スーパーロボット大戦T〜暗黒魔鎧装伝〜 (邪神イリス)
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プロローグ 暗黒の鎧と髑髏の皇

 

その日は、夏真っ盛りの日で、気温は30度を超えていた。仕事が早めに終わり、家に帰っていて、信号を待っている時のことだった。

 

 

 

「ふぅ・・・・・たく、今日も暑いなぁ。早く帰って涼しくアイスでも食いながら、タイガを見たいなぁ。ん?」

 

その時、ちょうど赤信号だった横断歩道にボールを追いかけて子供が飛び出した。

 

「ちょ!ヤベッ!」

 

 横からはデカイトラックが突っ込んで来ていた。その時の俺は何も考えずにただ、目の前でトラックを見て呆然としている子供に向かって走っていた。

 

 

 

 

 

 

ドンッ!

 

 

 

 

 

子供を抱いた瞬間、背中に強い衝撃を感じた。数秒ほどしてから痛みで目が覚めた。こちらを不安そうに見ている子供の顔と周りから悲鳴などが聞こえた。

 

「・・・・おい・・・・怪我はないか・・・・?」

 

子供は頷いた。

 

「よかった・・・・・二度と飛び出しなんかすんなよ・・・・・・」

 

 しかしまぁ、なんだか体の感覚が無くなってきたな・・・・・俺、死ぬのか?まぁ悔いはないが。強いて言うならタイガを最終回まで見たっかったなぁ・・・・・・・・

 

 そうして俺の意識は、無くなっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?」

 

 目を覚ました俺は、何か冷たい床の上で寝ているのに気づき、そして混乱した。

 何故自分は生きている?

 

 なんとなくだが、確かに自分はあの時死んだような感覚があった。

 少ししたら、とりあえず生きているみたいだし、服もそのままみたいだからとりあえず周りを散策してみることにした。

 

「しっかしまぁ、何なんだ此処は?見たところ何かの研究所っぽいが・・・お、エレベーター発見。」

 

 ボタンを押してみたところ、まだ動くみたいだが、どうやら地下にしか行かないみたいだ。

 

 

 

 

思っていたよりも地下は深いようで、たどり着くのに10分ぐらいかかった気がする。扉が開いたので、中から出てみると、そこにはとんでもないものがあった。

 

「・・・・・なんじゃこりゃぁ・・・・。」

 

そこにいたのは見たこともない巨大な物体だった。

鎖が幾十にも巻きつけられ、体は結晶のようなものに覆われていて、何よりその頭にはドクロ(・・・)がついていた。そしてその反対側に不可思議な広場があったので、そこに行ってみたらさらに驚くものがあった。

 

「コイツは!」

 

ウルトラマンを見てきた者ならば見間違える筈がない。

それは、ウルトラシリーズに度々登場してはその力を振るった。『暗黒魔鎧装アーマードダークネス』の専用武器、『ダークネスブロード』が、惑星ハマーにあった時のように、巨大な姿で地面に刺さっていた。

 

俺はその時、何も考えずに、恐る恐るその刃のところに触れた。

 

「!」

 

そして見えたのは、ウルトラマンメビウスやヒカリ、ジャッカル大魔王、ウルトラセブンやゴモラとレッドキングなど、テレビなどでアーマードダークネスを纏った存在と戦った相手だった。

 

「なんだったんだ今のは・・・て!」

 

再び目を開けるとそこには、ネックレスみたいに小さくなったダークネスブロードが手のひらにあった。

 

「何だこれ?ダークネスブロードだよな?・・・・ん?」

 

ダークネスブロードの宝石のような部分が光ったと思ったら、何かを感じた。

 

数分間程、これを感じ続けた結果、どうもこれはアーマードダークネスの思念で、どういうわけかは知らんが、コイツは俺を主と認めたようだった。

アーマードダークネスって憑依とか特殊な方法を用いない限り、基本はエンペラ星人以外には使えない(・・・・・・・・・・・・・・)んじゃ?まぁこれから考えていけば良いかと思い、さっき見た謎の巨人?のようなもののところに戻って何かないかと探したら、アイツの頭の部分に乗れるみたいで、そこに乗るための場所も見つけた。というかコイツロボットなのか・・・・・・・

 

とりあえずコクピットに入ることができたが、どうもコイツは2人まで乗れるらしい。

昔何かの映画で見たことがあるような気がする内部を見てなんとなく操縦桿を握ってみた。

 

「ぐうっ!」

 

すると先程のアーマードダークネスの時とおなじような感覚を感じたさっきと同じなら恐らくこれはコイツの記憶。コイツも自我でもあるのかと思っていると何かが見えてきた。それは2人の男、1人は刀を1人は銃を持っていた。それから彼等が戦ってきたのであろう者達も見えた。

 

「ふう・・・・・本当に何なんだよっと!?」

 

目を開けたら強い振動を感じた。何かと思い外を見たら、コイツが勝手に動き出し、鎖などの拘束を解いた。

 

拘束が解けたと同時に、地面が動き出した。どうもこれも一種のエレベーターのようなもののようだ。しばらくして地上に出たら、何か荒廃した建物が見えた。後で調べに行こう。そう思っていたら、コクピットのコンソールに何か文字が表示され、そこにはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『MAZINKAISER SKL』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とりあえずまぁ、初っ端はこんな感じです。速攻で思いついて速攻で書いた作品なので、誤字とかがあるかもしれないので、見つけたら教えてほしいです。
読了ありがとうございました。


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第1話 未知なる世界

どうも、邪神イリスです。
テストなどが忙しかったので、ようやく投稿できました。

さて、まず最初のうちに読者の皆様に謝ることがあるのですが、少しの間、タイトル詐欺になってしまいます。

まったく出さないというわけではないのですが、少なくとも2、3話は話の展開上アーマードダークネスよりもカイザーが目立ってしまうんです。

そういったのが嫌という方は、ブラウザバックを推奨します。

それと、お気に入りに登録してくれた方々、ありがとうございます。

それでは、どうぞ。





?月?日

 

あれから数日がたったが、今後何が起こるかわからないのと、忘れた事を思い出したりする為に今日から日記をつける事にした。

 

因みに日記は、俺の懐に入っていた手帳に書いている。

 

色々と調べてみて分かった事がある。まずここは、地球であること。この謎の施設の名前は光子力研究所(・・・・・・)と言う事と、この施設がある場所は無人島である事。

後は探索中に気付いたのだが、前よりも身体能力が上っている気がする。今じゃ普通に壁走りできるし、ジャンプ力だって上がっていた。

 

ただ、それでもアーマードダークネスとマジンカイザーSKL(以降カイザーと呼称する)についての詳細はまったくわからなかった。一体どういう経緯で作られたのかどうかも分からなかったし、でも、カイザーは何処かで見た事がある気がするんだが・・・・俺はあんまりロボットアニメは見てなかったしなぁ・・・・・

 

 

 

 

 

 

それと、何故かは知らんがインターネットも繋がったので、色々と調べてみたのだが、どうもこの地球は俺が住んでいた地球とは別の地球らしいみたいだ。

 

これに関してはウルトラシリーズを見てきた自分にとって多次元宇宙論マルチバースというものがあるからそこまでびっくりはしなかったが、別の地球か・・・・・・・・・・どうも今は黄昏の時代と呼ばれていて、人類が宇宙への進出を諦めた世界のようだ。一体昔に何があったんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△月◯日

 

カイザーのデータを調べていたら地形データが見つかり、この島は日本に近い太平洋にある島だとわかった。

 情報収集などの為、早速俺は行動を開始する事にした。

 

シミュレーションのお陰でGには慣れたし、仕組みはわからんがマントをつけることであまり目立たないようにできたが、腰のデカイ剣とかのせいで、まだまだ十分目立ちそうなので、着陸はあまり人に見られないような場所でしようと思う。

財布は無事だったし、ついたら食料や衣類を買おう。せっかく別世界の地球に来れたのだから、あちこち旅をしてみたい。幸いなことに、小さい頃から親が外国に連れて行ってくれてたおかげで言葉に関しては大丈夫・・・・だと思いたい。別世界の地球だからって、日本語も違うとかないよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間ほど跳び続けた結果、なんと日本に辿り着いた。色々とさりげなく聞き込みをしてみたが、お金に関しても十分なんとかなりそうだが、しかし、金が尽きたら稼ぐにはどうしたら良いのだろうか。この世界の戸籍とかないしなぁ・・・・

 

閑話休題(それはともかく)、さすが別世界の地球。軽く調べただけで俺がいた日本にはなかったものがたくさん見つかる。Gアイランドシティに旋風時コンツェルン、他には富士山の麓には光子力研究所が・・・・そう、光子力研究所である。

 

あれ?とは思ったし、思わず二度見もしてしまった。無人島のは初代の研究所で、今はこっちに移したのかな?機密事項とかだろうから調べようもないのだが。

 

 

まぁ、その後、あちこちでなんとか稼げる方法を聞いて回ったのだが・・・・今のご時世で一番手っ取り早いのは賞金稼ぎだと知った時は驚いた。

どうも今はテロリストなどの犯罪者が増えており、危険はあるが、普通に働くよりは儲けがあるらしい。物騒な世の中な物だ。

 

しかし、カイザーを隠さずに堂々と動くなら、それが一番無難なのかなぁ・・・

 

因みにその当のカイザーは、現在は人気のない海岸近くの洞窟に隠している。今更であるが、俺は普通に何の手続きもなく日本に侵入しているが・・・・捕まらないよな?

 

 

A月◇日

 

カプセルホテルで一夜を過ごし、適当な売店で朝食を取った後、俺は衣類などを買い、カイザーに乗って火星へと向かった。

 

この世界ではなんと火星が開拓されており、位相差空間ゲートなるものを通ればすぐに行けるようになっているそうだ。因みに現在の俺の服装は、ウルトラ銀河伝説でヒビノ・ミライが来ていた物に似ている。なかなか動きやすいので、個人的には快適だ。

 

火星に着いた後は、賞金稼ぎ・・・この世界ではカウボーイとも言うらしいが、そうである事を証明する為のライセンスを登録してもらった。

 ただ、思ったよりもあっさりと取得できたので、少しばかりびっくりした。

 

 

せっかくなので、犯罪者探しのついでに火星を探索して行きたいと思う。火星に来るなんて元の世界では考えられなかったし、楽しんでいこう。

 

 

ただ、しばらくアーマードダークネスは使わなそうだなと思っていると、首に掛けているダークネスブロードからちょっと落ち込んでいる感じの思念が伝わってきて少し罪悪感を感じた。

ダークネスには悪いけど、移動するならカイザーの方が良いからなぁ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、雷夢が火星に来てから数十分ぐらいした頃の事である。

 

「おい、首尾はどうなんだ?」

 

「順調だ。確実に成功するさ」

 

「情報は本当なんだろうな?この時間帯は武器庫の警備が甘くなるのは」

 

「軍のお偉いさんに賄賂渡して聞いたんだ。間違いない」

 

不穏な話をしている彼らは火星を中心に活動をしているテロリストである。今から、地球連邦軍の武器庫を襲って弾薬などを確保しようとしていたのだが・・・残念ながらその目的は達成できないようだ。

 

「ん?おい!ありゃ何だ!?」

 

「あぁん?どれだよ・・・・・・・・・!」

 

彼らの前に現れたのは、2つの髑髏が輝く、魔神だったのだから・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 




スパロボ世界には必ずと言っていいほど、テロリストとかがいるので、序盤の相手としては出しやすいので、助かります。

因みにアーマードダークネスは普段は小さいダークネスブロードの状態になってます。イメージとしてはインフィニット・ストラトスのISの待機状態みたいなものですね。

次回は初の戦闘描写・・・頑張りたいと思います。

感想や誤字脱字などがありましたら、是非、よろしくお願いいたします。

それでは、お読みいただきありがとうございました。


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第2話 皇の初陣

お久しぶりです。本年一発目の投稿ですね。テストとか忙しいですが、少しづつ執筆しております。



 

 

 

 A月◇日(続き)

 

 犯罪者なぞ何処にいるのかわからないので、適当に探してみることにし、探し始めてから約数時間。

 

 前の世界ではまず見る事なんぞ出来ないであろう生の火星の風景を楽しみながら移動していたが、テロリストなんぞの姿は影も形も見えない。

 

 良い事なのかもしれないが、よくよく考えてみれば、犯罪者が大手を振って堂々と居る筈は無いのである。

 

 情報を手に入れてから探せばよかったなぁ。と後悔し始めた頃、カイザーのセンサーに複数の反応があった。

 

もしかしてと思い、反応があった方向に向かった結果、いかにもな武装をしている団体と鉢合わせをしてしまった。

 

テロリストかと思ったのだが、違うかもと思い、どうしようかと迷っていたら、通信も寄越さずにいきなり銃を打ってきたので応戦することにした。

 

 予想以上にカイザーは頑丈で、銃弾によるダメージは特に気にすることはないみたいだが、無防備で居るのも不味い気がしてきたので、牙斬刀と言う大剣を盾の代わりにしながら接近しコクピットを傷つけないように気をつけながら剣を一閃した。

 

 すると、相手の機体がまるで紙を斬るかのようにスパッと簡単に真っ二つに切断された。

 

 周りの機体からは通信越しにどよめきが聞こえ、かなり動揺しているのがわかる。

 

 これも後で知ったのだが、オープンチャンネルと言うのを使えば、簡単に呼びかけれたらしい。気を付けないと公的機関の機体とやりあう事になっちゃいそうだ。

 

 さて次はどうするかと考えてたら、周りの茶色の機体と違って、いかにも司令官らしき青い機体から怒声がきこえたかと思うとすぐに攻撃が再開されたので、とりあえず適当な機体に攻撃を集中させ、隙を見て他の機体の相手を始めた。

 

 ズバズバと斬って戦い続けること約10分、いつの間にか、残すは指揮官らしき機体のみとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テロリスト達のリーダーは困惑していた。最初に現れた後、まったく動かないでいたので、これを破壊して早く当初の目的を終わらせようと判断し、部下達に命令をし、攻撃させた直後、奴は手に持っていた巨大な剣を盾にこちらに突っ込んできたかと思うと、近くにいた機体を一撃で真っ二つにした。部下達からあきらかな動揺が出たが、ここで引くわけにはいかない。

 

「何をビビっている!そいつを囲め!数ではこっちが上なんだ!蜂の巣にしてやれ!」

 

しかし、この数分後、彼はこの判断を後悔するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バ、バカな・・・・・・」

 

 テロリストのリーダーが乗る機体の周りには、部下達が乗っていた機体の残骸が散らばっている。

通信越しに呻き声が聞こえるので、生きてはいる様だ。

 

「うーむ。思っていたよりも弱かったな。それともカイザーがつよすぎるだけか?」

 

 その言葉を聞いたテロリストのリーダーは驚愕した。まさかたった1機で自分達を相手に圧倒できるとは思ってなかったからだ。

 

「くっ!化け物め!何なんだお前は!よく見たらその姿!地球のマジンガーZと何か関係でもあるのか!?」

 

「マジンガーZ・・・・?あれ、何処かで聞いた事がある様な・・・・カイザーと何か関係でもあるのか?」

 

「ふざけやがって!とにかく死ねやぁ!」

 

テロリストのリーダーはカイザー向けてバズーカを撃つが、カイザーは牙斬刀で弾いた後、接近し、袈裟斬りした。

 

 

「ガハッ・・・・」

 

「あっ」

 

 リーダー機は両腕を切断され、武器も失い、更に胴体にも大きな傷をつけられ、機体は爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テロリスト集団のリーダーらしき機体と戦った俺だが、勢いそのままに、相手の機体をコックピットごと斬ってしまった。

 ただ、こうして日記を書きながらよく考えてみたのだが、初めて人を殺した筈なのに、当時俺は何も感じてはいなかった。理由はわからないが、気には止めておいた方が良さそうだ。

 

 その後は、生きている連中を捕まえた後、そのまま連邦軍に引き渡し、賞金を受け取った。

 

 引き渡しの際に、一応、本人である証拠があれば、生死問わずらしいが・・・・流石にそれは気も引けるし、基本は生け捕りでいく方針で行こうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 初の戦闘描写いかがでしたでしょうか?マジで大変だこれは・・・文才がほしい・・・・・・・・

 というか、相変わらず自分の作品は1話1話が短めだなぁ。ほんと、他の作者様達はどうやったらあんなにたくさん書くことができるのだろうか?



感想、評価、よろしくお願いします。


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第3話 新たなる仲間

 
 どうも、邪神イリスです。いつのまにかお気に入り登録が18件も来ていることに驚いた自分です。お気に入りに登録してくださった皆様、ありがとうございます。

 さて、前回初の戦闘からの今話ですが、新たな個体を参戦させようと思います。

 それでは、どうぞ。


 

 

 

 

 

 

 

 

!月V日

 

 

 この世界に来て、はや数ヶ月。あれから賞金稼ぎは順調であり、かなりの金を稼ぐことができた。

 

 おかげで食事などにはあまり困る事もなく過ごせて、この世界の基本常識や歴史を学ぶ事もできた。

 

 だが、目についた賞金首とかを積極的に捕まえまくっていたら、いつのまにか、カイザーの外見からか『髑髏の魔神』と呼ばれるようになり、出会う度に、絶対に会いたくない賞金稼ぎナンバーワンと言う称号まで付けられたので、正直勘弁して欲しいところだ。

 

 まぁ、何処となく、失われた筈の厨二心をくすぐられたのは秘密である。

 

 

 

 

 

 

 

 

@月#日

 

 今日、俺は驚きの一言では表せない出来事があった。

 

 いつものように探索をしていると、モビルスーツなどとはまた違った反応をカイザーのレーダーが捉えたのだが、それと同時に急に待機状態のアーマードダークネスがで騒がしくなったので、その反応がある所まで向かったのだが・・・・

 

 到着して、最初に目についたのは、直径200m前後のクレーター。その中心に居たのは、全身の色は黒に近いグレー、明らかにロボットにしか見えない見た目で、胸には紫色に光るビームランプがあり長い尻尾に特徴的な三本角。

 見間違える筈もなく、それはかつてニセウルトラセブンを生み出したサロメ星人が生み出した強力なロボット怪獣『メカゴモラ』だった。

 

 いや、本当にびっくりした。見つけた瞬間はあまりのあり得なさに思わず目を疑ったよ。なんせ目の前にいるのはどう見てもあのメカゴモラだからな・・・

 

 だが、よく観察してみると、動いてはいるものの、三本のうち右の角は折れており、左手もチェーンがぶら下がっているだけで見当たらず、全体的にかなりの損傷が見受けられた。

 その状態と、俺のウルトラ関係の知識から推察した結果、コイツは惑星チェイニーでレイのゴモラに倒された個体の可能性が高いと思った。

 

 いや、それならなんでこんな所に居るんだと言う話になるが、そんな事が俺にわかる筈がない。

 

 まぁ、可能性としてあるのは、倒された直後にワームホールか何かに吸い込まれてここに辿り着いた事ぐらいだろうか。

 

 ちょうどメカゴモラが戦っていた時は同時にゼロVSダークロプスゼロの一騎打ちの最中で、ダークロプスゼロがディメンション・レイを起動直前だった筈だから、何が起きてもおかしくはない。

 

 さて、劇中では終始敵怪獣としてゼロやレイ達と戦ったコイツだが、見つけた以上、流石にこのまま放って置くわけにもいかないし、助けられるようならどうにかしたいと思った。

 すると突然、首に掛けていたダークネスブロードのクリスタル部分が光り、一筋の光がメカゴモラに向っていき、光がメカゴモラに当たった瞬間、メカゴモラが光に包まれたかと思うと、そのままダークネスブロードのクリスタル部分に入っていった。

 

 あまりの突然の事に放心していると、クリスタル部分が薄く透け、そこにメカゴモラが眠っているのが見えた。

 

 これって、そんな『バトルナイザー』みたいな機能はなかった筈なんだが・・・・まぁ、これでメカゴモラが助かるのなら良いだろう。

 

 

 この現象についても考えてみたが、アーマードダークネスを使用、もしくは力の一部を使った存在として、レイオニクスのメフィラス星人やレイブラッド星人、ウルトラマンベリアルが居るので、彼らが使えた怪獣を使役する力をコピーしたんじゃないか?と言うのが俺の見解だ。

 

 突然出来た新しい仲間だが、これから仲良くしていきたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 いかがだったでしょうか?メカゴモラはデザイン的にもかなり好みだったので、今作では、味方側として登場させてみることにしました。

世間ではコロナウイルスが流行っておりますが、皆様も手洗いうがいなどに気をつけてお過ごし下さい。

感想、評価、よろしくお願い致します。


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第4話 三つ巴の戦い

%月$日

 

 メカゴモラとの出会いから、約3ヶ月が経った。

 

 ボロボロだったメカゴモラの傷は今ではすっかり癒え、元気に動き回れるまでに回復した。

 

 俺の頼みとかもしっかり聞いてくれて、頼りになる存在だ。

 

 それと、最近はカイザーに乗っていない時の護身用として、銃を持つ事になった。色々と悩んだ結果、『コルトパイソン357マグナムカスタムモデル』を使う事にした。

 

 357マグナム弾を使うリボルバータイプの拳銃で、威力もかなり高いのだが反動が強く、基本的に連射する事が難しい為、扱いには注意が必要らしい・・・・・・筈なのだが、俺はこの世界で強化された身体能力のおかげで難なく使えて連射もでき、練習を続けたおかげで正確に的に当てる事が出来るようになった。

 これで生身の時に襲われても(多分)大丈夫!前の世界に居た頃に武術も習っていたし、ダークネスブロードもあるから一応丸腰でもある程度は大丈夫だけど、あるのとないのとでは安心感がまた違うものだ。

 

 

 

 

 さて、ここで、この数ヶ月の間に起きた大きな事件をまとめようと思う。もっとも、俺自身はまったく関わっていないのだが。

 

 まず、一つ目はボソンジャンプ用のコロニーの襲撃。これは後に『火星の後継者』なる組織によるものだと言う事がわかった。まぁ、本人達が声明を発表して連邦に宣戦布告をしたから、今じゃ誰でも知ってるけど。

 

 おかげで、ボソンジャンプのコロニーが使用不可能になってしまった。まぁ、位相差空間ゲートがあるから全然大丈夫だけど。

 

 二つ目は、今度は別の勢力・・・所謂、環境保護団体の名を被ったエコテロリストによる別の移動用コロニーの襲撃。こちらは現地に居合わせたと言う独立部隊が制圧したそうだ。

 

 他には、火星で史上最高額の賞金首、宇宙海賊キャプテンハーロック主導の収容所への襲撃。地球だと、10年前に暴れ回っていたと言う機械獣が活動を再開。細かいところでは、火星では麻薬の素となっていた花を育てている場所が燃えたとか、ワイルドバンチと言う名前のそこそこ有名な盗賊団一味が捕まったとかだ。

 

 

 

 そんな風に色々とあったわけだが、俺は今、地球に居る。

 

 理由としては、最近は火星よりも逆に地球に潜伏する賞金首が多いというのもあるが、単純に賞金稼ぎだけで稼げるお金には限度があるため、アルバイトをしようと考えたからだ。

 

 という事で、今はGアイランドシティという海上都市で警備員のアルバイトをやっており、雇われ期間の最終日である一週間目なのだが、今日は迷子の少年と出会った。

 

 その少年の名前は天海護くん。

 

 警備の巡回をしていたら、目の前で走って転んで擦り傷が出来たので、ポケットから財布を出して、その中に入れておいた絆創膏を貼り、一人でどうしたのかと聞いたら、人混みの中で保護者と逸れたらしい。

 

 なので、一緒に探そうかと提案した所、「いいんですか?」と言われたので「困った時はお互い様だからな」と答えた。

 

 それから、少し歩いた所で、護くんの保護者の2人を見つける事が出来た。名前は獅子王凱くんと卯都木命ちゃん。

 

 獅子王くんの方は何処かで聞いた事のある名前だなと思ったが、すぐに思い出した。確か、『GGG』と言う組織の機動部隊隊長で、勇者王として有名な人物だった筈だ。

 

 その後は2人に護くんを預け、俺は巡回の仕事に戻った。

 

 おそらくであるが、あの2人はカップルなのだろう。護くんにとっては、姉と兄の様な存在なのだろうが、個人的には夫婦とその子供と言われても違和感はないと思う仲良しぶりだ。2人の仲睦まじい様子に思わず微笑ましくなった。

 

 

 

 しかし、家族か・・・・この世界に来て、もう一年が経とうとしているわけだが、俺の家族は元気にしているのだろうか・・・・元の世界に戻る方法なんて見当もつかないし、死んだ(多分)人間が戻ったところでなぁとも思うが、せめて、こっちでも元気にしていると伝えたいものd(日記はここで中断されている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Gアイランドシティ中心部。そこには、GGGの本部などもあるベイタワー基地が存在する。

 

 しかし、それは現在見る影も残さず破壊され、残るは基地の残骸だけだった。

 

 それを行なったのは、機界31原種の六角柱状の形態を持つZX-01、ZX-02、ZX-03と呼ばれる者達。レーダーを潜り抜けて突然現れた三体は、一瞬でベイタワーを破壊したのである。

 

 駆けつけたガオガイガーを追い詰める三体であったが、ZX-02とZX-03は東方不敗とキングジェイダーが現れるとともに撤退。残るZX-01は多数のゾンダーロボを、東方不敗はデスアーミー軍団を呼び出し、ゾンダー、東方不敗、そしてガオガイガーの援軍に駆けつけたT3の三つ巴の戦いが始まろうとした時だった。

 

 「艦長!未確認機体がこのエリアに近づいてきます!」

 

 ナデシコBのレーダーが、一機の巨大ロボットの反応を捉え、ハーリーがルリに伝える。

 

 このタイミングでの来訪者に警戒する一同。

 

 そして、現れた機体を見て、その存在を知っていた面々は驚く。

 

 「ほう・・・まさかこんな所で相見えるとはな」

 

 東方不敗は興味深そうに呟く。

 

 「あの特徴的な髑髏のマジンガーZ擬き・・・『髑髏の魔神』か!」

 

 「髑髏の魔神・・・?なんですか、それは?」

 

 スパイクの言葉に、疑問を浮かべるラミィ。

 

 「もしかして、ラミィ知らないの?髑髏の魔神って言うのは、約一年程前から火星で活動をしているのを確認された賞金稼ぎなの」

 

 「たった数ヶ月で賞金首などの間で恐れられるようになり、その特徴的な姿と正式名称が不明な事からついたあだ名が髑髏の魔神」

 

 「見つかったら100%捕まるし、なおかつ基本的に容赦ないらしいから、今じゃ、絶対に会いたくない賞金稼ぎナンバーワンとして、テロリストなんかから恐れられてんのさ」

 

 サギリとサイゾウ、そしてスパイクがラミィに説明をする。

 

 そんな中、カイザーは倒れているガオガイガーへと近づき、手を掴んで立ち上がらせる。

 

 そしてそのまま、カイザーは巨大な太刀『牙斬刀』の切っ先をゾンダーロボ達に向ける。

 

 『手伝う』

 

 合成音声でそれだけ告げると、カイザーは一気にゾンダーロボへと駆け出す。

 

 「一緒に戦ってくれるのかしら?」

 

 「知るか!とにかくやるぞ!!」

 

 それぞれの武器を構え、T3はゾンダーロボ達と戦闘を開始、ドモンを含む何人かは、東方不敗との戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#月¥日

 

 昨晩は大変だった。日記を書いてたらデカイ爆発音がしたから何事かと思ったら、ベイタワーが破壊されていた。

 

 急いで隠しておいたカイザーの下へと向かい、現地に向かうと、三つほどの勢力が睨み合っていた。

 

 一つ目は赤っぽい手の形をした変な生物?を中心に、今日の昼に会った獅子王くんが乗るガオガイガーそっくりのロボット達。

 2つ目は、黒いガンダム・・・・資料か何かで読んだけど、マスターガンダムだったか?を中心に黄色い一つ目のモビルスーツ軍団。

 そして三つ目は、色んなロボットが集まった混成部隊。多分あれが噂の独立部隊なのだろう。

 

 最後の独立部隊らしき集団以外は見るからに怪しかったし、倒れていたガオガイガーの仲間みたいだったから、ガオガイガーを立たせた後は、ガオガイガー擬きと一つ目MS軍団を相手に戦った。

 

 途中、赤い手の形をした怪物が、いきなりグーパンチの姿で突っ込んで来たのにはびっくりした。

 まぁ、裏拳でぶっ飛ばして、お返しに至近距離でブレストリガーの弾丸を撃ちまくってやったけど。

 

 後、あのマスターガンダムとやらも「貴様の真意を確かめてやるわ!」とか言いながらめっちゃ攻撃してきた。

 

 前の世界に居た頃に武術やってたからなんとか攻撃は避けれたから良かったけど。というかこっちが反撃しても全部避けるか受け流された。あのお爺さんマジで何者?ガンダムファイトとやらの優勝者らしいけど。

 ガンダムシリーズは初代の登場キャラを少しと、会社の後輩に勧められて見た鉄血のオルフェンズしか知らないからなぁ。

 

 その後は、4機のガンダムが降下してきてこちらの味方として参戦。マスターガンダムは一つ目MSが全滅すると何処かへと去って行き、手のひらの怪物は獅子王くんが倒した。

 

 それと、獅子王くんと通信越しで軽く話したりはしたが、全部合成音声でしゃべっていたので、こちらの素性はバレていない筈だ。一応、口調も淡々とした人間の振りをしておいたしな。

 

 それにしても、あまり長居はしない方が良いと思ったから、戦闘が終わった後はスタコラサッサとエリアから脱出したけど。帰り際に見えた、護くんのあの妖精みたいな姿はなんぞや?この世界って、結構ファンタジーな物もあるのだろうか?

 

 ・・・・・まぁ、いいか。気になるけど、わからないもんはわからないし。

 

 後は、あのマジンガーZをこの目で見れたのは嬉しかったな。カイザーって何かに似ているよな〜って思ってたけど、よくよく考えたら、細部は違うけどマジンガーZそっくりなんだよね。

 

 でも、マジンガーZは知ってはいるけどテレビ本編の内容は全く知らんのよなぁ・・・

 

 さて、日記を書く前に2時間ほどの仮眠も取れたから次はどうしようかと思ったが、カイザーが何かの情報をキャッチしたようだから、日記の続きは後にしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 どうも、邪神イリスです。

 試験があらかた終わったので、今回はこちらを投稿しました。
 というのも、今作を自分で読み返していると、個人的にも不満が出てきたので、思い切って、日記形式にリメイクする事にしました!(ついでに設定も少し変更)
 
 前の方が良かったという方もおられるかもですが、個人的にスパロボは日記形式の方がやりやすいと思ったので、変更です。
 既にスパロボの日記形式の作品を書かれている先駆者様は何人もおられますが、これからも首を長くして待っていただけると幸いです。

 それと銃をコルトパイソンにしたのは、自分が好きな漫画の主人公の女傭兵の愛銃がそれだからという単純な理由です。


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第5話 コロニー落としと異世界転移

D月@日

 

 色々とようやく落ち着いたので、再び日記を書くのを再開する。

 

 まず、最初に言える事は、前回、のんびりと仮眠を取った後に日記を書いていた自分を殴りたい気分だ。

 

 何があったのかと言うと、ネオ・ジオンという組織が、地球に向けてコロニーを落そうとしていたのだ。

 そんなデカイ物を落とせるの?とは思ったが、調べるとすぐに、この世界では過去の戦争で一回落とされた事があるとわかった。

 

 これは不味いと思った俺は、急いでカイザーに乗って大気圏外へと急行。そこでは、コロニーを落とそうとするネオ・ジオン軍とそいつらと戦っているマスターガンダムとキャプテンハーロックの乗るアルカディア号、そして真っ黒な機体がいた。

 後者の三人はコロニー落としを止めようとしていた様で、俺もそちらに参戦。

 

 まずは邪魔をしてくるネオ・ジオン軍を片付けようと戦闘をしていると、ベイタワー基地で一緒に戦った独立部隊が援軍として駆けつけてきた。

 

 ただ、それに合わせて変な余計な敵の援軍も来やがった。オープンチャンネル越しではあるが、なんか・・・カンパニー?とか言う謎の大企業の連中がこの状況で兵器のデモンストレーションの為にやってきたらしい。

 

 ふざけんなとは思ったが、こちらも更にゲッターロボと黄色と緑の超竜神に似た機体が援軍として駆け付けてくれた。

 

 何でゲッターロボは知ってるのかと言うと、最近のアニメでゲッターロボの新作が発表されて、それを見ていたからだ。

 

 まぁ、それはともかくとして、カンパニーの白い機体は大砲の流れ弾がウザかったので、何か集中的に狙われていた黒い機体を援護しつつ、ストレス発散も兼ねて2発程ぶん殴ってやったりしながら、最終的に敵を撤退させる事に成功。

 

 後はコロニーが落ちる前にぶっ壊して終わり!・・・・・だったら楽だったのだが、ここで先程戦ったのとは違う、カンパニーの機体が現れ、なんとコロニーが落ちるのを加速させやがった。

 しかも、それをしたらスタコラサッサと逃げるというふざけた連中だ。

 

 地球がどうなっても良いと言うのか?そんなブラック企業は次会ったら即ぶった斬ろう。

 

 とにかく落ちるのを止めれないと言うのなら、少しでも被害を減らそうと、俺は他の人達と共にコロニーに攻撃をし、都市部には落ちない様に軌道を変更させ、最終的には地球でガオガイガー達が衝撃その他諸々を受け止めてくれたおかげで、被害はゼロになった様だ。

 

 結果的にはなんとかなったけど、一歩間違えれば、多くの人達の命が奪われていただろう。

 

 これが本当の戦争なのかと、今更ながら実感した。ホント、俺がいたい世界がどれだけ幸せで平和なのか、嫌と言うほどわかるもんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───オービットベース、食堂内。

 

 コロニー落としによる被害を食い止める事に成功したT3のメンバー達は、艦長や司令官達が話し合いをしている間、それぞれ自由行動を取っていた。

 一部のメンバーは、既にネオ・ジオンとの戦闘で疲れており、休息を取る為に自室へと戻っていた。

 それ以外のメンバーはまだ元気がありあまっており、食堂にて食事を取ろうと集まっていた。

 

 そんな中、彼らはある人物についての話題を上げていた。・・・そう、カイザーについてである。

 

 「まさか、髑髏の魔神がまた来てくれるなんてね」

 

 「あぁ、Gアイランドシティでの原種との戦闘が終わってすぐに何処へ行くのかと思ったが、まさか彼?もコロニー落としを止めに来てくれているとは思わなかった・・・」

 

 サギリとサイゾウの言葉にみんなが同意する中、ラミィはずっと気になっていた事を聞く。

 

 「そういえばあの機体、マジンガーZやグレートマジンガーと似ていましたけど・・・・何か関係があるのですか?」

 

 その質問に、ここに居るメンバーの中で特にマジンガーと関わりがある甲児、鉄也、シローが答える。

 

 「実のところを言うとな・・・・わからないんだ」

 

 「わからない?」

 

 「あの機体が目撃された当初、日本政府は新光子力研究所が新たに開発したマジンガーだと思った様だが・・・そんな事をした事は一切無かった」

 

 甲児と鉄也の言葉に、周りの面々は驚く。

 

 「それこそ、俺と兄貴やさやかさんは爺ちゃんが、鉄也さんとジュンさんは父さん、もしくは2人が俺達に内緒で造っていたマジンガーだと思って、色々と調べたんだ。でも、そんな痕跡は何処にもなくて・・・結局あれが何のか未だにわかっていないんだよなぁ~・・・」

 

 カイザーの事を知りたいと思っている一同は、話を聞いているうちにどんどん興味津々になってくる。

 

 その後も、カイザーについての話などをしていると、会議を終えたブライト達が戻り、T3は治安維持隊と自由遊撃隊の二手に別れる事を伝えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

M月$日

 

 今俺は、東京タワーの中にあるカフェで日記を書いている。

 

 何故こんな場所にいるのかと言うと、ここのところ戦闘続きで少し疲れていたのと、火星はあらかた観光は終えたので、今度は地球のあちこちを観光で周ろうと思い、その最初の場所として東京タワーへとやってきたのだ。

 

 いやー、別の世界と言えど、こういった所は変わってないなと思う。違う所は、展望台から観れる街並みが、俺のいた世界と比べて近未来的な感じになっている事とスカイツリーがないぐらいか?

 この世界では何度も修復をしながら、700年以上も東京タワーは立ち続けているとの事だから、もう立派な文化遺産の様な物だ。

 

 ただ、一つ残念なのは、この前の襲撃もあってか、展望台から観える街並みがボロボロなのが目立つ。

 まぁ、それでも復興に向けて頑張って動いているのが伺え、活気のある良い街だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、とりあえず今は休憩中なので、この後どうするか考えていると、突然大きな振動と共に爆発音が聞こえてきた。

 

 地震かなとも思ったが、どうやらそうではない様で、外を見ると、何やら戦闘が起きていた。

 

 (あれはこの前の独立部隊と・・・カンパニーだったっけ?こんな街中でドンパチするとは、迷惑極まり無い連中だ)

 

 状況を見るに、どうやらカンパニーの方から仕掛けたみたいだ。

 

 しかし、まいったな・・・・ここからだと、カイザーの隠し場所に行くには時間がかかるから、手伝いたくて手伝えない・・・・まぁ、とにかくまずは東京タワーを降りて避難しないとダメだろうし、そうする事にするかぁ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───T3サイド。

 

 突如現れたカンパニーのロボット達に対し、ロンド・ベルやナデシコ隊などを中心とした治安維持隊は応戦していた。

 

 「シグナルビーム!」

 

 「ブレストファイヤー!」

 

 「そこだ!」

 

 「トライダー・ジャベリン!」

 

 「マジンガーブレード!」

 

 スーパーロボット達のビーム攻撃やモビルスーツのビームライフルが敵を撃ち抜き、近接戦闘が出来る機体は直接斬り裂き貫く。

 

 そして、彼らの攻撃により、次々と敵の機体は破壊されていき、あっという間に全滅させることに成功した。

 

 「敵部隊の殲滅を確認しました」

 

 「一企業がこれだけの戦力を保有しているとはな・・・」

 

 ブライトがそう呟くと、そこへルーディー・ピーシーザルトが巨大な戦艦と共に現れる。

 

 「御言葉を返す様ですが、それを破ったあなた方の存在も相当なものですよ」

 

 「ルーディー・ピーシーザルト!」

 

 「あの戦艦・・・」

 

 「この前のコロニー落下を後押しした奴か!」

 

 「っ!気を付けろ!あの戦艦から巨大なエネルギー反応を感知した!」

 

 「こっちに撃ってくるのか・・・!」

 

 鉄也の言葉に、一同は警戒心を強める。

 

 しかし、彼らの予測とは違い、戦艦は全く見当違いの場所へと撃つ。

 その瞬間、T3周辺の空間が大きく歪み出した。

 

 「何だ、これは?」

 

 「か、艦長!空間が歪んでいきます!」

 

 「カンパニーの兵器・・・ですか・・・」

 

 ハーリーの報告を聞き、ルリが呟く。

 

 「あなた達は確かに強い・・・そして私達は、その強さを求めている・・・・だから、知ってもらいます。あなた達の力を活かす場所について」

 

 しかし、突如、周囲に謎の女性の声が響く。

 

 「伝説の・・魔法騎士(マジックナイト)よ・・・」

 

 「何だ・・・?」

 

 「女性の声・・・!?」

 

 「この世界・・・セフィーロを助けて・・・!」

 

 そして、空間がさらに歪んで行き、強い光が放たれる中、ルーディーは慌てる。

 

 「ちょ、ちょっと待って!転移座標がめちゃくちゃじゃない!?これじゃ皆さんをアストラギウス銀河に跳ばせない!?」

 

 さらに、その光に巻き込まれた者が4人。うち三人は、偶然居合わせた女子中学生の三人組。もう1人は、カイザーの元へと向かう途中の雷夢だった。

 

 「ちょっ!何だこの光!?何か嫌な予感が・・・・・!」

 

 そして、その場から彼らは消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

@月〒日

 

 すんごいデジャブを感じる状況だが、とりあえず一晩寝たら気持ちが落ち着いたので、日記を書いている。

 

 昨日、カンパニーと独立部隊が戦う中、俺はカイザーの元へと向かっていたのだが・・・・謎の光に包まれたと思ったら、気がつけば、何故かカイザーのコックピットの中に居た。

 

 まず、現状の大きな問題は三つ。一つ、現在位置が特定出来ない事。二つ、何故か肝心のカイザー本体はいなくてコックピットになるスカルパイルダーだけだと言う事。もう一つは・・・ダークネスブロードのクリスタルの中からメカゴモラが居なくなっている事だ。

 

 いや・・本当にどうしよう・・・・・・

 

 まず、現在位置が特定出来ないのはまだ飲み込めるけど、カイザー無しでスカルパイルダーだけってどう言う事?メカゴモラは、あの光の中で、何処かで逸れてしまったのだろうか・・・・

 

 最近メカゴモラは少しずつ進化していて、以前は持っていなかった光学迷彩などの機能もあるから大丈夫だとは思うが・・・・心配である。

 

 とりあえず食料はスカルパイルダーの小さな格納庫・・と言うか武器庫?に普段から入れているからしばらくは問題はないので、今日は空から周囲の状況を把握していこうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

V月β日

 

 あらかた周囲の探索はしたのだが・・・・うん、はっきり言ってすごいファンタジーな場所だなと思う。

 

 空に幾つもの山や島が浮かび、見たことも無い結晶がたくさん生えたり・・・・少なくとも、俺が知るどの世界とも当て嵌まらない。正直、別の世界と言う以外に他にないだろう。

 

 俺はこれで三つもの異なる世界を知ったと言う訳だ・・・・正直、まったく嬉しくない。

 

 あ、でも幸いな事に近くに集落があったので、食糧などを調達でき、ついでにこの世界の事を聞く事ができた。

 

 まず、この世界はセフィーロと言う事。そして、魔物と呼ばれる怪物があちこちで徘徊している事を聞けた。

 

 特にその魔物の中でも、最近出没する様になった個体で恐ろしい存在がいる様で、そいつによって幾つもの集落が壊滅されてきたらしい。

 

 因みにそいつの姿は、赤い皮膚に金色の装甲を纏い、全長およそおよそ40m程の二足歩行の巨人で緑色の瞳を持ち、目と同じ緑色の結晶が胸にあり、左手はカギ爪で右手にナイフを持つらしい。

 

 ・・・・・・・・・・何だろう、すごい引っかかる。何処かで聞いた事と見た事がある様な特徴の気がする・・・・

 

 というか、何で言葉が通じたのだろうか?こちらとしては結構ありがたいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♫月Q日

 

 

 あれからさらに色々と調べた結果、どうやらこの世界に跳ばされる際に戦闘をしていた独立部隊もこっちに跳ばされているらしい事がわかった。

 

 今は、彼らは北の賢者と呼ばれる存在の所へと向かっているらしいので、俺もそこに向かっているのだが・・・・どうも嫌な予感が拭えない。

 

 カイザーもメカゴモラも居ない今、もしかしたら・・・・アーマードダークネスの出番が来るのかもしれない。

 




どうも、邪神イリスです。

思っていたよりも筆のノリが良く、まさかの連日投稿。自分でも若干驚いていますが、この調子なら後2、3話は毎日出せそう。



さて、雷夢には治安維持隊ルートを行ってもらう事になりました。
因みに、ちゃんと自由遊撃隊ルートの状況やメカゴモラの所在についてもしっかりと書く予定なので、ご安心ください。

それとVTXのメンバーは自由遊撃隊の方に居るので、だいたい後1、2話の間は出番無しです。

次回は遂に・・・彼の出番。そして、今作のオリジナル要素も組み込んでいきます。
楽しみに待っていてください。


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第6話 超一流の殺し屋

 

 

 

─── 北の賢者の居城付近。

 

 そこは現在、複数の勢力による混戦状態となっていた。

 

 T3の治安維持隊チームに、黒騎士ラバーン率いるオーラバトラー軍とバザードの魔物軍団、さらにはフィローセの隣国オートザムから送られてきたフィローセ侵攻軍の司令官イーグル・ビジョンが乗るTFO。

 

 この世界の新たな仲間である魔法騎士の三人やオーラバトラーの聖戦士達という新たな仲間が加わったT3でも、ここまで複数の敵を相手取るのは至難の事であったが、まずはイーグルを撤退させる事に成功し、それを機に少しずつ押し返し始めた時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その異変に最初に気づいたのは、オーラバトラーに乗る聖戦士達と、ニュータイプであるカミーユとジュドー。そして、勘が鋭い鉄也や甲児、凱や舞人などの歴戦の猛者達だった。

 

 「これは・・・!?」

 

 「何だ・・・この禍々しいオーラの気配は・・・!?」

 

 「凄まじいプレッシャーだ・・・一体何処から・・・?」

 

 「・・・・!みんな!上だ!」

 

 凱がそう叫び、その場にいる者達が空を見上げた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピシッ・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然、綺麗な青空にヒビが走る。

 

 「なっ!?」

 

 「空が・・・・」

 

 ヒビは少しずつ広がっていき、やがて空の一部が、ガラスが割れるかの様に砕け散る。

 

 「赤い・・・・空・・・?」

 

 空が砕け散った向こう側は、血の様に赤い空が広がっていた。

 

 「なんだ、あれは・・・?」

 

 突如として現れた空の向こう側に広がっている光景を見て呆然と呟くブライト。他の皆も同じ様に唖然となっている。

 

 「艦長!あの赤い空から未知のエネルギー反応と生体反応が!」

 

 ハーリーが報告をしたとほぼ同時に、赤い空から何かが降り立つ。

 

 

 

 

 

 

ズズゥン・・・・・

 

 

 

 

 

 

 土煙を僅かに上げながら降り立ったのは、体長40m程の巨人・・否、超人。赤い体をベースに黄金の鎧の様な装甲を纏い、左手はカギ爪状で、右手には巨大な二又のナイフを持つ。胸には緑色の結晶が光り、その結晶と同じ色をした瞳が、ギラギラとその場に居る者達を見る。

 

 その存在の名は、『異次元超人 エースキラー』

 

 かつて、ヤプールがウルトラマンエースを倒す為に作り出したロボット怪獣であり、その戦闘能力の高さは一度はウルトラマンエースを窮地へ陥った程の存在。

 そんな存在が、この場に降り立ったのだ。

 

 『キュオオオッ・・・』

 

 甲高い鳴き声を上げ、エースキラーは周りに居る一同を観察する。

 

 T3のメンバーは、その姿を見て、クレフやプレセア、フェリオらから聞いた話を思い出していた。

 

 T3がこの世界に来る1ヶ月ほど前に突如として現れ、今までに多くの集落を襲い、壊滅的な被害を起こした凶悪な存在が居ると聞かされ、警戒する様に言われていたのだ。

 

 ラバーンやイザークも部下からの報告でその存在は知っていた。何せ、エースキラーは相手が何であろうと、見境なく暴れ回るので、彼らの軍にも少なからず被害が出ていたのだ。

 

 『キュオオオッ・・・』

 

 そしてエースキラーは、1番近くにいた、オーラバトラー隊の1人へと襲いかかる。

 

 「えっ・・・・?」

 

 そしてそのオーラバトラーのパイロットは、気付く間もなく、すれ違い様に機体を真っ二つに切り裂かれ、爆発する。

 

 続いて、今度はT3へと襲いかかる。

 

 「ちっ!あの野郎、見境なしか!マジンガーブレード!」

 

 鉄也はマジンガーブレードを出すと、エースキラーのナイフと鍔迫り合いに持ち込み、その間にマジンガーZがエースキラーの顔面を殴り飛ばす。

 

 だが、エースキラーは吹っ飛ばされただけで、普通に平然としており、立ち上がると、そのまま再びT3へと襲い掛かる。

 

 「なんて奴だ・・・」

 

 「怯むな!全機!黒騎士達の動きに注意しつつ、敵アンノウンに対処しろ!」

 

 ブライトやルリがT3メンバーへと的確に指示を飛ばし、それに従って彼らは動き出す。

 

 「くそっ!なんなんだこいつは!?」

 

 鉄也はそう言いながらも、マジンガーブレードで再び襲って来たエースキラーの攻撃を捌く。

 

 「ブロウクン・・・マグナム!」

 

 「ロケットパァンチ!」

 

 ガオガイガーのブロウクンマグナムとマジンガーZのロケットパンチがエースキラーに直撃する寸前、エースキラーはその場からジャンプして避ける。

 

 そして空中から地面へと降りる隙に、MSの面々がビームライフルで攻撃するが、エースキラーはウルトラバリヤーを空中で展開して防ぎ、地面に着地する。

 

 そこへすかさず、エステバリス隊の面々がレールキャノンを撃つが、左手から手裏剣光線を放つ事で全て相殺する。

 

 そして、お返しと言わんばかりに手を十字にクロスしてスペシウム光線を発射する。

 

 「うおっ!」

 

 「きゃっ!」

 

 「危ねぇっ!!」

 

 それをギリギリで避けるMSのメンバーとエステバリス隊。

 

 続いてエースキラーは、イザーク率いるゴーレム軍団へと興味を移し、そちらへと攻撃を仕掛け始める。

 

 「ちぃっ!バザード様から授かったゴーレム達が!」

 

 動きの遅いゴーレム達はエースキラーの格好の的であり、次々と破壊されていく。

 

 「隙あり!」

 

 「仲間の仇だ!喰らえ!」

 

 その隙を狙い、オーラバトラー軍のドラムロ達がオーラショットを放ち、エースキラーを背後から攻撃するが、無傷のエースキラーは振り向くと同時に額からエメリウム光線を発射。ドラムロを撃墜していく。

 

 「メガ粒子砲、発射!」

 

 「グラヴィティブラスト。発射してください」

 

 そこへラー・カイラムからメガ粒子砲が、ナデシコBからはグラヴィティブラストが発射される。

 

 その二つの光条はエースキラーに真っ直ぐ向かうが、

 

 『キュオオッ!』

 

 エースキラーは右腕を縦に突き出して、M87光線を発射。

 

 お互いの放ったビームはぶつかり合うが、M87光線はそのまま押し返してラー・カイラムとナデシコBに向かってくる。

 

 「プロテクトシェェェェド!」

 

 そこへ凱が割り込んでプロテクトシェードを展開。更にショウ、マーベル、トッド、シオンの四人も加わってオーラ・バリアを展開し、リョーコやサブロウタ達エステバリス隊もディストーションフィールドを全開で展開。M87光線から、艦を何とか防御する事に成功した。

 

 だが、それは完全な防御ではなく、ギリギリで相殺するのが手一杯であり、特にガオガイガーはダメージが大きかった。

 

 「くっ・・・・」

 

 「大丈夫か!凱!」

 

 「あぁ、まだ戦える!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 続いて、今度は勇者特急隊とGGGの超AI達がエースキラーへと立ち向かう。

 

 「ダブルトンファー!」

 

 超竜神の巨大なトンファーがエースキラーを襲うが、エースキラーはそれを受け止めて掴むと、超竜神をジャイアントスイングで思い切り投げ飛ばす。

 

 「うおわあああっ!」

 

 「超竜神!このっ!」

 

 飛んできた超竜神を撃龍神が受け止めて、何とか体勢を立て直し、その間に他の機体が次々とエースキラーへ飛びかかる。

 

 「動輪剣!十文字斬り!」

 

 マイトガインが飛び上がり、エースキラーを目掛け、動輪剣を振り下ろす。

 

 だが、エースキラーは素早く反応して横に飛ぶと、横薙ぎに振られた二撃目も紙一重で回避。

 そしてそのまま、右手に持ったナイフを振るい、マイトガインを斬り裂こうとするが、すかさずブラックマイトガインがブラック動輪剣を割り込ませる事で、それを防ぐ。

 

 そこへ、バトルボンバーとガードダイバーの二機が、それぞれバトルランチャーとハイドロキャノンを発射してエースキラーに命中させて吹っ飛ばす。

 

 しかし、エースキラーは大きさに見合わない身軽な動きで空中で体勢を整え、地面に降り立つと、そこへ巨大な雷が落ちてくる。

 それを放ったのは、本来の姿を表していたイザーク。魔法の力で雷を落としたのだ。

 

 雷で少しばかり体が痺れて動きが鈍るエースキラー。そこへすかさず、ラバーンが接近し、すれ違い様にエースキラーをオーラソードで斬る。

 

 『ギュオオオッ!!』

 

 「何っ!?」

 

 「ぐあっ!?」

 

 だが、すかさずエースキラーは左手のカギ爪で反撃にでて、ラバーンが乗るレプリコーンを吹っ飛ばし、ワイドショットでイザークを攻撃する。

 

 

 「碧の・・・疾風!」

 

 「蒼い・・・竜巻!」

 

 「紅い・・・稲妻!」

 

 そこに風、海、光の三人が魔法を放って連携攻撃を繰り出し、一時的にであるが、エースキラーの動きを封じる。

 

 「今だ!」

 

 そこへ凱の合図と共に、勇者ロボ達を始めとするスーパーロボット達が一斉にエースキラーに飛びかかり、押さえ込もうとする。

 

 『キュオオオッ!!!』

 

 だが、エースキラーはウルトラバーリヤを発動。かつてウルトラマンジャックが巨大な津波を止める為に使用したその技は、押さえ込んで来たスーパーロボット達を吹っ飛ばす。

 

 そして、今度は魔法騎士の三人へと飛びかかって襲いかかる。

 

 「「きゃああっ!!」」

 

 「海ちゃん!風ちゃん!」

 

 エースキラーは流星キックで2人を蹴り飛ばすと、光が乗るレイアースへと襲いかかる。

 

 『キュオオッ!』

 

 「くぅっ・・・うあああっ!」

 

 三機の魔神(マシン)の中で最も剣の威力が高いレイアースとは言え、まだ実戦経験が浅い光はあっという間に追い詰められて、地面へと叩きつけられる。

 

 「光ちゃん!」

 

 「あの野郎!」

 

 地面に倒れたレイアースに、エースキラーはゆっくりと近づいていく。

 

 T3のメンバー達は、注意をこちらへと向けようと攻撃をかけるが、エースキラーはそれに一切反応せず、レイアースへと近づく。

 

 「あいつ!まさか光ちゃんにトドメを刺すのを優先する気か!?」

 

 「不味い・・・ここからの距離では間に合わん!」

 

 そして、エースキラーは右手に持ったナイフを逆手持ちにし、レイアースのコックピットへと振り下ろした。

 

 「っ・・・・!」

 

 「光ーーーっ!」

 

 「光さんっ!」

 

 自身に振り下ろされるナイフに、光が思わず目を瞑った瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドガンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 『キュオオオッ!?』

 

 突然、何かが現れ、エースキラーを蹴り飛ばし、エースキラーは吹っ飛ばされてゴロゴロと転がる。

 

 「・・・え?」

 

 光が目を開けて、寸前の所で助けてくれた存在の姿を見る。

 

 色は全身漆黒の黒で、随所に赤い模様が描かれ、右手にトライデントを持ち、腰には剣を差している。

 頭部には左右にそれぞれ大きさが違う角が一本ずつと頭部に大きな一本角が生えており、その表情?は憤怒の顔を現し、眼は赤く妖しく光っている。

 

 全体的に鎧騎士とも言える禍々しい存在。

 

 『暗黒魔鎧装 アーマードダークネス』がこの世界の人類の前に、初めてその姿を現した瞬間だった。

 

 

 

 

 




 どうも、邪神イリスです。

 という訳で、今回はエースキラーの大暴れ回でした。
 皆さんもお気づきでしょうが、このエースキラーは、ウルトラマンA本編よりも強化されており、マン、ゾフィー、セブン、ジャックの4人の技なら基本的に使えます。

 さて、次回はようやくタイトル回収が出来そうです。

 それと、感想の方で要望があり、ストックがある限りは週一投稿にしようと思います。
 というか、自分が週一投稿とか初めてだな・・・・


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第7話 降臨!暗黒魔鎧装

 

「黒い・・・・・鎧?」

 

 目の前に現れ、寸前の所から助けてくれたアーマードダークネスを見ながら、光は呆然と呟く。

 

 『オオォォォォォ・・・・』

 

 アーマードダークネスはチラリと横目に光を見ると、体勢を整えたエースキラーへと向き直り、低い唸り声を上げながらダークネストライデントを構える。

 

 『キュオオォォ・・・・』

 

 それに対し、エースキラーもナイフを構え、お互いに隙を窺う。

 

 そして、アーマードダークネスがエースキラーへと突撃し、エースキラーも突進する。

 

 それぞれの獲物がぶつかり合い、火花を散らしながらお互いに一旦後退する。

 

 『キュオオオンッ!!』

 

 エースキラーはそれに対し、アーマードダークネスへとスペシウム光線を発射する。

 

 すると、アーマードダークネスは走りながらダークネストライデントを回転させてそれを軽々と防ぎながら再び接近し、ダークネストライデントの穂先でエースキラーを突いた。

 

 『ギュアアッ!?』

 

 それによりエースキラーは少しよろめくと、アーマードダークネスはエースキラーをダークネストライデントで下からカチ上げて吹き飛ばす。

 

 『キュオオオオッ!!』

 

 しかし、エースキラーはすぐに立ち上がると、怒り狂いながらアーマードダークネスへ突進していき、ナイフを振り下ろす。が、アーマードダークネスはトライデントを横手に上げて持ち手の部分でガード。そしてガラ空きのエースキラーの腹にヤクザキックを叩き込む。

 

 「あの怪物を一方的に攻めているだと・・!?」

 

 「一体何者なんだ・・・?あの鎧の巨人は・・・・」

 

 蹴られたエースキラーはゴロンゴロンと転がり、起き上がると同時に八つ裂き光輪を放ち、続いてエメリウム光線を放つが、アーマードダークネスは八つ裂き光輪をダークネストライデントで弾き飛ばし、穂先から赤黒いエネルギー球体『レゾリュームショット』を複数弾放ち、エメリウム光線を相殺しながら、エースキラーへと命中させる。

 

 『キュオオオッ!!』

 

 そして、怯んだエースキラーの懐に飛び込んでダークネストライデントで近接戦を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「光!」

 

 「光さん!」

 

 エースキラーがアーマードダークネスと戦っている隙に、海と風は光の下へと向かい、倒れているレイアースを起こそうとする。

 

 「大丈夫!?」

 

 「怪我はありませんか?」

 

 「あ・・・うん!おかげさまで・・・」

 

 二人に声をかけられ、光はレイアースを立ち上がらせ、自分の身体を確認する。どうやらどこも異常は無いようだ。

 

 「あの黒い鎧騎士は一体・・・」

 

 三人が視線を向ける先では、アーマードダークネスがエースキラー相手に近接戦をしている。

 

 「分からないけど・・・多分、味方だと思う」

 

 確かに禍々しい見た目ではあるし、邪悪な気配も感じる。だが、光はアーマードダークネスが自身を見た時に、どこか優しそうな視線を感じていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エースキラーが飛び上がり、流星キックを放つが、アーマードダークネスは腕をクロスして防御しつつ、エースキラーの足を掴んでジャイアントスイングで投げ飛ばす。

 

 戦いは完全にアーマードダークネスによる一方的な攻撃となっていた。

 

 元々、スペックではアーマードダークネスの方が圧倒的に高いのだ。

 

 エースキラーもワイドショットやシネラマショットを放って反撃するが、命中してもアーマードダークネスは少しよろけるだけでその攻撃をものともしないまま、エースキラーへと突っ込み、ダークネストライデントの連続突きでエースキラーを吹き飛ばす。

 

 『キュオオオンッ!』

 

 吹き飛ばされてもエースキラーはあきらめずにすぐに立ち上がり、アーマードダークネスへと一気に接近し、右手を突き出してウルトラアタック光線を発射。

 

 「危ないっ!」

 

 それを見て、光が思わず叫ぶと、それをアーマードダークネスは空いていた左手で受け止める。

 

 『ギュオオオッ!?』

 

 そのままアーマードダークネスは光線を受け止めた左手でエースキラーを殴り飛ばす。

 

 エースキラーは体を回転させてキャッチリングで少しでもアーマードダークネスの動きを封じようとするが、リングが拘束した瞬間、アーマードダークネスはそれを強引に破る。

 

 そしてアーマードダークネスはダークネストライデントの穂先を上に翳すと、穂先に赤黒いエネルギーが溜まっていき、エースキラーにレゾリューム光線を発射する。

 

 対するエースキラーもM87光線を発射し、二体の光線はぶつかり合うが、拮抗もせずにレゾリューム光線はエースキラーへと押し返していき、命中する。

 

 『キュオオォッ!?』

 

 直撃を喰らったエースキラーは、断末魔の鳴き声を上げながらその場に倒れると大爆発を起こし、爆散した。

 

 「すげえ・・・・・・」

 

 「あの怪物を倒してしまうとは・・・・・」

 

一同が呆然とする中、光がアーマードダークネスに歩み寄る。

 

 「光!」

 

 「光さん!」

 

 『・・・・・・』

 

 すると、アーマードダークネスは何も言わず、光の方を向く。

 

 「あ、ありがとう。助けてくれて」

 

 『・・・・・・』

 

 アーマードダークネスは無言でゆっくりと頷く。

 

 その姿はまるで、「気にするな」と言っているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな中、ラバーンは機体の中で屈辱に震えていた。

 

 「認めんぞ・・・・この私がたった一匹の獣に苦戦し、さらにそれを名も知らぬ様な存在に倒される事など!私はラバーン・ザラマンド!このバイストン・ウェルの王となる男なのだ!」

 

 そして突如、ラバーンが乗るレプリコーンから禍々しいオーラを発生させる。

 

 「ショウ!黒騎士のオーラがどんどん歪んで行っている・・・!」

 

 「怒りと憎しみでオーラを増大させている・・・・!?」

 

 そこへ、城の中から黒いオーラバトラーが現れる。

 

 「何だ!?あの禍々しいオーラバトラーは!?」

 

 初めて見るそのオーラバトラーに、ショウは驚きの声を上げる。

 

 「この機体の名はズワウス・・・私の最高傑作にして、最後のオーラバトラーだ」

 

 「その声・・・・乗っているのは北の賢者かよ!」

 

 その声を聞き、北の賢者を知っていたトッドが、ズワウスに乗っているのが誰かをいち早く察する。

 

 「いかにも・・・・しかし、まさかこの目でかの暗黒魔鎧装を見る時が来るとはな・・・」

 

 そう言いながら、アーマードダークネスを、北の賢者はモニター越しに見つめる。

 

 「お前は彼が何者かを知っているのか!?」

 

 「知っているとも。今やごく一部の存在だけが知る、古い伝説に記されている存在だ」

 

 「シオン!そこに居るの!?」

 

 北の賢者と共にズワウスに搭乗させられているレムルが叫ぶ。

 

 「レムル!お前もそれに乗っているのか!?」

 

 「その通りだ。久しぶりだな、シオン・ザバよ」

 

 「そのオーラバトラーは何だ!?何故、私に使わせない!?」

 

 ラバーンが北の賢者に怒鳴りつける。

 

 「ふっ・・・それは無理というものだ。今のお前には足りんのだ」

 

 「何っ!?」

 

 「黒騎士・・・いや、ラバーンよ・・・そのまま怒りに身を委ねろ・・・お前は今、真実のお前に目覚めようとしている」

 

 「真実・・・」

 

 ラバーンは北の賢者の言葉を呟く。

 

 「そうだ・・!その怒りと憎しみを解放しろ!力と狡猾さを手に入れろ!そして、オーラロードを開くのだ!」

 

 「「「「何だとっ!?」」」」

 

 北の賢者のその言葉に、その言葉の意味を知るショウやマーベル達は驚愕する。

 

 「うおおおぉぉぉっ!!」

 

 そして、ラバーンのオーラがさらに高まった瞬間、空間に穴が開き、周囲の空間が歪み始める。

 

 「こ、これって!」

 

 「セフィーロに飛ばされた時と同じ状況じゃないか!」

 

 「非常事態だ!各機を直ちに帰還させろ!」

 

 ブライトの号令と共に、T3メンバーは急いでラー・カイラムとナデシコBへと帰還する。

 

 「君も!早くこっちに!」

 

 光がアーマードダークネスに声を掛けると、アーマードダークネスは赤黒い光を放ち、何処かへと消えて行った。

 

 「消えた・・・?」

 

 「光!急いで乗らないと!」

 

 「う、うん・・・」

 

 そして、強い光に包まれ、彼らはその場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、邪神イリスです。

というわけで、ようやくアーマードダークネスを戦わせる事ができました。

本当はお昼ぐらいに投稿する予定でしたが、少し描写を追加で書きたくなったので、この時間に投稿する事となりました。

次の話ですが、いったん自由遊撃隊ルートの方へと行き、それが終わったら、アーマードダークネスになって戦っていた雷夢の心象を書く予定です。


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第8話 T3自由遊撃隊アストラギウス銀河へ

 

 

 一方、T3の治安維持隊がヌーベルトキオシティで戦っていた頃、自由遊撃隊の方も、L5宙域にあるコロニーのサイド6 14バンチの付近の暗黒宙域で、カンパニーの襲撃を受けたが、難なく撃退する。

 

 そして、カンパニーの勢力が全滅した所で、こちらにもルーディーが戦艦を伴って現れる。

 

「ルーディー!」

 

「気を付けろ!あの戦艦から巨大なエネルギー反応を感知した!」

 

 隼人が忠告すると同時に、戦艦はT3メンバーに少し近い場所へと光線を発射。

 

 すると、周囲の景色が歪み始める。

 

「何、これ!?」

 

「まずいぞハーロック!宇宙が歪んでいく!」

 

「カンパニーの兵器か!」

 

「あなた達は確かに強い・・・そして私達は、その強さを求めている・・・だから、知ってもらいます。あなた達の力を活かす場所について」

 

 ルーディーがそう言い終わると同時に、周囲を強い光が包み込んでいく。

 

「いってらっしゃーい♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気がつけば、ハーロック達は巨大な砂漠のど真ん中にいた。

 

「ここは・・・」

 

「俺達・・・火星にでも飛ばされたのか・・・?」

 

「いえ・・・・確認しましたが、ここは太陽系の惑星ではありません」

 

 アルカディア号のレーダー担当の螢が、トチローの疑問を否定する。

 

「何だって!?」

 

「見知らぬ星か・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───アルカディア号 ブリッジ

 

 自由遊撃隊のメンバーは状況確認を行なっていた。

 

「・・・・以上のデータからも、現在地が太陽系内の惑星上ではない事は確定でしょう」

 

「「「・・・・・」」」

 

「余計な希望を持たないためにも事実を伝える。太陽系どころか、ここは銀河系ですらない可能性が高い」

 

 螢とトチローの報告に、一同は驚きを隠せない。

 

「おいおい・・・」

 

「いきなり、そんなことをいわれてもぴんとこねえな・・・・」

 

「ごもっともだが、言ってる俺自身が、状況を実感しているわけじゃない」

 

「心なしか、トチローさんは喜んでいる様に見えるが・・・」

 

「アクシデントとは言え、俺達は最も地球から離れた地球人になったからな」

 

 キンケドゥの疑問をトチローは肯定する。

 

「そう言われると、身体の中から訳の分からない何かが湧き上がってくるな」

 

「だろ?不安以上にワクワクしてくる!」

 

「フ・・・若者はいいな・・・・」

 

「おう!人々が忘れた冒険心が、ここにはまだ残ってる!」

 

「だが、状況を楽しんでいるだけでは済まない」

 

 一部の面々が湧き立つ中、冷静に隼人が言う。

 

「そうだな。俺達には地球でやるべき事がある」

 

「帰れるのか?俺達」

 

「アルカディア号のワープでも、ちょっと無理だな」

 

「ちょっと待った!この艦、ワープが出来るのか!?」

 

 

 そうして皆が話し合う中、四機の黒い影がアルカディア号へと近づいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!、キャプテン!謎の飛行物体が、アルカディア号に接近しています!数は四機!」

 

 レーダーで周囲を監視していた螢が報告し、トチローはアルカディア号の外につけてあるカメラからの映像を前に映す。

 

 そこには、それぞれ形状の違う四機の黒い円盤が向かってきていた。

 

「何だありゃ?見た事がない機体だが・・・」

 

「まずは通信で呼びかけてみろ。答えてくれるかもしれん」

 

「わかった、ハーロック。やってみよう。こちらはアルカディア号!そちらの所属を教えてくれ!」

 

 トチローからのの呼び掛けに対し、黒い円盤はまったく反応せず、四機の内の一機が、光線を発射する。

 

「むっ!」

 

 しかし、その攻撃は念の為に舵輪の前で待機していたハーロックがアルカディア号を操作したおかげで回避できた。

 

「問答無用ですって!?」

 

「トチロー!全速力で振り切るぞ!」

 

「わかった!ハーロック!」

 

 アルカディア号は全速力でその場を離脱するが、黒い円盤は執拗に追い掛けて光線を発射してき、ハーロックは巧みな操舵さばきで攻撃を躱す。

 

「しつこい連中ね!」

 

「どうするんだ、ハーロック!?迎え撃つか?」

 

「いや、ここは未開の地であり、向こうの目的がわからん以上、下手に刺激するのは危険だ」

 

 そして、四機が一斉に光線を発射すると、光線は混じりあい、エネルギー球体となってアルカディア号を追尾する。

 

「くっ!」

 

 ハーロックはエネルギー球を避けようとし、直撃を避ける事はできたが、僅かにかすってしまい、アルカディア号内部は大きく揺れる。

 

「かわしきれなかったか・・・・」

 

「ハーロック!?大丈夫か!?」

 

「問題ない。が、このままでは少々不味いな・・・トチロー!煙幕を張れ。その間に短距離ワープで離脱する」

 

「了解した!!」

 

 トチローはアルカディア号に搭載されていたミサイルを追いかけてくる円盤へと発射。円盤がそれを光線で破壊すると、周囲に煙が充満していく。

 

 円盤が光線で煙を晴らすと、そこにはすでにアルカディア号はいなかった。

 

 アルカディア号を見失った円盤達は、再びどこかへと飛び去っていく。新たな標的を求めて・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「追撃が来ないな・・・・・・」

 

「レーダーに反応は?」

 

「反応はないです。どうやら撒けたようです」

 

 その言葉に、一同は一安心する。

 

「一時はどうなると思ったが、なんとか逃げ切れたか・・・」

 

「でも、あの円盤は何だったんでしょう?」

 

「わからん。だが、ろくでもない相手なのは確かだろう」

 

 ハーロックの言葉に一同は黙り込む。

 

「(あれって、確か・・・・)」

 

「ラミィ?どうしたの?」

 

「いえ!なんでもありません!センパイ」

 

「・・・・・・とりあえず、早急に生きて行くのに必要な物資とダメージを受けたアルカディア号を修理するための資材。そして何より情報が必要になるな」

 

「確かにな・・・」

 

「って、簡単に言うけど、ここが太陽系じゃないって事は、住んでるのは異星人なんだろ?」

 

「そんなのとどうやってコミュニケーションをとって、物資を確保するんだ?」

 

 スパイクとジェットの疑問にトチローが答える。

 

「心配するな。そのために万能翻訳機を用意した」

 

「翻訳と言いますけど、それには相手の言語がわからなくてはならないのでは・・・・」

 

「レインの疑問も当然だが、心配はない。それについてはラ・ミーメがかつて使用していた宇宙公用語を対象としている」

 

「その宇宙公用語と言うのは?」

 

 隼人が質問すると、ラ・ミーメが答える。

 

「この宇宙には、多くの種族・・・あなた方から見れば、異星人が存在します。宇宙公用語とは、彼等が互いにコミュニケーションを取るために作られた言語体系の事を指します。銀河ごとに多少の差異はあるものの、他文明と接触があるレベルの星間文明ならば、ほぼ通用すると思いています」

 

「なるほど。つまり地球で言うところの英語のようなものなのですね」

 

「そう解釈してもらって結構です」

 

 そう言いながら、ラ・ミーメは説明を終える。

 

「宇宙には、俺達が想像もしていない様な世界が広がっていたんだな・・・」

 

「俺達は井の中の蛙って事かよ・・・・」

 

 キンケドゥと竜馬が呟く。

 

 そこに、螢が報告を入れる。

 

「無人偵察機の収集したデータから、この周辺に地球人に近しい人類の居住区が確認されました。推測ですが、彼らの文明も我々に近しい物と考えられます」

 

「文明が近いって事は、思考様式も近いって事だ」

 

「よし・・・まずは、そこで情報収集をする」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、トチローをはじめ、生身でもある程度戦えるゲッターチームやガンダムファイター達にスパイク達カウボーイとサギリ、ラミィの13人で、近くにあった居住区・・・ア・コバの街へと向かう。

 

 途中、現地の住民に案内してもらって街に到着した後、ちょっとしたいざこざがありつつも、現地の武器商人兼賭けの胴元であるゴウト達と出会い、お金と情報収集の為に彼が主催をするバトリングに参加。

 乱入して来たバララント軍を撃退した後、ゴウト達に自分達の事情を説明。地球へ帰れる様になるまでのしばらくの間、彼らの下で世話にならせて貰う事になった。

 

 ゴウト達のところでしばらく世話にならせて貰う事になったのが決まった後、情報収集の中でトチロー達はゴウト達に謎の4機編成の円盤について尋ねる。

 

「謎の4機編成の飛行物体だと!?そいつらは黒かったか!?」

 

「あ、ああ。確かに黒い機体だったが・・・」

 

 ゴウトの焦る姿に、トチロー達は戸惑う。

 

「何か心当たりが?」

 

「ああ、そいつらはここ最近・・・大体2ヶ月ぐらい前から出没する様になってきた連中でな。最初に犠牲になったのはギルガメス軍の基地でな。そのせいで最初はバララントの新兵器だと疑われてたんだが・・・・3日後に、今度はバララント軍の基地が襲われたんだ」

 

 その襲撃のせいで、どっちもすごくピリピリしていてね」

 

「おまけに今度はそいつらと偶然出会した商人や傭兵とか、見境なしに襲い掛かってくるんだ」

 

 だから、あいつらが現れた時はすぐに逃げるか隠れるってのが暗黙のルールになってまして・・・」

 

「なるほど・・・」

 

「まぁ、あいつらがどこから来たのか、なんでそんなことをしているのかはわからんがな・・・・」

 

 

 

 

 




どうも、邪神イリスです。

という訳で今話から後2、3話ほどは自由遊撃隊ルートとなります。
それと、個人的に寂しいなと思い、各話にサブタイトルを付けていく事にしました。


今は執筆の為にストーリーをもう一周しているとこですね。
次回もお楽しみにしていてください。


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第9話 黒き侵略者

 

 

 

 カンパニーの襲撃を受け、突如としてアストラウス銀河へと飛ばされた、T3の自由遊撃隊。

 

 バトリングの後に襲撃して来たレッドショルダーに強い恨みを持つバララント軍のPSによって、現地で出会ったゴウト達の仲間の1人、フィアナが拐われた後、同じくゴウト達の仲間の1人であるキリコやシャッコと協力して救出。

 

 史上最大のバトル『ビッグバトル』を制し、バララント軍のPSであるニーバを倒す事に成功した一行は、元の世界に戻る為の手がかりとして、シャッコの出身であるクエント族の長老達からの情報から、アストラウス銀河と地球がある銀河を繋ぐワームホールがある可能性を突き止める。

 

 そんな中、ディーヴァ保安要官のアンジェラがアルカディア号に乗り込み、キリコに決闘を申し込んで来た。

 

 それをキリコは受け、いざ決闘を始めようとした瞬間、近くの遺跡から眠っていたヨロイが電脳人であるアンジェラに呼応して現れ、攻撃を仕掛けてきた事によって決闘は中止。T3メンバー全員で対処を始めたのだが、そこへ更にカンパニーが乱入。三つ巴の戦いが繰り広げられる。

 

 

 そんな激戦の中、彼等の下へと近づく黒い影があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キャプテン!このエリアに飛行物体が接近!先日我々を襲ってきた謎の黒い四機の円盤です!」

 

 螢の報告を聞くと、一同はその方向を見る。

 

 すると、空の向こうから黒い四機の円盤が現れた。

 

「あの野郎、また出やがったか!」

 

 円盤達はそのまま、T3やカンパニーの兵器へと光線を発射して攻撃を始める。

 ビームを受けたカンパニーのロボット達が爆発する中、T3メンバーは光線を回避し、ハーロックも巧みな舵捌きでアルカディア号への被弾を避ける。

 

「この前のお返しだ!ゲッタァァァァァァビィィィィィム!」

 

 真ゲッター1の腹部からゲッタビームが放たれるが、円盤達はそれを難なく避けると、なんと合体を始め、一体のロボットへと化した。

 

 

『フォォォウン・・・・グワァシ・・・・グワァシ・・・・・』

 

 

 そして地上に降り立ち、特徴的な作動音と電子音を鳴らす。

 

 黒いボディに、巨大な側頭部にはアンテナの様な突起があり、左手は平たく大きな3本指で、右腕にはあらゆる怪獣を葬ってきたペダニウムランチャーが装着されている。

 

 

 そのロボットの名は、『宇宙ロボット キングジョーブラック』

 

 

 かつて、惑星ボリスと惑星ハマーにて、数多のレイオニクスや怪獣達を葬った、ペダン星人の信略ロボットである。

 

「合体してロボットになった!」

 

「まるでゲッターみたいだな」

 

「宇宙ってのは、なんでもアリかよ・・・」

 

 初めて見るキングジョーブラックに驚く一同。

 

 そんな中、キングジョーブラックが右腕のペダニウムランチャーの銃口を一同に向ける。

 

「来るぞ!」

 

 ハーロックが言うや否や、全員が回避行動に移る。直後、ペダニウムランチャーから並の怪獣なら一撃で倒す弾丸が連続で放たれ、地面の砂漠にも命中し、周囲に砂が舞い上がる。

 

 その砂をカモフラージュに、一気に真ゲッター1がゲッタートマホークを片手に、キングジョーブラックに接近する。

 

「オラァッ!!」

 

 気合いの声と共に、竜馬はゲッタートマホークを振るう。しかし、キングジョーブラックはそれをペダニウムランチャーで受け止め、弾き飛ばす。

 

「チェェェェストォォ!」

 

 そこへダンが刀を片手にすれ違い様に斬りつけるが、傷一つ着いていない。

 

「何!?」

 

「ちぃっ!見た目以上に頑丈みてえだな!」

 

 流石に驚いた二人だったが、そこへキングジョーブラックは振り返り、目から稲妻状の破壊光線『ハイパーデスト・レイ』を放ち、二機はギリギリで回避する。

 

「行け!ローゼスビット!」

 

 続いてガンダムローズのマント部に搭載された薔薇型の自律機動兵器『ローゼスビット』がキングジョーブラックへと一斉にビーム攻撃を仕掛ける。

 

 キングジョーブラックがそれを煩わしそうに叩き落とそうと気を逸らす中、ボルトガンダムが接近する。

 

「くらいやがれぇ!」

 

 ボルトガンダムが一気に肩から突進する技『ボルトストライク』を仕掛け、僅かにバランスを崩した隙を狙い、ドラゴンガンダムが『ドラゴンクロー』で動きを封じて連続で蹴りを浴びせ、続いてガンダムマックスターの『バーニングパンチ』が決まり、ノーベルガンダムの『ノーベルフラフープ』が直撃し、最後にゴッドガンダムが一気に突っ込む。

 

「ばぁぁくねつ!ゴッド、フィンガァァァァァ!」

 

 しかし、キングジョーブラックはそれを左手で受け止め、そのままゴッドガンダムを投げ飛ばす。

 

「ぐああああっ!!」

 

「兄貴!」

 

「あの野郎、ゴッドフィンガーを受けとめやがった・・・!」

 

 本来なら、ドモンのゴッドフィンガーが受けとめられる事はなかっただろう。しかし、未だ心のどこかに迷いを抱えているドモンでは、それは無理だった。

 

「そこだ!」

 

「くらえ!」

 

 キンケドゥが搭乗するクロスボーン・ガンダムX1改・改のザンバスターと、トビアが搭乗する量産型ガンダムF91のV.S.B.Rが同時に放たれ、キングジョーブラックの左肩と右足に命中する。

 

「もってきな!」

 

「さっさと墜ちなさい!」

 

 続いて、スパイクのソードフィッシュIIのプラズマカノンとフェイのレッドテイルのミサイルとアキトのブラックサレナのハンドカノンがキングジョーブラックに命中するが、煙が晴れると同時に、キングジョーブラックはペダニウムランチャーを連射し、5人を近づけさせない。

 

「チィッ!」

 

「あの黒いの、結構厄介よ!」

 

「だが、このままじゃどうしようもないぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

 戦いながら、ラミィはキングジョーブラックを見つめていた。

 

「(あのロボット・・・・やっぱりお爺さんが言っていた・・・)」

 

「ラミィ?どうしたの?」

 

「!えっと・・・」

 

「新人、気を抜いている暇はないぞ」

 

 サギリとサイゾウがそう言った瞬間、キングジョーブラックはティラネードとゲシュペンストを狙う。

 

「くっ!」

 

「ぬんっ!」

 

 二人は回避行動に移り、キングジョーブラックが放ったペダニウムランチャーの弾丸を避ける。

 

「ニュートロンビーム、発射!」

 

 ゲシュペンストのニュートロンビームが命中すると、キリコのスコープドッグTC・LRCとシャッコのベルゼルガDTがキングジョーブラックの足元を縦横無尽に走って翻弄しながらシャッコTはカスタムライフルを、キリコはヘビィマシンガンやSMM連装ミサイルで攻撃するする。

 

 しかし、キングジョーブラックはかすり傷一つ付いておらず、ペダニウムランチャーで反撃。3人は紙一重で攻撃を全て回避する。

 

「どこのロボットかは知らないが、この私の邪魔をするな!」

 

 Mr.ゾーンが、光子戦闘艦から光子エネルギー砲を放って命中させるが、キングジョーブラックはペダニウムランチャーを発射。一撃で光子戦闘艦を中破させる。

 

「馬鹿な!?私の光子戦闘艦が一撃で!?仕方がない・・・ここは撤退するか。キャプテンハーロック!次あった時が、お前の最後だ!」

 

Mr.ゾーンはそう言うと、その場から撤退して行った。

 

「あの野郎!逃げるのか!?」

 

「捨て台詞だけはご立派だな!」

 

 キングジョーブラックは、再びペダニウムランチャーで砲撃してくる。

 

「ぬぅっ!なら、儂らが相手をしよう!エルドラソウルの力を見せてやる!」

 

「援護するよ、お爺ちゃん!」

 

 ブラウニーが機関砲で牽制しながら、エルドラソウルが一気に接近し、ジャンプする。

 

「正義とキック・・・!」

 

「勇気とパンチが・・・!」

 

「「「アミーゴだ!」」」

 

 エルドラソウルのキックとパンチが決まり、キングジョーブラックをよろめかせるが、体勢を立て直すと、キングジョーブラックはペダニウムランチャーを鈍器の様に振り回して殴りかかる。

 

 自由遊撃隊の中でも特にパワーと頑丈さに優れたエルドラソウルはキングジョーブラックの攻撃を上手く受け止めながら、拳を叩き込む。

 

 それに対してキングジョーブラックは蹴りを繰り出し、更に至近距離でペダニウムランチャーを撃ってエルドラソウルを吹っ飛ばす。

 

「くっ!」

 

「大丈夫、お爺ちゃん?」

 

「ああ。ギリギリで防御したからな。正直、防御をしてなかったら危なかったわい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんの・・!いい加減にしなさいよ!」

 

 アンジュラがアーハンで後ろから接近しつつ、ビームマシンガンを連射する。

 

「オートマチック、スマートファイア!いっけぇ!」

 

 しかし、攻撃を受けた事でアーハンに気付いたキングジョーブラックは振り向くと同時にペダニウムランチャーを発射し、弾丸がアーハンに直撃する。

 

「きゃあっ!!」

 

 弾丸が当たった衝撃で、アンジェラは地面に叩きつけられる。

 

『アンジェラ!』

 

「マズい・・・今のは装甲が厚い所に当たったが、次はただじゃ済まない!逃げろアンジェラ!」

 

 アルカディア号から、フロンティアセッターとディンゴが叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ・・・ううん・・・ひっ!」

 

 10秒ほど気絶していたアンジェラが目を覚ますと、キングジョーブラックがペダニウムランチャーの銃口をむけてエネルギーをチャージしているところだった。

 

「ちょっと!動きなさいよっ!」

 

 アンジェラはアーハンを動かそうとするが、駆動部がやられたのか、アーハンは動かない。

 

「させない・・・っ!戦術パターン、デリブル・ナイト・デリバリー!」

 

 ティラネードとキャリアクスが一気に加速して行く。

 

「TND、承りました!」

 

「キャリアクス、攻撃準備OK!」

 

「ティラネード、突貫します!」

 

 キャリアクスがミサイルを発射して援護しながら、ティラネードはビーム・ベイオネットで牽制しながら接近する。

 

「そのままの位置を維持してください」

 

 キャリアクスからメガ・バスター・ストライカーをランスモードで射出する。

 

「センパイ!ストライカーが来ました!」

 

 ティラネードはそれをキャッチし、ランスモードを起動させる。

 

「チャンス!奴は足が止まってる!」

 

 キングジョーブラックがチャージを終える前に、キングジョーブラックの腹部に目掛けて突進して行く。

 

「いっけぇぇぇぇっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 だが、ランスがキングジョーブラックの腹部に突き刺さろうとした瞬間だった。

 

 キングジョーブラックの上半身と下半身が分離し、ランスは刺さらずにティラネードは素通りする。

 

「えっ・・・・?」

 

 あまりに突然の事にサギリとラミィが呆然とする間に、キングジョーブラックは4機に分離して空中で再合体。ペダニウムランチャーをティラネードへ向けて連射する。

 

「はっ!センパイ!」

 

「っ!くっ!」

 

 ラミィの声で我に帰ったサギリはすぐに回避行動に入るが、弾丸が2発ほど擦ってしまう。

 

「ああっ!」

 

「きゃあっ!」

 

 その衝撃で、ティラネードはアーハンの近くへと叩き落とされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぐっ・・・!」

 

「大丈夫ですか、センパイ?」

 

「何とかね。ラミィは?怪我はない?」

 

「はい、私も大丈夫です」

 

「それなら良かった・・・っ!」

 

 サギリが前を見ると、キングジョーブラックがティラネードとアーハンに銃口を向けて、再びエネルギーをチャージし始めるところだった。

 

「そんな・・・!」

 

「このままじゃやられる・・・!(どうする・・?どうしたら良い?ティラネードは動けるけど、少しでも動いた瞬間にアイツは撃ってくる。せめて・・・・せめてラミィだけでも・・・)」

 

 サギリがラミィだけでも助けようと考えた瞬間だった。

 

 キングジョーブラックの足下から紫色の光線が放たれ、キングジョーブラックを大きく吹っ飛ばす。チャージされていたエネルギー砲は、そのまま何も居ない空中へ発射されるのであった。

 

「え・・・?」

 

「何が起こった?」

 

 キングジョーブラックを止めようと動いていた自由遊撃隊の仲間達は、キングジョーブラックを吹き飛ばした攻撃の正体を確かめようとする。

 すると、砂中から何かが飛び出す。

 

「・・・センパイ・・・・・・」

 

「何・・・・あれ・・・・」

 

 砂煙が晴れ、砂中から飛び出したナニカの全貌が見えてくる。

 

 黒に近い灰色の機械的なボディに堅そうな装甲。特徴的な3本角や長い尻尾を持ち、左胸には紫色の発光体がある。

 

 

 『ギジャァァアアアアアアアアァァァッッ!!』

 

 

 それは、雷夢と逸れてしまっていた筈の、メカゴモラであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 どうも、邪神イリスです。

 はい。という訳で殆どの方が気付いていたと思いますが、キングジョーブラックでございます。
 大怪獣バトルウルトラギャラクシーのキングジョーブラックの絶望感から、ここで出すならコイツだ!と思い、出しました。
 因みに当初はエースキラーはギャラクトロンと、キングジョーブラックはインペライザーと一緒に出す予定だったんですが、さすがにそれはやり過ぎだなと思ってやめました。

 執筆中にバックアップなしで書いている内容が消えて書き直すというハプニングもありましたが、なんとか持ち直しましたので、これからも頑張っていきます。


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第10話 メカゴモラの軌跡

 

 

 

 

 

 メカゴモラが最初に目にしたのは、青い服を着た1人の女性と2人の男性。

 

 彼女らはサロメ星人。メカゴモラを生み出した、全宇宙の支配を目論む存在だった。

 

 組み込まれたプログラムのもと、メカゴモラはすぐに、彼女達サロメ星人が自分の主人である事を把握した。

 

 彼?彼女?はサロメ星人の実験基地の用心棒として、まずは迷い込んできたレイとヒュウガを襲い、レイが召喚したゴモラと戦闘。

 

 その圧倒的な戦闘力でゴモラを追い詰めたが、ゼロが乱入し、今度は逆に角や手を破壊されたりするなど一方的にボロボロにされてしまう。

 しかし、機械ゆえに痛みを感じないメカゴモラはそのまま実験基地を攻撃するレイのリトラを撃墜する。

 

 その後にすぐに修理が行われ、施設内で再び召喚されたレイのゴモラと戦闘を開始。戦闘の最中に基地を破壊したダークロプスゼロを攻撃しようとするが、逆に洗脳されてプログラムを書き換えられた事により、ダークロプスゼロに協力して再びゴモラを襲うが、次元の壁を破って戻って来たウルトラマンゼロにより邪魔立てされ、ゴモラと一対一で戦う事となる。

 

 だが、別世界のレイモンと2人がかりで精神を注入されたゴモラはもう怯むことなど無く、全精力を込めた超振動波が直撃し、そのまま爆発四散しようとした時だった。

 

 多次元宇宙と言う特異性、サロメ星人の実験、ダークロプスゼロが一度ディメンションストームを発動させた事、そしてちょうど同じ頃、遠い別次元の宇宙で『時空振動弾』と言う兵器が発動された事。

 

 様々な要因が重なり、このメカゴモラは平行同位体の一体として、爆発しながらも転移したのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 転移した先は、別宇宙の火星の荒野だった。

 

 だが、転移したは良いものの、ボロボロになっている事に変わりはなく、機能停止状態に陥るのは時間の問題だった。

 

 転移してから2日後。内蔵エネルギーも切れ、いよいよ機能停止目前となった時・・・・目の前に現れ、助けてくれた存在が居た。それが雷夢だった。

 

 九死に一生を得たメカゴモラは、クリスタルの中で傷を癒しながら同時に自己進化を始めていた。

 

 二度と敗北を味あわない為、自身を救ってくれた新たな主を守る為に。

 

 この頃に、メカゴモラはシンギュラリティに到達し、確固たる自我を持ち始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 傷が癒えてからは、新しく手に入れたステルス能力などで雷夢のサポートをしていたメカゴモラであったが、ある時、セフィーロへの転移に雷夢が巻き込まれた際に何とかしようと飛び出した結果、セフィーロではなくアストラギウス銀河に飛ばされて逸れると言うドジを踏んでしまう。

 

 見知らぬ土地に跳ばされ、途方に暮れたメカゴモラだったが、周辺の調査の為に砂中へ潜り、広域レーダーで周辺を探索していると、ちょうどビッグバトル中のT3自由遊撃隊を見つけた。

 

 Gアイランドシティなどで雷夢がカイザーに乗って一緒に戦っていた事から彼らを味方と判断していたメカゴモラは、彼らと共に行動をしていれば、元の世界に帰れると判断し、砂中に身を潜めながら彼らを観察し続けた。

 

 ちなみにこの時、感覚が鋭いドモンや龍馬などは、誰かに見られていると言う事自体には気づいていたが、メカゴモラは砂の中に潜っていた為にバレないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 観察を続けていたメカゴモラは、T3とカンパニーの戦闘中は自分が出る必要がないと思い、静観していたがキングジョーブラックが乱入し、ペダニウムランチャーのチャージを開始したのを見てすぐに行動を開始する。

 

 砂中を移動しながら、メガ超振動波を放ってキングジョーブラックを吹っ飛ばし、地上へと現れたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然現れたメカゴモラに驚くT3を尻目に、メカゴモラは体から『メガボディーミサイル』をキングジョーブラックへと放つ。

 

 起き上がったキングジョーブラックも、ペダニウムランチャーでミサイルを迎撃するが、数が多く、メカゴモラの放ったミサイルは命中し、その爆発によってキングジョーブラックはよろめく。

 

 そこへメカゴモラは右胸のビームランプから紫色の粒子砲『クラッシャーメガ』を放ちながら、すぐさまキングジョーブラックへと接近。

 キングジョーブラックがペダニウムランチャーで反撃しようとする前に、胴体にヤクザキックで蹴りを入れて弾き飛ばし、そのまま近接戦闘に移行する。

 

「っ・・・!今のうちに・・・」

 

 メカゴモラがキングジョーブラックの気を引いているうちに、サギリはアーハンを回収しながら離脱し、アルカディア号へとアーハンを運ぶ。

 

「ありがとう!謎のロボット君!」

 

「ありがとう!」

 

 アルカディア号へと向かいながら、サギリとラミィはメカゴモラにお礼を言う。

 

『ギジャァァアアァァッッ!!』

 

 2人の声が聞こえたのか、メカゴモラはティラネードに一瞬視線を向けた後、再びキングジョーブラックと戦闘を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「センパイ!ラミィ!」」

 

「2人とも、大丈夫ですか?」

 

 ティラネードがアルカディア号の格納庫へと入ると、先に戻っていたキャリアクスに乗っていたアマサキ達が、サギリとラミィへ駆け寄る。

 

「はい、彼のおかげで、なんとか・・・」

 

「私もです・・・」

 

 2人はそう言いながら、キングジョーブラックと一対一で戦うメカゴモラに視線を向ける。

 

「無事で、本当に良かったです・・・・」

 

「もし、センパイとラミィが居なくなっていたらと思うと・・・・」

 

 メリルとエイミスが、涙目で2人を見つめる。あの瞬間、もしメカゴモラが居なければ、サギリはこの場にいなかった可能性が高かったからだ。

 

「・・・ごめんなさい。心配をかけたわね・・・・」

 

 サギリは申し訳なさそうな表情を浮かべると、2人に謝罪する。

 

「・・・・課長。ラミィをお願いします」

 

「サクライくん?一体何を・・・」

 

「ティラネードは装甲を削られただけなので戦闘は可能です。少しでも借りを返しに行かないと気が済まないんです」

 

「センパイ!だったら、私も行きます!私もあのロボットにお礼をしたいんです!」

 

「・・・・・・・・わかったわ。行きましょう、ラミィ!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、メカゴモラとキングジョーブラックの戦いは、メカゴモラが一方的に優勢となっていた。

 

 別次元のレイのゴモラのデータを元に作り上げられ、さらにレイのゴモラと戦った時よりも強くなったメカゴモラは格が違いすぎるのだ。

 

『ギジャァァアアアァァッッ!!』

 

 長い尻尾を叩きつけ、よろめきながらも起き上がったキングジョーブラックに体当たりをし、バランスを崩したところへ、メカゴモラは右の拳を回転させながら腹部へ叩き込む。

 

 強烈な一撃にキングジョーブラックから火花が散るが、負けじとキングジョーブラックもペダニウムランチャーを0距離で発射してメカゴモラを牽制。

 

 そして、メカゴモラが僅かに怯んだ隙に反撃しようと動いた瞬間であった。

 

 突然、キングジョーブラックの足元の砂が崩れ、そのまま下半身が砂に埋もれてしまう。

 

 もがくキングジョーブラックだが、そこに砂の中から黄色の巨大なアームが飛び出て、キングジョーブラックを雁字搦めに拘束した。

 

「やられっぱなしと助けられっぱなしは性に合わないんでなぁっ!」

 

 その言葉と共に砂の中から現れたのは、真ゲッター3だった。

 

 彼らは、メカゴモラが戦っている間に真ゲッター2となって砂の中に潜り、キングジョーブラックの足元の辺りだけを掘って脆くしていたのである。

 

「おい!俺達の言葉が理解出来てんのかは知らねえけどよ!確実に仕留めれるようにするから、タイミング合わせろよ!」

 

 龍馬の言葉に、メカゴモラは頷く。

 

「いくぞぉ!必殺!大雪山おろしぃぃぃぃ!」

 

 そして、キングジョーブラックを砂中から引き摺り出すと同時に、真ゲッター3は武蔵の大技『大雪山おろし』によってキングジョーブラックを上空へと高く放り投げる。

 

 それと同時に、メカゴモラは角先にエネルギーをチャージし始める。

 

「今だ!カノン砲発射!」

 

 ハーロックの掛け声と共に、アルカディア号はキングジョーブラック目掛けて三連装パルサーカノン砲を撃つが、拘束から解き放たれたキングジョーブラックは分離して避ける。

 

「そこっ!」

 

 さらに、ティラネードに乗って戻ったサクライが、メガ・バスター・ストライカーを放って、キングジョーブラックを誘導。そのままキングジョーブラックは再合体をしようと動くが、それは罠であった。

 

「今よ!」

 

『ギジャアアアアアッ!!』

 

 そして、再び合体した瞬間を狙って、メカゴモラはメガ超振動波を放つ。

 

 決定的な攻撃は分離して避けると分かっていた彼等は、キングジョーブラックが分離する様に誘導し、合体した瞬間を狙って、メカゴモラはメガ超振動波を放ったのであった。

 

 避ける暇もなくメガ超振動が直撃したキングジョーブラックは、碌な抵抗も出来ずにそのまま空中で爆発。周囲に残骸が散らばって行く。

 

「「「「・・・・・・・よっしゃあ!!」」

 

「やりましたね!皆さん!」

 

「凄い・・・」

 

 勝利を確信し、ガッツポーズを取るゲッターチームやスパイク達。それを見たサギリ達も喜びの声を上げる。

 

『ギジャァァアァッ!!』

 

 そして、メカゴモラもまた、勝利の雄叫びを叫ぶように、天に向かって吠える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこへ、場の空気も読まずにカンパニーの戦艦が現れ、時空の穴を開けると、周囲の空間が歪み始める。

 

「これは!俺達がここに跳ばされた時と同じ状況だ!」

 

「螢・・・各機を急いで収容しろ」

 

「は、はい!」

 

 ハーロックの指示を受け、メカゴモラ以外の全員はアルカディア号へと戻る。

 

『グルルル・・・・・』

 

 メカゴモラは、カンパニーの戦艦を見据えながら低く唸っていた。

 

「あの女は、我々をアストラギウスへと送った目的は果たしたと言っていた。ならば、今度は地球へと帰すつもりなのだろう」

 

「さすがの洞察力です。キャプテンハーロック」

 

 ハーロックの推察を、ルーディーは肯定する。

 

「いやぁ、しかし、よく生きれましたね。正直あの黒いロボットが現れた時は、こちらも生きた心地がしませんでしたよ・・・・では、みなさん。太陽系で改めてお会いしましょう」

 

 ルーディーがそう言うと同時に、アルカディア号とメカゴモラは光に包まれ、光が収まると、その場から消えていた。

 

 

 

 

 

 

 




どうも、邪神イリスです。

ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロを見てやる気を出しながら執筆しました。

最初はメカゴモラだけでキングジョーブラックは倒す予定でしたが、個人的になんかそれは味気ないなと思い、このような展開となりました。

それにしても、こうして執筆していると、ギャラファイの並行同位体という設定は本当にありがたいですね。おかげで色々と小説の設定などが捗るというものです。

・・・・さて、ここで一つ大事なお知らせがあるのですが。感想の方で、他の地球怪獣及び宇宙怪獣のウルトラ怪獣は出すのかと聞かれたのですが・・・・どうしましょう(オイ)

正直なところ、それもアリだとは思うんですけど、スーパーロボット大戦だからロボット怪獣だけにすべきだとも思うんですよね・・・・・・
出すか出さないかで、だいぶシナリオが変わるので、安易かもしれませんが、もうここはアンケートで決めようと思います。

次の投稿日までアンケートは続けるつもりです。よろしければ、ご協力お願いいたします。


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第11話 それぞれの再会

 光に包まれた後、アルカディア号は地球圏の外れにあるパロス基地周辺に転移。同時にラー・カイラムとナデシBも合流。補給と情報交換も兼ねて、彼らはパロス基地へと入港した。

 

「アルカディア号がカンパニーに別の銀河へ飛ばされるなんて・・・・」

 

「俺達が飛ばされた別銀河は、アストラギウス銀河と言うらしい。もっとも、わかっているのは名前だけで、俺達の銀河との位置関係もさっぱりだかな」

 

「それで、そっちが跳ばされたのはセフィーロとバイストン・ウェルだったか」

 

「ラー・カイラムとナデシコは異世界に跳ばされたとはな・・・・」

 

「おそらく、カンパニーはそちらと同様に俺達をアストラギウス銀河へと跳ばそうとしたんだと思います」

 

「お互い、衝撃的な体験をした様だな」

 

 情報交換をしながら、お互いにそれぞれが跳ばされた先で加わった仲間の紹介をしていき、次の話題へと入る。

 

「金の鎧をつけた巨人に、黒い鎧騎士ね・・・・」

 

「巨人に関しては不明だが、黒い鎧騎士については、北の賢者が暗黒魔鎧装と呼んでいた」

 

「「「暗黒魔鎧装・・・?」」」

 

 ショウの言葉に、アストラギウスの方に行っていたメンバーは首を傾げる。

 

「ああ、どうも今では一部の存在しか知らない古い伝説に記された存在らしい」

 

「道士クレフなら知っているかもしれんが、セフィーロかバイストン・ウェルに戻る手段はわからないからな・・・・・」

 

 エースキラーとアーマードダークネスの話が終わると、話題はキングジョーブラックとメカゴモラへと変わる。

 

「黒い合体ロボットに、何かの生物をモデルにしたかのようなメカですか・・・」

 

「黒い合体ロボットは堅い上に、腕のランチャーは大抵の兵器は一撃で吹っ飛ばせる威力があった。カンパニーの兵器と自動で動き出したヨロイは一撃で破壊されていた」

 

「あのメカが現れなければ、サギリとラミィとアンジェラの三人は死んでたかもしれないからな」

 

 実際、キングジョーブラックが確実にトドメを刺すためにペダニウムランチャーを使わず、動きを止めるのを優先してその強力な腕力で攻撃していたら、サギリ達は死んでいた可能性が高かった。

 

 だが、彼らにとってメカゴモラの存在に関しても謎が多すぎた。

 

「とにかく、こっちでも何かしらの情報は集めてみよう。幸いな事に、アストラギウス銀河から戻る際、一部だけだが、あの黒いロボットの破片を回収できんだ。今から解析するのが楽しみだ」

 

 トチローがワクワクした表情でそう言い、情報交換は終了した。

 

 そして数時間後、彼らは黄昏の時代を越える為の最大の障害と出会う事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

X月M日

 

 なんだか久しぶりに日記を書く気がするが、とにかく、まずは状況を整理していこうと思う。

 

 北の賢者へと向かった俺だったんだが、その居城が見えた所で、目を疑う光景が広がっていた。

 

 独立部隊や動く岩の塊に昆虫をモデルにした様なマシンを相手に大暴れする金色の装甲を纏った赤い巨人。

 

 間違いなくそれは、ヤプールが生み出したロボット兵器、エースキラーだった。

 

 それを見て、ここ最近でずっと感じていた引っ掛かりが取れた。というか、何で忘れてたんだよ俺!聞いた情報で一致するのはエースキラー以外の何者でもないだろうが!

 

 とにかく、パイルダーじゃどうにもならない相手だと思っていると、一機の紅いロボットがヤバそうな状況になりそうだった。

 

 急いで俺は、少し離れた場所の森にパイルダーを着陸させ、俺は初めてアーマードダークネスの力を使った。

 

 ダークネスブロードを普通の剣の大きさにして空に掲げて、アーマードダークネスを纏うと、そのまま巨大化しながら一直線にエースキラーへと向かって蹴り飛ばした。

 

 もう少し遅かったら、あのままあの紅いロボットはやられていただろう。

 

 因みにだが、アーマードダークネスを纏うと、凄い禍々しい、いわゆるインナースペースに入っていた。流石は暗黒魔鎧装。本当になんで俺がコイツの力を使えるんだ?

 

 で、そこからはエースキラーと一対一で戦ったんだが、さすがはアーマードダークネス。エースキラーの全て攻撃をものともせず一方的に叩きのめしていった。

 

 そして、そのままとどめを刺したところで、紅いロボットの操縦者(声からして多分、女の子だと思う)からお礼を言われた。

 

 気にするなと頷いた所で、なんか黒騎士?とか言われてた奴が、アーマードダークネスほどじゃないにしろ、そこそこ凄いエネルギーを出し始めて、セフィーロに飛ばされる時と同じ現象が起きた。

 

 これは戻るチャンスだと思った俺は、パイルダーへと瞬間移動して変身を解き、パイルダーに乗った所で、元の世界へと戻れた。

 

 ただ、転移した場所そのままではなく、何故かカイザーに乗ってたんだけどな・・・

 

 まぁ、とにかくこうして無事に戻ってこれたわけだし、細かい事は置いておこう。

 

 それと、ふとダークネスブロードを見たら、メカゴモラも戻って来ていた。

 

 今までどこに行っていたのか気になったが、どうやって聞こうかと悩んでいると、なんとこの子、新たな機能を追加していた。

 

 それは、自分の記録データを別媒体に写す事。そんなの役に立つのか?と思うだろうが、それのおかげで俺はメカゴモラが見たものをカイザーを通して見る事ができた。

 

 ・・・・・で、その記録データを見た時にエースキラー並みに驚く存在がいた。

 

 黒いボディに右腕にペダニウムランチャー・・・・そう、あの超有名な宇宙ロボット、キングジョー。しかもキングジョーブラックの方である。

 

 なんでキングジョーブラックがいるんだよ!?何?ここウルトラマンの世界だったのか?この世界に来て色々と調べたけどそんな情報は影も形もなかったぞ!?

 

 ・・・・・・・いや、思い返してみれば、なんか聞き覚えがある伝承がチラホラとあったような・・・・

とにかく、ただ考えているだけじゃキリがないので、明日からはこの世界に怪獣がいないかの調査をしていく事にしよう。

 

 

 

 

 それから、もう一つ、メカゴモラの新機能についてだが・・・・・アイツ、コックピットのディスプレイに干渉して文字を出す事で喋る事ができるようになりやがった。

 

 まだ、ローマ字しか覚えていないようだが、アイツの成長スピードならそのうち日本語でやるようになるかもしれない。

 

 ・・・・・・そのうち、スピーカー機能でも追加して、普通に喋れるようになるんじゃねぇだろうな、おい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも邪神イリスです。

アンケートの結果、ロボット怪獣以外のウルトラ怪獣も出す事にしました。

感想などで言われて思い出しましたが、30で特撮関連が本格的に参戦してましたし、スマホ版ではゴジラが参戦したりしていましたね。正直盲点でした。

今後はたまに、スパロボTにはないオリジナルの話(ウルトラ要素)があると思います。


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第12話 怪しい獣達

〒月J日

 

 あれから1週間が経った。

 

 調べた結果についてだが・・・・・・普通に居たわ。なんなら、知名度こそ低めだが、そこそこ認知されていたわ。なぜ気付いていなかったのかわからなかったが、よくよく思い出してみれば、この世界に来たばかりの頃はこの世界の常識などを学ぶ事を優先にしていたから気づかなかったのだと思う。

 

 さて、とりあえずは俺が知っている限りの地球怪獣達の出身地などを探した結果、把握出来た怪獣達を紹介するとしよう。

 

 まずは、南アメリカ北部のギアナ高地だが、ここではパワードレッドキングの夫婦とパワードチャンドラー、そしてピグモン(なぜかパワード版ではなくて普通のピグモン)が確認できた。

 特にピグモンとは少しばかり遊び相手をしてあげた事で仲良しになった。

 

 次にオーストラリアでは、森の奥で生きるガゼボを発見。コロニー落としの影響があるかもとは思ったが、見たところは無さそうであった。

 ただ、コロニー落としが起きた当初は、森の入り口付近で行方不明者が相次いだという話を聞いた事から、今は落ち着いているだけで、その頃は怒り狂っていた事が容易に想像できた。

 

 その他、探し回ったが、1番多かったのはやはり日本だった。

 

 目撃例は、やはりコロニー落としによる地球規模での気候変動などが原因なのか、一年戦争の頃が特に多かった。

 

 例えば、原子力発電施設のウランを狙って現れたパゴスやガボラ。石油コンビナートなどを襲ったタッコングやぺスター。コイツらは、スーパーロボット達の活躍で倒されたようだ。

 

 その他、眠ってはいたが、ムカデンダーやサドラなども発見。

 

 この調子だと、宇宙怪獣も普通に居そうだ。

 

 色々と見て回った俺だったが、頭の中に、ある一つのワードが浮かび上がっていた。

 

 

 怪獣頻出期。

 

 

 まるで、毎週のように怪獣や侵略宇宙人が現れる期間をこう呼ぶが、恐らくこれから先、怪獣がさらに頻繁に現れる時が来る可能性は高い。

 

 その時に備えて、俺ももっとアーマードダークネスの力を使えるようにならないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、パロス基地からオービットベースに到着したT3の面々がそれぞれで休息を取る中、トチローはパロス基地から先に送っていたキングジョーブラックの破片の解析結果を麗雄から聞いていた。

 

「それで、解析結果はどうだったんだ?」

 

「うむ。まず予想はしていただろうが、やはり間違いなく、地球製ではない」

 

「やっぱりか・・・となると、どこの星から来たのかが問題だな・・・」

 

「それについてなんだが・・・・解析の結果、装甲は未知の合金が使われている事が判明した。だが、先程ゴウト達アストラギウス出身者に聞いてみたが、彼らも見た事がない金属らしい」

 

「という事は、アストラギウス銀河で作られた物でもないと?」

 

「その可能性は高い。ただ、これ以上は調べようにも破損が激しくて不可能だ」

 

「そうか・・・・まぁ、しょうがないか・・・」

 

 キングジョーブラックを修復するにしても、その前に持ってこれたのが破片である以上、今の状態では不可能。

 

 結局、現状では謎が深まるだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数時間後、オービットベースのゾンダープラント化を目論む機界31原種の1人、腕原種が出現。

 

 インベーダーなどの介入により苦戦を強いられるものの、最終的にはガオガイガーの新たな姿である、スターガオガイガーの活躍もあり、事なきことを得た。だが、彼等は気付いていなかった。

 

 戦いの最中、ハッキングの天才であるエドやルリにも気付かれずに、オービットベース内の『とあるロボ』のデータを写し取っていた『亡霊』がいた事に・・・・・・

 

 

 

 




どうも、邪神イリスです。

投稿が少しばかり遅くなってしまって申し訳ないです。

今回はアンケートの結果を反映した際の追加設定を描写する為、かなり短めです。

大学へ入学したりと忙しく、書く暇がなかったんです・・・・
今回で完全に書き溜めが無くなったので、今後はまたしばらくは不定期更新になります。

それと、今のところ、登場させる怪獣や宇宙人に関しては、ある程度決めていますが、他にも出せる怪獣などがいるかもなので、活動報告の方で募集しようと思います。

全部は無理かもですが、その中で登場できそうな個体はオリジナル話など登場させたいと思います。


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