエルディスクを構えた……でも…

 

「待ってコナミ!」

 

「ツァン?」

 

「ゆまがこうなったのは、ボクのせいなの…僕が負けそうになったのを助けようとして…ゆまは…」

 

「わかっている、みんなの事は信じているといったはずだ。それが闇のカードと知らずに触れても

 洗脳されてしまうこともある…ゆまが自分から闇のカードに手を出すような子じゃないことはよくわかっている」

 

「だったら…」

 

「だが、カードに取り込まれた意識はデュエルでしか解放できない…ゆまを救うためにはデュエルするしかない」

 

「だったら、僕がゆまと!」

 

「そんな状態のやつに、今のゆまと戦わせることはできない」

 

「……貴様とのデュエル、受けて立ちたいところだが、まだ我と貴様が戦うときではない。力がなじんだ頃、また会いまみえよう!」

 

そう言ってゆま……いや、ダークネスゆまは闇に包まれて消えてしまった。

 



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第二十話 闇のデュエル再び…

sideコナミ

 

 

ゆまが消えた後、俺たちはいったんアカデミア本館まで戻った。

 

「ツァン様はただの疲労だそうなので時期目が覚めるだろうとのことです」

 

「そうか、良かったよ」

 

あの後、ツァンはデュエルの疲労からか倒れてしまったが、どうやら大事には至らなかったようだ。

 

「しかし、あのゆまの体を乗っ取って行った奴はいったいどこへ消えてしまったのでしょうね」

 

「せめて何か足取りのとれる手掛かりがございましたらよかったのですが」

 

あのあと俺たちはいまだにゆまに関する手掛かりがつかめず長考していた。

 

「あら、手掛かりならあるわよ」

 

どこかへ行っていた雪乃が戻ってきて俺たちに言ってきた。

 

「手掛かりと言いますと?」

 

「さっき最後にゆまとデュエルした3人のボウヤが起きたから話を聞いたんだけど」

 

「他の連中同様記憶は操作されてるのでは?」

 

「ええ、カードを手にした後のことは覚えてなかったけれど、問題は手にするときよ」

 

「手にするとき?」

 

「あの子たち、カードは拾ったのではなく、誰かから貰ったって言ってたわ」

 

「誰かから?」

 

「もらった?」

 

誰かから貰った…それが本当なら

 

「それで、それが誰かは覚えていたの?」

 

「いえ、覚えているには覚えていたのだけれど」

 

「どなたかはわからなかったのですか?」

 

「ええ、黒いローブで全身を隠していたそうよ」

 

黒いローブ、あの時と同じ格好だが……

 

「ついでに言うと、ツァンの事もそいつに聞いたみたいよ」

 

「つまりツァン様とあのお3方は必然的にデュエルさせられていたのですね」

 

「仕組まれていたデュエルか、とにかくツァンの目が覚めたら、その3人の生徒のデュエル中の様子を聞いてみるか、何か手がかりがあるかもしれない」

 

「そうね、そろそろ起きているかもいれないし」

 

話がまとまったところで俺たちはいったんツァンの居る保健室に戻った。

 

「え?」

 

保健室に行くと、ベットは蛻の殻だった。

 

「ツァン、何処へ行ったのかしら」

 

「まさかゆま様を探しに行ったのでは?」

 

「探すといってもどこに?」

 

3人が困惑している中、俺はベットの脇に1枚のメモを見つけた

「どうやら紫の言う通りみたいだ」

 

そのメモには『ゆまを取り戻してくる、心配しないで待ってて』と簡潔な言葉が書かれていた。

 

「あの状態なのにお1人でゆくとは、無謀でございます」

 

「でもこの書き方、まるでゆまがどこにいるか知っているような書き方ね」

 

「多分その通りだろうね」

 

カードを渡してデュエルを強要するような奴だ。ツァンにゆまの場所を教えデュエルさせることだって考えられる。

 

「だとしたら早く探して止めないとまずいんじゃなくて、彼女の今の状態でまたあのデュエルをしたら…」

 

「探すといいましてもどこに行くのか見当もつきませぬ…」

 

「……」

 

見当は1つある、これをやった奴は相当嫌な奴だからな、呼び出すとしたら……

 

「コナミ?」

 

「ああ、見当はつかなくともあの体調ならそう遠くへは言ってないかもしれない、手分けして探してみよう」

 

「そうね」

 

「畏まりました、必ず見つけて見せます」

 

「……」

 

「まあそれにツァンは強い、あの状態だってちゃっかり敵を倒してゆまを解放してるかもしれないし」

 

「まあ、彼女のデッキなら無きにしもあらずですわね」

 

「はい、ツァン様はお強いですから」

 

「そうね……」

 

「じゃあ手分けして探していこう」

 

雪乃の反応だけ少し気になったが、ひとまずは4手に分かれて探し始めた。

 

「さて……」

 

だが俺は1つの場所を目指して走り出した。そして本館を出た時だった。

 

「近くにいるといったわりには本館をあっという間に離れるのね」

 

「え!?」

 

不意に後ろから声を掛けられ振り返ると、雪乃の姿があった。どうやら手分けした時、俺をこっそり付けていたようだ。

 

「なんで俺についてきた?」

 

「あなたの様子を見ればわかるわよ、私達から遠ざかろうとしてるってね」

 

「なぜ?」

 

「ツァンとゆまから目を離してあんなことになったのよ、普段のあなたならバラバラになるなんて危険な真似、絶対にさせないわ」

 

さすが雪乃、勘が鋭いよ。

 

「ツァンがどこに行ったか知ってたの?」

 

「…見当がついてるだけだ」

 

「全く、心配ないって私たちを説得させて、また自分1人で何とかしようとしてたのね」

 

「返す言葉もないよ……」

 

「コナミ、私が言いたいこと、わかるわよね?」

 

「……ああわかったよ。だが危険になったらすぐ逃げろよ」

 

「ふふ、善処はするわ」

 

善処じゃなくて絶対と言ってほしかったが…

 

「それと1つ訂正させてもらう」

 

「?」

 

「ツァンは強い、ゆまをきっと取り戻してくれる。あの言葉は結構本心だったりするよ」

 

「あら、そうだったの?」

 

「ああ、ただあのデュエルの後はちょっとばてるからね。俺たちは迎えに行くだけだ」

「……ええそうね」

 

 

sideツァン

 

コナミ達が来る少し前

 

「ん……んんっ…」

 

こ、ここは…学園の保健室?そうか、僕はあの後気絶しちゃったのか…

 

「ゆま…ごめん……」

 

こんなところで寝てる場合じゃないよ!早くゆまを闇のカードから解放してあげないと!

 

「でも…どこにいるんだろ……」

 

『そんなにあの娘に会いたいのか?』

 

「え!」

 

突然声を掛けられ驚いて振り向いたけど、誰の姿もなかった。

 

「誰!どこにいるの!」

 

『俺は、名前はなんていえばいいのかな?いる場所はあの娘と同じ場所だよ』

 

「あの娘ってゆまのこと!ゆまは今どこにいるの!」

 

『あの娘は今、かつて君たちが闇のデュエルをしたあの場所だよ』

 

「闇のデュエルをした場所……」

 

『あの場所は闇を引き寄せやすい場所だからね、あの娘も強い力が手に入ってさぞ喜んだんじゃないかな?』

 

「ふざけないでよ!あんたが変なカードをゆまに渡したからこうなったんでしょ!」

 

『失礼な、僕は落としただけ、あの娘が拾ったんだよ』

 

「もういいよ!今から行ってあんたを倒して、ゆまも解放する!」

 

『いいよ、まあ戦うのは俺じゃないだろうけど』

 

「あんた、僕とゆまを……」

 

『さあね、でも来るなら1人で来てよ。特にあの赤帽子のやつはまだ来られちゃ困るんだよ』

 

「…いいよ、1人で行くよ。だからゆまにはこれ以上変なことしないでよ!」

 

『はいはい、じゃ待ってるよー』それを最後に妙な声は聞こえなくなった。

 

「みんな……すぐ戻るから!」

 

僕はデュエルディスクを持って、部屋を飛び出していった。

 

 

sideコナミ

 

「気配を感じる、もう始まっているかもしれない」

 

「気配…コナミ、この間も思ったのだけれどあなたは…」

 

雪乃が俺に何かを問いかけようとしたときだった。

 

『困るんだよねー!』

 

「!危ない雪乃!」

「きゃ!」

 

突然黒い渦が攻撃してきたが、雪乃の手を引き何とかかわした。

 

『ちぃ、よけられたか』

そして黒い渦は人の形になった。最も透けた黒い体で浮遊状態と言う形以外は人離れしているが。

 

「お前、何者だ?」

 

『何者だと言われてもな…俺は影の存在で名前なんてねーからな』

 

「影の存在ね」

 

「じゃあとりあえずシャドーって呼ぶぞ」

 

『安直だなー。まあいいけど』

 

「早速だがシャドー、そこをどけ」

 

「私たちはツァンとゆまのところに行かなきゃいけないの」

 

『それは無理だよー。まだあの子は力が完全になじんででないからね』

 

「完全になじまないほうがこっちは好都合なんだが」

 

「そもそもゆまがどうなろうと、あなたには関係ないでしょ」

 

『俺には大ありなんだよねー』

 

「どうでもいいが、廃寮で会ったときと随分雰囲気が違うな?」

 

『まああいつは俺とリンクを切った完全にロボット状態の分身だったからな今と違って』

 

「つまりお前も分身ってことか」

 

『ああ、だがリンクは切ってない分こないだより腕は数段うえだぜ。なんならここで俺が君を倒しちまうのもありだけどね』

 

「上等だ、相手してやる」

 

そう言って俺はデュエルディスクを構えた。

 

「コナミ、もちろん1人でやる気じゃないでしょうね」

 

「いや、こいつとのデュエルは今までのやつらとは訳が!」

 

『いいよ、2人でかかってきな!』

 

俺が雪乃を逃がす前に、周りを闇の霧で囲まれ退路を塞がれてしまった。

 

『これでデュエルが終わるまでここからは出れないよ』

 

「ふふ、私もやるしかないみたいね」

 

「全く……ルールはどうする?お前のライフは2人分の8000か?ターンはどの順番で回す?」

 

『いいや、ルールはバトルロワイヤルルールだ!ライフは3人それぞれが4000だ。当然ターンも全員が1ターンを終えて一周だ』

 

「つまり俺たちは実質ライフ8000でターンを連続で行えると」

 

「あら、ずいぶんサービス精神旺盛ね?」

 

『ただしもう1度言うがこれはバトルロワイヤルルール、貴様らのフィールドや墓地、ライフも個別扱いだ』

 

なるほど、雪乃が俺のモンスターを生贄にしたり、俺が雪乃のモンスターをシンクロ素材にはできないというわけか。

 

『あと念のためいうが、形式上はタッグではないい。お前ら2人がデュエルに影響のある会話は禁止だ。相手に触れるなんてもってのほかだからな』

 

「あら、デュエル中に相手に触れるなんてどんな状況かしら?」

 

『さてな。ただし俺の使う相手に直接影響を与えるカードは、お前ら2人に対して発動する効果とさせてもらう』

 

「私はそのルールで構わないわ」

 

「……俺もそれでいい」

 

あいつからの条件で少し悩んだが、俺達に不利な条件はあまり見当たらなかったので了承した。

 

『なら始めるぞ』

 

「「いつでもきな(どうぞ)」

 

「「『デュエル』」」

 

1ターン目:シャドー

 

『先攻ぐらいは譲ってもらうぜ。《魂を削る死霊》を守備表示で召喚』

シャドー:手札6→5

 

魂を削る死霊

効果モンスター

星3/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200

 

『このモンスター戦闘では破壊されない。カードを2枚伏せターン終了』

シャドー:手札5→3

 

 

シャドー

LP4000

モンスター 魂を削る死霊(守)

魔法・罠 伏せカード×2

 

2ターン目:雪乃

 

「私のターンね。《マンジュ・ゴッド》を召喚ね」

雪乃:手札6→5

 

マンジュ・ゴッド

効果モンスター

星4/光属性/天使族/攻1400/守1000

 

「このカードの召喚に成功した時、儀式モンスターもしくは儀式魔法を1枚手札に加えるわ。《高等儀式術》を手札に加えわ」

雪乃:手札5→6

 

「カードを1枚伏せてターン終了」

雪乃:手札6→5

 

 

雪乃

LP4000

モンスター マンジュ・ゴッド(攻)

魔法・罠 伏せカード×1

 

 

3ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン」

 

《高等儀式術》を加えたということは、次のターン《デミス》を出す可能性が高い。ならば俺はあまり動かない方がいいな。

 

「《ボルトヘッジホッグ》を守備表示で召喚。これでターン終了だ」

コナミ:手札6→5

 

コナミ

LP4000

モンスター ボルトヘッジホッグ(守)

魔法・罠 なし

 

4ターン目:シャドー

 

『俺のターン、魔法カード《一時休戦》を発動。互いにカードを1枚ドローする。そして次の相手ターン終了まで互いの受けるダメージは0になる』

シャドー:手札4→3→4

コナミ:手札5→6

雪乃:手札5→6

 

「何?」

 

このターンから攻撃が可能だというのにダメージを0にするカードだと?

 

『そしてお前らがドローした瞬間、永続罠《便乗》を発動。こいつがある限り、お前らがドローフェイズ以外ドローするたびに俺は2枚ドローする』

 

これのトリガーのためのカードか……

 

『さらに魔法カード速攻魔法《手札断殺》発動。互いに手札を2枚墓地に送り、2枚ドローする』

シャドー:手札4→3

 

 

『そして貴様がドローしたことで《便乗》の効果で俺はさらに2枚ドロー』

シャドー:手札3→5

 

『セットカード《強欲な贈り物》を発動!相手は2枚ドローする』

 

また俺達にドローをさせただと?

コナミ:手札6→8

 

「《便乗》のためとはいえ、ここまで私たちの手札を増やすなんて、豪快ね」

雪乃:手札6→8

 

『そして俺も《便乗》の効果で2枚ドロー。カードを1枚伏せてターン終了だ』

シャドー:手札5→7→6

 

シャドー

LP4000

モンスター 魂を削る死霊(守)

魔法・罠 便乗

     伏せカード×1

 

 

5ターン目:雪乃

 

 

奴はこのターンで7枚ものカードをドローした。だが俺達にも5枚ものカードをドローさせた上、

墓地にあってこその《チューニング・サポーター》と《スキル・サクセラー》を墓地に送らせた。ここまでしてカードを引きたかったのか?

それとも俺達の手札など恐れるに足らないというのか……

 

「私のターンね。さて、貴方がくれた手札、存分に使わせてもらうわ」

雪乃:手札8→9

 

『ふっ、使うことができれば、だがな』

 

何やら含みのあるような言い方だ……あの伏せカードの中に何かあるのか?

 

「なら、行かせてもらうわ。儀式魔法《高等儀式術》を発動ね」

雪乃:手札9→8

 

「デッキから合計レベルが同じになるよう通常モンスターを墓地に送り、儀式モンスターを儀式召喚するわ」

 

『さっき手札に加えたカードか。おい女、お前の手札は今何枚だ?』

 

「何を急に?8枚よ」

 

『赤帽子、貴様は?』

 

「俺も8枚に……」

 

8枚、まさか!

 

『ならばそのカードにチェーンし、罠カード《大暴落》を発動』

 

《大暴落》!やはりそれか!?

 

『相手の手札が8枚以上の場合、それをすべてデッキに戻し、2枚ドローさせる』

 

「そんな、私達の手札が元の手札より少なく!」

 

「全く、やってくれるな」

コナミ:手札8→2

雪乃:手札8→2

 

『どうだ、手札を与えられ、それを奪われる。その瞬間こそ人間は一番美しい顔をする!』

 

どこのファンサービスだよ、しかし俺はともかく、雪乃はこれで手札がリセットされた。

 

『とにかくこれで貴様の手札から儀式モンスターは消え不発に終わるな』

 

「何を言っているのかしら、戻しても2枚ドローできるのよ、再び引いて見せるわ!」

 

『まあせいぜい頑張りな。俺は《便乗》の効果で2枚ドロー』

シャドー:手札6→8

 

「ふふ、残念だけど、《終焉の王デミス》は再び手札にきたわ。デッキの《甲虫装甲騎士》と《ネオバグ》を生贄に、《終焉の王デミス》を儀式召喚ね」

雪乃:手札2→1

 

終焉の王デミス

儀式・効果モンスター

星8/闇属性/悪魔族/攻2400/守2000

「エンド・オブ・ザ・ワールド」により降臨。

 

『ちぃ、引きやがったか。だがそいつの効果範囲は相手ではなくフィールド全体、赤帽子のモンスターまで破壊するぜ』

 

雪乃が俺に視線を向けてきた。俺がかまわないと目で合図すると、雪乃にも伝わったようだ。

 

「《終焉の王デミス》の効果発動ね、ライフを2000払って、このカード以外のフィールドの全てのカードを破壊するわ」

雪乃LP4000→2000

 

『かまわずぶっ放したか、だがこのターンは《一時休戦》の効果でダメージは通らないぜ」

 

「わかっているわよ。カードを1枚伏せてターン終了よ」

雪乃:手札1→0

 

 



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第二十一話 悪夢の拷問デッキ

 

雪乃

LP2000

手札 0

モンスター 終焉の王デミス(攻)

魔法・罠 伏せカード×1

 

 

6ターン目:コナミ

 

「俺のターン、《ジャンク・シンクロン》を召喚、効果で《チューニング・サポーター》を特殊召喚」

コナミ:手札3→2

 

「さらに《ジャンク》モンスターがフィールドに居ることで《ジャンク・サーバント》を特殊召喚」

コナミ:手札2→1

 

『ほう、たった2枚のカードでここまで展開したか』

 

「レベル4の《ジャンク・サーバント》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

☆3+☆1+☆4=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

 

『おお、来たか《スターダスト・ドラゴン》』

 

今は雪乃のおかげで奴のフィールドはがら空きだ。

 

「《チューニング・サポーター》の効果でカードを1枚ドロー」

コナミ:手札1→2

 

「そして《スターダスト・ドラゴン》で直接攻撃」

 

『墓地の《ネクロ・ガードナー》を除外し効果発動、攻撃を無効にする』

 

ネクロ・ガードナー

効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300

 

《手札断札》の効果で送ったカードか。

 

「カードを1枚伏せてターン終了だ」

コナミ:手札2→1

 

 

コナミ

LP4000

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 伏せカード×1

 

 

7ターン目:シャドー

 

 

『俺のターン、《万力魔神バイサー・デス》を守備表示で召喚』

シャドー:手札9→8

 

万力魔神バイサー・デス

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻 500/守1200

 

『こいつは召喚成功時に相手モンスター1体を選択する。対象としたモンスターが存在する限り、こいつは戦闘では破壊されない。効果の対象は《スターダスト・ドラゴン》だ』

 

「俺の《スターダスト・ドラゴン》を破壊体制の傘にしたか……」

 

『さらに対象としたモンスターは3ターン後の俺のスタンバイフェイズに破壊される』

 

「今は効果の対象を取っただけか……」

 

破壊効果だが3ターン後にチェーンブロックを作らず発動する効果……《スターダスト・ドラゴン》でも無効にはできないか……

 

『そして手札を1枚捨て、魔法カード《ブラック・コア》を発動。《終焉の王デミス》を除外する』

シャドー:手札8→6

 

「破壊ではなく除外か……」

 

除外では《スターダスト・ドラゴン》の効果も発動できない……

 

「罠カード《生贄の祭壇》をチェーン発動するわ《終焉の王デミス》を墓地に送ってライフを回復するわ」

雪乃LP2000→4400

 

『なかなかうまいじゃねーか。まあこれでそっちの女のフィールドはがら空きだが……ま、今は攻撃はいいだろう。カードを1枚伏せてターン終了だ』

シャドー:手札6→5

 

シャドー

LP4000

モンスター 万力魔神バイサー・デス(攻)

魔法・罠 伏せカード×1

 

 

8ターン目:雪乃

 

 

「私のターンよ……カードを1枚伏せてターン終了よ」

雪乃:手札1→0

 

 

雪乃

LP4400

モンスター なし

魔法・罠 伏せカード×1

 

 

9ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン……」

 

雪乃も行動できないか……だが今の手札に《万力魔神バイサー・デス》を倒せるカードはない……

 

「《ミスティック・パイパー》を召喚」

コナミ:手札2→1

 

ミスティック・パイパー

効果モンスター

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

 

「そして効果発動。このカードを生贄にすることで、デッキからカードを1枚ドローする。さらにドローしたカードがレベル1モンスターなら公開しもう1枚ドローできる」

コナミ:手札1→2

 

「俺がドローしたのはレベル1の《レベル・スティーラー》よってもう1枚ドロー!」

コナミ:手札2→3

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

コナミ:手札3→2

 

コナミ

LP4000

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 伏せカード×2

 

10ターン目:シャドー

 

 

『俺のターン、この瞬間《万力魔神バイサー・デス》の効果発動までのカウントが1つ進む』

 

奴がそう言うと《万力魔神バイサー・デス》が《スターダスト・ドラゴン》の頭に装着され、ギリギリと轟音を立てながら頭を締め付けた。そして…

 

「うあぁぁぁ!」

 

同時に俺の頭も脳を刺されたような激痛が走り、思わず声を上げうずくまってしまった。

 

「コナミ!あなた、コナミにいったい何をしたの!」

 

『ククク、これは闇のデュエル、モンスターへのダメージも直接プレイヤーにリンクする。これから3ターンかけて貴様をしっくり痛ぶって行くぜ!』

 

「姑息な人ね」

 

『そして今は締め付けているだけだが、3ターン後には貫通する!そしたらどうなることか、ククク』

 

「……」

 

2対1にもかかわらず完全に奴のペースだ……

 

 

 

side雪乃

 

 

あんなに悲痛な声を上げるコナミ、初めて見るわ。

 

「でも、そのモンスターが3ターン後もあなたのフィールドにいたらの話だけどね」

 

《次元幽閉》で《万力魔神バイサー・デス》を除外すれば、コナミは激痛から解放されるはず!でも伏せてあるとわかっている状況であいつが攻撃してくるとは……

 

『随分と意気のいいこと言うな、だがお前もそんな悠長なこと言ってられなくなるぜ』

 

「まだ、何かするつもりか!」

 

『言っただろ《万力魔神バイサー・デス》はもう1体パーツが揃って初めて真の効果を発揮するってな、そのパーツはすでに俺の手札にある』

 

「たとえどんなモンスターでも、

 

『そんじゃ見せてやるよ!墓地の《ヘルウェイ・パトロール》を除外し効果発動』

 

ヘルウェイ・パトロール

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻1600/守1200

 

あのモンスターは、おそらく《手札断殺》で墓地に送ったもう1体のモンスターね…

 

『手札から攻撃力2000以下の悪魔族モンスター1体を特殊召喚する。手札の《バイサー・ショック》を特殊召喚』

シャドー:手札5→4

 

バイサー・ショック

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻 800/守 600

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

フィールド上の全てのセットされたカードを持ち主の手札に戻す。

 

「それがもう1体のパーツ……」

 

『こいつの特殊召喚に成功した時、セットされた魔法・罠を全て手札に戻す!』

シャドー:手札4→5

 

「何!」

コナミ:手札2→4

 

「そんな!」

雪乃:手札0→1

 

私の《次元幽閉》が手札に戻されてしまった。

 

『貴様のセットカードを俺が何の対策もしていないと思ったか?』

 

「くぅ……」

 

『さらに魔法カード《盗賊の極意》を《バイサー・ショック》を対象に発動。対象モンスターが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手の手札をランダムに1枚捨てる!』

シャドー:手札5→4

 

『なあ貴様ら、このデュエルのルールを覚えているのか?』

 

「このデュエルのルール…」

 

「実質2体1だが、方式はバトルロワイヤル、俺たちのカードは共通していない……!そうか!」

 

『そうだ、お前のフィールドには《スターダスト・ドラゴン》がいるが、そっちの女は』

 

「私のフィールドにモンスターはいない!?」

 

『バトル!さあショータイムだ!《バイサー・デス》と《バイサー・ショック》でダイレクトアタックだ!』

 

シャドーが宣言すると2体のモンスターは私に接近し、そのまま私の四肢を拘束してきた。

 

「きゃぁぁ!な、何のこれ!」

 

ソリッドビジョンのモンスターのはずなのに、私の体をしっかりと捕らえて離さなかった。

 

「くっ、んんっ、体が、動かない!」

 

『これは闇のゲームだと言ったろ、さあ痛みを味わえ!』

 

「きゃぁぁぁぁ!!」

雪乃LP4400→3900→3100

 

「雪乃!」

 

『おっと、デュエル中に相手に触れるのは禁止だぜ』

 

「くっ……」

 

「だ、大丈夫、私は大丈夫だから」

 

本当は意識が飛びかけたけれど、

 

『さらに《盗賊の極意》の効果により、貴様の手札を1枚捨てる』

 

拘束されている私の手からカードが闇に飲まれるように消えた。

 

「…おい、攻撃はもう終わっただろ、なぜあれはいまだに雪乃を拘束している」

 

『ククク、言ったろこの2体は闇のデュエルで真の力を発動するモンスター、こいつは1度相手を捕らえたら次に相手がアクションを起こすまで離すことはない!』

 

「なんて趣味の悪いモンスターだ」

 

『そう言うな、ちゃんと行動すれば自然に解放するからデュエルを阻害することはないぜ』

 

今の私にはフィールドにも手札にもカードがないから行動をとることはできない、でもあいつの言うことが本当なら、このターンが終われば私のドローフェイズに自然と解放されるはず。

 

『おっと、俺のターンはまだ終わってないぜ。魔法カード《愚かな埋葬》を発動!』

シャドー:手札4→3

 

愚かな埋葬(未OCGカード)

通常魔法

自分のデッキからカード1枚を選択して相手の墓地へ送る。

 

『俺のデッキの《インフェルニティ・ポーン》を女、貴様の墓地に送る』

 

「私の墓地にモンスターを?」

 

『俺はカードを3枚伏せターンエンドだ』

シャドー:手札3→1

 

シャドー

LP4000

モンスター 万力魔神バイサー・デス(攻)

      バイサー・ショック(攻)

魔法・罠 伏せカード×3

 

11ターン目:雪乃

 

 

「私のターンよ、私はカードをドローするという行動をとるわ!この拘束を外しなさい!」

 

『残念だが、さっき貴様の墓地に送った《インフェルニティ・ポーン》の効果、手札が0枚で墓地にこのカードが存在するとき、貴様はドローできない!』

 

インフェルニティ・ポーン(未OCGカード)

効果モンスター

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

このカードが墓地に存在し、自分の手札が0枚の場合、

自分はデッキからカードをドローする事ができない。

 

「なん、ですって……」

 

『さーて、手札にもフィールドにもカードの無いお前は、このターンどんな行動を見せてくれるんだ!?』

 

「貴様、えげつない真似を」

 

「くっ……ターン終了よ」

 

『ハハハハッそうだよな!』

 

side:コナミ

 

12ターン目:コナミ

 

「俺のターン」

コナミ:手札4→5

 

これ以上デュエルが長引くと、俺も雪乃も体がもたないな……

 

「手札を1枚捨て《クイック・シンクロン》を特殊召喚」

コナミ:手札5→4

 

「さらに手札から捨てた《レベル・スティーラー》の効果発動。《スターダスト・ドラゴン》のレベルを1つ下げ特殊召喚」

 

「《スピード・ウォリアー》を召喚!」

コナミ:手札4→3

 

「レベル1の《レベル・スティーラー》とレベル2の《スピード・ウォリアー》にレベル5チューナー《クイック・シンクロン》をチューニング!」

☆5+☆1+☆2=☆8

 

「集いし闘志が怒号の魔神を呼び覚ます。光さす道となれ!シンクロ召喚!粉砕せよ、《ジャンク・デストロイヤー》!」

 

ジャンク・デストロイヤー

シンクロ・効果モンスター

星8/地属性/戦士族/攻2600/守2500

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

 

「このカードがシンクロ召喚に成功した時、シンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数までフィールドのカードを破壊する!」

 

『クククッ、なるほど。効果で破壊するカードか。それならバトルを行わずとも破壊できるな。しかも《バイサー・デス》も破壊できるな』

 

またシャドーが嘲笑うような口調で言った。

 

『だが残念。カウンター罠《昇天の黒角笛(ブラックホーン)

 

昇天の黒角笛(ブラックホーン)

カウンター罠

相手モンスター1体の特殊召喚を無効にし破壊する。

 

『カウンター罠だから《スターダスト・ドラゴン》でも無効にできないぜ』

 

「……ならば、せめて雪乃を拘束してるモンスターぐらいは……バトル!《スターダスト・ドラゴン》で《バイサー・ショック》を攻撃!」

 

『おいおい焦りすぎだぜ、俺の罠カードも警戒せずに。永続罠《拷問車輪》を発動!相手モンスター1体の攻撃を封じる!」

 

「くっ……すまない雪乃」

 

「……大丈夫よ。私はまだ…耐えられる…から……」

 

「カードを2枚伏せてターン終了だ」

コナミ:手札3→1

 

 



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第二十二話 守るべきモノ

 

 

 

コナミ

LP4000

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 伏せカード×2

 

13ターン目:シャドー

 

 

『俺のターン、貴様も人の心配してる場合じゃないぞ、《万力魔神バイサー・デス》のカウントが進むぜ』

 

「ぐあぁぁ!」

 

再び何かが脳に深く突き刺さる激痛に襲われた。

 

『さらに《拷問車輪》の効果!俺のスタンバイフェイズに500のダメージを与える!』

 

「うあっ!」

コナミLP4000→3500

 

「コナミ!」

 

「ぐぅ……お、俺は大丈夫だ。」

 

『ハハハッ、その状況でお互いがお互いを思いやるか、なかなか美しい友情ごっこだな!』

 

「くっ……」

 

『だがこれでもそんな余裕があるか?永続罠《追い剥ぎゾンビ》発動。俺のモンスターが相手に戦闘ダメージを与える度に、デッキの一番上のカードを1枚墓地へ送る。さらに永続魔法《パラライズ・チェーン》を発動!』

シャドー:手札2→1

 

『カードの効果で相手のデッキのカードが墓地へ送られる度に、300ポイントダメージを与える!』

 

「デッキ破壊のカードに」

 

「それをトリガーとするダメージカード……」

 

『さあバトルだ!《バイサー・デス》で女に直接攻撃!』

 

「きゃぁっっ!」

雪乃LP3100→2600

 

『《追い剥ぎゾンビ》の効果で貴様のデッキのカードは墓地に送られる。そして《パラライズ・チェーン》の効果でダメージを与える!」

 

「ああぁぁぁっ!!」

雪乃LP2600→2300

 

雪乃のディスクの墓地から鎖が雪乃に絡みつき電流が流れてきた。

 

『そして《バイサー・ショック》でダイレクトアタック!そして《追い剥ぎゾンビ》と《パラライズ・チェーン》のコンボ効果でダメージを与える!』

 

「きゃぁぁぁあ!!!」

雪乃LP2300→1500→1200

 

「雪乃!?」

 

まずい、完全にやつのペースに飲まれている、

 

『カードを1枚伏せターンエンドだ。次の貴様のターンも《インフェルニティ・ポーン》の効果でドローフェイズはスキップされるぜ』

シャドー:手札1→0

 

シャドー

LP4000

モンスター 万力魔神バイサー・デス(攻)

      バイサー・ショック(攻)

魔法・罠 追い剥ぎゾンビ

     パラライズ・チェーン

     拷問車輪

     伏せカード×1

 

14ターン目:雪乃

 

 

「私の、ターン……ターン終了よ」

 

拘束されドローも封じられた雪乃が何かできるはずもなくターンが終わった。

 

 

15ターン目:コナミ

 

「俺のターン、伏せていた速攻魔法《魔力の泉》発動。相手フィールドの表側表示の魔法・罠カードの数だけドローする。その後、自分フィールドの表側表示の魔法・罠カードの数だけ手札を捨てる」

 

『俺のフィールドのカードは《追い剥ぎゾンビ》《パラライズ・チェーン》《拷問車輪》の3枚か』

 

「そして俺のフィールドには《魔力の泉》1枚のみ。つまり3枚引き、1枚捨てる」

コナミ:手札2→5→4

 

「《スターダスト・ドラゴン》のレベルを1つ下げ《レベル・スティーラー》を特殊召喚」

 

「魔法カード《ダーク・バースト》を発動!墓地の攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を手札に戻す。《ジャンク・シンクロン》を手札に戻す。そして召喚」

コナミ:手札4→3

 

「《ジャンク・シンクロン》の効果発動!墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚。墓地の《ボルトヘッジホッグ》の効果発動。俺のフィールドにチューナーモンスターが存在するとき、墓地から特殊召喚できる」

 

『またモンスター1体でそこまでそろえたか』

 

「レベル1の《レベル・スティーラー》とレベル1の《チューニング・サポーター》とレベル2の《ボルトヘッジホッグ》にレベル3チューナー《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

☆3+☆1+☆1+☆2=☆7

 

「集いし怒りが忘我の戦士に鬼神を宿す。光さす道となれ!シンクロ召喚!吠えろ、《ジャンク・バーサーカー》!」

 

ジャンク・バーサーカー

シンクロ・効果モンスター

星7/風属性/戦士族/攻2700/守1800

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

 

『残念だが、罠カード《深黒の落とし穴》発動!レベル5以上の効果モンスターが特殊召喚に成功した時、そのモンスターを除外する』

 

「くっ……だが召喚自体には成功している。よって《チューニング・サポーター》の効果により1枚ドローする」

コナミ:手札3→4

 

「カードを2枚伏せてターン終了だ」

コナミ:手札4→2

 

コナミ

LP3500

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 伏せカード×2

 

16ターン目:シャドー

 

『俺のターン、まずは《拷問車輪》の効果で500のダメージを与える!』

 

「うっ!」

コナミLP3500→3000

 

『そして《万力魔神バイサー・デス》の効果発動!《スターダスト・ドラゴン》を破壊しろ!』

 

ついに《万力魔神バイサー・デス》の万力が《スターダスト・ドラゴン》を貫いた。そして、

 

「うあぁあぁぁぁぁ!!」

 

俺の頭にも、それと同じ感覚が……

 

 

 

side:雪乃

 

「コナミ!」

 

《バイサー・デス》の効果を受けたコナミは

 

『これを受けたら、ライフが残っていようがさすがに立てねーだろうな』

 

「お願い、お願いだから立ち上がって、コナミ!」

 

『人の心配をしている場合じゃないだろ?貴様はこの攻撃でライフも0になるんだからな』

 

「くっ……コナミ!コナミ!!」

 

『いくら呼んでも無駄だ、そいつはもう』

 

「………うぅ……」

 

「コナミ!?」

 

少しだけど意識がある!?まだ生きてる!

 

「コナミ!私の声が聞こえる!コナミ!!」

 

必死にコナミを呼び掛け、駆け寄ろうにも2体のモンスターが私をしっかり拘束して離さない……

 

『驚いた、まだ息があるとは。だが立ち上がる気力はないようだな。それに、死ぬのも時間の問題だろ』

 

「うぅ……お願い…」

 

『あ?』

 

「お願い、もうデュエルを終わりにして!今手当すればコナミはまだ助かるわ!」

 

『おいおい、そんな頼み聞くと思うか?』

 

「お願い!私何でもするから!」

 

『はははっ、それは魅力的な提案だな……だがやだね!』

 

「うぅ……も、もう……終わり、なの……」

 

『ああ、終わりだ!』

 

 

 

 

 

 

「……まだだ」

 

「え?」

 

呟くようなわずかな声を出しながらコナミが立ち上がった!

 

「コナミ…!」

 

『ありえない、常人ならあれだけのダメージを受けて立ち上がれるわけが!』

 

「俺はデュエリストだぞ、常人の基準で図るな!」

 

「コナミ!大丈夫なの!」

 

「あ、ああ……ピンピンしてるぜ」

 

そう強がるけれど、コナミは立っているのがやっとに見えた。

 

『よく言うぜ。そんな生まれたての小鹿みたいな足してるくせに』

 

「うるさい……《スターダスト・ドラゴン》が《万力魔神バイサー・デス》の効果で破壊されたことで、罠カード《決死の希望》を発動」

 

決死の希望(未OCGカード)

通常罠

自分フィールド上のモンスターが破壊された時に発動する事ができる。

破壊されたモンスターの攻撃力分の数値だけ自分または相手のライフポイントを回復する。

 

「このカードの効果で雪乃のライフを2500回復させる」

雪乃LP1200→3700

 

「なんで、私のライフを!私なんか見捨ててあなたのライフを回復すればこの後少しは有利に戦えたのに!」

 

「……ここお前を見捨てるようなデュエルをしたら、これから救おうとしてるゆまやツァンだって救えやしないだろ」

 

「コナミ……」

 

『本当に美しい友情ごっこだな』

 

「これでお前が2体で攻撃しても雪乃のライフは削り切れない、俺のライフもだが、今の俺をそいつらで攻撃すれば、俺は死ぬかもな」

 

「コナミ、まさか!?」

 

この2体を自分に攻撃させて私を助けようとしてるの!?

 

「だめよコナミ、そんなことしたら本当に……」

 

『それはなかなか面白い提案だな、だが断る!』

 

「何!」

 

『そこで仲間が苦しむ姿を見てな!』

 

「貴様!」

 

『ククク、そもそもまだ伏せカードの残っているお前にうかつな攻撃なんてするわけねーだろ』

 

「ぐっ……」

 

『図星だったか。残念だったな引っかからなくて!《万力魔神バイサー・デス》で女にダイレクトアタック!』

 

「きゃああっ!?」

雪乃LP3700→3200

 

『《追い剥ぎゾンビ》の効果で貴様のデッキのカードは墓地に送られる。そして《パラライズ・チェーン》の効果でダメージを与える!」

 

「あぁぁぁっ!」

雪乃LP3200→2900

 

『《バイサー・ショック》で女にダイレクトアタック!そして2枚のカードでダメージを与える!』

 

「きゃあぁぁぁぁ!!?」

雪乃LP2900→2100→1800

 

「雪乃!?」

 

「だ……大丈夫…よ」

 

『全くよく言うぜ・カードを1枚伏せてターン終了だ』

シャドー:手札1→0

 

シャドー

LP4000

モンスター 万力魔神バイサー・デス(攻)

      バイサー・ショック(攻)

魔法・罠 追い剥ぎゾンビ

     パラライズ・チェーン

     拷問車輪

     伏せカード×1

 

17ターン目:雪乃

 

 

「私のターン……」

 

『《インフェルニティ・ポーン》の効果でキサマはドローできない。このターンもその無惨な格好で終わるしかないんだよ』

 

「……」

 

悔しいけれどあいつの言う通り、それにこれ以上は私の体も……

 

『なあ赤帽子、このままデュエルを続けていたら、この女はどうなるかね?』

 

「……」

 

「あなた、何が言いたいの!」

 

『お前だって立ってるのがやっとなんだろ?今のお前の力じゃこの程度なんだよ』

 

「守れない…今の……俺の力では…」

 

『なんだかんだ言っても貴様は力を求める側の人間だったんだよ。どうだ、貴様も俺の力を受けてみないかそうすれば大事な仲間を失わないだけの力がつくかもしれないぜ』

 

「だめよコナミ……こんなやつの言うことに耳を貸しちゃ……」

 

『喋る気力もろくにないやつが入ってくるなよ!もし俺にすがるというのなら、このデュエルはここで中断してやってもいいぜ』

 

「……」

 

『このままデュエルを続けてもこいつがさらに苦痛を受けるだけだぜ、こいつだってなんだかんだで何もしてないお前を憎んでんだろ『この役立たず!』ってな!』

 

「コ…コナミ…」

 

……なにも知らないくせに……コナミを語らないで!あいつにもさんざん言ってやりたいことはあるけれど、もう声を出す気力もほとんどないわ…

 

「雪乃……」

 

『今の彼女のためにも、そして今後のお前のためにも、今は俺にすがっておくのが得策じゃないか?』

 

「……」

 

コナミが黙り込んだ…あいつに屈する気じゃないわよね、しかも私のために……コナミにだけは、伝えないと……

 

「何を考えているの!こんなところで“他人”にすがって仲間を救えるわけないでしょ!」

 

「雪乃!」

 

「私は…あなたの言葉を信じている、あなたを憎んでなんてないわ…だからこのターンであいつを倒しなさい…そして、私を…助けて…」

 

もう少しかっこをつけたかったのだけれど、あなたになら少しぐらい弱い部分を見せてもいいわよね。それにちゃんと伝わったわよね…

 

「……俺としたことが、この極限の状態に流されかけていたよ、すまなかったな雪乃」

 

礼には及ばないわよ。

 

「お前の手など借りずとも俺は仲間を守れる。そしてお前も倒せる」

 

『ちぃ、わからねーやつだな!いいさ、ここで俺にすがらなかったことを後悔することだ、さっさとターンエンドしな!』

 

「ええ……たのんだわよコナミ…ターン、終了よ」

 

もう意識を保つのも限界だわ…でもまだ倒れるわけにはいかないわ。

 

「雪乃…待ってろ、必ず助ける!」

 

そう、あなたがかっこよくあいつを倒すところを見届けるまでは……

 

 

side:コナミ

 

18ターン目:コナミ

 

「俺のターン……」

 

頼む、俺に逆転のカードを答えてくれ、俺のデッキ!

 

『な、なんだ!?』

 

突然俺のデッキトップが輝きだした。

 

「……ドロー!」

 

このカードは……そうか、答えてくれたのか。ありがとう、俺のデッキ。

 

「《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》を召喚!」

コナミ:手札3→2

 

『な、なんだそのモンスターは、お前のデッキには入ってなかったはずだぞ!』

 

「当然だ。今、俺のデッキに宿った力だからな」

 

『今、宿っただと!?』

 

「手札の《ブースト・ウォリアー》を特殊召喚。このカードは俺のフィールドにレベル1のモンスターが存在する時、特殊召喚できる」

コナミ:手札2→1

 

「さらに罠カード《星屑の残光(スターダストフラッシュ)》発動!墓地の《スターダスト》1体を特殊召喚する。甦れ《スターダスト・ドラゴン》!」

 

『またそいつか』

 

「行くぞ、レベル8の《スターダスト・ドラゴン》とレベル1の《ブースト・ウォリアー》にレベル1の《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》をチューニング」

☆1+☆1+☆8=☆10

 

「集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光さす道となれ!シンクロ召喚!光来せよ、《セイヴァー・スター・ドラゴン》!」

 

セイヴァー・スター・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3800/守3000

「救世竜 セイヴァー・ドラゴン」+「スターダスト・ドラゴン」+チューナー以外のモンスター1体

 

「!?」

 

降臨したモンスターから清らかな光の風が俺に注がれた。その風により、このデュエルで受けていた俺のダメージが癒されていった。

 

「これが……救世竜の力か」

 

『そいつが貴様の最後の切り札ってやつか?リバースカードオープン!永続罠《調律師の陰謀》!』

 

「罠カード!?」

 

『相手フィールド上にシンクロモンスターが特殊召喚された時、そのシンクロモンスターのコントロールを奪う!』

 

「……」

 

『ははははっ、残念だったな!《スターダスト・ドラゴン》まで使って出した切り札も無駄だったな!』

 

「……これは、賭けだった」

 

『あ!?』

 

「お前ほどのやつのことだ、俺の切り札がシンクロモンスターである以上その対策をしないはずがない。そう確信していた」

 

『おいおい、どうした急に俺を褒めだして?俺に媚を売ったってこの後の拷問は変わらないぜ』

 

「そしてお前は賢い、低レベルのチューナーモンスターがいるこの状況を見て《スターダスト・ドラゴン》を素材に更なるモンスターを呼ぶことも予想がついただろう」

 

奴の挑発に答えず俺は続けた。

 

「だがそれでいて鬼畜で嫌な奴だ。それに気付いたお前は《スターダスト・ドラゴン》ではなく次に呼び出すモンスターにそのカードを使ってやろう、そう考える…俺はそれに賭けていた!」

 

『ククク、まあ正解だよ、そしてまんまとそのモンスターを奪ってやったんだよ!』

 

「……《セイヴァー・スター・ドラゴン》の効果発動。相手がカードの効果を発動した時、このカードをリリースし、そのカードを無効にし、相手のカード全てを破壊する!」

 

『……な、なんだと!』

 

「すべてを薙ぎ払え、スターダスト・フォース!」

 

《セイヴァー・スター・ドラゴン》がフィールド全体に眩い光を放ち浄化していった。

 

「うっ……」

 

《バイサー・ショック》が消え、拘束から解放された雪乃が力なく地面に倒れた。

 

「雪乃!」

 

「まだ…きちゃだめよ……デュエルは…まだ終わってないわ。あいつを…倒してくれるんでしょ…」

 

雪乃が今にも消えそうな声で必死に俺に伝えた。

 

「ああ…魔法カード《星屑のきらめき》を発動。墓地のドラゴン族のシンクロモンスター1体と同じレベルになるように、そのモンスター以外の自分の墓地のモンスターを除外し、そのモンスターを墓地から特殊召喚する!」

コナミ:手札1→0

 

「墓地の《スターダスト・ドラゴン》《スターダスト・シャオロン》《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》を除外し、《セイヴァー・スター・ドラゴン》を特殊召喚」

 

『だ、だが俺のライフはまだ!』 

 

「そして墓地の《スキル・サクセサー》の効果発動。このカードを除外し《セイヴァー・スター・ドラゴン》の攻撃力を800上げる」

《セイヴァー・スター・ドラゴン》 ATK3800→4600

 

『ばかな!俺のフィールドを一層したうえ、攻撃力4600のモンスターを出しただと!』

 

「これで終わりだ《セイヴァー・スター・ドラゴン》で直接攻撃!」

 

「がぁぁぁぁ!」

 

シャドーLP4000→0

 

 

 

Win:コナミ&雪乃

 

 

 

『ククク……まさか完全ではないとはいえ俺がやられるとはな。まあいい、お前は俺が見つけたあの女デュエリストで葬ってやるさ』

 

「…そうはならない、ゆまは今頃ツァンが取り戻してるさ。そしてお前の本体も俺が葬る」

 

『ククク威勢のいい奴だ。だがはたしてあの女はお前の様に勝てたのかね』

 

「……」

 

『まあ少しだけ伸びた人生をせいぜい楽しみな』

 

そう言い残して影は消えて行った。

 

「大丈夫か」

 

奴が消えた後、俺は雪乃に駆け寄った。

 

「え、えぇ…少し休めば…」

 

口ではそう言っているがどう見ても大丈夫じゃなさそうだ。

 

「待ってろ今すぐ手当できる場所まで連れてってやる」

 

「何を…言っているの、ゆまとツァンを助けるために…ここまで来たんでしょ」

 

「大丈夫だ、こういういい方はちょっと悪いかもしれないが、ツァンはゆまに負けたことがない。きっともう勝ってゆまを連れ戻してるさ」

 

そう言って俺は雪乃をお姫様だっこで抱えてアカデミア本館に向かって走り出した。

 

「……」

 

しばらくして雪乃は喋らなくなった。どうやら気絶してしまったようだ。

 

「2人は無事か…あの言葉、俺のために言ってたのかもな…」

 

 



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第二十三話 ダークネスの幻影

sideコナミ

 

「一応先ほどのツァンさま同様疲労によるものらしいです」

「全く、止めに行ってこの様とは情けないわね」

「面目ない」

あの後雪乃を連れて戻ったところで紫と幸子に偶然合流し、今保健室で事情を説明していた。

「うっ!」

「コナミ様!?」

「あなたも人の心配より、今は休んでた方が良いわ」

「すまないな」

「それは言わない約束ですよコナミ様」

「そうだったけ?」

「いえ、一度言ってみたかっただけでございます」

「えっと……そっか」

「コナミはそこで休んでいなさい」

「ツァン様とゆま様は引き続きわたくしめ達が探しますので」

「ああ……悪いけど頼んだよ」

2人が出ていくのを確認した後、俺はゆっくり立ち上がった。

…すまないが雪乃をこんな目にあわせておいて、これ以上は巻き込めない、頼るのと甘えるのは違うからな。

「……行ってくるよ」

隣のベットで寝ていた雪乃の額を軽く撫でてから俺は廃寮へと向かった。

 

 

 

『全く、うまくいけばあの赤帽子も闇堕ちさせて、このダークネスゆまとデュエルさせれば、主様の復活のためのエネルギーを一気に稼げると思ったのだが』

コナミがシャドーと命名した影の本体は、廃寮でダークネスゆまとツァンのデュエルを観戦する体制に入っていた。ただ周りの闇に紛れていたため、2人はその存在には気づいていなかった。

『まあいい、あの赤帽子はダークネスゆまに処理させる。だからさっさとその小娘を倒しちまいな』

 

 

sideツァン

 

 

この部屋全体を取り巻く黒い霧は前にコナミがここでデュエルした時と同じ…

「これも闇のデュエルなの?」

「当然だ、崇高な闇の力を手にした我のデュエルは常に闇のデュエルで行われる」

「……いいよ、覚悟はしてた」

「そうか、では我の先攻だ」

 

1ターン目:ダークネスゆま

 

「《幻影の魔術士》を守備表示で召喚。これでターン終了だ」

 

幻影の魔術士

効果モンスター

星3/闇属性/魔法使い族/攻 600/守 700

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから攻撃力1000以下の「HERO」と名のついたモンスター1体を

表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

 

ダークネスゆま

LP4000

手札 5

モンスター 幻影の魔術士(守)

魔法・罠 なし

 

2ターン目:ツァン

 

「いくよ、僕のターン!《六武衆の露払い》を召喚」

 

六武衆の露払い

効果モンスター

星3/炎属性/戦士族/攻1600/守1000

自分フィールド上にこのカード以外の「六武衆」と

名のついたモンスターが表側表示で存在する場合に発動する事ができる。

自分フィールド上に存在する「六武衆」と名のついた

モンスター1体をリリースする事で、

フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。

 

「さらに《六武衆》がフィールドにいることで《六武衆の師範》を特殊召喚するよ」

 

六武衆の師範

効果モンスター

星5/地属性/戦士族/攻2100/守 800

自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

このカードが相手のカードの効果によって破壊された時、

自分の墓地の「六武衆」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える。

「六武衆の師範」は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。

 

 

「バトル!《六武衆の露払い》で《幻影の魔術士》を攻撃!」

「ふん、《幻影の魔術士》の効果発動。デッキより《V・HERO インクリース》を守備表示で特殊召喚する」

 

V・HERO インクリース(未OCGカード)

効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻 900/守1100

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時、

墓地に存在するこのカードを永続魔法カード扱いとして

自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。

自分フィールド上に存在する「V・HERO」と名のついた

モンスター1体を墓地へ送った場合に魔法&罠カードゾーンに存在する

このカードを特殊召喚する事ができる。

このカードが魔法&罠カードゾーンからの特殊召喚に成功した時、

自分のデッキから「V・HERO」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

 

「《V・HERO》!?」

《E・HERO》じゃない、やっぱりダークネスになったことでデッキまで変わっちゃったんだ。

「《六武衆の師範》で《V・HERO インクリース》を攻撃!カードを1枚伏せターン終了」

 

ツァン

LP4000

手札 3

モンスター 六武衆の師範(攻)

      六武衆の露払い(攻)

魔法・罠 セット×1

 

3ターン目:ダークネスゆま

 

「我のターン、手札の《V・HERO ボイズナー》を捨て、《V・HERO ファリス》を特殊召喚」

 

V・HERO ファリス(未OCGカード)

効果モンスター

星5/闇属性/戦士族/攻1600/守1800

このカードは手札にあるレベル4以下の「V・HERO」と名のついた

モンスターを墓地へ送る事で、手札から特殊召喚する事ができる。

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分のデッキからレベル4以下の

「V・HERO」と名のついたモンスター1体を墓地に捨てる。

 

「《V・HERO ファリス》の効果で《V・HERO マルティプリ・ガイ》を墓地へ送る。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

ダークネスゆま

LP4000

手札 1

モンスター V・HERO ファリス(攻)

魔法・罠 セット×2

 

4ターン目:ツァン

 

「僕のターン、永続魔法《六武の門》を発動するよ」

 

六武の門

永続魔法

「六武衆」と名のついたモンスターが召喚・特殊召喚される度に、

このカードに武士道カウンターを2つ置く。

自分フィールド上の武士道カウンターを任意の個数取り除く事で、以下の効果を適用する。

●2つ:フィールド上に表側表示で存在する「六武衆」または「紫炎」と名のついた

効果モンスター1体の攻撃力は、このターンのエンドフェイズ時まで500ポイントアップする。

●4つ:自分のデッキ・墓地から「六武衆」と名のついたモンスター1体を手札に加える。

●6つ:自分の墓地に存在する「紫炎」と名のついた効果モンスター1体を特殊召喚する。

 

「《六武衆-イロウ》を召喚。効果で《六武の門》に武士道カウンターが2つ乗るよ」

 

六武衆-イロウ

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1700/守1200

自分フィールド上に「六武衆-イロウ」以外の

「六武衆」と名のついたモンスターが存在し、

このカードが裏側守備表示のモンスターを攻撃した場合、

ダメージ計算を行わず裏側守備表示のままそのモンスターを破壊する。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、

代わりにこのカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

「六武衆」と名のついたモンスター1体を破壊できる。

 

「バトル!《六武衆-イロウ》で《V・HERO ファリス》を攻撃!」

「リバースカード発動、罠カード《幻惑》!」

 

幻惑(未OCGカード)

永続罠

自分フィールド上に「V・HERO」と名のつくモンスターが

表側表示で存在する時のみ発動する事ができる。

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の攻撃力を半分にする。

 

「これにより《六武衆-イロウ》の攻撃力は半分となる

《六武衆-イロウ》 ATK1700→850

「うわぁぁ!」

ツァンLP4000→3250

「くっ、このダメージは…覚悟はしてたけど……」

「どうした、この程度のダメージで根を上げるようでは我の相手は務まらぬぞ」

「わかってるよ…」

「《幻惑》永続罠、我のフィールドに《V・HERO》が存在する限り常に貴様のモンスター1体の攻撃力は半分となる」

《六武衆の師範》 ATK2100→1050

「それがどうしたの!永続罠《疾風!凶殺陣》を発動!」

 

疾風!凶殺陣

永続罠

自分フィールド上の「六武衆」と名のついたモンスターが戦闘を行った場合、

このターンのエンドフェイズ時まで自分フィールド上の

「六武衆」と名のついたモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。

 

「このカードの効果で僕のモンスターの攻撃力は攻撃力300アップするよ」

《六武衆の師範》 ATK1050→1350

《六武衆の露払い》 ATK1600→1900

「《六武衆の露払い》で《V・HERO ファリス》を攻撃!」

「これしき…」

 

ダークネスゆまLP4000→3700

 

「我がダメージを受けたことにより、墓地の《V・HERO インクリース》《V・HERO マルティプリ・ガイ》《V・HERO ミニマム・レイ》を永続魔法としてフィールドに戻す」

「でもこれでゆまのフィールドに《V・HERO》はいなくなった」

《六武衆の師範》 ATK1350→2400

「そして僕にはまだ《六武衆の師範》の攻撃が残ってる!《六武衆の師範》でダイレクトアタック!」

「くぅぅ!」

ダークネスゆまLP3700→1300

「くっ…罠カード発動《ダメージ・ワクチンΩMAX》今我が受けたダメージをそのまま回復する」

 

ダメージ・ワクチンΩMAX

通常罠

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時に発動する事ができる。

自分が受けたそのダメージの数値分だけ自分のライフポイントを回復する。

 

ダークネスゆまLP1300→3700

「これでボクのターンは終了だ」

 

《六武衆の師範》 ATK2400→2100

《六武衆の露払い》 ATK1900→1600

 

ツァン

LP3250

手札 2

モンスター 六武衆の師範(攻)

      六武衆の露払い(攻)

魔法・罠 六武の門

     疾風!凶殺陣

 

5ターン目:ダークネスゆま

 

「我のターン、《V・HERO グラビート》を召喚」

 

V・HERO グラビート(未OCGカード)

効果モンスター

レベル4/闇属性/戦士族/攻撃力500/守備力2000

このカードをリリースして発動する。

自分フィールド上の魔法&罠カードゾーンに存在する

「V・HERO」と名のついたモンスター2体を特殊召喚する。

 

「《V・HERO グラビート》を生贄に《V・HERO インクリース》と《V・HERO ボイズナー》を特殊召喚」

 

V・HERO ボイズナー(未OCGカード)

効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻 800/守 700

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時、

墓地に存在するこのカードを永続魔法カード扱いとして

自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。

自分フィールド上に存在する「V・HERO」と名のついたモンスター1体を

墓地へ送った場合に魔法&罠カードゾーンに存在するこのカードを特殊召喚する事ができる。

このカードが魔法&罠カードゾーンからの特殊召喚に成功した時、

相手フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力・守備力を半分にする。

 

「《V・HERO インクリース》の効果により、デッキから《V・HERO ミニマム・レイ》を特殊召喚」

 

V・HERO ミニマム・レイ(未OCGカード)

効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻1200/守 700

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時、

墓地に存在するこのカードを永続魔法カード扱いとして

自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。

自分フィールド上に存在する「V・HERO」と名のついたモンスター1体を

墓地へ送った場合に魔法&罠カードゾーンに存在するこのカードを特殊召喚する事ができる。

このカードが魔法&罠カードゾーンからの特殊召喚に成功した時、

相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。

 

「さらに《V・HERO ボイズナー》の効果により《六武衆の師範》の攻撃力を半分にする。さらにフィールドに《V・HERO》が現れたことで《幻惑》の効果が発動する」

 

《六武衆の師範》 ATK2100→1050

《六武衆の露払い》 ATK1600→800

 

「《V・HERO ボイズナー》を生贄に、永続魔法となった《V・HERO マルティプリ・ガイ》を特殊召喚する」

 

V・HERO マルティプリ・ガイ(未OCGカード)

効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻 800/守 700

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時、

墓地に存在するこのカードを永続魔法カード扱いとして

自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。

自分フィールド上に存在する「V・HERO」と名のついたモンスター1体を

墓地へ送った場合に魔法&罠カードゾーンに存在するこのカードを特殊召喚する事ができる。

このカードが魔法&罠カードゾーンからの特殊召喚に成功した時、このカードの攻撃力は2倍になる。

 

「《V・HERO マルティプリ・ガイ》は自信の効果により攻撃力が倍となる」

《V・HERO マルティプリ・ガイ》 ATK800→1600

「バトルだ、《V・HERO マルティプリ・ガイ》で《六武衆の師範》を攻撃」

「うわぁぁ!」

ツァンLP3250→2700

「くぅ、《疾風!凶殺陣》の効果で《六武衆の露払い》の攻撃力は300アップする」

《六武衆の露払い》 ATK800→1100

「その程度、焼け石に水だな《V・HERO ミニマム・レイ》で《六武衆の露払い》を攻撃」

「ぐうぅ!」

ツァンLP2700→2600

「《V・HERO インクリース》でプレイヤーへ直接攻撃」

「うわぁぁあ!」

ツァンLP2600→1700

「カードを1枚伏せターン終了」

 

ダークネスゆま

LP3800

手札 2

モンスター V・HERO マルティプリ・ガイ(攻)

      V・HERO ミニマム・レイ(攻)

      V・HERO インクリース(攻)

魔法・罠 幻惑

     セット×1

 

6ターン目:ツァン

 

「僕のターン、《六武衆-カモン》を召喚。《六武衆》を召喚したから《六武の門》に武士道カウンターを乗せるよ」

 

六武衆-カモン

効果モンスター

星3/炎属性/戦士族/攻1500/守1000

自分フィールド上に「六武衆-カモン」以外の

「六武衆」と名のついたモンスターが存在する場合、

1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる。

この効果を発動するターン、このカードは攻撃宣言できない。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、

代わりにこのカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

「六武衆」と名のついたモンスター1体を破壊できる。

 

「《幻惑》の効果により、そいつの攻撃力も半分となる」

《六武衆-カモン》 ATK1500→750

「僕は《六武の門》の武士道カウンターを4つ取り除いて効果発動。墓地の《六武衆の師範》を手札に戻して特殊召喚。そして《六武衆-カモン》の効果で《幻惑》を破壊する!」

《六武衆-カモン》 ATK750→1500

「この効果を発動したターン《六武衆-カモン》は攻撃できないけど、速攻魔法《六武衆の理》を発動」

 

六武衆の理

速攻魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

「六武衆」と名のついたモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

自分または相手の墓地の「六武衆」と名のついたモンスター1体を選択して

自分フィールド上に特殊召喚する。

 

「このカードの効果で《六武衆-カモン》を墓地に送って《六武衆-イロウ》を特殊召喚するよ。さらに《六武衆》が2体いることで《大将軍 紫炎》を特殊召喚」

 

大将軍 紫炎

効果モンスター

星7/炎属性/戦士族/攻2500/守2400

自分フィールド上に「六武衆」と名のついたモンスターが

2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は1ターンに1度しか魔法・罠カードを発動できない。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊される場合、

代わりに自分フィールド上に表側表示で存在する

「六武衆」と名のついたモンスター1体を破壊できる。

 

「《六武の門》の武士道カウンターを4つ取り除いて《六武衆の師範》の攻撃力を1000アップさせる」

《六武衆の師範》 ATK2100→3100

「バトル!《六武衆-イロウ》で《V・HERO ミニマム・レイ》を攻撃!」

「ぐぅ…」

ダークネスゆまLP3700→3200

「《疾風!凶殺陣》の効果で《六武衆》の攻撃力は300アップする」

《六武衆の師範》 ATK3100→3400

《六武衆のイロウ》 ATK1700→2000

「《六武衆の師範》で《V・HERO インクリース》を攻撃!」

「うわぁぁ!」

ダークネスゆまLP3200→700

 

「ああああっ!?」

「ゆ、ゆま!」

「ツ、ツァンさん……」

「ゆま!もしかして今の一撃で正気に戻ったの!」

「正気……ここは、う、うわぁぁぁぁ!」

「ゆま!」

「うっ、あぅ!ダメージを受けたことで、墓地の《V・HERO ミニマム・レイ》と《V・HERO ボイズナー》を永続魔法として場に戻す……」

まだ完全には戻ってないの!なら次の一撃、僕のエースモンスターの一撃でゆまを正気に戻して見せる!

「《大将軍 紫炎》で《V・HERO マルティプリ・ガイ》を攻撃」

「う……リバースカード発動《陰謀の盾》!」

 

陰謀の盾

通常罠

発動後このカードは装備カードとなり、

自分フィールド上のモンスター1体に装備する。

装備モンスターは表側攻撃表示で存在する限り、

1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。

また、装備モンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

 

「《V・HERO マルティプリ・ガイ》に装備し、破壊を無効にしダメージを0にする」

く、防がれた!もう少しでゆまを正気に戻せたのに!

「次のターンこそ、ターン終了だよ」

《六武衆の師範》 ATK3400→2100

《六武衆のイロウ》 ATK2000→1700

 

ツァン

LP1700

手札 0

モンスター 大将軍 紫炎(攻)

      六武衆の師範(攻)

      六武衆のイロウ(攻)

魔法・罠 六武の門

     疾風!凶殺陣

 

7ターン目:ダークネスゆま

 

「我のターン」

今ゆまの手札は0枚、さすがにこの状況で逆転のカードは……いや、今のゆまは!

「真の力を持つ者は、己でドローカードも導くもの!」

「やっぱりその力を!」

「魔法カード《幻影融合》発動!」

 

幻影融合

通常魔法

自分の魔法&罠カードゾーンから、融合モンスターカードによって決められた

「V・HERO」と名のついた融合素材を墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。

 

「《幻影融合》!?」

「このカードにより、永続魔法となった《V・HERO ミニマム・レイ》と《V・HERO ボイズナー》により《V・HERO アドレイション》を融合召喚!」

 

V・HERO アドレイション

融合・効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2800/守2100

「HERO」と名のついたモンスター×2

1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体と、

このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

「HERO」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。

選択した相手モンスターの攻撃力・守備力は

エンドフェイズ時まで、選択した自分のモンスターの攻撃力分ダウンする。

 

「《V・HERO アドレイション》の効果発動。《大将軍 紫炎》の攻撃力を《V・HERO マルティプリ・ガイ》の攻撃力分下げる」

《大将軍 紫炎》 ATK2500→900

「《大将軍 紫炎》の攻撃力が、でもなぜわざわざ《大将軍 紫炎》を」

「相手の切り札を倒して勝利してこそ、真のデュエリストと言うものだ。《V・HERO アドレイション》で《大将軍 紫炎》を攻撃!」

「きゃぁぁぁ!」

ツァンLP1700→0

 

Win ダークネスゆま

 

「そんな…勝てなかった……」

「…闇のデュエルの敗者は、その身を闇に攫われる」

「闇に、攫われる」

ゆまの言うとおり周りの闇が僕に絡み付いてきた。

「きゃぁぁ!何!なんなの!」

「貴様とのデュエル、悪くなかったぞ……さらばだ」

「待ってゆま!」

僕の声がゆまに届くよりも早く、僕の体は闇に飲み込まれた。

 

 



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第二十四話 想い

sideコナミ

 

「……遅かったか」

廃寮にたどり着いた俺の目に入ったのは力なく床に倒れているツァンの姿だった。

「ツァン、しかっりしろ!」

何度呼びかけても起きる様子はない…

「無駄だ、そいつの魂は闇に飲まれた。闇に飲まれた者が決して目覚めることはない」

「!」

声を聴き見上げると、そこにいたのは黒いコートに奇妙な仮面をつけたゆまだった。

「ゆま…お前がやったのか?」

「そうだ、そいつのおかげで我のデッキはより高みへ近づいた、貴様の相手をできるほどにな」

「そうか…やはりゆまを取り戻すにはお前を倒すしかないのか」

俺はデュエルディスクを構え前に出た。

「ようやくだ……」

ゆまも変わった形のデュエルディスクを構えてきた。

 

「「デュエル」」

 

1ターン目:コナミ

「先攻は俺だ、魔法カード《ワン・フォー・ワン》発動。《ボルトヘッジホッグ》を捨て、《チューニング・サポーター》を特殊召喚。そして《ロード・シンクロン》を召喚」

 

ロード・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星4/光属性/機械族/攻1600/守 800

このカードを「ロード・ウォリアー」以外のシンクロ素材とする場合、

このカードのレベルを2つ下げたレベルとして扱う。

このカードが攻撃した場合、そのダメージステップ終了時に

このカードのレベルをエンドフェイズ時まで1つ上げる。

 

「フィールドにチューナーがいることで墓地の《ボルトヘッジホッグ》を特殊召喚。

 レベル2の《ボルトヘッジホッグ》と効果でレベル2として扱うの《チューニング・サポーター》に、レベル4の《ロード・シンクロン》をチューニング!」

☆4+☆2+☆2=☆8

「集いし希望が新たな地平へいざなう。光さす道となれ、シンクロ召喚、駆け抜けろ、《ロード・ウォリアー》」

 

ロード・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻3000/守1500

「ロード・シンクロン」+チューナー以外のモンスター2体以上

1ターンに1度、自分のデッキからレベル2以下の

戦士族または機械族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。《ロード・ウォリアー》の効果発動、デッキの《マッシブ・ウォリアー》を特殊召喚。これでターン終了だ」

 

マッシブ・ウォリアー

効果モンスター

星2/地属性/戦士族/攻 600/守1200

このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター ロード・ウォリアー(攻)

      マッシブ・ウォリアー(守)

魔法・罠 なし

 

2ターン目:ダークネスゆま

 

「我のターン、速攻魔法《手札断殺》を発動。互いに手札を2枚捨て、カードを2枚引く」

 

手札断殺

速攻魔法

お互いのプレイヤーは手札を2枚墓地へ送る。

その後、それぞれ自分のデッキからカードを2枚ドローする。

 

俺が捨てたカードは《シールド・ウィング》と《ソニック・ウォリアー》、ゆまは何を捨てたのか……

「《V・HERO ヴァイオン》を召喚。このカードの効果でデッキの《V・HERO インクリース》を墓地へ送る」

 

V・HERO ヴァイオン(未OCGカード)

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻1000/守1200

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

自分のデッキからレベル4以下の「V・HERO」と名のついたモンスター1体を墓地に送る。

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

ダークネスゆま

LP4000

手札 3

モンスター V・HERO ヴァイオン(攻)

魔法・罠 セット×1

 

3ターン目:コナミ

 

「俺のターン、《ロード・ウォリアー》の効果でデッキの《スピード・ウォリアー》を守備表示で特殊召喚。バトルだ、《ロード・ウォリアー》で《V・HERO ヴァイオン》を攻撃」

「く!」

ダークネスゆまLP4000→2000

「罠カード《ダメージ・ワクチンΩMAX》を発動受けたダメージ分ライフを回復する」

 

ダメージ・ワクチンΩMAX

通常罠

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時に発動する事ができる。

自分が受けたそのダメージの数値分だけ自分のライフポイントを回復する。

 

「さらに我がダメージを受けたことで《V・HERO インクリース》《V・HERO マルティプリ・ガイ》《V・HERO ミニマム・レイ》を永続魔法として場に戻す」

墓地のカードが明らかに多い、あの2体は《手札断殺》で捨てたカードか。

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター ロード・ウォリアー(攻)

      マッシブ・ウォリアー(守)

      スピード・ウォリアー(守)

魔法・罠 セット×1

 

4ターン目:ダークネスゆま

 

「魔法カード《幻影解放》を発動。この効果で《V・HERO インクリース》を特殊召喚」

 

幻影解放(未OCGカード)

通常魔法

自分の魔法&罠カードゾーンに存在する

「V・HERO」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

 

V・HERO インクリース(未OCGカード)

効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻 900/守1100

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時、

墓地に存在するこのカードを永続魔法カード扱いとして

自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。

自分フィールド上に存在する「V・HERO」と名のついた

モンスター1体を墓地へ送った場合に魔法&罠カードゾーンに存在する

このカードを特殊召喚する事ができる。

このカードが魔法&罠カードゾーンからの特殊召喚に成功した時、

自分のデッキから「V・HERO」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

 

「《V・HERO インクリース》の効果でデッキより2体目の《V・HERO インクリース》を特殊召喚。この2体を生贄に《V・HERO ウィッチ・レイド》を召喚」

 

V・HERO ウィッチ・レイド(未OCGカード)

効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2700/守1900

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

相手フィールド上に存在する魔法・罠カードを全て破壊する。

 

「《V・HERO ウィッチ・レイド》の効果で伏せカードを破壊する」

「なら伏せカード《奇跡の軌跡》をチェーン発動。《ロード・ウォリアー》の攻撃力を1000上げ、代わりにゆまはカードを1枚ドローする」

《ロード・ウォリアー》 ATK3000→4000

「手札より魔法カード《幻影融合》を発動!」

 

幻影融合(未OCGカード)

通常魔法

自分の魔法&罠カードゾーンから、融合モンスターカードによって決められた

「V・HERO」と名のついた融合素材を墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。

 

「永続魔法として存在する《V・HERO マルティプリ・ガイ》と《V・HERO ミニマム・レイ》を素材とし《V・HERO アドレイション》を融合召喚!」

 

V・HERO アドレイション

融合・効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2800/守2100

「HERO」と名のついたモンスター×2

1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体と、

このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

「HERO」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。

選択した相手モンスターの攻撃力・守備力は

エンドフェイズ時まで、選択した自分のモンスターの攻撃力分ダウンする。

 

「《V・HERO アドレイション》の効果発動。《ロード・ウォリアー》の攻撃力を《V・HERO ウィッチ・レイド》の攻撃力分下げる」

《ロード・ウォリアー》 ATK4000→1300

「バトル!《V・HERO アドレイション》で《ロード・ウォリアー》を攻撃!」

「うわぁ!」

コナミLP4000→2500

「《V・HERO ウィッチ・レイド》で《スピード・ウォリアー》を攻撃。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

ダークネスゆま

LP4000

手札 1

モンスター V・HERO アドレイション(攻)

      V・HERO ウィッチ・レイド(攻)

魔法・罠 セット×1

 

5ターン目:コナミ

 

「俺のターン、《デブリ・ドラゴン》を召喚。効果で《手札断殺》により墓地に送った《シールド・ウィング》を特殊召喚。 

 レベル2の《マシップ・ウォリアー》と効果でレベル2の《シールド・ウィング》に、レベル4の《デブリ・ドラゴン》をチューニング!」

☆4+☆2+☆2=☆8

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

「来たか、貴様の切り札となる竜」

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP2500

手札 3

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 セット×1

 

6ターン目:ダークネスゆま

 

「我のターン、《V・HERO アドレイション》の効果で《V・HERO ウィッチ・レイド》の攻撃力分《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を下げる」

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→0

「バトルだ、《V・HERO アドレイション》で《スターダスト・ドラゴン》を攻撃!」

「カウンター罠《攻撃の無力化》を発動。攻撃を無効にしバトルを終了させる」

「つまらぬ手で防がれたか。カードを1枚伏せターン終了だ。エンドフェイズに《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力は元に戻る」

《スターダスト・ドラゴン》 ATK0→2500

 

ダークネスゆま

LP4000

手札 1

モンスター V・HERO アドレイション(攻)

      V・HERO ウィッチ・レイド(攻)

魔法・罠 セット×2

 

7ターン目:コナミ

 

「俺のターン、魔法カード《破天荒な風》を発動。《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を1000アップさせる」

 

破天荒な風

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力・守備力は、

次の自分のスタンバイフェイズ時まで1000ポイントアップする。

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→3500

「バトル《スターダスト・ドラゴン》で《V・HERO アドレイション》を攻撃」

ダークネスゆまLP4000→3300

「くっ、我がダメージを受けたことで墓地の《V・HERO インクリース》2体を永続魔法として場に戻す」

「カードを2枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP2500

手札 1

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 セット×2

 

8ターン目:ダークネスゆま

 

「我のターン、永続罠《リビングデッドの呼び声》を発動《V・HERO アドレイション》を特殊召喚する」

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

自分の墓地のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。

 

「そして《V・HERO アドレイション》の効果を発動!」

「そうはいかない、手札の《エフェクト・ヴェーラー》を墓地に送り、効果を無効にする」

 

エフェクト・ヴェーラー

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

このカードを手札から墓地へ送り、

相手フィールド上の効果モンスター1体を選択して発動できる。

選択した相手モンスターの効果をエンドフェイズ時まで無効にする。

この効果は相手のメインフェイズ時にのみ発動できる。

 

「ならば《V・HERO グラビート》を召喚」

 

V・HERO グラビート

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻 500/守2000

自分フィールド上に存在するこのカードをリリースして発動する。

自分フィールド上の魔法&罠カードゾーンに存在する

「V・HERO」と名のついたモンスター2体を特殊召喚する。

 

「このカードを生贄に《V・HERO インクリース》2体を特殊召喚。《V・HERO インクリース》の効果によりデッキの《V・HERO ボイズナー》を特殊召喚」

 

V・HERO ボイズナー

効果モンスター

星3/闇属性/戦士族/攻 800/守 700

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時、

墓地に存在するこのカードを永続魔法カード扱いとして

自分の魔法&罠カードゾーンに表側表示で置く事ができる。

自分フィールド上に存在する「V・HERO」と名のついたモンスター1体を

墓地へ送った場合に魔法&罠カードゾーンに存在するこのカードを特殊召喚する事ができる。

このカードが魔法&罠カードゾーンからの特殊召喚に成功した時、

相手フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力・守備力を半分にする。

 

「そして魔法カード《融合》を発動。《V・HERO インクリース》2体と《V・HERO ボイズナー》を素材とする。見るがいい、我に力を与えた闇の力の象徴《V・HERO トリニティー》!」

 

V・HERO トリニティー

融合・効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2000

「HERO」と名のついたモンスター×3

このカードが融合召喚に成功したターン、

このカードの攻撃力は元々の攻撃力を倍にした数値になる。

融合召喚に成功したこのカードは、

1度のバトルフェイズ中に3回攻撃する事ができる。

このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。

 

「《HERO》3体融合だと」

「《V・HERO トリニティー》は融合されたターン、攻撃力が倍となる」

《V・HERO トリニティー》 ATK2500→5000

「攻撃力5000か…」

「バトルだ《V・HERO トリニティー》で《スターダスト・ドラゴン》を攻撃!」

「リバースカード発動《ハーフ・アンブレイク》これで《スターダスト・ドラゴン》の戦闘破壊を無効にし、ダメージを半減させる」

 

ハーフ・アンブレイク

通常罠

フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、

そのモンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは半分になる。

 

コナミLP2500→1750

「ぐぅ…これでこのターンの攻撃は終わりだ」

「まだだ、《V・HERO トリニティー》は1度のバトルフェイズ中に3回攻撃する事ができる!」

「なんだと」

「《V・HERO トリニティー》で《スターダスト・ドラゴン》を2回攻撃!」

「うわぁぁ!」

コナミLP1750→1000→250

「どうやらこのデュエルの終焉も近いようだな。これでターン終了だ」

 

ダークネスゆま

LP3300

手札 0

モンスター V・HERO トリニティー(攻)

      V・HERO アドレイション(攻)

      V・HERO ウィッチ・レイド(攻)

魔法・罠 なし

 

9ターン目:コナミ

 

「俺のターン……」

《V・HERO トリニティー》は今のゆまを象徴するカード…あのモンスターを倒せばゆまは戻るかもしれない。だが今の俺では相打ちが精一杯だ、

あそこまで深い闇を相打ちレベルでは解放できないかもしれない……

英雄のデッキよ、もう1度だけ俺に力を貸してくれ、大事な仲間を救うだけの力を!

「な、なんだ!」

「この光は…」

俺のデッキがあの時と同様赤く輝きだした。

「行くぞ、ドロー!」

来てくれたか!

「《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》を召喚」

 

救世竜 セイヴァー・ドラゴン

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

このカードをシンクロ素材とする場合、

「セイヴァー」と名のついたモンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。

 

「そして永続罠《エンジェル・リフト》を発動。墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚。

 レベル8の《スターダスト・ドラゴン》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル1の《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》をチューニング」

☆1+☆1+☆8=☆10

「集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光さす道となれ!シンクロ召喚!光来せよ、《セイヴァー・スター・ドラゴン》!」

 

セイヴァー・スター・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3800/守3000

「救世竜 セイヴァー・ドラゴン」+「スターダスト・ドラゴン」

+チューナー以外のモンスター1体

相手が魔法・罠・効果モンスターの効果を発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし、

相手フィールド上のカードを全て破壊する。

1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、

その効果をエンドフェイズ時まで無効にできる。

また、この効果で無効にしたモンスターに記された効果を、

このターンこのカードの効果として1度だけ発動できる。

エンドフェイズ時、このカードをエクストラデッキに戻し、

自分の墓地の「スターダスト・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。

 

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。俺が引いたのは魔法カード《精神操作》これを発動。《V・HERO ウィッチ・レイド》のコントロールを得る」

 

精神操作

通常魔法

相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスターのコントロールを得る。

この効果でコントロールを得たモンスターは攻撃宣言できず、リリースする事もできない。

 

「《セイヴァー・スター・ドラゴン》の効果発動。《V・HERO アドレイション》の効果を無効にし、その効果をこのカードの効果として使用できる」

「モンスターのみならず効果までも奪うだと!」

「《セイヴァー・スター・ドラゴン》の効果で《V・HERO ウィッチ・レイド》の攻撃力分《V・HERO トリニティー》を攻撃力を下げる」

《V・HERO トリニティー》 ATK2500→0

「馬鹿な、我の切り札が!」

「今、解放するよ!《セイヴァー・スター・ドラゴン》で《V・HERO トリニティー》を攻撃!」

「うわぁぁぁ!」

ダークネスゆまLP3300→0

 

Win コナミ

 

「コ…ナミさん……」

「ゆま!」

「私は……いったい……」

「…かえって来てくれたか」

「はうぅ!え、えっとコナミさん!」

思わずゆまを抱きしめてしまった。

「あ、ああごめん」

「いえ…その、大丈夫です。むしろちょっと嬉し…じゃなくてですね」

「えっと、とりあえず落ち着いて」

「は、はい。ひっ、ひっ、ふー」

「なぜラマーズ法?」

「はい、落ち着きました」

「そうか……ゆまはこうなる前の事をどこまで覚えているんだ?」

「私は……確かあのデュエルの最中に声が聞こえて、そしたら『今なら誰にも負ける気がしねぇ』ってアブナイ気持ちになってしまって、ふぅっと意識が…」

「そうか……」

「でも…私ずっと心の中で、助けを求めていた気がします、何も見えない真っ暗な闇の中でずっと……だから…本当にありがとうございます!」

「ああ……」

『いい雰囲気のところ悪いんだが、闇のデュエルの敗者はどうなるんだっけか?』

「なっ!?」

突然の声に振り向くとあの影がいた。

「貴様いつの間に」

『ずっといたぜ、見つからないようにしてたがな。それよりも、闇のデュエルの敗者は罰を受ける、忘れてないだろうな!』

奴がそう言うと部屋全体の闇がゆまに襲いかかってきた。

「きゃぁぁぁ!なんですか!」

「ゆま!」

何とかゆまの腕を掴むが、闇が俺にまで襲いかかってきた。

「だめ、ですコナミさん…このままじゃコナミさんまで」

「だからと言って離すわけにはいかないだろ!」

「でも……ごめんなさい!」

そう言ってゆまはもう片方の手でカードを引き、俺の腕に突き刺した。

「つっ!」

急な痛みに思わず手を放してしまった。

「きゃぁぁぁ!」

その直後一気に闇はゆまを飲み込んだ。

「ゆま……」

『あーあ、あいつはいい感じになじんでいたんだけどなぁ』

「貴様、ゆままでをも!」

『あいつを倒したのはおまえだろ、俺に何か言うのは逆恨みだぜ』

「お前がカードを撒いたりしなければことは起きなかった…お前とは言葉を交わしても埒が明かない、俺とデュエルしろ」

『ククク受けてやりたいところだが、俺の分身にダークネスゆま、立て続けに闇のデュエルをしたお前から得られるエネルギーなんざたかが知れてる』

確かに今の俺の状態では完全なデュエルはできないかもしれない…

『このままお前を処理するのもありだが、ダークネスゆまに勝ったほどのデュエりストとのデュエルなら、一気にエナジーも溜まるだろうしな』

「そんなのはお前の都合だろ」

『良いから今は見逃してやるからせいぜいおねんねしてな!』

そう言って奴は黒い渦となり攻撃してきた。

「がぁ!」

奴の言う通り連続の闇のデュエルで疲労の溜まっていた俺はそれをかわせず倒れてしまった。

 

 



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第二十五話 決戦へ向けて

sideコナミ

 

「ん……」

ここは…どうやら保健室のようだ。俺はいつの間に寝ていたのだろうか……

「「「コナミ(様)」」」

目覚めた俺を3人が心配そうに覗きこんでいた。

「あれ…どうしたみんなして」

「……よかった」

「コナミ様まで目を覚まさなければどうしようかと、わたくしめは…」

「全く…このわたくしを心配させるなんて!」

「えっと…とりあえずごめん」

一先ず俺は状況を把握するため、直前の記憶を辿ってみた。

「俺は確か、廃寮で気絶したはず。みんながここまで運んでくれたのか?」

「はい、雪乃様が目覚めたあと、コナミ様はここにいると仰られたので」

「まあ、正確にはわたくしたちを称える男子たちに運ばせましたが」

だろうな、女子3人に高校生3人を運ぶのは無理がある、特に紫は。

「でも本当によかったわ。もう3日の目を覚まさなかったから、もしかしたらコナミまでと……」

「俺3日も寝てたのか?」

「はい、少なくともわたくしめたちがコナミ様を見つけてから3日は寝ておられました」

「そうか……」

3日…その間あいつは沈黙してた…いや、俺との戦いの準備でもしてたのか…

「あなたの様態ならいずれ目は覚めると言ってましたが、他の2人があの状態な以上、心配せざる終えなかったのよ」

他の2人……

「ゆまとツァンは今どうしている?」

「それが、2人が意識不明の原因はまだわからないのよ」

「過去のデータによると、呪術的何かが原因とも言っていたけれど」

「そのようなものが原因とは受け入れがたく思っておりますが」

いや、その考え方は正しいだろう。闇に飲まれたものの末路なんて医学ではどうにもならないからな。

「あの廃寮には俺たち以外誰も居なかったのか?」

「ええ、私達が言ったときにはもうあなた達3人が倒れていただけよ」

…となると今あそこに行っても意味はない……あいつが何らかの行動をとるまで待つしかないのか…

「ツァンとゆまは今どこに?」

「隣の部屋よ。でもまだ動かない方が?」

「いや、もう大丈夫だ」

そう言いつつも俺の脚はまだ多少ふらつく。歩く分には問題ないが。

「わたくしめもご一緒します」

「いや、1人で大丈夫だから、ここで待っていてくれ」

俺は1人で隣に部屋に行った。隣に部屋ではツァンとゆまが眠っていた。

ふと横目に入ったゆまのデッキを見てみた。やはり普通の《E・HERO》のデッキに戻っていた。

今の2人がどんな状況か俺にはわからないが、おそらく闇の中で苦しい思いをしているだろう…

「俺はかならずあいつを倒す。だから2人とも、もう少しだけ待っていてくれ。

 

 

それから4日間、俺が寝てる期間も含め1週間、奴は何の行動も起こさず、俺たちは普通の学園生活を送っていた。

「コナミ様、あれから体調の方はどうでしょうか?」

「もうだいぶ良くなったよ」

「それは良かったわ。あれから闇のカードも見ていないし」

「向こうがあきらめたというのならそれでいいのだけれど」

アカデミアでも闇のカードに気づいたのは結局俺達だけ。この少人数で水面下に抑えられる方法など効率が悪いと考えたのだろう。

「だが、まだ終わってはいない」

闇のカードが出回らなくとも、奴がまだいる限りは終わりではない。

「そうね、ゆまとツァンの事もあるし」

「その闇そのものを倒さない限りは終わらせるわけにはいかないわね」

「皆で団結いたしまして、その闇の存在を倒しましょう!」

団結して、か……あの時の雪乃を見て皆をもう巻き込めないと思ったが、その結果ゆまはああなった。やはり1人で動くことが間違いなのか…

 

「もう日も暮れてきたし、今日はもう戻ろう」

「そうね、今日はもう帰りましょう」

「それじゃあ、気負つけて帰るのよ」

「では、また明日お会いしましょう」

そしてこの日も進展なく解散したのだった。

「……さて」

寮の近くまで戻ったところで、俺は黒いローブを纏ったやつとであった。

「随分と遅かったな。俺が起きたとき、いやむしろ寝ている間から動いてきてもいいと思ったんだが」

「赤イ帽子ノオトコ…倒ス」

この人間味の無い喋り方、本体とのリンクの切っている。

「今更こんなやつを俺に送りつけて何のつもりだ?まあ相手はしてやるけど」

俺も奴もデュエルディスクを構え、戦闘体制に入った。

 

「「デュエル」」

 

1ターン目:???

「ワタシノ先攻《記憶破壊者》ヲ召喚。カードヲ1枚伏セターン終了」

 

記憶破壊者

効果モンスター

星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600

このカードが相手プレイヤーへの直接攻撃に成功した場合、

相手の融合デッキの枚数×100ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

???

LP4000

手札 3

モンスター 記憶破壊者(攻)

魔法・罠 セット×2

 

2ターン目:コナミ

こいつ、俺が同じ手にかかると思っているのか?

「俺のターン、《アンノウン・シンクロン》を効果により特殊召喚」

 

アンノウン・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

「アンノウン・シンクロン」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

 

「魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動。手札の《ボルトヘッジ・ホッグ》を捨て、《チューニング・サポーター》を特殊召喚。さらにフィールドにチューナーがいることで墓地の《ボルトヘッジ・ホッグ》を特殊召喚」

 レベル2の《ボルトヘッジ・ホッグ》とレベル2として扱う《チューニング・サポーター》にレベル1の《アンノウン・シンクロン》をチューニング」

☆1+☆2+☆2=☆5

「大地の痛みを知る戦士よ、その健在を示せ、シンクロ召喚、傷だらけの戦士《スカー・ウォリアー》」

 

スカー・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星5/地属性/戦士族/攻2100/守1000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は表側表示で存在する他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。

また、このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

「《チューニング・サポーター》の効果でカードを1枚ドローする。《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚。

 レベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

☆3+☆1=☆4

「集いし心がさらなる響きを轟かす、光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ《アームズ・エイド》」

 

アームズ・エイド

シンクロ・効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1800/守1200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとしてモンスターに装備、

または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。

この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、

装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。

また、装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

「《チューニング・サポーター》の効果でカードを1枚ドローする」

あいつの伏せカードは1枚。仮に攻撃力上下の反射カードだとしても《スカー・ウォリアー》は1度の戦闘では破壊されない。装備効果は使わない方が得策か。

「バトル、《スカー・ウォリアー》で《記憶破壊者》を攻撃」

「罠カード《炸裂装甲》発動。攻撃モンスターヲ破壊スル」

 

炸裂装甲

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

その攻撃モンスター1体を破壊する。

 

破壊効果か、やはり装備しないで正解だった。

「《アームズ・エイド》で《記憶破壊者》を攻撃」

「ググガッ!」

???LP4000→3200

「カードを2枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP4000

手札 2

モンスター アームズ・エイド(攻)

魔法・罠 セット×2

 

3ターン目:???

「ワタシノターン、手札ヲ1枚捨テ魔法カード《スペシャルハリケーン》ヲ発動。貴様ノモンスターヲ破壊スル」

 

スペシャルハリケーン

通常魔法

自分の手札を1枚捨てる。

フィールド上に存在する、特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。

 

「永続罠《リビングデッドの呼び声》ヲ発動。《記憶破壊者》ヲ蘇生スル」

 

リビングデッドの呼び声

永続罠

自分の墓地のモンスター1体を選択し、表側攻撃表示で特殊召喚する。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

そのモンスターが破壊された時、このカードを破壊する。

 

「《記憶破壊者》ヲ生贄ニ、《記憶破壊王》ヲ召喚」

 

記憶破壊王

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻2000/守 0

このカードが直接攻撃によって相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、

相手の墓地に存在するシンクロモンスターを全てゲームから除外し、

その数×1000ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

「《記憶破壊王》デ直接攻撃」

「うわぁ」

コナミLP4000→2000

「《記憶破壊王》ノ効果発動。貴様ノ墓地ノシンクロモンスター2体ヲ除外シ、2000ノダメージヲ与エル」

「2000、俺の残りライフと同じか」

「コレデ終ワリダ」

「俺が1度デュエルをしたお前の対策をしていないと思ったか。罠カード《リフレクト・ネイチャー》発動。ダメージをお前に反射する」

 

リフレクト・ネイチャー

通常罠

このターン、相手が発動したライフポイントにダメージを与える効果は、

相手ライフにダメージを与える効果になる。

 

「ガガガガッ!」

???LP3200→1200

「…カードヲ1枚伏セターン終了ダ」

 

???

LP1200

手札 0

モンスター 記憶破壊王(攻)

魔法・罠 リビングデッドの呼び声

     セット×1

 

4ターン目:コナミ

「俺のターン」

本体とリンクすらしてない駒とのデュエルはそろそろ終わらせてもらうよ。

「俺のフィールにモンスターがいないことで《ジャンク・フォワード》を特殊召喚。そして《デブリ・ドラゴン》を召喚。効果で《チューニング・サポーター》を特殊召喚。

 レベル3の《ジャンク・フォワード》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル4の《デブリ・ドラゴン》をチューニング」

☆4+☆1+☆3=☆8

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ、シンクロ召喚、飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

このコンボもだいぶ定着してきたな。

「そして伏せていた《シンクロ・ストライク》を発動。《スターダスト・ドラゴン》の素材は3体。よって攻撃力を1500アップさせる」

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→4000

「バトル、《スターダスト・ドラゴン》で《記憶破壊王》を攻撃」

「永続罠ヲ発動。《拷問車輪》攻撃ヲ無効ニスル」

 

拷問車輪

永続罠

相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

このカードがフィールド上に存在する限り、

選択したモンスターは攻撃できず、表示形式の変更もできない。

選択したモンスターがフィールド上に存在する限り、

自分のスタンバイフェイズ毎に、相手ライフに500ポイントダメージを与える。

そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。

 

「その程度の対策はしているさ。速攻魔法《禁じられた聖槍》を発動。このターン、《スターダスト・ドラゴン》は他のカードの効果を受けない」

《スターダスト・ドラゴン》 ATK4000→3200

 

禁じられた聖槍

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は800ポイントダウンし、

このカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。

 

「ナニ!」

「よって攻撃は続行。《スターダスト・ドラゴン》で攻撃」

「グガガガッ!」

???LP1200→0

 

Winコナミ

 

「……今度は消えないのか?」

デュエルが終わっても、以前の様に奴の分身が消えることはなかった。

『いやー、ギリギリだったな。もう少し時間稼いでくれると思ったが、やはりこのレベルの分身じゃこれが限界か』

「お前…本体とリンクしたな」

『コイツがデュエルに負けたら俺とつながるようになってたんだよ。それまではこっちの準備をしたかったからな』

「準備…俺とのデュエルのか?」

『ああ、こっちの準備はOKだが、そっちが来るのはいつでもいいぜ』

「そんな時間はいらない。今すぐ言って決着をつけてやるよ」

『OK場所はわかってると思うけど、いつもの廃寮だよ。なぜかあそこが一番闇の瘴気が集まりやすいんだ』

「どこだってかまわないよ」

『じゃみんなで待ってるよ』

「みんな、だと?」

『ああ、君の大事な仲間たちと待っているよ』

そう言い残して奴は消えてしまった。

「…本当に嫌な奴だ」

俺は奴との決着をつけるため廃寮へと急いだ。

 



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第二十六話 最後の闇のデュエル‐前編

sideコナミ

 

「来てやったぞ」

奴の挑戦を受けてから廃寮まで俺は駆け付けた。

『やあ早かったね』

「3人はどこにいる?」

『すぐ後ろにいるじゃないか』

奴に言われ後ろを向くと、光の玉に閉じ込められた3人の姿があった。

「コナミ!」

「このような失態を、申し訳ありませぬ」

「わたくしとしたことが、不覚を取ったわ」

あの光の玉はこいつが作り出したものだとすると、適当な武器とかでは壊せないだろうな。

「お前の言ってた準備とは、3人をここに誘い込むことか?」

『いやいや、それだけだったらお前が寝ている間にやっとくって』

「じゃあなんだよ?」

『ククク、俺は“実態を持たない”とは言ったが、“実態を持てない”とは言ってないぜ』

「似たような意味じゃないか?」

『いやいや似て非なる意味さ。その意味を今教えてやるよ!』

そう言うと奴の体が徐々に変わって行った。そして……

「これはどういうことなの…」

「コナミ様がお2人に!」

「衣装が若干異なるけど」

そう、あいつの姿は俺に変わった。ただ服装こそ同じだが、色が緑で統一されている。

『俺は赤が嫌いだからな、熱血とか情熱とかそう言うイメージがあるからな。色は変えさせてもらった』

「何故俺の姿に?」

『決まってるだろ、俺は前々から貴様を評価してたんだぜ、だからお前になった。いわゆるドッペルゲンガーってやつにな』

「ドッペルゲンガー…だと?」

『そう、そして人はドッペルゲンガーと出会うと消滅するって言うがなぜだかわかるか?』

「さあな、考えたこともない」

『ドッペルゲンガーってのは本体より優秀なんだよ、だから本体と入れ替わり用済みの劣化品は処分される。これがドッペルゲンガーの原理さ』

「何から得た情報だ」

『は、今俺が方便で考えたに決まってるじゃねーか。にしても苦労したぜ、貴様になり替わるために貴様のデッキを研究し尽くして作り上げるのには』

「作り上げただと?」

『ああ、俺は闇からカードを作り出せる。最もそのカードは俺にしか使えねーがな。しかしおかげでこっちも1週間準備にかかっちまった』

「なるほど、それがお前の言っていた準備ってやつか」

『さて、俺は今から貴様になり替わるわけだが、貴様ら3人は俺を受け入れるか?受け入れるなら貴様ら3人はここで逃がしてやってもいいぜ』

「そんな悪寒が走るようなこと、冗談でも言わないで!」

「わたくしめのお慕いするコナミ様は今のコナミ様1人です!」

「いまさらわたくしの中のコナミを変えるなんて真っ平ですわ」

『そうか残念だ、じゃあこのデュエルには貴様ら4人の魂を掛けてもらうぜ』

結局巻き込む形になってしまったが…

「すまない、だがもうここまで来たら俺も引き下がれない。必ず勝つから少しだけそこで待っていてくれ」

「それは言わない約束でございます。今度はちゃんといたしてますからね」

「分かっていると思うけど、負けたら許さなくてよ!」

「コナミ…やっちゃいなさい!」

3人の言葉を聞き、俺はデッキをセットした。

「ん?」

ディスクを構えるとき、ポケットに1枚のカードが入っていることに気づいた。

そのカードは《ミラクル・フュージョン》だった。ゆまのデッキを見たときに落としたのだろうか。

「……よし」

この時の俺は何を思ったか、そのカードをデッキに入れた。俺のデッキに《E・HERO》など入っていないのに。

『何を手間取っている?それとも今になって怖気づいたか?』

「まさか。準備はいいぜ」

『そうかなら!』

 

「『デュエル』」

 

1ターン目:ドッペルゲンガーコナミ

『俺の先攻、《チューニング・サポーター》を守備表示で召喚。カードを2枚伏せてターン終了』

 

ドッペルゲンガーコナミ

LP4000

手札 3

モンスター チューニング・サポーター(守)

魔法・罠 セット×2

 

2ターン目:コナミ

 

《チューニング・サポーター》、言った通り俺と同じカードを…

「俺のターン、《調律》を発動。デッキの《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップのカードを墓地に送る」

墓地に落ちたのは《チューニング・サポーター》か。

「《レベル・ウォリアー》を効果によりレベル4とし特殊召喚。《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚」

奴もシンクロを使う以上、まずは先制する。

「レベル4の《レベル・ウォリアー》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

☆3+☆4+☆1=☆8

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ、シンクロ召喚、飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

『おーおー、さっそくお出ましか』

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。さらに墓地の魔法カード《調律》を除外し、《マジック・ストライカー》を特殊召喚」

 

マジック・ストライカー

効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻 600/守 200

このカードは自分の墓地に存在する魔法カード1枚を

ゲームから除外し、手札から特殊召喚する事ができる。

このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。

このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

 

「バトル、《マジック・ストライカー》でお前の《チューニング・サポーター》を攻撃。そして《スターダスト・ドラゴン》で直接攻撃」

『リバースカード発動《ガード・ブロック》ダメージを0にしカードを1枚ドロー』

「装備魔法《白銀の翼》を《スターダスト・ドラゴン》に装備。カードを2枚伏せてターン終了だ」

 

白銀の翼

装備魔法

レベル8以上のドラゴン族シンクロモンスターにのみ装備可能。

装備モンスターは1ターンに2度まで、戦闘では破壊されない。

装備モンスターがカードの効果によって破壊される場合、

代わりにこのカードを破壊する事ができる。

 

コナミ

LP4000

手札 1

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

      マジック・ストライカー(攻)

魔法・罠 白銀の翼(スターダスト・ドラゴン)

     セット×2

 

3ターン目:ドッペルゲンガーコナミ

 

『俺のターン、それじゃ俺も《調律》を発動。デッキの《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップのカードを墓地に送る。

 《レベル・ウォリアー》を効果によりレベル4とし特殊召喚。《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚』

俺と全く同じ方法で合計レベルを8にしたか。本当に嫌な奴だ。

『おっと、俺はさらに《ジャンク》モンスターがフィールドにいるんで《ジャンク・サーバント》を特殊召喚するぜ』

さらにモンスターを、追撃要因か?

『行くぜレベル4の《レベル・ウォリアー》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング』

☆3+☆4+☆1=☆8

『シンクロ召喚、飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》』

「貴様のフィールドにも……」

『《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。良いカードが来たぜ。俺は永続魔法《生還の宝札》を発動する』

 

生還の宝札

永続魔法(制限カード)

自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功した時、

自分のデッキからカードを1枚ドローする事ができる。

 

「なっ!」

あの野郎なんてカードを使いやがる、俺のデッキにそのカードは、《強欲な壺》がかわいく見えるドローソースになりかねないというのに。

『ククク、そんじゃここから、俺が貴様より優れているところを見せてやるぜ!』

「そうか、どんなものを見せてくれるんだ?」

『俺は《調律》の効果で墓地へ行った《レベル・スティーラー》の効果発動。《スターダスト・ドラゴン》のレベルを1つ下げ特殊召喚。墓地のモンスターを特殊召喚したんでカードを1枚ドロー』

《レベル・スティーラー》が落ちてたか。これで《生還の宝札》がよりチートな効果に。

『さらに俺のフィールドにレベル8のシンクロモンスターがいることで《クリエイト・リゾネーター》を特殊召喚する』

 

クリエイト・リゾネーター

チューナー(効果モンスター)

星3/風属性/悪魔族/攻 800/守 600

自分フィールド上にレベル8以上のシンクロモンスターが表側表示で存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

「2体目のチューナーモンスター…」

「合計のレベルはまた8でございます」

「合計レベルは8…まさか!」

『そっちも3人も気づいたようだな、ではご披露しよう!レベル4の《ジャンク・サーバント》とレベル1の《レベル・スティーラー》にレベル3の《クリエイト・リゾネーター》をチューニング』

☆3+☆4+☆1=☆8

『シンクロ召喚、飛翔せよ、2体目の《スターダスト・ドラゴン》!』

「2体目、だと…」

『ククク、まだ終わらねーぜ!手札の《ミラー・リゾネーター》の効果発動。相手の場にシンクロモンスターがいるとき、そいつと同レベルとして特殊召喚できる』

 

ミラー・リゾネーター(未OCGカード)

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/悪魔族/攻 0/守 0

相手フィールド上にシンクロモンスターが表側表示で存在する場合、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

この方法で特殊召喚に成功した時、相手フィールド上に表側表示で存在する

シンクロモンスター1体を選択して発動する事ができる。

このカードのレベルは選択したモンスターのレベルと同じになる。

 

『そしてレベル8の《ミラー・リゾネーター》のレベルを1つ下げ《レベル・スティーラー》を特殊召喚』

「またレベル8にモンスターが揃ったわ!」

「まさか、もう1体召喚する気なの!」

「そんな事が……」

『行くぜレベル1の《レベル・スティーラー》にレベル7の《ミラー・リゾネーター》をチューニング』

☆7+☆1=☆8

『さあ!大いなる風に導かれた翼を見よ!シンクロ召喚!響け、3体目の《スターダスト・ドラゴン》!』

「そんな、《スターダスト・ドラゴン》が1度に3体も……」

「これではさすがのコナミも!」

「コナミ……」

『さて、確か《白銀の翼》の効果で貴様の《スターダスト・ドラゴン》は2度は破壊されなかったはず』

やはり知っていたか。まあ俺のデッキを持っているぐらいだからな。

『だが関係ないな。永続罠《アクアの合唱》発動!これで俺の《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力は500アップするぜ』

 

アクアの合唱

永続罠

フィールド上に表側表示で存在する全ての同名モンスターの

攻撃力・守備力は500ポイントアップする。

 

《スターダスト・ドラゴン》×3 ATK2500→3000

『バトルだ!《スターダスト・ドラゴン》で《スターダスト・ドラゴン》を攻撃!』

「うわぁ」

コナミLP4000→3500

明言はしていなかったが、当然闇のデュエルだよな。ダメージが現実のものだ…

「「「きゃぁぁぁぁ!」」」

「なっ?」

だがダメージを受けたのは俺だけではなかった。

『そうそう、お前たちはいつだって団結しているのに、お前だけダメージを受けるのはおかしいじゃないか。そんな俺からのちょっとした気遣い、気に入ってくれたか?』

「貴様……」

『おっと、まだ《スターダスト・ドラゴン》は2体残ってるぜ。《スターダスト・ドラゴン》で攻撃』

「うぁ」

「「「あぁっ!」」」

コナミLP3500→3000

『もう1体、《スターダスト・ドラゴン》で攻撃!』

「うわぁぁ」

「「「きゃぁぁぁ!」」」」

コナミLP3000→2500

『ククク、いい反応だ』

「くっ、シンクロモンスターが破壊されたことで、俺は罠カード《パラレル・セレクト》を発動する。除外された《調律》を手札に戻す」

 

パラレル・セレクト

通常罠

自分フィールド上に存在するシンクロモンスターが

相手によって破壊され墓地へ送られた時、

ゲームから除外されている自分の魔法カード1枚を選択して発動する。

選択した魔法カードを手札に加える。

 

『俺はカードを2枚伏せてターン終了だ』

 

ドッペルゲンガーコナミ

LP4000

手札 0

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)×3

魔法・罠 生還の宝札

     アクアの合唱

     セット×2

 

4ターン目:コナミ

 

「俺のターン、《調律》を発動。《ニトロ・シンクロン》を手札に加えデッキトップのカードを墓地に送る」

墓地に落ちたのは《ADチェンジャー》か、このタイミングでベストなカードだ。

「《ニトロ・シンクロン》を召喚。永続罠《リミット・リバース》を発動。墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚。

 レベル3の《マジック・ストライカー》と効果でレベル2とする《チューニング・サポーター》にレベル2の《ニトロ・シンクロン》をチューニング』

☆2+☆3+☆2=☆7

「集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ、シンクロ召喚、燃え上がれ、《ニトロ・ウォリアー》」

『めげずにシンクロ召喚か。だが俺の《スターダスト・ドラゴン》達にはおよばねーな』

「魔法カード《マジック・プランター》を発動。永続罠《リミット・リバース》を墓地に送り、2枚ドロー」

 

マジック・プランター

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

「そして魔法カード《アサルト・アーマー》を《ニトロ・ウォリアー》に装備。攻撃力を300上げる」

 

アサルト・アーマー

装備魔法

自分フィールド上に存在するモンスターが

戦士族モンスター1体のみの場合、そのモンスターに装備する事ができる。

装備モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。

装備されているこのカードを墓地へ送る事で、このターン装備モンスターは

1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。

 

《ニトロ・ウォリアー》 ATK2800→3100

『ちぃ、上回りやがったか』

「さらに《ADチェンジャー》の効果発動。こいつを除外し、《スターダスト・ドラゴン》1体を守備表示にする」

 

ADチェンジャー

効果モンスター

星1/光属性/戦士族/攻 100/守 100

自分のメインフェイズ時に、

墓地のこのカードをゲームから除外し、フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの表示形式を変更する。

 

「バトル、《ニトロ・ウォリアー》で《スターダスト・ドラゴン》を攻撃。俺はこのターン《ニトロ・ウォリアー》召喚後に魔法カードを発動している。よって効果により攻撃力は1000アップする」

《ニトロ・ウォリアー》 ATK3100→4100

『ぐぅ、そういやあったなそんな効果』

 ドッペルゲンガーコナミLP4000→2900

《ニトロ・ウォリアー》 ATK4100→3100

「さらに《ニトロ・ウォリアー》のもう1つの効果により、守備表示の《スターダスト・ドラゴン》を攻撃表示にし、もう1度攻撃する」

『ああそんな効果もあったけな。だが罠カード《デストラクト・ポーション》を発動。攻撃対象となった《スターダスト・ドラゴン》を破壊し、その攻撃力分ライフを回復する』

 

デストラクト・ポーション

通常罠

自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターを破壊し、破壊したモンスターの

攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する。

 

 ドッペルゲンガーコナミLP2900→5900

「くっ、追撃対象を失った《ニトロ・ウォリアー》の攻撃は止まったわ」

「攻撃に失敗した上、ライフまだ回復されてしまわれました…このままでは」

「でもこれで《スターダスト・ドラゴン》は1体になって、攻撃力も元に戻ったわね」

《スターダスト・ドラゴン》 ATK3000→2500

「俺は速攻魔法《グリード・グラード》を発動。カードを2枚ドローする」

 

グリード・グラード

速攻魔法

自分が相手フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスターを

戦闘またはカードの効果によって破壊したターンに発動する事ができる。

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

 

「カードを3枚伏せターン終了だ」

『ククク、《スターダスト・ドラゴン》を全て破壊できないとは、やはり貴様は俺の劣化だ』

「何?」

『貴様のエンドフェイズに罠カード《スターダスト・ミラージュ》を発動。《スターダスト・ドラゴン》がいるとき、このターン破壊されたすべてのモンスターを特殊召喚する!』

 

スターダスト・ミラージュ(未OCGカード)

通常罠

自分フィールド上に「スターダスト・ドラゴン」が

表側表示で存在する場合に発動する事ができる。

このターンに破壊され墓地に送られた自分のモンスターを可能な限り特殊召喚する。

 

『この効果により2体の《スターダスト・ドラゴン》を特殊召喚。さらに墓地から特殊召喚したことで《生還の宝札》の効果でドロー』

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→3000

「そんなせっかく倒した《スターダスト・ドラゴン》が!」

「しかも攻撃力もまた上昇したわね」

「このままではコナミ様の不利なまま相手のターンになってしまいます」

全く、闇のデュエルはいつも仲間に心配かける。本当に不快だよ。だからこそ、お前を倒して、これを最後の闇のデュエルにする!



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第二十七話 最後の闇のデュエル‐後編

コナミ

LP2500

手札 2

モンスター ニトロ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×3

 

5ターン目:ドッペルゲンガーコナミ

 

『俺のターン、魔法カード《精神同調波》を発動。《ニトロ・ウォリアー》を破壊する』

 

精神同調波

通常魔法

自分フィールド上にシンクロモンスターが

表側表示で存在する場合のみ発動する事ができる。

相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。

 

『貴様も《スターダスト・ドラゴン》がいればこんなくだらないカードで破壊されることはなかっただろうに。これで終わりだ《スターダスト・ドラゴン》でダイレクトアタック!』

「カウンター罠《攻撃の無力化》を発動。攻撃を無効にしバトルを終了させる」

『ちぃ、《スターダスト・ドラゴン》のレベルを1つ下げ《レベル・スティーラー》を特殊召喚。《生還の宝札》の効果で1枚ドロー。《レベル・スティーラー》を生贄に《ジャンク・コレクター》を守備表示召喚」

 

ジャンク・コレクター

効果モンスター

星5/光属性/戦士族/攻1000/守2200

フィールド上に表側表示で存在するこのカードと

自分の墓地に存在する通常罠カード1枚をゲームから除外して発動する。

このカードの効果は、この効果を発動するために

ゲームから除外した通常罠カードの効果と同じになる。

この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

 

『カードを1枚伏せてターンエンドだ』

 

ドッペルゲンガーコナミ

LP5900

手札 0

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)×3

      ジャンク・コレクター(守)

魔法・罠 生還の宝札

     アクアの合掌

     セット×1

 

6ターン目:コナミ

 

「俺のターン、罠カード《活路への希望》発動。ライフを1000払い、俺とお前のライフ差2000につき、カードを1枚ドローする」

 

活路への希望

通常罠

自分のライフポイントが相手より1000ポイント以上少ない場合、

1000ライフポイントを払って発動する事ができる。

お互いのライフポイントの差2000ポイントにつき、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

コナミLP2500→1500

「俺達のライフ差は4400、よって2枚ドロー。そして魔法カード《貪欲な壺》を発動。《ニトロ・シンクロン》《チューニング・サポーター》《ジャンク・シンクロン》《ベル・ウォリアー》《マジック・ストライカー》をデッキに戻し2枚ドロー」

 

貪欲な壺

通常魔法

自分の墓地のモンスター5体を選択して発動できる。

選択したモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。

その後、デッキからカードを2枚ドローする。

 

「罠カード《ロスト・スター・ディセント》を発動。《ニトロ・ウォリアー》を守備表示で特殊召喚」

 

ロスト・スター・ディセント

通常罠

自分の墓地に存在するシンクロモンスター1体を選択し、

自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、

レベルは1つ下がり守備力は0になる。

また、表示形式を変更する事はできない。

 

「そして《ニトロ・ウォリアー》を生贄に《ターレット・ウォリアー》を特殊召喚。《ターレット・ウォリアー》は効果により攻撃力が2800アップする」

《ターレット・ウォリアー》

「さらに魔法カード《アームズ・ホール》を発動。デッキトップのカードを墓地に送り、墓地の《アサルト・アーマー》を手札に戻す」

 

アームズ・ホール

通常魔法

自分のデッキの一番上のカード1枚を墓地へ送って発動する。

自分のデッキ・墓地から装備魔法カード1枚を手札に加える。

このカードを発動するターン、自分は通常召喚する事はできない。

 

墓地に落ちたのは、さっきデッキに戻した《チューニング・サポーター》だった。

「そして《アサルト・アーマー》を《ターレット・ウォリアー》に装備。《アサルト・アーマー》のもう1つの効果発動。このカードを墓地に送り、装備モンスターはこのターン、2回の攻撃が可能となる」

『ほう、攻撃力4000の2回攻撃か』

「《ターレット・ウォリアー》で《スターダスト・ドラゴン》2体を攻撃」

『ぐっ!』

ドッペルゲンガーコナミLP5900→3900

「カードを1枚伏せターン終了だ」

『ククク、また1体残したな。《ジャンク・コレクター》の効果発動。このカードと墓地の《スターダスト・ミラージュ》を除外し《スターダスト・ミラージュ》の効果を発動する!蘇れ、2体の《スターダスト・ドラゴン》!そして《生還の宝札》の効果でドロー』

「また復活したか……」

 

コナミ

LP1500

手札 4

モンスター ターレット・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

『俺のターン、またいいカードを引けたぜ。速攻魔法《イージー・チューニング》を発動。《ジャンク・シンクロン》を除外し《スターダスト・ドラゴン》1体の攻撃力を1300アップさせる!』

 

イージー・チューニング

速攻魔法

自分の墓地のチューナー1体をゲームから除外し、

自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択した自分のモンスターの攻撃力は、

このカードを発動するために除外したチューナーの攻撃力分アップする。

 

『バトルだ!攻撃力の上がった《スターダスト・ドラゴン》で《ターレット・ウォリアー》を攻撃』

「うわぁ」

コナミLP1500→1200

「「「きゃぁぁぁ!」」」

「雪乃、幸子、紫……」

『おいおい、人の心配とはずいぶん余裕だな、これで終わりだというのによ!《スターダスト・ドラゴン》でダイレクトアタック!』

「罠カード《トゥルース・リインフォース》を発動。デッキの《マシップ・ウォリアー》を特殊召喚する」

 

トゥルース・リインフォース

通常罠

デッキからレベル2以下の戦士族モンスター1体を特殊召喚する。

このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

 

「《マシップ・ウォリアー》は1ターンに1度戦闘では破壊されない」

『ちぃ、《スターダスト・ドラゴン》2体で攻撃。カードを1枚伏せターンエンドだ』

 

ドッペルゲンガーコナミ

LP2500

手札 0

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)×3

魔法・罠 生還の宝札

     アクアの合掌

     セット×1

 

「俺のターン、《スターダスト・ファントム》を守備表示で召喚」

 

スターダスト・ファントム

効果モンスター

星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0

自分フィールド上に存在するこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地に存在する「スターダスト・ドラゴン」1体を選択して

表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

また、墓地に存在するこのカードをゲームから除外し、

自分フィールド上に表側表示で存在する

ドラゴン族のシンクロモンスター1体を選択して発動する事ができる。

選択したモンスターは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されず、

この効果を適用したダメージステップ終了時に攻撃力・守備力は800ポイントダウンする。

 

「カードを3枚伏せ、ターン終了だ」

 

コナミ

LP1200

手札 1

モンスター スターダスト・ファントム(守)

魔法・罠 セット×3

 

『俺のターン、そんな守備モンスターなどさっさと倒してダイレクトアタックを決めてもいいが、せっかくだからこのカードを使ってやろう。罠カード《メテオ・レイン》俺のモンスターに貫通効果を与える』

 

メテオ・レイン

通常罠

このターン自分のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時に

その守備力を攻撃力が越えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。

 

『終わりだ!攻撃力の上がった《スターダスト・ドラゴン》で《スターダスト・ファントム》を攻撃!』

「罠カード発動《ガードブロック》ダメージを0にし、カードを1枚ドローする」

『ちぃ、だがこれで貴様のフィールドはがら空きだ!』

「いいや、《スターダスト・ファントム》の効果発動。このカードが破壊されたとき、墓地の《スターダスト・ドラゴン》1体を守備表示で特殊召喚できる。蘇れ《スターダスト・ドラゴン》」

『それがどうした、俺のモンスターは全て貫通効果を持っている。さらに言えば残りの攻撃は2体。どちらにしろ破壊され終わりだ!《スターダスト・ドラゴン》で《スターダスト・ドラゴン》を攻撃!』

「罠カード発動《ハーフ・アンブレイク》《スターダスト・ドラゴン》の戦闘破壊を無効にし、ダメージを半分にする」

 

ハーフ・アンブレイク

通常罠

フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、

そのモンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは半分になる。

 

コナミLP1200→700

「うぁっ!」

「「「あぁっ!」」」

『だがそれでもダメージは通る!もう1体の《スターダスト・ドラゴン》で攻撃!』

コナミLP700→200

「うあっ!」

「「「きゃぁぁぁ!」」」

『いよいよ終幕が見えてきたぜ。カードを1枚伏せターン終了だ』

 

ドッペルゲンガーコナミ

LP3900

手札 0

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)×3

魔法・罠 生還の宝札

     アクアの合掌

     セット×1

 

「俺のターン」

このターンで何とかしないとさすがにやばいな、俺だけでなくあいつらのためにも…

「コナミ様、どうかお勝ちを!」

「勝つことが出来なかったらわかってるわね!」

「コナミ、勝ってよ!」

当然だ、仲間に頼まれたんだ、このデュエル……絶対に勝つ!

「!この光は」

俺の想いに答えたのか、デッキが赤く光りだした。

「行くぜ、カードドロー!俺は《救世竜セイヴァー・ドラゴン》を召喚する」

 

救世竜 セイヴァー・ドラゴン

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

このカードをシンクロ素材とする場合、

「セイヴァー」と名のついたモンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。

 

「そして永続罠《エンジェル・リフト》を発動。墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚。

 レベル8の《スターダスト・ドラゴン》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル1の《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》をチューニング」

☆1+☆1+☆8=☆10

「集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光さす道となれ!シンクロ召喚!光来せよ、《セイヴァー・スター・ドラゴン》!」

 

セイヴァー・スター・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3800/守3000

「救世竜 セイヴァー・ドラゴン」+「スターダスト・ドラゴン」

+チューナー以外のモンスター1体

相手が魔法・罠・効果モンスターの効果を発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし、

相手フィールド上のカードを全て破壊する。

1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、

その効果をエンドフェイズ時まで無効にできる。

また、この効果で無効にしたモンスターに記された効果を、

このターンこのカードの効果として1度だけ発動できる。

エンドフェイズ時、このカードをエクストラデッキに戻し、

自分の墓地の「スターダスト・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。

 

『《セイヴァー・スター・ドラゴン》俺を1度敗北を与えたモンスター。だがこの状況ではそいつの効果も俺の《スターダスト・ドラゴン》が無効にする!いくらそいつでも俺にはかてねーぜ!』

あいつの言う通り今の状況では《セイヴァー・スター・ドラゴン》だけではどうにもならない、手札にもこの状況を覆せるカードはない…だが!

「俺は《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー!」

頼む、もう1度答えてくれ俺のデッキ!

「……このカードは…」

そうか、俺と共に戦ってくれるのか。ありがとう……ゆま。

「魔法カード《ミラクルシンクロフュージョン》を発動!墓地のシンクロモンスターで融合召喚を行う!」

 

ミラクルシンクロフュージョン

通常魔法

自分のフィールド上・墓地から、

融合モンスターカードによって決められた

融合素材モンスターをゲームから除外し、

シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を

融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

また、セットされたこのカードが

相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、

自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

『シンクロモンスターの融合だと!そんなカード貴様のデッキにはなかったぞ!』

「当然だ、このカードはここに来る前にゆまから受け継いだカード。お前が知るわけがない!俺は墓地の《スターダスト・ドラゴン》と《ニトロ・ウォリアー》を除外し、《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》を融合召喚!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス

融合・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3200/守2000

ドラゴン族シンクロモンスター+戦士族モンスター

このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。

1ターンに1度、墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体をゲームから除外し、

エンドフェイズ時までそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る事ができる。

また、このカードがフィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、

相手のカードの効果によって発生する自分への効果ダメージは代わりに相手が受ける。

 

「さらに魔法カード《シンクロ・ギフト》を発動。《セイヴァー・スター・ドラゴン》の攻撃力を《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》に与える」

 

シンクロ・ギフト

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスター1体と

シンクロモンスター以外のモンスター1体を選択して発動する。

このターンのエンドフェイズ時まで、選択したシンクロモンスターの攻撃力を0にし、

その元々の攻撃力分もう1体のモンスターの攻撃力はアップする。

 

《セイヴァー・スター・ドラゴン》 ATK3800→0

《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》 ATK3200→7000

「攻撃力が7000にまで!」

「この攻撃が通ればコナミ様の勝でございます!」

「お願い…通って!」

「行くぞ《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》で《スターダスト・ドラゴン》1体を攻撃!」

『残念だったな!速攻魔法《蜃気楼の筒》を発動!貴様に1000ポイントのダメージを与える!』

 

蜃気楼の筒

速攻魔法

このカードは手札から発動する事はできない。

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが

攻撃対象に選択された時に発動する事ができる。

相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

 

『貴様のライフは200、その攻撃が俺に届く前に貴様は敗北するんだよ!』

「残念なのはお前の方だ」

『何!』

「《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》の効果により、俺への効果ダメージの対象は、お前に代わる」

『なんだと!そのモンスターにそんな効果が!』

「1000ポイントのダメージをお前が受けろ」

『ぬぁぁぁ!』

ドッペルゲンガーコナミLP3900→2900

「そして《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》の攻撃を受けよ!」

『うわぁぁぁぁぁ!!』

ドッペルゲンガーコナミLP2900→0

 

Win コナミ

 

「や、やりました!コナミ様の勝利です!」

「ふま、まあ当然の結果ね。わたくしたちが見守っていたのですから」

「お前の負けだ、偽物の俺。俺はお前の劣化品などではなかったようだな」

『くっ、このデュエルで闇のエネルギーが散っちまった!これでは主様をここに呼ぶことができない!』

「主だと?」

『そうだ、ただの闇だった俺に“意思”を与えてくれた主様だ!あの人はあるデュエリスト達に敗れ再起不能な状態になってしまった。だから集まればいかなる力にも変換できる闇のエネルギーを俺に集めさせたんだ!』

「…そういうことだったか」

『く、力の“ほとんど”を失っちまった、これでは俺の体も維持できないな。だが俺はもともと闇の存在!闇に揉みこまれたぐらいで消えると…思う…な…よ……うわぁぁぁぁ!』

そして最後に断末魔のような叫び声をあげ、奴は主を復活させることなく消滅した。

「「「きゃぁ!」」」

奴がきえ光の玉が消滅し、3人は地面に落ちた。

「みんな、大丈夫だったか?」

「ええ、でも今のはいったい?」

「それにあの偽物のあなたはいったいどこへ?」

「まるで消えてしまったように見えましたが?」

「その見解であってるよ。それより早くここから出よう、あいつが消えた今、ゆま達も時期に目を覚ますだろうし」

 

 

sideゆま

 

「ん……」

えっと…私はいったい…

「ああ、目が覚めた?」

声を聴いて振り返ると、リンゴを剥いているコナミさんがいました。

「…もしかして、私が起きるのを待っていてくれたのですか?」

「まあそうかな。あと寝ている女の子の横でリンゴを剥いて起きるのを待ってるというシチュエーションにちょっとした憧れがあったんでね」

「ん……」

コナミさんと話していると、隣のベットからも誰かが起きるような声がしてきました。

「ツァンも目が覚めたか」

「え?ツァンさんも寝ていたのですか?」

私は隣のベッドを遮るカーテンを開けました。

「…ん…ここは?」

「保健室のベッドだよ」

「保健室…!ゆま!」

「は、はい!」

「……よかった、正気に戻ったんだね」

「ふぇ?は、はい」

「…コナミ、もしかしてゆまはあの時の事は」

「ああ、覚えていないよ」

「え?」

コナミさんとツァンさんが何か小声で話しました。

「えっと、いったい何を」

「てい」

「はむぅ!」

私の言葉は、コナミさんに切ったリンゴを押し込まれて遮られました。

「もう終わったことだから、気にしなくていいよ。まあそれでも話さなくちゃいけない時が来たら、その時は話すよ」

どうやら私の知らない秘密があるようでしたが。

「わかりました、コナミさんを信じます」

「そうか、ありがとう。そうだ、このカードちょっと借りてたよ」

そう言ってコナミさんが私に渡したのは《ミラクル・フュージョン》でした。

「えっと、借りていたのはいいんですが、コナミさんのデッキで役に立ちましたか?」

「ああ、このカードがなければあいつには勝てなかったよ」

「そうですか、コナミさんの役に立てたのならよかったです!」

「……ねえ、今言ったあいつって言うのはその、ゆまを…」

「そう、そいつの事だよ」

「で、そいつに勝ったってことはもう」

「ああ、この闇のカードに関する事件は終わりだよ」

えっと、真相は良くわかりませんが、解決したのならよかったです。

「本当に終わったのかしら」

「「え?」」

「……」

しかし扉が開き入ってきた雪乃さんにその事件に疑問が撃たれました。

 

 

sideコナミ

 

「…雪乃、それにみんなも」

事件の解決に疑問を投げかけながら雪乃、幸子、紫の3人が入ってきた。

「終わってないと思うのか?」

「ええ、あの偽物のあなたが言っていた、主様と言うのがまだいるんじゃ?」

「その主とやらを倒さない限り事件は解決したとは言えないんじゃなくて?」

…やっぱりそこに引っかかってたか。

「え?偽物のコナミさん?」

「えっと、あの変な声をかけてきたやつのことでいいの?」

「ああ、あいつは最終的に俺の姿とデッキを真似してデュエルしてきたんだよ」

「それでコナミ様、その主様という方は?」

「…あいつは自分の手がなければ主は動けないと言っていた。そして主を動かす前にあいつは消えた。だからその主も動けない以上倒す必要はないよ」

「ねえ、あなたはその主が誰か知っているの?」

「……さあ?」

「そう…まあいいわ、コナミが解決したというのなら、間違いないでしょうし」

「そうですね、コナミ様の言うことでしたら」

「曲がりなりにも一番解決を目指していたコナミが言うのですしね」

“この”事件は解決した。俺は間違ったことは言っていない。だがあいつは最後に言っていた。俺はこの程度では消滅しないと。

それが本当ならいずれこのような事件がまた起きるかもしれない。だがその時はまたこいつらと……

「それよりリンゴ食べてくれよ、せっかく剥いたのに変色するだろ」

 



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第二十八話 学園祭デュエル!アイドル参入

sideコナミ

 

俺の姿をした闇を倒してからも1週間はたった。奴の力がなくなったというのはどうやら本当のようだな。

ツァンとゆまの容態も、もう以前と変わらない状態に戻っていた。一応学園側にもこの事件は漏れていないようだ、一時気デュエルで疲労する生徒が増えたという程度の認識のようだ。

こうして今現在は平和に過ごしているわけだが……今日は朝からやけに騒がしい、まだ6時を過ぎたばかりだというのに。壁の薄いレッド寮では十分に眠れない。

「あそこに行くか……」

俺が向かった場所は、アカデミア本館の屋根の上だ。意外と人に知られていない穴場だからここなら邪魔されずに睡眠できるだろう。そう思って横になった時だった。

「あれ?この場所を先客がいるなんて珍しいね」

すぐに誰かが来た。今の言い方から向こうもここが穴場と言う認識のようだが。

「今日はしたが騒がしかったんでな」

適当なことを言いながら起き上り相手の顔を見た。相手はブルーの制服を着た女子生徒のようだが……なんだあの髪型は?完全に物理法則を無視していないか?

「そりゃ今日はにぎやかだよ、なんたって今日は学園祭だから!」

そっか、今日だったか。ついこの間まであの事件の事ばかり考えていたからな。祭りごとまで気は回らなかったよ。

「だからアタシも久しぶりに帰ってきたんだ」

「帰ってきた?留学でもしてたのか?」

「うーん、海外にはまだいってないから、留学ではないかな」

「そっか」

よくわからねーな。

「ところでキミ…アタシのこと知ってるかな?」

「……いや悪い、わからないや。もしかしてどこかで会ったことあったか?」

「いや多分ないよ。まあ駆け出しの身だし、知らなくっても無理ないよね」

「駆け出し?」

「ううん、気にしないで」

取り繕うようにそう言うと、今度は無言で俺を凝視し始めた。

「レッドの制服に赤い帽子……」

「俺をそんなに凝視してどうした?何かおかしなところでもあったか?」

「いや、なんでもないよ。そろそろ準備があるからアタシはもう行くね」

そう言って少女は行ってしまった。あの髪のシステムについて聞きたかったのだが…

「まあ、人のことは言えないか」

なんだか目のさえてしまった俺は、帽子をいじりながら下へ降りて行った。

 

「コナミさんこんなに早くからどこへ行っていたんですか?」

「コナミがこんなに早くから起きているなんて珍しいわね」

「全く、こんな甘い部屋でわたくしを待たせるとは、偉くなったものね」

俺の部屋に戻るといつもの雪乃等5人が勝手に上り込んでいた。全くそろそろレッド寮にも施錠のシステムをつけてほしいものだ。だがそれよりも…

「起こされたんだよこの騒音に」

「やっぱりね、さっきからずっと外の音が直に聞こえてるもんね、この部屋」

「さすがにこの部屋では眠れませんよね」

いや、もう俺の睡眠なんてどうでもいいよ。

「なんだ、お前たちのその格好は?」

「何って、コスプレデュエルの格好だけど」

「コスプレデュエル?」

「レッド寮でのイベントですよ。コナミさん知らなかったのですか?」

「レッド寮でしかもデュエルに関することなのに知らなかったとはね」

「しかたありませぬ、ここ最近のコナミ様は大変お忙しかったのですから」

「ねえそれよりも、どうかしら私たちの格好は?」

「えー、ああそうだな」

雪乃のは《破滅の女神ルイン》か。

「まあ《デミス》使いの雪乃らしいし…キャラ的にも合いすぎだな」

「そう、褒め言葉として受け取っておくわ」

「コナミさん!私はどうでしょうか!」

ゆまは《サイレント・マジシャン》か。《E・HERO》使いとして《レディ・オブ・ファイア》か《ブルーメ》あたりで来ると思ったが、

「これはこれで結構似合ってるな」

「え?似合ってますか!ならよかったです!」

「コナミ、わたくしにも何か言うことはなくて?」

幸子のは、《海神の巫女》でいいのか?さすがにカードのイラストよりは脚部の露出が抑えてるな。あとある一点のロマンが少し足りない気がするが、それでも魅力は十分に出ている。

「まあ、似合ってるかな」

「なんだか微妙な反応ですわね、でもまあ似合ってると思うならいいわ」

「次はわたくしめです、どうでしょうかコナミ様」

次はって、俺はアイドルのオーディションでもしてたのか?紫のは…《心変わり》のイラストの天使か、羽がだいぶイラストより小さいが、それはそれで紫らしいかわいらしさがある。しかしお人形のような紫が洋風な格好とは。

「意表を突かれた感もあるし、いい感じだよ」

「ほんとですか、お褒めに預かり光栄です」

「……」

「いや、なんか言ってくれないと俺も反応できないぞ」

「ま、まあ一応流れ的に聞くべきだと思うから聞くけど、どうかな……」

ツァンのは《久遠の魔術師ミラ》か。コスプレ系の準王道カードの1つでもあるが、それをうまく着こなすとは、

「ツァン、やるじゃないか」

「なんでそんな上から目線なの!でもまあ、ありがと」

とりあえず一通りの評価は終わったしみんなも満足してくれたかね。

「じゃあ次はコナミの番ね」

「は?」

「は?じゃないわよ、あなたもコスプレするのよ」

「まあ、キミのコスプレが見たいわけじゃないけど、僕達のを堪能して、自分だけ何もなしっていうのは不公平だからね」

「コナミさんはいったい何を着るんですかね」

「コナミ様ならどのような格好もお似合いだと思います」

えー、拒否権はないんですか……

 

そんなわけで俺は5人によってコスプレの貸衣装部屋に連行された。余談だが入り口で案内をしていたトメさんの《ブラック・マジシャン・ガール》のコスプレが、今日1番の破壊力だったりする。どういう意味の破壊力かはご想像にお任せするが。

「《ブラック・マジシャン》とか《エルフの剣士》とか、意外と王道ものが残ってるな」

衣装は半分ほど貸し出されていたため、こういうのが残っているのは少し意外だったな。

「こういうのを着ると目をつけられるから、相当腕に自信がないと着ることはできないでしょうね」

「なるほどね」

なら俺も王道は避け、準王道あたりにすることにした。

「…と言うわけで《霊使い》の黒一点《闇霊使いダルク》にしてみた」

「とてもお似合いだと思います」

「はい、とっても似合ってますよ!」

「うーん、目元から下は僕も似合ってると思うけど…」

「そうね、その格好にその帽子はちょっと合わないわね」

「そうか、なら別の格好にするか」

「いや、帽子を脱げばいいじゃなくて?」

「俺に帽子を脱げと……お前正気か?」

「え?わたくしがおかしいの?」

「まあ今更コナミに帽子を脱げと言っても」

「ここで脱ぐようならとっくに脱いでるわよね」

「あの、もうデュエルが始まっちゃいましたよ?」

「もうそのような時間でしたのか」

「なら仕方ない、多少似合ってなくてもこれで行くか」

そして俺たちはすでにイベントの始まったレッド寮へと戻った。

 

 

「何だこの賑わい方は?」

まだ始まって15分ぐらいしかたっていないと思われるが、レッド寮の前にはかなりの生徒がにぎわいを見せていた。

「どうやら今デュエルをしているあの子が原因の様ね」

雪乃に言われどうにかこうにか人の隙間からデュエルをしている2人を見た。1人は知らない生徒だったがもう1人はあの物理法則を無視した髪型をした生徒だった。

オレンジを基準にした魔法使い、あの格好は《カードエクスクルーダー》か。

「あいつも参加してたんだ」

「まるで知り合いのような言い方だけど、あなた嶺開花と知り合いだったの?」

「いやさっき会って少し話しただけだよ。と言うか名前知ってるってことは幸子の知り合いだったのか?」

「知り合いではないですが、あなた嶺開花を知らなかったの?」

「ああ、知らないな」

「まあ最近テレビに出始めたばかりだし、コナミはそう言うのに疎そうだしね」

余計なお世話だ、放っておいてくれ。

「嶺開花様は確か、アイドルと言う芸能の方でしたか?」

「ただのアイドルじゃないですよ、嶺開花さんはデュエルアイドルなんです!」

デュエルアイドル?歌って踊ってデュエルもできるってか?最近の芸能界も大変だな。

「どうだ!アタシの実力思い知ったか!」

デュエルは嶺開花の勝利のようだ。対戦相手や周りの反応から、アイドルを立てたやらせではなく、ちゃんとした実力の勝利のようだ。

――やっぱり最高だよリンちゃん!――

――華麗すぎるよリンちゃん!――

――次は俺とデュエルしてくれー!――

――いいや!次は是非俺と!――

「何かあの子の独壇場だな」

「そうね、少なくともあの子がここにいる間は私たちの番は回ってきそうにないわね」

「生徒が盛り上がってるなら、学園側としては嬉しいでしょうけどね」

「はい!私も近くでアイドルが見られて感激です!」

「ゆまってあれだね、芸能人にあったら初めて見る人でもファンになっちゃう感じだよね」

まあとりあえず、しばらく出番が回ってこないならこんな人の多い場所にわざわざいる意味もないし戻るべきか。

「うーんそうだね、それじゃあ次の相手は……やや!」

マイクでこのあたり全体に聞こえる声で話していた彼女が突然驚いた声を上げた。ついつい反応して振り返ると……なんか目があった。

「そこの赤い帽子のキミ!アタシが指名しちゃうよ!」

マジでか、目があった時点でなんとなく嫌な予感はしてたが。

「人気者ねコナミ」

「アイドルにまで声を掛けられるとは」

「さすがコナミ様…見境がありませぬね…」

……何なんだこの状況、とりあえず言った方がいいのか?

「なにぼやっとしてるの?早く早く!」

ここは行くしかないのか……

「まあ、アカデミアの生徒としては、売られたデュエルを買わないわけにはいかないよな?」

とりあえずそれっぽいことを言ってみた。

「そうね…あくまでデュエルだものね」

「デュエルならば仕方ないですわね……」

しぶしぶ感は漂うが、周りの空気は中和されたし、行きますか。

「うーん、その格好は《闇霊使いダルク》かな?」

「正解。そっちは《カードエクスクルーダー》か?」

「うん、そっちも正解!しかしキミ、その格好にその帽子は似合わないね」

「安心しろ、自覚はある」

「自覚があるのに外さないとは…もしかして前に私がバイトしていた海の家に居た侵略者みたいに脱いだら死んじゃうとか!」

なんだよ海の家の侵略者って、帽子脱いだら死ぬって、中二病かよ。と言うかこいつバイト経験あるのか?

「もうこの際それでもいいよ。脱いだら死ぬっていう設定でも」

「うわ投げよった。まあいいやそのおかげですぐわかったし」

「わかったてなにが?」

「いやー、この学園には摩訶不思議なモンスターを使う赤い帽子のレッドの生徒がいるって噂を耳にしてね。是非こっちに来たら手合せしたい!って思ってたんだよねー」

「なるほど、それでさっき俺を凝視して特徴と照らし合わせてたのか」

「そういうこと。ねえ、キミの名前、教えてよ!」

「コナミだよ、嶺開花さん」

「ありゃ、アタシの名前は知ってた?でもさっきは知らないって言ってたような?」

「あのあと友達に聞いたんだよ、嶺開花さん」

「そっか。嶺開花さんって堅苦しいな。同級生なんだしリンでいいよ」

「わかったよリン……そろそろデュエルをはじめないか?」

そろそろ周りの視線が痛くなってきた。まあここにいる大体のやつが彼女のファンだろし、1人の男がこれ以上会話をするのは許しがたいんだろうな。

「そうだね、そろそろ始めちゃおっか、デュエルディスクセッート!」

俺が普通に準備してる中、リンは華麗なターンを決めながらで結えるディスクを構えた。さすがアイドル。

「よーし、えい!えい!おー!!」

「……おー」

 

「「デュエル!」」

 

「先攻はキミからでいいよ」

 

1ターン目:コナミ

「なら遠慮なく。俺のターン」

とは言ってもこの手札では大したことはできないな。

「《マッシブ・ウォリアー》を守備表示で召喚。カードを1枚伏せてターン終了だ」

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター マッシブ・ウォリアー(守)

魔法・罠 セット×1

 

2ターン目:リン

「よし、アタシのターン、《マジカル・コンダクター》を召喚」

 

マジカル・コンダクター

効果モンスター

星4/地属性/魔法使い族/攻1700/守1400

自分または相手が魔法カードを発動する度に、

このカードに魔力カウンターを2つ置く。

このカードに乗っている魔力カウンターを任意の個数取り除く事で、

取り除いた数と同じレベルの魔法使い族モンスター1体を、

手札または自分の墓地から特殊召喚する。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「続けて魔法カード《テラ・フォーミング》を発動。フィールド魔法を1枚手札に加えるよ。そして魔法カードが発動したことで、

《マジカル・コンダクター》に魔力カウンターを2つ乗せるよ。さらに手札に加えたフィールド魔法《魔法都市エンディミオン》を発動!」

 

魔法都市エンディミオン

フィールド魔法

自分または相手が魔法カードを発動する度に、

このカードに魔力カウンターを1つ置く。

魔力カウンターが乗っているカードが破壊された場合、

破壊されたカードに乗っていた魔力カウンターと

同じ数の魔力カウンターをこのカードに置く。

1ターンに1度、自分フィールド上に存在する魔力カウンターを

取り除いて自分のカードの効果を発動する場合、

代わりにこのカードに乗っている魔力カウンターを取り除く事ができる。

このカードが破壊される場合、代わりに

このカードに乗っている魔力カウンターを1つ取り除く事ができる。

 

「また《マジカル・コンダクター》に魔力カウンターを2つ乗せるよ。速攻魔法《手札断殺》を発動。お互いに手札を2枚捨てて2枚引くよ」

俺は《チューニング・サポーター》と《スキル・サクセサー》を捨てた。

「魔法カードが発動したから《マジカル・コンダクター》に2つ《魔法都市エンディミオン》に1つ魔力カウンターを乗せるよ。そして《マジカル・コンダクター》の効果発動!このカードの魔力カウンターを6つ取り除きいて、今墓地に送った《闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)》を特殊召喚!」

 

闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)

効果モンスター

星6/闇属性/魔法使い族/攻1700/守2200

このカードが召喚に成功した時、

このカードに魔力カウンターを2つ置く。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分または相手が魔法カードを発動する度に、

このカードに魔力カウンターを1つ置く。

このカードに乗っている魔力カウンター1つにつき、

このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

1ターンに1度、このカードに乗っている魔力カウンターを

2つ取り除く事で、相手の手札をランダムに1枚捨てる。

 

「まだまだ行くよ!魔法カード《魔力掌握》発動。《闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)》に魔力カウンターを乗せるよ。魔法カードが発動したから3枚のカードに魔力カウンターが乗るよ」

 

魔力掌握

通常魔法

フィールド上に表側表示で存在する魔力カウンターを

置く事ができるカード1枚に魔力カウンターを1つ置く。

その後、自分のデッキから「魔力掌握」1枚を手札に加える事ができる。

「魔力掌握」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

「《魔力掌握》の効果でデッキの《魔力掌握》を手札に加えるよ。さらに《闇紅の魔導師》に魔力カウンターが乗ったから攻撃力がアップしちゃうよ」

闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)》 ATK1700→2300

随分と魔力カウンターを巧みに操るな。

――いいぞリンちゃん!――

――頑張れリンちゃん!――

感心するのはわかるが、もう少し静かに観戦しろよ。

「さあバトル行っちゃって!《マジカル・コンダクター》で《マッシブ・ウォリアー》を攻撃!」

「《マッシブ・ウォリアー》は1ターンに1度戦闘では破壊されないモンスターだ」

「なら《闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)》でもう1度攻撃!カードを1枚セット、これでアタシはターンエンドだよ!」

 

リン

LP4000

手札 2

モンスター 闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)(攻)

      マジカル・コンダクター(攻)

魔法・罠 魔法都市エンディミオン

     セット×1

 

3ターン目:コナミ

「俺のターン、《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で《チューニング・サポーター》を特殊召喚。さらにフィールドにチューナーモンスターがいることで、手札の《ブースト・ウォリアー》を特殊召喚」

「おお!一気に3体もモンスターを揃えるなんてすごいよ!」

「驚くのはまだ早いよレベル1の《チューニング・サポーター》と《ブースト・ウォリアー》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

☆3+☆1+☆1=☆5

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ、シンクロ召喚、いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!」

「うわー!魔法カードも使わずにモンスターが1つになったよ!それが例のモンスター!」

なんかこの反応新鮮だ。もうこの辺の連中はシンクロ召喚にそこそこ見慣れてるからな俺のせいで。

「《ジャンク・ウォリアー》の召喚にチェーンして永続罠《エンジェル・リフト》を発動。墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚。《ジャンク・ウォリアー》は効果により攻撃力がアップする」

《ジャンク・ウォリアー》 ATK2300→2400

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。そして手札の《レベル・スティーラー》を捨て《クイック・シンクロン》を特殊召喚。《ジャンク・ウォリアー》のレベルを1つ下げ《レベル・スティーラー》を特殊召喚。

さらに手札の《ワンショット・ブースター》の効果発動。このターンモンスターの召喚に成功している場合、手札から特殊召喚できる」

 

ワンショット・ブースター

効果モンスター

星1/地属性/機械族/攻 0/守 0

自分がモンスターの召喚に成功したターン、このカードは手札から特殊召喚できる。

また、このカードをリリースして発動できる。

このターン自分のモンスターと戦闘を行った相手モンスター1体を選択して破壊する。

 

「さらに4体!めまぐるしいね!」

「そっちの魔力カウンターほどじゃないよ。レベル1のモンスター《チューニング・サポーター》《レベル・スティーラー》《ワンショット・ブースター》の3体にレベル5の《クイック・シンクロン》をチューニング」

☆5+☆1+☆1+☆1=☆8

「集いし闘志が怒号の魔神を呼び覚ます。光さす道となれ、シンクロ召喚、粉砕せよ、《ジャンク・デストロイヤー》!」

 

ジャンク・デストロイヤー

シンクロ・効果モンスター

星8/地属性/戦士族/攻2600/守2500

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、

このカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで

フィールド上に存在するカードを選択して破壊する事ができる。

 

《魔法都市エンディミオン》には破壊耐性の効果があったけな。

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。《ジャンク・デストロイヤー》の効果により、リンのフィールドのモンスター2体と伏せカードを破壊する」

「ちょっと待った―!罠カード《和睦の使者》をチェーン発動するよ。これでこのターン、アタシが受ける戦闘ダメージは0になるよ。

 さらに《魔法都市エンディミオン》の効果発動。破壊された2体のモンスターに乗っていた魔力カウンター4つをこのカードに乗せるよ」

「カードを2枚伏せて俺のターン終了だ」

 

コナミ

LP4000

手札 0

モンスター ジャンク・ウォリアー(攻)

      ジャンク・デストロイヤー(攻)

魔法・罠 セット×2

 

4ターン目:リン

「よしアタシのターン、《ブラッド・マジシャン-煉獄の魔術師-》を召喚」

 

ブラッド・マジシャン-煉獄の魔術師-

効果モンスター

星4/炎属性/魔法使い族/攻1400/守1700

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分または相手が魔法カードを発動する度に、

このカードに魔力カウンターを1つ置く。

このカードに乗っている魔力カウンターを任意の個数取り除く事で、

取り除いた数×700ポイント以下の攻撃力を持つ

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊する。

 

「魔法カード《魔力掌握》を発動。このカードの効果と魔法カードが発動したことで《ブラッド・マジシャン-煉獄の魔術師-》に2つ《魔法都市エンディミオン》1つ魔力カウンターを乗せるよ。そしてデッキの《魔力掌握》を手札に加えるね…よし!」

リンが手札のカードを1枚とって意気込んだ。何か仕掛けてくるか!?

「《魔法都市エンディミオン》に乗っている魔力カウンター6つを取り除いて、アタシの切り札のご登場!瞬きしてたらおいてくよー!《神聖魔導王 エンディミオン》を墓地から特殊召喚!」

 

神聖魔導王 エンディミオン

効果モンスター

星7/闇属性/魔法使い族/攻2700/守1700

このカードは自分フィールド上に存在する

「魔法都市エンディミオン」に乗っている魔力カウンターを6つ取り除き、

自分の手札または墓地から特殊召喚する事ができる。

この方法で特殊召喚に成功した時、

自分の墓地に存在する魔法カード1枚を手札に加える。

1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てる事で、

フィールド上に存在するカード1枚を破壊する。

 

墓地から…《手札断札》で捨てたもう1枚か。

「《神聖魔導王 エンディミオン》の効果発動、この方法で特殊召喚した時、墓地の魔法カード1枚を手札に戻すことができる。《テラ・フォーミング》を手札に戻すよ。

 そして発動。2枚目の《魔法都市エンディミオン》を手札にっと。そして魔力カウンターを《ブラッド・マジシャン-煉獄の魔術師-》と《魔法都市エンディミオン》に1つずつ乗せるよ」

さっき6つ取り除いた魔力カウンターも、また合計5個にまで、本当に巧みに操るな。

「《ブラッド・マジシャン-煉獄の魔術師-》の効果発動。このカードの魔力カウンター3つと《魔法都市エンディミオン》の魔力カウンター1つを取り除いて、攻撃力2800以下のモンスター1体を破壊するよ」

「2800以下、となると当然俺のモンスターのどちらかか」

「その通り、《ジャンク・デストロイヤー》を破壊するよ」

「くっ、これで1体の攻撃は通るか……」

「まだまだ、《神聖魔導王 エンディミオン》のもう1つの効果発動!1ターンに1度、手札の魔法カード1枚を捨てて、フィールドのカード1枚を破壊する!アタシが破壊するのは《ジャンク・ウォリアー》だよ!」

「これで俺のモンスターは全滅、か」

「バトル!《神聖魔導王 エンディミオン》でコナミにダイレクトアタック!」

「リバースカード発動《攻撃の無敵化》このターン俺が受ける全てのダメージは0になる」

「ありゃりゃ、伏せカードを破壊した方が良かったかな。カードを1枚セットしてターンエンドよ」

 

リン

LP4000

手札 1

モンスター 神聖魔導王 エンディミオン(攻)

      ブラッド・マジシャン-煉獄の魔術師-(攻)

魔法・罠 魔法都市エンディミオン

     セット×1

 

5ターン目:コナミ

「俺のターン、罠カード発動《シンクロ・スピリッツ》墓地の《ジャンク・ウォリアー》を除外し、その素材となった3体を特殊召喚する」

 

シンクロ・スピリッツ(未OCGカード)

通常罠

自分の墓地に存在するシンクロモンスター1体を選択してゲームから除外する。

さらに、除外したモンスターのシンクロ召喚に使用したモンスター一組が

自分の墓地に揃っていれば、この一組を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

「1枚のカードで3体のモンスター!なんて爆展開カード!」

「この3体のモンスターでもう1度シンクロ召喚を行う」

☆3+☆1+☆1=☆5

「大地の痛みを知る戦士よ、その健在を示せ、シンクロ召喚、傷だらけの戦士《スカー・ウォリアー》!」

 

スカー・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星5/地属性/戦士族/攻2100/守1000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は表側表示で存在する他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。

また、このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー……アイドルとこうして面と向かって話せるのは貴重な事だろうが、それもそろそろ終わりにさせてもらうよ」

 

 

sideリン

 

なんと、この状況で勝利宣言とな!ちょっと分かりずらかったけど、多分勝利宣言なんだよね?

「俺は《ブライ・シンクロン》を召喚する」

 

ブライ・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星4/地属性/機械族/攻1500/守1100

このカードがシンクロ召喚の素材として墓地へ送られた場合、

このターンのエンドフェイズ時まで、このカードをシンクロ素材とした

シンクロモンスターの攻撃力は600ポイントアップし、効果は無効化される。

 

「レベル5の《スカー・ウォリアー》にレベル3の《ブライ・シンクロン》をチューニング」

☆3+☆5=☆8

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ、シンクロ召喚、飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》!」

「うわー!綺麗な竜だ!」

「《ブライ・シンクロン》の効果でエンドフェイズまで攻撃力が600アップする」

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→3100

「さらに墓地の《スキル・サクセサー》の効果発動。このカードを除外して《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力は800アップする」

《スターダスト・ドラゴン》 ATK3100→3900

「ぼ、墓地からトラップだってー!」

思わず驚いて叫んじゃった。

「その反応も懐かしいな」

懐かしい!最先端のアイドルを目指すアタシが一昔の反応をしてしまうとは!

「さあバトル行くよ、《スターダスト・ドラゴン》で《神聖魔導王 エンディミオン》を攻撃!」

おっと、ショックを受けている場合じゃなかった。

「罠カード発動《魔法の筒》!《スターダスト・ドラゴン》の攻撃を無効にして、その攻撃力分のダメージを跳ね返す!」

「うわぁ!」

コナミLP4000→100

やった、一気にコナミのライフを100にまで削った!

――さすが凛ちゃんだ!――

――頑張れ、もう一息だ!――

心強いファンのみんなの応援にはほんと勇気づけられるよ。エンドフェイズには《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力も元に戻るし、これでアタシの勝ちは…

「やはり俺の攻撃を止めてきたか」

え?まさかアタシが攻撃を止めるのもお見通しだった!

「速攻魔法発動《ダブル・アップ・チャンス》。《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を倍にし、もう1度バトルを行う」

 

ダブル・アップ・チャンス

速攻魔法

モンスターの攻撃が無効になった時、

そのモンスター1体を選択して発動できる。

このバトルフェイズ中、

選択したモンスターはもう1度だけ攻撃できる。

その場合、選択したモンスターはダメージステップの間、攻撃力が倍になる。

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK3900→7800

「攻撃力7800だって!」

「これで終わりだよ《スターダスト・ドラゴン》で《神聖魔導王 エンディミオン》を攻撃!」

「うわあああぁ!……」

リンLP4000→0

 

Win コナミ

 

「ありゃりゃ、負けちゃった……」

ファンのみんなも応援してくれたのに……

「大丈夫か?」

「うん、アタシは大丈夫だよ」

でも、ファンのみんなはがっかりしちゃっただろうな……

「全く、勝ったのにこの状況は……さすがアイドルってところだよ」

「え?」

この状況って?

――リンちゃん、いいデュエルだったよ!――

――今回負けても次があるよ!落ち込んじゃだめだよ!――

みんな…アタシは負けたのにこんなにも!

「みんなー、今日は負けちゃったけど応援ありがとう!これからもアタシの事よろしくねー!」

――勿論だよ、リンちゃん!!――

「コナミもありがとう!こんなにいいデュエルは久しぶりだったよ」

「ああ、俺も久しぶりにデュエルを純粋に楽しめたよ」

コナミの方も楽しかったのなら何よりだよ。……おっと、そろそろサイン会の時間だ!

「みんなー!この後サイン会があるから是非参加してねー!」

今は応援してくれたファンの皆にサインしなくちゃ!後…

「コナミも絶対来てよ、待ってるからね!」

 



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第二十九話 赤帽子の一級誤解解消術

1年で2回目の長期休みである冬休みを迎えたこのデュエルアカデミア、当然俺はここに残っているが、夏休みほどの長期ではないゆえか、

里帰りする生徒もそこまで多くはなかった。俺の知っている限りでは、雪乃と幸子は戻ったらしい。リンは学園祭が終わったらまたアイドル活動に戻ってしまった。

またしばらく会える機会はないらしいが、そのことを聞いたとき、

雪乃は『フラグをあまり乱立させても回収に困るだけよ』と言い、

幸子は『まあこれ以上フラグを増やすのは私たちも許しがたいものね』と言ってたな。フラグとか訳の分からん事を言いよって。

 

話は変わるが俺は今、自分の部屋でカードと睨めっこの最中だ。

少し前に大量にパックを買ったもので、この長期の休みの機会に整理していた。

なぜ今になって大量のパックを買ったかと言えば、どうしても手に入れなくてはいけないカードがあったからだ。

そのカードは《ミラクル・フュージョン》。あのデュエルの後も《ミラクルシンクロフュージョン》は元に戻らず俺の手に残ったままだった。

だから《ミラクル・フュージョン》は買いなおして返したわけだが。さすがレアカード、当てるのにほぼ1箱買ってしまった。

せっかくなので残ったカードでデッキを再構築してるわけだ。

 

「ま、こんなもんかな」

構築が終わったころには午前10時を回っていた。起きてすぐ構築を始めたから3時間ぐらいかかったか。

「……お腹すいたな。この時間なら食堂も空いてるか」

とりあえず着替えて、本館の食堂に向かった。思った通りもう殆ど人はいなかった。まあそうでもなければレッド寮で軽く済ましてるしな。

「おはようございますコナミ様」

「え?あ、ああ、おはよう」

突然紫に声を掛けられた。こんな時間までいたとは……

「もしかして待ってた?」

「はい」

「何時からいた?」

「6時にはもうおりました」

と言うことはもう4時間以上待っていたのか?というかその時間なら起きてすぐ向かっても1時間は待っていたことになるな。

「なんて健気な子なんや」

「?」

「とりあえず、何か取りに行ってくる」

「はい、ではご一緒します」

そう言って紫もついてきたのだが、紫はどう見ても小食なタイプだよな?

「もしかして、食べるのも待ってた?」

「はい、コナミ様より先にいただくのは失礼かと思いまして」

「……おまえ、いい嫁になるな」

「なにかおっしゃられましたか?」

「いや、なにも」

そんなこんなで紫と朝食を取った。と言うかもう昼食かもしれないが。

「コナミ、それに紫も」

「ん?ああツァンか」

声を掛けられ振り向くとツァンの姿がそこにはあった。

「2人も少し早めの昼食?」

「いや、今のは朝食だ」

「え?今……もはや朝食と言う名の昼食じゃん」

ツァンがあきれながらそう言った。

「しかも紫まで……」

「わたくしめがコナミ様を差し置いて召し上がるわけには行きませぬゆえ」

「なるほど、原因はあんたか」

「あはは……ツァンは今日は何してたんだ?」

「ゆまの冬休みの課題を手伝ってたんだよ。全くわからないって頭を抱えてたからね」

なんとなく絵が想像できる。女子は成績関係なしに全員オベリスクブルーだからな、ゆまにはきついのかもな。

「それでゆま様は今何を?」

「普段使わないぐらい頭を使ったせいか部屋でばててるよ」

その絵も十分に想像できるな。

「そんなわけだから昼食は僕がゆまの分まで持って行って部屋食べようと思ってるんだけど」

「そっか、じゃあ早くもて行ってあげなよ」

「……そうだね、今はそうするよ」

そう言ってツァンが立ち上がった。

「あ、ツァン、ちょっと動かないで」

「え?」

そして俺も立ち上がり、ツァンの顔に顔を近づけながら髪に手を伸ばした。

「え!ちょ、ちょっと!何を!」

「いや、髪にシャーペンの芯が挟まってたから」

「え?あ、ああなんだそんなことか。さっきゆまが折って飛ばしたのがついたのかな……」

「なにあわててるんだ?顔も赤いが大丈夫か?」

「いや、これはその…」

「今のコナミ様の行動が原因ではないでしょうか?あの様に顔を近づけておられましたので」

「あなるほど」

異性にここまで接近されたら緊張するか。と言うか紫にもそう言う感性はあったんだな。安心したよ。

それに、今のは傍から見るとキスしてるように見えたかもな。今のを見て変な誤解をするやつがいなければいいが、

「あ、あなた達!何をしているのですか!こんな公共の場で、不埒です!」

うわー、案の定だよ。

「な、なによいきなり大声で、というかキミ誰?」

「私はこの学園の風紀委員に属する原麗華と言います。って今は私の事など、どうでもいいのです!何なんですか今のは!健全な学生であるにもかかわらず不純異性交遊など!しかもこんな公衆の面前で!」

まあ確かに幸い今は人が少ないが、目に付きやすい場所ではあるな。と言うか仮に誤解でなくともキスだけで不純異性交遊とみなすとは、結構ウブだなこの子。

「いや今のはキスなんかじゃなく」

「言い訳など聞きたくありません!あなた達の行為はアカデミア倫理委員会に報告いたしますよ!」

「アカデミア倫理委員会って……」

「そんな大きな組織にまで……」

まずいな、こういうタイプの人間は無意識に話を大きくするからな。そんな状態で伝えられたら面倒だ。ここは……

「おい、デュエルしろよ」

「はい?デュエル?」

「そうだ麗華。俺とデュエルしてくれないか?」

「……初対面で下の名前を呼ぶとは…やはりそういうことをする男は違いますね」

しまった、周りの影響で女子を下の名前で呼ぶのが自然になってた。

「いやなら上の名前で呼ぶが」

「この際呼び方などどうでもいいです。それで、どういうつもりでデュエルをしろと?」

「俺が勝ったら、俺の話を聞いてもらうぞ」

「あなたの言い訳を聞けと?」

「ああ、聞くだけでいいよ。あんたが勝ったら好きなようにどこへでも報告しな」

「好きなようにって、こいつが変な脚色したらまずいんじゃ!」

「コナミ様が学園に居られなくなるようなことがあっては」

「別にいいさ、負けなければいいだけだ」

「大した自身ですね……そう言えば、その赤い帽子…あなた、名前を聞いてもいいですか?」

「コナミだ」

「コナミ……やはりあの特殊なモンスターを使うデュエリストでしたか」

俺の事を知っているのか。

「あ、あなたのような名の知れた生徒は模範となる行動をとるべきでしょう!なのにこのようなことを!」

ゆえに状況が悪化したようだ。

「いいでしょう、何事もデュエルで決めるのがこのアカデミアのルール。そのデュエル受けて立ちましょう!」

まあ何とか第一の交渉に成功した俺たちはデュエルできるだけの空間があるブルー寮の裏まで来た。普段なら絶対レッドの俺はつまみ出されるだろうが今は人が少ないためそう言った心配はなかった。

「コナミ様、どうかご武運を」

「誤解で退学なんてごめんだからね!」

「分かってるよ」

「それでは、ルールを守って」

「「デュエル!」」

 

「先攻はもらうよ、俺のターン」

さっそく来たか、《ミラクルシンクロフュージョン》だがこのターンでは素材が揃わないな。

「《ハイパー・シンクロン》を召喚。俺のフィールドにチューナーモンスターがいる時、手札の《ブースト・ウォリアー》を特殊召喚できる。レベル1の《ブースト・ウォリアー》にレベル4の《ハイパー・シンクロン》をチューニング!」

☆4+☆1=☆5

「大地の痛みを知る戦士よ、その健在を示せ、シンクロ召喚!傷だらけの戦士《スカー・ウォリアー》」

「それがシンクロモンスターですか」

「ああ。カードを2枚伏せてターン終了だ」

 

コナミ

LP4000

手札 2

モンスター スカー・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×2

 

「私のターン、速攻魔法《サイクロン》を行使します。あなたの伏せカードを1枚破壊します!」

「なっ!」

《ミラクルシンクロフュージョン》がお披露目できずに破壊されるとは、だが。

「《ミラクルシンクロフュージョン》の効果発動。セットされたこのカードが相手によって破壊された時、デッキからカードを1枚ドローする」

 

ミラクルシンクロフュージョン

通常魔法

自分のフィールド上・墓地から、

融合モンスターカードによって決められた

融合素材モンスターをゲームから除外し、

シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を

融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

また、セットされたこのカードが

相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、

自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

「破壊されてなお効果を発動するカードを伏せていたとは……手札より永続魔法《悪夢の拷問部屋》を行使します」

 

悪夢の拷問部屋

永続魔法

相手ライフに戦闘ダメージ以外のダメージを与える度に、

相手ライフに300ポイントダメージを与える。

「悪夢の拷問部屋」の効果では、このカードの効果は適用されない。

 

「そして速攻魔法《ご隠居の猛毒薬》を行使します」

 

ご隠居の猛毒薬

速攻魔法

以下の効果から1つを選択して発動する。

●自分は1200ライフポイント回復する。

●相手ライフに800ポイントダメージを与える。

 

「ダメージを与える効果を選択します。さらにこの効果にチェーンして《連鎖爆撃》を発動します!」

 

連鎖爆撃

速攻魔法

チェーン2以降に発動できる。

このカードの発動時に積まれているチェーンの数

×400ポイントダメージを相手ライフに与える。

同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動している場合、

このカードは発動できない。

 

「ならば《スカー・ウォリアー》をリリースし、罠カード《シンクロ・バリアー》を発動。次のターンまで俺へのすべてのダメージを0にする」

 

シンクロ・バリアー

通常罠

自分フィールド上に存在するシンクロモンスター1体をリリースして発動する。

次のターンのエンドフェイズ時まで、自分が受ける全てのダメージを0にする。

 

「そのようなカードを……モンスターを1体裏守備表示で召喚し、ターン終了です」

 

麗華

LP4000

手札 1

モンスター 裏守備モンスター

魔法・罠 悪夢の拷問部屋

 

奴のデッキはバーンデッキか。《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》が出せれば楽だったんだが。まあ仕方ない。

「俺のターン、手札の《レベル・スティーラー》を捨て《クイック・シンクロン》を特殊召喚。《クイック・シンクロン》のレベルを1つ下げ《レベル・スティーラー》を特殊召喚。

 レベル1の《レベル・スティーラー》にレベル4の《クイック・シンクロン》をチューニング!」

☆4+☆1=☆5

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ、シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》」

「またその召喚方法ですか」

「《ジャンク・ウォリアー》で裏守備モンスターを攻撃」

「《メタモルポット》のリバース効果発動!お互いに手札を全て捨て、カードを5枚ドローします」

 

メタモルポット

効果モンスター(制限カード)

星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600

リバース:お互いの手札を全て捨てる。

その後、お互いはそれぞれ自分のデッキからカードを5枚ドローする

 

「手札リセット効果か。カードを1枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター ジャンク・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

「私のターン、貴方の《ジャンク・ウォリアー》をリリースし、《ヴォルカニック・クイーン》を特殊召喚します」

 

ヴォルカニック・クイーン

効果モンスター

星6/炎属性/炎族/攻2500/守1200

このカードは通常召喚できない。

相手フィールド上のモンスター1体をリリースし、

手札から相手フィールド上に特殊召喚できる。

1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上のカード1枚を墓地へ送る事で、

相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

また、自分のエンドフェイズ時にこのカード以外の自分フィールド上の

モンスター1体をリリースするか、自分は1000ポイントダメージを受ける。

このカードを特殊召喚するターン、自分は通常召喚できない。

 

「俺のフィールドに?」

「シンクロモンスターを除去できても、それより攻撃力の高いモンスターをコナミに与えたんじゃ状況は悪化したんじゃ」

「いったい何をお考えなのでしょうか」

「残念ですが、そのモンスターをあなたには使わせません。魔法カード《所有者の刻印》を行使します。《ヴォルカニック・クイーン》のコントロールを私に戻します」

 

所有者の刻印

通常魔法

フィールド上の全てのモンスターのコントロールは、元々の持ち主に戻る。

 

「俺のモンスターを除去した上に、上級モンスターを呼ぶとは……」

「戦闘を行います、《ヴォルカニック・クイーン》で直接攻撃を行います!」

「リバースカード発動《ダメージ・ダイエット》このターン俺が受ける全てのダメージを半分にする」

 

ダメージ・ダイエット

通常罠

このターン自分が受ける全てのダメージは半分になる。

また、墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、

そのターン自分が受ける効果ダメージは半分になる。

 

「ぐっ!」

コナミLP4000→2750

「私は魔法カード《浅すぎた墓穴》を行使します」

 

浅すぎた墓穴

通常魔法

お互いのプレイヤーはそれぞれの墓地のモンスター1体を選択し、

それぞれのフィールド上に裏側守備表示でセットする。

 

「私は手札から墓地へ送られた《メカウサー》を裏守備表示で特殊召喚します」

 

メカウサー

効果モンスター

星2/地属性/機械族/攻 800/守 100

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから「メカウサー」1体を自分フィールド上に

裏側守備表示で特殊召喚する事ができる。

このカードがリバースした時、フィールド上に存在するカード1枚を選択し、

そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。

 

「じゃあ俺は《クイック・シンクロン》を裏守備表示で特殊召喚する」

「さらに魔法カード《デビルズ・サンクチュアリ》を行使します。《メタルデビル・トークン》1体を特殊召喚します」

 

デビルズ・サンクチュアリ

通常魔法

「メタルデビル・トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)を

自分のフィールド上に1体特殊召喚する。

このトークンは攻撃をする事ができない。

「メタルデビル・トークン」の戦闘によるコントローラーへの超過ダメージは、

かわりに相手プレイヤーが受ける。

自分のスタンバイフェイズ毎に1000ライフポイントを払う。

払わなければ、「メタルデビル・トークン」を破壊する。

 

「カードを2枚伏せターン終了です。そして《ヴォルカニック・クイーン》の効果で《メタルデビル・トークン》を生贄に捧げます」

 

麗華

LP4000

手札 0

モンスター ヴォルカニック・クイーン(攻)

      裏守備モンスター

魔法・罠 悪夢の拷問部屋

     セット×2

 

「俺のターン、魔法カード《ソウルテイカー》を発動。《ヴォルカニック・クイーン》を破壊する」

 

ソウルテイカー

通常魔法

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊する。

この効果によって破壊した後、相手は1000ライフポイント回復する。

 

「させません!罠カード《火霊術-「紅」》を行使します!《ヴォルカニック・クイーン》を生贄に捧げ、その攻撃力分のダメージをあなたに与えます!」

 

火霊術-「紅」

通常罠

自分フィールド上の炎属性モンスター1体をリリースして発動できる。

リリースしたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

「墓地の《ダメージ・ダイエット》の効果発動。このカードを除外することで、このターン、俺が受ける効果ダメージは全て半分となる」

「墓地から罠ですって!!」

だからなんでそんなに反応する、流行ってんの?

「ですが、ダメージは受けてもらいますよ!」

「うわぁ!」

コナミLP2750→1500

「さらに《悪夢の拷問部屋》の効果で300のダメージを与えます!」

「だがそのダメージも半減する」

コナミLP1500→1350

「《クイック・シンクロン》を反転召喚。《クイック・シンクロン》のレベルを1つ下げ《レベル・スティーラー》を特殊召喚。魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動。手札の《ボルトヘッジホッグ》を捨て《アンノウン・シンクロン》を特殊召喚」

 

アンノウン・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

「アンノウン・シンクロン」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

 

「俺のフィールドにチューナーがいることにより、墓地の《ボルトヘッジホッグ》を特殊召喚する。さらに墓地のモンスターの 特殊召喚に成功したことで手札の《ドッペル・ウォリアー》を特殊召喚する」

「一気にフィールドを埋め尽くすほどのモンスターを…」

「レベル1の《レベル・スティーラー》とレベル2の《ドッペル・ウォリアー》にレベル4の《クイック・シンクロン》をチューニング」

☆4+☆1+☆2=☆7

「集いし叫びが木霊の矢となり空を裂く、光さす道となれ、シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・アーチャー》」

 

ジャンク・アーチャー

シンクロ・効果モンスター

星7/地属性/戦士族/攻2300/守2000

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、相手フィールド上に存在する

モンスター1体を選択して発動する事ができる。

選択したモンスターをゲームから除外する。

この効果で除外したモンスターは、

このターンのエンドフェイズ時に同じ表示形式で相手フィールド上に戻る。

 

「《ドッペル・ウォリアー》がシンクロ素材として墓地に送られたことで、《ドッペル・トークン》2体を特殊召喚する。

 レベル1の《ドッペル・トークン》2体とレベル2の《ボルトヘッジホッグ》にレベル1の《アンノウン・シンクロン》をチューニング」

☆1+☆1+☆1+☆2=☆5

「鉄血の砲弾が暴風となりて敵を打ち抜く、光さす道となれ、シンクロ召喚!現れろ《カタパルト・ウォリアー》」

 

カタパルト・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星5/地属性/戦士族/攻1000/守1500

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分フィールド上に存在する

「ジャンク」と名のついたモンスター1体をリリースして発動する。

リリースしたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「《ジャンク・アーチャー》の効果発動。そのセットされた《メカウサー》を除外する」

「裏のまま除外ですって!」

「さらに手札から墓地に送られた《スキル・サクセサー》の効果発動。このカードを除外し《カタパルト・ウォリアー》の攻撃力を800アップさせる」

《カタパルト・ウォリアー》ATK1000→1800

「またしても墓地から罠を!」

「バトル、《カタパルト・ウォリアー》で直接攻撃」

「ああぁっ!」

麗華LP4000→2200

「これで終わりだ、《ジャンク・アーチャー》で直接攻撃!」

「2体目は通しません!罠カード《魔法の筒》を行使します!そのモンスターの攻撃を無効にし、その攻撃力分のダメージを与えます!」

「ぐぅ!、だが《ダメージ・ダイエット》の効果でそのダメージも半減する」

コナミLP1350→200

「そして《悪夢の拷問部屋》の効果で150のダメージを与えます!」

「く!」

コナミLP200→50

「これであなたのモンスターの攻撃は終わりました。次のターン、場に戻ってきた《メカウサー》をリバースすれば、効果ダメージで私の勝利です」

あーあ、説明しちゃったよ。それじゃあこっちも定番の台詞を言うか。

「それはどうかな?」

「なんですって?」

「《カタパルト・ウォリアー》の効果発動!自分フィールドの《ジャンク》モンスター1体をリリースしその元々の攻撃力分のダメージを与える!」

「攻撃力分のダメージですって!」

「目には目を、火力には火力をってな。《ジャンク・アーチャー》をリリースし、ライフに直接ダメージ!」

「うあぁぁぁぁ!」

麗華LP2200→0

 

Winコナミ

 

「こんな者に負けるとは、まだまだ勉強不足でした」

「いや、人のライフを50まで追いつめておいて」

「……約束ですから、言い訳ぐらいは聞いて差し上げますよ」

一応デュエリストとして約束は守ってくれるようだ。しかしさっきの感じからして口で説明してもな……

「ちょっと失礼」

そう言って俺は麗華の髪にシャー芯を飛ばした。

「いったい何をしたのですか?」

「いいから、ちょっと動かないで」

俺はツァンのときと同じように麗華の髪からシャー芯を抜き取った。

「な、な、なっ!」

「まあこれがさっきの全貌だ。髪についたこれを取ってあげただけと言うね」

「……しょ、しょう言う…そう言うことでしたか。それは私の早とちりでした、すみません。ですが傍から見たら誤解されてもおかしくない動きだったのも事実です。もっと振る舞いに気負つけてくださいね」

何とか気丈に振る舞っているようだが、動揺は隠しきれてないぞ。

「ああ、以後気負つけるよ」

「そ、それでは私はこれで失礼します」

そして麗華は一礼してその場を去った。

「結局なんだったのあいつ?」

「さあ、別に知りたくもないな」

「……コナミ様」

「なんだ?」

紫に呼ばれ振り向くと、髪にシャーペンが差さっていた。……あれはさすがに気づいて自分で取るだろ普通、わざと差したんだろうが。

「えっと……じっとしてて」

「はい」

シャーペンを抜こうと紫に近づいていく。

「え………」

顔を近づけた瞬間紫も俺に顔を寄せてきた。その結果……

「きゃ!」

俺の帽子のつばに顔をぶつけてしまった。

「動くなって言ったのに」

「……失敗してしましたか、残念です」

「紫、あんた今何しようとしたの?」

なんだか今のツァンの聞き方、少し怖いぞ。

「ところでツァン、今俺の脳裏にはお腹を空かせて倒れているゆまの絵が浮かんでいるんだが」

「あ……忘れてた」

「やっぱり。じゃあ早く戻りな」

「うん、そうするよ」

そう言ってツァンは足早に戻って行った。さてと……

「紫」

「はい?」

「そう言う行動はもっとちゃんとした時のためにとっておきな」

「はい!」

いい返事だが、その機会は俺以外の相手との方が後々が幸せなんだろうな。

 

 



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2年目
第三十話 春は出会いの季節


大変急で申し訳ありませんが、本日をもってこの作品は、第2部に移らせていただきます!
また更新は週1ぐらいになってしまうと思いますが、今後ともよろしくお願いします。


sideコナミ

 

 

4月上旬

俺たちは無事に2年生となった……とにかくなったんだよ。

 

 

「進級したといっても、クラスも寮も変わらないし、あんま実感わかないな」

「さようでございますね、わたくしめも大きく変わったことはございませぬ」

「多分親しい後輩でもできれば実感わくだろうけどな、出会いの春と言うくらいだしな」

「出会い……コナミ、もしかしてまた女の子に手を掛ける気じゃ?」

「またってなんだよ、大体出会いは女子限定じゃないだろ」

「あら、そっちの趣味があったの?」

「解釈が極端だな」

「例えどのような趣味思考をお持ちでも、わたくしめはコナミ様についてゆきます」

「だから俺にそんな趣味はない!」

進級しても集まるのはいつもの面子だ、しかも俺の部屋に……この狭い部屋に。

今日は3人だが普段はここに6人入るんだから参るよ。

「と言うかこの2人はブルーなのにここにいていいのか?ブルーの年度初めの試験は大変だとツァンとゆまは言っていたが」

つまり2人がいないのはテスト勉強のため。幸子は別の用らしいが。

「テストなんて、始まってから考えればいいじゃない」

おうおう、さすがオベリスクブルーの女帝様。

「勉学に励む時間も大切でございますが、それ以上にコナミ様といる時間の方をわたくしめは大切にしたいのです」

「その気持ちだけで十分だよ」

行動では俺に会う時間より勉学に励む時間を大切にしろ!

 

そして今日も1年の時と変わらず、何をするでもなく時間が過ぎていった。

「それじゃあコナミ、また明日ね」

「失礼いたします、コナミ様」

2人が別れを告げて帰っていった。最近は時間になったら素直に帰ってくれるようになったのが唯一の救いか。

最初のころあの2人は普通に泊まろうとしてたからな。

「・・・・・」

あいつらを見送った後、ふと外を見ると誰かの視線を感じた。

「気のせいか?」

このときはそう思っていたのだが……

 

翌日……の放課後。

「なんか今日は、1日中視線を感じていたんだが」

「な、なんでわかったんですか!」

「い、いや僕は別に」

「わたくしは気づかれない様に注意を払っていたのに!」

「授業を聞くよりコナミを見ていたほうが面白いもの」

「コナミ様のことはいつまで見ていても飽きないものでして」

「いや、お前ら5人以外の視線だ」

お前らの視線なんて去年でなれたよ。

「私たち以外の視線……まさかコナミ、早速後輩相手にフラグを立てたんじゃ?」

「なんですって、わたくしが本社に戻っている間に、この女たらしが!」

「フラグって何ですか?」

「わたくしめにもよくわかりませぬが、なにやらコナミ様に不穏な者が寄っている気がします」

「……ふんっ!」

「なんでそういう方向に持っていくんだよ、まあ気のせいってこともあるし、まだそんなに気に留めなくていいとは思っているが」

「でも、ちょっと心配ですね」

「まあ確かにコナミは持ってるカードがあれだから」

確かに俺のシンクロモンスターを狙う奴が新入生にいないとも限らないしな。

「ご安心ください、コナミ様はわたくしめがお守りいたします、どのような手を使いましてでも」

「さて、何人かボディーガードを呼ぶ手筈をするべきかしら?」

「コナミを付け狙うなんていい度胸だわ、もし見つけたらお・し・お・き・ね」

頼もしいを通り越して怖いよこの3人。おかげで深く気にするなと一先ずその場はなだめてしまった。

 

しかしそれから3日たっても視線は消えなかった。

「最近誰かにつけられてる気がするんだ。これはストーカーというやつじゃないのか?」

「……で、それをなぜ私に相談するのですか?」

「だって学園の平和を守る風紀委員だろ、困った生徒の相談は受けてくれよ」

俺は今、今年委員長に昇格した風紀委員の原麗華に例のことを話していた。

「そうですよ麗華先輩!今年最初の依頼人じゃないですか!」

「風紀委員は万屋じゃないのよ遥」

誰この子、委員長を先輩と呼んでいるから1年なんだろうが、新しい風紀委員か?

「でもあなた、ちょっと麗華先輩になれなれしくないですか?」

「まあ、知った仲だし」

「知った仲……まさか麗華先輩のか、彼氏とか!」

「「それはない」」

声をそろえて俺と委員長は否定した。

「とはいえ、仮にも風紀を乱す行為の相談でしたら受けますが、わざわざ私に言わなくとも、相談できる女子たちがいるじゃないですか」

「あいつらに俺がつけられてるなんて言ったら……」

「心配させたくないと?」

「いや、怖いじゃん、犯人のやつに何するかわからないし。特に約3名は」

「なんとなく想像できますね……」

「この人、そんなに怖い人たちを慕えているのですか?」

「いえ、怖い人ではないですよ……普段は」

「ああ……普段は。というかこの子誰?」

「彼女は1年の長谷部遥、新しく風紀委員に入った私の後輩です」

「は、始めまして長谷部遥です。風紀委員には麗華先輩のような凛々しい女性になりたくて志願しました!」

本人の前でそれを言えるとは、なかなか肝が据わっているな。委員長は平然としてる、多分出会ってからいつも言われてんだろうな。よくわかるよ、俺も今となっては紫の重い言葉を軽く聞けるようになったし。

「それで、具体的に私たちにどうしてほしいのですか?」

「俺の後をつけていればいいよ。そうすれば自然と俺をつけている奴もわかってくるだろうよ。何せ1日中視線を感じるほど見ているんだからな」

「なるほど、対象があなたというのは不本意ですが、学園の平和を乱すのであれば私たちが手を加えてみているわけにはいかないわ!」

「先輩素敵です!憧れちゃいます!!」

この子は、いやこの子も無駄に元気だな。俺の周りにはおかしな女しか集まらないのか。

「そうそう、調べるなら銀髪の子に注意してみてくれないか」

「銀髪、どうしてですか?」

「そばに落ちてた」

俺は1本の髪の毛を見せていった。

「先輩、銀髪といえば1年に1人銀髪に近い髪の怖い生徒がいました」

「「怖い生徒?」」

「はい、男子も顔負けの番長気質の女の子なんですよ。ただよく四字熟語の意味を間違えて使ってますが」

なんだそれ、だがそんな子なら正々堂々と俺に何か言ってきそうだが。

とにもかくにも今日から2人が俺のストーカー?調査に協力してくれた。

 

それから2日後、

「コナミさん、ちょっとよろしいですか」

「「「「「!?」」」」」

ちっとも良くねえよ、お前には俺の周りにいる5人の女子が見えないのか?

「あら、委員長がコナミに声をかけてくるなんて珍しいわね」

「私が話しかけてはまずかったですか雪乃さん?」

「えっと、あの人は確か風紀委員の……」

「いつの間に委員長とコナミは知り合いに?」

「確か最初に出会ったのは冬期休暇の間と記憶していますが」

「その後も交流は続いていたのね」

1人女子が加わっただけでこのムード、修羅場ってやつか。この状況で例のストーカーのことなんて言い出した日には……

「それよりも!コナミ先輩、犯人がわかりましたよ!」

空気読めよこの後輩!今そんなこと言ったら

「「「「「犯人とは?」」」」」

ほらこうなった、お前はこの状況をごまかせるのか?

「コナミ先輩から相談を受けていたストーカーの犯人ですよ!」

言いやがったよ、多分この子は良かれと思って一刻も早く報告しようとしたんだろうが、まだ早いよ。

「コナミさん、あれは気のせいだったんじゃ!?」

「それよりも、なぜわたくしたちに相談せず、この女に相談したのかしら?」

「よりにもよって委員長に!」

「わたくしめではお力不足と判断されたのでしょうか」

「僕は別に誰に相談しようかまわないけど……でも一言ぐらいあってもよかったじゃん」

予想通り良からぬオーラが回りに漂って……

「はぁ、遥あなたって人は……まあこの際いいでしょう。あなたを尾行している生徒は簡単に見つかりました。念のため2日様子を見たので間違いないでしょう」

「そうか。で、どんな生徒だった?」

「あの生徒です」

そういって委員長が後ろを指すと、銀髪でツインテールの少女がこちらを見ていた。

「ストレートすぎだろ!あんなガッツリ見てたのか、逆に気づかなかったよ」

「そう、あの人が……」

「コナミ様を悩ませていた元凶」

「ふふふ……」

良からぬオーラを漂わせたまま5人はその少女に近づいていった。

「……」

だがそれでもあの少女は動こうとはせず俺を観察していた。結果少女は簡単につかまった。

 

 

「えっと……じゃあ今からいくつか質問するけど、どうしてずっと俺をつけていたんだ?」

捕まえた少女を風紀委員の教室まで連れて行き、軽く詰問してみた。

「私はあなたとコンタクトをとる必要があった」

「はい?」

「私はなぜここに来たのか、その目的がわからなかった、でもあなたを見たとき一目でわかった、私はあなたと出会うためにここに来たのだと」

……これは、ぞくに言う厨二病ってやつか?

「コナミさんと出会うためって」

「これはストレートな告白だよね」

「ふん、なかなか面白いことをいうじゃない」

「さすがコナミ様、見ず知らずの下級生まで落としてしまいますとは」

「……またライバルが増えるのかしら…」

これは告白と言うより電波受信しちゃってる感じじゃ、

「人を付け回した上いきなりそんな……不埒です!」

「れ、麗華先輩落ち着いてください!」

やっぱりこいつにはこの手の免疫がなかったか。

「私はあなたをもっと知る必要がある」

「お前もまだ言うか!」

俺をもっと知るって、この状況は何を語ってもこの5人に阻害されかねない……

「お前、名前はなんていうんだ?」

「私は、レイン恵」

「レイン恵、ここはデュエルアカデミアだ。俺を知りたければでデュエルで語り合わないか?」

「「「「「……」」」」」

俺の案に彼女たちは異論を言わない。まあデュエルアカデミアの生徒ならデュエルで語ると言って止めようなどと野暮なことはしないだろう。

「……了解した」

淡々とそう言い、レインはデュエルディスクを構えた。

「ちょっと待ちなさい、ここでデュエルする気ですか!」

「ちがうの?」

「当然です、やるなら外でお願いします」

「仕方ない、移動しよう」

そして俺たちは外に移動した。なるべく人の少ない場所へ。

「さて、準備はいいか?」

「勝敗を……」

 

「「デュエル」」

 

「まずは、私。《ゴブリンゾンビ》を守備表示で召喚。ターンエンド」

 

ゴブリンゾンビ

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻1100/守1050

このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、

相手はデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、

自分のデッキから守備力1200以下の

アンデット族モンスター1体を手札に加える。

 

 

LP4000

手札 5

モンスター ゴブリンゾンビ(守)

魔法・罠 なし

 

モンスターを1体出しただけ、まずは様子見というわけか。

「俺のターン、《ジャンク・ブレーダー》を召喚。《ジャンク・ブレーダー》で《ゴブリンゾンビ》を攻撃」

「《ゴブリンゾンビ》の効果。デッキから守備力0のアンデットモンスター《ゾンビマスター》を手札に加える」

「サーチ効果か。これでターン終了だ」

 

コナミ

LP4000

手札 5

モンスター ジャンク・ブレーダー(攻)

魔法・罠 なし

 

「五分、私、フィールド魔法《アンデットワールド》発動」

 

アンデットワールド

フィールド魔法

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上及び墓地に存在する

全てのモンスターをアンデット族として扱う。

また、このカードがフィールド上に存在する限り、

アンデット族以外のモンスターのアドバンス召喚をする事はできない。

 

俺のモンスターをアンデットにしたか。だがそれに何の意味が?

「《ゾンビマスター》召喚」

 

ゾンビマスター

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守 0

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

手札のモンスター1体を墓地へ送る事で、

自分または相手の墓地のレベル4以下の

アンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚する。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「手札の《闇竜の黒騎士》を捨て《ゾンビマスター》の効果。私の墓地の《闇竜の黒騎士》を特殊召喚」

 

闇竜の黒騎士

効果モンスター

星4/光属性/アンデット族/攻1900/守1200

1ターンに1度、相手の墓地から

戦闘によって破壊されたレベル4以下のアンデット族モンスター1体を

自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

「戦闘、《闇竜の黒騎士》で《ジャンク・ブレーダー》を攻撃」

「ぐ!」

コナミLP4000→3900

「行って《ゾンビマスター》でダイレクトアタック」

「うわ!」

コナミLP3900→2100

「メインフェイズ、《闇竜の黒騎士》の効果。あなたの墓地のアンデットモンスター《ジャンク・ブレーダー》を特殊召喚」

なるほど、このための《アンデットワールド》か。

「私は、終わり」

 

LP4000

手札 4

モンスター 闇竜の黒騎士(攻)

      ゾンビマスター(攻)

      ジャンク・ブレーダー(攻)

魔法・罠 アンデットワールド

 

「俺のターン、手札の《ボルトヘッジホッグ》を捨て、《クイック・シンクロン》を特殊召喚。《チューニング・サポーター》を通常召喚。さらにチューナーがいることで《ボルトヘッジホッグ》を特殊召喚」

「ようやくエンジンがかかった様ね」

「ええ、相変わらずの展開力ですわね」

「レベル1の《チューニング・サポーター》とレベル2の《ボルトヘッジホッグ》にレベル5の《クイック・シンクロン》をチューニング」

☆5+☆2+☆1=☆8

「集いし闘志が怒号の魔神を呼び覚ます。光さす道となれ、シンクロ召喚!粉砕せよ、《ジャンク・デストロイヤー》!」

 

ジャンク・デストロイヤー

シンクロ・効果モンスター

星8/地属性/戦士族/攻2600/守2500

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、

このカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで

フィールド上のカードを選択して破壊できる。

 

「《ジャンク・デストロイヤー》の効果発動。このカードの素材となった非チューナーは2体。よって2枚のカード、《闇竜の黒騎士》と《ゾンビマスター》を破壊する」

「さらに《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。バトル、《ジャンク・デストロイヤー》で《ジャンク・ブレーダー》を攻撃!」

「んぅ……ダメージ小」

恵LP4000→3200

「たった1ターンで3体のモンスターを一掃するとは、さすがですね」

「麗華先輩に評価されるなんて、羨ましいです」

「俺はカードを1枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP2100

手札 3

モンスター ジャンク・デストロイヤー(攻)

魔法・罠 セット×2

 

「このまま、私、魔法カード《暗黒界の取引》発動」

 

暗黒界の取引

通常魔法

お互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローし、

その後手札を1枚選んで捨てる。

 

俺が捨てたカードは《ADチェンジャー》だが、あいつは何を捨てた?

「手札を1枚デッキの上に戻し、墓地の《ゾンビキャリア》を特殊召喚」

 

ゾンビキャリア

チューナー(効果モンスター)

星2/闇属性/アンデット族/攻 400/守 200

手札を1枚デッキの一番上に戻して発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 

「やはり墓地で効果を発動するカードを捨て……え?」

ちょっと待て、このモンスターはチューナーモンスターだぞ、なぜこの子が!?

「《ピラミッド・タートル》召喚」

 

ピラミッド・タートル

効果モンスター

星4/地属性/アンデット族/攻1200/守1400

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから守備力2000以下のアンデット族モンスター1体を

自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

「レベル4の《ピラミッド・タートル》にレベル2の《ゾンビキャリア》をチューニング」

☆2+☆4=☆6

「こうすれば……シンクロ召喚、《デスカイザー・ドラゴン》」

 

デスカイザー・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星6/炎属性/アンデット族/攻2400/守1500

「ゾンビキャリア」+チューナー以外のアンデット族モンスター1体以上

このカードが特殊召喚に成功した時、

相手の墓地のアンデット族モンスター1体を選択し、

自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚できる。

このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。

 

「「「「「「シンクロ召喚((ですって))(ですと)!」」」」」」

突然のシンクロ召喚にみな声を上げて驚いていた。だが驚いたのは俺も例外ではない。

「先ほどから気になっていたのですが、シンクロ召喚とは何ですか?」

長谷部1人は根本的に違う驚き方をしているが、まあ初見ならそんな感じだよな。それよりも、レイン恵……お前は何者なんだ?



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第三十一話 電波女とハーレム男

「レイン恵……お前は何者なんだ?」

「……質問の意味が漠然でわからない。しいて言うなら私は人間」

「そうか……まあ、詳しいことは後で聞くとしよう。今はデュエルの最中だからな」

「そう、ならターンを続ける。《デスカイザー・ドラゴン》の効果。シンクロ召喚成功時、あなたの墓地のアンデット族モンスターを1体特殊召喚する」

「またか」

「《ジャンク・ブレーダー》を特殊召喚。永続魔法《奇跡のピラミッド》発動。2体の攻撃力を200上げる」

 

奇跡のピラミッド

永続魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

アンデット族モンスターの攻撃力は、

相手フィールド上に存在するモンスターの数×200ポイントアップする。

自分フィールド上に表側表示で存在する

アンデット族モンスター1体が破壊される場合、

代わりにこのカードを墓地へ送る事ができる。

 

《デスカイザー・ドラゴン》 ATK2400→2600

《ジャンク・ブレーダー》 ATK1800→2000

「戦闘、《デスカイザー・ドラゴン》で《ジャンク・デストロイヤー》を攻撃」

「相打ち狙いか?」

「否、《奇跡のピラミッド》のもう1つの効果、このカードをアンデット族モンスターが破壊されるとき、代わりに墓地に送る」

「なるほど、攻撃力を上げつつモンスターまで守るカードだったとは」

《ジャンク・ブレーダー》 ATK2000→1800

「《ジャンク・ブレーダー》でダイレクトアタック」

「ぐっ!」

コナミLP2100→300

「カードを1枚伏せターン終了」

 

LP3200

手札 0

モンスター デスカイザー・ドラゴン

      ジャンク・ブレーダー(攻)

魔法・罠 アンデットワールド

     セット×1

 

「俺のターン、俺の場にモンスターがいないことで《ジャンク・フォワード》を特殊召喚。《ニトロ・シンクロン》を召喚。さらに永続罠《エンジェル・リフト》を発動。墓地のレベル1の《チューニング・サポーター》を特殊召喚」

 

「レベル3の《ジャンク・フォワード》と効果でレベル2とするの《チューニング・サポーター》にレベル2の《ニトロ・シンクロン》をチューニング」

☆2+☆3+☆2=☆7

「集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ、シンクロ召喚、燃え上がれ、《ニトロ・ウォリアー》」

「2体目、確認……」

「《チューニング・サポーター》と《ニトロ・シンクロン》の効果で2枚ドロー。速攻魔法《ガード・ペナルティ》を《デスカイザー・ドラゴン》に対して発動」

 

ガードペナルティ

速攻魔法

フィールド上のモンスター1体を選択する。

このターン選択したモンスターが守備表示になった場合、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

「そして墓地の《ADチェンジャー》の効果発動。このカードを除外し、《デスカイザー・ドラゴン》を守備表示にする。《ガード・ペナルティ》の効果により1枚ドロー」

「これで《ニトロ・シンクロン》の連続攻撃が可能になりましたね!」

「モンスターの表示形式を変えたうえ、手札を補充するとは、見事でございます」

「しかも魔法カードを発動したから《ニトロ・ウォリアー》の攻撃力も上がるわね」

「バトル、《ニトロ・ウォリアー》で《ジャンク・ブレーダー》を攻撃。効果により《ニトロ・ウォリアー》の攻撃力はダメージステップの間1000アップする」

《ニトロ・ウォリアー》 ATK2800→3800

「あぁぅ!……まだ……」

恵LP3200→1200

《ニトロ・ウォリアー》 ATK3800→2800

「《ニトロ・ウォリアー》のもう1つの効果発動。相手の守備モンスターを攻撃表示にし、もう1度攻撃できる。《デスカイザー・ドラゴン》を攻撃表示にし攻撃」

「あぁ!……そう……」

恵LP1200→800

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP300

手札 3

モンスター ニトロ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 エンジェル・リフト

     セット×1

 

「私、魔法カード《生者の書-禁断の呪術-》発動。墓地のアンデット族モンスター1体を特殊召喚」

 

生者の書-禁断の呪術-

通常魔法

自分の墓地に存在するアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚し、

相手の墓地に存在するモンスター1体を選択してゲームから除外する。

 

「あなたの墓地の《ジャンク・ブレーダー》を除外し、《デスカイザー・ドラゴン》を特殊召喚」

「だがそのモンスターでは《ニトロ・ウォリアー》は倒せない」

「わかっている。罠カード《バスター・モード》発動。《デスカイザー・ドラゴン》をリリース、デッキより《デスカイザー・ドラゴン/バスター》特殊召喚」

 

バスター・モード

通常罠

自分フィールド上のシンクロモンスター1体をリリースして発動できる。

リリースしたシンクロモンスターのカード名が含まれる

「/バスター」と名のついたモンスター1体を

デッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

デスカイザー・ドラゴン/バスター

効果モンスター

星8/炎属性/アンデット族/攻2900/守2000

このカードは通常召喚できない。

「バスター・モード」の効果でのみ特殊召喚できる。

このカードが特殊召喚に成功した時、

自分・相手の墓地からアンデット族モンスターを

任意の数だけ選択して自分フィールド上に特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、

このターンのエンドフェイズ時に破壊される。

また、フィールド上のこのカードが破壊された時、

自分の墓地の「デスカイザー・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚できる。

 

「《バスターモード》か」

あとさり気なくにリリースというこの時代の者は使わない言葉を使ったな。

「《デスカイザー・ドラゴン/バスター》の効果、私とあなたの墓地からアンデット族を可能な限り特殊召喚する。

 私の墓地の《デスカイザー・ドラゴン》《闇竜の黒騎士》《ゾンビマスター》あなたの墓地の《ジャンク・デストロイヤー》を特殊召喚」

 

「一気に5体のモンスターを!」

「しかも上級モンスターを3体も含んで!」

「す、すごいです!」

「シンクロ使いのデッキってみんなああなのかしら?」

「このままではコナミ様が……」

「戦闘、《デスカイザー・ドラゴン/バスター》で《ニトロ・ウォリアー》を攻撃」

「く……」

コナミLP300→200

「完了、《ジャンク・デストロイヤー》でダイレクトアタック」

「手札の《ジャンク・ディフェンダー》の効果発動。相手の直接攻撃時このカードを特殊召喚できる」

 

ジャンク・ディフェンダー

効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻 500/守1800

相手モンスターの直接攻撃宣言時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

また、1ターンに1度、このカードの守備力を

エンドフェイズ時まで300ポイントアップする事ができる。

この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

 

「構わない、《ジャンク・デストロイヤー》の攻撃対象を《ジャンク・ディフェンダー》に変更」

「続けて手札の《ガード・ヘッジ》の効果発動。俺のモンスターが戦闘を行うとき、このカードを墓地に送ることで、そのモンスターの攻撃力を半分にし、このターン戦闘では破壊されなくなる」

 

ガード・ヘッジ

効果モンスター

星3/地属性/植物族/攻 0/守2100

自分フィールド上のモンスターが戦闘を行うダメージ計算時、

このカードを手札から墓地へ送って発動できる。

その自分のモンスターはその戦闘では破壊されず、

エンドフェイズ時まで攻撃力は半分になる。

 

「また手札から……私は、終了。《デスカイザー・ドラゴン/バスター》で特殊召喚されたモンスターは、ターン終了時に破壊される」

 

LP800

手札 0

モンスター デスカイザー・ドラゴン/バスター(攻)

魔法・罠 アンデットワールド

 

「俺のターン、《ハイパー・シンクロン》を召喚。さらに《ワンショット・ブースター》の効果発動。モンスターの召喚に成功したターン、このカードを手札から特殊召喚できる」

 

ワンショット・ブースター

効果モンスター

星1/地属性/機械族/攻 0/守 0

自分がモンスターの召喚に成功したターン、このカードは手札から特殊召喚できる。

また、このカードをリリースして発動できる。

このターン自分のモンスターと戦闘を行った相手モンスター1体を選択して破壊する。

 

「レベル1の《ワンショット・ブースター》とレベル3の《ジャンク・ディフェンダー》にレベル4の《ハイパー・シンクロン》をチューニング」

☆4+☆3+☆1=☆8

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

「……それが、あなたの切り札?」

「ああ、《ハイパー・シンクロン》の効果で《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力は800アップする」

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→3300

「バトル、《スターダスト・ドラゴン》で《デスカイザー・ドラゴン/バスター》を攻撃!」

「うぅ……そう…」

恵LP800→400

「《デスカイザー・ドラゴン/バスター》が破壊されたとき、墓地の《デスカイザー・ドラゴン》を特殊召喚できる。そしてあなたの攻撃は終わり。《ハイパー・シンクロン》の効果でそのカードは除外される」

「いいや、俺のバトルフェイズは終わっていないよ」

「え?」

「俺もシンクロ使い、このカードを持っているんだよ。罠カード発動《バスター・モード》。《スターダスト・ドラゴン》をリリースし、《スターダスト・ドラゴン/バスター》を特殊召喚する」

 

スターダスト・ドラゴン/バスター

効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

このカードは通常召喚できない。

「バスター・モード」の効果及び

このカードの効果でのみ特殊召喚する事ができる。

魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし破壊する。

この効果を適用したターンのエンドフェイズ時、

この効果を発動するためにリリースされ墓地に存在するこのカードを、

自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

また、フィールド上に存在するこのカードが破壊された時、

自分の墓地に存在する「スターダスト・ドラゴン」1体を特殊召喚する事ができる。

 

「コナミさんも同じカードを!」

「コナミったら、まだあんなカードを私達にも隠し持っていたのね」

「《スターダスト・ドラゴン/バスター》で《デスカイザー・ドラゴン》を攻撃!」

「きゃぁぁぁあ!」

恵LP400→0

 

Winコナミ

 

何とか勝てたが……

「このデュエルで少し聞きたいことが増えたかな」

「そう……」

「さっき使ったシンクロモンスター、どこで手に入れた?」

「……わからない」

「そうか、じゃあどうしてわからない」

「私は気がついたらこの場所にいた。どうしてここにいるのか、誰によって何の目的でここに置かれたのかも」

「……わからない」

まだわからないの一点押しか……

「それって、記憶喪失ってやつなんじゃ?」

「そんな、大変じゃないですか!」

「しらを切っているだけなのでしょう」

「往生際の悪い子は嫌われるわよ」

「どちらにせよ、このままでは手詰まりでございますね」

「どんな些細な事でもいい、覚えてる事や話せることはないのか?」

「私は……」

「おまえ……」

彼女は震えていた。だがそれは詰問してくる俺たちに対してではないことはすぐにわかった。

『しいて言うなら私は人間』そりゃそうだ、たとえ表情や態度に出なくとも、お前にも感情というものは当然あるよな。

「……俺は記憶をなくすような経験はないが、ある日突然自分が何者かわからなくなったりしたら、そりゃ怖いよな」

「……」

「すまなかったな、もう俺は何も聞かないよ。でも何か思い出したらまた教えてくれないか」

「……了解した」

「あとその、なんだ……何かあったら何時でも相談に来ていいからな。何か思い出したとかじゃなくてもさ」

「わかった……ありがとう」

淡々とした口調でレインはそう言い、一礼して去って行った。ただ去り際に少しだけ笑顔を見せてくれた。

 

 

 

「コナミ……もしかして彼女に惚れたなんてことはないわよね」

「はい?別にそんなことはないが」

「そう、僕にはなんか急に優しくなったように見えたけど」

「全く、女たらしの庶民が……」

「じぃ~」

「コナミ様、いったいあの方のどこに……」

何なんだよこいつら、またよからぬオーラが見えるんですが……

「さて……遥、教室に戻りましょう」

「え?あ、はい!」

な、委員長め、俺を置いて逃げやがった!

「コナミ」

「コナミ!」

「庶民!」

「コナミさん!」

「コナミ様……」

ああ、今年度も俺は苦難の年になりそうだ。



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第三十二話 不良による頭髪チェック

週1ペースと言っておきながらいきなりこの体たらくですみません。
なるべくもう少し早い更新を志すので今後もよろしくお願いします。


 

 

 

sideコナミ

 

 

『ねぇ、凄くない? アタシの名前がついた番組だよ? 題して《DA(デュエルアカデミア)☆カイホウ区!》』

恵のデュエルから数日たった平和な午後、久しぶりに嶺からの電話を受けていた。

「《「DA(デュエルアカデミア)☆カイホウ区》ってデュエルアカデミアが題材なのか?」

『いや、私が現役アカデミア生だから語呂でつけったっぽいよ。アカデミアとあんまり内容関係ないし』

「不憫だな、デュエルアカデミア」

『それよりも、せっかく逐一で報告したのに反応それだけ?』

「まさか、冠番組おめでとう」

『うんうん、その言葉が聞けて私は満足だ!それじゃ必ず見るんだぞ!』

「ああ楽しみにしてるよ、まあ体調崩さない程度に頑張れよ」

『うん、応援ありがとう!じゃあねー!』

 

 

「コナミ、随分楽しそうに話してたわね」

電話を終えるといつの間にかいた雪乃が声を掛けてきた。

「ん?そんなに楽しそうだったか?」

「ええ、と言っても私たちの前でも見せる程度の“楽しそう”だったけれど」

「どういう意味?」

「相手は“女”よね」

「まあそうなるな。と言うか会話を聞いてたなら内容から察しが付くだろ、嶺開花だよ」

「それはそうだけれど……嶺開花といつの間にアドレスを?」

「サイン貰ったとき下に書いてあった」

「そんな方法で……」

「しかしあの渡され方、なんか芸能界の裏を知った気がするよ。まああの子に限ってはこんなこと他ではしてないだろうけど」

「あ、いました!コナミ先輩!」

などと話していると1人の女子生徒が俺に向かって来た。確か1年の長谷部遥だったけ。

「どうした?その様子だと俺に様があったようだが?」

「はい、コナミ先輩に渡すものがありまして」

そう言って遥は俺に1枚の便箋を差し出した。

「これは……」

ピンクの便箋にハートのシール……たぶんそういうやつだよな……

「これは長谷部様が書かれた恋文でしょうか?」

「まさかあなたがこんな大胆な行動がとれる子だったなんて……」

なに、これ遥が書いたのか?

「ちぃ、違いますよ!私がそんなもの書くわけないじゃないですか」

「はは、だよねー」

「い、いえ、別にコナミ先輩に魅力がないと言っているわけではなくてですね、私は学生である以上麗華先輩の様に学業に専念したいので、こういう色恋物には手を出すのはと言う考えで……」

「いや、そんな必死に言い訳しないでいいから」

逆になんか悲しくなる。

「つまりこのラブレターはあなたのものじゃないのね」

「はい」

「ではいったいどなたから」

「えっと、同じ1年のジャッカル岬と言う方からなのですが」

「ジャッカル岬……知らないな」

「知らぬ方からも思いを寄せられるとは、さすがはコナミ様」

……そういや紫いつからいた?すごい自然に入ってきたから気づかなかったよ。

「で、どんな子なんだそいつ?」

「そうですね、一言でいえば……素行不良ですかね」

「素行不良……不良なのか?」

「まだここに来てそう時間が経ってませんから断言はできませんが、そう言った点が目立つのは確かですね。すでに授業をよくサボってますし」

まあそれに関しては俺も強く言えなかったりするが。

「でも暴力に訴える感じの他人に大きく迷惑をかける事件は起こしていませんよ!今のところ……」

自分で素行不良と言った子をフォローするとは、ええ子やな。

「コナミ、その子が気になるの?」

「え?まあこんな手紙をもらった以上気にならないと言ったら嘘になるな」

「そう、まあ無理ないわよね」

「わたくしよりも、でございましょうか……」

何か2人のの空気が思いが、最近じゃ珍しくもないか。

「とりあえず、開けるか」

俺は便箋を開封した。中にあったのは手紙が1枚。そこには『一目見た時からお前が気になっていた、本日16時海岸にて待つ』と簡潔に書かれていた。

「随分とざっくりした文章ですね」

「あら、あなた中を見てなかったの?」

「当然です、人様にと託されたものをこっそり覗くなど!」

「なかなかできる女ね」

雪乃は覗いたのか?まあ覗いただろうな。

「というか16時ってもうあんまり時間ないな」

時計を見るとすでに15時半を回っていた。

「まあ無視するのも歯がゆいし、行くだけ行ってみるか」

「そうね、コナミが行きたいというのなら行きましょう」

「行きましょうって、やっぱり付いてくるんだな」

「当然よ」

「わたくしもどのような方か気になりますゆえ」

「えっと、すいませんが、私は委員会が有るので」

「ああ、わかった。届けてくれてありがとな」

「はい、それでは失礼いたします」

そして俺達3人は海岸に向かって歩き始めた。

 

 

 

side岬

 

オッス、俺はジャッカル岬、デュエルの才能あふれる生徒が多く通うデュエルアカデミアに入ったっていうのに強ーデュエリスとに会えず無為徒食の日々だぜ。

強いデュエリストをどうやって見つけるかって?そりゃ簡単だ、俺は強いデュエリストをいろんな大会やら見てきたがそいつらは全員、斬新奇抜な髪型をしていやがった!

だがここのやつらは全員面白みのねー直截簡明な頭しやがって……だが俺はついに見つけた!

厳密にはそいつがどんな頭しているかはわからねー、何背常に赤い帽子をかぶっていやがるからな。

しかし昨日偶然そいつがデュエルしているのを見かけたが、俺のしらねーモンスターを巧みに使いまわしていた!間違いなくこいつはつえー!きっと帽子の下も奇想天外な髪をしているに決まっている!

そうと決まれば倒行逆施だ!俺はそいつにデュエルを挑むことにした。となるとまずは果たし状だ!だがあいにく持ち合わせがねぇ。仕方ないから買いに行くか。

「すまねー、書状ってここに置いてないか?」

「書状?便箋ならあるけど何に使うんだい?」

購買で要求すると、売り子らしきおばさんが答えてくれた。

「ある男に手紙を出したいんだ」

「男の子に手紙かい?そうかい、まあ春だもんね」

「?」

なんで今季節の話が出やがるんだ?

「よし、それじゃあこの便箋はおばさんからのプレゼントだよ、持っていきな」

「本当か!悪いな」

そういって俺が受け取ったのはピンクの便箋に封をするようのハートのシールだった。なんだか純真可憐で果たし状には不向きな気もするが、ただでもらった物だし文句は言えねーか。

用件だけ簡潔に書いたそれをあいつに渡そうとしたが、こっちから探すと案外見つからねー。仕方ねー、情報を集めるか。なるべく顔の広いやつに聞くべきだろうが、お、ちょうどいいところに。

「おいお前、ちょっといいか!」

「え!わ、私ですか!」

こいつは確かいつも風紀委員長に唯唯諾諾で付いてる、えっと……名前が出てこねーがまあいいか。風紀委員なら顔も広いだろうし。

「お前にちょっと聞きてーことがあるんだけどよ」

「な、なんでしょうか?」

「お前、オシリスレッドで赤い帽子をかぶった男を知らねーか?」

「赤い帽子、コナミ先輩の事でしょうか」

「なんだ知ってんのか!だったら話がはえー、今どこにいるんだ?」

「さ、さあそれはわかりませんが、用事があるのでしたら後で私からお伝えしておきましょうか?」

「そうか、悪いな。じゃあ後でそいつにこれを渡しておいてくれよ」

そう言って俺は果たし状をこいつに渡した。

「は、はいわかりま……って、これは!」

「そんじゃ頼んだぜ!」

 

 

 

sideコナミ

 

「さて、約束の海岸に来たが、あの灯台に寄りかかってる子がジャッカル岬か?」

「周りにほかの人も見当たりませんゆえそうではないでしょうか」

「こういう手紙を出した子は30分前には来てるものでしょうし、間違いないと思うわ」

「とりあえず、声掛けてくるよ」

俺は灯台に寄りかかっている少女に声をかけた。

「えっと、キミがジャッカル岬、でいいのかな?」

「……赤い帽子の男、間違いない、お前がコナミだな!逃げずによく来たな!」

「え?あ、ああ」

なんだ、この温度差を感じる挨拶?

「あなた本当にラブレターを送ったジャッカル岬なの?」

そんな俺の様子に気づいたのか雪乃が会話に入って聞いてくれた。

「ラブレターだ?俺はそんなもの書いてねーぞ?」

「ではこの恋文は別の方が?」

「ああ、確かにそれは俺が書いた果たし状だ」

はい?果たし状?

「いやだってこの便箋は明らかにそう言う雰囲気じゃ」

「しかたねーだろ、手持ちがそれしかなかったんだよ」

「でも一目見た時からなんて書き方をされっれば普通そう思うわ」

「そうか?まあ手紙なんてあんまかかねーからな、そういうとこもあったかもな」

「なるほど、では恋文はございませんでしたか」

「じゃあなんで俺に果たし状なんて?」

「そりゃ、お前の正体を暴くためさ!」

「俺の正体?」

……どういうことだ、俺の正体……

「コナミの正体?」

「コナミ様の正体とはどういうことでしょうか?」

俺の正体って……こいつまさか!

「お前、いったい何者だ?」

「俺はジャッカル岬!それ以上でもそれ以下でもねぇ!」

……答える気はなしか。だがシンクロを使う恵が俺の前に現れた直後に来たということは……

「とにかくここに来た以上俺からの挑戦を受ける覚悟はできたんだろ!俺とデュエルだ!」

やはり正体を暴くなんて言っている以上、少なからず俺がどういう人間なのか知っているだろうし……引き下がるわけにはいかないか。

「ああ、受けて立つよ」

「そうこなくちゃな!俺が勝ったらお前が隠してる物を全てさらけ出してもらうぜ!」

「ああ良いだろう。ただし俺が勝ったらこのことに関することには今後詮索しないでくれよ」

「ああ、それは約束してやる!」

「なら、行くぞ」

「どっからでもかかって来いや!」

「「デュエル!」」

 

「俺のターン、《可変機獣 ガンナードラゴン》を召喚」

 

可変機獣 ガンナードラゴン

効果モンスター

星7/闇属性/機械族/攻2800/守2000

このカードは生け贄なしで通常召喚する事ができる。

その場合、このカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。

 

「最上級モンスターを生贄なしで召喚だと?」

「ああ、こいつは攻撃力を半分にすることで生け贄なしで召喚できるんだよ」

《可変機獣 ガンナードラゴン》 ATK2800→1400

「なるほど、妥協召喚か」

「カードを1枚セット、よし、御終いだ」

 

LP4000

手札 4

モンスター 可変機獣 ガンナードラゴン(攻)

魔法・罠 セット×1

 

「俺のターン、《ジャンク・ブレーダー》を召喚。バトル、《可変機獣 ガンナードラゴン》を攻撃」

「待ってたぜ!リバースカード行くんでよろしく!速攻魔法《禁じられた聖杯》!」

 

禁じられた聖杯

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

エンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は

400ポイントアップし、効果は無効化される。

 

「こいつで《可変機獣 ガンナードラゴン》の効果を無効にし攻撃力を400アップするぜ!」

「ですがまだあの2体のモンスタアは相打ちどまりでございます」

「いいえ、《可変機獣 ガンナードラゴン》は効果で攻撃力が下がっているわ。その効果が無効になるということはその攻撃力も」

「その通りだぜ!攻撃力は元の2800に400アップした3200だぜ!」

《可変機獣 ガンナードラゴン》 ATK1400→3200

「くっ、もう攻撃を止めることはできない……」

コナミLP4000→2600

「これでお前のフィールドはがら空きだな!」

「まだだ、俺のフィールドにモンスターがいないことで《ジャンク・フォワード》を守備表示で特殊召喚。これでターン終了だ」

《可変機獣 ガンナードラゴン》 ATK3200→2800

 

コナミ

LP2600

手札 4

モンスター ジャンク・フォワード(守)

魔法・罠 なし

 

「何とかつないだか。俺のターン、《不屈闘士レイレイ》を召喚」

 

不屈闘士レイレイ

効果モンスター

星4/地属性/獣戦士族/攻2300/守 0

このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。

次の自分のターン終了時までこのカードは表示形式を変更できない。

 

「さらに装備魔法《愚鈍の斧》を行くんで、よろしく!」

 

愚鈍の斧

装備魔法

装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、効果は無効化される。

また、自分のスタンバイフェイズ毎に、

装備モンスターのコントローラーに500ポイントダメージを与える。

 

「こいつを《不屈闘士レイレイ》に装備、これで効果は無効となるぜ!」

《不屈闘士レイレイ》 ATK2300→3300

「バトルだ、《可変機獣 ガンナードラゴン》で《ジャンク・フォワード》を攻撃!」

「くっ」

「これでお前のフィールドはセットカードもない完全なまっさらだ!《不屈闘士レイレイ》でダイレクトアタック!」

「手札の《ジャンク・ディフェンダー》の効果発動、相手の直接攻撃時に守備表示で特殊召喚できる」

「攻撃対象をそいつに変更だ。くっ、御終いだ」

 

LP4000

手札 3

モンスター 可変機獣 ガンナードラゴン(攻)

      不屈闘士レイレイ(攻)

魔法・罠 愚鈍の斧→(不屈闘士レイレイ)

 

「俺のターン、魔法カード《調律》を発動。デッキの《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップのカードを墓地に送る」

墓地に送られたのは《チューニング・サポーター》だった。

「魔法カード《戦士の生還》を発動。墓地の戦士族モンスター《ジャンク・フォワード》を手札に戻す」

 

戦士の生還

通常魔法

自分の墓地の戦士族モンスター1体を選択して手札に加える。

 

「効果で《ジャンク・フォワード》を特殊召喚。続けて《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚。

 レベル3の《ジャンク・フォワード》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング」

☆3+☆3+☆1=☆7

「集いし怒りが忘我の戦士に鬼神を宿す。光さす道となれ、シンクロ召喚!吠えろ、《ジャンク・バーサーカー》」

 

ジャンク・バーサーカー

シンクロ・効果モンスター

星7/風属性/戦士族/攻2700/守1800

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

自分の墓地に存在する「ジャンク」と名のついたモンスター1体をゲームから除外し、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択した相手モンスターの攻撃力は、除外したモンスターの攻撃力分ダウンする。

また、このカードが守備表示のモンスターを攻撃した場合、

ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する。

 

「来たか、シンクロ召喚!」

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。《ジャンク・バーサーカー》の効果発動。墓地の《ジャンク・ブレーダー》を除外し、《不屈闘士レイレイ》の攻撃力を1800下げる」

《不屈闘士レイレイ》 ATK3300→1500

「さらにもう1度、《ジャンク・ディフェンダー》を除外し、《可変機獣 ガンナードラゴン》の攻撃力を500下げる」

《可変機獣 ガンナードラゴン》 ATK2800→2300

「さらにフィールドに《ジャンク》がいることで、手札の《ジャンク・サーバント》を特殊召喚」

 

ジャンク・サーバント

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1500/守1000

自分フィールド上に「ジャンク」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

「バトル、《ジャンク・サーバント》で《不屈闘士レイレイ》を攻撃、相殺!」

「くっ、だが今の攻撃《ジャンク・フォワード》も除外していたら俺が一方的に負けていた。お前のプレイングミスだぜ!」

「そう思いたいなら思っていな。《ジャンク・バーサーカー》で《可変機獣 ガンナードラゴン》を攻撃」

「ぐぅぅ!」

岬LP4000→3600

「カードを1枚伏せてターン終了だ」



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第三十三話 赤帽子の真実ゥ?

side岬

 

 

コナミ

LP2600

手札 3

モンスター ジャンク・バーサーカー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

「俺のターン」

このターンであのモンスターを倒せるカードはねーが……

「《神獣王バルバロス》を生贄なしで召喚だぜ!」

 

神獣王バルバロス

効果モンスター

星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200

このカードはリリースなしで通常召喚できる。

この方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる。

また、このカードはモンスター3体をリリースして召喚できる。

この方法で召喚に成功した時、相手フィールド上のカードを全て破壊する。

 

「またもや最上級モンスターを生贄なしで召喚いたしました」

「おそらく妥協召喚ね」

「ああ、生贄なしで召喚したこいつの攻撃力は1900になっちまう。カードを伏せるぜ。よし、御終いだ」

 

LP3600

手札 3

モンスター 神獣王バルバロス(攻)

魔法・罠 セット×1

 

「俺のターン、墓地の《ジャンク・サーバント》を除外し、《神獣王バルバロス》に対して《ジャンク・バーサーカー》の効果発動」

「そうはいかねーぜ!永続罠《スキルドレイン》を発動だぜ!」

 

スキルドレイン

永続罠

1000ライフポイントを払って発動できる。

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上の全ての効果モンスターの効果は無効化される。

 

岬LP3600→2600

「こいつでフィールドのモンスター効果はすべて無効だぜ!」

「つまり《ジャンク・バーサーカー》の効果を無効にした上《神獣王バルバロス》の攻撃力を元に戻したか……カードを1枚伏せてターン終了だ」

 

コナミ

LP2600

手札 3

モンスター ジャンク・バーサーカー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

「俺のターン」

あいつのフィールドには伏せカードが1枚、そいつでで俺の攻撃を迎え撃つつもりなんだろ?そうは行くか!

「魔法カード《ナイト・ショット》行くんでよろしく!」

 

ナイト・ショット

通常魔法

相手フィールド上にセットされた魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。

このカードの発動に対して相手は選択されたカードを発動できない。

 

「チェーンを許さない破壊か……」

伏せていたカードは《スキル・サクセラー》か、どうやら攻撃力を上げるカードだったようだ、危なかったぜ。

「これで対抗策はなくなったな!さらに《光神機-桜火》を生贄なしで召喚だぜ!」

 

光神機-桜火

効果モンスター

星6/光属性/天使族/攻2400/守1400

このカードは生け贄なしで召喚する事ができる。

この方法で召喚した場合、このカードはエンドフェイズ時に墓地へ送られる。

 

よし!この2体の攻撃が通れば俺の勝だぜ!

「バトル、《神獣王バルバロス》で《ジャンク・バーサーカー》を攻撃!」

「ぐっ!」

コナミLP2600→2300

「今度こそ終わりだ!《光神機-桜火》でダイレクトアタック!」

「リバースカード発動《シンクロ・スピリッツ》」

 

シンクロ・スピリッツ(未OCGカード)

通常罠

自分の墓地に存在するシンクロモンスター1体を選択してゲームから除外する。

さらに、除外したモンスターのシンクロ召喚に使用したモンスター一組が

自分の墓地に揃っていれば、この一組を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

「墓地の《ジャンク・バーサーカー》を除外し、素材となった《ジャンク・シンクロン》《ジャンク・フォワード》《チューニング・サポーター》を守備表示で特殊召喚する」

素材となったモンスター……そうか、あいつはこのカードを発動するためにあのとき《ジャンク・フォワード》を除外しなかったのか!そこまで考えていやがったとは!

「ちぃ、なら《ジャンク・シンクロン》を攻撃、これで御終いだ」

 

LP2600

手札 1

モンスター 神獣王バルバロス(攻)

      光神機-桜火(攻)

魔法・罠 スキルドレイン

 

「俺のターン、《デブリ・ドラゴン》を召喚。効果は無効となるがまあ問題ない。

 レベル3の《ジャンク・フォワード》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル4の《デブリ・ドラゴン》をチューニング」

☆4+☆3+☆1=☆8

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

「その面構えを見ればわかるぜ、そいつがお前の切り札か!」

「ああ。《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。そして墓地の《スキル・サクセラー》を除外し《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力800アップする」

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→3300

「墓地から罠だと!」

始めてみる戦法に思わず声を上げちまったぜ。さすがだな。

「バトル、《スターダスト・ドラゴン》で《神獣王バルバロス》を攻撃」

「うぁ!」

岬LP2600→2300

「カードを1枚伏せてターン終了」

 

コナミ

LP2300

手札 3

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 セット×1

 

「俺のターン、《ならず者傭兵部隊》を召喚」

 

ならず者傭兵部隊

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1000/守1000

このカードをリリースして発動できる。

フィールド上のモンスター1体を選択して破壊する。

 

「《ならず者傭兵部隊》の効果発動!こいつを生贄にしてお前の《スターダスト・ドラゴン》を破壊する!」

「《スキルドレイン》の効果により効果は無効となるのでは?」

「いえ、あのカードは効果解決時には墓地にいるモンスター、《スキルドレイン》の影響は受けないわ」

「残念だがそうは行かない、《スターダスト・ドラゴン》の効果発動。このカードを生贄にすることでカードを破壊する効果を無効にする」

あいつも生贄時の効果を持っていただと!

「そんなことに何の意味がある、結局お前のフィールドはがら空きになっじゃねーか。行くぞ!《光神機-桜火》でダイレクトアタック!」

「リバースカード発動、永続罠《女神の加護》。ダメージを受ける前にライフを3000回復する」

 

女神の加護

永続罠

自分は3000ライフポイント回復する。

自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードがフィールド上から離れた時、

自分は3000ポイントダメージを受ける。

 

コナミLP2300→5300→2900

「何とか耐えやがったか。カードを1枚伏せターン終了だ」

「自身の効果で生贄となった《スターダスト・ドラゴン》はエンドフェイズに蘇る」

 

LP2300

手札 0

モンスター 光神機-桜火(攻)

魔法・罠 スキルドレイン

      セット×1

 

「俺のターン……バトル、《スターダスト・ドラゴン》で《光神機-桜火》を攻撃」

この攻撃で俺のライフが尽きることはねーが、手札が0の状況でモンスターを残せないのはまずい……

「リバースカード発動《魔法の筒》!こいつでお前のモンスターの攻撃を無効にし、その攻撃力分のダメージを与えるぜ!」

コナミLP2900→400

「そのカードには世話になっている気がするよ」

「は!?何を言っていやがる?」

「速攻魔法発動《ダブル・アップ・チャンス》。《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を倍にし、もう1度バトルを行う」

 

ダブル・アップ・チャンス

速攻魔法

モンスターの攻撃が無効になった時、

そのモンスター1体を選択して発動できる。

このバトルフェイズ中、

選択したモンスターはもう1度だけ攻撃できる。

その場合、選択したモンスターはダメージステップの間、攻撃力が倍になる。

 

《スターダスト・ドラゴン》 ATK2500→5000

「こ、攻撃力5000だと!」

「さあこれで終わりだ、《スターダスト・ドラゴン》で《光神機-桜火》をもう1度攻撃!」

「うあぁぁぁぁぁ!」

岬LP2300→0

 

Winコナミ

 

 

sideコナミ

 

「くそ、もう少しでお前の帽子の中身が見えたのに!」

「……え?」

コイツは今なんて言った?こいつは確か俺の正体に感ずいていて、それを暴くためにデュエルしていたと思っていたのだが……

「えっと、一応聞くが、お前が言っていた俺の正体っていうのは?」

「そりゃお前がその帽子に隠した奇抜な髪に決まってんだろ!」

「はい?」

「俺が今まで見てきたデュエルの強いヤツはみんなスゲエ髪型をしていた。つまりデュエルの強いヤツはみんなスゲエ髪型をしているんだよ!」

なんだそのあながち間違ってもいない……いや、よくわからない持論は?

「そしてお前もそれだけ強いデュエリストなんだ!きっとお前の帽子の下は奇妙奇天烈摩訶不思議奇想天外四捨五入出前迅速落書無用な世界が隠れているんだろ!」

そんなホンワカパッパな世界は広がってない!

「たしかに1年以上付き合っているのに頑なに脱がないコナミの帽子の下なら」

「あり得ぬ話ではございませぬ」

お前らまで納得するなよ……だが、

「なんだお前俺の帽子の下が見たかったのか。だったらいいよ」

「「「え?」」」

「俺の帽子の下はな」

「いいのか!俺負けたのに!」

「ちょっと待って心の準備が」

「写すものを今は所持しておりませぬゆえまだ、」

慌てる3人をよそに、俺は帽子を徐に脱いだ。

「もう1つ帽子が有ったりするんだよねー」

「「「……はい?」」」

……あれ、思ったより受けなかったな。

「そんなんで納得できるか―!」

「そういう思わせぶりなの、私は嫌いよ」

「上げて落とすとはこのことでしょうか」

「そりゃ本当の中身はそう易々とお披露目できないさ」

「うるさい!今すぐその帽子をはぎ取ってやる!」

「やめないかリアリストが」

俺は飛び掛かる岬の頭を帽子で押さえつけて止めた。

「きゃ!何をするんだ」

「デュエルに負けたらこのことに関してはこれ以上詮索しないって条件だっただろ」

と言うか今の悲鳴岬が出したのか……

「く……確かにそうだが……」

「代わりと言ってはなんだが、その帽子はお前にやるよ」

「お前のと同じ帽子か?」

「ああ、なかなか無いレア物の帽子だよ」

俺が言うとしばらく帽子を見つめたのち、美咲はそれを被った。

「……ま、いいか。そう言う約束だったしな。今日の収穫はこの帽子だけで良しとしとくぜ」

帽子を貰った岬がどこか満足げに去って行った。しかし負けたのに何で上からなんだよ。

「コナミ、その帽子私にはくれないの?」

「わたくしめもコナミ様と同じものが欲しいのですが」

「いや、残念だがスペアは1つしかなかったんだよ」

「そう……初対面のあの子にはあげれて私達には無理と?」

「え、いやその……」

「いえいえ、そう言いつつももう2つほど被っていらっしゃるのでは?」

「いやそれはないと今言ったじゃ」

「コナミ、ちょっと帽子を脱いでみなさい」

「いや、生憎帽子は2重にしかかぶってないので……」

「それでも良いのです、わたくしたちは今のやり取りでは消化不足なのでございます」

「そっちの都合は知らないよ、これは俺のアイディンティティだからそうやすやすとは脱げません!」

「逃げたわね」

「追いましょうか?」

「もちろんよ!」

その後俺は1日中、2人から逃げ続けるのだった。

 

 

 




最後にご質問なのですが、《激突!デュエルカーニバル》をプレイした方、勿論してない方にもご質問なのですが、モブキャラの中で気に入ったキャラクターを教えていただけないでしょうか。モブであれば男女は問いませんが、回答が多ければ、女子キャラ優先になると思います。活動報告の方までよろしくお願いします。


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第三十四話 赤帽子の一級先先輩術

 

sideコナミ

 

 

いつもと変わらぬ朝、俺はいつものように目が覚めた。

「……」

訂正しよう。いつもと違う朝、なぜか俺に覆いかぶさるように恵が寝ていたのだ。

「起きた」

どうやら恵は起きているようだ。

「何しているんだ?」

「あなたの体温を測っている」

「そんなことできるのか?」

「私はできる……あなたの体温は一般の男子高校生より高い」

「そりゃ今は布団に入ってるし」

「それを差し引いても高い」

「そうか?」

「もしかして……興奮している?」

「いや全然」

「そう……残念」

「なぜ?そして俺の聞き方が悪かったから改めて聞こう。なぜここにいる?」

「何か思い出したとがなくともいつでも来いと言ったのはあなた」

「そんな感じで言ってたっけ?」

何か飛躍したとらえ方をされてる気がする。

「ナー」

などと話していると、俺の布団から1匹のデブ猫がのっそのっそと這い出てきた。

「猫!」

「なんだファラオがいたのか」

「ファラオ?」

「こいつの名前だよ。俺の体温が高かったのは、こいつがくっついてたからかもな」

「猫……」

「どうした?」

「猫……ねこ……」

「ニャー」

「にゃー」

「ナー」

「なー」

「「にゃー」」

ファラオを見た恵釘付けになって、招き猫のポーズでファラオに呼びかけていた。

「猫好きなのか?」

「……ユニーク」

「そ、そうか」

今のを返事ととらえてよかったのか?

「ナー」

ファラオが俺の膝の上に移動してきた。

「全く、朝だからそんなに出来ないぞ」

そう言って俺はいつものようにファラオの毛づくろいを始めた。

「随分と……あなたに懐いてる」

「味を占めているだけだろ。こいつは長期休暇に贅沢をさせすぎた」

「……私もああしてあげれば……」

「ナー」

突然ファラオが俺から恵の膝に移動した。

「なんだ、やっぱり女の子の膝の方がいいのか?」

「ナー」

「えっと……こういう時どうすれば?」

「とりあえず撫でれば、あごの下あたりを」

「こう」

あごを撫でられたファラオがゴロゴロとのどを鳴らして喜んでいる。どこか恵も楽しそうだ。

「そろそろ朝食の時間かな」

「なら私は帰る」

「帰るのか?」

「レッド寮の少ない食事をもらうわけにはいかない」

「そう言う常識はあるんだな」

「じゃあ、また」

「ああまたな」

そう言って恵は部屋を出て行った。

「……ファラオ連れて行っちまった。ま、いいか」

 

恵を見送った後、朝食を終えアカデミア本館へ登校。

「大変です!遅れてしまいます!」

べたなことを呟きながら1人の少女が後ろから走ってきた。

「あ、おはようございます、コナミ先輩」

挨拶をされ振り向くと、その少女は長谷部遥だった。

「おはよ。遅れるって、まだそんな時間じゃないだろ」

「いえ、私は風紀委員の集まりがあるので」

「そうか、大変だな」

「そんなことはないですよ。……そのコナミ先輩、昨日の事なんですが……」

「昨日のこと?……あ、15分を回った」

「え!た、大変です!集まりは20分からなのに!それでは私は先に行きますね!」

そう言って遥が走り出した時だった。

「きゃっ!」

いまどきべたなぐらい派手に転んだ。

「だ、大丈夫か?」

とりあえず近づいて手を差し出した。

「う、うう……大丈夫ですが……」

遥かは頻りにスカートを気にしていた。うんわかるよ。この後お前は『見ました?』と俺に言ってくる。安心しろ俺は紳士だ『見てない』『なにをだ』と言った感じで流すし、『え?なんだって?』と質問自体を流したっていい。お前に恥をかかせやしないよ。

「色は?」

「白」

「見たんですね!」

「しまったー!」

何だ今の華麗な質問は、『色は』なんて見た前提の質問されたらそりゃ答えちまうよ、ほんとは見てるんだから。

「う、うぅ……男子に下着を見られるなんて……私は不埒な女です!ごめんなさい麗華先ぱーーい!」

泣きそうな声で叫びながら遥は校内に走り去っていった。

「変な誤解を生む言葉を叫ぶなよ」

「なにが誤解だ?」

俺に声をかけてきたのは、昨日俺と死闘を繰り広げたジャッカル岬だった。今日は朝から後輩によく会うな。

「ああ岬かっ!」

岬の姿を見た俺は思わず自分の頭上を確認した。

「いや、これはお前のじゃねーよ、つーか昨日お前がくれた奴じゃねーか」

「そう言えばそうだったな。いやあまりにも似合っていたもんで、残念なことに」

「残念なのか?」

「当然だ。その帽子は俺のアイディンティティ、俺以外に似合っている者がいては困る」

「じゃあなんで渡したんだよ?」

「そりゃ……その場ののりだ。まさか本当に被るとも思ってなかったし」

「ははは、そいつは残念だったな、俺はこの帽子を結構気に入ってるぜ」

「まあ後輩に物を上げるなど初めての事だからな。気に入らなかったらそれはそれでショックだっただろうな」

「何だそれ、どっちつかずだな。はは」

軽く笑った後、岬は校舎とは正反対の方向に帰って行った。

「おい」

「あ、なんだよ?」

「何故校舎と反対方向に向かう?」

「最初の授業は俺の苦手分野だしふける」

「……まあ俺もあまり強く言える身じゃないが、ちゃんと出た方がいいぞ」

「……」

「聞こえなかったのか……まいいか」

 

 

そして今日も1日の授業が終わった。普段なら少ししたら雪乃や紫あたりが俺のところに来るのだが、今日は珍しく誰も来ない。やった自由だ!

「あ……」

「げ……」

特に目的もなく歩いていると委員長と遥に出会った。

「……」

遥は今朝の件もあって気まずいのか俺から目をそらした。

「どうかしたのですか遥?」

「い、いえなんでもないですよ!」

「そうですか。ですがちょうどよかったです。コナミさん、今時間はありますか?」

「まあ特に予定はないが」

「それでは遥とデュエルをしてくれませんか」

「え?」

「え?」

俺に続いて遥も疑問を投げかけた。当の本人も理解していなかったのか?

「麗華先輩、どういうことですか?」

「たしか今日はあなたのデュエルの特訓に付き合う約束をしていましたよね」

「はい」

「ですが申し訳ないことに、急に今日は委員長と会う事になってしまいまして」

委員長が委員長とあう?

「委員長は麗華先輩の事じゃ?」

「失礼、言葉が足りませんでしたね。1年の学級委員長に学年の活動についての相談を受けまして」

「1年の委員長?」

「ええ、確か神導さんと言いましたっけ」

神導……うん聞いたことないな。

「と言うわけで申し訳ありません、遥」

「いえいえ、これも麗華先輩の人徳と言うものですから気にしないでください!」

「では、コナミさん、よろしくお願いします」

「え?あ、ああ」

そして委員長は遥を俺に託して去って行った。

「……」

遥はモジモジしながら何か言いたそうにしているが……

「……まあ委員長はああいっているが、無理して俺と戦わなくてもいいぞ」

「いえ、無理などではなく、その……」

少しため込んだ後、意を決したように話し始めた。

「今朝は申し訳ありませんでした!その、ちょっと取り乱してしまいまして」

「いや、むしろお礼、いや謝るのはこっちだよ、事故とはいえ勝手に見てしまって」

危ない危ない、あわや本音が出るところだった。

「でどうする?デュエルの練習、無理にしなくてもいいが」

「それは麗華先輩のせっかくの計らいですし」

「別に委員長も強制したわけじゃないと思うが」

「いえ、それ以外にも先輩とデュエルしたい理由はありますし」

「違う理由が?」

「ええ、先輩は麗華先輩よりも強いそうですから、是非一度手合せしてみたかったのです」

「まあ、1度勝っただけだから厳密に強いとは言えないが」

「いえ、今まで私が1度も勝てなかった麗華先輩に1度でも買っているあなたはすごいことですよ」

まあ1度と言うか、1階しかデュエルしてないんだが。

「まあとりあえず、デュエルはするという方向でいいんだな」

「はい、では時間も惜しいですしさっそく行動しましょう」

「じゃあデュエルのできる場所に移動しようか。委員長とはどこでデュエルするつもりだったんだ?」

「ブルーの女子寮前でしたが、あなたとでしたらそこはまずいですかね」

「じゃ、レッド寮でいいか。そんな熱心にデュエル見に来るやつもいないし」

 

そして俺と遥はレッド寮に向かった。

「あ!コナミ先輩、少々待っていてもらってもよろしいでしょうか?」

「ああ、いいけど」

「ありがとうございます」

そう言うと遥が誰かのもとに走って行った。

「あの帽子……」

見間違えるわけもない、あの帽子はジャッカル岬だ。

「ジャッカル岬さん、あなたまた授業に出ていませんでしたね!」

「ああ?今日は気分が乗らないからパスしたんだよ」

「そんな理由がまかり通りますか!」

「急に声を上げるにょ。もう今日の事は過ぎたんだからいいだろ」

「全く、明日はかならず出てくださいよ」

「はいはい。つーかお前今日は委員会でなくていいのか?」

「今日は委員の仕事はありません。これからコナミ先輩にデュエルの練習に付き合ってもらうところなのです」

「へぇ、お前がこいつとか。面白そうだな!俺もついて行っていいか?」

「え?ま、まあ他者のデュエルを見物することも自信の発展につながりますし、私は構いませんが」

「俺も別にかまわないぞ」

「よっしゃ、じゃあまたお前のデュエルを見せてもらうぜ」

 

タララララン♪ジャッカル岬が仲間に加わった。なんて音楽を脳内再生してみたり。

とにかくレッド寮に向かうのは2人から3人になった。

「ここがレッド寮か。いい雰囲気だな」

「そうでしょうか?少々古びすぎな気も、ここに住むと言うのは……は!すいません変なことを口走って!」

「いや、遥の判断が普通だと思うぞ」

「だろうな、だが俺は好きだぜ。ブルー寮みたいに着飾った場所はあんま好みじゃねーんだよ」

岬の価値観は俺と近いものがあるようだな。

「デュエルならこの裏でやろう」

そう言って俺は2人を案内した。

「おかえり」

「ただいま……ってなんでいるの」

「ファラオを返しに」

「ナー」

レッド寮の裏にはファラオを抱いた恵がいた。

「誰だコイツ?」

「同じ1年のレイン恵さんですよ。全く、授業に出ないから同級生の顔も覚えられないのですよ」

「いや、俺は授業に出ても強くねー奴は覚えられねー自信があるぜ」

「全くあなたは……」

「ところで……3人はいったい何を?」

「まあ、訳合ってこの遥とデュエルすることになった」

「俺は傍観希望者だ」

「そう……まあ、よくあること」

そりゃアカデミアで生徒同士がデュエルするのは良くあることだろうな。

「コナミ先輩、時間が惜しいですし、そろそろ始めませんか?」

「あ、ああ、じゃあ始めるか」

俺と遥はディスクを構えて向かい合った。

「それでは、いざ尋常に」

 

 

 

 

「「デュエル」」

 

 

1ターン目:遥

「先攻はそっちからでいいよ」

「では、私のターン、《フレムベル・ドラグノフ》を守備表示で召喚します」

 

フレムベル・ドラグノフ

効果モンスター

星2/炎属性/ドラゴン族/攻1100/守 200

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

相手ライフに500ポイントダメージを与える。

また、自分の墓地のこのカードと自分フィールド上に表側表示で存在する

炎属性モンスター1体をゲームから除外して発動できる。

デッキから「フレムベル・ドラグノフ」1体を手札に加える。

 

「さらに永続魔法《悪夢の拷問部屋》を行使します」

 

悪夢の拷問部屋

永続魔法

相手ライフに戦闘ダメージ以外のダメージを与える度に、

相手ライフに300ポイントダメージを与える。

「悪夢の拷問部屋」の効果では、このカードの効果は適用されない。

 

「あのカードは確か委員長も使っていたバーンを増量させるカード」

「その通りです。これで私のターンは終了です」

 

LP4000

手札 4

モンスター フレムベル・ドラグノフ(守)

魔法・罠 悪夢の拷問部屋

 

2ターン目:コナミ

「俺のターン」

伏せカードなしか。なら臆することはないな。

「《スピード・ウォリアー》を召喚。バトル、《スピード・ウォリアー》で《フレムベル・ドラグノフ》を攻撃。《スピード・ウォリアー》は召喚したターンのバトルフェイズのみ攻撃力が倍となる」

《スピード・ウォリアー》 ATK900→1800

「なるほど、ではこの瞬間《フレムベル・ドラグノフ》の効果発動。このカードが戦闘で破壊されたとき、相手に500のダメージを与えます」

「やはりバーン効果を使ってきたか」

「《悪夢の拷問部屋》も合わせて800のダメージです!」

「くっ!」

コナミLP4000→3500→3200

「これでターン終了だ」

《スピード・ウォリアー》 ATK1800→900

 

コナミ

LP4000

手札 5

モンスター スピード・ウォリアー(攻)

魔法・罠 なし

 

3ターン目:遥

「私のターンです。《フレムベル・グルニカ》を召喚します」

 

フレムベル・グルニカ

効果モンスター

星4/炎属性/ドラゴン族/攻1700/守 200

このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターのレベル×200ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

「《フレムベル・グルニカ》で《スピード・ウォリアー》を攻撃します」

「くぅ!」

コナミLP3200→2400

「そして《フレムベル・グルニカ》の効果を行使します。相手モンスターを破壊した時、そのレベル×200のダメージを与えます」

「戦闘しつつのバーン効果か」

コナミLP2400→2000→1700

「これでターン終了です」

 

LP4000

手札 4

モンスター フレムベル・グルニカ(攻)

魔法・罠 悪夢の拷問部屋

 

4ターン目:コナミ

「俺のターン、《アンノウン・シンクロン》の効果発動。相手のフィールドにのみモンスターが存在する時、こいつは手札から特殊召喚できる」

 

アンノウン・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

「アンノウン・シンクロン」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

 

「続けて《ジャンク・ブレーダー》を召喚。レベル4の《ジャンク・ブレーダー》に、レベル1の《アンノウン・シンクロン》をチューニング!」

☆3+☆2=☆5

「大地の痛みを知る戦士よ、その健在を示せ。シンクロ召喚!傷だらけの戦士《スカー・ウォリアー》」

 

スカー・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

☆5/地属性/戦士族/攻2100/守1000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は表側表示で存在する他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。

また、このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

「来ましたか、シンクロモンスター」

「《スカー・ウォリアー》で《フレムベル・グルニカ》を攻撃」

「うぅ!」

遥LP4000→3600

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP1700

手札 3

モンスター スカー・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

5ターン目:遥

「私のターン、《UFOタートル》を守備表示で召喚します」

 

UFOタートル

効果モンスター

星4/炎属性/機械族/攻1400/守1200

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

デッキから攻撃力1500以下の炎属性モンスター1体を

表側攻撃表示で特殊召喚できる。

 

「カードを1枚伏せ、ターン終了です」

 

LP3600

手札 4

モンスター UFOタートル(守)

魔法・罠 悪夢の拷問部屋

 

6ターン目:コナミ

「あいつはモンスターを1体出しただけでまた伏せカードなしか」

「でもあれはリクルートモンスター……あの壁を超えるのは容易ではない」

恵の言う通りあのモンスターを戦闘で破壊しても別のモンスターが出るだけだ。だが今は他の方法では除去できないしな。

「俺のターン、《ダッシュ・ウォリアー》を召喚」

 

ダッシュ・ウォリアー

効果モンスター

星3/風属性/戦士族/攻 600/守1200

このカードが攻撃する場合、ダメージステップの間

このカードの攻撃力は1200ポイントアップする。

 

「バトル、《ダッシュ・ウォリアー》で《UFOタートル》を攻撃」

「《UFOタートル》の守備力より低い攻撃力のモンスターで攻撃ですか?」

「《ダッシュ・ウォリアー》は攻撃するダメージステップの間のみ攻撃力が1200アップする」

《ダッシュ・ウォリアー》 ATK900→1800

「なるほど、そのような効果がありましたか。では《UFOタートル》の効果を発動します。デッキから攻撃力1500以下の炎属モンスター1体を特殊召喚します。《UFOタートル》を特殊召喚」

《ダッシュ・ウォリアー》 ATK1800→600

「《スカー・ウォリアー》で《UFOタートル》を攻撃」

遥LP3600→2900

「くぅ……《UFOタートル》の効果により《フレムベル・パウン》を特殊召喚します」

 

フレムベル・パウン

効果モンスター

星1/炎属性/炎族/攻 200/守 200

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

デッキから守備力200のモンスター1体を

手札に加える事ができる。

 

「カードを2枚伏せてターン終了だ」

 

コナミ

LP1700

手札 3

モンスター スカー・ウォリアー(攻)

      ダッシュ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

7ターン目:遥

「私のターンです。《フレムベル・パウン》を生贄に《フレムベル・デスガンナー》を召喚します」

 

フレムベル・デスガンナー

効果モンスター

星6/炎属性/炎族/攻2200/守 200

このカードは特殊召喚できない。

自分フィールド上に存在する「フレムベル」と名のついたモンスター1体を

リリースした場合のみ召喚する事ができる。

1ターンに1度、自分の墓地に存在する守備力200の

モンスター1体をゲームから除外する事で、

除外したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

「《フレムベル・デスガンナー》の効果を行使します。墓地の《フレムベル》1体を除外することでその攻撃力分のダメージを与えます。《フレムベル・グルニカ》を除外し、1700のダメージを与えます!」

「一気に1700のダメージだと!」

「《悪夢の拷問部屋》も合わせれば2000……もっとも1700でもコナミのライフは0になってしまう……」

「ならば、リバースカード発動《ダメージ・ダイエット》このターン受ける全てのダメージを半分にする」

 

ダメージ・ダイエット

通常罠

このターン自分が受ける全てのダメージは半分になる。

また、墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、

そのターン自分が受ける効果ダメージは半分になる。

 

コナミLP1700→850→700

「やりますね。ですがまだ《フレムベル・デスガンナー》の攻撃が残っています!《フレムベル・デスガンナー》で《ダッシュ・ウォリアー》を攻撃!」

「これ以上のダメージはまずいな、罠カード発動《攻撃の無敵化》相手の攻撃時に発動し、このターンのダメージを0にする」

「攻撃の方も防がれるとは、永続魔法《強欲なカケラ》を発動し、ターン終了です」

 

強欲なカケラ

永続魔法

自分のドローフェイズ時に通常のドローをする度に、

このカードに強欲カウンターを1つ置く。

強欲カウンターが2つ以上乗っているこのカードを墓地へ送る事で、

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

 

LP2900

手札 4

モンスター フレムベル・デスガンナー(攻)

魔法・罠 悪夢の拷問部屋

     強欲なカケラ

 

8ターン目:コナミ

「俺のターン、《ジャンク・シンクロン》を召喚。効果で墓地の《スピード・ウォリアー》を特殊召喚。

 レベル5の《スカー・ウォリアー》に、レベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

☆5+☆3=☆8

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

「来たぜ!《スターダスト・ドラゴン》!」

「コナミの切り札……」

「ついに現れましたか」

「バトル、《スターダスト・ドラゴン》で《フレムベル・デスガンナー》を攻撃」

「あぅっ!」

遥LP2900→2600

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP700

手札 3

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

      スピード・ウォリアー(守)

魔法・罠 セット×2

 

 

side遥

 

9ターン目:遥

コナミ先輩の切り札《スターダスト・ドラゴン》、以前はその効果まで見ることはできませんでしたが、このモンスターならおそらく倒せるでしょう!

「私のターン、今私の墓地のモンスターは5体の炎属のみ。よってこのカードを特殊召喚します。来てください《炎霊神パイロレクス》!」

 

炎霊神パイロレクス

効果モンスター

星8/炎属性/恐竜族/攻2800/守2200

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地の炎属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。

このカードが特殊召喚に成功した時、

相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを破壊し、

お互いに破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを受ける。

「炎霊神パイロレクス」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

このカードがフィールド上から離れた場合、

次の自分のターンのバトルフェイズをスキップする。

 

「最上級モンスターをいきなり特殊召喚した……」

「しかも俺のような妥協召喚じゃねー、完全な状態で!」

「《炎霊神パイロレクス》の特殊召喚に成功した時、フィールドのモンスター1体を破壊し、その攻撃力の半分のダメージをお互いのプレイヤーに与えます!」

「破壊効果まで……そのうえの火力効果」

「このダメージが通ったらコナミの負けだぞ!」

「私が破壊するのは《スターダスト・ドラゴン》!このダメージを受けても私のライフは残りますが先輩のライフは0、私の勝ちです」

「残念だけど、《スターダスト・ドラゴン》の効果発動。このカードを生贄にすることで、カードを破壊する効果を無効にし破壊する」

「なっ!」

そのような効果があろうとは!

「破壊されるのは《炎霊神パイロレクス》の方だよ」

「そ、速攻魔法《禁じられた聖衣》を発動します。《炎霊神パイロレクス》の攻撃力を600下げ、このターン効果による破壊を受けなくなります」

 

禁じられた聖衣

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

エンドフェイズ時まで、

選択したモンスターは攻撃力が600ポイントダウンし、

カードの効果の対象にならず、カードの効果では破壊されない。

 

《炎霊神パイロレクス》 ATK2800→2200

「だが《スターダスト・ドラゴン》の効果は対象を取らない効果。俺への効果ダメージは無効となる」

「そのようですね。《炎霊神パイロレクス》で《スピード・ウォリアー》を攻撃。カードを1枚伏せターン終了です」

「エンドフェイズに生贄にした《スターダスト・ドラゴン》は復活する」

《炎霊神パイロレクス》 ATK2200→2800

 

LP2600

手札 1

モンスター 炎霊神パイロレクス(攻)

魔法・罠 悪夢の拷問部屋

     強欲なカケラ

     セット×1

 

10ターン目:コナミ

「俺のターン、罠カード《バスターモード》を発動。《スターダスト・ドラゴン》を生贄に、デッキから《スターダスト・ドラゴン/バスター》を特殊召喚する!」

 

スターダスト・ドラゴン/バスター

効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

このカードは通常召喚できない。

「バスター・モード」の効果及び

このカードの効果でのみ特殊召喚する事ができる。

魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、

このカードをリリースする事でその発動を無効にし破壊する。

この効果を適用したターンのエンドフェイズ時、

この効果を発動するためにリリースされ墓地に存在するこのカードを、

自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

また、フィールド上に存在するこのカードが破壊された時、

自分の墓地に存在する「スターダスト・ドラゴン」1体を特殊召喚する事ができる。

 

「《スターダスト・ドラゴン/バスター》!」

あの時デュエルを決したモンスターが……

「バトル、《スターダスト・ドラゴン/バスター》で《炎霊神パイロレクス》を攻撃」

「ぐぅぅ……」

遥LP2600→2400

「この瞬間、罠カード《白兵戦》を発動します」

 

白兵戦

通常罠

自分が戦闘またはカードの効果によってダメージを受けた時に発動する事ができる。

相手ライフに700ポイントダメージを与える。

自分の墓地に「白兵戦」が存在する場合、

さらにその枚数分だけ相手ライフに300ポイントダメージを与える。

 

「あなたのライフは残り700、このダメージで私の勝ちです!」

《スターダスト・ドラゴン》が無効に出来るのは破壊に関する効果だけ、この効果なら!

「残念だが、《スターダスト・ドラゴン/バスター》の効果発動。このカードを生贄にすることで、カードの発動を無効にする」

「生贄にするだけであらゆるカードを無効に!」

「よって《白兵戦》による俺へのダメージは無効。これでターン終了だ。そして《スターダスト・ドラゴン/バスター》も自信の効果で生贄にした場合、エンドフェイズに蘇る」

 

コナミ

LP700

手札 2

モンスター スターダスト・ドラゴン/バスター(攻)

魔法・罠 なし

 

11ターン目:遥

「私のターン、魔法カード《ミスフォーチュン》を発動します。《スターダスト・ドラゴン/バスター》の攻撃力の半分のダメージを先輩に与えます」

 

ミスフォーチュン

通常魔法

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

このターン自分のモンスターは攻撃する事ができない。

 

「このダメージはまずいな。《スターダスト・ドラゴン/バスター》の効果発動。このカードをリリースし、そのカードを無効にする」

ですがこれで先輩のフィールドに私を妨害するカードはなくったはずです。

「ここで《強欲なカケラ》の効果を発動します。このカードを墓地に送り、デッキからカードを2枚ドローします。」

「だが《炎霊神パイロレクス》の効果でこのターンバトルフェイズは行いないはずだ」

「ええ、ですがたった700のライフを削るだけなら方法はあります!《ファイヤー・トルーパー》を召喚します」

 

ファイヤー・トルーパー

効果モンスター

星3/炎属性/戦士族/攻1000/守1000

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

このカードを墓地へ送って発動できる。

相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

 

「《ファイヤー・トルーパー》は召喚に成功した時、墓地に送ることで1000ポイントのダメージを与えます」

「ここで1000ポイントのバーンだと」

このダメージが通れば私の勝ちです!

「そうはいかない、俺は墓地の罠カード《ダメージ・ダイエット》を発動!」

「墓地から罠ですって!」

異常な行動に思わず声を上げてしまいました。

「このカードを墓地から除外することで、このターン受ける全ての効果ダメージを半分にする」

コナミLP700→200→50

「これも耐えられてしまうとは……カードを2枚伏せてターンを終了します」

 

LP2400

手札 0

モンスター なし

魔法・罠 悪夢の拷問部屋

     セット×2

 

12ターン目:コナミ

「俺のターン、《スターダスト・ドラゴン/バスター》でダイレクトアタック」

特にモンスターの召喚などは行わずに攻撃をしましたか。それなら、

「そう簡単には通しません!罠カード《万能地雷グレイモヤ》を行使します」

 

万能地雷グレイモヤ

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールド上に表側攻撃表示で存在する

攻撃力が一番高いモンスター1体を破壊する。

 

当然このカードは無効にされるでしょうが、それでこのターンは乗り切ることはできます。

「いいだろう、効果は無効にせず《スターダスト・ドラゴン/バスター》を破壊する」

「え?」

どういうことですか?私の予想に反して《スターダスト・ドラゴン/バスター》は破壊されました。

「いったい何をするつもりですか?」

「《スターダスト・ドラゴン/バスター》が破壊されたとき、墓地の《スターダスト・ドラゴン》を復活させる。蘇れ《スターダスト・ドラゴン》」

「そのような効果が!」

ですが言われてみると《デスカイザードラゴン/バスター》にも似たような能力がありました。少し考えれば予想できたことでした、不覚です。

「そしてバトルフェイズはまだ終わっていない。《スターダスト・ドラゴン》でダイレクトアタック」

「させません、罠カード《ガード・ブロック》を発動します。このカードにより、ダメージを0にし、カードを1枚引きます」

引いたカードは《炎の魔精イグニス》。

 

炎の魔精イグニス

効果モンスター

星4/炎属性/炎族/攻1500/守1200

自分フィールド上に表側表示で存在する

炎属性モンスター1体をリリースして発動する。

自分の墓地に存在する炎属性モンスターの数

×100ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

次のターンこのカードの効果を使えば先輩のライフは0になります。そして先輩のバトルフェイズはこれで終わり。これなら!

「手札より速攻魔法《Re-BUSTER》を発動」

「え?」

 

Re-BUSTER

速攻魔法

自分の墓地に存在する「バスター・モード」1枚をゲームから除外して発動する。

自分フィールド上に存在するモンスターを全て破壊し、

自分の墓地に存在する「/バスター」と名のついた

モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、

リリースする事もできず、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 

「《スターダスト・ドラゴン》を破壊し、《スターダスト・ドラゴン/バスター》を特殊召喚する」

「まさか、蘇生させることも想定して《万能地雷グレイモヤ》をうけたのですか!」

「これで終わりだ、《スターダスト・ドラゴン/バスター》でダイレクトアタック!」

「きゃあぁぁ!」

遥LP2400→0

 

Winコナミ

 

 

sideコナミ

 

「負けてしまいました……さすがは麗華先輩に勝ったデュエリストです」

「ま、俺がつえーと認めたデュエリストが委員長の腰巾着に負けるようなことはねーよ」

「なっ、腰巾着何て言い方はないでしょ!」

「いつもベッタリくっついて、どう見ても腰巾着じゃねーか」

「腰巾着じゃないです、長谷部遥です!」

デュエルが終わると2人がさっそく言い合ってた。

「あの2人、結構仲がいい?」

「そう見えるようならば、あなたの精神は……異常」

「いや、喧嘩してるのはわかってるよ。だが喧嘩するほど仲がいいと」

「言いません!」「言わねーよ!」

あれ、聞こえてたか。

「しかしなんで今日に限って雪乃達は来なかったんだ?」

「彼女達ならば、先ほど新任教師と名乗るものに引き止められていた」

「新任教師だれだ?」

「名前はわからない」

「そうか。しかし5月と言うこの中途半端な時期に赴任って……妙だな」

「なにか不安な事でも?」

「……ま、取り越し苦労であることを祈ろうかね」

「違います!」

「違わねーよ!」

「しかしあいつら、いつまで揉めてんだ?」

 

 

 

 

 

side???

 

随分と臆面なくシンクロモンスターとやらを使うのですね。

ですがそれだけにデュエルの腕は立つようですね。

……1度私も直接手合せしてみた方がよろしいのかもしれませんね。

 

 



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第三十五話 見えてきた非日常への兆し

sideコナミ

 

……朝がきた 月曜の朝だ 憂鬱だ。今日はベットに俺しかいない、恵も意外と話せばわかる奴だったな。

「おはよう……」

「なぁ~」

いや居たよ。まあこの様子だとファラオ目当ての可能性もあるが。

「ファラオに会いに来たなら俺の部屋じゃなくて下の食堂とかにいてくれると助かるんだが」

「あなたは……私がいると、迷惑?」

「俺は迷惑ではないが、雪乃達に来るなと言った朝の時間にお前が来てるのを知られたら……俺はどんな顔をすればいいんだ」

「……笑えば、いいと思う」

「それ、ただの現実逃避だよ」

と言うかどこでそのネタ知った、知識偏りすぎだろ。

「とりあえず、朝食に行ってくる」

「行ってらっしゃい」

「部屋を出るときは気をつけろよ」

あいつらに見つかるとめんどうだから

「了解した」

 

 

 

「コナミ、昨夜はお楽しみだったようね」

「はい?何のことでしょうか雪乃さん?」

「今朝、コナミ様の部屋から出て行かれるレイン恵殿を目撃いたしましたもので」

なんでばれた、気をつけろって言ったのに!?

「どうしてかはわからないですけど、ものすごく慎重に階段を下りてました」

気をつけろってそういう意味じゃねーよ、直前の会話から察せよ!?

「もしかしてコナミあの子とそう言う関係に」

「そのような事実はございません!」

普段の2人にゆまとツァンも加わりまさに四面楚歌、なんで朝からこんな目に……

「おはようございます、コナミさん。相変わらず朝からモテモテですね、ふしだらな」

「ああ、おはよう委員長」

「委員長の方から声をかけてくるなんて、珍しいわね」

全くだ、五面楚歌の危機じゃないか!

「はい、昨日のお礼を言おうと思って」

「昨日のお礼?」

「コナミ、あんた委員長にも何か」

「すぐそっちの話に持っていくな!遥のデュエルの相手をしただけだよ」

「麗華様、本当でしょうか?」

「はい昨日は遥の相手をしてくださって助かりました」

「いや、俺もなかなか楽しいデュエルができて良かったよ。わざわざそれを言いに来たのか?」

「それもありますが、もう1つお話がありまして」

「話?」

「はい、昨日私が相談を受けていた神導さんが、あなたに会ってみたいというもので」

「俺に?」

「相変わらずモテるわねコナミ」

「わたくしめ達の知らぬ間にそのような方とも交友を?」

「持ってない、聞き覚えがない名前だよ」

「確かに、相手が会ってみたいって言い方からしてもそうだよね」

「知らない人から好意を持たれたんですか?さすがコナミさんです」

まあ公にシンクロモンスターを使ってれば純粋な興味で会いたいって奴がいてもおかしくはないか。

「それでいいでしょうか?」

「まあ会ってもいい……よね?」

「なんで私たちに確認するのですか?」

うん、ゆまの言う通りなんだけどね。俺の本能がこいつらの了承を得なきゃ後が怖いと告げている。

「まあ、僕は止める理由もないし」

「はい、構いませぬが、わたくしめも一緒に行ってもよろしいですよね?」

「ま、まあ向こうがいいと言えば」

やっぱりそうですよね。しかし“ですか?”じゃなくて“ですよね?”なのが少し怖い……

「ならもちろん私も行くわよ」

「だったら僕も!」

「私も行きます!」

「と、言うことだが、大丈夫か?」

「まあこうなることは予想済みでしたので、向こうには何人か同伴者が来ると前もって伝えておきましたので大丈夫です」

「そっか。で、いつ会えばいいのか?」

「早ければ今日の放課後にでも会いたいと言ってましたね」

「そう、なら今日の放課後でいいよ……ね?」

「ええいいわよ」「はい」「まあ大丈夫だよ」「もちろんでございます」

「では神導さんには私から伝えておきますね」

「了解」

伝えることを伝えた委員長は教室に戻って行った。

 

「とこれで雪乃達って、昨日何してんだ?新任教師と話してたとも聞いているが?」

「ええそうなのよ、突然引き止められて去年の事件を聞かれたわ」

「去年の事件ってあの?」

「はい、コナミ様の偽物が起こした闇のカードの件です」

「闇のカード……うぅ……」

「も、もう過ぎたことなんだから無理に思い出すこともないのに……」

全くだ、いやなことを無理にぶり返すことないのに、なぜそんなことを聞く?

「そう言えばあの方もコナミ様の事をそれなりに聞いてまいりましたね」

「俺の事を?」

「正確にはシンクロモンスターを使う生徒って聞き方だったけど」

「シンクロモンスターを使う生徒?」

新任の教師がシンクロモンスターの存在にそんなに早く気づくか?まあ教師の間では有名なのか?

「で、どんな教師だったんだ?」

「確か名前は青海鱗子(あおみ りんこ)だったかしら?」

青海鱗子、こっちいも聞き覚えがない名だ。

「ちょうどあんな感じの先生でしたよね?」

「そうそうちょうどあんな感じの……と言うかあの人だよ」

ツァンとゆまの差す先には1人の教師が生徒と話していた。

「あの一緒に話してる生徒、幸子だな」

「本当ね、何を話しているのかしら?」

「おそらく僕達と同じだと思うけど?」

「あ、こっちに気づいた」

会話をしていた幸子がこちらに目を向けた。それにつられるように先生も振り向いた。

「ちょっと行ってみるか」

「そうですね、目があったのに無視しちゃ悪いですし」

俺たちは2人のところに歩み寄った。

「おはよう幸子」

「ええ、おはようございます」

なんだろう、

「おはようございます、みなさん改めて昨日はありがとうございました」

「……先生、この方が今はなしていたシンクロ使いのコナミです」

「あなたが?」

「あ、はい、初めましてコナミです」

「なるほど……」

「?」

「そもそもあなたとの接触は私の役目ではありません、今はあなたがここにいる理由を追及するのもお門違いでしょうね」

「!?」

なんだ、この不吉な物言いは?

「おや、予鈴がなってしまいましたね。引き留めてすいませんでした。では」

予鈴がなったのを機に、青海先生は戻って行った。

「幸子、何話してたんだ?」

「ちょっと去年の事を聞かれただけですわ」

「幸子様も同じでございましたか」

「しかし妙ね、あの事件は公にはなっていないのに、何故あの新任教師は知っていたのかしら?」

「そう言われると」

「確かにそうですね」

そういえばそうだったな、俺が直接聞かれたわけじゃないからあまり実感なかったが?

「あの教師、何かある気がするわ」

「どのような根拠で?」

「富豪の勘よ!」

「それはそれは」

だがあながち間違いでもなさそうな勘だな。あの事件はちょっと体調不良の生徒が増えた程度にしか見られなかったはずだ。なのに本質に気づいているとなると……

「あの、もう本鈴が鳴ってしまいますよ」

「ほんとだ、早くいかないと!」

 

 

 

 

 

そして放課後

 

「初めまして神導魔希子(しんどう まきこ)です。あなたがコナミさんですか?」

約束の場所に行くと青い方三つ編みでメガネをかけた少女がいた。

「ああ、初めましてコナミだ、よろしく」

「なかなかまじめそうな子ね」

「でも委員長と少しキャラが被っているわね」

……

「コナミさん……お会いできて光栄です、シンクロ使いの勇士さん」

「勇士って、そんなたいそうな物じゃないよ」

「いえいえ、あなたはそう語るだけの人材なのではないでしょうか?」

「……なあ、君はなぜ俺に会いたいと?」

「純粋にシンクロモンスターが見たかった、と言うのもありますが、私達の目的のためにもあなたとは1度戦っておきたかったので」

「私“達”の目的?」

「ええ、ですがそのことは今はいったん置いておきましょう。このデュエル、あなたもそれなりに楽しめると思いますよ」

「随分な自信だな、楽しみにしているよ」

戦いの前の会話を終え、お互いにディスクを構えた。

「早速始まるようね」

「どっちが勝ちますかね?」

「ま、1年の庶民に負けるようなコナミではないでしょうけど」

…………

「では」

「行くぞ」

「「デュエル!!」」

 

「先攻はあなたからでどうぞ」

「じゃ遠慮なく、俺のターン」

 

 1ターン目:コナミ

 

相手のデッキは未知数だし、先攻でいきなり仕掛けるのは得策ではないか。

「《ボルトヘッジホッグ》を守備表示で召喚。カードを1枚伏せターン終了だ」

まずはこれで様子を見る。

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター ボルトヘッジホッグ(守)

魔法・罠 セット×1

 

 2ターン目:魔希子

 

「では、私のターンです。低級モンスターを守備表示で出しただけと言うことは、まだ様子見と言うことでしょうか?」

うわ、ばれてる。

「それならば、まだ私も本気を出す必要はなさそうですね。《魔導剣士 シャリオ》を召喚します」

 

魔導剣士 シャリオ

効果モンスター

星4/風属性/魔法使い族/攻1800/守1300

1ターンに1度、手札から「魔導書」と名のついた

魔法カードを1枚捨てて発動できる。

自分の墓地の魔法使い族モンスター1体を選択して手札に加える。

 

なんだあのモンスター?俺ですら初めて見るぞ?

「珍しいモンスターね」

「はい、初めて目にします」

どうやら他の皆も同じようだな。

「バトルです。《魔導剣士 シャリオ》で《ボルトヘッジホッグ》を攻撃します」

「それは通すよ」

「メインフェイズ2に私は速攻魔法《魔導書整理》を発動します」

 

魔導書整理

速攻魔法

自分のデッキの上から3枚カードをめくり好きな順番でデッキの上に戻す。

相手はそのカードを確認できない。

 

デッキのカードを確認?いったい何の目的で?

「そして永続魔法《デーモンの宣告》を発動します」

 

デーモンの宣告

永続魔法

1ターンに1度だけ、500ライフポイントを払い

カード名を宣言する事ができる。

その場合、自分のデッキの一番上のカードをめくり、

宣言したカードだった場合手札に加える。

違った場合はめくったカードを墓地へ送る。

 

なるほど、そうゆうコンボか。

「ライフを500支払い《デーモンの宣告》の効果を発動します」

魔希子LP4000→3500

「私は《魔法吸収》を宣言します」

「ま、そりゃ当たるよな」

「そして手札に加えた《魔法吸収》を発動します」

 

魔法吸収

永続魔法

魔法カードが発動する度に、このカードのコントローラーは

500ライフポイント回復する。

 

「これでターン終了です」

 

魔希子

LP3500

手札 3

モンスター 魔導剣士 シャリオ(攻)

魔法・罠 デーモンの宣告

     魔法吸収

 

 3ターン目:コナミ

 

「俺のターン」

魔法カードを発動するとライフを回復されるが、次のターンもまた《デーモンの宣告》でライフは払うだろう。なら今のうちにこっちから仕掛けてみるか。

「魔法カード《磁力の召喚円 LV2》を発動」

 

磁力の召喚円 LV2

通常魔法

手札からレベル2以下の機械族モンスター1体を特殊召喚する。

 

「このカードの効果で手札のレベル1の機械族モンスター《チューニング・サポーター》を特殊召喚する」

「魔法カードが発動したことにより、《魔法吸収》の効果で私のライフは500回復します」

魔希子LP3500→4000

「かまわない、続けて《ハイパー・シンクロン》を召喚」

 

ハイパー・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星4/光属性/機械族/攻1600/守 800

このカードがドラゴン族モンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターは攻撃力が

800ポイントアップし、

エンドフェイズ時にゲームから除外される。

 

「《チューニング・サポーター》はシンクロ素材となるとき、レベル2として扱うことができる」

「シンクロ素材、と言うことは……来るのですね」

「レベル2となる《チューニング・サポーター》にレベル4の《ハイパー・シンクロン》をチューニング」

☆4+☆2=☆6

「気高き雄叫びが眠れる闘志を震わせる、シンクロ召喚!現れよ《マイティ・ウォリアー》!」

 

マイティ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星6/地属性/戦士族/攻2200/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

 

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドローする」

「なるほど……これがシンクロ召喚ですか」

「バトル《マイティ・ウォリアー》で《魔導剣士 シャリオ》を攻撃」

「うぅぅ!」

魔希子LP4000→3600

「さらに《マイティ・ウォリアー》の効果発動。このカードが戦闘で破壊したモンスターの半分の攻撃力を相手に与える」

「きゃ!」

魔希子LP3600→2700

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

コナミ

LP4000

手札 2

モンスター マイティ・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×2

 

「見せていただきましたよ、あなたのシンクロモンスターの一端を」

「どうでしたか?」

「しかし、想定内の物ですね。まだ本気ではないのでは?」

「……そんなに俺の力を見たいのか?」

「ええ、私達の目的のためにもあなたの詳しい正体も知っておきたいので」

「詳しい正体?」

前にもこんなことあった。つまり……

「この帽子はそう簡単には脱げないぞ!俺のアイディンティティだからな」

「何の話をしているのですか?」

「あれ、帽子の話を

「そんな話をいつしましたか?私達と似た境遇にいるあなたの正体を確認したいと言っているのです」

「似た境遇?」

「ええ、私はあなたと同じ

 

 

 

 

          未来人なのですから」



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第三十六話 新たなる未来のモンスター降臨

side恵

 

放課後……私は、ある理由により港に向かっていた。

朝、コナミと別れた後、いつも通り授業へ向かった。私の使う机はいつも決まっている。

「?」

机に付くと、中に1枚の紙が入っていた。

『拝啓 レイン恵様 以前からあなたのデュエルに興味があるのですが、是非1度、私とお会いしてはくれないでしょうか。もしよろしければ本日の放課後、港の灯台付近でお待ちしております』

それが手紙の内容だった。特に断る理由も無かったので、その頼みを受け入れることにした。そして現在に至る。

 

「おはようございます、ジャッカル岬さん。最も、もうこんにちはの時間ですが」

「おう……長谷部遥だっけ?」

「はい。授業を休んでのお昼寝はどうでしたか?」

「ああ、無醒完睡だったぜ!」

「……少しは罪悪感を持ってください!!」

「なんだよ!?急に耳元で怒鳴るなよ!」

「それとそんな言葉はありません、あるのは半醒半睡だけです!」

港に着いた。私が見たのは、いつも通り口論するジャッカル岬と長谷部遥だった。

「あなた達なの……?」

「はい?えっとあなたは確か」

「こないだ猫と一緒にいた、えっと……何だっけ?」

「レイン……恵」

「そうそう、レイン恵だったな」

声をかけてみたが、反応を見る限り違うようだ。それでも一応直接聞いて確認してみるべきか……

「全く……ところでレイン恵さん、今の私達と言うのは何がでしょうか?」

「この手紙で……私を呼び出したのは…あなた達?」

持っていた手紙を見せながら私は2人に聞いた。

「いえ、私は見おぼえないですね。ジャッカル岬さんは?」

「いや、知らねーな。つーかジャッカル岬さんっていちいち長ったらしい、岬でいいよ」

2人ではなかった。とすると……まだ来てない……

「銀髪のツインテール……あの?レイン恵さんですよね?」

私がそう思考している最中、後ろから1人の少女が私に声をかけてきた。ピンクの髪を束ねて丸め、団子状に結っている小柄な少女だった。

「そう……それは、私……」

「うわー、来てくれたんですね!」

「なら、この手紙は……」

「はい!それを書いたのはまいちゃんです!あ、まいちゃんは善羽麻衣って言います!」

彼女は必要以上に明るく、かわいらしい笑顔を浮かべているけれど……何故か裏を感じる。

「なんだ?あの綿裏包針な笑顔の女は?」

「同じ1年の善羽麻衣さんですよ。本当に人を知らないのですね」

ジャッカル岬も同じ意見のようだ。そして長谷部遥の方はもともと彼女を知っているようだ。

「善羽麻衣……あなたは」

「まいでいいですよ」

「そう……なら、麻衣。この手紙では、私のデュエルに興味がある……とのことだけれど」

「はい、恵さんの持っているシンクロモンスターにまいちゃんはとっても興味があるのです」

「シンクロモンスター……」

「何!お前もシンクロモンスターを持っているのか!」

「そう言えばあなたは知らなかったのですね」

……シンクロモンスターへの興味……それはおかしなことではないであろう。しかし……

「なぜあなたがそのことを……私はコナミとのデュエル以外ではこのカードを使うのを控えていたはず」

「まいちゃんもいろいろある身なので、ちょっと調べちゃいました」

相変わらず悪意のない笑顔で答える彼女。しかし……やはりどこか不純なオーラを感じる。

「調べちゃいました、でわかるもんなのか?」

「さ、さあ、どうなのでしょうか?彼女の事は私も詳しくは知らないので」

「撲朔謎離ってやつか?」

「……素直な子だとは思いますが。学園内にはまだ数名ですが、彼女のファンもすでに数名存在するとか」

「ふーん」

「あと、撲朔謎離は確かに謎と言う文字を含みますが、性別が謎の人に使う言葉であって、この場合の用途は間違っていますよ」

「……もちろん知ってて使ったぜ、あいつ性別ちょっとわかりずらいじゃん」

「そんなわけないでしょ、目を逸らさないでください!」

たしかに交流が広ければ、どこかから情報を得ることは……不可能ではないかもしれないが……

「目的がシンクロモンスターならば、私は……力になれないと思う」

「ええっ、どうしてですか!?」

「私は、気づいたらこのカードを手にしていた、何処で手に入れたか、このカードがなんなのか、私にはわからない」

「そうですかぁ…なら、とりあえず!まいちゃんとデュエルしてくれませんか!?」

「デュエル?」

「そうです!デュエルしたら何かを思い出すかもしれませんし、それにまいちゃんもあなたに見せたいものがありますし」

「見せたいもの……わかった」

「本当ですか!それじゃあ早速始めちゃいましょう!」

「なあ、ここでデュエルするなら観戦してていいか?こいつのシンクロモンスターも見てみて―んだ」

「こいつじゃなくて恵さんでしょ。すみません、ご迷惑でなければ観戦していてもよろしいでしょうか?」

「なんだ、お前も興味あるのか?」

「一応は、シンクロモンスターについては私もまだ知らないことが多いので」

「私は、構わない。あなたは?」

「うーん……お2人はもうすでにシンクロモンスターを知っているのですよね。と言うことはコナミさんと言う方もご存知ですか?」

「はい。コナミ先輩なら存じていますが」

「おう、俺もこいつもコナミとはデュエルした仲だぜ」

「お前じゃなくて遥です。あと、コナミ“先輩”でしょ」

「堅いやつだな。てかお前もコナミと知り合いなのか」

「いえ、まいちゃんは直接会ったことはありませんが……あの男を知ってる奴なら問題ないか」

「え?なんだって?最後の方、小声で聞こえなかったぞ?」

「いえ、なんでもないですよ。勿論見ていただいても構わないですよ」

「よっしゃ!」

「ありがとうございます」

「じゃあ恵さん、始めましょう!」

「了解……」

 

「「デュエル」」

 

 

 

sideコナミ

 

 

……何を言い出すんだこの女は?俺が未来人だと?ハハッ……なんで知ってんの?

「コナミさんが、未来人……」

「そのような秘密がコナミ様に?」

「ですが、それならばわたくしでさえ知らないモンスターを使っていたのも納得できますけど」

向こうの5人にも聞こえていたか。だがまあ……

「……シンクロモンスターなんて使ってる時点で、今更もう少し秘密が暴露されても大して問題ないか」

「そんな言い方をするということは……本当なのね」

「ちょっと待って、いまあの子私と同じって言ったよね?と言うことはあの子も未来人ってこと!?」

そうだ、あいつも俺と同じでと言った、つまりはあいつも……

「ええ彼女の言う通りです。私も未来人ですよ」

「……お前の言う通り俺は未来人だ。だからこそ断言しよう、お前も未来人などと言うことはありえない!」

「何故そう思うのでしょうか?」

……これに関しては、まだあいつらには黙っていた方がいいか。

「俺の居た未来は、すでに滅んでいる。他に生き残った人類などいるはずがない」

声を潜め、ほかの5人には聞こえないよう神導に話した。

「えっと、今コナミさん、なんて言ったのですか」

「すみませぬ、わたくしめにも聞こえませんでした」

「どうやらコナミがあえて小声で言ったようね」

「わたくしたちに聞かせたくないことってことかしら」

 

「やはりそうでしたか、『そちらの未来』も滅びの道を歩んでいましたか……私たちと同じで」

「『そちらの未来』だと?」

「ええ、確かに私はあなたと同じ未来人ですが、私がいたのは『現在とは地続きですがあなたとは別の未来』なのですよ」

「俺達とは違う未来……だが“『そちらの未来』も”と言うことは」

「……今はデュエルの最中でしたね」

「そうだったな……積もる話はあとにしよう、このデュエルで面白いものを見せてくれるんだろ?」

「ええ、私の未来のデュエルを、篤とご覧に入れましょう!」

「どうやらデュエルを再開したみたいね」

「うん、2人の秘密を知った以上、僕達もさっきまで以上に目が離せなくなったね」

「いったいどんな戦術を使うのでしょうか?」

「未来人と言うことは、あの方もシンクロモンスタアをお使いになるのでしょうか?」

「あるいは、また別の、わたくしたちの知らないモンスターを使うかもしれないわね」

 

 4ターン目:魔希子

 

「私のターン、《デーモンの宣告》の効果を発動します。ライフを500支払い《グリモの魔導書》を宣言します」

魔希子LP2700→2200

「当然正解だろ?」

「ええ」

神童がデッキの上の《グリモの魔導書》を俺に見せながら頷いた。

「え?今のなんでわかったのですか!」

「いやゆま、今のは僕だってわかったよ」

「え?」

「さっきの《魔導書整理》の効果でめくったカードは3枚。そして1枚は前のターンもう1枚はこのターンのドローで引いたけれど、もう1枚はまだデッキの上でしょ」

「そうでございましたか」

「あなたも気づいてなかったのですか!」

 

「そして《魔導弓士 ラムール》を召喚します」

 

魔導弓士 ラムール

効果モンスター

星3/地属性/魔法使い族/攻 600/守2000

1ターンに1度、手札の「魔導書」と名のついた

魔法カード1枚を相手に見せて発動できる。

手札からレベル4以下の魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。

 

また見たことのないモンスターを。

「《魔導弓士 ラムール》の効果を発動いたします。手札の魔法カード《グリモの魔導書》を公開し、《魔導召喚士 テンペル》を特殊召喚します」

 

魔導召喚士 テンペル

効果モンスター

星3/地属性/魔法使い族/攻1000/守1000

自分が「魔導書」と名のついた魔法カードを発動した

自分のターンのメインフェイズ時、

このカードをリリースして発動できる。

デッキから光属性または闇属性の

魔法使い族・レベル5以上のモンスター1体を特殊召喚する。

この効果を発動するターン、

自分は他のレベル5以上のモンスターを特殊召喚できない。

 

「《魔導書》ですか?」

「初めて聞くカテゴリだね」

「これも未来のカードというわけね」

なるほど、カテゴリも未来のカードと言うことか。だがこれが面白いものってことはないだろうな。

「さらに《グリモの魔導書》を発動します」

 

グリモの魔導書

通常魔法

デッキから「グリモの魔導書」以外の

「魔導書」と名のついたカード1枚を手札に加える。

「グリモの魔導書」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

「《トーラの魔導書》を手札に加えます。そして《魔法吸収》の効果で私のライフは500回復します」

魔希子LP2200→2700

「さらに《魔導召喚士 テンペル》の効果を発動します。魔法カードの《魔導書》を発動したターン、このカードをリリースすることで

デッキの闇属性の魔法使い族・レベル5のモンスター《魔導皇士 アンプール》をデッキから特殊召喚します」

 

魔導皇士 アンプール

効果モンスター

星5/闇属性/魔法使い族/攻2300/守2000

このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

魔法使い族モンスター1体と、

自分の墓地の「魔導書」と名のついたカード1枚をゲームから除外して発動できる。

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、

エンドフェイズ時までコントロールを得る。

「魔導皇士 アンプール」の効果は1ターンに1度しか使用できず、

この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。

 

「《魔導皇士 アンプール》の効果を発動します。《魔導弓士 ラムール》と墓地の《グリモの魔導書》を除外することで、あなたの《マイティ・ウォリアー》のコントロールをエンドフェイズまでもらいます」

「コントロール強奪効果だって!」

「この2体の攻撃が通れば、コナミ様のライフは尽きてしまわれます!」

 

「残念ながらこの効果を発動したターン《魔導皇士 アンプール》は攻撃できません」

「そうか」

危なかったー、この攻撃を防ぐカード無かったからな。

「では、《マイティ・ウォリアー》で直接攻撃です!」

「ぐっ!」

コナミLP4000→1800

「カードを1枚伏せて、ターン終了です。これで《マイティ・ウォリアー》のコントロールもあなたに戻ります」

 

魔希子

LP2700

手札 2

モンスター 魔導皇士 アンプール(攻)

魔法・罠 デーモンの宣告

     魔法吸収

     セット×1

 

 5ターン目:コナミ

 

「俺のターン、《ロード・シンクロン》を召喚」

 

ロード・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星4/光属性/機械族/攻1600/守 800

このカードを「ロード・ウォリアー」以外のシンクロ素材とする場合、

このカードのレベルを2つ下げたレベルとして扱う。

このカードが攻撃した場合、そのダメージステップ終了時に

このカードのレベルをエンドフェイズ時まで1つ上げる。

 

「こいつは《ロード・ウォリアー》以外のシンクロ素材となるとき、レベルが1つ下がる」

「つまり2体の合計レベルは8、と言うことですか」

「レベル6の《マイティ・ウォリアー》にレベル2となる《ロード・シンクロン》をチューニング」

☆2+☆6=☆8

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》」

「《スターダスト・ドラゴン》、それが話に聞くあなたの切り札ですか。ではその力……試させていただきます!罠カード《煉獄の落とし穴》を発動します」

 

煉獄の落とし穴

通常罠

相手が攻撃力2000以上のモンスターを特殊召喚した時に発動できる。

その攻撃力2000以上のモンスター1体の効果を無効にし破壊する。

 

「《スターダスト・ドラゴン》の効果を無効にし破壊します」

「それならば、《スターダスト・ドラゴン》の効果をチェーン発動。このカードを生贄に捧げることで、破壊効果を無効にする」

「なるほど、それが破壊を無効とする効果……ですか」

こいつ、知ってて試したんじゃないだろうな?

「カードを2枚伏せターン終了だ。そしてエンドフェイズに《スターダスト・ドラゴン》は蘇る」

 

コナミ

LP1800

手札 1

モンスター スターダスト・ドラゴン(攻)

魔法・罠 セット×4

 

 6ターン目:魔希子

 

「私のターンです、《魔導戦士 フォルス》を召喚します」

 

魔導戦士 フォルス

効果モンスター

星4/炎属性/魔法使い族/攻1500/守1400

1ターンに1度、自分の墓地の

「魔導書」と名のついた魔法カード1枚をデッキに戻し、

フィールド上の魔法使い族モンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターのレベルを1つ上げ、

攻撃力を500ポイントアップする。

 

また《魔導皇士 アンプール》の効果を使うつもりか?だが俺の場には《くず鉄のかかし》がある。まあ伏せカードが4枚もある状況にむやみに攻撃はしてこないだろうが。

「ここで《魔導戦士 フォルス》の効果を発動いたします。墓地の《魔導書庫クレッセン》をデッキに戻すことでこのモンスターの攻撃力を500上げ、レベルを1つ上げます」

《魔導戦士 フォルス》 ATK1500→2000 ☆4→5

「レベルを変化させた?」

だがこれで《魔導皇士 アンプール》の効果は使えなくなった。しかも攻撃力は《スターダスト・ドラゴン》より下のまま?

「ではこちらもご披露いたしましょう、あなたの居た未来とは違う未来のモンスターを」

「俺の居た未来が知らないモンスター……」

「私はレベル5の《魔導皇士 アンプール》と、レベル5となった《魔導戦士 フォルス》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築します!」

☆5×2

「大アルカナの玉座を統べる女帝、魔導の力を我が手に導け!エクシーズ召喚、降臨せよ《魔導皇聖 トリス》!」

 

魔導皇聖 トリス

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/魔法使い族/攻2000/守1700

魔法使い族レベル5モンスター×2

このカードの攻撃力は自分フィールド上の

エクシーズ素材の数×300ポイントアップする。

また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

自分のデッキをシャッフルする。

その後、デッキの上からカードを5枚めくり、

その中の「魔導書」と名のついたカードの数まで

フィールド上のモンスターを選んで破壊する。

その後、めくったカードを好きな順番でデッキの上に戻す。

 

これがシンクロ召喚とは違った、もうひとつの召喚方法……別の未来の可能性、エクシーズ召喚……

「エクシーズモンスター、やはりあの人もわたくしの知らないモンスターを!?」

「同じレベルのモンスタア2体によるカードなしの《融合》のようなものでしょうか?」

「どうやら彼女も未来人と言うのは本当みたいね」

「だ、だけどまだコナミのモンスターの方が攻撃力は上だよ!」

「そ、そうです、まだコナミさんが有利なままです!」

確かに攻撃力は2000だが、当然効果は持っているよな。

「エクシーズモンスターはその素材となったモンスターをORU(オーバーレイ・ユニット)として重ねます」

「素材となったモンスターはそれで終わりではなくモンスターの力として残り続ける。それがエクシーズモンスターか」

「はい。そして《魔導皇聖 トリス》はORUの数×300ポイント攻撃力がアップします」

《魔導皇聖 トリス》 ATK2000→2600

「攻撃力が《スターダスト・ドラゴン》を超えたか」

「このまま攻撃してもよいのですが、エクシーズモンスターはORUを取り除くことで効果を発揮するモンスターです。いまその効果をご覧に入れましょう!」

《魔導皇聖 トリス》 ATK2600→2300

ORUを取り除くということは攻撃力を下げること、そこまでして発動するほど強力な効果なのか?

「《魔導皇聖 トリス》のORUを1つ取り除き、デッキをシャッフルし5枚めくります。その中の《魔導書》の魔法カードの数だけモンスターを破壊することができます!」

「なるほど、そのORUを取り除くことによって、様々な効果を発揮するのがエクシーズモンスターの大きな特徴って訳か」

「はい、その通りです。さすが理解が早いですね」

ま、分析したところでこのまずい状況は変わらないが。

「うまくいけば最大で5枚のカードが破壊できるってわけだよね……なんて強力なの!」

「ですが破壊を介する効果であれば《スターダスト・ドラゴン》で無効に出来ますのでは?」

「そうですよ、コナミさんの《スターダスト・ドラゴン》に破壊効果は通用しません!」

「いいえ、あの効果はおそらく《スターダスト・ドラゴン》では無効に出来ないわ」

「何故でしょうか?」

「あの効果は発動時点では破壊する処理が確定していないわ。ゆえに《スターダスト・ドラゴン》の効果は介入できないのよ」

このカードの効果もずいぶん詳しく知られたものだな。まあほぼ毎回のデュエルで使ってるし、雪乃や幸子ぐらいのデュエリストなら今の処理に気づいてもおかしくないか。

「では、5枚のカードをめくらせていただきます」

めっくたカードは《魔導書士 バテル》《アルマの魔導書》《昇天の黒角笛》《ワンダー・ワンド》《魔導書庫ソレイン》の5枚だった。

「《魔導書》が3枚か」

「ええ、よって3体までのモンスターを破壊できます」

「までってことは、破壊されるのは俺のモンスターだけか」

「はい、《スターダスト・ドラゴン》を破壊します」

「これで攻撃が通ったらコナミさんが負けちゃいますよ!」

「でもコナミの場には伏せカードが4枚もあるし、そう簡単には通さないよ」

ツァンの言う通り、ここは通すわけにはいかないよ。俺の伏せカードの1枚は《くず鉄のかかし》これで攻撃を無効にする」

「伏せカードが4枚、なにか仕掛けているのでしょうが……そうはいきません、速攻魔法《トーラの魔導書》を発動します。このカードの効果でこのターン《魔導皇聖 トリス》は罠カードの効果を受けません」

 

トーラの魔導書

速攻魔法

フィールド上の魔法使い族モンスター1体を選択し、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このターン、選択したモンスターはこのカード以外の魔法カードの効果を受けない。

●このターン、選択したモンスターは罠カードの効果を受けない。

 

「さらに魔法カードが発動したことにより、ライフを500回復します」

魔希子LP2700→3200

これでは《くず鉄のかかし》は使えないか……

「そしてバトルフェイズです。《魔導皇聖 トリス》で直接攻撃です」

「ならば罠カード発動《ピンポイント・ガード》」

 

ピンポイント・ガード

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時、

自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを表側守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはそのターン、

戦闘及びカードの効果では破壊されない。

 

「どんな罠を発動しようとこのターンの《魔導皇聖 トリス》には無力です」

「いいや、このカードは俺のモンスターに対して発動するカードだ。《チューニング・サポーター》を守備表示で特殊召喚する。そしてこのターンこのモンスターは破壊されない」

「自分のモンスターに罠を使い防ぐとは、メインフェイズ2に《デーモンの宣告》の効果を発動します。ライフを500支払い《昇天の黒角笛》を宣言します」

魔希子LP3200→2700

まあ5枚も先のカードを見ているのだからあたるだろうな。しかしあのカードはシンクロメタにもなるカウンター罠……あれをセットされるのはまずいな。

「カードを1枚伏せてターンを終了します」

「エンドフェイズに罠カード《砂利ケーン》を発動する」

 

砂利ケーン

通常罠

自分及び相手フィールド上に存在する

魔法・罠カードを1枚ずつ選択して発動する。

選択したカードを持ち主の手札に戻す。

 

「俺の伏せカードとお前の伏せカードを1枚ずつ手札に戻す」

 

魔希子

LP2700

手札 3

モンスター 魔導皇聖 トリス(攻)

魔法・罠 デーモンの宣告

     魔法吸収

 




最近また更新がまちまちでですみません。
以前募集していたデュエルカーニバルのキャラの案は、いったん打ち切らせていただきます。
まあ、1件しか返信なかったですけど(笑)


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第三十七話 魔への導き、もっとまきまき

 7ターン目:コナミ

 

「俺のターン、《クイック・スパナイト》を召喚」

 

クイック・スパナイト

チューナー(効果モンスター)

星3/地属性/機械族/攻1000/守 800

このカードがシンクロモンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

相手フィールド上に表側表示で存在する

モンスター1体の攻撃力は500ポイントダウンする。

 

「フィールドにチューナーがいることで墓地の《ボルトヘッジホッグ》を特殊召喚する」

「またチューナーを含むモンスターをそろえましたね」

「レベル2の《ボルトヘッジホッグ》とレベル2とする《チューニング・サポーター》にレベル3の《クイック・スパナイト》をチューニング」

☆3+☆2+☆2=☆7

「集いし研磨が孤高の光で大地を照らす、光さす道となれ、シンクロ召喚!輝け《ライトニング・ウォリアー》」

 

ライトニング・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星7/光属性/戦士族/攻2400/守1200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、

相手の手札の枚数×300ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。さらに《クイック・スパナイト》がシンクロ素材となったことで、《魔導皇聖 トリス》の攻撃力は500ダウンする」

《魔導皇聖 トリス》 ATK2300→1800

「シンクロ召喚をしつつ、《魔導皇聖 トリス》の攻撃力も下げるとは!」

「バトル、《ライトニング・ウォリアー》で《魔導皇聖 トリス》を攻撃!」

「あぁっ!」

魔希子LP2700→2100

「さらに《ライトニング・ウォリアー》の効果により、相手の手札1枚に月300のダメージを与える」

「私の手札は3枚、つまり900のダメージですか」

魔希子LP2100→1200

「カードを2枚伏せ、ターン終了だ」

 

コナミ

LP1800

手札 0

モンスター ライトニング・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×3

 

 8ターン目:魔希子

 

「私のターンです。《デーモンの宣告》の効果を発動します。ライフを500支払い《魔導書士 バテル》を宣言します」

魔希子LP1200→700

デッキトップは《魔導書士 バテル》だった。《魔導皇聖 トリス》で確認しているので当然の結果ではあるが。

「《魔導書士 バテル》を召喚します」

 

魔導書士 バテル

効果モンスター

星2/水属性/魔法使い族/攻 500/守 400

このカードが召喚・リバースした時、

デッキから「魔導書」と名のついた魔法カード1枚を手札に加える。

 

「《魔導書士 バテル》の効果により、デッキの《ヒュグロの魔導書》を手札に加えます」

サーチ効果か。

「装備魔法《ワンダー・ワンド》を《魔導書士 バテル》に装備します」

 

ワンダー・ワンド

装備魔法

魔法使い族モンスターにのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。

また、自分フィールド上のこのカードを装備したモンスターと

このカードを墓地へ送る事で、デッキからカードを2枚ドローする。

 

「魔法カードが発動したことにより、ライフを500回復します」

魔希子LP700→1200

「そして《ワンダー・ワンド》の効果を発動します。このカードとを墓地に送りカードを2枚ドローします」

「目立つ攻撃対象を除去しつつ、手札も補充したか」

「……来ましたよ、私のもう1体の切り札が!」

魔希子は4枚のカードを見ながらそう宣言した。

 

 

side魔希子

 

エクシーズモンスターを倒したのは見事でしたが、このカードで、このデュエルも終わらせます!

「手札の《魔導法士 ジュノン》の効果を発動します」

 

魔導法士 ジュノン

効果モンスター

星7/光属性/魔法使い族/攻2500/守2100

手札の「魔導書」と名のついた魔法カード3枚を相手に見せて発動できる。

このカードを手札から特殊召喚する。

また、1ターンに1度、自分の手札・墓地の「魔導書」と名のついた

魔法カード1枚をゲームから除外して発動できる。

フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

 

「《ヒュグロの魔導書》《セフェルの魔導書》《魔導書庫ソレイン》を公開し、《魔導法士 ジュノン》を特殊召喚します」

「最上級モンスターを実質の損失は0で特殊召喚するとは!」

さて、《ライトニング・ウォリアー》は《魔導法士 ジュノン》より攻撃力が低いので問題ないでしょう。問題は伏せカード。あの1枚は最初のターンからずっと伏せられているので今更危険視する必要はないでしょう。

残りの2枚のうち1枚はおそらく先ほど攻撃を防ぐために使おうとした罠カード。それがある限り《魔導法士 ジュノン》の攻撃は通らないでしょう……

「《魔導法士 ジュノン》のもう1つの効果を発動します。墓地の《トーラの魔導書》を除外し、あなたの伏せカード1枚を破壊します」

「くっ、《くず鉄のかかし》が」

狙い通り攻撃を防ぐカードを除去できました。

「続けて《ヒュグロの魔導書》を発動します。《魔導法士 ジュノン》の攻撃力を1000ポイントアップさせます」

 

ヒュグロの魔導書

通常魔法

自分フィールド上の魔法使い族モンスター1体を選択して発動できる。

このターンのエンドフェイズ時まで、

選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、

戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

デッキから「魔導書」と名のついた魔法カード1枚を手札に加える事ができる。

「ヒュグロの魔導書」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

《魔導法士 ジュノン》 ATK2500→3500

「また魔法カードが発動したことにより、ライフを500回復します」

魔希子LP1200→1700

「さらに《魔導書庫ソレイン》を公開し、魔法カード《セフェルの魔導書》を発動します」

 

セフェルの魔導書

通常魔法

自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在する場合、

このカード以外の手札の「魔導書」と名のついたカード1枚を相手に見せ、

「セフェルの魔導書」以外の自分の墓地の

「魔導書」と名のついた通常魔法カード1枚を選択して発動できる。

このカードの効果は、選択した通常魔法カードの効果と同じになる。

「セフェルの魔導書」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

「《ヒュグロの魔導書》を選択して、そのカードと同じ効果を得ます。よって《魔導法士 ジュノン》の攻撃力はさらに1000ポイントアップします」

《魔導法士 ジュノン》 ATK3500→4500

「例によってライフを500回復します」

魔希子LP1700→2200

「攻撃力4500だと!」

この攻撃が通れば私の勝利です!

「行きますよ、《魔導法士 ジュノン》で《ライトニング・ウォリアー》を攻撃します!」

「罠カード発動《スキル・サクセサー》。《ライトニング・ウォリアー》の攻撃力を400アップさせる」

《ライトニング・ウォリアー》 ATK2400→2800

「ですがまだ《魔導法士 ジュノン》の攻撃力の方が上です」

「くっ!だが俺のライフはまだ残る」

コナミLP1800→100

「カードを1枚伏せて私のターンは終了です。そして《魔導法士 ジュノン》の攻撃力を元に戻ります」

《魔導法士 ジュノン》 ATK4500→2500

 

魔希子

LP2200

手札 1

モンスター 魔導法士 ジュノン(攻)

魔法・罠 デーモンの宣告

     魔法吸収

     セット×1

 

 

伏せたカードは先ほどと同じ《昇天の黒角笛》。おそらくコナミさんもそれには気づいているでしょうが、気づいたところでシンクロモンスターを召喚できないのは同じことです。

「俺のターン、たしかにシンクロモンスターは俺のキーカードだが、他に手が無いわけではない。魔法カード《ミラクルシンクロフュージョン》を発動」

 

ミラクルシンクロフュージョン

通常魔法

自分のフィールド上・墓地から、

融合モンスターカードによって決められた

融合素材モンスターをゲームから除外し、

シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を

融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

また、セットされたこのカードが

相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、

自分はデッキからカードを1枚ドローする。

 

「墓地の《スターダスト・ドラゴン》と《ライトニング・ウォリアー》を除外し、《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》を融合召喚」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス

融合・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3200/守2000

ドラゴン族シンクロモンスター+戦士族モンスター

このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。

1ターンに1度、墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体をゲームから除外し、

エンドフェイズ時までそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る事ができる。

また、このカードがフィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、

相手のカードの効果によって発生する自分への効果ダメージは代わりに相手が受ける。

 

「融合召喚ですって!」

《昇天の黒角笛》が無効にできるのがチェーンブロックを作らない特殊召喚のみ、融合召喚とは想定外でした。

「ですが魔法カードが発動したことにより、私はライフを500回復します」

魔希子LP2200→2700

「もう構わないさ。さらに墓地の《スキル・サクセサー》の効果発動。墓地のこのカードを除外し、《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》の攻撃力を800アップさせる」

「墓地から罠ですか……」

またしても想定の範囲外の事を、ですがこの攻撃を受けてもまだ私のライフは残ります。次のカードによってはまだ!

「最後に永続罠《輪廻独断》を発動」

 

輪廻独断

永続罠 (未OCGカード)

発動時に1種類の種族を宣言する。このカードがフィールド上に存在する限り、

お互いの墓地に存在する全てのモンスターを宣言した種族として扱う。

 

「このタイミングでずっと伏せていたそのカードを!?」

「このカードの効果で、すべての墓地のモンスターをドラゴン族に変更する。そして《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》の効果発動。墓地の《マイティ・ウォリアー》を除外しこのターンの間その効果を得る」

《マイティ・ウォリアー》の効果は確か、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える効果!

「バトル、《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》で《魔導法士 ジュノン》を攻撃」

「きゃぁっ!」

魔希子LP2700→1200

「そして《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》の効果により、《魔導法士 ジュノン》の攻撃力の半分1250のダメージを与える」

「きゃぁぁぁ!」

魔希子LP1200→0

 

Winコナミ

 

 

sideコナミ

 

何とか勝った。

「コナミさんが勝ちました!」

「はい、さすがでございます」

「まあ、当然ですわね。いくら未知のモンスターを使おうともコナミが後輩に劣るわけがないわ」

「でも、あの神導ってこもなかなかやるね」

「ええ、コナミのライフを100まで追いつめたのだから」

5人からの賞賛が聞こえる中、神導が俺に近づいてきた。

「さて、ではコナミさん、先ほどの話の続きをしたいのですが」

「……ああ」

神導の声はさっき以上に真剣なトーンだった。

「ただ、少し場所を変えてもよろしいでしょうか」

「……わかった」

俺は了承してから5人のもとに行った。

「少し彼女と話があるから、みんなは先に戻っててくれ」

「何を話すの?」

「よろしければわたくしめもご一緒しますが」

「いや、今回は俺だけで話したいんだ」

「僕達にも話せないことを話すの?」

「まあ、そうなってしまうかな」

「話でしたら、わたくした達もあなたから聞きたいことが山ほどできたのだけれど」

「まあ仏そうだよな。でもそれは戻ってから聞くからさ」

「……いいわ。コナミにもああいう秘密があった以上、私たちに話せないこともあるのは仕方に事だわ。知ってはいけない未来と言うのもあるのでしょうし」

「雪乃……」

「そ、そうですよね。私たちのせいで大変な未来になっただめですもんね」

「そう言うことならしょうがない」

「そのような事情があるのでしたら、わたくしめも今宵はお待ちしています」

「……仕方ないわね」

みんな……

「ただし、浮気は許さないわよ。していいのはあくまで未来についての話だけよ」

「え……あ、ああ」

浮気も何も、俺そもそも彼女も居ないじゃないか。

「じゃあ行ってくる」

そして俺は神導に連れられ移動した。

「……わざわざ場所を変えるということは、他にも俺に合わせたい奴がいるのか?」

「鋭いですね、その通りです。私の仲間が1人、同じ場所にもうすぐ来ます」

「来ますって、待ってるわけじゃないのか?」

「ええ。彼女も今、私と同じことをしているので」

「同じこと?」

「はい。シンクロ使いとのデュエルです」

「シンクロ使い……恵の事か」

「はい」

確かに恵もシンクロモンスターは使うが、何も知らないって言ってたしな、何か得られるとは思えないが。

 

 

 

side恵

 

 1ターン目:麻衣

 

「まずはまいちゃんから行きますよ!《ゼンマイソルジャー》を召喚します」

 

ゼンマイソルジャー

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1800/守1200

自分のメインフェイズ時に発動する事ができる。

エンドフェイズ時までこのカードのレベルを1つ上げ、攻撃力を400ポイントアップする。

この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。

 

「《ゼンマイ》……」

見たことのないカテゴリのカード……

「《ゼンマイ》ですか。初めて見るカードですね」

「ああ、俺もだ」

どうやらあの2人もそれは同じようだ。

「これでターン終了です」

 

麻衣

LP4000

手札 5

モンスター ゼンマイソルジャー(攻)

魔法・罠 なし

 

 2ターン目:恵

 

「次は、私」

今の私の手札に、あのモンスターを倒せるカードはない。ここは……

「《ゴブリンゾンビ》を守備表示で召喚」

 

ゴブリンゾンビ

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻1100/守1050

このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、

相手はデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、

自分のデッキから守備力1200以下の

アンデット族モンスター1体を手札に加える。

 

「これで……終わり」

 

LP4000

手札 5

モンスター ゴブリンゾンビ(守)

魔法・罠 なし

 

 3ターン目:麻衣

 

「さあ、まいちゃんのターンです。《ゼンマイジャグラー》を召喚します」

 

ゼンマイジャグラー

効果モンスター

星4/風属性/サイキック族/攻1700/守1000

このカードが相手モンスターと戦闘を行った場合、

その相手モンスターをダメージ計算後に破壊する事ができる。

この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。

 

「そして《ゼンマイソルジャー》の効果発動です。このカードは1度だけ、レベルを1つ上げて、攻撃力を400アップすることができます」

ゼンマイソルジャー ATK1800→2200 ☆4→5

「じゃあバトルフェイズです!《ゼンマイジャグラー》で攻撃!」

この攻撃で《ゴブリンゾンビ》は破壊された……けれど。

「《ゴブリンゾンビ》の効果、デッキから守備力1200以下のアンデット族を手札に加える。守備力0の《ゾンビマスター》を手札に加える」

「これで壁となるモンスターは居なくなったね。《ゼンマイソルジャー》でダイレクトアタックです!」

「うっ……そう……」

恵LP4000→1800

「カードを1枚伏せて、まいちゃんのターンは終了です」

ゼンマイソルジャー ATK2200→1800 ☆5→4

 

麻衣

LP4000

手札 4

モンスター ゼンマイソルジャー(攻)

      ゼンマイジャグラー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 4ターン目:恵

 

「私の番、永続魔法《ミイラの呼び声》発動」

 

ミイラの呼び声

永続魔法

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「効果で《ゾンビマスター》特殊召喚」

 

ゾンビマスター

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守 0

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

手札のモンスター1体を墓地へ送る事で、

自分または相手の墓地のレベル4以下の

アンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚する。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「効果で手札の《ゾンビキャリア》を捨て、墓地の《ゴブリンゾンビ》特殊召喚。《ペインペインター》召喚」

 

ペインペインター

チューナー(効果モンスター)

星2/闇属性/アンデット族/攻 400/守 200

このカードのカード名は、

フィールド上に表側表示で存在する限り「ゾンビキャリア」として扱う。

また、1ターンに1度、このカード以外の

自分フィールド上のアンデット族モンスターを2体まで選択して発動できる。

選択したモンスターのレベルはエンドフェイズ時まで2になる。

この効果が適用されたモンスターをシンクロ素材とする場合、

アンデット族モンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。

 

「《ペインペインター》の効果で2体のモンスターをレベル2にする」

「チューナーモンスターと2体のモンスター。来るのですね!」

「レベル2となった《ゾンビマスター》、《ゴブリンゾンビ》にレベル2の《ペインペインター》をチューニング」

☆2+☆2+☆2=☆6

「来て……朽ちた世界に君臨する悪魔……シンクロ召喚、《アンデット・スカル・デーモン》」

 

アンデット・スカル・デーモン

シンクロ・効果モンスター

星6/闇属性/アンデット族/攻2500/守1200

「ゾンビキャリア」+チューナー以外のアンデット族モンスター2体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分フィールド上のアンデット族モンスターは、カードの効果では破壊されない。

 

「《アンデット・スカル・デーモン》、あれがレインのシンクロモンスターか!」

「はい、レイン恵さんのシンクロモンスターはアンデット族です。ただ、あのモンスターを見るのは初めてですが」

「《ゴブリンゾンビ》の効果で《馬頭鬼》を手札に。戦闘、《アンデット・スカル・デーモン》で《ゼンマイジャグラー》を攻撃」

「あうぅ!」

麻衣LP4000→3200

「でもこの瞬間、《ゼンマイジャグラー》の効果が発動します!このカードと戦闘を行ったモンスターを破壊します」

「無理、《アンデット・スカル・デーモン》がいる限り、私のアンデット族モンスターは、効果で破壊はされない」

「なんと、そんな効果がありましたか!」

「カードを1枚伏せ、私は……終わり」

 

LP1800

手札 3

モンスター アンデット・スカル・デーモン(攻)

魔法・罠 ミイラの呼び声

     セット×1

 

 5ターン目:麻衣

 

「まいちゃんのターンです。《ゼンマイマジシャン》を召喚ですよ」

 

ゼンマイマジシャン

効果モンスター

星4/炎属性/魔法使い族/攻 600/守1800

「ゼンマイマジシャン」以外の「ゼンマイ」と名のついたモンスターの

効果が発動した場合、自分のデッキから「ゼンマイ」と名のついた

レベル4以下のモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。

 

「さらに手札の《ゼンマイシャーク》の効果を発動しますよ。《ゼンマイ》モンスターの召喚に成功した時、このカードを特殊召喚します」

 

ゼンマイシャーク

効果モンスター

星4/水属性/魚族/攻1500/守1300

自分フィールド上に「ゼンマイ」と名のついたモンスターが召喚・特殊召喚された時、

このカードを手札から特殊召喚できる。

また、1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカードのレベルをエンドフェイズ時まで1つ上げる。

●このカードのレベルをエンドフェイズ時まで1つ下げる。

 

「続いて《ゼンマイマジシャン》の効果を発動。他の《ゼンマイ》モンスターの効果が発動した時、デッキから《ゼンマイ》モンスター1体を特殊召喚できます。《ゼンマイウォリアー》を特殊召喚です」

 

ゼンマイウォリアー

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1200/守1800

自分フィールド上に表側表示で存在する

「ゼンマイ」と名のついたモンスター1体を選択して発動する事ができる。

エンドフェイズ時まで選択したモンスター1体のレベルを1つ上げ、

攻撃力を600ポイントアップする。

この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。

 

「あいつ、一気にモンスターを3体も並べやがったぞ」

「ええ、《ゼンマイソルジャー》も含めて4体ですが、それでもレイン恵さんのモンスターは倒せませんね」

2人の言う通り、この状況なら……まだ、私は負けない。

「恵さんだけが特殊な召喚を見せてくれたのに、まいちゃんが隠しているのは不公平ですよね」

「?」

「まいちゃんも見せちゃいますよ、シンクロ召喚とは別の、もう1つの可能性を」

「もう1つの……可能性?」

「なんだ?何を見せるんだあいつ?」

「さあ?ですが妙な緊張感があります、初めてコナミ先輩のシンクロ召喚を見たときのような」

「行きますよ!レベル4の《ゼンマイマジシャン》と《ゼンマイシャーク》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築します!」

☆4×2

「機構と機甲の発条名人、勝利を目指して回すのだ!エクシーズ召喚、発進だよ《発条機甲ゼンマイスター》!」

 

発条機甲ゼンマイスター

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/機械族/攻1900/守1500

レベル4モンスター×2

このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×300ポイントアップする。

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。

選択したモンスターを裏側守備表示にする。

このターンのエンドフェイズ時、選択したモンスターは表側攻撃表示になる。

 

「エクシーズ召喚?」

あれは……何?初めて見るモンスター……

「エクシーズ召喚!!?何だよあれ!」

「さ、さあ、私も今初めて見ました」

「なんかすごそうだな!おい!いったいそれ何なんだよ!」

「部外者がうるさいわね……えっと、今は詳しく話せませんが、シンクロ召喚と同じ普通の人は持っていない特別なカードです」

「やはり特別なカードでしたか」

「そしてエクシーズモンスターの特徴は、素材となったモンスターが墓地へはいかず、ORUとして残ることです」

「ORU?」

「はい。そして《発条機甲ゼンマイスター》はORU1つにつき、攻撃力が300アップします」

《発条機甲ゼンマイスター》 ATK1900→2500

「これで、攻撃力は互角……」

「いえいえ、エクシーズモンスターの真の力は、ORUを使うことで発動されるのですよ」

「ORUを……使う……」

「使うってどうやってだ?」

「こうです。《発条機甲ゼンマイスター》はORUを1つ取り除くことで、自分のモンスター1体を裏守備表示に出来ます!」

「取り除く……つまりORUの数だけそのモンスターは効果を使えると」

「はい!この効果で《ゼンマイソルジャー》を裏守備表示にします!」

《発条機甲ゼンマイスター》 ATK2500→2200

「なんで自分のモンスターを裏守備表示にしたんだ?」

「おそらく《ゼンマイソルジャー》の効果をもう1度使うためではないでしょうか。先ほど、1度だけと言っていたので」

「そして《ゼンマイソルジャー》を反転召喚して、もう1度効果発動。攻撃力を400、レベルを1つ上げます」

ゼンマイソルジャー ATK1800→2200 ☆4→5

「それでも……まだ《アンデット・スカル・デーモン》の攻撃力の方が上……」

「分かっていますよ。そこで《ゼンマイウォリアー》の効果を発動です。1度だけ《ゼンマイ》1体の攻撃力を600アップさせ、レベルを1つ上げることができます」

ゼンマイソルジャー ATK2200→2800 ☆5→6

「さらに攻撃力上昇効果を……」

「さあ、バトルです!《ゼンマイソルジャー》で《アンデット・スカル・デーモン》を攻撃です!」

「……罠、発動《シンクロ・バリア》」

 

シンクロ・バリア

通常罠

自分フィールド上に存在するシンクロモンスター1体をリリースして発動する。

次のターンのエンドフェイズ時まで、自分が受ける全てのダメージを0にする。

 

「《アンデット・スカル・デーモン》をリリースし、次の私の番が終わるまで、ダメージを0にする」

「そう来ましたか。これだけのモンスターを展開してダメージを与えられないとは……やりますね。カードを2枚伏せて、まいちゃんのターンは終了です」

ゼンマイソルジャー ATK2800→1800 ☆6→4

 

麻衣

LP3200

手札 1

モンスター 発条機甲ゼンマイスター(攻)

      ゼンマイソルジャー(攻)

      ゼンマイウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×3

 

 6ターン目:恵

 

「次は、私……」

エクシーズモンスター……未知のカードではあるけれど……私は、このままのやり方で攻める。

「《ミイラの呼び声》の効果、《真紅眼の不死竜》、特殊召喚」

 

真紅眼の不死竜

効果モンスター

星7/闇属性/アンデット族/攻2400/守2000

このカードはアンデット族モンスター1体をリリースして

表側攻撃表示でアドバンス召喚する事ができる。

このカードが戦闘によってアンデット族モンスターを破壊し墓地へ送った時、

そのモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

 

「《馬頭鬼》を、通常召喚」

 

馬頭鬼

効果モンスター(制限カード)

星4/地属性/アンデット族/攻1700/守 800

自分のメインフェイズ時、墓地に存在するこのカードをゲームから除外する事で、

自分の墓地からアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚する。

 

「手札を1枚、デッキの1番上に戻して、《ゾンビキャリア》、特殊召喚」

 

ゾンビキャリア

チューナー(効果モンスター)

星2/闇属性/アンデット族/攻 400/守 200

手札を1枚デッキの一番上に戻して発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。

 

「レベル4《馬頭鬼》にレベル2の《ゾンビキャリア》をチューニング」

☆2+☆4=☆6

「こうすれば……シンクロ召喚、《蘇りし魔王 ハ・デス》」

 

蘇りし魔王 ハ・デス

シンクロ・効果モンスター

星6/闇属性/アンデット族/攻2450/守 0

「ゾンビキャリア」+チューナー以外のアンデット族モンスター1体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分フィールド上のアンデット族モンスターが戦闘で

破壊した効果モンスターの効果は無効化される。

 

「2体目のシンクロモンスターですか!」

「《馬頭鬼》の効果、発動。このカードを除外し、《アンデット・スカル・デーモン》特殊召喚」

「あいつ、一気に3体の上級モンスターを並べやがった!」

「さすがはシンクロ使いと言ったところでしょうか」

「戦闘、《アンデット・スカル・デーモン》で《発条機甲ゼンマイスター》を攻撃」

「そうは行きません!速攻魔法《月の書》を発動します。《アンデット・スカル・デーモン》を裏守備表示にします」

 

月の書

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、裏側守備表示にする。

 

「なら、《真紅眼の不死竜》で《発条機甲ゼンマイスター》を攻撃」

「ひゃう!」

麻衣LP3200→3100

「……《蘇りし魔王 ハ・デス》で《ゼマイウォリアー》を攻撃」

「きゃう!うぅ……」

麻衣LP3200→1850

「これで、私は……終わり」

 

LP1800

手札 1

モンスター 真紅眼の不死竜(攻)

      蘇りし魔王 ハ・デス(攻)

      裏守備モンスター(アンデット・スカル・デーモン)

魔法・罠 ミイラの呼び声

 

 7ターン目:麻衣

 

「まいちゃんのターン。どうやらこのターンで、まいちゃんは勝つことが出来そうですね!」

この状況で勝利宣言……?

「マジかよ、1体は守備とはいえ、その勝利宣言は無知蒙昧じゃないか?」

「相変わらず微妙に間違ってますね。言おうとしてることはわかりますが。でもあなたの言う通りまだ彼女の方が不利に見えますけど」

2人の見解も同じようだけれど……何をする気?

「まずは《ゼンマイドッグ》を召喚します」

 

ゼンマイドッグ

効果モンスター

星3/地属性/獣族/攻1200/守 900

自分のメインフェイズ時に発動する事ができる。

エンドフェイズ時までこのカードのレベルを2つ上げ、

攻撃力を600ポイントアップする。

この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。

 

「2体ともレベルは違うな」

「レイン恵さんの守備モンスターだけならあの攻撃力でも対応できますが」

「ご心配には及びませんよ!《ゼンマイドッグ》は自身の効果で1度だけ、2つレベルを上げることができます。攻撃力も600アップしますよ」

《ゼンマイドッグ》 ATK1200→1800 ☆3→5

「それでも……レベルは合わない」

「ですからこうするのです。罠カード《エクシーズ・リボーン》を発動です。墓地から《発条機甲ゼンマイスター》を特殊召喚!そしてこのカードをORUにします」

 

エクシーズ・リボーン

通常罠

自分の墓地のエクシーズモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターを特殊召喚し、このカードを下に重ねてエクシーズ素材とする。

 

《発条機甲ゼンマイスター》 ATK1900→2200

「またそのモンスター……そういうこと」

「はいそういうことです。《発条機甲ゼンマイスター》のORUを1つ取り除いて、《ゼンマイソルジャー》を裏守備表示にします」

《発条機甲ゼンマイスター》 ATK2200→1900

「そして反転召喚して、もう1度効果を発動します!」

ゼンマイソルジャー ATK1800→2200 ☆4→5

「2体のレベルが揃いました!」

「また来るのか、エクシーズ召喚!」

「2体目の……エクシーズモンスター……」

「期待通り見せちゃいましょう!レベル5となった《ゼンマイソルジャー》と《ゼンマイドッグ》でオーバーレイネットワークを構築!」

☆5×2

「全ての発条を意匠するおもちゃの王、いざ発進!エクシーズ召喚、出撃《発条装攻ゼンマイオー》!」

 

発条装攻ゼンマイオー

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/風属性/機械族/攻2600/守1900

レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

フィールド上にセットされたカード2枚を選択して発動できる。

選択したカードを破壊する。

 

「2体目のエクシーズモンスター!」

「やはりシンクロモンスターと同じで、1体ではなかったのですね」

「そして《発条装攻ゼンマイオー》の効果発動です!ORUを1つ取り除くことで、セットされたカードを2枚破壊します!」

「セットを2枚だと!」

「フィールドにはレイン恵さんの裏守備表示のモンスターと善羽麻衣さんのリバースカードがありますね」

「《月の書》とのコンボ……」

「《発条装攻ゼンマイオー》の効果で、裏守備表示の《アンデット・スカル・デーモン》とまいちゃんの伏せカードを破壊します」

「!?……」

「シンクロモンスターがまた!」

「しかし、自分のカードを犠牲にしてまで!」

「犠牲になんてしてませんよ。まいちゃんの破壊されたカードは《荒野の大竜巻》です」

 

荒野の大竜巻

通常罠

魔法&罠カードゾーンに表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する。

破壊されたカードのコントローラーは、

手札から魔法または罠カード1枚をセットする事ができる。

また、セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、

フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する。

 

「このカードの効果によって、《蘇りし魔王 ハ・デス》を破壊します」

「まさか……シンクロモンスターが、2体とも……」

「バトルです!《発条装攻ゼンマイオー》で《真紅眼の不死竜》を攻撃です!」

「うぅ!……」

恵LP1800→1600

「《発条機甲ゼンマイスター》でダイレクトアタック!」

「きゃぁぁぁ!」

恵LP1600→0

 

Win 善羽麻衣

 

「そう……負けたの」

エクシーズモンスターの前に、私は敗れた……いえ、今のはデュエルの戦術も、彼女の方が上だった……完敗だ

「いいデュエルでしたよ、恵さん」

「ええ……こちらこそ」

「それでよろしければこの後、少しお話してもよろしいでしょうか、あなたも今のデュエルについていろいろと知りたいことができたと思いますし」

「……」

知りたいことができた……それは彼女の言う通りだ。私と同じ道のモンスターを使った彼女なら……私の事も何か……

「おーい!」

私の考えがまとまる前に、ジャッカル岬が駆け寄ってきた。

「なあ、次は俺ともデュエルしてくれねーか!エクシーズモンスターってやつと俺も戦ってみてーんだ!」

「えっと、でもこの後、恵さんとお話がしたいので」

「ちょっと、善羽麻衣さんも困ってるでしょ、全く人の迷惑も考えないで。すみませんこの人いつもこんな感じで」

「いえ、あとまいちゃんはまいでいいですよ」

「そうですか?」

「全くだ、お前いちいち人をフルネームで呼ぶのやめろ。さっきもいちいちレイン恵さんって長ったらしく言ってたし。レインさんか恵さんでいだろ」

「そんなものでしょうか」

「そんなもんだよ、な」

そうなのだろうか?私も、人の名を呼ぶときはフルネームを使っていたが……考えを改める必要がありそうだ。

「……私は、何と呼ばれても構わない」

「そうですか。ではこれからは恵さんとお呼びしますね」

「なあ、デュエルはいいからその頭の丸いの取ってくれないか?」

「え?これですか」

麻衣は頭の団子状の部分を触って聞いた。

「ああ、それだけデュエルが強いんだ。きっとそれ外したら角みたいに逆立った髪ズバッって」

「はいはい、馬鹿なこと言ってないで私たちはもう行きましょう」

「ぐぁ!ちょ、わかったから襟引っ張るな!首が締まるだろ!」

ジャッカル岬、いや、岬が遥に引きずられ、2人の姿が見えなくなった。

「さ、まいちゃんたちも行きましょ。もうきっとまいちゃんの仲間と、あなたの仲間も向かってる頃ですから」

「私の……仲間?」

「はい、もう1人のシンクロ使いです」

「……コナミのこと?」

「はい!」

「……そう」

コナミも来るの……コナミは彼女が何者か知っているのだろうか?どちらにせよ、今はこの麻衣について行くべきなのだろう。

 

 




今回の話はデュエル部分にミスが多すぎましたので、再登校させていただきました。申し訳ありません。
また問題がありましたら、感想の方にご指摘をお願いいたします。


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第三十八話 未来の共鳴

 

 

 

 

 

side幸子

 

「全く、なぜわたくしがこんなところに……」

コナミが去った後、各々寮に帰ったのですが、わたくしだけはアカデミアの森の中に引き返してきました。

「随分と不機嫌な様子ですね」

「!?」

突然声を掛けられ思わず振り向いた。そこにいたのは、あの怪しい教諭、青海鱗子でした。

「こちらから言っておいてなんですが、来てくれるとは思っていませんでした」

わたくしがここに来た理由、それは今朝の会話のとき、この時間にここに来るよう頼まれていたから。来なくてもいいが、来る場合は誰にも言わず1人で来るようにと妙な条件を付けて。

「わたくしもつい先ほどまでは会う気はありませんでした。ですが先ほど、気の変わることがあったので」

「するともう、魔希子は彼とお会いしましたか?」

「……やはりあなたも!?」

「ええ、私も未来人ですよ、彼女たちと同じ」

「彼女“達”?」

あの神導と言う少女のほかにも仲間がいると言うの?

「おや、魔希子はそこまでは話していませんでしたか。まあいいでしょう。すぐにわかることですから」

「あなた達、何人仲間がいるの?」

「ここに来ているのは3人ですよ」

「……それで、わたくしを呼んだのは、仲間がコナミとあったか確認したかったからですの?」

「いえ、それだけならば魔希子本人に聞きますよ。本命は別です」

「ではいったい何の目的で?」

「私とデュエルしてはいただけないでしょうか」

「!?あなたと、デュエルですって!」

「ええ、もちろんただでとは言いません。私とデュエルしていただけたら、このデッキを貴方に差し上げます」

「デュエルをすればデッキを渡す、ですって?」

「ええ、勝敗にかかわらずデュエルさえしていただければこのデッキを差し上げますよ」

勝敗にかかわらず……何か怪しいですわね。

「怪しいものなどではありませんよ。これはかつて私が使用していたデッキです」

「あなたが使っていたデッキ?」

「ええ、この時代に来る際に、別のデッキを手にしたので、そちらのデッキはもう必要ないのです」

「……なぜわたくしにそれを?」

「彼の周りにいる者の中で、このデッキと最も相性がよさそうなのがあなたでしたから」

「彼とはコナミのこと?」

「ええ。それでどういたしましょうか?」

「……いいでしょう。あなたを倒してエクシーズモンスターとやらを使いこなすのも面白いですわね」

わたくしはデュエルディスクを構えて答えた。

「では、さっそく手合せ願います」

 

「「デュエル!」」

 

 

sideコナミ

 

「どうぞ。殺風景なところですが」

案内されたのは神導の部屋だった。

「ああ。だが女子寮にこんな抜け道があったとは、他の男子が知ったらとんでもないことになるな」

「ご心配ありません、そうそう簡単には見つからない様にしていますので、あなたが話さない限り見つかりませんよ」

「そうか……ならいくらで売ろうかこの情報」

「今すぐ塞ぐこともできますよ。今塞いだらあなたはどうやって帰るのでしょうか?」

「……冗談に決まってるだろ」

「本当でしょうか?……どうやら来たようですね」

神導がそう言った直後に扉が開き、1人の少女と恵が入ってきた。

「おう、今朝方ぶりだな恵」

「うん……今朝方ぶり」

「で、そっちの子が神導の仲間?」

「はい、まいちゃんは善羽麻衣って言います。まいと呼んでくれて構いませんよ」

「そうか。知ってると思うが俺はコナミだ。一応よろしく」

麻衣と名乗る少女と軽い挨拶をした。個人的な彼女の第一印象は裏では計算高そうな人と言ったところか。笑顔がどうも疑わしい。

「さて、全員が揃ったところで早速本題に入りたいのですが……」

「ああ、構わないぞ」

「それでは……」

そう言って少し間が開いた。妙な空気の俺も息を呑んだ。やがて神導が決心したようにこう言った。

 

 

 

「コナミさん、あなたのいた未来を断ち切って、私たちに協力してはくれませんか!?」

 

 

「……は?」

突然の提案に、意味が理解できなかった。

「……話が……飛躍しすぎ」

「そうでした。恵さんにはまだ何も話していませんでしたね」

「ある程度聞いていた俺でも今のは飛躍しすぎだ」

「確かにそうでしたね。それでは順を追って説明させていただきます」

そう言って神導は一呼吸置いた。

「まずコナミさんには先ほどもお話ししましたが、私達は未来から来た人間なのです」

「未来から……コナミも、なの?」

「ああ。ただしこの2人と俺は、この時代とは繋がっているが別の進化を遂げた未来から来ているんだ」

「別の未来……」

「はい、シンクロ召喚とエクシーズ召喚という別々の進化を遂げた2つの未来があったのですよ」

「ここまで言えばあなたをここに呼んだ理由もお分かりいただけましたか、レイン恵さん」

「ええ……シンクロ召喚を使う以上、私も……コナミと同じ未来から来た可能性がある……ということ」

「はいそう言うことだと、まいちゃん達は考えていたのですが」

俺はそうは思わないがな。そもそもあの未来では……

「私達の未来はすでに滅びの道を辿っているとお話しましたよね」

「ああ、障りだけだがな。だが辿っているということは、そっちの未来はまだ完全に滅んでいないと?」

「はい。ただほとんどの人が気力を失っており、私たちの様に動いている者はほんの数名です」

気力を失った人々……俺の時代のモーメントが爆発する前に近いな。つまり俺の居た時代よりも早く過去に行く手段を手にしたということか。

「その聞き方ですとあなたの未来はもう……」

「ああ、人類は滅んでいる」

「コナミが……最後の生き残りなの?」

「いや、俺以外にも4人いたらしいよ」

「「らしい?」」

「ああ、俺が向こうの存在に気づいたときはもう3人が老衰で死んでた。最も残った1人とも俺は行動していなかったが」

「あなたは個人で動いていたのですね」

「でも他の人が老衰で死ぬほど生きてるなんて……コナミさんって、帽子で素顔が見えないけれど、実は結構お歳なんですか?」

「何を言う、俺はまだ19だよ、ギリギリ青春の10代だよ」

だって人間の年齢って生命活動をしていた期間だけカウントするんだろ?だったら俺は19年しか活動してないから19でいいんだよな……

「高校2年よりは上なんですね」

「お前たちだって本当に高1の年齢か怪しいものだがな」

「うっ、確かにまいちゃん達も1つだけ偽っていますけど……」

「17か」

「15です!」

ああ上に偽ってたのか。まあ俺は第1話の伏線をようやく回収できて満足だ。

「つまり貴方は個人でここまでの事をしているのですか?」

「ここまでの事って?」

「アカデミア全体に張られている電波の事です!」

「ああ、気づいていたのか」

「私たちはこの時代でエクシーズ召喚を行い、それでいて下手に世間に広まらないよう特殊な電波をアカデミア全体にかけました」

「特殊な……電波?」

「はい。1つこの時代にはデュエルディスクにデータの無いエクシーズモンスターを使うための機械の情報操作の電波です」

そう、この時代でディスクにシンクロやエクシーズと言ったモンスターを出しても読み込まない。データがないのだから当然だ。だからこそそのデータの入った電波でこの島を囲うことにより未来のカードを使用可能としているのだ。

「そしてもう1つはこの島を出た瞬間にエクシーズモンスターの存在を抹消する記憶操作の電波です」

そしてこの時代でシンクロやエクシーズと言ったものが広まると、大きく未来も変わってくるだろう。ろくでもない方向に。だからこそこのカードの情報は島の外に万栄させるわけにはいかない。

「私達がこの時代に来たあと、以上の電波を島に張ろうとしたときに判明しましたが、この島はすでに今言ったもののシンクロ版が張られていたのです」

「ああ、それ張ったのは確かに俺だよ」

「個人でここまでの物が作れるとは……あなたいったい?」

まあ俺が張ったのは弱いから1週間くらいのうちに再び島に戻ると記憶は戻っちゃうけどな。

「もう俺の未来の話はいいだろ」

「……そうですね。では私達の話に戻りましょう」

掛けていたメガネをくいっと上げて神導が仕切りなおした。

「私達は未来を救おうと動いている少数の者の集い、通称未来機関に所属しております」

未来機関……何かコトダマで裁判でもやりそうな組織だな。

「私達はその組織の上官1人と共にこの時代に来ました」

「つまり今この時代に来ているのは2人を含め3人と言うことか」

最もその3人目が誰かも見当はついているが……

「で、もう1人と言うのは誰だ?」

「気づいているとは思いますが、教員の青海鱗子さんです」

やはりそうか。

「鱗子お姉ちゃんはまいちゃん達にデュエルを教えてくれた師匠でもあるのですよ」

「そして未来を救おうともっとも貢献している、私たちのもっとも尊敬する方です」

なるほど、2人にとって彼女はただの上官ではないのか。

「また少し話がそれましたね。未来を救う方法……そもそもなぜ2つの未来が滅びたかと言いますと」

また少し呼吸を置いてから神導が続けた。

「結論から言うと、人類が2つもの可能性を手にすることなど無理があったのです。それなのに未来を2つに分け強引に2つの可能性に手を染めた結果、2つの未来は共鳴し合い、その衝撃に耐えきれず2つの未来は滅びだしたのです」

「……」

「だからこそ、まいちゃん達は片方の未来を断ち切るために、可能性が分岐する前のこの時代に来たのです。可能性が分岐しないよう導くために」

「……」

彼女たちの見解は間違っている。彼女たちの未来がどう滅んでいるかは知らないが、俺の未来はモーメントの暴走によるもの。別の未来の共鳴など感じなかった。

「それは誰が言っているんだ?」

「可能性を示唆したのは鱗子さんです」

「だからこそ鱗子お姉ちゃんはこの任務の大役に選ばれたのですよ」

発言者は彼女達が信用しきっている者か。だとするとこの考えを正すのは少し難しいな……

「私達の話はこれで全てです。では、最初の質問の答えを聞かせてはいただけないでしょうか?」

「……」

「あなたの未来を断ち切って、私達の未来を救ってはくれませんか」

 

 

 

side幸子

 

 1ターン目:幸子

 

「まずはわたくしのターン、フィールド魔法《伝説の都 アトランティス》を発動!」

 

伝説の都 アトランティス

フィールド魔法

このカードのカード名は「海」として扱う。

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上の水属性モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。

また、お互いの手札・フィールド上の水属性モンスターのレベルは1つ下がる。

 

「フィールド魔法、ですか」

「ええ、このフィールドがわたくしの聖地ですわ。この効果でレベル4となった《機海竜プレシオン》を召喚」

 

機海竜プレシオン

効果モンスター

星5/水属性/機械族/攻2300/守1800

自分フィールド上に海竜族モンスターが存在する場合、

このカードはリリースなしで召喚できる。

1ターンに1度、自分フィールド上の水属性モンスター1体をリリースする事で、

相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する。

 

《機海竜プレシオン》 ATK2300→2500

「先攻のプレイヤーは攻撃できません。これでターン終了」

 

幸子

LP4000

手札 4

モンスター 機海竜プレシオン(攻)

魔法・罠 伝説の都 アトランティス

 

 2ターン目:鱗子

 

「私のターンです。貴方の聖地、なかなかの効果ですが、1つ弱点がありますね」

「弱点、ですって?」

「ええ。私はフィールド魔法《伝説の都 アトランティス》の効果でレベル4となった《神竜アクアバザル》を召喚」

 

神竜アクアバザル

効果モンスター

星5/水属性/海竜族/攻2100/守1500

このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

水属性モンスター1体をリリースし、自分の墓地に存在する

永続魔法またはフィールド魔法カード1枚を選択して発動する。

選択したカードを自分の墓地からデッキの一番上に戻す。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

《神竜アクアバザル》 ATK2100→2300

「わたくしのフィールド魔法の効果で生贄を軽減ですって!」

「続いて装備魔法《幸運の鉄斧》を《神竜アクアバザル》に装備させます」

 

幸運の鉄斧

装備魔法

装備モンスターの攻撃力は500アップする。

フィールドに表側表示で存在するこのカードが

相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

《神竜アクアバザル》 ATK2300→2800

「攻撃力もわたくしのモンスターを上回りましたのね……」

「戦闘です。《神竜アクアバザル》で《機海竜プレシオン》を攻撃」

「くぅ!……この程度で!」

幸子LP4000→3700

「カードを1枚伏せ、ターンを終了します」

 

鱗子

LP4000

手札 3

モンスター 神竜アクアバザル(攻)

魔法・罠 幸運の鉄斧

     セット×1

 

 3ターン目:幸子

 

「わたくしのターン!永続魔法《ウォーターハザード》を発動しますわ」

 

ウォーターハザード

永続魔法

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

手札からレベル4以下の水属性モンスター1体を特殊召喚できる。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「このカードの効果で《ロスト・ブルー・ブレイカー》を特殊召喚」

 

ロスト・ブルー・ブレイカー

効果モンスター

星3/水属性/海竜族/攻1400/守 0

フィールド上にこのカード以外の

魚族・海竜族・水族モンスターが存在する場合に

このカードをリリースして発動できる。

フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。

 

「あなたのフィールドに海竜族がいることで《ロスト・ブルー・ブレイカー》を生贄に捧げ効果発動。《幸運の鉄斧》を破壊しますわ」

《神竜アクアバザル》 ATK2800→2300

「ですがこの瞬間《幸運の鉄斧》の効果が発動いたします。相手によってこのカードが破壊されたとき、カードを1枚ドローします」

「さらにレベルの下がった《ジェノサイドキングサーモン》を召喚しますわ」

 

ジェノサイドキングサーモン

通常モンスター

星5/水属性/魚族/攻2400/守1000

 

《ジェノサイドキングサーモン》 ATK2400→2600

「バトル、すなわち戦闘!《ジェノサイドキングサーモン》で《神竜アクアバザル》を攻撃!」

「永続罠《闇の呪縛》を発動します」

 

闇の呪縛

永続罠

相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

そのモンスターの攻撃力は700ダウンし、

攻撃できず、表示形式の変更もできない。

そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。

 

「これで《ジェノサイドキングサーモン》は攻撃ができず、攻撃力が700下がります」

《ジェノサイドキングサーモン》 ATK2600→1900

「ぐぬぬ!これでターン終了よ!」

 

幸子

LP3700

手札 2

モンスター ジェノサイドキングサーモン(攻)

魔法・罠 伝説の都 アトランティス

     ウォーターハザード

 

 4ターン目:鱗子

 

「私のターンです。魔法カード《おろかな埋葬》を発動いたします」

 

おろかな埋葬

通常魔法(制限カード)

デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

「デッキの《神竜-エクセリオン》を墓地へ送ります。そして《神竜アクアバザル》をリリースし、《神竜-エクセリオン》を召喚いたします」

 

神竜-エクセリオン

効果モンスター

星5/光属性/ドラゴン族/攻1500/守 900

このカードの召喚時に自分の墓地に存在する「神竜-エクセリオン」

1体につき、以下の効果を1つ得る。

ただし同じ効果を重複して得る事ができない。

●このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。

●このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

もう一度だけ続けて攻撃を行う事ができる。

●このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、

破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

「墓地の《神竜-エクセリオン》は1体。よって1つ効果を得ることができます。私は、攻撃力上昇効果を選択します」

《神竜-エクセリオン》 ATK1500→2500

「戦闘です。《神竜-エクセリオン》で《ジェノサイドキングサーモン》を攻撃」

「ああぁっ!」

幸子LP3700→3100

「これで、私のターンは終了いたします」

 

鱗子

LP4000

手札 3

モンスター 神竜-エクセリオン(攻)

魔法・罠 なし

 

 5ターン目:幸子

 

「わたくしのターン!《ウォーターハザード》の効果で《ニードル・ギルマン》を特殊召喚!」

 

ニードル・ギルマン

効果モンスター

星3/水属性/海竜族/攻1300/守 0

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分フィールド上の魚族・海竜族・水族モンスターの

攻撃力は400ポイントアップする。

 

《ニードル・ギルマン》 ATK1300→1500→1900

「ふふっ、調子にのるのもそこまでよ!」

「調子に乗ったつもりはなかったのですが」

「わたくしの切り札を見ても、そのような皮肉が言えるかしら!《ニードル・ギルマン》を生贄に、レベルの下がった《海竜-ダイダロス》を召喚!」

 

海竜-ダイダロス

効果モンスター

星7/水属性/海竜族/攻2600/守1500

自分フィールド上に存在する「海」を墓地に送る事で、

このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する。

 

《海竜-ダイダロス》 ATK2600→2800

「バトル!《海竜-ダイダロス》で《神竜-エクセリオン》を攻撃」

「……」

鱗子LP4000→3700

「どう?これでターン終了よ」



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第三十九話 未来の反発

皆様、お久しぶりです。

前回の更新から2年以上もあけてしまい大変申し訳ありませんでした。

待っていた方などもういないかもしれませんが、また無理のないペースで再開させていただこうと思います。



幸子

LP3100

手札 1

モンスター 海竜-ダイダロス(攻)

魔法・罠 伝説の都 アトランティス

     ウォーターハザード

 

 6ターン目:鱗子

 

「私のターン、効果により攻守を半分とし、《太陽風帆船》を特殊召喚いたします」

 

太陽風帆船

効果モンスター

星5/光属性/機械族/攻 800/守2400

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

この方法で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。

また、自分のスタンバイフェイズ毎にこのカードのレベルを1つ上げる。

「太陽風帆船」はフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

 

「そして墓地の《神竜-エクセリオン》を除外し、《霊魂の護送船》を特殊召喚」

 

霊魂の護送船

効果モンスター

星5/光属性/悪魔族/攻1900/守1000

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地に存在する光属性モンスター1体をゲームから除外した場合に

特殊召喚する事ができる。

 

「レベル5のモンスターが2体……来るのかしら、エクシーズ召喚……」

 

「その通りです。レベル5の《太陽風帆船》と《霊魂の護送船》でオーバーレイネットワークを構築」

 

☆5×2

 

「始まりとは祝福されし時、守護する者は至高の存在!エクシーズ召喚!顕現せよ、《始祖の守護者ティラス》!」

 

始祖の守護者ティラス

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/天使族/攻2600/守1700

レベル5モンスター×2

このカードの効果はこのカードのエクシーズ素材がなければ適用されない。

このカードはカードの効果では破壊されない。

このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時、

相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。

自分のエンドフェイズ毎にこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除く。

 

「これがあなたのエクシーズモンスター!」

 

「続いて装備魔法《エクシーズ・ユニット》を《始祖の守護者ティラス》に装備させます」

 

 

エクシーズ・ユニット

装備魔法

エクシーズモンスターにのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力は、装備モンスターのランク×200ポイントアップする。

また、自分フィールド上の装備モンスターがエクシーズ素材を取り除いて効果を発動する場合、

このカードは取り除くエクシーズ素材の1つとして扱う事ができる。

 

 

「これで《始祖の守護者ティラス》の攻撃力はランク×200、つまり1000ポイントアップします」

 

《始祖の守護者ティラス》 ATK2600→3600

 

「攻撃力も上回った!」

 

「戦闘です、《始祖の守護者ティラス》で《海竜-ダイダロス》を攻撃」

 

「あうぅ!」

 

幸子LP3100→2300

 

「ORUを持つ《始祖の守護者ティラス》が戦闘を行ったとき、相手のカード1枚を破壊します。《ウォーターハザード》を破壊します」

 

「これでもう特殊召喚はできませんか……」

 

「私のターンは終了です」

 

 

鱗子

LP3700

手札 1

モンスター 始祖の守護者ティラス(攻)

魔法・罠 エクシーズ・ユニット

 

 7ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン……わたくしの切り札の力はこんなものではないわ!魔法カード《死者蘇生》を発動!」

 

「このタイミングでそのようなカードを引き当てましたか」

 

「墓地の《海竜-ダイダロス》を特殊召喚。そして《海竜-ダイダロス》の効果発動!フィールドの《海》を墓地に送り、このカード以外のすべてのフィールドのカードを破壊するわ!」

 

「なるほど、《伝説の都 アトランティス》は《海》としても扱うカード、理にかなっていますね」

 

《海竜-ダイダロス》 ATK2800→2600

 

「これであなたのフィールドはがら空きよ」

 

「残念ながらそうは行きません」

 

「何を言って……嘘、どうして!?」

 

彼女の言う通り、破壊したはずの《始祖の守護者ティラス》がまだフィールドには残っていた。

 

「《始祖の守護者ティラス》はORUを持っている限り、カードの効果では破壊されない効果があるのです」

 

「そんな効果が!ですが《エクシーズ・ユニット》は破壊したわ。魔法カード《アクア・ジェット》を発動!」

 

アクア・ジェット

通常魔法

自分フィールド上の

魚族・海竜族・水族モンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。

 

「このカードの効果で《海竜-ダイダロス》の攻撃力は1000ポイントアップするわ!」

 

《海竜-ダイダロス》 ATK2600→3600

 

「マジックコンボ、ですか」

 

「戦闘よ!《海竜-ダイダロス》で《始祖の守護者ティラス》を攻撃!」

 

「う……」

鱗子LP3700→2700

 

「これでターン終了よ」

 

 

幸子

LP2300

手札 0

モンスター 海竜-ダイダロス(攻)

魔法・罠 なし

 

 8ターン目:鱗子

 

 

 

「私のターンです。効果により攻守を半分とし、《バイス・ドラゴン》を特殊召喚いたします」

 

 

バイス・ドラゴン

効果モンスター

星5/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守2400

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。

 

 

「続いてライフを2000ポイント支払《ガーベージ・ロード》を特殊召喚いたします」

 

 

ガーベージ・ロード

効果モンスター

星5/闇属性/悪魔族/攻 0/守2400

このカードは2000ライフポイントを払い、手札から特殊召喚できる。

このカードをエクシーズ素材とする場合、

闇属性モンスターのエクシーズ召喚にしか使用できない。

 

 

「ライフを2000も払って!]

 

ですがまた2体のレベル5が揃ってしまいましたわ……」

 

「レベル5の《バイス・ドラゴン》と《ガーベージ・ロード》でオーバーレイネットワークを構築いたします」

 

☆5×2

 

「終わりとはすべての理にある者、守護する者は至極の存在!エクシーズ召喚!破壊せよ、《終焉の守護者アドレウス》!」

 

 

終焉の守護者アドレウス

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/闇属性/悪魔族/攻2600/守1700

レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードを破壊する。

 

 

「2体目のエクシーズモンスター!」

 

ですが攻撃力は《海竜-ダイダロス》の方が上、いったい何をする気?

 

「《終焉の守護者アドレウス》は1ターンに1度ORUを取り除くことで、表側で存在する相手のカード1枚を破壊します」

 

「除去効果ですって!」

 

「当然破壊するのは《海竜-ダイダロス》です」

 

「そんな……」

 

「これで終わりですね。もうあなたを守るカードはありません……《終焉の守護者アドレウス》で直接攻撃!」

 

「ああぁぁぁっ!」

幸子LP2300→0

 

 

Win:鱗子

 

 

「くぅ……負けてしまいましたわ」

 

「ですがエクシーズとの初戦ここまでなさいますとは……さすがです」

 

「そのような慰みは必要ありませんわ」

 

「そうですか。ではデュエルしていただいたので約束通りこちらを」

 

そう言って青海先生は自分のデッキを差し出してきました。

 

「……せっかくですが、わたくしはわたくしのこのデッキこそ最高のデッキだと思っていますので」

 

「そうですか。ですがこちらは別ではないのですか?」

 

青海先生が差し出したのは枠の黒いカード、エクシーズモンスターのようね。

 

「……たしかにこれは…」

 

「そしてあなたに本当に必要なのは」

 

青海先生はさらに別にもう1枚のエクシーズのカードを出してきましたが。

 

「絵柄の無いカード?」

 

「ええ、これはあなたの意思を映し出すカードです」

 

そういった瞬間、白紙のカードが輝きだしました。

 

「きゃっ!な、なんですの!?」

 

「ふふっ、どうやらこのカードはあなたを受け入れたようですね」

 

 

 

 

sideコナミ

 

 

「すまないが、その提案には乗れないよ」

 

シンクロの未来を捨てる、俺は神導のその提案を断った。

 

「だめなのですか?」

 

「なんでですか!コナミさんの未来はもう2人しか生き残っていないのでしょ!しかももう1人はコナミさんの知らない人なのでしょ!?」

 

「知らない人か……」

 

確かにそうだ…俺はあの銀マスクの男なんて知らない、俺が知っているのは自分の姿を変えてでも人々の心を動かそうとした名もない科学者だけだ。

 

「でも、俺はあの人のあの時の姿……純粋に全てを救おうとしていた姿を知っているからこそこうして動いているんだろうな。あの人にも、犠牲を出さずに未来を救うことを思い出してほしくて」

 

「いったいの何を言ってるんですか?」

 

善羽は俺の言うことが理解できず首をかしげた。神導も意味は分からなかったようだが、俺が言いたかった何かを察したようだ。

 

「……言っていることは複雑でわかりかねますが、あなたなりの信念があることは伝わってきました」

 

「それは良かった……そう言うわけだから、君たちからの提案は受け入れられない。俺は俺のやり方を続ける」

 

「あなたのやり方で未来を救うのですね」

 

「……」

 

いや、俺には未来を救うほどの力はない……が

 

「救えずとも救えるものの手助けはできる……」

 

「はい?」

 

思わず小声で言ったことに神導が怪訝な声を漏らした。

 

「いや、まあそういうことになるのかな」

 

「ね、ねえ、恵ちゃんは?」

 

「私……?」

 

「恵ちゃんもコナミさんに着くんですか?」

 

「……私は、未来から来たのかさえわからないから、このことに関して口をはさむべきではない……でも、どちらと問われれば、私は……コナミの味方でいたい」

 

 

「恵ちゃんまで……」

 

「わかりました。2人私たちとは行動を共にしてはくださらないのですね」

 

「そうなってしまうかな。不満?」

 

「いいえ。ですが私たちは今言った行動をこれから行うつもりです。いずれは敵対することもあると思いますよ」

 

「それも覚悟の上で断った」

 

「そうでしたか……もう、話すことはありませんかね。麻衣は何かありますか?」

 

「いいえ、まいちゃんからは大丈夫ですよ」

 

どうやら話は終わったようだ。

 

「じゃあ俺は帰るよ」

 

「私も……部屋に戻る」

 

「はい、さようならです」

 

「場合によっては、次に会うときは容赦しませんからね」

 

 

 

 

「ごきげんよう庶民」

 

寮に戻ると俺を待っていたかの幸子がいた。

 

「幸子か。何か俺に用か?」

 

「ええ、あなたへの宣戦布告へ来ましたわ」

 

「宣戦布告?」

 

「ええ?あなたの、シンクロの時代はもうじき終わりを迎えますわ!?」

 

「シンクロの終わり?」

 

と言うか始まってすらないぞ、使ってんの俺と恵だけだし。

 

「そう、わたくしのエクシーズの力で!?」

 

そう言って幸子は俺に1枚のカードを見せてきた。

 

「白紙の、エクシーズカード?」

 

「ええ、このカードが覚醒した時、わたくしの手であなたを葬って差し上げますわ!それまで首を洗って待っていなさい!」

 

「ちょっと待て、そのエクシーズカードはどこで?」

 

「おーっほっほっほっほっほっ!」

 

言うだけ言って高笑い死ながら幸子は帰って行った。

 

「あのあと2人が幸子と接触するような時間は無かった。可能性があるとしたら……」

 

どうやらエクシーズの進行はもう始まっていたようだな。

 

 




この2年の間に遊戯王もだいぶルールが変わりましたが、GXの時代のストーリーなのでこのままマスタールール2で続けていくつもりです。

更新は大体2週間に1回ぐらいのペースを目安にしますので今後もよろしくお願いします。


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第四十話 未来人に会ったらまず聞きたいことは?


今回はデュエルはほぼなしです。

2年近くのブランクがあるのでもう少し勉強してからということで……


翌日

 

「「・・・・・」」

 

「「「「「「・・・・・」」」」」」

 

アカデミアの円状のベンチに俺と恵を囲むように6人が座っていた。

 

「何だこの圧力面接みたいな並びは?」

 

「その意見に同意する……」

 

顔には出てないが恵も同様の緊張感があるらしい。

 

「圧力面接ですか、当たらずとも遠からずです」

 

委員長にその意見を肯定されてしまった。まじか……

 

「まあ昨日のあれの後でこうなることが予想出来ないほど俺も馬鹿じゃない。答えられることには答えるよ」

 

だが知られたからにはしょうがない、覚悟を決めるか。

 

「では、早速本題ですが、あなたたち2人、そして神導魔希子さんは未来人ということで間違いないですか?」

 

皆を代表して委員長が切り出した。

 

「まあ俺と魔希子はそうだな。恵は記憶がないから俺の管轄外だが、まあおそらくそうだろうな」

 

「……私も断定は出来ない…けれど、あなたの意見が正しいと思う…」

 

恵も相変わらず淡々とした口調で賛同した。

 

「とりあえず前提の確認は取れましたね」

 

「あと、もう1人無効の未来人が」

 

「善羽麻衣さんですか?」

 

俺が言う前に遥が言った。

 

「知っていたのか?」

 

「昨日……彼女も私のデュエルを見ていた……」

 

なるほど。

 

「善羽麻衣、さん……ですか?」

 

「初めて聞くお名前でございますね」

 

やはり他のみんなは知らないか。

 

「確か神導さんとたまに一緒にいる生徒でしたか?」

 

委員長は知っていたか。

 

「まあ彼女達のことは今はいいだろ?」

 

「そうですね。それではいったい何から聞きましょうか……」

 

その後少し委員長が悩んでいた。まあ聞きたいことは山ほどあれど、順序があるからな。

 

「あの……コナミさんはどうして未来から来たんですか?」

 

「「「「!?」」」」

 

そんな空気を裂くようにゆまがいきなり核心めいた質問をしてきた、さすが天然娘。

 

「?」

 

もう1人の天然娘、紫もこの裂かれた空気に気づいてないな。

 

「えっと……私何かおかしなことを……?」

 

「い、いえ。まあいずれした質問ですから」

 

「でもさすがゆまだよ、僕はその質問を1番にはできないよ」

 

「と、とにかくその質問でよろしいですかコナミ先輩?」

 

「あ、ああ」

 

まあいずれ答えただろう質問だが……

 

「とりあえず、どうして未来から来たか……」

 

なんていえばいいんだ?未来を救うため……少し違うな…

 

「目的か……未来を救う…いや、未来を救ってもらうため?」

 

「救って……」

 

「もらうため…で、ございますか」

 

「それはまたずいぶんと他力本願ですね」

 

うっ、急にみんなの目が冷ややかに。

 

「……」

 

いや恵、お前は待って…って未来を知らないお前も向こう側みたいなもんか。

 

「確かに聞こえはそうかもしれないがえっとなんていえばいいんだ……俺は救われる未来をそのままの形で維持するために来たんだ!」

 

「……まるで意味がわからないよ」

 

「ツァンさんの言うとおりですよ?」

 

2人の言うとおりだな……どう言えばいいか…

 

「未来を救う人……その人を救いに来た…」

 

「おお、的確な答えだ」

 

記憶はなくとも鋭いな恵は。まあ厳密には救うって表現は違う気がするが別に今は平和に過ごしてるし、俺はそれが続くようにするだけだ。

 

「とりあえず、こんな感じでいいかな?」

 

「まあよくわからないままですが、妙な目的ではないようなのでいいでしょう」

 

委員長のまとめでこの質問は無事(?)終わったようだ。

 

「それでは次の質問は?」

 

「ではわたくし目からよろしいですか?」

 

紫が手を挙げて聞いてきた。

 

「コナミ様はどのような方法でここに来られたのでしょうか?」

 

これはまた結構重点な質問を。

 

「この質問は答えられないわけではないが……本当にどう説明していいかわからない?」

 

「説明していいかわからない、でございますか?」

 

「ああ。この時代にない物質をこの時代にない機械を使ってこの時代にない技術できてるからな」

 

「なるほど、私達には理解できない用語が飛び交うということですね」

 

「その物質や機械1つ1つを説明することは可能だが……全部説明するのにどう簡略しても1週間ぐらいかかる」

 

なにより俺がめんどくさい。

 

「正直少し興味がありますが……コナミ先輩も大変でしょうし」

 

「コナミさんはその機会を全部扱えるんですか?」

 

「もちろん」

 

メ蟹ックのデッキを使うほどですから。

 

「意外とエンジニアなんだ」

 

「さすがコナミ様です」

 

「というわけでこの質問はここで切っていいか?」

 

「そうですね?ではほかに質問は」

 

すっかり委員長は司会進行が仮になってるな。

 

「じゃあ僕からも1ついい?」

 

「ああ。なんだ?」

 

「えっと……未来の僕ってどうなってる?」

 

「……ごめん、俺そんな近未来から来てないし、仮にその時代でもこの時代に来るまで面識のなかったみんな個人の未来は知らないと思う」

 

「あ、あはは、そうだよね。ごめん」

 

謝ることは無いぞ、未来から来た人がいたら聞いてみたいもんな、自分の未来。

 

「じゃあコナミ先輩の居た未来は、いったいどんな未来だったのですか?」

 

「……これはノーコメントだ、知らない方がいい未来もある」

 

「そ、そうなのですか……ごめんなさい」

 

不味いことを聞いたと言わんばかりのうつむき顔で遥が謝罪した。

 

「いや、謝ることじゃない。気になってもしょうがないと思う。まあしいて言うなら今よりはちょっと不安定かな」

 

本当はちょっとどころではないが、それを言ったらノーコメントにした意味がないな。

 

「「「「「「・・・・・」」」」」

 

しかし今の質問で少し空気が悪くなってしまった。みんな口を噤んでるよ。

 

「じゃあ1番気になることを聞いていいかしら?」

 

この空気を一気に裂くように雪乃が切り出した。そういえば雪乃はさっきから一言もしゃべってなかった……

 

「なんだ雪乃?」

 

「コナミは……いつか未来に帰るの?」

 

「「「「「あっ……」」」」」

 

雪乃の問いにほかのみんなも息を呑んだ。

 

「……どうだろ、未来に帰ったところで何もないからな。正直それでも帰らないといけないのかもしれないが……」

 

今の質問は俺にとっても痛かった。おそらく1年前、ここに来てすぐの俺にこの質問をされたら迷わず帰ると言えただろう。

 

でもこの生活を知ってしまった今、俺ははっきりけると断言できなくなっていることに気づいた。

 

「本音は帰りたくないってことかな?」

 

「え?」

 

俺の小声で言った言葉に雪乃が聞き返した。おそらく本当に聞こえていなかったのだろう。

 

「なんでもない、少なくとも卒業するまではここにいる。先のことはそれから考えてもいいだろう」

 

困ったときに保留にしてしまうのは俺の悪い癖だな。

 

「そ、そうですよね。そんなことすぐに決めなくてもいいですよね」

 

「そうだよね今すぐ決めなくても」

 

「そうでございますよ、コナミ様」

 

「そう……よね……」

 

……気まずい空気だな。

 

「もう質問は大丈夫か?」

 

「え、えっと、そうですね。私からはもうとくには」

 

まあ結局委員長は最初の前提確認しかしなかったが。

 

「僕も大丈夫かな」

 

「私も大丈夫ですよ」

 

「わたくし目も」

 

「私も大丈夫です」

 

「そうね、私も今はいいかしら」

 

全員なしか、どうやら圧迫面接も終わりのようだ。

 

「私も……ない……」

 

いや、お前はされる側だっただろ!

 

「ところで幸子さんは呼ばなかったのですか?」

 

ゆま、今更か?

 

「うん、一応僕が声をかけたけど、『わたくしにはもっとやらなくてはいけない使命があるのです!』とか言ってこなかったんだ」

 

うーん、40点の物真似だ。しかし……

 

「というより、幸子はもうほとんど知ってるんじゃないかな」

 

「コナミ、何か知ってるの?」

 

「知ってるってほどではないが、ただ……昨日エクシーズモンスター持ってた」

 

「「「「「「……ええっ!!?」」」」」」

 

 

 

 

side幸子

 

 

「レベル3水属性の《ビッグ・ジョーズ》と《シャーク・サッカー》でオーバーレイ!」

 

「オーバーレイ?何ですかその召喚方法は?」

 

「エクシーズ召喚!現れなさい《ブラック・レイ・ランサー》!」

 

「な、何だそのモンスターは!?」

 

「《ブラック・レイ・ランサー》の効果発動!ORUを1つ取り除き、モンスター1体の効果を無効にしますわ!」

 

「わ、私の《キメラティック・フォーレンス・ドラゴン》が!?」

 

「これがエクシーズの力よ!《ブラック・レイ・ランサー》で《キメラテック・フォーレンス・ドラゴン》を攻撃!」

 

「ぬぁぁぁ!!」

 

ふふっ、エクシーズの力もだいぶ物に出来たわ。後はこの白紙のエクシーズを覚醒させるだけ、待ってなさいコナミ、そう遠くない未来にあなたを倒して見せるわ!

 

 



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第四十一話 エクシーズなお嬢様


再開してから初めてのデュエル回です。
カードとタクティクスが2年前から成長してませんが……


 

sideコナミ

 

 

 

「今日も出席してないな」

 

俺への宣戦布告以来幸子は授業には姿を見せていなかった。

 

「どうしたのコナミ」

 

「何かを探しているようでしたが?」

 

そんな俺の挙動を見て気になったのか雪乃と紫が尋ね寄ってきた。

 

「いや、幸子が最近授業に出てこないなと思って」

 

「海野さんだけではありません!」

 

そんな俺の言動に、突然、麗華委員長が割り込んできた。

 

「委員長!?びっくりしたな」

 

「日に日に生徒、特にオベリスクブルーの出席人数が減っているんです」

 

「あら、そうだったの?」

 

「見れば一目瞭然じゃないですか!?紫さんなんて今日は四方すべての生徒がいなかったじゃないですか!」

 

「そうでしたか?わたくしめは授業中もコナミ様の事しか見ておりませんでしたので」

 

「せめて出席しているあなたは授業を聞いてください!」

 

「確かに言われてみれば、俺も幸子しか気にしてなかった」

 

「「!?」」

 

今の発言で殺気にも似た視線を2つ感じた。

 

「ふーん、コナミはそんなに海野さんの事が気になるのねぇ」

 

なんだか嫉妬したような口調で幸子が俺に言ってきた。

 

「え?ま、まあ気になるかな」

 

宣戦布告やエクシーズを持ってる事とか今は結構気になってるしな。

 

「あっそ!?」

 

「そう……でしたか…」

 

「あれ?」

 

2人はなんでそんなに不機嫌になるんだ?

 

「れ、麗華先輩!」

 

そこに遥が息を切らしながら駆けこんできた。

 

「遥?廊下は走らないでください」

 

「す、すみません!?で、でも急いで知らせたかったもので!?」

 

「それで、伝えたいこととはなんでしょうか?」

 

「はい、海野先輩がオベリスクブルーの生徒数人を慕えてデュエルを行っているんです!?」

 

……それは問題なのか?

 

「数人をした得てと言うのは気になりますが、デュエルの自主練習事態は問題ないのでは」

 

委員長もそこは同じ意見のようだ。

 

「最も授業をさぼっていなければですが」

 

眼鏡をクィッと上げて光らせながらいとこと付け加えたがな。

 

「それが、した得ている生徒は昨日麗華先輩が言っていた授業に出ていない生徒で、負けた生徒も取り巻きに加わっているんです」

 

「「「「え?」」」」

 

 

 

 

sideツァン

 

……お願いだから、来て来て来てー!あむっ!

 

「……これは、クリームパン…」

 

今日は期間限定の黄金のプリンパンがある日、それを狙って3つめのパンも外れてしまった。

 

「まあこれはこれでおいしいけど……チョコ、あんと来て甘い物3つめ……」

 

これ以上食べたら体重が……

 

「どうしたんですかツァンさん、難しい顔をして?」

 

「うわっ!ゆま!いつから居たの!?」

 

次を買うか考えていると突然ゆまに声を掛けられた。

 

「えっと、ツァンさんがそのパンを食べた時からですが?それで何を考えていたんですか?」

 

「いや、別に大したことじゃ」

 

ゆまになんでもないと弁解すると数十人の足音が聞こえてきた。

 

「ごきげんよう庶民のみなさん!」

 

入ってきた集団の中心には幸子がいた。

 

「幸子さん?」

 

「ちょっと失礼」

 

そう言って幸子は購買のパンを1つ手に取り、それを買って食べた。

 

「なっ!それは黄金のプリンパン!」

 

適当に選んだように見えたのに……1発で当てるなんて!?

 

「凄いです!1回で引き当てました!?」

 

「今のわたくしにとってはこの程度の者を引き当てるのは左座もないですわ」

 

「今のあんた?」

 

「そう!偉大なるエクシーズの加護を受けたわたくしならば!」

 

そう言って幸子は1枚のカードを私達に掲げてきた。

 

「それは、エクシーズモンスター!?」

 

「でも、絵柄が白紙です」

 

ゆまの言った通り、そのカードの絵柄は白紙だった。

 

「ええ、このカードはまだ覚醒できていませんの、ですからこのカードを覚醒できるだけの相手を今探していますの」

 

「覚醒できる相手?」

 

「ええ、どうでしょうツァン・ディレさん、あなたならそれにふさわしい相手かもしれませんわ?」

 

「私が?」

 

「ええ、もしわたくしのデュエルを引き受けてくだされば、あなたにもエクシーズの加護をお分けして差し上げるわ」

 

「エクシーズの加護……」

 

それがあれば私も黄金のプリンパンを……

 

「で、でも幸子さん、なんだか様子が変ですよ?」

 

「うっ」

 

確かにそう言われれば、少し前の傲慢な幸子に戻ったような……

 

「見つけましたよ!海野さん!」

 

私が迷っているとまた数人の生徒が購買にやってきた。

 

「委員長さん!それにコナミさんたちも」

 

入ってきたのは麗華を先頭にコナミ、雪乃、紫、遥の5人だった。

 

「あら、ごきげんよう庶民とその仲間たち」

 

「海野さん、あなたとデュエルした生徒が授業に出席しなくなったと聞きましたが、どうやら本当のようですね」

 

「ええ、わたくしとのデュエルで、アカデミアの授業より、エクシーズの加護の方が有益と気付いたようですわ」

 

「すぐにそんなことはやめてください!そんな迷信の加護よりものちの人生で確実に役立つ勉学を身に着けるべきです!?」

 

「そうですかわからないのならあなたにも教えて差し上げますわ、わたくしのデュエルで!」

 

委員長の話に聞く耳を持たない幸子がデュエルを提案してきた。

 

「……そうですね、このデュエルアカデミアでのもめごとはデュエルで解決するのが鉄則!」

 

委員長もそれを承諾したようにディスクを掲げた。

 

「それでは行きましょうか」

 

「ええ、私が勝ちましたら、すぐにあなたもあなたの慕える生徒たちも授業に戻っていただきますよ!」

 

 

 

sideコナミ

 

幸子とのデュエルのため、俺たちはデュエルスペースへと移動した。

 

「幸子と麗華デュエルか」

 

「なんだかよく解らないですけど大変なことになってるみたいですね」

 

「いったいどちらが勝利なさるのでしょうか」

 

「もちろん麗華先輩が勝つに決まっています!?」

 

2人がデュエルの体制に入ったのを見て、みなこのデュエルに対する意見を述べていた。

 

「ねえコナミ、幸子が持ってたエクシーズカード…あなたは何か知っているの?」

 

そんな中、雪乃が俺に今回の件の核心とも思えることを聞いてきた。

 

「詳しくは知らないが…まあ心当たりはちょっとあるかな」

 

おそらくあのカードを渡したのは青海鱗子でその時何かしたのだろうが……

 

「ま、でもまだ仮説だから、確信が持てたら話すよ」

 

「……わかったわ、今はこのデュエルを見届けることにするわ」

 

「それでは覚悟はよろしいですか海野さん?」

 

「ええ。わたくしのカードを覚醒に導いてくれることを期待してますわよ」

 

「では、今からデュエルを行使します!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

side麗華

 

「力のない庶民に閃光を譲るのは淑女のたしなみですわ」

 

「随分な良いようですね。力が無いわけではありませんが、先攻はいただきますよ!」

 

 

 

1ターン目:麗華

 

「私の先攻です!」

先攻でこのカードが来るとは、幸先がいいですね。

「《連弾の魔術師》を守備表示で召喚します」

 

連弾の魔術師

効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1200

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分が通常魔法を発動する度に、

相手ライフに400ポイントダメージを与える。

 

「先手必勝です、魔法カード《革命》を行使します!」

 

革命

通常魔法

相手の手札の枚数×200ポイントダメージを相手ライフに与える。。

 

「今、貴方の手札は5枚、よって1000ポイントのダメージを与えます!」

 

「きゃっ!」幸子LP4000→3000

 

「手札の数によってダメエジの変わるカードでございますか」

 

「もっとも相手の手札が揃っていやすい先攻にそのカードを引き当てるなんてさすが麗華先輩です!」

 

見ている方々からもこう評価ですが、それだけじゃありませんよ!

 

「さらに通常魔法が発動したことで、《連弾の魔術師》の効果を行使します!」

 

「くぅ!」幸子LP3000→2600

 

「カードを2枚伏せてターン終了です」

 

 

麗華

LP4000

手札 2

モンスター 連弾の魔術師(守)

魔法・罠 セット×2

 

 

2ターン目:幸子

 

「わたくしのターン!《トライポッド・フィッシュ》召喚しますわ」

 

トライポッド・フィッシュ

効果モンスター

星3/水属性/魚族/攻 300/守1300

このカードが墓地からの特殊召喚に成功した時、

フィールド上の魚族・海竜族・水族モンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターのレベルを1つ上げる。

 

「そして手札の《シャーク・サッカー》を自身の効果により特殊召喚しますわ」

 

シャーク・サッカー

効果モンスター

星3/水属性/魚族/攻 200/守1000

自分フィールド上に魚族・海竜族・水族モンスターが召喚・特殊召喚された時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

このカードはシンクロ素材とする事はできない。

 

「レベルの同じモンスターが2体」

神導さんの時と同じ状況来ますか!?

「さあ、わたくしの得た新たなる力を篤とご覧あれ!水属性レベル3の《トライポッド・フィッシュ》と《ジョーズ・サッカー》でオーバーレイ!」

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」

☆3×2

「エクシーズ召喚、漆黒の闇より出でし赤き槍!《ブラック・レイ・ランサー》!」

 

ブラック・レイ・ランサー

エクシーズ・効果モンスター

ランク3/闇属性/獣戦士族/攻2100/守 600

水属性レベル3モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの効果をエンドフェイズ時まで無効にする。

 

「来ましたか、エクシーズモンスター!?」

 

ですがさっき見せた空白のエクシーズではないようですね

 

「戦闘、すなわちバトルよ!《ブラック・レイ・ランサー》で《連弾の魔術師》を攻撃!」

 

私のモンスターは破壊されましたがっ!

 

「この瞬間、罠カード《ヘル・ブラス》発動!貴方の《ブラック・レイ・ランサー》を破壊するわ!」

 

ヘル・ブラス

通常罠

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが破壊され

墓地へ送られた時に発動する事ができる。

フィールド上の攻撃力が一番低い表側表示モンスター1体を破壊し、

お互いにその攻撃力の半分のダメージを受ける。

 

「くっ!ですがそのカードはあなたにもダメージが」

幸子LP2600→1550

「ご心配なく、カウンター罠《地獄の扉越し銃》を行使します!」

 

地獄の扉越し銃

カウンター罠

ダメージを与える効果が発動した時に発動する事ができる。

自分が受けるその効果ダメージを相手に与える。

 

「これで私が受けるダメージもあなたへと跳ね返ります」

 

「なる…ほど……」幸子LP1550→500

 

「一気に幸子のライフを500にまで」

 

「ふふっ、ずいぶんやるわね委員長」

 

「凄いです委員長さん!」

 

周りも私の戦術を評価しているようですが、私は決して慢心しません!

 

「……まあいいでしょう、最初に相手を楽しませるのも強者の余裕、カードを1枚伏せターン終了ですわ」

 

 

 



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第四十二話 洗礼のエクシーズ

 デュエルを書くと文字数が6000を軽く超えてしまう。
 まあ理由はカードのテキストを載せてるからなんですが……


幸子

LP500

手札 3

モンスター なし

魔法・罠 伏せカード1枚

 

 

3ターン目:麗華

 

「私のターン!」

 

アタッカーモンスターが引けもせんでした……ですが今の彼女のライフならこれで十分!

 

「《メカウサー》を攻撃表示で召喚します!」

 

 

メカウサー

効果モンスター

星2/地属性/機械族/攻 800/守 100

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから「メカウサー」1体を自分フィールド上に

裏側守備表示で特殊召喚する事ができる。

このカードがリバースした時、フィールド上に存在するカード1枚を選択し、

そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。

 

「バトルを行います!《メカウサー》で直接攻撃!」

 

「罠カード発動よ《ガード・ブロック》!」

 

ガード・ブロック

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

防がれましたか。ですが《メカウサー》の効果ダメージでも削りきれる圏内、問題ありません!

 

「これでターン終了を宣言します」

 

 

麗華

LP4000

手札 1

モンスター メカウサー(攻)

魔法・罠 なし

 

 4ターン目:幸子

 

 

「やはり持たざる庶民はこの程度……わたくしのターン!魔法カード《サルベージ》を発動!墓地の《トライポッド・フィッシュ》と《ジョーズ・サッカー》を手札に戻しますわ」

 

 

サルベージ

通常魔法

自分の墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター2体を選択して手札に加える。

 

「そして魔法カード《強欲なウツボ》を発動。今手札に戻した2枚をデッキに戻し3枚ドロー!」

 

強欲なウツボ

通常魔法

手札の水属性モンスター2体をデッキに戻してシャッフルする。

その後、デッキからカードを3枚ドローする。

 

 

うまい具合に手札交換が出来ましたか。

 

「《アビス・ソルジャー》召喚。効果発動!手札の《超古深海王シーラカンス》を捨てて、《メカウサー》を手札に戻してもらいますわ!」

 

 

アビス・ソルジャー

効果モンスター

星4/水属性/水族/攻1800/守1300

1ターンに1度、手札から水属性モンスター1体を墓地へ捨て、

フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

選択したカードを持ち主の手札に戻す。

 

「バウンス効果ですか」

 

「ええ、《メカウサー》は倒しても別の《メカウサー》をリクルートでき、リバース時に500のダメージを与えるモンスター。先に対処させていただきましたわ」

 

「知っていましたか」

 

ですが、リクルート前にバウンスしてくれたのは好都合です。

 

「バトル、すなわち戦闘!《アビス・ソルジャー》でダイレクトアタック!」

 

「くっ!」幸子LP4000→2200

 

「ふふっ、少しは取り返せたわね」

 

「それはどうでしょうか?この瞬間、手札から《冥府の使者ゴーズ》の効果を行使します!」

 

 

冥府の使者ゴーズ

効果モンスター

星7/闇属性/悪魔族/攻2700/守2500

自分フィールド上にカードが存在しない場合、

相手がコントロールするカードによってダメージを受けた時、

このカードを手札から特殊召喚する事ができる。

この方法で特殊召喚に成功した時、受けたダメージの種類により以下の効果を発動する。

●戦闘ダメージの場合、自分フィールド上に「冥府の使者カイエントークン」

(天使族・光・星7・攻/守?)を1体特殊召喚する。

このトークンの攻撃力・守備力は、この時受けた戦闘ダメージと同じ数値になる。

●カードの効果によるダメージの場合、

受けたダメージと同じダメージを相手ライフに与える。

 

 

「これにより、このカードと攻撃力1800の《冥府の使者カイエントークン》を特殊召喚いたします」

 

「手札から一気に2体のモンスターを、……ードを1枚伏せターン終了よ」

 

 

幸子

LP500

手札 1

モンスター アビス・ソルジャー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 5ターン目:麗華

 

 

「私のターン」

 

伏せカードが1枚、《ゴーズ》の攻撃でもライフは削りきれますし、全体除去の可能性も踏まえてモンスターの召喚は控えるべきでしょう。

 

「さっそくですが戦闘を行います!《冥府の使者ゴーズ》で《アビス・ソルジャー》を攻撃!」

 

「貧相ね、罠カード発動《ポセイドンウェーブ》!」

 

ポセイドンウェーブ

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

相手モンスター1体の攻撃を無効にする。

自分フィールド上に魚族・海竜族・水族モンスターが表側表示で存在する場合、

その数×800ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

「あうぅっ!」麗華LP2200→1400

 

単体の攻撃無効カード……モンスターを召喚してから攻撃するべきでしたか。

 

「さあ、もう1体の攻撃はなさいますか?」

 

私のライフは《アビス・ソルジャー》の直接攻撃で終わる圏内、バウンス効果を使われ攻撃されれば終わり……なら

 

「では、《冥府の使者カイエントークン》で《アビス・ソルジャー》を攻撃!」

 

「相殺ですか」

 

「モンスターを1体セット、カードを1枚伏せ終了を宣言します」

 

 

麗華

LP1400

手札 1

モンスター 冥府の使者ゴーズ(攻)

      裏守備モンスター

魔法・罠 セット×1

 

 

sideコナミ

 

「麗華先輩のあの伏せモンスターは《メカウサー》に違いありません!攻撃したら海野先輩の負けです!」

 

「もっとも幸子もそれは気づいているでしょうから簡単には攻撃しないでしょうけど」

 

「あの白紙のエクシーズカード……使ってくるのかな」

 

白紙のエクシーズ……確かに追い詰められれば何かしらの力が働く展開もあるが……

 

「どちらにしろこのままでは終わらない気がする」

 

「何か心配事でもございますのでしょうか、コナミ様?」

 

「最初に幸子がエクストラ……融合デッキからエクシーズモンスターを出した時、まだ何枚かのカードがあった」

 

「幸子さんが融合モンスターを?」

 

「多分違うわゆま、おそらくコナミが心配しているのは」

 

「幸子は他にも何枚かエクシーズモンスターを持ってるってこと?」

 

「ああ……おそらくは」

 

 

side麗華

 

6ターン目:幸子

 

私の裏守備モンスターは《メカウサー》攻撃すれば500のダメージを与え貴方の負けです。

 

「わたくしのターン、ふふっ、どうやら終幕の時が来たようね」

 

「終幕?この状況でいったい何を?」

 

「永続魔法《異次元海溝》を発動。この効果で墓地の《超古深海王シーラカンス》を除外よ!」

 

 

異次元海溝

永続魔法

このカードの発動時に、自分の手札・フィールド上・墓地の

水属性モンスター1体を選んでゲームから除外する。

その後、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊された時、

このカードの効果で除外したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。

 

「そして、速攻魔法《ダブル・サイクロン》を発動するわ!」

 

ダブル・サイクロン

速攻魔法

自分フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚と、

相手フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して発動する。

選択したカードを破壊する。

 

 

「これであなたの伏せカードと《異次元海溝》を破壊するわ!」

 

私の《魔法の筒》を!しかし自分のカードを犠牲に伏せカードを破壊するとは……いえ、何か別に狙いがあるような?

 

「別に狙いがあるとお気づきのようね、正解よ!《異次元海溝》が破壊された時、効果で除外した《超古深海王シーラカンス》を特殊召喚するわ!」

 

「なるほど、その様なコンボが」

 

 

超古深海王シーラカンス

効果モンスター

星7/水属性/魚族/攻2800/守2200

1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。

デッキからレベル4以下の魚族モンスターを可能な限り特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃宣言できず、効果は無効化される。

また、フィールド上に表側表示で存在するこのカードが

カードの効果の対象になった時、

このカード以外の自分フィールド上の魚族モンスター1体をリリースする事で

その効果を無効にし破壊する。

 

「《超古深海王シーラカンス》の効果発動。手札を1枚捨て、デッキの《セイバー・シャーク》《深海王デビルシャーク》《素早いアンコウ》《素早いマンボウ》を特殊召喚!」

 

「一気に4体ものモンスターを……まさか!?」

 

「ふふっ、そのまさかよレベル4水属性の《セイバー・シャーク》と《深海王デビルシャーク》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築よ!」

☆4×2

 

「吠えよ未知なる轟き!深淵の闇より姿を現わしなさい!!エクシーズ召喚!!《バハムート・シャーク》!!」

 

バハムート・シャーク

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100

水属性レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体を

エクストラデッキから特殊召喚する。

このターンこのカードは攻撃できない。

 

「2体目のエクシーズモンスター!?」

 

しかも先ほどの白紙のとはまた違う気がします。まさかまだほかにもエクシーズモンスターを!?

 

「コナミの不安が当たったわね」

 

「幸子さんが2体目のエクシーズモンスターを!?」

 

「この調子だともう1体来そうだね、同じレベルのモンスターがまだ2体いるし」

 

「麗華先輩……」

 

「《バハムート・シャーク》の効果発動!ORUを1つ取り除いて、エクストラデッキの《トライエッジ・リヴァイア》を特殊召喚!」

 

 

トライエッジ・リヴァイア

エクシーズ・効果モンスター

ランク3/水属性/海竜族/攻1800/守1500

レベル3モンスター×3

このカードが戦闘によって破壊したモンスターは墓地へは行かずゲームから除外される。

また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

ターン終了時まで、選択したモンスターの攻撃力は800ポイントダウンし、効果は無効化される。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「3体目のエクシーズモンスター!」

 

やはりまだほかにも……

 

「魔法カード《エクシーズ・トレジャー》を発動よ!」

 

 

エクシーズ・トレジャー(未OCGカード)

通常魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスターエクシーズの数だけ、

自分のデッキからカードをドローできる。

 

「フィールドのエクシーズモンスターは2体、よって2枚ドローするわ!」

 

「ノーリスクで2枚のカードを!?」

 

「そして、フィールド魔法《忘却の都 レミューリア》を発動よ!」

 

忘却の都 レミューリア

フィールド魔法

このカードのカード名は「海」として扱う。

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上の水属性モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。

また、1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

このカードがフィールド上に存在する限り、

自分フィールド上の水属性モンスターの数と同じ数だけ、

自分フィールド上の水属性モンスターのレベルをエンドフェイズ時まで上げる。

 

《超古深海王シーラカンス》ATK2800→3000

《バハムート・シャーク》ATK2400→2600

《トライエッジ・リヴァイア》ATK1800→2000

《素早いアンコウ》ATK600→800

《素早いマンボウ》ATK1000→1200

 

「綺麗でしょ、《忘却の都 レミューリア》の効果発動!わたくしの水属性は5体」

 

「つまり5体ともレベルが5つあがるということですか」

 

「いいえ、エクシーズモンスターはレベルを持たない、ゆえに3体のモンスターだけレベルが5上がりますわ」

 

「レベルを持たないということはレベル0と言うことではないのですか……」

 

「レベル7水属性の《素早いアンコウ》と《素早いマンボウ》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築よ!」

☆7×2

 

「深海より轟く咆哮!深淵の闇より目覚め、海皇龍がついにその姿を現す!エクシーズ召喚!!《水精鱗-ガイオアビス》!!」

 

水精鱗-ガイオアビス

エクシーズ・効果モンスター

ランク7/水属性/水族/攻2800/守1600

水属性レベル7モンスター×2

エクシーズ素材を持っているこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

レベル5以上のモンスターは攻撃できない。

また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

このカードの攻撃力よりも低い攻撃力を持つ

相手フィールド上のモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《水精鱗-ガイオアビス》ATK2800→3000

 

「魔法カード《オーバーレイ・リジェネレート》を発動!」

 

オーバーレイ・リジェネレート

通常魔法

フィールド上に存在するエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

このカードを選択したモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする。

 

「このカードを《トライエッジ・リヴァイア》のORUにするわ」

 

「ORUを補充?いったい何を?」

 

「バトル、すなわち戦闘よ!《トライエッジ・リヴァイア》で裏守備モンスターを攻撃!」

 

「裏守備モンスターを!?」

 

このカードが《メカウサー》だということはおそらく気づいているはずなのですが……

 

「何にしても《メカウサー》の効果を行使します!《水精鱗-ガイオアビス》を選択し、そのコントローラーであるあなたに500のダメージを与えます!」

 

「残念ですが、《トライエッジ・リヴァイア》の効果発動よ!ORUを1つ取り除くことで、モンスター1体の効果を無効にし、攻撃力を800下げるわ!」

 

「効果を無効に!?」

 

「ええ、当然対象は《メカウサー》よ!」

 

その為にORUをですが!

 

「ですが《メカウサー》にはもう1つ墓地で発動するリクルート効果があります!この効果は無効にならないはずです!」

 

「残念ですが、《トライエッジ・リヴァイア》が戦闘で破壊したモンスターは、墓地へは行かず除外されるわ」

 

「なんですって!」

 

ORUが無くても効果を発動するエクシーズモンスターの効果が!?

 

「それでは続けて、優雅に、《超古深海王シーラカンス》で《冥府の使者ゴーズ》を攻撃!」

 

「きゃぁつ!」

麗華LP1400→1100

 

「これで終わりよ!《水精鱗-ガイオアビス》でダイレクトアタック!」

 

「ああああぁっ!!」

麗華LP1100→0

 

Win 幸子

 

 

 

「負けた……」

 

これがエクシーズの力……いえ、結局私は海野さんのカードを覚醒させることもできなかった。つまり本来の力はもっと…

 

「麗華先輩!」

 

遥が私を気遣って駆け寄ってきたようですね。ですが

 

「大丈夫ですか麗華先輩!」

 

「ええ、大丈夫ですよ、遥」

 

「わたくしのカードを覚醒まで導けなかったようね、でも私を一時は追いつめたのも事実」

 

「海野さん……」

 

「あなたは才能があるわ。どう?あなたもあなた自身のエクシーズを覚醒させ、その力を身に着けてみない?」

 

そう言って海野さんは白紙のエクシーズを私に差し出してきました。

 

「何を言っているのですか!麗華先輩にはそんなもの必要ありません!次は私があなたと!」

 

遥が私をかばっているようですが……いらぬ心配です!

 

「れ、麗華先輩?」

 

私と海野さんの間に立ちふさがる遥を避けて私は海野さんのカードを受け取った。

 

「これで私も、エクシーズの洗礼を受けられたのですね!?」

 

「ええ、これからはともに覚醒を目指して仲良くしましょう」

 

 

 

 

sideコナミ

 

 

「これで私も、エクシーズの洗礼を受けられたのですね!?」

 

「ええ、これからはともに覚醒を目指して仲良くしましょう」

 

……なんだこの展開は。

 

「委員長どうかしたのかな?」

 

「なんだか急に態度が変わっちゃいました?」

 

「えくしーずの洗礼とおっしゃっておりましたが?」

 

「デュエルに負けて、カードを受け取ってから……前にもこんなことがあった気がするのだけれど」

 

「ああ、カードを受け取って態度が変わったか……」

 

俺の偽物、ドッペルとやり方が似ている。なんだか嫌な予感がするが……まさかな。あいつは消えたばかりなんだからな……

 

 



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第四十三話 最強の流派登場


 今回はあの流派が登場(あの人が登場とは言っていない)


side魔希子

 

「これはどういうことでしょうか?」

 

エクシーズモンスターをこの時代に浸透させ未来を1つに隔離する。その目的は一見順調に果たされてるように見えますが

 

「魔希子ちゃんもそう思いますか。なんだか様子がおかしいですよね」

 

麻衣もこの様子に違和感を覚えたようですね。

 

「エクシーズモンスターを渡された生徒はみんな洗脳されたようにエクシーズモンスターを崇拝している……やりすぎですよ」

 

「なんというか鱗子さんらしくないですね?」

 

たしかに事を慎重に運ぶ鱗子さんらしくはありません……

 

「1度直接会って話を聞きたいのですが」

 

「全然連絡が取れなくなっちゃったからね」

 

「とにかくもう暫くは私たちは様子見に徹しつつ鱗子さんを探しましょう」

 

 

sideコナミ

 

 

委員長までエクシーズに触発された翌日。相変わらずオベリスクブルーの生徒は欠席が多かった。とはいえ授業に出ていないだけで、受けてる生徒に絡むことはないようだ。

 

「まあいや、放課後になればどうせまたあいつらは動くだろうしその時に……ん?」

 

もうすぐ授業が始まるというのに空席の多い教室には麗華委員長の姿があった。

 

委員長……昨日他の連中の様にエクシーズに洗礼されたから来ないと思ったんだが?

 

「あら委員長、あなたは授業にちゃんと出てるのね」

 

俺と同じ疑問を持ったのか雪乃が委員長に声を掛けた。

 

「たしかにエクシーズのもつ偉大な力に比べればこの授業で受けられることなど些細なものですが」

 

委員長は一呼吸置き、メガネをクイッと上げて言った。

 

「それとこれとは別です!まだ私が学生である内は風紀を守り、勉学に励むべきです!」

 

なんか変なところに委員長らしさが残っているな。

 

「さて」

 

雪乃に答えた後、委員長は立ち上がり俺の方へ向かった。

 

「コナミさん少しよろしいですか?」

 

「委員長、コナミに何か用なの?」

 

「ええ、もう授業が始まるので手短に言いますが。今日の放課後、レッド寮の存続をかけてデュエルを申し込みます!」

 

「……は?」

 

レッド寮の存続?

 

「ちょっと!?随分急ね、どうして委員長がレッド寮の存続を?」

 

「詳しいことは放課後お話します。我々がレッド寮に赴くのであなたは待っていればよろしいです。では」

 

そう憂いって委員長は自分の席に戻った。

 

「ちょっと委員長!?」

 

雪乃が呼び止めるがその時授業開始のチャイムがなった。

 

「ま、放課後離すって言ってたし、今はいいよ」

 

「……わかったわ、コナミがそう言うなら…放課後、私もレッド寮に行くからね」

 

 

side幸子

 

「本当に貴方にコナミが倒せるの?」

 

ブルー寮の一角でわたくしは1人の男子生徒とあっていました。

 

「ええ心配ありませんよ、このサージャント相川、サイバー流とエクシーズの力で必ずやコナミとやらを倒して見せましょう」

 

彼は自信満々に答えました。一応サイバー流と言えばデュエリストを育成する道場の中ではそれなり名家。

 

「では、期待していますわよ」

 

 

 

sideコナミ

 

そして放課後、委員長の予告通りレッド寮で俺と雪乃、そしてゆま、ツァン、紫…とまあいつもの面子が集まっていた。

 

さらに委員長の名を聞きつけた遥とファラオに会うため最初から居た恵もここにいる。

 

「でもなぜ麗華先輩は突然レッド寮の廃止なんて」

 

「理解……不能……」

 

「新しい寮をお立てになさるのですかね?」

 

「ここもブルー寮みたいに立派になるんですね!」

 

「たぶんそんな平和なことではないと思うよ」

 

「どちらにしても2人が来たら聞けばいいわね」

 

そうこうしてるうちに幸子と委員長そして何人かの生徒がやってきた。

 

「お待たせしました」

 

「待たせたわね庶民」

 

「ああ。で、デュエルをするのは構わないが、レッド寮を掛ける理由を先に聞かせてくれるんだろ?」

 

「そうでしたね。私達はブルー寮とは別に新たにエクシーズ使いの為の砦を作ることに決めたのです」

 

「エクシーズ使いの砦?」

 

「それはまた随分と大きな話ね」

 

「でもそれがどうしてレッド寮の廃止につながるんですか?」

 

「もちろん、ここを取り壊して新しい砦をこの場所に作るからですわ!」

 

皆の疑問に幸子が高らかに宣言した。

 

「ですが今のエクシイズ使いはほとんどブルーの生徒なのですからブルーの寮をそのままエクシイズの寮にしてはどうでしょうか」

 

「紫、僕達もその寮の生徒なんだよ」

 

紫の提案にツァンがあきれながら指摘した。

 

「ブルー寮はアカデミアの優秀な生徒の砦!それを書き換えるなんてとんでもありません!」

 

本当に変なところに委員長らしさが残ってるな。

 

「わたくしはそれでもかまわないのですが。まあこのボロボロのレッド寮の方が取り壊すコストが低いですし」

 

こっちは財閥令嬢らしい定義を……

 

「ま、どの道この寮は壊させないよ、俺が勝つのだから」

 

「中々の言いようね」

 

「ではさっそく始めましょうか」

 

「ああ、相手はどっちがするんだ?」

 

俺は2人のどちらかがデュエルをするのかと思っていた。おそらく雪乃達も同じ考えだっただろう。

 

「いい、貴方の相手をするのはわたくし達じゃありませんわ」

 

「なに?」

 

それは少し予想外だったな。

 

「さあ来なさい」

 

幸子に呼ばれて何人かの生徒の中から1人の男子生徒が出てきた。

 

「初めましてオベリスクブルー3年のサーシャント相川と申します」

 

「サーシャント相川?」

 

その名を聞いて雪乃が反応した。

 

「知ってるのか雪乃?」

 

「確かサイバー流の出身の生徒だったとか」

 

「サイバー流、カイザーと同じ道場のか」

 

「カイザーって?」

 

「え?いや……ああ!」

 

そう言えばまだカイザーはこの学園にはいなかったか。だがカイザーと同じ道場の出身か。なら少なくとも一般生徒よりはレベルが上か。

 

「サイバー流ってなんですか?」

 

「えっと…確か専門の機械族を使った流派だとか」

 

「《サイバー・ドラゴン》……それを使った流派」

 

「《サイバー・ドラゴン》でございますか?」

 

まだサイバー流も《サイバー・ドラゴン》もあまり知られていないようだ。カイザーがいないとはいえ、師範は校長なんだけどな……

 

「そうですね。私の事がわかっていただけたところで、デュエルは引き受けていただけますか」

 

「さあどうします庶民?今なら寮を明け渡して逃げることも認めますわ」

 

「まさか。相手にとって不足はなさそうだ。相手になろう」

 

「そう来なくては。では、尋常に!」

 

 

「「デュエル!」」

 

 

 1ターン目:サージャント相川

 

「先攻はいただきますよ。《サイバー・ドラゴン・コア》を守備表示で召喚」

 

サイバー・ドラゴン・コア

効果モンスター

星2/光属性/機械族/攻 400/守1500

このカードが召喚に成功した時、

デッキから「サイバー」または「サイバネティック」と名のついた

魔法・罠カード1枚を手札に加える。

また、相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

墓地のこのカードを除外して発動できる。

デッキから「サイバー・ドラゴン」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

「サイバー・ドラゴン・コア」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

このカードのカード名は、フィールド上・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。

 

「このカードの効果により、《サイバー・リペア・プラント》を手札に加える。これでターン終了です」

 

 

サージャント相川

LP4000

手札 6

モンスター サイバー・ドラゴン・コア(守)

魔法・罠 なし

 

 

2ターン目:コナミ

 

「俺のターン、魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動!」

 

ワン・フォー・ワン

通常魔法

手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

「手札のモンスターを1体捨て、デッキのチューナーモンスター《チェンジ・シンクロン》を召喚」

 

チェンジ・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0

このカードがシンクロモンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して表示形式を変更する。

 

「そして《ハウリング・ウォリアー》を召喚」

 

ハウリング・ウォリアー

効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻 800/守 700

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。

選択したモンスターのレベルは3になる。

 

 

「《ハウリング・ウォリアー》の効果で《チェンジ・シンクロン》のレベルを3にする」

 

「レベル3のモンスターが2体……くるのか?」

 

相川がエクシーズモンスターが来るかとかまえてきた。

 

「いや、俺はエクシーズ使えないから」

 

確かにこいつの効果はシンクロよりエクシーズ向きかもな。

 

「ではチューナーモンスターと別のモンスター、うわさに聞くシンクロ召喚か」

 

こいつシンクロの知識が……ま、さすがに俺への刺客である以上シンクロ召喚の予備知識はあるようだな。

 

「レベル3の《ハウリング・ウォリアー》にレベル3の《チェンジ・シンクロン》をチューニング!」

☆3+☆3=6

 

「気高き雄叫びが眠れる闘志を震わせる、シンクロ召喚!現れよ《マイティ・ウォリアー》!」

 

マイティ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星6/地属性/戦士族/攻2200/守2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

「《チェンジ・シンクロン》がシンクロ素材となったとき、相手モンスター1体の表示形式を変更できる」

《サイバー・ドラゴン・コア》DFE1500→ATK400

 

「《サイバー・ドラゴン・コア》を攻撃表示に変更。そしてバトルだ!《マイティ・ウォリアー》で《サイバー・ドラゴン・コア》を攻撃!」

 

「ぐっ!」

サーシャント相川LP4000→2200

 

「さらに《マイティ・ウォリアー》の効果発動。このカードが戦闘で破壊したモンスターの半分の攻撃力を相手に与える」

 

「うっ!」

サーシャント相川LP2200→2000

 

「一気に私のライフを半分に削りましたか!」

 

ああ、なかなか快調なスタートだな。

 

「墓地の《レベル・スティーラー》の効果発動!レベル6の《マイティ・ウォリアー》のレベルを1つ下げ守備表示で特殊召喚する」

 

「《レベル・スティーラー》?《ワン・フォー・ワン》のコストか?」

 

相川はすぐに理解した。結構広い視野で見れるやつだな。さすがサイバー流出身者ってところか。

 

「ああそうだ。カードを1枚伏せてターン終了だ」

 



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第四十四話 VSサイバー流

2話で完結させたかったのですが、文字数が……


コナミ

LP4000

手札 2

モンスター マイティ・ウォリアー(攻)

      レベル・スティーラー(守)

魔法・罠 セット×1

 

 3ターン目:サージャント相川

 

 

「私のターン、墓地に《サイバー・ドラゴン》がいることで、魔法カード《サイバー・リペア・プラント》を発動!」

 

サイバー・リペア・プラント

通常魔法

自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が存在する場合、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

自分の墓地に「サイバー・ドラゴン」が3体以上存在する場合、両方を選択できる。

「サイバー・リペア・プラント」は1ターンに1枚しか発動できない。

●デッキから機械族・光属性モンスター1体を手札に加える。

●自分の墓地の機械族・光属性モンスター1体を選択してデッキに戻す。

 

 

「え?墓地に《サイバー・ドラゴン》なんてありませんよ?」

 

「《サイバー・ドラゴン・コア》はフィールドと墓地では《サイバー・ドラゴン》として扱う効果があるのよ、ゆま」

 

状況が読めてないゆまに雪乃が説明した。まあ初見じゃわからないよな。

 

「この効果により、デッキの《サイバー・ドラゴン》を手札に加える。そして加えた《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚!」

 

 

サイバー・ドラゴン

効果モンスター

星5/光属性/機械族/攻2100/守1600

(1):相手フィールドにモンスターが存在し、

自分フィールドにモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

本家《サイバー・ドラゴン》がついにきたか。

 

「さらに《サイバー・ドラゴン・ドライ》を召喚」

 

サイバー・ドラゴン・ドライ

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1800/守 800

このカードが召喚に成功した時、

自分フィールド上の全ての「サイバー・ドラゴン」のレベルを5にできる。

この効果を発動するターン、自分は機械族以外のモンスターを特殊召喚できない。

また、このカードが除外された場合、

自分フィールド上の「サイバー・ドラゴン」1体を選択して発動できる。

選択したモンスターはこのターン、戦闘及びカードの効果では破壊されない。

このカードのカード名は、フィールド上・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。

 

 

「このカードの効果により全ての《サイバー・ドラゴン》のレベルを5に変更する!」

 

レベル5のモンスターが2体、くるか!

 

「レベル5機械族の《サイバー・ドラゴン》と《サイバー・ドラゴン・ドライ》でオーバーレイ!」

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」

☆5×2

 

「エクシーズ召喚!見よ!サイバー流は進化した!《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/光属性/機械族/攻2100/守1600

機械族レベル5モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

自分の墓地の「サイバー・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚する。

また、1ターンに1度、自分の手札・フィールド上の

「サイバー・ドラゴン」1体を除外して発動できる。

このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで、2100ポイントアップする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

このカードが相手の効果によって墓地へ送られた場合、

機械族の融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚できる。

 

 

「《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の効果発動!ORUを1つ取り除き、墓地の《サイバー・ドラゴン》1体を特殊召喚する!」

 

《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の咆哮に呼び寄せられるように《サイバー・ドラゴン》が現れた。

 

「バトルだ!《サイバー・ドラゴン》で《レベル・スティーラー》を攻撃!」

 

《サイバー・ドラゴン》の光線が《レベル・スティーラー》に炸裂する。

 

「そして《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》で《マイティ・ウォリアー》を攻撃!」

 

「何?《マイティ・ウォリアー》の方が攻撃力は上だぞ?」

 

「そうだろう?そう思うだろう。《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の2つ目の効果発動!」

 

2つ目?そう言えばORUなしで効果を発動するエクシーズモンスターも居たな。

 

「手札かフィールドの《サイバー・ドラゴン》1体を除外することで、攻撃力をエンドフェイズまで攻撃力を2100アップさせる!」

《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》ATK2100→4200

 

「自己強化効果、しかも実質倍増させる効果か」

 

攻撃力の限界がないという触れ込みのサイバー流らしい効果だな。

 

「手札から2体目の《サイバー・ドラゴン》を除外し、攻撃力アップ!」

 

「ぐうっ!!」

コナミLP4000→2000

 

「!?」

 

なんだ?今の妙な感覚は?闇のデュエル……いや、この感覚はダークモンスターの攻撃を受けたような……

 

「どうかしましたか?」

 

「あ、いや、なんでもない」

 

そんなはずはないな。あいつがこんなに早く復活できるはずもない。

 

「これでライフは追いつきましたね。カードを1枚伏せターン終了だ」

《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》ATK4200→2100

 

 

サージャント相川

LP2000

手札 3

モンスター サイバー・ドラゴン・ノヴァ(攻)

      サイバー・ドラゴン(攻)

魔法・罠 伏せカード1枚

 

 4ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《アンノウン・シンクロン》を特殊召喚」

 

アンノウン・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

「アンノウン・シンクロン」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

 

「《サイバー・ドラゴン》と同じ召喚効果をもつモンスターか」

 

「ああ。そして《ロックストーン・ウォリアー》を召喚」

 

ロックストーン・ウォリアー

効果モンスター

星4/地属性/岩石族/攻1800/守1600

このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

このカードの攻撃によってこのカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、

自分フィールド上に「ロックストーン・トークン」

(岩石族・地・星1・攻/守0)2体を特殊召喚する。

このトークンはアドバンス召喚のためにはリリースできない。

 

「レベル4の《ロックストーン・ウォリアー》にレベル1チューナー《アンノウン・シンクロン》をチューニング!」

☆4+☆1=5

 

「集いし怪我の功名が新たな勇敢へ続く。光さす道となれ!シンクロ召喚!立ち上がれ、《スカー・ウォリアー》!」

 

スカー・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星5/地属性/戦士族/攻2100/守1000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手は表側表示で存在する他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択する事はできない。

また、このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

 

「バトルだ!《スカー・ウォリアー》で《サイバー・ドラゴン》を攻撃!」

 

「相打ちか?」

 

「いや、《スカー・ウォリアー》は1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない」

 

「なるほど、なら一方的に《サイバー・ドラゴン》が倒されるわけか」

 

最も、そいつは次のターン復活するだろうがな。

 

「でも《サイバー・ドラゴン》を倒してもまた次のターンに《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の効果で復活しちゃうんじゃ」

 

「でも《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》を攻撃しても効果を発動して返り討ちにされただけだと思うよ」

 

「ですが次のコナミ様の番にまた効果を使用されては」

 

「ダメージの量は……コナミのを越える……」

 

「しかし次の攻撃をしのげばもう《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の効果は使えません」

 

「次のタ―ンが正念場ね」

 

その通りだな。次のターンをしのげばもう《サイバー・ドラゴン》は復活しない……

 

「《スカー・ウォリアー》のレベルを下げ、墓地の《レベル・スティーラー》を特殊召喚」

《スカー・ウォリアー》☆5→☆4

 

「カードを1枚伏せてターン終了」

 

 

コナミ

LP2000

手札 0

モンスター スカー・ウォリアー(攻)

      レベル・スティーラー(守)

魔法・罠 セット×2

 

 5ターン目:サージャント相川

 

「私のターン、《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の効果発動!ORUを1つ取り除き、墓地の《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚」

 

やはりまた来たか。

 

「そして手札の《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》を召喚」

 

サイバー・ドラゴン・ツヴァイ

効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1500/守1000

このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップの間、

このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

1ターンに1度、手札の魔法カード1枚を相手に見せて発動できる。

このカードのカード名はエンドフェイズ時まで

「サイバー・ドラゴン」として扱う。

また、このカードのカード名は、

墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。

 

 

「そしてこのカードの効果を発動。手札の装備魔法《フュージョン・ウェポン》を公開し、このターンの間、カード名を《サイバー・ドラゴン》とします」

 

《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》ATK1500→1800

 

「《フュージョン・ウェポン》?」

 

まあサイバー流は元々融合がメインの流派だし、それに通じるカードを持っていてもおかしくはないか。

 

「バトルです!《サイバー・ドラゴン》で《レベル・スティーラー》を攻撃」

 

さっきのターンと同じ光景が俺の目に映る。

 

「そして《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の効果発動!《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》を除外し攻撃力2100アップ!」

 

《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》ATK2100→4200

 

「《スカー・ウォリアー》を攻撃だ!」

 

「《スカー・ウォリアー》は1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない」

 

「だがダメージは受けてもらう!それでお前のライフは尽きて終わりだ!」

 

「罠カード《ガード・ブロック》を発動!この効果で戦闘ダメージを0にし、1枚ドローする」

 

「防がれてしまいましたか。これでターンを終了します」

《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》ATK4200→2100

 

 

サージャント相川

LP2000

手札 3

モンスター サイバー・ドラゴン・ノヴァ(攻)

      サイバー・ドラゴン(攻)

魔法・罠 伏せカード1枚

 

 5ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、魔法カード《調律》を発動」

 

調律

通常魔法

自分のデッキから「シンクロン」と名のついたチューナー1体を

手札に加えてデッキをシャッフルする。

その後、自分のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。

 

「《ジャンク・シンクロン》を手札に加えデッキトップのカードを墓地に送る。そして《ジャンク・シンクロン》を召喚」

 

ジャンク・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する

レベル2以下のモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。

 

「このカードの召喚成功時の効果により、《調律》で墓地に落ちた《チューニング・サポーター》を特殊召喚する」

 

「またシンクロか?」

 

「ああ、レベル4の《スカー・ウォリアー》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3チューナー《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

☆4+☆1+☆3=☆8

 

「集いし闘志が怒号の魔神を呼び覚ます。光さす道となれ!シンクロ召喚!粉砕せよ、《ジャンク・デストロイヤー》!」

 

ジャンク・デストロイヤー

シンクロ・効果モンスター

星8/地属性/戦士族/攻2600/守2500

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、

このカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数まで

フィールド上に存在するカードを選択して破壊する事ができる。

 

「《ジャンク・デストロイヤー》のシンクロ召喚時の効果発動!素材となったチューナー以外のモンスターは2体、よって2枚のカード、《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》と《サイバー・ドラゴン》を破壊する」

 

「効果で破壊すればいい。そうだろう?そう考えるだろう。だが残念《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》の3つ目の効果発動!」

 

「3つ目の効果だと?」

 

「このカードが相手の効果で破壊された場合、機械族の融合モンスターを融合デッキから特殊召喚できる!」

 

融合モンスターを直接召喚する効果だと!?

 

「現れろ《キメラテック・ランページ・ドラゴン》!」

 

キメラテック・ランページ・ドラゴン

融合・効果モンスター

星5/闇属性/機械族/攻2100/守1600

「サイバー・ドラゴン」モンスター×2体以上

このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。

(1):このカードが融合召喚に成功した時、

このカードの融合素材としたモンスターの数まで

フィールドの魔法・罠カードを対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

デッキから機械族・光属性モンスターを2体まで墓地へ送る。

このターン、このカードは通常の攻撃に加えて、

この効果で墓地へ送ったモンスターの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。

 

 

「融合モンスターを直接召喚してしまいますとは!?」

 

「だけどコナミのモンスターの方が攻撃力は上回ってるよ」

 

「でもあの人の手札には《フュージョン・ウェポン》がありますよ!」

 

「ええ、でもそれもコナミ先輩がこのターンにあのモンスターを倒せれば問題ありません」

 

たしかにこのターンで終われば関係ないが。

 

「そうだけど、彼もそれはわかっていてあのモンスターを出したはずよ。きっと対策があるはず」

 

「伏せカード……1枚あり…」

 

おそらく雪乃と恵の思考どおり。あの伏せカードでこのターンを凌いで次のターン《フュージョン・ウェポン》を装備させて迎撃するつもりだろうが。俺の伏せカードは《シンクロ・ストライク》これでこっちも攻撃力を1500上昇させ向かい打てばいい。

 

「バトルだ、《ジャンク・デストロイヤー》で《キメラテック・ランページ・ドラゴン》を攻撃!」

 

「罠カード発動!《重力解除》!」

 

重力解除

通常罠

自分と相手フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの表示形式を変更する。

 

《ジャンク・デストロイヤー》ATK2600→DFE2500

《キメラテック・ランページ・ドラゴン》DFE1600→ATK2100

 

「表示形式変更か」

 

これは予想外だ、これでは攻撃力を上げて迎撃しても意味がないな。

 

「バトルフェイズは終了だ。《ジャンク・デストロイヤー》のレベルを1つ下げ《レベル・スティーラー》を特殊召喚」

 

「またですか、守りがワンパターンですね」

 

「……カードを1枚伏せてターン終了だ」

 

 

コナミ

LP2000

手札 1

モンスター ジャンク・デストロイヤー(守)

      レベル・スティーラー(守)

魔法・罠 セット×2

 

 6ターン目:サージャント相川

 

 

「俺のターン、装備魔法《フュージョン・ウェポン》を《キメラテック・ランページ・ドラゴン》に装備」

 

フュージョン・ウェポン

装備魔法

レベル6以下の融合モンスターのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力と守備力は1500ポイントアップする。

 

《キメラテック・ランページ・ドラゴン》ATK2100→3600

 

「やっぱりか」

 

「まあそうだろう?ここまでは想像できたろう。《キメラテック・ランページ・ドラゴン》の効果発動!」

 

「このタイミングで起動効果?」

 

「デッキの光属性・機械族を2体まで墓地に送り、このターンこのカードは墓地に送ったモンスターの数だけ追加攻撃できる!」

 

「連続攻撃!」

 

サイバー流の《キメラテック》は連打攻撃が好きなようだな。

 

「デッキの《サイバー・ダイナソー》と《サイバー・フェニックス》を墓地に送りこのターン3回の攻撃を可能とする。まずは邪魔な壁モンスター2体を攻撃だ!」

 

《レベル・スティーラー》……なんか今回ごめん。

 

「これで終わりですね。《キメラテック・ランページ・ドラゴン》でダイレクトアタック!」

 

「罠カード発動《スピリット・フォース》!」

 

スピリット・フォース

通常罠

相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

その後、自分の墓地に存在する守備力1500以下の

戦士族チューナー1体を手札に加える事ができる。

 

 

「このカードによりダメージを0にし墓地の《ジャンク・シンクロン》を手札に加える」

 

「また防がれてしまいましたか。ですが私の有利に変わりはないのでいいでしょう。これでターン終了です」

 

 

サージャント相川

LP2000

手札 3

モンスター サイバー・ドラゴン・ノヴァ(攻)

魔法・罠 伏せカード1枚

 

 7ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《レベル・ウォリアー》をレベル4として特殊召喚」

 

レベル・ウォリアー

効果モンスター

星3/光属性/戦士族/攻 300/守 600

フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル2モンスターとして手札から召喚する事ができる。

相手フィールド上にモンスターが存在し、

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードはレベル4モンスターとして手札から特殊召喚する事ができる。

 

「《ジャンク・シンクロン》を召喚。召喚成功時の効果により《チューニング・サポーター》を特殊召喚」

 

「またそのパターンですか」

 

「悪いね、これが一番効率的なんだ。レベル4の《レベル・ウォリアー》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3チューナー《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

☆4+☆1+☆3=☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》!」

 

美しく翼を羽ばたかせながら俺の切り札である竜《スターダスト・ドラゴン》が姿を現した。

 

「来たよ!コナミの切り札!」

 

「《スターダスト・ドラゴン》です!」

 

「何度見てもお美しいです」

 

「でも攻撃力は《キメラテック・ランページ・ドラゴン》が上のままです!?」

 

「戦闘……不利…」

 

「いいえ、コナミには何か考えがあるはずよ」

 

当然だ。

 

「バトルだ、《スターダスト・ドラゴン》で《キメラテック・ランページ・ドラゴン》を攻撃!」

 

「攻撃力の2500で3600を攻撃ですか?」

 

「罠カード発動《シンクロ・ストライク》!」

 

シンクロ・ストライク

通常罠

シンクロ召喚したモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで、

シンクロ素材にしたモンスターの数×500ポイントアップする。

 

「《スターダスト・ドラゴン》の素材は3体よって攻撃力は1500アップする」

《スターダスト・ドラゴン》ATK2500→4000

 

「ぐっ!やはり強化カードがありましたか」

サーシャント相川LP2000→1600

 

「さらに魔法カード《貪欲な壺》を発動」

 

貪欲な壺

通常魔法

(1):自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。

そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。

その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

 

「墓地の《ジャンク・シンクロン》《チェンジ・シンクロン》《スカー・ウォリアー》《マイティ・ウォリアー》《ジャンク・デストロイヤー》をデッキに戻し2枚ドロー。カードを2枚伏せてターン終了だ」

 

《スターダスト・ドラゴン》ATK4000→2500

 

 



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第四十五話 攻撃力の限界

 隠す気はなかったのですが、
 本編で公開する機会がなかったこの話の時系列が今回ようやく明かされます。


 

 

 8ターン目:サージャント相川

 

 

「俺のターン……ふぅ、サイバー流の中ではドロー力の乏しい私では都合の良いカードは引けませんでしたか。ですが速攻魔法《リロード》を発動します!」

 

リロード

速攻魔法

自分の手札を全てデッキに加えてシャッフルする。

その後、デッキに加えた枚数分のカードをドローする。

 

「手札3枚を全てデッキに戻し、戻した数だけドローしします。こうして私は必要なカードを手にするのです」

 

なるほど、サイバー流は誰でも積み込み戦法が使えるわけではないのか。

 

「魔法カード《死者蘇生》を発動!墓地の《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》を特殊召喚」

 

「《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》を蘇生か」

 

まあORUはないが《キメラテック・ランページ・ドラゴン》は蘇生制限を満たしていないし、そいつが妥当か。

 

「では見せて差し上げましょう。このモンスターの更なる進化を」

 

「更なる進化?」

 

エクシーズモンスターのさらに上でもあるのか?

 

「どうやら相川はあのエクシーズモンスターにつなげるようね」

 

「この召喚ができたのは相川先輩だけ、だからこそコナミさんへの資格として選ばれたのでしたね」

 

幸子たちが気になることを言ってるし、……更なる進化?

 

「《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》でオーバーレイ!」

 

「何!?レベルを持たないならエクシーズ素材にはなれないのではないのか!?」

 

あれ?なぜ俺はこんな回りくどい言い方を?普通にエクシーズモンスターでエクシーズ召喚だと!?とかでよかっただろ?

 

「本来は慣れません。ですが、ごく少数ですが、エクシーズモンスターから直接進化できる力を持ったエクシーズモンスターがいるのですよ」

★×1

 

「エクシーズ召喚!現れろ《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》!」

 

サイバー・ドラゴン・インフィニティ

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/光属性/機械族/攻2100/守1600

機械族・光属性レベル6モンスター×3

「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」は1ターンに1度、

自分フィールドの「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」の上に重ねてX召喚する事もできる。

(1):このカードの攻撃力は、このカードのX素材の数×200アップする。

(2):1ターンに1度、フィールドの表側攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをこのカードの下に重ねてX素材とする。

(3):1ターンに1度、カードの効果が発動した時、

このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

 

 

「《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》は1つ目の効果によりORU1つにつき攻撃力が200アップします」

《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》ATK2100→2300

 

「そして《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》の2つ目の効果発動!1ターンに1度、攻撃表示のモンスター1体をORUとして吸収できる!」

 

「ORUに吸収だと!」

 

さすがにそんな効果は予想外だ。破壊でもないし墓地にもいかない、すごい万能除去だな。

 

「そ、そんなことされたらコナミさんの《スターダスト・ドラゴン》が!?」

 

「コナミの《スターダスト・ドラゴン》は破壊効果は無効にできるけど」

 

「ORUに吸収なんて予想外な効果、さすがに対応できないわ」

 

そうだろう?みんなもそう思うだろう?……やば、口癖移ってた。

 

「いいや、罠カード発動!《バスター・モード》!」

 

 

バスター・モード

通常罠

自分フィールド上のシンクロモンスター1体をリリースして発動できる。

リリースしたシンクロモンスターのカード名が含まれる

「/バスター」と名のついたモンスター1体を

デッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。

 

 

「《スターダスト・ドラゴン》を生贄に捧げ、《スターダスト・ドラゴン/バスター》を特殊召喚する!」

 

「これは……サクリファイス・エスケープ、コンボ……」

 

「モンスターを生贄にする事で相手のモンスター除去等を回避するテクニックですね!」

 

「そのうえより強力な《スターダスト・ドラゴン/バスター》にお繋ぎいたしました」

 

この効果も交わした俺の手にみんな感心してくれているようだ……俺の目の前にいる相川以外は。

 

「残念ですが、《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》の3つ目の効果発動!」

 

「3つ目!?」

 

《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》も効果が3つあったし、サイバー流のエクシーズは効果の大盤振る舞いだな。

 

「1ターンに1度、ORUを1つ取り除き、カードの発動を無効にできます!」

 

「カードを無効!」

 

なんて単純にして強力な効果。しかも今の感じだと起動効果も無効にできるみたいじゃないか。

 

「だが生贄は発動コスト、これで対象を失い《スターダスト・ドラゴン》がORUとして吸収されることはなくなった」

 

「しかし同じことです、これであなたの場にモンスターはいなくなった。この攻撃で終わりです!《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》でダイレクトアタックです!」

 

「罠カード発動!《星墜つる地に立つ閃珖(スターダスト・リ・スパーク)》!」

 

星墜つる地に立つ閃珖(スターダスト・リ・スパーク)

通常罠

「星墜つる地に立つ閃珖」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):特殊召喚された相手モンスターの直接攻撃宣言時、

そのモンスターの攻撃力が自分のLP以上の場合に発動できる。

その攻撃を無効にし、自分はデッキから1枚ドローする。

その後、自分のエクストラデッキ・墓地から「スターダスト」モンスター1体を選んで特殊召喚できる。

 

 

「攻撃を無効にし1枚ドロー!そして墓地の《スターダスト・ドラゴン》を特殊召喚!」

 

「攻撃を無効にしたうえ、モンスターを復活させドローまでしたですと!」

 

「発動条件が結構あるからな」

 

「くっ、ですが装備魔法《災いの装備品》発動!あなたの《スターダスト・ドラゴン》に装備」

 

 

災いの装備品

装備魔法

装備モンスターの攻撃力は、自分フィールド上に存在する

モンスターの数×600ポイントダウンする。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を

選択してこのカードを装備する事ができる。

 

「私のモンスターは1体、よって《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力は600ダウンします」

《スターダスト・ドラゴン》ATK2500→1900

 

「これで次のターン私の《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》を倒すことはできない。カードを1枚伏せてターン終了です」

 

 

サージャント相川

LP1600

手札 0

モンスター サイバー・ドラゴン・ノヴァ(攻)

魔法・罠 伏せカード1枚

 

 9ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、魔法カード《破天荒な風》を発動!」

 

破天荒な風

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力・守備力は、

次の自分のスタンバイフェイズ時まで1000ポイントアップする。

 

《スターダスト・ドラゴン》ATK1900→2900

 

「ほう、攻撃力アップのカードを引き当てたか」

 

攻撃力を上回ってもこの余裕、何かあるな。だが!

 

「バトルだ!《スターダスト・ドラゴン》で《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》を攻撃!」

 

「この状況で攻撃力アップのカードを引き当てたのは上出来ですが、覚えておきなさい、サイバー流に攻撃力の限界はありません!速攻魔法《リミッター解除》発動!」

 

リミッター解除

速攻魔法(制限カード)

このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する

全ての機械族モンスターは、ターン終了時まで攻撃力が倍になる。

このターンのエンドフェイズ時、

この効果を受けたモンスターを全て破壊する。

 

 

「私の機械族モンスターすべての攻撃力を倍にします!」

《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》ATK2100→4200

 

「攻撃力に限界はないか。なら俺は、その限界に並んで見せよう!速攻魔法《イージーチューニング》発動!」

 

イージーチューニング

速攻魔法

自分の墓地のチューナー1体をゲームから除外し、

自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

選択した自分のモンスターの攻撃力は、

このカードを発動するために除外したチューナーの攻撃力分アップする。

 

 

「墓地のチューナーモンスター《ジャンク・シンクロン》を除外際、攻撃力1300アップ!」

《スターダスト・ドラゴン》ATK2900→4200

 

「攻撃力が並んだ!」

 

「行け!"シューティング・ソニック"!」

 

「ぐぅ!相打ちですか!」

 

「いやまだだ、速攻魔法《スピリット・バトル》発動!」

 

 

スピリット・バトル(未OCGカード)

速攻魔法

このターン破壊され、お互いの墓地に存在するモンスターをそれぞれ1体ずつ特殊召喚し、

そのモンスター同士を戦闘させる。

この戦闘によって発生するお互いのプレイヤーへの戦闘ダメージは0になる。

この戦闘でモンスターが破壊された場合、

破壊されたモンスターのコントローラーはその攻撃力分のダメージを受ける。

 

 

「破壊されたモンスター同士で戦闘を行う!」

 

「もう1度!しかも1度墓地に落ちたから2体とも攻撃力は元に戻っている!」

 

「再び行け!"シューティング・ソニック"!!」

 

「ぐぅ!」

 

「この戦闘でダメージは発生しないが、モンスターが破壊されたとき、その攻撃力分のダメージを相手に与える!」

 

「ぐあぁぁぁ!!」

サーシャント相川LP1600→0

 

Win コナミ

 

 

「負けて……しまいましたか」

 

「ああ、俺の勝ちだ。だがいいデュエルだった。こういう特定の流派に所属するデュエリストとのデュエルは初めてだったからな」

 

「そうだろう。サイバー流は数多くのデュエリストのトップを牛耳る流派。負けたのは私が未熟だからです」

 

なかなかいさぎいいな。

 

「ですから私に勝ったぐらいでサイバー流の本質を知った気にはならないでくださいね」

 

「ああ。ほかのサイバー流とも戦える日を楽しみにしてるよ」

 

「そうですね、私はサイバー流継承者の中でも精々中の上本当のサイバー流はこんなものじゃありませんから」

 

「なにか心当たりがあるんですか?」

 

「ええそして私が知る中でもサイバー流継承者の中でも随一の実力者がいますが、恐らく来年この学園にやってくるでしょう」

 

随一の実力のサイバー流継承者……まあ誰かは知っているけれど。

 

「そうか、その男と会えるのを楽しみにしておくよ」

 

 

 

「全く期待はずれでしたわね」

 

デュエルを観戦していた幸子がそう言って他の生徒を連れて立ち去って行った。

 

「あっ、まだ帰っては……全く」

 

だが委員長は帰らずに俺たちのほうへとやってきた。

 

「さて、相川さん、あなたが敗北した場合は……わかったいますよね」

 

「はい……」

 

委員長に言われサーシャント相川は持っていたエクシーズモンスターを委員長に差し出した。

 

「それ回収するのか?」

 

「ええ、崇高なエクシーズは完璧なデュエリストの手にあるべき。敗者が持っていていいカードではありません」

 

厳しいな。まあエクシーズをどう扱うかは俺の管轄外だが……

 

「お前はいいのか?」

 

「ええ、どんなに強いカードを持とうと私が未熟では変わりませんからね。まずは私の身から鍛えないとですから」

 

こいつ結構いいやつだな。

 

「ではコナミさん。また明日お伺いしますから」

 

「ああ……って、え?明日?」

 

「当然です。レッド寮を私たちの手に収めるまで、毎日伺い明日から」

 

「まじで……」

 

「ご安心ください、あなたとのデュエルは1日1度まで、数にものを言わせた暴挙には出ませんので」

 

やっぱり変なところに委員長らしさが残っているな……だがそういう問題ではない!

 

「やれやれ、明日からもこれが続くのか」

 

俺は去っていく委員長を見ながらため息をついた。

 

「だ、大丈夫ですよコナミさんなら!」

 

「コナミ様ならどのようなエクシイズが相手でも平気でございますよ」

 

「どうしてもつらいときは、私が変わってあげるわ」

 

「ぼ、僕だってコナミがどうしてもっていうなら変わらないことないよ!?」

 

「はは……ありがと、みんな」

 

でも……やっぱりしんどいな。

 



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第四十六話 本当の目標は誰にも言わないものだ

 

 

sideコナミ

 

サーシャント相川とのデュエルから数日間、あいつらは本当に毎日1人デュエリストを送ってきていた。戦隊モノの悪役かよ……そして今日も、清水季也とかいうラーイエローのデュエリストとデュエルを始めたところだ。

 

 

1ターン目:季也

 

「俺の先行、《大木人18》を守備表示で召喚。ターン終了だ」

 

2ターン目:コナミ

 

守備力1900の通常モンスターか。

「俺のターン、俺の場にモンスターが存在しないことで《ジャンク・フォワード》を特殊召喚する」

 

ジャンク・フォアード

効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻 900/守1500

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

 

「さらに《ハイパー・シンクロン》を召喚」

 

ハイパー・シンクロン

チューナー(効果モンスター)

星4/光属性/機械族/攻1600/守 800

このカードがドラゴン族モンスターの

シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、

このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターは攻撃力が

800ポイントアップし、

エンドフェイズ時にゲームから除外される。

 

「レベル3の《ジャンク・フォワード》にレベル4の《ハイパー・シンクロン》をチューニング!」

☆3+☆4=☆7

 

「集いし刃が邪悪な闇を切り裂く。光さす道となれ!シンクロ召喚!打ち砕け!《セブン・ソード・ウォリアー》!」

 

セブン・ソード・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星7/地属性/戦士族/攻2300/守1800

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、このカードに装備カードが装備された時、

相手ライフに800ポイントダメージを与える。

また、1ターンに1度、このカードに装備された

装備カード1枚を墓地へ送る事ができる。

このカードに装備された装備カードが墓地へ送られた時、

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を

選択して破壊する事ができる。

 

「装備魔法《シンクロ・ヒーロー》を《セブン・ソード・ウォリアー》に装備する」

 

シンクロ・ヒーロー

装備魔法

(1):装備モンスターのレベルは1つ上がり、攻撃力は500アップする。

 

《セブン・ソード・ウォリアー》ATK2300→2800 ☆7→8

 

「攻撃力を上げたところで俺のモンスターは守備表示だぞ!」

 

「《セブン・ソード・ウォリアー》の効果発動!このカードがカードを装備したとき、相手に800のダメージを与える!」

 

「なっ!?」

季也LP4000→3200

 

「さらに《セブン・ソード・ウォリアー》のもう1つの効果発動。このカードに装備された《シンクロ・ヒーロー》を墓地に送る」

《セブン・ソード・ウォリアー》ATK2800→2300 ☆8→7

 

「自分から装備カードを外しただと?馬鹿なのか?」

 

「いいや、《セブン・ソード・ウォリアー》が装備したカードが墓地に送られたとき、相手モンスター1体を破壊できる!」

 

「なに!?」

 

「バトルだ!《セブン・ソード・ウォリアー》でダイレクトアタック!」

 

「くっ、速攻魔法《収縮》発動!《セブン・ソード・ウォリアー》の攻撃力を半分にする!」

《セブン・ソード・ウォリアー》ATK2300→1150

 

季也LP3200→2050

 

「ダメージを減らしたか。カードを2枚伏せてターン終了」

《セブン・ソード・ウォリアー》ATK1150→2300

 

 

コナミ

LP4000

手札 1

モンスター セブン・ソード・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

 3ターン目:季也

 

今日の相手は

「俺のターン!魔法カード《予想GAY》を発動!」

 

予想GAY

通常魔法

(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。

デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を特殊召喚する。

 

「レベル4の《マイティガード》を特殊召喚。そして魔法カード《機械複製術》を発動!」

 

機械複製術

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在する

攻撃力500以下の機械族モンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターと同名モンスターを2体まで自分のデッキから特殊召喚する。

 

「デッキから《マイティガード》2体を特殊召喚!」

 

「レベル4のモンスターが3体……来るか?」

 

「まだだ!《穿孔重機ドリルジャンボ》を召喚!」

 

穿孔重機ドリルジャンボ

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1800/守 100

このカードが召喚に成功した時、

自分フィールド上の全ての機械族モンスターのレベルを1つ上げる事ができる。

このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、

その守備力を攻撃力が超えていれば、

その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

また、このカードは攻撃した場合、

ダメージステップ終了時に守備表示になる。

 

 

「こいつの効果で俺のモンスターはすべてレベル5になる!」

 

「レベル5のエクシーズか!?」

 

「そうだ!レベル5となった《マイティガード》3体でオーバーレイ!」

 

 

 

 

重機王ドボク・ザーク

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/地属性/機械族/攻3200/守2000

レベル5モンスター×3

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。

この効果で墓地へ送ったカードの中にモンスターカードがあった場合、

その数まで相手フィールド上のカードを破壊する。

 

「《重機王ドボク・ザーク》の効果発動!ORUを1つ取り除き、お前のデッキのカードを3枚墓地に送ってもらう!」

 

「相手の墓地肥しを手伝うとは」

 

愚かな効果だ。

 

「そしてこの効果で墓地に送ったもんっスターの数だけ、お前のフィールドのカードを破壊する!」

 

「そんな追加効果があったか」

 

「さあ、墓地に送ったカードを教えな」

 

「《ボルトヘッジホッグ》、《スピード・ウォリアー》、《シンクロ・キャンセル》の3枚だ」

 

「モンスターは2体か。なら《セブン・ソード・ウォリアー》と伏せカード1枚を破壊する!」

 

《くず鉄のかかし》を破壊されたか!?

 

「俺の2体のモンスターの攻撃力の合計は5000!この攻撃が通れば終わりだ!」

ーあ、自分からフラグを立てちゃって……

 

「《重機王ドボク・ザーク》でダイレクトアタック!」

 

「手札の《速攻のかかし》の効果発動!」

 

 

速攻のかかし

効果モンスター

星1/地属性/機械族/攻 0/守 0

(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に

このカードを手札から捨てて発動できる。

その攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了する。

 

「このカードを捨てて、相手の攻撃を無効にし、バトルを終了させる!」

 

「ちぃ、だがもう俺の勝利は目前だ!これでターン終了だ!」

 

 

季也

LP2050

手札 2

モンスター 重機王ドボク・ザーク(攻)

      穿孔重機ドリルジャンボ(攻)

魔法・罠 なし

 

 4ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、《ジャンク・シンクロン》を召喚!召喚成功時の効果により《スピード・ウォリアー》を特殊召喚!さらに俺のフィールドにチューナーがいることで《ボルトヘッジホッグ》を特殊召喚!」

 

「一気に3体のモンスターをそろえやがったか!?」

 

「レベル2の《スピード・ウォリアー》とレベル2の《ボルトヘッジホッグ》にレベル3チューナー《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

☆3+☆2+☆2=☆7

 

「研磨されし孤高の光、真の力で大地を照らす!光輝け!《ライトニング・ウォリアー》!!」

 

 

ライトニング・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星7/光属性/戦士族/攻2400/守1200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、

相手の手札の枚数×300ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

「攻撃力2400か、《ドリルジャンボ》は倒せるが《ドボク・ザーク》には及ばないな!」

 

「ま、このままならな。バトルだ!《ライトニング・ウォリアー》で《ドリルジャンボ》を攻撃!」

 

「ぐっ!」

季也LP2050→1450

 

「《ライトニング・ウォリアー》の効果発動!相手モンスターを破壊した時、相手の手札の数×300のダメージを与える!」

 

「さらに追加バーンだと!?」

 

「お前の手札は2枚、よって600のダメージを与える!」

 

「うっ!」

季也LP1450→850

 

「だがこれで貴様の攻撃も終わり、次の俺のターン《ドボク・ザーク》と手札のモンスターの攻撃で終わりだ!」

 

「何勘違いしているんだ?」

 

「ひょ?」

 

「まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!」

 

「なに言ってんだ、もうお前のモンスターは攻撃を終了したじゃないか!」

 

「罠カード《奇跡の軌跡(ミラクルルーカス)》発動!」

 

 

奇跡の軌跡(ミラクルルーカス)

通常罠

自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

相手はデッキからカードを1枚ドローする。

このターンのエンドフェイズ時まで、

選択したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、

1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃する事ができる。

そのモンスターが戦闘を行う場合、

相手プレイヤーが受ける戦闘ダメージは0になる。

 

 

「これで《ライトニング・ウォリアー》の攻撃力は1000アップ。2回の攻撃が可能となった!」

 

「なんだと!」

 

「ただし戦闘ダメージは与えられず、お前はカードを1枚ドローする」

 

「俺がドロー……そして《ライトニング・ウォリアー》の効果!?貴様そこまで考えて…」

 

「さぁ行くぜ!《ライトニング・ウォリアー》で《ドボク・ザーク》を攻撃!そして効果により900のダメージを与える!」

 

「うわぁぁぁ!!」

季也LP850→0

 

「馬鹿なっ!エクシーズの力を持っても勝てないだと!」

 

「ここ最近、俺に負けたやつはみんなそんなセリフを言うよ。もう聞き飽きた」

 

そういって俺はディスクをたたんで寮のほうへ戻って行った。はっきり言ってサーシャント相川以降のデュエリストはエクシーズを使うだけで腕はいまいち、相川のレベルを10とすると他の奴は1~4ってレベルだな。

 

「さて、あなたのエクシーズは返してもらいますよ」

 

デュエルが終わったのを見ると、そう言って季也のデュエルディスクから委員長が《ドボク・ザーク》を取り上げた。

 

「あっ、いやっ、ちょっと待って!?」

 

「何を言っているのですか?そういう取り決めでしたでしょう。勝てばより強力なカードを与えますが負ければ没収だと」

 

「確かにそうだが……そこを何とか!?」

 

「ダメです」

 

これも最近よく見る光景だ。潔かったのは相川だけでそれ以外のデュエリストは未練がましくエクシーズモンスターにすがっていた。

 

「えっと…あれいいのかな?」

 

「やっぱりなんだかちょっとかわいそうです」

 

ツァンとゆまが少しかわいそうに思ったようだが。

 

「でもあのボウヤは納得の上でデュエルをしていたのでしょう」

 

「麗華先輩も最初にそういってからデュエルをさせてたみたいですし」

 

「それに元々貸していたカードを回収しただけのようでございますし」

 

その通りだ

 

「ではコナミさん、また明日ここで」

 

「ああ……」

 

やっぱ明日も来るのか。

 

「毎日よく飽きずに来るよね」

 

「ずいぶんデュエリストがいるんですね」

 

「しかも本当に1日1人だけ……本当にレッド寮が目的なのかしら?」

 

確かにこのやり方は大分回りくどいな。何か別の考えがあるのかもしれないが、とにかく今は放課後はレッド寮を離れるわけにはいかないか。

 

 

side幸子

 

「やはり彼もダメでしたね」

 

ブルー寮に帰る途中麗華さんが

 

「でしょうね、わたくし達を除けばもっとも強力と思われた相川さんが敗れた以上、コナミに勝てるデュエリストなんてそうそういないでしょうね」

 

「ですね。最も私たちの目的はコナミさんを倒すことではないので問題ありませんが」

 

「ええ、こうしてわたくし達が毎日行けばコナミはレッド寮を離れるわけにはいかない」

 

「私たちがカードを覚醒される前にコナミさんに大きく動かれては困りますからね」

 

「特に、青海様と接触されては困りますしね」

 

そうこうしてるうちにブルー寮に戻ってきました。

 

「お2人ともお疲れ様です」

 

ブルー寮に戻ると青海様の姿があった。

 

「青海様、来ていらっしゃったのですか」

 

「ええ、そろそろ経過が気になりましてね」

 

「残念ながらまだレッド寮は」

 

「それは構いません。それよりも、敗者達のエクシーズモンスターは回収しましたか?」

 

わたくしの言葉をさえぎるように青海様がおしゃった。

 

「ええ、それはこちらに」

 

麗華さんが今までの敗者から回収したカードを青海様に差出た。

 

「なるほど……確かに受け取りました。では私はこれで失礼します」

 

「はい、お疲れ様です」

 

そういって青海様は立ち去ろうとしました。

 

「そうだ」

 

去ろうとした青海様はもう1度わたくしのほうを向き、1枚のカードを差し出した。

 

「白紙のエクシーズカード?」

 

それはわたくしが以前、青海様から受け取り1枚を麗華さんにも差し上げた白紙のエクシーズカードでした。

 

「そろそろあなたのカードも覚醒し、別のそのカードの対応者も現れるころだと思いましたので、お渡ししておきますね」

 

「は、はい……」

 

「……」

 

「では、今度こそ失礼します」

 

青海様は再びそう言って立ち去りました。

 

「青海様の期待を裏切らないためにも私たちも早くカードを覚醒させなくてはいけませんね」

 

「ええ……」

 

麗華さんの言うとおりですが、それにはわたくしがこのカードを使わざるおえな君あるほどの強敵が必要……

 

「しかし強敵といっても」

 

この学園でコナミ以外にわたくしを倒せるほど強いデュエリストは……

 

「いえ……1人いましたわね」

 



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第四十七話 二人のお嬢様再び

sideコナミ

 

「おはようございます」

 

「あ、うん、おはよう……」

 

1時限目と2時限目の中休み、突然誰かに声をっかけられ振り返ると、それは神導魔希子だった。しかしこんなところで……

 

「トイレの前で待ち伏せなんかしてどうした?」

 

「あなたがなかなか1人になる機会がなかったので」

 

なるほど、さすがにここでは1人になるからな、出た直後も1人のことが多いと踏んだか。まあ実際前で待っていられることも多いんだがな。今は運よく誰も待ってはいなかったが。

 

「それで、オレが1人になるのを待つほどの話って何?中休みは短いから手短に頼むよ」

 

「いえ、たいして時間は取らせません。どうも学園中にエクシーズが出回っているようですが。あなたはもう、そのカードを持つデュエリストと戦いましたか?」

 

「エクシーズとのデュエル?それなら毎日、レッド寮でやってるぞ?」

 

「毎日?」

 

「なんだ知らなかったのか?」

 

幸子達のはこいつらとはまた別件なのか?

 

「なるほどわかりました」

 

「え?それだけ?」

 

それを聞くと魔希子は去っていった。

 

 

結局あの会話の意味は分からぬまま放課後となった。

 

「さて、今日も防衛しますか」

 

そしていつものように幸子たちの刺客をレッド寮で待つ俺たち。

 

「軽くって、油断しないでくださいコナミ先輩!」

 

「頑張ってくださいませコナミ様!」

 

「応援してます!コナミさん!」

 

「ま、まあ気負つけてね」

 

いつものようにエールを受ける俺。

 

「ごきげんよう庶民のみなさん」

 

そしていつものように現れた幸子たち。

 

「どうも。で、今日は誰と?」

 

「今日はレッド寮をかけてのあなたとのデュエルは一時休戦です」

 

「え?」

 

しかし委員長の口から告げられたのは

 

「どういうことかしら?」

 

「デュエルをしないの?」

 

「デュエルをしないわけじゃありませんわ。今日はわたくしがデュエルをさせていただきますわ!」

 

幸子がデュエル、ということは。

 

「つまり、カードが覚醒したのか?」

 

「いいえ、ですが今日覚醒するかもしれませんわ。あなたとのデュエルで!」

 

そう言って幸子は腕を前に伸ばして指をさした。

 

「……あれ?」

 

だがその指は明らかに俺を指してはいなかった。

 

「わたくし目……でございますか?」

 

指した指の先には紫がいた。

 

「そう。この学園内でわたくしを倒したコナミ以外の唯一のデュエリストであるあなたとのデュエルであれば、このカードも覚醒するかもしれませんし」

 

そういって白紙のエクシーズカードを俺たちに掲げた。

 

「紫さんと幸子さんがデュエルですか?」

 

「というかあの2人デュエルしたことあったんだ」

 

「そして紫先輩が勝っていたと」

 

2人の会話から過去にこの2人がデュエルをしていた事実を知ったようだ。

 

「そういえばあったな、廃寮で」

 

「コナミ……その場にいたの?」

 

「え?ああ」

 

なんか目が怖いぞ雪乃。原因が俺だってことは黙っとこ。

 

「コナミで争うなんて、結構闘志の強いお嬢様たちだったのね」

 

「エスパー!?」

 

「やっぱりそうだったの!」

 

「図ったな!?」

 

この女怖い!?

 

「ちょっと!わたくしをおいてわたくしの話をしないでくださる?」

 

「あ、うん悪い」

 

でも会話が途切れた、助かった。

 

「それで、どういたしますか?紬紫さん?」

 

「今の幸子様はレッド寮に仇名すコナミ様の敵でございます」

 

そういって紫は幸子の前に歩み出た。

 

「コナミ様の敵はわたくし目の敵でございます。お相手いたしますわ!」

 

「そう来なくては!」

 

そして2人は普段は俺がデュエルをする庭でディスクを構えた。

 

「それでは、ゆきます!」

 

「さて、期待してますわよ!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

side紫

 

「先攻はあなたからでよろしくてよ」

 

弱きものに先攻を譲るというのがエクシイズ使いの心得でしたら。

 

「いいえ、わたくし目の後攻でお願いいたします」

 

先行を譲られることでデュエルの流れを相手に持たせてしまう可能性があるならば、わたくし目は後攻でよろしいです。

 

「そう、あなたがそう言うのなら、わたくしのターン!《グリズリーマザー》を守備表示で召喚」

 

 

グリズリーマザー

効果モンスター

星4/水属性/獣戦士族/攻1400/守1000

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

デッキから攻撃力1500以下の水属性モンスター1体を

表側攻撃表示で特殊召喚できる。

 

「これで終わりよ」

 

 

幸子

LP4000

手札 5

モンスター グリズリーマザー(守)

魔法・罠 なし

 

 2ターン目:紫

 

 

最初は守備モンスタアを出しただけで終わりでしたか。

 

「かしこまりました、わたくしめの番です。《マシンナーズ・ギアフレーム》を召喚いたします」

 

 

マシンナーズ・ギアフレーム

ユニオンモンスター

星4/地属性/機械族/攻1800/守 0

このカードが召喚に成功した時、

自分のデッキから「マシンナーズ・ギアフレーム」以外の

「マシンナーズ」と名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる。

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとして

自分フィールド上の機械族モンスターに装備、

または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

(1体のモンスターが装備できるユニオンは1枚まで。

装備モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。)

 

「効果を発動いたします。山札より《マシンナーズ・フォートレス》を手札に加えます」

 

「サーチ効果ね、どうぞ」

 

「それでは、戦闘いたします。口切をモンスタアで攻撃いたします!」

 

「この瞬間、《グリズリーマザー》の効果発動よ!《絶海の騎士》を特殊召喚するわ!」

 

 

絶海の騎士

効果モンスター

星4/水属性/戦士族/攻1400/守1200

フィールド上に表側表示で存在するこのカードの表示形式が変更された時、

デッキから水属性モンスター1体を墓地へ送る。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

後続モンスタアへつなげる効果でしたか。

 

「これでわたくし目の番は終了いたします」

 

 

LP4000

手札 6

モンスター マシンナーズ・ギアフレーム(攻)

魔法・罠 なし

 

 3ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン!《絶海の騎士》を守備表示にして効果発動よ!《スターボーイ》を墓地に送るわ」

 

「山札のモンスタアを直接墓地へですか」

 

「《セイバー・シャーク》を召喚よ!」

 

 

セイバー・シャーク

効果モンスター

星4/水属性/魚族/攻1600/守1200

このカードはシンクロ素材にできない。

自分のメインフェイズ時に、フィールド上の魚族モンスター1体を選択し、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

この効果は1ターンに2度まで使用できる。

この効果を発動するターン、自分は水属性以外のモンスターを特殊召喚できない。

●選択したモンスターのレベルを1つ上げる。

●選択したモンスターのレベルを1つ下げる。

 

 

「《セイバー・シャーク》の効果発動!このカードと《絶海の騎士》のレベルを1つ上げるわ」

《セイバー・シャーク》☆4→5

《絶海の騎士》☆4→5

 

「そしてフィールド魔法《忘却の都 レミューリア》を発動!」

 

 

忘却の都 レミューリア

フィールド魔法

このカードのカード名は「海」として扱う。

このカードがフィールド上に存在する限り、

フィールド上の水属性モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。

また、1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

このカードがフィールド上に存在する限り、

自分フィールド上の水属性モンスターの数と同じ数だけ、

自分フィールド上の水属性モンスターのレベルをエンドフェイズ時まで上げる。

 

《セイバー・シャーク》ATK1600→1800

《絶海の騎士》DEF1200→1400

 

「綺麗でしょ、《レミューリア》の効果発動よ!わたくしの場の水属性は2体、よってレベルを2つ上げるわ」

《セイバー・シャーク》☆5→7

《絶海の騎士》☆5→7

 

「これで2体のモンスタアのレベルは7でございますね」

 

前回のデュエルと同じ展開でございますね。

 

「レベル7のモンスターが2体ですか!」

 

「ってことはおそらく」

 

「ええ、あのモンスターが来るわね」

 

「レベル7水属性の《セイバー・シャーク》と《絶海の騎士》でオーバーレイ!」

☆7×2

 

「深海より轟く咆哮!深淵の闇より目覚め、海皇龍がついにその姿を現す!エクシーズ召喚!!《水精鱗-ガイオアビス》!!」

 

水精鱗-ガイオアビス

エクシーズ・効果モンスター

ランク7/水属性/水族/攻2800/守1600

水属性レベル7モンスター×2

エクシーズ素材を持っているこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

レベル5以上のモンスターは攻撃できない。

また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

このカードの攻撃力よりも低い攻撃力を持つ

相手フィールド上のモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《水精鱗-ガイオアビス》ATK2800→3000

 

現れましたか、委員長様を葬り去ったモンスタアが!?

 

「バトル、すなわち戦闘よ!《水精鱗-ガイオアビス》で《マシンナーズ・ギアフレーム》を攻撃よ!」

 

「う…うぅ……」LP4000→2800

 

「これでターン終了よ」

 

 

幸子

LP4000

手札 4

モンスター 水精鱗-ガイオアビス(攻)

魔法・罠 忘却の都 レミューリア

 

 

 

side魔希子

 

コナミさんの話を聞き、こっそり見に来てみれば、デュエルをしているのはコナミさんではなく海野さんと紬さん……でしたか?しかしそれよりも…

 

「《水精鱗-ガイオアビス》!?」

 

海野さんが出したエクシーズモンスター……あのモンスターは鱗子さんの!?

 

「魔希子ちゃん、あれは鱗子さんの切り札のモンスターじゃ?」

 

「やっぱり麻衣も気づきましたか。彼女がエクシーズモンスターを使うとは聞いていましたが、まさか鱗子さんの切り札だったとは」

 

「それじゃあ今鱗子さんはいったいなんのデッキを使ってるのかな?」

 

「それはわかりませんが……とにかく今はこのデュエルを見守りましょう」

 

「そうですね。まいちゃんもこのデュエルが気になります!」

 

どちらにしても、早く鱗子さんを見つけ出して話を聞かなくては、いったいどこにいるのでしょう……

 

 



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第四十八話 海と大地はまだ共存できず

 誤字脱字が多いと指摘をまだいただきます。
 私自身も更新前に見直してはいるのですが、どうも自分の小説を読み返すというのはちょっと恥ずかしくて……
 じゃあ書くなよって話ですが、それは言わないでください!

 今後はなるべく自分でも気を付けるようにいたしますが、皆様も相違板不備に築きましたらお手数ですがご報告してくださるとありがたいです。

 



side紫

 

 4ターン目:紫

 

「わたくし目の番です…手札の《イエロー・ガジェット》と《マシンナーズ・フォートレス》を捨て《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚いたします」

 

マシンナーズ・フォートレス

効果モンスター

星7/地属性/機械族/攻2500/守1600

このカードは手札の機械族モンスターを

レベルの合計が8以上になるように捨てて、

手札または墓地から特殊召喚する事ができる。

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。

また、自分フィールド上に表側表示で存在する

このカードが相手の効果モンスターの効果の対象になった時、

相手の手札を確認して1枚捨てる。

 

「最上級モンスターを出しましたか、ですがそれでは《水精鱗-ガイオアビス》には及びません事よ」

 

「心得ております。フィイルド魔法《ガイアパワー》を発動いたします」

 

ガイアパワー

フィールド魔法

フィールド上に表側表示で存在する地属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、

守備力は400ポイントダウンする。

 

《マシンナーズ・フォートレス》ATK2500→3000

《水精鱗-ガイオアビス》ATK3000→2800

 

「これで《マシンナーズ・フォートレス》の攻撃力は3000ですね!」

 

「でもまだ攻撃力はおんなじです!」

 

「いいえフィールド魔法の上書きで《忘却の都 レミューリア》は破壊されるわ」

 

「つまり攻撃力は完全に上回ったよ」

 

皆様もこの状況をわたくし目の逆転と見てくださったようです。

 

「なぜだろうフィールド魔法が上書きで破壊されることに違和感を覚えるんだが……」

 

コナミ様は別の視点で見ていらっしゃるようですが……

 

「ゆきます!《マシンナーズ・フォートレス》で《水精鱗-ガイオアビス》を攻撃いたします!」

 

「残念ですが、それは不可能よ」

 

しかし《マシンナーズ・フォートレス》は《水精鱗-ガイオアビス》を前に攻撃をやめてしまいました。

 

「どういうことでしょうか?」

 

「ORUを持った《水精鱗-ガイオアビス》が存在する限り、レベル5以上のモンスターは攻撃できないわ!」

 

「なんと!?」

 

その様な攻撃封じの効果を持っていらっしゃたとは!

 

「……では、モンスタアを1体伏せます。札を1枚伏せてわたくし目の番を終了いたします」

 

 

LP2800

手札 2

モンスター マシンナーズ・フォートレス(攻)

      裏守備モンスター

魔法・罠 ガイアパワー

     伏せカード1枚

 

 5ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン、《ダブルフィン・シャーク》を召喚!」

 

ダブルフィン・シャーク

効果モンスター

星4/水属性/魚族/攻1000/守1200

このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地からレベル3またはレベル4の

魚族・水属性モンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

この効果を発動するターン、自分は水属性以外のモンスターを特殊召喚できない。

 

「その効果によって、墓地の《セイバー・シャーク》を特殊召喚するわ」

 

「再び同じレベルのモンスタアが2体でございますか」

 

「レベル4水属性の《セイバー・シャーク》と《ダブルフィン・シャーク》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築よ!」

☆4×2

 

「吠えよ未知なる轟き!深淵の闇より姿を現わしなさい!!エクシーズ召喚!!《バハムート・シャーク》!!」

 

バハムート・シャーク

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100

水属性レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体を

エクストラデッキから特殊召喚する。

このターンこのカードは攻撃できない。

 

「《バハムート・シャーク》の効果発動!ORUを1つ取り除いて、エクストラデッキの《水精鱗-アビストリーテ》を特殊召喚!」

 

水精鱗-アビストリーテ

エクシーズ・効果モンスター

ランク3/水属性/海竜族/攻1600/守2800

レベル3モンスター×3

自分フィールド上の「水精鱗」と名のついたモンスター1体が

相手の魔法・罠カードの効果の対象になった時、

または相手モンスターの攻撃対象になった時、

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

その対象を自分フィールド上の正しい対象となるこのカードに移し替える。

このカードが破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地から「水精鱗-アビストリーテ」以外の

「水精鱗」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。

 

「委員長様の時とは別のモンスタアを呼び出されましたか」

 

「魔法カード《エクシーズ・トレジャー》を発動よ!」

 

エクシーズ・トレジャー(未OCGカード)

通常魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスターエクシーズの数だけ、

自分のデッキからカードをドローできる。

 

「フィールドのエクシーズモンスターは3体、よって3枚のカードをドローするわ。そして魔法カード《オーバーレイ・リジェネレート》を発動よ」

 

オーバーレイ・リジェネレート

通常魔法

フィールド上に存在するエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

このカードを選択したモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする。

 

「このカードを《水精鱗-アビストリーテ》のORUにするわ。さらに魔法カード《浮上》を発動よ」

 

浮上

通常魔法

自分の墓地のレベル3以下の

魚族・海竜族・水族モンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを表側守備表示で特殊召喚する。

 

「墓地の《スターボーイ》を特殊召喚するわ」

 

スターボーイ

効果モンスター

星2/水属性/水族/攻 550/守 500

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

フィールド上に表側表示で存在する水属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、

炎属性モンスターの攻撃力は400ポイントダウンする。

 

《水精鱗-ガイオアビス》ATK2800→3300

《バハムート・シャーク》ATK2400→2900

《水精鱗-アビストリーテ》ATK1600→2000

《スターボーイ》ATK550→1050

 

「これで《水精鱗-ガイオアビス》の攻撃力が上回りましたわ」

 

「そのモンスタアは2ターン目に墓地に送られた!」

 

幸子様はそこまで考えておられたのですか!?

 

「バトルよ!《水精鱗-ガイオアビス》で《マシンナーズ・フォートレス》を攻撃!」

 

紫LP2800→2500

「うぅ……ですがこの瞬間《マシンナーズ・フォートレス》の効果を発動いたします」

 

「たしか戦闘で破壊された時、カード1枚を破壊する効果だったわね」

 

「その通りでございます。《水精鱗-ガイオアビス》を破壊いたします!」

 

「当然その程度の事は読めていましたわ。《水精鱗-アビストリーテ》の効果発動!ORUを1つ取り除くことで《水精鱗》1体を対象とする効果を別のモンスターに移すわ!」

 

「破壊対象を《スターボーイ》に変更よ!」

 

《マシンナーズ・フォートレス》の砲撃は《スターボーイ》へと向きかえられてしまいました。

《水精鱗-ガイオアビス》ATK3300→2800

《バハムート・シャーク》ATK2900→2400

《水精鱗-アビストリーテ》ATK2100→1600

 

「これでわたくしのターンは終了よ」

 

 

幸子

LP4000

手札 4

モンスター 水精鱗-ガイオアビス(攻)

      バハムート・シャーク(攻)

      水精鱗-アビストリーテ(攻)

魔法・罠 なし

 

 6ターン目:紫

 

 

「はい……わたくし目の番です、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》を反転召喚いたします」

 

フォッシル・ダイナ パキケファロ

効果モンスター

星4/地属性/岩石族/攻1200/守1300

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

お互いにモンスターを特殊召喚する事ができない。

このカードがリバースした時、フィールド上に存在する、

特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。

 

《フォッシル・ダイナ パキケファロ》ATK1200→1700

 

「渾身の一手を!《フォッシル・ダイナ パキケファロ》がリバアスしたことで、特殊召喚された幸子様の3体のエクシイズモンスタアを破壊いたします」

 

「ここで特殊召喚メタ効果とは」

 

「あら、意外とえげつないカードを使うのね紫」

 

「浅ましいわね、《水精鱗-ガイオアビス》の効果発動!ORUを1つ取り除くことで、モンスター1体の効果をターン終了まで無効にするわ!」

 

「なんと!?」

 

わたくし目のターンに効果を無効に出来ますとは!

 

「……《レッド・ガジェット》を守備表示で召喚いたします」

 

 

レッド・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1300/守1500

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「イエロー・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

《レッド・ガジェット》DEF1500→1100

 

「効果を発動いたします。山札より《イエロー・ガジェット》を手札に加えます。札を2枚伏せターンを終了いたします」

 

 

LP2500

手札 1

モンスター フォッシル・ダイナ パキケファロ(攻)

      レッド・ガジェット(守)

魔法・罠 ガイアパワー

     伏せカード2枚

 

 7ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターンよ、装備魔法《メテオ・ストライク》を《水精鱗-ガイオアビス》に装備よ!」

 

メテオ・ストライク

装備魔法

装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、

その守備力を攻撃力が超えていれば、

その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

 

「このカードの効果で《水精鱗-ガイオアビス》に貫通効果を与えるわ」

 

「貫通効果でございますか!?」

 

「《ガイアパワー》は攻撃力が上がる代わりに守備力が下がる、そのことが仇となったわね。バトル!《バハムート・シャーク》で《フォッシル・ダイナ パキケファロ》を攻撃!」

 

「あうぅ!」

紫LP2500→1800

 

「そして《水精鱗-ガイオアビス》で《レッド・ガジェット》を攻撃!」

 

「ひゃうぅ!!」

紫LP1800→100

 

「これで終わりよ!《水精鱗-アビストリーテ》直接攻撃なさい!」

 

「その兵法は!永続の罠《機動砦 ストロング・ホールド》を発動いたします」

 

機動砦 ストロング・ホールド

永続罠

このカードは発動後モンスターカード(機械族・地・星4・攻0/守2000)となり、

モンスターカードゾーンに表側守備表示で特殊召喚する。

自分フィールド上に「グリーン・ガジェット」「レッド・ガジェット」

「イエロー・ガジェット」が全て存在する場合、

このカードの攻撃力は3000ポイントアップする。

このカードは罠カードとしても扱う。

 

《機動砦 ストロング・ホールド》DEF2000→1600

 

「くっ、守備力1600では《水精鱗-アビストリーテ》で倒すことはできないわね。カードを2枚伏せ、ターン終了よ!」

 

 



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第四十九話 覚醒と復活



 毎週火曜と金曜の更新を目安にしていたのですが、
 またペースダウンして申し訳ないです。


 

幸子

LP4000

手札 2

モンスター 水精鱗-ガイオアビス(攻)

      バハムート・シャーク(攻)

      水精鱗-アビストリーテ(攻)

魔法・罠 伏せカード2枚

 

 8ターン目:紫

 

 

何とか凌ぎましたが、手札は《イエロー・ガジェット》のみ、このままでは幸子様を倒すことはできませぬ!

 

「表情が曇っているわよ」

 

「!?」

 

「あなたもわたくしの見込み違いだったかしら。エクシーズを持つ前とはいえわたくしを倒したあなたなら覚醒に導いてくれると思ったのだけれど」

 

がっかりしたような口調で幸子様が言いました。

 

「でもいいわ。あなたにもわたくしたちのように、エクシーズの力を受ければ、その曇った悩みからも解放されるわ」

エクシイズの力、それがあればわたくし目も……

 

「まだだ」

 

「え?」

 

戸惑うわたくし目の耳にコナミ様の声が届きました。

 

「まだデュエルは終わっていない。紫のターンはこれからだ。ドローもする前からそんなお通夜モードでどうする」

 

コナミ様……

 

「コナミに応援されるなんて嫉妬しちゃうわ。でもその通りよ、諦めたらそれまで」

 

「そ、そうですよ紫さん!」

 

「まだデュエルは終わってないよ!」

 

「そうです!ここからでも逆転は可能です!」

 

「……まだ、終わらない」

 

皆様……そうでした。わたくし目のデュエルはまだ終わっておりません!」

 

「終了前に倒れるわけには!わたくし目の番です……この、命に代えましても!」

 

……このカードでしたら!

 

「《イエロー・ガジェット》を召喚いたします」

 

 

イエロー・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1200/守1200

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「グリーン・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

「で、効果で《グリーン・ガジェット》をサーチするんでしょ?」

 

「その通りでございますが、その効果に対して《強欲な瓶》を発動いたします」

 

強欲な瓶

通常罠

(1):自分はデッキから1枚ドローする。

 

「通常罠をチェーン発動?」

 

「そしてもう1つ、《サモン・チェーン》を発動いたします!」

 

サモン・チェーン

速攻魔法

チェーン3以降に発動できる。

このターン自分は通常召喚を3回まで行う事ができる。

同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動している場合、

このカードは発動できない。

 

「召喚権を増やすカード!?」

 

「はい、これにより、先ほど手札に加えました《グリーン・ガジェット》を召喚いたします」

 

 

グリーン・ガジェット

効果モンスター

星4/地属性/機械族/攻1400/守 600

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「レッド・ガジェット」1体を手札に加える事ができる。

 

 

「《グリーン・ガジェット》の効果により《レッド・ガジェット》を手札に加えます。そして《レッド・ガジェット》を召喚いたします」

 

「くっ、一気に3体の《ガジェット》が!?」

 

「はい。3体の《ガジェット》が揃いましたので《機動砦 ストロング・ホールド》は効果により攻撃力が3000アップいたします」

 

「3000アップですって!《ガイアパワー》の効果も合わせて攻撃力3500!?」

 

「《機動砦 ストロング・ホールド》を攻撃表示に変更いたします」

《機動砦 ストロング・ホールド》DEF1600→ATK3500

 

「それでは戦闘いたします。《機動砦 ストロング・ホールド》で《水精鱗-ガイオアビス》を攻撃いたします」

 

「掛かったわね。速攻魔法《ハーフ・シャット》を発動!」

 

ハーフ・シャット

速攻魔法

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターはこのターン戦闘では破壊されず、

攻撃力はこのターンのエンドフェイズ時まで半分になる。

 

 

「この効果で《機動砦 ストロング・ホールド》の攻撃力を半分にするわ」

《機動砦 ストロング・ホールド》ATK3500→ATK1750

 

「これで《機動砦 ストロング・ホールド》の攻撃直が1750になっちゃいました!?」

 

「戦闘で破壊されなくても貫通ダメージ1050」

 

「このままでは残りライフ700の紫先輩はこの反射ダメージで負けてしまいます!?」

 

たしかに、このままではわたくし目の敗北でございますが……

 

「いや、紫はこの程度では終わらないよ」

 

!?そうです!わたくし目はこんなところでは終わりませぬ!

 

「速攻魔法を発動いたします!《リミッター解除》!」

 

 

リミッター解除

速攻魔法(制限カード)

このカードの発動時に自分フィールド上に表側表示で存在する

全ての機械族モンスターは、ターン終了時まで攻撃力が倍になる。

このターンのエンドフェイズ時、

この効果を受けたモンスターを全て破壊する。

 

 

「《リミッター解除》ですって!?」

 

「はい、わたくし目のモンスタアはすべて機械族、すなわち全てのモンスタアの攻撃力が倍となります」

《機動砦 ストロング・ホールド》ATK1750→ATK3500

《グリーン・ガジェット》ATK1900→ATK3800

《レッド・ガジェット》ATK1800→ATK3600

《イエロー・ガジェット》ATK1700→ATK3400

 

「これで《機動砦 ストロング・ホールド》の攻撃力は元に戻りました!」

 

「しかも3体の《ガジェット》の攻撃力も倍になったよ!」

 

「一気に攻撃力3000越えのモンスターが3体も!」

 

「ふふっ、やるわね紫」

 

「……逆転!」

 

「戦闘続行でございます。全霊を賭けて《機動砦 ストロング・ホールド》で《水精鱗-ガイオアビス》を攻撃いたします!」

 

「ああっ……!ぐぅ、よ、よくもぉー!」 幸子LP4000→3300

 

「続けて《グリーン・ガジェット》で《バハムート・シャーク》を攻撃いたします!」

 

「ぐあぅっ!」 幸子LP3300→1900

 

「これで幸子さんのライフは1900です!」

 

「《レッド・ガジェット》の攻撃が通れば貫通ダメージは2000です!」

 

「つまり次の攻撃が通れば紫の勝ちだね」

 

「そんなみんなしてフラグ立てるなよ」

 

「ご無礼いたします《レッド・ガジェット》で《水精鱗-アビストリーテ》を攻撃いたします!」

 

「罠カード発動!《デストラクト・ポーション》!」

 

 

デストラクト・ポーション

通常罠

自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターを破壊し、破壊したモンスターの

攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する。

 

「《水精鱗-アビストリーテ》を破壊してその攻撃力分ライフを回復するわ」

 幸子LP1900→3500

 

「いったい幸子先輩は何を考えていいるのですかライフを回復してもモンスターがいなくなってはダメージは変わりません」

 

「破壊されたときに発動する効果ってとこかしら?」

 

「ふふ、そうよ私の狙いはこれよ、《水精鱗-アビストリーテ》の効果発動!このカードが破壊された時、同名以外の《水精鱗》1体を墓地から特殊召喚できるわ!」

 

破壊されたときに後続へとつなぐ効果ですか!?

 

「ですが今の効果では回復の処理が入るのでは?」

 

「いいえ、《デストラクト・ポーション》は破壊と回復を同時に処理する。任意効果もタイミングを逃さず発動できるわ!」

 

なるほど、そうでございましたか。

 

「《水精鱗-ガイオアビス》を守備表示で召喚するわ」

 

「幸子先輩にまた壁モンスターが!?」

 

「でも《イエロー・ガジェット》で倒して《レッド・ガジェット》で攻撃すれば紫さんの勝ちですよ!?」

 

「いやそれは無理だよゆま」

 

「ふぇ?どうしてですか?」

 

「《レッド・ガジェット》はもう攻撃宣言は終わってるっから攻撃の続行はできるけど攻撃を中断してやり直すことはできないんだよ」

 

……しかたありませぬ。

 

「では《レッド・ガジェット》で《水精鱗-ガイオアビス》を攻撃いたします」

 

「そして《イエロー・ガジェット》で直接攻撃いたします」

 

「ぐぬぬぅ!」

幸子LP3500→100

 

「残念だったわね、あと1歩だったのに」

 

「でも幸子さんのライフを100まで削りました」

 

「ですが紫先輩のモンスターはこのターンの終わりに《リミッター解除》で破壊されてしまいます!」

 

たしかにその通りでございますが。

 

「まあ紫ならそれも承知の上であのカードを発動しただろう」

 

コナミ様信頼、とても心強いのでございます

 

「通常の罠を発動いたします《撤収命令》を発動いたします」

 

撤収命令

通常罠

自分フィールド上に存在するモンスターを全て持ち主の手札に戻す。

 

「破壊される前に手札に戻しましたか。しかもあなたの墓地には」

 

「はい、手札の《イエロー・ガジェット》と《レッド・ガジェット》を墓地に送り、《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚いたします」

 

「やはりそのモンスターを出してきたわね」

 

「札を1枚伏せてターン終了でございます」

 

 

LP100

手札 1

モンスター マシンナーズ・フォートレス(攻)

魔法・罠 ガイアパワー

     伏せカード1枚(機動砦 ストロング・ホールド)

 

 

6ターン目:幸子

 

「わたくしのターン……やはりわたくしの眼に狂いは無かったようね!」

 

「どういうことでしょうか?」

 

「今のわたくしの手札にこの状況を打開する手はないわ」

 

「つまりわたくし目の勝利と言うことでしょうか?」

 

「いいえ、この状況を打開するための新たな力を覚醒させる時が来たということよ!」

 

幸子様がそうおしゃると、幸子様の融合デッキが輝きだしました。

 

「なに?あの光!?」

 

「幸子さんの融合デッキが!?」

 

「まさか、幸子先輩の白紙だったカードが?」

 

「ついに覚醒したというのね……」

 

 

 

「《深海王デビルシャーク》を召喚!」

 

深海王デビルシャーク

効果モンスター

星4/水属性/魚族/攻1700/守 600

このカードは1ターンに1度だけ、対象を指定しないカードの効果では破壊されない。

 

「そして魔法カード《トランスターン》を発動!」

 

トランスターン

通常魔法

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

墓地へ送ったモンスターと種族・属性が同じで

レベルが1つ高いモンスター1体をデッキから特殊召喚する。

「トランスターン」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

「レベル4の《深海王デビルシャーク》を墓地に送り、レベル5の《パンサー・シャーク》を特殊召喚するわ!」

 

パンサー・シャーク

効果モンスター

星5/水属性/魚族/攻1100/守2000

相手フィールド上のモンスターが2体以上の場合、

このカードはリリースなしで召喚できる。

また、自分フィールド上に「イーグル・シャーク」が存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

「パンサー・シャーク」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

 

「そして手札の《イーグル・シャーク》を自身の効果で特殊召喚!」

 

イーグル・シャーク

効果モンスター

星5/水属性/魚族/攻1000/守1800

相手フィールド上のモンスターが2体以上の場合、

このカードはリリースなしで召喚できる。

また、自分フィールド上に「パンサー・シャーク」が存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

「イーグル・シャーク」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

 

「レベル5のモンスタアが2体!?」

 

またエクシイズモンスタアが出てくるのでしょうか!?

 

「紫さんあなたには感謝いたしますわ。

 

「レベル5水属性の《パンサー・シャーク》と《イーグル・シャーク》でオーバーレイ!

水属性☆5×2

 

「氷の心をまといし霊界の巫女、澄明なる魂を現しなさい!《No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ》!」

 

No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/水属性/戦士族/攻2200/守1600

水属性レベル5モンスター×2

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力は、自分のエンドフェイズ時まで半分になる。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

「ナンバーズ?」

 

今までのエクシイズモンスタアとは異なるまがまがしいオーラを放つモンスタア……ナンバーズモンスタア?

 

「あれがずっと幸子が言ってた白紙のエクシーズモンスター!?」

 

「……ナンバーズ……データ皆無…」

 

「なんだかすごいオーラです!?」

 

「はい、ただならぬ雰囲気を感じます」

 

皆様もわたくし目と同じようただならぬものをこのモンスタアから感じているようでございます。

 

「ねえ、コナミ?」

 

「ああ、このオーラ……闇の正気…まさか……」

 

特にコナミ様と雪乃様は

 

「バトルよ!《No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ》、《マシンナーズ・フォートレス》を攻撃なさい!」

 

「攻撃!?ですが攻撃力は2200、わたくし目のモンスタアは倒せませぬ!」

 

「《No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ》の効果発動!ORUを1つ取り除き、モンスター1体の攻撃力を半分にするわ!」

 

「攻撃力を半分にですと!?」

 

「対象は当然《マシンナーズ・フォートレス》よ!わたくしの手札は0枚だから対象時の効果も無意味よ」

《マシンナーズ・フォートレス》ATK3000→1500

 

「そんな……これが…」

 

これが、真なるエクシイズモンスタア、ナンバーズの力でございますか!?

 

「さあ、ひれ伏しなさい!」

 

「きゃぁぁぁぁぁっ!!」 紫LP100→0

 

Win:幸子

 

 

「紫!?大丈夫か?」

 

敗北したわたくし目を気遣い、コナミ様が駆け寄ってきました……ですが。

 

「大丈夫でございます。今は、1人で立ち上がることができますので」

 

わたくし目の中の曇った感情。

 

「……紫?」

 

「わたくし目のデッキにはいつも何か足りないものを感じておりました。ですが……ようやくそれがわかりました」

 

「まさか……それがエクシーズって言うんじゃ?」

 

「それは……今はまだ」

 

「今はまだ?」

 

「ええ、今はまだこのエクシイズをわたくし目のカードにしなくてはですね」

 

エクシイズの力……この力をものにした時、コナミ様をわたくし目の……

 

 

sideコナミ

 

紫までエクシーズに感化されてしまったか……いや、それだけでなく幸子のカードが覚醒してしまった。

 

「コナミ、ようやく約束が果たせるときが来たわね」

 

「約束?」

 

「わたくしのカードが覚醒した時、まずその力であなたを倒すという約束を!」

 

「ああ、そうだったな」

 

そう言えば最初にそんなことを言っていたっけ。

 

「近いうち、デュエルを申込みに行きますので、覚悟してなさい!」

 

「ああ、望むところだ」

 

結局のところ、デュエルで感化された感情はデュエルで取り戻すしかないな。デュエル自体は断る通りは無いが……

 

「では、ごきげんよう」

 

そして幸子たちは去って行った。

 

「コナミ様」

 

「紫……」

 

「このカードの力でわたくし目の思いをコナミ様に届けられる時まで、しばしの間お別れです」

 

謎めいたことを言って紫も去って行ってしまった。

 

「紫さんも行っちゃいました」

 

「うん、また1人行っちゃったね……」

 

「……ねえコナミ、あの《ナンバーズ》って言うカード、あれが出たとき」

 

「ああ、あの《ナンバーズ》と言ったエクシーズからわずかだが闇の瘴気を感じた」

 

「闇の瘴気って……まさか」

 

雪乃はすぐに察したようだった。

 

「いや、あいつは確かにあのデュエルで消えた。そんなすぐには復活できるはずないが……」

 

「よく考えてみればエクシーズをばらまいての洗脳、ダークモンスターをばらまいた時とやり方が酷使しているわね」

 

「ダークモンスターの時って、まさか!」

 

「もしかして!」

 

ツァンとゆまも察したようだ。

 

「いったいなんの話でしょうか?」

 

1年前は学園に居なかった遥はさすがにわからなかったが、

 

「何にしても、幸子とのデュエルで審議を確かめるよ!」

 

 

 

 

side鱗子?

 

「とうとう1枚覚醒したか。どうやら順調にエクシーズに洗脳されているようだな」

このまま強くエクシーズに洗脳されれば誰もがより強力なエクシーズを求めるようになる。

そうなればこの俺の力の根源であるエクシーズを浸透させ、

 

「しかし妙だ」

まだ1枚目だからと言ってしまえばそれまでだが、あのカードを通して俺に還元される力が若干少ない。

想定していた4分の3程度しか戻っていない。まるで残りを別の誰かに吸収されたように……

 

 

side?

 

ん……どういうことだ?

あの廃墟でコナミの野郎とのデュエルに敗れてお連は力を失った。復活するには数十年はかかるはずだったが。

「まだ1年どころか数ヶ月しかたってないようだな」

それに俺の中に少しだが入ってきた闇の力……かつておれがやったダークモンスターをばらまいた時のようだ。

そしてどこかから感じる俺と同じ力……いや…

「これは、俺の力だ……くくくっ!なるほど!そう言うことか!」

どうやら俺の運も尽きていなかったようだ。まずはこの力の源を追って会いに行くとするか、『俺』にな。

 

 



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第五十話 ご利用は計画的に



2週間、お待たせしてすみません。 
今回は会話パートのみです。


ほかの方々のTF小説も参考としていくつか読ませていただいておりますが、ゆきのんのヒロイン率がほぼ100%、さすがアカデミアの女帝。


最初のデュエルの取引も定番ですが、保留という結果にしているヘタレは私だけだった(泣)


sideコナミ

 

 

「こない……また1人減ったか」

 

「そうね。まさか紫まであちらサイドになるなんてね」

 

幸子と紫のデュエルから一夜明けた今日、紫も授業そして放課後のレッド寮には来なかった。

 

「幸子なんかカードが覚醒したとか言ってたし」

 

「《ナンバーズ》でしたっけ?」

 

「新しい力を手にされた以上、いまは幸子先輩たちに分があるということでしょうか」

 

みんなの言う通り。人も減り、相手に新たな知k皿が加わり、こっち衣としては痛い限りだが。こっちのやることは変わらないな。

 

「さて、今日は来るのか?」

 

 

 

 

「ごきげんよう、庶民のみなさん」

 

「今日も来たか……あれ?」

 

いつも通り幸子は放課後レッド寮にやってきたが。

 

「あら、幸子1人なの?」

 

雪乃の言うとおりやってきたのは幸子1人だった。

 

「コナミと戦うデュエリストは連れてきてないの?」

 

「もしかして幸子さんがコナミさんとデュエルするつもりですか?」

 

「ええ、そのもしかしてよ」

 

「そうか……まあ昨日カードが覚醒したし、来るとは思っていたが」

 

そういってオレはディスクを構えた。

 

「幸子さんとコナミさんが!」

 

「ついにデュエルするする時が来たんだね!」

 

みんなにも緊迫の空気が流れてきていたが、

 

「準備をしているところ悪いですが、デュエルをするのは今日ではなくてよ」

 

「なに?」

 

「わたくしもこのカードに見合った完璧なデッキを持ってあなたと戦いたいのです」

 

「デッキを調整したいと?」

 

「ええ。デュエルは1週間後のこの場所でということでいかがかしら?」

 

「ああ、かまわないよ」

 

「当然わたくし

 

そういい残して幸子は去ろうとした。

 

「ところで幸子」

 

去ろうとした幸子を俺は呼び止めた。

 

「何かしら?」

 

「お前俺と最初にデュエルしたときの約束覚えてるか」

 

「最初の……」

 

『あなたのシンクロモンスターを掛けてデュエルしましょう』

『断る。俺にメリットがない』

『もちろん、あなたが勝った場合の事も考えていますわ』

『と言うと?』

『あなたが勝ったら、このわたくしがあなたの言うことをなんでも1つだけ聞いてあげますわ』

 

「……そういえばそんなことも言ったわね」

 

どうやらあのときの約束を思い出したらしい。

 

「あら、幸子ともそんな約束してたのね」

 

雪乃がその言葉に反応した。なんだか怖い。

 

「先輩方、そんな不純な取引をしていたのですか!?」

 

「コナミ……あんた……」

 

「ほえ?皆さんどうしたんですか?怖い顔して」

 

あれ?俺今集中砲火を受けているのか?

 

「ままあとにかく、俺が次のデュエルで負けろと言ったら負けてくれるのか?」

 

「……わたくしもデュエリストとして1度デュエルで交わした約束は守りますわ。ですが」

 

「ですが?」

 

「あなたはそんなこといえないんじゃなくて?あなたも1人のデュエリスとである以上、わたくしのモンスターを自らの手で葬りたいはずですわ」

 

「……お見通しか」

 

それにここまでエクシーズに浸透した以上、八百長で買っても幸子は戻らないだろうし。

 

「ちょっと言ってみただけだ。いいよ、約束どおり、幸子にはデュエルをもってそのエクシーズから離れてもらう」

 

「ふふっ、その以西1週間後も続いているか、楽しみにしていますわ」

 

そう言って幸子は今度こそ去っていった。

 

 

「1週間後ですか」

 

「幸子がすぐに突っかからないなんて」

 

「それだけ本気ということね」

 

「コナミさんなら勝てますよね!」

 

「さあね、ただ俺もやれる限りのことをするだけだ」

 

 

 

「じゃあ俺も、幸子とのデュエルに備えてデッキの再調整をしたいから、今日は1人にしてもらっていいか?」

 

「そうですね、相手が真剣な異常、コナミ先輩も生半可なデッキでは挑めないでしょうし」

 

「でも時間はまだあるんだからそんなに気負いしないでよ」

 

「それじゃあコナミさん、明日です!」

 

「……」

 

俺の願いを聞き皆寮に帰って行った。

 

「……」

 

みな寮に帰っていった。

 

「……」

 

みんな寮に

 

「語りで強引に帰らせようとしないで」

 

わかったよ、雪乃だけはまだ残っていた。

 

「全く、まさか幸子にもそんな約束をしてたなんて」

 

「言っておくけど雪乃の時と同じだぞ、向こうから勝手に吹っかけてきたんだ」

 

「たとえそれでもコナミは受け入れたんでしょ?」

 

「……ノーコメントです」

 

「で、本当は幸子に何をしてもらおうと思っているの」

 

「……卒業後の進路の提供とか?」

 

「ずいぶんと現実的なお願いね」

 

当然これは冗談だけどな。

 

「と・こ・ろ・で」

 

急に雪乃が声のトーンを変えて俺の真横に接近してきた。

 

「私にしてほしいことはちゃんと考えてくれているの?」

 

なんだか艶めかしい声で俺の首筋を指でなぞりながら雪乃がたずねてきた。なんだかこういう雪のを久しぶりに見た気がする。

 

「いろいろ考えてるよ。鼻でスパゲッティを食べてくれとか、目でピーナッツを噛んでくれとか」

 

「え?」

 

「でもどれもインパクトに少しかけててね」

 

雪乃が明らかにさっきとは違う少し引き気味の反応をした。

 

「私にそんな『み○おとミ○オ』や『T・P○ン』の作者みたいなことを要求しようとしたのはあなたが始めてよコナミ」

 

「なんでちょっとマイナーな作品上げた?『オ○Q』とか『パー○ン』でよかったじゃん」

 

「……最近コナミのツッコミスキルも少し上がってきたんじゃない?」

 

「それは褒めているのかな」

 

「そういうポジティブなところも嫌いじゃないわよ」

 

まあそうだよね、貶してるんだよね。

 

「もっとこう……私のイメージに合ったことを要求したいとは思わないの?」

 

左腕で胸を寄せ上げ、右手の人差し指を唇につけながら雪乃が言ってきた。ちょっとやけになってきてる?

 

「雪野のイメージ……円周率100桁暗記してとか、次の中間テストでオール100点取ってとか?」

 

「それがコナミの私に対するイメージなの?」

 

なんだか不服そうなジト目で雪乃が俺に言った。

 

「雪乃さんの知的なイメージ?」

 

「そういうのは委員長に求めてよ。それともコナミは委員長が好みなの?」

 

なぜそういう話になる?

 

「もっと私にしか要求できなさそうなことはないの」

 

もう若干ふてくされ気味だ、何か決めないといけないか……

 

「雪乃にしか頼めなさそうなこと……」

 

雪乃にしか…雪乃にしか…雪乃に…雪乃ni…雪乃んi……

 

「じゃあこれから雪乃のことをゆきのんって呼ぶのは?」

 

「……あら、それでいいの?」

 

「…やっぱなしで、これはなんか俺への罰ゲームっぽいや」

 

「もっとなにかが欲しいとかでもいいのよ」

 

「欲しいって」

 

欲しい物って……欲しい者って…

 

「……恋人が欲しいとか言ったらどうなるんだ?」

 

「そのときは、恋人ができるだけよ」

 

俺の冗談に対し、雪乃が少しだけまじめな口調で言った。

 

「……」

 

「……」

 

「ま、卒業までには何か頼むから、もう少しだけ待ってよ」

 

結局迷って保留した。別にヘタレだからじゃない、決まらなかっただけだ。

 

「全く、コナミのことだから今度ジュースをおごるとかで済ませそうだから不安だわ」

 

それの何がいけないのかな?

 

「さすがにこれ以上邪魔をするのは刻かしらね。いいわ、もう少しだけ先延ばしにしてあげるわ、でもその代わり」

 

去ろうとしていた雪乃はくるっと俺のほうに体を向け少し微笑んだ。

 

「明日は必ず幸子に勝ちなさい」

 

「……言われずとも」

 

 

 

side麻衣

 

 

幸子さんと紫さんのデュエルを見た後、まいちゃんと魔希子ちゃんはそこから得た情報をまとめ合った。

 

「しかし幸子さんが鱗子さんの切り札を持っていたこと、これは気になりますね」

 

「彼女が鱗子さんを倒して奪ったとか?」

 

「いえ、鱗子さんがそう簡単に負けるとは考えにくいです。ほかにもエクシーズが出回っている以上、鱗子さんが渡した可能性のほうが高いでしょうね」

 

「鱗子さんが自分の切り札を渡しちゃったの?」

 

「たしかにそう簡単にしたとは考えがたいですが、それよりも今は幸子先輩の使ったあのエクシーズモンスターのほうが気になりますね」

 

「《ナンバーズ》だったっけ?」

 

「ええ、未来でも見たことないカードでした」

 

「あれも鱗子さんからもらったのかな?」

 

「わかりませんが、直接彼女に聞くのが1番ですね」

 

「でも、まいちゃん達、あの人とはあんまり接点なかったし、なんか今は取り巻き……音面立ちがいっぱい周りにいるから」

 

「直接接触するのは難しいですね。麗華先輩を通せば私からも話せるでしょうが」

 

「あの人も向こう側と言うか、

 

「……不本意ですが、彼に聞くしかありませんか」

 

彼……まいちゃん達と同じ未来人。

 

「コナミさんだよね……」

 

ピピピピッ……

 

「おっと、今日はクラス委員の仕事があったのでした。そう長くはかからないので、すみませんが少し待っていてもらえますか?」

 

「もちろんいいよ」

 

「それでは」

 

 

 

sideコナミ

 

あれから1人部屋にこもってデッキ構築を考えてみたが、そうそうすぐに新しい手など見つかるものではなかった。

そんな現状を打開すべく何か新しいカードを調達しようと購買へ向かった。

 

「きゃっ!」

 

「おっとごめん」

 

その途中、曲がり角で誰かとぶつかった。

 

「いいえ、まいちゃんこそよそ見を……ってあなたは!?」

 

「君は、確か神導と一緒にいた……なんとかまい」

 

「まいちゃんは善羽麻衣です」

 

名前を憶えられていないのが気に障ったのか少し不機嫌そうに言った。

 

「今日は1人なのか?」

 

「ううん、待ち合わせ中だよ。あなたこそ1人なんて珍しいですね?」

 

「やっぱりそう思うんだ」

 

「そりゃいつもこれ見よがしにハーレムを築いてるから」

 

ひどい言われようだ。

 

「まあ今日はちょっとな……そうだ、ここであったのも何かの縁ってことで1つ聞きたいんだが」

 

「ん?なんですか?言葉巧みに会話をして、そのハーレムにまいちゃんも入れるつもりですか?」

 

「そんなことしねーよ」

 

「即答で否定するのもそれはそれで失礼!?」

 

俺が否定すると善羽はプンスカという擬音が聞こえそうな顔に頬を膨らませていった。あざとい。

 

「まあいいです。それでまいちゃんに聞きたいことって何ですか?」

 

「来週、幸子とデュエルするんだが、《ナンバーズ》ってエクシーズに対するアドバイスとかあったりするか?」

 

「さあ、敵になるかもしれない人には教えたくないので~す」

 

「さいですか」

 

「と言いつつ、《ナンバーズ》ってモンスター、まいちゃんも初めて見たんだけどね」

 

「そうか」

 

デュエル中に白紙に書かれたぐらいだしな、普通に流通してるわけではなかったか。

 

「《ナンバーズ》は初めてだったけど、あの《水精鱗》は鱗子さんのカードだったはずなの」

 

「青海先生の……そういえば青海先生もあんまりみないいけどな」

 

「鱗子さんはもともと教員のデータと関係者の記憶を書き換えて来たから」

 

「記憶を書き換えて」

 

なるほど、生徒が急に減ったことに教師が何も言わない理由が少しわかった気がするよ。

 

「だから学園にいないことが多いのは問題ないと思うけど……」

 

「思うけど?」

 

「最近、まいちゃん達とも連絡が取れないの」

 

「君たちともねぇ、じゃあこのエクシーズをばらまいているのも」

 

「そう、鱗子さんの単独行動なの」

 

「なるほど」

 

「だからまいちゃん達も《ナンバーズ》について知りたいの。だからコナミさんに何か知っていることがあったら教えてほしいってさっき魔希子ちゃんと話していたんだけど」

 

「さあ、敵になるかもしれない人には教えたくないのでーす」

 

「なっ!?」

 

さっきの善羽の言ったセリフを返してみた。

 

「冗談だ。この事態は俺としてもあまりよくないからな」

 

「むうぅっ……でも幸子さんがエクシーズモンスターを手に入れてからだいぶ経っていると思うけど、なんで今になって?」

 

「白紙のカードが覚醒したかららしいぞ」

 

「白紙?覚醒?」

 

「知らなかったのか?あの《ナンバーズ》は元々白紙で紫とのデュエルの最中に完成したらしい」

 

「元々白紙?」

 

「デュエルの最中に覚醒するカードですか」

 

善羽との会話に、急に誰かが会話に入ってきた。

 

「神導魔希子か」

 

「あ、おかえり魔希子ちゃん」

 

「ええ、先にコナミさんと会っていたのですね」

 

「偶然ここであっただけだよ」

 

「そうでしたか。しかしそのようなカード、鱗子さんはいったいどこで手に入れたのでしょう」

 

白紙のカード……《ナンバーズ》以外でも俺はそのカードを1度見たことがある。あれは融合モンスターだったが……

 

「……1つ聞いてもいいか?」

 

「なんでしょうか?」

 

「2人は闇のデュエルって知ってるか?」

 

「闇の」

 

「デュエル…ですか?」

 

「知らないみたいだな。なら気のせいか」

 

「闇のデュエル……それはいったい何のですか?」

 

「知らないのならいいだ。じゃあそろそろ俺は当時の目的を果たしに行かせてもらうよ」

 

「あっ、ちょっと待ってください!」

 

制止する神導を無視して、俺は購買へと向かった。

 

 

 

 

 

side魔希子

 

 

「ああ、行っちゃった。幸子さんとの仲介やく頼めなかったね」

 

「ええ、でも来週デュエルをするということは、どのみちコナミさんでも会うことはできなかったでしょう」

 

「あ、そこ聞いてたんだ」

 

「ええ、しかしコナミさんは私たちの知らないことを知っているようですね」

 

「まいちゃんたちの知らないこと?」

 

「おそらく私たちがこの時代に来る以前に何かあったんだと思います」

 

「何かって、何?」

 

「それはまだわからないけど……」

 

コナミさんも一応は未来を救おうと動いている人間、できれば余計な潰し合いはしたくないのですが。

 

「……やはり、コナミさんのことも警戒して観察する必要がありそうですね」

 

 



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第五十一話 闇の復活


ついにドッペルコナミの正体が明かされます!


………ええそうです、後付け設定ですよ(キッパリ)
詳しいことは本編とあとがきで。





side鱗子?

 

アカデミアの港の倉庫、オレはそこに身をひそめていた。

 

「こんなところにいたのか?」

 

「!?誰ですか?」

 

突然背後から声をかけられ振り返ると、そこにはシンクロ未来からのデュエリスト、コナミの姿があった。

だが少し違和感がある、普段奴が来ているという赤い服ではなく、全身緑の服。しかもオレと同じ闇のオーラを感じる。

 

「あなたは、コナミさん……私に何か御用ですか?」

 

「ククク、"私"とかやめろよ、お前らしく……いや、俺様らしくない!」

 

「俺?どういうことですか?」

 

「俺はコナミなんかじゃねぇ!わかってるんじゃないのか、この瘴気!」

 

オレと同じ闇の瘴気……なるほど。

 

「この時代のオレはオレよりもずいぶん早く解放されたようだな」

 

「ククク、そういうことだ。俺はこの時代のお前さ!?」

 

「しかしずいぶん気が弱いな。オレのようにまだ完全ではないということか?」

 

「これか。思い出すだけでイライラするぜ!あんな奴に負けたせいでよ……」

 

「なるほど、そういうことか。しかしこの時代のオレはずいぶん荒い性格だな。オレより早く解放されて更正する時間がなかったか」

 

「早くって、たかだか100年ぐらいの違いだろ?お前だって更正してないからこんなことしてんじゃねえか?」

 

「確かにな。3000年に比べれば数100年など些細だな」

 

 

 

 ~約3000年前~

 

 

『答えろ、なぜ王に使える占星術師のお前が、魔物が封印される〝石板(ウェジュ)の神殿"に忍び込んだ?』

 

【……】

 

『答えぬか。ならば心に直接問う。星の竜の精霊(カー)召喚!』

 

神官が言うと、ピンクの小さな竜の精霊(カー)が現れた。

 

『この精霊(カー)は貴様の心臓を取り込む』

 

【うっ!】

 

『そして「心理を量る天秤」でお前の罪の重さを量る。「規律」「定式」を見極める"方式(フォーミュラ)の歯車"を置き、お前の心臓を取り込んだ星の竜を置く』

 

『な……なんだこの重さは!』

 

『な…なんということだ、ここまで重く深い罪を持つ人間がいるとは!』

 

【ククク、オレの罪が重いだと?ならばクル・エルナ村を滅ぼした貴様らの罪はどれほどか!】

 

『な・・なんだ!?こやつの身体から凄まじい魔力(ヘカ)が!』

 

【教えてやる。オレの罪の重さは、キサマらに滅ぼされた我が故郷、クル・エルナ村の……復讐の重さだ!!】

 

『お前はクル・エルナ村の者だったのか!?』

 

【クル・エルナの民は七つの秘法の生贄にされた。それを知ったオレの無念・悲しみ・憎悪がオレの中に魔物を生み出した!見ろ!キサマ等への憎悪が産み出したこの姿を!】

 

術師の体からあふれ出た魔力(ヘカ)が不安定な姿をした闇の竜へと姿を変えた。

 

『闇の竜!だが不安定な姿だ』

 

『おそらく奴の憎悪が強すぎて魔物が力を完全に吸収しきれていないのだ!』

 

『なら今のうちに石板(ウェジュ)に封印してくれる!』

 

【貴様らを消す程度、今の力で十分だ】

 

しかし言葉とは裏腹に闇の竜の攻撃は神官に相殺された。

 

【な、なんだ?魔力が足りん……そうか。あの竜に心臓を取り込まれていたのか】

 

『星の竜の精霊(カー)よ!方式(フォーミュラ)の歯車を取り込め!』

 

歯車を取り込んだ竜は、巨大な白き竜へと姿を変え、闇の竜を攻撃した。

 

【ぐわああ!!な、なんだ!?】

 

『いまだ!奴を封印しろ!』

 

【ぐあああ!!キ、キサマ等ァァァアァァ!!】

 

『や、やった……』

 

【オレ…は……許…さ…ん……キサ…マ…ら……滅…ぼ…す……】

 

『なんというやつだ、封印されてなお意識があるとは』

 

『仕方がない。あの石板(ウェジュ)は砕き、建設中の王墓の一室に封印する』

 

 

 

 

 

「そしてこの青海鱗子とか言う女に発見され、解放されてみれば3000年以上の時が経ち、神官どころか人類すら滅びようとしていた」

 

「ほう、そっちはそんなに悲惨だったのか?」

 

「出なければ過去に戻ろうなどとしない。最も3000年前に戻れればなおよかったが。さすがにそこまでの技術はなくてな」

 

「ククク、やり場のない怒りに参ってるのは俺も同じだ。まあオレには別の目的もあるがな」

 

「……話を戻そうか。で、わざわざオレに会いに来た目的はなんだ?」

 

「それか。お前の力で作ったカードを俺にも寄越しな」

 

「オレが作ったカードを?」

 

「知ってんだよ、お前が自分の力で作り出したカードを一部のデュエリストに与え、そのカードを使ったデュエルを通して力を蓄えていることを」

 

「そうだが……まさか貴様!?」

 

「そうだ、その力の1部は同一の存在である俺にも流れてくるんだよ」

 

なるほど、それで海野幸子のカードが解放されたとき、本来見込んでいたうちの4分の3程度しか力が戻らなかったわけか。

 

「だからそのカードを俺にも寄越しな。そいつで暴れまわってやる。そうすれば俺もお前も力を取り戻せる。お互いに利のある話だろ?」

 

……確かにそうだが。

 

「もちろんこちらからもお前に寄付する材料は持ってきたぜ」

 

そういってこの時代のオレは1枚のカードを差し出した。

 

「そ、それは!」

 

「そうだ。俺たちの心臓を取り込んでいた精霊(カー)のカード《スターダスト・ドラゴン》だ!」

 

「そいつをどうやって?」

 

「ククク……どうやらオレを解放してくれた主はこのカードに精通している何かを持っていたらしくてな」

 

「貴様を解放した主?」

 

「まあそれはいいだろ。とはいえこいつは主と俺の力で作り上げたコピー。だがそれでもオレの心臓の一部は宿った」

 

「なるほど、精霊(カー)の一部を宿らせるほどの強い力を持つ主なのか」

 

「さらにこいつをデュエルで使うことでその心臓は大きくなり、あと一歩で完全復活できるところだったんだが……」

 

「デュエルに負け失敗したと?」

 

「ちっ、そうだよ。だが今お前がしている策に俺が便乗し、こいつに力を集めていけば」

 

「いずれオレたちは完全復活できると」

 

「そういうことだ!」

 

「……話がよすぎるな。オレのカードで暴れまわったところでお前が得るのは4分の1、お前の力はそう簡単には戻らないぞ?」

 

「ああ、それなら心配はいらねぇ、俺には力を一気に取り戻す当てがある!」

 

……どうやらオレに不利な話でないのは事実のようだ。

 

「いいだろう、ただしもう1つだけ条件をのめ」

 

「なんだよ?」

 

「神導魔希子と善羽麻衣を消せ、この時代に来た以上、あいつらはもうオレにとって邪魔だ」

 

 

 

 

sideゆま

 

幸子さんからデュエルの宣戦布告をされてから2日。いよいよ明日コナミさんはと幸子さんのデュエルが行われます!?

コナミさんは最後のデッキ調整をしたいとのことで1人部屋に閉じこもるそうなので私たちもいつもより早めに解散して変えることになりました。

 

「あれ?」

 

帰ろうとして下駄箱を開けると1枚の手紙が入っていました。

 

『ゆまへ、大事な話があるからみんなに内緒で廃校まで来てくれないか。コナミ』

 

「コナミさんからの手紙?」

 

大事な話ってなんでしょうか……

 

 

「あ!コナミさん!」

 

「やあゆま。来てくれたか」

 

廃坑に行くとコナミさんはすでにいました。でも普段と恰好が少し違いました。服装こそ同じですが、全身赤ではなく緑の恰好をしていました。

 

「なんだか普段と違いますね?」

 

「これか、ちょっとしたイメチェンってやつだ」

 

「そ、それでその……大事な話ってなんでょうか?」

 

「話か。それは、俺とデュエルをしてくれないか?」

 

デュエル?急にどうして……

 

「もしかして!幸子さんとのデュエルの練習ですか」

 

「ん?あ、ああ。そうだ、そうなんだ」

 

「で、でもそれなら私なんかより雪乃さんやツァンさんのほうがいいんじゃないですか?」

 

「いや、お前じゃなきゃダメなんだよ」

 

「え?私じゃなきゃダメ……そ、そんな、えへへ」

 

なんだか照れちゃいますよ!

 

「それで、相手をしてくれるか?」

 

そういってコナミさんはデュエルディスクを構えました。

 

「も、もちろんです!私でよければ!」

 

私もそう答えてデュエルディスクを構えました。

 

「じゃあ行くぞ!」

 

「はい!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 





それでは、ドッペルコナミの正体について少し捕捉させていただきます。

ドッペルコナミの正体は《トラゴエディア》……厳密にはクル・エルナ村出身の占星術士の魔物(カー)です。


2年前に書いてた頃は、特に正体とかなく。よくわからない闇の存在ってことだったのですが。

再登場するなら何らかの秘密があったほうがいいと考え直して

ただこの小説の時系列がアニメ開始以前なのでアニメGXの存在だと矛盾がどうしても出てきそうだったので
漫画GXのラスボス、トラゴエディアにしよう……と思ったのですが。

やはり奴の心臓である《ハネクリボー》の件で矛盾が出てきたため断念……しようと思ったのですが、

"そもそもオリジナル小説なのだから、完璧に漫画に忠実にする必要はないのでは"
と私の悪魔がささやいたので、一部独自の設定に変更してしまいました。

白き羽の精霊(ハネクリボー)星の竜の精霊(スターダスト・ドラゴン)

マアトの羽(光と闇の竜)方式の歯車(フォーミュラ・シンクロン)

トラゴエディアの魔物(カー)→闇の竜の魔物(カー)

大きく変更したのはこの3つですね。

漫画を読んでいたとき、《トラゴエディア》なのに《トラゴエディア》のカードは使わないのかよ!
と思ったので、魔物(カー)自体もドッペルコナミが使用するものに変更しました。

ここまで設定をいじると、なんだ漫画遊戯王GXのラスボスとは別人な気もしてきましたが……
だいたいこのような感じです、疑問・指摘がございましたらご報告お願いします。


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第五十二話 ダークネスの鍵

sideドッペルゲンガーコナミ

 

 

多少強引だったがデュエルまでこぎつけたか。安心しろこれは闇のデュエルではない。まあお前の力をいただくことにはなるがな。

 

「先攻は俺からでいいか?」

 

「はい!?」

 

「じゃあいくぜ、《カードガンナー》を守備表示で召喚」

 

 

カードガンナー

効果モンスター

星3/地属性/機械族/攻 400/守 400

(1):1ターンに1度、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できる。

このカードの攻撃力はターン終了時まで、

この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップする。

(2):自分フィールドのこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

「さっそく効果発動でデッキの上から3枚墓地に送り攻撃力1500アップ」

 

墓地に送られたのは《ボルトヘッジホッグ》《スキル・サクセサー》《デブリ・ドラゴン》か、まあ悪くない。

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

ドッペルコナミ

LP4000

手札 4

モンスター カードガンナー(守)

魔法・罠 セット×1

 

 2ターン目:ゆま

 

 

「いきます、私のターンです。《E・HERO エアーマン》を召喚します」

 

E・HERO エアーマン

効果モンスター(制限カード)

星4/風属性/戦士族/攻1800/守 300

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

以下の効果から1つを選択して発動できる。

●このカード以外の自分フィールドの

「HERO」モンスターの数まで、

フィールドの魔法・罠カードを選んで破壊する。

●デッキから「HERO」モンスター1体を手札に加える。

 

 

「《E・HERO エアーマン》の効果を発動します。デッキの《E・HERO ザ・ヒート》を手札に加えます。そして魔法カード《融合》を発動します!」

 

「来たか、《HERO》お得意の融合!」

 

「《E・HERO エアーマン》と手札の《E・HERO ザ・ヒート》で《E・HERO ノヴァマスター》を融合召喚します!」

 

E・HERO ノヴァマスター

融合・効果モンスター

星8/炎属性/戦士族/攻2600/守2100

「E・HERO」モンスター+炎属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

「バトルです《E・HERO ノヴァマスター》で《カード・ガンナー》を攻撃を攻撃します!」

 

「《カード・ガンナー》が破壊され墓地に送られた時、カードを1枚ドローする」

 

「それじゃあ私も、《E・HERO ノヴァマスター》がモンスターを破壊したのでカードを1枚ドローします」

 

「カードを1枚伏せます。これでターン終了です」

 

 

ゆま

LP4000

手札 4

モンスター E・HERO ノヴァマスター(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 3ターン目:ドッペルコナミ

 

 

「俺のターン、魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動!」

 

ワン・フォー・ワン

通常魔法

(1):手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。

手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。

 

「手札を1枚捨て、デッキの《チューニング・サポーター》を特殊召喚」

 

チューニング・サポーター

効果モンスター

星1/光属性/機械族/攻 100/守 300

(1):フィールドのこのカードをS素材とする場合、

このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。

(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

「《ロード・シンクロン》を召喚」

 

ロード・シンクロン

チューナー・効果モンスター

星4/光属性/機械族/攻1600/守 800

(1):このカードを「ロード・ウォリアー」以外のSモンスターの素材とする場合、

このカードのレベルを2つ下げたレベルとして扱う。

(2):このカードが攻撃した場合、そのダメージステップ終了時に発動する。

このカードのレベルをターン終了時まで1つ上げる。

 

「チューナーモンスターがいることで《カードガンナー》の効果で墓地に送った《ボルトヘッジホッグ》を特殊召喚」

 

ボルトヘッジホッグ

効果モンスター

星2/地属性/機械族/攻 800/守 800

(1):自分メインフェイズに発動できる。

このカードを墓地から特殊召喚する。

この効果は自分フィールドにチューナーが存在する場合に発動と処理ができる。

この効果で特殊召喚したこのカードは、

フィールドから離れた場合に除外される。

 

「レベル2の《チューニング・サポーター》とレベル2の《ボルトヘッジホッグ》にレベル4チューナー《ロード・シンクロン》をチューニング!」

 

☆4+☆2+☆2=☆8

 

「集いし希望が新たな地平へいざなう。光さす道となれ!シンクロ召喚!駆け抜けろ、《ロード・ウォリアー》!

 

ロード・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星8/光属性/戦士族/攻3000/守1500

「ロード・シンクロン」+チューナー以外のモンスター2体以上

(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

デッキからレベル2以下の

戦士族・機械族モンスター1体を特殊召喚する。

 

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー。そして《ロード・ウォリアー》の効果発動。デッキの《ダークシー・フロート》を特殊召喚する!」

 

ダークシー・フロート

効果モンスター

星1/闇属性/機械族/攻 0/守 300

フィールド上に存在するこのカードが

カードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

「バトルフェイズだ!《ロード・ウォリアー》で《E・HERO ノヴァマスター》を攻撃!」

ゆまLP4000→3600

 

「あうぅ!で、でもこの瞬間、罠カード《ヒーロー・シグナル》を発動します」

 

 

ヒーロー・シグナル

通常罠

(1):自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊され

墓地へ送られた時に発動できる。

手札・デッキからレベル4以下の「E・HERO」モンスター1体を特殊召喚する。

 

「デッキから《E・HERO フォレストマン》を特殊召喚します」

 

E・HERO フォレストマン

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1000/守2000

(1):1ターンに1度、自分スタンバイフェイズに発動できる。

自分のデッキ・墓地の「融合」1枚を選んで手札に加える。

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

ドッペルコナミ

LP4000

手札 3

モンスター ロード・ウォリアー(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 4ターン目:ゆま

 

 

「私のターンです。まずは《E・HERO フォレストマン》の効果で墓地の《融合》を手札に戻します」

 

「キーカードをサルベージしたか」

 

「そして手札に戻した《融合》を発動します。《E・HERO フォレストマン》と手札の《E・HERO オーシャン》で《E・HERO ジ・アース》を融合召喚です!」

 

E・HERO ジ・アース

融合・効果モンスター

星8/地属性/戦士族/攻2500/守2000

「E・HERO オーシャン」+「E・HERO フォレストマン」

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカード以外の自分フィールドの表側表示の「E・HERO」モンスター1体をリリースして発動できる。

このカードの攻撃力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの攻撃力分アップする。

 

「さらに魔法カード《ミラクル・フュージョン》を発動します」

 

ミラクル・フュージョン

通常魔法

(1):自分のフィールド・墓地から、

「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた

融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体を

エクストラデッキから融合召喚する。

 

「墓地の《E・HERO フォレストマン》と《E・HERO オーシャン》を除外して、《E・HERO アブソルートZero》を融合召喚です!」

 

E・HERO アブソルートZero

融合・効果モンスター

星8/水属性/戦士族/攻2500/守2000

「HERO」と名のついたモンスター+水属性モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカードの攻撃力は、フィールド上に表側表示で存在する

「E・HERO アブソルートZero」以外の

水属性モンスターの数×500ポイントアップする。

このカードがフィールド上から離れた時、

相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。

 

 

「《E・HERO ジ・アース》の効果発動です。《E・HERO アブソルートZero》を生け贄にして攻撃力2500アップです」

 

「攻撃力が5000に、だがそれだけじゃないな」

 

「はい、《E・HERO アブソルートZero》がフィールドを離れたとき、相手のモンスターを全て破壊します!」

 

「くっ、《ダークシー・フロート》が効果で破壊された時、カードを1枚ドローする」

 

「それじゃあコナミさん、覚悟しいてください!《E・HERO アブソルートZero》でダイレクトアタックです!」

 

「罠カード《ドレインシールド》発動!」

 

 

「これで攻撃を無効にし、ライフを5000回復する」LP4000→9000

 

「あうぅ!一気にライフを……」

 

ちぃ、やはりこんな力をいくら吸収したところで俺の力は戻らない……

 

「メインフェイズ2に《フレンドッグ》を守備表示で召喚します」

 

フレンドッグ

効果モンスター

星3/地属性/機械族/攻 800/守1200

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地から「E・HERO」と名のついたカード1枚と

「融合」魔法カード1枚を手札に加える。

 

「うぅ…ターンエンドです」

 

 

ゆま

LP3600

手札 2

モンスター フレンドッグ(守)

魔法・罠 なし

 

 

 5ターン目:ドッペルコナミ

 

 

「俺のターン」

 

それじゃあ、あいつの中のダークネスを呼び戻すとするか。

 

「《万力魔神バイサー・デス》を召喚」

 

万力魔神バイサー・デス

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻 500/守1200

(1):このカードの召喚に成功した場合、

相手フィールドのモンスター1体を対象として発動する。

発動後、3回目の自分スタンバイフェイズに対象のモンスターを破壊する。

(2):このカードの(1)の効果の対象のモンスターがフィールドに存在している限り、

このカードは戦闘では破壊されない。

 

「な、なんだか不気味なモンスターですね……コナミさん、そんなカードも持ってたんですね?」

 

「一応強制効果だから発動しておくか、《E・HERO ジ・アース》を対象にする」

 

「え?《E・HERO ジ・アース》の頭にモンスターが?」

 

「3ターン後に選択したモンスターを破壊するが、まあ関係ない」

 

こいつの効果は闇のデュエルでなければ味がないしな。

 

「続けて永続魔法《オリハルコン・チェーン》を発動!」

 

 

オリハルコン・チェーン(未OCGカード)

永続魔法

このカードの発動後の次にエクシーズ召喚する場合、

エクシーズ素材を1つ減らしてエクシーズ召喚する事ができる。

このカードが破壊された時、このカードの効果によってエクシーズ素材を1つ減らして

エクシーズ召喚したモンスター1体のコントロールは相手に移る。

このカードの効果によってエクシーズ素材を1つ減らしてエクシーズ召喚した

モンスター1体がフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。

 

「エクシーズのサポートカード?」

 

「闇属性・レベル4の《万力魔神バイサー・デス》を2体分としてオーバーレイ!」

闇属性☆4×2

「混沌より生まれし扉の鍵を手にするとき、大いなる闇が舞い踊る。現れろ《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》!!」。

 

 

No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/闇属性/昆虫族/攻2500/守 800

闇属性レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、

このカード以外の自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

選択したカードはカードの効果では破壊されない。

フィールド上のこのカードが破壊される場合、

代わりに選択した自分のカード1枚を墓地へ送る事ができる。

 

 

「エクシーズモンスター……なんでコナミさんがそれを?」

 

「すぐにわかる《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》の効果発動!ORUを1つ取り除き、《オリハルコン・チェーン》を守る対象にする」

 

「えっと。これでその魔法カードは破壊できなくなったんですね?」

 

「ああ。そしてバトルだ、《マスター・キー・ビートル》で《フレンドッグ》を攻撃」

 

「《フレンドッグ》の効果発動です!墓地の《E・HERO エアーマン》と《融合》を手札に戻します」

 

「俺はこれでターン終了だ」

 

 

ドッペルコナミ

LP9000

手札 2

モンスター No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル(攻)

魔法・罠 オリハルコン・チェーン

 

 

 6ターン目:ゆま

 

 

「こぼさないように、私のターン、《E・HERO エアーマン》を召喚です。そして効果を発動して《E・HERO クノスペ》を手札に加えます」

 

「《E・HERO ジ・アース》の効果発動です!《E・HERO エアーマン》を生贄にして攻撃力1800アップです」

 

《E・HERO ジ・アース》ATK2500→4300

 

「《マスター・キー・ビートル》の攻撃力を超えたか!?」

 

「バトルです、《E・HERO ジ・アース》で《マスター・キー・ビートル》を攻撃です!」

 

「《マスター・キー・ビートル》のもう1つの効果発動!破壊される代わりに《オリハルコン・チェーン》を墓地に送る」

 

「で、でもダメージは受けますよ」

 

「くっ!」LP9000→7200

 

だがこれで計画通りだ!

 

「そして《オリハルコン・チェーン》が墓地に送られた事で、《マスター・キー・ビートル》のコントロールは貴様に移る!」

 

 

sideゆま

 

せっかく出したエクシーズモンスターを私に?しかも今コナミさんに貴様って言われちゃいました!?

 

「な、なんですかこれ!?」

 

このモンスターから出てくる黒い靄……闇……

 

「きゃっ!なんですか!わ、私の中に!?」

 

なんでしょうこの感じ、前にもあったような……思い出せませんけど…うっ!私の……中の……なにかが……

 

「きゃっぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「我はダークネス……破滅の女神 ダークネスゆまだ!!」

 

 

 



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第五十三話 (ドッペルゲンガー)VS(ダークネス)

 連休で時間ができたので投稿します!
 しかしこの小説の使用カードの古いこと……
まあ本当に古いのは私のタクティクスなんですが(-_-;)


sideツァン

 

 

「今日はいないな……」

 

放課後、最近は授業が終わるといつもゆまが下駄箱で待っているんだけど、今日はいなかった。

 

「まあゆまにもゆまの事情があだろうけど、僕にも内緒にするなんて……」

 

ちょっと気になるかな。

 

「……探してみよう」

 

 

 

sideドッペルコナミ

 

 

成功だ!奴の中のダークネスを呼び覚ますことに成功した!後はこいつを倒して俺の力を取り戻すだけだが……

 

「我のバトルフェイズは続いている、《マスター・キー・ビートル》で直接攻撃」

 

「ぐあっ!」LP7200→4700

 

「カードを3枚伏せ、我のターンは終了だ」

 

問題はダークネスのデュエルタクティクスに今の俺が勝てるかは少し怪しいんだよな。まあ、何とかしてやるさ。

 

《E・HERO ジ・アース》ATK4300→2500

 

 

ダークネスゆま

LP3600

手札 2

モンスター E・HERO ジ・アース(攻)

      No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル(攻)

魔法・罠 セット×3

 

 

 7ターン目:ドッペルコナミ

 

 

「俺のターン、魔法カード《死者蘇生》を発動!墓地の《ロード・ウォリアー》を特殊召喚する。バトルだ!《ロード・ウォリアー》で《E・HERO ジ・アース》を攻撃!」

 

「罠カード《ヒーローバリア》を発動。攻撃を無効にする」

 

ヒーローバリア

通常罠

自分フィールド上に「E・HERO」と名のついたモンスターが

表側表示で存在する場合、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。

 

ちぃ、やはりダークネスにこんな単純な攻撃は通らないか。

 

「メインフェイズ2に《ロード・ウォリアー》の効果発動。デッキの《マシップ・ウォリアー》を特殊召喚する!」

 

マシップ・ウォリアー

効果モンスター

星2/地属性/戦士族/攻 600/守1200

このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

ドッペルコナミ

LP4700

手札 2

モンスター ロード・ウォリアー(攻)

      マシップ・ウォリアー(守)

魔法・罠 リビングデットの呼び声

     セット×1

 

 8ターン目:ダークネスゆま

 

 

「我のターン、永続罠《強化蘇生》を発動!墓地の《E・HERO エアーマン》を特殊召喚する」

 

そいつを蘇生したか。

 

「《E・HERO エアーマン》の効果により、デッキの《E・HERO レディ・オブ・ファイア》を手札に加える」

 

サーチ効果を再利用されたか。さすがのタクティクスだ!?

 

「そして手札に加えた《E・HERO レディ・オブ・ファイア》を召喚する」

 

 

E・HERO レディ・オブ・ファイア

効果モンスター

星4/炎属性/炎族/攻1300/守1000

自分のターンのエンドフェイズ時、自分フィールド上に

表側表示で存在する「E・HERO」と名のついた

モンスターの数×200ポイントダメージを相手ライフに与える。

 

 

「魔法カード《融合》を発動。《E・HERO エアーマン》と手札の《E・HERO クノスペ》を素材とし融合召喚!現れよ《V・HERO アドレイション》!」

 

V・HERO アドレイション

融合・効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2800/守2100

「HERO」と名のついたモンスター×2

1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体と、

このカード以外の自分フィールド上に表側表示で存在する

「HERO」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。

選択した相手モンスターの攻撃力・守備力は

エンドフェイズ時まで、選択した自分のモンスターの攻撃力分ダウンする。

 

 

来たかダークネスの闇の象徴となるカード、だがまだこれでは足りないな……

 

「《V・HERO アドレイション》の効果発動。《E・HERO ジ・アース》の攻撃力2500だけ《ロード・ウォリアー》の攻撃力を下げる」

《ロード・ウォリアー》ATK3000→500

 

これで総攻撃を受ければ俺の負けだが……

 

「バトルだ。《E・HERO ジ・アース》で《ロード・ウォリアー》を攻撃」

 

「罠カード発動!《業炎のバリア -ファイヤー・フォース-》!」

 

 

業炎のバリア -ファイヤー・フォース-

通常罠

(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊し、

自分はこの効果で破壊したモンスターの

元々の攻撃力を合計した数値の半分のダメージを受ける。

その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。

 

「これで貴様のモンスターは全滅し、その合計攻撃力3900のダメージを互いに与える!」

 

「貴様にもダメージか」

 

「ああ、今の俺がダークネス様に勝には肉を切って骨を断つぐらいじゃねーとだからな!」

 

「カウンター罠《魔宮の賄賂》を発動。これで貴様の罠は無効だ」

 

 

魔宮の賄賂

カウンター罠

(1):相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

相手はデッキから1枚ドローする。

 

「なに!?」

 

「だが代償として貴様に1枚ドローさせる」

 

これも防がれるとは……だが今引いたカード、死神じゃない方の神はまだ俺の味方のようだ。

 

「手札の《急降下ボム》を捨て効果発動!全てのモンスターの攻守を入れ替える!」

 

 

急降下ボム(未OCGカード)

効果モンスター

星1/闇属性/機械族/攻 0/守 0

このカードを手札から墓地に送って発動する。

エンドフェイズ時までフィールド上に表側表示で存在するモンスター全ての元々の攻撃力・守備力を入れ替える。

この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

 

《E・HERO ジ・アース》ATK2500→2000

《E・HERO レディ・オブ・ファイア》ATK1300→1000

《V・HERO アドレイション》ATK2800→2100

《マスター・キー・ビートル》ATK2500→800

《ロード・ウォリアー》ATK500→0

《マシップ・ウォリアー》DEF1200→600

 

「手札誘発か、だがまだ攻撃力はこちらが上だ」

 

「ぐうっ!」LP4700→2700

 

「《E・HERO レディ・オブ・ファイア》で《マシップ・ウォリアー》を攻撃」

 

「《マシップ・ウォリアー》は1ターンに1度、戦闘では破壊されない」

 

「続けて《マスター・キー・ビートル》で攻撃」

 

「くっ!」

 

効果を無効にされたことを考え《マシップ・ウォリアー》は守備表示にしたが、攻撃表示にしておくべきだったか。

 

「《V・HERO アドレイション》で直接攻撃だ!」

 

「ぐあぁぁ!」LP2700→600

 

「カードを1枚伏せターン終了だ。そして《E・HERO レディ・オブ・ファイア》の効果により400のダメージを与える」

 

「くっ!」LP600→200

 

 

ダークネスゆま

LP3600

手札 0

モンスター V・HERO アドレイション(攻)

      E・HERO ジ・アース(攻)

      E・HERO レディ・オブ・ファイア(攻)

      No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル(攻)

魔法・罠 セット×1

 

 9ターン目:ドッペルコナミ

 

 

「俺のターン、メインフェイズ1開始時に、魔法カード《貪欲で無欲な壺》を発動!」

 

貪欲で無欲な壺

通常魔法

メインフェイズ1の開始時に自分の墓地から

異なる種族のモンスター3体を選択して発動できる。

選択したモンスター3体をデッキに加えてシャッフルする。

その後、デッキからカードを2枚ドローする。

このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

 

「墓地の戦士族の《ロード・ウォリアー》機械族の《ロード・シンクロン》悪魔族の《万力魔神バイサー・デス》をデッキに戻しドローする!続いて墓地の《アマリリース》を除外し《光帝クライス》を召喚」

 

 

アマリリース

効果モンスター

星1/地属性/植物族/攻 100/守 200

自分のメインフェイズ時、墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。

このターンに1度だけ、

自分がモンスターを召喚する場合に必要なリリースを1体少なくする事ができる。

「アマリリース」の効果は1ターンに1度しか発動できない。

 

 

光帝クライス

効果モンスター

星6/光属性/戦士族/攻2400/守1000

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、

フィールド上に存在するカードを2枚まで破壊する事ができる。

破壊されたカードのコントローラーは、破壊された数だけ

デッキからカードをドローする事ができる。

このカードは召喚・特殊召喚したターンには攻撃する事ができない。

 

「《アマリリース》?《カードガンナー》では墓地に落ちていなかったが……《ワン・フォー・ワン》のコストか?」

 

「察しがいいな、その通りだ。《光帝クライス》の効果発動!《マスター・キー・ビートル》と《E・HERO ジ・アース》を破壊する!」

 

「だが、《光帝クライス》の効果で我は2枚ドローさせてもらうぞ」

 

「かまわん、手札の《ワンショット・ブースター》を特殊召喚する」

 

 

ワンショット・ブースター

効果モンスター

星1/地属性/機械族/攻 0/守 0

自分がモンスターの召喚に成功したターン、このカードは手札から特殊召喚できる。

また、このカードをリリースして発動できる。

このターン自分のモンスターと戦闘を行った相手モンスター1体を選択して破壊する。

 

「カードを2枚伏せてターン終了だ」

 

 

ドッペルコナミ

LP200

手札 0

モンスター 光帝クライス(攻)

      ワンショット・ブースター(攻)

魔法・罠 セット×2

 

 

「2体とも攻撃表示とは。錯乱か?それとも策があるのか?」

 

「さあどうだろうな?」

 

「ふん、まあいい。我のターン、魔法カード《融合回収》発動」

 

融合回収

通常魔法

自分の墓地に存在する「融合」魔法カード1枚と、

融合に使用した融合素材モンスター1体を手札に加える。

 

「墓地の《融合》と素材となった《E・HERO エアーマン》を手札に戻す。そして召喚する。召喚時効果によりデッキの《E・HERO フラッシュ》を手札に加える」

 

またサーチ効果か、これで4回目だな。

 

「魔法カード《融合》発動!場の《レディ・オブ・ファイア》と《エアーマン》手札の《E・HERO フラッシュ》で《V・HERO トリニティー》を融合召喚」

 

V・HERO トリニティー

融合・効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2000

「HERO」と名のついたモンスター×3

このカードが融合召喚に成功したターン、

このカードの攻撃力は元々の攻撃力を倍にした数値になる。

融合召喚に成功したこのカードは、

1度のバトルフェイズ中に3回攻撃する事ができる。

このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。

 

 

「来たか貴様の切り札!」

 

凄い闇の瘴気だ!これだ!この闇を待っていた!《アドレイション》と合わせれば俺の力は……

 

「《V・HERO トリニティー》は効果により、このターン攻撃力が倍となる!」

《V・HERO トリニティー》ATK2500→5000

 

「ここで罠カード発動《捨て身の宝札》!」

 

捨て身の宝札

通常罠

自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター2体以上の攻撃力の合計が、

相手フィールド上に表側表示で存在する攻撃力が一番低いモンスターよりも低い場合、

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

このカードを発動するターン、

自分はモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができず、

表示形式を変更する事もできない。

 

「俺のモンスターの合計攻撃力は2400、2800の《アドレイション》より低いのでドローする」

 

「なるほど。そのために攻撃表示にしていたか。だが今更関係のないこと、バトルだ!《V・HERO トリニティー》で《光帝クライス》を攻撃!」

 

「罠カード発動!《ダブルマジックアームバインド》!」

 

ダブルマジックアームバインド

通常罠

(1):自分フィールドのモンスター2体をリリースし、

相手フィールドの表側表示モンスター2体を対象として発動できる。

その表側表示モンスター2体のコントロールを自分エンドフェイズまで得る。

 

「《光帝クライス》と《ワンショット・ブースター》をリリースして貴様の2体のモンスターのコントロールを奪う!」

 

「なんだと!?」

 

来た!すごい闇だ!力が…みなぎる……あふれる…!

 

「クククっ、なるほどな」

 

エクストラデッキの《スターダスト・ドラゴン》が白紙となり、新たなカードに書き換わろうとしていた。

 

「オレの力に呼応し、俺自身にふさわしいカードに習うということか。面白い!」

 

「くっ…うぅ…あうぅ……」

 

そしてあいつは自身の象徴となるモンスターを奪われて正気に戻りかけているか。

 

「カードを1枚伏せ……ターン終了だ…」

 

《V・HERO トリニティー》ATK5000→2500

 

 

ダークネスゆま

LP3600

手札 0

モンスター なし

魔法・罠 セット×1

 

 11ターン目:ドッペルコナミ

 

 

まだデュエルを続けられるだけの力はあるか。クククっ、いいだろう!今貴様の力を完全にものにし正気に戻してやるさ!

 

「俺のターン!魔法カード《レベル・マイスター》発動!」

 

レベル・マイスター

通常魔法

手札のモンスター1体を墓地へ送り、

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターを

2体まで選択して発動できる。

選択したモンスターのレベルはエンドフェイズ時まで、

このカードを発動するために墓地へ送ったモンスターの元々のレベルと同じになる。

 

「手札の《ダッシュ・ウォリアー》を捨て《トリニティー》と《アドレイション》のレベルを3に変更する!《ナイトエンド・ソーサラー》を召喚!」

 

ナイトエンド・ソーサラー

チューナー(効果モンスター)

星2/闇属性/魔法使い族/攻1300/守 400

このカードが特殊召喚に成功した時、

相手の墓地に存在するカードを2枚までゲームから除外する事ができる。

 

さあ見せてやる!貴様から取り戻した闇の力で作り出した俺の新たな切り札を!

 

「レベル3となった《トリニティー》と《アドレイション》にレベル2闇属性チューナー《ナイトエンド・ソーサラー》をチューニング!」

☆2+☆3+☆3=☆8

 

「魔神を束ねし蠅の王よ!!ムシズの走る世界に陰りを!!シンクロ召喚!これが俺の精霊(カー)の完全なる姿!《魔王龍 べエルゼ》!」

 

 

魔王龍 ベエルゼ

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守3000

闇属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードは戦闘及びカードの効果では破壊されない。

また、このカードの戦闘または相手のカードの効果によって

自分がダメージを受けた時に発動する。

このカードの攻撃力は、そのダメージの数値分アップする。

 

素晴らしい!そして美しい!なんと言う闇の象徴!

 

「墓地の《スキル・サクセサー》の効果発動!こいつを除外し《魔王龍 べエルゼ》の攻撃力を800アップさせる!」

 

《魔王龍 べエルゼ》ATK3000→3800

 

「くっ……我の…ライフを……!」

 

「バトルだ!《魔王龍 べエルゼ》でダイレクトアタックだ!」

 

「と、罠カード発動!《串刺しの落とし穴》!」

 

串刺しの落とし穴

通常罠

(1):このターンに召喚・特殊召喚された相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。

その攻撃モンスターを破壊し、

そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

 

「これで貴様のモンスターは破壊され、その攻撃力の半分のダメージで貴様の負けだ!」

 

「残念だったな!《魔王龍 べエルゼ》は戦闘及びカードの効果では破壊されない!」

 

「なんだと!」

 

「さあ俺の元に還れダークネス!【魔王の赦肉祭(ベエルズ・カーニバル)】!!」

 

「うわぁぁぁっ!!」LP3600→0

 

 

Win:ドッペルコナミ

 

「あうぅ……」

 

ダークネスが抜けたゆまはそのまま気絶した。目覚めたときはおそらくこのデュエルのことも、俺に呼び出されたことすら覚えていないだろう。

 

「くくくっ!良かったな、俺は力が戻って機嫌がいい!だから今回はお前の力は見逃してやる」

 

まあ余計な力を吸収してこの純粋なダークネスの力を汚したくもないしな。

 

 

 

 

sideゆま

 

「ゆま!起きてよゆま!」

 

「ん……うぅ……」

 

私はいったい……

 

「よかった、起きた!」

 

「ツァン…さん…?」

 

「もう!こんなところに倒れてどうしたの!心配したんだよ!?」

 

「こんなところ……」

 

ここは…学園の廃校…

 

「なんで私こんなところに?」

 

「それは僕が聞きたいよ!?ゆまを探してたらここへ向かってるのを見たって生徒がいたから!」

 

「なんでしょう……さっきまでデュエルをしていたような気がしますが…思い出せません」

 

「デュエル?いったい誰と?」

 

「えっと……わかりませんけれど、なんだか私の中にあったもやもやしたものが出て行ったような気がします」

 

「もやもやしたもの?」

 

「はい!なんだかすっきりしました!」

 

「……あっそう。まあ変なことになってないならよかったよ。場所が場所だから心配だったんだ」

 

「場所…ですか?」

 

「ううん、なんでもないよ。それじゃあこんなところから早く帰ろう」

 

「はい!」

 

 



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第五十四話 風紀委員の憂鬱

まずは、前回投稿からかなり間が空いてしまったことをお詫びいたします。
更新をおろそかにしている間に、ルールも環境もだいぶ変わり、創作意欲が少し低下してしまったため、ここまで間が空いてしまいました。
しかし、デミスルインやシンクロアンデットなどメインキャラのデッキが強化されていると知り、また再開するにお見当たりました。


先ほども触れた通り、2年たちOCGのルールも環境もだいぶ変わりましたが、

今後もこの小説は

・マスタールール2採用
・ペンデュラム、リンクモンスター、エクストラゾーン、そんなものは管轄外だ
・過労死するレベル・スティーラー

こんな内容でお送りしていこうと思います。つまり7~8年ぐらい過去に戻った感覚で読んでいただけると幸いです。


隔週ぐらいの更新になると思いますが、一応失踪はしないよう頑張るつもりなので今後もよろしくお願いします。



side遥

 

 

「今日も来ていませんね……」

 

放課後の風紀委員の部室、いつもなら麗華先輩と今日1日のことを話すのが私の日課でした。

ですが麗華先輩が海野先輩に負けて以来来なくなりました。

 

 

「でも、それだけでしょうか……」

 

確かにエクシーズカードもきっかけの1つかもしれませんが……

そうです!私がもっとしっかり学園を取り締まり、エクシーズなどに頼らずともこの風紀委員こそが麗華先輩の居場所だとわかってくれるはずです!

そうと決まればさっそく行動を起こしましょう!まずは学園を隅々まで見回り、徹底的に違反を取り締まります!

 

 

~港~

 

 

モブR1「そ、それは《カードエクスクルーダー》!ラッキーカードだ…彼女が俺の所に来たがっている!」

 

モブR2「なら30000DPでどうだ?」

 

「くっ……厳しい条件だが仕方ない!」

 

「交渉成立」

ピピィーッ!!

 

「こらそこ!生徒同士でのカードの売買は禁止です!」

 

 

~デュエルフィールド~

 

モブR3「俺のターン!っとその前に」

 

モブR4「おい?何してんだ?」

 

「いやー、昼飯まだ食べてなくて」

ピピィーッ!!

 

「そこ!食事中のデュエルは禁止です!」

 

 

~レッド寮前~

 

 

「…おはよう……」

 

「なぁ~」

 

「…………みゃぁ……」

 

「レインさん」

 

「……なに?」

 

「校内での猫との会話は禁止です!」

 

「…にゃんですと……」

 

意外と違反が多いものですね。ですがこうして活動を続けていればすぐに麗華先輩も……明日も頑張って取り締まりましょう!!

 

 

 

そして翌日も宣言通り早めに登校し違反を取り締まりました。

 

キーンコーンカーンコーン

 

予鈴が鳴りました。そろそろ授業の時間ですね。

 

「さてと……あれ?」

 

「あー、だりー」

 

もう授業が始まるというのに教室とは反対方向に向かう生徒が目に入りました。

赤い帽子をかぶった女子生徒、たしか……

 

「あなたは、ジャッカル岬さんでしたか?」

 

「ん?ああ。お前は……誰だっけ?」

 

「麗華先輩と活動を共にする風紀委員の長谷部遥です!」

 

「ああ、委員長の腰巾着か」

 

「なっ、腰巾着って……おほん、まあ今はそんなことはいいです。もうすぐ授業だというのにどこへ向かうんですか?」

 

「1限目は座学だからふけるんだよ」

 

なんて堂々としたさぼり宣言、こんなものを見過ごすわけにはいきません!

 

「そんなの認めるわけにはいきません!さあ授業に行きますよ!」

 

そういって私は岬さんの袖をつかんで強引に教室へ連れて行こうとしました。

 

「何すんだよ!伸びるだろうが!」

 

「そんなの関係ありません!」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「しまった!本鈴が!」

 

このままは私まで遅刻に!?

 

「いまだ!じゃあな腰巾着!?」

 

「あっ!こら!!もう!?」

 

今回は仕方ありませんが、彼女を放っておくわけにはいきません!かくなるうえは……

 

「おっと、今は授業でした!」

 

私は急いで教室に入りました。一応間に合いました。

 

 

 

side岬

 

「はー今日も疲れた……まあ半分くらいふけたけど」

 

放課後、オレは

 

「ん?なんだこれ?」

 

オレの下駄箱の中に手紙が入っていた。

 

「……何て読むんだ?」

 

「果たし状だな」

 

「うわ!お前コナミ!?いつの間に後ろに!?」

 

オレが手紙を見ているといきなりコナミが後ろから声をかけてきた。

 

「ビックリさせんなよ!?」

 

「それは悪かった」

 

「しかしおめーが1人でいるのは珍しいな」

 

「ゆまは補習、ツァンはそれに付き合ってる。雪乃は、多分気を使ってるんだな、ちょっと俺が大事なことを控えてるから」

 

「後の奴は?紬紫とかそういうの関係なくついてきそうじゃん」

 

「紫はまた別の事情があるんだ。幸子も同じだ」

 

「ふーん、まあどうでもいいや」

 

「で、はたしじゅうってなんだ?」

 

「果たし状だよ。挑戦上みたいなやつ。なんで喧嘩上等な番長キャラのお前が果たし状を知らないんだよ?で、誰からの挑戦状なんだ?」

 

「ちょっと待ってろ」

 

オレはその手紙を開いた。

 

「随分堅苦しい分だな。漢字多いし、読んでくれよ」

 

「やれやれ……確かに余計な文が多いな。掻い摘んで言うぞ」

 

「頼む」

 

「放課後、女子寮の裏でデュエルを申し込む。私が勝てば授業に出ること。長谷部遥より」

 

「それが内容か?」

 

「簡単に言うとそうだな」

 

朝のことを根に持っていたか。めんどくさいから無視したいが……

 

「デュエルを持ち出されたら引き下がるわけにはいかねーか」

 

「行くのか?」

 

「当然だ!さっそく行くぞ!」

 

「ああ……って俺も行くの!?」

 

「合縁跡縁だ!オレのデュエルを見ていけ!」

 

「たぶん合縁奇縁といいたいんだな」

 

 

~ブルー女子寮裏~

 

「おーい!来たぞ!」

 

「ようやく来ましたか。遅いのでまたさぼられるつもりかと思いました」

 

「デュエルが絡めば別だ!」

 

「おや……確かに1人で来るようにとは書きませんでしたが、っまさか助っ人付きとは」

 

「ん?そういう目的で俺を連れてきたのか?」

 

「ンなわけねーだろ!安心しろ、こいつはただの見物だ!あくまでデュエルはサシだ!」

 

「ならばよいでしょう。それに、勝敗を見届ける立会人がいたほうが都合がいいですし」

 

「そういうゴタゴタとした御託はいいよ!デュエルするんだろ!」

 

「そうでしたね。私が勝った時の話は覚えていますね?」

 

「ああ。勝ったら授業でもなんでも出てやるよ!」

 

「その言葉、忘れないでくださいね!行きます!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

side遥

 

 

「先攻は譲ってやるよ!」

 

「またずいぶんと強気な態度を……では、私のターン!」

 

岬さんのデッキはモンスター効果を無効にするサポートが豊富。ですが墓地で発動する効果なら対象外。

 

「《フレムベル・パウン》を守備表示で召喚します!」

遥:手札6→5

 

フレムベル・パウン

効果モンスター

星1/炎属性/炎族/攻 200/守 200

 

「カードを1枚伏せてターン終了を宣言します」

遥:手札5→4

 

LP4000

手札 4

モンスター フレムベル・パウン(守)

魔法・罠 伏せカード×1

 

 2ターン目:岬

 

「締めてやんよ、俺のターン!《ジャイアント・オーク》を召喚!」

岬:手札6→5

 

ジャイアント・オーク

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻2200/守 0

 

「こいつは攻撃した時、守備表示になる」

 

「お得意のデメリット付きの強アタッカーですか」

 

「喧嘩上等。バトルだ!《ジャイアント・オーク》で《フレムベル・パウン》を攻撃!」

 

「計画通り。この瞬間、《フレムベル・パウン》の効果を行使します!」

 

「破壊をトリガーとする効果かよ!」

 

「このカードが戦闘によって破壊された時、デッキから守備力200のモンスター1体を、手札に加える事ができます。デッキの《フレムベル・ヘルドッグ》を手札に加えます」

遥:手札4→5

 

「サーチ効果か。攻撃した《ジャイアント・オーク》は効果により守備表示になる。カードを1枚伏せて御終いだ」

岬:手札5→4

 

 

LP4000

手札 4

モンスター ジャイアント・オーク(守)

魔法・罠 セット×1

 

 3ターン目:遥

 

 

「私のターン、永続罠《死の演算盤》を行使します。これで私たちのモンスターが墓地へ行くたび500のダメージを受けます」

 

「私たちってことはお前もか?」

 

「ええ、ですが私の枷になることはないでしょう。《フレムベル・ヘルドッグ》を召喚」

遥:手札6→5

 

フレムベル・ヘルドッグ

効果モンスター

星4/炎属性/獣族/攻1900/守 200

 

「バトルを行います。《フレムベル・ヘルドッグ》で《ジャイアント・オーク》を攻撃!」

 

「ちぃ、だが守備表示ならダメージは受けないぜ」

 

「ですが、貴方のモンスターが墓地に送られたことで《死の演算盤》の効果によるダメージを受けてもらいます」

 

「くっ!」

岬LP4000→3500

 

「さらに《フレムベル・ヘルドッグ》の効果を行使します!このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、

デッキから同名以外の守備力200以下の炎属性モンスター1体を特殊召喚できます。デッキの《ネオフレムベル・サーベル》を特殊召喚します」

 

ネオフレムベル・サーベル

効果モンスター

星4/炎属性/炎族/攻1500/守 200

 

「このモンスターはあなたの墓地のカードが4枚以下の場合、攻撃力は600ポイントアップします!」

 

「オレの墓地のカードは1枚、つまり攻撃力はアップするのか」

《ネオフレムベル・サーベル》ATK1500→2100

 

「そして私のバトルフェイズはまだ続いております!《ネオフレムベル・サーベル》で直接攻撃です!」

 

「通すか!お前の攻撃宣言時に、リバースカード行くんでよろしく!罠カード《ピンポイント・ガード》!」

 

「攻撃対応の罠カード!?」

 

「墓地のレベル4以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。墓地の《ジャイアント・オーク》を守備表示で特殊召喚!」

 

「ですが、守備表示なら私のモンスターのほうが上です!《ネオフレムベル・サーベル》で攻撃!」

 

「残念だが、この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンは破壊されないぜ!」

 

「防がれてしまいましたか。カードを1枚伏せて、終了を宣言します」

遥:手札5→4

 

 

LP4000

手札 4

モンスター フレムベル・ヘルドッグ(攻)

      ネオフレムベル・サーベル(攻)

魔法・罠 死の演算盤

     伏せカード×1

 

 4ターン目:岬

 

 

「ヤキ入れてやるっ!俺のターン!《ジャイアント・オーク》を攻撃表示に変更!さあ、一発ぶっこめ!《フレムベル・ヘルドッグ》を攻撃!」

 

「うぅっ!」

遥LP4000→3700

 

「さらに自分のカードの効果でダメージを喰らいやがれ!」

 

「あうぅ!」

遥LP3700→3200

 

「攻撃した《ジャイアント・オーク》は効果により守備表示になる。メインフェイズ2に《神獣王バルバロス》を召喚!」

岬:手札5→4

 

神獣王バルバロス

効果モンスター

星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200

 

「こいつは元々の攻撃力を1900にすることで、生贄なしで召喚できる」

 

「なるほど、妥協召喚ですか」

 

「カードを1枚伏せる、よし、オシマイだ」

岬:手札4→3

 

LP3500

手札 3

モンスター 神獣王バルバロス(攻)

      ジャイアント・オーク(守)

魔法・罠 伏せカード×1

 

 5ターン目:遥

 

 

「私のターン!」

 

前のターン《ジャイアント・オーク》で《ネオフレムベル・サーベル》を攻撃し《神獣王バルバロス》で《フレムベル・ヘルドッグ》を相殺すれば私の場をがら空きに出来ました。

それをしなかったということは、おそらくあの伏せカードは《神獣王バルバロス》の効果を無効にするカード……なら!

 

「《ネオフレムベル・サーベル》を生け贄に捧げ《フレムベル・デビル》を生け贄召喚!」

遥:手札5→4

 

フレムベル・デビル

効果モンスター

星5/炎属性/悪魔族/攻2100/守1200

 

「生け贄召喚?モンスターが墓地に送られりゃ、てめーのカードでダメージを受けるぞ」

 

「か、構いません、必要経費です」

遥LP3200→2700

 

「続いて魔法カード《『守備』封じ》を行使します。《ジャイアント・オーク》を攻撃表示に変更します」

遥:手札4→3

 

「わざわざ攻撃力の高いこいつを攻撃表示にだと?」

 

「最後に、フィールド魔法《バーニングブラッド》を行使します」

遥:手札3→2

 

バーニングブラッド

フィールド魔法

 

「これでフィールドの属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、守備力は400ポイントダウンします」

《フレムベル・デビル》ATK2100→2600

 

「ちぃ、これで《ジャイアント・オーク》の攻撃力を超えやがったか!?」

 

「バトルを行います!《フレムベル・デビル》で《ジャイアント・オーク》を攻撃します!」

 

「ぐぅっ!」

岬LP3500→3100→2600

 

「折り目正しく、《フレムベル・デビル》の効果を行使します!このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、自分の墓地の炎族モンスターの数×200ポイントダメージを相手ライフに与えます」

 

「なるほど、たいしてダメージが増えるわけでもねーのに、《ジャイアント・オーク》をわざわざ攻撃表示にしたのはこのためか」

 

「私の墓地の《フレムベル》は3体、よって600のダメージを与えます!」

 

「だが、させるか!ライフを1000払い、永続罠《スキルドレイン》発動!」

岬LP2600→1600

 

「フィールドのモンスターすべての効果を無効にするぜ!こいつで《フレムベル・デビル》の効果は無効だ!」

 

「やはり効果を無効にするカードでしたか」

 

《神獣王バルバロス》を避けて正解でしたね。

 

「これで終了を宣言します」

 

 

 



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第五十五話 分・か・ち・合って

復帰回なのでとりあえずこのデュエルだけは連投して完結させました。
次回からは、前話で予告した通り隔週の更新になると思います。


LP2700

手札 2

モンスター フレムベル・デビル(攻)

魔法・罠 バーニングブラッド

     死の演算盤

     伏せカード×1

 

 6ターン目:岬

 

 

「俺のターン!早速バトルだ!《神獣王バルバロス》で《フレムベル・デビル》を攻撃!」

 

「うぅっ!」

遥LP2700→2300→1800

 

「てめーの発動した《死の演算盤》、てめーの方が苦しめられてるんじゃねーか?」

 

「……」

 

「全く、ライフまで払って生贄召喚したのにあっけなかったな。カードを1枚伏せておしまいだ」

岬:手札4→3

 

 

LP1600

手札 3

モンスター 神獣王バルバロス(攻)

魔法・罠 スキルドレイン

     伏せカード×1

 

 7ターン目:遥

 

 

「私のターン、《ネオフレムベル・シャーマン》を召喚します」

遥:手札3→2

 

ネオフレムベル・シャーマン

効果モンスター

星3/炎属性/炎族/攻1700/守 200

 

「自分のカードに苦しめられているのは、私ではありませんよ!」

 

「ああっ?」

 

「私の場に炎属性モンスターが存在することにより《嚇灼の魔人》を特殊召喚します」

遥:手札2→1

《嚇灼の魔人》ATK2600→3100

 

嚇灼の魔神

効果モンスター

星8/炎属性/獣戦士族/攻2600/守2200

 

「このカードは私のフィールドに炎属性モンスターが存在する場合、特殊召喚できます」

 

「レベル8のモンスターをいきなり出すか。ま、オレも同じようなもんだが、これのどこがオレのカードに苦しめられてるんだ?」

 

「このカードが自身の効果で特殊召喚された時、私の炎属性モンスター2体を破壊しなくてはなりませんが」

 

「その効果はオレの《スキルドレイン》で無効になってるってわけか」

 

「ご名答!それではバトルフェイズに移行します、《嚇灼の魔人》で《神獣王バルバロス》を攻撃します!」

 

「ぐぁっ!」

岬LP1600→1500→1000

 

「これで終わりです、《ネオフレムベル・シャーマン》で直接攻撃します!」

 

「そうは行くか!罠カード《奇跡の残照》を発動!このターン戦闘によって破壊されたオレのモンスター1体を墓地から特殊召喚する!これで《神獣王バルバロス》は復活だ!」

 

「これでもダメでしたか。カードを1枚伏せ、終了を宣言します」

 

 

LP1800

手札 0

モンスター 嚇灼の魔神(攻)

      ネオフレムベル・シャーマン(攻)

魔法・罠 バーニングブラッド

     死の演算盤

     伏せカード×2

 

 8ターン目:岬

 

 

「俺のターン!《可変機獣 ガンナードラゴン》を召喚!」

岬:手札4→3

 

可変機獣 ガンナードラゴン

効果モンスター

星7/闇属性/機械族/攻2800/守2000

 

「こいつも攻撃力を半分にすることで、生贄なしで召喚できる」

 

「妥協召喚モンスター、しかし《スキルドレイン》で攻撃力は元に……それでも《嚇灼の魔人》には劣っています」

 

「解ってらぁ!永続魔法《強者の苦痛》を発動!」

岬:手札3→2

 

「相手の全てのモンスターの攻撃力はそのモンスターのレベル×100ダウンする!」

《嚇灼の魔人》ATK3100→2300

《ネオフレムベル・シャーマン》ATK2200→1900

 

「これでお前のライフを削り切れる!」

 

「……だといいですね?」

 

「ふん、罠があるか。だが関係ねぇ!《可変機獣 ガンナードラゴン》で《ネオフレムベル・シャーマン》を攻撃!」

 

「それでは、罠カード《ダメージ・トランスレーション》を行使します」

 

「このターン私が受ける効果ダメージは半分になります」

 

ダメージ・トランスレーション

通常罠

 

「これで《死の演算盤》による効果ダメージは半減します……うぐぅっ!」

遥LP1800→900→650

 

「何だ結局ダメージは受けるのか。ならば結局はこれで終わりだな!《神獣王バルバロス》で《嚇灼の魔人》を攻撃!」

 

「もう1枚の伏せカードを行使します!罠カード《ホーリージャベリン》を行使します!相手の攻撃してきたモンスターの攻撃力分ライフを回復します」

遥LP650→3650

 

「ちっ、だが攻撃は止まらない!」

 

「あうぅっ!」

遥LP3650→2950→2700

 

「だが首の皮1枚つながったか。これでオシマイだ」

 

「エンドフェイズに《ダメージ・トランスレーション》のもう1つの効果を行使します!」

 

「もう1つの効果?」

 

「このターン、私が受けた効果ダメージの回数と同じ数だけ私フィールド上に《ゴースト・トークン》を守備表示で特殊召喚します」

 

「お前が受けたのはお前の《死の演算盤》による2回……」

 

「そのとおりです。よって《ゴースト・トークン》2体を特殊召喚します!」

 

ゴースト・トークン

トークン

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

 

「モンスターが残っちまったか……カードを1枚伏せて、俺の番はオシマイだ」

岬:手札2→1

 

LP1600

手札 2

モンスター 神獣王バルバロス(攻)

      可変機獣 ガンナードラゴン(攻)

魔法・罠 スキルドレイン

     強者の苦痛

 

 7ターン目:遥

 

 

「私のターン、魔法カード《トラップ・ポーズ》を行使します」

遥:手札1→0

 

トラップ・ポーズ(未OCGカード)

通常魔法

相手フィールド上に表側表示で存在する永続罠の効果をエンドフェイズ時まで無効にする。

この効果で無効にした永続罠1枚につき1枚ドローする

 

「《スキルドレイン》の効果を無効にし、カードを1枚ドローします」

遥:手札0→1

 

「《スキルドレイン》が!強力な効果モンスターを使う気か!?」

 

「行きます!《ゴースト・トークン》2体を生け贄に捧げ、《ヘルフレイムエンペラー》を生け贄召喚!」

遥:手札1→0

 

ヘルフレイムエンペラー

効果モンスター

星9/炎属性/炎族/攻2700/守1600

 

 

「ここで最上級モンスターか!だが《強者の苦痛》の効果で攻撃力は下がるぜ!」

《ヘルフレイムエンペラー》ATK2700→3200→2500

 

「残念ですが、《ヘルフレイムエンペラー》の効果発動!このカードの生贄召喚に成功した時、墓地の炎属性モンスターを5体まで除外し、除外したモンスターの数だけ、フィールド上に存在する魔法・罠カードを破壊します!」

 

「魔法・罠を破壊する効果かよ!?」

 

「墓地の《フレムベル・パウン》と《ネオフレムベル・シャーマン》を除外し《スキルドレイン》と《強者の苦痛》を破壊します!」

 

「これで《ヘルフレイムエンペラー》の攻撃力は戻りました」

《ヘルフレイムエンペラー》ATK2500→3200

 

「くっ、オレのモンスターの攻撃力を超えやがったか!?」

 

「バトルフェイズです!《ヘルフレイムエンペラー》で《可変機獣 ガンナードラゴン》を攻撃!」

 

「ぐっ!」

岬LP1000→600

 

「さらに《死の演算盤》の効果で500のダメージです!」

 

「うわっ!」

岬LP600→100

 

「追い詰めましたよ!私のターンはこれで終了です!」

 

 

LP2400

手札 0

モンスター ヘルフレイムエンペラー(攻)

魔法・罠 バーニングブラッド

     死の演算盤

 

 10ターン目:岬

 

 

「ふん、やるじゃねーか」

 

「……え?」

 

「ただの委員長の越巾着化と思っていたが…正直驚いたぜ。舐めていて悪かったよ」

 

「……岬さん!?」

 

やはり真摯に向き合って話合えばどんな人とでも分かり合えるのですね!それがデュエルという形であっても

今の私を見てくれれば麗華先輩もきっと!

 

「と言うとでも思ったか!?魔法カード《『攻撃』封じ》を発動!《ヘルフレイムエンペラー》を守備表示に変更!」

岬:手札3→2

 

「え?岬さん?」

 

「《ヘルフレイムエンペラー》の守備力はテメーの《バーニングブラッド》の効果で400ダウンしている」

《ヘルフレイムエンペラー》ATK3200→DEF1200

 

「あっ!これでは《神獣王バルバロス》の攻撃で」

 

「そんな単純な手は使わねーよ!魔法カード《天よりの宝札》を発動!」

岬:手札2→1

 

「俺の手札とフィールドのカードをすべて除外し、2枚ドローする!」

岬:手札1→0→2

 

「自ら自分のカードを除外してまでドローするのですか!?」

 

「安定な戦略には興味ねーんだよ!魔法カード《デビルズ・サンクチュアリ》発動!《メタルデビル・トークン》1体を特殊召喚する」

岬:手札2→1

 

「行くぜ!《メタルデビル・トークン》を生け贄に《炎神機-紫龍》を召喚!」

岬:手札2→1

 

炎神機-紫龍

効果モンスター

星8/炎属性/炎族/攻2900/守1800

 

「こいつはオレのエンドフェイズ毎に1000ポイントダメージを受けるデメリットと引き換えに、モンスター1体の生贄で召喚できる!」

 

「え?岬さん?」

 

「《炎神機-紫龍》は炎属性、つまりてめーの《バーニングブラッド》の効果で攻撃力が500アップする!」

《炎神機-紫龍》ATK2900→3400

 

「また私のカードを!?で、ですが守備表示ではダメージは」

 

「《炎神機-紫龍》は貫通効果を持っている!」

 

「そんな、まさか私が《スキルドレイン》を除去することまで見越して!?」

 

「喰らいやがれ!《炎神機-紫龍》で《ヘルフレイムエンペラー》を攻撃!」

 

「きゃぁぁっ!」

遥LP2700→500

 

「そしてテメーの《死の演算盤》で500のダメージを受けな!」

 

「そんな!?ひゃぁぁっ!」

遥LP500→0

 

Win:岬

 

 

 

「ま、負けてしまいました……」

 

負けた私はその場に膝をつきました。

 

「ふん、俺に勝つなんざ100年早いぜ!」

 

勝利を手にしたジャッカル岬さんがお決まりのセリフを言いました。

 

「うぅぅ……私はまだ、麗華さんには届かないということですか……」

 

「……ま、このオレをライフ100まで追いつめたのは認めてやるぜ。ほらよ」

 

そう言ってジャッカル岬さんは私に手を差し出しました。

 

「え?あ、ありがとうございます」

 

「まあ少しは根性があるやつだと見直したぜ、いつもあの委員長の言いなりで、自分の意思で動くような奴だと思ってなかったからな」

 

「い、いえ、今回のことも、私は麗華さんに認めてもらいたくて」

 

「それはちげーだろ。たとえ目的はそうでも、オレに挑んだのもお前の意思だろ、まあその真面目なところはあいつの腰巾着って感じだが」

 

「腰巾着じゃないです、私は!」

 

「ああ、そうだな。おまえはもう腰巾着なんかじゃねーな」

 

「わかってくれればいいのです、ジャッカルさん」

 

「岬でいいよ。俺も腰巾着じゃなくて……なんだっけ?」

 

「長谷部遥です!」

 

「ああそうだ、遥って呼ぶからな」

 

「はい!?」

 

「これからは何か困った事があったらオレのところに来な、勉強はできねえけど、腕っ節なら自信あるからよ」

 

「は、はい!?ありがとうございます!」

 

もしかしたら、私はこの人を誤解していたのかもしれません。

 

「ま、オレが勝ったってことで、これからは授業ふけてもうるさく言うなよ」

 

「それとこれとは話は別です!」

 

「は?どういうことだよ!?」

 

「あなたが勝ったら授業に出なくていいなんて約束はしてませんよ」

 

「そ、そりゃ納得いかねーぜ!?」

 

「そういえば岬さん、あなた今日の座学を休んでいましたよね?私の部屋で復習しましょう!」

 

「は!今から!?ちょっと待てよー!!」

 

文句を言う岬さんを引き連れ、私は寮に戻りました。

 

 

side:コナミ

 

「デュエルで分かり合うか……」

 

デュエル後に、その前までのギクシャクした雰囲気が嘘のように語り合う2人を見て、俺は小さく呟いた、おそらく無意識にだろう。

幸子とのデュエルを少し難しく考えすぎていたようだ。次の幸子とのデュエルもいつものオレでぶつかればいいってことか。

 

「デュエルも終わったようだし、俺は寮に帰るよ。2人も暗くならないうちに部屋に戻りなよ」

 

2人に声をかけて俺は帰路についた。特に対策はできてないが、ま、今夜はぐっすり眠れそうだな。

 

 

 

「……ところであの2人、俺がいたこと覚えてたかな?」

 




久しぶりに書いたデュエルでが場が目立ちましたかね?
最初はラストターン、岬は《炎神機-紫龍》を《神獣王バルバロス》をリリースして普通に召喚していましたが、最後の確認で
『あれ、これ《死の演算盤》で負けてない』
と気づき、ちょっと複雑な展開に変更せざる終えなくなりました(-_-;)
この他にもデュエル展開の間違い、誤字脱字などございましたら、ご報告の宝宜しくお願いします。
もちろん、純粋な感想もお待ちしております!!


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第五十六話 エクシーズの海域

今回はいいタイトルが思いつきませんでした。
いいタイトルだった回があるかは自信がありませんが……


とうとう幸子との約束の日がやってきた。

 

「い、いよいよですね!ゆゆ、幸子さんとのデュエル!」

 

「なんでゆまのほうが緊張してるの?」

 

「ねぇ、コナミは緊張していないの?」

 

「……心拍は…安定してる……」

 

「どんな奴でも、コナミなら率先即決だろ!」

 

「それを言うなら速戦即決ですよ岬さん」

 

レッド寮の前には俺を含むいつものメンバー7人がそろっていた。

 

「ごきげんよう、よくぞ怖気づかずに来ましわわね」

 

少しして幸子と麗華がやってきた。今日はこの2人だけのようだ。

 

「紫も来てないのか?」

 

「彼女は自分の部屋にこもってあなたの名前を永遠呟きながらカードを眺めていましたわ」

 

「目のハイライトが少し薄れていた気もしますね」

 

なにそれ!?普通に怖いんだけど……

 

「あなたが紬さんのことを気にする必要はありませんわ。あなたには今日わたくしの手で引導を渡すのですから!」

 

ビシッと俺を指さして幸子が宣言した。

 

「相変わらず勝気ね」

 

「あの性格だけは変わってないね」

 

幸子のもともとの性格を知ってる2人は少しあきれながら言うのが聞こえた。

 

「さあ、くだらない会話を続ける必要はもうないでしょう。早く始めましょう」

 

そう言って幸子はデュエルディスクを構えた。

 

「ああ、そうだな」

 

俺もそれにこたえ、デュエルディスクを構えた。

 

「レッド寮のこともありますが、それ以上にようやくあなたを倒すことができる、そのことがわたくしは楽しみで仕方ありませんわ!」

 

「それは期待を裏切る結果になりそうで残念だが……ま、楽しくやろうよ!」

 

 

「「デュエル!!」」

 

 

「俺のターン、《ボルトヘッジホッグ》を守備表示で召喚。カードを1枚伏せターン終了だ」

コナミ:手札6→4

 

 

コナミ

LP4000

手札 4

モンスター ボルトヘッジホッグ(守)

魔法・罠 伏せカード1枚

 

 

 2ターン目:幸子

 

「わたくしのターン、魔法カード《七星の宝刀》を発動!手札かフィールドからレベル7のモンスター1体を除外し、2枚ドローしますわ」

 

手札交換カードか。

 

「手札の《超古深海王シーラカンス》を除外し2枚ドロー。そして《スターフィッシュ》を召喚」

幸子:手札6→5

 

スターフィッシュ

効果モンスター

星3/水属性/水族/攻 300/守 300

 

「モンスターの召喚に成功したことで手札の《シャーク・サッカー》の効果発動!魚族・海竜族・水族モンスターが召喚・特殊召喚された時、このカードを手札から特殊召喚する事ができますわ」

幸子:手札5→4

 

シャーク・サッカー

星3/水属性/魚族/攻 200/守1000

 

「レベル3のモンスターが2体、もう来るか?」

 

「レベル3の《スターフィッシュ》と《シャーク・サッカー》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」

☆3×2

 

「エクシーズ召喚!浮上しなさい!《潜航母艦エアロ・シャーク》!」

 

潜航母艦エアロ・シャーク

エクシーズ・効果モンスター

ランク3/水属性/魚族/攻1900/守1000

レベル3モンスター×2

 

「《潜航母艦エアロ・シャーク》の効果発動よ!ORUを1つ取り除くことで、わたくしの除外されたカードの数×100のダメージを与えるわ。食らいなさい“エアー・トルピード”」

 

《エアロ・シャーク》の砲台からミサイルが1発だけ俺に放たれた。

 

「除外されているカードは1枚。ダメージは100か」

コナミLP4000→3900

 

「まだエンジンがかかったばかりのような軽いダメージだな」

 

「そうね、そのダメージはほんの挨拶よ。フィールド魔法《忘却の都 レミューリア》を発動よ!」

幸子:手札4→3

 

フィールドが水没した都へと変わった。これを見るのも3度目、もはやエクシーズを手にしてからの幸子の十八番のフィールドだな。

 

「これでフィールドの水属性モンスターの攻守は200アップするわ」

《潜航母艦エアロ・シャーク》ATK1900→2100

 

「バトル、すなわち戦闘よ!《潜航母艦エアロ・シャーク》で《ボルトヘッジホッグ》を攻撃よ“ビッグイーター”!」

 

《エアロ・シャーク》に噛みつかれ《ボルトヘッジホッグ》は倒されてしまった。

 

「これでターン終了よ」

 

 

幸子

LP4000

手札 3

モンスター 潜航母艦エアロ・シャーク(攻)

魔法・罠 忘却の都 レミューリア

    

 

 3ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、手札の《レベル・スティーラー》を捨て《クイック・シンクロン》を特殊召喚!」

コナミ:手札5→3

 

「《クイック・シンクロン》のレベルを下げ、墓地の《レベル・スティーラー》を守備表示で特殊召喚。さらに《チューニング・サポーター》を召喚」

コナミ:手札3→2

 

「お決まりの高速展開。ようやくあなたもエンジンがかかったようね」

 

「レベル1の《チューニング・サポーター》にレベル4チューナー《クイック・シンクロン》をチューニング!」

☆4+☆1=☆5

 

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!」

 

ジャンク・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星5/闇属性/戦士族/攻2300/守1300

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

 

「《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー」

コナミ:手札2→3

 

「そして《ジャンク・ウォリアー》の効果により、レベル1の《レベル・スティーラー》の攻撃力600分攻撃力をアップさせる!」

《ジャンク・ウォリアー》ATK2300→2900

 

「バトルだ、《ジャンク・ウォリアー》で《エアロ・シャーク》を攻撃“スクラップ・フィスト”!」

 

《ジャンク・ウォリアー》の拳が《エアロ・シャーク》を貫いた。

 

「くぅぅっ!」

幸子LP4000→3200

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

 

 

コナミ

LP4000

手札 2

モンスター ジャンク・ウォリアー(攻)

      レベル・スティーラー(守)

魔法・罠 伏せカード2枚

 

 4ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン、それではわたくしも、あなたに引けを足らない展開力でお相手しましょう!」

 

展開力…委員長や紫に見せたあのコンボが来るか……

 

「手札を1枚捨て装備魔法《D・D・R》を発動よ!手札を1枚捨て、除外されているわたくしのモンスター1体を特殊召喚するわよ!」

幸子:手札4→2

 

「除外されている《超古深海王シーラカンス》を特殊召喚してこのカードを装備させるわ」

 

超古深海王シーラカンス

効果モンスター

星7/水属性/魚族/攻2800/守2200

 

フィールドの空間が歪み穴が開き、そこから化石のような巨大魚が現れた。

《超古深海王シーラカンス》ATK2800→3000

 

「そして《超古深海王シーラカンス》の効果発動!手札を1枚捨て、デッキから4体の魚族を特殊召喚するわ!」

幸子:手札2→1

 

「やはり来たか、エクシーズにつなぐための大量展開コンボ」

 

巨大魚が雄たけびを上げると、フィールドの水中から4体の魚モンスターが現れた。

 

「《シャクトパス》《深海王デビルシャーク》《キラー・ラブカ》《オーシャンズ・オーパー》を特殊召喚よ!」

 

「レベル3とレベル4が2体ずつか」

 

「まずはレベル3水属性の《オーシャンズ・オーパー》と《キラー・ラブカ》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」

水属性☆3×2

 

「エクシーズ召喚、漆黒の闇より出でし赤き槍!《ブラック・レイ・ランサー》!」

 

ブラック・レイ・ランサー

エクシーズ・効果モンスター

ランク3/闇属性/獣戦士族/攻2100/守 600

水属性レベル3モンスター×2

 

「そしてレベル4水属性の《シャクトパス》と《深海王デビルシャーク》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」

水属性☆4×2

 

「吠えよ未知なる轟き!深淵の闇より姿を現わしなさい!!エクシーズ召喚!!《バハムート・シャーク》!!」

 

バハムート・シャーク

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100

水属性レベル4モンスター×2

 

《バハムート・シャーク》ATK2400→2600

 

「《ブラック・レイ・ランサー》の効果発動。“パラライズ・ランス”!」

 

《ブラック・レイ・ランサー》の背中のヒレから突風が《ジャンク・ウォリアー》に向けて放たれた。

 

「ORUを1つ取り除くことで、相手モンスター1体の効果を無効にするわ」

 

「なるほど……これで《ジャンク・ウォリアー》の攻撃力は元に戻ったってわけか」

《ジャンク・ウォリアー》ATK2900→2300

 

「《バハムート・シャーク》の効果発動!“ゴッド・ソウル”」

 

《バハムート・シャーク》が雄たけびを上げると、フィールドの水が巻きあがり、中から鱗を纏った戦士が現れた。

 

「ORUを1つ取り除いて、エクストラデッキから水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体を特殊召喚しますわ。《トライエッジ・リヴァイア》を特殊召喚!」

 

トライエッジ・リヴァイア

エクシーズ・効果モンスター

ランク3/水属性/海竜族/攻1800/守1500

レベル3モンスター×3

 

《トライエッジ・リヴァイア》ATK1800→2000

「委員長の時のモンスターか」

 

まずいな、あいつの効果は……

 

「そして魔法カード《エクシーズ・トレジャー(未OCGカード)》を発動よ!フィールドのエクシーズモンスターの数だけドローするわ」

幸子:手札1→0

 

「フィールドのエクシーズモンスターは3体、よって3枚ドローするわ!」

幸子:手札0→3

 

「ついにノーリスクで3枚のカードをドローとは」

 

「バトル、すなわち戦闘よ!《トライエッジ・リヴァイア》で《レベル・スティーラー》を攻撃“ブライトスパイラル”!」

 

「やはり《レベル・スティーラー》を狙ったか!?」

 

「《トライエッジ・リヴァイア》が破壊したモンスターは除外される。これでお得意の《レベル・スティーラー》の自己再生は封じたわ」

 

槍で貫かれた《レベル・スティーラー》が異次元へと飲み込まれた。これは厳しいな……

 

「続けて《超古深海王シーラカンス》で《ジャンク・ウォリアー》を攻撃よ“ディープエインシェント・ファング”!」

 

「ぐうぅ!」

コナミLP3900→3200

 

「そして《ブラック・レイ・ランサー》で直接攻撃よ“ブラックスピア”!」

 

「罠カード《トゥルース・リインフォース》を発動。デッキからレベル2以下の戦士族モンスターを特殊召喚する。デッキの《マシップ・ウォリアー》を特殊召喚!」

 

「《マシップ・ウォリアー》は確か1ターンに1度戦闘では破壊されないモンスター……」

 

「そうだ。そして《バハムート・シャーク》は効果を発動したターン攻撃できない。つまり《マシップ・ウォリアー》を破壊することはできないはずだ」

 

「防がれましたか、まあいいわ。カードを1枚伏せてターン終了よ」

幸子:手札3→2

 



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第五十七話 激突、2体のナンバーズと!!

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

復帰後のコナミくんの最初のデュエルもこれで終わり……にしたかったのですが少し長くなってしまったので次回に繰り越しです。
そして予告に反して《レベル・スティーラー》は過労死せず……


幸子 LP3200

モンスター 超古深海王シーラカンス(攻)

      バハムート・シャーク(攻)

      ブラック・レイ・ランサー(攻)

      トライエッジ・リヴァイア(攻)

魔法・罠 忘却の都 レミューリア

     D・D・R→(超古深海王シーラカンス)

     伏せカード1枚

 

 5ターン目:コナミ

 

 

「俺のターン、魔法カード《調律》を発動。デッキから《シンクロン》チューナーを手札に加える。《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキトップのカードを墓地に送る。そして《ジャンク・シンクロン》を召喚」

コナミ:手札3→2

 

「効果発動!墓地の《チューニング・サポーター》を特殊召喚!」

 

「またモンスターが3体……シンクロ召喚する気かしら?」

 

「行くぞ……っとその前に、罠カード《逆さ眼鏡》を発動する!フィールドの全モンスターの攻撃力はターン終了時まで半減する」

 

眼鏡をかけたモンスターが現れて逆立ちをした。なんともシュールな光景だ。

 

《超古深海王シーラカンス》ATK3000→1500

《バハムート・シャーク》ATK2600→1300

《トライエッジ・リヴァイア》ATK2000→1000

《ブラック・レイ・ランサー》ATK2100→1050

《マシップ・ウォリアー》ATK600→300

《チューニング・サポーター》ATK100→50

《ジャンク・シンクロン》ATK1300→650

 

 

「攻撃力……変化……理解完了……」

 

「あれ?前のターンにコナミさんがあのカードを発動していれば、返り討ちにできたんじゃ?」

 

「いいえ、あのカードはコナミのモンスターにも影響するわ」

 

「でもダメージは軽減できたはずだよ」

 

「コナミ先輩がそれをしなかったということはおそらく」

 

「このターンでの反撃のために温存したってわけか!」

 

「レベル2の《マシップ・ウォリアー》とレベル1の《チューニング・サポーター》にレベル3チューナー《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

☆2+☆1+☆3=☆6

 

「星空を焦がす聖槍よ!!魂を放ち世界を醒ませ!!シンクロ召喚!《スターダスト・アサルト・ウォリアー》!」

 

スターダスト・アサルト・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 

「見たことのないシンクロモンスターね」

 

「初めましてだ。《チューニング・サポーター》の効果で1枚ドロー」

コナミ:手札2→3

 

「さらに《スターダスト・アサルト・ウォリアー》の効果発動!俺のフィールドに他のモンスターが存在しない場合にこのカードのシンクロ召喚成功した時、墓地の《ジャンク》1体を特殊召喚できる。《ジャンク・チェンジャー》を特殊召喚!」

 

ジャンク・チェンジャー

チューナー・効果モンスター

星3/地属性/戦士族/攻1500/守 900

 

「《ジャンク・チェンジャー》?《調律》で落ちたのはそのカードですの」

 

「ああそうだ。《ジャンク・チェンジャー》の効果発動。特殊召喚成功時、《ジャンク》1体のレベルを1つ変化させる。このカードのレベルを1つ上げる」

《ジャンク・チェンジャー》☆3→☆4

 

「墓地の《ボルトヘッジホッグ》の効果発動!チューナーがいることで特殊召喚する」

 

「モンスターが2体……まだ来るようですわね」

 

「レベル2の《ボルトヘッジホッグ》にレベル4チューナー《ジャンク・チェンジャー》をチューニング!」

☆4+☆2=☆6

 

「星雨を束ねし聖翼よ!魂を風に乗せ世界を巡れ!シンクロ召喚《スターダスト・チャージ・ウォリアー》!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー

シンクロ・効果モンスター

星6/風属性/戦士族/攻2000/守1300

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

 

「また見たことのないシンクロモンスターね」

 

「こいつも初めましてだ。こいつのシンクロ召喚成功時、カードを1枚ドローする」

コナミ:手札3→4

 

「あの状況から……連続…シンクロ召喚……」

 

「しかも手札から直接使ったのは《調律》1枚だけだよ……」

 

「そしてコナミの今の手札は4枚」

 

「確かターンの初めのコナミ先輩の手札は3枚だったはずです」

 

「あれだけカードを使ったのにむしろ手札が増えてんじゃねーか」

 

「よ、よくわかりませんが凄いですコナミさん!」

 

確かにみんなの言う通り、このターンの初めより手札が1枚増えてる。これは《エクシーズ・トレジャー》に文句は言えないな。まあ今発動するカードはないがな。

 

「《スターダスト・チャージ・ウォリアー》は相手の特殊召喚されたモンスターすべてに攻撃できる!」

 

「全体攻撃!?それでわざわざ全体弱体化のカードを……」

 

「バトルだ!まずは《スターダスト・チャージ・ウォリアー》で《超古深海王シーラカンス》を攻撃!」

 

「魚族モンスターが攻撃対象になったこの瞬間、墓地の《キラー・ラブカ》の効果発動!」

 

キラー・ラブカ

効果モンスター

星3/水属性/魚族/攻 700/守1500

 

「このカードを除外することで、《スターダスト・チャージ・ウォリアー》攻撃を無効にし、このターン攻撃力を500下げるわ!」

《スターダスト・チャージ・ウォリアー》ATK2000→1500

 

「止められたか、だが残りのモンスターへの攻撃は可能だ!《スターダスト・チャージ・ウォリアー》で残りのモンスターを攻撃!」

 

「きゃぁっ!」

幸子LP3200→3000→2550→2050

 

「そして《スターダスト・アサルト・ウォリアー》で《超古深海王シーラカンス》を攻撃!」

 

「あうぅ!」

幸子LP2050→1450

 

「カードを2枚伏せてターン終了だ」

《スターダスト・チャージ・ウォリアー》ATK1500→2000

コナミ:手札4→2

 

 

コナミ

LP3200

手札 2

モンスター スターダスト・チャージ・ウォリアー(攻)

      スターダスト・アサルト・ウォリアー(攻)

魔法・罠 伏せカード2枚

 

 6ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン、魔法カード《浮上》を発動!墓地からレベル3以下の魚族・海竜族・水族モンスター1体を守備表示で特殊召喚するわ」

幸子:手札3→2

 

「墓地の《スターフィッシュ》を特殊召喚。そして効果発動!1ターンに1度、すべての《スターフィッシュ》のレベルを1つ上げますわ」

《スターフィッシュ》☆3→☆4

 

「さらに《忘却の都 レミューリア》の効果発動!1ターンに1度、フィールドの水属性モンスターの数だけ、水属性モンスターのレベルを上げるわ《スターフィッシュ》のレベルをさらに1つ上げるわ」

《スターフィッシュ》☆4→☆5

 

「そして《パンサー・シャーク》を召喚しますわ!このカードはあなたのフィールドにモンスターが2体存在するとき生贄なしで召喚できるわ」

幸子:手札2→1

 

パンサー・シャーク

効果モンスター

星5/水属性/魚族/攻1100/守2000

 

「レベル5のモンスターが2体か」

 

ということはあのカードが来るか!

 

「行くわ!レベル5となった水属性の《スターフィッシュ》と《パンサー・シャーク》でオーバーレイ!」

水属性☆5×2

 

「氷の心をまといし霊界の巫女、澄明なる魂を現しなさい!《No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ》!」

 

No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/水属性/戦士族/攻2200/守1600

水属性レベル5モンスター×2

 

《No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ》ATK2200→2400

「来たか、ナンバーズモンスター……」

 

「《No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ》の効果発動!ORUを1つ取り除き、《スターダスト・アサルト・ウォリアー》の攻撃力を半分にするわ」

《スターダスト・アサルト・ウォリアー》ATK2100→1050

 

「攻撃力半減効果、やはり厄介だな」

 

しかも俺のターンでも発動できるらしいからな。

 

「ふふ、驚くのはまだ早いわ。わたくしのもう1つの力を、今目覚めさせてみせるわ!」

 

「もう1つの力だと?」

 

「墓地の《ゲイザー・シャーク》の効果発動!このカードを除外し、同名以外の水属性・レベル5モンスター2体を効果を無効にし特殊召喚し、さらにその2体を素材に水属性モンスターをエクシーズ召喚よ!」

 

ゲイザー・シャーク

効果モンスター

星5/水属性/魚族/攻1000/守1900

 

「墓地の《パンサー・シャーク》と《イーグル・シャーク》を特殊召喚!そしてこの2体でエクシーズ召喚をするわ!」

 

「《ゲイザー・シャーク》に《イーグル・シャーク》……」

 

なるほどね、あのときか。

 

「墓地からのエクシーズ召喚だと!?」

 

「それにあのモンスター、いったいいつの間に墓地に行ったんですか!?」

 

「1体はたぶん《D・D・R》のコストだね」

 

「もう1体は《シーラカンス》のコストよ」

 

「海野先輩はそんな序盤からこの展開を読んで……」

 

「……驚愕…」

 

序盤に送ったカードでの墓地からのエクシーズ召喚にほかのみんなは驚いていた。だが対して驚かない俺に幸子は不満なようだな。

 

「ギャラリーは驚いているのに、あなたは冷静ね」

 

「墓地アドの確保はデュエルのセオリーだ、驚くほどのことじゃない」

 

「さすがに普段から墓地のモンスターをフルに利用してるだけのことはあるわね」

 

やっぱそう思われてるんだな、俺のデュエル。

 

「それに驚くのはまだ早そうだしね、もう1つの力……いったいどんなモンスターを呼ぶつもりだ?」

 

「ふふ、望み通り見せてあげるわ、わたくしの真の最強のモンスターを!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!」

水属性☆5×2

 

「カオスに落ちたる聖なる滴。その力を示し、混沌を浄化せよ!エクシーズ召喚!《No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ》!」

 

No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ

エクシーズ・効果モンスター

ランク5/水属性/戦士族/攻2400/守1400

水属性レベル5モンスター×2

 

「2体目のナンバーズ!?」

 

なんとなく予想がしてたが、まさか本当に来るとは……しかし…

 

「フフフ、感じますわ。体中にめぐるすさまじいパワーを!?」

 

2体のナンバーズは……いや、ナンバーズと幸子は体に闇のオーラを纏っていた。

 

「これは闇のデュエル……いや違うな」

 

どちらかと言うとダークモンスターを使っていたデュエリストに近いな。

 

「《激瀧神アビス・スプラッシュ》の効果発動!ORUをを1つ取り除き、次のわたくしのターンまで攻撃力を倍にするわ!」

《激瀧神アビス・スプラッシュ》ATK2600→5200

 

「攻撃力5200!?」

 

まずいな、さすがにあれを食らったら俺のライフは……

 

「ただし、この効果を使用した《激瀧神アビス・スプラッシュ》が与える戦闘ダメージは半分になってしまいますわ」

 

「さすがにデメリットはあったか」

 

「でも、今のあなたにはそれで十分ですわ!《激瀧神アビス・スプラッシュ》で《スターダスト・チャージ・ウォリアー》を攻撃!」

 

「罠カード発動!《ハーフアンブレイク》!モンスター1体はこのターン戦闘では破壊されず、発生する戦闘ダメージは半減する。これで《スターダスト・チャージ・ウォリアー》は破壊されず、ダメージも半減する」

 

「ですがダメージは受けてもらいますわ!」

 

「くっ!」 

コナミLP3200→2200

 

「そして《極氷姫クリスタル・ゼロ》、《スターダスト・アサルト・ウォリアー》を攻撃なさい!」

 

「ぐぁっ!」

コナミLP2200→1050

 

ダメージが重い、この体から力が抜かれるような感覚……

 

「やはりダークモンスターと同じか」

 

「何を言ってますの?わたくしはカードを1枚伏せてターン終了よ」

 

幸子

LP2400

手札 0

モンスター No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ(攻)

      No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ(攻)

魔法・罠 伏せカード2枚

 

 

 7ターン目:コナミ

 

「俺のターン……バトルだ!《スターダスト・チャージ・ウォリアー》で《アビス・スプラッシュ》を攻撃!」

 

「攻撃力の低い《スターダスト・チャージ・ウォリアー》で攻撃ですか……あなたがこんなところでデュエルをあきらめて自滅の道を選ぶようなデュエリストでないことぐらいわかっていますわ。いったい何をする気ですの?」

 

「さすがに分かったか。《スターダスト・チャージ・ウォリアー》を対象に、速攻魔法《シューティング・ソニック》を発動!」

コナミ:手札3→2

 

「このターン対象となった《スターダスト》Sモンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、ダメージステップ開始時にその相手モンスターを持ち主のデッキに戻す」

 

「なるほど、しかも《スターダスト・チャージ・ウォリアー》は全体攻撃が可能、わたくしのモンスターを全滅させられるということですわね」

 

……ずいぶん余裕だな。ならあの伏せカードは罠か?

 

「《スターダスト・チャージ・ウォリアー》を対象に、永続罠《デモンズ・チェーン》を発動!」

 

《スターダスト・チャージ・ウォリアー》が鎖でからめとられ攻撃を止められた。

 

「モンスター1体の効果と攻撃を無効にするわ。これで《スターダスト・チャージ・ウォリアー》は攻撃できないわ!」

 

「やはり罠だったか……」

 

まずいな、これだと次のターン《スターダスト・チャージ・ウォリアー》が的にされる。

 

「魔法カード《貪欲な壺》を発動。墓地の《ジャンク・シンクロン》《クイック・シンクロン》《ジャンク・チェンジャー》《ジャンク・ウォリアー》《スターダスト・アサルト・ウォリアー》をデッキに戻し2枚ドロー」

コナミ:手札2→1→3

 

よし、これなら次のターンも凌げる。

 

「魔法カード《シンクロ・チェンジ》発動!自分のシンクロモンスター1体を除外し、同じレベルのシンクロモンスター1体をエクストラデッキから効果を無効にし特殊召喚する」

コナミ:手札3→2

 

「レベル6の《スターダスト・チャージ・ウォリアー》を除外し、《ジャンク・ガードナー》を効果を無効にし特殊召喚!」

 

ジャンク・ガードナー

シンクロ・効果モンスター

星6/地属性/戦士族/攻1400/守2600

「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上

 

「カードを1枚伏せ、ターン終了だ」

コナミ:手札2→1

 



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第五十八話 決着!嵐のようなお嬢様と

これで更新再開後のコナミの初デュエルは終了です。



コナミ

LP1050

手札 1

モンスター ジャンク・ガードナー(守)

魔法・罠 伏せカード2枚

 

 8ターン目:幸子

 

 

「わたくしのターン、《アビス・スプラッシュ》の効果発動!ORUを1つ取り除いて、攻撃力を倍にするわ!」

《アビス・スプラッシュ》ATK2600→5200

 

「バトルよ!《アビス・スプラッシュ》で《ジャンク・ガードナー》を攻撃!」

 

「《ジャンク・ガードナー》の効果発動!このカードが破壊されたとき、モンスター1体の表示形式を変更する!」

 

「なるほど、これで《クリスタル・ゼロ》は守備表示になって攻撃できないと。でも残念、カウンター罠《エクシーズ・リフレクト》発動!エクシーズモンスターを対象にする効果を無効にし、800のダメージを与えるわ!」

 

「なっ!」

コナミLP1050→250

 

「かえって自分の首を絞める結果になったわね。まあ関係なかったようだけど、これで終わりよ!《クリスタル・ゼロ》でダイレクトアタック!」

 

「罠カード発動!《星墜つる地に立つ閃珖(スターダスト・リ・スパーク)》!」

 

「このカードは自分のLP以上の攻撃力を持つ相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。攻撃を無効にし1枚ドロー!そしてエクストラデッキの《スターダスト・ドラゴン》を特殊召喚!」

コナミ:手札1→2

 

「ナンバーズ2体の攻撃も防いで、そのうえモンスターまで展開するとは……カードセット、これでターンエンドよ」

 

 

幸子

LP1450

手札 0

モンスター No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ(攻)

      No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ(攻)

魔法・罠 伏せカード1枚

 

 

《スターダスト・ドラゴン》と今引いたこのカード。あのカードが来れば……

 

「俺のデッキよ……もう1度あの力を貸してくれ!」

 

俺の思いにこたえるようにデッキが輝きだした。

 

「何ですか、あのコナミさんのデッキからの輝きは!?」

 

「くぅ、この輝きはあの時と同じ……まさか!?」

 

突然のことに麗華は驚いた。幸子も驚いてはいるが、1度見ているからかこれが何を意味しているか分かっているようだ。

 

「なっ!なんだ!?」

 

「コナミ先輩のデッキが輝いてます!?」

 

「想定……不能……」

 

「い、いったい何!?」

 

「なんなんですかー!」

 

雪乃以外のみんながその光景におどいている。まあ無理もないか。とにかく……

 

「答えてくれてありがとう俺のデッキ。俺のターン、《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》を召喚!」

コナミ:手札3→2

 

救世竜 セイヴァー・ドラゴン

チューナー(効果モンスター)

星1/光属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

 

「やっぱり今の輝きはあのカードを引いたのね」

 

「さらに《ワンショット・ブースター》を特殊召喚。このカードはモンスターを召喚したターンに特殊召喚できる」

コナミ:手札2→1

 

ワンショット・ブースター

効果モンスター

星1/地属性/機械族/攻 0/守 0

 

「レベル8の《スターダスト・ドラゴン》とレベル1の《ワンショット・ブースター》にレベル1チューナー《救世竜 セイヴァー・ドラゴン》をチューニング!」

☆8+☆1+☆1=☆10

 

「集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す。光さす道となれ!シンクロ召喚!光来せよ、《セイヴァー・スター・ドラゴン》!」

 

 

セイヴァー・スター・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3800/守3000

「救世竜 セイヴァー・ドラゴン」+「スターダスト・ドラゴン」

+チューナー以外のモンスター1体

 

 

「やはり来ましたわね、そのモンスター!?」

 

予想はしていたようだが、《セイヴァー・スター・ドラゴン》の登場に幸子が警戒心を強めた。

 

「《セイヴァー・スター・ドラゴン》の効果発動!相手モンスター1体の効果をターン終了時まで無効にできる。《クリスタルゼロ》の効果を無効にする!」

 

「これで《クリスタルゼロ》の効果は無効です!」

 

「いえ、これは普通にチェーン発動されてしまうのでは?」

 

ま、そうだろうな。遥の言う通りここは。

 

「無駄なことを、《クリスタルゼロ》の効果をチェーン発動!ORUを1つ取り除き、《セイヴァー・スター・ドラゴン》の攻撃力を半分にするわ!」

 

「やはり……無効に……」

 

「でも《セイヴァー・スター・ドラゴン》にはもう1つの効果があったはず……コナミの目的はおそらくそっちね」

 

雪乃の考えは、まぁニアピンだな。

 

「《セイヴァー・スター・ドラゴン》のもう1つの効果発動!相手が効果を発動したとき、このカードを生贄に捧げ、相手のカードをすべて破壊する!」

 

《セイヴァー・スター・ドラゴン》が強烈に輝き、幸子のフィールドに突っ込んだ。

 

「すべて破壊!すげぇ効果だな!」

 

「これで幸子のモンスターは全滅だよ!」

 

しかし《セイヴァー・スター・ドラゴン》が消えても、幸子のモンスターは残っていた。

 

「……なぜだ?」

 

「残念だったわね、《セイヴァー・スター・ドラゴン》のもう1つの効果にさらにチェーンして、永続罠《ナンバーズ・ウォール》を発動していたわ」

 

「《ナンバーズ・ウォール》?」

 

「このカードがある限り、《No.》モンスターは効果では破壊されないわ」

 

「なるほど、永続罠であるそのカード自体は《セイヴァー・スター・ドラゴン》の効果で破壊されるが……」

 

「そう、わたくしのモンスターはこのカードに守られたということよ!」

 

まさか《ナンバーズ》専用のカードもあったとは。

 

「これでコナミのフィールドのモンスターは0!次のターンあなたを守るモンスターはいない!つまり次のターンの攻撃でわたくしの勝利ですわ!」

 

「何勘違いしている」

 

「ふぇ?」

 

「まだ俺のターンは終了していない!魔法カード《ミラクルシンクロフュージョン》発動!」

コナミ:手札1→0

 

「そのカードは!?」

 

「ああ。フィールド・墓地から素材モンスターを除外し、Sモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を融合召喚する!」

 

「やはり、シンクロ融合……」

 

「墓地の《スターダスト・ドラゴン》と《スターダスト・アサルト・ウォリアー》を除外し融合召喚!現出せよ《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》!」

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス

融合・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3200/守2000

ドラゴン族シンクロモンスター+戦士族モンスター

 

「そのモンスターは!貴方の偽物とデュエルした時、あのモンスターと一緒に使った融合モンスター!?」

 

「こっちも覚えていたか。《ドラゴエクィテス》の効果発動!墓地の《セイヴァー・スター・ドラゴン》を除外しその効果を得る!」

 

「《セイヴァー・スター・ドラゴン》の効果、それじゃあ!?」

 

「ああ。その効果を発動!《アビス・スプラッシュ》の効果を無効にする!」

《アビス・スプラッシュ》ATK5200→2600

 

「くっ、ですが破壊できるモンスターは1体、まだわたくしのライフは」

 

「いいや、罠カード《タイラント・ウィング》を《ドラゴエクィテス》に発動!このカードは攻守400アップのドラゴン族専用の装備カードとなり、装備モンスターはモンスターへの攻撃が2回可能となる!」

《ドラゴエクィテス》ATK3200→3600

 

「攻撃力3600の2回攻撃ですって!?」

 

「バトルだ!《ドラゴエクィテス》で《クリスタル・ゼロ》を攻撃!」

 

「あぁっ!」

幸子LP1450→250

 

 

「これで最後だ!《ドラゴエクィテス》で《アビス・スプラッシュ》を攻撃!」

 

「きゃあああぁ!」

幸子LP250→0

 

 

Win:コナミ

 

「やった!コナミが勝ったよ!」

 

「はい!コナミさんが勝ちました!?」

 

「ええ、さすがね」

 

「……勝った…」

 

「ああ、やりやがったぜ!

 

「はい。見事な勝利でした」

 

皆が俺の勝利に賞賛をくれた。

 

「うぅ……わたくしは……」

 

攻撃を受けて倒れていた幸子が起き上がった。

 

「幸子!?」

 

俺は急いで幸子に駆け寄った。

 

「わたくしは……たしか……!?」

 

「幸子、お前もしかして……」

 

エクシーズを持ってからの記憶がないとか…

 

「お前、記憶はちゃんとあるのか?」

 

「記憶?わたくしは青海先生からデッキをいただいてからあなたを倒すためにひたすらデッキ構築と、デュエルのイメージトレーニングと……」

 

「え?」

 

俺が聞くと、幸子はエクシーズを手にしてからの俺とのデュエルまでの日々を語り出した。

 

「それなのに、わたくしは、また負けてしまったのね!?」

 

幸子は悔しそうに叫んだ。

 

「……それだけ?レッド寮の存続の件は?」

 

「レッド寮?なんのことですの?」

 

「……」

 

都合のいいことだけ記憶から抜けてやがる……

 

「この敗北……わたくしの未熟さもありますが、所詮は他人に与えられたカード……」

 

エクシーズモンスターのカードを見ながら

 

「やはりコナミを倒すにはわたくしだけのオリジナルのカードを作るしかないわ!我が海野財閥の力で!!」

 

ぐっとこぶしを握って幸子が叫んだ。

 

「それは……自分の力ってことになるのか?」

 

「そうと決まれば、さっそく取り掛かりますわよ!」

 

「え?今すぐ!?」

 

「当然よ!というわけでコナミ。これを青海先生にお返ししておいて」

 

そう言って幸子は青海鱗子の者と思われるデッキを俺に渡し、足早にその場を去っていった。

 

「なんだか嵐のようにさっと行っちゃったね」

 

「レッド寮の今後のこととか、なにも言わなかったわね」

 

「でもいつもの幸子さんらしくなってくれましたね!?」

 

ま、確かに幸子らしいと言えばらしいか……いや、幸子らしさはずっとあったか。

 

 

「……」

 

それを見届けた麗華がその場から去ろうとした。

 

「次はお前が相手か、委員長?」

 

「……さて?私はあなたが思っているほど、あなたに興味はないので」

 

「なんだそりゃ?」

 

「紬さんがあなたを倒せば、私はそれでいいと思っているってことですよ」

 

淡々とした口調で麗華は

 

「あっそ。ま、確かにお前を倒すのは俺の役じゃなさそうだし」

 

そういって俺は遥のほうに目をやった。

 

「え?……あっ!?」

 

視線に気づき、一瞬戸惑った遥だったが、すぐにその意を読み取って、凛とした目つきで麗華に視線を合わせた。

 

「……では、今日はこれで」

 

しかし麗華は興味なさそうにその場を去っていた。

 

 



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第五十九話 風紀委員の憂鬱再び


今回は短めで、残念ながらデュエルはありません。


「来ないな……」

 

「来ないわね……」

 

「来ないね……」

 

「来ませんねぇ……」

 

幸子とのデュエルの翌日の放課後、いつも通り雪乃、ツァン、ゆまの3人とレッド寮で刺客を待っていたが、一向に来る気配はなかった。

 

「やっぱ幸子に勝ったから終わりってこと?」

 

「幸子さんなら何か知ってますかね?」

 

「最も、その幸子は今朝からこの学園にはいないのだけれど」

 

雪乃の言うように、幸子は俺のデュエルのあと、青海鱗子からもらったというデッキを俺に渡して、どこかへ行ってしまった。

自分だけのカードと言っていたが……まあシンクロやエクシーズは作れないだろうが、学園外だと記憶から消えるからな。

 

「しかし……おかしいな」

 

幸子から渡されたデッキを見ながら俺はつぶやいた。

 

「おかしいって、なにがかしら?」

 

俺の声が聞こえてきたのか雪乃が尋ねてきた。

 

「《ナンバーズ》のカードが入ってないんだよ」

 

デッキには《水精鱗》や《バハムート・シャーク》といった普通のエクシーズモンスターはあったが、2枚の《ナンバーズ》だけは存在しなかった。

 

「入ってない?幸子が渡さなかったってこと?」

 

「幸子さんがそういうことをするとは思えませんけど」

 

「まあそうだよね、僕もそう思うよ」

 

「……あのカード……闇のカード……」

 

ツァンとゆまは《ナンバーズ》の行方に全く当てがないようだったが、雪乃は何かに気づいたようだった。

 

「あのカードも普通のカードではなかったようだし……もしかして」

 

「ああ、俺も雪乃と同じ考えだが……」

 

 

 

side:遥

 

 

「……麗華先輩…やはり私が戦うべきなのでしょうか…」

 

昨日のコナミ先輩の発言に

 

「どうした?もう授業とっくに終わってるぞ?」

 

教室で考え込んでると、岬さんが声をかけてきました。

 

「岬さん、今日はちゃんと授業に出てくれたんですね」

 

「……お、おう!」

 

岬さんが目を泳がせながら返事をしてくれました。

 

「……今たまたま通りかかっただけですね」

 

「い、いやぁ……」

 

「……はぁ…」

 

「な、なんだよ……今日は張り合いがないな」

 

どうやらいつものようにお説教をしない私に疑問を持っているようですね。

 

「悩みがあんなら相談に乗るぞ」

 

「相談に?」

 

「ああ、ダチだろ。当然だ!」

 

友達ですか……確かに、下手の考え休むに似たりという言葉もありますし、1人で悩まず、誰かに話すだけでも何か変わるかもしれませんね。

 

「実は、麗華先輩だけは私が戦わなくてはと思っているのですが、いざとなると勇気がなくて」

 

「勇気?」

 

「はい、私はエクシーズを手にする前の麗華先輩にも1度も勝てないままでした。今の私が挑んでも……」

 

「そんなことで悩んでたのかよ」

 

弱気な私の肩をポンと叩いて言いました。

 

「勝つにしても負けるにしても、まず挑まねーとだろ!?」

 

「た、確かにそうですが……」

 

「熱い気持ちがあれば勝敗なんて関係ねーんだよ!」

 

「岬さん……」

 

彼女らしい楽観的考えですが……うだうだ考えるよりもまずは私も動くべきですよね!

 

「ま、オレは負ける勝負はしねーけどな」

 

「は、はははっ……」

 

そういって笑う岬さんに、思わず少し笑ってしまいました。

 

「明日だ!俺が一緒に行ってやるからよ!」

 

「岬さん……はい!?」

 

 

 

 

翌日の放課後、授業が終わると同時に、私は麗華先輩のもとへ向かいました。

 

「れ、麗華先輩!!」

 

足早に教室から立ち去ろうとする麗華先輩をギリギリのところで呼び止めました。

 

「……何でしょうか?」

 

「そ……その……私と、デュエルしてください!」

 

い、言えました!

 

「……お断りします、時間の無駄です」

 

それだけ言って麗華先輩はまた歩き出しました。

 

「え!?あのちょ「ちょっと待てよ!」

 

私の声にかぶせて岬さんが入ってきました。

 

「こいつはお前が一番かわいがってた後輩じゃないのかよ!そいつの頼みを時間の無駄なんて言い方はねぇんじゃねーか!?」

 

「……なるほど」

 

私をかばう岬さんを見て、麗華先輩は私に冷ややかな視線を向けてきました。

 

「あなたにも失望しましたよ遥、そんな底辺の人間と付き合うようでは。そんな底辺な人間と付き合っていればいずれあなたも「やめてください!」

 

麗華先輩の言葉に思わず声を上げてしまいました。

 

「なぜそんなことを言うのですか!今までの麗華先輩はどんな生徒も見捨てず、親身に接して……」

 

なのに……なのに……

 

「かつての麗華先輩は違ったはずです!」

 

「成長したんですよ」

 

とても冷たい目で麗華先輩はきっぱり言いました。

 

「しかし……いいでしょう、あなたの…いえ、あなたたちのデュエル、受けてあげましょう!」

 

「私……達?」

 

「ええ、あなたたち2人とのデュエルです」

 

「で、でも、岬さんは関係「望むところだ!」

 

また私の声にかぶせて岬さんが麗華先輩に答えました。

 

「い、いいのですか?これは私のけじめのためのデュエルなのに?」

 

「言っただろ、ダチに協力するのは当然だ!」

 

グッと親指を立てた手を私に掲げて岬さんが言ってくれました。

 

「ありがとうございます!」

 

「ふん」

 

岬さんと私の仲を先輩はまた冷ややかな目で見てきました。

 

「では、詳しいデュエルの日て「早速行くぞ!」

 

またしても私にかぶって岬さんが叫びました。

 

「え?今すぐですか!?」

 

「私は構いませんよ、あなたたちのとのデュエルに準備など必要ありません」

 

「れ、麗華先輩まで……ですが、わかりました!今すぐ勝負しましょう!」

 

せっかく勇気を出して言えたんです、今の私なら……

 

 

 

 

「……これは……知らせるべき……」

 

今、誰かに見られていた気がしましたが……まあ、気のせいでしょう。

 

 

 

 

そして私たちは、人気のない岸壁もで移動しました。

 

「デュエルリングではないのですね」

 

「あなたたちとのデュエルで、あの場所を使ってしまうのは申し訳ないですからね」

 

「別に場所なんかどこでもいいさ、さっさと始めようぜ!」

 

そういって岬さんはディスクを構えました。

 

「いいでしょう。ですが、2対1の変則デュエルなのでルールを確認しますよ」

 

「は、はい!」

 

「ま、後でもめるのもそれは面倒だし、いいぜ」

 

「あなた達2人はタッグフォースルールです。ライフ、フィールド、墓地は共有です」

 

「なるほど、あくまでバトルロワイヤルじゃなくてオレ達と2対1ってわけか」

 

「そしてあなたたちはターンは連続で行なって構いません」

 

「これは私達がだいぶ有利なルールでは?」

 

「あなた達相手ならこの程度のハンデは当然です」

 

「随分と舐められたものだな」

 

「ただし先攻は私がもらいますよ」

 

「好きにしな!確認が終わったならさっさと始めよぜ!」

 

「私も準備はできています!」

 

「では、始めましょう」

 

「「「デュエル!!!」」」

 

 

 

 

 

sideコナミ

 

 

昨日は結局誰も来なかった……やはり幸子を倒した時点で刺客は無意味と判断したのだろうか……

 

「そういや委員長は普通に授業出てるんだよな……」

 

「そう言えばそうだったわね」

 

隣から雪乃が俺の独り言に答えた。

 

「……いつの間に隣にいた?」

 

「少し前からよ。それより早く委員長のところに行ったほうがいいんじゃないかしら」

 

「たしかに、授業が終わるとすぐいなくなるからな」

 

もう授業が終わり少し時間がたっていたため、遅いとは思いつつも俺は委員長のもとへ向かおうとした。

 

「…コナミ……」

 

「うわっ!」

 

「きゃっ!」

 

突然後ろから恵に声をかけられた。

 

「びっくりした……どうした恵?」

 

「……委員長を探しに行くの?」

 

「あ、ああ。そうだけど」

 

「もしかして見たの?」

 

「ええ……長谷部さんたちと岸壁のほうへ行ったわ」

 

「遥……達?」

 

まあそのメンツならあとは岬か?

 

「とりあえず、行ってみるか」

 



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第六十話 風紀委委員長VS風紀委員”と”

復帰後7話でもう更新が滞り始めてしまってる……
ギリギリ隔週はまだ保っているので、もう少しこのペースで頑張ります。


「「「デュエル!!!」」」

 

 

「私のターン、《マッド・リローダー》を守備表示で召喚します」

麗華:手札6→5

 

マッド・リローダー

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

 

「カードを1枚伏せターン終了です」

麗華:手札5→4

 

麗華

LP4000

手札 4

モンスター マッド・リローダー(守)

魔法・罠  伏せカード1枚

 

 

 2ターン目:岬

 

 

「オレから行かせてもらうぜ!」

 

「は、はい!」

 

「《可変機獣 ガンナードラゴン》を召喚!」

岬:手札6→5

 

可変機獣 ガンナードラゴン

星7/闇属性/機械族/攻2800/守2000

 

「こいつはレベル7だが攻守を半分にすることで妥協召喚できる!」

 

「最上級モンスターを妥協召喚、完璧を妥協するなんて所詮は劣等生ですね」

 

「ああっ!モンスター1体召喚しただけでその評価はなんだ!」

 

「お、落ち着いてください岬さん!」

 

「ちぃ、まあいい。タッグフォースルールなら、このターンから攻撃が可能ってわけだよな!」

 

「まあ、そうなりますね」

 

「なら行くぜ!《可変機獣 ガンナードラゴン》で《マッド・リローダー》を攻撃!」

 

「その程度の攻撃は通しましょう。そして《マッド・リローダー》効果を行使します。このカードが戦闘で破壊された時、手札を2枚捨て、2枚ドローします」

 

「カードを1枚伏せターン終了だ」

岬:手札5→4

 

岬&遥

LP4000

手札 4

モンスター 可変機獣 ガンナードラゴン(攻)

魔法・罠 伏せカード1枚

 

 

 3ターン目:遥

 

「わ、私のターンです!」

 

「あなたのスタンバイフェイズに罠カード《覇者の一括》を発動します!このターンあなたはバトルフェイズを行う事ができません」

 

「オレには使わずこのタイミングで使うかの!?」

 

「私の攻撃は直接攻撃になり、ダメージを受けますからね」

 

それに、私の出すモンスター次第ではこの攻撃で終わることもありますからね。

 

「この程度の判断は基本です。分析されるまでもないと思ったのですが」

 

「う、うるせぇ!」

 

麗華先輩の挑発?に岬さんが声を上げています。

 

「麗華先輩……私もそう甘くはありませんよ!魔法カード《ファイヤー・ソウル》を行使します!」

遥:手札6→5

 

「まずこのカードの効果で麗華先輩はカードを1枚ドローします」

 

「私にカードをですか……」

麗華:手札4→5

 

「そして私のデッキから炎族モンスター1体をゲームから除外し、その攻撃力の半分のダメージを麗華先輩に与えます!デッキの《炎霊神パイロレクス》を除外します」

 

「《炎霊神パイロレクス》の攻撃力は2800、その半分1400のダメージを私に与えるわけですか」

 

「そして《ファイヤー・ソウル》を発動したターン、攻撃を行えませんが、元々《覇者の一括》でバトルフェイズは行えません。ゆえに有って無いようなデメリットです」

 

「くうぅっ!」

麗華LP4000→2600

 

「おお!いい先制パンチじゃねーか!」

 

「さすがです……と言いたいところですが、甘いですよ遥!手札の《ダメージ・メイジ》の効果を行使します!」

 

ダメージ・メイジ

星3/闇属性/魔法使い族/攻 600/守1200

 

「このカードはカードの効果によって私がダメージを受けたとき、手札から特殊召喚し、その数値分ライフを回復します」

麗華LP2600→4000

麗華:手札5→4

 

「そんな、せっかく与えたダメージを回復させたうえ、モンスターまで……」

 

「そんなに落ち込むな!まだデュエルは始まったばかりだろ!」

 

「そ、そうですね!……ま、まだ私のターンは終わっていません!《フレムベル・ドラグノフ》を守備表示で召喚します」

遥:手札5→4

 

フレムベル・ドラグノフ

星2/炎属性/ドラゴン族/攻1100/守 200

 

「カードを1枚伏せて私のターンはターン終了です」

遥:手札4→3

 

岬&遥

LP4000

手札 3

モンスター 可変機獣 ガンナードラゴン(攻)

      フレムベル・ドラグノフ(守)

     伏せカード2枚

 

 

 4ターン目:麗華

 

「私のターン、《ダメージ・メイジ》を生贄にを生贄に《魔法剣士トランス》を召喚します」

麗華:手札5→4

 

魔法剣士トランス

通常モンスター

星6/地属性/魔法使い族/攻2600/守 200

 

「そして墓地の闇属性の《マッド・リローダー》と《マッド・リローダー》の効果で捨てた光属性の《カオス・マジシャン》を除外し、《カオス・ソーサラー》を特殊召喚します」

麗華:手札4→3

 

カオス・ソーサラー

星6/闇属性/魔法使い族/攻2300/守2000

 

これで麗華先輩の場に同じレベルのモンスターが2体揃ってしまいました!?

 

「《カオス・ソーサラー》の効果を発動します。1ターンに1度、このモンスターの攻撃を放棄することで、フィールドに表側表示で存在するモンスター1体を除外できます。私は《フレムベル・ドラグノフ》を除外します」

 

「オレのモンスターじゃなくて攻撃力の低い遥のモンスターを除外だと?ダメージを優先したってことか?」

 

「それもありますが、《フレムベル・ドラグノフ》は破壊されたとき、500のダメージを与える効果を持つカード。だから破壊ではなく除外しました」

 

「うぅ……」

 

やはり私と何度もデュエルしてる麗華先輩には、私のカードを熟知されています……

 

「最も、あなたのモンスター程度ならわざわざ効果で除外することもないでしょう」

 

「ふん、そのこと今に後悔させてやる!」

 

岬さんの伏せカードならこの効果を防げますが、それでは2体の攻撃で結局私たちのモンスターは全滅してしまいます……それに今の岬さんの発言からも、今発動すべきではないでしょう。

 

「行きます、レベル6魔法使い族の《魔法剣士トランス》と《カオス・ソーサラー》でオーバーレイ!」

 

「エクシーズ召喚!規則を守って降臨せよ!《風紀宮司ノリト》!」

 

風紀宮司ノリト

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/光属性/魔法使い族/攻2700/守2000

魔法使い族レベル6モンスター×2

 

 

「それでは、《風紀宮司ノリト》で《可変機獣 ガンナードラゴン》を攻撃します!」

 

「返り討ちだ!《可変機獣 ガンナードラゴン》を対象に、速攻魔法《禁じられた聖杯》発動!対象モンスターの効果を無効にして、攻撃力を400アップさせる!」

 

これで《可変機獣 ガンナードラゴン》の攻撃力は3200まで上がり、麗華先輩のモンスターを返り討ちにできます!

 

「禁じられた!禁止された行為!許せない!許しませんそんな不正は!」

 

「あ?不正ってこれはカードの名で」

 

「問答無用!《風紀宮司ノリト》の効果発動!1ターンに1度、ORUを1つ取り除き、相手の魔法・罠の発動を無効にします」

 

「なっ、何!」

 

「これで攻撃力はそのまま!劣等生のモンスターを粉砕なさい!」

 

「うわぁっ!」

「きゃっ!」

遥&岬LP4000→2700

 

「くっ、すまねぇ遥」

 

「いえ、むしろあなたがいなければ直接攻撃だったのですから、謝ることなんてないですよ」

 

しかし《カオス・ソーサラー》の時に効果を発動していれば……いえ、結果論のミスを言っても仕方ありません!反撃に心を切り替えなくては!?

 

「カードを2枚伏せてターン終了です」

麗華:手札3→1

 

 

麗華

LP4000

手札 1

モンスター 風紀宮司ノリト(攻)

魔法・罠 伏せカード2枚

 

 

 5ターン目:岬

 

「オレのターン、《深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト》を妥協召喚。こいつも攻撃力を0にすることで生贄なしで召喚できる!」

岬:手札5→4

 

深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト

星10/地属性/機械族/攻3000/守3000

 

「また妥協ですか」

 

「ここからだよ!装備魔法《愚鈍の斧》を装備!」

岬:手札4→3

 

愚鈍の斧

装備魔法

(1):装備モンスターの攻撃力は1000アップし、効果は無効化される。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。

装備モンスターのコントローラーに500ダメージを与える。

 

「愚鈍……愚か…なぜあなたはそう愚かなものに自ら手を染めるのですか!」

 

「だからこれはカード名で」

 

「問答無用!《風紀宮司ノリト》の効果発動!ORUを1つ取り除き、そんな愚かなカードは無効です!」

 

「ちぃ、だがこれでそいつの無効効果は使えなくなった!カードを1枚伏せてターン終了だ」

岬:手札3→2

 

「そのカードは使わせません!永続罠《心鎮壷(シン・ツェン・フー)》を発動します!このカードで今あなたが伏せたカード1枚と遥のカード1枚を封印します!」

 

「なにっ!」

 

「私のカードまで!」

 

「あなたのような劣等生のカードに妨害されるのは目障りで仕方がないですから」

 

岬&遥

LP3200

手札 2

モンスター 深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト(攻)

魔法・罠 伏せカード2枚

 

 

 6ターン目:遥

 

「わ、私のターンです」

 

「遥、俺のコンボは失敗に終わった。残ったものをどうしようと構わねーよ」

 

私の手札には《炎帝テスタロス》があります、それでこの発言……

 

「岬さん、あなたの厚意ありがたく受け取ります!《深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイト》を生贄に《炎帝テスタロス》を召喚!」

遥:手札4→3

 

炎帝テスタロス

効果モンスター

星6/炎属性/炎族/攻2400/守1000

 

「《炎帝テスタロス》の効果発動!生贄召喚に成功したとき、相手の手札を1枚ランダムに捨てます。麗華先輩の手札を1枚破壊します!」

 

《炎帝テスタロス》が麗華先輩の手札1枚に目掛けて炎を放ちました。

 

「……今度は私の手札を破壊しましたか」

 

「さらに捨てたのがモンスターカードだった場合、そのレベル×100ダメージを相手に与えます!」

 

「私が捨てたのはこのカードです」

 

そう言って麗華先輩は炎の当てられたカード《オーバーレイ・ブースター》を見せてきました。

 

「おっしゃ!上級モンスターだ!」

 

「はい!《オーバーレイ・ブースター》のレベルは5、よって500のダメージを与えます!」

 

「くっ!」

麗華LP4000→3500

麗華:手札2→1

 

「……ですが、《炎帝テスタロス》の攻撃力は《風紀宮司ノリト》より下ですよ」

 

「わかっています。フィールド魔法《バーニングブラッド》を発動します!」

遥:手札3→2

 

「これでフィールドの炎属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、守備力は400ポイントダウンします」

《炎帝テスタロス》ATK2400→2900

 

「なるほど、これで《風紀宮司ノリト》の攻撃力は上回りましたか」

 

攻撃力を超えられても麗華先輩あの余裕の表情、そして伏せカードが1枚。

 

「さすがに遥はそちらの無鉄砲とは違うようね、私のフィールドを見て冷静な判断ができてるようですね」

 

「うっ……」

 

先輩のあの発言、やはりあの伏せカードは罠……

 

「攻撃は……」

 

「なにビビってるんだ!今はチャンスだろ!

 

「!?」

 

そうでした、早く麗華先輩を正気に戻すためにも……ここで臆している場合じゃありません!

 

「行きます!《炎帝テスタロス》で《風紀宮司ノリト》を攻撃します!」

 

「愚かにもそんな人の声に持ってしまいましたか。罠カード《ドレイン・シールド》を行使します!」

 

やはり罠が……

 

「これで《炎帝テスタロス》の攻撃を無効にし、その攻撃力分ライフを回復します」

麗華LP3500→6400

 

「遥、あなたの削った私のライフもこれで無駄になりました。苦労も一瞬の油断で水の泡となってしまうのです」

 

「そ、そんな……」

 

やはり対策なしに攻撃しては……

 

「いや、今のは悪い手ではなかったぞ」

 

「え!?」

 

突然麗華先輩でも岬さんでもない声が聞こえ、驚き振り向きました。

 

 

 

sideコナミ

 

 

「コナミ先輩!それに藤原先輩に恵さんも!?」

 

「……部外者が来ましたか」

 

委員長は不快な視線俺たちに向けてきた。

 

「お前ら、よくここがわかったな!?」

 

「私が……見ていた……」

 

「お、おう。そうだったか」

 

恵から返事が来たのが意外だったのかミサキが少し戸惑っていた。

 

「コナミ先輩、今の手は本当に悪い手では……」

 

恐る恐る遥が俺に聞いてきた。

 

「ああ。破壊効果だったら別だが、攻撃無効のカードは後半になれば厄介なもの、まだ中盤当たりのこのタイミングで発動させて処理してしまうのは悪い手ではないよ」

 

「コナミ先輩……」

 

俺の答えを聞いて遥は少し自信を取り戻したようだった。

 

「これは私と遥のデュエルです、口出ししないでください」

 

「く「口出しとはなによ、コナミはアドバイスをしただけよ。今のあなたはコナミにとっても敵なのだから」

 

俺が言い返そうとしたが雪乃がそれを遮るように言い返した。

 

「それが余計なことだと言っているのです」

 

「まったく、頭の固さに磨きがかかったわね」

 

「……2人って、こんなに仲悪かったっけ?」

 

「昔はね。最近はそうでもなかったのだけれど……今の彼女は昔以上に頑固になってるわね。不愉快よ」

 

雪乃がこんなにも露骨に不機嫌になるのは珍しいな。

 

「おい、言いそびれたが、オレもいるぞ!」

 

そういえば『私と遥』って言いてたな。雪乃に気を取られて本気反応するのを忘れてた。

 

「遥、早くしてください」

 

「無視すんな!?」

 

……なるほど、確かにいつもの委員長より頑固……な気がするかな。

 



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第六十一話 冷血指導

side:遥

 

 

「カードを1枚伏せて、私はターン終了です」

 

 

岬&遥

LP3200

手札 1

モンスター 炎帝テスタロス(攻)

魔法・罠 バーニングブラッド

     伏せカード3枚

 

 

 7ターン目:麗華

 

「私のターン、魔法使い族専用の装備魔法《ワンショット・ワンド》を《風紀宮司ノリト》に装備します」

麗華:手札2→1

 

「装備モンスターの攻撃力は800アップします」

《風紀宮司ノリト》ATK2700→3500

 

「ちぃ、これで《炎帝テスタロス》の攻撃力を上回りやがったか!」

 

「戦闘を行います!《風紀宮司ノリト》で《炎帝テスタロス》を攻撃します!」

 

「攻撃は防げませんが、永続罠《バックファイア》を発動します!私のフィールドの炎属性モンスターが破壊され墓地へ送られた時、相手ライフに500ポイントダメージを与えます」

 

「やはりそのカードですか。その程度は構いません。攻撃続行です!」

 

「きゃっ!」

「うわっ!」

遥&岬LP2700→2100

 

「うぅ……炎属性モンスターが破壊されたので500のダメージを麗華先輩に与えます!」

 

「くっ!」

麗華LP6400→5900

 

「バトル終了後《ワンショット・ワンド》の効果を行使します。装備モンスターが戦闘を行ったダメージ計算後、このカードを破壊しカードを1枚ドローします」

麗華:手札1→2

 

「カードを1枚伏せます。そして魔法カード《命削りの宝札》を発動します!手札が3枚になるようにデッキからドローします」

 

「さ、3枚だと!?」

 

「私の手札は0枚なので3枚ドローします」

麗華:手札1→0→3

 

「一気に3枚のドローだと!インチキ効果もいい加減にしろ!」

 

「インチキなどではありません、このカードに代償が3つもあるのですから」

 

「3つ?」

 

「たしかこのターン相手が受けるダメージが0になる。特殊召喚ができなくなる。ターン終了時に手札を捨てるの3つでしたか?」

 

「その通りですよ」

 

「なるほど……ってこのターン俺達ダメージ受けたじゃねーか!」

 

「いえ、それは通常の効果の1つなので発動前の者は対象外なのですよ」

 

「そうか、つまり特殊召喚も先にしちまえば実質デメリットは1つに」

 

「あなたは本当に何も知らないのですね。それは誓約効果なので前後問わず制限されます」

 

「ん?誓約?」

 

「これ以上話しても無駄のようですね。ターンを進めます。モンスターを1体裏守備表示で伏せます」

麗華:手札3→2

 

「カードを1枚伏せ、永続魔法《補給部隊》を発動します」

麗華:手札2→0

 

「これでターン終了です」

 

 

麗華

LP5900

手札 0

モンスター 風紀宮司ノリト(攻)

      裏守備モンスター

魔法・罠 心鎮壷

     補給部隊

     伏せカード2枚

 

 

 7ターン目:

 

 

 

 

「これであいつの手札は0、3つめのデメリットも受けねーのか」

 

「この程度の対処はできて当然です」

 

「くそ、冷たく言い放ちやがって……そんなんじゃお前を慕う生徒なんていなくなっちまうぞ!」

 

「いいのですよ、あなたのようなダメな生徒などに慕われなくとも、私の考えの理解できる数名の生徒が集えば」

 

「麗華先輩……」

 

「時には人としての平均を下げるような人を切り捨てる冷酷な指導も必要なのですよ」

 

「何が冷酷指導だ……だったらこっちは熱血指導だ!オレのターン!《熱血獣王ベアーマン》を妥協召喚!こいつも元々の攻撃力を1300にすることで生贄なしで召喚できる!」

岬:手札3→2

 

熱血獣王ベアーマン

星8/炎属性/獣戦士族/攻2600/守2700

 

「こいつは炎属性のモンスターだ!遥の《バーニングブラッド》の効果で攻撃力は500アップする!」

《熱血獣王ベアーマン》ATK2600→1300→1800

 

「またそんな妥協を!」

 

「もうツッコまねよ!バトルだ!《熱血獣王ベアーマン》で《風紀宮司ノリト》を攻撃!」

 

「何を間違えましたか?攻撃力は《風紀宮司ノリト》の方が圧倒的に上ですよ!?」

 

「わかってるよ!速攻魔法《旗鼓堂々》発動!オレの墓地の装備魔法1枚をモンスター1体に装備する!」

岬:手札2→1

 

「この効果で墓地の《愚鈍の斧》を《熱血獣王ベアーマン》に装備する」

 

「バトル中に墓地のカードを装備する効果ですって!」

 

「ああ、ただしさっきのお前のカードと同様このターン特殊召喚できないこととエンドフェイズに破壊される2つのデメリットがあるがな」

 

「ですがこれで《熱血獣王ベアーマン》の効果は無効になって攻撃力が2600になりました!」

 

「さらに《愚鈍の斧》の効果で攻撃力は1000アップだぜ!」

《熱血獣王ベアーマン》ATK1800→4100

 

「攻撃力4100ですか……」

 

「これでお前のエクシーズモンスターはオシマイだ!」

 

「くっ!」

麗華LP5900→4500

 

「どうだ、オレの熱血攻撃は!」

 

「ようやくあのモンスターを倒せました!」

 

「……モンスターが破壊されたので《補給部隊》の効果発動!1ターンに1度、私のモンスターが破壊されたとき、カードを1枚ドローします」

麗華:手札0→1

 

「カードを1枚伏せオシマイだ。そしてこのタイミングで《愚鈍の斧》は破壊される」

岬:手札1→0

《熱血獣王ベアーマン》ATK4100→3100

 

本来はデメリットとなるエンドフェイズの破壊ですが、私のスタンバイフェイズにも500のコストを必要とするこのカードならむしろメリットです。

 

 

岬&遥

LP2100

手札 0

モンスター 熱血獣王ベアーマン(攻)

魔法・罠 バーニングブラッド

     バックファイア

     伏せカード3枚

 

 

 9ターン目:遥

 

 

 

「私のターン、《フレムベル・ヘルドッグ》を召喚します」

遥:手札4→3

 

フレムベル・ヘルドッグ

効果モンスター

星4/炎属性/獣族/攻1900/守 200

 

「このモンスターも《バーニングブラッド》の効果で攻撃力は500アップします」

《フレムベル・ヘルドッグ》ATK1900→2400

 

《フレムベル・ヘルドッグ》の攻撃で後続モンスターにつなげ、そのモンスターと《ベアーマン》の直接攻撃が通れば一機に逆転できます!

 

「戦闘を行います!《フレムベル・ヘルドッグ》で裏守備モンスターを攻撃します!」

 

「破壊されたモンスターは《見習い魔術師》です」

 

見習い魔術師

効果モンスター

星2/闇属性/魔法使い族/攻 400/守 800

 

「そして戦闘で破壊された《見習い魔術師》の効果を行使します。このカードが戦闘で破壊されたと場合、デッキからレベル2以下の魔法使い族1体をセットする事ができます」

 

「リクルート効果のあるモンスターでしたか……」

 

「デッキの《水晶の占い師》を裏守備表示で特殊召喚します。さらに《補給部隊》の効果で1枚ドローします」

麗華:手札1→2

 

水晶の占い師

星1/水属性/魔法使い族/攻 100/守 100

 

「私も《フレムベル・ヘルドッグ》がモンスターを破壊したことで、効果を行使します!このカードが相手モンスターを破壊したとき、デッキから同名以外の守備力200以下の炎属性モンスター1体を特殊召喚できます。デッキの《フレムベル・グルニカ》を特殊召喚します!」

 

フレムベル・グルニカ

効果モンスター

星4/炎属性/ドラゴン族/攻1700/守 200

 

《フレムベル・グルニカ》ATK1700→2200

 

「そして《フレムベル・グルニカ》で裏守備表示の《水晶の占い師》を攻撃します!」

 

「では、《水晶の占い師》のリバース効果を行使します。デッキのカードを2枚めくり、1枚を手札に加え、もう1枚をデッキの下に戻します」

 

《水晶の占い師》の持つ水晶に2枚のカードが映し出された。

 

「《共振装置》と《シャッフル・リボーン》ですか。では《シャッフル・リボーン》を手札に加えましょう」

麗華:手札2→3

 

「私も《フレムベル・グルニカ》の効果を行使します!このカードがモンスターを破壊したとき、そのレベル×200ポイントダメージを相手に与えます!」

 

「《水晶の占い師》のレベルは1、ダメージは200、大したことはありませんね」

麗華LP4500→4300

 

「ですがバトルフェイズはまだ続いています!《熱血獣王ベアーマン》で直接攻撃です!」

 

「これ以上私への領域への侵入は無効です!罠カード《進入禁止!No Entry!!》を発動します!攻撃表示のモンスターを全て守備表示にします!」

 

「……バトルフェイズを終了します」

 

逆転どころか麗華先輩にほとんどダメージを与えることができませんでした……しかし、今のは妙です。

 

「妙だな。《フレムベル・ヘルドッグ》の攻撃で発動すればすべての攻撃を防げたはずだ」

 

「それに《フレムベル・ヘルドッグ》の効果で後続モンスターを出されることもなかったわ」

 

「とても……非効率……」

 

コナミ先輩たちも同じ疑問を持っているようですね。

 

「なんだ?ここにきてプレイングミスか?」

 

「この私がミスですか?とんだロマンチストですね……ですが」

 

そう言って麗華先輩は白紙のエクシーズカードを私たちに掲げました。

 

「なっ、なんだ!」

 

「この光は……」

 

「あのカードは、もしかして!」

 

「海野さんと……同じ……」

 

「ナンバーズが、来るのか!?」

 

コナミ先輩たちもあの異様なカードに気づいたみたいです……やはりあのカードは、麗華先輩の切り札となるエクシーズモンスター!?

 

「正直あなた達では役不足だと思いましたが、そのことについては礼を言いましょう」

 

「……ターン終了です」

 

 

岬&遥

LP3200

手札 1

モンスター 熱血獣王ベアーマン(守)

      フレムベル・グルニカ(守)

      フレムベル・ヘルドッグ(守)

魔法・罠 バーニングブラッド

     バックファイア

     伏せカード3枚

 

 

 10ターン目:麗華

 

 

「私のターン、魔法カード《シャッフル・リボーン》を行使します!私のフィールドにモンスターが存在しない時、私の墓地のモンスターを1体特殊召喚します」

麗華:手札4→3

 

「モンスターがいない時、つまりあのカードを使いたかったから攻撃を通したのか!?」

 

「いえ、あのカードはさっき《水晶の占い師》で引いたカード、あのカードがつかえたのは結果論でしかありません」

 

「あなたたちの浅知恵では考えるだけ無駄です。まあすぐにわかることです。墓地の《カオス・ソーサラー》を特殊召喚します」

 

「げっ!あいつは除外モンスター!またオレたちのモンスターを除外する気か!?」

 

「いいえ、このカードで特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、ターン終了時に除外されます」

 

「な、なんだそうか」

 

「でも、エクシーズ素材にはできる……ということですね」

 

「ええ、その通りです。《マジックアブソーバー》を召喚」

麗華:手札3→2

 

マジックアブソーバー

星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守1300

 

「伏せていた速攻魔法《スター・チェンジャー》を《マジックアブソーバー》を対象に行使します。フィールドのモンスター1体のレベルを1つ変化させます。《マジックアブソーバー》のレベルを1つ上げます」

《マジックアブソーバー》☆4→5

 

「さらに魔法カードが発動したことで《マジックアブソーバー》の効果を行使します。魔法カードを発動する度に、このカードに魔力カウンターを1つ置きます。そして魔力カウンターの数だけこのカードのレベルが上がります」

《マジックアブソーバー》☆5→6

 

「これでまたレベル6のモンスターが2体……」

 

「また来るのかよ、エクシーズモンスターが!?」

 

「レベル6の《カオス・ソーサラー》と《マジックアブソーバー》でオーバーレイ!」

☆6×2

 

「凍てつく心の正義が、冷酷な評決をくだす!エクシーズ召喚!君臨せよ!ランク6《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》!」

 

No.21 氷結のレディ・ジャスティス

エクシーズ・効果モンスター

ランク6/水属性/水族/攻 500/守 500

レベル6モンスター×2

 

「このカードが、愚かなあなたたちに評決をくだす裁きのカードです」

 

「あれは、ナンバーズモンスター!?」

 

「麗華先輩もとうとうナンバーズモンスターを……」

 

「《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》の攻撃力はORUの数×1000ポイントアップします」

《氷結のレディ・ジャスティス》ATK500→2500

 

「つまり今の攻撃力は2500」

 

「そこまで大した数値じゃねーな」

 

確かに攻撃力はたいした数値ではありませんが、エクシーズモンスターにはORUを使った効果がおそらくあるはずです。

 

「墓地の《シャッフル・リボーン》の効果を行使します。《補充要因》をデッキに戻し、1枚ドローします」

麗華:手札2→3

 

「魔法カード《オーバーレイ・リジェネレート》を行使します。このカードはフィールドのエクシーズモンスター1体のORUとなります」

麗華:手札3→2

 

「これで《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》のORUは3つ、攻撃力も3500にアップします」

《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》ATK1500→3500

 

「さらに墓地の《オーバーレイ・ブースター》の効果を行使します!墓地のこのカードを除外し、私のORUを持ったエクシーズモンスター1体の攻撃力をORUの数×500ポイントアップさせます」

 

オーバーレイ・ブースター

効果モンスター

星5/光属性/戦士族/攻2000/守 0

 

「《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》のORUは3つ。これで攻撃力はさらに1500アップします」

《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》ATK3500→5000

 

「攻撃力5000!?」

 

「攻撃力だけで判断しないでください。《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》の効果を行使します!」

 

やはり効果がありましたか!

 

「ORUを1つ取り除き、相手の守備表示のモンスターを全て破壊します!」

 

「なに!オレたちのモンスターは全て守備表示!」

 

「くっ、これで納得がいきました」

 

「納得?何がだ?」

 

「1体目の攻撃であのカードを発動すれば、おそらく私は《熱血獣王ベアーマン》を攻撃表示に戻していました」

 

「その通り、攻撃宣言をしていないモンスターは表示形式の変更が可能。だから2体の攻撃を通したのです」

《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》ATK5000→4000

 

「ほ、炎属性モンスターが破壊されたので《バックファイア》の効果で500のダメージを与えます」

 

「今更この程度のダメージ、関係ありません」

麗華LP4300→3800

 

「これであなたちを守るモンスターは居なくなりました」

 

「くっ、攻撃力は下がったが、まだ俺たちのライフを大きく上回ってやがる!」

 

「こんな攻撃を受けては!?」

 

私たちのフィールドには伏せカードが3枚、しかし2枚は《心鎮壷》で使用不可、岬さんが伏せたこのカードも私たちのフィールドにモンスターがいないこの状況では……

 

「これで終わりですね。戦闘を行います…これがあなた達への判決です!《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》で直接攻撃です!」

 

「くそ!ここまでか!」

 

「ええ……ここまで…何ですね」

 

やはり私の力では麗華先輩には……勝てなかったようですね……

 



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