ハイスクールD×D Dinosaur The Ranger(ダイナソー ザ レンジャー) (イマジナリ)
しおりを挟む

第1話 覚醒せよ騎士竜の力!命を奪う闇を断て!

はい第1話です!

最初から長めでハードですが最後まで見て頂ければ幸いです。

では第1話をどうぞ!



遥かなる太古の地球・・・人類が生まれ繁栄するよりも億千万年前の地球上に最初に生命体として生息していた生物・・・恐竜。

 

強靭かつ屈強で巨大な肉体に強い生命力を宿し様々な個体が生息していた。

 

生きる為に他の命を喰らうものいれば、群れを成し互いを守り合いながら生きているものもいれば、翼を生やし大空を飛翔したり或は大きなヒレで波を起こし水中で生活しているものなど・・・本当に多くの多種多様な恐竜がかつては地球に生きていた。

 

やがて人類の祖先が生まれ徐々に繁栄していく中で人類と恐竜は時には争う事あったが最終的には、互いに理解し合い共に生きていく上でのパートナーの様に無くてはならない存在になっていった。

 

だが、その繁栄は突如として崩壊した・・・後の世で言う恐竜の絶滅である。

 

隕石の衝突・氷河期・ウイルスにより病死など様々な原因がある。だが、しかし・・・其の根源は恐竜と、その恐竜に選ばれた戦士達の力を恐れた者達が画策し抹殺する為に起こした戦いの経緯に過ぎない。

 

結果・・・恐竜は絶滅し戦いを画策した者達は共通の目的を達した後により各々も目的の為に地球を去ったり又は全く別の世界に向かった者など様々であった。

 

繁栄していた恐竜時代は幕を下ろし歴史の中に埋もれていった・・・しかし!

 

恐竜に選ばれた戦士達とパートナーの恐竜達の伝説は滅びる事は無く、その力と魂は代々と受け継がれ今日まで語り継がれていた。

 

此れは数多の恐竜戦士リーダーの力を継承した若き少年とその仲間達の戦いの伝説(ロード)である!

 

 

時は恐竜時代から進み現代。此処は日本のとある町・・・名を駒王町。

 

この街の一角にある潰れてしまった廃工場の中を夜の闇に紛れ進む4つの影・・・チリやホコリ更には割れた窓ガラスや崩落した壁から周囲の生い茂った枯れ木から落ちた沢山の枯葉が敷き詰められた通路を、入り込んだ無数の枝を払いながら先頭を進むブロンドヘアーの少年が口を開いた。

 

木場

「今の所は変わったものは見つかりませんね部長。」

小猫

「変な気配もはありません。」

朱乃

「情報通りなら必ず此処にいるはずですわ。そうですよね・・・部長。」

リアス

「情報通りならね。唯・・・最近の駒王町では妙な事が立て続けに起きているから情報が正しいかは実際に確認しないと何とも言えないわね。」

 

部長と呼ばれた女性・・・キングのリアス・グレモリーとその眷族であるナイトの木場 祐斗、ルークの塔城 小猫、クィーンの姫島 朱乃。

彼女達は普段は駒王町にある駒王学園に通っている高校生だが正体は悪魔と呼ばれる種族の主と眷族である。

 

キングのリアス・グレモリーは悪魔の中で72柱と呼ばれる上級悪魔の家系グレモリー家の次期当主であり駒王学園内では悪魔稼業の為の部活オカルト研究部の部長を務めており、紅の様な赤い髪が特徴的で男女問わず人気が高くクィーンの朱乃と合わせて学園の”二大お嬢様“とも呼ばれている。

 

クィーンの姫島 朱乃は黒髪のポニーテールに大和撫子の様な雰囲気を放つ落ち着いた女性である。学園・部活・悪魔稼業問わず常に主であるリアスの傍に控え彼女を支え時には叱咤するオカ研の副部長であり長年の友人でもある。

 

唯一の男性でありナイトの木場 祐斗はブロンドヘアーが特徴的な世に言う”イケメン“であり女子生徒からのアプローチも凄まじい存在である。学園内での男性人気No. 1は言うまでもないが性格はとても温厚で優しく紳士的で誠実な存在である。

 

少し小柄なのはルークの塔城 小猫。上記の3人とは違った意味で人気で可愛らしく何処か小動物の様なあどけなさがある彼女は学園内ではマスコットの様な存在になっとおり、余り喋る方ではないが決して口下手では無く落ち着いた性格をした心優しいのを周りの人達も分かっている。

 

そんな彼女達が何故こんな真夜中に廃工場の中にいるのかと言うと悪魔の大公から来たはぐれ悪魔の討伐と、此処最近頻発している駒王町内での異変の調査の為に此処に訪れていたのだ。

 

木場

「そうですね部長の言う通り最近の駒王町・・・正確に言えば駒王町に入り込んだはぐれ悪魔に関連する事は謎が多過ぎますね。」

リアス

「大公から討伐の依頼で現地に向かえば既に倒されていたり、はぐれ悪魔は力に魅入られて狂った思考や言動が多いけど・・・数日前に討伐したはぐれは・・・まるで理性そのものが欠如した様な状態だった。其れにはぐれとは思えない程の力だったわ。」

 

リアス達は付い数日前に依頼があったはぐれ悪魔を討伐したがその時のはぐれは理性を失った獣のような状態だった。更に言えば普通ならリアスの滅びの魔力一撃で塵になる筈が一発では倒れず数発も魔力を放って倒す事が出来た。

更に言えば動きを止めようとした木場のナイトの特徴の凄まじいスピードからの剣を受け止め更には、パワー型のルークである小猫のパンチをまともに喰らっても立ち上がる。全て駒の力を兼ね備えたクィーンの朱乃の雷を受けても僅かに怯んだぐらいで致命傷すら与えられなかった。

 

今まではこんな事は決して無かった。

 

その事を報告するとはぐれ悪魔の討伐の際に何か今回の異常事態をつきとる事が出来るものなどが見つかったら報告する様にと魔王からの調査依頼も命じられる事になったリアス達。その為に現在情報にあったはぐれ悪魔の元に向かう為に廃工場内を進んでいたのだ。

 

小猫

「でもあの時のはぐれは異常でした。何だか悪魔とは違う別の何かと戦っている気分でした。」

朱乃

「調べようにも今は情報が少な過ぎますから何も分からないが現状ですね。今日の討伐で何か判れば良いのだけど・・・」

リアス

「考えても仕方ないわ朱乃。今兎に角はぐれ悪魔の討伐を優先しましょう。」

朱乃・木場・小猫

「「「はい。部長!」」」

 

疑問が残る中もはぐれ悪魔討伐に集中する為に頭の中を切り替えるたリアス達はその後も黙々と廃工場を進んでいくのだった。

 

 

廃工場とは言っても割と広い施設が内部を進む事数分・・・廃工場のほぼ中心部にある広く拓けた場所の扉前に到着したリアス達。

 

小猫

「この中です部長。」

リアス

「そう見たいね・・・何か起きるか分からないわ。皆んなくれぐれも油断はしないで。」

木場

「分かりました部長。」

朱乃

「慎重に行きましょう。」

 

中に入ると何も無い広い空間の中心に1人たたずむ男性がリアス達に背を向け崩落した天井から黙って夜空を見上げていた。

 

リアス

「見つけたわよ・・・はぐれ悪魔マスカレイド!主の元を逃げ己の欲求を満たす為だけに暴れ回る不逞な輩。その罪・・・万死に値する!グレモリー公爵家の名において貴方を吹き飛ばしてあげる!」

マスカレイド

「・・・」

 

リアスの宣言を聴いていないのか聴こうとしないのか不明だが本人であるマスカレイドは声も出さず振り向く事も無く呆然としているだけ。

 

リアス

「聴いていない?逃げる訳でも無ければ攻撃もして来ない・・・何を考えているの?」

朱乃

「事前の情報通りならマスカレイドに勝ち目はありません。普通なら既に逃げ出すと思いますが?」

 

マスカレイドの意図が読めずにリアスと朱乃が話し合っていると・・・

 

マスカレイド

「・・・グッ!」

木場

「部長!マスカレイドが反応しました・・・ですが。」

小猫

「何か様子が変です!」

 

一瞬マスカレイドが呻いたのを確認したリアス達だったが明らかに様子が可笑しい。先程まで微動だにしなかったマスカレイドが全身を震わせまるで何か取り憑かれたように痙攣しだした。

暫く様子を伺っていると体の震えがピタリと止まった瞬間に糸が切れた操り人形の様に倒れて動かなくなってしまった。

 

朱乃

「何が起こったの?急に倒れてしまった様だけど?

リアス

「祐斗。小猫。一瞬たりとも油断しては駄目よ!」

木場・小猫

「「はい!部長!」」

 

リアスの指示で全員が警戒していると・・・突然!

 

マスカレイド

「グギャァァァ?!ゴバォォォ??ウオォォォ@?&!#!」

 

声になっていない呻き声が何かは分からない叫びを上げて立ち上がったマスカレイドはリアス達の方を振り向いて来た。

その血の様な真っ赤な瞳は既に焦点が合わなくなり顔には青筋ばった血管が浮き上がり口からは大量の涎を垂らしながら完全に理性を失ってしまっていた。

 

リアス

「この状態この間のはぐれ悪魔の時と同じ・・・不味いわ!祐斗は撹乱!朱乃は援護!小猫は攻撃!被害が出る前に何としてもマスカレイドを倒すわよ!!」

木場

「分かりました。先に仕掛けます部長!ハアァァァ!!」

 

このままマスカレイドを放置すれば大変な事になってしまう・・・そう考えたリアスの素早い指示を受け行動に移す眷族達。

全員が一旦距離を取り様子を伺い僅かに視線が外れた瞬間に持ち前のスピードを生かし周囲を翻弄する動きをしていた木場が先制攻撃に出た・・・だったが。

 

木場

「そんな!僕のスピードに反応し・・・しまった!グハッ!!」

リアス

「祐斗!!」

 

背後から仕掛けた木場の尋常じゃ無いスピードにマスカレイドは反応したのだ!そのまま剣を片手で受け止め空中にいる木場のガラ空きになっている腹に鈍い音が響く程のパンチを浴びせ壁際に吹っ飛ばしてしまった。

 

小猫

「祐斗先輩!よくも先輩を!!」

リアス

「駄目よ小猫!迂闊に近付いたら!」

マスカレイド

「ガアァァァーーーー!!」

小猫

「ハアァァァ!(バシッ)そんな私のパワーが通じ・・・キャー!!」

リアス

「小猫!!」

 

ルークのパワーから繰り出されるパンチを並みの悪魔は防げない仮に防げても僅かながらにダメージを受けても可笑しく無い。だが・・・

マスカレイドは小猫の拳を簡単に受けてあまつさえ逆にパワーで小猫を抑え込み彼女をリアスの背後の壁に投げ飛ばしてしまった。

 

リアス

「何なのあの強さは異常過ぎる・・・朱乃!このままだと全員やられてしまうわ。私達の魔力で一気に消し飛ばすわよ!」

朱乃

「分かったわリアス・・・行くわよ!雷よ迸れ〔ほとばしれ〕!!」

リアス

「私と朱乃の魔力を合わせた一撃・・・受けて見なさい!!」

マスカレイド

「グギョ??」

 

リアスの紅い滅びの魔力と朱乃の眩い魔力の雷が互い混じり合い辺り一帯を照らす輝きを放ちながら首を傾げているマスカレイドに直撃し爆煙が発生した。

強力な一撃を放った為に魔力の消耗が激しく肩で息をするリアスと朱乃は立っていられなくなり、その場にへたり込んでしまった。

 

朱乃

「や、やったのかしらリアス?」

リアス

「あれだけの魔力を喰らったひとたまりも無いわ。きっと倒したはずよ・・・さあ。祐斗と小猫を治療して報告に戻・・・どうしたの朱乃?」

朱乃

「そ、そんな・・・リアス。う、後ろ・・・!」

リアス

「えっ?後ろに何があ・・・ハッ!そんな!!あれだけの魔力を受けて未だ生きてるなんて!!」

 

驚愕した表情の朱乃の言葉でリアスが後ろを見ると其処には・・・片腕を失い、全身の肉を焼かれ、片足を引きずり、顔半分を失いながらも、未だ生きているマスカレイドが吹き飛ばされた壁から此方に歩いて来ていた

 

マスカレイド

「ゴガァァァーーーーーーーー?!?!」

 

リアス達が戦意を失い絶望の表情が現れる中・・・突然立ち止まったマスカレイドが今まで以上の奇声を上げ体を弓なりにそらした瞬間・・・!体が突然変化し出し先程まで人間に近い体だった者は二足歩行に鋭い両腕に、背中から尻尾にかけて青と黄色の棘のような物が現れ、ツノが生えた顔はまるでドラゴンを彷彿とさせる物に変化していた。

 

その姿を一言で例えるなら。正に・・・怪獣である。

 

リアス

「あんな怪獣に私達だけでは勝てないわ!此処は撤退よ朱乃!早く祐斗と小猫を連れて逃げ「危ない!リアス!」えっ?!」

マスカレイド

「グギャァァァァァァ〜〜〜!!」

 

撤退の指示を出していたリアスが朱乃の言葉で再び振り向くとマスカレイドだった怪獣がこちを開き光線のような物をリアスに発射しようとしていた。リアスは思考が追い付かず呆然として動けずにいたが・・・其処に。

 

木場

「リアス部長ぉぉぉ!!」

 

マスカレイドによって吹き飛ばされていた祐斗がリアスを抱き抱え横に跳んだ為、怪獣の光線は当たらずに先程までリアスがいた場所を通過しただけで済んだ。

 

木場

「ガハッ!!」

リアス

「祐斗!大丈夫?しっかりして!!」

木場

「僕なら大丈夫です。部長を守るのが僕の役目ですから。」

 

木場のお陰で何とか無事だったが未だ状況は芳しく無い。

 

朱乃

「リアス早く撤退を!このままだと本当に全員「ハアァァァ!!」止めなさい小猫ちゃん!!無茶をしては駄目よ!」

小猫

「ハアァァァ!!私がこの怪獣を抑えます!早く逃げ(ビュン!)アウッ!!」

リアス

「小猫!!小猫!小猫!しっかりして!目を開けて頂戴!!」

 

リアス達が逃げる時間を稼ぐ為に怪獣を抑え込もうとした小猫だったが圧倒的なパワーの尻尾の攻撃をモロに食らってしまいリアス達の所まで何でも体を地面に打ち付けられながら飛ばされてしまった。

辛うじてリアスが受け止めだが全身傷だらけ所々出血してしまっている小猫の痛々しい姿にリアスは涙を流しながら必死に呼び掛ける。

 

小猫

「部、部長・・・私を置いて・・・逃、逃て下さい。」

リアス

「諦めたら駄目よ小猫!貴女は私の大切な眷族!貴女を置いて私だけに逃げるなんて・・・そんなことは絶対に出来ないわ!!」

木場

「そうだよ小猫ちゃん。最後まで諦めたら駄目だ!」

朱乃

「全員で必ず無事に帰りましょう!」

 

”全員で必ず無事に帰る“僅かな希望を頼りに死と言う目の前の絶望を跳ね除けようと互いを鼓舞し合うリアス達だったが。

 

マスカレイド

「ガ、ガ、ガッ・・・ガアァァァーーーーーー!!」

 

目の前の絶望は一度捉えた獲物・・・リアス達の命を刈り取らんと鋭い爪を振り上げ飛び掛かってきた。

 

リアス

「ヒッ!!(もう駄目!逃られない。私達は此処で・・・死ぬ・・・ごめんなさい朱乃・祐斗・小猫。最後まで頼りない主で・・・お父様・お母様。親不孝な私を許して下さい・・・お兄様・マリナ姉様・ミリキャス。どうか家族何時迄も仲良く過ごして・・・)」

 

走馬灯のように家族や大切な眷族達の存在がリアスの頭の中を駆け巡って行く。覚悟を決め最後まで自分から離れようとしない3人を抱き締め目を閉じた。

 

せめて最後に大切な眷族達の存在を感じながら死を受け入れようとした・・・しかし!

 

(ガッキン!!)

 

リアス

「・・・・・あ、あれ?な、何で?」

???

「大丈夫か!心配するな・・・俺の目の前で!誰1人・・・死なせはしない!!」

 

体を切り裂かれる痛みが来ないことに違和感を感じたリアスが恐る恐る目を開くと目の前にいたのは・・・紅のローブで全身を覆い、怪獣の鋭い爪をまるで牙のような刃に、鍔に当たる部分に竜の顔を模したレバーの様なものが取り付けられた剣で受け止めた1人の男の姿が飛び込んで来た。

 

リアス

「貴、貴方は一体・・・誰?」

???

「その話は後でする。今は・・・此奴を倒すのが先だ!」

 

そう言うと男は剣を跳ね上げガラ空きになった怪獣のボディに蹴りを入れ壁際まで蹴り飛ばしてしまった。

 

リアス

「す・・・凄い。」

朱乃

「リ、リアス。あの人は一体?」

リアス

「私にも分からないわ?気が付いて目を開けたら目の前にいて・・・あの怪獣の攻撃を受け止めていてくれて。」

木場

「僕達が全く歯が立たなかった怪獣をひと蹴りであんなに!」

小猫

「あの怪獣は私のパワーを上回っていたのに・・・凄い!」

 

リアス達は自分達を救ってくれた男の強さに魅入られていた。

 

マスカレイド

「グギャ!グ、グギ・・・キェァァァ!!」

???

「此処からは俺が相手だ!行くぞ!」

 

男は懐から炎の様に真っ赤な色合いをし恐竜の横顔を模した物を取り出した。それを顔の横で横から縦にする様にスナップさせると形が変わり剣を構えた騎士の様な形態に変化した。

 

???

「リュウソウチェンジ!」

 

男は叫びながら掲げていた物・・・リュウソウルを左腕に装着している恐竜の顔の形状をしたブレス・・・リュウソウチェンジャーのスロットにセットした。すると!

 

『ケボーーーン!」

 

その掛け声の瞬間!チェンジャーからセットしたリュウソウルと同じ物が無数に飛び出し男の周りを囲む様に着地した。更に!

 

『ワッセイ!ワッセイ!そう!そう!そう!ワッセイ!ワッセイ!ソレ!ソレ!ソレ!ソレ!』

 

現れた足元のリュウソウル達がチェンジャーからのリズムに合わせ、まるで剣の舞を舞っているか様な民族舞踊の動きで踊り出した。

そして男も左腕を頭上に掲げゆっくりと顔の前に下ろすとチェンジャーの恐竜の下顎になっている部分を一回転させた。そして!

 

『リュウSO COOL!』

 

チェンジャーからの変身音共に駆け寄って来たリュウソウルが男の元に飛び上がり光となった瞬間!

男の体を赤をメインカラーとし首元から腰にかけて牙の様なジグザグのラインが走り其処から上がグレーのカラーに染まったアンダースーツが包み込み、最後に噛み付く様な感じに恐竜の顔を模したフェイスが顔全体を覆い男を1人の・・・騎士へと変えた!

男はリュウソウチェンジした時に腰に装着されたリュウソウバックルのリュウソウホルスターに帯刀してあるリアス達も守る時に使った剣・・・リュウソウケンを抜刀し名乗りを上げる!

 

???

「勇猛の騎士!リュウソウレッド!」

 

リアス

「リュウソウ・・・レッド。」

マスカレイド

「ガッ!ググッ?!」

 

先程まで全く動じなかった怪獣が初めて怯んだ。

 

そしてリュウソウレッドはリュウソウケンを・・・地球と其処に生きる全ての命を救う使命を胸に・・・魂の剣を天高く掲げる!

 

???

「正義に仕える一振りの剣!騎士竜戦隊・・・リュウソウジャー!!」

 

恐竜の力をその身に宿し・・・今こそ戦士として覚醒せよ!!

 

木場

「騎士竜・・・」

小猫

「・・・戦隊。」

朱乃

「リュウソウジャー・・・」

 

伝説の恐竜達と心を1つにし!魂を刃となし正義の剣を振るえ!!

 

???

「俺の騎士道が・・・闇を切る!」

 

今この時・・・伝説の1ページ目が刻まれた瞬間である!




はい!第1話如何でしたでしょうか?

サーゼクスの奥さんはオリキャラに変更しておりますがグレイフィアも出てきますのでご心配なく。

リュウソウジャーのお決まりの”正義に仕える○本の剣“の部分は1人で名乗る時は”一振り“にしていますが、メンバーが増えてきたら”○本“のバージョンにしますので宜しくお願い致します。

最初からピンチの内容にしましたがリュウソウジャーを最初に出すと決めていたので今回の様な内容になりました。

オリジナル設定やオリ主やオリキャラの解説は後書きで致しますので宜しくお願い致します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話 今こそ竜装し覚醒せよ!辛辣な言葉の裏には・・・

はい!第2話です!

僅か1話ですが・・・お気に入りして下さった方ありがとうございます!

コメントが励みになりますのでお待ちしております。

では第2話をどうぞ!


 

前回のあらすじ

 

夜の廃工場を進むリアス達は!討伐依頼があったマスカレイドを見つける。しかしーーー?!マスカレイド突然怪獣に大変身!!絶体絶命のピンチを救ったのは!何と!恐竜の力を纏う1人の男・・・いや!リュウソウレッドであった〜〜〜〜〜〜!!

 

 

???

「此処は危険だ。仲間を連れて離れていろ。」

リアス

「は、はい!朱乃は祐斗を支えてあげて頂戴。小猫は私が!」

朱乃

「分かりました!さあ祐斗君立てますか?私に掴まって頂戴。」

木場

「ありがとうございます朱乃さん。」

小猫

「私達・・・助かったんですか・・・部長?」

リアス

「そうよ小猫。もう心配無いは・・・ありがとう小猫。こんなに傷だらけになってまで私を守ってくれて・・・後は彼に任せてゆっくり休んで頂戴。」

小猫

「はい・・・部、長。」

 

自分達を守る様にして怪獣の眼前に威風堂々と立ちはだかっているリュウソウレッドの大人の様なクールさの中に垣間見える優しさを感じさせる声音、その言葉を聞き動ける朱乃に木場のフォローを頼み自分は怪我をして動けずにいる小猫を抱き抱えて少し離れた物陰に移動するリアス。

彼女を守る為に怪獣に命を賭して立ち向かい怪我をしてしまった小猫に安心して休むように言うと彼女は瞳をゆっくりと閉じた。すると直ぐに規則的な息遣いが聞こえて来たのを確認にリアスも少し肩の荷を下ろす事が出来た。

 

リアス

「本当にありがとう小猫・・・朱乃。疲れているところ悪いけど小猫と祐斗の治療をお願い。」

木場

「僕の方は大事ないんで先に小猫ちゃんの方から治療をお願いします朱乃さん。」

朱乃

「分かりましたわ祐斗君。リアスは祐斗君をお願い、私は直ぐに小猫ちゃんを。」

 

横たえられた小猫の側で治療を開始する朱乃の側で、リアスと木場は怪獣になったマスカレイドや突然現れたリュウソウレッドと名のる謎の男について考えていた。

 

リアス

「何故マスカレイドは突然あんな怪獣になってしまったのかしら?怪獣に変化する前のあの力や強靭的な生命力は異常過ぎる上に、姿が変わってからは更に狂暴になった。数日前に戦った存在とは比べ物ならない程に・・・それに・・・リュウソウレッドと名のった彼は本当に何者なの?」

木場

「僕のスピードからの剣を簡単に受けてめ、ルークである小猫ちゃんの攻撃を受けてもダメージを受けないどころか怯みもしない、そして部長と朱乃さんの魔力・・・あれだけの魔力の奔流をまともに喰らっても尚生きている上に更に強くなった。もはや・・・はぐれ悪魔とも呼べなくなったマスカレイドを生身の蹴りで吹き飛ばした力、そして僕は見ました部長。あの人がリュウソウレッドになった瞬間にマスカレイドだった怪獣が完全に怯んでいました。」

リアス

「あれだけの怪獣を怯ませる存在・・・(若しかしたら此処最近の異常事態の場所に居たはずのはぐれ悪魔や異常になった者を倒して来たのは彼・・・未だ断定は出来無いけど可能性は十分にありえる。)分からない事が多過ぎるわね。彼には後で話を(ドン!)な、何!一体何が起きて・・・う、嘘!」

 

頭の中で思案を巡らせていた時に響いた凄まじ音にハッとしたリアスが先程まで自分達が居て現在リュウソウレッドと怪獣が戦っているで在ろう場所に目を向けると驚愕した。

彼女の目に飛び込んで来た光景は・・・先程までとは違い大型化した右肩にはエンブレムが刻まれ、手首には指先までを覆うよに装着された鋭い眼光をした恐竜の顔の様な物・・・ひと言で言えば正に鎧の様な物を纏いリュウソウケンを構えるリュウソウレッドと。

リアス達を切り裂こうと先程まで振り上げていた鋭利な爪は折られ、小猫を薙ぎ払った太く長かった尻尾は付け根からバッサリと切り落とされ、背中に生えていた棘や立派だった牙も所々折れてしまっていた。そして先程の音の正体はリュウソウレッドの一撃で怪獣が倒れた時の音で既に満身創痍なのか怪獣は立ち上がるそぶりが全く無い。

 

リアス達が離れ視線を逸らした僅かの間に何があったのか・・・時間は少し戻って、リアス達が物陰に隠れた時に戻る。

 

 

???

「(全員無事なようで安心した・・・さて。)覚悟しろマイナソー!俺の仲間の欠片・・・返してもらうぞ!ハアァァァーーー!!」

マイナソー

「グギュ?!ブッフェァァァ!!」

 

マスカレイドだった怪獣、否・・・マイナソーに向けてリュウソウケンを構え駆け出すリュウソウレッド。

素早いスピードで向かってくるリュウソウレッドにマイナソーはまるで怯え向かってくる事を拒む獣の様に叫ぶと大きな巨体を横に振りリュウソウレッドを弾き飛ばそうと大きな尻尾を鞭のようにしてスイングして来た。

 

???

「無駄だ!!フンッ!(ザシュ!)

マイナソー

「ギャァァァァァァア?!?!」

 

斜め上に振り上げるようにして眼光に迫ってくる尻尾を体を背後に逸らす様にスライディングして躱し下を通過したリュウソウレッドは、スライディングした体制から体を横回転させた勢いを剣に乗せそのまま振り抜いた。すると・・・マイナソーの尻尾が根元から切断され宙を舞った。

目にも留まらぬ神速の剣技によって尻尾を斬られたマイナソーは、痛みからか甲高い叫び声を上げ緑色の様な体液を斬られた場所から垂らし悶えていた。

 

???

「一気に攻める!ツヨソウル!!」

 

リュウソウレッドが”ツヨソウル”と叫びながらバックルの右側にあるホルスターにセットされているブランクソウルを引き抜き一瞬光った瞬間ブランクソウルが鋭い眼光をしたツヨソウリュウの力を宿したツヨソウルのソウルモードに変化した。

ツヨソウルを構え変身用のレッドリュウソウルをセットした様にスナップさせナイトモードにするとチェンジャーでは無く、リュウソウケンの柄の部分に当たるレバーを下げ恐竜の口を開くと中にあるソウルスロットにセットしレバーを戻した。

 

『ツヨソウル〜〜〜!!』

 

リュウソウケンがツヨソウルの力を宿し柄の恐竜の目が紅い光を放つ。続け様にレバーを2回動かすとリュウソウケンから変身時に流れたのとは違うメロディが鳴り響き、再びレバーを動かすとツヨソウルの力が徐々に覚醒して行く!

 

『リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!!ツヨソウ〜!!』

 

その声が響いた瞬間!ツヨソウリュウの力を具現化したリュウソウアーマーが装着された。竜の力を覚醒させ更なる力を身に纏う事、其れこそが・・・竜装である!!

ツヨソウリュウの力を纏ったリュウソウレッドは全身から白い煙を吹き出しながら姿勢を低くしマイナソーの頭上に飛び上がると、飛び掛かりながら剣を振るい荒々しい攻撃を繰り出して行く。

激しく凄まじい攻めに耐え切れず棘や牙を失って行きマイナソーが姿勢を崩した瞬間を見逃さず竜装時と同じくレバー2回を動かし、リュウソウケンを正面に構えるリュウソウレッド。

 

『それ!それ!それ!それ!その調子!!』

 

???

「返せ!其れは俺の・・・俺の仲間だぁぁぁ!!」

 

『剣ボーン!!オラオラー!!』

 

三度リュウソウケンから別のメロディが鳴り響きレバーアクションをする度にツヨソウリュウの力が刃に集まりどんどん力を増して行き剣に集まる力が最高潮に達した瞬間、一気に懐に飛び込みながら浴びせ切りからの滅多斬りを喰らわせ最後に下から蹴り上げる様なドロップキックをマイナソーの腹に叩き込んだ。

宙を舞ったマイナソーが重力に引かれ巨体を地面に叩きつけられた音こそがリアスに耳に入った音の正体である。

 

時は再びリアスが音を聞きつけて戦いを目撃した時間に戻る・・・

 

 

リアス

「あの怪獣を・・・たった1人で此処まで追い詰めるなんて!」

マイナソー

「ゴ、ゴ、ゴ、ギェ〜〜〜・・・」

???

「此れでトドメだ!!」

 

リュウソウレッドはリュウソウケンから引き抜いたツヨソウルをホルスターに戻すと今度はバックルの中央にあるヒビが入った卵の形状をしたホルスターから新たしいレッドリュウソウを取り出し、スナップさせナイトモードにしてリュウソウケンにセットしレバーアクションをすると再び必殺技のメロディが鳴り響く。

 

『レッド!! それ!それ!それ!それ!その調子!!』

 

???

「ハアァァァ!ディーノスラッシューーー!!」

 

『剣ボーン!!』

 

リュウソウケンを振り抜いた瞬間に剣からティラノサウルスの顔を模した斬撃が硬い地面を抉りながらマイナソーに喰らい付き体を一刀両断し爆発した。

そして爆風に乗って飛んで来た小さな琥珀色をした玉をキャッチしたリュウソウレッドの顔はフェイスでリアス達には見えていないが少し笑っていた・・・仲間取り戻せた喜びに。

 

???

「此れはおそらく彼奴の(あ、あの!)ん?」

リアス

「さっきは本当に助かりました。貴方がいなかったら私達きっと死んでいました・・・本当にありがとうございました!申し遅れました・・・私の名前はリアス・グレモリーです。」

 

助けてくれたお礼と恩人に名前を明かしていない失礼と思い軽い自己紹介をして頭を下げるリアス。

 

???

「無事で安心した。1人怪我がひどい子がいたと思うが大丈夫か?」

朱乃

「治療しましたので命に別状はありません・・・私からもお礼を申し上げます。私は姫島 朱乃と申します。休んでいる子は塔城 小猫でこっちが・・・」

木場

「木場 祐斗です。僕達を助けて下さり感謝致します。」

???

「気にしなくて良い。マイナソーを倒す事は俺の使命だからな。」

リアス

「マイナソー?」

???

「口が滑った・・・さっきの事は忘れろ良いな。」

リアス

「ちょっと待って下さい!そのマイナソーについて詳しく教え(バキュン!)キャ!」

 

リアスに続いて朱乃が自分と動けない小猫の紹介とお礼を言い木場も其れに続いた。

リュウソウレッドは全く気にするそぶりを見せずにこの場を去ろうとしたが、うっかりマイナソーの事を口にしてしまった。

その事で聞きたい事があったリアスがマイナソーについてリュウソウレッドに尋ねようとした時・・・1発の銃声が響きリアスの踏み出そうとした先の地面に当たり弾痕を残した。

 

朱乃

「リアス!」

リアス

「何をするんですか!私は唯さっきのマイナソーと言う怪獣の事が聞きたいだけで!」

???

「悪い事は言わない・・・マイナソーの事も、今日起きた出来事も、そして俺に会った事も・・・忘れろ!全て!」

リアス

「忘れろって・・・何故ですか!私達はこの街で何か起きているのか調べる為(そんなに死にたいか!)えっ・・・死ぬ・・・」

???

「お前達が踏み入ろうとしているのは常に死と隣合わせの世界に陥入る事だ!関われば確実に死ぬ!!だから忘れろと言ったんだ・・・いいか!二度とこの事に関わるな!そして俺の事は必ず忘れろ!」

 

リュウソウレッドから変身を解除しながら素顔を隠した男は、厳しい口調と突き放すような言葉をリアスに浴びせると彼女に向けていた恐竜の頭部の形をした銃・・・ガブリボルバーの後部レバーを動かし銃口部のカバーを開くとローブの下から電池の様な物・・・獣電池を取り出した。

 

???

「ブレイブイン!」

 

獣電池の小窓が光ると同時に中に恐竜の絵柄が浮かび上がった状態の物をガブリボルバーの2つあるスロットバレルの下に入れ、カバーを閉じシリンダーを回転させ引き金を引いた。

 

『ガブリンチョ!ディノチェイサー!バモラ!!』

 

引き金を引いた場所から恐竜ディノニクスが進化した獣電竜コンビのディノスとチェイスが現れ男がガブリボルバーから取り出した獣電池を投げると、互いに獣電池に噛み付き合ってバイク形態のディノスチェイサーになった。

 

???

「1つしかない命を・・・大切にしろ。」

リアス

「えっ・・・あっ!待って!」

 

男が呟いた言葉でリアスが顔を上げ”待って”と、呼びかけたが男は何も言わずディノスチェイサーに跨がり走り去ってしまった。

 

朱乃

「リアス・・・大丈夫?」

木場

「彼の言う事も理解出来ますが・・・何も彼処まで」

リアス

「違うわ・・・最後に言った言葉・・・あの人はきっと私達を危険な事に巻き込みたくないから敢えてあんな言葉遣いをしたと思うわ。さっきの彼の声は何処か・・・悲しかった。」

 

リアス達が立ち去った男の話をしていると・・・

 

小猫

「部長。」

リアス

「小猫!無理をしては駄目よ!治療したと言っても未だ動ける状態(私・・・見たんです。)見た。一体何を?」

小猫

「あの人のローブの下の服・・・一瞬でしたけど駒王学園の制服が見えました。」

リアス

「其れは本当になの小猫!」

小猫

「はい。何年の制服かは見えませんでしたが学園の制服なのはハッキリ見ました。」

リアス

「彼が・・・リュウソウレッドが私達の学園に・・・」

 

工場内のリアス達に残されたのは一抹の不安と新たな疑問だけだった・・・

 

 

工場での戦いから数時間後・・・駒王町を一望できる小高い住宅地にある一軒の大きな家の前に止めたディノチェイサーから降りるローブの下に駒王学園2年生の制服を着た1人の少年。

 

???

「ディノス、チェイス、ありがとう。ゆっくり休んでくれ。」

 

男の言葉に喜び頷きながら消えていく2匹を見送り玄関を開け中に入ると・・・

 

???

「お帰りなさいませ凱御坊ちゃま!」

???

「今日はどの秘石が見つかった〜〜〜?」

「御坊ちゃまは止めてくれトットパット。今日倒したマイナソーからフタバインの秘石を取り戻せたよブックバック。此れでガーディアンズの秘石も大分集まった。」

 

背中から小さいコウモリの羽を生やし早口で片眼鏡が特徴的なコウモリ男はトットパット。

 

小太りで口調が少しマイペースな感じが見える小鬼はトットパットの相棒のブックバック。

 

そしてトットパットに御坊ちゃまと呼ばれ先程までリアス達の前でリュウソウレッドに変身して戦っていたのが・・・この家に住み駒王学園に2年生として通っている桐竜 凱である。

 

トットパット

「流石は御坊ちゃま!私も情報集めに飛び回った甲斐があったと言うものです!」

ブックバック

「いっや〜!おでの方がトットパットより沢山頑張ったんだもんね〜〜〜!」

トットパット

「何ですとー!!」

ブックバック

「何だよ〜〜!!」

 

2人がどっちが働いたかを喧嘩していると銀髪のメイド服を着た女性が玄関に現れ持っていたフライパンで2人の頭を叩いた。

 

(バッコン!!)

 

???

「お辞めなさい2人とも!!喧嘩するようでした2人の夕食は抜きです!」

トットパット

「其れだけはご勘弁を!」

ブックバック

「ご、ごめんなさい〜〜〜。」

グレイフィア

「仕方ありませんね・・・お帰りなさいませ凱様♡夕食の準備は出来ておりますが汗をかかれたと思うので入浴から先になさいますか?そ、其れとも・・・わ、私になさい・・・」

 

彼女・・・グレイフィア・ルキグフスは凱に助けられこの家でメイドとして暮らしており、好意を抱いている凱に普段からアピールをしているのだが・・・

 

「ただいま。グレイフィアも様付けはよしてくれ。汗をかいてるから先に風呂に入って汗を流して来る」

グレイフィア

「・・・・・」

トットパット

「今日もまたスルーされましたね。」

ブックバック

「グレイフィア残念〜〜〜。」

グレイフィア

「キッ!!」

 

(バッコンーーーー!!!)

 

彼女の好意は今日も凱には届かずスルーされてしまうのであった。

 

大浴場サイズの湯船の真ん中に浸かりながら口元まで顔を沈ませている凱。

 

「ふぅ〜〜〜!さっぱりした・・・どうするべきか。」

???

「いったい何を悩んでるにゃ〜凱♡」

「ワッ?!黒歌!いつ風呂に入って来た!」

黒歌

「凱が頭を洗ってる隙に仙術で気配を消してお邪魔したのよ♪」

 

頭に猫耳を生やし凱に背後から抱き着いたのは猫又の妖怪である黒歌。彼女も凱にある時に助けられて以来好意を抱いているがグレイフィアと違って彼女の場合は・・・

 

黒歌

「ほらほら〜どう〜♪興奮した♡興奮したなら今すぐ私を襲っ・・・痛い痛い!!止めるニャ凱〜〜〜!頬を引っ張ったら痛いニャ〜〜〜〜〜〜!!」

「何度言ったら分かる黒歌!風呂に侵入するなと何時も言ってるだろ!!罰として今日は俺の膝の上に乗るのは禁止だ!」

黒歌

「そんな?!酷いニャ〜〜〜!凱〜〜〜謝るから其れだけは!其れだけは勘弁ニャ〜〜〜〜〜〜!!」

 

風呂から出るまで黒歌の謝罪は続いたのだった。

 

「まったく!今日は許すが今度やったら本当に禁止するからな。」

黒歌

「ごめんニャさい・・・あっ!忘れるところだった・・・お帰り凱♪」

「ああ。ただいま黒歌。」

 

着崩した着物に着え笑顔を向ける黒歌に私服に着替えた凱も”ただいま“の言葉と共に笑顔を返しながらリビングに入ると・・・

 

???

「お帰り〜私の可愛い凱♡マイナソーも無事に倒せたようで安心したよ。」

???

「あら!お帰り凱。今日の夕食はダーリンの大好物のお肉よ!」

???

「無事に戻ったな凱。早く夕食にしよう!拙者は腹ペコだ!」

「ただいまバンドーラ婆ちゃん。今日もラミイ姉さんの夕食は美味しいそうだ。てっ!グリフォーザー兄さん!涎垂れてる!」

 

嬉しそうに凱を抱き締め頬擦りしているのは、嘗て恐竜と共に繁栄していたダル族の女王であり凱の祖母に当たる魔女バンドーラ。

 

夕食を並べ旦那とラブラブオーラを出しているのは、バンドーラの元で女戦士として戦い現在はグリフォーザーの妻であり。凱の姉の様な存在でもあるラミイ。

 

ラミイとラブラブしながらも大好物を前に涎を垂らして独特の口調で話しているのは、ラミイと同じバンドーラの元でグリフォンの血を引く戦士として戦い。凱には戦士としても兄の様にも慕われているグリフォーザー。

 

凱の家族である3人が夕食のテーブルを囲み凱の帰りを待っていたのだ。

 

バンドーラ

「さあ〜凱も帰って来たことだし夕食にしようかね♪ほら!トットパット!ブックバック!早くお座り!グレイフィアも片付けは後で良いよ。」

トットパット・ブックバック

「「はい!バンドーラ様!」」

グレイフィア

「分かりましたバンドーラ様。直ぐに行きます。」

黒歌

「ほらほら〜♪凱も早く座るにゃ。」

「分かったから♪あんまり急かすなよ黒歌。」

 

家族団欒の食事。暖かく幸せで穏やかな時間になる・・・筈だった。

 

グレイフィア

「ちょっと良いかしら黒歌・・・何を当たり前の様に凱様の横に座っているのかしら!」

黒歌

「そんなの早い者勝ちにゃ♪凱の隣は今日は私が座るにゃ♪」

「喧嘩はやめろ2人共!黒歌は昨日隣だったろ。今日はグレイフィアが隣に座る番だ。」

 

凱は食事の時はバンドーラの隣に座るので必然的に凱の隣に座れるのは1人になり、其れを巡って時たまグレイフィアと黒歌の間で火花が散るが・・・

 

黒歌

「そ!そんにゃ〜〜〜〜!!(ガクッ)」

グレイフィア

「・・・やりました♪」

 

凱の問答無用の一言で今日は決着が付いた。

 

その後は全員が夕食を終え各々の時間を過ごす中・・・凱は自宅の地下室に向かっていた。

 

「俺だが入って良いか?」

???

「凱かい?おかえり。ちょうど休憩しようと思ってた所だ。入っておくれ。」

「ただいまプリプリカン。今日取り替えした秘石を持って来た。」

 

地下室にいたのは粘土細工が得意で凱が戦う為の装備の修理や滅んでしまった恐竜や恐竜戦士達の力を研究しており、バンドーラによく作品作りを邪魔せれて何時もプリプリしているレプラカーンのプリプリカンである。

 

プリプリカン

「ほう〜どれ今日の秘石はどの獣電竜の欠片だろうね?」

「俺が見た限りではフタバインの秘石だと思うんだが?」

プリプリカン

「う〜〜〜ん?ふ〜〜〜ん?おっ?おぉぉぉ!凱の見立て通りじゃなぁ〜!此れは間違いなくフタバインの秘石に間違い無い!」

「やっぱりか!良し!ガーディアンズの欠片も少しずつ集まって来た。この調子で集まって行けば良いんだが・・・」

 

フタバインの秘石をプリプリカンから受け取る凱。其れを見ていたプリプリカンは・・・

 

プリプリカン

「少し無理をしとらんか凱?いくらお前が強いとは言っても何れ・・・」

「心配しなくても大丈夫さプリプリカン。何も問題無い・・・(戦うのは俺1人で十分だ!)・・・さて!明日からまた学校だから今日は早めに休むよ。プリプリカンも偶には早めに寝ないと駄目だぞ!お休み。」

 

そう言って部屋に戻る凱の背中を見つめるプリプリカン。

 

プリプリカン

「凱は・・・あの子は確かに強い・・・じゃが。ワシの孫の様なお前さんが無理しているのを唯見ている事しか出来ないとは・・・年寄りながら悔しいのお〜。」

 

 

その目に映る凱の後ろ姿は・・・工場内でリアスが口にした言葉の様に・・・悲しみがのしかかっている様に見えた。

 

 




はい!第2話は如何でしたでしょうか?

あらすじの部分はキョウリュウジャーのDr.ウルシェードの予告での口調をイメージして書きました。

凱の家族にはジュウレンジャーのバンドーラ達を選びました。

悪役なんですがアットホームな雰囲気に息子を大切にしているバンドーラは憎めない存在が私の中であるので作中は味方として出しました。

今回は簡単に主役である凱の紹介を致します。

・桐竜 凱(きりゅう がい)

駒王学園に通う高校二年生。剣や銃を扱う卓越した技にグリフォーザー達との修業で鍛え上げられた肉体、更には優しく思い遣りがある中でも心には熱い情熱と正義を燃やすリーダーシップを持った一面もある。
リュウソウレッド以外の戦士の力も身に付けているが、その姿を見せるのは・・・まだ先である。

はい。今回の凱の紹介は以上です。此れから徐々に明かされて行きますのでお楽しみに。

では、また第3話ですお会いしましょう!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 ガブリンチョ!今こそ勇者の姿にキョウリュウチェンジ!!

はい!第3話になります。

毎回長いですが第3話を最後まで読んで頂ければ幸いです。

タグにキョウリュウジャーブレイブを追加しましたので宜しくお願い致します。

次回のリュウソウジャーで栄光の騎士であるリュウソウゴールドが登場しますね♪今から楽しみです。

では第3話をどうぞ!


前回のあらすじ

 

リュウソウレッドの正体は何と!リアス達が通う駒王学園の2年生桐竜 凱だった!

だが凱はマイナソーについて尋ねたリアスにきっびしい〜〜〜言葉だけを残しその場から立ち去ってしまった!

家族と共にいる時とリアス達の前での凱の違いにはどんな意味があるのか〜〜〜!

 

 

フタバインの秘石を取り込んでいたマイナソーを倒した翌日。

 

玄関先には駒王学園の制服に袖を通した凱と彼の鞄等を持ったグレイフィアがいた。

 

「トットパット達が何か情報を掴んだら連絡を頼むグレイフィア。」

グレイフィア

「畏まりました凱様。此方は本日のお弁当です。お飲み物は何時ものブラックコーヒーを入れております。」

「ありがとう。グレイフィアも家事で忙しい中で毎朝早くから俺の為に本当にすまないな。」

グレイフィア

「お気にならないで下さい。私のお弁当で凱様の喜ばれるお顔を見れて私は幸せです♡」

 

顔を赤くし恥じらうグレイフィアのお手製弁当を通学用の鞄に入れヘルメットを被った凱は、車庫からガイアトロンコンバーターで駆動するバイク型のマシン・・・ザウラーマシーン。其れの真紅のカラーリングが施された・・・ロードザウラー1に跨るとエンジンを入れ駒王学園に向かおうとした時。

 

黒歌

「待つにゃ凱!朝の行ってらっしゃいのキスがまだにゃ♡」

「また其れか。朝から巫山戯てないで今日はグレイフィアとの訓練をサボるなよ。サボったら・・・分かってるな!」

黒歌

「わ、分かったにゃ!今日はサボらないから!」

「それで良い。なら2人とも行って来る!」

 

玄関から飛び出して来た黒歌にサボらない様に釘を刺し彼女の頭を撫でた凱はエンジンを吹かせると朝の清々しい風を切りながら学園に向かってバイクを走らせた。

其れを笑顔で送り出すグレイフィアと項垂れてショックを受けながらも見送る黒歌。

 

黒歌

「駄目だったにゃ・・・何がいけないのにゃ!」

グレイフィア

「抜け駆けをしたバチが当たったのよ黒歌♪其れよりも凱様の言いつけ通り訓練をサボるのは許しませんよ。」

黒歌

「凱と約束したから今日はサボら無いにゃ・・・けど、さっき”バチが当たった“って言ったにゃグレイフィア!其方は凱にアピールしているのを全く気付かれて無いくせに!」

グレイフィア

「余計なお世話です!何れ凱様は私の想いに応えて下さる筈です♡其れよりも貴女は女じゃ無くペットとして見られていると思いますが!」

 

グレイフィアと黒歌。凱の前では多少喧嘩する程度だが・・・想い人である彼がいない時には彼を巡って喧嘩をする犬猿の仲である。

 

 

住宅街を抜け町の中央通りを走り学園の通学路の道に差し掛かると凱と同じ様に制服を着込んだ多くの生徒が通学している。

中には欠伸をし未だ眠そうにしている生徒もいれば気心知れた学友と和気藹々と談笑しながら歩いている生徒など様々であるが、その誰もがバイクに跨がり横を走り抜けて行く凱に目が行ってしまっている。

校門をくぐり学園指定の駐輪場にバイクを止め教室に向け歩き出す凱だが・・・凄い数の視線が彼に突き刺さっている。

 

女子生徒

「あっ!2年生の桐竜先輩だ♪今日もカッコいい♪」

男子生徒

「今日も颯爽とバイクで登校!イカしてるぜ!!」

女子生徒

「凱君こっち向いて♪ハッ!手を振ってくれた・・・朝から幸せ♡」

男子生徒

「クールな上にイケメン・・・羨ましい!俺も女子にあんな風に声を掛けられたい!」

 

バイク通学しているのが凱1人しかいないと言うのも注目を集めている要因であるが、同じ2年生の木場が爽やかで優しく接しやすいイケメンなのに対して凱は寡黙で落ち着いた男

だが決して口下手で人付き合いが悪い訳では無い。困っている人がいれば何も言わずに当たり前の様に助けお礼の言葉には”気にしなくて良い"と優しい一言と笑顔を返し、悩みを相談する人がいれば口は出さず黙ってその人の話を聞き溜まってしまっている辛さや鬱憤を受け止め助言をしたりなど。

学生とは思えない成熟した雰囲気と懐の深さ、更には多くを語らない紳士の様な性格から”学園のハードボイルド”と呼ばれている。

 

「朝から賑やかだな学園は。さて最初の授業は確か「あ、あの!桐竜君!少し宜しいですか?」ん?君は確か隣のクラスの。」

女子生徒

「は、はい!そうです。あ、あの・・・桐竜君!私と・・・私とお付き合いして下さい!」

男子生徒

「おお!今日も朝から出たぞ!桐竜に告白する女子が!」

 

男子人気No.1の木場と並び尚且つ大人の魅力がある凱は女子から告白される男子生徒No.1でありほぼ毎日の様に朝から昼まで更には定番の放課後に呼び出しての告白なども受けた事がある。

 

「ありがとう。俺の様な無愛想な男に好意を持ってくれて・・・だかすまない。俺は君の気持ちに応える事が出来ない。」

 

既に・・・凱の答えは決まっている。

 

女子生徒

「な、何故ですか?もしかして他に好きな人や既にお付き合いしている人がいるんですか?」

「そう言う関係の人はいない。だが俺には・・・俺には大切な約束があるんだ。その約束の為にも・・・君の気持ちに応える事が出来ないんだ。本当にすまない。」

女子生徒

「あ、謝らないで下さい!私の気持ちを伝えられただけで嬉しかったです。約束が叶う様に応援してますから頑張って下さい♪」

 

そう言うと女子生徒は凱に頭を下げて近くにいた学友の所に戻って行った。

 

桐生

「お〜今日も朝から告白されてるわね〜凱♪しっかし此れで何人目かしらあんたに告白して断られた女子は?」

「今の子で30人目だ。毎回申し訳ない気持ちになる・・・。」

桐生

「あんたが告白した子の気持ちを無下にせず優しく傷付けない様に断っているのは、さっきの子にも見ていた周りの私達にも伝わってるわよ。だからあんまり落ち込むんじゃ無いわよ(バシッ!)」

 

そう言って少し肩を落としている凱の背中に励ましの意味を込めた平手打ちをお見舞いする学園入学時からの友人である藍華と、其れを受け表情に少し痛みを浮かべながらも何時もの顔に戻る凱。

 

「ありがとう藍華。そう言ってもらえて気分が少し楽になった。」

桐生

「今度カラオケにでも付き合ってくれたらチャラにしてあげる。」

「分かったカラオケだな。その時は俺が奢る。」

桐生

「おっ!ラッキー♪忘れないでよ♪」

 

笑顔を浮かべ隣を歩く藍華と共に教室に向かう凱・・・今日も長い1日が始まる。

 

 

時間はあっという間に過ぎ現在は4時間目の授業が終了した後。

クラスメイト達は午前中の授業を終え待ちに待った昼休みの時間になり購買に昼食を買いに行く者もいれば、持参したお弁当を仲の良い友人と机を寄せ合って囲んでいる者など様々である。そんな中・・・凱の元には。

 

松田

「コッラァ凱!貴様また女子に告白されたそうだな!此れで何人目だ!俺達は告白されるどころか相手にもされないのに・・・しかも!」

元浜

「隣のクラスでNo.1に可愛い彼女に告白されただけでも恨めしい上に!あまつさえ彼女の告白を断ったとはどう言う事か説明して貰おうか!」

片瀬

「五月蝿いわよ変態2人組!桐竜君の申し訳ないと思う気持ちも理解して無いくせに馬鹿な事言ってんじゃ無いわよ!」

村山

「其れに桐竜君とあんた達を一緒にするんじゃ無いわよ!其れに頭の中は如何わしい事で一杯のあんた達と桐竜君とでは雲泥の差があるのよ!」

 

藍華と同じく入学時からのクラスメイトで更衣室などを覗いている為に”変態2人組”と呼ばれている松田と元浜が今朝の告白について問いただす横で、凱の告白を断っている理由を知っているクラスメイトであり良く覗きの被害に遭い毎回変態2人組を追い掛けている片瀬と村山の合計4人が凱の机を囲む様に集合し何時もの押し問答に発展していた。

 

藍華

「はぁ〜全く。凱!さっき先生が職員室に来る様にって!早く行かないと怒られるわよ。(片瀬と村山。其れに変態2人組は私が相手するから・・・あんたは別の場所でゆっくり昼休みを謳歌しなさいよ♪其れにあんたのお弁当を見たら変態共が発狂する。)」

「分かった直ぐに行く。(すまないな藍華。なら御言葉に甘えてゆっくりさせて貰う。)」

 

機転を効かせてくれた桐生に耳打ちで礼を言うと問答している4人をの横を気取られない様にすり抜けるとご飯に♡が描かれているグレイフィアのお弁当を持って教室を出た。

購買や学食は人が多い時間帯なので日当たりの良い中庭でお弁当を食べようと思い歩を進め階段に差し掛かった時。

 

リアス

「ハッ!あっ!!」

「危ない!」

 

上の踊り場で足を捻ったリアスが髪を揺らしながら階段から落ちそうになったのを抱き抱える様に受け止めた凱。

 

「咄嗟に抱き止めて仕舞ってすいませんでしたグレモリー先輩。大丈夫ですか?」

リアス

「ええ。ありがとう。貴方は・・・確か?」

「2年生の桐生 凱です。グレモリー先輩が怪我をしない様に受け止めましたが何処か怪我はしていませんか?

リアス

「ありがとう大丈夫よ。私は用があるから失礼す、痛っ!」

「見せて下さい・・・腫れが酷い。足を捻っているから直ぐ治療のために保健室に連れて行きますの失礼します。」

リアス

「えっ?ちょっと一体何を?キャ!」

 

腫れた部分を冷やすために急いで保健室に向かう為にリアスをお姫様抱っこして階段を駆け下りる凱と、突然お姫様抱っこされた事に驚いたリアスも凱がしっかり掴んでいるとは言え振り落とされない様に彼の首に腕を回しその身を預けるのであった。

 

「此れで大丈夫です。腫れが引くまでは氷は患部から離さず、捻った足には体重をかけないで下さい。」

リアス

「手当までしてくれてありがとう桐生君。貴方があの場に居てくれて助かったわ・・・正直、痛みが酷くて。」

「気にしないで下さい。慣れていますし俺がグレモリー先輩を勝手に助けただけですから。」

 

誰も居ない保健室の中・・・保険医の先生の机の横にある椅子で捻った患部に氷は当て包帯を巻いて貰った箇所を撫でるリアスと、治療の為に上着を脱ぎ氷を出した製氷機を備え付けの冷蔵庫に戻し手を洗う凱。

 

リアス

「・・・・・ん?此れは・・・綺麗。」

 

凱の背中を見つめていたリアスは彼の脱いだ上着の上に置かれていた琥珀色のペンダントが気になってしまい手に取って見ようと手を伸ばすが・・・

 

「其れに触らないで下さい!!其れは・・・父の形見・・・ですので。」

リアス

「ご、ごめんなさい!お父さんの形見とは知らずに・・・」

 

声を荒げた凱の言葉に伸ばした手を急いで戻すリアス。

片付けを終えた凱がペンダントを掛け直し上着を羽織ると昼休み終了5分前のチャイムが鳴り、保健室の外に見える中庭から複数の生徒が教室に戻っているのが目に入ったので凱も教室に戻ろうとする。

 

リアス

「桐竜君!本当にごめんなさい。貴方の大切な物に勝手に触れようとしてしまって・・・」

「後少ししたら保険医の先生が戻って来る筈ですので・・・俺は失礼します・・・どうかお大事に。」

リアス

「あっ・・・本当に悪い事をしてしまったわ・・・」

 

保健室に1人残ったリアスは立ち去る凱に薄暗い室内のような罪悪感を抱いてしまった。

 

 

午後の授業を終えた凱は今現在・・・

 

「はあぁぁぁ〜〜〜!めえぇぇぇーーーん!!」

審判

「面有り!」

「ありがとうございました!」

女子生徒達

「「「キャーーー♪桐竜君カッコいい!」」」

 

学園内にある剣道場で剣道部員達と共に鍛錬で汗を流していた。

凱は家の都合と称して帰宅部だが小・中学校では剣道の全国大会に出場し優勝する程の腕前を持つ実力者である為、時々男女両方の剣道部に顔を出し友好を深めながら部員達の稽古の為に毎回打ち合いに参加している。

 

片瀬

「今日も来てくれてありがとう桐竜君♪」

村山

「桐竜君が来てから部活に張りが出てきたよ!」

「お礼を言うのは俺の方さ。最近まともに剣道をやってないから此処での稽古は毎回が楽しいよ。さて・・・俺はそろそろ帰るよ。また明日。片瀬。村山。」

 

帰り支度をして剣道部の中で1番気心知れている片瀬と村山に挨拶をして剣道場を出る凱。

夕日は既に沈み星が光り始めている夜空を背景に駐輪場に到着した時リュウソウチェンジャーから通信音が鳴った。

 

グレイフィア

『凱様。情報収集に出ていたトットパットがマイナソーになる可能性があるはぐれ悪魔を発見したと連絡がありました。如何いたしますか?』

「場所とはぐれ悪魔の情報を教えてくれグレイフィア。俺が直ぐに向かう!」

グレイフィア

『分かりました。念の為に私と黒歌も向かいしましょうか?』

「いや問題無い。何かあれば此方から連絡するから待機していてくれ。」

グレイフィア

『分かりました。お気をつけ下さい凱様。』

 

凱は通信を切ると急いでロードザウラー1のエンジンを全開にしグレイフィアから教えられた場所に向け走り出した。

バイクを走らせること数分後。到着したのは・・・窓ガラスは割れ、真っ白だった外壁には年数を経た汚れやツタが生い茂り、特徴的である色鮮やかなステンドグラスは所々くすんでしまっている町外れにある教会だった。

 

「此処か・・・ん?既に誰かが入って行った跡があるな。まさか!」

 

いやな予感がした凱が急いで2階の窓から入り1階の様子を伺うと其処には情報にあったはぐれ悪魔のバイザーと戦っているリアス達の姿だった。

 

「やはりグレモリー先輩達だったか。あの怪我で無茶だ・・・だが、闇雲に出て昨日の様な事になれば面倒だ。あのはぐれ悪魔は今の所は変化は見られない・・・暫く様子を見るべきか?」

 

マイナソーになる気配を見せないため暫し様子を見るべきかと凱が悩んでいると・・・

 

バイザー

「ああん♪力が溢れてくる〜〜〜♡止まらない!止まらない!力が・・・力が♪体から溢れて止まらないわ〜〜〜〜♡アッハハハ!アッハハハ!!」

木場

「くっ!闇雲な攻撃なのに近付くことが出来ない!」

小猫

「どうしますか部長?」

朱乃

「普通のはぐれ悪魔より強い・・・まさか部長。このバイザーも昨日の彼が言ってたマイナソーに!」

リアス

「例えそうだとしても・・・いえ、マイナソーになっているならこのまま見過ごす事は出来ないわ!彼が来ない以上は尚更私達で倒すしか無・・・3人共!避けなさ、痛っ!」

 

リアスがバイザーに背中を見せている3人に攻撃が来る事を咄嗟に伝え回避しようと足に力を入れるが、朱乃の魔力治癒で痛みを誤魔化していても捻った怪我が完全に治った訳でない為に3人が攻撃を回避する中リアスだけ倒れ込んでしまった。

 

木場・小猫

「「部長!!」」

朱乃

「リアス!!」

バイザー

「アッハハハ!溶けてしまえ〜〜〜!!キッヒヒヒ!」

「ハアァァァッ!!カタソウル!」

 

壁などあらゆる物を溶かしてしまうバイザーから発射される魔力を帯びた攻撃がリアス目掛けて放たれた瞬間、凱はリアスを抱き締める様に自分ごとローブで覆い隠すとナイトモード状態のカタソウルをリュウソウケンにセットした。

 

『カタソウル!ガッチーン!』

 

騎士竜カタソウリュウの力が解放されローブが鋼鉄を上回る超硬度を持ちバイザーの攻撃を防ぐ中、凱に抱き抱えられているリアスは先程までの戦いよりも目の前に男の首筋にある別の物に驚愕していた。

 

リアス

「(何故!リュウソウレッドが此れを!まさか彼の正体は!)」

 

リュウソウレッドの正体を知らないリアスの目に飛び込んで来たもの・・・其れは忘れもしない。何故なら其れを見たのは今日の昼休みの保健室・・・自分を助けてくれた存在である凱が父親の形見だと言っていたペンダントだったのだから。

 

「この力・・・間違いない!完全にマイナソーになっている!死にたくないのなら下がれお前達は!」

リアス

「待って!貴方は!貴方はもしかして!」

バイザー

「あら〜いい男の匂い♡貴方も私が・・・溶かしてあげるわ♡アッハハハ!!」

「下がれと言っている!!早くこの女を連れて下がれ戦いの邪魔だ!」

 

慌ててリアスに駆け寄る3人。

 

朱乃

「リアス早く!私達ではマイナソーには歯が立たないわ!」

木場

「ここに居ても彼が言う通り邪魔になるだけです部長!」

小猫

「其れに足の怪我も未だ完治していないのに無茶は駄目です!」

リアス

「離して朱乃!祐斗も小猫も!彼は・・・彼は!!」

 

朱乃がその場を動かず話し掛ようとしているリアスを強引に連れ物陰に姿を隠したのを確認した凱は太もものホルスターから昨日リアス達に威嚇射撃した時に使用したガブリボルバーと、ディノチェイサーとは違う赤がトレードカラーの1とナンバリングされた獣電池・・・獣電竜ガブティラの獣電池に絶望を乗り越え覆す人間の力・・・魂を込める言葉を叫ぶ!

 

「ブレイブイン!!」

 

その瞬間に獣電池に魂・・・ブレイブが込められ獣電竜の力が輝きを放つ。

 

『ガブリンチョ!ガブティ〜ラ!!』

 

獣電池をセットしたガブリボルバーを顔の横に構えると・・・強き竜の者になる為の掛け声と共にシリンダーを勢いよく回転させた。

 

「キョウリュウチェンジ!」

 

するとガブリボルバーからサンバの軽快でリズニカルなメロディーが鳴り響き其れに合わせて凱がステップを踏みながら踊り最後に一回転し頭上に掲げたガブリボルバーの引き金を力強く引いた瞬間!

 

「ファイヤー!!」

 

ティラノサウルス種であるガブティラの赤いキョウリュウスピリットが凱の周囲を周りながら背後から噛み付いた。

すると黄色い胸部分にパートナー獣電竜のエンブレムが浮かび上がり、肩パットと合わせたシンボルマークが刻まれたキョウリュウスピリットのスーツを身に纏った。

最後にパートナー獣電竜の頭部を模したマスクを装着した凱は勇ましく名乗りを上げる!

 

朱乃

「この間と姿が違う!」

「聞いて驚け!牙の勇者!!キョウリュウレッド!」

 

勇者としての名乗りを上げた凱は続け様に右手を地面に打ち付けながら人差し指を立てるように頭上突き上げた後、親指を突き立てる様に胸元に持って行き更に叫ぶ!!

 

竜の道を行き!竜の道を進む!ブレイブな戦隊の名を!

 

「史上最強のブレイブ!獣電戦隊・・・キョウリュウジャー!!」

木場

「ブレイブ・・・勇気・勇敢を意味する言葉。」

小猫

「・・・勇者。」

 

熱きブレイブが爆発となって炸裂する!今ここに史上最強のブレイブチームのリーダーが誕生した!この強さ・・・見て!そして!!聞いて驚け〜〜〜〜〜〜!!!

 

「荒れるぜぇ〜〜〜止めてみな!!」

バイザー

「キャッハッハッハッ!アッハハハ!本当に美味しそうな男♡溶かすなんて勿体無いから・・・私が食べてあげるわ〜〜〜♪」

 

自分に駆け寄ってくる凱を喰らおうと先程まで美しく女体の姿をしていたバイザーの下半身が巨大な体に変化したかと思うと、その腹の部分が開き無数の牙を生やした口が開き凱を噛み砕かんと迫って来る。

凱は腰のベルト中央にあるボタンを押し獣電池が収納されている・・・獣電モバックルから新たな1番の獣電池を取り出すと、ガブリボルバーの2つのスロットの上部にセットした。

 

『ガブリンチョ!ガブティ〜ラ!ガブティ〜ラ!』

 

頭部カバー開き再び閉じたガブリボルバーのシリンダー部を右腕に這わせる様に滑らせると・・・

 

『メッチャムーチョ!ハッハッハッハッハッ!』

 

「アームド・オン!」

 

シリンダーを這わせた右腕を覆う様に恐竜の背びれを模した銀色の追加装甲とガブティラの頭部を模したナックル状の獣電アームズ・・・ガブティラファングが現れた。

 

「必殺!ガブティラ岩烈パァァァンチーーー!!」

リアス

「一撃で!バイザーを吹き飛ばした!」

 

ガブティラファングで自身よりも数倍巨大化し鋭い牙を生やし素早いスピードで向かって来るバイザーの腹に強烈無比な一撃を叩き込み教会の十字架がある祭壇部まで殴り飛ばす凱。

たった一撃喰らっただけでバイザーの牙は折れ巨大化した体は傷だらけではあるが元の女体の姿に戻りはしたが・・・バイザー自身は。

 

バイザー

「食べたい・・・もっと!もっと!もっと!美味しい人間を食べたい♡足りない足りない足りない足りない!!ゲッヒャヒャヒャ?!もっと・・・人間をーーーーー!!アッハハハ♪アッハハハ♪」

 

マシナソーの力に飲み込まれ己の欲望で完全に狂ってしまっていた。

変わり果ててしまったバイザーを辛い表情で見ていた凱は、再び新たな1番獣電池を取り出しアームド・オンに使用した獣電池と入れ替えシリンダーを回しガブリボルバーの銃口を彼女に向けた。

 

『ガブリンチョ!!ガブティ〜ラ!ガブティ〜ラ!ハッハッハッハッハッ!』

 

「すまない。俺には君を元に戻す事が出来ない。俺に出来るのはマイナソーの呪縛から君を解き放つ事だけ・・・だからせめて!安らかに眠ってくれ。獣電ブレイブフィニッシュ!」

 

『バモラ!ムーチョ!ガブ!ガブ〜〜〜!!』

 

獣電池2本分のキョウリュウスピリットを合わせた超強力なガブティラの頭部形状の必殺光弾がバイザーを飲み込み光の中に彼女の魂を解放した。

マイナソーに呑まれてしまった者は己の欲望を抑えることが出来ず心と体を蝕まれて行ってしまう。嘗て人間だった彼女を解放する方法は命を断つ事でしか救う事が出来ないが、其れでも未だ意識がある命の鼓動を止める事が辛い凱・・・そんな彼に光の中から優しい声音が聞こえてきた。

 

バイザー

「ありがとう・・・優しい勇者さん♡貴方のおかげで人としての心を取り戻せた。本当にありがとう♪」

「そうか・・・君を救えて良かった。」

バイザー

「ふふっ♪此れは貴方の仲間の欠片でしょう?貴方に返しておくわね♡」

「・・・ありがとう。」

 

はぐれ悪魔になり最終的マイナソーになってしまった彼女の心だけでも救う事が出来たのが凱にとっての救いになった。

空に昇って行く金色の光達を最後まで見送った凱の手元には獣電竜ディノスグランダーの秘石が握られていた。

 

 

「・・・此処での役割を果たした。」

 

秘石を握り締め踵を返し自宅に戻ろうとした時・・・

 

リアス

「待ってちょうだい!貴方は桐竜・・・桐竜 凱君よね!」

 

背後からリアスに声を掛けられ立ち止まる凱。

 

「違う・・・俺は。キョウリュウレッドだ。」

 

凱はバックルから白ベースのNo.26番の獣電池・・・フワニクト獣電池をガブリボルバーにセットしトリガーを引いた。

 

『ガブリンチョ!ガブティ〜ラ!フワ〜ニクト!』

 

『バモラ!ムーチョ!ガブ!フワ〜〜〜!』

 

獣電竜フワニクトの力で空中浮遊の能力を身に纏った凱は何も語らず2階の窓から飛び去ってしまった。

 

リアス

「待って!待ってちょうだい桐竜君!」

 

凱が消えて行った空に伸ばしたリアスの手は何も掴む事が出来ず、虚空を掴むばかりであった。

 

 




はい!第3話は如何でしたか?

今回はジュウレンジャーからティラノレンジャーことゲキのバイクのロードザウラー1、キョウリュウジャーからはキョウリュウレッドを、キョウリュウジャーブレイブからは新ガーディアンズ獣電池のフワニクトを、リュウソウジャーからはカタソウルを出しました。

毎回少しずつですが戦隊要素を出していきます。

凱のペンダントはキョウリュウレッドのダイゴが持っていた琥珀のペンダントと同じ物です。

オリジナル設定&展開として駒王学園をバイク通学可能にし、バイザーを本当は良い悪魔で人間だったという展開にしました。

では次回!第4話にてお会いしましょう!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 新たな出会い!家族との新たな絆!

はい!第4話です!

沢山のコメント本当にありがとうございます!皆様のコメントが私の励みになっております!

コメントの質問でもお答えしましたが、一誠不在の作品ですがドライグは登場しますので、よろしくお願い致します。

では!第4話をどうぞ!


前回のあらすじ

 

学園でもリアスを助けた凱。しかし〜〜〜!保健室の一件で2人の仲は最悪になってしまった!

グレイフィアからの連絡で夜の教会に向かった凱はキョウリュウレッドへと変身しマイナソーとなったバイザーを倒し彼女の心を解き放ち新たなガーディアンズの秘石を手にするが・・・リアスに正体を言い当てられてしまった凱は冷たい言葉だけを残しその場を去ってしまった!

 

「俺のミスだ。保健室で見られていたのに外さなかった・・・外せなかった俺の・・・」

 

バイザーと戦った教会から少し離れた公園のベンチに座り形見のペンダントに触れながら顔を伏せている凱。

一度見られてしまっているのだから冷静に考えれば、予期せぬ事態を考慮し彼女達と接触する可能性がある場合は外す若しくは接触そのものを避けるなどの対策を取るべきだったが・・・尊敬する父の形見を外す事も命を落としそうになっているリアスを見捨てる事も凱には出来なかった。

 

「だが・・・いや!俺の正体は教えるわけにはいかない。此の戦いは俺の・・・俺だけで全うすべき使命だ!グレモリー先輩達だけじゃ無い・・・誰も巻き込む訳にはいかな(ガサッ!)誰だ!其処にいるのは分かっている・・・出て来い!」

 

正体を誤魔化す為とは言えリアスに罵声に近い言葉を浴びせてしまった後悔と使命との間で差異悩む中・・・近くの茂みから聞こえてきた物音と気配に反応した凱は握り締めていた手で素早くガブリボルバーを引き抜くと、銃口を向け茂みの中にいる存在に出て来るように声を掛けた。

 

すると・・・茂みから1人の女性が出て来た。

 

???

「・・・う、うっ(ドッサ!)」

「大丈夫か!しっかりしろ!酷い怪我だ・・・俺が分かるか?俺は桐竜 凱・・・君は?」

???

「わ、私は・・・レ、レイナーレ。お願い・・・彼女を・・・仲間を・・・助け、て(ガック)」

「おい!しっかりしろ!兎に角、今は彼女の手当てを!」

 

疲労と極度の緊張状態にあったのか最後まで言葉を続けられず意識を失ってしまったレイナーレ。

彼女の全身は至る所に擦過傷があり頭からは出血も見られていたが命に関わる程の致命傷は無い様だか衰弱が酷いと判断した凱は、彼女を自身が身に付けていたローブで優しく包み込むと落ちないよう支えながらバイクを走らせ自宅に急ぐのであった。

 

 

その頃。教会から旧校舎にあるオカルト研究部の部室に戻っていたリアス達は・・・

 

朱乃

「大丈夫リアス?少しは落ち着いた?」

リアス

「大丈夫・・・ありがとう朱乃。取り乱してごめんなさい。」

 

朱乃が何時も淹れてくれる紅茶を飲み僅かにだが冷静さを取り戻したリアスは、副部長としてでは無く友人として心配しくれている朱乃にお礼と謝罪の言葉を伝え持っていたティーカップをテーブルに置いた。

 

小猫

「部長。さっき言ってましたが・・・本当なんですか?キョウリュウレッドの正体が桐竜先輩だと言うのは?」

リアス

「確信がある訳じゃないわ。でも・・・今日の昼休みに保健室で見た彼のペンダント・・・それを助けて貰った時に見たわ。彼の・・・キョウリュウレッドの首筋に・・・」

木場

「ですがとても同一人物とは思えません。僕は桐竜君と剣道場で何度か手合わせし話もした事がありますが・・・彼の言葉には厳しさこそあれど悪意などは全くありません。さっきの罵声の様な言葉を彼が使うとは思えません。」

 

凱の人となりを話し竹刀を交える事で知っている木場は罵声中傷に近い言動を取っていたキョウリュウレッドが彼では無いと否定する。

 

小猫

「私も桐竜先輩とは少ししか話をした事がありませんが先輩は優しい人です。あんな乱暴な事を言う人は先輩じゃないと・・・思いますし・・・思いたくないです・・・」

 

小猫も以前に凱と話した事があるが故にキョウリュウレッドの正体が彼だと信じたくないと発言するが、確証がない為にその言葉にはあまりハッキリせず不安が表情となって顔に現れてしまっていた。

 

リアス

「祐斗と小猫の言いたい事は分かるは。ほんの少し助けて貰った時に話しただけで彼が優しくて心の広い存在だと私にも分かったわ・・・でも同時に、彼は自分の心を押し殺して本心を隠している様にも見えたわ。」

朱乃

「リアスが言いたい事・・・何と無く分かるわ。(一度彼を見たけど・・・あの時の表情似てるわ・・・私に。)ん?連絡・・・一体誰が?」

 

心の中に陰りがある朱乃にはリアスが言いたい言葉の意味が分かり、己の過去を思い出し少し表情が暗くなってしまっていたが、其処に大公からの急な連絡が来た。

 

朱乃

「部長。大公からの緊急連絡です。この駒王町に数名の堕天使と正体不明の存在が進入している可能性があるとのことで調査依頼が来ました。」

リアス

「分かったわ・・・リュウソウレッドやキョウリュウレッド其れに桐竜君にマイナソーの事は大公からの依頼を終えてから考えましょう。もし調査中にマイナソーやリュウソウレッド達と接触したらなるべく話し合いができる様に交渉しましょう!」

朱乃・木場・小猫

「「「はい。部長!」」」

 

話を纏めたリアス達は今日は解散し戦いの疲れを取る為に其々の自宅に戻るのであった。

 

 

次の日・・・

 

レイナーレ

「・・・うっ・・・此処は一体?私は確か・・・昨日・・・何をして?」

 

カーテンの隙間から射し込んでくる朝日が目元に当たり眩しさから数回瞬きをしながら覚ますレイナーレ。

見慣れない天井に疑問を持ち顔を少し動かすと白い壁紙と無数に並べられた本棚に、整理整頓され綺麗に整えられたテーブルと椅子に自信が今横になっている大きいベッドのベッドカバーが目に入って来た。

痛みが走る中で額に置かれたらタオルを取り体を起こすと全身に丁寧に巻かれた包帯の上から見覚えの無いパジャマを着ている事が目に入り、レイナーレが疑問を抱きながら部屋の中を見渡していると部屋のドアが開き洗面器を持った凱が入って来た。

 

「目を覚ましたみたいだな。痛みはあるか?体が動かないや違和感があったりはしないか?」

レイナーレ

「人間!一体何が目的で私を(ズッキ)痛っ!」

「危ない!(ガッシャ!)大丈夫か?昨日の夜に公園で助けた時から酷い怪我と衰弱で体が悲鳴を上げているんだ。其れに少し熱もあるから無理はするな。」

レイナーレ

「昨日?夜の公園・・・ハッ!こんな所で無駄な時間を過ごしてる時間なんて無いわ!早く行かなきゃ!早、痛っ!!」

「落ち着け!!先ずは傷の治療が先だ!」

 

警戒心を抱いたレイナーレが光力の槍を投げようとしたが痛みに顔を歪ませバランスを崩しベッドから落ちそうになるのを、持っていた洗面器を投げ捨て彼女と床との間に体を滑り込ませ受け止める。

レイナーレに出会い意識を失った後の事と自身の体の現状を彼女を休ませる為に再びベッドに寝かしながら説明していると、助けられる前に起きた事を思い出し焦って跳び起き痛みがある中でも出て行こうとする彼女に声を張り上げ厳しい言葉で言い聞かせる凱。

 

レイナーレ

「でも行かないと!私の・・・私の大切な仲間を!彼女を・・・助けないと!」

「その体では無茶だ!俺が助ける!だから今は休め!」

レイナーレ

「唯の人間である貴方に何が出来るのよ!其れに此れは私の問題なの!其れなのに何で・・・何で関係無い貴方が関わろうとするのよ!!」

「君を助けると俺が決めた!!其れ以外の理由は無いし必要無い!!」

レイナーレ

「えっ?」

 

嘘偽りの無い真っ直ぐで力強い瞳で告げられた理由・・・今まで様々な堕天使達に利用され蔑まれて来た彼女にとって、凱の”純粋に助けたい“と言う姿勢は今まで共に支え合って来た仲間達に感じていた”信頼“とは違う別の物を感じさせた。

だが自身の心境の変化や感じた感覚の答えが分からないレイナーレは首を傾げながら此方を見詰めている凱から目を離せずにいると・・・

 

グレイフィア

「凱様。大丈夫ですか?物音がしたので様子を見に・・・来ま!!が、凱様!な、な、何故そのような状況になっていらっしゃるのですか!」

 

洗面器を落とした音を聞きつけ様子を見に来たグレイフィアは向き合い顔を突き合わせている2人の状況を目の当たりにし、キスをしょうとしているのでは勘違いし軽くパニックになってしまった。

 

「彼女が焦って出て行こうとするのを説得していたんだが顔を近づけ過ぎた。グレイフィアすまないが新たらしい氷水と・・・食欲はあるか?「少しなら。」お粥を温めて来てくれ。」

グレイフィア

「分かりました。(私の勘違いで安心しました♪)直ぐにお持ちしますので少々お待ち下さい。」

 

内心ホッと胸をなでおろしたグレイフィアは顔を少し綻ばせながらキッチンに向かう為に階段を降りて行った。

その光景を見ていたレイナーレは冷静になり疑問に思っていた事を凱に尋ねた。

 

レイナーレ

「聞いて良いかしら・・・貴方は人間でしょ?何で私を助けようと思ったの?それに私を・・・堕天使である私を見て何とも思わないの?異形の存在は普通考えて拒絶したり蔑む筈よ・・・なのに何で?」

「昨日の夜に君に出会った時に君は傷付き意識を失いながらも俺を見て自分では無く仲間を助けてと言った。仲間の為に自分が傷付く事をいとわない強い意志・・・俺は其れを感じたから君を助けるようと決めた。仲間を助けたい気持ちは俺にも分かる・・・そして俺にとって種族の違いは関係無い。人間も堕天使も此の地球に生きる命・・・其れに分け隔てなんて無い。少なくとも俺は堕天使を・・・君を・・・レイナーレを拒んだりは決してしない!」

レイナーレ

「(な、何この感覚!胸が温かくなってくる・・・不思議な気持ち・・・)」

 

レイナーレが胸に手を当てると心臓は早鐘を打ちドックン!ドックン!と高鳴っていた。すると・・・

 

グレイフィア

「お待たせしました凱様。氷水とお粥を持ってまいりました。」

「ありがとうグレイフィア。レイナーレ先ずは食事から・・・レイナーレ?レイナーレ!「ハッ!な、何!」お粥が来たから食べてからもう一度休もう。詳しい話や今後の事は起きてからだ。」

レイナーレ

「わ、分かったわ!ありがとう。えっと・・・貴方の名前は確か?」

「昨日は朦朧としていたからな。改めて・・・俺は桐竜 凱。気軽に凱と呼んでくれ。こっちは家事などを担当し日頃から頼りにしているグレイフィアだ。」

グレイフィア

「お褒め頂きありがとうございます凱様♡ご挨拶が遅れました。私はこの家でメイドとして凱様にお仕えしておりますグレイフィアと申します。以後お見知り置き下さい。」

レイナーレ

「改めて・・・私は堕天使レイナーレ。少しの間お世話になるわね凱♪」

 

そう言って少し笑顔を見せたレイナーレは前以て作っていたグレイフィアお手製のお粥を食べた後に彼女に着替えと包帯を巻き直して貰った後に暫し凱と雑談をしている際に睡魔に襲われそのまま静かに眠りに就いた。

規則正しい静かな彼女の寝息を確認した凱が起こさないように部屋を出ると外で待機していたグレイフィアが声をかけて来た。

 

グレイフィア

「凱様。彼女は?」

「肉体だけじゃなく精神的にも疲労が溜まってみたいだ。食事を終えて少し話したら眠ってしまったよ。其れよりもグレイフィア実は『承知しております。」ん?」

グレイフィア

「既に学園には暫く休まれることの連絡を、トットパットとブックバックには町で怪しい人物や場所の調査に出て貰い、黒歌も仙術を使い堕天使などの気配を探っています。私も可能な限り調査を致します。」

「流石だなグレイフィア。「恐れ入ります♡」良し!俺も町に何か変わった事が起きて無いか見回って来る。何かあれば連絡を、其れと目が覚めた時にはレイナーレの事を頼む。」

グレイフィア

「はい。受けたわまりました凱様。どうかお気を付けて。」

 

グレイフィアに見送れて家を出た凱はロードザウラー1を走らせ町の見回りに出掛けた。

 

 

時間が経過する事・・・数時間後、辺りはすっかり真っ暗になり夜の20時を過ぎようとしていた。

自宅には既に今日の調査を終え戻って来ているトットパットにブックバック更には黒歌とグレイフィア、そしてバンドーラ・ラミイ・グリフォーザーに滅多に地下室から出てこないプリプリカン。

そして体調が多少回復したレイナーレを含む全員が凱の帰りが遅いのを心配していた。

 

バンドーラ

「あぁ〜〜〜遅いね〜〜〜ハッ!まさか凱の身に何か!!」

ラミイ

「落ち着いて下さいバンドーラ様!凱ならきっと大丈夫ですよ「そうは言っても私の可愛い凱に何かあったらと思うと心配で心配で!」其れは私も同じです!ダーリン凱は大丈夫だよね?」

グリフォーザー

「凱は拙者達に匹敵する程の実力を持っているのである・・・易々とやられる戦士では無い。心配無用だ!」

プリプリカン

「そう言っとる割にはさっきから翼が震えとるぞグリフォーザー。」

トットパット

「何時もならとっくにお戻りになるというのに!凱御坊ちゃま。」

ブックバック

「凱。遅くなる時は連絡をするのに〜〜〜今日はぜんぜん来ない!」

 

家族として長い間一緒に過ごして来たバンドーラ達は心配のあまり頭に手を置いて唸ったり、リビングを行ったり来たりとして落ち着かない様子で凱の帰りを待っている中・・・

 

レイナーレ

「凱・・・大丈夫かしら?もしかして・・・」

グレイフィア

「心配しなくても大丈夫よレイナーレ。凱様ならきっと直ぐに戻って来るわ。」

黒歌

「そうにゃ♪心配いらにゃいわよ。私は凱の事なら何でも分かってるから心配なんてこれっぽっちもしてないにゃ♪」

レイナーレ

「尻尾が立ってるわよ黒歌♪「にゃにゃ!」ふふっ♪2人が凱の事を信頼しているのは分かるわ・・・でも「ただいま。」ハッ!凱お帰り・・・えっ?う、嘘!」

「ただいまレイナーレ。取り敢えず助けて来たよ君の・・・仲間を。」

 

グレイフィアと黒歌に気を許せる間柄になったレイナーレは玄関にいる人物に驚きを禁じ得ずにいた。何故なら玄関にいた人物は・・・

 

???

「レ、レイナーレ様!よくご無事で!」

レイナーレ

「カ、カラワーナ!!」

 

仲間の1人でありネイビー色のロングヘアーが特徴のカラワーナが凱に支えられながらも怪我1つない姿で無事でいた。その事に涙を流しながらも笑みを浮かべて彼女に抱き付くレイナーレ。

 

レイナーレ

「カラワーナ良かった!「ご心配をお掛けしました。」貴女が無事で本当に嬉しいわ♪凱!本当にあり、ん?」

「その言葉は最後まで取って置いてくれ。「分かったわ・・・ならその時まで取っておくわ♪」そうしてくれ。」

 

レイナーレの前で手をかざして言葉を止める凱の”今はまだその時じゃない“と言う意図を理解した彼女も言おうとした言葉をしまい頷いた。

 

バンドーラ

「凱〜〜〜!!本当に心配したんだよ!もし凱の身に何かあったら私は〜〜〜〜〜〜!!」

「ちょっ!バンドーラ婆ちゃん!何も其処まで!「凱!心配したにゃ〜!」グッは!こら黒歌!飛び付くなといつも言ってるだろ!!」

カラワーナ

「とても賑やかですね凱のご家族の方は♪」

レイナーレ

「そうね♪私も僅かしか話していないけどそう思うわ♪」

グレイフィア

「落ち着いて下さいバンドーラ様!レイナーレは彼女をお風呂に「分かったわ。」黒歌は凱様から離れなさい!「嫌にゃ〜凱ともっとくっ付くにゃ!」いい加減にしなさい!抜け駆けは許さないと言ったはずです!」

 

バンドーラに黒歌の登場で玄関先はちょっとした大混乱状態になっている中で浴室に案内されたカラワーナが汗や汚れを洗い流した後に彼女を含めた全員で食事を終えた後に彼女からの説明が始まった。

 

カラワーナ

「凱に助けられたのは本当に偶然でした。時間的には・・・丁度1時間前になります・・・」

 

 

時間は少し遡り夜空に星が輝き出した午後19時頃・・・1人ロードザウラー1で町中を走り回っていた凱は辺りが大分暗くなって来ているので時間的に此処で切り上げて帰宅しようと方向を変え、暫く走り自宅がある地区の住宅街に差し掛かった時に異変を感じ取りバイクを急停止させた。

 

「何だこの感じ・・・住宅街なのに静か過ぎる。何かが起きている筈だ・・・「ガハッ!」其方か!」

 

少し離れた所から女性の苦しそうな呻き声が聞こえ走り出す凱・・・その声が聞こえた場所に着くと近くの街灯に寄りかかる様にして倒れていたカラワーナを見つけた。

 

カラワーナ

「誰だ!に、人間か・・・悪い事は言わない直ぐに此処から離れろ!」

「大丈夫だ。俺は桐竜 凱。貴女はもしかして彼女の・・・レイナーレの仲間じゃないか?」

カラワーナ

「何!レイナーレ様の事を知っているのか桐竜!」

「彼女なら今は俺の自宅で休んでいる。其れより誰に襲われた?敵は何処にい「ドルン!」ハッ!此奴ら!」

 

凱が振り返ると槍と市町模様の盾を装備したマイナソーを生み出す組織の兵士であるドルン兵が無数にいた。

 

カラワーナ

「逃げろ桐竜!此奴らの狙いは私だ!私を置いて逃げろ!「ドルン!!」ハッ!・・・ん?」

「そんな事は決してしない!此奴らを倒す事が俺の使命であり・・・目の前で失われる命を俺は絶対に見捨てない!其れこそが俺の誇りであり・・・進むと誓った竜の道!レイナーレに必ず仲間を助けると約束した・・・だから貴女を必ず守る!リュウソウチェンジ!」

 

『ケボーーーン!』

 

カラワーナ

「(何って真っ直ぐな目だ。今まで男に興味が無かった私だが・・・こんな感情を抱くとは)桐竜・・・いや・・・凱♡」

 

カラワーナに向けて突き付けられた槍を片手で掴み投げ飛ばす凱の勇姿と生き様に彼女は心奪われてしまった。

 

『リュウSO COOL!』

 

「悪いが最速で片付ける!ハヤソウル!」

 

『ハヤソウルー!!リュウ!そう!そう!そう!この感じ!!ハヤソウルー!』

 

『それ!それ!それ!それ!その調子!!剣ボーン!!ビューンッ!!』

 

リュウソウレッドになりホルスターから引き抜き変形させたハヤソウルのナイトモードをリュウソウケンにセットし騎士竜ハヤソウリュウの力を竜装した凱は、一気に必殺技を発動させ目にも留まらぬ速さ・・・正に迅速両断(しんそくりょうだん)と言わんばかりのスピードで無数にいたドルン兵をあっという間に倒してしまった。

 

「フッ!大丈夫か?立てるか?」

カラワーナ

「大丈夫、アッ!「無理するな。俺に体を預けてくれて大丈夫だ。」す、すまない!(わっ!凱の顔がこんな近くに!駄目だ・・・ドキドキしてしまう!)自己紹介が未だだったな・・・私はカラワーナ。助けてくれありがとう・・・が、凱♡」

「気にしなくていいさカラワーナ。近くにバイクを止めているから其れで俺の自宅に行こう。少し大変だろうがバイクに乗ったら俺の体にしっかりと掴まってくれ。」

カラワーナ

「わ、分かった。(凱に名前を呼ばれるだけで胸が高鳴ってしまう♪そ、其れにしっかり掴まると言う事は・・・だ、だ、抱き付いて良いと言う意味と捉えて問題ないな♡)其れじゃあ凱。掴まるぞ?」

「ああ。きっと家族が心配しているから飛ばすぞ!」

 

何処かぎこちない感じでカラワーナが腰に手を回ししっかりと掴まったのを確認しバイクを走らせる凱と、彼の背中に密着し肌の温もりと背中越しにも伝わって来る初恋の人の存在感に幸せそうな表情を浮かべたカラワーナの2人は急いで向かった自宅の玄関先で先程の状況に遭遇するのであった。

 

 

カラワーナ

「此れが私と凱が出会った経緯です。」

グレイフィア

「(彼女の表情・・・間違いありません!彼女は・・・)」

黒歌

「(完全に凱に惚れちゃってるにゃ!今までは私とグレイフィアだけだったのに!)」

レイナーレ

「(カラワーナ・・・貴女もしかして凱の事を)」

「・・・・・」

 

説明を終えたカラワーナを細めた目で見るグレイフィアと黒歌とは対照的に何処か寂しげな表情をして彼女を見つめているレイナーレ。

その表情と心に微かにかかった靄の理由がレイナーレ本人も分からずにいる中で口元に手を当て難しい顔をする凱にバンドーラが優しく話しかける。

 

バンドーラ

「凱・・・ドルン兵が現れたと言う事は既に敵が本格的に動き出している証拠だよ。これ以上1人で戦い続けるのには何れ限界が来る。だからいい加減・・・グレイフィアと黒歌も一緒に戦う事を認めてあげたらどうだい?」

「其れは駄目だ!駄目だよバンドーラ婆ちゃん。俺はもう・・・大切な人達を戦いに巻き込んで・・・全員を失ったあの日の様な光景を二度と見たくない!!グレイフィアと黒歌は俺を支えてくれている大切な存在だから・・・目の前から消えて欲しくない・・・」

 

嘗ての辛い光景がフラッシュバックし何時もの冷静さを無くした凱はまるで怯えた子供の様に頭を抱えこむ様にリビングのソファーに座り込むと顔を伏せて涙を流し啜り泣いていた。

その様子を見ていたグレイフィアと黒歌は向き合い暫く見つめ合うと互いに納得しあった様に頷くと、凱の隣に座り右手をグレイフィアが左手を黒歌が自分の両手でそれぞれ包み込むと耳元に近付き安心させる様にゆっくりと話し出した。

 

グレイフィア

「凱様。私は貴方と出会えた事が何よりの奇跡です♪家族と離れ離れになり、行き場を無くし、生きることの意味すら見失っていました・・・そんな私を貴方は照らしてくれました。温かい家族の温もり、帰るべき場所、そして・・・心安らげる居場所・・・貴方の隣と言う私にとって何物にも変えがたい・・・唯一無二の幸せ♪」

「グレイフィア・・・「私もよ♪」えっ?」

黒歌

「凱が助けてくれたから今も生きていられる。はぐれ悪魔として追われ、大切な妹を置き去りにしてしまい、逃げて隠れて各所を転々としても追いかけて来る奴ら・・・周り全てが敵に見え心も体もボロボロになって一掃の事死んでしまった方が楽なんじゃないかと思っていた中・・・凱だけは私を支え守ってくれた♪孤独の中を彷徨っていた私を見つけ暗い絶望から救ってくれた。今でも覚えてる・・・ずぶ濡れで命を絶とうとしていた私を抱き締めてくれた凱の温もり♪」

「黒歌・・・」

 

グレイフィアと黒歌の思いを知り涙を2人に拭われながら顔を上げた凱をしっかりと見据えて己の決心を更に告げる始める。

 

グレイフィア

「凱様が私達を失いたくないと思う様に私も黒歌も貴方を失いたくありません!貴方の隣が私の・・・私達が居たいと望む居場所です!ですから私にも戦わせて下さい!貴方と共に歩む未来の為に戦う覚悟は出来ています!」

黒歌

「そうにゃ!其れに凱は私にあの時行ったにゃ・・・”命は1人では生きて行けない。他の命と支え合っているからこそ生きている。君の事は俺が支えるから・・・どんなに辛い事も一緒に乗り越えよう“って!そう言ったのは凱自身だった筈にゃ!其れなのに凱自身が自分の言った事を否定してるにゃ!」

グレイフィア

「私達の意志は決して揺らぎません!」

黒歌

「一緒に戦うと認めるまで絶対に諦めない!」

 

2人の決意の篭った眼差しと言葉に気持ちが揺れ動かされている凱にバンドーラが最後の後押しをする。

 

バンドーラ

「何時迄も過去に縛られていては未来には進めないよ凱。辛い過去を乗り越えて前に進まなきゃ大切な彼女達も、私達家族全員も、それに・・・この地球すら守る事なんて出来ないよ!」

「バンドーラ婆ちゃん。」

バンドーラ

「其れにグレイフィアも黒歌も簡単には消えたりなんてしないよ♪なんせ凱と生涯を添い遂「バ、バンドーラ様!おやめ下さい!」おや?違ったかいグレイフィア♪黒歌の方はどうだい?「勿論そのつもりにゃ!」アッハハハ♪そうかいそうかい♪・・・凱。2人の事を信頼しているのならそれに応えてあげるのが戦士であり男であると私は思うよ♪2人ならきっと大丈夫。だから・・・一緒に戦わせておやり。」

「・・・・・分かった!俺も決心が付いた!!」

 

迷いを振り切り自分の答えを見つけた凱はグレイフィアと黒歌の手を取り頭を下げた。

 

「すまなかった2人共!2人の思いと決意・・・しっかりと受け取った!もう逃げない!辛い過去からも!弱い己自身の心からも!だから俺と・・・俺と共に戦ってくれ!」

グレイフィア

「はい♪私はいついかなる時でも凱様と共に♪」

黒歌

「やったにゃ!ありがとうにゃ凱♪大好きにゃ♡」

グレイフィア

「ちょっと黒歌!貴女どさくさに紛れて何を「俺も大好きだ♪」凱様!そ、そんな!凱様は黒歌の方を「家族として♪」か、家族として・・・そうですよね。家族の一員としてですね!」

黒歌

「家族としてって・・・違うにゃ!私は1人の女として凱の事が「抜け駆けは許さないとさっき言ったばかりよ黒歌!」ベェ〜〜〜にゃ!早い者勝ちにゃ!グレイフィアには絶対に譲らないにゃ!」

「何を揉めてるんだ2人は?」

バンドーラ

「相変わらず女心だけは分からないようだね〜凱は!」

 

いつの間にか先程までの暗い雰囲気はすっかり無くなり何時もの和気藹々とした光景に戻っていた。

 

2人の思いを知り更に深い信頼を築いた凱の新たな第一歩となる夜であった。

 




はい!第4話は如何でしたでしょうか?

今回はレイナーレとの出会いとカラワーナを助けるところでハヤソウルを出しました。

今回は戦闘シーンが短かったのでリュウソウチェンジも簡略化したバージョンにしました。

戦隊要素が少なかったですが次回ではしっかりと出しますのでご了承下さい。

では次回!第5話でお会いしましょう!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話 覚悟の第一歩!恐竜パワーで大アバレ!!

はい!第5話です!

今日のリュウソウゴールドのカッコよかったですね!変身一発目の「出会いが別れの時だ!」から、アカネの為に自分から身を引いてコウ達の前での二度目の変身から強竜装した後の予告にも言っていた「俺との出会いにビリッと運命感じな!」などバッチリと決まっていましたね!

では第5話をどうぞ!


前回のあらすじ

 

夜の公園で堕天使レイナーレを助けた凱。だが!レイナーレは制止を聞かずに大パニック!凱の言葉で冷静になった彼女は彼に感じたことの無い感情を芽生えさせた。

更に凱はその日の夜に彼女の仲間のカラワーナを助けたと同時に惚れられとしまった後!黒歌とグレイフィアの想いに触れ彼女達と新たな絆を結ぶことが出来たのであった!

 

 

グレイフィアと黒歌の決意を聞き入れた凱が新たな覚悟とさらなる絆を紡いだ翌日・・・

 

「うっ?うぅぅぅ〜〜〜朝か。今日は2人をあの場所に・・・ん?またか・・・コラ!黒歌!「にゃ〜ん♡おはようにゃ凱♡」おはよう。まったく・・・何で俺のベッドに入って来るだ?」

 

目を覚ました凱がベッドカバーが異常に盛り上がっている事に呆れながらカバーを剥ぎ取ると其処には予想通り黒歌が丸まり尻尾を揺らしながら猫撫で声を上げていた。

よくある事なので慣れてしまっているが夜に熟睡したのを確認にした黒歌がコッソリと侵入し愛する人の温もりや感触を堪能する為にベッドに潜り込んで来ているのを彼は知らない。

 

黒歌

「猫は寒がりで寂しがりや。だから大好きな人のベッドに潜り込んで温めてもらは無いと死んじゃうの・・・だから凱・・・もっと私とイチャイチャするにゃ♡「凱様を起こしに来てみれば・・・黒歌!貴女また凱様のベッドに勝手に潜り込んでいたんですか!」夜這いしないだけまだマシにゃ!」

グレイフィア

「そんな不埒な真似を私が許すわけがありません!早く凱様から離れなさい!」

 

自分を巡って何時もの押し問答を始める2人の姿を見て少し呆れている凱。

 

「今日は朝から此のパターンか。何時もの事と言えばそうだが・・・さてと、俺もそろそろ「凱?起きているか?」カラワーナ?如何したんだ?」

カラワーナ

「グレイフィアが中々戻らないので様子を見に来たんだ。朝食の準備が出来ているから温かいうちに食べよう。暫く世話になるのだから何かしたかったから。そ、その・・・今日の朝食はわ、私が作った・・・んだ♡」

「そうなのか!すまない昨日は大変だったのに気を使わせてしまって「き、気にしないでくれ!」なら温かいうちに頂かないとな。着替えたら直ぐにリビングに行くから待っていてくれ。」

カラワーナ

「分かった♪食卓に並べて置くから早く降りて来てくれ♪」

 

カラワーナが身に付けていたエプロンの裾を揺らしながら笑顔を向ける軽い足取りで階段を降りて行く姿を見ながら、ベッド横のクロゼットから出した着替えに袖を通す凱の鍛え抜かれた肉体を見て生唾を飲み込む黒歌。

 

黒歌

「ゴクッ!が、凱の引き締まった体・・・堪んない♡「変な事を言ってないで早くリビングに行くぞ黒歌。(バッサ!)」うにゃ!ま、前が見えない!」

グレイフィア

「ちゃんと着物を着なおしてから降りて来なさい黒歌。私と凱様は先に降りていますから。」

黒歌

「ちょ!待つにゃ凱!グレイフィア!私も直ぐに行、(ドッサ!)ふにゃ〜〜〜!」

 

顔に目隠し用の服を被せて部屋を出て行った凱に付いて行くグレイフィアを追いかけようと急いで起き上がるが着崩れた着物の裾を踏みベッドに盛大に転けてしまった。

服装を整えるの時間が掛かった黒歌が急いでリビングに下りると既に家族全員とレイナーレにカラワーナが朝食を食卓に運んだりテレビを見たり朝刊を読んだりして過ごしてい中、先に降りて洗面を済ませた凱はカラワーナを手伝おうとキッチンの中に居た。

 

「カラワーナ。此れは運んでしまって大丈夫なのか?「ああ♪大丈夫だ♪」分かった。」

カラワーナ

「(今のやり取り!まるで新婚の夫婦の様な感じじゃないか♪)ふふっ♪悪くないな♡」

レイナーレ

「・・・(嬉しそうねカラワーナ。でも・・・彼女と凱のやり取りを見てると胸が締め付けられて苦しくなる・・・何故?)・・・「大丈夫かレイナーレ?まだ体調が優れないのか?」えっ?あ、あっ!大丈夫よ凱!」

 

凱に心配されたのを笑って誤魔化すレイナーレであったが・・・その後の準備も食事中も彼と仲良く話している黒歌やグレイフィアにカラワーナ達のやり取りを見て心がモヤモヤして時々だが心此処に在らず状態になっていた。

食後に再び凱に”大丈夫か?“と尋ねられたので心配させまいと笑顔を浮かべ思考を切り替える様に頭を振って気持ちを切り替え一旦忘れる事にした。

 

 

その後・・・凱はトットパットとブックバックに町の様子や情報をなどを集めように頼み、バンドーラ達にレイナーレとカラワーナの事を任せるとグレイフィアと黒歌の実力を確かめ為の稽古を念入りに行った後にプリプリカンの先導で地下室の奥にある立派な装飾が施された大理石の柱の間にある大きな石造りの扉の前にいた。

 

黒歌

「大きい扉・・・こんな扉があったなんて知らなかった。」

グレイフィア

「凱様。此の扉は一体なんなのですか?恐らく此の扉の向こう側に向かうとは思いますが?」

プリプリカン

「2人が知らなかったも無理はない。此の扉は私達家族と戦隊の力を継承する者以外には、戦隊の戦士が認めた者のにしか見えない物なんじゃよ。」

「俺が巻き込みたくないから隠していたが・・・もう迷いは無い!2人は力を継承する覚悟があると判断した・・・だから此処に来た。」

 

凱が前に立つと大理石の扉が大きな音と地響きを上げながら開いて行く先には・・・周囲を綺麗な湖が広がり、純白の無数の柱が立ち並ぶ長い石畳の道、神秘的な雰囲気を感じさせる荘厳な佇まいの中に様々な恐竜の彫像が設置された大理石の柱に囲まれている神殿があった。

先を行く凱とプリプリカンを追って一本道を進みながら辺りを心配そうに見渡す黒歌と落ち着いた雰囲気で彼の一歩背後を付き従う様に歩くグレイフィア達が暫し歩くと、神殿中心部にある恐竜の顔が彫り込まれた無数の扉がある広い部屋についた。

 

黒歌

「凱。此処で一体何をするの?」

「・・・試練を受けてもらう!「し、試練?どう言うこと凱?」此れから2人には其々の扉を潜り。その先にいる恐竜と・・・相対してもらう!」

グレイフィア

「凱様が力を授けるのでは無いのですか?「違う!俺は飽くまで恐竜達の声を聞き力を授けらる可能性がある存在の覚悟を確かめ此処まで導く事だ。」力を・・・授ける。」

「俺の場合は自分を呼ぶ声に導かれ其処でパートナーの恐竜達と出会い戦い認めらて此の力を授けられた。既に2人の存在を求めている恐竜達が此の扉の向こうに其々待っている・・・力を継承出来るかどうかは2人の覚悟と相手の恐竜達の心を開き・・・思いを重ね心と心を1つにできるかに掛かっている!」

黒歌

「・・・私達に出来るかにゃグレイフィア?」

グレイフィア

「正直に言えば・・・怖いわ黒歌。」

 

パートナーになる恐竜に認められなければ力を継承出来ない・・・その重く過酷な試練の内容。

嘗ては地球上の頂点に君臨していた恐竜と言う圧倒的な存在を前にする恐怖と不安が襲い掛かり、2人の心はどんどん深い闇に沈み込んで行く中・・・

 

「大丈夫だ♪」

 

凱は昨日2人が囁きかけて来た時の様な優しい声音で話しかけながら2人を抱き締めた。

 

黒歌

「凱!嬉しいけど・・・イキナリは駄目にゃ♡」

グレイフィア

「凱様!如何されたのですか突然♡」

「俺は仲間を失ってから戦隊として戦いながらも仲間と共に戦う事を拒んでいた。仲間を失う恐怖と言う自分の弱さから目を逸らして・・・だが、2人はそんな俺の支えになってくれた♪昨日の2人の言葉が・・・想いが・・・俺に再び本当の戦隊として立ち上がる勇気を与えてくれたんだ♪」

 

2人を抱き締め今まで心の奥底に仕舞い込んでいた本音を曝け出しながらも黒歌とグレイフィアが居てくれた事が1番の支えになって居てくれた事を彼女達の不安を和らげる様に・・・そして此れから待ち受ける試練を乗り越える勇気を与えられ様に語りかける凱。

 

「だから・・・恐れや不安は俺が受け止める。大丈夫だ2人なら・・・こんな俺を慕い側に居てくれているグレイフィアの優しさも、俺に笑顔でいてもらいたいと想ってくれている黒歌の明るさも、きっとパートナーになる恐竜達に伝わる。だから迷わずに己の全てをパートナーにぶつけてくるんだ。そうすればきっと恐竜達も心を開き必ず認めてくれる♪」

黒歌

「凱ありがとう♡・・・そうにゃ!私は私にゃ♪ありのままで自分でパートナーと仲良くなるだけにゃ♪」

グレイフィア

「私も嘘偽りの無い自分の意志を理解して貰える様に頑張ってまいります!私達に勇気を与えて下さりありがとうございます凱様♡」

 

顔を上げた2人の表情には先程は違い強い意志が宿った力強い表情をしていた。

 

「良かった2人の何時もの笑顔が見れて・・・さあ。恐竜達が待っている・・・信じてる。2人ならきっと力を継承出来ると!」

黒歌

「行ってくるにゃ凱♪直ぐに戻るから待っててにゃ♡」

グレイフィア

「行ってまいります凱様♡必ず凱様と共に戦う為に!」

「行ってらっしゃい2人共。帰りを待ってる♪」

 

一頻り抱き合っていた黒歌とグレイフィアは体を離すと開いた試練の扉の先が見えない向こう側に歩み出した徐々に閉まっていく扉の奥に消えて行った。

 

プリプリカン

「大丈夫じゃよ凱。何も心配ないさ・・・其れにあの子らは優しいから2人とも直ぐに分かり合えるはずじゃ♪」

「そうだな・・・2人ならきっと『凱御坊ちゃま!』トットパットか?『怪しい場所を見つけたよ〜!』落ち着けブックバック!何があった?」

トットパット

『先程ブックバックと数キロ離れた住宅街の周辺を調べてたのですが!』

ブックバック

『人払いの結界が貼られた家を見つけたよ!』

「分かった!場所を教えてくれ直ぐに向かう!プリプリカン行ってくる!「気を付けてな凱!」ああ!」

 

トットパット達の連絡を受けた凱は神殿の床にあるリュウソウジャーやキョウリュウジャー以外にも2つの他のマークも彫られた場所に立ちリュウソウケンを床にかざすと、一瞬で2人が言っていた住宅街の近くの同じマークが刻まれたマンホールの上に出現し呼び出したディノチェイサーに跨るとエンジンを吹かし走り出した。

 

「此処かトットパット?人払いの結界が貼られている住宅は?」

トットパット

「間違いありません!夕暮れに差し掛かった時に急に貼られた様です。」

「そうか・・・ブックバックどうした?「さっきから変な匂いがする?」変な匂い?」

ブックバック

「あの家から鉄みたいな匂いがしてくる。「鉄の匂い・・・まさか!」きっと血の匂いだよ凱〜!」

「下手をしたら此処の住民は・・・誰がいるか見えはしないが聞くことはできる。キケソウル!」

 

『キケソウル!キーン!』

 

2人と合流し住宅の裏で様子を見ていた凱が鼻の確かなブックバックの言葉で嫌な予感がし内部の予感を探る為に騎士竜キケソウリュウの力を宿したキケソウルの力で微細な音も聞き取れる超聴覚を見に纏い音に集中すると自宅内から3人の声が聞こえて来た

 

???

「止めるっす!何でこんな酷い事が出来るっすか!」

???

「おやめ下さい!こんな事を主がお許しになるはずがありません!」

???

「五月蝿えんだよ!此れは慈悲なんだよ・・・神父である俺様の手で地獄に行けるんだから本望だろ!此の悪魔に魅入られた哀れなクソ野郎にはよ!」

「聞こえて来る声からして。どうやら住民は既に亡くなっている・・・中には住民を殺したと思われる男と2人の女の子がいるが、下手をしたら女の子達が激情した男に殺されてしまうかもしれない・・・2人とも俺は女の子達を助けて来る。自宅に連れて来るかもしれないとバンドーラ婆ちゃんに伝えてくれ。」

トットパット

「了解です凱御坊ちゃま!十分用心なさって下さい。」

ブックバック

「怪我しない様に気を付けてね〜凱。」

 

指示を受けて急いで自宅に向かうトットパットとブックバックの背中を見ながら裏の林から飛び出し凱が正面玄関に周り扉を開くと中からハッキリと血の匂いが漂って来る廊下を進んで行くと・・・中には壁に手足を杭で打ち付けられ血塗れの見るも無惨な姿になり息を引き取っている住民と、剣の柄の様な物と十字架がデザインされた銃を持った先程の罵声を出していたと思われる白髪の男にシスターの服にゴスロリドレスを着た2人の金髪の少女がいた。

 

「随分と歪んだ思考の神父だな。「何だテメエは!此のフリード様のお楽しみを邪魔をするとはどう言う神経してんだコラ!」命はお前の快楽の為にあるんじゃない!況してやお前の様な・・・命を弄ぶ様な奴が・・・慈悲と言う言葉を使うな!!」

フリード

「おやおや♪まるで聖人君主と言わんばかりの言動・・・アッハハハ!此の俺様に説教とはアッハハハ〜〜〜!!俺様さ・・・お前みたいな奴が1番嫌いなんだよね〜〜〜!だからさ・・・今此処で俺様がズタズタにしてぶっ殺しちゃいます〜〜〜!!」

 

嘲笑う笑みと巫山戯る様な言動から一転し激昂し怒り狂った様な口調に変わったフリードが剣の柄を握る手に力を込めると一瞬で光る刃が出現した光剣と悪魔に致命傷を与える光力を打ち出す銃を構えると少しずつ凱ににじり寄って来る。

 

フリード

「ほらほら♪アーシアちゃんはボッとしてないで早く結界を貼り直して頂戴な♪ミッテルトの嬢ちゃんも早く俺様と一緒に此奴をぶっ殺しちゃいましょう♪そうすればさっきの事は水に流して上げるでありんすよ♪」

アーシア

「そんな事は出来ません!此の方に何の罪があると言うのですか!」

ミッテルト

「ウチだってお断りっす!こんな事に協力何て真っ平ごめんっす!」

フリード

「あぁ〜〜〜あ!そう言うこと言っちゃうんだ♪アーシアちゃんは殺すなと言われてるけど・・・ミッテルトの嬢ちゃんに付いては何にも言われてないからさ。取り敢えず・・・死なない程度にどっちも痛ぶってやろうか!!」

 

自分の言う事を聞かない事に業を煮やしたフリードは力尽くで従わせる為に凱に向けていた光剣を回しながら2人を痛めつけようと走り寄って行く前に凱が立ち塞がった。

 

「本当に腐った人間だなお前!何処までも愚かで醜い奴だ!「此れが俺様フリード・セルゼンだ♪気に入らない奴はぶっ殺す・・・其れが俺様の生き甲斐なのよね〜〜〜♡」もう良い・・・喋るな!!」

 

此処までの言動や行動さらには狂気地味だ思考から目の前のフリードの存在に不快感を感じ握り込む手に力が篭る。

此の男は唯自分の中にある歪み切った欲望の為だけに行動し人や多くの存在を殺し命を奪う快楽主義者。そして間違いを咎めようとするアーシアとミッテルトを平然と痛ぶると言った発言・・・そんな存在への怒りが凱の中で炎となって爆発した!

 

「俺の目の前でそんな事はさせない・・・彼女達は俺が守る!『おぉぉぉ凱!久しぶり暴れるかテラ!』ああ・・・行くぞティラノ!!」

 

そう言った瞬間・・・左手に付けていたリュウソウチェンジャーが銀色の下顎に赤いティラノサウルスの顔を模したフェイスプレートが装着されたブレス・・・ダイノブレスに変化した。

そしてダイノブレスの下顎を開き両手をクロスさせる様に顔の右側で構えると全生命が持っている精神エネルギー・・・ダイノガッツを爆発させる雄叫びを叫ぶ!

 

「爆竜チェンジ!!ハアッ!!」

 

凱の叫びに呼応しダイノブレスから開放されたダイノガッツの光が彼を足元から徐々に包み込み。アタック・バンディット・レジスタンススーツ・・・通称アバレスーツとなって行く!

やがて其の光が顔を覆い尽くし完全にアバレスーツを装着し終えると共に相棒である恐竜・・・爆竜ティラノサウルスの顔を模したマスクが雄叫びを上げるように口を開き!凱をダイノガッツを纏う凄まじき戦士へと変えた・・・その名も!

 

「元気莫大!アバレッド!」

 

アバレレッドとなった凱が突き上げていた右手を下ろし再び胸元にある戦隊のシンボルマークに部分にクロスさせていた両手をかざすと、シンボルからダイノガッツの輝きが放たれ薄暗い室内を光が照らし出した!

 

「荒ぶるダイノガッツ!爆竜戦隊・・・アバレンジャー!!」

 

最後に戦隊としての名乗りを上げ地面を揺らす程の力強い足踏みを踏む凱!

 

超進化した恐竜・・・爆竜を相棒に!今こそ・・・大アバレだ!!

 

フリード

「アバレンジャーだぁ〜〜〜!何だその巫山戯たコスプレ姿は!舐めやがって・・・ぶっ殺してやる!!」

ティラノ

『やれるもんならやって見ろテラ!凱!』

「おう!暴れるぜぇぇぇ!!来いティラノロッド!」

 

ティラノの意気込みに応えるようにダイノウェポンの1つである長物の武器・・・ティラノロッドを取り出した凱は其れを巧みに回すと光剣を構えて向かってくるフリードに向かって走り出した。

光剣とロッドがぶつかり合い火花が宙を舞う程の激しい打ち合いの応酬が繰り広げらる2人の戦い。

鋭く急所目掛けて放たれるフリードの斬撃や至近距離の銃撃を自身の身長を超えるロッドを手足の様に巧みに操り全ての攻撃をことごとく躱し防ぎ、時に荒々しく反撃する凱の戦い振りに傍で見ていたアーシアとミッテルトは驚いていた。

すると・・・リビングにグレモリーの魔法陣が浮かび上がり其処から眷族を連れたリアスが現れた。

 

リアス

「人払いの結界をお得意先から感知して来てみれば・・・酷いわ。誰がこんな無残に「部長!彼を見て下さい!」「新しい戦隊の方見たいです。」ハッ!赤い恐竜モチーフのスーツ!まさか桐竜君!」

 

木場と小猫の言葉で戦っているアバレッドをリュウソウレッドなどの共通点から直ぐに凱だと言い当てるリアス。

 

フリード

「あらら♪悪魔団体様は此奴とお知り合いでいらしゃいますかね?此奴は一体な「戦いの最中に余所見か!ハアァァァ!!」グッホ!!」

 

一瞬の隙を見逃す程凱は甘く無い。リアス達に注意が逸れているフリードの横っ腹目掛けて地面に突き立てたロッドを軸に放つ連続回転キック技のティラノハリケーンアタックを叩き込み壁に向かって蹴り飛ばした。

 

「そこだ!!喰らい付けティラノロッド!」

フリード

「なっ!テメエよくも俺様の剣を喰いやがったな!」

 

蹴り飛ばされながらも反撃しようとするフリード目掛けてロッドの先端を突き出した瞬間!恐竜の頭部部分がまるで生きた本物の恐竜の様に口を動かすとロッドが一気に伸び振り上げていた光剣を先端から食らい付き柄部分まで食べてしまった。

 

「もう一撃!受け取れぇぇぇ!!サークルゥゥゥムーンーーー!」

 

其れに驚愕しているフリードに体全体で大きく円を描き生み出したエネルギーを放つ必殺サークルムーンを放ちフリードを住宅の庭先にまで吹き飛ばす凱。

 

アーシア

「凄いです!彼の方は・・・アバレッド様は一体何者なんでしょうかミッテルトちゃん?」

ミッテルト

「ウチにも分かんないっす?でもあの逝かれ神父よりもムッチャ強いのは確かっす!」

「大丈夫か2人とも?「大丈夫です!助けて頂きありがとうございます!」気にしなくていいさ。さて・・・取り敢えず此処にいるのはマズイから一先ず俺の自宅に向かおう。レイナーレとカラワーナも今は俺の自宅にいる「レイナーレ姉様が!其れにカラワーナも・・・良かった。本当に良かったっす♪」急ぐんだ!直ぐ近くまで敵の気配が近づいて来てる。」

リアス

「待ってちょうだい!」

 

他に複数の敵の気配を察知していた凱はアーシアとミッテルトを自宅に避難させる為に立てずにいる2人に手を差し出し立たせると急いで移動しようと玄関に向かおうとするがリアスに呼び止められ足を止めた。

 

リアス

「桐竜君。いいえ・・・アバレッド。貴方も戦隊ですよね・・・貴方に聞きたい事があります。「・・・何だ。」何故貴方達は1人で戦っているの?何故私達を遠ざけようとするの?私達は貴方ほど強くは無いかも知れない・・・でも私達にも何か出来ることは無いの!」

「・・・この星を守ることが俺たち戦隊の使命であり、熾烈を極める戦いに無関係な人を巻き込む訳にはいかない・・・(グレモリー先輩が俺の事を心配しているのは分かっている。だが・・・以前の事はあるが厳しく言わなければいけない!グレモリー先輩達は黒歌やグレイフィアとは違う・・・俺や敵の正体を知らない彼女達を危険に晒して共に戦う事は出来ない・・・)もし力になりたのであれば・・・俺の事やマイナソーの事に二度と関わるな・・・頼む。」

リアス

「・・・何故そこまでして孤独になろうとするの?」

「其れが今まで俺が生きて来た生き方だからだ・・・敵が直ぐそこまで来ている。直ぐに此処から離れるんだ・・・2人とも行こう。」

アーシア

「あっ!わ、分かりました!」

ミッテルト

「分かった。(何か重苦しい雰囲気っす。でもアバレッド・・・なんか悲しそうっす。)」

 

リアスの質問に答えた凱はアーシアとミッテルトを連れて玄関に出ると前持って呼んでいたヴェロキラプトルが超進化した爆竜・・・ライドラプターに2人と共に乗り込むと自宅に向けて手綱を引き走り去って行った。

 

朱乃

「リアス・・・「大丈夫よ朱乃。彼の事は焦らずゆっくり向き合って分かり合うわ。」貴女がそう言うなら私はこれ以上は何も言わないわ。」

リアス

「ありがとう・・・直ぐにジャンプするわよ!朱乃は準備をお願い。「分かりました」(数日前の桐竜君とは少し雰囲気が違った・・・彼の中で何かが変わった見たい。どうすれば貴方の心を開く事が出来るの桐竜君・・・)」

 

凱の心境を僅かにながら感じ取ったリアスが彼と絆を紡ぐことが出来るかは今は誰にも分からない。そして・・・そんなリアスの事を考えながら自宅に到着した凱達はと言うと・・・

 

レイナーレ

「ミッテルト!アーシア!無事で本当に良かったわ♪」

アーシア

「レイナーレ様♪ご無事で何よりです♪」

ミッテルト

「レイナーレ姉様!寂しかったっす!ウチ凄く寂しかったっす!!」

カラワーナ

「泣き過ぎだミッテルト!落ち着け!」

「良かった・・・やっぱり仲間との笑顔は最高だな♪」

 

 

レイナーレ達の笑顔に普段中々表情を変えない凱も笑顔になっていた。

 




はい!第5話は如何でしたでしょうか?

今回はアバレンジャーからアバレッドと爆竜ティラノサウルスとライドラプターに武器のディラノロッドなどを、リュウソウジャーからキケソウルを出しました。

凱が黒歌とグレイフィアを案内した神殿はジュウレンジャー達が拠点にしていた地下神殿に守護獣以外の戦隊恐竜の彫像を追加し、移動などに際してキョウリュウジャーのスピリットベースに入る為のレリーフに他の戦隊のシンボルを追加した物をイメージして頂ければ幸いです。

原作キャラ達をどの戦隊にするか纏まりましたが少し2人から3人ほどオリジナル戦隊戦士を追加しますので宜しくお願い致します。

では次回。第6話でお会いしましょう!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話 家族を取り戻せ!最古の恐竜戦士よ!

はい!少々時間が掛かりましたが第6話です。

リュウソウゴールドは今回もキレッキレッでしたね!妹のオトには少し甘いですが其れもカネロの魅力の1つですね。
騎士竜のモサレックスが何故陸のリュウソウ族を憎んでいる感じでしたが次回のキシリュウネプチューンの登場時に分かるんですかね?

そして劇場版ではキシリュウジンやガイソーグの秘密など目白押しで楽しみです。

では第6話をどうぞ!


前回のあらすじ

 

新た決意を宿したグレイフィアと黒歌は凱に導かれ力を得るための試練に挑む!2人を送り出した凱はトットパット達の連絡を受けた場所でレイナーレの仲間のアーシアとミッテルトに出会った・・・だがしかし!!其処には殺しに快楽を求めるフリードも居た!凱はアバレッドとなって2人を守り、其処に現れたリアスは凱の雰囲気が違う言葉の裏に秘めた想いに気を遣いながら多くを語らず去った。

そして彼の自宅で再会を果たしたレイナーレ達は歓喜の涙を流すのであった!

 

 

アーシア

「改めまして・・・助けて頂きありがとうございましたアバレッドさん。「そんな畏まった呼び方はしなくて良いさアルジェントさん。」でしたら私もアーシアと呼んで下さい凱さん。「ならそう呼ばせて貰うよアーシア。」はい♪」

ミッテルト

「ウチの名前はミッテルト♪レイナーレ姉様の妹っす♪レイナーレ姉様とカラワーナ、其れにウチとアーシアの事を助けてくれて本当にありがとうっす凱♪」

「気にしなくていいさミッテルト。俺が偶々その場に居合わせただけさ・・・其れにレイナーレと約束したからな「凱♪本当に・・・本当にありがとう♪」せっかく仲間が無事に揃ったんだから涙は禁物だぞレイナーレ。」

レイナーレ

「ご、ごめんなさい!でも・・・昔から私を支えてくれたカラワーナに明るく慕ってくれる妹の様なミッテルト、そして堕天使である私達に分け隔て無い優しさを持ってを接してくれるアーシア・・・大切な3人とこうしてまた笑い合えて本当に嬉しくて♪」

 

無事に再会できたことの喜びと脳裏によぎっていた最悪の事態にならなかった事の安心感から目尻を赤くし涙ながらに笑顔を浮かべ笑うレイナーレ。

彼女の心からの笑顔に自然と凱の顔も笑顔で綻ぶなかでカラワーナはレイナーレから凱が帰ってきた時は真っ先に出迎いに来ると聞いていたグレイフィアと黒歌の存在がいない事に首を傾げた。

 

カラワーナ

「そう言えば凱。グレイフィアと黒歌の姿が見え無いが何処に行ったんだ?2人なら直ぐに出迎いに来る筈じゃないのか?」

「2人は新たな力を得るために試練に挑んでいる。その試練を突破するまで暫く2人は戻らない「大丈夫なのか?」心配無いさ。2人なら必ず・・・さて!今日は全員が無事に再会できたお祝いだ!俺が料理の腕を振るうから楽しみにしていてくれ♪」

レイナーレ

「あっ!なら私も手伝うわ。「こっちは大丈夫だ。レイナーレは久しぶりに3人とゆっくり話でもしていてくれ。」でも「良いから・・・なっ♪」分かったわ凱。ならお言葉に甘えさせて貰いわね♪」

 

そう言って頷いたレイナーレと他の3人と共にリビングに移動した後で凱は夕食作りを始めレイナーレ達は仲間同士の久しぶりの会話に花を咲かせ始め和気藹々とした雰囲気が桐竜家を包み込んだ。

其れから暫くするとキッチンから食欲をそそる香りが立ち込めグレイフィアやラミイが普段作る物に負けず劣らずの料理が沢山テーブルに並べられて行く。

 

レイナーレ

「凄い!此れ全部凱が作ったの!「グレイフィアとラミイ姉さんには負けるさ。」でも、どれも手が込んでいて美味しそう♪」

ラミイ

「謙遜し過ぎなのよ♪普段は私が愛するダーリンの為に料理を振る舞いたいし凱が料理しようとすると必ずグレイフィアが止めてしまうけど、この子の料理の腕前は確かよ。其れにデザート作りに関しては私達では敵わないわ。」

カラワーナ

「まさか凱の腕前がこれ程高いとは!(こんなにレベルが高いとは思っても見なかった・・・駄目だ!もっと料理の腕を上げなくては!)「カラワーナ?如何したんだ?」ハッ!何でもない何でもないぞ!」

 

凱の腕前に彼に好意を抱いているカラワーナは危機感を募らせていたが、当の本人には彼女の心境は分からず首を傾げながら未だリビングにいるバンドーラに声を掛けていた。

 

「バンドーラ婆ちゃん夕食が出来たよ!「凱〜アーシアとミッテルトは本当にいい子だね♪」随分とご満悦だね婆ちゃん♪」

バンドーラ

「2人に肩を揉んでもらったり沢山話が出来て私は楽しくてしょうがないよ♪「そう言って頂けると嬉しいですバンドーラさん♪」私は女の子の可愛い孫もいて欲しかったらね〜「可愛いだなんて照れるっす♪」あっ!もし行く当てが無いならこのまま4人ともウチに住んで貰うのは如何だい!「其れは良い考えだと拙者は思います!」そうだろ〜グリフォーザー!」

プリプリカン

「家族が増えるのはいい事だともワシは思うが4人の意思を聞いてから決めるべきじゃ無いのかバンドーラ?」

「プリプリカンの言う通りだ・・・レイナーレ、カラワーナ、ミッテルト、アーシア・・・4人は此れから如何したい?」

 

バンドーラからの思わぬ提案を聞き驚きの中に喜びを垣間見せる笑顔を浮かべながらも何処か申し訳ない表情も浮かべている4人は、凱から尋ねられた事に少し躊躇いながらも口を開いた。

 

レイナーレ

「私達は居ていいの・・・此処に?「前に言っただろ・・・俺はレイナーレを拒んだりしないって・・・其れに他のみんなのことも。」其れは分かってる。凱が優しくて頼り甲斐のある男なのは・・・でも。」

カラワーナ

「其れでも私達が此処に居ては迷惑が掛かる(凱の側から離れたくは無い・・・だが其れで彼や彼の家族を危険に晒す事は出来ない)だから「俺達に迷惑や危険に晒したく無いと思っているんだろカラワーナ」そ、其れは・・・」

「俺やバンドーラ婆ちゃん達がそんなに弱く見えるか?「そんな事ないっす!そんな事ない・・・けど。」ミッテルト?」

ミッテルト

「ウチらは弱いっす。凱と比べても足元にも及ばないっす・・・だから。カラワーナを襲った奴やあのイカれ神父にも勝てないし凱達の足手まといになっちゃうっす。」

アーシア

「其れに・・・私は傷を癒す神器の力で悪魔さんを治療した所を教祖様に見られてしまい異端者として教会から追放されたんです。そんな私が・・・異端の私が・・・こんなに温かく心休まる幸せな場所に居てはいけないんです。」

 

悲痛な表情をしながら自分の素性を語るアーシアの震える手を自分の手で包み込む凱。

 

アーシア

「凱さん!「後悔しているのか?」えっ?」

「その悪魔を助けた事を後悔しているのか?「そんな事はありません。私は自分が救える命はどんな小さな命でも助けたいと思っています。ですから・・・消えかけている命の灯火を1つ救う事が出来たことを私は後悔してません。」なら自分を卑下するのは止めるんだ。自分が信じた事、正しいと思った事、其れを貫いて成した行動に後悔が無いのなら其れは胸を張れる事は・・・誇りだ。「誇り・・・」そう・・・アーシアの分け隔て無い優しい心が異端だと言うのなら俺は其れを真っ向から否定する!世界のそんな理不尽を俺は決して認めない!「凱さん♪」」

 

凱のハッキリと言い放った言葉と強い意志を宿した瞳に裏付けられた力強さにアーシアは今まで仕舞い込んでいた辛さを振り払うかの様に笑顔で彼の名前を呼んでいた。

 

「其れにミッテルト「ウチっすか?」そうだ。ミッテルトは弱く無い・・・自分より強いと分かっているフリードの間違った行いに対してミッテルトは毅然と反論し、脅しにも屈さず立ち向かおうとした。其れは簡単にできる事じゃ無い・・・自分より上の存在が放つ威圧や振りかざす力を跳ね除けられるのは己の強い意志や覚悟がいる。其れがミッテルトにはあるからフリードにあの時立ち向かえたんだ。「ウチが・・・強い。」そうだ!本当の強さは力じゃない・・・強い志を持っている者こそが真に強いんだ!」

 

心の強さ・・・その意味を凱の言葉で理解したミッテルトの瞳には先程の悲痛さは無くなり真っ直ぐな自信に満ち溢れた目をしていた。

 

「カラワーナ・・・俺は皆んながいて迷惑だと言ったか?「言っていない!」レイナーレ・・・信じてくれたからこそ俺を頼りにしてくれているんだろ?「勿論よ!凱の事を信じているわ!」なら此処に居ろ!僅かな時間しか過ごして居ないとはいえ俺達は既に互いに信頼し合っているだろ!そんな2人のことを俺は迷惑だなんて考えていないし、何か危険が起きても俺が其れを打ち破る!だから4人とも此処で・・・俺たち家族と一緒に暮らそう。」

レイナーレ

「・・・凱!!」

 

両手を広げ全てを受け入れようとする凱の胸に飛び込んだレイナーレは涙を流しながら彼の胸の中に飛び込んだ。

 

「此れからも一緒に暮らそうレイナーレ♪」

レイナーレ

「ええ♪(ようやく分かった♪凱に抱いていた気持ち。私は凱の事を・・・愛しているんだわ♡きっとあの時・・・カラワーナと凱のやり取りに嫉妬した。羨ましくて・・・私も凱とあんなやり取りが出来る関係になりたいと無意識に思っていたから・・・♪)此れから宜しくね凱♡「ああ♪」うふふ♪」

 

自分の気持ちを知り笑顔を見せてたレイナーレが凱から離れると・・・

 

カラワーナ

「が、凱!「ん?如何したカラワーナ?」あのだな・・・そ、その〜〜〜私もレイナーレ様の様に!(き、緊張して体が震えてしまう!!だが!私も凱に抱き締めて貰いたい♡)だ、だ、抱き締め「凱!ウチもギュッとして欲しいっす♡」・・・ミッテルト!何故そこでお前が抱き付く!!」

ミッテルト

「えっへへ♪早いもん勝ちっす!(あんなこと言われたら駄目っすよ凱♡此れが本当の一目惚れって奴っす♡)凱〜温かい♡「コラ離れろミッテルト!ズルいぞ!」何するっすかカラワーナ!ちょっ、離せぇぇぇ!!」

 

同じ事をして貰おうと思っていたカラワーナより先に抱き付いたミッテルトは彼女によって凱から引き離され足をジタバタさせながらもガッチリとホールドされてしまい為すすべがない状態になっている。

 

アーシア

「あ、あの・・・が、凱さん!「如何したアーシア?」私も抱き締めて欲しいです。「ああ♪おいでアーシア♪」はい♪(はわわ!心臓が凄くドキドキして破裂してしまいそう。でも・・・とっても幸せ♪凱さん・・・ありがとうございます♪今は心の中だけでしか言えませんが・・・大好きです♡)此れから宜しくお願いします♪」

「俺の方こそ宜しくアーシア♪(可愛いなアーシア。本当の妹見たいだ♪)」

バンドーラ

「おやおや♪(凱の将来のお嫁さんがまた増えたみたいだね♪でも・・・本当に唐変木だね〜凱は!グレイフィアと黒歌は益々大変になりそうだね。)さて!今日は新しい家族が増えたお祝いだよ♪大いに盛り上がろうじゃないかい♪」

トットパット

「盛り上げ役なら我らにお任せくださいバンドーラ様♪」

ブックバック

「いっぱい〜踊っちゃうもんね〜〜〜♪♪」

 

その夜の桐竜家は普段以上に笑顔や笑い声に溢れていた。

 

 

次の日・・・流石に休み過ぎると友人やクラスメイトを心配させる上に正体を察しているであろうリアス達に確証を与えてしまうとの事で今日は学園に登校し普段通りに過ごした凱は授業を終え自宅に帰宅中である。

バンドーラは調べ物があると言って神殿内の書庫に朝から篭り、トットパットとブックバックは普段通りに町の偵察、グリフォーザーとラミイは久々に夫婦水入らずの時間を過ごしにデートに出掛け、グレイフィアと黒歌は未だ試練の扉の奥、レイナーレ達4人は自宅で家事などを分担して行っており、プリプリカンが凱が使っているバイクの整備などを行っていたので凱は珍しく今日は歩きで帰路についていた。

 

「・・・ハァ。一体何のようだ・・・木場?小猫ちゃん?」

木場

「気が付いていたんだね桐竜君。ごめんね跡をつけような事をして。」

小猫

「ごめんなさい桐竜先輩。どうしてもお話したい事があって・・・何回も私達を助けてくれた戦士は桐竜先輩ですよね?「何の事だ?俺にはさっぱり見当が付かないが?」嘘はやめて下さい・・・お願いです本当の事を話して下さい!」

 

人気が少ない通学路の一画で小猫の直球の質問を誤魔化すように振り返らず応える凱に物静かな彼女が声を張り上げた。

 

木場

「僕も小猫ちゃんも君が相手を思いやる優しい人だと分かってる。その為に時として自分自身の心を押し殺して相手に辛く当たる事も知っている・・・今の桐竜君はその時と同じ表情をしている。そんな君を見たくない!だから・・・話せる事だけで構わないから僕達に話して欲しい!「お願いします桐竜先輩!」お願いだ桐竜君!」

「・・・(2人になら話して・・・いや駄目だ!2人は友人だ・・・絶対に危険には晒せない!だが・・・きっと2人もグレモリー先輩も確証を掴んでる。何時迄も誤魔化してはいられない・・・下手に隠して巻き込むぐらいなら正体を明かした上で関わらないように言う方が安全かも知れないが)・・・ん?ラミイ姉さん?もしもし一体どうし『大変よ凱!直ぐに戻って来なさい!』分かった直ぐに行く!」

小猫

「あっ!桐竜先輩待って下さい!「何かあったみたいだ・・・小猫ちゃん追い掛けよう!」はい!」

 

携帯を握り締めその場を駆け出して行った後を追って走り出した2人が暫く進んだ曲がり角を曲がると自宅の前で人間の姿をしたグリフォーザーにラミイと話している凱に追い付くが・・・

 

「何があった・・・ラミイ姉さん!グリフォーザー兄さん!一体何があったんだ!」

グリフォーザー

「拙者達も先ほど戻って来たのだが「私達を出るまではこんな事にはなっていなかったから急いで凱に連絡したのよ!」誰が何の目的で・・・「待ってくれ・・・中にはレイナーレ達がいたはずだ!レイナーレ!カラワーナ!ミッテルト!アーシア!」凱!」

 

窓ガラスは粉々に砕け、花一杯だった庭は荒らされ、壁には爆風などで汚れてしまった自宅内に凱が駆け込むとリビングには・・・

 

「カラワーナ!大丈夫かしっかりしろ!「が、凱・・・レ、レイナーレ様とアーシアが・・・攫われた。」何だと!「た、助けたかったら町外れの教会に来いって・・・マントを羽織って剣を持った男が言ってたっす。うぐっ!」無理しなくて良いミッテルト!」

 

傷だらけで横たわる2人の姿しか無く今朝まであったリビングの光景は消え去ってしまっていた。

凱が傷付いたカラワーナとミッテルトをソファに横たえラミイに治療をお願いしていると地下室からバンドーラとプリプリカンが出て来た。

 

バンドーラ

「すまないよ凱!以前の様な強大な魔女としての力があれば私が「バンドーラ婆ちゃんのせいじゃないさ」・・・助けに行くだねレイナーレとアーシアを。」

「ああ!直ぐに其の教会に向かう!「待ってくれ桐竜君!」木場。」

木場

「僕が助けに行くよ「何を言っているんだ!助けには俺が行く!」困ってる友人を放っておく事は僕には出来ない!だから何を言われても僕が行くよ!」

小猫

「私も勿論行きます!「小猫ちゃんまで何を言い出すんだ!2人には関係ない事だ!」何故ですか!その理由を教えて下さい!じゃないと私達は絶対に納得しません!」

「ああ〜〜〜この分からずや!今から行く所は危険だ!だから「僕は悪魔だ。」なっ!「私もです!」何を言ってるだ2人共?(此処で自分から正体を明かすとは!何を考えているだ2人は・・・まさか!)」

 

2人の行動の意図と目的を察した凱に2人は更に言葉を続ける。

 

木場

「少なくとも僕達は人間の君より強いはずだ。だから僕達が助けに行く!人間の君が行っても命を落とすだけだ。」

小猫

「祐斗先輩の言う通りです!ですから桐竜先輩は此処にいて下さい。」

「待ってくれ!(やり方が酷いぞ木場!小猫ちゃん!この状態で俺がレイナーレとアーシアを助けに行く為の明確な理由を上げる方法は俺の正体も明かす以外の選択肢がないじゃないか!だが急がないと2人が・・・悩んでる時間は無い!今は一刻も早く行動するだけだ・・・後の事は後の事だ!)降参だ。2人の行動力には・・・そうだ。2人やグレモリー先輩の言ってた通り・・・俺がリュウソウレッドでありキョウリュウレッドやアバレッドの正体だ!」

 

遂に正体を明かした凱は見て笑う2人。

 

木場

「やっと話してくれたね桐竜君。「幾ら何でも強引すぎるぞ!」君は此れくらい多少無理矢理に問い詰め無いと本心を決して語ら無いことを知ってるからね♪」

小猫

「本当にごめんなさい先輩。でもそう言いつつ正体を明かしてくれました・・・やっぱり桐竜先輩は優しいです♪」

「今はレイナーレとアーシアを助ける事が優先だ・・・後で詳しくは話す。だから2人は「それでも僕達は一緒に行くよ!」なっ!「此処まで来て置いてきぼりは無しです!」・・・分かった。分かったよ!(まさか2人が此処まで強引だとは思わなかった・・・)バンドーラ婆ちゃん!カラワーナとミッテルトをお願い。」

バンドーラ

「分かった。凱・・・2人の事は頼んだよ!「分かった。必ず救い出す!」来おつけるんだよ。プリプリカン!バイクの準備を!「今やっとるわい!」早くおし!」

 

何を言っても付いて来る気の2人を止める事を諦めた凱は呆れながらも何処か胸のつかえが取れた表情を浮かべ出発の準備をする中で木場はリアスに連絡を取っていた。

 

リアス

『どうしたの祐斗?何かあった?「今、桐竜君の自宅に前にいるのですが・・・やっぱり桐竜君でしたリュウソウレッド達の正体は。」やはりそうだったのね・・・彼と話をしたいから部室に案内して「すいません部長。今から僕と小猫ちゃんは部長の言い付けを破ります!」ちょっと!どう言う事なの祐・・・』

木場

「ごめんね小猫ちゃん。君まで巻き込んでしまって。」

小猫

「気にし無いで下さい祐斗先輩。私も同じ気持ちです。あの時・・・桐竜先輩が助けてくれたから私達は生きてる。だから今度は私達が先輩の家族を助ける手助けがしたいんです!」

 

2人の意思が固まった時・・・準備を終えた凱がサイドカーを備えたザウラーマシーン・・・サイドザウラー2に跨り。

 

「時間が惜しい!2人とも乗れ!「分かった!」「はい!」良し。飛ばすぞ!しっかり掴まれ!!」

 

ガイアトロンコンバーターを駆動させアクセルを全開にすると指定された教会に3人で向かって走り出した。

 

一方・・・連絡を切られたリアスは。

 

リアス

「朱乃!直ぐに祐斗と小猫の位置を特定して!私の言い付けを破る程に切迫した事態が桐竜君達に起きているわ・・・場所が分かり次第ジャンプするわよ!「はい!部長!」(無事でいて頂戴・・・祐斗。小猫。そして・・・桐竜君!)」

 

朱乃と共に既に動き出していた・・・

 

 

夜の暗闇が辺りを包む中・・・指定された教会前の茂みに身を潜める3人は周囲の様子を伺っていたが教会の敷地内には以前にカラワーナを襲ったドルン兵以外にも、のっぺらぼうの様な顔した・・・ゾーリ魔や、土人形の様な見た目に赤い目をした・・・ゴーレム兵に、白色のゾルルと黒色のグルルの2種類の個体が存在する・・・バーミア兵など、様々な敵が至る所に大量にいて辺りを警戒していた。

 

小猫

「かなりの数がいますね。あれもマイナーに関係した存在ですか桐竜先輩?「そうだ。戦闘能力は低いが幾らでも生み出せて頭数を揃えられる存在だ。」正面突破は難しそうですね。」

木場

「僕がスピードで撹乱するかその内に。「それだと木場を危険に晒す。俺の力で姿を消して侵入しよう。」分かった。なら頼めるかい桐竜君・・・桐竜君?如何したんだい?「・・・2人共ありがとう。」えっ?」

「結果的に正体を明かして良かったと今は思ってる。ずっと苦悩してた・・・友人に嘘を言って誤魔化し2人やグレモリー先輩達に向き合っていなかった「先輩・・・」それがずっと胸の中に燻って己の弱さに甘え過去のしがらみから目背ける為に乱暴な言葉で当たり散らしてしまった。「桐竜君・・・」でも2人のお陰で胸のつかえも取れた・・・此れが解決したらグレモリー先輩や姫島先輩・・・そして2人にも謝罪と説明を俺からさせて欲しい。「分かった・・・君から其れを聞けて僕は嬉しいよ♪」木場「私もです♪」小猫ちゃん・・・ありがとう。よし!そろそろ行くか。カクレソウル!」

 

『カクレソウル!ドロンッ!』

 

2人と頷き合うと騎士竜カクレソウリュウのリュウソウルの力で姿を透明に消した凱達は敵の間をすり抜けながら敷地内を移動し音を立てず侵入出来る場所から教会内に入ると、薄暗い通路を進み暫く道なりに行くと中心部の祭壇がある広い場所に到着した。

 

木場

「此処が如何やら教会の1番奥の様だけど・・・先に進める道らない感じのようだけど。」

小猫

「・・・祐斗先輩。彼処の祭壇の下から風の流れを感じます。きっとあの下に入り口が「待つんだ小猫ちゃん!」如何しました桐竜先輩?」

「そこに居るのは分かっている・・・出て来い!「ア〜〜リャリャリャ〜〜バレちゃったのたら仕方ないね!」やはりお前かフリード・セルゼン!」

 

凱が指差した十字架の後ろから現れたフリードは3人の前に飛び降りると懐から光剣と銃を取り出すと切っ先をいびつに歪んだ笑顔をうかべあ此方に向けてきた。

 

フリード

「悪魔お二人さん♪よくぞおいで下さいました♪早速ですが・・・死んじゃって下さいな〜〜〜!!そしてお前ぇぇぇ!!この前はよくもこの俺様のお楽しみを邪魔してくれた上にぶっ飛ばしてくれたな!今度は俺がテメエをぶっ飛ばして切り刻んでやるからな!」

「相変わらず狂ってるなお前は!「誰だい?このおかしな思考をした神父は?」此奴は攫われたアーシアを利用してあの自宅にいた住民を殺した快楽主義者だ!」

木場

「つまり僕達の敵という事だね・・・悪いが君の相手をしている時間は無いからそこを通してもらおうかな!」

小猫

「無理矢理にでも・・・どいて貰います!」

 

剣を鞘から引き抜く木場とグローブを身に付け臨戦態勢を整える小猫とフリードとの間でピリピリとした空気が張り詰める中・・・

 

「悪いが容赦はしない!今すぐ其処を退いて貰う!!」

 

凱はベルトに装備しているナックルガードとしても機能するバックル・・・ダイノバックラーを取り外し懐からティラノサウルスが彫り込まれたメダル・・・ダイノメダルをバックラーにセットし、其れを両手で構え胸の前に突き出し上下反転させる様に回転させながら伝説の戦士の力を見に纏う為に吼える!

 

「ダイノバックラー!!」

 

反転させるのと同時にダイノメダルが光を放ち凱の体をジュウメタルファイバーのスーツとジュウメタル製のヘルメットが包み込み彼を一億数千万年前に最初に誕生した恐竜戦士の姿へと変えた!

 

「ティラノレンジャー!!凱!」

フリード

「また変な姿になりやがって!」

「恐竜戦隊!・・・ジュウレンジャー!!」

 

守護獣ティラノサウルスに選ばれし戦士として。そして・・・ジュウレンジャーのリーダーとして誇り高く名乗りを上げる凱にフリードは更に苛つき怒りを露わにした。

 

「大切な家族・・・返して貰うぞ!行くぞ・・・木場!小猫ちゃん!」

木場

「ああ!必ず此処を突破して!」

小猫

「桐竜先輩の家族を・・・助けます!」

フリード

「やれるもんなら・・・やってみろ!!」

 

3人とフリードの戦いの火蓋が切って落とされた!

 

急げ凱!アーシアとレイナーレの危機が迫っている!

 

それを救えるのはお前だ・・・急げ!

 




はい!第6話は如何でしたでしょうか?

今回は各戦隊の戦闘員にジュウレンジャーのティラノレンジャーにダイノバックラーからサイドザウラー2などを中央にリュウソウジャーからカクレソウルを出しました。

今回で正体を明かしましたが次回は遂に・・・原作キャラを戦隊に変身させます!話を読んで下さっている方は誰が変身するかは分かると思いますが・・・何に変身するかは次回を楽しみに。

では次回、第7話でお会いしましょう。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 現れし2つの陰。真の戦隊の姿を今!

はい!第7話になります。

今回は待ちに待った原作キャラの変身内容になっております。

ディメボルケーノとモサレックスが兄弟という事が判明しましたが本当の兄弟なのか義兄弟なのかは次回に分かりますかね?
次回は更には新たなリュウソウ合体も当時ですから楽しみです。

新しくマクロスFと未来戦隊タイムレンジャーのコラボ作品を投稿開始しました。
シェリルとキャシーをヒロインとした三角関係の物語になりますので、マクロスやタイムレンジャーが好きな方や少しでも興味を持たれた方は読んで頂ければ嬉しいです。

では第7話をどうぞ♪


前回のあらすじ

 

レイナーレ達4人を正式に家族として受け入れた桐竜家。

次の日にグレイフィアと黒歌は戦隊の力を継承する為の試練に挑んでいる最中・・・何と!レイナーレとアーシアが攫われた!

更には木場と小猫の強引さに流石の凱もお手上げ〜〜〜!!2人共に指定された教会で凱は最初の恐竜戦隊であるジュウレンジャーのティラノレンジャーに変身するのであった!

 

フリード

「この間は油断したが今度こそお仲間の悪魔さん方と一緒に・・・ズタズタにしてやるからな!ヒャッハ〜〜〜!!」

「命を軽んじるお前の方が悪魔だがな!」

フリード

「ハッ!何とでも行って貰っても結構♪オラッ!!」

「遅い!今度はこちらから行くぞ!龍撃剣!タッアァァァーーー!!」

フリード

「しゃらくせぇんだよ!」

「脇がガラ空きだ!目先の動きばかりに意識を向けているからだ。小猫ちゃん!」

小猫

「ハアッ!ティ!」

フリード

「チョロチョロと動き回りやがって!鬱陶しいんだよチビ!」

小猫

「チビ・・・今・・・チビって言われました。」

フリード

「おっと〜悪い悪い!餓鬼んちょ♪って言った方が良かっ、危ねぇ!!」

小猫

「怒りました!潰れて下さい!!」

 

ガイアトロンによって研ぎ澄まされた切れ味を発揮する伝説の武器の1つであり、ティラノレンジャーの個人武器である諸刃剣・・・龍撃剣の一撃で吹き飛ばされたフリードに中々伸びない身長の事を言われた小猫は、不機嫌な表情を浮かべながら近くの床に固定された長椅子を持ち上げ片手で放り投げた。

 

木場

「小猫ちゃんを怒らせちゃった見たいだね彼は」

「小猫ちゃんの何処にアレだけの力が?」

木場

「彼女はズバ抜けたパワーが特徴のルークだからね。」

「ルーク?チェスの駒の事か?」

木場

「詳しくは後で部長が説明してくれる筈だよ桐竜君。さて・・・今度は僕の剣を披露するよ!」

フリード

「いい加減ウザったいんだよチビ!いつまでも無駄な野球ごっこしてないで俺様にさっさと切られ!」

木場

「気を取られすぎだ!ハァァァ!!」

フリード

「此奴!長椅子の影に隠れて!」

木場

「小猫ちゃんが僕の存在を気取らせないようにしてくれたからね♪」

フリード

「余裕ぶっこいてんじゃねぇよイケメン野郎が!」

「剣道で相対した時に分かったが・・・此れが本当の木場の剣の腕と俊敏さか。」

小猫

「祐斗先輩は速さが特徴のナイトなんです。」

「ナイト?益々チェスだな?」

小猫

「祐斗先輩の力は其れだけじゃありません。」

フリード

「な、な、何が起きやがった?!」

「なっ!フリードの剣が!」

木場

「君の剣は光を失った。光を喰らう魔剣・・・ホーリーイレイザー。この剣が光を飲み込んだ!」

フリード

「テメエ!神器持ちか!」

「木場が神器使いだったとはな!」

木場

「魔剣創造ソード・バース・・・其れが僕の神器さ!」

 

ホーリーイレイザーによって使い物にならなくなった光剣を投げ捨てるとフリードは二丁の光銃を取り出すと怒り狂いながら乱射しようと銃口を向けて来た。

 

フリード

「お前ら・・・本当に目障りなんだよ!何でさっさとくたばらないんだよ!」

「相手との実力の差を推し測れないお前に勝ち目は無い!」

フリード

「キッ!クソがぁぁぁ!コスプレ野郎から蜂の巣にしてやる!!」

「レンジャーガン!!」

フリード

「なっ!俺様の銃が!」

「龍撃剣!ハアァァァーーー必殺!ティラノスラッシュ!!」

フリード

「ガッハァァァ!!」

「手応えが無い?フリードは!」

小猫

「彼処です桐竜先輩!」

「やはりか・・・咄嗟に後ろに跳びながら銃で受け止めたか。」

 

凱は腰のホルスターに携行してガイアトロンエネルギーで駆動する万能短剣・・・レンジャースティックをプラズマ状エネルギーを打ち出す形態・・・レンジャーガンに変形させ。

光銃を撃ち落としながら距離を詰めると龍撃剣にガイアトロンと己の生体エネルギーを掛け合わせた光を纏わせると、頭上に飛び上がりながら滑空切りの様に剣を振り抜きフリードを吹き飛ばした。

剣に切った感覚が無かった事から仕留めきれていないと分かっていたが予想通り、多少の傷を負っている程度のフリードが割れたステンドグラスの場所に壊れた光銃を持って立っていた。

 

フリード

「チクショウ!こんな所で死んでたまるか!」

「待て!レイナーレとアーシアは何処だ!」

フリード

「誰が教えるか馬鹿!!覚えとけよテメエ!今度会った時は絶対にぶっ殺す!」

「逃げられたか・・・何れまた現れるだろうな。」

小猫

「桐竜先輩。此処の床に隠し階段があります。」

木場

「急ごう桐竜君。」

「ああ!(無事でいてくれレイナーレ!アーシア!)」

 

フリードを撤退させ変身を解除した凱は薄暗い地下へと続く階段を下ると大きな扉があり中に入ると、荘厳な雰囲気を漂わせる祭壇の上に設けられた十字架に貼り付けられたレイナーレとアーシアは発見した。

 

「レイナーレ!アーシア!」

レイナーレ

「うっ・・・ん?が、凱?」

アーシア

「あ、あれ?此処は・・・一体?」

「直ぐに助ける!待ってろ!」

???

「おっと!我々の邪魔はやめて貰おうか!」

「お前は・・・マッドトリン!」

???

「・・・」

「横にいるのがカラワーナ達が言っていたローブを羽織った男・・・らしいな。」

木場

「桐竜君。あの2人は一体?」

「マントの男は分からないが・・・禍々しい姿をしたのは嘗て初代キョウリュウジャーに破れ去った魔剣神官だ。」

木場

「魔剣神官・・・確かに名に恥じぬ禍々しい姿とオーラだ。」

小猫

「でも・・・倒された筈のマッドトリンが何故此処にいるんですか?」

「分からない。(大地の闇は封印されデーボモンスターの魂は全て倒された筈・・・)マッドトリンもだが・・・隣の男。」

木場

「凄い威圧感だ・・・まるで心臓を鷲掴みにされてるみたいだ! 」

 

行く手を阻む様に得物を構え立ち塞がるマッドトリンの横を全く気にする素振りすら見せずにマントに身を包んだ男が凱を指差し声を掛けてきた。

 

???

「お前が全恐竜戦隊リーダーの力を継承した男か?」

「ああ・・・俺は桐竜 凱。」

???

「何故名を名乗る?」

「立ち振る舞いから分かる。あんたも騎士だと・・・なら礼儀を持って先に名乗るのが当然だ。」

???

「そうか・・・いい眼をした男だ!ならば我も名乗ろう。我が名は・・・ガイソーグ!」

「ガイソーグ?」

ガイソーグ

「姿を隠すのも失礼だろ。ローブを脱ごう。」

「その剣はリュウソウケン!」

木場

「桐竜君がリュウソウレッドの時に使っていた!」

ガイソーグ

「違う。この剣は・・・ガイソーケン!」

「ガイソーケン・・・よく見れば確かに似ているようで全く別物だ。」

マッドトリン

「何をしているガイソーグ!早く奴等を始末しろ!」

ガイソーグ

「・・・」

マッドトリン

「このアーシアの治癒の神器を手に入れ我等の力にする目的を忘れたか!」

ガイソーグ

「そんな目的に興味など無い。」

マッドトリン

「何だと!」

ガイソーグ

「我が所望するは真の強者との真剣勝負のみ!この少女の力を手に入れる・・・その様な借り物の力など我には不要!」

マッドトリン

「私の命令に逆らう気か!」

ガイソーグ

「貴様に従う義理など無い・・・我が此処にいるのは戦士たる桐竜 凱を見定め戦うこと・・・だが、今の状況では全身全霊の果たし合いは出来ぬ・・・らしいな!!」

 

そう言うとガイソーグはアーシアとレイナーレの鎖を断ち切ると2人を抱え凱の目の前に飛び降りて来た。

 

ガイソーグ

「怪我はない筈だ。」

「何故2人を助けてくれた?」

ガイソーグ

「我は最初から奴の作戦が気に入らなかった・・・人質を使いお前を始末し神器を手に入れる。我が身を傷めず手にした力に意味など無い・・・己の力のみで高みに至る事こそ我が生きる道!」

「ガイソーグ・・・」

ガイソーグ

「その為の戦いを我は望んでいるが・・・未だお前と戦うべき時では無い。況してや庇いながらでは全力も出せまい。」

「感謝するガイソーグ・・・不思議な男だあんたは。」

ガイソーグ

「フッ・・・貴様もな。楽しみにしているぞ桐竜 凱!お前と存分に戦える時を。」

 

ガイソーグは再び纏ったローブを翻すと一瞬で姿を消してしまった。

対してマッドトリンは切り札にしていたアーシア達を奪い返され戦力として当てにしていたガイソーグは命令に従わず姿を消し、始末もしくは致命傷を与える様に命令を下した筈のフリードは凱に全くダメージを与えられていない事が分かり怒りに震えていた。

 

マッドトリン

「おのれ役立たずのフリードとガイソーグめ!!何の為にお前達を連れて来たと思っている!」

「マッドトリン!お前が何故復活したかは後で問い詰めるとして・・・家族に手を出した事を俺は決して許さん!」

マッドトリン

「忌ま忌まし恐竜戦隊め〜〜〜!!こうなれば・・・力尽くでもアーシアを奪い返し神器を手に入る!魔剣マッドネスフレイム!!」

「マズイ!(変身が間に合わない!このままで4人を守り抜けるか・・・)」

黒歌

「白音!」

グレイフィア

「凱様!」

「この声!2人とも伏せろ!(ドッカン!!)」

マッドトリン

「アッハハハ!この俺の魔剣を受けて生き延びた者はいない!さて・・・アーシアから神器を抜く儀式を再開・・・何!」

「いい所に来てくれた・・・2人共!」

 

マッドトリンの攻撃による煙が晴れた場所には凱がリアス達の前に現れた時のローブを身に纏い姿を隠した黒歌と、普段のメイド服に付いてしまった埃を優雅に払うグレイフィアの2人だった。

 

グレイフィア

「お怪我はありませんか?」

木場

「貴女は一体?」

グレイフィア

「私は凱様にお仕えしておりますメイドのグレイフィアと申します。以後お見知り置きを木場 祐斗様。」

木場

「桐竜君のメイド?」

グレイフィア

「そうです・・・遅れて申し訳ありません凱様。」

「本当にいいタイミングに来てくれたグレイフィア。俺1人では少し危なかった・・・流石は頼りになる♪」

グレイフィア

「ありがとうございます♡」

 

咄嗟に出した言葉の意味を理解し瞬時に結界を張ってくれたグレイフィアに感謝を言う彼女は普段通り乙女の表示を浮かべ喜んでいるが・・・黒歌の方はと言うと。

 

黒歌

「・・・」

小猫

「黒歌姉様・・・ですよね。」

黒歌

「ひ、人違いですよ〜〜〜貴女とは今日会ったばかりで♪」

小猫

「黒歌姉様!」

黒歌

「が、凱も何か言って!私は人違いって♪(バッコン!)ふにゃ〜〜〜何するにゃ凱!」

小猫

「ふにゃ?」

黒歌

「ギクッ!ふにゃ何て言ってにゃ!ハッ!」

「さっきは助かった礼を言うよ黒歌。だが・・・もう誤魔化せないぞ。逃げていても何も変わらない・・・其れともこのままで良いのか?」

黒歌

「・・・嫌にゃ。」

「なら小猫ちゃんとしっかり向き合って話し合うんだ。大切な存在なら尚更だ。」

黒歌

「分かったにゃ・・・白音。後で必ず説明するから今は。」

「その時は俺も一緒に説明するから今は黒歌を信じてくれ!頼む小猫ちゃん。」

小猫

「・・・分かりました。桐竜先輩が言うなら。」

「ありがとう小猫ちゃん♪」

マッドトリン

「次から次へと邪魔者ばかり現れる!クソ!なら・・・此れで如何だ!出でよゾーリ魔達よ!行け!アーシア以外は皆殺しにし(ドッゴン!)今度は何だ?!」

朱乃

「雷よ!降り注げ!」

リアス

「祐斗!小猫!其れに桐竜君!無事!」

 

マッドトリンの命令で至る所から出現したドルン兵やゾーリ魔達だったが地下に降りて来た朱乃の雷撃をマトモに喰らい痺れて動けなくなったり倒れたりする隙に駆け寄ってくるリアスの姿が見えた。

 

リアス

「無事で良かったわ2人共!連絡が突然取れなくなって本当に心配したのよ。」

木場

「ご心配をお掛けしました部長。」

小猫

「すいませんでした部長。でも・・・如何しても桐竜先輩の助けになりたくて・・・」

リアス

「分かってるわ小猫・・・私も気持ちは同じよ。」

「グレモリー先輩。今まで何も告げずにすいませんでした。2人にも言いましたが此の事態が終わったら必ず説明致します。」

リアス

「分かったわ桐竜君。」

朱乃

「部長!桐竜君の隣にいるのは・・・はぐれ悪魔の黒歌では!」

リアス

「何ですって!」

朱乃

「今回の事はまさか彼女が!」

「其れは違います姫島先輩!俺の家族である黒歌は寧ろ仲間です!」

小猫

「私からもお願いします。今は黒歌姉様を・・・桐竜先輩を信じて下さい!」

朱乃

「桐竜君・・・小猫ちゃん。」

リアス

「朱乃。今は先ず目の前の問題を解決するわよ。」

朱乃

「分かりました部長。」

 

2人の説得とリアスの言葉で黒歌に向けていた警戒心をマッドトリン達に朱乃が向けた時にゾーリ魔達が体制を整え起き上がって来た。

 

マッドトリン

「本当に厄介事ばかり起きる!未だ早いが仕方がない・・・来い!」

レイナーレ

「ド・・・ドーナシーク!」

マッドトリン

「如何だレイナーレ!嘗ての仲間の変わり果てた姿は!」

「あの男がレイナーレが言っていた最後の仲間のドーナシークか!」

マッドトリン

「もう間も無く此奴はマイナソーになる。ドーナシークよ・・・お前の手でレイナーレを始末してやれ。」

レイナーレ

「凱!ドーナシークを・・・ドーナシークを助けて!」

「・・・マイナソーにされた者を助ける事は・・・」

レイナーレ

「そ、そんな!」

???

「大丈夫じゃ凱!」

「その声・・・バーザ!」

 

レイナーレが助けられないショックで膝から崩れ落ちたそうになった時に現れたのは・・・不思議仙人のバーザ。

彼はバンドーラに並ぶ程の魔術に長けた古代人類の白魔道士である。攻撃魔法の類は使えないが治癒や薬草の知識に精通がある博識ある人物で地下神殿の管理もしていたのだが、凱が本格的に戦うようになってから暫くして旅に出ていたのだ。

 

バーザ

「凱!彼はマイナソーをされて未だそんな時間は経っておらん!今なら助けられ筈じゃ!」

「本当なのかバーザ!」

バーザ

「急ぐんじゃ!時間が経てば経つほど助けられ無くなる!」

木場

「桐竜君。此奴らの相手は僕達がする!」

小猫

「先輩はマッドトリンをお願いします!」

朱乃

「私達の攻撃が通用するなら問題ありません!其れに・・・私も祐斗君達と同じように貴方に助けられたお礼がしたいのです!」

「姫島先輩・・・アーシアとレイナーレをお願い出来ますかグレモリー先輩?」

リアス

「分かったわ。彼女達は私が責任を持って護るわ!」

マッドトリン

「くだらない茶番は済んだか!」

「覚悟しろマッドトリン!お前の穢れた魔剣を俺達の騎士道が打ち砕く!!」

マッドトリン

「ホザけ虫けらが!貴様1人に何が出来る!」

「俺は1人じゃない!」

 

 

推奨BGM 騎士竜戦隊リュウソウジャー

 

 

アーシア達をリアスに預けマッドトリンの言葉に悠然とした気構えと表情を浮かべ前に歩み出る凱の隣には・・・戦士としての力を継承した家族であり仲間がいる!

 

「俺には・・・心配してくれた友人がいる!何も言わず見守ってくれた先輩がいる!笑顔を与えてくれた家族がいる!そして・・・戦士としての魂を・・・誇りを取り戻してくれた掛け替えのない仲間がいる!だから俺は1人じゃ無い!この絆の力で地球の平和を必ず護る!!」

マッドトリン

「絆・・・そんな物!闇の力の前には無力だ!」

「見せてやる!絆の力を・・・命を守る戦隊の力を!グレイフィア!黒歌!」

グレイフィア

「この力と共に・・・地球と凱様との未来を切り開く為に!」

黒歌

「大切な家族を・・・大切な人を!今度こそ絶対に護る為に!」

「行くぞ!!」

 

凱がレッドリュウソウルを取り出した時・・・グレイフィアと黒歌の右手にも新たなリュウソウルが握られ左腕にはリュウソウチェンジャーが輝いていた。

 

凱達3人

「リュウソウチェンジ!!」

 

『ケ・ボーーーン!!』

 

『ワッセイ!ワッセイ!そう!そう!そう!ワッセイ!ワッセイ!ソレ!ソレ!ソレ!ソレ!』

 

以前にリアス達の前で変身した時に飛び出しレッドリュウソウと色合いも形状違うリュウソウルが凱以外の2人のチェンジャーから飛び出して来た。

グレイフィアからはブルーの3本角にレッドとは違う剣を構えた・・・ブルーリュウソウルが、黒歌からはピンクにバイザーを装着しハンマーを備えた・・・ピンクリュウソウルが其々のチェンジャーから出現した。

そしてレッドリュウソウルと共に彼らの周りをリズムに合わせて踊り出し3人が同時にバイザーを大回転させた!

 

『リュウSO COOL!!』

 

3人を光が包みリュウソウジャーへと変身した!

 

「勇猛の騎士!リュウソウレッド!」

 

凱はリュウソウレッドに・・・そして!

 

グレイフィア

「叡智の騎士!リュウソウブルー!」

 

グレイフィアはトリケラトプスが進化した騎士竜・・・トリケーンの鋭き力を纏い、優れた知略と冷静な判断力を培ったリュウソウブルーに!

 

黒歌

「剛健の騎士!リュウソウピンク!」

 

黒歌はアンキロサウルスが進化した騎士竜・・・アンキローゼの剛の力を纏い、凄まじい剛力と慈愛の心を持ったリュウソウピンクへと変身した!

 

凱達3人

「正義に仕える3本の剣!騎士竜戦隊・・・リュウソウジャー!!」

 

3本のリュウソウケンを天へと掲げ真の意味で騎士竜戦隊リュウソウジャーとして今此処に立ち上がった!!

 

「俺達の騎士道・・・見せてやる!!」

マッドトリン

「リュウソウジャーが3人に!えぇ〜〜〜い!掛かれゾーリ魔達!!」

「2人共マッドトリンの足止めを頼む!俺はドーナシークを!」

グレイフィア

「分かりました!」

黒歌

「任せるにゃ凱!」

「グレモリー先輩達も気おつけて!」

リアス

「分かったわ!」」

レイナーレ

「凱!」

「待っていてくれレイナーレ。必ず・・・必ず俺がドーナシークを助ける!」

レイナーレ

「私はいつでも貴方を信じてるわ。ドーナシークを・・・お願い!」

 

彼女の涙を拭うと凱は此方に向かって来ているゾーリ魔達に向き直すとグレイフィアと黒歌を引き連れ敵の間をすり抜ける2人がマッドトリンの相手をしている隙にドーナシークの槍とリュウソウケンがぶつかり合う激しい戦いを繰り広げていた。

 

「ハァァァーーー!!」

ドーナシーク

「ガッガ!」

「完全なマイナソーで無いのにこの動き!(ドーナシークのポテンシャルが高いからか!だが!)レイナーレと約束した・・・お前をマイナソーの呪縛から救い出すと!」

ドーナシーク

「ウッ・・・ガッ!ガァァァァ!」

「先ずは動きを止める。マブシソウル!」

 

『マブシソウ〜ル!!リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!!マブシソウ〜ル!ピッカリーン!」

 

騎士竜・・・マブシソウリュウのリュウソウルで竜装し眩い光を発生させドーナシークの視界を奪った凱。

 

ドーナシーク

「ウッガ!!」

「動きが止まった!今だキケソウル!ドーナシーク!今お前に大切な仲間の声を届ける。マイナソーの闇を払い除けろ!取り戻せ・・・本当の自分を!」

ドーナシーク

「ア、アァァァ〜〜〜??」

 

続けざまに騎士竜・・・キケソウリュウの力で彼に仲間の呼び掛けを届け失われた心を呼び覚まそうと竜装した。

 

『キケソウル!!リュウ!ソウ!そう!そう!この感じ!!キケソウル!キーン!』

 

ドーナシーク

「ハガッ!」

アーシア

「目を覚まして下さいドーナシークさん!元の優しかった貴方に戻って下さい!」

ドーナシーク

「ア、アー・・・シア?!」

ミッテルト

『ドーナシークは大丈夫っすかね?ウチ・・・心配っす!』

カラワーナ

『大丈夫だ。凱が必ずドーナシークを助けて・・・攫われたレイナーレ様やアーシアと一緒に戻って来る!』

ドーナシーク

「ミッテ・・・ルト。カ、ラー・・・ワナ。」

レイナーレ

「ドーナシーク!お願い・・・目を覚まして!!」

ドーナシーク

「レ・・・レイナーレ様!」

 

仲間の声はマイナソーによって失われようとしていた彼の意識を再び呼び起こし僅かながらに自我を取り戻させた。

 

「意識が戻った!」

バーザ

「今じゃ凱!分離しかけているマイナソーをドーナシークから切り離すんじゃ!」

「分かった!ハッァァァーーーディノスラッシュ!!」

 

『レッド!それ!それ!それ!それ!その調子!!剣ボーン!!』

 

ドーナシーク

「・・・」

「・・・」

ドーナシーク

「うっ!此処は・・・私は一体何を?」

「気が付いたかドーナシーク?」

ドーナシーク

「お前は誰だ?其れに私は今まで・・・駄目だ!何も思い出せん」

「無理も無い。今までマイナソーの力に蝕まれいたからな。」

ドーナシーク

「マイナソー?其れは何んだ?」

レイナーレ

「ドーナシーク!良かった・・・本当に良かったわ!」

ドーナシーク

「レイナーレ様・・・申し訳ありません。貴女をお守りする立場の私がご迷惑をお掛けして。」

レイナーレ

「気にしないで頂戴。貴方が居たから私達は生きていられるのだから。」

ドーナシーク

「ありがとうございますレイナーレ様。」

レイナーレ

「ドーナシーク。詳しくは後で説明するけど凱は信頼出来るから安心して大丈夫よ。」

 

ディノスラッシュの一撃がドーナシークの体から霊体の様に現れたマイナソーの力の根源を断ち切り分離させた。

其れによって本来の彼に戻ったが凱からの説明にも記憶に混乱が生じている為か首を傾げたが、レイナーレとの再会と説明により落ち着きを見せた時・・・

 

マッドトリン

「あ、あ、あり得ん!!マイナソーの力に飲み込まれた存在が意識を取り戻す事などある筈がない!」

「此れが絆の力・・・仲間を思う心が起こした奇跡だ!」

マッドトリン

「巫山戯るな!こうなったら今一度マイナソーにしてやる!」

 

マッドトリンが更に怒り狂い全身を覆っていたオーラがドス黒い物へと変わって行く。

 

グレイフィア

「レイナーレ!此処は私達が引き受けるわ・・・早く彼を連れて離れて!」

黒歌

「私達3人に任せて早く行くにゃ!」

レイナーレ

「何も出来ずにごめんなさい2人共・・・気おつけて。凱も。」

「大丈夫・・・直ぐに終わらせる。そして帰ろ・・・俺たちの我が家に。」

レイナーレ

「ええ♪」

「残りはお前だけだマッドトリン!ゾーリ魔達も既に倒されている。」

マッドトリン

「俺はデーボス軍の魔剣神官・・・貴様ら如きに負ける筈が無い!!」

「覚悟しろ!今この場で決着を付ける!!」

 

闇に包まれ悪に染まった剣と光を放ち正義を宿した剣が今!切り結ぶ!

 




はい!第7話は如何でしたでしょうか?

今回はジュウレンジャーからバーザに武器のレンジャースティックと龍撃剣、そしてリュウソウジャーからマブシソウルとリュウソウブルーとリュウソウピンクを出しました。
敵側からはキョウリュウジャーからマッドトリン、リュウソウジャーからガイソーグとガイソーケンを出しました。

グレイフィアは冷静でクールな所がピンと来たのでリュウソウブルーに、黒歌は少しお茶目な可愛い所がピッタリと思いリュウソウピンクにしました。

次回は原作第1章の完結ですが更に戦隊要素やオリジナル内容も出しますので、お楽しみに。

では次回の第8話でお会いしましょう♪


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。