Good morning,NightCity. (銀翁玉)
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ACT1:ナイトシティへようこそ
始まり 転生 確かめ
Good morning,NightCity!!
……じゃねぇですよ!
どうも、転生者です。何故かサイバーパンク2077に転生させられていました。
しかも昨日までやっていたMOD導入データで全ステ20、スキル全部取得を行ってオールレジェンダリー化、車全購入で一部バイクの色を変えてある状態にしてあるデータそのものです。
………何が言いたいんだって思われているでしょう?はいまさしくその通りです。
上記に書いた通りなんですが、最大の懸念はですね……体が女になっている事なんです!
えぇ!転生前の体は男ですよ!マイサンがない!胸はある!えぇびっくりしましたとも!!
よくある体を確かめてみるか…(エロ同人やエロ本)は勿論やりました。気持ちよかったですはい。
取り敢えず起きた時から落ち着くまでの一部始終を描写するのでどうぞ。
「……朝…か…あれ?いつ私ベッドに向かったっけ?」
睡眠から覚醒し眠気眼を擦りながら体をベッドから持ち上げる。
意識はまだ覚醒しきっておらず頭はよく回っていない。
ふと、違和感を覚える。私の体はこんな細かっただろうか?
そう思い自分の体を見下ろすと自分にはない筈の二つの双丘が鎮座しているのが見えた。
「えっ…?はっ?……えっ!?
待て待て待て…!冷静になれ…自分の体が女体化は許容しよう。いや一部男の夢が叶ったウヒャホイとも言ってやろう。だがここどこだ。知らんぞこんな部屋」
そう独り言ち周囲を見渡す。
先ず目に入ったのは空中に浮かんでいる映像。映像にはCMなのか商品の広告をしている。
……ん?ニコーラ!っておい……いやいやいや…まさかそんな事ないよな……?
そう思い再び自分の体に目をやる。大き目の胸、女性らしい体付き、毛が剃られているのかツルツルな鼠径部…
うん、眼福だネ!全く興奮しないという事を除けばだが。
そして腕……どうみても機械が入っています本当にありがとうございました。
……って事は足もか…?と見るとやっぱり機械が入っているようなデザインがある。
ハッハッハッハ!まっさかーと思い鏡があると思われる洗面台を探す。
少し歩いてみるとシャワールームらしきところがありお隣様には洗面台を発見した。だが鏡らしきものはない。
まさかと思い洗面台に立ち目の前のディスプレイに顔を近づけるとおぉ!鏡になった!!そして鏡に映った自分を見てみると……
「えっ……なんでワイ『V』君になってんの…?」
まさか昨日までやっていたサイバーパンク2077の主人公、V君(女)になっていた。しかも自分がキャラメイクしたそのまんまの姿でだ。
「おいおいおい…自分の作ったV君そのままんまって事はあれか?まさかフルレジェンダリーか……?」
そう思い今度はしっかりと自分の腕を見る。
…………ゴリラアームじゃないですかやだー……しかもベアナックル付けてるー…
なら足は……あぁやっぱりあのエピック足か……
「( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \……まさかサイバーパンク2077の世界に転生するとは…ヨシ。まずは、だ」
自分の体を堪能するとしよう!
先ずは胸を優しく揉んで…あっこれは中々………アッ…!…下も疼いてきt……
…
……
………
…………
……………フゥ……
描写がない?詐欺?仕方ないよ全年齢版なんだから
取り敢えず落ち着いたので服を着ようか。
予想ではあそこが武器庫だから服もあるでしょう。
そう思いつつ扉の前まで歩き扉を開ける。
ドアを開けた先は武器、弾薬が所狭しと並べられ服も何着もかけてあった。
「これはこれは……中々…愛用のサイレンサーオーバーチェア、オマハにサイレンサー付きグラード…はあるな。……成程しまっていたレジェ武器もあるなこりゃ」
感嘆だとばかりに溜息を付き右手を顎に置き左手で右肘を持つ。
……さて、これからどうしようか……
続きを書くかどうかは筆者のやる気と時間と反応次第。
ほぼ一発ネタみたいなものなのでご容赦を。
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服 銃
取り敢えず服を着よう。
先ずは下着のチョイスから。装飾等がなく動き易そうな物を着用する。
ほう……これがショーツを履いた感覚か……これは中々…
ブラ?DTじゃないんで普通に付けれますよえぇ。
次にズボン。おっ、流石は私のデータだったものだ。愛用していた戦闘用カーゴパンツあるじゃん。これにしよう。
インナー。ゲームでは軍用アラミド繊維ネットランニングスーツをしていたがこれでは味気がないし色気もない。何より無骨すぎて嫌だと思う。順調に体に影響されていて何よりだとしか言いようがないネ!
と、いうわけでレジェンダリー化して色々刺しておいた耐久繊維カットアウトタンク(トップ)を選択。うーん胸元が少し見えてセクシーでヨシ!
上着。おぉラリーボレロジャケットあるじゃんこれ気に入ってるのよね。これにしよう。
……確かこれ星ルート報酬のやつでアルデカルドスのやつだったような…柄消えてるし世界の修正力でも働いたのかね?まぁ気にしても仕方ないしオキニだから着るけど。
顔。やっぱりこれだよね。SAFETY3201のエルゴノミック軍用サングラス!帽子と組み合わせると最高なのよね。
と、いう事で帽子!カメラ付きキャップ……だけどアラサカとかトラウマチーム等のマークが入ってないな。まぁいいこれもオキニだし。
最後に靴。根っからのブーツ派の私は多目的パンクフリートを選ぶぜ!
これで衣服一式は着たな。ゲームそのままなら改造スロットにデッドアイ、ブリー、アルマジロをスロットしている筈だが確かめ方が分からないので後々でいいでしょう。
………さて、武器だが……
ゲームだった頃は武器の装備枠は3枠しかなかったしアキンボ(2丁持ち)なんてできなかった。だが現実になった事でできるんじゃないかと少しワクワクする。
人殺しはいけないし抵抗はないのか?おいおいおい、ここナイトシティ、キャピタルウェイストランド、モハビ、ニューベガスと同等レベルの地獄ですよ?良心の呵責が来る前にコロコロされるのはゲーム時代から分かってたのでもはや気にしてはいけないと思います、はい。
まぁ兎にも角にも武器ですよ武器。流石に対物ライフルのグラードさんとかだと余りにもマズいので携行武器やサブマシンガンをチョイスしていきたいと思います。
まず1本目!絶対の相棒!オーバーチュア!
サイトは2067、サイレンサーはXC-10 セタス。改造パーツはカウンターマス、後全部パシファイヤーのチョイスだ。
これはライトアームにしよう。ホルスターも発見できたのでホルスターを右腰に付けそこにオーバーチュアを挿す。
2本目、DR12 クエーサー!
ゲテモノじゃあねぇか!!?そんな声があると思いますがとんでもない!コイツはとてもいい銃なんですよ!
まずテック武器。チャージするだけで簡単壁貫通!しかも循環器系サイバーウェアのフィードバック回路を付けていればフルチャージで10%HPが回復する。
しかもコイツはリ ボ ル バーなんですよ!?
銃に詳しいお兄さんお姉さん方ならお分かりもしれませんが、ジャム(弾詰まり)が事実上発生しない!これは戦闘時においてとても大切なことです。
これは弾倉の大きさが大きさなので足、腋元に付けれないので大人しく腰の後ろにホルスターと一緒に取り付けよう。
ばら撒く為に作ったものの筈なのでサイトは無し。改造パーツはカウンターマス、後全部クランチにしてあるはずだ。
最後、三本目!
ナ イ フ
何故かって?
投げるためさ!
こいつは複数あるのでナイフシースに入れて腰、脚、腕に仕込むように装備しておく。
これで装備も整った。さて、次は情報を整理しないといけないな…
服と武器について書くだけで1400文字だってSA!HAHAHA!
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情報 方針 買物
さて次は情報だ。
とりあえず自室(だと思われる)に置いてあるPCの電源を…電源を……ちょっと待て、電源どこだ?
ゲームの頃は何の気なしに電源が付いていたがこれどうやって付けるんだ?
……と四苦八苦してええいままよとばかりにディスプレイの電源ボタンらしきところを押すとPCが立ち上がった。
なるほどディスプレイ一体型か…確かに某リンゴさんとかそういうのあったよね。私個人としてはディスプレイの熱とか容量確保の問題とかであまり好きにはなれなかったけど。後私MEからの窓使用者だし。
とりあえずは今何年、何月、何日かだ。
確かコーポレートでの開始時、ⅤのオフィスにあるPCでの年月日は2077年6月12日だった筈だ。
これでもし同年かつ10月とかだった場合、自分がⅤという人物になっている可能性が大いに高く、その場合あのレリックに関わっている可能性がとても高いのだ。
まかり間違ってもレリック強奪直前とか勘弁してほしい。どうあがいてもジャッキー、Tバグがあかんし私自身もグッドラック(絶望)になってしまう。
そうしてPCを操作し今の年月日を調べる。
成程成程…今は2076年6月22日か………1年前!?
よっしゃ本編開始の約1年前だ。これだとまずⅤ君本人という確率はほぼないと見ていいだろう。
デザイン的にはだが多分ここは本編中にⅤ君の最初の拠点となるH10メガビルディング:アトリウムの内の一室だ。
ただもし、ここが同じ部屋だった場合少々面倒な事になるがまぁそこは後でどうにかするしかないだろう。
所でだが今私はどれくらいエディを持っているのだろうか?確か通貨名はユーロドル、€$と書いていたが現状どうやって確認するか分からない。
ゲーム上だけで言うなら支払いや収入時に画面左中央少し下に表示されていたが現実となった状態ではどうだろう?
ゲーム時の表示画面=視界だった場合支払い等で表示されるのでどこかで確かめない……と……?そういや部屋には自販機があったな。それで試そう。
さてど れ に し よ う か な~?
日本語でやっていただけに無事アクセスする前にポップアップウィンドウが出て(少し感動した)それが日本語で書かれていたのが非常にありがたい。
ブリトーXXL、ブリトーXXL・ロサド、ブリトーXXL・トゥルケーサ、どれに…って全部ブリトーじゃあねぇか!!
なら無難にブリトーXXLにしますよえぇ。好奇心は猫をも殺すと言いますし。
さて……幾ら!と思いつつ購入。無事金が自動的に引き落とされる。
自動決済とか便利だなおい。これだけでも転生したのがこの世界でよかったかもしれない。ただ世界自体地獄みたいな気もするが気にしてはいけない。
……見間違えか……?9が8桁あってそこから5€$引かれたぞ…?
えぇと…一十百千万…8桁なら…9千万!?
金持ちすぎんだろ‥いや待て、金そろそろ尽きてきたなー金策するかーと言いながらグリッチバグで大量に増やしたブランチェジ作「無題18番」(2021年)を大量に売って貯めてたな…それがそのままそっくり持ち越しされたのか。
どうやら一般市民として生きても死ぬまで金は尽きそうにないですねこれは。
だがいつ頭トチ狂った連中の襲撃とかサイバーサイコの襲撃でおっちぬか分からないし金の匂いを嗅ぎつけてギャング共が押しかけてくるか分かったものではないのである程度腕っぷしは欲しい。
よし、方針としてはソロの傭兵として登録してテッキーにもなろう。
本編への介入は……正直お話の途中と最後が気に食わなかったのでぶっ壊す方向にしようか。
そうと決まればフィクサー達に傭兵活動始めるので仕事の斡旋よろしくお願いしますと言いに行こう。
まずはナイトシティのレジェンドの一角、ローグの元に向かうとしようか。
あ!その前に銃器店に行って弾薬と射撃場で訓練しないといけないな。
保管庫に大量に銃弾があったがどの弾がどの仕様かあまりにも多すぎて面倒だったしサイレンサーを付けた銃の関係上可能ならサブソニック弾があると嬉しいし。
というかゲーム上での弾薬表示が○○弾だけってなんだよ!現実の様にFMJ(フルメタルジャケット)や亜音速(サブソニック)やニトロエクスプレス(マグナム)弾とかあるでしょうに!
自分の部屋から出て周囲を見る。
目の前には階段が見える。後ろを向き自分の部屋番号を確認、番号は0615。
ふと既視感がよぎり階段を上り通路を見る。見慣れたファストトラベルでお世話になった機械がありそこをみると現在地:リトルチャイナ H10メガビルディング:アトリウムとかいてある。
成程成程…Ⅴ君の部屋(予定)の一階下か。
うーんこれは自分はⅤ君本人ではないと断言できるぞ!や↑ったぜ。
明るい気持ちになりながら通路を歩き銃器店まで歩く。
住民達が歩いていたり道端で座っていたり店を開いている横を通り過ぎる。
耳を澄まし会話を聞いていると日本語で他愛無い会話をしているのが聞こえる。
本当に日本語環境でしていてよかったと心の底から思う。もし英語環境だったら翻訳ソフト頼りであたふたしたのが分かるだけに非常にありがたい。
……まぁ所々日本語以外も聞こえるからこればかりはゲーム上でもあったのでもしかしたら意識を向けないと話言葉や文字は翻訳されないのかもしれない。
無事?まぁ普通にだが銃器店:2ND AMENDMENTに到着したので中に入る。
「よぉあんた、久しぶりだな。今日は何が入り用なんだ?」
店に入ると店主のウィルソンが声をかけてきた。
どうやら自分は久しぶりに店に入るらしい。ウィルソンの反応からみるにある程度通っていたらしいことが分かる。
「ソロを始めようと思ってね?この子とこの子の銃弾を見繕って欲しいんだ」
「あんたがソロ?おいおい、ネットランナーの次はソロとは中々に手広くやるんだな」
「何、少し厄介事を抱えそうな気がしてね。その為の事前準備といった所だよ」
「OK分かった。…クエーサーとオーバーチェア、サイレンサー込みか。どれくらい欲しい?」
「クエーサーは5マガジン、オーバチェアは60発お願い。
あ、ついでにスピードローダーも10個お願いね」
「了解だ。他には?」
「ちょっと射撃場使わせて?鈍ってないか確かめないと」
「鈍るも何もそうそう使ってなかったろ?」
「違いない」
「「HAHAHA!」」
気兼ねなく会話しウィルソンがちょっと待ってろと言うのでカウンターに腰かけ待つ。
どうやら私はネットランナーをやっていたそうだ。
いやまぁ確かに全カンストしてるしあの時そのままなら基幹システムはネットウォッチ・ネットドライバーMk.5でデッキも合わせて範囲汚染特化の凶悪仕様だけどさぁ…
まぁ会話の内容的に性格はそのまんま自分と同じらしく喋り方も同じだったみたいだと推測できる。酷い偶然なのかそれともそうインプットされたのかは分からないがいいだろう。
あ、ウィルソンが戻ってきた。
「ほいよご注文の品だ。射撃場を使うんだろ?追加しといたぜ」
「ありがとうウィルソン。はい、料金」
「おいおい値段以上にいれてるぞ。いいのか?」
「これからも世話になる店主への細やかなお礼とこれからもよろしくって事だよ」
「ならありがたく貰うぜ。今後とも御贔屓に」
あぶねぇ、値段聞くの忘れてた…!
取り敢えず会話で乗り切ったが思いっきり払い過ぎたようだ。
後もしかしたらとやってみたがゲーム時のお金のやり取りと同じように相手を見て指を出しお金を送ると念じたらできたってのは僥倖だ。
眼を凝らしてみるとピストルの弾が1発2€$、クエーサーが1マガジン20発の計100発オーバーチェアが60発だから160×2で320€$。で、私がこれくらいあれば足りるだろと出したのが1000€$。どうやら680€$も多く払っていたみたいだ。
まぁウィルソンも追加でクエーサー2マガジン、オーバチェアの弾を24発くれたし両方ともwinwinって事でいいでしょう。
貰った弾薬箱とマガジンを片手と腕で持ち射撃場の扉を開けて中に入る。
そのまま開いているスペースに入り弾薬箱を机に乗せ、両銃をホルスターから出しこれも机に乗せる。
「先ずはオーバチェアから試すか」
そう呟きゲーム上でⅤ君がやっていたようにオーバチェアのシリンダーを本体に止めているロックを解除し左手でシリンダーを押し出す。
弾薬箱を開け弾を1発1発ずつ左手の親指と人差し指で持ち上げシリンダーに装填する。
6発装填しシリンダーを本体に戻す。ロックが掛かった事をしめすカチャリという音がなり準備は完了。
足元にレバーがありそれを踏むとターゲットが出た。
先ずは試しに反動が少ないシングルアクション方式で試す事にしよう。
ハンマーヘッドを右手親指で押し一番後ろまで後退させる。
カチリ、という音と共にシリンダーが回り次の薬室に移動しラッチがシリンダーの回転を止める。
両の手でしっかりと持ち、脚を肩幅まで開いてファインティングポーズのような構えを取る。腕と銃で二等辺三角形になるような形を取りその状態で保持、右目でサイトを見てターゲットの中心に狙いを定める。
トリガーを引き、弾が発射される。反動はカンストの影響か全く感じず、狙った通りの場所に着弾したと示す穴が開いたのが見えた。
「予想以上に反動を感じなかったな。改造パーツと筋力、ゴリラアームの影響だろうか?」
次はダブルアクション方式で試そう。
構えはそのまま、ハンマーは起こさずトリガーを引き銃弾を発射する。
シングルアクションの時よりもトリガーを引き切るのに少し力が必要だったがそこまで重く感じずに真っ直ぐに引けた。
着弾確認。今回も狙った通りの場所に着弾をしていたのを確認する。
それならばと狙いを開けた穴に定めそのまま4回トリガーを引く。
少々穴が広がったがほぼ同じところに着弾したのが確認できた。
「単発射撃は問題なし…っと。次」
そういいオーバーチェアに入っている空の弾薬をシリンダーを開放して一個ずつ取り出し机に並べて置く。片付ける時面倒だからね仕方ないね。
次はクエーサーだ。
右手でクエーサーを持ち左手で弾倉を左から押し込み装填する。
カチャリと音がなり装填完了。
安全装置らしき所(…いや普通にFIREとSAFEって書いてあるし…)を解除しクエーサーを構えトリガーを引く。オーバーチェアと同じように弾が発射されターゲットに着弾する。
発射は問題なし。次はチャージだがどこを押せばチャージされるんだ…?
取り敢えずトリガー上の部分を操作してみる。……マガジンがリリースされました。
マガジンを戻し今度はグリップ下にあるボタンを押してみる。
キュウーン!という音と共にチャージが開始される。慌てて構えトリガーを引く。
電磁加速された弾がターゲットに着弾し貫通した穴が青く発光しているのが見て取れた。
「成程成程…次はフルオートといこう」
再びクエーサーを構え充電を開始する。
チリチリと音が鳴り始めたところでトリガーを引き続ける。
連続で弾が発射され反動で少しずつ腕が持ち上がるがそれを抑え込み打ち切るまで保持する。
「流石にこれはちょっと面倒だな…後でどうするか考えるか」
両手で保持しないと反動が抑制できない、貫通させる為の給電も必要。確かに貫通力、リボルバータイプ特有のジャムの無さというのは魅力的だが如何せん必要な事が多くこれだけ連射が必要な場面というのはそうそうこない。というかそういう時ならアサルトライフルとかでいいじゃんってなる。
とりあえず現状はこれでいいとして後々で代替の銃が必要となるだろう。
打ち切ったマガジンをクエーサーから取り出しオーバチェアで打ち切った空薬莢と共に片付ける。
確認も済んだことだし弾薬詰めて残りはズボンやジャケットに入れてローグの居るアフターライフに向かうとしよう。
本著に登場する年、日付等はある程度ゲームでの検証を行っています。
余談というか本文でも言っていましたがコーポレート開始時、マーケットデータの年月日表示はFROM JUN29 2077 TO AUG20 2077、つまり6月29日から8月20日までとなっておりⅤ君のオフィスでは6:20 PM 06/12/2077、つまり6月12日午後6時20分となっています。
それと温度なんですが81℉、華氏(ファーレンハイト)81度でこれを普段使っている摂氏(セルシウス)に直すと27.2222…℃となります。
1960年頃まで華氏が基準だったみたいですが1960年代後半から1970年にかけてメートル法への切り替えと共に華氏から摂氏に移行していったらしいのですが、アメリカ等では今でも使っているとか
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移動 後の人生
だからなんだって話なんですがね
2ND AMENDMENTから出てすぐのエレベーターをボタンを押して呼びだす。
少し待っているとエレベーターがやってきてシャッター?セーフティー?トビラ?が上に持ち上がり開く。
エレベーター内に入り中心に行くと01:入口とタッチパネルに表示されたのでそれを押しエレベーターを稼働させ移動させる。
「やっぱ画面4つなんていらないよなぁ…?まぁついつい見ちゃうんだけど」
エレベーター内にある4つのディスプレイに表示されるCMを見ながら独り言つ。
CMではニコーラ等の食品や飲み物のCMやちょっと助平なもの、新しいサイバーウェアや銃のCMが流れている。
しばらくエレベーターが下降するのを待つと小さな振動と共に停止し扉が開きチーン!と音が鳴る。
どうやら一階に着いたみたいだ。
「うーん…ナイトシティ…」
煙草や飲食ができる出店の匂い等を嗅ぎつつエントランスを歩き階段を下りる。
そしてふと思う。ヴィークルの呼び出しってどうすればやれるのだろうか?
エディを送ったみたいに頭の中で呼び出せばいけるのではないかと思いヴィークル呼び出しを念じてみる。
すると視界の端の方に一覧が表示されどのヴィークルを呼び出すか表示されたではないか。
「おぉ、やっぱ便利だなサイバーウェア。……さてどれを使おうか…この子にするか」
一覧表の中のどのヴィークルを呼び出そうか少し悩み一台を選択する。
余談ではあるが当然デラマンはなかった。
少々待っているとヴィークルの現在地が表示される。
ゲームと同じように一定距離に近づくと距離と場所が視界に表示されるようだ。
もう少し待っていると目の前の道路にヴィークルが止まりクラクションを鳴らす。どうやら到着したことを示す為の合図のようだ。
「元の世界にはとんと縁がなかったが頼むよ?」
タンクを少し叩きながらヴィークル…いやバイクに跨る。
セルは回っておりいつでも発進できる状態になっているので左右確認、周囲に人なし、車なしを確認し発進する。
少し進むと赤信号で停止する。
マップ呼び出しを念じマップを呼び出す。やはり思えば開けるというのは便利だ。
アフターライフと念じそこにピンをつける。道筋が表示されたのを確認しマップを閉じる事を念じる。すると視界右上端にマップが縮小しながら移動するではないか。
ゲームだった時は画面切り替わってたけど現実だとこうなるのかと少し驚きと喜びを感じ頬を自然と吊り上げる。
やはりこのバイクの音はいい音だ。
流石キアヌ監修のバイクの事だけはあるなと思いつつ運転する。
ARCH ナザレ
サイバーパンク2077で登場したバイクであり、ジャッキーの愛車でもあるこのバイク。
なんとこれはほぼそのままのデザインが現実世界にあるのだ。
それを初めて知った時は驚いたがこのバイク…いやARCHというブランドはキアヌ・リーブスとカスタムバイクビルダーが立ち上げたものでナザレはArch Method 143というバイクをサイバーパンク2077に取り入れたものだと分かる。
大体10分くらい運転ナビに従い運転しアフターライフに到着する。
バイクを止め、エンジンを切り、スタンドを出しバイクを降りる。
階段を降り、自動ドアが開くのでそれをくぐるとAFTERLIFEと書かれているネオンが出迎えてくれた。
そのまま歩き近づいていくとドアの前に立っている男が言葉を発した。
「見ない顔だが要件は?」
「ソロを始めるにあたってこの町のレジェンドに挨拶をと思ってね?」
さぁ、もう後戻りはできない。ここから総てが始まるのだから。
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邂逅 面談 行先
「少し待て」
そう言い男は視線を此方から逸らし何処かへと連絡をとる。
しばらくすると、連絡が終わったのか男が再び此方に視線を向ける。
「中で待っていろ、後で呼びに行く。……ようこそ、アフターライフへ」
そう男は言い扉の前から横にズレる。
どうやらローグが会ってもいいと判断したらしい。これは僥倖ではないだろうか?
取り敢えず中に入ろう……まずはそれからだ。
「……ゲーム通りで何より」
そう呟きながらアフターライフの中を歩きカウンター前のスツールに座る。
確かゲーム中でジャッキーがレジェンドがどうたらこうたらと言っていた覚えがあるが…まぁいい。というかジョニーの記憶ではアトランティスじゃなかったっけ?
「ご注文は?」
バーテンの女性が少しはにかみながら注文を促す。どうやらクレアではないみたいだ。今日は珍しく非番なんだろうか?
「ねぇ、ご注文は?」
……そうだ注文だ。
何も注文せずただ座っているだけなんてなんて無作法だろう。
日本人らしく……あ、今はアメリカのナイトシティの住民か。まぁ気にしないでいいだろう。
取り敢えずではあるが自分の好きなカクテルを注文するとしよう。
「ジントニックをお願い」
「へぇ……分かって言ってるの?」
女性の言葉はもっともだ。
ジントニック
ジンとトニックウォーター、そしてライムで作るシンプルなカクテルだ。
だがそれ故に店で使っているジン、トニックウォーターで味ががらりと変わり、それに加えバーテンダーの腕前が顕著に出るというシンプル故に店のレベルが分かるという恐ろしいものだ。
それを一杯目に注文するという事はある意味……いや普通に挑発行為と取られてもおかしくないのだ。
「分かってはいるんだけどジントニックが大好きなんだ。頼むよ」
「難儀なものが好きなのねぇ…分かったわ」
素直に分かってるけど好きだからと言うとバーテンの女性は笑みを深くしジントニックを作り出す。
……この時代にもタンカレーが残ってるのか…好きなジンだしとてもありがたい。
「はいよジントニックお待ち」
「ありがとう……うーんやっぱりこれだねぇ。最高だ」
「本当に好きなんだね」
「シンプル故に飾らない。だが味は深く甘さと苦さを兼ね揃えるいいカクテルだと思ってるよ」
少し打ち解けたのか和気藹々と話していると扉の前で話した男が面会の時間だとやってきた。
「ついてこい」
「了解」
ついてこいと言われ男がそのまま歩いて行ったのでそれについていく。
個室…いやテーブル席に女性が足を組んで座っているのが見える。
……ローグだ。ナイトシティのレジェンドの一人、ローグ・アメンディアレスがそこにいる。
この世界初めての有名人物に少し気持ちが高ぶってしまうが落ち着かせる。
大丈夫だ、落ち着け。焦ってはボロを出す。あくまでスマートに話す事を心掛けろ。
「あんたがソロを始めるってんで挨拶に来た奴かい?」
「あぁ、その通りだ」
「今時珍しいから会ってみようと思ったが……ふむ、何ができる?」
値踏みをするかのようにローグが自分を見る。
ここは素直にできる事を話すべきだろうか?
いや待て、例え能力がカンストしているからと言って本当に自分はそのスペックを100%発揮できるのだろうか?
だが買い物、ヴィークルの運転等の時にやった事を鑑みるとほぼゲームと同じようにできる事は分かっている。
元いた世界ではついぞ出来なかったフルダイブ型のゲームみたいなものと考えれば問題ないだろう。
「基本的には何でも可能。ただ使っていた機材の型が古くてネットランナーとしてはちょっと今の環境に馴らさないといけないかも」
「へぇ…ネットランナー上がりかい。何でもとは具体的になんだい?」
「護衛から排除まで、一通り」
「そうは見えないけどねぇ?…まぁいいさ、仕事はしっかりこなしてもらうよ」
「それは勿論」
「言うは易し行うは難しだよ」
「確かにその通りで。だけどもやると決めた以上完遂しますよ?」
「そうあって欲しいね
じゃ、話はこれで終わりだ。頑張りな」
そう言いローグは行った行ったと手を振る。
それでは、とローグに一言言い席を立ちその場所から離れようとするとローグに声をかけられる。
「忘れるとこだったが名前は?」
「……ファントム。依頼の斡旋、よろしくお願いしますね」
そう歩きながら手を振りながらローグに返答し移動する。
これでローグが管理している地域からの依頼が来るだろう。
「
ローグがそう呟く。
その声は店の音楽や声で彼女には届かなった。
「無事面会は終わったようね」
カウンター近くまで歩くと先程話していたバーテンに声をかけられる。
声から察するにやれやれと言った感が少し出ているが何かやらかしたのだろうか?
「無事…?に終わりましたよ。いやはや流石に疲れた」
「ならお祝いとしてもう一杯どうぞ。ようこそ、アフターライフに」
そういいバーテンの女性はジントニックを作り置いてくれる。
ご厚意に甘え戴きジントニックを飲む。
「……ふぅ。やっぱりこれだよこれ。
あ、そうそう、これからお世話になる皆様と貴女に」
そう言い1万エディーを送信する。
受け取ったバーテンは目を見開き驚いている。
「こんなに…!?流石に受け取れないよ」
「なら残ったエディー分ここで頼んだモノから引いといて。それなら問題ないでしょう?」
「まぁ…確かにそれなら…」
「ではそれで。
……えぇっと…お名前は?」
「シンディーよ。よろしくね。亡霊さん?」
「聞こえてたか」
御馳走様と言いカウンターから離れる。
そのまま店の出口まで行き扉を潜ると門番的な役割をしていた男に声をかけられた。
「またのご来店をお待ちしております」
「あぁ、また来るよ」
ガタイに似合わないなーとか思いながら苦笑いで答えアフターライフからでてバイクを止めている所まで歩く。
さて、次はワカコの所に行くとしよう。
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移動 初戦闘 試金石
今後ともよろしくお願いします。
アフターライフの外に止めて置いたバイクの所まで歩きバイクに跨りセルスタートをさせる。
バッテリーからイグニッションコイルに電流が流れ、そこからスパークプラグに行きつきプラグがエンジン内部でキュルルというエンジンの初動音と共に火花を散らし立ち上がる。
跨ったまま後ろに下がり発進しようとしたところ先ほどの扉の前にいた男がやってきた。
「まだ何かありました?」
「大事な事を忘れている。連絡先だ」
「………あっ……これは申し訳ない……どうぞ」
そう言い男に自分のホロ電話コードを渡す。
勿論念じてやってみたら相手のコードも来たので成功しているだろう。
ふむふむ……エメリックか。……あー確かにいたなぁ今まで忘れてたよ。
「OKだ。良き働きを」
「お互いに、ね」
そう言い合ってからバイクを発進させる。
次はワカコがいる桜花ストリートのパチンコ屋だ。
ナビに桜花ストリートを目的地に指定すると右上のマップに青い線が追加されナビが開始される。
その線に従い交通状況を見ながらバイクを走らせる。
橋を渡りそのまま桜花ストリートに入る為の交差点に差し掛かった所で目の前に車がバリケードのように並べられているのを確認した。
少しずつ減速し停車するとバリケードの向こうから数人が此方を見つめた後指を指す。
あっ……これもしかしてチンピラに絡まれるやつか…?
"もしも"を想定し脳内のギアを一段階引き上げる。すると自分でも驚く程体温が下がった事を認識する。…もしかしてコールドブラッドのスキルでも発動したか…?
「おいお前!」
「聞こえてるのかおい!」
「お前だよバイクに乗ってるやつ!」
あ、私だ。
私ですか?と指で自分を指す。するとそうだよお前だよ!と男が叫ぶ。
やっぱり私か。……あぁ、厭だ厭だ。
仕方なくバイクを降りバリケードの向こうにいる男の元に近づこうと歩くと右足近くに弾丸が撃ち込まれる。
そこで動くなですかー…もういい、ヤるか…?
「動くんじゃねぇぞ!……おい、あいつが乗ってたバイクとってこい」
ナザレが目的か。これはお気に入りなんだよ。そっちがそうなら
先ずは叫んでいた男に視点を合わせる。……よし、サイバーデッキ起動。
ping送信。……成程5人か…次、ブリーチプロトコル実行。
「……脆いな。」
「ピン!?おm」
遅い。ICE突破確認。サイバーウェアのシナプス加速器が起動し意識を加速させる。
加速した意識の中で集団脆弱性・耐久・クイックハックの同時送信確認。遅れてレジェンダリークイックハックの武器グリッチ、オプティクス再起動のパッシブ効果が起動しデーモンが発動。
音波ショック送信、男を黙らせスキルの伝染効果で範囲を上げ疫病で5人全員に行き渡る。
そして仕上げに化学汚染を男にアップロード。5人全員が苦しみ声を上げようにも声を発せずに喉を掻き毟りながら倒れる。
「……状況終了」
戦闘が終了し体温が戻ってくるのが分かる。
体の熱を戻す為に少し立っていると何処からかエディーが入金され視界の隅に500€$が加算されたのが見えた。
……NCPDからの振り込みか、相変わらず早い事で。
バイクの所に戻りバイクに跨り発進させる。
車でできたバリケードを器用に抜け、そのままナビ通りに従い桜花ストリートに入り適当な所にバイクを停車、エンジンを切り降車する。
そのままジグジグストリートに向かい店が連なる中に入り歩いていると女に声をかけられた。
「今夜どう?遊んでいかない?」
ジョイトイ。
体を売る(淫行的な意味で)人等であり現実世界でもあった職業。
現実側では……まぁノーコメントとしか言いようがないが……この話はやめておこう。
「そうだな…夜、もう一回ここに来て君が居たらお願いするよ」
「予約かしら?期待して待ってるわ」
予約…?なのか…?をしてそのまま移動しパチンコ店の前までくる。
どこの世界も変わらないと呆れる程に金属球が当たる音と五月蠅い効果音が垂れ流しになっており少々げんなりとした気分になる。
だが行かなければならないというのもあるわけで……
憂鬱な気持ちになりながらもパチンコ店の中に入り店の奥へと足を進める。
「部外者はおよびじゃねぇ」
太った男から警告を受ける。
中々に神経を逆なでするような言い方だ。だが、この奥に居るワカコに用があってきた以上引き下がる訳にはいかない。
「突然で申し訳ないんですがフィクサーであるワカコさんに挨拶をと思いましてね?アポを取ろうにも連絡先が分からないので直接きたのですよ」
「はぁ?挨拶だぁ?お前の名前は?」
「
「口の利き方に気を付けろ。ここは新米が来ていい所じゃあねぇんだよ」
おや、口は悪いがこの男優しいじゃないか。
そう思い思案にふけるフリをして少し待つ。
「入ってきてええで」
「ですが…」
「今ローグから話が回ってきた所や。なんでも酔狂なもんがおるそうやないか」
「……わかりました。通っていいぞ」
「ありがとう。ではお言葉に甘えて」
男に礼をいい簾を通って奥に入る。部屋の中では椅子に座り机に両肘をついて手を組んでいる老婆がいた。
ワカコ・オカダ
過去にギャング、タイガークロウズの幹部の複数の男と結婚した経歴を持ち何人もの夫を亡くしている。
色々と黒い噂等があるが……直接尋ねる勇気ある者は未だ現れていないという。
ナイトシティの実力者は皆敬意を払うという事から本人も相当な人物だと伺える。
実際ゲーム中の彼女は非常に強かでありとても頭が切れる人物だった。
「初めましてワカコさん。
流石に体は女なのだ。男のお辞儀ではダメだろうと思い左手を上、右手を下にし手を重ね体の前に付け45度の最敬礼をする。
しっかり2カウントとりゆっくりと上半身を元に戻す。顔を上げるとワカコは少し面食らったのか少し目を開いているのが見えた。
「えらいしっかりとしたお辞儀をしはるなぁ。」
「アポイントメント無しで伺いましたし、初めてというのもありますが…ナイトシティの実力者達が敬意を払われているっていうのが一番ですね」
「世事はええ。要件を言い」
「これは手痛い、では要件をば……」
そういう事で自分の要件を告げる。
・ソロとして活動するので何か依頼があれば回してほしい
・同時にウエストブルックでの活動を許可してほしい
その事を告げるとワカコは少し考える素振りをした後こう告げてきた。
「なら試金石として一件やって欲しい"依頼"があるんや。やってくれるか?」
「喜んで」
……さて、鬼が出るか蛇が出るか…
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依頼 襲撃 救出
銃の口径に関しては、長さこそインチなので算出できますが幅等は調べようがないので推測交じりになってしまうのでご容赦下さい。
「内容を説明するで」
そう言いワカコが依頼内容を説明する。
内容は簡単。最近スカベンジャーの連中がタイガークロウズの構成員を拉致しバラしているとの事だ……いや、他のギャングの構成員も被害にあっているらしい。
犯行はシティセンター、コーポプラザのペトレル通りを中心に行われておりそこはどこのギャングも入っていないグレーの場所だ。
しかもヴァレンティーノズのシマが近くにあるので迂闊に手を出せないらしいのだ。
「で、そのおいたした連中に"お灸"を据えればいいと?」
「いいや、"掃除"を頼みたいんや」
「OK、"掃除"ね。完了後の連絡はどうしたらいいです?」
「ほれ、ウチのホロや」
ワカコのホロ電話コードを受け取る。
受け取りの確認をした後ワカコは手を組み頼んだでと告げ目を伏した。
……件の場所に向かうとするか。
ペトレル通りのファストトラベル付近に到着しバイクを停車させる。
周囲を見渡す限りではそれらしき気配はなく犯罪等起きそうもない綺麗な所だと見て取れる。
だがここはナイトシティ。ちょっと裏路地を見ればあぁスラム街ーな状態等ざらにある。
「さて……ありそうな場所としては……あそこかな」
目星をつけた地点の高所に強化足関節の二段ジャンプとホバリングを使用して上る。
上った後直ぐにしゃがみ、足音を殺しながら縁を進み上から見下ろす形で中を確認する。
「おや…?おやおやおや‥‥?」
数人の人影を確認。意識をスキャンモードを起動し確認を取る。
……見つけた。スカベンジャーの奴等だ。
「これはこれは…ヴァレンティーノズもいらっしゃるな」
スカベンジャーの連中に気絶させられたのか特徴的なタトゥーを体のいたるところに入れている人間が二人に抱えられていた。
これから車に詰め込んでお持ち帰りする所らしい。
「今日はこれで最後か?」
「あぁそうだ。しっかし、最近は旨味が少なくなってきたな」
「流石にもうここはダメかもな。次はどこにする?」
「……アロヨとチャーターヒルの境目なんてどうだ?」
「星条旗連中を狙うのか。…悪くない」
ほうほう…次はアロヨとチャーターヒルの境目ですか…まぁ、"次"なんてものはないがね?
そうと決まればお掃除を開始しよう。
意識を戦闘状態に移行させコールドブラッドを起動、ターゲット選択。ブリーチプロトコル実行。
「壁に阻まれ 埃に塗れ 打ちのめされて 涙を流そうとも 前へ進め 血に塗れろ 危険の中へと 賽を投げこめ……っと」
……相変わらず脆い防壁だ。スキル:ヘッドスタートと圧縮によって防壁解除までのシーケンスが短くなり、デーモンのアップロードまでのシーケンスも短くなっているとは言えお粗末すぎると言える。
そして透かさずPingを起動。
チンピラ達の対処にPingを打った時に感知されたのを反映して先にブリーチしたがどうだ…?
………ヨシ、感知されてないな。次からはこの手順でいこう。
右腰のホルスターからオーバーチェアを抜き両目の前に掲げ目を閉じて祈る。
これから命を奪うのだ。せめて安らかに逝けるよう祈ってもバチは当たらないだろう。
いや…もう神様とやらはここを見放してバカンスにでも洒落こんでる気もするが気分の問題だな、うん。
「汝、恐れより解き放たれよ……眠れ、安らかに」
とあるセリフを引用し祈りを捧げる。
たっぷりと数秒時間をかけた祈りを終え目を開けて構える。
照準は一番奥の周囲を見ている男から。
発砲。
サイレンサー特有の乾いたパスっという音と共に男の頭に弾丸が吸い込まれるように命中し頭を吹き飛ばす。
.42口径…0.42インチ弾。mm換算に直すと10.668mm弾となる。
分かりやすく言うならば.44マグナム弾と.40S&Wの中間と言えば分かるだろうか?
銃で言うなら前者は名前の通り44マグナム。後者はH&K(ヘックラー・ウント・コッホ)USP、グロックG22、S&W(スミスアンドウェッソン)M&P(ミリタリー&ポリス)等があげられる。
リボルバー形式故にオートマチック型の実包より炸薬量が増している筈だが詳しい資料がない為判断はできない。
……閑話休題
男が倒れた時に出した音でヴァレンティーノズの男を運んでいる二人組が物音の方に顔を向ける。
その直後再びパスっという音と共に足の方を持っている方の男が崩れ落ち肩の方を持っている方の男は体勢を崩し蹈鞴を踏むが、すんでのところで体勢を整えて相方のほうに怒鳴り声と共に顔を向けた。
「おい!何……やって……」
先程まで次は何処でシノギをしようかと話していた男の頭部が吹き飛んで倒れていれば声を失くすだろう。
男は背中から込み上げてくる寒気を振り払うかのように体を震わせながら手を放して男を地面に落とし、腰に挿している銃を取ろうと腕を回す。
だが無常にも、もう一度乾いた音と共に男の頭部は吹き飛び息絶えた。
「……状況終了。……ワカコさん、聞こえていますか?」
周囲の状況を確かめ、安全を確保してからワカコにホロ電話をかける。
数回のコールの後電話が繋がったようで左上にはワカコの顔が表示された。
「……確認したで。えらいスマートにやるやんか」
「それはどうも」
「で、そこの男は生きとるんか?」
「ちょっと待って下さい……ヨシ、生きてますね」
「よくやってくれたなぁ。報酬に少し色を付けておくさかい楽しみにしててな」
「それは有難い事で。それでは」
挨拶を終えてホロ電話を切る。
報酬の入金も確認した。……わお、5000€$とは随分弾んでくれたな。
確認も済んだし早くここを離れるとしようか。
……この男をどうしようか……ん?よく見たらこの髪型見覚えがあるような……?
うーん…取り敢えず運んでから起こすか。
男を肩に担ぎ移動を開始する。
流石ゴリラアーム&筋力カンスト、まるで羽を持つかのようにどう見ても重たそうな男を担ぎ上げて楽に持っていける。
少し移動し安全だと思われる道端で男を壁に座らせるように下ろし自分も床に座り壁に背中を預ける。
煙草を吸いたい所だが生憎持ってきてない事を思い出し溜息を吐く。
起きたら移動するかと思い車を自動ナビゲーションで呼び出しておくとしよう。
「いてて……あ?何処だここは?」
どうやら男が目を覚ましたみたいだ。ここは気楽に話せるお姉さん風に声をかけてみるとしようかな?
「おや、お目覚めかい?」
「誰だあんた?」
「まぁ今は置いといて、喉は乾いてないかい?」
「確かに乾いちゃいるが…いてて…頭がいてぇ…」
「そりゃあ後少しでスカベンジャー達に"お持ち帰り"されるところだったんだから痛むわなぁ」
「するってぇとなんだ?あんたは俺を助けてくれたのか?」
「偶然、ね。感謝するならワカコさんに言ってくださいね」
「チンガーダ!ワカコってあのワカコ・オカダか!?あんた一体なんなんだ」
「おっとその話は移動しながらにしよう。丁度車もきたみたいだからね」
自動ナビゲーションで呼び出した車が目の前で停車する。
隣にいる男はその車を見て目を大きく開き驚いているがまぁ確かにこれは驚くだろうな。
立ち上がり男に立ち上がる為の手を出すと勢いよく握ってきたのでそれをしっかり持ち引っ張り上げる。
男はおおう…!と少し驚いて体勢を崩してしまうがまぁそこは許してほしい。
隣に乗るように促し男が乗車したのを確認し自分もドアを開け車に乗車する。
うーん……パイZ辺りに向かうとしようかな?
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驚愕 移動 食事
パイZへのルートを呼び出して車を走らせる。
うーん、やっぱりこの車の音は素晴らしい。ゲーム時代の時は形が純粋に好きだったけど現実になった今だともっと好きになった。
隣に座っている男の様子を見てみるとどうやらお気に召したらしく目を閉じてうっとりとした表情でエンジン音を聞いているようだ。
クアドラ社から出ている車で製造開始年は2055年。
馬力は777HP(英馬力表記)を誇り、スポーツ系の車の代名詞ともいえる後輪駆動形式を採用している。
ただ、燃料やそれに伴う装備の問題で重量が3858lb(kg換算で1749.959kg)もあるがそれを補って余りある加速力を誇っているのが特徴だ。
そも、このサイバーパンク世界の燃料は今我々が生きている世界で使われている石油燃料ではなく、人工アルコールを主原料として作られる燃料であるCHOOH2と呼ばれるものだ。
石油燃料たるガソリンと比べ、どれ程の効率があるかは分からないがそれ程この世界は末期とも言える状態だと言えるのではないだろうか?
余談ではあるが、例として形が近しいものである我々の世界のアメリカ、フォード社のマスタングの中でもシェルビーがチューニングを施して販売されているマスタング シェルビーGT500はスーパーチャージャー付5.2LV8エンジンの760HPを誇り車体重量は…職人による作成の為類似品としてファストバックから引用するが3752lb(1701.878kg)である。
「そういや自己紹介がまだでしたね?私は
「ジャッキー。ジャッキー・ウェルズだ」
………
…………は?
…ジャッキー?あのジャッキー・ウェルズ?
本編では紺碧プラザにレリック盗みに行って脱出中に死んでしまったあのジャッキー・ウェルズ?
待て待て待て。するとあれか?ジャッキーは本編の時間軸に移る前にワンチャン死んでたのか?ラッキーにも程があるぞ。
背中に冷や汗が流れるがそれを顔に出さずに運転を続け、パイZに到着する。
駐車場に車を停車させてエンジンを停止させてジャッキーと一緒に降車し店内に向かった。
カウンターに向かいステーキとニコーラを注文する。ジャッキーの方はシラスコーラを注文したみたいだ。
私が代金を支払い席に向かい座る。ジャッキーは少し驚いた顔をしながら対面に移動し座ってから感謝の言葉を言った。
「助かったぜ」
「あの件なら偶然だと言ったはずですが…?」
「いやそうじゃ…いやそれもだが、飲みもんの支払いもだよ」
「あぁそっちで…ここにしようと言ったのは私ですし別に構いませんよ?なんなら時間も時間ですし御飯もどうですか?」
「…すまねぇな。同じもんを頼む」
席を立ち再度カウンターに向かい店員に注文を行う。
店員が了承代金を支払いを完了し、席に戻る。
……そういやなんであの場所に居たのか聞いてみるか。
「そういや」
「ん?」
「そういやなんであの場所に居たんです?貴方はヴァレンティーノズの人だと思うんですが」
「ファミリーが攫われてバラされた挙句売りもんになってんだぞ、見過ごせる訳がねぇ」
……そうだった。
ナイトシティを取り巻くギャング達の中でも家族意識がとても強いギャングとして有名だという事を失念していた。
少し申し訳ない気もするが仕方がないと割り切るしかないだろう。
……その方が楽というのもあるが、関係者全てを救おうなんて傲慢すぎる事は出来やしないのだから…
「成程。だけどミイラ取りがミイラになってしまっては意味がないんじゃないかな?」
「それを言われると何も返せねぇなぁ」
自分が言った皮肉に対し苦笑いでジャッキーが返す。
その後も雑談をしていると頼んでいた料理と飲み物が運ばれてきた。
「待ってました。朝から何も食べてなかったから流石にキツイ」
「そっちも苦労してんだぁ…」
いただきますと手を合わせてから言ってステーキを食べ始める。
……なんだいジャッキー、珍しいものを見たと言わんばかりのその目は。
「……何か?」
「いや……今時珍しいなと思ってよ」
「習慣というものです。命、生産者、製作者に感謝をという意味もありますが…元来食事とは体の栄養補給であると同時に心の栄養も取るものなんですよ」
「……確かにそうかもな」
納得したのかジャッキーはそう言いステーキを食べる。
私も食べてしまおう。……味はなんというか…うん、アメリカって感じだった。
「ふぅー食った食った」
「噂で聞いていたけどもうん、安定したいい味だった」
双方とも食べ終わり席を立つ。
そのまま店の出口に向かい店を出たところでふと思い出しジャッキーに尋ねる。
「帰りはどうします?送りますよ」
「あぁすまねぇが頼む。足がなくてよ」
あー……そういやジャッキーのアーチは本編開始してからの入手だった。
あれ?だとするとジャッキーはエル・コヨーテ・コホから歩きかバスとかで来たのか…?えぇ…?
ならエル・コヨーテ・コホに送り届けるとしようか。
書いててあぁそうかと思ったのが、ゲーム中の重量表記
あれアメリカが舞台だけあってポンド(lb)表記だと思いました。
多分速度もマイル表記だと思うんですがどうしようか…
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送迎 一杯 風俗
言い訳を言うならば、登場人物のセリフ回しに悩み、そもそもスペイン語なんて分かるわけないだろ!というのも純粋に仕事疲れ等で遅れました。
そしてこの場にてですが、毎話誤字報告ありがとうございます
ジャッキーを乗せた車を走らせ、ジャッキーにナビを頼み目的地のエル・コヨーテ・コホに向かう。
道中他愛無い話をしながら移動し大体20分くらい移動したところでエル・コヨーテ・コホに到着した。
-----エル・コヨーテ・コホ。
スペイン語だと思われる言葉を英語に訳すとThe Coyote lame。
日本語に置き換えると『コヨーテの織物』と読むことができる。
コヨーテとはネコ目イヌ科イヌ属に属する哺乳類であり、北アメリカ大陸からパナマ西部にまで広い範囲に生息している。
外見はオオカミに似ているが……細かな違いがいくつかある。
コヨーテの名前はナワトル語で『歌う犬』というらしい。
………閑話休題。
「すまねぇな」
「いいんですよ。個人的にですが…後味が悪いのは嫌ですので」
礼を言うジャッキーに後味が悪いから構わないと返す。
実際、後味が悪いのは確かに嫌だがサイバーパンク2077本編の登場人物であるジャッキーに1年も前から退場されるのは非常に困るのだ。
私という存在がこの世界に存在した時点で本来辿るはずだった道筋から離れるという事は確定している。
それはいい。どうしようもないからだ。
だがゲーム『サイバーパンク2077』をやった人なら大体思っていると思うのだが、ジャッキーの退場が早すぎるのだ。
いや、確かに開始時に数か月後というのが流れたが流石に納得はできない。
故に介入を行う事にしたのだが……流石にこれはなぁ…
まぁいいかと思い直し車から降りる。
ジャッキーもほぼ同時に降車したようでそのままエル・コヨーテ・コホの中に入る。
中に入ると中年女性が慌てた足取りでこちらに駆けてくるのが見えた。
それを横に避け女性の方を目で追ってみるとジャッキーの両肩に両手を置くのを見た。
「ジャッキー…よかった、無事なんだね?」
「あぁ、そこに立ってる亡霊に助けられてな」
ママ・ウェルズがジャッキーが手を向けた先を見る為に振り返る。
カメラ付きのキャップを被り、目を隠す為なのかクイックハック対策なのか軍用サングラスを付けている女だ。
服装と腰に付けたホルスターから見るにソロだという事は分かるがこのナイトシティで赤の他人を助けるという行為はそうそうなく、助けたから報酬を寄越せ等と恫喝してくる輩が大半なのだ。
最悪なのは
最悪を想定しながらも顔に出さずに礼をすると珍しい答えの方が返ってきた。
「息子を助けてくれてありがとう」
「依頼ついで…というのはあれなんですが。流石に助けた人が帰宅途中にまた何かあっても寝覚めが悪いですしそれに……」
「それに?」
「あの
あぁ厭だ厭だと言いたげに肩を竦めながら首を左右に振る亡霊にママ・ウェルズは口を開け溜息を吐く。
それが取り越し苦労によるものなのか予想外の答えに呆れたのかは定かではないが張り詰めた様な空気感は霧散していた。
「じゃあ、恩人に一杯奢らないといけないね」
「そうだな。一杯奢らせてくれ」
「お言葉に甘えさせて頂きます」
そう言い合いながら店内のソーツルに案内され、腰を下ろす。
座って少し待つとバーテンがウイスキーグラスを目の前のカウンターに置き、そこに酒が注がれる。
グラスを持ち、少し持ち上げ感謝の意を示し一口で飲み干す。
強い酒精が喉を焼き胃に流れ込む。そしてその熱を逃がすかの様に一息吐き出しグラスを置くともう一杯注がれた。
「いいので?」
「感謝といい飲みっぷりにさ」
「…では、戴きます」
そしてまた一口で飲み干し息を吐く。
「……美味い」
「それはよかった」
「有難う。では、私はこれで」
そうバーテンに告げスツールから離れて外へと歩き出す。
店を出る前にジャッキーが手を振ってきたので此方も手を振り挨拶を交わして外へとでた。
……口約束ではあるがあの嬢の所に向かうとしよう。
移動しながら途中の店で夜御飯を食べ、丁度夜に桜花マーケットに到着し車を端に停め、降車し嬢の元へと向かう。
少し歩き橋の近くに行くと嬢が落下防止柵に腰を下ろし煙草を吸っていた。
「待たせたかな?」
「大丈夫よぉ。ちゃんと来てくれるなんていい人ね」
「では、行きましょうか」
そう言い嬢にゲームの時に掛かった金額、100€$の10倍の1000€$を渡す。
渡された金額に嬢が驚いたのもつかの間に顔を寄せて質問をしてきた。
「相場の10倍よ?どういう事なの?」
「実は……初めてでして……」
「………あら……あらあらあらあら……生やしてきてよかったわぁ…」
「今何かいいました?」
「いいのよぉこっちの話。天国を見せてあげるわぁ」
天国を見せるといい歩いていく嬢の後ろを追い、少し歩いてモーテル(日泊まりの安宿)に到着する。
中に入り、共にシャワーに入ろうと嬢が言うのでまぁ、体は同性だしいいかという思いで服を脱ぐ。
少し恥ずかしい気持ちの中服を脱ぎ終わると嬢の熱の籠った溜息が聞こえた。
「はぁ…綺麗でとてもいい体ね…シャワー終わるまで我慢できるかしら…」
「何か気に障る事でも……あり……ました……でしょう……か…?」
そう、嬢の鼠径部の下、恐れを言わずに言うならば股間の部分に女性器ではなく男性器が生えているのだ。
しかも≪USSR!≫していない筈なのに大きいのだ。流石サイパン世界とも言えるものが目の前に存在しているのだから震え声になるのも仕方がないと言えるだろう。
「大丈夫よ…時間をかけて解してから挿れてあげるし絶対に気持ちよくさせてあげるから」
「(oh…!さようなら私の初めて!)」
体が固まったかのように動かない状態になったのを察したのか嬢が手と肩に手を置きシャワーまで優しく誘導する。
その際体が密着している為嬢の息子が腰に当たり擦れていて妙な気持ちになるが気にしてはいけないのだろう。途中から少し濡れたような感じもしたが気にしてはいけない。SAN値が削れてしまう。
シャワーが終わり(相変わらず体が固まっていたので嬢が洗ってくれた)、ベッドに誘導されそのままベッドに腰を下ろす。
嬢は立ったままであり目の前には≪USSR!≫した息子がそそり立っているのが見えた。
「さ、始めましょうか」
「……咥えろと……?」
「舐めるとこから始めましょうか♪」
「えっ……アッハイ……」
夜はまだ長そうです。
R18の文(ジョイトイとの≪やめないか!≫)シーンは要望があれば執筆します。
多分普通に亡霊くんちゃんが溶けるまでヤりつづける事になると思いますが
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【閑話】定例会 採決 派遣
「定例会を開始するよ」
深夜2時、ホロ電話の先でローグが口を開き定例会の開始を告げる。
フィクサー達が情報の共有と今後の方針を決める為に行われるこの会議。
今回を含めて第何回だったかは数えてはいないが大体一週間程の間隔で行われるこれはどのフィクサーにとっても大事なものだと皆理解している。
「各地域の状況は?」
「ウチのシマは大してないなぁ」
「ダウンタウンとコーポプラザはあまり変わりないな。いや、一件あったがワカコがどうにかしてくれた」
「ワトソンの方もあまり変わり映えしないわね」
「サントドミンゴはも変わり無し。いつも通りだ」
「バッドランズもいつも通……いや一件あるね。後で話すよ」
「パシフィカも変わりはない」
「ヘイウッドもさして変わりはないな」
ローグが各地域の状況を確認を取ると各フィクサーから現在の地域情報が話される。
どれも大して変わりがなく、いつも通りとの事だがバッドランズ方面……ダコタの担当地域に何かあったようだ。
「じゃあ後で聞くとしてだ。こっちで新しいソロが誕生したよ」
「ほう?」
「ディノはんが言うとった件やな。パドレはんとウチのシマに跨いであった件があったやろ?今度はディノはんのシマでやってたらしいんやが試しに送ってみたら解決してくれたわ」
「手際がいいな。そいつの名は?」
「
パドレが興味を示しワカコがディノ・ディノビッチ、パドレ…セバスチャン"パドレ"イバラ、ワカコの支配地域に渡って行われていた人攫い事件を新規登録したソロに斡旋し終わらせた事を言う。
件の事を知っていたエル・キャピタンが手際の良さを軽く称賛しそのソロの名前を聞く。
ワカコから亡霊という名前が告げられ、人攫い共を処理した時の映像があると言う。
全員が見ると言い、その映像が全員に出力される。
街の監視カメラからの映像で、亡霊と思わしき女が音もなく縁の上に登っていく。
その後右腰のホルスターから拳銃が抜かれ顔の前に構えられ祈りのような姿勢を取る。
パドレが「ほう……」と声を出す。聖職者である彼は気になったのだろうか?
その後銃を構え直し発砲。消音器が取り付けられているのか発砲音がカメラで拾えていないのが分かる。どうやら奥にいる人間を撃ったようだ。
そのまま続けて二度発砲し男を抱えている二人組の頭を打ち抜いた後銃をホルスターにしまう。
その後縁から降り周囲を確認、右手を頭に当て…おそらくワカコに連絡を行う。
連絡が終わると男を担ぎ上げ移動したところで映像が止まる。どうやら再生が終わったようだ。
「どうや?」
口がにやけてると言わんばかりの気色に満ちた声でワカコがどうだと確認を取る。
十分……いや、十二分すぎる結果だ。
隠密能力もさる事ながら優先順位の設定、銃の取り扱い等新人とは思えない動きをしている。寧ろどこかの企業の暗部にでも居たのかと思わせる程だ。
パドレの方はそれに加え何かに祈るという行為が高評価のようだが……
「せや、ウチの子達とも偶々やりあったみたいなんやけどな?そん時は命は取らんかったみたいやわ」
「へぇ、そいつは面白いね。どうやったんだい?」
「ログを総洗いしたからやっとわかったんやが、クイックハックやな」
「……どの程度だい?」
ログを総洗いしたという所からローグの口調に緊張が出てくる。
確かに本人は元ネットランナーと言い、
そしてワカコが続けて言う言葉を聞き笑いしか出なくなる。
「Pingでの人数確認からの
「アハハハ!お人好しなのに随分な戦闘技巧じゃないか!」
「お人好し?なにかあったのか?」
「あぁあったとも。やっこさん、これから世話になるからと言ってアフターライフに1万€$ポンと出したんだ。面白いだろ?」
そう言いクックックと笑いを堪えるように笑うローグ。
1万€$を即座に出せる度量といい戦闘能力といい謎な部分が多いが人柄に関してはこれから判断を付けていけばいいだろうという結論に至った。
他愛無い雑談の後、後で話すと言っていたダコタからバッドランズで起こっている案件が話される。
「さっき言っていた一件なんだが、どうやらラフェンの連中がスカベンジャーと取り引きをしてるみたいでね、どうもキナ臭い」
「そいつは穏やかじゃないね」
「で、だ。それを近々調査して欲しいってとこなんだが誰か適任はいるかと思ってね」
「成程…」
ナイトシティとバッドランズ、両方の厄介な連中との取引が行われているとダコタが言う。
下手な傭兵では情報は掴めず、かと言って情報戦だけのやつでは取って食われる。
その両方を持っていて、ネットランニングなどに詳しい人物をあてがわなければならないのだが……
「……亡霊が不思議なくらいに状況に適してるね」
「マッチポンプじゃないかって程にだがね」
そう、何故か新参者のソロである亡霊がぴったりと条件に嵌るのだ。マッチポンプと疑いたくもなるだろう。
だが、放っておいても厄介な事になるのは必然的であり、対処は迅速かつ的確に行わなければならない。
皆が暫く思案し、熟慮を重ねて確認を取る。結果として言うならば、亡霊を派遣するという事に決定した。
「では、亡霊をラフェンの元に潜入、情報を盗み出し脱出するという事でいいかい?」
ローグが最終確認を取り、各フィクサーが同意を示す。
そしてダコタにローグからメールが届く。確認を行うとそれには亡霊のホロ通話アドレスが書かれていた。これで連絡をしろということだろう。
「では、今回の定例会はこれで終わりにしよう。次はダコタ、あんたから開催の日付を言っておくれ」
「分かった」
そう言った後ローグが通信を切る。それを皮切りに各フィクサーも通話を切る。
定例会が終わった事とこれからの事を考えダコタが深く溜息を吐き、一度深呼吸を行う。
「さて、お手並み拝見といこうか」
そう言いダコタは口元をにやけさせるのだった。
夜の性的描写って細かい内容(プレイ内容)って書いた方がいいのでしょうか…?
R15までだと盛大に<USSR!>とか入れないとキツイような気もしますがどうしようか…
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起床 移動 思案
プロットこそあったものの仕事やゲーム等で書く気力が全く沸いてこなくて期間がかなり開いてしまいました。
毎度の事ながら誤字、脱字方向ありがとうございます!
『goooooood morning!!NightCity!昨日の死亡者数クイズの答えは手堅く22人。その中で3名はスカベンジャーの奴等らしい。
しかもそいつ等は全員"頭のみ"を吹き飛ばされていたとか!… … …』
ラジオの音が煩くて目を覚ます。
音量によるものか強制的に叩き起こされたものか分からないが頭が痛い。
顔を顰めながら体を起こして音を頼りにラジオの場所に顔を向ける。
発見。スキャンモードを起動してラジオの電源をクイックハックで落として再び横になる。
頭が痛むが心地よい倦怠感を感じ再び瞼を閉じて寝に入ろうとした所でふと思う。
ここは何処だ?
昨日の出来事を思い出していく。
確か依頼が終わっってジャッキーを送った後約束?していたジョイトイに再び会って話した後……
………
…………
……‥……!!?
体にかかっていたシーツを勢いよくめくり自分の体を見る。
全裸だ。長年見ていた男の体ではなく女の体である。
まぁそれは許容範囲だ。実際転生…?憑依…?してしまったのだから仕方がない。
だが下腹部の方に目を向ければどうだ?瑞々しい肌以上にテカっていないか?
恐る恐る右手を下腹部に持っていき撫でる。指に少しデロリとした粘性の感覚がありそのまま掬い取り鼻の近くまで持っていき匂いを嗅ぐ。
……烏賊臭い。いや粟臭い。
これから導き出される結果は………
たっぷり出されてるじゃねーか!!!
焦燥感に駆られ昨日の記憶を急いで思い出そうと思案を開始する。
ええと確かジョイトイとモーテルに来て服を脱いでシャワーを一緒に浴びてからベッドに来て………
………一通りヤりましたねこれは……
ヤった内容を思い出した瞬間体が熱を持つ。
下腹部に甘い刺激が走り湿ったような感覚が増していく。
(oh…マジか…まさかの一回でここまで堕ちるか……?)
冷静な頭と違い肉体は沸いてきた肉欲に流されるまま手を下腹部に持っていこうとした時、ホロコールが頭に流れる。
少しイラっときたが出ないというのも相手に悪いかと思いホロコールに対応、受話の許可を出す。
『亡霊…であってるかい?』
「えぇ、合ってますよ。貴女は?」
『ダコタ・スミスって言えばわかるかい?』
「バッドランズ担当のフィクサー、ダコタさん?」
『あぁそうだよ。仕事を依頼したいんだがいいかい?』
「大丈夫ですよ」
『おや、内容を聞かないんだね?』
「勘なんですが……このホロで話せない事なんでしょう?だから先に依頼を受けるかどうか聞いた。そんな気がしたんです」
『合ってるっちゃ合ってる。三日内に決着をつけたいんだがいつぐらいにこれそうだい?』
「明日の13時辺りでお願いしてもいいですか?」
『わかったよ。では明日の13時にこっちで話そう』
話が終わったのかホロ通話の電源が落ちる。
……ふむ、ダコタ・スミスからの依頼か。
となると場所はバッドランズ地域、予測ではレイス辺りが何かやらかしたのだろうか?
まぁ、依頼の詳細は明日本人に聞けば問題ないとして今は、だ。
体が火照ってしかたないので先ずはそれを収めるとしよう。正直もう限界だ。
通話中も声に出さなかったが右手は下腹部の秘所周辺を撫でていてかなり来ていたのだ。
満足するまで今回はどれくらいかかるか分からないが発散するとしよう。
……はい…現在シャワーを浴びていますが13時です。3時間ぶっ続けでシてました……
取り敢えず汗等を流し終えたのでバスタオルで体を頭から順に拭き上げる。
拭き終わったのでシャワールームから出て脱いだ服を置いてあるソファーまで移動する。
下着類を付け、ズボンを履き中着、上着、靴の順に着ていく。
服を着終わったので次はホルスター、ナイフ類を付けていく。
装備完了。一度全ての武器を一個一個抜き、構え、戻す。
位置確認完了。次に残弾の確認をする。……といっても使ったのオーバーチュアのシリンダー内にある3発だけなので一通り確認した後、左側のポケットから左手でクイックリローダーを取り出す。
オーバーチュアを右手で抜きイジェクションレバーを操作しシリンダーを外に出す。
そのまま傾けると自重で空薬莢と残りの実包が落ちるのを確認したので左手の掌で空中回収。ローダーに入ってる実包をシリンダーに挿入しリロード。
右手のスナップでシリンダーを戻しオーバーチュアをホルスターに戻す。
左の掌に持っている中途半端に余った弾と空薬莢をさっきクイックリローダーを取り出したポケットに突っ込む。
これでヨシ。
一度部屋を見渡し忘れ物がない事を確認して部屋を出る。掃除は……まぁやってくれるでしょう。
モーテルを出て近くにある自販機でブリトーを購入し食べる。
一個では物足りなくて二つ食べちゃったよ。朝から何も食べてないし運動(意味深)してたし仕方がないネ。
喉も乾いているのでお隣にある飲料自販機からニコーラを買い飲む。
……これ本当に虫から作られてるんだろうか?殆どコーラじゃんこの味。
飲食が終わったので車を停めてある地点に向かう。
時間が時間というのもあるが流石は桜花マーケット。人々が飯を食べていたり売られている商品を見たりと中々賑やかだ。
人込みを通り抜け駐車地点に到着。ドアを開けて乗り込みセルを回しエンジンに火を入れる。
ブォン!という音と共にエンジンが立ち上がる。うーんやっぱりこの音よ……最高。
車を走らせて桜花マーケットを出る。
次の目的地はリトルチャイナのブラドベリ&ブラン……ヴィクターの診療所だ。
流石に一回リパードクに見て貰っておいた方がいいし本当にゲームの時と同じ装備になっているか疑問があるからだ。
帽子のアラサカマークは消えていた。ラリーポレロもアルデカルドスのマークが消えていた。
なら付けていたタイガークロウズのタトゥー(皮膚インプラント)はどうだ?
肌を見た時には何もなかった。
つまり違うものに置き換わっている可能性は少なからずあるのだ。
もしかしたらタトゥーだけが消えていてスマート武器のジャミング効果だけは残っている可能性はあるのだが確かめない事にはわからない。
……さて、そろそろ目的地に到着だ。
確かそこのバッテンの所車停めても大丈夫だったよね…?
R18にならないエロ表現ってどこまで大丈夫なんでしょうね…?
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挨拶 占い 邂逅
駐車場(?)に車を止め、降車して街中を歩く。
ちょっと進んで右を見ると開店前の店のショーウィンドウ内でポールダンスをしている男と女がいる。
左を見ると……やっぱりというか本編開始一年前からいるのかと呆れたくなるが予言者ギャリーが微妙に当たっていて微妙に外れている事を嘯いている。
それを横目にしつつほんの少し進むと……あった。MISTY'S ESOTERICA AND CHAKRA HARMONIZATION(ミスティズエソテリカ アンドチャクラハーモニゼーション)。翻訳するとミスティの秘境 チャクラの調和場。
そう、本編……いや一年後にて『V』の友人でありジャッキーの恋人であるミスティの店だ。
"リパードク"ヴィクターが銃創だらけの体を癒したりクロームを変えたりするのならばミスティはチャクラ、精神を癒してくれると書かれている(データベース参照)通りミスティの店の内部はハーブ等のリラクゼーション品が置かれている。
店先で一度深呼吸し、店内に入るとそれに気づいたのかミスティが顔を上げて声をかけてきた。
「いらっしゃい」
「えぇ、どうも」
「クロームの方?」
「そうです」
「あー……なら少し待ってほしいかな。今診療中なの」
「了解です」
「待ち時間にと言ってはあれなんだけど、占いをしてもいい?」
軽い挨拶を交わし、診療の方をお願いするもどうやら今診療を行っているらしい。
時間潰し…いや、彼女的には何か気になったのか占いをしてもいいか聞いてきた。
個人的にもミスティの占いには興味があるし実際自分もついついゲーム内でやりに来ていたのを思い出したので快諾する。
「タロット?太さ的に78枚ですか?」
「よく知ってるね。貴女もするの?」
「戯れ程度かつ独自の方法ですけどね。」
「ちょっと気になるかな。次にお願いしていい?」
「喜んで」
タロットカードをシャッフルしながら他愛無い話をする。
暫くカードを切る音が続き、これで十分と思ったのかシャッフルを止める。
そしてミスティが上からカードをめくり机に置いていく。
「愚者。全ての始まり。足下にある危険にまだ気づいていないみたい」
「魔術師。貴女は何をするにも才能があるみたい。だからこそ足元の危険性に気付かないでいたのかも」
「戦車。突き進む力に溢れていて苦難に合った時に助けてくれる人がいたり逆に誰かの助けになるのかもしれない」
「運命の輪。何か…貴女なのか他の人かは分からないけど転換点や定められた結末を変えられるかも」
……全て大アルカナとは驚いた。
総評すると……
まだ足元の危険性に気付いておらず、力と知恵はあるからなるようにはなる。自分への困難、他人の困難にはそれを突破する為の力ある人物が助けてくれる。またはその困難に対する突破口となりうるだろう。
そして貴女の存在は良くも悪くも転換点になりうるだろう……と。
フーン……成程成程……足元の危険……企業か…?転換点……多分『V』君か…?
「全て大アルカナっていうのはまた…拘束力が高そうだ……」
「そうだね。でも、貴女はそれを打開する力があるっていうのが出て来てるから問題はないのかも」
「そうあって欲しいですよ……」
ミスティが机に出したタロットカードを山札に戻して少しシャッフルして私に渡してきた。
先程のやり取りの通り今度は自分がやる番だと理解し受け取る。
そして適度にシャッフルを行い、一度タロットカードを机に全て置く。
「では始めます。山札から好きな場所から、12枚時計周りに裏面で配置してください」
私の言葉に従いミスティが12枚山札から取っていき時計周りに配置していく。
配置し終わったのを見て、私が山札の一番上から一枚を取り真ん中に配置する。これで準備は完了。
「私のやり方は時間の力を借ります。長針は今、短針は過去、秒針は未来を示します」
現在時間は13時35分40秒。
先ずはその位置にあるカードを全てめくっていく。
「過去、ソードの10。現在、恋人。未来、運命の輪。……全部正位置ですね」
「そして真ん中のカードは貴女自身を現すカードになります」
そう告げ、時計状に配置したカードの中心のカードを捲り表にする。
「成程、星のカード、位置は正位置」
「総評を聞いてもいい?」
「えぇ。では総評を」
一度深呼吸を行い、出てきたカードの意味を纏める。総評するならこうだ。
「過去からいきます。貴女はどうやら過去、幼少期や今現在にくるまで苦痛に苛まれたようですね?で、ワンドのキング。どうやらある男性に助けられたようだ」
ソード10の次の位置、時計的に言うなら2時の針のところをめくり出てきたワンドのキングに結び付ける。
その次の時間は……まぁ端折っても大丈夫だろう。
「現在、恋人。過去軸にあるワンドのキングを見るにその男性と恋仲なのかな?そして店を構えている事を鑑みるに立ち位置はしっかりしている、と。おっと、ここで愚者の正位置ですか」
先程ミスティが言った内容の通り、全ての始まり、足元の危険に気付いていない状態。
だがこれはミスティ自体には適用されてはいないだろうと読み取る。それを踏まえるとこうだろう。
「これは多分その男性の状態ですね。これから始まる事に対して足元の危険にまだ気づけてはいない。これを打開するには…」
そう言い山札から一枚捲る。出てきたカードはワンドの9。これも正位置。
「成程、ワンドの9。警戒を行い窮地に立ったとして焦らず冷静にいる事が大切になると」
ふと顔を上げミスティの顔を見ると口をつぐみ真剣な顔をしている。心当たりがあるのだろう。……もしかしなくてもジャッキーの件だろうな。
「未来、運命の輪。これは貴女が先程言っていた通りですね。これより未来はやめておきましょう。大アルカナで悪魔の逆位置なんて出たら目も当てられない」
そう言いタロットカードを片付ける。少々待っているとミスティが顔を上げ少し微笑む。
「ありがとう。他人に占ってもらう機会なんてあまりないから参考になったよ」
「こちらこそ」
その後、他愛無い話をしていると裏手の方から扉が開く音が聞こえてきた。
数秒後、ガタイのいい男が歩いてきたのを見てあぁやっぱり君かとため息気味に息をはいた。
「やあジャッキー。昨日ぶりですね」
「おぉ!亡霊じゃねぇか。ヴィクターの所に用事か?」
「えぇ。流石に一度見て貰っておこうかと思いまして」
「ジャッキー、亡霊って朝話してた助けてくれた
亡霊の名前に反応したミスティがジャッキーに問う。
というかジャッキー、話したのか。……まぁ話すだろうな。
呆れたような感じに肩を竦め手を上げてやれやれといったポーズでもしておこう。
「そうそうあの亡霊だ。…おっと、すまねぇな」
そうその亡霊だとジャッキーは言い、移動して自分に奥に行くように促す。どうやら空いてるから行ってくるといいという事らしい。
それでは。と右手を上げ行ってくるとジェスチャーで挨拶して奥の自動扉から外に出る。
そのまま真っ直ぐ歩き、上がり階段と下り階段の所まで来たら下り階段を使い下っていく。
下りきった所に自動扉があり、そこに近づきアクセス、自動扉が開いたので中に入る。
中は仄暗く、宇宙船の中の様な雰囲気でテレビからの音声と空調の音が聞こえる。
そのまま歩き、また扉…柵?仕切り?にアクセスして開ける。
奥を見ると男が椅子に座りテレビを見ながら自分の腕に取り付けてある器具を弄っているのが見えた。
音に気付いた男が器具を弄っている手を止め、顔を此方に向け、自分に向けて声をかけてきた。
「らっしゃい」
……凄く今更だけど緊張してきた…
タロットの占いに関してですが、亡霊がやった占いの仕方はほぼ完全にオリジナルです。
タロットの意味な等に関してはwiki等色々調べて書いていますので大体意味合いは合っていると思います。
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【筆者閑話】
別段読み飛ばしても問題ないですが、話の中で説明していない部分や今後出てくるモノの解説等書いていく場所でもあります
訂正履歴
2021.10.28:タロットの周りを修正。(単純な凡ミス)
Q:この転生主人公が使っている
A:というか設定解説
先ず、この転生主人公君のプレイしていたサイバーパンク2077の主人公『V』は女性です。
ですが、ゲーム最初にライフパス、性別が選べますよね?で、いざ現在の年月日を確認すると1年前という事が分かりました。
さて、本編開始の1年前とは"ゲーム中の時間軸"ではどこに該当するのか。ここに焦点が当たります。
第三話で独白の時に2076年6月22日、後書きでコーポレート開始時の『Ⅴ』君のオフィスでは6:20 PM 06/12/2077と説明しています。(なんで独白の時一年前と気付けたのかは後述します)
つまり、主人公君が認識した時間軸ではどの『Ⅴ』君のライフパス開始時間軸にも該当しないのです。
その結果、自分自身は『Ⅴ』君"だった"人間にとって代わっているのか、はたまたただ単にゲームで作ったキャラの容姿と装備内容等がそのままそっくり適用されているのか判断が付かない状態です。
そして本来ならいない人物なので、自身を幽霊みたいなモノとしての名前を使用する事にしたという感じです。
なんで幽霊ではなく亡霊なのかはレリックの人格が幽霊みたいだから嫌だというのと、幽霊だと英訳でゴーストになって恰好がつかなかったので
何故一年前だと気付けたのか?
これは純粋にコーポレート開始『Ⅴ』君で隅から隅までグラフィック等を見ていてオフィスの日付を覚えていたからというのが大体です。
というか、本編の時間軸内で明確に年月日が書かれている事は少なく、開始時点くらいしかまともに日付が書かれていないというのがあります。
Q:タロットが示す意味について
A:
エンディングの星、太陽、悪魔、節制エンドを先ず除外します。
それは何故なのか?
先ずは星、これはパナムを現しているタロットで意味は 希望、ひらめき、願いが叶う、絶望からの再生です。
これはアルデカルドスに付いていき新たな地に希望を求めて向かい絶望…レリックによって体がボロボロになり余命幾許もない状態から回復する為の賭けです。
つまりこれを人物像に当て嵌めるならば導き手といった所でしょうか。
次に太陽、これは成長してアフターライフの王、または女王として君臨することに成功した『Ⅴ』君そのものをあらわしていて意味は成功、誕生、祝福、勝利、約束された将来です。
エンディング後に宇宙にあるカジノに潜るといった所で終わりますがまぁナイトシティのレジェンドになるといった夢を叶えたものとなります。
人物像に当て嵌めるなら常勝不敗を体現した者という感じですかね?
次に悪魔、これは‥まぁ、タケムラが生存していてアラサカの神輿によって生き延びるルートですね。意味は裏切り、拘束、堕落、束縛、誘惑、悪循環、嗜虐的、破天荒、憎悪、嫉妬心、憎しみ、恨み、根に持つ、 憤怒、破滅となります。
アラサカはレリックによってトップが死なない不死の状態。企業などの超上役も神輿によって不滅、挙句に『Ⅴ』君もそのやってきた事の強さの証明によって戌に成り下がる。
本人的には死ななくて済むのでセーフなんですが、ただそこに当初あったような誇りも何もなくただの"外見上は生きている"死体そのものと言っても過言ではないのでしょう。
これは人物に当て嵌めるというよりかは事象といったものが合っていると思います。
タロットの意味にも書かれている通り、このルートは自分自身の矜持、ジョニーや大事に思ってくれている人たちへの裏切り、神輿への束縛等そのままの意味ですね。
最後に節制、これはジョニーに体を明け渡したルートですね。意味は調和、自制、節度、献身です。
『Ⅴ』君とレリックのジョニーとが調和して現世に復活した事、諦め…これ以上はダメだろうと半ば自棄の自制をした『Ⅴ』君を現しています。
人物像で当て嵌めるならば……そもそもこのタロットを示す人物ならそもそもお話には出てこず目と耳を塞いで穏やかに過ごしていると思います。まぁ世界そのものが穏やかか?と言われるとそうではないのですが。
で、この転生主人公君を示すタロットは運命の輪という事にしました。
意味は転換点、幸運の到来、チャンス、変化、結果、出会い、解決、定められた運命、結束です。
運命を廻す者、出会いによる結果の変動、結末を変えてしまう者としての表現としています。
Q:大量にあった改造パーツやクイックハックパーツどこいった?
A:今後(12話以降)少し触れる所があるかもしれません。
Q:この主人公なんか知能とか肉体性能高くない?
A:"元"は一般人男性なのですが、現在の体に入った時にゲーム中にある能力オールカンストの影響をもろに受けており肉体、知能共にフル強化されております。
自分自身が見た事がない機械とかネットランニングでも持っている知能が知能なので即適応しているという感じです。
Q:亡霊君ちゃんのゲーム時のライフパスとどういった経緯で進んでるの?
A:
ライフパスはコーポレートです。
ですが『Ⅴ』君と違って円満退職をしております。理由は不明。
コーポレート時の経緯は、企業に対する
退職後、ネットウォッチにバイト感覚で所属しており、その時にあのチップを入手しているといった感じです。
その後拠点の1個である部屋で主人公君がインストールされたという経緯になっております。
今後も思いつきや感想等の疑問から出るQ&Aを記載していきます。
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診断 確認 決意
プロットこそあるのですがこう…戦闘シーン以外だと遅筆になってしまいます。
そして毎度毎度の誤字修正ありがとうございます!
「嘘でしょ……えぇ……?そこまで再現しなくても……」
驚きのあまり、声に出してしまう。
いくら自分がやっていたゲームキャラの再現みたいな体と能力とはいえこれはあんまりだと今では思える。
診察をしていたヴィクターもどうしたものかと思いながらもいつも座っている椅子に座って様子を窺っている。
…そう、あれは今から30分くらい前の事だ。
……
………
…………
……………
「らっしゃい」
自分が部屋の中に入った事を気付いたヴィクターが私に声をかける。
その言葉を聞き自分も「お邪魔します」と一言言いそのまま歩きヴィクターに近づいていく。
目の前まで歩き、ヴィクターが今日はどういった要件で?と聞いて来たのでこう返した。
「精密検査をお願いしたくて来ました」
「……精密検査なら他のリパーでもやってくれるだろう?」
「大事な依頼が控えているものでして…それでこの街の伝説のリパーである貴方の所に来た次第です」
「成程な。……金はあるのか?俺は他のリパーより少々高いぞ」
「言い値ですら問題はありませんよ。貴方の腕の値段は私では決められないですし」
「言うじゃないか。今回は初めての来店としてサービスしといてやる。ジャッキーも助けて貰った礼ってのもあるがな」
「おや、私の事をご存知でしたか」
「あいつを診察した時にな。その時聞いた特徴とそのままそっくり同じっていうのと臭いが他の連中と違ったという所からそうだと思ったのさ」
ヴィクターに自分の存在が知られていて驚くもおどけて返したらジャッキーから聞いたと返ってきた。
……本当、よく喋る人だことで。
まぁ、もう知られているなら問題もあるまい。
『やれやれ』と肩を竦めると同時に張っていた緊張を解す。
ヴィクターがそれを見てフッっと笑うと立ち上がり付いてくるように促してきたので付いていく。
ネットランナーチェアによく似た……というよりリパーの店に置いてあるリクライニングシート+検査台みたいな所まで行くと座るように促された。
「大事な依頼と言ったが誰の依頼だ?……あぁ、守秘義務があるだろうから人物だけでもいいぞ」
「ダコタさんからの依頼ですよ。内容はお伝えできませんが」
「ダコタって事はバッドランズか…なら神経系から見ていくぞ」
「お願いします」
「……よし、なら繋いでくれ」
そう言われ左手に接続端子を受け取り左側頭部にあるジャックイン端子に差し込む。
そういえば何気にこれが初めてのジャックインになるのか。…………大丈夫だよね?
今更ながらではあるが少々怖くなってきた。
別の場所への挿入(意味深(いや生身と機械じゃそもそも違う))した感覚はなんというか……USBの端子をPCとかに挿した時と同じ感じだった。
ヴィクターが操作したのか目の前にディスプレイが移動させられていつも見慣れた…いや、少々違うがサイバーウェアの確認画面が映っている。
「じゃあスキャンを開始するぞ」
「よろしくおねがいします」
そう言いヴィクターがスキャンを開始する。
……そういえば自分の今のサイバーウェア装備を確かめてなかったな。最後に装備している設定のままならとんでも装備ばかりしている民間最高クラスの改造状態の筈だが、この数日でゲーム通りという事は絶対にない。しっかりとした現実なのだと思い知らされたので確認をしておかなければならない。
ええと……あ、今気付いたけど英語が普通に読める。
翻訳機能が働いてない事を考えるとこれは素の状態でも読めるように何時の間にかなっていたようだ。非常に助かる。
さて……装備内容は……
前頭葉:メカトロニックコア、視野角サポート、大脳辺縁系サポート
視覚系:キロシオプティクスMk.3
循環器:バイオコンダクター、フィードバック回路、予備心臓
免疫系:カタレジスト、痛覚エディター
神経系:ケレズニコフ、シナプス加速器
外皮系:皮下アーマー、不燃性コーティング、光学迷彩
骨格:マイクロローター、神経信号オプティマイザー
手:スマートリンク改
腕:ゴリラアーム
脚:強化足関節
基幹システム:ネットウォッチ・ネットドライバーMk.5
ふむ……腕以外は最後に触った時と同じだな。だがスマートリンク"改"?
どういう事だ?確かゲーム時のキャラとしての体はタイガークロウズの皮膚インプリントをしてた筈だが、腕を見た時にそれは消えていたのは覚えている。
もし、それが世界の整合性が合わないという事でスマートリンクになっているのならまだ理解はできる。実際スマート武器使用前提の時はわざわざ切り替えてたし。
だけどこれは"改"と入っている。もしかして改造したのか?世界の整合性の為に?
流石に気になるので少々詳しく確認を行う。
………あー成程……そういう事……はいはいはい……チートでは?
確認を行った事で分かった事はこうだ。
スマート武器"非"使用時スマート武器のジャミングを行う。使用時にジャミングオフ、スマート弾自動標準速度補正がかかる。
レジェンダリースマートリンクとタイガークロウズプリントの相の子じゃないですかーやだー!
いや非常にありがたいけどさ…これ絶対突かれるやつだよね?後が怖いわ。外さないけど。
一応の確認を終えたのでとりあえず視覚系と腕の改造パーツも確認する。
よしよし、キロシの方は弾道解析、弱点検出装置、脅威探知機。腕もアニマルズのナックル、ブラックマーケットのバッテリー、感覚アンプリファイアーが入ってる。
確認を完了し、しばらくのんびりしているとヴィクターがスキャンを終えたのか席を立つ。
「スキャン完了だ。結論から先に言うぞ。異常は全くない、健康そのものだな」
「それは嬉しいですね。ありがとうございます」
「あぁそれと、忘れてるかは分からないがチップが刺さったままになっているぞ」
「え?チップが?……記憶がないですね」
「一応気になったから確認してみたがチップ自体は動いてないのを確認しているから抜いても問題はない」
「いやはや……重ね重ねありがとうございます」
そうやりとりした後端子を抜いてそのままチップスロットを探す。……あった、これだ。
チップを引き抜いて目の前に持ってくる。あれ?何処かで見たような……
そう思いつつチップの表面を確認する。
……
……………<Relic>だこれ!!?
そうして冒頭に戻るのだが……うん。先ずは可能性を上げてみよう。
①今自分がそうだと思っている記憶がアラサカが作ったレリックの実験で作成された記憶である。
現状の自分が持っている装備、車両等からみてアラサカのエージェントだった可能性が高い。何を条件にして"魂の救済"プロジェクトに参加したかは分からないが碌でもないのは確かだろう。
②"一巡"した。
某奇妙な冒険ではないが自分だけが世界を一巡した存在として今存在し、その記憶を持っているのはそれを操作していた『プレイヤー』だからこそ上位存在?が意識と記憶を植え付けた。
③一番荒唐無稽だが、これを観測し執筆していると思われる人物がいて、自分はそれに書かれている登場人物である。
誰もが思うあぁだったらいいな。こんな
……可能性としては①が一番ありえるのが困った所だ。
②は正直言ってありえないと思うし③なんてトチ狂ったのだろうかとすら思う。
だがもしもだ。もしも自身がそういう存在、言うなれば観測者だろうか?観測者が書いた事が現実今自身に起こっている現象(転生?憑依?)をテレビで見る映像のようにだせるならすると思う。
ゲーム自体はよかったが話が良くも悪くも日本人受けしなかったというのもあるが、こう……何もなくただ失って終わるというのが受け入れられないからこそ救いを見出したいと思っているのだから。
よしきめた。
"神輿"は必ず破壊する。
実際神輿が存在している事で得られるメリットは全くもってないとも言えるのだが、可能性①の確率が一番あり得る以上元の人格の持ち主の記憶痕跡が必ず保存されている筈だ。
そうだった場合まずどうやっても勝ち目はない。未来もない。
記憶が自由に移せるという事は人間とほぼ同じ機構さえ作ってしまえば"本人"を量産できてしまう。しかもそれはスキルオールカンストしたもはやバグ染みた存在だ。もし自身の能力そのままの存在が複数体同時に来られたどうだろうか?最大限譲歩しても詰む。
音もなく走ってるような速度で近づかれて首を回転させられてこの世と別れるなんて悪夢以外なんでもないとすら思う。まぁ、同じ事を出来るからこそ分かる恐怖なのだけども。
座っていたランニングチェア?から降りてヴィクターの近くに行く。
もういいのか?と言いたそうな顔でヴィクターが顔を向け自分を見てくるが大丈夫だと頷くとこう言ってきた。
「何かは知らないが決意したようだな」
「えぇ。……顔に出てました?」
「うっすらとだがな」
「それはそれは……あぁ、お代は如何程で?」
「いらねぇよ。スキャンだけだしな」
「ありがとうございます。それでは」
今回金は要らないという事でヴィクターに礼を言い診療所を出ようと歩いていき柵…いやカーテンと言おう。カーテンに手をかけた時にふと思い振り返り一言言う。
「また来ますね」
おう、というヴィクターの返事を聞きながら自動扉を開けて外に出る。
さて、確認は終えたし明日のダコタとの邂逅まで休むとしますか。
本文中の可能性のお話ですが、私的設定では①と②の相の子です。
閑話に少し書きましたが、アラサカを円満退職していますが、退職時の取引として記憶を譲渡することで無事に退職しています。(その時にレリックinし無難な記憶が上書きされる)
その後、無難な記憶を持った主人公(Not転生者状態)がネットウォッチでバイト、そしてあのネットウォッチドライバーを入手しています。
そしてあのスマートリンク改ですが捏造です
そもそもスマート武器のジャミング自体タイガークロウズの秘蔵品です。(ゲーム中NCPDが何発かジャミングしていますが)
それを現実適用するとなるとどうやってもタイガークロウズと懇意にしていないと無理なんですね。
なので、アラサカ時代とネットウォッチ時代で得た知識と技術で作った独自の改造を施したスマートリンクという事にしました。
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朝 移動 依頼確認
さて、一日が経ち、今日がダコタとの面会の日だ。
いつも通り(?)ホルスターを各場所に取り付け……いや、腰後ろにつけていたホルスターはやめてクエーサーは抜きました。
理由は簡単。車を運転する時邪魔で仕方がないんです……
どうやっても腰への圧迫感があって落ち着かないし運転時にベストな体勢じゃないと緊急時に支障があったら拙いので流石にネ…
なので、代わりと言ってはあれだけどもミリテク M-10AF レキシントンを選択。こいつはフルオートで連射可能なハンドガン、所謂マシンピストルに分類されている。
口径は……9mmパラベラムサイズのダブルカラムマガジン。装弾数はマガジンに20発装填可能。
銃の精度もミリテクらしく堅実、ハンマーはストライカー方式でセーフティーはトリガーセーフティ式。
現実でいうグロック的な子なんだろうか?とも思うが性能がいいので気にしない方向でいこう。
この子は左側の腰にホルスターを付けてそこに入れておく。
朝食(部屋に置いてある自販機からブリトーを購入)を食べながら外に出てヴィークルを呼ぶ。
今回呼ぶのはブレナン アポロ。
水平対向エンジンで馬力は94HP、車体重量503Ib(kg換算で228.157kg)
バイクの中では中々に重いほうだがこいつは前側にサスペンションを3つ利用していて走行時のショック吸収能力が高いのがウリだ。
そうこうしている内に自動運転で目の前の道路にきたのだが……コイツフルパニアだ!
後側のサイドとリアシートにパニアがあるのは勿論特徴的な前側にもサイドパニアが二つ付いてる!
ゲーム中は『Ⅴ』君のもスコーピオンのも前側にはパニアが無かったからどうして…ってなっていたがこれは嬉しい誤算だ。
思わずガッツポーズを取ろうとしたが、流石に人の往来の中でやるのは恥ずかしいのも相まってやらなかった。
バイクを走らせてダコタが拠点にしている建物まで移動する。
やはりというかやっぱりというか……速度表示がkm/hじゃなくてmphだ。
やっぱり元がアメリカだけあって、中々馴染めないが慣れるしかないかと諦める。
そうこうしているとダコタの拠点についたので速度を落とし中に入っていく。
警備の二人が自分に気付き銃を構えるも特徴を聞いていたからなのか、速度を落として端に停めたからなのかは分からないが警戒こそするものの構えていた銃は下ろしてくれた。
バイクを止め、降りて建物入口まで歩いていくと警備の一人に声をかけられた。
「ここに何か用か?」
「ダコタさんと今日の13時に会う予定になっている亡霊です」
「"亡霊"……?少し待て。確認する」
亡霊という名を聞いた瞬間、警備の二人の空気が変わりその警備の一人が確認を取る為にホロコールを行う。
仕事熱心というか気が張ってるというか……まぁバッドランズだもんなぁと思いながら待っていると、確認を終えたのか一人がまた声をかけてきた。
「確認が取れた。バッドランズにようこそ。亡霊」
「ありがとうございます。そのまま中に入って待機でいいんですかね?」
「あぁ大丈夫だ」
そうやりとりを行った後、軽く礼をいい中に入っていく。
中に入って感じた事は油の匂いが強いという事だ。
まぁ車の整備工場あるあるなので置いておくとして、とりあえず奥に向かって歩いていく。
少し歩くと、大柄の男が立っており近づいていくとこっちだと言わんばかりに顎をしゃくってきた。
横を通り過ぎる際、いつもの癖でありがとうございますと言うと気が抜けたのか、肩を竦めるような動きをしているのが横目に見えた。
ドアを通り、そのまま入っていくと目的の人物であるダコタ・スミスがいるのが見えた。
ダコタからは少し呆れたような…仕方ないというような目を向けられた。流石に予定が13時なのに10時くらいは不味かっただろうか?
「予定した時間よりちょいと早いんじゃないか?」
「いやぁ申し訳ない」
「まぁいいさ。じゃあ、仕事の話といこう。あんたにやって貰いたいのはレイスの拠点内にある取引履歴を盗ってきて貰いたい。
当然、痕跡は何一つ残しては駄目だという事は理解してるね?」
「了解です。痕跡さえ残さなければ何をしたっていいんですかね?」
「あぁそう思って貰って大丈夫だよ。ただし、クイックハックは目標端末のみにしかしない方がいいだろう」
「……まぁ腐ってもレイスですからね…分かりました」
「後、仕事開始時に視界を同調しても構わないかい?」
「構いませんよ」
「助かる」
その後も、軽い質問等を交えていき、依頼内容の確認と注意事項の確認をしていく。
確認を終え、出ていこうとした時にダコタから「頼んだよ」と聞こえた。
歩きながら、右手の親指を上げ任せてくれと言うようにしてそのまま歩いて外に出ていく。
バイクを止めてある場所に移動し、バイクに跨りセルを入れる。
目的地はレイスの拠点……から離れた場所だ。
さて、道中飯と飲み物を買いながら移動しますか
パッチ1.5で実装された新たな自宅、皆さんはどれが気に入りましたか?
私はグレンにあるあの部屋がお気に入りです。
現実でもああいうのに住みたいですね
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昼食 移動 確認
フォトコンテストが開催されましたね。
今回、そのコンテストに応募してみた。
そして毎度の事ながら
誤字の修正、感想ありがとうございます。
アポロを走らせて道を走る。
そのままレイスのキャンプ周辺に向かってもいいが、先ずは食料と飲料を買わなければならない。
……というか13時くらいに打合せを指定したから昼飯を食べておらず少し腹が減っているのも現状だ。
少し走らせているとサンセット・モーテルに到着した。
そのまま駐車場に入り店舗近くの場所に停める。
エンジンを切り降車し、外階段を上る。上り切りそのまま左に折れに折れてBar:Blue Moonに入る。
バーカウンターに立っているバーテンダーに話しかけて21STスタウトを注文する。
バーテンダーが21STスタウトを1瓶持ってきてカウンターに置き栓抜きで王冠を外し、自分の方に置いた。
そのままで飲めという事らしく、瓶を持ち上げてそのまま一気飲みをする。
うん、美味い。いいスタウトビールだ。
本来、スタウトビールは一気飲みするものではなく、香りと味を楽しみながら少しずつ飲んでいくものなのだけど許して欲しい。
飲み干したのでもう一本同じ物を頼み、追加でアーティチョーク&アボカドピザを二つ、ホットドッグを一つ注文する。
そしてバーテンダーが21STスタウトと注文したピザとホットドッグを持ってきてカウンターに置いたので食べ始める。
先ずはアーティチョーク&アボカドピザから。
一口食べるとアボカドのクリーミーな触感に混ざり、アーティチョークの苦みが口内に広がる。
その後直ぐに下に引いてある申し訳程度にあるチーズの甘さが来る。
そのまま咀嚼しスタウトと少し呷る。
スタウトビール特有の甘さと香ばしさが口を満たし炭酸部分で口に残った風味を洗い流していく。
素晴らしい。末期世界だと思ってはいたがこんな美味いものに出会えるとは思っていなかった。
思えばずっと買っていたブリトーも転生する前食べていた食品達と遜色がない味だった。
思わぬ美味に顔が綻んでいるとそれを見ていたバーテンダーの顔……雰囲気が柔らかくなった。
どうやら満足いっているの見て少し気をよくしてくれたみたいだ。
そのままピザを一口、スタウトビールを一口と交互に食べ、飲んでいき一切れを食べ終わる。
さて次、ホットドッグ。
先ずは一口…と乗っているソーセージとパン、ケチャップとマスタードがかかっている部分まで頬張り噛み切る。
最初に感じたのはその肉厚さだ。
見た目の太さ以上に噛み応えがあり、噛んだ時に外の腸皮が破れる感覚、使われている肉の肉汁が口に広がる。
出てきた肉汁を薄いバンズが吸い取りしっとりとしつつも肉の邪魔をしない…いや補助をするように存在し味を纏めていく。
そしてその纏まりの中にケチャップの甘さ、マスタードの酸味と辛みが混ざり一個の世界を作りだした。
そのまま噛み続け、咀嚼して一息つく。
美味い。その一言に尽きるだろう。
そのまま食べ続け、残りも食べ、飲み切り一息つく。
久しぶりに満足した気がするが、依頼を片付けないといけない。
バーテンダーにオディッキン・ウィスキー1瓶、ホットドッグ、ブリトーXXLを持ち帰りで注文する。
「キャンプでもするのか?」と聞いて来たので「そうです」と返し受け取り金を払う。
「また来ます」と去り際に告げ、店を出て階段を降りて駐輪してある場所まで移動する。
ラケッジラックを開け、酒と食料を入れて固定する。これで激しい振動でも中身が飛んだり割れたりはしないだろう。
そしてアポロに跨りエンジンを掛け、後ろに少し下がってからバイクを発進させて目的地に向かう。
……
………
…………
……………
………………
目的地に到着した。
ここはレイスのキャンプ近くの風車群……その近くの丘と丘の谷間だ。
作戦はこう。
深夜2時30にレイスのキャンプの裏手から音を消して度々光学迷彩で姿を消しながら内部へ潜入。
そのまま端末まで移動しデータをコピー、そして端末内にばれないように枝を付けて撤収するだけだ。
確認の為、光学迷彩を起動する。
鼻に付くオゾン臭がし、体が透明になる。
……ふむ、どうやらゲームの時と同様に服も一緒に消せるみたいだ。こいつは重畳。
少し待つと光学迷彩が解けて姿が現れる。時間は15秒。そして左上付近に41と表示され、カウントダウンが進んでいく。
成程。これもゲーム通り、クールタイム60秒でサイバーウェア:バイオコンダクターの効果で短縮され41秒になっている。
サイバーウェアの確認が終わったので今度は少し走る。
音こそ少量だが踏み込み、蹴る音がする。走るのは音が聞こえない離れた所に限った方がいいだろう。
さて作戦決行まで残り9時間程だ。
仮眠をとっておくのがいいだろう。
スタウトビールは黒ビールの中の1種の事を指していて、色は暗い胴色から黒色になります。
アイルランドが発祥らしいですね。ポーターはイギリス、シュバルツ、デュンケルがドイツだそうです。
私個人のお勧めの黒ビールはカイザードーム:ダークラガーです。
1Lと中々容量がデカいですが美味しいので機会があれば是非飲んでみてください。
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潜入、枝付け、偽装再開
以下投稿が長い事してなかった理由(箇条書き)
・仕事で死んでた
・文章の書き方で悩んでいた
・MHR:SB、幻塔、FF14、VALORANT、スプラ3をしていた
エッジランナーズの話がどうやら2077の本編から約一年前(クリアデータの為どこでコラボ依頼が出てきたか分からない)みたいですね。
本編自体、数か月後と序盤にあるので依頼実装タイミングによっては1年数か月前という事になるかもしれません。
話しの幅が広がりそうですね。
仮眠を済ませ時間を確認する。作戦決行まで残り2時間程だ。寝起きで空腹なので買っておいたブリトーXXLを食べる。うん、相変わらず美味い。
ブリトーを食べながら銃等の装備品を外しアポロのラケッジラックに入れていく。今回は発砲、クイックハック無しの偵察任務。音は最小限にしたいし撤退は迅速に行える様にしなくてはいけないからだ。
さて、残り1時間。準備運動をしておこう。……ラジオ体操第一ー!
……第二とストレッチを行い体を温める。残り30分、水分を取り喉の渇きを癒した後瞑想を行う。
………残り5分。ダコタにホロで連絡を取る。数コール後、ダコタが出てくれた。
「そろそろ時間です、接続をお願いします」
「了解した。接続通話をかけ直すから一度切っておくれ」
こちらも了解と告げホロ通話を切る。数秒後ダコタからコールが来たので受話を開始する。
「……感度良好、深度も問題なし。其方の映像も問題はないよ」
「了解です。では、状況開始といきましょうか」
山の斜面を全速力で駆ける。スタミナは問題ない。ステータスカンストの能力で息を乱す事等全くない事が仮眠前に確認できたからだ。頂上に到達し、一度立ち止まり、キロシのズーム機能を使いレイスの拠点を確認する。……今の所侵入コースに敵影なし。
山頂から再度走り山を下る。途中の段々になっている崖?をバニーホップの要領で跳びながら下り、溜め池らしき地点の崖から右手沿いに移動し白い円筒の形をした設備の上にしゃがみながら移動し、到達後うつ伏せになり再度拠点を確認する。
…よし、このルートでやはり正解だった。天然の壁である崖から攻められる事を考慮してないのはゲームの時点で分かっていた。今回、それに付け入る形でこのルートを選択したがやはりというか仕方がないというか……まぁ、普通に考えてかの義経公みたいな事はしないだろう。
現在地点から見えている人間にマーキングをしていく。…ふむ、二人か。しかもラジオを大音量で鳴らしてるなこれは。ここからでもちょっと聞こえてきているぞ。
光学迷彩起動。腕の力を使い飛び降り、着地時に数度転がり衝撃を逃す。…起動残り時間13秒、これなら問題ない。足音を殺しながら最速で移動し岩と大きめの草むらに身を滑り込ます。……起動時間終了。次の使用まで41秒待機。
待機中マーキングした人間の動きを確認するが誰も気付いたような動きはない。寧ろ銃を持っていない左手で首を揉んでいたり欠伸をした時に手を口に当てていたりしていた。
よし、クールタイム終了。再度光学迷彩を起動し移動する。赤色の鉄骨を組み上げたものの所まで移動し、強化足関節を利用して高く跳ぶ。二段目の縁まで少し高さが足りないが、手が届くので腕力にものを言わせ登る。…次。
外壁と鉄骨の間を体で落ちない様に支えながら移動、少しだけ出っ張っている地点に移動し、そのままあけっぱなしの窓から内部に侵入する。……窓ガラスがない方が悪い。
再度光学迷彩の効果時間が切れる。だがもう問題はない。一応、注意としてしゃがみながら端末まで移動し、メンテナンス用端子にジャックインを行う。……家のPC触っておいてよかった……
データ転送開始。転送完了まで残り1分か。転送完了までの間、足音を警戒しておこう。……いや、それにしてもラジオの音五月蠅いな。……無事に転送が完了した。
「データは受け取った。後は枝を付けるだけだ」
「了解」
そのままデータのアップロードを行う。よし、完了。後は撤退するだけだ。
来た道をそのまま戻り、再度崖の付近まで移動する。さて、どう登るかね……いやまぁルートは決めているんだけど。
光学迷彩を起動し、強化足関節と腕力を使いコンベヤの上に登る。そのまましゃがみ歩きでヘッド部まで移動。少し…いや、二歩だけ助走をつけジャンプ。崖の縁をしっかりと掴み体を引き上げて草むらに隠れる。
撤退前の最終確認を行うが、誰も気付いた様子は無い様だ。よしよし。後は走って登って離脱するだけだな。
レイスの拠点からでは見えない場所までしゃがんで移動し、見えなくなった所で走って移動する。途中あった崖は同じようにジャンプして腕力で体を引き上げて登っていく。
完全に離脱をしたのでダコタに終了の連絡を取るとしよう。
「離脱完了しましたよ」
「あぁこちらでも確認した。完璧だ」
「それは恐悦至極」
「残りは昼に話そうか。まだ偽装途中なんだろ?」
「えぇ。その通りです」
「じゃあ、昼にこっちまで来てくれ」
「了解です」
ダコタとの通信を切り、一息をつく。…よし、後は朝までアポロを停めた所でキャンプしにきた人間の偽装を行うだけだ。
小走りで移動し、アポロの所まで戻り外していた装備品ラケッジラックから取り出し装備をしていく。
装備完了。後はのんびりと朝がくるまで待つだけだ。
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移動 朝食 買い物
エッジランナーズ最高でしたね!
そして分かるV君の化け物スペック具合。カンスト能力だと
・アダム・スマッシャーを赤子の手を捻るかの如く倒せる
・レイシィ・バートモスと同等レベルのハッキング能力(いくら古いとは言えバートモスのデッキのトラップを解除した&クイックハックスキル:バートモスの遺産→バートモスはレジェンダリークイックハックで固めた可能性があり、それを作成、使用できる→ほぼバートモスデッキになる)
・サンデヴィスタンを装備したサイバーサイコとほぼ同等の速度で接近できる脚力
・マックスタック(NCPD警戒レベル最大で登場)を普通に倒せる
等、は?と言いたくなるようなスペックになるんですよ…
10/15日修正
主に銃弾の大きさ(ゲーム内にて確認)
午前2時、後30分で作戦の決行開始時間になる。ダコタはPCの前に座り最終確認を行っていた。
「さて…どうやって潜入するか見ものだね」
定例会の時にワカコが見せた映像を見た限りでは普段は意識しないであろう位置から偵察、攻撃を行っていた。今回もこの方法を取る確率は高いと予想はできる。レイスのキャンプの立地を考えると裏手の山からアクセスするだろう。
そう予測をしながらしばし待っていると件の彼女からホロ通話のコールがかかってきた。時間を確認すると現在2時25分…開始まで残り5分といい時間だ。
「そろそろ時間です、接続をお願いします」
「了解した。接続通話をかけ直すから一度切っておくれ」
亡霊がホロ通話を切った事を確認し、ソフトを起動させる。通信のセキュリティランクを上げ、作戦中の要である枝の取り付けをネットランナーからの通信の探知、妨害をさせない為だ。…彼女の付けてあるキロシに同期してどう動くのかを見る為でもあるが。
今度はこちらからソフトを通して通信を送る。1コールもせずに亡霊が通話に出た。
「……感度良好、深度も問題なし。其方の映像も問題はないよ」
「了解です。では、状況開始といきましょうか」
作戦開始。状況開始と共に亡霊が走り出したのを映像を見ながら確認しているが……山を登っているにしては早すぎやしないか?とダコタは疑問に思った。確かに、サイバーウェアで足の速さや肺活量はどうにでもなる。だが"それ"に馴らさなければ全く意味がない。亡霊のそれはまるで長年付けて使用しているような状態と言える程の自然さだった。
数分後、山頂まで到達して停止。キロシのズーム機能を使ってレイスのキャンプを確認しているのが見て取れた。ダコタの予測は当たったようだ。
再び移動を開始した亡霊だがその動きはあまりにも物理法則に喧嘩を売っているのが見て取れ、ダコタは困惑した。
「……いくらなんでもこれはおかしいだろ…」
無理もない。亡霊は何故か山の下り坂を"跳ねる毎に加速"しながら移動し、平地になり段々になっている崖も"低空を跳ねながら加速して"移動していたからだ。
下り坂を加速しながらならまだ分かる。だが平地で加速しながら跳び跳ねて移動しているのはあまりにもおかしいのだ。
亡霊がレイスのキャンプ付近に近づいた為か減速し、近くにあった茂みに隠れながら移動。円柱状の建物まで移動した後匍匐状態に移り再度偵察を行っている。どうやら二人発見しマーキングをつけたようだ。
「さてここからどう動く?」
期待を込め、ダコタが独り言ちる。勿論、現在繋がっている状態とは言え音声接続は切っているので亡霊には伝わらないのだが。
亡霊が再度移動を開始した。第三匍匐で縁にまで移動したようだが、光学迷彩を起動したのか、そのすぐ後見えていた亡霊の腕が透明になり見えなくなった。
「成程。"それ"なら確かに問題にならない」
ダコタが感心している間にも亡霊から見えている視点は動いている。効果時間ギリギリまで詰めて切れる1秒前には草むらに隠れて周囲の様子を窺いながら進んでいる。二度目の光学迷彩の起動を確認。今度はサイバーウェアと腕力で鉄骨を登っていき、建物との隙間から移動して中に入っていった。
建物内部に入っても警戒したまま、なるべく足音を立てずに移動。端末にジャックインを行った事を確認しダコタはPCを操作し、亡霊のジャックイン先からデータを次々コピー、転送して保存していく。
転送開始から2分が経ち、無事に転送が完了した。
「データは受け取った。後は枝を付けるだけだ」
「了解」
データの取得を完了し、今から枝を付ける事を亡霊に連絡する。それを了承した亡霊の言葉を聞きダコタはPCからデータのアップロードを開始した。
ものの10秒もかからずアップロードは完了。後は亡霊がホットゾーンから帰還すれば無事作戦は終了となる。……まぁ、潜入の流れを見れば問題はなさそうだが。
その考えが正しかったのか、当然のように察知されることも、危なげでもなくホットゾーンから離脱した亡霊から連絡が入った。
「離脱完了しましたよ」
「あぁこちらでも確認した。完璧だ」
「それは恐悦至極」
「残りは昼に話そうか。まだ偽装途中なんだろ?」
「えぇ。その通りです」
「じゃあ、昼にこっちまで来てくれ」
「了解です」
亡霊との連絡を切り、ダコタは座っていた椅子の背もたれに深く体を沈め思案に耽る。
(動きに問題はなし。寧ろ熟練と言ったほうが良いほどだ。)
定例会の後、ローグから亡霊については軽く聞いていたが…傭兵登録する前はどこの鉄火場を歩いていたのだろうか?もしかするかもしれないが企業エージェントだったのかもしれない。もしその予想が当たっていたとしたらちょっとした厄ネタになる可能性が高いだろう。……まぁ、当たっていたらいたでどうしようもないが。
何はともあれ作戦は成功だ。取ったデータの中身を確認して今後の対応を練らなければならない。
……朝になった。一応の警戒として朝になるまで起きていたが……まぁ当然、何も起きなかった。夜空がとても綺麗だったとしか言いようがない。とりあえず、最後の偽装としてサンセットモーテルに寄って朝飯を食べながらアリバイでも作っておこう。
キャンプ道具一式をラケッジラックに片付け、アポロに跨りエンジンをスタートさせ、サイドスタンドを払う。クラッチを握り、ギアをローギアに入れて発進する。
しばらくバイクを走らせ、目的地のサンセットモーテルに到着した。現在10:00。遅い朝食になったなと思いつつも駐車場にアポロを停め、バーまで歩いて移動する。仕事終わりという事もあってか足取りは軽く、軽快に階段を上っていきバーの中に入っていく。バーテンの前までいくと、歩いてくる亡霊に気付きバーテンダーが声をかけた。
「昨日ぶりだな。キャンプはどうだった?」
「中々綺麗に空が見えてよかったですよ」
「それはよかった。注文は?」
「ホート・ドーグ一つとシラスコーラ・クラシックを」
「あいよ」
そう言いバーテンは冷蔵庫からシラスコーラを取り出しカウンターに置き、調理スペースに移動し少ししてからホットドッグを持ってきて同じくカウンターに置いた。
支払いを行いバーテンに礼を言い、先ずはシラスコーラを左手で持ち上げ、右手でプルタブを引き開封して少し飲む。うん転生前に飲んだアメリカ産コーラの味だ。なんだか懐かしいな。
シラスコーラをカウンターに置き、ホットドッグを右手で持ち上げて食べる。昨日食べたがやっぱり美味い。口の中のホットドッグをしっかり噛み、嚥下した後左手でシラスコーラを一口飲む。これぞアメリカ!って感じだ。
ホットドッグを一口、シラスコーラを一口を繰り返して両方を楽しみながら食べていき完食する。バーテンダーにそれではと告げバーから出て停めてあるアポロの元に来た方向とは反対側を歩いて向かう。階段を下り切り、そのままアポロの所に向かおうとしてふと、そういやここに銃砲店があったと思いだし踵を返して銃砲店に向かう。銃砲店に着くと人が居り、どうやら営業しているみたいだ。
「今営業中です?」
「あぁ、営業中だ。どんなやつが欲しい」
店主?に声をかけ今営業しているか確認を取ると、営業をしていてどんな銃が欲しいかと聞いて来た。一応、家の保管スペースにはゲームをやっていた時の銃達(全部レジェンダリーとアイコニックレジェンダリー(クラフトMOD設計図がある物だけ、全強化、パーツ取り付け済み))があるが現実になった今ゲームの時なかった銃があるかもしれないと若干のわくわく感を抱いて店主に逆に質問する。
「全部見せて貰っていいですか?」
「あぁいいぞ」
店主は声のトーンからこっちの気持ちを察したのか今取り扱っている銃を全てみせてくれた。
(ふーむ…サイドワインダー、リバティ、チャオ、シンゲン…どれも覚えがあるな…おっこれとこれとこれはなんだ?見た事ないな)
並べてある銃を一つ一つ見てみるがどれも見た事あるし家に保管してあるものだと思いながら見ていくと、数個みた事がない銃があるのを確認した。
「これとこれとこれ、見た事がないんですが名前と特徴は?」
「ほう?コイツらを見た事ないと中々珍しいやつだな。…あーいや他が多すぎるだけか」
店主に質問した所、珍しがられたがすぐに他が多すぎるだけと訂正される。いや…しょうがないじゃないかパッチ1.12の時にこっちに転生?憑依したんだから。
「まずこいつはツナミ防衛システム製のカッパだ。発射レートはカンタオ、アラサカに比べれば少し遅いが装填数は30発と中々に悪くない銃だ。ツナミらしい精巧な作りでとてもいい銃と言えるだろう」
「ほう…ちょっと握っても?」
「いいぞ、ほれ」
店主からの解説を聞き、持たせてもらう。成程、グリップ部に段差ができてホールドしやすいな。これなら腕を振ったり撃った反動で指がズレるという事も中々ないだろう。いやそもそも射撃中にグリップから手がズレる時点で銃として駄目なんだが。
トリガーに人差し指を添え、トリガーを引く。カチリという音とともに引きったのを確認し、人差し指を離す。プルも悪くない。
ツナミを店主に返すと次はこれだと店主はカッパを元の位置に戻し、となりに置いてあった銃を手に取って解説を始めた。
「同じくツナミ防衛システム製のキュウビだ。使用弾薬は5.56mm、装填数は20発だ。コイツは最初からレーザーサイトが搭載されていてな?発射はセミオートオンリーだがレーザーサイトも相まって精度は抜群だ」
解説が終わり、店主からキュウビを受け取る。リトラクタブルストックを引いて展開し、左手を伸ばし切りハンドガードをしっかり握り、ピストルグリップを持っている右手を肩に近付けつつ持ち、ストックを肩に当て、ストックの位置調整を行う。……よしこの位置だ。
「珍しい持ち方をするんだな」
「割と安定しますよ?試しにどうぞ」
そう店主とやり取りを行いトリガープルの確認を行う。…うん、引きやすい。
構えを解き、左手でチャージングハンドルを持ち数回前後させる。これも問題なし。店主に銃を返すと店主は先程自分がとった構えと同じ構えをとった。
「そうです。銃を引き付ける様に持って、そのまま左右に振ってみてください」
「……成程な。確かにこれは安定するな」
店主は納得し、構えを解きキュウビを元に位置に戻し次の武器を手に取った。
「最後はこれだ。ミッドナイト・アームズMA70HB!使用弾薬は6.56x52mmで装弾数は70発。ディフェンダーと比べて発射レートも装弾数も劣るがコイツはともかく頑丈だ。それとこいつは打った銃弾が着弾時に炸裂するおまけつきだ」
三度目の説明は店主のテンションがちょっと高かった。この銃が好きなんだろうか?そう思いながらも店主から銃を受け取り構える。…珍しい位置にトリガー周りがあるな。まるで銃を包んでいるかのような持ち方に少し困惑しつつも同じようにトリガープルの確認を行う。先の二つと比べると少し重いがまぁ軽機関銃だしそんなものかと納得する。
チャージングハンドルの確認を行い店主にMA70HBを返すと店主はさて、どれを買う?と質問してきた。
「カッパとキュウビとMA70HBを下さいな」
「これくらいになるがエディーはあるのか?」
「勿論」
「毎度あり!」
三丁買う事に決め、店主が出した金額通りに店主に送金する。よしよし、コレクションが増えたぞ。……だがどうしよう、バイクだから積めないぞ…店主に聞いておくか。
「あー……今日バイクで来てるので積めないんですけどどうしましょうか…?」
「三丁もかってくれたんだ。宅配はサービスにしといてやるよ。場所は何処だ?」
なんと、宅配をサービスをしてくれるそうだ。いい人だなぁと感謝しつつ、今の自宅の位置を店主に送信する。場所を受け取った店主はあいよと言い、いそいそと銃を箱に詰め始めた。
時間を確認する。現在11:30。いい時間なので店主に別れを告げてアポロの元に移動する。……いい買い物ができたなぁ…
書いている弾薬は完全に捏造です。(10/15日修正。弾薬の大きさを他アサルトライフル、ライトマシンガンの口径と同一化
一応、ゲーム内でグラフィックとにらめっこしながら書いてますが正直合っているか全く分かりません。
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ACT1.x:edge runner
報酬 追加依頼 邂逅
身内でサイパンREDのお試し卓をやるという流れになりまして、GMをやる為マップとか色々準備してました。
設定として、この亡霊ちゃんはパッチ1.12時に"こっちに"きましたが光学迷彩はパッチ1.3時に実装だと確認作業中気付いてやっべ…となった筆者です。
MODでデータだけだったのを装備していたという事で進行していきますのでどうかご容赦下さい。
10/15修正
カーネイジの装弾数
アポロに跨り、車体を起こしてスタンドを払いイグニッションスイッチを押してエンジンをかける。エンジンが立ち上がるのを確認したのち後ろをミラーで確認しながら後ろに地面を蹴りながら少し下がる。十分下がったのでクラッチレバーを握り、ギアーをニュートラルからローに入れてアクセルを捻り、発進する。フルバンクで回頭し、駐車場の出口へと向かい移動を開始する。やはりというかアドベンチャータイプのバイクだけあって扱いやすい。ギアを上げ、適度な速度で走りながらダコタの拠点へ移動する。
10分程アポロを走らせ、ダコタの拠点に到着した。そのまま拠点内にアポロを走らせると警備の人間が気付き、誘導されたのでされるがままに移動し車庫に入りアポロを停車させ、しっかりとギアをニュートラルに入れ、スタンドを立て、イグニッションをオフにしてから降車し、ダコタの元に歩いていく。
「来たようだね。まずはお疲れさん」
「どうでしたかね?」
亡霊が来た事に気付き、ダコタが労う。それに対し亡霊は(働きは)どうでした?と質問をする。それを聞いたダコタはフッ、と笑いながらも完璧だったと答えた。
「先ずは報酬だ」
「これはどうも」
ダコタから報酬としては3万€$が振り込まれた。振り込まれた金額を確認し、亡霊が恐る恐るながらもダコタに質問をする。
「…ちょっと多くないですか?」
「あの仕事の完璧さと速度だとこれでも少々少ないくらいだ。…まぁ、少ないなりの理由があってね」
「ほう?」
「追加依頼だ。抜き取った情報を照らし合わせた結果をフィクサー間で共有したんだが…厄介な事に一昨日、企業の重役の娘がメイルストロームに攫われていたらしくてね」
「ほう」
「
「酷い偶然もあったものですね」
「全くだ。で、今日その重役が救出依頼をワカコに出したって訳だ」
「成程成程…私が絡む要素なくないですか?」
疑問に思った亡霊がダコタに質問をする。それに対しダコタはため息をつきたそうにしながらもこう言った。
「それもそうなんだが…最近有名になってきたとあるチームにその依頼を任せる事にしたんだが、ワカコが情報を取ってきたお前に参加させてもいいんじゃないか?とねじ込んできた次第さ」
「そ…そうですか…」
(えぇ…?仕事終わってまた仕事ぉ…?知ってた(ゲーム内の依頼の多さ)とは言えあんまりにブラックじゃない…?)
少しどもりながらも返答するが、困惑する亡霊に対しダコタもだろうねと言いつつ話の続きを話す。
「救出作戦は今夜行われる。17時にこの場所に集合だとさ」
「拒否権もない、と…了解です。武器の指定は?」
「特に言われてないから
「"自由"に…ですか。了解です」
ダコタから集合場所の情報を貰う。現在12時なので7時間後に集合となるわけだが…
(さて"自由"か…相手は
持っていく武器を頭の中で選択しながら亡霊はダコタに別れを告げ、アポロを停めた場所に歩いていく。再びアポロに跨り諸々の操作をしてダコタの拠点から出た亡霊は少しの憂鬱感とワクワク感を漂わせながら帰宅の途についた。
「さ…て、と。正面からの突破を考慮してこれと、これ。で、いつもの如くこの子とこの子達…と服は今着ているのにチェストリグとかを追加して…」
現在15時。自宅でブリトーを食べた後、武器庫から銃と弾薬を取り出し確認を行っていく。体が覚えているのかはたまたこの体のスペックがおかしいのか(いやオールカンストはおかしいが)順調に準備を行っている。
正面突破にはこの子、カーネイジを使う。弾薬は…なんだこれ、真鍮製の巨大なショットシェル…もはや"砲"と言っても過言ではない大きさの実包を4発装填できるのがこのショットガンだ。1発装填し、コッキングレバーを引いて薬室に装填する。ガッ…チャン!という音を立て装填された事を確かめると、1発ずつ丁寧にチューブマガジンに装填していく。これで5発。腰の後ろに専用のホルスターを装備し、カーネイジを挿して準備完了。シェルは流石に大きすぎてリグのマガジンポケットに入らないので諦めた。
次はこの子。M-179E アキレス WIDOW MAKER! この子は通常のアキレスと違って2発同時に発射できるという利点がある。攻略の時最後までお世話になった武器だ。使わない手はないだろう。予備弾倉として3マガジン分を左腰部分に付け、アキレス WIDOW MAKERに1ポイントスリングを取り付け、右手で持てるように掛けてアキレスの銃口を左側に回して腰に付けているホールド部品に乗せて留め具を留めて動かないようにする。これで走っても問題ないし動いてもガチャガチャとならなくなった。
さて、今回も出番なのが相棒たるサイレンサー付きオーバーチュアと各場所に挿しているナイフ達。これは完全に隠密使用だ。現実的に考えてリボルバーにサイレンサーってつけても薬室がオープンだから意味がない…筈なのだがこのオーバーチュア、ゲームの時の仕様そのままを現実に反映させる為か元々そういう仕様なのかは分からないが、発射ガスを逃さない為にトリガーを引くとシリンダーが前に進み押し付ける事で発射ガスを漏らさないようにしていたことが分かった。この機構は現実ではナガンM1895に使われているものだが、ナガンの方は実包も特殊だからできたわけなのだが…閑話休題。
装備の準備は完了したので集合地点に移動して待っていよう。……場所はアフターライフだったな。…まぁ、早めに行ってのんびりとしておこうか。
家を出て目の前の階段を降りながらふと思う。
H10メガビルディングから出てすぐにヴィークル…ナザレを呼び出す。数分程待ち、呼び出したナザレが目の前で停止したのを確認し、跨ってからスタンドを払い、ギアをローギアに入れて発進する。……やっぱりこのバイク音がいいなぁ。
アフターライフに到着し、ナザレを駐車スペースに停めてシートに座りながらニコーラをちびちび飲みながら集合時間までゆっくりと待っている。現在時間は16時30分、指定時間の30分前だ。アフターライフには15時30分に着いたので近くの自販機からニコーラを買って飲みつつエージェント(スマホ+AIを追加したもの)でゲームでしか知らなかった事を補完する為にネットを見ていたのだが…ネットを見ていてとある勘違いに気付いて思わず肩を落としてしまった。ニコーラは虫が原料じゃなくて日本の"カブト"社が作ったコーラだという事だ。そうゲームをやっていた時のすげぇな…虫からコーラできるとかどんな錬金術だよ…と思っていた自分をぶん殴りたい気持ちになった。いや今の自分が殴ったら胴体と頭が泣き別れしてしまうから殴ったら駄目なんだけど。
…と、まぁ色々と勘違いやゲームの時に明確に分かってなかった部分を補完しつつ時間を潰していると、ヴィークルの音がしたので音がした方向を見ると、一台の車がこちらに近づいてきて二台程離れた駐車スペースにとまった。
(黄色と黒のツートン色のシュヴィロンのエンペラーとはまた…それに稲妻…?みたいなマークといいどこかのチームが飲みに来たのか…?)
そう思いながらエンペラーを見ているとトランク部…後部ハッチ?が開き、一人出てくるのが見えた。ゲームの時では見なかったロリ…いや幼児?子供?っぽい背丈にだぼっとした上着をした緑髪の少女…?がこちらを見た後近づいてきた。目の前まできた緑髪の少女?が自分をまじまじと見た後試すような…揶揄うような…そんな目をして自分にこう言ってきた。
「随分早い時間から来てたんだねぇー。待った?」
えぇ…?
さて、エッジランナーズ組との邂逅です。
最初に書いていた通り、1年前に"こっち"にきたという設定と、2077本編で『V』君がナイトシティにくる1年前にエッジランナーズの最終話前後という事が明かされたのでどの時期なら矛盾が少なくて済むだろうかと悩んだ結果、エッジランナーズ7話あたりならまだなんとか整合性が取れると思ったのでアニメ中にあったワカコにねじ込まれたフリオ君を亡霊ちゃんに改変しました。(ワカコと絡ませておいてよかったー…)
センサー地雷で血煙になるフリオ君なんていなかったんや…
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チーム 蹂躙 救出
…前書きにて謝罪します。
エッジランナーズ組今回活躍はキーウィのみです、デイビットやレベッカの活躍を期待している皆様申し訳ございません。
「随分早い時間から来てたんだねぇー。待った?」
その言葉を聞き、亡霊は困惑した。どう見ても少女が待ち合わせ場所に来たような声の掛け方だったからだ。
「おい、なんだこのロリと思ったろ」
「………はい」
「正直でよろしい」
困惑した亡霊に対し少女が声を低くして自分の事を幼女だと思ったろと言った事に対し素直に言うとそう見られているのに慣れているのか溜飲を下げたように腰に手を当てた。
「レベッカってんだ。あんたの名前は?」
「亡霊と名乗っています。今回はよろしくお願いしますね」
少女…レベッカと名乗り名前を聞いてきたので亡霊はそのまま名乗り右手を出して握手を求めた。それに対しレベッカも右手を出して握手をする。
(ゴリラアーム…か?それと指が四本か…)
握手をしながら亡霊はレベッカが付けているクロームを観察する。自分もゴリラアームは付けているが、このサイズはゲーム中一度も目撃できなかった為物珍しさも相まってまじまじと見ていた。
「随分と綺麗な肌だねー。秘訣とかあんの?」
「よく食べ、よく遊び、よく寝るを繰り返してるだけですよ(MODで肌艶よくしたとか絶対言えない…)」
やはりと言うか年頃なのかレベッカから肌について聞かれたので内心焦りながらも定番?の返しをする。本当かなぁ?というような目をレベッカはしつつも握手をしている手を離して此方についてくる様に手招きをする。それに従い移動し、先程レベッカが出てきたエンペラーに乗車する。
「連れてきたぞー」
レベッカが座席に座りながら他の席に座っている者たちに聞こえるように言う。それを聞いた運転席の男は振り返りこちらを見た。
「よろしく頼む」
「えぇ、よろしくおねがいします」
男に挨拶を返し空いている座席に座る。座った事を確認した男は顔を前方に戻し、バックハッチの開閉ボタンを押しバックハッチを閉めた。
「リーダーのデイビッドだ」
「亡霊です。今回はよろしくお願いします」
「敬語は使わなくていい」
「……ではそのように」
リーダー格の黄色のジャケットを着た男…デイビッドに挨拶を返すと敬語はいらないという事で少々悩んだがそうすると返す。デイビッドとの挨拶が終わったのを聞いた運転手の男はそれじゃあ向かうぞとエンペラーのシフトレバーを操作して一度バックして出口に向けて回頭し、ギアをバックからドライブに入れて走り出した。
目的地に向かい移動している車の車内はしばらく…いや5分くらい無言だったが無言に耐えられなかったのか生来のものなのか分からないがレベッカが痺れを切らしたかのように質問してきた。
「ワカコにねじ込まれたんだってー?」
「なんでねじ込んだのか分からないんだけど…いや、ダコタに言われたからアレだろうけど…」
「ダコタになんて言われた?」
「ワカコから情報持ってきたコイツも入れてもいいんじゃないか?って言われた…」
「……お疲れさん」
肩を落としながら話す亡霊に対し、レベッカは何か察したのか労いの言葉を言う。ありがとうと亡霊は返し一度溜息を吐く。吐き切った後よし、と言い一度座りなおす。その後も少しレベッカと会話し、一段落ついた所で今度はデイビッドが質問をしてきた。
「アキレスとカーネイジ以外に何か持ってるか?」
「オーバーチュアとナイフを各所に」
デイビッドの質問に対し、右腰のホルスターに挿しているオーバーチュアを抜いて見せる。それを見たデイビッドは納得したのか頷き目を閉じた。
納得したのか?と思っていると助手席にいた人物も気だるげな声でこちらに質問をしてきた。
「得意な事はあるー?」
「強いて言うならディープダイブ以外なんでも」
助手席の女性に対し返答すると、レベッカは口笛を吹かした。そんなに珍しいのだろうか?全員が質問が終わったのか、無言の時間がしばらく続きのんびりと足を組んでいると運転席の男がこう言った。
「お嬢さん方、後数分で着くぜ」
さて、
目的地に到着したのでバックハッチから降車する。場所は…あー…トーテンタンツか。確かにあいつ等の拠点だわ。…って事は正面からしか行きようがないな。上から行くにはエアヴィークルから飛び降りて行くかグラップルガンで壁登りしていくかのどっちかしかないだろう。
「よし、始めるぞ」
状況を開始。デイビッドの言葉と同時にメンバー全員に通話が入り繋ぐ。これで常に情報を共有する事ができる。ホントこれ便利よね。
「やっぱり相当いるねー…タレットも配備されてる。ハック用にタグ付けしていくにしても骨が折れそう…ここはセオリー通り正面を避けて裏口に回って」
助手席にいた気だるげな声の女性…どうやらログを見るにキーウィと言うみたいだ。
「セオリーは無視したいな」
「オーケー」
デイビッドが正面から行きたいと意思表示をし、レベッカが承認する。これだとなんの策もなく行き当たりばったりで戦端が切られる事になる。それは非常に拙い。
「大体何人くらいいる?」
「うーん…大体20人くらいー」
「…なら"楽勝"」
キーウィに大体の人数を聞きくと、20人くらいと言われた。なんだ、"たったの20人"か。しかもタレットも付いてる。楽勝だ。サイバーデッキ展開、音波ショックを強制自爆に変更。これでよし。
デイビッドを先頭にして右側にレベッカ、左側に自分が付きトーテンタンツの中に入っていく。中に入ると、ホールと思われる場所にメイルストローム達がたむろっていた。
「なんだぁ?テメェら?」
入った事に気付いたメイルストロームの一人が此方に大声で質問を投げかける。甲高い男とも女ともつかない声だがどちらだろうか?…まぁいいか。
「汝、恐れより解き放たれよ。眠れ、安らかに」
祈りの言葉と共にメイルストロームの一人をスキャンモードで確認する。ブリーチプロトコル実行可能……よし。ブリーチプロトコル実行開始。
メイルストロームにしては脆いな。一秒も障壁が持たんとは。集団脆弱性、オプティクスジャマー、ウェポンジャマー送信……完了。続いてあの最初に喋った奴に強制自爆実行。
続いてケレズニコフ起動、意識を加速させて周囲を確認する。置かれているタレットを探す。……見つけた。クイックハック実行、フレンドリーモード。ついでにフロアのメイルストローム全員になるべく行き渡るように化学汚染を実行。
「聞こえてねぇn」
言い切る前に男女の銃と腰に付いていたグレネードが爆ぜ血煙になる。自分以外全員が突然の事で驚き僅かな時間固まるがそれで十分だ。次の瞬間メイルストローム全員が持っている武器が爆ぜ、銃が爆発し爆発した銃を持っていた者全員に穴が開く。続いて化学汚染がアップロード完了。次々と伝播していき苦しみながら倒れていく。化学汚染の伝播範囲より逃れて立っていた者は憐れにも持っていた銃が爆発し、目を奪われ足も動かせない状態で味方だった筈のタレットから放たれた銃弾により倒されていった。
「人質は何処にいるかわかるか?」
「ちょっとまってー……階段上がって奥の部屋ー」
「了解。行こうか、リーダー?」
キーウィに人質が何処にいるか調べてもらい、場所が分かったのでデイビッドに行こうかと催促する。あ、あぁという言葉と共にデイビッドが歩き出したのでその3歩後ろぐらいを歩いてついていく。
階段を上り切り、奥に向かい歩いていくとエレベーターがある細道に大柄…というよりは化け物と言えるくらい肥大化した男が苦しみながらも立っていた。どうやら科学汚染になんとか耐えてるみたいだ。
「存外にしぶといのがいるみたいで?」
「ネットランナーもやれるのか」
「ディープダイブ以外"なんでも"って言ったよ?偽りは、ない」
生き残ったメイルストロームの人間に対し思いのほかしぶといのがいたと小言を言うと、デイビッドにネットランナーもできるのかと言われた。いや、言ったじゃんなんでも出来るって。
偽りはないと言ったと同時にクールタイムが終わっているケレズニコフを起動する。意識を加速させバックホルスターに入れているカーネイジを引き抜きながら走る。
目の前まできたが男は苦痛に喘ぐ声を上げるだけで何もできていない。…諸々の耐性が低くなったところに入れているレジェンダリー行動鈍化のパッシブ効果受けて目を潰されてサイバーウェアからの毒を受ければこうもなろう。
男の頭に銃口を近づけてトリガーを引く。巨大なショットシェルに内包されていた10発の鉛玉が男の頭を血煙のように吹き飛ばす。
「……これで全員?」
「そうみたいー」
キーウィに全滅させたか確認をとる。そうみたいという返答を聞くに映っていたのは全員片付けたのだろう。
男の後ろにあったセンサー地雷の電源を落としてから歩きだし、奥の突き当りまで行った所で左右を確認する。右側の隅にセンサー地雷が仕掛けてあった。ご丁寧に道案内までしてくれるとは有り難い。
センサー地雷の電源を落として無力化し、デイビッド達を手招きして大丈夫だと示す。来たのを確認し、奥まで最初の様に行き左右に引くタイプの扉の目の前で止まった。
「流石にお願いしてもいい?」
「分かった」
ドアを強制的に開けてくれとデイビッドに頼んだ所、了承し扉の隙間に指を入れて強引に開錠した。開いた扉の奥に居る人たちを見ると、顔を上げてデイビッドの姿を見るが顔には恐怖がありありと刻まれていた。
「イザベラ・モーガンは居るか?」
そう聞くデイビッドに対し、ざわざわとし始めるが奥にいた金髪の女性が小さく右手を上げていた。
「親父さんから保護を頼まれた。もう大丈夫だ」
そうデイビッドが言うとイザベラは嗚咽とともに顔を伏せ、涙を流した。感慨深かったのかデイビッドはそのままイザベラを見ていたが、仕事はまだ終わってないとばかりに踵を返して周囲を警戒し始めた。
…
……
………
あれから10分程経ち、救助者達が外に出され家族や迎えの車に回収された。依頼対象であるイザベラも無事、ワカコが手配した車に乗り移動したようだ。……依頼は完了。正直、やりすぎたとは思っているが…事実上の夜勤明けでそのまま一睡もせずにまた夜に仕事だったのだ。許してほしい。
「おつかれーなんか悪いね、殆ど一人でやらせちまって」
レベッカが此方に来て先の戦闘の事を話した。いや、本当に張り切り過ぎたかもしれないと思い始めてきたので軽く謝罪をしておこう。
「いやこっちこそ一人ではしゃぎまわってごめん…」
「気にすんなってー。一発も撃てなかったのは不満だったけど楽に稼がせて貰ったからいいよー」
謝罪するもレベッカからは気にするなと言われた。…うーん……楽もできたと言ってるし気にしない方向でいくとしますか。
その後もレベッカと話しているとふと思いついたようにレベッカが質問をしてきた。
「この後打ち上げやるんだけどどう?」
「……いただきます」
この世界に来て初めての打ち上げ会か……楽しみだなぁ
はい、正直言いますとアニメの時のメイルストロームの布陣。あれ中心に爆発物投げ込んだり伝播系クイックハック使ってくれと言っているようなものだったので死神なんて怖くないを超えてからMODでスキルカンストさせた亡霊ちゃんにはカモ過ぎたのでこうなってしまいました。
それと何故か日間ランキングがかなり上がっていてえ?なにこれ?怖…ってなった筆者です。
皆エッジランナーズ好きなんですね。私も大好きです。
追記
再度ゲームにて弾薬の大きさを確認しました。一応確認した次第では以下のような感じです
ヌエ .45
コーラッツ HYPERCRITICAL 22x126mm
グラード 12.5x98mm
スマッシャー 12GA
リバティ .45
ユニティ .45
レキシントン 9mm
タクティシャン 12GA
アイアス 5.56mm
ノヴァ .500
オーバーチュア 42口径
MA70 HB、ディフェンダー 6.56x52mm
(MA70は着弾時炸裂しているのを確認。銃に注意書きがある事から着弾時炸裂させてる…?炸裂弾を使わずに…?)
後、カーネイジですが元になった銃がロシアのKS-23という銃と言われており、wikiによると…
一般的な散弾銃とは異なりKS-23の銃身にはライフリングが切られているため、ロシア連邦軍等の運用組織においては特殊作戦向けのカービン銃として規定されている。
とあります。
使用弾薬は23x75R。ゲージ数に直すと4GAだそうです。デカイですね。
この作品においてカーネイジの弾薬は元ネタになったと思われるこの銃にあやかって4GAの物として扱っていきますのでよろしくお願いします。
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説明? 打ち上げ 成約
デイビッド達の車に乗り、トーテンタンツから移動を開始する。どうやらデイビッドは現在ワカコと通話中のようだ。とりあえず、自分も今回使った銃の確認はしておこう。
「一つ聞いてもいい?」
「どうぞ」
「"あの"クイックハック、何を使ったの?」
助手席に乗っているキーウィがトーテンタンツで自分が行ったクイックハックについて質問をしてきた。…まぁ確かに、あの
「流石にクイックハックだけじゃあの数は無理。最初にスキャンで
やった事を言ったらキーウィは絶句、レベッカは化け物を見るかのような目でこちらを見ていた。
「それをあの短時間でやったのか」
「まぁ、そうなるな。……あ、一応ケレズニコフで意識を加速させてるから可能ってだけからね?」
ワカコとの通話が終わったのかデイビッドが会話に参加してきた。一応、とケレズニコフを入れてるから出来ただけと追加しておく。……本当はなくてもできるしなんなら強制的にサイバーサイコ化や自殺すらさせられるけど。
「……ワカコから新人と言われてたんだけどな」
「いや…実際傭兵登録してから1週間も経ってないから新人といえば新人かなぁ…」
「元コーポか?」
「……当たらずとも遠からず、とだけ」
デイビッドがワカコに新人と言われていた事に対し、確かに新人ではあると返答するとコーポか?と続けて質問された。ライフパスはコーポだったけど中身は違う世界の一般人です。…いや、この世界で言うならコーポか…?コーポと返すと危ない気がするのでボカして返答すると、デイビッドはそうかと返して黙った。……これはやらかしたな…どうしよう……
その後も沈黙が続き、カーネイジの点検も終わり背を車に預けてのんびりとしていると打ち上げ会場に到着したのか、車が停車してバックハッチが開いた。
「到着だ」
運転手の男が到着したと言い、レベッカ、デイビッドの順に降りていく。その背に付いて行くように車から降り、近くの花壇(?)に座り周りを見る。屋台に…メガビルディングに…車…屋台?メガビルディングに隣接した駐車場に屋台なんてあったか?そう思いつつ記憶を探しているとワカコからホロがかかってきた。
「こちら亡霊です」
「デイビッドから聞いたで。随分"暴れた"そうやないの」
「チームで仕事するのは初めてでしたし、チームのネットランナーが調べて分かった人数が人数だったものですから」
「さよか、…まぁようやってくれたわ。ご苦労はん」
「ありがとうございます」
ワカコから今回の仕事の労いの言葉が言われ、ホロが切れたと同時にエディーが入金される。…金額は1万か、思ったよりはないな?いや、そんなものか。
「お疲れさん」
「おや、これはどうも」
声をかけられた方を向くと、デイビッドがドリンクを自分に渡しながら労いの言葉をかけてきた。ドリンクを受け取り礼を言うと少し笑いながらデイビッドは自分の隣に腰を下ろしてドリンクを一口飲んだ。
自分もそれに倣い一口飲む。コーヒーだった。これは有難い。
「今回の報酬だ」
「どうも」
今回の報酬と言われ、エディーが振り込まれる。……8000エディーか……うん?ワカコからも入金されたよな…?追加報酬って事だったのだろうか?成程成程…ありがとうワカコ。
「いい手際だった。また機会があればよろしく頼む」
「こちらこそ。あぁ、それと連絡先を渡しておくよ。何か困った事があればなんでも言ってくれ」
「どうしようもなくなったら、連絡する」
連絡先をデイビッドに渡し、花壇から立ち上がり人込みに向けて歩いていく。近付き、何があるのかを確認するとレベッカがカーネイジで曲芸をしていた。……よくあの大きさの腕でリロードできるな…いやよく見たらクアッドリロードじゃん…すご…
感嘆しながら見ていると、レベッカがこちらに気付き、向かってきた。顔がニヤついているところを見るに、何かさせるつもりなのだろう。
「楽しんでるー?」
「程々には」
「ならよかったわ。よかったついでにだけど、何かやってくれっか?」
あ、うん。酔ってますねこれは……一曲歌うか。どうせこの世界にはない歌だし問題はないだろう。
「じゃあ……一曲歌うとしますか。笑わないでくれると非常に助かる」
「よーし分かった。おい皆ー!亡霊が一曲歌うってよー!」
一曲歌う事をレベッカに言うと、周囲に大声で自分が歌う事を告げた。勘弁してほしいが、まぁ酒の席だし諦めるしかないだろう。選曲はそうだな…好きだったあのゲームからでいいか。もう続きも見れないとなると悲しいが。
「ではいきます。Everything's Alright」
…
……
………
…………
歌い終わった後、周りはしんとしていた。流石にしめっぽ過ぎただろうか?
ミスったかなと思っていると周りから一斉に拍手がなった。その拍手に驚いていると、レベッカがもう一曲と急かしてきた。まだ歌えと言うか。…もう一曲だけだぞ。
「では続けてもう一曲。……Speed of Light」
二曲歌った後も、アンコールが続いたので数曲ぶっつづけで歌って疲れたので流石にやめた。正直見ず知らずの人達の前でアカペラカラオケとか簡便して欲しい。
あー…と放心しながらシラスコーラを飲んでいると運転手の男がこっちにやってきた。
「色々とお疲れさん」
「どうも…えーと…御名前は?」
「そういや言ってなかったな。ファルコだ。よろしく頼む」
「こちらこそよろしく」
運転手の男…ファルコが右手をだし握手を求めてきたのでそれに応え、右手を出し握手をする。
「これから帰るところなんだが送っていこう」
「ありがとう」
「いいって事さ」
ファルコがこれから帰る所だが送っていくと言ってくれたので、その言葉に甘えて送ってもう事にする。
車に向かって歩いていったファルコに付いて行き、車のバックハッチから乗り込み席に座る。時間を確認すると、22時を過ぎていた。帰ったら物件探しを少ししてから寝てしまおう。
ファルコに家まで送ってもらい、無事我が家に帰還した。今は装備を外してPCの前に座り、物件探しを開始するところだ。
「えーと…空き物件空き物件…このサイトか」
EZESTATES(EZエステート)というサイトを見つけ、アクセスする。今空いている物件は…ノースサイド、ジャパンタウン、コーポ・プラザ、グレンの4つか。
物件の詳細が確認できるので見ていく。ノースサイド…書かれ方的にミニマリスト向けなのは分かる。だがストリートの喧噪やメイルストロームの銃声が耳をくすぐるだろう。これは勘弁してほしい。次、ジャパンタウン。どう見ても狭い。なんだ、アンティークのシーリングファン(ぎりぎり)って。次、コーポ・プラザは…却下。厭な予感がする。それに画像から見た内装からアラサカ臭がするのが嫌。次、グレン。中々広そうな部屋、画像からだけども眺望は良く、日当たりも良さそう。エディーが沢山あれば、私が借りたいくらい…?幾らだろうか…4万€$か…全然いけるな…ここにしよう。
成約済みになったのを確認し、PCから離れてベッドに移動する。そのままベッドに身を投げ、枕に頭を預けて目を閉じると意識が落ちていった。
『goooooood morning!!NightCity!昨日の死亡者数クイズの答えはなんと50人。その中の大半はメイルストロームらしい』
うるせぇ!!
下手なアラームより効果のあるラジオをクイックハックで黙らせて起床する。現在時間は8時半。十分寝たのか体が軽い。ベッドから降り、体を伸ばした後PCの方を確認すると、メールが一件来ているのが見えた。
メールを確認すると、寝る前にサイトで成約したグレンのアパートの位置とセキュリティトークンのデータだった。
よしよし…さっそく今日荷物運びとか諸々開始してしまおうか。……グレンだしジャッキーに手伝って貰おう。報酬も出せば引き受けてくれると思うし。
そうと決まれば連絡だな。連絡先を開き、ジャッキー・ウェルズを選択してコールする。数コールの後、ジャッキーが通話に出た。
「おう亡霊か。どうしたこんな朝から」
「ねぇジャッキー。引っ越しをしたいんだけど手伝ってくれないかな?」
亡霊君ちゃんが好きだったゲームはアークナイツです
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連絡 朝食 積み込み
「おう亡霊か。どうしたこんな朝から」
朝、8時35分。ジャッキー・ウェルズは自宅で朝食を食べ終わった後ソファーに座り雑誌を読んでいると、ホロコールがかかってきた。誰からかかってきたのかを確認し、ホロに出たジャッキーに対し、かけてきた亡霊は開口一番こう言ってきた。
「ねぇジャッキー。引っ越しをしたいんだけど手伝ってくれないかな?」
「朝から唐突じゃねぇかチーカ。急に引っ越しなんてどうしたんだ」
「いやぁ…家(部屋)から出た時、時間は昼なのに夜と同じ暗さっていうのが我慢できなくなって…」
「おいおい…」
「それに引っ越ししようにも荷物がいっぱいあってね…頼れるのがジャッキーだけだったからつい」
亡霊の言動に呆れるジャッキー。幾らなんでも引っ越す理由が単純すぎるからだ。だがまぁ借りもある事だと割り切りジャッキーは亡霊に何処に向かえばいいと聞く。
「で、何処に行けばいいんだ?」
「H10メガビルディングの入り口まで来てくれれば案内するよ。あ、手伝ってくれたお礼はしっかりするから大丈夫」
「そいつは期待してもいいのか?」
「勿論♪」
何処にいけばいい?とジャッキーが聞いた事に対し、亡霊がH10メガビルディングまで来て欲しいと、礼もすると言う。それにジャッキーが軽口で応えると亡霊は上機嫌に勿論と返した。
まぁ偶には悪くないかとジャッキーは思いつつ10時30分にH10メガビルディング前で待ち合わせようと言い、ホロを切る。
「手伝ってくれって…どれぐらいあるんだよ…」
ジャッキーはどれ程荷物があるのだろうかと想像し少しげんなりとしたのであった。
さて、ジャッキーに引っ越しの手伝いを取り付けた事だし、今の内に荷物の整理をしておこう。先ずは…アイコニック武器の一部を見られない様にさっさとしまう事にしよう。見られたら拙いのは…いや、全部見られたら非常に拙い。
所狭しに並べられたガンケースを取り出し、1個1個丁寧にかつ迅速に詰めていく。作業する事20分、無事全てのアイコニック武器の収納が完了した。
「ん?誰か来たのか?」
来客を知らせるブザーが鳴り、誰だろうという疑問を浮かべながらこの入口に向かいドアを開ける。ドアを開けると、3つの箱を台車に載せた人物がドアの前に立っていた。
「お届け物です」
「これはどうも」
どうやら配達業者の人間だったみたいだ。…という事は昨日の昼頃に買ったあの銃達だろう。これはラッキーだ。住居を変えましたと言いに行かなくて済む。荷物を台車から持ち上げて受け取りドアを閉め、近くの邪魔にならない場所に置いておく。後は載せる車だが……確かミニバンがあった筈だが……
そう思いつつ所持ヴィークルの一覧を確認すると三台程同じ車が存在している事が判明した。……おかしいな、幾らMODで全車両を持っていると言っても複数台所持はしていなかった筈なんだけど…まぁ、ガレージにあるみたいだし今から確認してくればいいだろう。
とりあえず表に出て、エレベーターまで向かい、呼び出して上がってくるのを待つ。ミニバンが置いてあるのは-3階らしいが…-3?どういう事だろうかと考えていると、エレベーターが着いたので乗り、-3階に行くようにスイッチを押す。
-3階に到着し、ドアが開いたのでエレベーターから出て目的のミニバンを探す。……というかもしかしてこれ、この階の駐車場全部自分の車だろうか?もしやと思い、ヴィークル一覧から車両位置を確認していくとやはりというか本当にこの階に自分のヴィークルが全部置いてあった。……どれだけ駐車代金が払われているのか考えたくなくなってきた。
さて目的のミニバンだが…あったあった。ヴィフォール コロンブスV340-F FREIGHT。210
中身が空の方のコロンブスを覚えておいてエレベーターに乗り、居住区…というより今住んでいる自分の部屋の階まで移動する。エレベーターから降り時間を確認する。現在9時30分。ジャッキーとの待ち合わせまで残り1時間か…朝食を食べてない事だしメガビルディングの目の前でやっている屋台で朝食をとるとしますか。
H10メガビルディングから外に出て、階段を降りた先にある屋台のスツールに座り、ワンタンとニコーラを注文する。指定されたエディーを店主に払うとニコーラの缶をボックスから取り出し自分の目の前に置きワンタンの調理を始めた。
店主の調理を見ながらニコーラを飲みつつ完成を待ち、少しすると店主が調理を完了したワンタンの入った丼と蓮華を自分の目の前に置いた。
「いただきます」
そういい手を合わせてから蓮華を右手で持ちワンタンを食べていく。ほう…これは予想外だ。見た目では少し粉っぽいような…ワンタンというよりかは包子や小籠包に近いイメージがあったが中々にもっちりとしていて皮は薄く食べやすい。中の餡がしっかりしている味付けをしている分、スープ自体は少し薄味にしているのか、とてもいいバランスだ。
思わぬ美味しさに口元が緩ませながら食べていき完食し飲み干した丼内に蓮華を置きスツールから立ち店主に礼を言いH10メガビルディングの入り口階段まで移動し階段に座りジャッキーを待つ。
…
……
………
「よお亡霊。待たせたな」
「いやいや…今回はありがとう」
「いいって事よ。さっさとやっちまおうぜ」
「そうしますか。では部屋まで案内するよ」
現在10時10分。予定時間より20分早くジャッキーが到着し合流して挨拶をする。引っ越しを手伝ってくれた事を亡霊が礼を言うとジャッキーは少し笑いながら返し、さっそく荷造りを始めるかと言い、亡霊は部屋まで案内を開始した。
階段を上り、エレベーターに乗り7階まで移動し、そこから歩いて部屋がある9階まで移動する。9階から部屋にまで移動している時に亡霊が少し汚いのは許してくれと言うと、ジャッキーは気にするなと返し、その後も軽口を返しながら部屋まで移動した。
「いらっしゃい」
「邪魔するぜ」
亡霊が部屋に入り、早速と武器が置いてある部屋まで移動し扉を開く。武器庫の中を見たジャッキーはその中にある武器の数を見て驚愕していた。
「おいおい…幾ら何でもありすぎだろ」
「いやぁ…趣味と実益を兼ねてたらつい…」
「そ…そうか」
実際、ゲームでの金策で「無題18番」(2021)をバグ増殖で増やして売るという手段以外だと大量にレジェンダリーユキムラを作り売り捌くという手段ぐらいしか金を稼げないというのもあったが、集められる武器なら全部集めたいよね。という気持ちで2個ずつ同じ銃を作っていたりもしていたのでこうなってしまったのである。
部屋の隅に置いてある台車を複数取り出して組み立て、そこに載せて行ってくれとジャッキーに言い亡霊も武器が入ったガンケースを台車に載せていく。
「で、引っ越し先ってのはどこなんだ?」
「グレン」
「おいマジか!ようこそグレンへ!」
台車にガンケースを載せきり、紐で落ちないように縛り付けて台車を一人二台(前後一個ずつ)という状態でガレージ直通のエレベーターまで移動している時にジャッキーが引っ越し先を亡霊に聞いてきたのでグレンと返すと、驚きと共に歓迎の声をかけてきた。
確かに新居はエル・コヨーテ・コホに近いなと亡霊は思いつつ笑いながらジャッキーにお邪魔しますと返した。
エレベーターに乗り、-3階のガレージまで移動してエレベーターを降り、コロンブスまで台車を押し引きながら移動してバックハッチを開けてガンケースを積み込んでいく。
「コロンブスか。借りたのか?」
「私物だよ」
「……金持ってんなぁ」
QUADRA TYPE-66 AVENGERを最初に見ていたからかジャッキーがぼやく。亡霊はこのガレージにあるヴィークル全部自分のだとは言い難い為苦笑いで流す。実際、これ程ヴィークルを所持しているとなるとコーポの重役等の上流階級の人間くらいしか出来ない芸当だからだ。
ガンケースの積み込みが終わり、再度亡霊の部屋に戻り今度は雑貨類等や衣類を箱詰め、台車にのせコロンブスまで運び積み込む。積み込み作業が終わったのは12時を過ぎた頃だった。
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新居 引っ越し完了 返却
少々短いですがこれにて引っ越し完了です。
次からはまたエッジランナーズ編に再突入していく流れになります。
積み込みが終了した後、時間が時間という事で一度駐車場を出て食事…時間的には昼食をH10メガビルディング前で取り、食べ終わった所で亡霊は積み込みが終わったコロンブスを呼び出した。呼び出したコロンブスが目の前の道路に停車した事を確認し、助手席にジャッキーを乗せ発進しグレンの新居への道を走り出した。
「いやー食った食った。悪いな、昼飯の金も出してもらって」
「元々そこ出すことも含めてたから問題はないよ」
昼食を奢って貰ったジャッキーが亡霊に対し感謝を述べると亡霊は元々出すつもりだったと返した。ジャッキーはそれに対し助かると言った事に対し、亡霊はふと疑問が生じた。
(そういえばコーポ開始だと数年来の付き合いだったみたいだけど"この"ジャッキーはどの開始のジャッキーだ…?ちょっと探りを入れてみるか)
「そういえばジャッキー」
「なんだ?」
「お礼…というか報酬はエディーと銃なんだけど今何を使ってる?」
「マジか!助かるぜ…っと銃だったな」
亡霊がジャッキーに対する報酬の話を持ち出すと、ジャッキーは喜びながらジャケットの内側のホルスターから一丁の銃を抜いたのを亡霊は横目で確認した。
「ツナミのヌエか。ちょっと借りるよ」
「おう」
亡霊がジャッキーにヌエを貸してくれと言うと、二つ返事でジャッキーはヌエを亡霊に渡した。
ヌエを右手で受け取った亡霊はスナップを利かせてヌエを持ち替え片手で
動作確認を終えたヌエを太腿に置き、マガジンをヌエに装填してから亡霊はジャッキーに返しこう言った。
「整備はいつ行った?」
「一週間程前ぐれぇだな」
亡霊の質問にジャッキーはヌエをホルスターに戻しながら一週間程前と答える。それを聞いた亡霊はふむ…と考える素振りを見せた。
(音は問題ない…がトリガープルが少し重く感じたな。ハンマーも少し動きが悪く思えたしこれは品質の問題か…?それに普通のヌエだな…"あの"ヌエにしたのは端折られた数か月の時か…なら"渡しても"構わないな)
何か納得したような笑みを浮かべながら亡霊はジャッキーに渡す銃を決めたのだった。
何事もなくグレンの新居に着いた亡霊とジャッキーはコロンブスを降り、バックハッチから台車を取り出し組み立てて地面に置き、コロンブスに積んだ荷物を台車に乗せて移動しエントランス内に入っていく。
ドアの音に気付いたのか、受付の女性が先にエントランス内に入った亡霊に気付き声をかけた。
「ご用件はなんでしょうか?」
「今日から12階の部屋の住人になる亡霊です。よろしくおねがいします」
12階と聞いた受付の女性は目を大きく開けた後姿勢を正し、畏まりましたと言った。
それを聞いた亡霊はそのまま台車と共にエレベーターまで移動し、乗り込みそれに続く形でジャッキーが乗り込んだ事を確認した後12階へエレベーターを移動させた。
エレベーターが12階に軽い振動と共に止まり、横開きのシャッターが開いた事を確認し二人は台車と共にエレベーターを降りる。二人は台車を適当な場所に停め、窓際まで移動し外の風景を確認した。
「いやーこれは買ってよかった…!男の子の夢が詰まった最高の空間だ」
「すっげぇな!」
いい買い物をしたと喜ぶ亡霊、見える景色や部屋に感動するジャッキー。しばらく二人は興奮が収まらずはしゃいでいた。
しばらくはしゃいだ後、亡霊が次の荷物を移動させますかと言い、それを聞いたジャッキーも了承し引っ越し作業に戻る為台車から荷物を下ろし、空になった台車と共に再びエレベーターに乗り込み1階に移動した。
…
……
………
無事コロンブスから全ての荷物を居室に移動した後、亡霊が報酬の話を持ち出した。
「先ずはエディーから。どうぞ」
「2000€$!?幾らなんでも多すぎねぇか」
引っ越しの報酬金に驚くジャッキー。それに対し亡霊は先行投資だよと答え、次は銃だと言いガンケースの中身を確認していく。渡す銃を見つけた亡霊はガンケースを持ち上げてジャッキーにガンケースごと渡してこう言った。
「銃はこれにしたよ。確認してくれ」
「お、おう」
ガンケースを渡されたジャッキーは先程の報酬金に困惑しながらもガンケースを開ける。ガンケースの中には金装飾がされた遊底とマズルブレーキが付けられたヌエが二丁入っていた。
「焼夷弾対応のヌエ二丁だ。受け取って欲しい」
「……いいのか?」
あまりの事に冷静になったジャッキーに対し、亡霊はその方がこの銃も喜ぶと返す。ならありがたく貰うとジャッキーは言い、ガンケースを閉じた。
これで引っ越しは終わりと言いジャッキーを帰す。ジャッキーがエレベーターに乗り1階に向かったのを確認し、ソファーに移動し腰を下ろした。
「確かに、返したぞジャッキー…」
亡霊は感無量の気持ちを押さえつけ、顔に出さないようにしていたがジャッキーが帰った今、押さえつける必要がなくなった為独り言ちる。
サングラスで目は見えないが、頬には一筋の透明な液体が流れていた。
感想にてありましたが、ジョイトイやロマンスの詳細(R18ノーカット)って需要ありますかね…?
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前夜 着替え 呼び出し
ファルコが亡霊を車で送りに行った後、デイビッドは打ち上げから抜け出し自宅への帰路を歩きながら今回の仕事について考えていた。
今回の依頼、自分がやった事と言えば救出対象と他に拉致された者達が入れられていたドアを無理矢理開けたくらいで、仕事は殆どキーウィと亡霊によるワンサイドゲームで終わったのだ。
自分はクロームを大量に入れ、確かに強くなった。それはチームの誰もが認めており、自負もあった。だが、ワカコにねじ込まれたあの"新人"は圧倒的な力でメイルストロームの連中を片付けていた。
仕事後の車内で亡霊が仕事中に行った事を話し、その話に対しキーウィが絶句していた為元コーポかどうか聞いてみたところボカされたが…あれは絶対元コーポ、それも防諜やネットランナー部の人間だろうと推察できるのだが…あの喋り方でコーポは少しおかしいと思う自分がいる。今まで出会ってきたコーポ関係の連中は基本上から高圧的な態度と喋り方をしてきたからだ。だが亡霊は、最初は敬語を話し、敬語はいいと言うと敬語こそやめ、こちらを少し揶揄うような感じではあったもののコーポに染まり切った者特有の話し方ではなかった。
不思議な奴だったという結論に至ったデイビッドはルーシーに話すちょっと面白い話題ができたと少し笑った。
…
……
………
…………
「…っていう感じだったんだ」
「へー…そんな事があったのね」
自宅に帰ったデイビッドはシャワーで汗を流した後、ベッドチェアーの様に大きい横長椅子に座り、ルーシーに今回の依頼であった事、その後の打ち上げの事を事細かに話した。ルーシーはデイビッドに相槌を打ちながらも、亡霊に対し思案していた。
「あぁそうだ。まだ、かかりそう?」
「もう少しだけ待って」
「あぁ、分かった」
デイビッドがルーシーに今やっている事はまだかかりそうかと聞くと、彼女は申し訳なさそうな顔をしながら待って欲しいと答えた。それを聞いたデイビッドは目を伏せしょうがないような顔をしながら分かったと言った。
「今日も潜ってたの?」
「うん」
「そう言えば、さっき話した亡霊なんだけどさ。ディープダイブ以外はなんでも出来るって言ってたんだけどディープダイブってネットに潜るのと何か違うの?」
デイビッドが亡霊が言っていた言葉をふと思い出しルーシーに質問する。それに対しルーシーは僅かに考える素振りを見せ、少ししてから話しだした。
「潜る…というかネットダイブには二種類あって、それぞれ方法が違うの。先ず一般的なダイブ。これは
「もう一つは?」
「後頭部にパーソナルポートをインストールするやり方ね。ただ、こっちだと転送速度が早くてネットランナースーツやステーションが必要になるわ」
「ルーシーはどっちなの?」
「…聞きたい?」
「君の事、もっと知りたいと思ってる」
ルーシーがネットダイブの種類を説明した後、デイビッドがルーシーにどちらなのか聞いた所、ルーシーが聞きたい?と質問を返した。それに対しデイビッドが君の事をもっと知りたいと答えた。ルーシーは話そうか、話さない方がいいのかと迷った顔をし、唐突に立ち上がりデイビッドの手を取った。
「付いてきて」
ルーシーに引っ張られるような形でデイビッドは立ち上がりルーシーに付いていった。
……まさか涙が出るとは思ってなかった。後数分ジャッキーが帰るのが遅かったら絶対見られてた。
ジャッキーを新居から返した後、ソファーに座り一息ついた時に何か込み上げてきて、つい涙を流してしまった。形見になってしまった銃を返したからだろうと思い当たるが…どうやらこの体に少し影響されているのかもしれないな。実際性別すら変わってるし。
さてとりあえず武器庫と服の整理だけは済ませておこう。幾らなんでも数日同じ格好というのはちょっとマズイ。
…
……
………
整理完了。レイアウトに時間がかかったがまぁこれでいいだろう。とりあえず服を変えよう。どれにしようかな…よし、今回はフォーマルっぽくいこう。先ずは下着類から変えて、と…色は紺にしておくか。
先ずは中着。ドレスシャツ&ベスト。シャツは黒で何故かあったノースリーブ仕様を選択。ベストも黒にしておくか。ネクタイは赤の無地を選択。これにショルダーホルスターを付けて、左側にオーバーチュアを挿して、右側はナイフシースとナイフを付けって…と。
次に上着。スーツジャケット。色はシャツと同じく黒。一見コーポっぽいがジャケットとしても使える感じだ。ボタンは全て開けておく。これでいつでもホルスターから銃を取り出せる。
パンツ、パッド入りストレートカット。これは紺をベースに黒の追加色。ストレッチ性も悪くない。ベルト左側にスピードリローダーセットを入れられるポーチを付けてそこにオーバーチュアの弾を42発分(7ローダー分)入れておく。
レギンス、カウボーイブーツ。色は茶色。両方の外側にナイフシースと共にナイフを取り付け、脛から上の部分をパンツ内に入れて隠す。
アイウェア。飛沫防止付き軍用グラス。目は絶対に防御したいのでなるべく実用的なものにしたい。
帽子は今回はなしで行くとして…さて、姿見でどうなっているか確認っと…
………マフィアかな?
いやこれは怖いわ。一般人なら先ず近づかない。自分だって近づきたくない。
……
………
うわぁ…と思いながらもこれでいいかと納得ししっかり銃やナイフが抜けるか確認しているとホロがかかってきた。……昨日の今日でなんだよデイビッド。まさか一日もせずに緊急事態という事でもあるまいに。
若干呆れながらホロに出ると、少し予想外な言葉をデイビッドから言われた。
「すまないが、ちょっと話があるんだ」
「……場所は?」
「ここで頼む」
「あー…OK。今から?」
「ああ。大丈夫か?」
「OK、OK。今から向かうよ。30分くらいで着くと思う」
「分かった」
ここにきてくれとデイビッドから座標が送信され、今からかと確認するとそうだと返ってきた。確かここって倉庫以外何もなかったような気がするんだけど…
行先に疑問を浮かべながらもエレベーターに向かい、呼び出してから乗り込んでフロントまで移動してエレベーターから降りて外に向かう。外に出るまでに数人の横を通った時ものすごく見られたが気にしない方向でいこう…やっぱ怖いんだろうし。
外に出て、直ぐにナザレを呼び出して到着を待ち、少し待っていると来て目の前に停車した。
ナザレに跨り、セルをかけるのと同時に指定された場所にナビゲートピンを打ち発進させてナビが示した道通りに目的地にむけて移動を開始する。
何もなければいいんだけどなぁ…
さて、投票結果ですが…R18描写(エロシーン)の需要があるという結果がでました。
マジですか。大マジですか。
……少し時間がかかると思いますが執筆しようと思います。
駄文でも許してください(予防線)
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到着 戦闘 待機
ナザレをしばらく走らせ、呼び出された場所…サントドミンゴのサンアマロ通りにあるコンテナ置き場付近の倉庫に向かう。向かいながらも何故デイビッドが自分を呼び出したのか考える。
デイビッドに連絡先を渡す時に言った、何か困った事があれば呼んでくれと言った事そのままだと仮定した場合、厄ネタの予感しかしない。メガコーポ連中関係だと役満だ。勘弁して欲しいとすら思う。
次に、あのチームの人員として協力して欲しいという要請。これは可能性が低いと見積もってもいいだろう。昨日の救出作戦メンバーそのままがあのチーム全員とすると、ネットランナー一人、ソロ二人、モト一人の構成で過不足は全くないからだ。寧ろ、全てを一人でこなしている自分やあの『V』君がオカシイとすら思ってもいい。
最後に…考えたくはないが何者かの依頼によって自分を"消す"ように依頼された。その場合はデイビッド君には申し訳ないがボロ雑巾以下にまでなって貰う必要がある。勿論、依頼者は"分からせる"。
最後の候補を出した時、自分が数日でこのナイトシティに染まったと自嘲気味に嗤ってしまったが、まぁゲームの時から知っていたもう終わりに向けてゆっくり進行している世界だ。こうもなるかとも思う。
予測を立てながら走らせていたからか、ナビが目と鼻の先が目的地と示していた。さてさて、何が出るやら…
目的地のコンテナ置き場にナザレを停車させて降車し、倉庫まで歩いて向かう。勿論、警戒は怠らずにいつでも戦闘機動、思考にシフト出来る様にギアも変えておく。
倉庫まで到着すると、反対側からデイビッドが姿を現した。中々絵になる登場の仕方だなぁと思いつつ見ているとデイビッドから声をかけてきた。
「急にすまないな」
「いや、問題はないよ。……で、要件は?ホロで話さないという事は何か厄ネタなのかな?」
唐突に呼んだ事を謝るデイビッドにおどけたように返答し要件を訪ねてみる。
「オールドネット、ブラックウォール。これについてどこまで知っている?」
「唐突だなぁ……ふむ、逆に聞きたいんだけど"何処"まで知ってる?」
「オールドネットは旧ネット空間の事で情報の宝庫という事だけだな。ブラックウォールについてはネットでは全く」
デイビッドがオールドネット、ブラックウォールについての質問されるが、逆にそっちはどれだけ知っている?と返す。デイビッドはそれに対し、少し考える素振りを見せた後当たり障りのない答えを言った。
(考える時一瞬目が泳いでたな…ふぅん…成程成程…今話した以上に何か知っているけどあえて喋らないか。この感じだと誰かから聞いて確証が欲しいのか、はたまたその話しをした人物が何か探っている感じか?…オンライン端末はなし。仕掛けてくるなら死角からだな…一応、今の内にデッキを変えておこう。サイバーデッキ展開、科学汚染、PINGをサイバーウェア動作不良、オーバーヒートに変更、と。)
デイビッドの他に最低でももう一人いる事を予測し、周囲にネット端末がない事を確認する。
「一般的だね。OKOK…ならもう一個質問。誰 に 聞 い た?」
声を低くし、少し殺気を滲ませて質問するとデイビッドが少し目を開き後ずさる。数瞬後、頭にハッキング警告が流れた。
シナプス加速器が自動起動し、ギアを戦闘状態に移行。"時"が引き延ばされた感覚のままスキャンモードに移行し経路を確認する。成程、倉庫の上か。それにしてもこのランナー凄いな。自分のセキュリティICEをとてつもない勢いで解除していっている。だが無意味だ。その
繋がっている事を利用し、逆にオプティクスジャマーデーモンを送信する。勿論パッシブで強化されている集団脆弱性もセットで送り付ける。デイビッドの方を確認すると、引き延ばされた時間の中かなりの速度で自分に迫ってきていた。
ケレズニコフ起動。後ろにスウェーバックしながら同時にデイビッドに対しサイバーウェア動作不良、行動鈍化、武器グリッチを同時送信する。だがデイビッドはシナプス加速器とケレズニコフによる時の引き延ばしの中でも普通の時と同じ速さで迫ってきていた。
(サンデヴィスタンとは…!だが、時間切れだ)
デイビッドの攻撃を避けると同時にクイックハックの送信が完了してデイビッドが何かに縛られたかのように固まる。その直後、引き延ばされた時の流れが通常に戻り、ネットランナーからのクイックハックが途絶えた事を確認した。
「騙し打ちとは感心しないなぁ…?」
「……」
「だんまりですか…」
黙っているデイビッドから目を離し、クイックハックを仕掛けてきたネットランナーを確認する為、強化足関節を使い二段ジャンプを行い、倉庫の上に登る。倉庫の上を確認してみると仕掛けてきたネットランナー…姿的には女ランナーが右手で頭を押さえて片膝をついていたのを確認できた。
「good night」
女ランナーを小突いて
「このランナーは知り合いかな?」
「…ああ」
「オールドネット、ブラックウォールについてもこのランナーから?」
「……そうだ」
「
「……」
「そう睨まない睨まない。質問の答えだけど、このランナーが起きたら答えるよ」
当たって欲しくない方が当たったかぁ…と思いつつ女ランナーの目が覚めるのを待とうと思ったが、ふと飲み物が欲しくなった。周囲を目視で確認する限り、自販機がないのでちょっと移動して買ってくるしかないだろう。とりあえずデイビッドにその事を言って買ってくるとしよう。
「あー…飲み物買ってくるね」
そうデイビッドに言い、ナザレまで移動して跨り、発進させて近くの店…トレーラーパークの飲食店まで移動してリアルウォーター(無炭酸)を買い、デイビッドの元に戻る。
デイビッドの近くにナザレを停めて降車し、ナザレのシートに座ってしばらく待っていると女ランナーが目を覚ました。
「やぁお姫様。良い眠りはとれたかな?」
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質問 回答 忠告
前回の話の感想欄の返答で書いたのですが、あの戦闘、かなりギリギリの戦闘でした。
シナプス加速器、ケレズニコフが起動中なら亡霊が勝てて起動してないならデイビッドが勝てる状態です。
ルーシー?残念ながらクイックハックに対する耐性はバグ染みてるので効きません。完全に戦力外です。ただし、モノワイヤーを使われると場合によっては危ないですが。
毎度の事ですが、誤字修正、感想共にありがとうございます!
感想欄は特に、こういう見方があるのか…や、その存在しない記憶のシチュエーションいいっ…!ってなる事があります。
「やぁお姫様。良い眠りはとれたかな?」
女ランナーが気絶している状態から回復し、うぅ…と呻きながらデイビッドの膝の上から頭を上げてこちらを見る。普通、膝枕するのは逆だと思うんだけどなぁ…いや、気絶させたのは自分だけども。
自分の存在に気付いた女ランナーがすぐさま臨戦態勢を取ろうとするのを片手を上げてまぁ、待てと静止させる。
「さてデイビッド。まずはこの女性を紹介して欲しいな」
「……ルーシー」
「OKルーシー。まずは飲み物を飲むと良い。リアルウォーターだけどよかったかな?」
デイビッドから女ランナーの名前を聞き、女ランナー…ルーシーに近づき目の前でしゃがんでリアルウォーター(無炭酸)を渡す。ルーシーは困惑しながらもリアルウォーターを受け取ってくれた。
デイビッドの質問に答える前に、一応今回何故襲撃したのか聞いておくとしよう。
「質問の答えの前に、なんで君達は私を襲ったのかな?」
「……」
「……」
「答え辛い?…まぁ私の勝手な予測だと、ルーシー関連で何か理由があってデイビッドは連絡と質問を兼ねて。で、ルーシーに対して私が攻撃したからデイビッドは参戦って感じだと思うけど、どうかな?」
黙り込む二人にさっきの襲撃内容から思った自分の予測を話す。するとデイビッドはその通りだと言いたげに首肯した。成程、いい男じゃないかデイビッド。好きだよ、そういうの。
さてルーシーの理由に関してだが…恐らくは"企業"関係だろう。まぁ、十中八九アラサカ絡みな気もするしその線で探ってみるとしよう。
「デイビッドが私を襲った理由は分かったけどルーシーが私を襲った理由はまだだね。これもまた自分の予測だけど、アラサカ絡みじゃないかな?」
アラサカという名前が出た瞬間、僅かだがルーシーの身体が震えたのが分かった。ビンゴか。……優秀なネットランナー、アラサカ、オールドネット、ブラックウォール……まさかとは思うが、ルーシーは元アラサカのネットランナーか何かか?いや、だとしたらこの襲撃の理由としては弱いな。…恋仲の関係?
少し考えていると、ルーシーが口を開き、自分に対して質問をしてきた。
「質問してもいいかしら?」
「私の知っている限りの情報でいいなら」
「…元コーポって本当なの?」
「(ライフパス:コーポなので)本当ですよ?部署までいいましょうか?」
「……いやいいわ」
元コーポかという質問に対し、そうだと答え、なんなら部署まで言おうか?と言ったら断られた。何か思う所があったのか、ルーシーはそのまま考えるような素振りを見せ、思考の海に入っていった。
「あー……ルーシーが思考の海にダイブしたみたいだしデイビッドの質問に答えようか。確かオールドネットとブラックウォールだったね」
「あぁ」
「ではお話ししましょうか」
デイビッドの質問への回答を行う前にリアルウォーターの缶のプルタブを開け、一口飲み喉を潤す。…うん、水だこれ。まぁ確かに、
「どこから言ったものか……うーん…オールドネットからにしますか。まずオールドネットについてだけど、今のネットになった理由はしっているかな?」
「確か…レイシィ・バートモスが原因だとは聞いているが」
「ではそこから詳しくいこう。当時の天才ランナー、レイシィ・バートモスがネットのアーキテクチャに
まだ触りの部分だが、デイビッドが少し混乱し始めているのが目に見えた。おいおい。まだまだあるんだぞ?デイビッド…ルーシーはいつのまにか思考の海から戻ってきて自分の話を聞き始めていた。ネットランナーだし気になるか。続きといこう。
「さて、なんで攻撃AIやデーモンが跋扈していたのかだけど…その前にあるデーモンについて話す必要があるね。ルーシーなら知っていると思うけど、ソウルキラーというデーモンが重要な要素になるんだ。」
「ソウルキラー?」
「史上最悪のICEよ。使われたら最後、攻撃されたランナーは苦痛にのたうち回りながら魂を抜かれると言われているわ」
ソウルキラーという単語にデイビッドが疑問を浮かべながらオウム返しするように言うと、ルーシーがどういうものかを説明した。その認識でまぁあってる。
「うん、そのソウルキラーなんだけど、元は人格をネットに保存する為のものだったんだ。それを企業が悪用して、対抗企業のネットランナーに使っていたんだけど、当然、人格はネットに保存される訳だ。その結果、今でいうオールドネットは元人間の放浪AI、企業の攻撃AI、デーモンが跋扈する空間になったんだ。で、話しをネットの崩壊に戻すけど、完全に崩壊する前、どうにか消失したデータをサイバー空間の残骸からサルベージする為蛮勇なネットランナー達がいたんだけどまぁそんな魔境に足を踏み入れて無事な訳はなく、どんどん狩られていったんだけど、その時、ブラックウォール計画という人間用ネットワークとAIの支配下のネットを隔てる壁を作るものが作られた。これが自分の知っているオールドネットとブラックウォールについてだよ」
「…あぁ」
「まぁ…デイビッドはソロだからピンとはこないと思うけど、ルーシーはどれ程危険な空間か分かったと思うよ」
「えぇ…」
デイビッドは…仕方ないとしてルーシーは理解したのか、少々体が震えていた。
「もしかしてだけど、潜った事があるのかな?」
「……」
「潜ったみたいだね。……え?あの魑魅魍魎跋扈する空間を無事に?オルトにすら感知されず…?えっ…?」
あまりの事に思わず驚いてしまう。嘘だろルーシー。踏み入れたら最後のあの空間から生きて戻ってきたのか?"あの"オルトに感知されず…?うっそだろお前…
………まぁなんにせよ、質問の回答は終わった。ルーシーになんで襲ってきたのかまだ聞いてないし聞かなければ。
「そういえば、ルーシーが何故自分を襲撃したのか答えを聞いてなかったね。話してくれるかな?」
優しく、気遣うようにルーシーに何故自分を襲ったのかを質問すると、ルーシーは一度デイビッドを見た。デイビッドはそんなルーシーに対し大丈夫と言い、肩に手を置いた。…コーヒーをくれ、エスプレッソで。
「…さっき亡霊が言った通り、アラサカのエージェントだと思ったのよ…」
「成程成程。まぁ合点はいきますね。で、それだとなんでエージェントを襲撃しているのかという話になるんだけど……言いたくない?」
「……えぇ」
予想通り、自分をアラサカのエージェントだと思って襲撃したと話したルーシー。だが、なんでアラサカのエージェントを襲撃していたという疑問が新たに浮上する。
ルーシー自体は優秀なネットランナーと判断が付けられるが、少し材料としては弱い。そもそもアラサカなんて文字通り掃いて捨てる程ネットランナーはいる筈だからだ。だとすると、残る候補はデイビッド絡みしかない。恋に対しては弱い。分からんでもないよ。元男だけど。
「デイビッド絡みが要因とみてよさそうだね…そういやデイビッド。君、サイバーウェアは何を付けてる?」
「企業秘密と言いたいが、先にそっちが話してくれれば話してもいい」
「分かった。その交渉を飲むよ」
実際、サンデヴィスタンのあの速度は異常だ。チアンTのワープダンサー(レジェンダリー)で90%の時間遅延なのは記憶している。自分のシナプス加速とケレズニコフを合わせて140%の時間遅延。普通に考えればデイビッドのサンデヴィスタンは140%の時間遅延環境の中、同じ速度で自分に接近し殴りかかってきたのだ。
デイビッドにサイバーウェアは何を付けているのかと質問すると、そっちが付けている物を言えば話してもいいと返答された。ステルス迷彩、痛覚エディター等のヤバイものを除けば話してもいいだろうと算段を付け交渉を飲むとしよう。
「ではまず、目。キロシオプティクスMk3。腕、ゴリラアーム。神経系、ケレズニコフ、シナプス加速器。手、スマートリンク。脚、強化足関節だね。サイバーデッキ……は言わなくてもいいよね?」
「あぁ。それと、戦闘系のチップは入れてるのか?」
「……入れてないね」
自分が入れているサイバーウェアを言っていくと、デイビッドの顔が少しずつ険しくなっていき、戦闘系のチップはいれているか?という質問に対して入れてないと答えると、顔がより険しくなった。……癪に障ってしまったなこれは。
そう思いつつも次はそちらだと言うように手で催促すると、デイビッドが入れているサイバーウェアに付いて話した。
「サンデヴィスタン、ゴリラアーム、プロジェクタイルランチャー、人工肺、マイクロローター、強化足関節だ。」
「成程。随分と入れてるけど色々と大丈夫なのかな?」
「俺は"特別"らしくってね。平気どころか生身より馴染むくらいだ。」
………おかしい。基本サイバーウェアを付ければ付ける程サイバーサイコになる確率が跳ね上がる筈だ。だが、デイビッドを見た限りではその兆候は見られず、本人は寧ろ生身より馴染むくらいだと言っている。それに特別…?…いや、"特別"なんてものは存在しない。この体だって、ゲーム中かなりのサイバーウェアを入れたが影響がなかった。それは多分だがレリックによる能力だと予測はつく。そもそもサイバーサイコシスとは、言い直すと、義体化精神病という病気の一種だ。これは元の身体になかったものを付け加える事で人間の精神から乖離していくという病だ。故に体にいれられるサイバーウェアの数には個体差が生じる筈なのだが…まさか………いや企業ならやりかねんな
「ルーシー、もしかしなくてもだけどデイビッドの特別と関係があるね?」
ルーシーにアラサカのエージェント襲撃はデイビッドと関係があるのかとカマをかけてみると、案の定、ルーシーは驚愕した顔でこちらを見た。
「腹芸をやれとは言わないけど分かりやすすぎるよ。まぁ、恋人絡みなら仕方ないか」
「…?」
「あー…デイビッド。どうやらルーシーは君の特別を知って狙っている企業の連中から守る為にエージェントを襲撃していたみたいだよ。もしかしてだけどアラサカの誰かから何回か勧誘もあったんじゃないかな?」
疑問を浮かべるデイビッドに、ルーシーの顔と動作から予測した事をデイビッドに話す。それに対しデイビッドは思い出すような仕草をし、少ししてからあったと言った。……ビンゴかぁ…
「OK、OK分かった。まずルーシー、私は君に対して何か害をなそうとする気は一切ない。寧ろその恋路、応援するよ?」
「……!?」
まずはルーシーに対し、害する気持ちはない事を伝え、恋路を応援する事を伝える。それを聞いたルーシーは顔を赤面させて驚いていた。……案外かわいい所あるじゃあないか。次、デイビッド。
「デイビッド、君に対しては何個かある。まず一つ、"特別"は存在しないし、特別と見えるだけで絶対的な要因と理由がある。これはお願いだけどサイバーウェアの動作が少しでも悪いと思ったらすぐ外して欲しいしこれ以上クロームは入れないで欲しい。私の予測だけどかなりギリギリのラインだと思う。次に怪しい依頼やフィクサーがいたら先ず自分に言って欲しい。追加人員として参加するし裏も探ろう。それと、よくルーシーと話して、絶対に離すなよ?色男」
デイビッドに対し、忠告とお願いを言い、それじゃあと手を振りナザレに跨りセルを回して発進する。少しナザレを走らせると、一気に疲れがきたのか倦怠感が体に纏わりついてきた。今日はもう帰って休もう…
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思案 釘挿し 二人
戦闘シーンはめちゃくちゃ筆が乗るのにこういう心理シーンは全く筆が進まない為時間がかかりました。
実際、亡霊はナイトシティ基準から見れば聖人とも言えるし傲慢とも言えます。
これに関しては現代人+ゲーム中のVのお人好しが合わさった結果だと思っていただけると幸いです。
後、ついに公式からアーマードコアの新作が発表されましたね!
私達は9年待ったのだ…ついに新たな戦場が告知されて歓喜に満ち溢れています。
毎度ながら誤字修正、感想ありがとうございます!
さて、現在家に帰る道中なのだが、ふと先程のやり取りについてもう一度考えてみる。デイビッド、ルーシーの二名による襲撃。事なきには終えられたがナイトシティの住人としての対応としては甘々を通り越してゲロ甘だろう。確かに、ナイトシティの普通というかこの世界の常識では甘い。しかも自分はあの二人に何もしない処か情報をタダで渡した。何故、自分はあの二人に甘い対応をしたのだろうか?一度自分自身について考えてみよう。
自分は良くも悪くもこの『世界』の住人ではなく、現代日本に普通にいた人間だ。あの『V』という人間になる可能性の一つの身体に入り込み上書きされた意識のようなものだ。そう認識している。…だが、スカベンジャーやメイルシュトロームの連中を処理した時に罪悪感も何もなかった。どうしてだ?"この"身体に入ったから消えた?"ゲーム"だった時同様に背景を知っているから殺して当たり前だと無意識に思っていた?……まさかとは思うがそう見えないだけでサイバーサイコになっている?
いざ、自分自身を見つめ直すと湧いてくる疑問点。……これ以上はよした方がいい。おそらく答えはないのだろうから。今は自分自身より何故あの二人に甘いのかだ。
ジャッキー、ミスティ達、"2077"に登場した人たちに甘くなってしまうのはまぁそうだろうと言える。特にジャッキー。彼が逝ってしまった時はあまりの事にふざけるなと言ってしまった程だ。彼には生きて幸せになって欲しい。
だが、デイビッドやルーシーはどうだ?"2077"に登場した人物でもないし原作TRPGでも、世界設定本(?)でも出てこなかった人物だ。言い方は悪いが思い入れも発生する要素がない。まさか、この身体に影響された?…実際、ナイトシティにはほぼいない聖人レベルのお人好しの『V』の影響はありそうではあるか。後、やっぱりああいう恋路は応援したいというのが湧いたのだろうか?ナイトシティでは貴重なものだし。
「…あー……とりあえず釘だけはさしておくかー…?」
今更感がとてつもないが一応、次やったら容赦しないという事だけは言っておこうと思い、デイビッドにホロ通話をかける。…数コールするとデイビッドがホロ通話にでた。
「…あーデイビッド、もう一つ言い忘れていたよ。何に注意し、誰を避けるべきかは判っただろう?次からは相手をよく見て喧嘩を売る事」
「……すまなかった」
「…『今回』はまぁ許すよ。次やったら容赦はしないけど。じゃあ、要件はそれだけだったから切るね」
そう言い、ホロ通話を切る。……何故か少し憂鬱な気分だ。一回ミスティに癒してもらおうかな……うん、行こう。
行先をミスティの店に変更。ナビを起動してルートを表示させる。後はそのルートに沿って移動するだけだ。……あっ、ジャッキーにあげた銃とか聞かれたらどう説明しよう…
亡霊がナザレで去った後、デイビッドとルーシーは移動せず会話をしていた。内容は亡霊についてだ。
「……亡霊が角が立たない様にものすごく譲歩してくれてよかったわね…」
「うん…」
「私も初めてよ…あんな聖人みたいな人」
そう言いつつも安堵するルーシー。実際、あの場で殺される方が普通だしこちらの事を全部話して当たり前の状態だったのだ。それを亡霊は交渉という形にする事で敵対したという事をなかった事にした。お人好しというレベルではなく、聖人とも言えるレベルだ。だが、それで助かったのも事実であり、ルーシーは困惑した。
「確かに、あれは元コーポには見えないわ」
「だろう?」
「…私のハックが効いてない処か何が送られるのか分かっててあえて私には勝てない事を分からせてきたわ…」
「それはどういう事…?」
「亡霊のセキュリティ…固すぎて破るのに時間を使ってたのよ…その間に私を見つけて悠長に目だけ潰してきたの。防御すらできなかった…」
「…つまり、ルーシーのハックに対応しながら俺を同時に相手してたって事?」
「そうよ」
ルーシーが亡霊にされた事を話した事でデイビッドが驚く。
確かに、あの時自分はワンテンポ遅れた。ルーシーの実力は良く知っている。そのルーシーをおいたをした子供をしかるように対応しながらサンデヴィスタンで加速した自分にも対応してきたのだ。
「悔しいな」
「えぇ…」
デイビッドが悔しいと言い、ルーシーがそれに同意する。"あの頃"に比べ、自分は強くなった。凄腕のエッジランナーだと自負していた自分の自信を打ち砕くには十分すぎる程だ。
悔しさに項垂れていると、亡霊からホロ通話がかかってきた為、ルーシーに亡霊からホロがかかってきたと言い、通話に出ると亡霊は言い忘れていた事があると言ってきた。
「…あーデイビッド、もう一つ言い忘れていたよ。何に注意し、誰を避けるべきかは判っただろう?次からは相手をよく見て喧嘩を売る事」
「……すまなかった」
「…『今回』はまぁ許すよ。次やったら容赦はしないけど。じゃあ、要件はそれだけだったから切るね」
ホロ通話が切られ、少し放心気味になっているデイビッドの表情をみたルーシーが質問する。
「亡霊からなんだって?」
「今回は許すけど次はないよ。っていうのと何に気を付けて誰を避けるべきか、喧嘩をするなら相手をよく見てからだって…」
「……まるで子供を叱る大人ね」
「そうだね…」
亡霊に対し、あまりのお人好しに若干の呆れを抱いたルーシーと親に叱られた子供のようになったデイビッドは立ち上がり、家に向けて歩いていった。
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チャクラ タロット 言訳
明けましておめでとうございます(一ヶ月11日遅れ)
相変わらず会話パートは苦手です。
投稿が空いた理由としては、前述した会話パートが中々浮かんでこなかったのと、仕事を辞めましてうっひゃほぅ!してました。
道中、何事もなくブラッドベリ&ブランに付き、ナザレを端に停車してミスティの店に歩いて向かう。
店に着き、店内を覗くとミスティとジャッキーが話し込んでいるように見えた。そのまま店内に入り、ミスティ達の近くまで移動して声をかける。
「やぁミスティ。やってるかい?」
「あら亡霊、いらっしゃい。今日はどっち?」
「こっちです。ちょっと診て貰おうかと」
「わかったわ。あそこに座って楽にしてて」
「了解」
軽くミスティに挨拶をし、ミスティがどっちに用があるのか聞いてきたのでこっち、と指でミスティの店の床を指した。ミスティは了承し、椅子に指をさして座って楽にしててくれと言ったので了承し、店の少し奥にある椅子に座り身体を預ける。
(ふぅ…流石に疲れた……もう少し楽にいきたいなぁ…)
目を閉じ、身体の力を抜きゆっくりと息を吸い、息をはく。暫く行っていると、眠気がやってきてそのままゆっくりと意識を手放した。
……
………
「…どうやら疲れてたみたいだな…」
そう呟きながら少し硬くなった身体を解す。身体を解し終わった後、周りを見る。
周りを見ていると、こちらを見ていたミスティと目が合ったので苦笑いをするとミスティも少し笑いながら此方に歩いてきた。
「どれくらい寝てました?」
「30分くらいかな。ちょっとお疲れ気味?」
「面倒な事があってしかもそれを抱えてしまいそうな感じがしましてね…」
ミスティのよると、どうやら30分程寝ていたみたいだ。思ったより寝てはいないんだなと思いつつ疲れ気味かどうか聞いて来たミスティに面倒事が続きそうだと返答する。
ちょっと待ってて、とミスティが言い、少し離れた後簡易机とタロットカードを持ってきた。どうやら占いも行うらしい。
「タロットも同時にするんで?」
「なんとなくだけど、今回はそうした方がいいと思う」
「……よろしくお願いします」
ミスティの勘がいい事はゲームの時から知っているのでその言葉に従いお願いをする。実際、<Relic>奪取の前にジャッキーに対し、赤いものに気を付けてと言ったりタロットカードの的中率…いや、最早予言か?が作中の重要な点でもあったからだ。
「じゃあ始めるね。目を閉じて…肩の力を抜いて…意識を楽にして…」
ミスティが香を焚き、始めると言い、此方に指示を出していく。
それに従い、目を閉じ、肩の力を抜き、意識を楽にする。香の匂いを感じながら、深呼吸を行っていくと、意識が空に浮いているような感覚になっていくのが感じられた。
「……うん。強いチャクラ。特に
そうミスティが呟きつつ、亡霊の内面に意識を向けチャクラを観ていていった。
……
………
「これで終わり」
「……あ、はいありがとうございます」
「結果から言うと、問題はないよ。とても強いチャクラ」
「はぁ…」
施術が終わり、ミスティの説明を聞く。施術の最中、意識がずっとふわふわしていたので内容が全く分からなかったが、どうやら全体的にチャクラがとても強く、特に第一が強いらしい。
タロットも途中でしたらしく、結果で言うならば運命の輪(正位置)、死神(正位置)、ソードのペイジ(正位置)、星(正位置)の四つだ。
内容を纏めると、転機が訪れる。それは死神…破滅に対し足掻き、それを乗り越える事で訪れるだろう。だが、誰かが監視しており、破滅に対して抗う者達の中に裏切り者がいるかもしれない。注意しておく必要がある。死神を超えた時、今後の展望が明るくなるだろう…だ。
「……ふむ…」
一度整理しよう。
転機…は、自分自身に対する事ではないだろう。周囲の人間に対してとなると、候補はフィクサー関係、または少なくとも関わった傭兵…デイビッド達だろうか?そうだとすれば死神のカード…停止、終末、破滅、離散、終局、清算、決着、死の予兆、終焉、消滅、全滅、満身創痍、死屍累々、風前の灯…隠しエンディングと同等の事が起きると考えられる。
そしてソードのペイジ。監視、警戒、スパイを意味するこのカードが出たという事は、デイビッドの周囲の人間に関してだろうか…?チームの人間は外れるとすると、残る候補はフィクサーになるが…まさか、あのデクスター・デショーンとかと同じような事が起きるのか?
最後に星。希望、ひらめき、願いが叶う、絶望からの再生…とすると彼の夢が叶うのだろう。
「成程。大体何を指しているのか分かりました」
「それならいいんだけど…死神のカードが出てきているから気を付けてね」
「死神の鎌を奪って使ってやりますよ」
心配しているミスティに対し、軽口を叩く。実際、この身体は全カンストの全スキル取得済みのほぼレジェンダリー装備だ。慢心は良くないが、油断しなければ早々に倒れたりはしない。……いや、特にBDには気を付けたほうがいいな…
「後、聞きたい事があって…」
「なんです?」
聞いていいのだろうか?という感じに身体を動かしながら聞きたい事があると言うミスティ。それに対し何が聞きたいのかと返すと、意外な質問がミスティから出た。
「なんでずっと敬語系なの?」
「嫌でした?」
「嫌というか…慣れてないだけなんだけど…」
「…ならやめましょうか?」
「そうしてくれると、助かるかな」
「了解」
何故敬語系の喋り方をするのかという質問だった。
いや、最低限社会人としては初めてや仲の良い人間じゃないんだからそりゃあ敬語にもなろうと言いたいが……そういや皮肉とかで使う以外敬語とかのゲーム中全然みないな。
なら、最低でもミスティは敬語なし、と。OKOK。
「後もう一つ」
「…まさかジャッキーに対する報酬の件?」
「……うん」
はい、予想通り聞いてきましたね。言い訳になってしまうだろうが、言わないよりかはマシだろう。
「あー…その件なんだけども…」
「うん」
「先行投資です…私の勘だけど、彼は大きくなる」
「うん」
「だけども、彼の銃を見る限りだけど、市場によくある普通の品だった。それじゃあピンチの時に頼れない。絶対的に信頼のおけるものが必要だ」
「だから、あの銃をジャッキーに?」
「そう。あの銃に何か感じたのかい?」
先行投資だとミスティに言うと、うん。と相槌を入れながら続きを催促されたので話していく。
ミスティがあの銃……ジャッキーに渡したヌエ LA CHINGONA DORADAに何かを感じたのだろうか?何か感じたのかと質問をする。
「元の場所に戻ったような…"ジャッキー"がもう一人いたような感じがしたの」
……なんと…ちょっとミスティさん。あなたサイコメトラー技能とか持ってませんよね?
内心、焦りながらではあるが、表面上は冷静を保ちつつその人間に真に合っているものはそういうのを感じる時もあると思うと返す。
「うん、そういう事にしておく」
「後、金額に関してなんだけど…デート代の足しにでもしてくれればいいと思ってかなり増しました。はい」
「…えっ?」
「だから、ジャッキーとミスティのデートする時のお金にでも化けてくれればいいと思っての金額です!……言ってて恥ずかしくなってきた」
自分もミスティも、顔が真っ赤の状態なのだろう。顔が物凄く熱いし。ミスティも、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしながら瞬きを繰り返している。
流石に恥ずかしくなってきたのでさっさと退散しよう。
チェアーから立ち上がり、ミスティに施術代を送金しながら足早に店を出る。そのまま早足でナザレまで歩いていき、跨ってセルを回してスタンドを払い発進させる。
……今この顔特定の何人かに見られたら絶対揶揄われる…それは避けたい。
「さて、デイビッド。依頼は受けてくれるかね?」
「あぁ。受けるよ」
「情報はこれに入っている」
「分かった」
…
……
………
…………
「亡霊か?」
「はい亡霊です。…一週間ぶりだけどどうしたね?」
「……チームに参加してほしい」
ゲーム中で、チッピン(初めての改造)する前に、ジャッキーがミスティに施術されている時にミスティが言っていた。ハートチャクラが弱っているという発言。
どうやら、あれは第4チャクラが弱くなっているという意味らしく、第4チャクラ(ハートチャクラ)は、愛の象徴。調和の心を持つだそうです。
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電話 取引 集合
ミスティに施術をして貰ってから一週間たった昼前、デイビッドからホロ通話が掛かってきた。一週間ぶりだなぁと思いつつホロ通話に出ると、少し困ったような、仕方がないような声でデイビッドが自分の名前と要件を言った。
「亡霊か?」
「はい亡霊です。…一週間ぶりだけどどうしたね?」
「……チームに参加してほしい」
ふむ、デイビッドの声音からするに困っている感じがするな。一週間程経っているという事でルーシーやチームとの話し合いはやったと仮定すると、それが原因で何かあって不足の穴を埋める為かな?とも思うが仕事の内容とチームの状態等を確認した方がいいだろうと思い質問を行う。
「仕事内容は?」
「アラサカからとあるサイバーウェアの情報を盗む仕事になる」
「場所は?」
「アラサカ工業団地にあるビル」
「その依頼を出したフィクサーは誰だい?」
「ファラデーだ。…サントドミンゴの大物なんだけどな」
成程成程…ファラデー?誰だそれ?私が知っているサントドミンゴの大物フィクサーと言えば
フィクサーからの直接の案件でアラサカのサイバーウェアのデータを盗ってこいねぇ…このフィクサー、ミリテク関係者っぽいな。
「成程、成程…まぁいいでしょう。乗りましょうその話」
「助かる」
「一応聞いておくけどチームメンバーは?」
「レベッカ、ファルコ、キーウィと俺の四人」
「ルーシーはどうしたんだい?」
「"例の件"で頑張ってる」
チームは自分入れて五人。で、ルーシーはあの件で無理、と。私はルーシーと同じネットランナー枠+現場補助という感じか。
「あぁそうだ…あれからちゃんと話し合ったかい?」
「あぁ」
「チーム全員とも?」
「……あぁ」
「OKOK。サイバーウェアの動作はどうだい?」
「…亡霊、あんたは俺の母親か?」
「前に言ったでしょう?私の予測だとかなりギリギリじゃないかなって」
「あれから一切サイバーウェアは入れてないし動作も何一つ問題ないよ。抑制剤も前より少なく済んでる」
「それは非常にいい傾向じゃあないか」
「ああ。明日の19時にアフターライフに集合で頼む」
「了解」
デイビッドに近況の確認をしたら母親か?と言われたが前に言っただろうと返すと、今の状態を教えてくれた。聞いて分かったが、確かにこれは"特別"と言うのも納得だという感じだ。出会った当初の彼と比べると声に感情が良く乗っているのが分かった。
さて、明日の19時までに何をする…か…いや、エル・キャピタンにちょっと連絡とかしておこう。
……
………
ホロ通話の画面を呼びだして、連絡先一覧からエル・キャピタンを探し出す。ゲーム時代の連絡先もほぼそのままだったのが助かった。もし連絡先が何もなかったらローグ辺りに連絡いれて教えてもらわなくてはいけなかったし。
「誰だ?」
「初めまして、エルキャピタンさん。亡霊と申します」
「お前があの亡霊か。自己紹介はいるか?」
「"よく知って"ますよ」
「なら、いい。要件はなんだ?」
「初対面でというのもあれなんですが、調べて貰いたい人がいまして」
「本当に急だな。お前は何を支払うんだ?」
エル・キャピタンにホロ通話をかけると、数コールの後、彼がホロに出たのを確認したので挨拶をする。彼の事はゲームの時によく知っているので自己紹介を省いて本題に入る。
調べるものに対し、どれだけ支払うのかと問われたので、少し考える素振りを見せた後、支払うものを提示する。
「3万€$」
「調べるやつ次第だな。誰を調べて欲しいんだ?」
「フィクサーのファラデーに付いて調べて欲しいんです」
「どうしてだ?」
「友人の為…と言ったら信じます?」
「まぁ、いいだろう。結果は後で送る」
結果は後で送ると言い、エル・キャピタンとのホロ通話が切れた。
「ホロ通話といえ初対面でこっちから掛ければこんなもんか」
まぁ、こうなるとは思っていたので問題自体はないんだが、どういう結果が出て来ても動けるようにはしておくのが最善だろう。
さて、要件は済ませたし明日の為の装備でも吟味しておくのがいいだろう。
現在18時50分。アフターライフの駐車場でのんびりとデイビッド達を待ちながらニコーラを飲んでいると、デイビッド達の車が駐車場に入ってくるのが見えた。
「さて、お仕事の時間といきますか」
缶の中に残っていた分を一気に飲み干してからゴミ収集用のBOXに投げ入れ、車に向けて歩いていく。
車の後部ハッチまで着くと、誰かが内側から開けたのだろう。まるで歓迎するかのように後部ハッチが開いた。
「行こうか亡霊」「仕事の時間だ」
「フフッ。仕事にいきましょうか」
どうやらレベッカとデイビッドが開いたみたいで、両者から行こうかと言われた。少し笑いながらも行きますかと返答し、二人の手を取って車に乗車する。
車に乗り込み、後部ハッチを閉めて椅子に座る。運転席にいるファルコが行くぞと言い、停車させていた車を発進させた。
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潜入、回収、事後
数か月ぶりなので初投稿です!
言い訳としましては、いざ書こうと思い検証の為ゲームを起動するも、入れてたMODがアップデートで悪さし始め、起動できなかったので意気消沈したりどうやって中に入ろうかとか考えていたためです。
実際、ゲーム本編ではビルの中に入れない為、内部構造が全く分からずどうしよう…って頭かかえておりました。
時間は現在19:00。集合地点から出発し、"仕事場所"であるアラサカ工業団地の付近に到着しビルの周囲を回っている。
侵入地点の確保だが、現在キーウィが周囲のカメラを掌握し、踏み込む為の足場を構築している。
「経路と周囲掌握したー」
一仕事を終えた気だるげな声のキーウィの報告を聞き、最終準備を行う。
銃よし、サイバーウェア動作良好、体臭なし。準備完了だ。
「では、後ほど」
そう言い、走行中の車の後部ドアを開き光学迷彩を起動。そのまま飛び降り着地と共にそのままの勢いで建設中のビルまで走り、サイバーレッグの力で二段跳躍を行い周囲にある有刺鉄線を飛び越える。
飛び越え、着地をした後も走り、目的のビル周囲を区切る壁かつ周囲からは見えない場所まで移動し足を止め屈む。……1…0。光学迷彩起動終了。
周囲に姿を見られない様に姿勢を低くしながら建設用クレーンまで移動し光学迷彩のクールダウン終了まで待つ。数秒待ち、クールダウンが終了したのを確認し再度光学迷彩を起動。建設用クレーンの土台に乗り、壁なのだか空気の流れを確保する為だか分からない横に仕切りがされたフェンスみたいなものを縦梯子のように使い施設内に侵入。そのままグレーチングの上を最小限の音で駆け抜け、ドアからビル内部に入る。
『こちら亡霊。内部侵入完了』
『俺は施設に侵入完了だ。』
自分とデイビッドがほぼ同時に繋いでいるネットワークで報告をする。
流石サンデヴィスタン。自分の後からでたのにもう施設内に入ったのか。
「目的の場所まで行きますか」
独り言ちながら周囲を警戒し、足音を消しながら移動して非常階段から目的の研究室まで駆け上がる。
研究室まで到着したので光学迷彩を起動。姿を消しながら移動し、目的の情報がある場所まで移動していると、デイビッドが女性職員に銃を向け今にも発砲しそうだった。
「間に合うか…!?」
即座にケレズニコフを起動。全速力で近づきながら武器グリッチをデイビッドに送信する。デイビッドが女性職員に向け、トリガーを引ききる前に送信が間に合い無事発砲はされる事はなかった。
そのままデイビッドの持っている銃からマガジンを引き抜きデイビッドを見る。デイビッドは何か怖いものを見たような、何かに怯えるように震え、顔は恐怖に染まっていた。
「おい!おい!…気付け阿呆!」
何かに向けて発砲するかのようにトリガーを何度も引くデイビッドに声をかけるが気付かない為横顔を殴る。殴られたデイビッドは横に勢いよく倒れたのを確認し女性職員の方を見る。
女性職員は完全に恐慌状態になっており、やめて、お願いと何度も懇願するように喋っている。
「落ち着いて…もう大丈夫だから。息をしっかり吸って…はいて」
取り敢えずは女性職員を落ち着かせる。この女性職員も"処理"しなくてはならないがとりあえずは後だ。少し落ち着いた職員を宥めながらキーウィに連絡を取る。
『キーウィ。デイビッドに何があった?』
『分からない』
『OK。デイビッドの事は後にしてこの職員をどうするか決めよう』
『殺すと後処理が面倒ね…何かいい手はある?』
『
『…それでいきましょう』
宥めている女性職員に向け、ブリーチプロトコルを実行、スキルによる自動完了確認。そのまま記憶消去を送信し、続けて
両方の送信が無事に完了し、女性職員が倒れた事を確認しキーウィに連絡を取る。
『処理完了』
『OK。じゃあ端末にジャックインをお願い』
『了解』
端末まで移動し、ジャックインを行う。接続を行うと、自分とネットワークで繋がっているキーウィが端末を操作し目的の情報をコピーする。
5秒程で完了し、キーウィから目標を回収したと連絡が来た。……一応自分もコピーしておくか。勿論、どう調べてもバレない様にして。
此方のコピーも完了したので、殴ったデイビッドに近づく。いい所に入ったのかデイビッドは気絶していた。
「…面倒だなぁ」
面倒と呟きつつ、デイビッドから銃を取り上げ、服のベルトに刺してデイビッドをファイヤーマンズキャリーで担ぎ上げて移動する。
……
………
…………
何事もなく、デイビッドを担いだまま移動し、回収ポイントまで移動し回収される。
デイビッドを車内で下ろし、席に着く。暫くすると、デイビッドが気絶から回復し目を覚ました。
「っ…つぅ…」
「やぁデイビッド、お目覚めの所悪いが聞きたい事があるんだ」
圧をたっぷりかける様にドスを利かせた声でデイビッドに向けて言う。その圧に驚いたのか、デイビッドに向けて文句を言おうとしたレベッカは言葉に詰まり、大人しく席に座りなおした。
運転席側の二人からも若干引いたような感じを感じるがまぁいい。今回の仕事で起こった事について詰めるとしよう。
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