従者カップルはイチャつきたいから告らせたい (トネッピー)
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番外編~~従者二人とその出会い~~

本編よりも先にこのネタが思い浮かんだので投稿です

1ヶ月以上お待たせいたしました

タイトル通り、今回は崇宮君と早坂さんの馴れ初めです

UA40000突破ありがとうございます

それでは、どうぞ


《とある日の四宮別邸にて》

 

「ねぇねぇ誠君、誠君」

「ん?どうかしたか?愛」

「私達が出会った日の事、覚えてる?」

「覚えてるけど?」

「じゃあさ、聞かせてみてくれない?誠君から見てどういう出会いだったのか」

「おう、別にいいけど。恥ずかしがるなよ?」

「うんうん。だから聞かせて?」

 

「そうだな。あれは確か4年前だな────────

 

 

「誠~、四宮の集まりに行くぞ~」

「わーってるよ。もう行くから玄関で待ってて」

 

 

今考えると相当荒んでたな。親から愛は感じても、それでも、寂しかったんだろうな

でも、父さんや母さんのこれからの身の振りのためにも、我が儘は言えなかった

だから、荒んだんだろうな

 

 

「ごめんな。父さん母さん、待たせた」

「大丈夫ですから。さ、行きましょ」

「そうだな。レッツゴーだ!!」

 

全く、これから大事な食事会だってのに気楽なこって、みたいなことを思ってたよ

あの時、俺は全然楽しくなかったんだよ

折角、二人と居られると思ったら集まりかよ………ってな

まぁ、そんなこんなで集まりの会場で、愛を見つけた

 

「かぐや様、こちらに」

「えぇ、わかっています」

「っ!?」

 

正直、衝撃だった

こんなに綺麗でかわいい人が居るなんて、と思ったよ

染めた金髪とは違う、綺麗で透き通った金色の髪、美しい碧い瞳、優しさの中に気品を備えた声、全部に心惹かれた

この人に好かれたい、本気でそう思った

その時だよ

 

「そこの君、さっきからあの二人を見て、どうかしました?」

「なにか、あの二人だけ、爆弾でも扱うかのようにみんな慎重だと思いまして」

「そうかしら?みんな普通に接していると思うけれど?」

「なんというか、感じるんですよ。あの二人の周りで話している人たちから、こう、腫れ物を扱うような雰囲気を」

 

俺はその時、なんでなのか本気でわからなかった

それに、話しかけてきた女の人が俺を試していたんだろうなっていうのはなんとなくわかるよ。今はね

 

「じゃあ、教えてあげましょうか。あの黒髪の女の子が四宮かぐや様、四宮家の令嬢です。それで、もう一人の子が早坂愛、かぐや様の近侍です」

「なるほど………」

 

あれが噂の妾の子か………

だから皆扱いがわからないんだって、言われてわかったんだ

 

「でも、あの二人、寂しそうですよ。妾の子とか関係なく接してあげないとダメだと思います」

「じゃあ、あなたは仲良くしてあげられる?あの二人と」

「努力はしますよ。最初から妾の子とか、そんな理由で接されたら誰だって嫌ですからね」

「そうですか。じゃあ、仲良くしてあげてくださいね」

「言われなくとも、チャンスさえあればそうしますよ。ところであなたは………いない」

 

この時は、まさか愛のお母さんと話してるなんて思ってもみなかった

で、会話の糸口を探したけど中々見つけられなくて、飯も美味しいけど、なんというか、食べてもらう人への愛よりも恐怖を感じたから、外で休んでたんだ

そしたら、糸口は向こうからやって来てくれた

 

「あなた、何してるんです?見ない顔ですし」

「初めまして、僕は崇宮誠です。よろしく」

「所で、何をしていたんです?会食を抜け出して」

「料理の勉強です。僕、料理好きなんで」

「そう、熱心ね」

「かぐや様、どこに………。あっ、いた」

 

それに、俺が本気で好きになった人も、来てくれた

 

「あら早坂、遅かったわね」

「急に消えないでください。心配になるでしょう。おや、あなたは」

「崇宮誠です。よろしく」

「かぐや様の近侍の早坂愛です。どうぞよろしく」

 

さて、挨拶も済んだしまた本でも読もうかと思った時にかぐや嬢から衝撃で、今にして言えば運命っぽいことを言われたんだよなぁ

 

「誠、と言いましたね。私になにか作りなさい」

「「………はい?」」

 

何を言ってんだよ、って本気で動揺したんだよなぁ………

愛も否定してたし

 

「かぐや様!?何を考えてるんですか!?」

「早坂、黙ってなさい。私が良いと言ってるんです」

「くっ………。わかりました。崇宮さん、かぐや様に毒でも盛ったら容赦しませんよ」

「そんなことしませんよ。でも、厨房が使えないんじゃどうにもなりませんよ」

 

まさか、作らされるなんて思わなかったよ

でも、今までで一番楽しく料理を作ったよ、それだけは確かだった

 

「じゃあ、作ってみてください」

「ちょ、ちょっと待てよ。ホントにいいのか?」

「何がですか?」

「あんた、腹一杯じゃねぇのかよ。だって、会食食べたんだろ?」

「あぁ、その事なら心配要りませんよ。食べてませんから、ほとんど」

 

なんで?っていう言葉が出るよりも早く

愛が答えてくれたよな、あのとき

 

「かぐや様が、この料理には何か足りないからいらないわとおっしゃってあまり食べなかったんです」

「なるほどね」

「さ、早く何か作りなさい」

「へいへい」

 

そして、俺は一人で厨房に放り込まれた

そのあと、この世の暗い部分を見たけどな

 

「四宮が言ったから使えるようにしたが、もう食材はほとんど残ってねぇよ。諦めな」

 

その言葉に、イラッとした

だって、目の前に雑に捌かれて食える部分が残ってる食材がおっ転がってるんだからな

 

「米と茶ありますか?あと、そこの鮭はもう使わないんですか」

「は、なに言って」

 

「早く答えろ。そこの鮭は捨てるのかって聞いてるんだよ」

 

「つ、使わねぇよ!!あんな部位、出せるわけないだろ!?相手はあの四宮だぞ!?」

 

そんときの俺はどうかしてたんだろうな

あの四宮?

 

「だからどうした」

「は?おま、今なんて」

 

「相手が誰だろうが関係ねぇよ。テメェはそれで逃げたいんだかなんだか知らねぇが。俺は常に目の前の食材を余すことなく使うだけだ。わかったら失せな。調理の邪魔だ」

 

たぶん、こんなことを言ったんだと思う

あんまり覚えてないけど、その時に料理人がビビってた顔は今でも鮮明に覚えてるけどな

 

「とりあえず、鮭の残りの食える部分を切り取って、焼いて、その間に緑茶を沸かして………」

 

そこからは、説明は要らんだろうけど調理だな

って言っても作ったのがあれだから調理と呼べるかは微妙だけどな

 

「焼けた鮭を細かく切り刻んで、沸かした茶にいれて弱火で軽~く………。今だな」

 

で、茶から鮭を上げて、米に茶をかけて、鮭を乗せて、刻んだ海苔をふりかけて完成だ

 

「お待たせしました、かぐやお嬢様。鮭の茶漬けです」

「えぇ、いただきます」

 

そうして、かぐや嬢は静かに食べ始めたんだよな

愛は、不安そうな顔してたけど

 

「はい。どうぞ」

「これは?」

「さっきのと全く同じ茶漬けだよ。そんなに心配ならあんたも食べれば?」

「いいんですか?」

「それはあんたが決めなよ。早坂さん。とりあえず、俺は食べるから。いただきます」

「………いただきます」

 

食べ終わるまで無言で食べたなぁ………

なんであのとき、誰も来なかったんだろうか

もしかして、奈央さんが手を回してくれてたのか?

今となってはわかんないけどさ

 

「ふぅ、ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでした」

「ごっそさんでした。どうだった?お二人さん」

「えぇ、美味しかったです」

「はい。美味しかったです。疑ってすみませんでした」

「気にしなくていいよ。さて、そろそろ集まりも終わる頃でしょうし、帰りましょう?」

 

ホント、この時はちゃんと帰らなきゃなにされるかわかったもんじゃないから、早く帰りたかったんだよ

まぁ、あのときあぁ言ってくれなきゃ今の俺は存在すらしなかっただろうけどさ

 

「そうですね。さ、かぐや様、戻りますよ」

「早坂、あなたは先に戻っていなさい」

「はぁ~。わかりました。ですが、お早く帰ってきてくださいね」

「わかっています」

「それでは。崇宮さん、またいつか」

「またいつか、か。」

 

そういえばあのとき愛はすっげぇ機嫌悪そうだったよな

前にも話してたけど、俺を危険だと思ってたんだっけ?

まぁ、いいけど

 

「それで、かぐやお嬢様?僕になんのようで?」

「とりあえず、その僕を止めなさい。不自然です」

「あらら、それじゃ、俺でいかせてもらいますよ。で、なんですか?かぐやお嬢様」

「あなた、料理が好きと言っていましたね?」

「ん?まぁ、好きですけど?」

「では、誠。あなたは今日から私の料理人にします」

「…………は?」

 

この時は、ホントこれにつきたな

びっくりし過ぎて思考が止まったよ

でも、愛との接点ができると気づいたたどうでもよくなったけどな

 

 

────────────ってのが、馴れ初めだと思うけど?」

 

今、考えると面白い出会い方してんなぁ………

 

「あ、あわわ………///」プシュー

「あ、愛?大丈夫か?」

「透き通った金色の髪、美しい碧い瞳、えへ、えへへへ」

 

だらけきっちゃって………

だから言いたくなかったんだよ

折角、愛と一緒なのに呆けられちゃ、甘えられねぇじゃんかよ………

 

「誠くぅ~ん」

「………なんだよ」

「うぇへへへ~。呼んだだけ~」

「はぁ………。全く………」

 

まぁ、こういう愛を見るのもいい経験だな

さて、動画でも録っていつか弄ってやろう

 

「愛~、こっちみて~」ピッ

「えっへへ~、なに~スマホなんかこっちに向けて、動画録ってるの?」

「ちげーよ。記念だ記念」

「えー、なんの~?」

「俺達の出会い記念だよ」

「いいよ~」

「んじゃ」

 

「「はい、チーズ」」パシャッ

 

神様が居るかどうかはわかんねぇけど、いるのなら感謝するよ

でもそれ以上にありがとう、父さん、母さん

 

こんな出会いの出来る環境に俺を連れていってくれて




というわけで、突如頭のなかに飛来した崇宮君、かぐや様、早坂さんの出会いの話でした


それと読者のみなさん、本当にすみません
勉強が結構不味い状況ですのでここから、4月まではほぼ更新がないと思われます

ですが、必ず帰ってきますので待っていただけるならお願いします

最後になりますが、感想、誤字報告よろしくお願いします

では、また次回まで


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本編
設定(前作から多少変更あり)


今回は、設定のみです

次回からバンバン投稿していきたいです

それでは、どうぞ


崇宮誠(たかみやまこと)

 

 

 

かなりしまった体をしている

 

 

 

性格は優しい、かなり真面目、世話好き

 

 

 

特技 料理

 

 

 

好きなもの 読書、猫、ゲーム、早坂さん

 

嫌いなもの 騒がしいこと

 

 

 

崇宮家は早坂家と同じく四宮家に吸収された過去があるが本人は全く気にしていない。料理の才能があり四宮の料理人を勤めている。

 

一応バイクの免許も取っている

 

 

生徒会の総務、所謂「縁の下の力持ち」と呼ばれる役職にある。

 

 

本来の性格は優しいのは変わりないが自分を大事にしていないし、かなり構ってちゃんである。

 

 

昔はバレずにやんちゃして喧嘩ばかりしていたが早坂を好きになったことや自分が色々なひとに関わるうちに変わらなければいけないと認識し今の性格になった。

 

中等部であることをしたため高1にビビられている。本人は恥ずかしいから余り触れて欲しくないらしい。

 

ちょくちょく本来の性格がでる。

 

弱るときは極端に弱る。

 

大の猫好きで、家に猫を4匹飼っている。 

 

ゲームも好きで好みは、○ンハンとメタ○アである

 

そして、嫌な予感がほぼ未来予知レベルで当たる

 

 

その昔、好きな人に自分をさらけだした結果「鬱陶しい、思ってたのと違うサヨナラ」と言われたのがトラウマになり自分の本来の性格を隠していたが、夏祭り以降、生徒会室では素で話すようになった

 

自分が本当に崇宮の当主になれるか不安で仕方がない。 

 

 

成績は全国模試は5位以内だが、学校の定期テストでは110位前後と言うなんとも奇妙な成績

 

本人曰く「俺、学校のテストでは頭悪いんですよ。本番に弱いんでしょうね?」と言っているが手を抜いているか否かは不明

 

 

生徒会と早坂さんから見た崇宮誠

 

白銀御行→頼もしい相談相手、親友が自分より早く彼女ができていて少し、いやかなり焦っている、親友が告らせるのに今まで以上に協力的なのに驚いている

 

四宮かぐや→早坂の次に相談している人、両片思いの従者二人が付き合ったのは嬉しいが、そこから告らせるのに二人が必死だからちょっと戸惑い気味

 

藤原千花→優しくて料理がめっちゃ美味しい人、早坂さんとどうして付き合いたてなのにイチャつかないのか不思議で仕方ない

 

石上優→ゲーマー友達、なんか最近必死になって何かしてる、尊敬する自分を救ってくれた先輩

 

早坂愛→自分と同じかぐやの相談相手、大好きな彼氏、もっとイチャつきたい、でもこういう共同作業もしてて嬉しかったりする

 

 

 

崇宮誠から見た生徒会と早坂さん

 

白銀御行→のろけてくる相手その1、信頼できる友達だが、イチャつきたいからさっさと告るか、告られてほしい

 

四宮かぐや→のろけてくる相手その2、料理を美味しそうに食べてくれるいい主、白銀と同じようにイチャつきたいからさっさと告るか、告られてほしい

 

藤原千花→ちょくちょく二人を上機嫌にしたり、不機嫌にしたりする要注意人物、

 

石上優→ゲーマー友達、同じ苦労人だがかぐや嬢に怯えている、超頼りになるめっちゃいい後輩

 

早坂愛→好みにどストライク、めっちゃかわいい自慢の彼女、告らせる策を考えるのも面倒だが嬉しかったりする

 

 

猫ちゃん達の設定

 

クロ

 

種類 ボンベイ

 

基本的にデレデレで常に甘えん坊。しかし、崇宮

 

父にはあまりなついていない。誠LOVE。

 

 

 

トラ

 

種類 キジトラ

 

自由気まま、ある意味一番猫っぽい猫。寝坊助で基本ずっと寝ている。崇宮母に懐いてる。

 

 

ココ

 

種類 アメリカンショートヘア

 

活発で常に動きまわっている。ツンデレ気味、崇宮家族と一番よく遊んでる。崇宮父に懐いてる。

 

 

タマ

 

種類 三毛猫

 

基本的におっとりしていて、行動がすべてゆっくり。よく誠が湯船に浸かった後に入ってくる崇宮家全員にほどよく懐いている。一番懐いているのは、白銀御行。

 

 

オリキャラの面々

 

昴さん

 

凄く頭がいい

何を考えてるのかわからないが、時々ボーっとしている

なんか、全部見透かされてるような感じがする

美人な彼女さんがいるそうだが、崇宮君達は誰か知らない

元崇宮家の使用人

 

 

一之瀬 海理(いちのせ かいり)

 

年齢不詳

 

若い頃は自分の夢がなにかについて迷い、店を持つ事と恋を天秤に掛けて恋を取って好きな人を追っかけて四宮の料理人となった人

料理の腕前は超一流で天性の勘で相手が迷っていることや今、恋をしているか等を料理を見る、味見することで感じることができる

 

 

時崎 愛華(ときさき まなか)

 

年齢不詳

 

若い頃、自分の恋よりも使用人としての仕事を優先し、恋を諦め、好きな人の夢を応援する側に回ることを決意したが、結局、当の本人が夢を捨てて自分を追っかけて来たため恋を諦めず、勝ち取った人

使用人としては一流だが、行動が思っていることと違う方向にとられやすい人

 




というわけで、設定のみですがこんな感じでスタートしようと思います

また次回まで


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崇宮誠は一緒にさせたい

設定を少し変更しました
暇があれば、ご観覧ください

タイトルでわかった方もいらっしゃるかもしれませんが

記念すべき続編第1話は「かぐや様は選ばせたい」です

この作品では頑張って情景描写や風景描写など、地の文を絡める事ができるようにしたいと思っています

それでは、どうぞ


秀知院学園には1年時と2年時の前後期それぞれ1つずつ授業を選択する

この選択授業では、混合クラスで授業が行われる

 

だから、ここでかぐや嬢と御行をなんとしても同じ科目を選択してもらって、もっと仲良くなってもらわないと

 

「かぐや嬢達は選択授業ってもう決まったのか?」

「それ、私も気になってたんです~。皆さんはどれにしたんですか~?」

 

すんなり生徒会メンバー一緒になりましょう!!ってなれば楽でいいんだがなぁ……

 

「私はかぐやさんと一緒が良いですー!普段クラス違うから、選択授業だったら一緒に授業できて嬉しいですもん!」

「おいおい、そんな動機で選んでどうする。折角の学ぶ機会だ。自分で考えて、自分に必要なものを選べよ」キッ

「そうですよね。誰かと一緒に授業受けたいなんて、そんな不純な動機で選んではいけません」

 

え~……

何でそこで意地張るんだよ

新手のバカじゃん

そうやって上手く行ったこと今まで一回もねぇじゃん

いい加減気づいて素直になってくれよ!!

 

「そうですか。でも、それも青春じゃねぇの?」

「そういえば、崇宮さんはどうしたんですか?」

「ん、俺か?俺は美術だよ」

「誠、その言い方って……」

「もちろん早坂と一緒だぜ?」

「そういえば、誠!!お前、同じクラスの早坂さんと付き合ってるって本当か!?」

 

そういや、御行には言ってなかった……

というか言えてなかったけ?

こんなんだけど親友だから報告はしないとな

 

「あ、うん。そうだな付き合ってるな。うん」

「お前達、一体どこに接点があったんだ!」

「お家関係だそうですよ~。昨日、A組の教室で話してましたから、接点」

 

ちょ、待て藤原

あの時お前居なかったはずだよな?

でも、知ってて当たり前か

あんだけ堂々と質問に答えたんだから

 

「そうなのか?待て、教室でってことは、昨日の騒ぎはまさか……」

「そうだよ。俺が教室に入って早々早坂の奴がいきなり付き合ってることをカミングアウトしたから騒いでたんだよ///」

 

やっべ、改めて誰かに言われるとすっげぇ恥ずかしい

全く、何てことしてくれてんだよぉ、早坂……

今、顔真っ赤だろうなぁ……

 

「崇宮さん照れてます~。かぁわいい~」

「うっせ、そんなことより三人は結局選択授業はどうするんだよ。元々そういう話だったろ?」

「そういえばそうでした~。で、会長とかぐやさんはどうするんですか?」

 

ナイス藤原!!

いつもは鬱陶しいが、こういうときは最高だよお前は!!

あれ、机の上からペンが無くなってる

ということは……

 

「かぐや嬢、もう決まってたのか?」

「えぇ、でもいくら誠でも教えませんよ?これは私の秘密です」

「そうか、だったら深くは聞かねぇよ」

 

さてさて、こうなってくると御行も何もしないわけにはいかないよなぁ……?

 

「そうだな……、俺はおn「「音楽は却下だ(です)」」

「ど、どうしてだ?」

「御行、ちょっと耳貸してみ?」

 

親友として心苦しいが、時には残酷な真実を告げてやるのもまた、親友の務めだよな

 

「何だ?」

「お前の信頼のためにこうやってんだよ。それで理由だが、お前が音痴だからだよ」

「なっ!?」

「会長、校歌1つであれだったんですよ?音楽なんて取ったら私どうなっちゃうんですか……?」

「う……、ぐぅ……」

「「だから、音楽は却下だ(です)」」

 

ん~、こうなるといよいよかぐや嬢に聞く以外の選択肢がなくなってきたな

さぁ、どうする御行?

 

「四宮、ペンを返してくれ」

「あ、はい。どうぞ」

「俺は決めたぞ」

 

お、賭けに出たか

当たる確率は3分の1、そのうち御行が選べるのはその中の2つの内どちらかのみ

実質確率はめちゃ低いだろうな

 

「俺は、崇宮と同じ美術にする」

「おう、理由を聞いても?」

「理由なんてどうでもいいだろ?それより藤原書記、生徒会だよりを職員室まで運ぶのはお前の仕事だろう。運ぶの手伝うから続きは終わってからにしとけ」ドンッ

 

おー、さすが生徒全員分、分厚いなぁ

 

「あっ、そうでした……。戻ったら教えて下さいね~」

「わかりました。帰ってきたらお教えしますよ」

「行ってら~」

 

よし、あの二人は行ったな

 

「で、かぐや嬢?あんたは何選んだんだ?」カリカリ

 

ん?カリカリ?

この音ってペンが走ってる音だよな?

ってことはかぐや嬢、まさか書いてなかったのか?

 

「ふふっ…。ふふふっ♪」

「まぁ、なんだ。一緒になれて良かったな?かぐや嬢」

「ふふふふふふ」クルクル

 

うわぁ~、スッゴい嬉しそうに回ってらっしゃる

これで、出席番号的にかぐや嬢はたぶん御行の隣だろうな

それにしても御行の奴、何でこんなタイミングよく藤原連れて出てったんだ?

ひょっとして、かぐや嬢が書いてないのに気づいた……?

 

「まさか……、な」

 

そんなことより……

 

「かぐや嬢、あんたいつまで回ってるんだよ!?」

「ふふふふふふ」クルクル

 

その後二人が帰ってきて、藤原書記も美術を選択することになった

そんなこんなで二学期初めて生徒会2年が全員揃った生徒会が終了した

 

《~~その夜~~》

 

「ごちそうさま。誠、今日も美味しかったです」

「お口に合ったなら良かったです」

「後で、私の部屋まで来てください。話があります」

「畏まりました、お嬢様。それでは、またのちほど……」

 

さて、早く片付けてかぐや嬢の部屋に行くか

 

《~~崇宮君、片付け中~~》

 

ふぅ、片付け終了だな

 

「崇宮君、片付けもう終わった?」

「ん?早坂か。今終わったとこだな」

「そっか。それじゃ一緒にかぐや様の部屋まで行こ?」

 

そうだそうだ、かぐや嬢に呼ばれてたんだった

ん?一緒に?

 

「早坂も呼ばれたのか?」

「うん。なんの用だろうね?」

 

何のようって、思い当たる節がいくつかあるよ?

主に君が色んな事しでかしてくれたからね?

 

「あ~、うん。早く行くか」

「もうちょっと、ゆっくり話しながら行かない?」上目遣い

 

おうふ、かわええ……

なにあの上目遣い、可愛すぎでしょ

ホント、俺の彼女マジ天使

話ながら行こう、そうしよう

 

「そうするか」

「うんっ!!」

 

あれからちょっと歩いたんだが……

「……」チラッ

「……」チラッ

「「っ!!」」プイッ

 

一体何を話せばいいんだ!?

ちょくちょく見合っては目線を反らして見合っては反らして!!

あぁ~!!こういうときに限って全然話題が出てこねぇ……

いくらゆっくり歩いてても、このままじゃかぐや嬢の部屋についちまう

 

「そ、そういえばさ。崇宮君」

「な、なんだ?」

「スマホってどうするつもりなの?」

「あ~、スマホか」

 

そういや早く買わないとな

あれないと色々不便だし

今週の日曜は空いてるはずだから、そんとき行くか

 

「今週の日曜日に新調する予定だけど?」

「そうなんだ。あの、もしよかったらなんだけどさ……。一緒に行かない?」

「え……?」

 

これって……、その……デートのお誘い、だよな?

 

「一人でゆっくり選びたいって言うんなら全然いいんだよ?」

「い、いや、全然。俺スマホの最新とか疎いからいいんだけどさ。早坂は近侍としての仕事とかは良いのか?」

「それは大丈夫。かぐや様、日曜日にどこかに行くことないから」

 

そ、そうなのか。だったら全然大丈夫だよな?

早坂から誘ってくれたんだし

 

「だったら早坂、頼めるか?」

「うんっ!!それじゃ、日曜日10時にそっちに行くね!!」

「お、おう、わかった。っと、着いたな。さ、近侍モードに切り替えな。入るぞ」

「わかっていますよ、崇宮君。かぐや様、早坂と崇宮です。入りますよ」ガチャッ

 

さ、一体どんなお叱りを受けるのかな?

 

「二人とも、なぜ呼ばれたかわかるかしら?」

「いくつか思い当たる節は……」

「いえ全く」

 

は、早坂さん!?

どうして心当たりがないんですか!?

あんなに色々やったのに!?

 

「じゃあ、言いますね」

「」ゴクリ

「二人ともおめでとう!!」

 

……へ?

 

「ありがとうございます。かぐや様」

「お、おう。ありがとう、かぐや嬢」

 

なんだ、良かった~

てっきり話してないことにたいして怒られるのかと思ってた

良かった~

 

「と、言いたいのだけれど。どうして最初に私に言ってくれなかったの!?」

「「え、そこですか?」」

「何が!?」

「「いえ、何でもないです。続けてください」」

「そもそも、どうして最初に主人である私に言ってくれなかったの!?私悲しかったのよ?すっごく悲しかったよ?」

 

そこなんっすか……

てっきりかぐや嬢が花火を見に行くのに必死になってる時に告白してたのにキレてるのかと思ってたわ

 

「かぐや嬢、それはな?」

「私がかぐや様を驚かせようと思ったので、私が崇宮君に頼んだんですよ」

「そ、そうだったの……。ごめんね?あなた達の気も知らないで怒っちゃって」

「わかって頂けたなら結構です。それで、お話はそれだけですか?」

「あ、後、どうしてクラスのみんなの前で言ったのかしら?」

 

そういえば、驚かすなら別にこういう場面でも良かったわけだもんな?

どうしてなんだ?

 

「それは……」

「どうしてなの?」

「その……、崇宮君は私のだって、みんなに、見せつけておこうと思って///」

「へぇ~。早坂、そんなこと考えてたのね?」

 

「おかわいいこと」

 

「だ、だって!!崇宮君モテるし、優しいからいつ他の子が近づいて来るかわからないから///」

「誠はどう思うの?」

 

どう思う、か……

そりゃもちろん……

 

「うん、俺の彼女マジ天使」

「ふぇ!?///」

「そこじゃないです!」バシッ

「あいたぁ!!」

 

痛ぁ……

何も頭叩かなくても良いじゃん

そこじゃないって、早坂の事じゃなく早坂が言ったことについてってこと?それだったら

 

「俺、別にモテてると思ったことねぇし。さっきの発言からもわかる通り俺は早坂一筋だから近づいて来てもなんとも思わないぞ?」

「だそうよ?良かったわね、早坂?」

「わ、わかりましたから。もう何も言わないでください///」

「お、おう。わかった……」

 

なんか、悪い事したな……

ごめん、早坂

 

「それで、話ってこんだけか?そろそろ寝る時間だぜ?かぐや嬢」

「もうそんな時間なのね。もう戻っていいわよ、早坂。誠はお疲れ様、帰り道に気をつけてね?」

「おう、気をつけるよ」

「「それじゃ(それでは)、おやすみなさい、かぐや嬢(かぐや様)」」

 

ふぅ、まぁ、怒られなかったから良かったとするか

早坂は、大丈夫そうかな

 

「うぅぅぅぅぅ///どうしてあんなことしたんだろ、あたしぃ///」

「そんなに後悔するならしなきゃ良かったのに……」

 

かわいいから俺は全然良いけど

 

「だ、だってぇ……」

「とりあえず、かぐや嬢と御行の前ではあんまりイチャつかないようにしような?」

「え、どうして?」

「なんか、申し訳ないじゃん?」

 

だって、親友と主人が花火見ようと必死になってる時に告白して付き合ってるんだよ?こっちは

それに、あんなことがあったのに二人は進展なしだよ?

それなのにイチャつけないですよ

 

「そう……。イチャつきたかったらかぐや様と会長を付き合わせたらいいんだよね?」

「そうだな……。そうなるな」

「だったら崇宮君!!」

「はい!!」

 

な、なに!?

 

「スマホ買ったら、早速作戦会議するよ!!」

「あ、はい。どうして?」

「だって私、崇宮君とどこでもイチャイチャしたいもん!!崇宮君が後ろめたいんだったらその元を解決すればいいんでしょ!?だから作戦会議するの!!わかった!?」

「そうだな。もう部屋の前だぜ?そろそろ遅いから悪いけど帰るわ」

「あ、ごめん。一人で熱くなっちゃって……」

「いや、実際俺も同じ事考えてたから大丈夫だ。それじゃ、おやすみ。早坂」

「おやすみ、崇宮君。大好きだよ?///」

「お、おう。俺もだよ///じゃあな」

「うん、また明日」

 

《~~帰り道~~》

 

早坂、めっちゃやる気出してたなぁ

早坂の言う通り、あの二人をさっさとくっつければもっと大々的に早坂とイチャつけるんだよな

頑張るか、俺と早坂のイチャイチャのために

 

 

 

こうして、多くのイベントと波乱の待つ俺たちの二学期は始まったのだった




キャラ崩壊タグを追加しました

第一話、いかがでしたでしょうか?

感想、評価、お気に入りお待ちしております

それでは、また次回


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崇宮誠は不安にさせたくない

というわけで第二話です

今回は「白銀御行は捌きたい」の数日前、「生徒会は神ってない」のお話です

それでは、どうぞ


《~~ある日の放課後~~》

 

「崇宮。このあと、ちょっといいか?」

「はい?自分ですか?いいですけど」

 

家庭科の先生が一体何のようだ?

別に何でもいいけど……

 

「愛さん、自分は先生に呼ばれているので。さようなら」ペコッ

「ん、バイバ~イ☆」ヒラヒラ

 

さ、早く行かねぇと

 

「先生、一体何のようでしょう……」ドンッ

「あいたっ」ドサッ

「あ、すみません。おや?あなたは」

「いえ、こちらこそすみません。って、あなたは」

「「柏木(崇宮)さんですよね?」」

 

後ろからぶつかっちゃうなんて申し訳のないことしたなぁ

当たり屋みたいじゃん

にしても、この子が件の柏木さんですか……

思わぬところで出会ったなこりゃ

 

「すいません。自分の不注意でぶつかってしまって」

「いえいえ、気にしないでください。誰だって考え事はしますから」

「そう言ってもらえると助かります。ところで、どこへ向かおうとしていたんですか?」

 

ホント、申し訳ないから

さっさと行こ

 

「ちょっとかぐやさんに話があって生徒会室にと」

「そうですか。ではお気をつけて」

「ちょっと待ってください。崇宮さんはどこへ?」

「自分は先生に呼ばれているので家庭科室まで」

「途中まで一緒じゃないですか。ちょっとお話していきませんか?」

 

あ、逃がしてくれない感じですか

しゃーない、途中まで同じ道だし、距離もそんなにないから付き合うか

 

「構いませんよ」

「そうですか。良かった……。翼がいなくてちょっと心細かったんですよ」

 

俺は翼くんの代わりですか、そーですか

ま、当たり前か……

 

《~~二人で歩き出して~~》

 

「そういえば、崇宮さんと早坂さんが付き合ってるってホントなんですか?」

「えぇ、まぁ。お付き合いさせていただいてますよ」

 

こいつ、最初っからこれを聞く気で俺を引き留めたのか

心細いなんて絶対嘘だ、こいつ俺と早坂の事聞きたいだけだろ

 

「それにしても驚きです。まさか、崇宮さんと早坂さんが付き合ってるなんて」

「そんなに驚きですかね?」

「驚きですよ。だって、全く正反対の二人ですよ?」

「そうですか。ですが、人は見かけによらないものですよ?」

 

確かに、パッと見ギャルっぽいのと、くそ真面目な生徒会総務だもんな

そりゃ、驚きか

 

「そうみたいですね。私も早坂さんとお友達になれるかなぁ……。どう思います?崇宮さん」

「なれると思いますよ?彼女、人懐っこいですし」

 

正直、早坂と柏木さんってなんか、見た目でも性格でもないけどどっか似てる気がするんだよな

なんでだろ?

 

「ホントですか!?」ズイッ

「うわわ、顔、近っ!!」

 

そんな急に来られたらバランス取れな

 

「「うわぁ(キャア)!!」」ドサッ

 

あいたたた……

今度は倒れちまった

ホント、柏木さんに悪いな

 

「柏木さん!?大丈夫ですか?」

 

って!!顔近っ!!

鼻息が当たって……

 

「……///」

「あいたたた……。すいません崇宮さん。って、おや?」チラッ

 

今、一瞬どこ見て……

て、え!?なんでそんなに近づいて来るんですか!?

 

「顔赤くして、かわいいですね?でも、彼女さんがいるのにそんな顔しちゃったら、食べられちゃいますよ?」

「あ、はい……」

 

なんなんだ!?この女!?

何か、得体の知れない色気がある……

危険だ、俺の勘がこいつは危険だって言ってる

 

「な~んちゃって、崇宮さん。倒れたとき、庇ってもらってありがとうございました」

「え、は、いや……」

「それでは私はこれで」スタスタ

 

なんだったんだ?さっきのは……

さっきと全然違う……

さっきの危険な感じが全くしなかった……

一体、何者なんだ?柏木渚

ちょっとだけ、警戒しといた方がいいかもな

 

「おっと、早く先生のもとに行かないと」

 

「何あれ、絶対許さない」

 

《~~崇宮君、家庭科室着~~》

 

「失礼しま~す。先生、自分に何のようですか?」

「あぁ、崇宮。お前、去年の2年まぁ1個上だな。その先輩の調理実習、覚えてるか?」

 

あ~、あの噂というか事件のやつね

ということは調理実習関係か……

 

「あれですか?三枚おろし大量ギブアップ事件ですか?」

「そんな名前になってるのか……。そこでお前に頼みたいことがあるんだ!!」

「なんでしょう?」

「魚を捌くのを手伝って欲しい。全部の調理実習で一匹ずつ生徒に見せるのも兼ねて捌いてほしい!!頼む!!」

 

え~、っていうかなんで俺に頼むんだ?

俺、この人に料理人だなんて伝えてないはずなんだけど……

 

「どうして自分なんですか?」

「それはな、海里に聞いたらお前にさせてみろって。それにお前、四宮家の集まりで食事を作って出したそうじゃないか」

「え、海里さんから聞いたんですか?」

「そうだ」

 

あの人、俺の事情も知らないで勝手に言いふらしてるんじゃないだろうな?

まぁ、あの人の紹介だし、受けるか

 

「まぁ、いいですよ」

「本当か!!ありがとう!!」

「ですが、2つほど条件があります」

「なんだ?俺のできる限りの事ならなんでも言ってくれ」

 

ホントこの先生いい先生だよな

じゃ、これはいけるだろうし頼むか

 

「1つ、自分が料理人であることを伏せて、頼れそうだったから三枚おろしを手伝って貰ったらうまかったからやってもらった。ということにしてください」

「それぐらいは全然いいがどうしてだ?」

「自分、料理人であることを話してないんですよ。だからです」

「お、おう。わかった。で、もうひとつは?」

「他の方にはこの事を絶対に話さないでください」

「そんなことでいいなら喜んでそうしよう」

 

っし!!情報流出阻止成功!!

さ、生徒会室行こ

 

「それじゃ、先生用事はこれだけですか?」

「ついでに、ゴミ捨て頼めるか?」

「わかりました。それではまた」

「おう。魚が届いたらまた声を掛けるわ」

「よろしくお願いします」ペコリ

 

さて、このゴミ捨ててさっさと生徒会室行くか

 

「失礼しました~。さ、行くか。って、愛さん?どうかしたんですk」ガシッ

「」

「痛いですよ?離してくれません?って、ちょ!?」

「」

 

痛い!痛い!!

引っ張らないで!!

何処連れてく気なの?

それになんか怒ってる!?

俺今日早坂になんかしたか?

いや、絶対なにもしてない

うん、絶対ひどいことしてない!!

ならどうして!?考えろ、考えろ……

 

《~~そのまま引きづられるようにして連れられて少しして~~》

 

「愛さん、いい加減にしてください!どうsムグッ!?」

 

え、どうして早坂の顔がこんなに近くにあるんだ!?

それに唇に柔らかい感触が

これ、キスされてる!?

うそうそ!?え!?どうしたん!?

いきなり

 

「ぷはっ、なんだよ///いきなり///」

「」ポスッ

「おっと、どうした?」

「崇宮君は、私のだもん……」

「え……?」

 

俺が早坂の?

まぁ、早坂の男だけども

何があったんだ一体……

 

「どうしたんだ?早坂?」

「絶対、絶対、私のだもん。他の誰にも、渡さないもん……」

「早坂……」

 

まさか、早坂、柏木さんとのあれ見てたのか

そうか、それで不安にさせちまったのか

俺、彼氏失格じゃねぇか!!他の女で顔を赤らめるなんて!!もっとしっかりしろバカタレ!!

 

「早坂、不安にさせて悪かったな。でも安心してくれ。昨日も言ったが、俺は早坂一筋だし、俺の目には早坂しか写ってないからな?」

「ほんと?」

「ホントだ、ホント」

「なら、もうちょっとこのままで……」

「はいよ」

 

全く、早坂をここまで心配にさせるとは……

付き合ったからってまだまだ余裕ぶっちゃいけないな

 

《~~数分後~~》

 

「ご、ごめん///誠、もう大丈夫だし///」

「そ、そうですか?満足したなら良かったです///」

 

口調も戻ったし、もう大丈夫そうだな

もっと一緒にいたいし、心配かけて申し訳ないんだが……

そろそろ生徒会室に行かないと

 

「それじゃ、そろそろ自分は行きますね?」

「あ、ちょっと待って。誠」

「なんですか?」

「日曜日、楽しみにしてるね」

 

なんだ、そんなことか

 

「当たり前ですよ。必ず満足のいく初デートにしましょうね?」

「それじゃあね~☆誠、生徒会も頑張ってね~☆」

「はい。頑張ってきますね」

「それじゃ、ばいば~い☆」

 

《~~崇宮君、ごみを捨て生徒会室に移動中~~》

 

お、生徒会室が見えてきたな

って、あらら?あれって御行と藤原に優?

なんで生徒会室前にいるんだ?

それにみんなで中見て何してるんだ?

あ、かぐや嬢が倒れた、倒れた!?

ちょちょ、一体何があったんだよ!?

 

「かぐや嬢、だいじょ…」

「なーんちゃって」

 

柏木さん!?もう帰ってると思ってたよ……

ってことは、中に居たのは柏木さんと翼くん?

あ~、話が見えてきた

 

「ごめんなさい。ちょっと悪戯させて頂きました」ニコッ

「なんちゃっての悪戯で副会長を気絶させないでくださいよ……」

「あ、崇宮さん。さっきはどうも」ペコリ

「こちらこそ、先程はご忠告どうも」ペコリ

 

ホント、やってくれたなこの女

ここでもいらんことしてたみたいだし

 

「やっぱり、忠告は役に立ったんですね?じゃあ良かったです」

 

 

ん?()()()()

やっぱりってことはこの女、気づいててあんなことしたの!?

あの一瞬どっか見たのってそういうことだったの!?

もうホントなんなんだよこの女!?

 

「気づいていたなら教えてくれてもいいじゃありませんか。ちょっと意地悪じゃないですか?」

「でも、おかげでいい思い出来たんじゃないですか?」

「そういう問題じゃないですよ……」

 

確かにいい思いできたけど……

だからってあんなことをして良い理由にはなんないんだよなぁ……

 

「それでは、私たちはこれで。翼~、帰ろ~」

「お~う、わかった~。それじゃ会長、皆さん。俺はこれで」

「お、おう。気を付けてな……」

「お気をつけて」

 

はぁ~~、もう疲れたよちくしょう

とりあえず、もう二度と早坂を不安にさせるようなことはしないようにしよう、絶対に……

 




というわけで第二話終了です

早坂さんは付き合いたてなのでまだ不安なんです
それに、初めて出来た恋人だから誰にも奪われたくないんです
だからあんな事をしました

次回は、二人の初デートの予定です

それでは、また次回


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従者二人は楽しみたい

明けましておめでとうございます

今年から私は受験生なので投稿が今まで以上に遅くなると思いますが、この作品をどうぞよろしくお願いします

今回は崇宮君のスマホ購入回になっています

いつもより文字数が多くなっています

それでは、どうぞ


待ちに待った日曜日~♪

今日は~♪早っ坂と~♪初デート~♪

た~のしみだなぁ~

 

「一旦落ち着いて……。とりあえず、予定を確認しよう」

 

まず、10時に家の前に集合

最優先事項は俺のスマホの新調

後は………

 

「何も、決まってない……!?」

 

どうしよどうしよ!?

こういうとき女の子ってリードしてくれる男の子の方がいいんだよね!?

どうしよう、早く考えないと早坂が来ちゃう~……

今日は父さんも母さんも居ないから頼れないし……

うわぁ~~!!

どうしよう、無計画な奴だって思われる

 

「」ピンポーン

 

うぇ!?もう来たの!?

まだ15分も前だよ!?

終わった……

ええい!!こうなったらなるようになってしまえぇぇ!!

 

「よ、よし。何処もおかしな所はない……、よな……」

 

やべぇ、超緊張してきた

大丈夫、お金は十二分に持ってる

もしものとき引き出せるようにカードも持った

財布も持った

よし!!大丈夫だ

 

「っし、行くか……」ガチャッ

「あ、おはよう。崇宮君」

「おはよう。早坂」

「ごめんね?こんなに早くに来ちゃって」

「いや、全然大丈夫だ。それじゃ、行くか」

 

俺、普通だよな?いつも通りだよな?

にしても、早坂の私服ってセンスあるよなぁ……

こう、なんか絶妙にかわいいと綺麗の間というか

とにかく、めちゃくちゃ似合っててかわいいな///

 

「ちょ、ちょっと待って!!」

「ん?どうした?早坂」

「あの……、そのぉ……、崇宮君が良ければでいいんだけど、バイクに乗せて連れてってくれない?」

「べ、別に良いけどさ。バイクって風とか結構凄いぞ?それでもいいのか?」

「うん。それでもいいから、お願いできる?」

「お、おう。わかった」

 

そんな頼み方されたら断れるわけないじゃないですか~

さ、そうと決まればヘルメット探しに行かないと

確か予備が部屋に置いてあった筈だから、一回取りに戻るか

その間に早坂にガレージ開けといてもらうか

 

「それじゃ早坂」

「なに?崇宮君」

「ホイ、鍵」ポイッ

「わわ!ど、どういうこと?」

「俺、予備のヘルメット取りに行ってくるから、先にガレージ開けて中で待っててくれ」

「わ、わかった。なるべく早く来てね?」

「ったりめーよ。すぐ行くからガレージで待ってな」

「うんっ!!」

 

さ、時間は有限なんだ

さっさと見つけて、さっさと戻ってデートスタートだ

 

《~~崇宮君ヘルメット捜索中&ガレージ移動中~~》

 

いやぁ~、意外と奥に収納してなくてよかったよかった

これでようやくデートに行けるな

 

「早坂お待たせ~。ヘルメットあったぞ~」

「あ、意外と早かったね。それじゃ、行こっか。運転よろしくね?」

「おう!もちろん任しとけ」

 

うっし、早坂が後ろにいるんだし、いつも以上に安全にそしてなるべく早く目的地に行かねぇとな

 

「それじゃ、行こうか」

「お~!!」

 

 

こうして、青空の下、俺と早坂の付き合ってから記念すべき初めてのデートは幕を開けた

 

《~~崇宮君&早坂さん移動中にて~~》

 

「あっちゃ~……」

「どうしたの?なにかトラブル?」

「ん?いやぁ、ここの信号、捕まると長いんだよ。できれば捕まりたくなかったなぁって」

 

うわぁ、折角の初デートなのに幸先悪くね?

こういうとき、何話そうか……

あ~、スマホの話とかするか

 

「そういや、最近のスマホってどんなのがあるんだ?」

「う~ん……。まず、崇宮君が前に持ってたスマホより断然性能は高いよ?それに、たくさん種類も出てるし……」

 

う~ん、そりゃそうかぁ……

俺の旧スマホって3、4年前の機種だったからな

そっかぁ……

 

「たくさん種類が出てるのか。迷いそうだな」

「それはそれでいいんじゃない?時間はあるんだし。あ、信号変わったよ」

「お、意外とすぐ変わったな。もうすぐだからしっかり捕まってろよ?」

「大丈夫!!絶対離さないから♪」ギュ~

 

すごい頼もしいですね

でもあまり強く抱き締められると、その、む、胸が……///

もうすぐつくからそれまで我慢だ我慢

煩悩退散、煩悩退散

 

《~~そんなこんなで携帯ショップに到着~~》

 

「いらっしゃいませ~、本日はいかがなさいましたか?あっ、彼女さんと一緒にスマホを買い替えるんですか?」

「彼がスマホを壊しちゃって。それで新しくしたいそうなんで私はその付き添いなんです」

 

あ、早坂が全部説明してくれちゃった

俺話すこと何もないじゃん

 

「そうだったんですか。それで、彼氏さんはどういったものをご所望で?」

「う~ん……。正直、連絡さえ出来れば何でもいいんですけど……」

「そんなんじゃだめですよ!!彼女さんと写真とるときとかどうするんですか!?」

 

えぇ~……

めんどくせぇ……

何この店員、すっごいグイグイ来るじゃん

もう、この人の意見に従おうかな……

 

「じゃあ、画質も良いやつでなるべくお手頃価格のスマホありますか?」

「それでしたら、これとかいかがでしょうか?」

「これいいな。どう思う?早坂」

「それもいいと思うけどこういうのも、どう?」

「そちらもおすすめの商品となります」

 

う~む……

ここまで多いと迷うな

早坂がおすすめするのも、店員さんがおすすめするのももちろん良さそうなんだよなぁ……

 

「こ、ここまで量があると迷うな……」

「店員さんがおすすめするのでもいいと思うよ?」

「そうなんだよなぁ……。全部良さそうだからどれにしようかと思って」

 

う~ん、どうしたものか……

迷うけど、適当に選ぶのは早坂と店員さんに失礼だし

どうしようかな

 

「それじゃ、これにするかな」

「それは少し古いものになりますけどよろしいんですか?」

「嫌ならすぐに買い替えに来ますから大丈夫です」

「それでは、こちらですね。承知いたしました」

 

《~~そのあと色々契約とかして買い替え終了~~》

 

「本当にその機種でよかったの?」

「いいんだよ。こういうのは勢いが大事だから」

「崇宮君が良いなら私はいいんだけどさ」

 

こういうのは迷ったら結局選べなくなるからな

それに、最新の奴を買っても持て余すだけだしな

 

「もう13時か、早いな」

「そうだね。そろそろお昼にしよっか」

「そうだな。食べたいものとかあるか?」

「う~ん……。近くの喫茶店とかかなぁ……」

 

喫茶店、ねぇ……

近くにあるかね?

 

「それじゃ、喫茶店探すか」

「え、良いの?」

「え?何で?別に良いじゃん」

 

なんで?

別に断る理由ねぇし、俺決めてなかったし

 

「だって、折角の初デートに行くお昼が喫茶店って我ながらどうかと思うから……」

「でも、早坂は行きたいんだろ?」

「う、うん。ちょっと憧れてたから」

「それじゃ良いじゃん。行こうよ」

「ありがとうね、崇宮君」

「なんのことやら」

 

さ、良い店探しますか!!

 

《~~崇宮君&早坂さん、喫茶店捜索中~~》

 

「ねぇ、あのお店とかどう?まだそこまで混んでないしさ」

「お、いい感じの所だな。良いじゃん、あそこにするか」

「うん」

 

思ったより早く決まってよかった

さ、なに食べよっかな~……

 

「ん?」チラッ

「どうしたの?」

「いや、何でもないよ」

 

あれって、藤原とかぐや嬢だよな

服買いに行くのって延期になってたんだ

とりあえず、早坂に確認とって買い物来てるなら会わないように気を付けよう

茶化されたくないし

 

「いらっしゃいませ。空いてるお席にどうぞ」

「わかりました。どこにする?」

「あの奥とかどう?外からも見えないし」

「そうだな。あそこにするか」

 

《~~崇宮君&早坂さん着席~~》

 

「ご注文が決まり次第お呼びください」

「わかりました」

 

どうするかなぁ~

お、このグラタン美味しそうだな

これにするか

 

「俺は決まったけど、早坂はどうだ?」

「う~ん、迷ってるんだよね……。グラタンとナポリタンで」

「ナポリタンで良いんじゃねーの?」

「それじゃ、ナポリタンにしよっかな」

「ん、決定だな。すいませーん」

「ご注文はお決まりですか?」

「ナポリタンとグラタン、一つずつお願いします」

「かしこまりました。少々お待ち下さい」

 

んじゃ、早坂に確認とちょっと午後の予定について話すか

 

「なぁ、早坂」

「どうしたの?」

「今日、かぐや嬢出掛けてるか?」

「そうだけど、どうして?」

「さっき外で見かけたから」

「嘘!?かぐや様、この辺に来てるの?」

「でも大丈夫だろ。この辺で藤原が行きそうな服屋って言ったらショッピングモールの中のとこだろ。近付かなきゃ会わねぇよ」

「そ、そうだよね!!大丈夫だよね」

 

たぶん、大丈夫だと思うんだけど……

こんなこと言って会ったら嫌だなぁ……

 

「それはそうと、御飯の後どうする?」

「う~ん……。あっ!!ゲームセンター!!」

「ゲーセン?」

「そうそう。行ってみたかったんだ~」

 

行ったことなかったんだ

そりゃそうか、生まれたときから四宮の近侍として教育されてた筈だし

楽しませてやれるかなぁ……

俺、ゲームで手抜けないからなぁ……

そこは、頑張るしかないか……

 

「それじゃ、食べ終わったら行くか」

「うん!!ありがとう、崇宮君」

「どういたしまして。他に行きたい所はあるか?」

「特には、ゲームセンター行ってそれで終わりじゃないかな?時間的にも」

「うわっ!!もう14時半じゃん」

 

もうちょっと楽しみたかったんだけどなぁ……

時間が経つの早くない?

 

「フフッ」

「?どうしたんだ?」

「いや、何にもないよ?」

「なんだよ。気になるじゃねぇか」

「嬉しいの」

 

嬉しい?何が?

 

「だって時間が進むのが早く感じるのって、それだけ楽しいってことだよね?」

「そうだけど?」

「だったら、崇宮君はすっごく楽しんでるってことでしょ?」

「そ、そうだな」

 

言われてみれば、そういう事だよな

俺は楽しめてるけど、早坂はどうなんだろ?楽しめてるのか?

 

「私、今日すごく不安だったの。崇宮君楽しんでるかなぁ、とか、私がいて邪魔なんじゃないかなぁ、とか」

「いや、邪魔なわけないし。それに好きな人と買い物行って楽しくない訳ないじゃん?それよりも、早坂はどうなんだ?」

「私?私は崇宮君と居られるだけで楽しいよ?」

 

うぉ、なにこの子

めっちゃ嬉しいこと言ってくれるじゃん

それにしても……

 

「よくそんなセリフを照れずに言えるな。聞いてるこっちが恥ずかしいよ……///」

「だって、だって!!こういうのは意地を張らずにちゃんと言わないと。言葉にしないと伝わらないから///」

「確かにそうだな///」

「それに、かぐや様と会長みたいにこじれたくないし」

「それもそうだな。ホントどうにかなんないかな、あの二人」

「そうだね」

「「はぁ~」」

 

全く、早く付き合ってくれたら良いのに……

そしたら、学校とかでも朝と帰りの挨拶以外にももっと絡めるのに

 

「お待たせしました。ナポリタンとグラタンになります」

「あ、ありがとうございます。ナポリタンは彼女に、グラタンは俺にお願いします」

「わかりました。それでは、ごゆっくりと」

 

ふぅ、とりあえず御飯を楽しもう!!

 

《~~崇宮君&早坂さん食事中~~》

 

「「ふぅ、ごちそうさまでした」」

 

いやぁ~美味かった美味かった!!

 

「すいませーん。お勘定で」

「あ、お会計は別々で……」

「いいよ、ここは俺が出すからさ」

「え、でも……」

「それでは、ナポリタンとグラタンで計1780円になります」

「じゃあ、これで」

「1780円ちょうどお預かりしました。ありがとうございました」

「ごちそうさまでした。美味しかったです。また来ますね」

「ごちそうさまでした!!とっても美味しかったです!!」

「またのご来店をお待ちしております」

 

どうやったら、あの味が出せるんだろうか……

今度個人的に行って聞いたら教えてくれるだろうか?

無理だろうな~

ま、ダメもとで聞いてみるか

 

「ねぇねぇ」チョンチョン

「うん?どうした?」

「良かったの?お会計」

「良いんだよ。あんまり金使わねぇし、こういうときに使ってちょっとかっこつけたいからさ?」

「崇宮君が良いなら、良いんだけどさ……」

 

全然気にしないで良いんだけどな……

俺が好きでやってることだし

それよりもゲーセン~♪

久しぶりだから楽しみだな~

 

「ホントにゲーセン連れてってくれるんだよね?」

「当たり前だろ。ほら、さっさと行くぞ」

「うん、エスコートよろしくね?」

「はいよ。俺でよければ引き受けさせてもらいますよ」

「もう、崇宮君だから良いの」

 

うれしいこと言ってくれるじゃん?

さて、なんとか楽しんで終われるように努力しますか!!

 

《~~崇宮君&早坂さん、移動中~~》

 

「着いたぞ、ここがゲームセンターだ」

「わぁ!!ここがそうなんだね!!早く行こう!!」ウィーン

「ちょちょ、待てって!!」

 

凄いテンション上がってるな

早坂、楽しそうで良かった………

さて、何のゲームを早坂はしたがるかな?

 

「早坂、何かやりたいゲームとかあるか?」

「私、あれやりたい!!あのカートゲーム!!」

「それじゃ、先ずはあれやるか」

「うん!!」

 

《~~ここから少しダイジェストで~~》

 

「これで私の一位だー!!」

「残念そうはいきません」

「にゃー!?緑甲羅当てるの上手すぎだよ~」

 

フッフッフ、これで俺の一位だな

いやぁ~、悪いな早坂

俺はゲームで手は抜かないんでね

 

「でも、私は赤甲羅を持ってるよ?」

「え、ちょ、あぁぁぁぁ!!」

「やったぁぁぁ!!私が一位だー!!」

 

くっそぉ……

最後で油断した……

うぅぅぅぅぅくやしい!!

 

「次はあのシューティングゲーム?ってのをやりたい」

「え、でもあれって……」

「いいから行こ行こ!!」

 

ま、早坂が良いならいいけど

 

《~~シューティングゲームにて~~》

 

「いやぁぁぁぁ!?」

「やっぱり……」

「ゾンビ怖いぃぃぃぃ!?」ダキッ

「うぇ!?早坂、前見えな……。あ」

 

GAME OVER

 

「うぅぅぅぅぅぅぅ……」

「あちゃ~……」

「なんでホラーゲームだって言ってくれなかったの!?」

「だって、言おうとしてもなにも聞かず引っ張って行ったから」

「だって、楽しすぎて全然見ないで入ったんだもん……」

「さ、さいですか……」

 

いや、でも、まぁ、楽しんでるなら良いんだけどさ?

早坂、早くいつもの調子に戻らないかな?

 

「早坂、大丈夫か?」

「だ、だいじょばない……」

「ほ、ほら!!クレーンゲームコーナーだからさ?なにか欲しい物とかあるか?」

「あ、あれ、あれがいい……」

 

ん、あのバカでかい猫の抱き枕か?

欲しい物あるか聞いたけど、あれは捕れるかな?

ちょっと不安になってきた……

 

《~~崇宮君、クレーンゲーム挑戦中~~》

 

はぁ~、もう3000円超えたよ

そろそろ取れてくれないかな……

あ、取れた

 

「早坂、取れたぞ?」

「ホントに?」

「もちろん本当だとも」

「ホントだ、ありがとう崇宮君」

「悪いな?ホラーゲームだって言えなくてさ」

「全然いいよ。だって、崇宮君が言うより先に舞い上がってゲーム始めたの私だし……。私だってごめんね。もっとちゃんと見てから入れば良かったからさ」

「そうか?」

「それに、もう切り替えれたからさ?気にしないで?」

「そうなら良いけどさ……」

 

早坂がいつもの調子に戻って良かった

あの調子の時は可愛いけど心配になるからな

 

「それよりさ、そろそろ暗くなってきたね」

「うぇ、もうそんな時間かよ。そろそろ帰るか?」

「あのさ、最後にさ、プリクラ撮りたいんだけど良いかな?」

「わかった。それじゃ、プリクラがラストだな」

「うん、ちょっと撮ってみたかったんだ」

 

早坂……

やっぱ女子高生らしいことに憧れてたんだな

さ、プリクラも楽しんで行こう!!

 

「崇宮君!!凄いね!!私達綺麗に写ってるよ!!」

「そうだな。綺麗に写ってるな」

「プリクラって凄いんだね!!」

「そうだろ?プリクラって凄い盛れるんだよ」

 

それにしても、最近のプリクラの進化って凄いな

こんなに盛れるって知らなかったわ

盛れるのは知ってたけどさ

ここまでは想像してなかったわ

 

「崇宮君、最後だって。二人で近づいてだってさ」

「はいよ」

 

近づいて、ね

 

『3、2、1』

 

「早坂」

「な、なに…」チュッ

 

『パシャッ』

 

やっぱ恥ずいな、これ

 

「は、え、なに、え、どういうこと?///」

「いや、今まで早坂からしかされてなかったからさ?///」

 

うがぁぁぁぁ!!恥ずかしいぃぃ!!

 

「そ、そうなんだ///」

「おう///悪いな。いきなりあんなことして///」

「全然大丈夫だからさ。早く加工して帰ろ?///」

「お、おう///」

 

《~~そうして、プリクラ製造後帰り道にて~~》

 

何か、凄い空気になっちゃったよ

ホント何やってんだろ……

舞い上がって変な事しちゃったなぁ……

 

「ねぇ、崇宮君」

「ど、どうした?」

「さっきの事なんだけどさ?」

 

さっきの事ってプリクラの事だよな……

できれば触れられたくないんだけど……

 

「お、おう。で、どうしたんだ?」

「ああいう事はあんまりたくさんしないようにしようね、っと思ってさ」

「そうだな。悪いな、急にあんなことしちまって」

 

そうだよな

ちょっと好きな人が彼女になってくれたから舞い上がりすぎたな……

ちょっと反省しないとな……

 

「嬉しいんだけどさ?あんまりたくさんし過ぎると特別感薄れるからさ?だから、ね?」

「そ、そうだな。わかった」

「で、でもさ!!嬉しかったのは事実だから!!」

「そっか……」

「当たり前だよ!!だって、好きな人がキスしてくれたんだよ?嬉しすぎて気絶しちゃいそうだよ!!」

 

嬉しすぎて気絶しちゃいそう、か

早坂が喜んでるなら良いのかな?

それにしても思い出せば思い出すほど恥ずかしいな

 

「///」

「あ、照れてる」

「うっせぇ、もう着いたぞ。じゃあな」

「あ、待って!!崇宮君」

「なんだよ」

「今日、楽しかったよ!!また明日ね!!」

「お、おう。俺も楽しかったよ。じゃ、また明日な」

 

 




できればお気に入り登録、評価、感想、誤字脱字報告等していただけたら励みとモチベになります

それでは、また次回


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従者二人は喜ばせたい

また、期間が空いてしまいすいません

中々内容が固まらないうちにテストに突入したので遅くなってしまいました


お気に入り登録者、90名突破
UA4500突破ありがとうございます!!




《~~9月8日、夜~~》

 

ふぃ~~、いい湯だった~~

やっぱ家の風呂っていいねぇ~~

なんかこう、温泉とかとは違ったリラックス感があって

 

「誠君、お風呂入ってるときにスマホに着信入ってましたよ?」

「え、マジで?」

「ええ。マジです」

 

もしかして早坂からか?

だったら、早く要件をきかねぇと

 

「あっ!!そういえば誠君、早坂さんと進展あったの?」

「うぇ!?あ、まぁ、うん……。その、付き合うことになりました……」

「やっぱり……。それはよかったじゃありませんか」

 

やっぱり、って事は薄々気付いてたわけか……

すげぇなぁ……。親って

 

「なんでわかったんだ?」

「そりゃ、実の息子の事ですよ?なんとなーくです。なんとなーく」

「ほ、ほう……?」

「ホントの事を言うと親ってね、子供の変化に敏感なんです。それに、誠君最近笑顔が増えましたから。ひと山越えたのかな~、って」

 

ホントに凄いな母さん

俺も、こんな親になりたいな

でも、そっか

俺自身気付いてなかったけど、俺って最近笑顔が増えたんだな

まぁ、幸せだから当たり前だな

 

「そっか。んじゃ、俺はスマホ確認して折り返すから部屋に行くな」

「はい、そうしてあげてください。後、冷蔵庫にロールケーキが入ってますから食べてくださいね?自信作なんです」

「わかった。連絡が終わったら食べに行くよ」

 

しれっとまたなんか作ってるなぁ……

羨ましいよ、全く

さ、早くなんの連絡か見に行かないと

 

《~~崇宮君、移動中~~》

 

「にゃ~ん」

「ん?クロか。なんだ?部屋に一緒に行きたいのか?」

「にゃ~ん」スリスリ

「そうか。んじゃ、行くか」

「にゃっ!!」

 

《~~崇宮君、再び移動中~~》

 

さて、連絡連絡っと

 

「そういや、明日って御行の誕生日だったな。とすると、その事だったりするのかな?」プルルルルッ

『もしもし?』

「あ、早坂か?さっきは悪いな。ちょっと風呂入ってたんだ」

『ううん、大丈夫。それより、ごめんね?お風呂中に邪魔しちゃって』

 

風呂もちゃんと入ったから

別に気にしなくても良いのに

と、そんなことより、なんの用事か聞かねぇと

 

「全然大丈夫だ。もう風呂もあがったしな。それで、どうしたんだ?」

『実はかぐや様と明日の事なんだけど……』

 

やっぱりか

 

「御行の誕生日の事だよな?プレゼントとかは?」

『そっちはもう大丈夫なの。かぐや様がオーダーメイドで扇子と、ケーキを発注してたからさ』

「だったら、後は二人にさせる方法とかか?」

『それもなんだけどさ……』

 

なんだ、本題はそっちかと思ってたのに

違うのか、だとしたらなんだ?

 

『崇宮君が会長だったらさ、どうやって祝われたら嬉しいのかなぁ、って』

「え、俺か?」

『うん。やっぱりさ?好きな人と二人きりがいいなぁ~、とかさ。二人きりは別になぁ~、とかあるでしょ?』

 

俺が御行だったら、ね……

 

「そうだな。俺が祝われる側だったとしたら、か。」

『うん、どう思う?』

「俺だったら、別にどっちでも嬉しいけどなぁ……」

『そうなんだ……』

「あ、だからって二人だから嬉しくない訳じゃねぇよ?」

『どういうこと?』

「正直、二人きりで祝われるのも嬉しいぜ?そりゃ、俺からしてみれば早坂が俺のためだけに祝ってくれるわけだからな」

『もうっ!!恥ずかしいよ……///』

「アッハハ!!悪い悪い」

 

絶対照れてるよぉ~♪

っと、このままだと話が逸れるな

軌道修正、軌道修正っと

 

「それで、話を戻すが【

『うん』

「嬉しい、嬉しくないは別として。意識させるなら二人きりの方が効果的だとは思うぜ?」

『やっぱりそうだよね~……』

 

うん?なんだその反応、何か問題でもあるんか?

 

「どうしたんだ?」

『ねぇ、崇宮君。かぐや様が二人きりで会長に何か出来ると思う?』

 

あ~……

そういうことね……

ん~、かぐや嬢が、ね………

うん、無理だな

 

「無理だな。ほぼ確実に」

『でしょ?だから、どうしようかなぁ~、って』

「なるほど、それでかけてきてたのか」

『うん。なにかいい案ないかと思って』

 

いい案、ね………

うーむ………

ダメだ、全っ然おもいつかん……

こうなったらかぐや嬢に自分の力でなんとかしてもらうしかないんじゃねぇかな

 

「なぁ、早坂?」

『どうしたの?』

「こうなったら、一か八かかぐや嬢に賭けねぇか?」

『え~、と………。どゆこと?』

「いい加減、かぐや嬢に自分で攻めてもらわないと」

『でも、』

「それに、ここまでお膳立てしたんだからさ?ちょっとはやってくれないと」

『………やっぱり』

 

早坂、納得してくれるかね?

というか、今なんて言ったんだ?

 

「はやs『やっぱりそうだよね』

 

………へ?

 

『やっぱり崇宮君もそう思うよね』

「おう……。早坂、大丈夫か?」

『かぐや様はいっつもそう。私がどれだけ頑張ってもいっつも結局上手くいかなくて。その度、私が申し訳なくなって。もうなんなの、あの主君』

「そ、そうだな……。いつもお疲れ様、早坂」

『そうやって慰めてくれるの、崇宮君だけだよ。ありがとうね』

 

早坂………

やっぱり結構こたえてたんだな………

そりゃそうか

かぐや嬢、いっつも早坂を頼って、その度に失敗してるんだもんな

学校の連中も早坂が近侍やってるなんて知らねぇもんな

早坂、このままだと体壊しそうだな

ちゃんと彼氏として愚痴とか聞いたりして適度に発散させてやらねぇとな

 

「早坂、愚痴とかあるならいつでも聞くからな」

『え?』

「後、行きたい所とかあるならどんどん言ってくれよ。絶対連れていくから」

『どうして?』

「だって、付き合ってるし。それに、早坂がこのまま溜め込み続けたら、いつか絶対に壊れちまう。だからさ?もっと俺に頼ってこいよ。絶対に支え続けるからさ?」

『崇宮君………』

 

どうだろうか?

早坂は俺をもっと頼ってくれるだろうか

俺としては、早坂をもっと支えていきたいんだがな

 

「どうだ?迷惑だったか?」

『ううん。全然。寧ろ嬉しいよ』

「そうか」

『うん。崇宮君がそんなに私の事を考えてくれてるなんて、思ってなかったから』

「失礼な。俺は何時だって大切な人が元気でいることを考えてるよ」

『崇宮君はやっぱり優しいね』

 

そうかね?

あんまし考えた事なかったが、皆言うしな

俺としてはこれが普通なんだがな

 

「それで、かぐや嬢に頑張ってもらうでいいのか?」

『うん。かぐや様には悪いけど、私もちょっと休憩したいしね』

「そうか。ならもう大丈夫だな」

『あ、ちょっと待って』

 

うん?まだ何かあるのか?

愚痴とかかね?

なら、満足するまで聞かないとな

 

「どうした?」

『あ、あのさ』

「おう」

『夏休みに流れた小旅行、行かない?』

 

……へ?

 

「え~と、いま、なんて?」

『だから、二人で温泉行かない?って』

 

あ~、と

これって夢じゃない、よね

 

「にゃ~ん!!」ガバッ

「うぉわぁっ!?」ドサッ

『崇宮君!?崇宮君どうしたの!?』

 

痛たた……

クロの奴、いきなり突っ込んでくるきやがって

なんなんだ?

でも、痛いってことは

 

「夢じゃないって事か」

『崇宮君!!大丈夫!?』

「ん?あぁ、大丈夫だ。クロがいきなり突っ込んできたからビックリしただけだよ」

『良かった~。で、どうかな?温泉旅行』

「近々、絶対行こうな」

『今度は手を出す出さないの心配はいらないね?もう付き合ってるし』

「ファッ!?///」

 

え、え~と

それって、つまり………

そういうことですか?

 

『えへへ~、さっきのお返し。いま崇宮君、顔真っ赤でしょ~』

「そ、そんな訳ねぇだろ!?///」

『照れてる~。かぁわいい~』

 

くぅぅぅぅぅ~

くっそー、悔しいけどホントの事だから言い返せねぇ……

 

「うっせ。で、用はそれだけか?それじゃ、切るぞ」

『あ、ちょっと待って!!切らないで!!』

「なんだよ」

『崇宮君の声をもうちょっと聞きたいの、ダメ?』

 

うぐっ!!

なんだ、くそ、かわいいかよ

ヤバい、このままいくと俺もかぐや嬢や御行みたいにアホになる……

 

『やっぱりダメだよね。ごめんね、変な事聞いて』

「いや、待て。誰もダメだなんて言ってないだろ?」

『じゃあ、いいの?』

「いいよ、いくらでも聞かせてやるよ。だから、早坂の声も聞かせてくれな?」

『う、うん。えへへ、嬉しいな。好き、崇宮君///』

「俺も好きだよ。早坂///」

 

あー、こっ恥ずかしい

顔あっつ、絶対顔真っ赤だわ今の俺

さて、どんな話をするかねぇ……

 

『ねぇ、崇宮君ってさ。どうして私の事を好きになったの?』

「え、言わなきゃダメか?それ」

『え~、良いじゃん。言っても減るもんじゃないし』

「それなら早坂、お前も言えよ?」

『いいよー。だから話して?崇宮君』

 

はぁ、いきなりまたこっ恥ずかしいなぁ~もう!!

でも、早坂が俺を好きになった理由を聞けるならまぁ、いいかな

 

「第一は一目惚れだな」

『えっ!?』

「なんだ?不思議か?」

『いや、大丈夫。続けて?』

 

ん???

まぁ、どうでもいいか続けよ

 

「それから、何回か見かけるうちにもっと早坂の事が知りたくなって。その時、丁度良くかぐや嬢から専属の料理人にならないかって言われたから受けたんだよ」

『好きになったのがその時だったとして、なんで私がかぐや様の近侍だってわかったの?』

「母さんに聞いたんだよ。そしたら、早坂のママさんが教えてくれたんだよ」

『え!?ママが!?』

「おん。後から知ったことだけどな」

 

ホント、あの時は驚いたよな~

いきなり、隣に現れて、彼女は早坂愛っていってかぐやお嬢様の近侍なんですよ。仲良くしてあげてね、って言われたからなぁ~

まさか、早坂のママさんが直接言ってるなんて思いもしなかったからな……

 

「それからは、まぁ、早坂も知っての通り。少しずつ仲良くなるために努力して、早坂の新しい一面を知る度にどんどん好きになって、今に至る。とまぁ、ざっとこんな感じだな」

『そ、そうなんだ。それじゃ、次は私が好きになった理由だね』

「そうだな」

 

早坂が俺を好きになった理由………

気になるな

なるほど、早坂もこんな気持ちでさっき俺に聞いてきたわけか

納得、納得

 

『私が好きになった理由はね?なんて言えばいいかわかんないけど、気が付いたら好きになってたの』

「お、おう……」

『まずママから、今度面白い子が来るって言われたのが崇宮君を知るきっかけだったね。最初は不思議な子がいるなぁ程度にしか思ってなかったよ。もし、かぐや様に悪意を持ってようなら排除しようとすら考えてたよ?』

 

え、そこまで考えたんすか

悪意を持ってなくて良かったぁ……

 

『でも、ちょっとずつ話していくうちにこの人は本気でかぐや様の、美味しい、只その一言のために色々私に聞いてきてるんだってわかったの。いま思えばその時ちょっと機嫌悪かったんだけどね』

「あの時、機嫌悪かったの?いやぁ、確かに薄々、あれ?俺もしかして嫌われてる?とか思ったんだけど」

『私って、かぐや様に似て嫉妬深いからさ?』

 

左様で

あの時(第2話)、スッゴい思ったからなぁ

あんまり嫉妬させないように注意しよ

 

「それで?」

『それから、少しずつ崇宮誠っていう人に触れて。ちょっといい人だなぁ、とか思ってた時に映画館の尾行があってね?それで、本格的に崇宮君が気になりだしたの』

「なるほどね」

 

あの時、正直隣の席じゃなかったらここまで仲良くなれてないと思ってたが

向こうも俺の事が気になってたとは、案外隣の席になれなくてもなんとかなったかもしれねぇな

 

『それから、近侍としての私は崇宮君に自分を偽り続けようとした。でも、早坂愛としての私は、崇宮君にもっと素の自分を見てもらいたいと思った。多分それが崇宮君の前だけ、時折素が出てた理由だと思う』

「なるほど」

『この時、私は自分の気持ちがわからなかったんだ。でも、崇宮君は私のどんな面を見ても決して否定したり、距離を置こうとはしなかった。きっとそこが私が崇宮君を好きになった理由かな』

「そっか………」

『うん、どう?』

 

うーむ、どうって言われたら………

 

「なんだかんだ、俺たちも運命の赤い糸に結ばれてたのかなぁ、と」

『言われてみればそうだよね。あっ!!そういえば、もうひとつあるんだ、崇宮君に惚れた理由』

「ん?なんだ?」

『それはね?夏祭りの時に言ってくれた、他の誰でも、四宮かぐやでもない、()()()が居ると思ったから此処に来たんだ、っていうの。あれスッゴク痺れたし、かっこよすぎて心臓バックバクだったよ!!』

 

あ、あはは……

できれば、その事はあんまり言わないで欲しいかなぁ~

自分でもスッゴい恥ずかしいからさ?

わかってくれるよね?ね?

 

『ふわぁ~あ。眠たくなってきたね?そろそろ寝よっか』

「そうだな。おやすみ、早坂」

『おやすみ、大好きだよ。()

「!!??//////」ボンッ

『フフッ、じゃあね』プチッ

 

ッ~~~~~~!!

あんなの反則だろっ!!

かわいすぎかよ………

あ~、こりゃ絶対寝不足になるなぁ………




いかがだったでしょうか?

これから勉強に重きを置くので
更新は超不定期&亀更新になると思いますが、この作品をどうかよろしくお願いします

それでは、また次回


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従者二人は贈らせたい

今回は『かぐやたちは贈りたい』回です

UA6000突破、お気に入り100件ありがとうございます!!

それでは、どうぞ


ついに来たな~御行の誕生日

ふわぁ~あ、眠い………

昨日、遅くまで電話しすぎたな

早坂、大丈夫かな?

それに、早坂と会って普通でいられるだろうか?

あんなことがあったのに

自信ねぇなぁ………

お、んなこと考えてたら、着いたな四宮別邸

 

《~~崇宮君、四宮別邸IN~~》

 

「にしても、かぐや嬢一体何のようだ?朝急に電話かけてきて。来い、だなんてよ」ツンツン

 

んあ?誰だ?人の肩なんてつついてくるのは

 

「おはよう、崇宮君」

「早坂か、おはよう。昨日はよく眠れたか?」

「ううん。あんまり寝れてない……。ふわぁ~あ」

「大丈夫か?」

「大丈夫だよ。寝たのは寝たから」

「そか」

 

寝れたんならいい?のかね

あ、そうだ

早坂ならなんで朝からよばれたか知ってるかな?

 

「なぁ、なんで朝からよばれたかわかるか?」

「多分会長のプレゼントの事じゃないかな?」

「あ~、そういうことか」

 

なるほどね

御行のプレゼントを見て良いかどうか判断しろってことかね?

 

「崇宮君、早く玄関に行こう?」

「え?かぐや嬢の部屋に行くんじゃねぇの?」

「それが……。かぐや様が先に玄関で待っててって」

「ほーん。それじゃ、玄関行くか。あぁ、それと……」

「ん?どうしたの?」

「温泉、いつ行くか決めねぇとな。()

「………え!?///」

 

へっへへ~

昨日の仕返しだこんにゃろ~

照れちゃってまぁ、かわいい~

やっぱ幸せだなぁ~

こんなかわいい彼女持てるなんて、あの時は思っても見なかったな………

 

「ちょ、崇宮君!?なに今の!?もっかい!ねぇ!もっかい!///」

「なんのことかなぁ?俺にはわからんなぁ?」

「もうっ!!崇宮君の意地悪ぅ~」

「昨日の不意打ちの仕返しだよ。あれのせいで眠れなかったんだから」

「うぅぅぅぅ~~」

 

納得してないけど、理解はしたって顔だな

旅行の日にち……ね……

絶対行こうとか言っちゃったけど行く日あんのかね?

なんだかんだ延びて冬休みとかになりそうだなぁ

 

「早坂、悪かったよ。許してくれって、な?」

「今回は私も悪かったから、許す」

「ありがとさん」

「はぁ、全く朝からなんてものを見せつけてくれるんですか。貴方達は」

「あ、かぐや嬢。おはようさん」

「かぐや様、おはようございます」

「すごい切り替えの速さね………。まぁいいです。それじゃ、行きましょうか」

「はいよ~」

「はい」

 

なんだろうな

なんかそこはかとなく嫌な予感がするなぁ

今日は帰らずにかぐや嬢見守るかぁ、生徒会の扉の前で

 

《~~車内にて~~》

 

「かぐや嬢、プレゼントどうしたんだ?」

「あら、早坂から聞いていないの?」

「一応聞きはしたけど、気になるじゃん?」

「そういう貴方はどうしたんですか?」

 

へっへ~ん

俺のは絶対被らないもんね~

 

「俺のはこれですね」

「なに?これ?」

「御行が食べたがってた、〇尋の親父が食べてた訳わかんない奴っぽいものです」

「崇宮君、よく作れましたね……」

「調べたら元ネタらしきものが出てたんでそれっぽく作ってみました」

 

まさか元ネタがあるとは………

正直ダメもとで検索してみたけど、ホントにあるとはな~

でも、実際食べたことはないからこれかどうかわからないんだよなぁ……

いやでも、食べたことある奴なんて居ないから美味しかったら正解なんじゃ?

わからんけど、とりあえず俺のプレゼントはこれだ!!

 

「ところで、かぐや嬢はどうしたんで?」

「それは学校に着いてから見せます。さ、行きますよ。二人とも」

「「はーい」」

 

なんだろう、絶対おかしな事になってる気がする

いや、気がするというかほぼ確実になってる

はぁー、やだなぁ

おかしな事になってるってわかって学校行くの……

 

《~~四宮主従トリオ移動中~~》

 

学校到着~~

そして生徒会室についたんだけど………

 

「どうでしょう。特別に発注してもらったケーキです」デーン

「「そうでしょうね」」

「会長、ケーキ食べたがってる感じでしたからとっても喜ぶに違いないわ♪」デデーン

「「そうだといいですね」」

「苺も買い付けから行って……。って、何よ!!さっきから二人して適当な返事ばかりして!!」

 

いやぁ~、だって、ねぇ?

デカ過ぎじゃないっすかね……?

 

「いや、だってこれもう……ムグゥッ!?」

「???どうしたの?」

「なんでもありません。ちょっと彼氏に抱き付きたくなっただけです。気にしないでください」

「そう?ならいいのだけれど……」

 

い、息がぁ……

死ぬ、死ぬぅ!!

 

「ムー!!ムー!!」

「崇宮君、もうあれの事は指摘しないでください」小声

「プハァッ!!なんでだよ!?」小声

「もう私、疲れたんですよ。朝からあんな重い、超引く、超恥ずかしいケーキを見せられて。もう面倒くさいんですよ。わかってください」トオイメ

「お、おう……。悪かったよ。もう指摘しないから」

「ありがとうございます」

 

早坂………

ホント、この人の近侍がよく勤まるよ

すごい辛そうだけど……

そうは言っても、これってサイズ的にもうウエディングケーキのレベルだよな?

 

「それで、どう思う?二人とも?」

「私は、かぐや様が良いなら特に口出ししませんけど………」

「俺も早坂と同意見だ。かぐや嬢が満足なら良いんじゃないか?」

「早坂?どうしたの?歯切れが悪いわね~」

「昔はこんなにアホじゃなかったのに………」ボソッ

「何て言ったの?」

「気にしないでください。只の独り言です」

「そう?会長、喜んでくれるかな~♪」

 

ますますアホ化が進んでる気がする……

はぁ、付き合ったらこれは止まるんだろうか?

このままだといつか取り返しのつかない事になりそうで怖いんだけど

 

「それじゃ、私と崇宮君は先に教室に行ってますので」

「おう、そういうことだ。それじゃ、また後で」

「私はこれを直してから行きます。それではまた」

 

また、面倒な事になったな~、おい

何度思い出してもなんだよあのでかさ

信じらんねぇ

俺の主マジで大丈夫かな?

 

「ねぇ、崇宮君」

「どうした?」

「今日、生徒会あるよね?」

「うん、あるけど?」

 

急にどうしたんだ?

いきなり、生徒会の有無なんか聞いてくるなんて

なにか用事でもあるのか?

 

「じゃあさ、生徒会終わったら私とかぐや様がどうなるか一緒に見てくれない?」

「別に良いけど」

「ありがとね。私一人じゃ倒れちゃいそうで」

 

なるほどね

そりゃ、かぐや嬢があんな状況じゃ倒れるかもしれないとは考えるわな

 

「あ、そういえば。旅行、結局どうする?」

「どうしよっか?」

「俺としては、前期生徒会が終わった後ぐらいにしようかとおもってるんだが……。どうだ?」

「うん。それぐらいが一番落ち着いてるかもね。それじゃ、日程はそれぐらいにしよっか」

「んじゃ、どこに行く?」

 

場所はできれば夏休みの予定通りの場所がいいんだけどな

あそこ、スゴい良かったし

早坂と一緒なら、別に他の場所でもいいんだけどな

ま、なんにせよ早坂の行きたい所を聞いてから考えよう

 

「それなんだけどさ、夏休み行こうとしてた所でもいい?」

「別にいいけど、別の所でもいいんだぜ?」

「あそこがいい、ダメ?」

「あいよ。それじゃ、詳しい日程が決まったら予約しとくわ」

「うん!!よろしくね!!」パァッ

 

護りたい、この笑顔

っと、もう教室か

 

「早坂、もう教室だぜ?」

「わかってるし~」

 

いつも思うけどスゴい切り替えの早さだな

尊敬するよ、ホント

 

「そうですか。なら別にいいんですけどね」

「でしょ~☆それじゃ、そろそろ皆も来るだろうし、あたしは自分の席に行ってるね~☆」

「それじゃ、また放課後に」

「バイバイ~☆」

 

それにしても、かぐや嬢、ホントにあのプレゼント渡せるのか?

絶対まともに渡せないと思うんだけど……

それは見て確かめるか

 

《~~昼食時間~~》

 

御行に渡しに行かないと

あ!!早坂に弁当渡してねぇ!!

うっわ!!マズッた……

恥ずいけど、渡すか……

先に御行から行くか

 

「あ、崇宮君。どうしたの?」

「こんにちは。すみませんが会長、居ますか?」

「居ますよ。会長~!!崇宮君が呼んでますよ~!!」

 

居て良かった~

居なかったらどこに居るのかわからんから放課後に渡すとかになりそうだったからな

 

「誠か、どうした?」

「お誕生日おめでとうございます、会長。これ、会長が食べたがってた、〇尋のお父さんが食べてたドロドロしていた物っぽいのです」

「本当に作ったのか!?スゴいな……」

「元ネタらしき物があったから出来ただけですよ。感想は生徒会で聞かせてくださいね?」

「おう、ありがとうな。誠」

「いえいえ、親友として当然のことですよ」

 

さ、早坂だな………

早坂はどこだ?

お、いたいた

さ、気合い入れて渡すか……

 

「お弁当忘れるとか愛もうっかりしてるね~」

「だから~、そんなんじゃないって☆あたし今ダイエっとしてるから~、そんな感じ?」

「え~、どんな感じよ~?」

「過度な食事制限は体に毒ですよ。はい、愛さん。お弁当」

「え!?あ、ありがと///」

「ちゃんと栄養や、カロリーにも気を遣って作ってるので気にせず食べてくださいね?」

「う、うん。助かるし///ありがと、誠」

 

ちょうど何人かと食べてるみたいだし

これも渡しとくかね?

 

「愛いいな~。こんな最高の彼氏さん持って~」

「そうだよー、羨ましいよー」

「うん☆スッゴい助かってるんだ~♪」

「あ、それとこれは皆さんで食べてくださいね」

「なになにー?崇宮君、これなにー?」

「簡単な野菜バーですよ。お弁当作るついでに作ったので、よかったら食べてくださいね」

「うんうん、皆で食べるよー!!ありがと、崇宮君」

「ありがとね~」

「ありがと、誠」

「いえいえ。それでは、お昼休みを楽しんで」

「「「は~い!!」」」

 

さて、午後の授業も頑張りますかね?

 

《そのまま、何事もなく放課後へ》

 

ふ~、やっと終わった~

さ~てさてさて、それじゃ生徒会に行きますかねぇ~

 

「崇宮君!!」

「何ですか?」

「野菜バー美味しかったよ!!ありがとね!!」

「美味しかったんでしたらよかったです」

「いやー、本当に美味しかったよー。愛が羨ましいよホント」

「そうですか?」

「そうだよ!!こんなに料理上手で優しくてカッコイイ彼氏さんがいるなんて」

「そ、そうですか」

 

あはは………

なんか、面と向かって言われるとすごい恥ずかしい

あんまり言われたことなかったからな~

言われると嬉しいもんだな、カッコイイとか優しいって

 

「もしかして、照れてる?」

「いえ、面と向かって言われる事がなかったので戸惑っているだけですよ。それじゃ、私はこれで」

「あ、ちょっと待って!!」

「どうかしましたか?」

 

まだなにかあるのか?

できれば早く生徒会終わらせて早坂と二人きりになりたいんだけど……

 

「愛の事、これからもよろしくね」

「はい?」

「あの子、私たちに気づかれないようにしてるみたいだけど、意外と溜め込む癖があるみたいだからさ。私、そういうのわかっちゃうんだよね。だからさ、よろしくね?」

 

なんだ………

そんな事か、そんなもん

 

「任されました。愛さんが抱え込み過ぎて潰れないように支えたり、重しを降ろしてあげるのも彼氏の務めだと私は考えていますから。任せてください。鷹村さん」

「そう言ってくれるなら、愛を任せられるよー。それじゃ、また明日ねー」

「それでは、また明日」

 

鷹村実咲さん、か……

彼女、人の内面を見抜く才があると見てほぼ間違いないな

早坂の事に気づいてるのがなによりの証拠だしな

早坂に一応伝えとくか

お前の友達はお前の事をしっかり見てるぜ、ってな

さ、生徒会に急がないと

 

《そのまま何事もなく無事に生徒会が終了し》

 

ふぃー、今日も無事に終わったな~

疲れた~

さ、こっから御行とかぐや嬢を二人きりにして様子を見ないと

 

「それじゃ、俺ら先に上がるわ。お先~」

「それじゃ、また明日~」

「お先に失礼しますね。会長、四宮先輩も」

「おう、お疲れ」

「お疲れ様でした。それでは、また明日」

 

さて、教室に忘れ物したとでも言って別れるか

 

「そういえば、崇宮先輩」

「ん?どしたの、優」

()()()()()()()()()()()()

「そうですよ!!スゴいですよね!!」

 

え!?なんで知ってるの?

あれ?俺、優に言ってないよね?

もしかして、早坂があんな事言ったのってそんなに話題になってんの?

 

「そんなに有名なの?」

「えぇ、そりゃもちろん。だって、真面目代表みたいな評価されてる崇宮先輩がザ・ギャルみたいな早坂先輩と付き合ってる、しかも早坂先輩が二学期開始早々宣言したって盛り上がってましたよ」

「マジかー………」

 

思わぬ所で話が盛り上がってたよ

あの行動、やっぱりそういうことになるよな~

他に変な噂がないか確かめとこ

 

「他に何か言われてることってあるか?」

「あ~。スゴいイチャイチャしそうなカップルなのに全然イチャイチャしてないらしいって話位ですかね?本当なんすか?」

 

あ~、それかぁ………

いやぁ~、だって、ねぇ?

かぐや嬢と御行に申し訳ないからさ?

二人がみんなで花火を見るために頑張ってる時に告白して付き合ったからさ?

なんか申し訳なくて……、なんて言えないしなぁ

どう言い訳しようか

 

「本当ですよ~。だって、早坂さんと崇宮さん学校でもそこまで絡んでませんし本当に付き合ってるのか怪しいですよ」

「そうなんですか」

「付き合ってるっての。別に学校でいちゃつかなくても良いだろ?TPOを考える、そういう関係なんだよ。俺とあいつの関係って。」

 

こういう感じでいいかね?

うんうん、TPOをわきまえるって大事だからな

…………今度、彼女との在り方について翼くんに聞きに行こうかな………

 

「ふ~ん。そういう関係なんですか~」

「早坂先輩がそういう感じなのは予想外でした。もっと積極的に絡みに行くと思ってました」

「そういうこった。それじゃ、俺は忘れ物したから教室取りに行ってくるわ。じゃ」

「また明日、崇宮先輩」

「崇宮さんバイバーイ!!」

 

さて、二人はどうなってるかな?

 

《~~崇宮くん移動中~~》

 

「やっときましたか、崇宮君」

「ちょっと話してただけだよ。気にすんなって。で、どんな感じよ?」

「まだ特になにも起こってないよ」

「そか」

 

まだ二人とも作業してる感じか

早坂も凝視してるし俺も見よっと

 

「そういえば、崇宮君」

「どうした?」

「実咲と何を話してたんですか?」

「あ~、その事か」

「もしかして、二股ですか?」

「そんなわけないでしょうが。言ったろ?俺は早坂一筋だって」

 

全く、ちょっとは信用しろっての

付き合いたてだから不安なのはわかるけどさ

俺ってそんなに信用ないかな?

 

「だったらなんの話してたの?」

「昼間の野菜バーのお礼と、早坂についてだな」

「うん?」

「早坂はなんでも抱え込む所があるから頼む、ってな」

「うそ、気付かれてたの?」

「さぁな。でも、お前の友達はお前の事をお前が思っている以上に気にかけてるってことだよ」

「そ、そうなんだ」

 

嬉しそうにしちゃってまぁ………

でも実際嬉しいもんだよな

俺も絶対喜ぶもん

お、かぐや嬢がケーキを隠したであろう扉を開けて

 

「お、ついに渡すのか?」

「あれ?でも閉めたよ、扉」

 

なんで?

っておいおい、なんか恥ずかしがってないか?あれ

ということは………

 

「「このタイミングで我に帰るなよな(らないでよね)」」

 

あ~、やっぱり~

早坂も同じこと考えたってことは多分そうだよな~

な~んでこのタイミングで我に帰っちゃうかな?

このまま渡せば終わりだったのに

あの超デカケーキ

 

「なぁ、早坂?」

「なに?崇宮君」

「かぐや嬢、渡せると思うか?」

「どうだろう。でも、今までの傾向を見ると無理じゃないかな?」

「やっぱりか」

「うん」

 

かぐや嬢………

もうなんでもいいんでさっさと渡して告ってくれねぇかな?

なんか、これからこれ以上に面倒な事に巻き込まれそうだし

早坂と一緒に考えるのも楽しいけどさ

でも、学校でも早坂とイチャイチャしたい

お、かぐや嬢が動いた

 

「電気、消したね」

「蝋燭の火を目立たせるためだろうな。ってことは、渡すみたいだな」

「かぐや様も成長してるんだね」

「そうみたいだな」

 

うっわ、かぐや嬢の背中でなにも見えねぇ

中で何が起きてるんだ?一体

 

「なんも見えねぇな」

「そうだね。でも、あのケーキを直で渡してないのは事実だね」

「そうだな」

 

あ、かぐや嬢こっち来た

 

「では……」ギィ

「かぐや嬢、お疲れさん」

「」ヘナヘナ~

「かぐや様、よく頑張りましたね」ヨシヨシ

 

うっわ、スッゴい心臓バクバク鳴ってる。相当緊張したんだな

ホント、よく頑張ったな。お疲れさん、かぐや嬢

 

《~~その後~~》

 

「かぐや嬢?ホントなんでこんなの注文したの?」モグモグ

「崇宮君の言う通りですよ。かぐや様」モグモグ

「……///」

 

あ~、こりゃダメだな

完全にショートしてるわ

そこまでなるんだな。好きな人にプレゼント渡すって

はぁ、そんなことより……

 

「これ、ランニング何キロ分だろうか……。早坂、一緒に走らないか?」

「そうだね。走ろっか、崇宮君」

 




鷹村 実咲

早坂さんの友達
人の内面を見抜く力がある
普段はチャラチャラしているがやるときはしっかりやるタイプ
見抜く力は、ほぼ百発百中レベルの高さである
そのため、この人はダメだと感じた人には極力関わらないようにしている
ダメだと感じた人は崇宮君が調べた危険な人と一致していたため崇宮君は少し警戒している


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早坂愛は引き下がれない

今回は少しとばして『早坂愛はオトしたい』です

UA7000突破ありがとうございます!!

皆さん、新型コロナにかからないように気を付けましょう
この作品を読まれて、少しでも暇を潰して頂けると幸いです

それではどうぞ


何であんなこと言っちゃったんだろ?

 

「あ~、やっぱり白銀くんだ~!」

 

売り言葉に買い言葉、崇宮君をバカにされたからってあんなにムキにならなきゃ良かったよ……

恥ずかしい、なんでこんなことしなきゃいけないの!?

あの時は確か………

 

《とある日の夜、四宮別邸にて~side早坂愛~》

 

ホント頭を抱えたくなるよ………

はぁ~、全く……

 

「お見舞いに花火大会。それに誕生日に月見、これだけイベントがあって、私と崇宮君がお膳立てして、どうして全く進展がないなんてことになるんですか?」

「うぐ………」

「どうしてここまで下手打てるんですか。もうすぐ生徒会も解散なんですよ?」

「何よ………」

「はい?」

「じゃあ何よ?早坂だったら会長を落とせるって言うの?」

 

今度は何を言い出すのかと思えば……

まぁ、ここまでイベントがあればかぐや様よりは近くなれると思うけどなぁ……

 

「まぁ、かぐや様よりは上手くやりますよ」

「言ったわね!じゃあやってみたら良いじゃない!!」

「いや、何をどう考えたらその発想に至るんですか」

 

私、彼氏いるんだよ?

そんなことするわけないじゃん

全く、何を考えてるんだか……

かぐや様、また何かスッゴい色々言ってるなぁ……

私、一言もイチコロなんて言ってないんでけど

 

「口では幾らでも言えますからね!!大言壮語も程々にして欲しいわ!!」

 

そんなこと私に言われても

だって私

 

「実際、やりきって付き合いましたし」

「そ、そうだったわね。でも、誠がチョロかっただけじゃないの?」

「」カチン

 

へぇ~、そんなこと言うんだ

ふ~ん………

 

「会長の方がチョロいと思いますけど?」

「ならやってみなさいよ!!」

「わかりました。やってやろうじゃないですか」

 

《そして、時は戻って現在》

 

はぁ~~………

いやもうホント、売り言葉に買い言葉じゃん!!

でも、崇宮君がチョロくないって証明するためにもやれるだけやろう!!うん、そうしよう

さ、切り替えて切り替えて

 

「あ………。えっと、四宮の所のメイドさんのスミシー・A・ハーサカさん?」

「ピンポーン!良かった、覚えててくれたんだ~!」

「いや、前の時と雰囲気が違いすぎて一瞬わからなかった」

「今日はオフだもん。いつもあんなに肩肘張ってたら疲れちゃうよ~」

「ああ、そうだよな………」

 

ここまでの会話は想定通り

さて、このままうまく行けるかな?

 

「かぐや様から聞いてたけど、本当に勉強熱心なんだね」

「いや、そんなでもない……」

「それに比べて私が買う本は俗っぽくて恥ずかしいなぁ。参考書の1つでも買っておけばよかったよ」

「PCが好きなんですか?」

「いやー、ノーパソが欲しいんだけど何がいいのかわかんなくって」

 

この流れで教えてって言ってゴリ押せば教えてくれる

それで、そのまま一緒に話せる

これで決まりだね

 

「あっ、そうだ!こういうのって男子の方が知ってるよね!白銀くんが選んで!」

「いや俺も詳しくは……」

「それでも私よりかはマシだよ!丁度カフェエリアもあるし、どれがいいかちょっと教えてよ~」

「まぁ少しの間なら……」

「やったぁ!」

 

良し!!これでもう少し話したり出来る!!

 

《一方その頃、本屋の入り口にて》

 

「あ゛?あいつ何してんだ?」

 

チッ、ちょっと見てみるか

本買うついでにな

 

「よぉ、かぐや嬢。何してんだ?」

「何って、早坂が会長をオトすって言うから見てるんですよ」

「へぇー、早坂がそんなこと言い出したんだ。ふーん」

「うぇ!?ま、誠?ど、どうしてここに?」

「俺が休日にどこに居ようと俺の勝手だろ?」

 

早坂の奴、自分は二股か?

それとも、かぐや嬢との口喧嘩の流れでそうなったのかどちらにせよ、気分が良いもんんじゃねぇな

 

「で、今はどうなってるんだ?」

「ま、誠?もしかして怒ってる?」

「いんや、別にキレちゃいねぇよ。ただ、どうなってるか気になってるだけだ」

「ほ、ホントに?」

「しつけぇな、キレてねぇっての。で、状況は?」

「は、早坂が会長にノートパソコンを選んでもらうそうです」

「なるほどね」

 

教えて、か

確かにそういえば御行は断れないな

流石だな、良く考えて行動してるよ

 

「お、パソコンの話は終わったみたいだな」

「そうね、これで会長を繋ぎ止める事ができなくなりましたね。これでゲームセットです」

「いや、勉強教わりだしたぞ」

「なんですって!?」

 

いや、ホント、俺が言いてぇよ

何で、早坂があんなことしてんの?

でも、かぐや嬢に聞いて本気でオトそうとしてるなんて言われたら俺壊れる自信があるから聞かねぇけどよ

 

「あ、寝たフリ始めたぞ?」

「今度は何をするつもりなの?」

「さぁな。じゃ、俺は本探してくるから」

「あ、ちょ、誠」

 

さてさて、本はあるかねぇ~っと

うーん、こんなんもいい感じだしな

お、これいいじゃん

せっかくだしカフェエリアで読も

 

《崇宮君、本購入後カフェエリアへ》

 

「よ、御行。何してんの?」

「あぁ、誠か。いや、この子に勉強教えてたら寝ちゃって……」

「あれ?その子もしかしてハーサカさん?」

「知ってるのか?」

「まぁ、名前ぐらいはな」

 

こう言えば、ハーサカが本当にいるって思わせれるだろ

御行、意外と勘が鋭いところあるからバレててもおかしくねぇなからな

 

「誠は何しにここに?」

「いや、いい本があったからちょっと読もうかなって。折角カフェエリアがあるしコーヒー片手にな」

「そういうことか」

「おん、そっちはその子起きるまではここにいる感じか?」

「あぁ、女の子を一人にするわけにはいかんしな」

「そゆことね。んじゃ、また学校で~」

「誠、お前機嫌悪くないか?なんかあったか?その……、彼女とかと」

「………なんもねぇよ」

「そうか。それじゃ、ゆっくり読めよ」

「へ~い」

 

さて、読むか

 

《~~約3時間後~~》

 

ふぃ~、中々良かったなこの本

家だったら絶対泣いてたわ

特に最後の『繋いだ手は、互いが思っていた以上に暖かかった』ってのがいいよなぁ

この二人の距離感と関係の変化を良く書けてるとおもうよ

さ、帰るか

 

「ハーサカも起きたみたいだしな」

 

さて、かぐや嬢と一緒に見るか

 

《崇宮君、移動中》

 

「戻ったぞ。かぐや嬢」

「何してるの!!どうして会長を移動させなかったの!!これで成功しちゃったらどうするのよ!!」

「そんときは俺が手を引く、それだけだ。後、かぐや嬢は新しい恋を探すんだな」

「え、手を引く?それってどういう……」

「どう受け取るかはあんたに任せる。じゃ、俺はこれで」

「え、えぇ」

 

《視点は戻り~side早坂~》

 

どうしよどうしよどうしよ!?

崇宮君が来てる、本当にどうしよう、もしかして嫌われちゃった?

うそうそ、でも早く誤解を解かないと

会長をオトすとかそんなこと言ってる場合じゃない!!

 

「白銀くん、ごめんね?待っててもらって」

「いや、無防備な女の子を放って帰るわけにはいかんだろ。それに、勉強疲れは努力の証だ」

「そっか、ありがとね。って、もうこんな時間!ごめんね。私これから用事あるんだ。だからじゃあね」

「あぁ、さようなら」

 

崇宮君、崇宮君、お願い居て!!

 

「かぐや様!!崇宮君は!?」

「い、今帰ったわよ」

「何か言ってました!?」

「もしもの時は俺が手を引く、って……って早坂待って!!」

 

待てる訳ないじゃん!!

今行けば会えるかも、それに家に帰るならわかるからきっと追い付ける

お願い!!私に弁解させて!!崇宮君!!

 

 

あ、見えた。お願い、止まって!!

 

《視点変更~side崇宮君~》

 

はぁ~、手を引くとは言ったもののやっぱ辛いしムカつくなぁ……

 

「崇宮君!!」

「ぬぉわぁ!?」

 

イッテェ、今のって早坂か?

 

「どうしたんだよ。御行をオトすんじゃねぇのか?」

「ごめんなさい」

「はい?」

 

いきなり、何言ってんの?

なんのこっちゃわかんないんだけど

 

「かぐや様と口論になって、向きになったからって二股っぽくなろうとしてごめんなさい」

「いや」

「崇宮君が居るのに、会長さんをオトそうとしてごめんなさい」

「ちょ」

「崇宮君が居たのにスルーして会長さんを優先してごめんなさい」

「早坂さん?」

「ホントは崇宮君一筋で大好きなのに。会長さんに告白しようとしてごめんなさい」

「ストップ、ちょっとストップ!!」

「何度だって謝るし、何でもするから」

「落ち着けって」

「好きだから、大好きだから。だから、手を引くなんて言わないで………」

 

はぁ~、ったく、ここまでなるんだったら最初からしなきゃいいのに………

まぁ、ここまで言われると怒る気も失せるわ

なんか、ちょっと言えば泣きそうだし

………取り敢えず事情聞くか

 

「わかった、わかった。だから取り敢えず落ち着けって」

「う、うん///」

 

あ、これ我に帰った奴だ

絶対恥ずかしがってる奴だ

 

「取り敢えず、そこの喫茶店で話聞くから、な?」

「わかった///」

 

《崇宮君と早坂さん、喫茶店入り》

 

「ご注文はお決まりになりましたか?」

「コーヒーと、早坂は何がいい?」

「メロンソーダ………」

「コーヒーとメロンソーダで」

「かしこまりました」

 

で、じっくり話を聞こうか

 

「何がどうなって、御行をオトすとかいう話になったんだ?」

「うぅ~、言わなきゃダメ?」

「言わなきゃダメです」

「わ、わかったよ。実はね……」

 

《早坂さん説明中》

 

「という訳なの」

「アッハハハハハ!!それで売り言葉に買い言葉でああなったと」

「うん」

「アッハハハハハ!!いやもうバッカみてぇ!」

「もう!!笑いすぎだよ!!」

「ヒー、ヒー。腹いてぇ……」

 

キレてた俺がバカみてぇじゃん

俺がバカにされたからキレたって……

ハハハハハハハハ!!我慢できねぇ

 

「もう!!なんでそんなに笑うの!!私だってバカだったとは思うけどそんなに笑わなくったっていいじゃん!!///」

「いやぁ、愛されてるなぁってよ」

「うぅ~、だって~、我慢できなかったんだもん」

「いやぁ~、笑った笑った。久しぶりにこんな笑ったわ」

 

ホントに愛されてるわ、俺

嬉しいんだけどさ?

どうしてそんなことするかね?

俺、スッゴク不安になったんですよ?

全く、俺の心配を返せっての

 

「お待たせしました。コーヒーとメロンソーダになります」

「ありがとうございます。コーヒーはこっちで、メロンソーダは彼女に」

「かしこまりました。それではごゆっくり」

 

まま、それにしても

 

「ありがとうな」

「へ?どうして?」

「まぁ、形はどうあれ俺をバカにされて怒ったわけだからさ。()()()()()()、な」

「うっ、その件はホントにごめんなさい」

「もう別に怒ってねぇよ。それじゃ、これ飲んで帰ろうか」

「うん」

 

ホント、別に俺チョロいって言われてもいいけどな

俺って多分チョロいと思うしな

チョロいと言やぁ、かぐや嬢

 

「「あっ、かぐや嬢(様)」」

 

「あの二人、帰ったら絶対説教してあげます」




コロナウイルスの影響で休校が延びました

どうしましょう。ちゃんと自宅学習しないといけなくなりました

という愚痴もここまでにして

また次回


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崇宮誠は終わりたくない

今回は『第67期生徒会』『かぐや様は呼びたくない』です
と言っても、ほとんど話は関係ないですけど

お気に入り130件、UA9000超えありがとうございます!!

みなさん、できるだけ家の中に居ましょう
距離をとって散歩する位だったら大丈夫そうなので頑張って下さい

それでは、どうぞ


今日が、生徒会最後の日か………

ホント、色んな事があったよな……

俺個人としても、生徒会にしても、全部懐かしいよ

 

「俺たちの生徒会は終了、だな」

「そうっすね」

「そうだな」

「そうなりますね」

「そうですね」

 

この1年、早かったような短かったような不思議な時間だったな

 

「じゃあ、今度こそ忘れ物はないか?」

「もうないだろうよ」

 

生徒会、終わっちまうのかぁ……

もっと続いて欲しかったな

終わるもんはしゃーないと割りきるしかないか

 

「どうします?ファミレスで打ち上げでもしますか?」

「お、優それいいね。どうだ?御行」

「それもいいかもなぁ」

 

いいねぇ、ファミレスで打ち上げ!!

ん、藤原の奴、妙に静かだな……

 

「おい、藤原……」

「いっぐ、いっぐ」ズビー

「泣くなよ、とは言わねぇ。お疲れ様、藤原」

「うわぁぁぁぁん!!」ポロポロポロ

 

やっぱりか………

でも、この1年楽しいこと悲しいこと含め、思い出がたくさんできたからなぁ

泣くのも無理ないか……

 

「もー……。そんなのずるいわ……」ポロポロポロ

「かぐや嬢まで……」

「…皆お疲れ様。ありがとうございました」

「「ありがとうございました」」

 

ホント、大好きだぜこのメンバーが、この第67期生徒会がな

 

『第67期生徒会、全活動終了』

 

《~~ファミレスに移動中~~》

 

「ホント、この1年でみんな成長したな」

「御行、いきなりなんだよ」

「いやそんなこと言いますけど、成長したって、それ多分崇宮先輩のことじゃないですか?」

「そうですよ!!私もそう思います!!」

「確かに、誠かもな」ハハッ

 

え、俺?

 

「何を、え、俺?みたいな顔してるんです?」

「かぐや嬢まで……。俺、そんなにか?いや、そんなにか」

「そうですよ、私たちみんなに素で話してくれるようになったじゃないですか」

「そうだな」

「1学期の期末試験で本気で悔しいって思えたのも成長だしな」

「そんなことがあったんですか?」

「うぇ!?御行、それ言うなって」

 

できれば、言わないで欲しいんだけどなぁ

くっそ恥ずかしいし

 

「それに、ちゃっかり可愛い彼女作って、羨ましい限りですよ、先輩」

「本当にそこですよ!!崇宮さんだけずっこいです!!」

 

ちょっと待て藤原、お前告られても断ってるよね?

なのになんだよ、ずっこいって……

それに、優はもっと容姿に気遣ったりしたら……

って、そっかあれがあるのか……

優はなにも悪くないのにな

でも、本人が言うなって言うしな

どうにかならんかな、あれ

 

「誠、それは私も思いますよ。本当、羨ましいですね」

「そうだぞ、ホント羨ましい」

 

いやいや待て待て待ちなさいな

お前らに限ればお互いが素直になれば解決するじゃねぇか!!

あんたらが素直にならないせいで俺と早坂がどれだけ苦労してる事か

もう生徒会も終わっちまうし、これからどうやって告らせたらいいんだ?

考えるだけで頭が痛くなる……

 

「へいへい、俺が悪ぅござんした。でも、優だって、自殺試行回数減っただろ?それに、メンタルも強くなったように見えるぜ?」

「それは、そうですけど……」

「まぁ、そんなことはどうでもいいけどな。とにかく、打ち上げレッツゴー!!」

「「「オー!!」」」

 

《~~生徒会、打ち上げ中のワンシーン~~》

 

あれから普通に入店して、普通に打ち上げして、今かぐや嬢とジュースを注いでるんだが……

 

 

「かぐや嬢?いい加減御行のこと、呼んでやったら?」

「それができたら苦労しません!!大体、どうしてあの二人はあんなに馴れ馴れしく呼べるんですか!?藤原さんにいたっては、名前呼びなんて……!!軽薄、軽薄ですよ彼女は!!」

「はいはい、普通に御行を呼ぶのが恥ずかしいって言おうな」

「なんですか?あなたも御行、御行って馴れ馴れしい」

 

んなこと言われたって………

実際、馴れ馴れしく呼べる程つるんでるんだし

 

「はぁ~、もういいじゃねぇか。普通に白銀くんかさんで」

「だ・か・ら!!そう呼べたら苦労しませんってば!!正直今まで会長としか呼んでこなかったから、その、呼ぼうと思っても会長って言葉が先に出てくるのよ……///」

 

な~るほどね~

気持ちはわからんでもないから、ここはかぐや嬢に任せるか

まぁ、かぐや嬢の気持ちは大体想像つくからちょっとだけ、背中押すようなこと、言ってみるか

 

「まぁさ、かぐや嬢が呼びたいようにすればいいんじゃないか?」

「結局、他人事ね……」

「実際他人事だしな、でもよ」

「なんです?」

「たまには、わがままの1つ位いいんじゃねぇの?男って、大事な女のわがままは出来るだけ叶えてやりたくなるもんなんだぜ?」

「何よ、わかったようなことを……」

「わかるさ。だってよ?俺と御行は幼馴染みたいなもんだぜ?だから、白銀御行は少なくともそういう人間だってことぐらいわかるんだよ」

「………私は、わがままを言っても良いのかしら?」

 

なんだ、今日はえらく素直じゃん

ちょいちょいこういう日があるから、この人を憎めないんだよなぁ………

こういう時は思ったことを言えばいいのかね?

 

「そいつはかぐや嬢自身が決めることだな。ま、もうちょっと打ち上げはあるんだ。それに、御行のことだ暗いからあんたを送って帰るって言うだろうさ」

「でも、藤原さんも居るし、そっちを送るという可能性も……」

 

だー!!もう!!調子狂うな、ったく

 

「そっちは任せな、なんのために俺がいると思ってる?」

「ありがとう、誠」

「感謝される事でもねぇよ。俺はただ、自分の主様の幸せを願う、そういう従者として普通の発想をしてるだけだよ」

「そうね。あなたはそういう人よね」

「そういうこった。さ、戻ろうぜ?」

「えぇ、戻りましょうか」

 

《~~そんなこんなで打ち上げが終了し~~》

 

ふい~、楽しかった~!!

さ~て、それじゃあ藤原を家まで送るか~

 

「藤原、優さっさといくぞ~」

「は~い、了解です。崇宮先輩」

「ええ~!?どういうことですか?崇宮さん!!」

 

どういうこともなにも

 

「いや、女の子をこんな時間に1人で帰すわけにはいかんだろ?」

「そうですよ。藤原先輩、普通に抜けてるんで、送らなきゃ誘拐されるかもですよ?」

 

優、ナイスフォロー

建前はこんな感じで大丈夫だよな?

かぐや嬢と御行は~、っと、ありゃ大丈夫だな

ちゃんと一緒に帰る話になってるだろうし

後は………、なるようになるだろ、多分

 

「それは困ります~!!崇宮さんも石上くんも絶対に私を見捨てないでくださいね~」

「んなことする訳ねぇだろ。バカなこと言ってないで、さっさと帰るぞ?」

「そうですよ、早く帰りましょうよ。藤原先輩」

「あぁ~!!二人とも待って~!!」

 

頑張れよ、かぐや嬢

多分、今回は御行の手のひらの上かも知れねぇけどな?

 

《その後、書記ちゃんと石上くんと別れて崇宮家にて》

 

「誠君、生徒会お疲れ様でした」

「ん、さんきゅ」

「誠~!!生徒会お疲れだったな~!!」

 

うっわ~、出来上がってるじゃん

別に気にしないけどさ

 

「いやぁ~、この1年色々あったな~」

「そうですね。色々ありましたね」

「誠が珍しく風邪を引いたり、初めて俺達に本音でぶつかってきてくれたり、誠に彼女ができたり………」

「ちょっ!!父さん!!」

「そうですね~、まさか誠君がまた彼女を作れるなんてね」

 

は?今この人またって言った?またって言ったよね?

なんで?何をどこまで知ってんの?この人マジで

 

「母さん?あんた、どこまで知ってんの?」

「さぁ~?なんの事かわかりませんね~。とりあえず、打ち上げも含めてこの1年、本当にお疲れ様でした」

「おう、まぁまた1年延びそうだけどな」

「どうして?」

「まぁ、色々あるんだよ。俺にも、かぐや嬢や御行にもさ」

「そうですか。でも、そうなったらそうなったでまた頑張るんでしょう?」

「そりゃあな、せっかく選ばれた訳だしな」

「じゃあ、次も頑張ってくださいね~」

「はいよ~」

 

さて、部屋に戻ってだらだらスマホでも触るか~

 

《~~崇宮君、自室に到着~~》

 

「さ・て・と~なんかイベントやってるかな~」ピィロンッ

 

ん?メールだ、かぐや嬢からか?でももう寝てるはずの時間だし

それじゃ、御行か?

 

「ありゃ、早坂だったか。何々………」

『崇宮君、生徒会1年間お疲れ様。かぐや様の事とかで色々疲れたでしょ?今日も手伝ってくれたって言ってたし。それでなんだけどさ、今週末前から計画建ててた温泉旅行に行きませんか?あ、用事があるんだったら全然良いからさ?出来るだけ早く返信してくれると嬉しいな』

 

今週末ね、なんもなかったし、行けるって返すか

 

『ありがとさん。まぁ、多分もう1年生徒会やんなきゃいけないけどさ。それで、温泉旅行の件だけど、今週末は特になにもないから俺は行けるぜ?でも早坂は良いのか?かぐや嬢のこととか色々あるんじゃないか?』

 

っと、こんな感じで良いかな?

文章可笑しくないよな?

 

『その事なら大丈夫だよ。かぐや様に許可は貰ってあるから。それでさ、行けるって事だよね?』

『おう、そうだ。楽しもうな、温泉旅行』

『やったやった!!それじゃ、予約するね!!』

『ありがとな、早坂』

『うん、それじゃあね!!大好きだよ崇宮君。おやすみ!!』

『俺も大好きだよ。おやすみ早坂』

 

テンション高かったなぁ~

あぁ~、この瞬間の為に生きてる気がする

ホントに幸せだわぁ~~

あ、でも着ていく服どうしよ

1泊2日だからな~

それにしても二人で旅行か………

 

「たぁのしみだな~~~~!!!」

 

 

 

 

こうして、俺たち第67期生徒会が終了し、俺たち生徒会メンバーは一時的に解散、俺と早坂の1泊2日の温泉旅行が確定したのだった




ということで、いかがでしたでしょうか?

感想、評価、誤字脱字報告、お待ちしております!!

次回は温泉旅行回になると思います

それでは、また次回


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従者二人の温泉旅行

はい、というわけでタイトル通り二人の温泉旅行回になります

お気に入り150件突破&UA10000突破ありがとうございます!!

これからも、更新は遅めですがこの作品を息抜き程度に読んでいただけたら幸いです

次回、最新話付近のネタバレがあります

それでは『従者二人の温泉旅行』どうぞ


「だ、大丈夫………だよな?」

 

荷物はさっき確認した

服装は………多分大丈夫

財布も入れた

髪は、ワックスはつけてねぇが大丈夫

忘れ物もない、はず

 

「誠君?何をちんたらしてるんですか?」

「い、いやぁ…、そのぉ…、忘れ物の確認を……」

「はぁ~、全く。あなたそれさっきから何回やってるんですか?」

 

ア、アハハハハハ……

その通りでございます

宿が開くのと同時にチェックインして荷物を置いてから周りを見て回ろうって言ってたけど、なぁ……

 

「もうっ!!シャキッとなさい!!男の子でしょ!!折角、好きな女の子と旅行できるんですから、そんなオドオドしないの!!」

「ひゃ、ひゃいっ!!」

「ほら、さっさといく!!」

「で、でもよ………」

 

「あ゛?グダグダ言わないでさっさと行け」

 

「はい……、行ってきます………」

 

《~~崇宮君、移動中~~》

 

母さんの奴、ひどいよ……

なにもあんなにキレなくったって良いよなぁ……

だってさ、緊張するじゃん?かわいい彼女との旅行だよ?誰だって緊張しますとも、しない奴なんているか?いや、いません

これは絶対断言できるね

父さんも絶対最初は見られてないだけでこうなってたもんね!!

俺とあの人って性質ほとんど一緒だし!!

 

「もう家から出ちゃったんだし、仕方ない。腹括って行くか!!」

 

でも、気になるな~

俺の今日の服装って変じゃないよな?朝風呂にも入ったし臭くもないよな?大丈夫だよな?

 

《所変わって四宮別邸にて~side早坂愛~》

 

うぅ~、大丈夫だよね?

なんで朝早くから誘っちゃったんだろ?

いや、そのときの私の考えはわかるんだよ?

崇宮君と最初で最後の旅行だから出来るだけ長く一緒に居たいっていうのはね?

でもさ、もうちょっと遅くにすればよかったんじゃないかな!?

自分に言うのもなんなんだけどさ!?

 

「はぁ~」

「あら、早坂、早いわね。ふわぁ~ぁ」

「おや、かぐや様。起こしてしまいましたか?」

「いえ、お手洗いに行きたくなっただけですから気にしないで。それよりこんなに早くから行くの?」

「その事なんですよ」

「なにがです?」

「いや、その、崇宮君の迷惑になってないかな、と」

 

崇宮君の迷惑になってるんだったら謝らないとダメだし

それに、こんなに朝早くから行くのってなんか、その、申し訳ないし

 

「誠は迷惑に思ってないと思いますけど?」

「どうしてそう思うんですか?」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「そうですかね?」

「じゃあ逆に聞きますけど、あなたは誠に一回でも本気で迷惑がられた事があるんですか?」

「それは………」

 

ない………けどさ

けど、もし迷惑に思われてたら、ってさ!!考えちゃうじゃん!!

 

「ないんでしょう?じゃあ、そういうことよ。ちょっとは自分の彼氏を信じなさい」

 

そう、なのかな?

そうだよね………

私の知ってる崇宮君は、そういう人だもん

好きな人の為なら、どんなに迷惑そうな事でも、迷惑だと思わずその人の幸せの為に精一杯がんばる人だもん、きっとそうだもん

………もっとあの人と一緒に居たいな、無理だろうけど

 

「もう大丈夫?」

「はい。すみません、かぐや様。ご迷惑をおかけして」

「全くよ。緊張するのはいいですけど、それでネガティブになるのはいけません。折角の温泉旅行なんですから楽しまないと」

「そうですね」ピンポーン

 

あ、崇宮君来たみたい

最終確認、寝癖は大丈夫、服もきっと大丈夫……多分、荷物は大丈夫、昨日確認もしたし

あ~、緊張するぅ~………

 

「ほら、噂をすれば来ましたよ。さ、さっさと行きなさい。あまり彼氏を待たせるものじゃありませんよ?」グイグイ

「ちょ、かぐや様待って、まだ、心の準備が………」

「いい加減にしなさい!!ウダウダ言わないでさっさと行く!!」

「え?は、はいぃぃ!!」

 

え~、何時も自分の時は散々ウダウダ言って、挙げ句なにもしないくせに………

でも、お陰で心の準備ができたよ

そして、覚悟もね

ありがとう、かぐや様

 

「それではかぐや様、行ってきます」

「行ってらっしゃい。気を付けてね」

「わかってますよ。それでは失礼します」

 

さて、気合い入れて行こう!!

でも大丈夫だよね?

服装とかさ?

あ~、もうっ!!考えても仕方ない!!

行く!!

 

「お、おはよう。崇宮君」ガチャッ

 

《少し時間が戻って~side崇宮誠~》

 

ふぅ~、大分落ち着いてきたな

お、早坂が出てきた

 

「お、おはよう。崇宮君」

「うーっす、おはようさん。早坂」

「こんなに朝早くにごめんね?」

「別にどうってことねぇよ。いつもこれぐらいには走りに行ってるからな」

「そうなんだ」

「そうだよ。じゃ、行きますか」

「うん!!」

 

うわぁ~、なんかいつもより何倍も可愛く見える

って、ぼーっとしてる場合じゃない!!

今日と明日は楽しむぞ~!!

 

「あ、そうだ」

「ん?どうしたの?」ギュッ

 

自分から手ぇ繋ぐのって恥ずかしいな///

え~っとぉ、ちょっといきなりすぎたかな?

 

「んぇっ!?///」

「わり、迷惑だったか?」

「いや、全然。寧ろ嬉しいよ。ちょっとビックリしただけ///」ギュッ

 

に、握り返してくれた!!

良かった~、嫌がられてなくて

ホント、早坂の手って柔らかいな~、ってそんなこと考えない!!

こういうときはなにか話題転換を………

あ、ダメだわ

なに考えても手に意識を持ってかれるわ

なんか話題出してくれないかなぁ~?

 

「」チラッ

「えへへ~///」ギュッ

 

あらまぁ~かわいい

なにあのとろけたニヤケ顔

何あれ、むっちゃかわええやん

更に強く握り返してくるのもええな~

やっば、マジ俺の彼女天使だわ

 

《崇宮君がそんなことを考えてるとき~side早坂愛~》

 

崇宮君から手を握ってくれた~!!

きゃ~!!もうすごい、すごく幸せ~

あ~!!さいっこー!!崇宮君、LOVE!!

もっとギューって握っちゃうもんね

 

「えへへ~///」ギュッ

 

………でもきっとこれが最後の旅行になるんだろうな

今までで一番楽しい思い出にしよう

でないと私は、この先絶対に後悔する

きっと、この事を話すと崇宮君は私が嫌いになると思う

でも大丈夫。私が我慢すれば良いだけだから

崇宮君には、かぐや様や書記ちゃん達色んな人がいるんだもん

きっと、私一人居ないぐらいなんてことない

 

「………」

 

《sideチェンジ~side崇宮誠~》

 

「………」

 

難しい顔してんな

辛そうだし

こういうのって聞いた方が良いのか?

いやでもさっきの笑顔を見るに楽しみにしてたんだろうし………

どうしたものか、あ、そっか

夜に宿で聞けばいいのか

そうすれば、最悪仲違いしても1日は楽しめる、よな?

とりあえず、俺は早坂とこの旅行を楽しめばいいかな

後、片手間で考えるか、早坂が何を悩んでるのか

 

 

お前が本音で俺を嫌いにならない限り何があっても、絶対に俺はお前の側にいるからな

 

「さ、それじゃ楽しんで行こうか?早坂」

「そうだね。崇宮君」

 

ささ、切り替えて行ってみよー!!

 

《~~崇宮君&早坂さん移動中~~》

 

やっぱいいなぁ、早坂と話してると幸せな気持ちになるわ

恋っていいもんだな

御行やかぐや嬢と違って、恥ずかしくても告白して良かった~

 

「でね?かぐや様、その時私が渡した紙読んだんだよ?」

「なんて書いて渡したんだ?」

「プレゼントは私、って書いたんだ~」

「アッハハハハ!!ウッソだろかぐや嬢読んだのかよ」

「そうなんだよ!かぐや様ったらホント無用心なんだから」

「それだけ信頼してるんだろうよ」

「ッ!!そ、そうだね。ホント、かぐや様は私を信頼しすぎなんですよ」

 

なるほど、なんとなく話が読めてきた

かぐや嬢関係か

それにしても、信頼しすぎ、ね……

 

「そりゃ、信頼もするだろうさ」

「どうして?」

「だってよ、小さいときからずっと側に居て支えてくれてるんだぜ?」

「………」

 

なんだ?急に黙りこんで

もしかして……?

いやいや、まさか、な………

 

「ねぇ、崇宮君」

「どした?」

「もし、崇宮君だったらそんな信頼してる人が裏切ってたらどう思う?」

 

なるほど、オーケー

今の話でやっと、確信に変わったな

なんで、早坂が今まで時々辛そうな顔をしていたのか

どうして、話していたとはいえこのタイミングで旅行をぶっこんで来たのか

合点がいったよ、ようやく

 

「さぁね」

「え?」

「その話は今晩にでも聞くよ。だからさ?今は旅行を楽しまないか?」

「良いの?」

「当たり前だろ?だって今日はお前と俺のお疲れ様旅行だからな」

「そうだけど……」

「だったら、そういう話は旅行を楽しんでからしてくれよ。そうじゃないと後悔する気がする」

「そう、かな?」

「俺のよく当たる勘が言ってるんだ。ほぼ間違いねぇよ。だからさ、楽しもうぜ?早坂」

「………うん。そうだね!!後悔が無いように楽しまなきゃね!!ごめんね崇宮君。こんな空気にしちゃって」

「気にすんなって。さ、電車も来たし。さっさと乗って行こうぜ」

「うんっ!!」

 

こんな事言っちゃいるが、正直今晩話を聞いて決断しなきゃいけねぇかもな

俺がどう身を振るか

これから、かぐや嬢を含めた四宮の人間とどう付き合っていくのかって事を………

 

ま、今はそんなことより早坂との旅行を楽しむけどね~

 

 

 




はい、という訳で如何だったでしょうか?

感想、批判等々してくださると励みになります

次回は温泉旅行回part2になります

私事ですが、FG◯にて剣豪が当たりました

それでは、また次回


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愛の本音と誠の覚悟

前回に引き続き温泉旅行回です

お気に入り160件ありがとうございます!!

前回も書いていた通り今回は最新話付近のネタバレがあります

それでは、どうぞ


「「とうちゃーく!!」」

 

まぁ、なんやかんやあったが無事に現地到着だな

早坂も切り替えてるみたいだし、楽しみますかね

 

「とりあえず、泊まる旅館に荷物を置きに行くんだよな?」

「そうだよ。周りのお店が開く時間と合わせたから、早く荷物置いてまわろう!!」

「そうだな。って、おいおい走るな走るな。危ないだろ」

 

喜んでくれてるよな?

俺が今まで見てきた中だと、あれが彼女の素だからたぶん大丈夫だよな?

そんなこと気にしても仕方ないか

さ、楽しむぞぉ!!

 

《~~崇宮君&早坂さん移動中~~》

 

「早坂?ここであってるよな?」

「うん。地図を見た感じ、ここだよ」

「おっけ、んじゃ行こうか」

 

さて、ちゃちゃっと荷物置いて楽しむぞ~!!

 

《~~崇宮君&早坂さん荷物を置き中~~》

 

「早坂、準備できたか?」

「こっちは準備万端だよ。崇宮君は?」

「俺はいつでも準備バッチリだから大丈夫だよ。それじゃ、行くか」

「うんっ!!」

 

《~~崇宮君&早坂さん散策中~~》

 

「すごいね、崇宮君。普段は見れない色んな物があるよ!!あっ、あれ美味しそう」

 

早坂、楽しんでるみたいで良かった

にしても、ここまで色んな店があるんだな

母さん達と来たときはこんなになかった気がするんだけど、見てなかっただけかな?

 

「買ってこようか?」

「でも、あんなに大きいし。お昼食べれなくなるかも……」

「俺も食うから大丈夫だって。んじゃ、買ってくるな~」

「待って!!って、行っちゃった………」

 

さてさて、ちゃちゃっと買って戻るか

はぐれると面倒だし、それに、あんま早坂を一人に出来ないしな

 

「すんませーん!!これ1つくださーい!!」

「はーい!!970円になります」

「はい、1000円で」

「30円のお釣りです。ありがとうございました!!」

「ありがとうございました!!」

 

すっげーな、でかすぎない?

これ、二人で食べても昼飯食えるかな?

 

「ちょっと崇宮君!!急にどっか行かないでよ!!あ、買ってくれてありがと」

「いや、食いたくなっただけだからいいよ。はい、あーん」

「あ、あ~ん///う~ん♪美味しい♪」

「そかそか」パクッ

 

う~ん♪♪たっまんねぇ♪♪

うっま~♪♪

買ってよかった~

早坂もおいしかったみたいでよかっt……!?

こ、これって、か、かか間接キス!?

ど、どどど、どうしよう

知覚すると急に恥ずかしくなってきた

 

「///」

「///」

「お熱いね~。羨ましいよ、全く」

「「えっ!?いや、その、そういうことじゃなくて……」」

「いやいや、お似合いだよ。はいこれサービス」

「「え、いいんですか?」」

「いいんだよ。久しぶりに良いもの見せてもらったからね」

「ありがとうございます。それじゃ、僕らはこれで」

「また来てねー。彼女さん大切にしなよー」

「言われなくてもそうしますよ。ほら、行くぞ早坂」

「え、あ、うん///ありがとうございました」

 

はぁ、全く、疲れた

あ~、恥ずかし

でも、こういうのも楽しいんだよなぁ

 

「どうしたの?嬉しそうな顔して」

「ん?こういうの、楽しいなって」

「そうだね、楽しいね」

 

そっか、楽しいか

良かった、良かった

俺は、あんな寂しそうな顔なんか見たくないからな

 

「ねぇねぇ」チョンチョン

「どうかしたか?」

「次、あのお店行きたい」

「あの土産屋さんか?いいぞ、行こうか」

「うん」

 

なんか良いもんあるかな~?

 

「ねぇ、崇宮君。あれ、どう思う?」

「ん?これか?」

 

この2個で1個のペンダントか?

確かに良いデザインだとは思うけど………

うお、結構な値段してるな

でも、折角だし、いっか

 

「買うか?」

「いいの?」

「なにか問題でも?」

「いや、そういう訳じゃ……」

「なに?もしかして、申し訳ないんか?」

「うん。だって今日、崇宮君に買って貰ってばっかだし……」

 

別に気にしなくてもいいのに

こういう時しか金使わないんだし

でも、早坂の性格上気にするよなぁ……

あっ!!そうだ!!

 

「気になるんならさ。一つだけ、約束してくれないか?」

「なにを?」

「これをお前が着けてる時は早坂は俺に嘘をつかず、素直でいること」

「えっ」

「俺が着けてる時は、俺は大事な人に嘘をつかない」

「そんなことでいいの?」

「おん。じゃ、買ってくるな」

 

そんなことって…………

あんた、そんなに素直でいることないでしょうよ

これを守ってくれるかは早坂次第……

まぁ、俺は守るけど

基本的には嘘ついてなかったし

お、この指輪早坂に似合いそうでいいな

 

《~~崇宮君、購入中~~》

 

「はい、早坂」

「あれ?指輪?」

「あぁ。そいつは俺からのお礼だよ」

「なんのお礼?」

「俺を旅行に誘ってくれたこと、俺を好きでいてくれる事、かぐや嬢の側でいつも支えてくれている事への感謝の気持ちだよ。つけなくても全然いいからよ、受け取ってくれや」

「全然。嬉しいよ!!早速つけるね!!」

 

そっか、嬉しいか

良かった………

その笑顔の為なら、俺は何でもできる気がするよ

 

「どう?指輪もネックレスも、似合ってる?」

「両方、その綺麗な肌に似合っててかわいいよ」

「そ、そう?えへへ~///あっ、崇宮君にも着けてあげるね」

「ん、サンキュ」

 

俺には似合うのか?これ

まぁ、似合ってなかったら、似合う様な服装と髪型を考えるけどさ

 

「はい、着け終わったよ」

「ありがと。で、似合ってるか?俺に」

「う~ん。今の服装にはそこまで似合ってないかな。でも、制服には似合うと思うよ?」

「つまり、学校にも着けて行けと?」

「や、ちが、そういうことじゃなくて、その///」

「まぁ、着けてくつもりだから良いけどさ」

「え、良いの?」

 

良いの?って、お前………

 

「折角、ペアで買ったんだぜ?ちょっとぐらい見せつけたいじゃん?」

「もう………ばか///」

「バカで結構。さ、散策を続けようぜ?」

「うん……。ねぇ、崇宮君」

「んあ?なんだ?」

「崇宮君は、何があっても、私の側に居てくれる?」

 

なんだ?急に

でも、ふむ……

何があっても、側に居てくれるか、ね

 

「わからん」

「え?」

「でも、俺が早坂の事を好きな内は絶対に離れない。たとえ早坂が、俺の為と言って俺から離れてもな」

「そっか………。そうだよね。崇宮君ってそういう男だもんね」

「なんだ?その言い方」

「なんでもないよ。崇宮君のそういうところ私は大好きだよ。たぶん、いつまでも」

「そうかい。そう言ってくれてる間は早坂から離れねぇぜ?俺」

「それじゃ、お互いの気持ちを確認できたところで、行こっか?」

「そうだな。行くか!!」

 

《そうして1日目の散策が終了し、宿に戻って夕食後》

 

「ふぃ~。食った食った」

 

いやぁ~、旨かったなぁ

また来て食いたいね~、ああいう料理は

それにしても、早坂遅いな~

一緒に温泉行ったのにまだ入ってんのか?

 

「崇宮君、いる?」

「いるぞ」

「それじゃ、話すね」

「あぁ」

「私ね、本当の主人はかぐや様じゃないの」

 

やっぱりか………

 

「それで?」

「私の本当の主は四宮黄光、四宮家の長男。私の本当の目的はかぐや様の信頼を勝ち取り、一挙一動を報告すること」

 

四宮黄光………

現段階で次期跡取り筆頭とされてるあのおっさんか

なるほど

 

「それが、早坂家の生存戦略だったわけだ」

「そうです」

「それを、お前は嬉々としてやっている、と」

「っ!!それは………」

 

やっぱりか

早坂はかぐや嬢を裏切ってる事に罪悪感を持ち続けてる

つまり、早坂は仕方がないと自分を納得させてかぐや嬢のスパイをしてるってことか

 

「早坂、こっからはたかだか17年しか生きてないガキの持論だ。だけど、ちょっと聞いてくれや」

「うん」

「信頼なくして我儘言わず、愛なくして我儘聞かず」

「どういうこと?」

「そのままの意味だよ。信頼されてなけりゃ、我儘は言われねぇ。当たり前だろ?そいつは敵かも知れねぇから。そんな奴に弱味なんざ見せられねぇからな」

「うん」

「我儘を聞く側はそいつに対して何らかの愛情がなければそれを必死になって叶えようとは思わねぇ、違うか?」

「でも、私は、かぐや様に申し訳なくて、それで………」

「本当にそれだけか?」

「え?」

 

俺の思う早坂愛が本当に彼女の素であるなら

きっと、罪悪感や信頼を勝ち取るためだけにあんな行動はしない

きっとそこには姉妹愛のような感情があったと、俺は思う

 

「早坂、ホントの自分に素直になれよ。お前はどうしたいんだ?かぐや嬢とこれからどうしていきたいんだ?」

「私は………」

「俺は、お前がどんな選択をしようと否定しない。それがお前の本心ならな」

 

早坂、俺はお前の本心が知りたい

お前が、もしかぐや嬢を捨てても良いって言うんなら俺はかぐや嬢を切り捨ててでも早坂の側に居続ける

もし、別の選択を取るんなら、俺は………

 

「私は!!かぐや様ともっと一緒にいたい!従者とか、裏切り者だとか関係なく。かぐや様と従者じゃなく、友達として、彼女の側に寄り添いたい!」

「そうか、それが本心だったんだな」

「でも、私にはわからないの!!この事をかぐや様に話せばきっと私は彼女を傷付けそして彼女に嫌われちゃう!!でも、話さないと、私は罪悪感で押し潰されそうで、かぐや様に申し訳なくて、それで………」

「それで?」

「私、もうどうすれば良いのかわからなくて、かぐや様と会長を付き合わせたら、自分は近侍を辞めてどこか遠くに逃げるつもりだった」

 

早坂………

そんなこと考えてたから、かぐや嬢と御行をくっ付けるのに必死だったのか

なるほどな。でも、だったってどういうことだ?

 

「でも、崇宮君を好きになって、付き合って。そしたら、崇宮君と離れたくなくなって。でもそれじゃあいつか私は罪悪感に潰される。だから、この旅行を最期に、崇宮君と別れて。それで、自分の恋心に決着をつけようとしたの」

「そうみたいだな」

「でも、今日1日、崇宮君と一緒に色んな事をしたら、ますます離れたくなくなって……。ねぇ、崇宮君。私はどうすれば良いの?どうすれば、私は自由になれるの?」

 

やっと、やっと心の底に眠らせてた本音を全部表に出してくれたな

ありがとう、早坂

それじゃ、俺のやることはただ1つだ

 

「早坂、正直どうなるかは俺にもわからない。でも、正直にかぐや嬢に話すしかないと思う」

「でも、そうしたらかぐや様は、きっと」

「あぁ、怒るだろうな」

「だったら!!」

「でも、たぶん同時にこうも思うと俺は思う、辛かったんだろうな。気付けなくてごめん、って」

「そうかな?」

「確証はないが。少なくとも、俺がかぐや嬢ならそう考えるってだけさ」

「でも、それでもし許してくれたとして、そこからどうするの?私が裏切り者であるのは事実だし、かぐや様は許してくれる?」

 

そこなんだよ、かぐや嬢が早坂を許したとしても、そこは変えられないんだよ

そして、それをどうするか、それはかぐや嬢にしか解らねぇしな

 

「それは、かぐや嬢次第だ。でも他の四宮家対策なら出来る」

「なんで?」

「もし、早坂を解任したとしたら、恐らく次の近侍は俺か昴さんだろう?だったら、おっさんには情報は回らなくなる」

「でも、私が追われるんじゃ………」

 

そこは恐らくだが大丈夫だ

だって、

 

「なんでも利用する四宮の人間が、なにか重要な情報を持ってる奴を解任すると思うか?」

「それはないと思う。だって、情報漏洩の危険があるから」

「安易かもしれないが、どこの連中もそう考える。ということは、早坂は狙われないって事にならないか?」

「確かに。でも、黄光様はどうするの?」

 

そっちは、出来れば取りたくはない手段だし

何より、不本意だが

 

「その場合、俺が犠牲になる」

「え?それって、つまり」

「俺がスパイとしてかぐや嬢の近侍になる」

「それはダメ!!そんなことしたら、崇宮君が……」

「大丈夫。俺は二重スパイする気だからな」

「それってつまり」

「長兄様の指示には従うけど、俺はかぐや嬢の従者だからな。その辺はきっちりやるさ」

 

そう、やってやるさ

早坂は覚悟を決めて話してくれたんだ

俺も覚悟を決めないとな

 

「でも、良いの?それって崇宮君に何のメリットもないんだよ?」

「何言ってんだ?メリットの有無なんざ関係ねぇよ。それに()()()()()()()()()()()()。これって、十分俺にとってはメリットになるのさ」

 

こんな事言ってるが、実際は自由ではないんだろう

必ず色々、制約がつく

それをどうするかは伝えないとな

 

「だが、勿論完全な自由にはなれない。必ずしも制約がつく」

「うん」

「それでも、お前が自由になりたいなら俺は出来るだけの事をする」

「ありがとう、崇宮君」

「その言葉は自由になった時にとっておいてくれ」

「わかった………」

 

あぁ、そうだ

こういうのは意思表示が大切だよな

 

「後、俺は何があっても早坂を愛してる。そして、側に寄り添って支えるから。だから、俺を頼りにしてくれ、自分1人で考え込んで、それでも答えが出なかったら俺に相談してくれ。早坂の不安な顔を見るの俺はやだからさ」

「崇、宮、君……。うん……、うんっ……!!ごめんね、心配かけて。ごめんね、1人で抱え込んで、崇宮君を不安にさせて、崇宮君に隠し事して。本当にごめんね」

「別に隠し事があるのは悪いことじゃない。そりゃ誰だって知られたくない事の1つや2つあるさ。でも、早坂はそれを俺に打ち明けてくれた。まだ隠し事があるかもしれない。けど、隠し事があったからって俺が早坂の彼氏じゃなくなることはない。それは忘れないでくれ」

「崇宮君………。いや、()()。本当に、本当にありがとう。こんな、どうしようもない私を好きになってくれて、私の彼氏でいてくれて、本当に、ありがとう」ポロポロ

「早坂、いや、()

「なに?」ポロポロ

「俺の方こそ、頼りない、結局運任せで力になれない俺の彼女でいてくれて、本当にありがとう」

 

「愛……」ギュッ

「誠君……」ギュッ

「「愛してる。これからも、きっと、ずっと」」チュッ

 

お疲れ様、早坂

ホント怖かったろうに、よく言ってくれたな

ようやく俺も、自分のこれからしたいこと、するべき事への覚悟が決まった

だから、その為に俺にできるだけの事をしてやるさ

俺の大切な人達が笑顔で幸せに暮らせるために

 

 

その日は、綺麗な月と星が空一杯に広がっていて

とてつもなく、ロマンチックだった

そして、これで俺たちはまた一歩お互いの距離を近づけ、愛を深めたのだ

 




ということで如何だったでしょうか?『愛の本音と誠の覚悟』

次回は、温泉旅行の後半です!!
今回、シリアスになってるかはわかりませんが
次回からはよりいっそうイチャイチャさせていく予定です

それでは、また次回


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早坂愛は打ち明けたい

今回は予告通り、温泉旅行後編です
といっても、温泉旅行は前半だけですけど

お気に入り180件越え
UA14000越えありがとうございます!!

それでは、どうぞ


「ふわぁ~あ、ん。よく寝たな」ナデナデ

「んぅ」

 

起こしたら悪いしこの辺にしとくか

それにしても、はぁ、全く人の気も知らないでどさくさに名前呼びしてくれちゃって

俺もしちゃったけど

ていうか、昨日結局一緒に寝たんだよな

別に、やましいことはしてないから大丈夫か?

前回一緒に寝ちゃった時はビンタされたからな

出来ればああいう経験はもうしたくないね

 

「折角だし、部屋に付いてる方の風呂にでも入るか」

 

名前呼び、か………

俺も、愛って呼ぶべきだよな……?

いや、でも、昨日はどさくさに紛れたから言えたけど改めて考えると恥ずかしいな

 

「愛、か……///」

 

は~、やめやめ

さっさと風呂入ってこの顔の赤み引かせよう

 

《崇宮君、お風呂イン》

 

「ふぅ」チャポンッ

 

あ~、やっぱいい湯だなぁ………

てか、この部屋す~ごい豪華だよな

部屋に外が見える風呂があるし、飯はギガうまだったし、部屋は広かったし

何より、こんなに気持ちいい部屋風呂があるなんてもう最高だね!!

 

「ふぃ~」ウトウト

 

あ~、なんか気持ちよすぎて眠くなってきた

へ~、気持ちいい~

 

「隣、いいかな?」

「ん~?」

「ふぅ~、朝風呂って気持ちいいね?誠君」

 

……………へ?

は、はは早坂さん!?

え、ちょ、なんで隣に!?

え、てか、いつから起きてたの!?

いや、待て、とりあえず一旦風呂から出るんだ

それで落ち着くんだ

 

「じゃ、じゃあ早坂、俺は先上がってるから……」ガシッ

 

………へ?

 

「なんで名前で呼んでくれないの?」

「いや、あのぉ、そのぉ………」

「恥ずかしいの?」

「そういうわけじゃ……///」

「ふふっ、顔真っ赤にして説得力ないよ?」

 

ぐぬぬ………

顔が熱いから言い返せねぇ………

 

「さ、一緒に入ろ?ちょっとだけだからさ、ダメ?」

「うっ……」

 

そんな悲しそうな顔しないでくれませんかね……

断れないじゃないですか

う~、しゃーない!!腹くくって一緒に入るしかないか……

 

「わかった。ちょっとだけだからな?早坂」

「あ、後名字呼び禁止ね」

「わ、わかったよ。愛///」

「えへへ、よろしい」

 

なにこの子、かわいい

この顔を見れたらなんでもしたくなっちゃうな

 

「「………」」

 

う、う~む、何か話題はないものか……

それにしても、なんか、こう、エロいな

艶っぽい肌とか、ちょっと上気した顔とか

って!!何、変なこと考えてるんだ!?

煩悩退散、煩悩退散

 

「あのさ、」

「う、うん?どうかしたか?」

「ありがとう」

「おう」

「私の話を聞いてくれて、それでも側に居てくれるって言ってくれて、ありがとう」

 

ハッ、何言ってんだ?

 

「当たり前だろ?俺は愛が大好きなんだから」

「えへへ、そっか。私も大好き、誠君」

 

そっか、そっかぁ

愛、今までより気が楽そうだな

良かった………

 

「所で、誠君」

「ん?どった?」

「さっきから、胸をチラチラ見てますよね?」ギュ~

「そそそ、そんなことはごじゃいませんよ!?」

 

い、痛い痛い!!

つねらないで、つねらないで!!

ちぎれる、俺の皮膚がちぎれちゃう!!

てか、こんな力どっから出してるんですか!?

 

「もうっ!!どうして、男の人ってこう変態なの」ボソボソ

「いやもうホント、返す言葉もございません」

「ねぇ、こういうのって聞こえないもんじゃないの?」

「あのなぁ。俺は難聴系主人公じゃないし、こんなに密着してたら聞こうとしなくても聞こえるっての」

 

それに今俺と愛ってゼロ距離ですし

あんた俺に寄りかかってるんですし、胸に顔うずめたりしない限りそりゃ聞こえますとも

 

「そっか。でさ、1つお願いがあるんだけど、いい?」

「ものによるけど?まぁ、とりあえず言ってみ」

「うん。あのさ、私、今から帰ってかぐや様に打ち明けたいの」

「うぇっ?今から?」

「うん、今から」

 

今から、かぁ………

別にいいんだけど、そうなると旅行は終了か………

こればっかりは、しゃーないと割り切るしかないか

 

「全然、構わねぇよ。それが愛のやりたい事なんだろ?」

「うん。そこに誠君も同席してほしいの」

「なんでだ?」

 

そういうのって、二人だけの方がいいんじゃないのか?

 

「私が怖いから。お願い」

「事情はわかった。同席はする。けど、俺は何もしない」

「うん。ありがとう、誠君」

「なんで感謝なんだよ。感謝されることじゃないよ」

「だって、私の為でしょ?何もしないのは」

「……」

「こういうの事は、本人の口から言うから信頼できる話だもん。だから、何もしないって言ったんでしょ?」

 

ありゃ、バレちった

それだけ、俺の事を理解してくれてるって事かな

いやはや、俺も早坂の事を理解できるようにしないとな

 

「そういうこと、わかってくれて嬉しいよ」

「だからありがとうって言ったの」

「そっか。それじゃあそろそろ上がって準備するか」

「うん、ごめんね?無理言って楽しみだった旅行1日潰しちゃって」

「大丈夫。旅行ならまた今度行けばいい。でも、話したい事があるなら、話しておかないとな。それじゃ、俺先に上がってるから」

「わかった。着替えたら呼んでね?」

「へ~い」

 

《~~崇宮君&早坂さん、着替えと準備中~~》

 

「よっこらせっと。これで準備完了だな」

「うん。忘れ物もないはず、だよね?」

「持ってきた物は全部入ってたから大丈夫だと思う」

 

うん、きっと大丈夫のはず

忘れてたら、そんときはそんときだな

 

「それじゃ、帰りますか」

「そうだね」

 

さて、こっからまた頑張らないとな

愛が話している間は何もしないって言ったから何もできないけど、側に居ることだけは出来るからな

 

《崇宮君と早坂さん、帰りの電車内で》

 

「ねぇ、誠君。ちょっといい?」

「隣、来いよ。手の震えは止めてやるから」

「ごめんね……」

 

まったく…………

でも考えたら、震えもするわな

裏切りを許さないって奴に、自分裏切ってましたって言いに行くんだもんな

怖いだろうな、俺には何もできないが、な……

 

「謝るこたないさ。それに、俺は手の震えを失くせても、体まではどうにもできないしな」

「それだけでも十分だよ」

「そっか。でも、情けないよ」

 

ホント、情けないよ………

もっとなにかしてやればいいんだけどな

 

「その気持ちがうれしいの」

「そうかい。それなら良いけどさ」

「うん。それで良いの」

 

愛がいいならいいんだよな………?

今は、かぐや嬢と愛の絆を信じるしかないか……

 

《そうして、二人は四宮別邸へと戻ってきた》

 

ふぅ、緊張するな

愛はもっと緊張してるし、可能ならば逃げたいんだろうな

 

「誠君、準備はいい?」

「愛は大丈夫か?」

「本音を言うと逃げたいけど、いつまでもこのままはイヤだから」

「それじゃ、行くぜ?」

「うん」

 

《視点変更~side早坂愛~》

 

誠君が扉を開けてくれる

緊張する、正直今にも逃げ出したい

でも、言わないと

それに、私の側には誠君が居てくれる

だから、きっと大丈夫

 

「かぐや様」

「あら、早坂に誠もおかえりなさい。早かったわね」

「おう。ちょっとな」

「なに?どうかしたの?」

 

言うんだ、今日、ここで!!

 

「かぐや様に言いたいことがあるんです」

「そう。誠、少し席を外してくれる?」

「それはできない。悪いな」

「そう……。わかったわ。早坂、話し始めて」

 

やっぱり、怖い

でも、話さないと、この地獄を、終わらせないと

 

「私は、あなたの一挙一動を四宮本家に報告するためにあなたの近侍になりました」

「へぇ、つまり私を、ずっと裏切り続けていた、と」

「そういうことに、なります………」

 

やっぱり、許されないんだ

当たり前だよね、信頼をずっと裏切ってたんだもんね

許されるわけ、ないよね

 

「泣くんじゃねぇ!!」

「!?」

「まだ、全部話してねぇだろうが!!なのに、なにもう諦めてんだ!!諦めるなら、全部話した後にしろ!!話す前から諦めるな!!」

「ごめん、なさい」

「かぐや嬢、悪いな?話、続けてくれや」

「えぇ。早坂、あなたはどうしたいの?」

 

え、いま、なんて………

 

「それは、どういう……」

「だから、あなたはそれを私に話して、私を怒らせて、どうしたいの?と聞いているの」

「それは………」

「早坂、あなたの言葉で話しなさい。あなたは私にどうして欲しいの?」

 

私が、かぐや様にどうして欲しいか

 

「私は、」

 

そんなの決まってる……

 

「私は、かぐや様に、打ち明けたいの!!」

 

「そう……」

 

そうだ。私は、かぐや様に打ち明けたい

 

「いつも、辛かった。自分の本当に大切な人を裏切るのが!!でも!!そうしないと、ママ達に迷惑が掛かるから!!そう思っても、私は毎日、罪悪感に潰されそうだった」

 

私が、いつもどんなことを思いながら、本家に報告していたか

 

「それでも、たとえ最初は利用するために近づいたとしても、それでも」

 

私が、あなたの事を、どう思っているのか

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう、私は、楽しかった

 

「毎日、かぐや様のバカみたいな惚気を聞くのも、無理難題を押し付けられて、それを叶えるのも。そのすべてが、私にとって、幸せで楽しい時間だった」

「早坂………」

「許してください。なんて事は言わない。けど、私にとってあの時間だけは、苦痛じゃなかった。だからそれを、打ち明けたかった。あとは、かぐや様にお任せます」

「それは、あなたをどうするか。ということですか?」

「そうです。裏切っていた私をどうするか。すべて、かぐや様にお任せします」

 

全て、出しきった

もう、何も言い残す事はない

ない………きっと

 

「だ、そうだ。かぐや嬢、どうするんだ?」

「いいえ、まだよ。まだ早坂は嘘をついている。早坂、自分自身に嘘をつくのはやめなさい。どうなりたいのか。はっきり言いなさい」

「わ、私は………、私は………」ポロポロ

 

ひどいよ、私の大切な人達は

私が諦めようとしてるのに、決してそれを許してくれない

そんなの、ズルいよ……

 

「私はかぐや様と一緒にいたい!!従者としてではなく、かぐや様と友達になりたい!!」

「そう。それが、あなたの本心なのね」

「はい」

 

これが、私の気持ち

これで、本当に出しきった

だから、これから何を言われてもきっと、辛くても、満足できる

 

「じゃあ、今度は、私の気持ちを言うわね?」

「はい」

「今日、私はね?はじめての感情を持ったの」

 

はじめての感情……?

 

「私ね。誰も、許したことなかったの。だから、私にはわからないのよ」

「なにがでしょうか」

「ここまで言って、まだわからない?私がわからないのは、()()()()()()()()()()()()

 

……え?

それって、つまり

 

「誠、あなたならわかるかしら?」

「ん?俺に聞くか。そうだな、人と状況によるけど俺だったらこう言うな。許す、とか、それに似た類いの言葉を」

「そう………。早坂」

「………なんでしょうか」

「今まで、気づいてあげられなくてごめんねぇ」ポロポロ

 

え、どうして?

 

「か、かぐや様!?」

「辛かったでしょう?苦しかったでしょう?それなのに、主人の私が気づいてあげられなくて本当にごめんねぇ」ポロポロ

「かぐや様………」

 

どうして、あなたが泣くんですか………

泣くのは、私の筈なのに

 

「泣かないで下さい。私まで、泣いちゃうじゃないですか……」ポロポロ

「だって、だってぇ~、私だってずっと考えてたんだもん。いつか、早坂と友達になれたらいいのにって」ポロポロ

 

え………?

 

「本当に?」

「うん。だから、これからは従者としてではなく、私のたった1人の親友、早坂愛として、私の近くにいてくれない?」

「うん……、うんっ!!わかった。近くにいる。友達として、近くにいる!!」

 

なんだ、こうなるならもっと早くに話せばよかった

やっぱり私は、出会いに恵まれてるなぁ………

 

《それから、二人が、今までの事、辛かった事そして、これからの事を話し合った後》

 

「あれ、そういえば誠は?」

「言われてみれば、どこに行ったんでしょう?」

 

あ、連絡がきてる

 

「かぐや様、これ見てください」

「もうっ、()()()違うでしょ?」

「えへへ、そうだね。()()()、これ見て」

 

『たぶん、かぐや嬢と見てるんだろう?とりあえず、和解おめでとう。これからは抱え込まず友達として相談しろよ?俺には、彼氏としてもうちょっと頼ってくれるといいかな?まぁ、あとは二人でじっくり話な』

 

やっぱり、かっこいいや

 

「フフッ」

「どうかした?かぐや」

「いや、今のあなた、幸せ満天って顔してるから、嬉しくって。つい」

 

そっか、私にも、そんな顔、できたんだ

幸せ満天、か当たり前でしょ?だって、

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()




どうだったでしょうか?

因みに、崇宮君は早坂さんの口から友達になると聞いた後に部屋から退室していました

次回は、予定ではミコちゃん登場の予定です

それでは、また次回


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従者二人は見守りたい

すみません。ミコちゃんの登場はまだ先になりそうです
申し訳ない………

今回は『かぐや様は告ら"れ"たい』回です

お気に入り200件超え&UA16000突破ありがとうございます!!

まさか、ここまでお気に入りしてもらえるとは……

学校が始まるまでは頑張って更新したいと思います

それでは、『従者二人は見守りたい』どうぞ


はぁ………

あれから3日たつんだけどさ?

早坂s、愛さんが変わりすぎてハッキリ言って怖いです……

だって、まさか月曜日にあんなことすると思わないじゃないですか

それに、珍しい人が絡んで来ましたし………

 

《~~前話の次の日、学校にて~~》

 

いやぁ~、一悶着あったのかも知れないけど

かぐや嬢と愛が無事に仲良くなって、友達になれて良かった~

もう、心配しすぎておかしくなりそうだったんだからな!!

ささ、教室いきましょ

 

「ちょっと、待ちなさいよ」

「ん?自分ですか?」

「そうよ。あんたよ、崇宮」

 

あらら、なんか珍しい人が来たな

まさか、接触してくるとはね

 

()()さん?どうかしましたか?」

「あんたら崇宮に確認したいことがあるのよ」

「ほーん。ちょっと場所、変えましょうか」

「ここは基本誰も来ないから大丈夫よ」

 

さいですか

んじゃ、さっさと話してもらって、教室行くかな

 

「それで?話とは?」

「あんたら、ホントにウチにつく気はないわけ?あんたら用の席、まだ残ってるのよ?」

「それなら、俺じゃなく父さんに言いな。俺は決定権もなければ関与もしてないんだから」

「あんたらはあの時、こっち側だったじゃない!!どうして、あの腐った家系についてるのよ!!」

 

四条家も、どうしてウチなんか取り込みたいのかね?

まぁ、確かに資産だけで言えば四宮に匹敵するレベルで今は稼いでるけど、それは四宮の援助ありきの話だ

そこまで重要には見えないがな?

 

「勘違いすんなよ?」

「どういう事よ」

「父さん達がどうだか知らんが。俺は()()()()()()()()()()()()()、そこを勘違いしてもらっちゃ困るぜ?」

「どういう意味よ」

「それは自分で考えな。でも、俺はあんたらには感謝してるよ。お陰で父さんと母さんに会える時間も増えたからな」

 

ホント、あの家が最初から吸収するつもりでかかってくれて良かった

今の四宮なら潰しにかかってたと思うからな……

正直、感謝しかないよ

 

「だったら……!!」

「でも、俺の主は四宮かぐやただ一人だ。悪いな、()()()

「待ちなさい!!()!!」

 

はぁ、あの人は苦手だ……

かぐや嬢と同じ感じがするから、要望を断りにくいんだよなぁ………

でも、四宮と四条仲良くテーブルを囲んで飯を食える日が来るかもな

かぐや嬢と眞妃嬢が当主になったら、だがね

そんときは、全力で仲立ちをするかな

 

「そうなると、崇宮の当主になるのが動きやすいんだろうな。っと、そんなことよりさっさと教室行こ」

 

《~~崇宮君、移動中~~》

 

「崇宮君おはよー」

「おはようございます」

 

かぐや嬢、今日は遅いな

いつもならもう来てる筈なのに

昨日の事、聞きたかったんだけどな?

それは今晩でもいっか

 

「ん?なんか外がうるさいですね?」

 

なにかあったのか?

 

「なにかあったんd」ガラガラ

「みなさん、おはようございます」

「み、皆、その、おはよう……///」

 

あぁ、良かった………

もう、仮面は要らないんだな……

良かった、ホントに良かった……

 

「愛?もしかして、そっちが素だったりする感じ?」

「そうだよ。皆もごめんね、今まで騙してて」

「何言ってんの?何で謝る必要があるの?」

「え、だって私は、皆を騙して……」

「いやいや、人は猫被る事の1つや2つあるって。それをやめたってことは、それだけ仲良くなったって事でしょ?ね、皆もそう思わない?」

「そうだよな」

「そうそう」

「うんうん」

 

ほれみろ、愛

お前はお前が思ってる以上に大事にされてるじゃない

俺が言えたことじゃないけど……

そもそも、皆に謝らなくてもいいと思うしな

考えすぎなんだよ、全く

 

「実咲……。うん、うん!ありがとう!皆」

「で、愛はこれで終了だけど?」

「はい?どういう事ですか?鷹村さん?皆さんも、どうして自分を見てらっしゃるんです?」

「いやぁね?崇宮君。愛が急にこうなったのって、確実に君が関わってるよね?だから、洗いざらい吐いてもらおうと思って」

「却下します!!」

 

残念でした~!!

俺は、ドアに近い席なんだよ、逃げr……っ!!

 

「崇宮、逃がさん」

「うぇ、マジですか………」

「どう?吐く気になった?」

 

まさか、現役の金持ちor天才高校生達がここまで人の恋愛話に興味を持つとは

想定外だよ、全く!!

 

「出来れば、ご遠慮願いたいんですけど……?」

「待って!!」

「ん?愛、どったの?」

「誠君は関係ないの。私が自分で決めたの、もうギャルのふりするのが疲れただけ、だから誠君は関係ないの」

 

愛………

 

「って、言ってるけど?どうなの?」

「確かにほとんど関係ないですけど、素の方がいい、とは言いましたよ?()に………。あっ」

「んん~?いま、()って呼んだよね?しかも、呼び慣れてる感じだったし」

 

しまった!!

これはまた別の案件を作ってしまった………

あ~、やらかした~!!

 

「者ども、崇宮を捕獲じゃ~!!」

「お~!!」

 

「イヤァァァァァァァァ!?」

 

《~~回想終了~~》

 

あれは、きつかった………

うん、きつかった、ホントに

でも、お陰で愛の呼び方に気をつけなくていいからいいんだけどさ?

それはさておき………

 

「四宮さん?」

「かぐや?」

「………何よ」

「「そんなになるなら自分から行けば?」」

「ば……馬鹿なことを言わないで、二人とも!!」

「「えー………」」

 

バカなことって言われましても………

 

「この間、あんな告白紛いの事を言ってしまったのよ?」

「告白紛いって、何?」

「あ~、あれだね。会長君に、『会長は会長がいい』って言ったの。この人」

 

めっちゃ似てんな、かぐや嬢のモノマネ

でも、それは会いづらいの、か?

いや、でも会いたいなら会いに行くしかなくね?

 

「それに、ここで私から会いに行ったら。まるで、私が会長に会えず寂しいみたいじゃないの///」

「もう思うように生きれば?めんどくさい」

「愛さん?日曜日から、私に少し辛辣過ぎない?」

「これが私の素だよ?ほら、もう従者の前に友達でしょ?だから、文句の1つ位いいでしょ?」

「うぐっ、そ、それはそうだけど………」チラッ

 

いや、何でこっちに視線送るんすか………

何ですか?愛がそうなったのは、従者の前に友達とか言ったあんたの責任でしょうよ?

あ~、でも、助け船出すか

 

「まぁまぁ、愛もそんなこと言わないで、ね?協力してあげましょう?」

「別に、協力がイヤな訳じゃないからいいけどさ。それで?なんか策、あるの?」

「それは………。あっ、むしろ会長の方が寂しがってるんじゃないかしら?もしかすると、放課後に告白しに来る可能性も……」

「「はぁ」」

「もうっ!!なんなのよ!!二人とも」

 

だいぶ前からだけど、俺の主はダメかもしれない……

 

「あ、私ちょっとお手洗い行ってきます」

「お気をつけて」

「えぇ、どうぞ」

 

愛が、居なくなった、な

 

「「で、誠(四宮さん)?応援演説はやる気あるんですか?」」

「「はい?」」

 

あら、かぶっちゃった

俺から、話していいんだよな?これ

 

「もちろん、頼まれれば全力で演説させてもらいますけど、問題でも?」

「総務のあなたが、この1年間の会長の成果をきっちり余すことなく伝えられると、本気で思っているの?」

 

え、なに、つまり?あなたから、私を選ぶよう会長に言いなさいってこと?

えー、でもさ?

 

「その言葉、そっくりそのままお返ししますけど」

 

かぐや嬢、会長と別件の仕事しか基本見てないよね?

だったら、いつも連絡して相談に乗ってる俺の方が適任じゃね?

 

「ご覧になって、四宮さんと崇宮君が応援演説で激突してますよ」ヒソヒソ

「崇宮さんは、会長と小学校高学年からの付き合いだって言ってましたから、譲れない物があるのかも知れませんね?」ヒソヒソ

「副会長も、1年間会長を隣で支えてきた意地があるんだよ、きっと」ヒソヒソ

 

なんか、外野がヒソヒソうるさいな

 

「あら、随分な物言いね?もう一度はっきり言ってもらえる?」

「いや、ですかr「へいへ~い!!」愛?」

 

あらまぁ、すごい悪い顔をしてらっしゃる

今まで相当たまってらっしゃったようで

 

「か~ぐや~☆」

「どうかしました?」

「会長が大事な話があるってー!!」

「かっ会長!?」

「噂をすればなんとやらですね」

 

あらら、俺フラれちまったな

いやぁ、残念残念

 

「俺達のこれからについて話がある」

 

ん?

今、なにか決定的ななにかが足りなかったと思うんだけど、俺の勘違いか?

 

「ここじゃなんだから放課後校舎裏に来てくれ」

 

んん~?

え、応援演説を頼むだけだよな?

え!?そうだよね!?

 

「あいつら、放課後よくイチャついてるし、そーゆー関係じゃないの?あの二人」

「そーなの?崇宮君!!」

「いや、イチャイチャはしてませんから!?」

 

眞妃嬢!?あんた知らないでしょうよ!?

なんで口からでまかせ言いやがって!!

いや、イチャイチャはしてるけどさ……

 

「柏木さん、結構生徒会に顔出してるよね!?実際どーなの!?」

「んー、付き合ってないと思うよ?」

 

良かった、柏木さん

あんたは味方で

 

()()まだ」

 

てめえぇぇぇぇぇ!!

やりやがったな、コラァァァァ!!

あ~あ、もういいや、俺しーらね

 

《そして、この噂が広まり拡散された結果!!》

 

「愛?」

「なに?誠君」

「なにか言い訳は?」

「」プイッ

 

こら、そんなに可愛くそっぽ向いたっていけませんよ

全く、今までよっぽどたまってたんだな………

今日は、なにも言わないでおくか

それにしても──────

 

「ちょっと、人来すぎじゃね?」

「これは、私も想定外だった」

「あんだけ集まってんのに、ここには来ないんだな」

「みんな、少しでも近くで聞きたいんですよ。はい、誠君。これつけて」

「なんでイヤホン?」

「ここじゃ聞こえないでしょ?盗聴器つけてるから、これで聞こ?」

 

そんなんつけてたんだ………

全然知らんかった

 

「それにしても、みんなこういうの好きだねぇ?」

「そりゃそうでしょ。華の高校生なんだし。誠君は嫌い?」

「どっちかと言えば、嫌いかな。俺、茶化されるの好きじゃねぇし」

「それは、わかる。実咲もしつこいんだよね」

 

わかるわ~

すっごい事細かに聞いてくるんだよなぁ……

話すまで逃がしてくれないし

 

「近づいてなにか言われたみたいですね?もう少し精度良くした方が良かったかな」

「聞こえなくても何を言ったのかは想像つくけどな」

「そうだね」

「「絶対告ってないよ、全く………」」

 




如何だったでしょうか?

ミコちゃんはあと2、3話後に登場になりそうです
申し訳ない………

次回は、美術回の予定です

それでは、また次回


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崇宮誠は相談したい

予告通り、今回は『白銀御行は描きたい』回です

UA17000超え、お気に入り210件ありがとうございます

早く、学校始まらないでしょうか、もう家で勉強するのは限界なんですが………

そんなことはさておき

それでは、『崇宮君は相談したい』どうぞ


今日は初めての美術だな

なにするんだろうな?

選んだは良いけど俺、絵は別に上手くないんだよなぁ……

 

「誠君、どうかした?」

「いいえ、別に」

「そっか」

「あ、そうs「愛~!!」」

「実咲?」

「呼んでますし、行ってあげればどうです??」

「でも、誠君なにか話あるんじゃ」

「別に急用でもないから大丈夫。さ、行ってください」

「うん、そうする。ごめんね?」

「それじゃ、また後で」

「うん、またね」

 

あ~あ、最近こんなのばっか。ホント、イヤになるよ

でも、こんな事考えててもしょうがないし、切り替え切り替え

さ、美術頑張るか~!!

 

《その後、美術の授業が始まり》

 

「えー、今日は最初の授業なので。とりあえず遊び感覚で出席番号の近い人の似顔絵を描いてもらいます。遊び感覚なので他の人の絵を見に行ったり、話ながら描いてもらって結構ですよ」

 

出席番号………

あ、俺は翼君になるのか

ちょうど良かった

 

「翼君、今日はよろしくお願いします」

「固いって、もっとフランクにいきましょうよ。崇宮さん」

「そうですか。それじゃ、よろしく。翼君」

「よろしくっす~」

 

なんだこいつは!?

誰!?

ホントに翼君なの!?

落ち着け、一旦落ち着け

うん、御行から事情は聞いた

でも、ここまでとは………

まぁ、いいか

とりあえず、聞こ

 

「翼君、少し相談したいことが」

「ん?なんすか?」

「いえ、手を止めなくていいんです。書いている片手間でいいので」

「そっすか。で、なんです?」

「その、彼女との関係についてなんですが……」

「へぇ~。意外っすね」

 

ん?何が?

 

「何がです?」

「いや、崇宮さんってそういう悩みがないと思ってました」

「それは違いますよ。自分にも悩み位ありますよ」

「それで、悩みって?」

 

あ、忘れるところだった

そうそう、それで話しかけたんだった

 

「あー、その、彼女と親友の方の仲が最近更に深まりまして………」

「それで、あまり相手にされなくて寂しい、とかっすか?」

「まぁ、そういう感じになりますね」

 

かぐや嬢と愛、ようやく隔たりがなくなってすんごい仲良いからなぁ………

やっと二人の願いが叶ったから、中々割って入るのが申し訳なくて

 

「それなら、簡単でしょう」

「そうですか。して、どうするんですか?」

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

う~む、確かにその通りなんだけど………

 

「それだと、夜になってしまって。夜更かしさせてしまうのも申し訳なくて」

「それでも、向こうも話したいと思ってるんじゃないですか?」

「そうですかね?」

「そういうもんですよ」

「なら、今夜にでも少し頑張ってみますか」

「その方が良いっすよ、絶対。っと、こんな感じですかね」

 

ありゃ、意外と早く完成したんだな

俺も、もうちょっとで完成だけども

 

「あぁ、すいません。もう少しで完成するので待ってください」

「全然問題ないんで、ゆっくりやってください」

 

と、言われても申し訳ないんだよね

ちょっと、急いて描こ

 

《~~崇宮君、絵描き中~~》

 

ふぃ~、意外といい感じなんじゃね?

 

「お待たせしました。もう動いてもらって大丈夫ですよ」

「あ、そっすか。それじゃ、俺の絵見てくださいよ。俺も崇宮さんの絵、見るんで」

 

見せ合いっこってことか

いいね、見てみるか

 

「なるほど、俺ってこう見えてるのか~」

「そうですね。自分にはこう見えてますね」

 

それなりにちゃんと描いたつもりなんだが、もしかしてここがイヤとかあるのか?

 

「なにか、おかしな点とかありましたか?」

「いやいや、全然!!ただ、俺ってこんなんなんだ~、って思っただけっす。崇宮さんはどうですか?中々うまくできてると思ってるんですけど」

「自分もほとんど翼君と同じ感想ですよ。自分はこういう風に見えてるんだ~、といった感じですね」

 

正直、これ以外の感想が見当たらない

だって自分の顔なんて毎日鏡で見てるけどわっかんねぇし

まぁ、とりあえず終わったわけだし、フラフラするか

 

「まぁ、終わったわけですし。自分は皆さんの作品でも見に行きますか」

「俺は渚の作品見に行きますかね?それじゃ」

「そうですか、それじゃ」

 

さて、俺は御行とかぐや嬢の様子でも見に行くかな

 

《~~崇宮君、移動中~~》

 

お、御行のとなりは柏木さんか

 

「ん、誠か。どうした?」

「いえ、四宮さんをうまく描けてるなぁ、と」

 

「何を言うか!!」

 

「ん?」

「これではダメだ!!四宮の魅力を完全に引き出せていない!!」

「んん?」

「くっ……。やはり実物に及ばん………!!」

 

んんんんんんん???

 

「崇宮さん!!」

「ん、あぁ、柏木さんですか。どうかしましたか?」

「あの人をどうにかしてください!!」

「え?」

「さっきからずっと!!ずっとこっちが恥ずかしくなることを言い続けてるんですよ!?///」

 

あー、あれずっとやってる感じなのか

そりゃ辛いだろうな

 

「すいません。うちのバカが」

「ホントですよ!!もう勘弁して下さい!!」

「あはははは………」

 

いやもうホントに、ご迷惑をおかけしました

でもあの二人、ずっとあんな感じなんだよなぁ……

付き合ってる柏木さんには辛いだろうな

でも、申し訳ないけど、俺はこれ以上苦労を増やしたくないから、頑張ってください

 

「柏木さん、あれはもうダメです。だからほっといてあげてください」

「あ……。崇宮さんも苦労されてるんですね」

「そうなんですよ………」

「あっ!!私で良けれb「渚~」翼?」

「お二人の邪魔をしてはいけませんので、自分はこれで」

「あ、はい」

 

何を言おうとしたのかはわからんけど

彼氏彼女の話の邪魔をするのはいかんな

さて、かぐや嬢はどんな感じかな?

 

「四宮さん………。これは、一体?」

「一体って、会長に決まってるじゃないですか」

「は?」

 

うっそだろ、おい

これが御行?

全然違うじゃん!!

 

「これもダメね。まだかっこよすぎるわ……」

「いやいやいや、四宮さん?」

「なんです?誠、どうかしたんですか?」

「どうしたもこうしたもありませんよ!!ありのままの会長を書けば良いでしょ!?どうして、そんな化け物が生まれるんですか!?」

「化け物とは失礼ですね。()()()()()()()()()()()()()

 

んんんんんんん???

 

「今、なんと?」

「だから、()()()()()()()()()()()()()

 

うそだろ?

これが、御行………?

いや、違うよね?

 

「あのですね、四宮さん?」

「なんですか?」

「こういうのはありのまま見たものを描くんですよ?かっこよすぎて良いじゃないですか。そう見えてるんですから」

「ですが………」

「ほら、さっさと描き直して。会長の嬉しそうな顔、見たくないんですか?」

「そ、そうよね!!私の描きたい物を描けば良いのよね!?ね?ね?」

「そうですよ。全く………」

 

ホントに、めんどくさい人ですね

自分の描きたいように描けっての

どうして、素直になれないのかね?

はぁ、今の俺も、人の事、言えねぇか………

愛と話したいのに、話してないもんな~

俺も、素直になるべきだな……

 

「はぁ、どうしたもんかね~?」

「どうかしたんですか~?」

「ん?いやぁ、素直になr「早く座れ~!!」」

「残念でした~。折角、崇宮さんの恋の悩みを聞けると思ったのに~」

「げ、藤原だったんですか。気づきませんでした」

「ボーッとしてましたからね。仕方ないですよ。それじゃ~」ぴゅ~

 

マジでビビったぁ………

全然、誰かが聞いているとか考えてなかった………

あっぶねぇ、誰に聞かれても面倒だがよりにもよって藤原に聞かれちまうと一番面倒になりそうだからな

藤原には申し訳ないけど

 

「あ、そうそう。崇宮さん、いつでも相談に乗りますよ?」

「どうしてです?」

「いやぁ、崇宮さんには色々お世話になったっすから」

「そうですか。頼りにさせてもらいます」

「任せてください。俺のできる範囲なら協力させてもらいますから!!」

 

翼君、いい子だなぁ………

頼りにさせてもらおっと

俺の周りって、いい人多いな、嬉しいことだな

 

「今日の授業はここまで。それじゃ、また次の授業で」

「ふぃ~、やっと終わったっすね」

「そうですね。疲れました、全く」

「それじゃ。また次の授業で」

「はい、またよろしく」

 

翼君の言う通り、夜に電話、してみるか

 

《~~そうして、夜になった~~》

 

さて、そろそろかぐや嬢も寝だした時間だろう

…………掛けて良いのか?ホントに

めんどくさいって思われたりするんじゃ?

また、あの時みたいにはなりたくない

 

「やめておくべきだな」

「ニャーっ!!」

「うぉわっ!?」

 

あ、クロこら、掛かっちまってるじゃねぇか

あ~、どうしよ!?どうしよ!?

迷惑だよな?迷惑ですよね!!

 

『もしもし?誠君?』

「あ、愛か?悪いなこんな時間に、迷惑だよな……」

『そうでもないけど?どうかした?』

「いや、何でもないんだ。ただ、間違いで掛けただけだから」

『嘘はダメだよ?』

 

え、

 

『だって、通話を間違えるなんて普通ないでしょ。何かあるんでしょ?隠し事しないでよ』

「いや、その、えぇっと………」

『何?何かやましい事でもあるの?』

「それは、ないんですけど、ね?」

『ね?じゃわからない。ハッキリ言って』

 

ヤバイ、絶対マジギレしてるよこれ

電話越しでもわかるよ、めっちゃ怖い

 

「わかった。話すよ」

『うん、どうぞ』

 

《~~崇宮君、事情説明中~~》

 

『それで掛けてきた、と』

「そういうことになる」

『最近絡めなかったのが寂しかったと』

「そうだよ」

『でも、かぐやや実咲達と私の仲に割って入るのは申し訳なかった。ってことで良いのかな?』

「そうですよ」

『つまり、かぐやや実咲達に嫉妬してたってこと?』

「そうだよ!!悪いか?女に嫉妬して。悪いか?彼女にもっと俺を話したいって思って。悪いか?彼女に俺だけを見てほしいって思って、もっと構ってほしいって思って!!」

 

自分でもわかってんだよ!!

俺がどうしようもなく、独占欲が強くて、愛が重くて、構ってちゃんだってことは!!

でも、どうしようもないんだよ

どう頑張っても、出てくるんだよ

 

『誠君……。やっと話してくれた~』

「は?」

 

なに言ってんだ?

 

『だって、最近全然話せてなかったし。ずっと悩んだ顔ばっかりしてたから心配でさ?』

「そうだったか?」

『そうだよ~』

 

そんなに顔に出てたのかよ

全然出てないと思ってたんですけど

 

『でも、そっか~。嫉妬してたんだ~』

「う、うっせぇな。俺だって、愛ともっと話したいんだよ。でも、学校じゃいつも誰かと話してて、今までなら別邸で話せてたけどかぐや嬢と仲良くなってからそんな時間もねぇし///」

『誠君って意外と構ってちゃん?』

「うるっせぇ。悪いかよ?」

『全然。寧ろばっちこいだよ?』

 

ほ、ほんとか?

 

『だって、私だって嫉妬深いもん。だから別に構ってちゃんだからって悪いことはないよ』

「そ、そうかよ。ありがとな」

『それに、私だって誠君ともっと話したかったし』ボソボソ

「それは嬉しい知らせだな」

『うぇっ!?今の聞こえてたの!?』

 

俺は難聴系じゃないっての

むしろ、聴力良い方だし

 

「ハハッ」

『ん?どうかした?』

「いやぁ、悩んでたのがバカみたいだ。最初っからこうなるんだったらもっと早く電話してりゃ良かった」

『そうだね。私も電話してれば良かった』

 

はぁ~、全く

 

『「バッカみたい」』

 

あ、ハモった

 

「ハモったな」

『ハモったね』

「俺たちって似た者同士かもな」

『今更気づいたの?私やかぐやはずっと前から思ってたよ?』

 

マジか………

気づいてないのって俺だけだったのか?

うっわ、なにそれ、恥ずかしいんだけど

 

「なぁ、愛」

『ん、どうしたの?』

「その、迷惑じゃなければでいいんだけどさ。これから、夜に通話、しないか?」

『いいよ。ちょうど私も誘おうとしてたし』

「そっか、ありがとな」

『さて、それじゃ。一杯お話ししよっか?』

「そうだな」

 

ほんっと、俺の周りにはいい人しかいないよ

そして、俺の側にいてくれる人はとっても素敵な俺の彼女だ

大好きだぜ、愛

 

 




いかがだったでしょうか?

次回は結構期間がが空くと思います

理由はというと、学校がそろそろ始まることと前作の最初の部分をいくつか書き直すからです
改めて自分で見ると雑な部分が今より多かったので中身は変わりませんが、少し修正したいと思います

というわけで次回はいつになるか、どういうお話になるかはわかりませんが、この作品を気長に待ってもらえると嬉しいです

それでは、また次回


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崇宮誠はやめさせたい

学校が、遂に始まってくれた!!

というわけでやっとミコちゃん登場回『伊井野ミコは正したい』です

題名処理やらでお待たせしました

お気に入り240名&UA20000突破ありがとうございます!!

それでは『伊井野ミコは正したい』どうぞ


今日は~♪愛と一緒に~♪

歩きで登~校~♪

 

「誠君、すごい嬉しそうだね?」

「なんだよ。愛は嬉しくないってか?」

「そんなことないよ。私もすっごく嬉しい♪」

 

それは良かった

それにしても……

 

「ちょっと引っ付きすぎじゃね?」

「ん~♪そんなことないよ~?」

 

いや、絶対引っ付きすぎだって

普通手に絡みつかんでしょう!?

それに、胸が当たってるんですよ!?///

 

「照れてるでしょ」

「そんなことないよ?」

「顔、真っ赤だよ?」

「うそぉ!?」

「嘘だよ。でも、照れてたんだね?やっぱり」

 

なんだろう………

すっげぇ恥ずかしい///

 

「それにしても、かぐや嬢の推定異常性癖は大丈夫なのか?」

「あ、無理やり話を反らした」

「悪いか?」

「ぜ~んぜん♪」

「だろ?で、どうなんだ?」

「ん~、ダメなんじゃない?」

 

ダメなんじゃない?って………

 

「それって、どっちの意味で?」

「両方だよ?あれはもう手遅れで私たちにはどうしようもないし、正直関わりたくない」

「そうは言ってもなぁ………」

 

関わりたくないのはわかるけど

あれって放置していいものなのか?

だって、あれって露見したらヤバイでしょ、絶対

でも、どうにもできないしなぁ………

 

「とりあえず、かぐやに会長以外の好きな人は作らせなかったらいいだけだよ」

「なんで?」

「かぐやって多分好きな人に引っ張られるタイプだよ?だから、これ以上癖を増やさないようにするにはそれが一番でしょ」

「そうだなぁ………。あれはもう、どうしようもないから再発を防ぐしか方法はない、かぁ~」

 

つまり、このまま御行とくっ付けるしかないってことか

それが一番早いし現実的っぽいなぁ

あ、そうそう

 

「愛」

「なに~?」

「これからちょっとの間忙しくなるから、通話とかできるかわからん」

「そういえば、誠君って選挙の手伝いも頼まれてるんだっけ?」

「一応な」

 

去年の選挙手伝って、誘われたんだよな

そしたら今年もよろしくって………

元々、やってみたかったからやったけどさ?

 

「何かあるの?」

「ほら、前生徒会の人間が管理委員の手伝いってのは怪しいと思うんだよなぁ、って」

「そう言われてみればそうだね」

「だろ?だから、今からでも辞退するべきなんだろうか?っていう」

「いいんじゃない?このままで」

 

なんで?

絶対、忖度してるとか不正してるとか言われるからやめるべきだろ?御行の為にも

 

「だって、誠君って先生からも、生徒からも信頼されてるから大丈夫だよ。誰もそんなこと考えないよ」

「いや、少数でもそういう意見が出るのは確実なんだよ。御行が混院だから生徒会長はイヤだっていう人間が一定数いるからな」

 

御行を落とす隙を作る事になるのはやめるべきなんだがな?

かといって、頼まれたことを断るのはできないしなぁ

 

「そうか。演説にだけ関わればいいのか」

「どういうこと?」

「管理委員会の買収はハッキリいって完了してるんだ。もし、御行がギリギリ負けそうなら、勝たせろってな」

「そんなことしてたんだ……」

「かぐや嬢の命令でな」

「でも、だったらどうして確実に勝たせないんですか?」

 

そんなことか?

そりゃ、だって

 

「他の生徒に大多数が入れていて、それでも御行が受かるってのはおかしな話だし。それにかぐや嬢にはできるだけ勝てるようにしろって言われたからな」

「それ、後々かぐやに怒られない?負けた場合」

「そのときは、御行との接点を提供すれば手のひら返すだろ」

「そんな、かぐやがチョロいみたいな言い方………」

 

え、いやだって「実際チョロいだろ、あれ」

 

「あれって言うのは良くないと思うよ?」

「あらら、口に出てたか?」

「実際って所からね」

 

あっちゃ~

近くに誰か居れば厄介な事声に出してたなぁ

 

「あ、そうそう。誠君」

「なんだ?」

「この選挙が無事に終わったら、デート行こうね」

「おう。すまないな、生徒会が終わったのに忙しくて」

「全然大丈夫」

 

ホントに申し訳ない

まさか、御行がかぐや嬢に言われて出馬を決めるとは思わなかった

あいつ、ホント単純過ぎるだろ!!

 

「あ~あ、優秀なやつがもう一人でも増えれば俺ももうちょっと楽できると思うんだがなぁ~」

「それって、ありえる話なの?」

「いんや。今のところ増やすって話は聞いてないな」

 

増えてくれれば、俺もちょっとはサボれるかなぁ?って思ったが、無理だな

かぐや嬢の手伝いしないといけないし

そうなってくると早く二人をくっ付けるのが一番手っ取り早いのかな?

 

「誠君?」

「ん?どうかしたか?」

「そろそろ、他の生徒も見えてくるよ?」

「そうでしたか。ありがとうございます、愛」

「誠君も素で話せばいいのに………」

 

んなこと言われてもなぁ~

もうこれが俺の学校での素になっちゃってるし

どうしようもないからなぁ

 

「それはまた考えておきますよ。さ、早く学校に行きましょう?」

「そうだね。早く行こっ!!誠君」タッタッタッタ

「あっ、待って。走らないでください!!」

 

全く、愛と付き合ってから毎日色んな発見があって楽しいな

 

《~~それから、いつも通りに授業が終わり~~》

 

ふぅ~~、授業終わり~~

あ~、今日も疲れた~

ん?か御行達と………伊井野さん、だっけ?

なにしてんの?あれ

 

「何してるんですか?皆s

「私が生徒会長になった暁には、藤原先輩に副会長になって頂けませんか!!」

ん?」

 

「えーーーーー!?」

 

なに言ってんだ?この子

 

「優、この人が……」

「そうです。こいつが伊井野ミコです」

「そうですか」

 

うーん、とりあえず止めとくか

 

「伊井野さん?悪いことは言いませんから。その人を副会長はやめた方がいいと思いますよ?」

「崇宮さんまでっ!?」

「崇、宮、さん?」ピクッ

 

ん?俺この子と関わりないはずなんだけど

なんで反応したんだ?

 

「あなたが崇宮誠先輩ですか………」

「えぇ。自分が崇宮ですけど?」

「先輩、何かしたんですか?」

「いや、自分は基本的になにもしていませんよ?」

「なにもしてなくないですよ!!」

 

ん?

 

「先輩は、1年の時に中等部の校舎でなにしたか覚えてないんですか!?」

「あの事なら気にしてませんが?」

「それで、現1年からおかしなやつ扱いですよ!?なのに、どうして気にしないんですか!!」

 

正義感が強い人なんだな伊井野ミコさん

でも、それは俺には必要のないことなんだよ

 

「では、その方達は自分に怯えてるという事でしょう?」

「どうしてそうなるんですか」

「簡単ですよ。自分はそんな話一切聞きません。つまり、でかい声で言えないんですよ。報復になにをされるか、なにを言われるか怖いから。これって、怯えてるに入りませんか?」

「確かに入りますけど。それでも!!おかしいです!!崇宮先輩はなにも悪いことはしてないんですよ!?」

「それは、君の主観で見た話だ。客観的に見れば、自分は物をキレて破壊した。これは理由がどうあれ悪事だ」

「っ!!ですが!!」

 

いい加減にしてくれ

鬱陶しいぞ!!

 

「本人が構わないと言っていることに口を出すな。お前にそこまでされる義理はない。してほしかったら自分で動いてる」

「で、でm「でももだってもねぇ。いいか?忠告だ。自分の正義を貫くのはおおいに結構。だが、本気で嫌がってる奴にそれを押し付けるのはやめるべきだ。いつか身を滅ぼす」」

 

ちょっと言い過ぎたか?

でも、この子は正義感が強すぎる

俺には眩しすぎる

俺よりもっと暗いところに生きてる連中にこんなこと言えば、確実に消される

だから、悪く思うなよ。伊井野さん

 

「ご忠告感謝します。けど、だからと言って私はこの自分のあり方を変えるつもりはありません!!」

「なら、好きなようにすると良い。君のその信念が早死にしないことを祈るよ。それじゃ、皆さん。自分はこれで」

「お、おう。また明日」

「さ、さようなら~」

「また明日っすね。先輩」

 

さて、さっさと帰ろ

 

《~~下校中~~》

 

あ~あ、柄にもなく説教しちゃったなぁ……

でも、今日の絡みでよ~くわかった

 

「ん?電話?愛からだ。もしもし?」

『もしもし、誠君?ちょっと頼みたいことが』

「伊井野の件か?」

『そう。さっすが崇宮君。それでその伊井野さんのことなんだけど』

「その事ならたぶん、黒い噂は出てこないだろうよ」

『………どうしてですか?』

 

久しぶりだな。お仕事モード

相変わらず迫力があって怖いねぇ………

 

「今さっき、件の伊井野ミコと話した」

『それで?』

「ありゃ、世にも珍しい真っ白な人間だよ。両親ともに、な」

『そうですか………』

「それでも、こっちでも情報を漁ってはみる。愛はどっち方面を今やってるんだ?」

『かぐやの命令で今は彼女の親の黒い部分を』

「ん、了解。俺は本人を調べてみる」

『ごめんね』

「気にすんなよ。俺は生徒会が終わっても、時間を作れてないんだ。これくらいのことはさせてくれ」

『そういってもらえると助かります。それじゃ、頼みますよ』

「任せときな」

 

さて、と

彼女、たぶんなにも出てこないんだろうなぁ……

でも、不思議だな

あれだけ自分の意見をはっきり言えれば、一定数の固定票は確保できるはずだが………

その辺も含めて調査してみるか




最近、原作に合わせて書くのが難しい
書き始めはオリジナル回が難しかったのに………

でも、オリジナルだけは何か、これじゃない感が……

一体、どうすればいいんでしょう?

それはともかく、次回は蹴落とし回の予定です

それでは、また次回


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崇宮誠は手助けしたい

評価バーがオレンジ!?
投票してくださった方々、皆さんありがとうございます

そして、お気に入り250件&UA22000越えました
こちらも、本当にありがとうございます

今年は受験なのでかなり更新頻度が落ちるでしょうが、この作品を見ていただけるとありがたいです

それでは、『崇宮君は手助けしたい』どうぞ


《~ある日の生徒会室にて~》

 

「あ、あの………。お、俺、選挙、じ、辞退するから……」

 

「いやだわ。勘違いなさらないで?そんなことを強いてる風に聞こえましたか?」

 

「私は、貴方の味方ですよ?」

 

「そ、それじゃあ、四宮さん、俺は、これで」

「あら、もう少しゆっくりしていけば良いのに……」

「お、俺今日、じゅ、塾、あるから、も、もうこんなじかんだし……」

「あら、それはいけません。塾に遅れないように気をつけて帰ってくださいね?」

「じゃ、じゃあ、俺は、これで……」

 

「誠、これはどう見ますか?」

「やめるだろ、あれ」

「そうですか…。それにしても、意外ですね」

 

ん、意外?

 

「てっきり、会長に正々堂々勝って欲しいと言って止めてくると思っていたのだけれど?」

「じゃあ、あんたは俺の腹のそこが見えちゃいないな」

「その様ですね」

 

あんたの言うように俺は御行に勝っては欲しいさ

ただ、この程度の脅しに屈する様な人間に御行とやり合う資格なんざねぇよ

それに、かぐや嬢の言うほど俺は綺麗な人間じゃないよ

 

「じゃあ、あなたの腹の中、見せていただけませんか?」

「少なくとも、あんたに牙を向ける事はしねぇから安心しな」

「……その言葉、信じて良いんですね?」

「あんたの料理人になったときにも言ったが、俺はかぐや嬢の幸せの為に頑張る。だから、牙を向ける理由がないよ」

「そうだと良いのだけれど……」

 

まぁ、少なくとも今の所はないな

それにこのまま行くと敵対する事はないし

 

「あ、そうだ。かぐや嬢」

「なんです?」

「伊井野の件だが」

「どうでした?何かゆすれる物はありましたか?」

「真っ白だった。気持ちの悪い程に清廉潔白だよ、あいつ」

 

正直、期待してなかったけど

ここまで善人だと気持ち悪い

ただ、彼女は受からないだろうけど……

かぐや嬢に警戒させるに越した事はないからな

 

「そうでしたか……。」

「愛の方からの報告は?」

「明日辺りに結果が出るらしいわ」

「そっか」

 

まぁ、シロだろうな………

これで親が真っ黒何て事はないだろ

 

「ほいじゃ、帰りますか。かぐや嬢」

「そうね。帰りましょうか、誠」

 

《~~次の日~~》

 

「あれ~?崇宮君一人?」

「どうかしたんですか?鷹村さん」

「いやぁ、愛が居ないからさ、てっきり此処かと」

「愛なら、四宮さんと二人で食べてくる~。って言って何処かに行きましたよ?」

「そっか~」

「そうですよ」

 

ムグムグだから、俺は今日は寂しくボッチ飯ですよ~

ん、この卵焼き今日はちょっと味が薄いな

全く、こういうとこ味見で気づけなかったものか

ん、この鯖おいしい!!

やっぱり、俺の味付けって天才か~、なんてな………

それにしても………

 

「いつまでそこに居るんですか?」

「ん~?あたしがどこにいてもあたしの勝手でしょ?」

「まぁ、そうですが……。話したいことがあるなら、聞きますけど?」

「お、さっすが。よくわかったね」

 

白々しい、横目でチラチラこっちを観察してたくせに

それにスマホ触ってるふりしてロック画面のままなの気づいてるんですけど?

 

「それで、何が聞きたいんですか?」

「いやぁ~、野暮かも知れないけどさ?そのネックレスどうしたのかな~、って」

「これですか?まぁ、色々ありまして………」

「それは君の独占欲の象徴でしょ?」

 

うっ…………

痛いところをついてくるな、この人

やっぱり、内面を読まれるってのはいい気分じゃねぇな

 

「やっぱり、あなたみたいな人は苦手ですよ」

「だろうね。だから、今まで極力関わらないようにしてた、でしょ?」

「正解ですよ。全く、思考が読めるなんて難儀な人ですね」

「どうして?」

 

どうしてって、そりゃお前

 

「オンオフが効くならそりゃ便利な能力ですよ。ただ、無意識的に行われているその行為は人にとって地獄以外の何物でもないでしょう?」

「そうだね」

 

それはつまり、人の悪意を受信してしまうこととほぼ同義だからな

鷹村、今まで辛かったろうな

 

「だったらどうして、最近は関わるようになったの?」

「まぁ、つまるところ。そんな厄介な力を友達の為に使った鷹村さんはたぶんきっといい人だって思ったんですよ」

「最初は警戒してたんだ」

 

そりゃ、下手に思考を読まれて誘導されるなんざたまったもんじゃないからな

 

「そうなりますね。でも、別に100%読まれる訳じゃないですし」

「そんなことできたらもっと上手い生き方するよ~」

 

ケラケラ笑いながら言うか?それ

いや、でも、それじゃあ、今まであんな話するか?

ちょっとカマかけてみるか

 

「………今までそうしてきたから、それが嫌になってそんなナリをしてると思ってましたよ」

「え、え?」

「当たってるでしょう?」

「え、いや、でも、なんで」

「顔と表情、その他もろもろ見たらわかるよ」

 

まぁ、こういうのしっかりしないと天才二名の恋愛頭脳戦(笑)に付き合えないし、その他にも、面倒なお家関係でも使えるし

 

「だから、私が気にする必要ないってこと?」

「そういうことですよ。心を読むなんて、大なり小なりできるんだよ。それを気にして心を閉ざす必要ないって」

「崇宮君に何がわかるの?君のそれは読もうとしてるからできるんでしょ?私のとは違うじゃん」

 

あ~、全く、類は友をよぶって言うのか?

どうしてこうも闇を抱えてる人が俺の周りには多いんだよ………

俺ってそんなに闇抱えてるか?

それとも、お嬢様ですお坊ちゃんってこんなもんなのか?

 

「オンオフなんて、そんな器用なことできませんよ」

「だとしても、読もうとして習得した崇宮君にはわかんないよ。でも、最近はこの才能があって良かったって思えるから良いんだけどね~」

「それは本心でしょう?」

「それはどうかな~?」

「へぇ~」

「「っ!?」」

 

え、愛!?

 

「あ、愛、あ、あのね?」

「二人とも、楽しそうに話してるね?彼女であり、親友である私を差し置いて」

「愛、これはですね………」

 

ヤバイッテ、絶対キレてるって

どど、どうすれば………

 

「なーんてね☆」

「「へ?」」

 

もしかして、騙された!?

 

「んも~。いくら私が嫉妬深いからって彼氏が女子と話してるだけで機嫌悪くなったりしないよ~」

「ほ、ほんとに?」

「ホントだよ~☆えへへ、上手かったでしょ?」

 

うわ~、綺麗に騙された~………

なんかすっげぇ悔しい

 

「そっか。それじゃ、二人の邪魔しちゃ悪いから私はこれで~」

「ん、じゃあね~」

「それでは、また」

 

なるほどね

愛のおかげ、ってことね

 

「やるじゃん」ナデナデ

「ん~♪何~?」

「なんでもないよ」

 

あんまり撫でるのも髪型が崩れるからダメだな

 

「さて、授業の準備しますか」スッ

「んぅ………」

 

なに!?その不満そうな目は!?

もっと撫でろと!?

やだよ!!周りの目が怖いもん!!

 

 

「あ、そうそう。誠君?」

「どうかしました?」

「かぐやが放課後、生徒会室に、だってさ」

「あいよ。了解」

 

今日は伊井野かな?

やれるかな?

さて、直接は顔を合わせんが、見せてもらおうかね?

彼女、信念を曲げないそうだし

「何か勝算があるのか?かぐや嬢」

 

《その後、放課後の生徒会室にて》

 

「んじゃ、かぐや嬢。俺は何もできないけど。ま、頑張れな」

「そうですね。伊井野さんにあまり勝算はないですけど、切り口がない訳じゃないので」

 

でも、なんで俺がここにいる必要があるんだ?

 

「かぐや嬢、どうして俺がここにいる意味が?」

「私の護衛ですよ?」

「あー、そういう」

 

もし仮にキレて襲って来たときの為ってことね

なるほど、了解

 

「さ、そろそろ伊井野さんが来ますから。隠れてください」

「はいよ~」

 

はぁ、外は見えないし声は聞こえづらいなぁ………

暇だし、外の声は愛から借りた盗聴器で聞こえるし、愛とL〇NEでもするか

 

『愛~、暇か?』

『あれ?誠君、かぐやと生徒会室じゃ?』

『なんか、護衛だけでいいから隠れろって』

『それで暇なんだ』

『うん。くっそ暇。だって、聞き耳たててなくても愛がくれた盗聴器で聞こえるし』

『あ、使ってくれてるんだ』

『早速重宝してるよ。ありがと』

『えっへへ~』

 

文面だけなのに癒されるな~~

と、かぐや嬢の方は~………

ん~~、何々

 

「あなたと白銀会長……、本っ当にお似合いですね!!」

「へ!?お似合い………?」

 

あ、終わった

 

『愛』

『どうかした?』

『次の選挙、伊井野と御行の二人になりそうだわ』

『あ~、なんかアクシデント?』

『伊井野が地雷を連爆してる』

『ちょっと待って、それってかぐやが相当ヤバイんじゃないの?』

 

あ、考えてみれば

これでやらかしたら色々終わるな

最悪、盗聴器につけた連絡機能使うか

 

「で、かぐや嬢と伊井野はどうなってる?」

 

「夜は不純異性交遊を取り締まりましょう!!」

「あーーーっ!!」

 

あ、かぐや嬢が軌道修正した

 

「藤原先輩が副会長ならきっとできます!!」

「え、誰が副会長って………。正気?」

「勿論です!!」

 

はぁ、伊井野ミコか………

藤原に並ぶ危険人物かもな

 

『愛、15分後位に帰れるように手配しといてもらえる?』

『終わったの?』

『あぁ、結果は失敗だ』

『じゃあ、会長が負ける可能性があるんじゃ……』

『ないよ。断言できる』

『どうして?』

『まぁ、色々あるのさ』

『え~、教えてよ~!!』

『生徒会選挙に期待しな。俺の言った意味、わかるだろうよ』

『ぶ~、ぶ~』

『まぁ、今晩電話してでも教えるさ』

『ホント!?じゃあ、今晩待ってるね~♪』

『おう』

 

この紙に書かれた事が本当なら、御行の勝利は確実……

 

『伊井野ミコ 極度のあがり症のため、人前で話せない。これにより、これまで選挙に受からず』

 

ただ、かぐや嬢の脅しに屈服しなかった度胸と御行に対しての鬱憤もあるし、ちょっと邪魔するか

伊井野ミコ、どこまでやってくれるかな?

さて、選挙の策略練りますか




如何だったでしょうか?

次回は選挙の予定ですが、更新はかなり遅くなると思います

感想、誤字脱字報告をしてくださると嬉しいです

それでは、また次回まで


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崇宮誠は戦わせたい

今回は、予告通り選挙回です

お気に入り280件&UA27000越えありがとうございます

かぐや様最終回、良かった………
3期、期待して待ってます

それでは、『崇宮誠は戦わせたい』どうぞ


《~~生徒会選挙当日!!~~》

 

「優、今なんて?」

「だから、今日の選挙。伊井野ミコに徹底的に勝ちたいんです」

 

意味はわかりかねるが

とりあえず、負けてしゃーないって雰囲気にしたいってことか?

 

「向こうにかくし球でもあるのか?石上」

「いえ、ありません。今回の選挙は僕らが勝つでしょう。でも、皆さんならそれ以上の勝ち方ができるはずです」

「まぁ、俺は進行担当だから行くぞ?あとはそっちでやりな」

 

さて、優には悪いが、ちょっと見たくなっちまったんでな

御行と伊井野の本気のぶつかり合いが、な

 

《~~そして、選挙が始まる~~》

 

「伊井野ミコの応援演説を始めます」ガヤガヤ

 

ちっ、なんで人の話が聞けねぇんだ?

 

「大仏さん、少し待ってもらえますか?」

「あ、はい。どうぞ」

 

 

「少し、静かにできませんか?貴様ら」

 

「」シーン

 

なんだ、こいつら

たかだかこの程度で黙るなんざ話にもならねぇな

 

「まず、先輩方がべちゃくちゃ下らないことを話すのはわかります。自分にはほとんど関係ないのだから。でも、後輩の事を考えてください。最上級生が聞いてないなんてハッキリ言ってダサいです。見損ないますよ」

「あの、崇宮先輩、もうみんな黙りましたからいいでしょう?」

「いいえ、ダメです。この際ハッキリと全員に言っておきます」

 

こいつら、ちょっと不真面目が過ぎる

 

「次に、同期の皆さん。少しは黙れませんか?3年生が喋っているから喋るんですか?なら、あなたたち、全員に言っておきます。これからは自分も含めた2年生がこの学園を支え、引っ張っていくんですよ?それがなんですか、他人の話は聞かず自分たちの話したいことを話す。そんな奴等に誰がついていくんですか?誰が下につきたがりますか。その辺、ちょっと考えて行動してください」

 

あとは、最下級のあいつらだな

 

「1年生には一言、進級して、高校生活が楽しいのかもしれんが、調子に乗るな。てめぇらの同期が頑張ってこの選挙に出てるんですよ?なのに聞かねぇってのはなんですか?それに先輩方が話してるからって話して良いとでも思ってるんですか?一番下が入ったばかりにも関わらず、ルールを守らないの事。それは調子に乗っている証拠です」

 

さて、それじゃ最後に締めるか

 

「最後に、ここにいる全生徒に一言。あの程度の事を言われたごときで黙る位ならしゃべらないでください。以上です。それでは、応援演説を開始します」

 

ふぅ、これでようやく、始められるな

 

《~~大仏さん、演説中~~》

 

「ご清聴、ありがとうございました」パチパチパチ

 

ん、しっかり練習してたんだな

淀みのない、良い演説だった

 

「ありがとうございます。崇宮先輩」

「なんの事ですか?」

「とぼけないでください。先輩のあれがなかったら、半分以上は話を聞いてませんでした」

「手助けしたつもりはありませんよ。自分は進行をしなきゃなんで、それでは」

 

大仏こばちさん、あんたは確かに凄いですよ

でも………

 

「次は、白銀前会長の応援演説です。四宮さん、どうぞ」

 

マニュアルに則ったやり方じゃウチのお嬢には勝てんよ

 

《~~かぐや様、演説中~~》

 

「これにて、演説を終了します」

 

やっぱり、いつも御行の側で!!御行しか!!見てないだけはあるな

客観的に見れば、かぐや嬢が有利だな

さ、次は、伊井野の演説か………

 

「以上で、応援演説を終了。これより、立候補者の演説に移ります。伊井野ミコさん、どうぞ」

「は、はい………」

 

はぁ~~、この感じ、無理っぽいな

やっぱり、期待しすぎか、あがり症だもんな

 

「い、伊井野、ミコです……」

「ん、なに?マイクトラブル?」ざわざわ

「全然聞こえねーじゃん」クスクス

「もしかして、緊張してんじゃね?」ざわざわ

「ふふっ、まただよ」クスクス

 

あー、そうだった

こいつら、あの程度じゃ動じない屑の集まりだったわ

気に入らねぇな、頑張ってまっすぐあり続けてるやつが、バカにされんのは

 

《~~その頃、ステージ裏では~~》

 

「必死に頑張ってるやつが、笑われるのは気にくわないんですよ」

 

そう、だから僕は伊井野が笑われないように、圧倒的大差で勝って欲しいんだ

こんなの見てられない

 

「わかった。伊井野が笑われずに勝てばいいんだろ?任せとけ、それに………」

 

「伊井野さん、演説中すみません。少し中断しますね」

 

崇宮先輩………

 

「俺たちの頼れるあいつが、こんな腹立つことを無視するわけないだろ?」

 

そうですね。あの人、自分は綺麗じゃないとか、汚れてるかもしれないけど1本まっすぐ芯を持った僕のこの世で一番の先輩ですもん

これぐらいやってもらわなきゃダメですよ

 

《~~場面は再び崇宮君へ戻る~~》

 

「うわ~、とめられちゃったよ~」クスクス

「だっせー」クスクス

 

「何を勘違いしているんですか?先輩だろうが同期だろうが、後輩だろうが関係ありません。自分が止めたのはあなた方に生徒会長を決める資格がないと思ったからですよ」

 

「は?どういう事だよ?」

「私達に投票の資格がないってどういう事よ」

「彼女が話せないのが悪いんでしょう!?」

 

すぐこれだ

誰かのせい、伊井野が話せないのが悪いのか?違うだろ

それに、俺はそれが理由でこんなこと言ったんじゃない

 

「あなた方、誰か一人でも立候補しようとか考えたことあるんですか?ある方はそのまま着席、ないものは起立してください」

 

ほれ見ろ、ほとんど全員立つじゃねぇか

 

「それじゃあ、起立している方々に、あなたたち、立候補しようとか考えたこともないくせに、立派な信念を持って立候補した子に対してそんな態度ですか。ふざけるのも大概にしていただきたい!!

 

てめぇら、ホンットにいい加減にしろよ!!

 

「最初もそうです。今からこの学校の生徒の長を決めようってときにベラベラベラベラ何を話すんですか?そこまで重要な会話なら壇上に出て話しなさい。そんなこともできない癖にいっちょまえに前に出た人間を無視する資格はあなたたちにはありません。ましてや、前に出た生徒を嘲笑うなんてもっての他です。恥を知りなさい!!」

 

「もういいだろ。誠、こんな会話しても無意味だ」

 

あ゛ぁ゛!?

 

「どういう事ですか?白銀前会長」

「こんなことしたって何の価値もない、時間の無駄だ。自分のしたいことを話せないんだ、仕方ないだろう?」

「つまり、俺が次も会長だ、と?」

「そういうk「ちょっと待ってください!!」ん?」

 

伊井野か?大勢の前であんな声出せるのか

 

「崇宮先輩、皆さんを黙らせてくれてありがとうございます。でも私の演説はまだ終わっていません。白銀前会長も、下がってください」

「結果は明らかだろう。もう下がっておけ」

「いいえ、下がりません!!まだ私は話したいことをなにも話せていませんから!!」

「そうか、なら話してみろ。お前の理想とするこの学園を!!」

 

さて、御行が後はやってくれるから、俺は下がるかね

 

そのあとは、さすが御行と言わざるを得なかった

伊井野が言いたいことを言わせる巧みな誘導

その上、伊井野に自分と御行以外の人間を意識の隅に追いやるように決して自分から目をそらさせずにする技術

やっぱ、すげぇわ。あいつ

 

そんなこんなで、生徒会選挙が終了し、結果発表の日

 

「さて、どうなりましたかね?」

 

 

生徒会選挙結果!!

 

 

白銀御行

270票

 

伊井野ミコ

230票

 

崇宮誠

100票

 

んんんんんんんん!?

 

「あ~!!崇宮さん~!!良かったですね~。100票も入ってるじゃないですか~」

「え、いや、ちょ、待ってください。自分、立候補してないんですけど………」

「いやぁ~、実に良き演説であったな!!崇宮」

「うぇあっ!?」

「そうだぜ、崇宮。俺お前の言葉聞いて感動したわ~!!」

 

あ~、そういう…………

 

「とりあえず皆さん、そこに座りなさい」

「え?」

「なんでだよ」

「良いから座る!!」

「「はいっ!!」」

「それじゃ、私はこれで~……」ガシッ

「もちろん、藤原もですよ?」

「あ、あははは………」

 

はぁ~~、とりあえず

 

「あなたたちは真剣に入れてくれたのかもしれませんが、立候補してないものに票を入れるとは何事ですか!!」

「「ヒィッ!?」」

「全く、そういうことをされると運営サイドに負担が掛かるんです」

「「はい」」

「あまりに多いから今回は特例で書いたのでしょうが、あれを許可してしまうと、今後の生徒会選挙に影響が出るんです。そこをもっと考えてください」

「「はい………」」

「それにですね……「誠、藤原()()~。体育館の片付け行くぞ~」あ~、それですか」

 

はぁ、きりあげるか

こいつらも悪気があった訳じゃないみたいだし

 

「とりあえず、新生徒会の仕事もあるのでこの辺にしておきます。さ、行きますよ。藤原」

「はい~。頑張って行きましょ~!!」

「あと、」

「「ん?」」

「その、まぁ、悪い気はしませんでした。自分に票を入れてくれて、ありがとうございます///」

「「っ!!」」

「崇宮さん?どうかしましたか?」

「なんでもないです。さっさと行きますよ」

 

あ~、はっず!!

面と向かってお礼言うのってこんなに恥ずかしかったっけ?

さっさと行って片付けしよ、切り替えのために

 

「あ~、待ってください~!!」

 

こうして、生徒会選挙は幕を閉じた

俺は後から知ったことだが、生徒会に伊井野ミコが会計監査として加わった

 

さて、次のイベントは体育祭だな

それじゃ、それまでの期間含めて、頑張りますか!!




どうだったでしょうか?

それにしてもスゴいですね
UAが1日で2400いくとは思いませんでした

アニメの力ってスゴいですね………

次回は少し飛ばして、恋愛漫画回の予定です
気長に待っていてくださるとありがたいです
更新しなくても決してエタったとかではないので

それでは、また次回


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崇宮誠も読ませたい

7月7日18時頃、二次小説日刊26位全体30位に載ってました
それと、お気に入り300件&UA31000突破
ありがとうございます!!

これからも頑張っていきたいのですが、投稿頻度はどうなるかわかりません……

それでは、『崇宮誠は読ませたい』どうぞ


《~~とある昼休み~~》

 

「御行……。学校に漫画なんて持って来ないでくださいよ……」

「う、うるさい。とにかく、これを四宮が読めば必ず俺に告白するはずなんだ!!」

 

まだ言ってんのかよ………

どっちかがから告白すれば絶対成功するだろうに

難儀な二人だなぁ、全く……

 

「そんなに好きなら告白すりゃ良いのに」

「ばっ!?///別に俺はそんなんじゃ……」

「はいはい。わかったわかった。それで、知らなかったんですか、きょうあま」

「知ってるのか?」

「はい。たまたま本屋で目に入ったから読んでみたら、結構面白かったので全巻買いましたから」

 

最終回のあれは良かったな~

それは置いといて

かぐや嬢、読むか?

俺が薦めても却下されたし

あ、でも、好きなやつに薦められたら読みそうだなぁ、あの人

 

「で、どう薦めればいいと思う?」

「え、そこ未計画だったんですか?」

「いやまぁ、石上会計に読ませればその流れで、とは考えているんだが……。タイミングが合うかどうか……」

「わかりました。自分に任せてください副会長が行きそうなタイミングで連絡しますから」

「助かる」

 

全く、なんでこう、ビミョーに無計画的というかなんというか……

こういうとこ似てんだよな、かぐや嬢と

まぁ、とりあえず手伝わねぇとな

 

《~~放課後~~》

 

はぁ、ホントに上手くいくのか?この作戦

 

「副会長、今日は生徒会に顔、出しますよね?」

「えぇ、そのつもりですけど。どうかしましたか?」

「いえ。ただ、藤原を待っていてあげてくれませんか?と思いまして」

「どうしてですか?」

「藤原一人だけ後で来たら、あの子騒ぎそうじゃないですか」

 

これが一番妥当な理由だったんだよなぁ………

昼休みから今まで考えたなかで、だけど

どうにか納得してくれねぇかなぁ

 

「そういう子でしたっけ、彼女」

「まぁまぁ、待っててあげたら彼女、絶対喜びますから、ね?」

「わかりました。藤原さんを待ちます」

「それじゃ、自分は先に生徒会室に向かってますんで」

「はい。それでは、また後で」

 

さて、さっさと向かいますかね

 

《~~崇宮君、移動中~~》

 

「や、御行。来たぞ~」

「泣いちゃうーー!!」

 

優………

やっぱりなくよなぁ~~!!

わかるわかる!!

すっげぇわかる!!

 

「あ、先輩」

「よっすー。で、ご感想は?」

「キラキラな恋したくなっちゃったーー!!」

「なるほど」

 

青春ヘイト極めてる優ですらこうなるのか………

きょうあまパネェな

 

「あー、どっかに出会い無いかなぁ」

「それなら生徒会には3人いるけど?」

「伊井野はあり得ませんし、四宮先輩は家の格が違い過ぎて無理」

「そうか……」ホッ

 

ホッとするなよ、全く………

でも、伊井野とかぐや嬢がダメとなると残りは……

 

「「藤原か……」」

「藤原先輩か………」

「いやでも、消去法とかで選ぶもんじゃないだろ?恋する相手って」

「いや、それはそうなんですけど。なんか油断したら恋しちゃいそうで」

 

そこまでなるか?

いや、俺も無意識にそうなってたのか?

う~む、わからん

 

「でもやっぱり、絶対この人じゃなきゃ!!って心から思える人と恋したいじゃないですか」

「まぁ、それが普通だろ」バンッ

 

噂をすれば

 

「ここから恋バナの匂いがします!!」

「藤原、もう少し扉はゆっくり開けましょうね」

「それは気を付けます~。で、誰が惚れた腫れたなんですか!?」

「いや、惚れた腫れたじゃなくてな」

「この漫画の話で………」

 

「きょうあまだーー!!」ドパッ

 

え!?なんで号泣してんの!?

 

「あっ、表紙見ただけで涙腺が……」

「そんなにか?」

「そうですよっ!!私、友達に1巻だけ借りて、電子で全部買っちゃう位はまったんです!!崇宮さんは読んだことないんですか?」

「いや、読むには読んだよ。確かに面白かったけど、表紙見て泣くほどじゃねぇだろ」

 

で、かぐや嬢の反応はどんなもんだ?

 

「………これは、そんなに面白いんですか?」

「おもしろいし、読んでみたらいいんじゃないか?かぐや嬢」

「そうですよ。かぐやさんも読んでみてくださいよ~」

「いえお構い無く。私は漫画を嗜まないので」

 

あ~、やっぱり?

さて、ここからどう読ませたものか………

 

「四宮、これも勉強………、漫画というものを一度通しで読んでみるのも悪くないと思うが」

「でもそれ、いやらしいんでしょう?」

「いや、そんなことないって……」

「どうだか……。最近皆さん私を騙すのが楽しくて仕方ないようですし。何を信じたら良いのやら……」

 

おい!!そんなの俺知らねぇぞ!!

どう言うことだ!?

 

「それって、どういう」チラッ

「「「」」」プイッ

「目をそらすな!!」

 

全く、最近ちょっと建て込んでて中々ここに出れてない間に何があったんだよ

 

「四宮?騙されたと思って、読んでみてくれないか?」

「参考程度に聞きますけど、どういう話なんですか」

「まず、人間不信の女の子が主人公でな」

「今の私と同じですね……」

「………んで、まぁクチの悪い男の子が転校してくるんだが」

「そのおとk……ムグゥッ!?」

 

はぁ、今絶対ネタバレしようとしただろ

全く、ちょっと油断するとすーぐやらかしそうになる

 

「次、ネタバレしようとした奴を潰す。OK?」

「「「りょ、了解しました……」」」

「と、とりあえず、続きをどうぞ」

「あ、あぁ……。それで、人間不信が高じて拒食症の少女がさ、恋愛を通して社交的になっていく訳よ」

「初めて友達も出来て、人間としての温かみを取り戻していく訳じゃないですか」

「あぁ!!序盤な」

 

あー、絶対ネタバレする流れだな

良し、潰そう

 

「それでーーっ!?」

「「い、痛い痛い痛い!?」」

「誠!?いきなりどうしたの!?」

「ネタバレするなって言ったよな。OK?」

「わかった!!わかったから手首極めないで!?」

「そうですよ!!僕らみたいな一般人に使う技じゃないでしょ!?それ!!」

「うるっせぇ!!ネタバレなんかされて読みたくなるか!!猛省しろ!!」

 

なんでネタバレせずに魅力を伝えられないの!?

したくなる気持ちはわかるけどさ!?

もうちょっとオブラートに包めないの!?

 

「それでですね。かぐやさん、その男の子がががががっ!?」

「だ~か~ら~!!ネタバレしないで伝えろっての!!」

「誠?そ、その辺にしないと、三人とも可愛そうよ……?」

 

「藤原先輩!!助けに来まし…えっ、何があったんですか!?」

 

あー、事態が余計にややこしくなった!!

 

「とりあえず、崇宮先輩は三人を離してください。というか、どうして指一本で人を拘束できるんですか!」

「いや、すまん」

「後、その口調も説明してもらいますからね!!」

「お、おう。わかった」

「「「い、痛かった………」」」

 

はぁ、面倒臭いことになった

最悪だよ………

 

「で、どうしてあんなことになってたんですか?」

「それはだな………」

 

《~~崇宮君、事情説明中~~》

 

「そういう事ですか。なら白銀会長達が悪いですね。それで、崇宮先輩のその口調は?」

「まぁ、対した理由じゃないけど。本当の自分を見られるのが怖いんだ。だから、普段は仮面を被って生活してる。でも、別にみんながキライとかじゃないぜ?ただ、口調を穏やかにして、ちょっとだけいい面してるだけで」

「まぁ、それが先輩の処世術なら、何も言いませんよ」

「助かる。後、生徒会室ではこんな感じだから改めてよろしく」

「はい。よろしくお願いします」

 

やっぱ、類は友を呼ぶんだな

伊井野もいいやつだよなぁ………

いやぁ、変なやつが入ってこなくて良かった良かった

で、向こうはどうなったかな?

 

「で、話はそれたが、四宮どうだ?読む気になったか?」

「えぇ、まぁ、少し興味が湧いたので読んでみようかなと」

「そうか!!だったら、これを」

「いえ、折角ですので買って帰りたいと思います」

「そうか………」

「ちゃんと読んだら感想を言いますよ」クスッ

「おう。それじゃ、解散にするか」

「そうですね」

 

良かった、上手くいったみたいで

でもなーんかモヤモヤするんだよなぁ……

なんでだ?

 

「どうかしましたか?崇宮先輩。すごく複雑そうな顔してましたけど」

「え、そんな顔してたか?」

「はい。なんというか、その、嫉妬?してるみたいな顔してました」

「ん、今後気をつける」

 

俺が嫉妬?んなアホな

 

《~~その夜、四宮別邸にて~~side早坂愛~~》

 

「私もこんな恋したいーーー!!」びぇぇぇぇぇ

「かぐや、ちょっと静かにして」

「ん?」

「今、いいとこ、だから」ポロポロ

「愛さん、漫画って良いものね」

「そうだね。じゃ、そろそろ寝よっか。かぐやがそうなってるならきっと会長も同じだと思うから、明日攻めればコロッと告白してくれるかもだよ?」

「そうよね!!それじゃ寝るわ、おやすみ!!」

 

かぐや………

最近更に思うけど、よくこのボロの出し方で今までバレなかったよね?

いや、多少バレてたから学校で噂になってたのかな?

まぁ、今はそんなことどうでもいっか

さ、私も自分の部屋に戻ろ

 

《~~早坂さん、移動中~~》

 

さ、久しぶりに誠君とお電話~♪

 

「もしかして、寝ちゃってるとかもありうるのかな?」プルルルルッ

『ん、もしもし?』

「あ、誠君?もしかして起こしちゃった?」

『いや、全然起きてたけど。どしたの?なんか鼻声っぽいけど、風邪か?』

 

うそ、そんなに変わってる!?

そんなはずないと思うんだけどなぁ………

あっ!!それぐらい細かい変化に気づくほど私を見てくれてるってこと?

えへへ~♪///照れるな~♪///

 

「風邪じゃないよ。かぐやときょうあま読んで泣いただけ」

『そうか、だったらいいけどさ。で、どうだった?きょうあま』

「すっっごいおもしろかったし感動したよ!漫画ってすごいね!」

『そうだな。確かにハマればすっげぇ面白いからな。漫画って』

 

へ~

漫画ってそういうもんなんだ

それにしても誠君ってすごいな~

私の知らない事いっぱい知ってるし、ちょっとした変化に気付いてくれるし

 

「あ、そうそう」

『ん、どした?』

「今週末、水族館にデート行こ!!」

『この辺だとSunlight水族館か』

「そうそう。行かない?やっと、色々終わったし」

『そうだな。行くか』

「楽しみにしてるね」

 

やった!!誠君とデートだー!!

楽しみ~♪

 

『ホント、悪いな。中々時間作れなくて』

「大丈夫。誠君が頑張ってるの、知ってるもん」

『でも、付き合ってるんだからさ。もうちょっと一緒に居たり、話したりする時間を作った方が良いだろ?』

「それって結局、誠君が私と話したいってことでしょ?」

 

ふっふ~

誠君、これは照れるでしょ~

誠君の照れた声かわいいから好きなんだよね~

 

『当たり前だろ』

 

あれ?

 

「へ?」

『大好きで彼女と少しでも話したいのって当たり前だろ?愛はそうでもないのか?』

「いや、そういうわけじゃないけど………」

 

あれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

なんで!?今日の誠君、なんか変

いつもなら照れる筈なのに!!

どーして照れないの!?

 

『ホントか?だったらいいんだけどさ。ほら、申し訳ないじゃん?俺だけが勝手に舞い上がって話したがってたら』

「そ、そんなことないよ!!私だって、誠君と話せなくて寂しかったもん。恋しかったもん!!」

『そうかそうか。それは良いことを聞いた』

 

あれ?もしかして

 

『愛がそこまで俺にゾッコンだなんて嬉しいな~。照れちゃうな~』

「は、謀りましたね………///」

『ん?前に愛がやったろ?それの仕返し。だから、そんなに恥ずかしがらなくていいって』

「うっさい!!恥ずかしいからもう寝る!!」ブチッ

 

うぅぅぅぅぅ………///

恥ずかしいよぉ………

私、なんて言ったんだっけ?

たしか、[私だって、誠君と話せなくて寂しかったもん。恋しかったもん]だったよね?

 

「~~~~~~っ!!」バタバタバタ

 

は、恥ずかしい~~///

ベットの上で足ばたつかせても全然気持ちをそらせないよぉ………ピロリンッ

 

「ん?だれから?」

 

誠君か、なに?煽るつもり?

 

『ちょっと恥ずかしがってる愛を見てはしゃぎすぎた。すまん。でも、あの言葉に嘘偽りはひとつもないから』

 

はぁ、全く………

 

「これだけで許しちゃう私って、相当重症なのかな?」

 

『気にしなくていいよ。私も誠君が私みたいになったら同じことする自覚あるし』

 

 

明日は誠君ともっと話せると良いな~~♪




いかがだったでしょうか?『崇宮誠も読ませたい』

感想、批判批評などはバンバン送って頂いて結構です
どれも貴重な意見なので

次回は、まだ未定です

それでは、また次回


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従者二人は楽しませたい

かぐや様最新刊発売おめでとうございます!!

いやぁ~、感動しましたねぇ
良かったですよ
この作品ではどうしたものか………

ともあれ、今回は前半が『かぐや様♡アクアリウム』後半がオリジナルになります

それでは、『従者二人は楽しませたい』どうぞ




「水族館のペアチケットですか?こんなものを付けてくれるなんて、校長も粋な計らいをしますね」

「ふぅむ………」

「私、水族館好きなんです。色んな生き物が居て、ロマンティックで……」きゃっ きゃっ

「あ、あの~………」

「2枚っすか」

「石上君?」

「じゃあ四宮先輩、僕と行きます?」

「えっ」

「四宮先輩には、勉強を教えてもらったり恩義がありますから。こう見えて僕結構詳しいんですよ。魚」

「そうなんですか」

 

「凄いっすよ。僕の教えテク……」

 

「」ドキッ

「えーと………」

いや待て石上。魚はお前の方が詳しいかもしれん。だが、ペンギンなら俺だ」

「会長……」

 

「飛べない鳥のロマンを教えこんでやる。骨の髄までな」

 

「っ!!」キュンッ

「「四宮(先輩)」」

 

「俺と石上、どっちを選ぶんだ?」

 

あの~、三人とも?

 

「どうしてここまで影響されるんだよ………」

 

はぁ、まさかここまで恋愛ムードになるとは………

もう1時間もこんな感じの空気だよ………

恋愛漫画1つでここまでなるか?

もう、この流れのまま告白しねぇかな、二人

それと、今日はもう帰りたい

この空気、キツイ………

 

「いやぁー、白鵬強いですねー」

「そうだな。白鵬、強かったな。それじゃ、俺はこれで」

「どうかしたんですか~?」

「ちょっとした用事だ。じゃ、また明日」

「そうですか。バイバーイ」

 

藤原が居てもどうとでもなるだろ、多分

俺は俺のやりたいようにやらせていただきますよ

 

《~~崇宮君、移動中~~》

 

たぶんこの辺に居ると思うんだけどな~

お、いたいた

 

「翼君、今時間ありますか?」

「崇宮さん、なんかあったんすか?」

「いや、少し相談がありまして」

「オッケーっす。とりあえず、俺らの部室行きましょうか」

「え、他の部員がいるんじゃないんですか?」

「今日はオフなんで部室は誰もいないんで、大丈夫ですよ」

「そうですか。じゃ、よろしくお願いします」

 

《~~一方その頃~~》

 

はぁ~、不安だなぁ~

 

「どうしよっかな~~………」

「何かあったんですか?」

「わひゃっ!?か、柏木さん?」

「初めまして、早坂さん」

「………こんにちは」

 

び、びっくりした~………

柏木さんって確か彼氏いたよね?

だったら相談してみるか

でも、この人一回誠君を誘惑してるんだよね……

信用して良いんでしょうか?

 

「そんなに警戒しないでくださいよ。私は別に崇宮さんを誘惑したくてあんなことしたんじゃないんですから」

「本当にそうなんですか?」

「ほら、崇宮さんって結構脇が甘いじゃないですか。誰にでも平等に優しくし過ぎる所とか」

「それは誠君の美点です」

「それはそうなんですけど。後、あまり女性に耐性無いようでしたし。そういう人って危険ですから」

「まぁ、それは一理ありますけど………」

 

だからってあれはないでしょう!!

あんなのダメだよ!!

 

「だから、忠告も兼ねてやったんですけど……。でももう少しやり方があったのは事実ですね。そこは謝罪します。すいません」

「いや、それはいいんですけど………」

 

悪気は、ない………のかな?

わかんないけど、とりあえず信用してみる?

このまま考えても仕方ないし

相談してみるか

 

「それで、悩んでいるようでしたけど。何かあったんですか?私でよければ相談に乗りますよ?」

「いや、たぶん柏木さんじゃないとダメだと思う」

「そ、そうですか。それで、その内容は?」

「実は──────」

 

──────────────────────

 

「デートのやり方がわからない?」

 

あ~、やっぱりそうなる?

 

「恥ずかしい話なんですが、何回か彼女とお出掛けはしたのですが。その、そういう施設に行くのは初めてでして……」

「それで、どうしたらいいかわからない、と?」

「はい、その通りなんです………」

 

一回目は買い物とゲーセンだったから特に問題なしで、二回目は色々あったから、結局、娯楽施設でのガッツリデートってのは今回が初めてなんだよな

 

「何回かデートしてるんですよね?」

「まぁ、二回位ですけど」

「その内容は?」

「それは───────」

 

──────────────────────

 

「えぇっ!?二回目のデートで温泉旅行!?しかも一緒に入った!?」

「おっきな声で言わないで!!私もいま後悔してるんだから///」

「あ、それはすいません。でも、良く温泉旅行なんて行きましたね。襲われるとかって考えなかったんですか?」

 

お、襲っ………!?

 

「それは、その、誠君は同意無しにそういうことしないし………///」ブツブツ

「随分信頼してるんですね。崇宮さんの事」

 

信頼って………

 

「そりゃ、彼氏なんだから信頼するよ。もしかして、柏木さんはそうでもないの?」

「そんなことないですよ。私も翼も、お互いの事信じてますから」

「うらやましいな~。そういう関係」

 

私も誠君ともっと信頼し合いたいなぁ

まぁ?きっとなれると思うけどね!!

って、そうじゃなくて!!

 

「それで、どうしたらいいと思う?」

「う~ん………。どうしたらいいか、かぁ」

「やっぱり、初めてだからさ、楽しんでもらいたいの」

「なるほど……。あっ、そうだ」

 

何があるんだろう?

普通のデートってわかんないんだよね

あんまり恋愛物とか読んでないし

そういうの読むべきなのかな?

 

「魚の名前を覚えるとかどうでしょう?」

「魚の名前?」

「そうです。覚えて行って、話してみて、興味がなさそうなら話を変えればいいんですよ」

「なるほど………」

 

それだったら私にもできるかな?

誠君、楽しんでくれるといいな~

 

「そういえば、柏木さんは最近どうなの?田沼君と」

「えっ?最近?そうだな~。例えば─────」

 

──────────────────────

 

「なるほど。そういえば崇宮さん。早坂さんは魚とか詳しいんですか?」

「いえ、そんな話は聞いたことないですけど?」

「じゃあ、魚について色々教えてあげれば良いじゃないですか!!」

 

いや、それも考えて、準備もできたんだよ?

でもさ

 

「それって、引かれる可能性があるじゃないですか?」

「そういわれてみればそうですね。じゃあ、珍しい柄の魚とか、彼女が気になった魚を教えてあげて、興味があまりなさそうなら別の話題を変えればいいじゃないですか」

「なるほど、それなら彼女と楽しめますね」

「それにしても、うらやましいな。初々しくて、楽しそうで」

 

ん?翼君、何言ってんだ?

もしかして、柏木さんと喧嘩でもしてるのか?

 

「喧嘩でもしたんですか?」

「いやいや全然。寧ろこんなにうまくいっててこのままどうしようかな~、って感じで~」

「そうなんですか。それは良かった」

 

なんだ、喧嘩じゃないのか、良かった良かった

でも、さっきの話を聞く限り、何か悩みでもあるのか?

 

「柏木さんとの関係で何か思うことでもあるんですか?」

「いやぁ、悩みって程じゃないんですけど。最近、渚が黙ってることが多くて……」

「何かしたんですか?」

「いや、思い当たる節はいくつかあるんですよ。でも、全部違うって言われて、もう俺どうしたらいいか」

 

柏木さんがずっと黙ってるねぇ………

彼女の性格上、たぶん翼君が浮気とか、愛を感じないはない

だってあの人絶対翼君がゾッコンだって自覚してるし

じゃあ、なんだ?

 

「とりあえず、時間と距離を置いて見たらどうです?」

「どうしてです?」

「お互いに何か思うことがあって話しづらいなら一度客観的に物事を整理する。これがいつも自分のやっている手段で………」

「どうかしました?崇宮さん」

 

待てよ、ゾッコンだって自覚してる、翼君はこんなに良い子、夏休み明けからの態度からして彼女の要望には尽くすタイプ…………

もしかして、いやないよなぁ………

 

「いえ、1つ仮説が浮かんだんですけど流石にあり得ないので。とりあえず一度客観的に整理してみましょう」

 

まさか、な………?

 

──────────────────────

 

「へ?今なんて?」

「だから、私、翼に結構わがままなことたくさん言ってるんですよ」

「うん」

「彼、全部受け入れてくれて」

「うん」

「でも!怒るときはちゃんと怒って欲しいの!」

 

なるほどね

 

「わかるよ、柏木さん。その気持ち」

「え?わかるの?」

「うん。でもね?きっと、田沼君はホントに無理とか駄目とか思ったらきっと止めてくれると思うよ?」

「どうしてそう思うんですか。翼のこと、よく知らないくせに」

 

うっわ、すっごいトゲのある言い方

柏木さんも田沼君にだいぶ惚れてるんだね

 

「だって、田沼君は柏木さんにゾッコンだから」

「ゾッコンだったら尚更止めてくれないんじゃ」

「違うよ。確かに私は田沼君を誠君から聞いたぐらいでなにも知らない。けど、誠君の人をみる目は確かだから。その誠君がいった言葉だから、私は信じてる。田沼君はゾッコンだけど柏木さんが道を違えそうなら、必ず止めるって」

「翼が、私止めてくれる」

 

うん、きっとそう

だって、誠君の言葉だもん

彼、人と関わってから、その人の内面を見抜くのは大得意だから、きっとそう

 

「そうだよ。だから、きっと、怒るときはちゃんと怒ってくれると思うよ?」

「でも!私だけ怒ってるのは一方的だから嫌で。そう考えるとイライラしてきちゃって」

「なるほどね。私でよければこのまま愚痴聞くよ?優しすぎる彼氏を持つもの同士、共感できる部分も多いだろうし」

「そうですか?なら付き合ってください。だいたい翼はいつも──────────」

 

ここから3時間近くずっと愚痴を聞かされた

途中途中でどっちの彼氏のここがいい、私の彼氏の方が優しいで激突したけど

なんだかんだ、渚さんとは仲良くなれた

警戒してたのがバカみたいだよ

 

《~~一方、彼氏sはというと~~》

 

「なんかすんません。崇宮さんの相談に乗る筈が、俺の相談に乗ってもらって」

「気にしなくていいですよ。今日相談に乗ってもらったお礼みたいなものですから」

 

結局、何で柏木さんが怒ってるのかはわからず仕舞いだし

ホントに気にしなくていいんだよな

 

「それじゃ、俺はこっちなんで」

「そうですか。では、また明日」

「さいなら~」

 

とりあえず、帰ったら

水族館にどんな魚がいるか、周辺にどんなお店があるかのチェックだな

初めての娯楽施設デート、楽しませるぞ~!!

 




どうだったでしょうか?『従者二人は楽しませたい』

なんだかんだ、ほぼ週一で投稿出来ているのに驚いています
まぁ、ここから投稿できないかも知れないですけど

受験勉強の息抜きに書いてるので、次の投稿がいつになるかは休憩中の筆の乗り具合で変わってきます

次回は、水族館デートの予定です
それでは、また次回


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従者二人♡アクアリウムpart1

今回は、予告通り崇宮君と早坂さんのデートです

お待たせしました
そして恐らくですが、またしばらく書ける自信がありません

UA36000超えありがとうございます!!


それでは『従者二人♡アクアリウム』どうぞ


早坂との、ある意味で初デートだな………

 

緊張するなぁ~~~、うへへ~~

 

予習はちゃんとしたし、まぁ、大丈夫だろ

さ、今回はバイクで来いってことだし

そろそろ行くか

 

「ふぅ……。それじゃ、行ってきまーす」

 

《~~崇宮君出発後、崇宮家にて~~》

 

「響也さん、響也さん」

「どうしたんだ?玲香」

「誠君、最近楽しそうですね」

「ハハッ、そうだな。あんなに楽しそうなのは久しぶりだな」

「ちょっと前まで、誰にも素顔を見せなかったのに、本当に子どもの成長は早いですね」

「そうだな………。俺たちはあいつの居て欲しい時に側に居てやれなかった。その間にきっとたくさん良い経験をしたんだろうさ」

 

響也さん………

そうよね、私たちは誠君が小さいとき、つまり一番親に甘えたい時期に本能的少ししか一緒に過ごせなかった

仕事に……いや、四宮の方々を見返す事ばかり考えて、彼と向き合えなかった

彼の事は昴に任せきりで、ね………

その分、余裕の出来た今を家族らしく過ごしたいわね

 

「玲香?どうした?難しい顔をして」

「なんでもありませんよ。所で響也さん」

 

でも

 

「ん?なんだ」

「少しお出かけしましょうか」

「本当か!?今すぐ準備してくる!!」バタバタ

「もう……。どこ行くのかも決めてないのに……」

 

息子が居ないとき位、たまには私も、良いですよね?

 

 

「準備できたぞ!!で、急にデートの誘いなんてどうしたんだ?」

「その、誠君のあの姿を見ると、なんというか、そういう気分になったんです///」

「ハッハッハ!!そうかそうか。玲香でもそんなこと思うんだな」

 

失礼な!

私だって色々我慢してるんですよ!!

とりあえず、響也さんが乗り気になってくれて良かった………

断られるの、結構辛いですからね

 

「行く場所は決まってないみたいだが、行くか。玲香」

「はいっ!!行きましょう!!響也さん!!」

 

さぁて、今日は久しぶりのデート、楽しむぞ~~♪

 

《~~所変わって、四宮別邸~~》

 

「かぐや~。服装こんなので良いと思う?」

「良いと思いますよ?」

「それじゃ、これで行こっかな」

 

それにしても…………

 

「どうして会長のお誘いを受けなかったんですか………」

「だ、だって、あのときはあれですごい幸せだったから、それで、そのぉ………」

「異性を誘うのって、結構勇気いるんですよ?」

「だ、だってぇ………」

「この期に乗じて付き合わないでどうするんですか。会長、他の子と付き合うかも知れないですよ?」

「どうして………そんなこと言うの………?」

「あー、はいはい。すいません。言い過ぎましたからそんな顔しないでください」

 

そんなこの世の終わりみたいな顔されたら追及出来ないじゃん………

それにしても会長さん、報われないなぁ………

それに、これが転機になってあわよくば、とか考えてたけど

考えが甘かったな~

 

「愛さん。最近あなた、私に呆れてるときと必要な報告の時は敬語になるわね」

「両方とも癖みたいな物だよ。それが嫌なら、呆れさせないで」

「それはわかっているのだけれど……。はぁ~~、ホント、どうして断ったの~?私ぃ~」

 

ホント、どうして断ったの?

全く、こうやって世話が焼けるから手伝いたくなるんだよねぇ

 

「もう過ぎたことは割り切ろ?次に誘われたら、今度は行けるように、今度練習しよ?ね?」

「次があるかわからないじゃない!!何を余裕のあることを言ってるの、このおバカ!!」

「」カチンッ

「あなたはいいでしょうよ!!誠って彼氏が居て、余裕があるんですからね!!」

 

黙って聞いてれば、人の気も知らないで………!!

 

「かぐやが凹んでるから慰めてあげようとしたんだよ!?なのになんなの!?その言い方」

「実際そうじゃない!!でも、私は違うのよ。もしこれで会長が誰かと付き合ったら………」

「だったら自分から告ればいいじゃん!?」

「だから、そういうのじゃないって言ってるでしょう!?ホントにわからない子ですね。あなたは」

 

私がわからない子!?

絶対かぐやの方でしょ!?

いつまでも、いつまでも自分の気持ちを認めないで……

 

「大体、あなたが最近出す案は全部両想いが前提でしょう!?」

「だって、そうじゃん!!二人とも両想いじゃん!!」

「だから、仮に会長が私にゾッコンでも私はそうじゃないと何度も言ってるでしょう!?どうしてわからないの!!」

「そうは見えないから言ってるの!!いい加減認めなよ!!」

 

なんでそこまで素直になれないの!?

全っ然、意味わかんない!!

 

「どうして素直にならないの!?素直になった方が付き合えるってわかりなよ!!」

「だから、別に好きじゃないって言ってるでしょう!?あなたこそ、いい加減私の思いに気付きなさいよ!!」

「………わかった。もうそろそろ誠君も来るから、行ってくる。それじゃ」

 

もうかぐやなんて知らない!!

誠君と楽しむ!!

 

《~~早坂さん、移動中~~sideチェンジ崇宮君》

 

っし、到着っと

さて、早坂が出てくるまでゆっくりするかな

お、早いな。もう出てきた

 

「おはよ、愛」

「……おはよう。誠君」

 

ん?なんか、ご機嫌斜めじゃね?

もしかして、体調でも悪いのか?でも、顔色は良いし………

聞いてみるか

 

「愛、もしかして体調どっか悪い?」

「全然そんなことないよ?さ、行こ行こ」

「じゃあ、良いけどさ」

 

かぐや嬢となんかあったのか?

でも、あんまり聞くのはなぁ………

とりあえず、デート楽しませて、自然に話し出すの待つか

 

《~~従者カップル移動中~~》

 

「そういえば誠君」

「ん?」

「ネックレス付けてくれてるんだ」

 

あ、そういえば付けてるな

慣れたから忘れてたけど

 

「まぁな。折角のプレゼントだし、大事にしたいってのはあるけど、俺は付けて見せつけたい派だからさ。ダメか?」

「へ、へぇ~。全然私はいいけどさ~///」

「照れんなって」

「て、照れてないし!!///」

 

ホント、かわいいな~うちの彼女

さ、そろそろ付くな

っと、信号だな

 

「愛、そろそろ着くぞ」

「ん、わかった」

 

さて、翼くんの相談を生かせるだろうか………

不安だ

 

《水族館到着~~side早坂愛~~》

 

ふぅ~~、落ち着いて、落ち着いて……

さっきの不意打ちでだいぶ乱れちゃったけど、大丈夫、大丈夫

私には柏木さんのアドバイスがあるからねっ!!

 

『まずは、自分が感じた彼の変化とか、服装に対して思ったことを言ってみたら?』

 

「さて、ちゃんと駐車もしたし。行くか………。愛?」

「ま、誠君!!」

「おう、なんだ?」

「その、今日もかっこいいよ。その服装もよく似合ってると、思う///」

 

くぅ~~っ!!恥ずかしいよぉ………///

誠君、喜んでる………かな?

 

「」チラッ

「………っ!!あ、あぁ、ありがとう。愛も、似合ってるよ///」

「ありがとっ!!」

 

良かったぁ~~

喜んでくれたよ~~

柏木さん、ありがとう!!

私、貴女とすごく仲良くなれそうだよ!!

 

「それじゃ、行こ?誠君」ギュッ

「わわっ!!引っ張るなって!!」

 

ふんふふ~ん♪たっのしみだなぁ~~♪

 

《~~従者カップル移動中~~》

 

初めて来たけど……

良いね、こういう場所憧れてたんだよね

私がこんな事出来るなんて、思ってなかったから……

一生夢だと思ってた

 

「ていっ」ピシッ

「いてっ」

「んな、悲しい顔しなくてもこれは現実だし、これからもっと実現させてみせるよ」

「誠君………」

 

やっぱり誠君は最高に優しいしかっこいいよ

認めようとしないけどね

自慢の彼氏だよ、ほんとに

 

「まぁ、まずはあの二人を付き合わせて俺らのフリーの時間を増やすのが先だけどな」

「そうだね。それにしてもさ」

「ん?」

「誠君ってなんか変わったよね」

「どうしたんだ?急に」

「なんか最近前より格段に優しいし、それになんか声色が落ち着くというか、側に居ると落ち着くというか………。う~ん、なんか、しっかり言えないけどそんな感じ」

 

だって、初めて会ったときは本当に四宮の関係者なの?って思うぐらいには雰囲気が荒れてたし

それはかぐやの付き人になる頃には気にならなくなったけど、ここまで周りを落ち着かせる雰囲気も纏ってなかったんだけど………

私は今の方が好きだから全然良いけどさ

 

「たぶん、それは色んな理由があると思うぜ?」

「色んなって、どんなの?教えて欲しいな」

「ん。まず、優しくなったってのと声色が落ち着いているのは、愛が彼女だからっていうのと、彼女が出来て心に余裕ができて、そのお陰で周りを見れるようになったからだと思う」

「なるほど………」

 

確かに私も誠君が彼氏になったお陰で今まで以上にみんなと話せたり、私の勝手な体感だけど周りを見れるようになった気がするし、そういう事か

 

「あ、でもたぶんだけど、側に居て落ち着くっていうのは愛が俺に気を許してるんだと思うぞ?」

「え、どういうこと?」

「いや、だってそうだろ。愛、気づいてないかも知れないけど、俺と居るときだけ結構気が抜けてること多いし、何より俺、居るだけで落ち着くとか言われたことないしな」

 

え、じゃあなに?

私が誠君が好きだから一緒に居て気を許して落ち着いてるってこと?

つまり今私すごい恥ずかしい事言ったってこと!?

 

「うぅ~~///」

「まぁ、俺としては嬉しい限りだけどさ」

「え、な、なんで?」

「それだけ俺を信頼してくれてるって勝手に俺のなかで意訳してるからだよ」

 

誠君………

意訳なんかじゃないよ

私、誠君の側に居る時間がかぐやの惚気話以上に楽しくて大好きだから

これからもっと、愛情表現していくね

 

「えいっ」ダキッ

「うぇっ!?ちょ、愛!?いきなりどうしたんだ?」

「えへへ~、誠君が私の気持ちをよくわかってくれてるのが嬉しくて、ね?」

「まぁ、愛が周りの目が気にならないなら別にいいけど………///」

 

んふっふ~~♪今は気にしないもんね~~

さて、それじゃ

 

「そろそろオープンだね」

「そうだな。じゃ、楽しむか」

「うんっ!!」

 

水族館デート、スタートー!!




とりあえず、完成した部分まで

これから本格的に受験勉強&水着イベントetcで書く時間の確保が難しくなりそうなのでとりあえず今の所イメージが固まった部分まで投稿しました

必ず帰って来るのでこの作品を気長に待って頂けると嬉しいです

そして、キャストリア当たりました
そして育成もなんとか終わりました
システム鯖がほしい………
水着巴御前辺りがアーツぶっ壊れ宝具になって来ないかな………なんて


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従者二人♡アクアリウムpart2

お待たせしました!!

ようやく、終わりましたよ………
これからは頑張って投稿したいと思います!!
それと、お気に入り350件&UA45000突破ありがとうございます

あと、少し文章がおかしい可能性があります
中々書く時間を設けられず感覚を忘れている可能性があります、申し訳ない………

さて前書きが長くなりましたが
今回は、前回に引き続き二人の水族館デートです

それでは、どうぞ


《~~水族館ゲートにて~~》

 

あ~………

あれから、たぶん10分位たったと思う。たぶんだけど

 

「誠君?どうしたの?」

「ん、いや、ちょっとな」

 

周りの目がすごいんだよなぁ………

すっげぇ恥ずかしい

嬉しいんだけどさ

 

「はぁ、恥っずぃ………」

「へぇ~、恥ずかしいんだ~」ニヤニヤ

「恥ずかしいよ。ホント」

 

あ~~!!

早く開かないかな~~!!

 

《sideチェンジ~side早坂愛~》

 

なかなか開かないな~

なにか話題~~……

あっ、あった!!

 

「あ、そうそう。誠君ってさ、柏木さんの事どう思う?」

「ん?なんだよ急に。そうだなぁ………」

 

どう思ってるんだろう

私は、頼りになる恋愛の先輩?で仲良くなれそうな印象だったけど

誘惑されてたからなぁ………

もし、色っぽいとか言われるとちょっと妬いちゃうなぁ

 

「一言で言うなら、怖い、かな」

「怖い?」

「おう。なんというか、言葉には言い表せないけど。怖いんだよな。あと、時折すごい危険だ、って思うときがある」

 

危険、か………

 

「それって、どういう危険?」

「なんだろうな。でも、惚れるとは思わないな。あ、後、愛とは相性いいと思うぜ?」

「そっか………」

 

 

得体の知れない危険てっことか

私と相性がいい、か………

それってつまり、私が危険ってこと?

 

「誠君、私を危険視してるんですか」

「んあ?あ、いや、そういう所が相性が良いんじゃなくて………。え~っと、なんて言うんだ?なんというか、確証はないけど、悪い意味じゃないってのはわかって欲しい」

 

まぁ、誠君が言うなら信じるけど

あ、開いたみたい

 

「開いたみたいだし行こうか」

「うん。楽しみだね」

「そうだな」

 

それじゃ、楽しもう!!

 

《従者二人、水族館に入り~side崇宮誠~》

 

いやぁ~~、山ほどいるな~、当たり前だけど

愛は、どんな魚が気になってるんだろ?

 

「誠君、いっぱい魚いるね」

「そうだな」

「綺麗だね」

「そうだな。すっごい綺麗だな」

 

見惚れてるなぁ………

こりゃ、魚の種類覚えなくても大丈夫だったかもな

なんだかんだ、どうにかなりそうだな

 

「さ、他の所見に行こ!!」

「へいへい。そんなに急がなくても魚は逃げねぇよ」

 

ん?なんか視線感じるな

ん~、誰もいないな

気のせいか、それとも

 

「知り合いか?いや、いるはずないか」

 

さて、見失わないうちに愛を追うか

 

《~~崇宮君が移動して~~》

 

「よし、行ったな」

「会長」

「なんだ?石上」

「時々思うんですけど。先輩ってホントにただの人間なんですか?」

「あいつは普通じゃない部分もあるが人間だぞ?確かに、異常な程に勘が鋭かったりはするがな」

「いや、鋭いにも限度ってものがあるでしょ。なんで500m近く後方の僕らの視線に気付けるんですか」

「そんなことは今はいいだろ。それより、誠を追うぞ。石上」

「了解です」

 

《白銀石上コンビも来ていたのでした》

《一方、崇宮君たちは………》

 

「誠君、誠君!!きれいだね!!」

「おう、そうだな」

 

愛、すっげぇ楽しそうだな

最初はちょっとご機嫌斜めだったが、なんかあったんかね?

タイミングがあれば聞いてみるか

 

「誠君は楽しい?」

「ん?楽しいけど?」

「どこか見たいところある?」

 

ふ~む、見たいことろ……ねぇ~

あ、そうだそうだ

 

「んじゃ、ペンギン見に行きたい」

「よし、じゃあ行こっか」

「いいのか?」

「何が?」

 

いや、何がって………

 

「あ~、そういうこと。大丈夫だよ。私は見たところはだいたい見れたから」

「そっか。んじゃ、頼むわ」

「うん!さ、ペンギン♪ペンギン♪」

 

ノリノリだな

まぁ、つまらなさそうに居るより100倍ましか

………………ん~と、あれで隠れてるつもりなんか?

はぁ、全く、尾行するならもっとましな方法があると思うけど………

 

「まぁ、指摘するのも面倒だし。愛が気づいたらにするか」

「どうしたの~?」

「ん?いや、何でもねぇよ。悪い、さっさと行こうか」

「ペンギン♪ペンギン~♪」

 

愛の奴、ホントはどこでもいいんじゃねぇの?

楽しそうだから別にいいけど

さてと、御行、ちゃんと見てろよ?

どこにどのペンギンがいるとかな

かぐや嬢と行くときにミスらないように、な

 

《~~崇宮君&早坂さん移動中~~》

《一方、白銀石上ペアはというと………》

 

「会長、男二人でも中々楽しいですね」

「そうだな………」

 

誠の奴、どうしてペンギンなんだ?

別に興味があるってこともないだろうに………

まさか、俺のために?

 

「どうしたんすか?会長」

「いや、なんでもないぞ。石上」

「そうですか。じゃあ、早く先輩たち追いかけましょうか」

「そうだな。バレないように注意しながらな」

「わかってますよ。さっき、あの人の勘の鋭さは恐ろしかったんで注意しますよ」

 

いやいや、まさかな

これだけ注意してるんだ

気づかれてることはないだろ、さすがに

 

《案外、水族館を楽しみながら尾行しているのでした》

 

「わぁ~!!誠君見て見て!!赤ちゃんいる~!!」

「おぉっ!!ホントだ。かわいいな」

「ホントかわいい~!!モフモフしたい」

 

そうだな

かわいいな~、モフモフしたいな~

 

「っ!?」ゾクッ

「どうしたの?急に身震いして、何かあった?」

「いや、なんか急に寒気が………」

 

なんだ急に、風邪か?

それとも、猫たちの嫉妬か?

う~む、後者っぽいな

ごめんよ、愛しの猫たち

お前らを裏切ったりしないから安心してくれ

 

「ホントに大丈夫?風邪だったりしない?」

「いや、最近風邪気味だったわけでもないし、ホントに心配しなくて大丈夫だよ。さ、そろそろ時間だし、お昼にするか」

「そうだね。じゃ、フードコーナー行こっか」

「おう」

 

《一方、いまだ尾行中の二人はというと……》

 

「会長」

「なんだ?石上」

「もう止めませんか?これ」

「どうしてだ?」

 

急にどうしたんだ?石上の奴

お前も結構ノリノリで尾行してたのに

 

「なんですかね。僕自身は、先輩と結構仲良いと思ってるんですよ」

「ほう」

 

まぁ、確かに誠はあまり遊びに行くとか、そういう関係になるのを避けてるからな

本人曰く『あまり深く関わるといつもの仮面が剥がれるんですよ。だから、あまり他人と学校の外で関わるような関係になりたくないんですよ』って言ってるが、あれは素の自分が他人に受け入れられないのが怖いんだろうな

 

「ほら、僕と先輩ってゲームで仲良くなったんですよ。だから、結構実際に会ってゲームとかも、わりとやってるんですよ」

「そうだな。二人からはその手の話題は結構聞くな」

「それで、今の先輩の顔って。一緒にゲームしてるときとか、生徒会活動してるときと同じかそれ以上に楽しそうなんですよ」

 

そうだな

確かに、今の誠は楽しそうだな

 

「そうだな」

「なんか、変なんスけど、ああいう先輩を見たら満足しちゃって。もういいかってなったんです」

「そうか」

 

そうだな

よくよく考えれば、早坂さんと四宮は別人

あの二人のデートから何か見いだせるかと思ったが、やはり本人じゃなきゃダメだな

 

「なんか、言葉足らずですいません。でも、僕はこう思ったんで、失礼します」

「まぁ待て石上」

「なんです?」

 

ありがとうな、石上

 

「今日付き合ってくれた礼がしたい。昼飯、奢らせてくれよ」

「え、いいんすか」

「構わんさ。近くに良いラーメン屋があるんだが、どうだ?ラーメン、いけるか?」

 

お陰で大切な事がわかったよ

 

「ゴチになりまーす」

「それじゃ、行くか」

 

やっぱり、お前は頼れる良い後輩だよ

 

「あ、そうそう」

「ん?どうかしたか」

「今日、結構楽しかったですよ。男同士で行くのも、悪くないですね、水族館(ここ)

 

…………石上、そういうのあんまり言わないほうが良いぞ?

 

「あれ、どうかしたんですか?会長」

「ん、あぁいやなに、ラーメンどれにしようか考えてたんだ」

「あ、それ聞きたいです。会長のおすすめは何なんですか?」

「俺のおすすめは………」

 

まぁでも、楽しそうで良かった良かった

はぁ~~、俺もああいう青春がしたいな、全く………

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

《という様な一幕があり、尾行を終了したのでした》

《さて、フードコーナーに着いた二人は………》

 

「混んでるな」

「うん、混んでるね」

 

しまった、もう昼時か

まずったな~、これを見越して早めにお昼にする予定だったのに

 

「どうする?別の場所っていう手もあるにはあるぞ?」

「此処でいいんじゃない?今から行った所でどこも混んでるだろうし」

 

それもそうか

 

「すまんな。時間、気付かなくて」

「気にしなくていいよ。それ、私にも当てはまるし」

「そうか。じゃあ気にしねぇけど」

 

さて、そろそろ聞いてみるか

 

「「あのさ」」

 

うわ、被った

 

「「そっちからどうぞ」」

 

またかよ

話が進まねぇなおい

 

「愛、先に話せよ。俺はたいした用事じゃないから後でいいよ」

「私こそ、完全に私情だから。誠君がどうぞ」

 

ふ~む、これ、両方絶対に引かない感じだな

じゃあ、お言葉に甘えて、俺から言わしてもらうか

 

「そうか?じゃあお言葉に甘えて」

「うん、どうしたの?」

「今日の朝、かぐや嬢となんかあったんか?」

「え?どうして?」

 

どうしてつったって………

 

「いや、朝ちょっとご機嫌斜めだったからさ。なんかあったんかなって」

「あはは……。なんでもお見通しだね」

「なんでもは見通す自身はねぇよ。ただ、好きな女の事は、見通せるようになりたいんだよ。だから、ちょっとでもいつもと様子が違ったら、今みたいに聞くからな」

 

彼女一人ぐらいなら見通せるようにならないとダメだろ

でないと、本当にデカイ事抱えてるときに、一緒に背負えないからな

もう、愛にあんな辛い顔させたくないしな

 

「そっか……。えへへ、なんだか嬉しいね」

「そうか?」

「うん!じゃあ、話すね。実は───────」

 

《~~早坂さん説明中~~》

《詳しくはpart1の前半をご覧ください》

 

「────ってことなの」

「そういうことね」

 

なるほどなるほど

まぁ、愛の意見がごもっともだよなぁ………

正直、かぐや嬢はフラれて今の関係が崩れるのが嫌なんだろうな、多分だけど

 

「どうしよう。このままかぐやと喧嘩別れになっちゃったら。折角、親友になれたのに………」

「まぁでも、」

「うん?」

「良いことなんじゃね?」

「なにが?私、これでも結構真剣に悩んでるんだけど」

 

俺も結構真剣に考えて思ったこと言ったんだけどな~~

まぁ、これは俺の説明不足か

 

「だってさ。喧嘩したってことは言い合ったんだろ?」

「うん」

「それって、従者の関係じゃできないことだろ」

「あっ」

「つまり、そういうのでぶつかるのって、友達だからこそなんじゃねぇの?」

「確かに………。で、でも、もし、かぐやが本気で怒ってたら?」

 

本気で怒ってたら、ね………

 

「それで、もう関わらないなんて言われたらどうすればいいの?」

 

もう関わらない、か………

 

「言っちゃ悪いが、そんな一時の感情に任せて、どうにかするんだったら、ガキの頃からずっとなんて居られないと思うけど?」

「そっか………」

「気になるんなりゃ、帰って謝ればいいんだよ。友達なんだから、な」

「謝る……。うん、そうするよ!!ありがとう、誠君」

 

なんて事ないよ

愛には笑ってて欲しいっていう俺のわがままでもあるんだから

さて、と

 

「さ、飯、決めようか」

「そうだね」

 

《こうして、二人は注文を決め、席について食べ始めました》

 

「んで、愛の話したいことは?」

「私の話したいことはかぐやとの事。だから、もうなくなっちゃった」

「そっか。じゃあ、昼からはどうする?」

「このまま、此処で魚達を見てよう?」

「そうだな。それじゃ、お昼からはゆっくり見ようか」

「うん」

 

こうして、午後も俺と愛はデートを終えた

お互い、すっげぇ楽しそうにしてたと思う

少なくとも、俺から見た愛の顔は楽しそうだったから

あのあと、愛の心配は杞憂だったようで、翌日には二人とも仲良くしてたよ




と、いうわけでいかがだったでしょうか?
ちょっと雰囲気を変えてみたんですが、どうなんでしょうか?

次回はまだ未定ですが、なるだけ早く出したいと思っています

それでは、また次回まで


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従者二人は診させたくない

お待たせしました!!

今回は『かぐや様は怯えない』『かぐや様は診られたい』の回となります

バレンタインイベントが楽しすぎて、つい

それでは、どうぞ


《ある日、四宮かぐやの私室にて》

 

「かぐや、ホントになにやってるの?」

「な、何がですか………」

「いや、何がとかじゃなくて……、ねぇ?誠君」

「そうだな」

 

「「どうして、御行(会長)を体育倉庫に連れ込んでキスしそうになって、怖くなって伊井野(さん)にしがみついたんです?」」

 

「そ、それは……、そのぅ……」

 

あ~あ~、全く………

体育祭の備品整理に二人で行ったと思ったら、そこでキスしようとして、怖くなってタイミング良く入ってきた伊井野にしがみつくなんて………

そんなの

 

「流石に傷つくだろ」

「えっ…………」

「あ~あ、めんどくさい事になっちゃった」

 

え、俺なんかやっちゃった?

めんどくさい事って………

 

「だ、だって、仕方ないじゃない!!私からしてみれば、ここまで想定してなかったのよ!!」

「は、はぁ…………」

「あ~、私知~らない」

 

えぇ~………

私知~らないって、そんな冷たい事言うなよ

 

「そもそも、普段は億劫な会長が急に分かりやすいアタックを仕掛けて来るなんて予想外で気が動転していたんです」

「でも、事故なんだろ?」

「それは、まぁ………。でも─────」ゴニョゴニョ

 

御行の奴、かわいそうに

御愁傷様だな

御行に聞いといてやるか

 

『御行、今日伊井野からすごい目で見られてたけど、なんかあったんか?』

『いや、まぁ、な。四宮とちょっとな………』

『お前は気にしてるのか?』

『気にはしてるが、四宮とはできるだけ何事もなくいこうとは思ってる』

『ふ~ん。まぁ、もし仮に険悪になったら出来るだけの事はするからな』

『あぁ。頼む』

 

さて、かぐや嬢にちょっとアドバイスするか

 

「かぐや嬢?」

「何ですか?」

「まぁ、只の事故だったんだよな?」

「え、えぇ、そうよ」

「じゃあさ、何て事なかった様に謝って、何時も通りに接する方がいいと思うぞ」

「そうかしら……?」

「そうじゃないと、変に拗れるととんでもない事になるからな」

 

それに、学校生活だってそう長くはないんだから

このまま拗れると最悪そのまま卒業になりかねないもんなぁ

ないだろうけど

 

「そう、ね。そうしようかしら」

「そうするべきだと思うぞ。さて、もう寝る時間ですよ」

「あら、もう?」

「そうだよ。さぁ、寝ましょうね」

「えぇ、わかったわ。二人ともありがとうね。お陰で落ち着いたわ」

「「いえいえ。それでは、おやすみなさいかぐや(嬢)」」

「はい、おやすみなさい」

 

《~~従者二人、移動中にて~~》

 

「誠君、どう思う?」

「どうって?」

「かぐやと会長の事、このまま普段通りにできると思う?」

 

どうだろうねぇ~~

 

「御行の方は普段通りにするって言ってたから問題ないだろうけど、かぐや嬢は数日は微妙だな。ちょっとはおかしな感じになるとは思う」

「会長は普段通りにするって言ってたんだ、良かった………。じゃあ、かぐやもすぐ戻るか」

「たぶんな」

 

かぐや嬢次第だな

………嫌な予感がするな

数日間は気を更に張っとくか

 

「愛」

「な、なに?急に真面目な顔して」

「こっから数日間はいつもより気を張っておいて欲しい」

「………どうしてですか」

「嫌な予感がするからな」

「わかりました。かぐや周辺の警戒を少しきつめにしますね」

「悪いな」

 

普段のかぐや嬢周りの事は俺より、愛の方ができるからホント申し訳ないな

 

「申し訳ない事ないよ」

「え?」

「だって、生徒会の時は誠君がしてくれてるから」

「いや、でも………」

「でももだってもありませ~ん。はい!!この話終わり!!」

 

……………

 

「そんな申し訳ない顔しないで、ね?」

「………わかったよ」

「うんうん。で、何の話してたっけ?」

「柏木さんと翼君がどうこうっていう」

「そうそう!!それで渚がね─────」

 

《そうこうしている内に玄関に着き》

 

「もう玄関か。それじゃあね、誠君」

「あぁ。本当に助かるよ、愛」

「大丈夫だよ」

「それじゃ」

「うん」

 

さて、今日は帰ってゲームせずに寝るか!!

 

《数日後、生徒会室にて》

 

かぐや嬢、ほぼほぼ通常運行に戻りつつはあるけど

まだちょっと、って感じだな

あと2、3日で戻るか

 

「ん……」

「どうかしたか?」

「いや、四宮」

「どうしました?会長」

「髪に糸屑ついてるぞ」

「え………。どこですか」

 

かぐや嬢、らしくねぇな………

 

「ほら、ここに」ついっ

「あら………。本当に」

 

なんか、おかしいな………

 

「こんなものにも気づかないなんて私ったらなんだか最近、少し、調子が……」フラッ

 

っ!?

 

「かぐや嬢!!あぶねぇ!?」ガシッ

「うぅ………。胸が………」

 

こりゃ、ちょっとまずいかもな

 

「御行!!救急車!!」

「もうやってる!!」

「優は陸部だったよな!!医務室で先生呼んでこい!!」

「は、はい!!」ダッ

「か、かぐやさん?」

「し、四宮副会長?」

 

息はしっかりしてる、脈が早いな

詳しいことは一切わからんが、とりあえず、ソファで寝かすか

それと、身体を締め付けているものは、してないな

あとは二人だな

 

「二人ともしっかりしろ!!」

「で、ですが……」

「で、でも……」

「お前らがそんなんだとかぐや嬢に悪い!!ダチなら語りかけてやれ!!いいな!!」

「「は、はい!!」」

 

っし、大丈夫だな

 

「かぐやさん、頑張って下さい!!私、まだお別れなんて嫌です」

「副会長、私もまだ、あなたの事もっと知りたいです。だから頑張って下さい」

「先輩!!呼んで、来ました」ハァ…ハァ…

「何があったの!?」

 

さて、後は、医務室の先生に任すか

 

《~~少しして~~》

 

ピーポーピーポー

 

「ん、来たか」

「誠………」

「どうした?」

「お前は、行くのか?」

「あぁ、お前らよりは冷静だからな。事情を説明してくる」

「頼むっ……!!」

 

頼むつってもなぁ………

 

「後は、医者の仕事だ。俺にはどうにもならんし、絶対に無事と言い切る事もできない」

「っ!!」

「だがな、もし何かあったら。それは対処して、指示を出した俺の責任だ。お前らが責任を感じる必要はない」

「そんなこと………」

 

こう言っても、責任感じるだろうけどな

今は、何もないことを祈るだけだな

 

「それじゃ、行ってくるわ」

「あぁ………」

 

さて、っと、愛から電話か

 

『誠君、かぐやはどう?』

「今はなんとも、そっちは?」

『私は、今救急車に乗せてもらったところ、そっちは?』

「今、かぐや嬢と向かってる。そろそろ着く」

『あ、見えた』ピッ

 

思ったより冷静だな

………違うな、気を張って泣かないようにしてるんだろうな

自分が泣けばかぐや嬢が不安になるから

 

「あなたも同行するんですね?」

「はい。お願いします」

「わかりました。それでは、出ます」

 

かぐや嬢、なんともないといいんだがな………

元々、あまり身体が良くなかったみたいだからな

大丈夫だろうか

 

「誠君、かぐやはどうだった?」

「突然、フラッと倒れたよ」

「そうなんだ………」

「あぁ………」

 

愛………

かなり参ってるな

どうすれば良いんだ………?

 

「かぐや、大丈夫かな…?」

「正直わからん。でも、俺達は信じるしかない」

「そう、だね……」

「ん、ぅん………」

 

「「っ!?かぐや(嬢)!!」」

 

「愛さんに、誠……?」

「病院に着きました!!お二人も着いてきて下さい」

「「はいっ!!」」

 

《~~処置室にて~~》

 

かぐや嬢、だいぶ落ち着いてきたように見えるな

 

「かぐや嬢、大丈夫か?」

「わかりません。今から検査してみてでしょう」

「そうだな」

「お待たせしました」

 

田沼正造さんか

この人なら、安心して見てもらえるな

小児心臓バイパス手術の第一人者として知られるゴッドハンドだからな

 

「どういった症状なのでしょうか?」

「不整脈というのでしょうか。突然心臓が激しく鳴り出し、時折、死んでしまうのではないかと思う程胸が痛くなって………」

「ほう………」

「やはり……。何かの病なのでしょうか………」

「ふむ………」

 

どうだ………?

 

「お話を伺い、大体の所はわかりました。四宮さん、いいですか。慌てずに聞いてください」

「はい………」

 

「それは恋の病でしょう」

 

…………うん?

ちょっと待って?

 

「………それは、何かそう呼ばれている心臓病などがあるのでしょうか?」

「いや、普通に好きな人にドキドキする感情の事です」

 

「「────────」」

 

「お医者様でもご冗談を仰るのですね」

「冗談ではないのです」

「でしたらなんですか!?私は恋のドキドキで倒れて救急車に運ばれたと!?」ぐわっ

 

………………

 

「はい。私も医者を30年やって初めての出来事に少し動揺しています」

「馬鹿を仰らないでください!私は恋される事はあっても、恋に落ちるなんて無様な真似をする筈ありません!」

「天邪鬼な子だな」

「最近はツンデレって言うんです」

「ちょ、ちょっt「お話を整理しましょう」

 

チョットマテェ!!

 

「学校の活動で特定の人物の事を考えると鼓動が速くなると」

「はいそうです」

「それで、今日髪に付いていたゴミを彼が取ってくれて、頬に少し手が触れたタイミングで、胸に突然キュンキュンとした痛みが走り………。息も出来なくなると」

「だからそう言ってるじゃないですか!?」くわっ

 

この問答地獄すぎない?

あ、愛さんはどうなんでしょうか?これ

 

「……………っ///」

 

あ、ダメそう

 

「愛、大丈夫か?」コソコソ

「もうやだ………。誠君、一緒に外で待とう?」コソコソ

「ん、わかった」コソコソ

 

「愛さんも何か言っt……愛さん!?」

「私と誠君は外で待ってますので終わったら、呼んでください」ぅぅぅぅぅぅぅ

「ま、誠……?」

 

いや、そこで俺にふられても………

 

「これは仕方ないわな。諦めてくれ」

「もう耐えきれない………。私だってこの病院使ってるのに、もう来れないですよ。マジ最悪………」はぁぁぁぁぁぁぁ

「な、何だって言うのよ二人とも」

 

何だって言うのよって言われましても………

認めたくない事実を突き付けられてるのを見るの辛いんですよ

それに、それが病院で尚且つ救急搬送ですよ?

ちょっと考えればわかるでしょう………

 

「とにかく!もっとちゃんと調べてください」

 

《そうして、検査室へと移動し》

 

「これは、ウチでも一番新しい測定装置です。先端医療ですので、医療費は相当高くなりますが宜しいのですね?」ウィィィィィン

「自分の命と比べれば安い出費です」

『計測終わりました』

「どう?」

 

『とても綺麗で健康な心臓してます』

 

「そんな筈ない!!穴の一つや二つ空いてる筈です!!」

「だったらもう死んでるかな」

 

………もうやだ

 

「じゃあなんですか!私は顔を触られた位で倒れる程ドキドキしたって言うんですか!」

 

もう認めようよぉ…………

 

「確かに多少は嬉しかったですが、それで倒れるなんて私は会長の事が死ぬ程大好きって事になるじゃない!」

「因みに向こうの彼かな?」

「何を仰ってるんですか?彼は別にかっこ良くないです」

 

《その頃、見ている側は》

 

『彼は別にかっこ良くないです』

 

ぐふっ、う、うっせぇやい!!

なんでそんなこと言われないとダメなんだよ!!

自分かっこいいと思ってる訳じゃないけどさ!!

 

「もうやだ……。俺外居る」

「誠君大丈夫、誠君はかっこいいよ。だからここで一緒に居よ?」ダキッ

「…………」

「ほら、ね?誠君、もうすぐ終わるから。ね?このままでもいいからさ?」

「………ぅん。このままで」

「うん、いいよ」

 

はぁ~~~~、癒される~~~~

 

《崇宮君はリタイアにて、早坂さんに》

 

「すいません。イチャイチャしているところ悪いのですが。患者さん、お似合いと言われて心拍数が200オーバーです。凄いバクバク言ってます

「もうやめてもらえませんか?最新技術を使って、主人の気持ちを暴くの」

「申し訳ありませんが、本人のご希望なので」

「はぁ………」

 

仕方ないか、この人も仕事だし

それにしても

かぐやとはあとでちょっとお話かな?

 

「最近なんか心境が変わる心当たりとかありませんか?」

「心当たりですか………」

 

あ、そういえば

 

「この子こないだ彼とキス寸前までいって。それ以来凄く意識しちゃってるんです」

『あー、そういうことか』

『ちょっと愛さん!今その事は関係ないでしょ!!』

「いや、100%それですから」

『だいたいあれは純粋な恐怖で─────』

 

はぁ………

まだ言ってるの?もういい加減認めたほうが楽ですよ

それに、認めないと恥ですよ

看護婦さん、顔赤くなってるじゃないですか

 

「すいません。私の主人が、本当にすいません」

「いえ、これも仕事ですから///それにしても、すごく個性的な人ですね」

「えぇ………。まぁ、色々あるんだと思います。彼女の中で」

「詳しくはお聞きしません。まぁ、でも、病気ではなくてよかったですね」

「そうですね。良かったです」

 

あれはもう病気の域だと思うけどね

 

《そうして、検査が終わり四宮別邸にて》

 

「あの医者はヤブよ!!」

「世界の名医だよ。何て事を言うの?」

「こうなったら別の病院に──」ガシッ

「大丈夫だよ。座って?」

 

これ以上、恥をばらまくのはやめてもらわないと

それに

 

「あ、愛さん?顔が怖いですよ?」

「今日、誠君凄い傷付いてたんだ」

「え?」

「だから、お話しようか。かぐや」ゴゴゴゴゴゴゴ

「え、あ、はい」

 

《その後、四宮さんは崇宮君に謝罪、生徒会全員に無事を報告したが会長に、完治してないことも、あなたが原因ですとも言えないのでした》




いかがだったでしょうか
もしよければ感想よろしくお願いします

久しぶり過ぎて中々筆が捗りません
次回は、もっと期間が空くかもしれません
申し訳ないです

全然関係ないですけど、崩壊3rdでスターアンカー再ピックアップまだでしょうか
当たらなかったんですよねぇ………

それでは、また次回


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従者二人の体育祭part1

大変お待たせしました…………

あまり前置きが長すぎるとあれなのでここまで投稿が空いた理由は後書きに書かせていただきました。

というわけで、当初書きたかったうちの一つ、体育祭編になります。

それでは、どうぞ


「というわけで、みんなも待ちに待っていたであろう。体育祭の出場、その他諸々決めていくぞ~」

「「「イエーイ!!」」」

 

来たぜ~!!体育祭~!!

今年は去年より楽しむぞ~!!

さて、なに参加しようかな~

 

─────────────────

 

「じゃあ、二人三脚出たい奴いるか~?」

「はい」

 

へー、愛が二人三脚出るんだ~

愛が!?

 

「早坂か。じゃあ相方は、崇宮だな。他にいないか~?」

「え、ちょっ、ちょっと待ってください!!」

「ん、どうした崇宮。早坂とペアなことが不満か?」

「そうなの?誠君」

「いや、そういう訳じゃなくて」

 

話が急に進みすぎて理解が追い付かん!!

そうだ。他にやりたい奴いるだろ絶対

 

「ほ、他にやりたい子がいるんじゃないですか?ねぇ、皆さん?」チラッ

 

なんだお前らニヤニヤして

 

「早坂と崇宮が二人三脚するのに異論ある奴いるか~?」

 

「異論ありませーん!!」

 

お前らマジ恨むからな!!

 

「はぁ~、わかりました。愛さん、やりましょう。二人三脚」

「やった!!ありがと、誠君!!」

 

ただし

 

「やるからには勝ちますよ、絶対に」

「もちろん、当たり前だよ」

 

それじゃ、頑張りますか

 

《~~そうして、放課後~~》

 

「誠君、大丈夫?」

「何がですか?」

「いや、なんか無理やり決めちゃったし。それに、いいの?リレーにも出ちゃって」

「こういうのは楽しんだほうがいいんですから、問題ありませんよ」

 

まぁ、流石に応援団もやるから多少心配になるのはわかるけど……

 

「なら良いんだけど。無理だけはしないでね?」

「ご安心を。自分の限界は理解しているつもりですから。そんなことよりも、愛さんのお母様は来られそうなんですか?」

「う〜ん………。正直、あんまり期待はしてないんだよね。ママ、忙しいからさ?」

 

確かに、奈緒さん多忙な立場だもんなぁ………

 

「あ、でもあれだよ?来てくれたら嬉しいな〜」ピロンッ

「ん?どうかしましたか?」

「やった〜!!ママ来てくれるって〜!!」

 

おぉ〜!!良かったじゃねぇか

これは俄然やる気が出てきたな

 

「良かったですね?それでは、私は応援団の決起集会があるので、これで」

「うん!!楽しみだなぁ〜。あ!!応援団、頑張ってね。楽しみにしてる」

「ご期待以上のものを用意してみせますよ。」

「じゃあ、またね〜」

 

ふぅ、それじゃ気合い入れて行くか!!

 

《〜〜決起集会〜〜》

 

「失礼しま〜す…………」

 

 

「諸君、我々は必ず優勝しなければならない!!」

 

「「「然り!!然り!!然り!!」」」

 

んあ?ナンダコレハ…………

 

「む?諸君!!新たな同士が来たぞ!!」

「はい?」

「オォォォォォ!!」

 

え!?なになになになに!?

 

「わかりましたから。皆さん、少し落ち着いてください」

「君に問おう」

「はい?何でしょうか。」

「この白団に、勝利はあると思うかね」

「は、はぁ………」

 

この白団に、勝利ねぇ……………

 

「」チラッ

 

これだけやる気と活気、それに勝ち気に溢れてるんだからな

答えは一つだろ

 

「これだけ元気が有り余ってるんですよ?負けるはずがないのでは?」

 

そもそも、負ける気で体育祭やるバカがどこにいるよ

愛のためにも、そして俺のためにも全力で叩き潰すに決まってんだろ

 

 

「素晴らしいッッ!!」

「うるさっ!!」

 

この人声でっか!?

どっからこんな声出してんだよ

 

「それでは、よろしくな。崇宮」

「えぇ。よろしくお願いします。団長殿?」

「む?俺は団長ではないが?」

 

は?

 

「え、まだ決まっていなかったのですか?」

「もちろんだ。まだ団員が揃っていなかったからな」

「なるほど…………」

 

あれ?揃っていなかった?

ってことは………

 

「もしや、私待ちだったんですか?」

「当たり前だろう。流石に団員が揃ってすらいないのに団長を決めるのは、俺の気がすまん」

「そういうものですか」

 

申し訳ねぇな

まぁ、俺は団長はもう決めたけどな

 

「で、だ。君は誰を団長に選ぶのかね?」

「皆さんの投票状況はどの程度かお聞きしても?」

「うむ。崇宮と俺で二分されているという状況だ」

「私ですか?」

 

何で俺なんか選ぶんだ?

特に団長をやれるようなリーダーシップはみせてないはずなんだがな?

 

「そうだ。俺ももちろんだが、皆も選挙の際の君に心打たれたようでな」

「なるほど…………」

 

あ〜確かにそんなことあったな

正直、あの選挙の結果で団長に推されたような気がしなくもないな…………

それでも、俺はもう決めてるけどな

 

「そうですね。私は…………」

 

 

 

「「「ゴクリ…………」」」

 

「あなたを推しますね。瀬藤先輩?」

「俺、か………?」

「えぇ、あなた以外に瀬藤さんはいませんよ?」

「そ、そうか。謹んでお受けしよう」

「それでは改めてよろしくお願いします。団長殿」

「うむ。皆も至らんかも知れんが、俺についてきてくれ!!」

 

「オォォォォォ!!」

 

これだけ周りを巻き込んで引っ張り上げる力があるんだから、この人が適任だろ

俺はここまで人の心を惹く力は持ち合わせがねぇからな

それよりも…………

 

「この狂喜乱舞をどうにかしないといけませんね………」

 

「団、長!!団、長!団、長!!」

 

「お前たち、全員俺についてこい!!」

 

「オォォォォォ!!」

 

こういう空気は嫌いじゃないんだけどな〜

いかんせん気が入りすぎだろ、これ

さて、そろそろ止めるか

 

「団長?」

「どうした?崇宮」

「今日は決起集会ですが、何をやるおつもりで?」

「そうだな。今日は団長を決めることしか考えてたいないぞ?」

「なるほど………」

 

それはもう終わったもんな

そうだな…………

 

「それでは、皆さん部活もあることですし、今日はグループを作って解散しては如何ですか?」

「それもそうだな。今日が本番であるわけではないしな」

「それに、ここで力を出されすぎても困りますからね」

「ガッハッハ!!確かにそうだな!!よし!!」

 

さて、これで解散ですね

 

「お前たち!!今日はグループを作って解散とする!!次の集合日はまた連絡する!!」

 

「オォォォォォ!!」

 

ふぅ、これで今日のところはなんとかこのエネルギーを不発で終わらせることができたな

こりゃやる気の調整が必要だな

じゃなきゃ、途中で破裂しそうだな

 

《〜〜それから無事にグループ作成し解散〜〜》

 

ふい〜、疲れた〜

お、優じゃん

 

「おや?優、何をしているのですか?」

「あ、先輩…………」

 

おや?なんだか疲れたような、喜んでいるような

なんかよくわかんねぇ表情してんな

 

「どうかしたんですか?」

「いや、なんというか………。僕、応援団に入ったんですよ」

「おや!それは良いことじゃないですか。それで、久々の人だかりに辟易して疲れてしまったのですか?」

 

なるほどぉ〜〜

あの優が自分から行動するとはね〜

先輩として鼻が高いよ〜

 

「いや、まぁ、それもあるんですけどもっと別というか」

「まぁ?詳しい話はそこらの喫茶店で聞きますよ」

「あ、え、いや、そういうんじゃなくて………」

「まぁまぁ、先輩がこう言ってるんですから、存分に甘えなさい。さ、行きますよ〜」

 

これぐらい強く行かなきゃ、優はどっちつかずでフラフラして逃げるからな〜

ま、話聞いてほしそうだし無理やりでも連れてくのが正解だろうな〜

 

「え、ちょ、先輩!?はぁ、わかりましたよ」

「それでいいんです。さ、行きましょうか」

 

《〜〜石上君&崇宮君、移動中〜〜》

 

さ、優の話を聞くか!!

 

「それで?何があったんです?」

「それが…………。色々あって女装することになったんスよ」

「へぇ〜………。はい?」

 

何がどうなると女装に繋がるんだ?

まぁ、高校生のなんかよくわからないノリに巻き込まれたんだろ

優はそういうの嫌ってそうだけど

 

「いや、もうこの際、ノリが気に入らないとかナシ寄りのナシだろとかそんなのはどうでもいいんですけど、なんというか俺場違い何じゃないかなって……」

「……………」

 

なるほどなぁ…………

 

「僕、正直まだ怖いんスよ……。あんなことがあって……。でも、いつまでも逃げてちゃダメだと思うんです。それに………」

「優、もう良いですよ」

「えっ………」

 

はぁ〜〜〜〜、全くどうしてこうも俺の周りは色々抱えている人が多いのかね?

まぁ、世話焼きな性格の俺が見過ごせるわけもないし、当然っちゃ当然か

とりあえず………

 

「まず、()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「いや、逃げるのはダメでしょ」

「言い方を変えましょうか。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「え?でも、先p……んっ」

 

全く、後輩としてまだまだだぜ?優君や

先輩のお話はもうちょっと聞くもんだぜ?

とりあえず、そのお口はチャックだぜ?

 

「こらこら、もう少し黙っていなさい?ここからがポイントなんですよ」

「は、はぁ……?」

「まず、逃げるなんていう言い方をするからダメなんです。そもそもね、人生で逃げるなんてないんですよ。なんでも経験、たとえ逃げたとしてもそこには尊いものが転がっているんですよ」

「先輩…………」

 

全く、世話の焼ける後輩だなぁ…………

 

「そもそも、御行は知らんけどな?俺はここまでの人生で何度か優が言うところの逃げをしてるんだぜ?」

「でも、逃げずに向かった方が、良いに決まってるじゃないですか」

()()()()()()()()()()()()()バーカ」

「え?」

「あっ」

 

やべ、つい言っちまった

まぁ、ここから立て直すか

 

「人生別に逃げても良いんだよ。向こう見ずに相手に向かうからこそ潰れてエライことになる奴が跡を絶たないんだよ」

「それは………、そうですけど……」

「まぁ、なんだ。ちょっと話はそれたけどよ。逃げようが脇道にそれようが、立ち止まろうが、後退ろうが本人から見れば前に進んでるんだから気にするなよってことだよ」

「そう………、ですかね………」

 

思うところはあるけど、ま~だなんかひっかかってる感じだな

こればっかりはどうしようもねぇな

 

「そんなもんだよ。難しいかもしれねぇけど人生割とどうとでもなるからな。っと、そろそろ帰るか」

「そうッスね……。先輩、今日はありがとうございました。ちょっと気が楽になりました」

「それなら良かったよ」

 

《〜〜優君&崇宮君、解散後〜〜》

 

さて、これは解決まで時間がかかりそうな問題だな

応援団に参加したのはいい兆候と見ればいいのかねぇ~?

 

「ただ、そうか。優からは俺は逃げてないように見えるのか………」

 

全然そんなことはないんだけどなぁ〜

でも、悪い気はしないよなぁ〜

ヘヘッ、それはそれとして…………

 

「優、きっとここがお前にとっての正念場だぞ」




1年以上お待たせしたのは理由があります。
進学して、馴染もうとした矢先にリモートになったり、新しい環境に中々馴染めなかったりと色々ありました。

おそらく1番の理由はそこですが、他にもウマ娘をやったりなんやかんやしておりお待たせする形になりました。

今後も中々執筆時間を取ることが難しくなりそうですが、この作品をよろしくおねがいします。

目標は週1~月1程度で書いていく形になると思います。

待ってくださった方々、本当に申し訳ないです。


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従者二人の体育祭part2

お待たせしました

今回は原作「秀知院は体育祭」です

後、前回を少し修正しました
男女混合二人三脚ではなく、単なる二人三脚に男女混合でエントリーしたことに変更しました
何気ない変更ですので、あまり気にしないでください

それでは、どうぞ


今日は待ちに待った体育祭だ〜!!

よし、今日は楽しむぞ〜!!

 

「……んで!!」

 

ん?愛の声だ

どこだ……っと校舎裏か

 

「愛さん〜?そろそろ2人3脚が………」

 

「来るって言ってたじゃない!!いっつもそう!!守れない約束なんてしないでよ!!」

 

ん?誰かと電話か

電話の内容的に相手はたぶん奈緒さんか

忙しくて来れなくなったとかだろうな

うちの親も今日そんな連絡が入ってきてたし

 

「………本当は私の事なんてどうでもいいんでしょ」

 

いや、あの人の限ってそんなことはないと思うけど

あ、かぐや嬢

 

「誠、あれ、大丈夫かしら……?」

「大丈夫でしょう。彼女、あぁ見えて切り替えは早いですから」

「いえ、そうじゃなくて、あれ、浮気とかじゃないの?」

「え?」

 

そんなわけねぇだろ

自分で言うのはこっ恥ずかしいけど、俺めちゃくちゃ愛されてるし

 

「ママの嘘つき………」

 

やっぱり奈緒さんだったじゃねぇか

ちょっと動揺するからそんなこと言わないでほしいね、全く………

かぐや嬢も(あ、マザコン………)みたいな顔してるし

 

「ああいう事ですよ。それにしても大変ですね?会長と同じ団になれなくて」

「そ、そんなことありませんよ?あら、電話が終わったようなので私は失礼しますね」

 

あ、逃げた

まぁ、かぐや嬢は平常運転っぽそうだし大丈夫だろ

問題は愛の方だな

 

「っ!!誰ですか、そこにいるのは」

「あらら、バレちゃいました?愛さん、そろそろ競技の集合時間なので呼びにきましたよ」

「なんだ、誠君か~。びっくりさせないでよね。で、どこから盗み聞きしてたの?」

 

盗み聞きとは人聞きの悪い

たまたま聞いちまっただけだっつーの

 

「大体、来るって言ってたじゃない〜辺りからですかね」

「ほぼ全部じゃん。別にいいけどさ」

「すみません。盗み聞きの形になってしまって」

「いいよ、謝らないで。私も不注意だったから」

 

それはそれとして、ちょっと妬けるなぁ〜

愛には俺がいるんだけどな〜

でも、母親には来てほしいっていう気持ちもよくわかるからな………

あぁ〜!!なんかよく分からねぇけどむず痒い!!

 

「ふふっ」

「ん?どうして笑うんですか?」

「いや、誠君がヤキモチ妬いてるな〜って」

 

なっ……!!

 

「そ、そんなことはありませんよ?///」

「顔真っ赤にしても説得力ないよ?」

 

う、うるせぇ!!

あ〜、くっそ!!

 

「愛さん?」

「なn、ン〜〜〜!?」

 

暴れんなよ

唇、離れちまうだろうが

 

「っぷはぁ!!」

「っぷはぁ、流石に苦しいな」

「な、何!?急に///」

 

何って、そりゃお前

 

「からかわれた仕返し、ですかね?」

「うぅ〜〜、誠君のいじわる………///」

 

うるせぇ、俺も恥ずかしいんだよ

でも、なんか、やりたくなったんだよ

 

「いじわるで結構。そんな拗ねた表情されると辛いんだよ」

「でも、ママに会えるの、楽しみにしてたもん………」

 

ふ~ん…………

ママに会うのが楽しみだった、ねぇ〜〜〜

 

「それは確かに残念だったな。けど、何もそれだけが体育祭の楽しみじゃねぇだろ?」

「それは…………」

「それに、奈緒さんはいないかもしれない。でも、お前にはかぐや嬢がいて、みんながいて、俺がいるだろ」

「っ!!」

 

よし、いい表情になってきたな

あと一押し、だな

 

「折角の体育祭なんだ。いつもと違う、かっこいい彼氏様の姿に集中してほしいもんだな」

「ふふ、あはははははは!!」

 

え…………

全然、笑うところじゃないんですけど………

 

「なんで笑うんだ?」

「だ、だって、珍しい言い回しばっかりしてるなって、頑張って励ましてくれてるんだなって思ってたらさ」

「おん」

「本音は()()()()()()()なんだよ。なんか、おかしくなっちゃって」ヒーッヒーッ

 

う、うるせぇ!!///

折角こういうイベントなんだし、好きな人にちゃんと見てもらいたいじゃん!!

来れない人のことじゃなくて、今いる人に集中してほしいじゃん!!

あ〜〜!!もうっ!!

 

「ほら、もう二人三脚の集合時間です。行きますよ」

「あ〜、待って待って。へそ曲げないでよ、誠君」

「へそなんか曲げてませんよ?すぐ行かないと間に合わなさそうなので、急いでるだけです」

「そっか。でもさ」

 

なんだよ、急に近づいてきて………

 

「私の目には誠君しか写ってないし、今日は誠君しか写すつもりないから大丈夫だよ?」

 

ッッッ!!///

そういうこと、耳元で囁くのずるくないっすかね………

なんか、ゾクゾクってして、他のこと、どうでもよくなっちゃう………

 

「フフッ、さ、誠君。行こっか」

「んぇ?あ、あぁ、行きましょうか」

 

《〜〜従者カップル移動中〜〜》

 

ん、だいぶ意識がはっきりしてきたな

さっきはマジでヤバかった

しばらく本気でなにも考えられなかったからな

 

「愛さん?」

「なぁに?誠君」

「さっきのあれ、どこで覚えたんです?」

「あぁ、あれね。あれは渚ちゃんが教えてくれたんだよ」

 

渚…………………

あっ!!あの女か〜〜〜〜

全く、なんつうこと教えてんだよ

あいつ、もしかして俺たちで遊んでるんじゃねぇのか?

 

「心臓に悪いので、あまりしないでくださいね?」

「さぁ?ど〜しよっかな〜」

「全く………」

 

自重する気一切ねぇな

なんとか耐えれる様に慣れるしかないな

 

「とりあえず、二人三脚頑張りましょうか」

「そうだね。負けるのは嫌だからね?」

「当然です。必ず勝ちますよ」

 

『それでは、第一走者の方たちは並んでくださーい』

 

よし、時間だな

ん?愛からアイコンタクト?

 

「(誠君、二人三脚どうする?千切る?)」

「(一旦は様子見で行こう。あんまり差をつけても面白くないからな)」

「(了解)」

 

間延びしてだらけそうだったら無理やり動いて他を千切り捨てるつもりだけどな

 

「さて、頑張りましょうか」

「もちろん」

 

『それでは、位置についてヨーイ』

 

『ドンッ!!』

 

「「いっち、に、いっち、に」」

 

「よし、誠君行こ…っひゃあ!?」

「愛!?あぶねぇ」

 

引き寄せる……は間に合わねぇ

なら、愛の足を掬うようにして無理やりこっちに倒れ込ませる!!

 

「おらっ!!」ダキッ

「きゃっ!!」

 

「「キャァァァァァァァァァァァァァ!!」」

 

外野がうるせぇ

 

「あ、ありが「話は後だ」ふぇ?」

「ぶっ千切る」

「……わかった。任せて」

 

ふぅ、それじゃあ

 

「「(せーのっ!!)」」ドンッ

 

「「「え、はっや…………」」」

 

歩幅も体格も俺のほうが上、だったら愛に合わせれば!!

 

「「いっち、に、いっt速っ!?」」

「「お先に失礼」」

 

走ることだってできる!!

前は後2組、ゴールまではまだある

捉えられるかは、やってみるしかねぇ!!

 

「「愛さん(誠君)!!絶対に勝つ!!」」

 

前は、え?優!?

エントリーしてなかったよな?

ってか速すぎだろ!!

まずい!!

 

『赤団。今ゴールイン!!』

 

「くそっ、ハァッ、ギリギリ、ハァッ、届かなかった」

「そう、ハァッ、だね………」

 

くそっ………

あと数歩だったのに………

 

「先輩………」

「優か………。強いですね、あなたも、先輩も。ですが」

「そうッスね。だから」

 

「「次は(も)負けませんから」」

 

言うじゃねぇか

まぁ、負けたのは事実だしな、ここは素直に受け止めるしかないな

………………次は絶対俺が勝つ………!!

 

「ごめんね、誠君。私のせいで」

「ん?気にすることはありませんよ。勝負は時の運で決まります。一発勝負なんですからこういうこともありますよ」

 

あんまり気にしてほしくないけど

気にするよな……

 

「安心してください。次は負けませんから」

「誠君がそう言うなら、それでいいけど………」

 

さて、こっからはしばらくは応援に専念しますか

 

《〜〜それからしばらく〜〜》

 

いや〜、見てるのも楽しいもんだな

それにしても、御行のソーラン節、なかなか様になってたな

あいつあんなに踊れたっけ?そうじゃなかったと思うんだけどなぁ……………

それよりも

 

「」ジーッ

「愛さん?どうかしましたか?」

「んにゃっ!?な、何でもないよ!?」

 

さっきからチラチラ見たりジーッとこっちを見たりどうしたんだ?

 

「誠君は気付いてない。()も気付かなきゃ、問題はないよね?」

 

なんかボソボソと言ってるし

この騒がしさじゃ流石に聞こえねぇな

 

「何かあったら気軽に言ってくださいね?」

「う、うん。わかった」

 

んで、次の競技は……………

あ、赤の応援合戦か

さてさて〜、後輩の雄姿を見るとしますか〜

 

「優、張り切ってますね」

「そうだnわっ!?」

「ねぇねぇ、崇宮君。崇宮君」

 

ん、あぁ同じクラスの………

愛を押しどけて来るほど知りたいことでもあるのか?

とりあえず、愛をこっちに引き寄せてっと

 

「どうかしましたか?」

「崇宮君って、石上?だっけ。生徒会の会計と仲良いよね?どうして?」

「どうして、と言われましても…………」

「だってあの子、()()()()()()()()()()()()()()()?だから、なんでだろうなって」

 

根暗っぽい、ね……………

まぁ、高校からしかあいつを知らないから無理もない、か

 

「あ、気を悪くしたらごめんね?別に彼を悪く言うつもりはないの。でも、なんか毛色が違うなーって」

「別に構いませんよ。そうですね。確かに彼は、根暗っぽく見えるかもしれませんね。実際そういう節もあります。ですが、話してみると意外にそうじゃないですよ?彼、面白いですし」

「へぇ~、そうなんだ。なんか意外」

 

根暗っぽいというか、自分に自信がないだけなんだけどな

まぁ、人間誰しもそういう部分はある

優の場合()()()()()()あったから、そういう部分が余計に前面に出てるんだろうな

わかんねぇけど

 

「まぁ、何にせよ。石上優は私の()()()()()()()()()()ですよ」

「なんかいいな〜。そういう関係、ま、なんとなくわかったから。じゃね〜」

「はい、それでは」

 

優、結構卑屈だけど意外と注目集めてるんだな…………

いや、当たり前か

あの生徒会に居たら否が応でも目立つな

 

「優、あなたはしっかり進んでいますよ」

 

ん?優の動きが一瞬止まった?

 

「誠君、どうかした?難しい顔してるけど」

「少し、気になることがあるので行ってきます」

「…………うん、わかった。待ってるね」

「頼む」

 

あれから動きがぎこちないな

俺たちが居た方と真逆…………

観客席になにかあるのか?

ん、そろそろ見えるな

 

「彼女は………………」

 

あぁ、そういう………………

そりゃ、ぎこちなくもなるわな

 

 

()()()()()()()()()()()()




ということで、如何だったでしょうか

次回からは過去編に入ります

目標の1ヶ月にはなんとか間に合いましたが、やはり時間を取れないのがつらいですね…………

なんとか課題を終わらせて、書いていきたいです



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崇宮誠と石上優〜〜side崇宮誠〜〜

またまた半年以上お待たせしました………。

正直、バイトや単位取得などでほぼ時間が取れずダラダラ時間だけが過ぎてしまいました。

ここからはなんとか時間を確保できそうなので頑張っていきます。

というわけで、崇宮くん視点の過去編です。
原作既読推奨つけた方が良いですかね………?


当時の俺にとって石上優とは同じ学校に居る1個下の後輩、ただそれだけだった

 

初めて優とゲームをしたのは中学2年のとき、オンラインゲームのチャット上だった

 

元々俺がゲームが好きだったこともあり、チャット上とはいえ直ぐに打ち解けることができた。

程なくして、ボイスチャットでゲームをするようになった。

そして、それから半年ほど経ったある日

 

『お前って何歳なの?』

『僕ですか?中1ですけど』

『あ、1個したなのか。嫌じゃなければ中学どことか言えたりするか?』

『別に構わないですよ。秀知院学園っす』

 

その時は(あ、やばっ)って思ったよ。

ただ、それと同時にこいつなら誰にも話さねぇだろとも感じたんだよな

 

『へ〜、俺も秀知院なんだよな〜』

『そうなんすね〜………えっ!?』

『いやぁ〜、意外と世間は狭いな』

『こ、こんなにゲーム好きな人とかあの学園に居るんだ………。さ、差し支えなければ名前とかは……?』

 

思えば、これが優と本格的に絡みだした始まりなんだよな

 

『ん?別にいいぜ。俺は崇宮誠。秀知院のもうすぐ3年になるな』

『それ、マジで言ってます?』

『ん、マジマジ』

『は、はは……。先輩みたいな人もゲームするんスね』

 

こう言われるのも無理ないな

当時の俺は、とりあえずガワだけでも優等生っぽく見せてたんだからな

なかなか、理解が追いつかないのもわかる

 

『で、そっちは?』

『石上優、って言っても先輩は知らないでしょうけど』

 

当時の俺は石上優は足がそれなりに速いくらいのことしか分からなかった

 

『いや、足が速いってことぐらいなら俺でも知ってるよ』

『僕、そんな有名じゃないんですけど………』

『まぁまぁ、そうだ。同じ学校だしLINE交換しとくか』

『あ、僕やってないんスよね』

『マジか。じゃあ、メールアドレス交換にするか』

『今まで通りで良くないッスか?』

『これも何かの縁なんだからよ。良いだろ?』

『はぁ……、まぁ良いですけど………』

 

今考えたら、この時連絡手段を今まで通りにしてたらまた違った結果になったのかもしれないんだよな………

 

それから、1週間のうち最低でも2日は優とゲームをする日々が続いた。

それで、趣味や好きなゲームなんかの話で意気投合したんだよなぁ…………

 

『そうだ。先輩今度、学外で会えません?』

『構わねぇけど、なんで学外なんだ?』

『いや、おすすめのゲーム貸したくて』

『あぁ~、前言ってた奴ね。了解了解、いつにする?』

『じゃあ、今週の土曜日で』

『了解〜』

 

そんなことがあって、ゲームを貸してもらうこともあった

 

でも、なかなか校内で話しかけて来なかったんだよなぁ

そんなこんなでいつの間にか卒業シーズンになって、俺は高等部へ上がった

 

それからも頻度は減ったがゲームをするのは変わらなかった

 

そうしていくうち、

 

()()()()()()()()()()()()()()()()




だいぶ短いですが、キリがいいのでここまでです。

次回は石上くん視点を投稿する予定です。

批評や感想、評価をしていただけるとありがたいです。

それでは、また次回


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崇宮誠と石上優〜〜side石上優〜〜

途中まで書き貯めできていた分を見ながら書いていますが、時間が取れなかった分感覚が取り戻せません………

なんとか時間を確保して書きつつ感覚を取り戻していきたいです
今回は前回の予告通り石上くん視点の過去編です

それでは、どうぞ


当時の僕から見た先輩は雲の上の存在というのが正しかった

 

成績優秀で誰に対しても丁寧に接することができる

そんな完璧超人居てたまるかと、僕はある種嫌悪していた

 

そんなある日、オンラインゲームのチャット上で気の合う人と知り合った。

好きなゲームの傾向も似ていたこともあって、ボイスチャットでやり取りするまでにそう時間は掛からなかった

 

だからこそ、その相手がまさかあの雲の上の存在だなんて思ってもみなかった。

ただ、今思い返すと完璧な人間なんていないという言葉通りなんだなって感じる

 

それはそれとして素と学校であれだけの差があるのはないと思う

 

そうして話していくうちに、先輩も先輩で苦労していることを知った

また、なんでゲーム好きなのかを聞くと先輩曰く「孤独を紛らわすことができるからな」だそう

正直、想定外な答えが帰ってきて驚いた

詳しく聞くと

「当時成り上がり真っ最中だったため親が居てほしいときに居なかったこと」

「かまってちゃんな自分が嫌いでそんな自分をあまり見せたくないこと」

「そのことから、世間はあまり自分自身を見ることをしていないこと」とか色々と闇の深そうな話題がでてきた

 

そして最後に「だからこそ、こうやって素を出せる場とそれを話せる友達が居るこの空間が俺は好きなんだ」と言われた

そんなことを言われて僕は嬉しかった

 

当然だろう?

あの雲の上の存在の本音を知る数少ない一人なんですよ?

 

そういったやり取りもあってメールアドレスを交換した

好きなゲームを貸したりもした

 

でも、そんな関係になっても僕は学校で先輩に話しかける勇気が出せないでいた

当たり前だ。あの人は1つ上の先輩だし、何より僕は学校では浮いていたから

そんな僕が話しかけたら先輩の迷惑になると思ったから

今思えば全然先輩を理解できてないなと我ながら辟易するよ

 

そうこうしている間に先輩は高等部へ上がっていった

相変わらずゲームはしていたけど、その頻度は少し減った

 

相変わらず僕はクラスでは浮いたままだった

 

それはそうだ。自分からなにか行動した訳ではないのだから

でも、そんな僕にも一人気さくに話しかけてくれるクラスメイトがいた

 

名前は大友京子

別に恋をしていた訳でもなく、只のクラスメイトだった

抱いた印象というのもただただ良い人それ以上でも以下でもなかった

 

でも、あぶれ者であった自分に話しかけくれたからどことなく救われた気になって

そのアホ丸出しの笑顔がどうか曇らないことを願っていた

 

ある時、その大友に彼女ができた

忘れもしない

名前は荻野コウ

全国常連の演劇部の部長で人気者、僕とは正反対のタイプだった

 

ただ、カップルを無条件で呪う僕が珍しく幸せを願っているカップルだった

 

 

あの日までは……

 

ある日、僕はいつも通りぼっち飯を決め込んでいた

すると、階段の上から声が聞こえる

 

「わかってるって、部屋取っといたからさ。だいだって」

 

荻野の声だ

僕は好奇心で話しかけてしまった

放っておけばよかったのに

 

「彼女?」

「うおっ!?居たの!?」

 

あぁ………よく見る顔だ………

 

「ははっ、聞かれてた?はずかしー。そう、彼の女とね……」

 

()()()()()()()()()()の嘘を吐く顔だ

 

当時の僕は、なんの漫画かゲーム、どっかの眩しい先輩に影響されたのかは分からないが、過剰な正義感を抱えていた

 

良い人が傷付くことが許せなかったのだ

 

もし、恋心故の行動だったなら()()()()()()()()()はもっとシンプルだったのだろう

 

 

 

正義感を抱えていた僕はその事を荻野に突きつけた

余計な事をした

 

「バレないようにしてたんだけどなぁ………。どうする?チクる?」

「もうこんなことは止めろ」

 

ただ大友に傷ついて欲しくない。それだけだった

なのにあいつは…………

 

「んー、困ったな……。あ、そうだ。もっといい和解案があるんだ」

 

あろうことか………

 

「お前京子のこと好きなんだろ?」

「は?」

「今日家こいよ」

 

その彼女を交渉材料に出してきた

 

こういう悪人はまま居る

ただ、当時の僕には初めて目にした存在だった

頭の中が真っ白になった

ただ、一つあいつに質問した

 

「お前は、大友を何だと思っている」

 

そこからはあまり覚えていない

気がつけば、荻野にマウントポジションで殴りかかっていた

 

周りには人だかりもできていた

 

その場で奴は大きな声で言い出した

僕がやっていることはストーカーだと

初めは何を馬鹿なことを、そう思った

 

だから僕はこいつはダメだ。大友にそう言った

 

ただ、今思えばどちらを信じるかなんて明白だ

 

殴っているのはクラスのあぶれ者

殴られているのはクラスの人気者

 

彼女も、そして野次馬たちも、どちらの言葉を信じるか

 

そう

 

 

()()()()()()()()()()()

 

そして、その大友京子が今

 

「随分楽しそうにしてるね」

 

この体育祭に来て、僕の目の前にいる




というわけで、石上くんの過去編です
次回は、この事件の収束手前までと考えています

何度見返してもここは心が苦しくなります………

それでは、また次回


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崇宮誠は閉じさせないpart1

前回の予告通り石上くん過去編の続きです

今回は、崇宮くん視点からスタートです
ここから概ね本筋通りですがいくつか改変があります
また、時系列は前回の話から少し後になります

それでは、どうぞ


優と一切の連絡がを取れなくなってから1ヶ月が過ぎた

いくらなんでもおかしい………

 

ゲームをしないならまだわかる

秀知院の授業に追いつけねぇとかもあるからな

 

ただ、メールすら返信がないのはあまりにも不自然だ

今までは新生生徒会スタートのゴタゴタで手が回らなかったが様子を見に行くか………

 

「白銀会長、中等部への資料なんですけど。自分が持って行っても良いでしょうか?」

「構わないが、何かあるのか?」

「ちょっと後輩の様子を見に行こうと思いまして」

「わかった。こっちも資料整理がままならないからな。よろしく頼む」

「任せてください」

 

よし、じゃあ様子を見に行くか………

 

《〜〜崇宮君、移動中〜〜》

 

さて、資料の届けはこれで終わりだな

それにしても、久し振りだなこの校舎も

 

「優は確かこのクラスですね」

 

昼休みだし全員いると思うんだが

さて、クラスでも浮いてるって言ってたが

大丈夫だと良いんだが

 

「失礼します。高等部の崇宮です。石上くんはいらっしゃるでしょうか」

 

「「…………………………………」」

「……!!」ガタッ

 

…………空気が変わったな、何か後ろめたいことがあるんだろうな

それに、こいつらの目

よく見る目だ、自分は正しいことをしていると錯覚して、貶していた奴が大きな力を持ってることに気づいて怯える目だ…………

 

「石上に何かようですか?あいつだったら停学中になってそっから学校に来てませんよwww」

「へぇ…………」

 

停学してそのまま来てない、ね…………

あいつがそうなる程の何かがあったのは間違いなさそうだな

 

「もしよかったら、僕が「結構です」……え?」

「個人的な用なので結構です。教室の雰囲気を悪くして申し訳ありません。それでは」

 

あれは、やってるなイジメかそれに近いものを

そして、教師サイドも放置している臭いな………

とりあえず、ロッカーに借りてたゲームは入れとくか

 

「優のロッカーはここですね」ガチャッ ベチョッ

 

なんだ?これは?

 

「あ?」

 

あいつら……こんな陰湿なことやってんのか……

舐めやがって……

 

「ふざけんじゃねぇぞッ!!」

バギョンッ!

 

「「何々〜。え、やば」」

 

………ロッカー、壊れちまったな

片付けに行くか。このロッカー、付け外しできるタイプで良かったな

 

《〜〜崇宮君、移動中〜〜》

 

「何あれ……。ヒッ、ロッカー持ってる」

 

ちょっと重いな

それに視線が鬱陶しいな

まぁ、今はんなこたどうでもいい

とりあえず、早くロッカー交換しねぇと

 

「よっこらせ」ガシャンッ

 

さて、入るか

 

「失礼します。ちょっとロッカーを破壊しちゃったんで交換したいのですが、予備ってどこにあるでしょう?」

「な、何でそうなる!!それにそのロッカーは誰のだ!!」

 

あぁ?あぁ……こいつ優のとこの担任か……

 

「石上優のロッカーです」

「あぁ………あいつのか。じゃあ、置いておいて構わない。問題にはしないから」

「あぁ!?」ブチッ

 

てめぇ、停学開けても来ねぇ奴のロッカーだからって舐めたこと抜かしやがって!!

 

「……まれよ」

「ん、何だ?早く退室しなさい」

「お前それでも教師かよッ!!」

「な、何だね!?」

 

何だねじゃねぇだろうが!?

 

「自分の担当生徒のロッカー破壊されてそのままにしておけってどういうことですか!?」

 

「何だよ!?今の声!!」

「誰が騒いでるの〜?」

 

外野がうるせぇ

 

「外野!!うるさいっ!!」

 

「「………ヒッ!!は、はい!!」」

 

はぁ………ここで言っても仕方がないな………

 

「もういいです。とりあえず、ロッカーは交換して帰ります」

「お、おい君」

「あなたの意見は聞きません。自分は自分のしたいことをさせていただきます。失礼しました」

 

こうなったら、状況やここまでへの流れ含めて、徹底的に調べてやる

優、連絡もつかなければゲームもしてねぇからわからねぇが、遅くとも卒業までにはなんとかしてみせる

だから、待っててくれ

 

《〜〜崇宮君、移動中〜〜》

 

「誠、ごk……何だその服は!?」

「崇宮さん!?何で服がそんなに汚れてるんですか!?」

 

ん?あぁ、あの泥やらでだいぶ制服が汚れてるな、もう帰るだけだしどうとでもなるだろ

 

「今はそれは置いておいてください。会長少しお話があります」

「あ、あぁ。で、どうした?」

「忙しいことは承知の上ですが、少し生徒会に来る回数を減らしても良いでしょうか?」

「…………どうしてだ?」

 

話すしかないか

 

「友達を救う為です」

「えぇ!?一体何があったんですか!?」

「崇宮君、ちゃんと説明しなければわかりませんよ?」

「わかりました………」

 

説明するか

 

《〜〜崇宮君、説明中〜〜》

 

「そんなことが………」

「正直、優………いえ、石上優がそんな人間だと自分は感じていません。それに」

「それに?」

「どんな理由があろうとも、加害者をイジメていい理由にはなりません」

 

これは俺の中で譲れない部分だ

絶対に何があってもそんなこと許されない

 

「なるほど、崇宮君は知り合いだったのですね」

「四宮、知っているのか?」

「はい、噂程度ですが」

「だから、申し訳ありませんが、しばらく不定期に参加する形にします。それでh「ちょっと待て」……何でしょう………」

 

早く調べ上げたいんだがな………

 

()()()()

「は〜い!!ちょっと詳しい後輩にその辺の話聞いてきます!!」

「…………は?」

 

何で、藤原がそんなことを………

 

「いえ、会長これは私情です。ですから……」

「そうか。なら俺たちも私情だ」

 

あぁ………そうか………

 

「そうですよ!!こういうときは頭数が大事なんです。ね、かぐやさん」

「そうですね。私も出来得る限り協力します」

 

この人たちは、そういうお人好しだった………

忘れてたな………

 

「では、よろしくお願いします!!」

「「「おう(えぇ)!!」」」

 

《それからしばらくして………side石上優》

 

あれから僕は一ヶ月の停学となった

当然だ。殴ってこちらに比があることは明白だったから

 

罰はその停学と反省文だけだった

 

当時は軽いなと、率直にそう感じた

ただ、そこから正しく停学が罰であると思い知らされた

 

毎日普通に通えば数倍は楽であろう課題をこなし

毎晩親父には怒鳴られ

毎週末の課題提出時には教師に小言を言われる

 

それでも、反省文だけは書けなかった

僕自身、全く間違った行いをしていないという自負があったからだ

だから、僕は停学が開けても学校に通うことが出来なかった

そうして、親父はついに僕に手を上げ始めた

当然だ。中学生にもなった息子がごめんなさいの一言も書けないのだから

 

先輩からもメールやゲームでも連絡が大量に届いていた

ただ、怖かった、先輩も荻野の言うことを信じていたらどうしよう………

そんなことが頭をよぎってメールを見ることが出来なかった

 

そうしたある時

あの教師からこんなことを言われた

 

 

「荻野も謝れば許してくれるんだから、いいやつじゃないか」

 

目の前が真っ暗になった

 

何を言っているんだあいつは

全部告発してやる

 

そう思い何度も告発分を書いてやろうとした

 

そうして、世間ではクリスマスだ年明けだなんだと言っている間に僕が書けた文章は

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

あぁ…………誰か…………

 

僕を助けてくれ消してくれ




というわけで、いかがだったでしょうか

次回は予定通りに行けば、過去編が終わります

誤字脱字や感想等あればいただけると励みになります

それでは、また次回


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崇宮誠は閉じさせないpart2

というわけで、過去編もいよいよクライマックスです

最初の回想風の書き方よりもこっちのほうが書きやすいですね………
視点は崇宮君sideに戻っています

それでは、どうぞ


あれから2週間が経った

 

「とりあえず、調べる事のできる範囲で調べてみたが」

「やはり」

「あぁそうだ」

 

「「あまりに不自然な点が多い」」

 

なんで優は沈黙を貫き通しているのか

正しい行いをしたはずの荻野とかいう生徒がビクビク怯えているのか

とにかく謎な点が多すぎる

 

「ですが、これらはすべて一つの仮説を基に成り立っていますから、確固たる信頼は得られないでしょうね」

「そうだ。俺たちから言わせてもらえばその石上優という生徒が誠の言う通りの生徒ならばという話になってくるからな」

「それはメールのやりとりを見せて理解していただけたと思っていました。信じていただけませんか?自分を」

 

そこばっかりは、御行やみんなにはわからない部分になってくるからな

俺から見た石上優を信じてもらうしかないな

 

「崇宮さんの言う通りですよ。かぐやさんはともかく、会長は私より長い付き合いなんですから信じましょうよ!!」

 

ナイス!!藤原!!

 

「それはそうなんだがな………」

「校内での情報だけを精査すれば、荻野さんという生徒に部があるように見えますね」

 

まぁ、そうだろうな

片や学校の人気者、片やあぶれ者だ

何を考えているかわからねぇのは後者だもんなぁ

 

「ですが…………」

「えぇ。ですから、私もツテを使ってしっかり調べてみました」

「副会長…………」

 

この件については完全に私情だからあんまり別邸で聞かなかったんだよな

まさか動いてくれてるとは………

流石、頼れる御行関連以外では頼れるご主人様だな

 

「どうだった、四宮」

「結論から言うと、尻尾は出しませんでした。ですが、そういった輩との交流は確かにあったようです」

「ってことは!!」

 

こりゃ、ほぼほぼクロだな

それにしても()()()()()()()か………

もしかして、早坂に調べさせたのか!?

まぁ、大丈夫だろうけどさ、あんまり危険なことはしてほしくねぇなぁ

 

「あぁ、ただそうなってくるとこの件は慎重に動かざるを得ないな」

「そうですね」

「えぇっ!?崇宮さんまでなんでぇ!?」

 

そりゃ、だって

 

「「もし仮に大友という生徒を守るために沈黙していたなら、リベンジポルノの可能性があるからです(な)」」

「っ!!なるほど、そういうことですね!!」ビシッ

 

こっちに指さしてくんな

で、だ

 

「とりあえず、年内に1度は優の家に行きたいですね」

「そうだな。その辺は俺から学園側に取り合ってみよう」

「私、ここからできることあります〜?」

 

藤原、ここまで本当に助かった

でも

 

「いえ、ここからは自分のやる仕事です。藤原さんには色々と調べていただいたので、ゆっくりしてください」

「では、私もゆっくりさせていただきますね?」

「あぁ、二人ともここまでご苦労だった。あとは俺たちに任せてくれ」

 

さて、優待っててくれ

絶対に悪いようにはしないからな……!!

 

《〜〜それからしばらくして〜〜》

 

色々と時間がかかっちまって冬休みになっちまったな

さて

 

「誠、準備はいいか?」

「あぁ、開けてくれ」

「それじゃあ…………行くぞ」ピンポーン

 

優、待たせたな

 

「は〜い」

「すみません。秀知院学園高等部の生徒会長白銀御行と」

「同じく生徒会総務の崇宮誠です」

「本日はご子息の石上優くんにお話があり、お伺いしました。中に入れて頂いてもよろしいですか?」

「は、はぁ………。どうぞ、中へ」

 

意外とすんなり中に入れるもんなんだな

にしても、優の母親ずいぶんと疲弊してるな

そりゃそうか。自分の息子が不登校になって挙げ句復学できてねぇもんな………

 

「あなた、秀知院学園の生徒会の方々ですって」

「生徒会?なんでまたそんな奴らが来るんだ」

「なんでも優に話があるそうで」

 

なんというか、感じの悪い父親だな

まぁ、気持ちはわからんでもないけどな

 

「で、一体どのようなご要件で?」

「ご子息の石上優さんの復学についてです」

「そんなことなら一人で良かったのでは?もう一人はなんのためにここに来たのかな?」

「自分は優と仲良くさせてもらっていまして、少し様子が気になったので補佐という形でここに居ます」

 

実際は、強行突破も視野に入れてるからついて来ただけなんだけどな

まぁ、とりあえず表向きは補佐ってことにしとくか

 

「それで、優さんの復学についてですが………」

「あぁ、それには及びませんよ。なんせあいつがどう考えても悪いのですから」

 

ほ〜ん…………

 

「失礼ですがお父様、息子さんから話を聞きましたか?」

「えぇ聞きましたとも。あの年になって謝罪の一つも出来ないとは、情けない限りです」

 

あ゛ぁ゛?

 

「今日はその件でお伺いしました」

「いえいえ、お気になさらずこれは我が家の問題ですから」

 

…………なんだコイツ、()()()()()………

 

「失礼。お母様、優の部屋はどこでしょうか?」

「あの子の部屋は……「待ちなさい」」

「何でしょうか」

「なぜ、あれの部屋を聞くのかな?」

 

はぁ~、もうまどろっこしいな!!

 

「誠、待t」

 

「俺はあんたと話に来たんじゃないからだよ!!」

 

「な、なんだと!?」

「じゃ、そういうわけだから、御行悪いがあとはよろしく」

 

さて、間取りはわかってるんだ

なら、一人部屋に出来そうな場所に行くだけだな

 

「待ちなさい!!」

 

《その頃〜side石上優〜》

 

なんか、下が騒がしいな

まぁ、そんなこと、僕には関係ないか………

 

「…………なさい!!」

「……るせぇ!!」

 

ん、なんか近づいてきてる………?

 

「……のしていることがわかっているのかね!?」

「……ましい!!自分の子どもを信じられねぇ親が講釈垂れんな!!」

 

この声、先輩………?

いやまさかそんな………

 

「しつっこいんだよ!!俺は優の友達だ!!あいつを信じてるからここに来た。一体それの何が悪いってんだ!!あぁ!?」

「あいつが悪いことは状況的にも明らかだろう!信じてどうなる?」

 

父さん…………

まぁ、そうだろうな客観的に見れば悪いのは100%僕だ………

 

「〜〜〜っ!!それが父親の言う事か!?もういい!!優、入るからな!!」

「待ちなs「まぁまぁ石上くんのお父さん、下で僕と話しましょう。まだ話の途中ですし、何より息子さんについて少しお話したいこともありますから」な、何だね君は、あ、ちょ、待ちなさい!!」

 

なんで………

 

「ふぅ、助かったぜ御行。さて優、開けてくれ」

 

なんで…………

 

「お〜い、優?いる………よな?鍵閉まってるし」

 

「なんでいるんですか………先輩………」

 

《視点は戻って〜side崇宮誠〜》

 

なんでいるんですかって………

 

()()()()()()()()()()()

「……………っ!!」ガチャッ

 

ん、開けてくれたな

よし、じゃあ入るか

 

「失礼しまーす、と」

 

だいぶ荒れて拗れた跡があるな…………

全く、親なら子どもの言うことを少しは信用しろっての

頭ごなしに叱ることに価値なんて存在しねぇんだからよ

 

「さて、じゃあ事情の説明から入ろうか」

「はい…………」

 

《〜〜崇宮君、過去編説明中〜〜》

 

「以上が、俺たち生徒会の見解だ」

「はい………」ポロポロ

 

え、泣いてる!?

え、えーっとこういうときはどうすれば………

あれ、なんか違ったのか………?

 

「ゆ、優?なにか、こう、おかしな点があったか?」

「い、いえ、ただ、信じてくれる人が、いると、思わなくて…………っ!!」

「そうか、辛かったな。よく耐えたな」

「うわぁぁぁぁぁ」

 

全く、こんなになるまで一人で抱えるんじゃねぇよ

世話の焼ける後輩だな全く…………

 

「で、だ。落ち着いたか?」

「なんとか」

「それじゃ、事の顛末を話していくぞ。大丈夫か?」

「大丈夫ッス」

 

よし、じゃあ話すか

 

「まず、大友という生徒についてだがな」

「どうなりましたか?」

「喜べ、一切手は出されていない」

「っ!!そうッスか………」

 

だいぶ元気が戻ってきたな

これならあと一押しで()()についてまで話しても問題なさそうだな

 

「で、だ。問題の荻野とかいうカスについてだが」

「あいつは何してるんですか!!」

「ビクビクしながら過ごしてるよ」

「え、どうして………」

 

どうしてって、そりゃお前

誰だって怖いだろ

 

「自分が陥れた相手が課題だけ出してずっと復学しないんだぞ?怖いに決まってるだろ」

「まぁ、そうですね」

 

それに、

 

「面白かったぞ〜。お前の教室で話題に出したときのあいつの反応」

「え、ちょっと待ってください。先輩、僕の教室に行ったんですか?」

 

え、そんな反応する?

なんで目ぇ見開いてんだ?

 

「いや、行くだろ。音信不通だったんだから」

「あ、はい。それはわかりました。で、荻野の奴どんな反応でした」

「目に見えて動揺してたよ。うっわ、俺敵に回す相手間違えたかも、みたいな顔してたぜ」ケラケラ

「ぷっ、笑いながら言うことっすか?」

 

笑いながら言うだろ

アホ面晒してたんだからな

 

「で、だ。まぁ、結果的にお前は最善の選択肢を取り続けてた訳だな。誇っていいぞ」

「そうですね………。ありがとうございます、先輩」

 

と、いうわけで〜〜

 

「お前が、反省文に書く言葉は決まってるんだよ」

「え、形だけでも謝罪するんスか?」

 

そんなわけねぇだろ

謝罪の必要がない以上謝罪することは悪手だからな

だから、書くことは一つ!!

 

 

うるせぇバーカ!!

 

「この一言でいいんだよ。お疲れ様、優」

「本当に、ありがとうございます。先輩っ!!」ボロボロ

 

泣くなよ〜

先輩として、友人としてできることをやっただけなんだから

 

「さて、ここからは復学について話そうか」

「できるんですか?」

「大丈夫だよ。ただ、復学は高等部に上がってからになる」

「なんでですか?」

 

そりゃ、お前

()()()()()()()()()()()()()()()()()

あの、えーっぐい秀知院VIP勢にかぐや嬢が洗いざらい話してるころだろうし、間違いなくあの学園にはいられねぇよ

………こんなことは、言うべきじゃないな………

 

「簡単だ。それまで俺たち生徒会メンバーでお前に必要知識を叩き込むためだ」

「休学中の、ってことですよね?」

「ん、あぁ()()もあるな」

「それ以外になにかあるんスか?」

 

あ、言ってなかったな

 

「お前を()()()()()にスカウトしたい」

「え、どうしてですか」

「噂や起きたことを完全に葬りさることは出来ない。だから、せめて居場所を持ってほしいって、ウチのトップの申し出なんだよ」

「お人好しですね。白銀御行会長は」

「ホントだよ……………」

 

 

眩しいほどにお人好しだよ、あいつは




というわけでいかがだったでしょうか

これにて過去編は完結になります

次回は体育祭も終盤に入っていきます
投稿時期は未定ですが、お楽しみに!!

それでは、また次回


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