『文々。新聞』をどうぞ宜しく! (消波ブロック)
しおりを挟む

花の都にて

開拓者の方があるにもかかわらず…違う小説にも手をつけてしまいました…
すみません…絶対更新させるので許してくださいッ…


此処はワノ国、侍達が住む鎖国国家である。

その中心である"花の都"ではある噂が流れていた。

 

いわく、面妖な服を着た少女が瓦版を売り捌いていると

 

いわく、その少女には鴉の羽が生えていると

 

いわく、その少女は大妖怪であると

 

 

 

 

○○○○○○○○

 

 

 

はい、皆さんこんにちは清く正しい"偽"射命丸文です。

 

まさか思っても見なかったですよ。目が覚めたら林の中、しかも女性の体になっているとは…しかも転生先はワンピースの世界。

 

いや実際の話、転生に憧れを抱いていた時もありましたよ?でも私が生まれ落ちたのはワンピース世界でも屈指の魔境"ワノ国"しかも時系列はおでんがご存命の時期ときたもんだ…

 

誰が産めと頼んだ…!(困惑)

 

こんな魔境で生き残れるわけないダルォ!?ボディは高性能かもしれないけどメンタルは豆腐レベルなんですよ!!一般ピーポーに何をさせるために転生させたんですか!!

 

「はぁ…とりあえず今日の分でも売りに行きますかね…」

 

そう言いつつ翼をはためかせる。何年も射命丸をやってれば飛び方も様になっていくものですよ。多分本家はもっと速かったはずですから、まだまだ伸び代はあるはずですね。

 

さて、今からワノ国全域に届けにいくものは『文々。新聞』。幻想郷で射命丸が配っていた新聞ですね。

 

やはりただぼーっと生きてるのは勿体ないわけなんですよ。そこで戦いには出なくていいジャーナリストになろうと!思ったわけです!海に出れるようになったら最終目標は打倒『世界経済新聞』です!

 

「今日は何部売れますかねェ〜。たくさん売れれば良いんですけど…」

 

そんなことを思いながら自分の住処である九里の海岸沿いにある林から飛び出し"花の都"に向かう。

 

 

 

 

○○○○○○○○○

 

「皆さーーん!!号外ですよーー!!兎丼にて巨大鰐現る!!」

 

自分の真下に人が集まり始める。今回の号外は兎丼にて起こった巨大鰐による災害だ。ワノ国ではしばしばワニザメという陸上でも軽快な走りを見せるサメが現れるのだが、兎丼の肥沃な大地により巨大化したワニザメが暴れ出し農村を破壊し始めたのだという。

 

「おいおい、大丈夫なのか?」

 

「私あそこのお汁粉好きなんだけどね…」

 

「俺の爺さんがそっちに住んだんだぞ!?」

 

ふふっ、どうやら売れ行きは上々。今夜のおかずは豪華になりそうな気がしますね。

 

「今、会員になると月に30銀払うだけで早朝にすぐさまお届けしちゃいますよ〜。さらにさらに50銀払うとなんとぷれみあむ会員になれちゃいます!!」

 

「ぷれみあむ?会員になるとどうなるってんだい?」

 

「新聞に私の写真付きです」

 

「買った!!」「俺もぷれみあむに入るぜ!」「シャメイマルチャーン」

 

ぐっへっへっへ。ちょ〜っとエサを垂らせばこの通りよ…ワノ国チョロ「おい!射命丸ゥ!!」バシュッ ひぇっ!?

 

「あ、あややややや!?」

 

トンデモ速度で飛んできた斬撃に顔を強張らせる。あの頭に立ち上らせる剣気は…ま、まさかッ!?

 

「てめぇ…誰の許可とって新聞売り捌いてんだい?次来たらその翼ちょん切るって言ったはずだが」

 

「あやややや。これはこれは花のヒョウ五郎親分ではないですか!相変わらずの剣気、惚れ惚れしちゃいますね」

 

顔は取り繕っているが内心冷や汗ダラダラである。なにせ相手は全盛期の花のヒョウ五郎親分、負けるに決まっとるやないかい!!

 

「相変わらずの減らず口だな。それぞれの郷にも瓦版がいるのを知ってるだろ?お前のやってることはそいつらの生命線を奪っているのと同じなんだよ!」

 

それはごもっともですね。しかし私も引けませんよ?基本的に私は自分優先ですからね。

 

「それはごもっともですね。しかし私は大妖怪ですよ?そんな一人一人気遣ってるとお思いで?」

 

「ほ、ほう?お前ェは相変わらず俺を怒らせるのがうめェな…その喧嘩勝ってやろうか」

 

ひぇっ!?親分の刀が真っ黒に!?まずい、まずいですよ。喧嘩なんて売らなきゃよかったか…?

 

「そ、それでは私はこれにて。清く正しい射命丸でした!!」

 

「あぁん!?逃すと思ってんのか!?"流桜・乱れ桜(りゅうおう みだれざくら)"!!」

 

その必殺技名と共に斬撃の雨が飛んでくる。

 

「あや!?あやや!?あややややや!?」

 

あぶねっ!あぶねっ!斬撃の隙間を縫うようにして避けているが体力面じゃなくて精神面的にキツいぞこれ!

 

「こ、れは、キツい、ですね…」

 

「なァに、峰打ちだ。安心してさっさと落ちてこいバカ鴉」

 

いや、安心できないんだが!?だけどこのままだとジリ貧だ…なら。

 

射命丸が避けながらも懐から羽団扇を取り出す。羽団扇には怪しげな気が集まっており、紅葉したかの様に色づいていた。

 

「"風神(ふうじん)"」

 

振りかざした羽団扇に風が集まる。どこからともなく現れた落ち葉が舞い民家の屋根が軋み始めていた。

 

「"風神木の葉隠れ(ふうじんこのはがくれ)"!!」

 

「!?」

 

羽団扇を振り下ろすと共に強風が吹き荒れ、凄まじい量の木の葉が射命丸を包み込んでいく。ヒョウ五郎が瞬いた一瞬の隙に射命丸は消えていた。

 

「あやややや。これにて私は失礼しますよ…。清く正しい射命丸でした…」

 

風と共に射命丸の声が響く。

 

「次此処で売り捌いてみろ!お前ェの皮ひん剥いてやる!!」

 

そう叫んだヒョウ五郎の声も風に流されて消えていった。

 

 

 

○○○○○○○○○○

 

 

 九里 "唐巣林(からすばやし)"

 

「ぶ、ぶはぁーーーッ!!死ぬかと思いました!」

 

めっさ怖かったぁ…。あの鬼の形相、ぶっちゃけもう相手にしたくないものです。

 

しかし、しかしです!こんなことではジャーナリストとは言えない!!私の目標は遥か高み『世界経済新聞』!こんなことでへこたれてられないぞ!!

 

懐からメモ帳と"白舞"の港でパクっ……頂戴した映像貝(ビジョンダイアル)で出来たカメラを出し準備を始める。

 

「明日はそうですね…。白舞の大名にでも取材しに行きますかね」

 

 

 

 

 

 

 

 




考えついたからつい書いてしまいました。射命丸って可愛いですよね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

白舞にて

ィエーキサイトォーーー!!クゥイーーーーン!!(挨拶)

『くらげぼんぼん』改め『消波ブロック』に改名致しました。今後ともよろしくお願いします。




なので初投稿です





 ワノ国にて唯一正規の港を持つ郷"白舞"

 

 広大な土地を色付いたもみじが覆う、秋の季節を有する郷である。

 

「あやややや〜実に見事な紅葉狩り日和ですね〜。こんな日には大抵ビッグニュースが舞い込んでくるものです。」

 

 空中でパシャパシャとカメラを鳴らしてる1人の美女。皆さんご存知清く正しい射命丸です!

 

 今回はこの白舞を治める大名である『霜月康イエ』のところへ取材に向かっているところであるのですが…

 

「いやはや、もぐもぐ。ここの焼き芋は実に最高ですね!もぐもぐ」

 

「そうかい?そりゃあ嬉しいねェ。"白舞"特産のさつまいも『紅かなた』だからね、甘さも舌触りも格別だろ?」

 

 ここの土地には美味しいものが多い!焼き芋然り栗ご飯然り、食欲の秋とはよく言ったものですね。ついつい近場の食事処に寄ってしまいますよ

 

「そうだお姉さーん!焼き芋を二つほど見繕ってもらえますか?」

 

「あいよ〜。食べた分も合わせて6銀だよ」

 

 私は押しかける側ですからね。お土産くらい持っていってあげたほうが康イエの機嫌も良くなることでしょう。

 

 

 

○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 懐にほかほかのお芋を忍ばせ風を切るように空を飛ぶ。目指す場所は白舞でも一番目立つ"白舞城"だ。

 

「いつ見ても綺麗なお城ですね。前世で言うなれば白鷺城並みですか」

 

「ーーん?お、おい!止まれ!ここから先は康イエ様が居られる白舞城であるぞ!」

 

「いや、その康イエに用があるからそっちに向かってるんですけどね?」

 

「んなッ!?」

 

 下の方から野太い声が聞こえるが無視である。どうせ康イエ(あいつ)の事だから私が来たと伝えても入れてくれないだろうしね。

 

 なんて事を考えながら飛んでいたら白舞城の中庭に到着しました。いつもならここら辺で刀の手入れをしているはずなんですが…

 

「ハァ……うしろだ。このバカ鴉が」

 

「ばっ…バカ鴉ってなんですか!!どいつもこいつもバカバカって!」

 

 聞き捨てならない言葉につい反応しながら後ろを向くとそこには男が立っていた。ハリネズミのような髪型に厳格な顔つきをした私の弟分である白舞大名『霜月康イエ』である。

 

「まったく…。せっかく姉貴分である私が来たんだからもっと喜んでもいいんですよ?」

 

「なァにが姉貴分だ。無駄に長生きなお前が勝手に言い出しただけだろうが」

 

 酷い言いようだがきっと照れ隠しでしょう。私は康イエが先代大名に泣かされながら指導されてるのを笑いながら見守っていたぐらいの仲ですからね。あの時の睨みつける姿なんかもう可愛かったですね〜。

 

 それよりも気になるのは康イエが出てきた部屋の荒れ具合です。机は天井にぶっ刺さり、襖や障子などには切れ味の良いもので斬られたであろう跡が残っています。これは…スクープの匂いがぷんぷんですね。

 

「それで私は取材のために来たんですが…なんですか、この部屋の荒れ具合は」

 

「ええい!かめらをこっちに向けるな!お前に写真を撮られたら後々面倒だ!!」

 

「教えてくださいよ〜。私と貴方の中でしょ〜?」

 

「顔を近づけるんじゃない!!……わかった。話してやるからもう少し離れろ、かめらも向けるな」

 

 とうとう観念したのか縁側に腰を落とす康イエ。あややや〜顔を真っ赤にしちゃって、昔っから変わりませんね〜

 

「それでそれで此処で何が?獣でも飼ってたんですか?」

 

 カメラをしまい懐から手帳をだす。

 

「この部屋にはな、いま1人の男を住まわせているのだ。親に勘当されたほどのバカ息子でなーーーー」

 

 ほうほう…山の神である大猪を花の都に呼び寄せた挙句真っ二つに切った大男と…。おや?おやややや?めっちゃ聞き覚えのある内容なんですが…って言うか新聞の記事にもしてるぞ?

 

「フッ…やっと気づいたか?お前の最も苦手としている男だ」

 

 顔から血の気が引いていくのを感じる。脳裏にはONE PIECEのストーリー的にも積極的に関わりたくないのに、凄い頻度で出会う男の顔が浮かんでいた。

 

「あ、あやややや。私はここら辺で失礼を 『オジキ!!今帰ったぞ!!今日の晩飯はおでんに候!!』 げげぇっ!?」

 

「その呼び方はやめろと言ってるだろ!?」

 

 そう。彼の名前は『光月おでん』ワノ国の将軍である『光月スキヤキ』の息子であり、ONE PIECEのキーパーソンでもある男だ。

 

「んぉ?文姉ェじゃねェか!!噂には聞いてたぜ?なんでも親分をブチ切れさせたらしいじゃねぇか!!」

 

 こら!背中をバンバン叩くんじゃありませんよ!!貴方の力じゃ内臓飛び出ちゃいます!!

 

「こ、これはこれはおでん君じゃないですか〜。私も噂はかねがね聞いていますよ。何でもスキヤキ様に勘当されたとか?」

 

「おー!ありがてェもんだな。九里まで俺の噂が届いてるとは照れちまうぜ」

 

 ぐっ!この生粋のポジティブ人間め…。はぁ…何でこんなに懐かれたんだか。

 

 するとドタドタと大きな音を立てて走ってくる足音が2つ

 

「お、おでんさん!!先行かないでくださいよ!!」

 

「げげぇっ!?ボス鴉じゃねぇか!!おでんさんに気安く近寄るんじゃねぇ!」

 

 花の都の悪ガキ共『傳ジロー』と『錦えもん』である。

 

「だーれがボス鴉ですか。あなたはこんな所で油売ってないでお鶴ちゃんに借りたお金を返す方法でも模索したらどうです?」

 

「な、なんでそれを!?」

 

「ワノ国全域など私の手中ですよ…。私は妖怪ですからね、あなたたちの行動など手にとるようにわかるんですよ〜」

 

 手をワキワキさせながら2人に歩み寄っていくと「ヒ、ヒィ!?」と言いながら後ずさる2人。

 ふっふっふっ。私をあんま舐めるからですよ!カラスある所に射命丸あり!ですからね。

 

「そうだ文姉ェ!九里に住む怪物って知ってるか?」

 

 庭に鍋を出しながら話しかけてくるおでん。どうやら今日の具材は大根に卵、ちくわぶにがんものようだ。

 

 さて、九里に住む怪物ですか…。話の流れ的に私ではないだろうし。というと思いつく男は1人しかいません。

 

「九里で怪物っていうと…。『アシュラ童子』ですかね?あそこの(かしら)気取ってますし、なにより見た目が中々の男ですから。」

 

「ほおん…。アシュラ童子ねぇ…」

 

 鍋がぐつぐつと音を立て始めた。お出汁の匂いがふわっとこちらまで香ってくる。

 

「よし、決めたっ!!俺は九里に行こうと思う!その『アシュラ童子』が気になるんでなァ!!」

 

「「「ええーーーーーー!?おでんさん九里に行っちゃうんですか!?」」」

 

 傳ジローと錦えもんだけではなく、康イエの家臣たちまで悲痛な叫びをあげる。

 

「おでん。言っておくが『九里』はワノ国の"癌"だ…。スキヤキ様にも手が出せぬ」

 

 康イエが重い口を開く

 目の前に九里在住の記者がいるんですが…。よく目の前で九里は癌とか言えるものですね

 

「犯罪者は『九里』に逃げ出せばお上にも手が届かん。しかし九里で生き残る力がなければ死が待つのみ。もはや別の国と化してる程の無法地帯だ」

 

 まあ、実際その通りなんですがね。殺し合いや追い剥ぎに放火なんて日常茶飯事ですし…

 

面白い!ちとワノ国を漫遊して参る!!

 

 康イエの警告に対してにかっと歯を剥き出して笑うおでん。

 

「まあ、そんなことより今日はパァーッと酒でも飲もう!ほら手前ェら集まれ!!熱々のおでんに候!!」

 

「うわぁ!流石おでんさんの作ったおでん!!最高に美味そうです!!」

 

 黄金に煌めく出汁。熱々のがんもどきや大根。レンズを曇らせるほどの湯気。全てをとっても美味しそうなおでんが蓋を開けたら現れる。

 

 そこからはもう宴会ですよ。流石に康イエは混ざってませんでしたが、康イエの家臣も混ざってどんちゃん騒ぎ。私もおでんをひと口貰いたいところですが、長居しても面倒ごとが舞い降りてきそうなんでそろそろ帰る準備をしましょうかね…

 

「……おい!文姉ェもこっちに来いよ!!この大根なんて味が染み込んでて最高だぜ?」

 

「うわっ!酒臭っ!!近寄らないでくださいよ酔っ払い!!私はまだ仕事中なんですから飲まないようにしてるんです!!」

 

 大きめのひょうたん片手に肩を組んでくるおでん…。って力が強いっ!!痛いですって!!手がめり込んでるめり込んでる!!

 

「そうだ。ちょっと頼みたいんだけどよぉ!どうせだから九里まで道案内なんて… 「嫌です。そこまでする義理もありませんし戦闘に巻き込まれた場合に困りますっ!」 あっ、ちょっと待てよ文姉ェ!!」

 

 ちょっと力が抜けたのを見計らい思いっきり飛び上がり抜け出す。

 

 アシュラ童子は権力者が1番嫌いですからね。将軍の子なんてのが九里に行ったら必ず戦闘になるでしょうし。私自身が九里に住んでますから逆恨みで襲撃されたら溜まったものじゃありません。

 

 

 

 

 

 日が傾きだした空にて身を翻しおでん達に向き直る

 

「あややや…。それではどんちゃん騒ぎの中失礼しますね。清く正しい射命丸でした…」

 

「次こそは俺のおでん食ってけよぉ!!」

 

「次はおでんさんの前に顔出すんじゃねぇぞ、ボス烏!!」

 

「そうだそうだ!!俺たちの目が黒い限りはおでんさんに近づけさせねぇからな!!化け烏!!」

 

 下から悪ガキどもが黒いゲンコツを喰らった音を聞きながら彼女はそれはいい笑顔で九里の空へ消えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ…。お土産の焼き芋を渡すの忘れてましたね」

 

 

 

 




1話だけ書き途中のものがあったので続きを書いて投稿した次第です



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。