白兵戦最強の転生特典を貰った。ただし転生先は貞操逆転世界とする (H-13)
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国士無双
婚約者との決闘に勝ったら泣かせちゃったんだけど【タスケテ】


久しぶりすぎて初めまして。初投稿です。


1名無し@転生者の集い

タスケテ

 

2名無し@転生者の集い

お前も18歳になったか。良いぞ言ってみろ助けられるわけ無いんだけどな!

 

3名無し@転生者の集い

歓迎するぞ同士よ。それはそれとして名前変えた方が良いぞ

 

4名無し@転生者の集い

ヒャッハー!娯楽の種だ!はよ転生特典と転生先を言えはよ!

 

5貞操逆転世界騎士♂

簡潔に言うとこんな感じ…タスケテ

 

6名無し@転生者の集い

あっ……

 

7名無し@転生者の集い

ぁっ………

 

8名無し@転生者の集い

くぉれは………むしろご褒美では?

 

9貞操逆転世界騎士♂

とりあえずプロフィールだけ書いとくわ

 

地位: 子爵家長男

・年齢18

・身長体重190cm . 190kg

・魔法 身体強化系統 、自己回復系統極振り

 

転生特典

①体力無限

②武芸百般

③超人体質

 

 

10名無し@転生者の集い

ちょっと権力低いだけで特典とか全体的に当たり中の当たり引いとらん?裏山

 

11名無し@転生者の集い

身長=体重wwwリアル若槻武士やめろwww

 

12貞操逆転世界騎士♂

ちなみに分かってる限りの世界観

・女が男の1.5~2倍居る。

・時代的には中世。冒険者ギルドあるしモンスター居るし魔法もある。俺もドンパチしたかった。

・貴族みんな仲良い。野菜生活。

・政治の9割は女。ガチガチの女社会

・女の平均身長が男より10cmは上

・ワイ、国内最大の身長体重←

 

13名無し@転生者の集い

えぇ………(困惑)

野菜生活言うのやめいw 多分イッチの知らんとこでドンパチやってるぞ

 

14 名無し@転生者の集い

なんやこのガチタンクは

 

15貞操逆転世界騎士♂

ちなみに今のメイン武器は魔法刻印して貰った棍と弓ね。

 

16名無し@転生者の集い

【悲報】ファンタジー世界なのにガチガチの脳筋騎士現るw

 

17名無し@転生者の集い

それで一言目が一言目だから聞くけど何に困ってるんやイッチ

 

18 貞操逆転世界騎士♂

一応ワイ貴族じゃん?歳上の婚約者が居るんよ。それで「勝負して私が勝ったらちゃんと家事やれ」って言われたから素手でボコボコにしたのよ。そしたら泣いちゃった…(なう)

 

19名無し@転生者

おいなんて時にwww

 

20 貞操逆転世界騎士♂

婚約者スペックね

・伯爵家長女(お隣さん顔見知り)

・身長182

・年齢23

・魔法はだいたい使えるみたい

・姐さんって呼ばれるの似合いそうな金髪ポニテ美人

 

一応ワイが嫁ぐ約束してる歳まで趣味とかには口出ししないでくれたんだけど勝負って言われたら…ねぇ?

 

21名無し@転生者の集い

<【朗報】イッチ嫁、予想以上に寛大だった>

尽くしてやれよ……

 

22 名無し@転生者の集い

<【悲報】イッチ、将来の嫁に対して容赦無しの鬼畜夫になるの確定>

 

貴族様裏山転生前から転生先まで年齢=童貞のワイはどうすれば良いんだよ!

 

23名無し@転生者の集い

>22草、頑張れw

 

まぁ身体的スペック見た限りイッチ手加減しても負けないだろうし…でも魔法の所曖昧だなw

 

24 貞操逆転世界騎士♂

棍だと殺しちゃいそうだし素手でちゃんとやったわ。婚約者には木剣持たせたけど

 

>23昔何使えるのか聞いたら想像した事何でも出来るって言ってたから…

 

25名無し@転生者の集い

イッチ嫁、カタログスペック以上に強くない?

そして泣いた理由お前が言ってんじゃねぇかイッチ

 

26名無し@転生者の集い

人数比見ても男大切にしろが定着してそうな世界で婚約者に手加減された上で一方的にボコボコにされたらそりゃ泣くって…鬼畜イッチやな

 

27 貞操逆転世界騎士♂

いやでも一応いい感じの一太刀は貰ったし。それなかったらやる気になってボコボコになんてしないから

 

29名無し@転生者の集い

お前もう 貞操逆転世界騎士♂じゃなくて 貞操逆転鬼畜騎士♂に改名しろ。万能系チートを真正面からただの暴力で粉砕しやがって。

 

30名無し@転生者の集い

 

31 貞操逆転鬼畜騎士♂

そんなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

子爵家長男カイン・シューレゲルは異端である。お飯事をしている歳から剣や槍に特別な興味を示し、3歳時点で大の大人が扱う鉄剣を持ち上げ無邪気に笑っていたと云う。

 

 

体重もそうだ。幼い頃は多少重い程度で済まされていたが、余りの重さに母親は早々に膝枕を強請るカインに対して最上の枕を買う事で赦しを得ようとしていた程だ。

 

 

彼にとっての救いは異端であっても誰にも(自領と交流のある他家に限る)差別されずに愛情をもって育てられた事だろう。

 

 

結果はお察しではあるが。

 

 

見て分かるようにカインは頭がそこまで良くない。素直であり愚直であり、約束を違える様な男では無いのだが。これでは女である。日によっては朝から夜まで鍛錬を繰り返した手は剣タコにまみれ、部位鍛錬による四肢は武骨に太くなっている。そんな男をどうして男と言えるのか。

 

 

シューレゲル家は1男4女である。一番上には次期当主であるアメリア、次に長男となるカインが産まれている。しっかりとした子宝に恵まれているからか、カインの今日までは最低限の教養、礼儀作法の時間以外自由に満ちた期間となっていた。

 

 

何故これほどに異端であり婚活において完全に需要が無い様なカインに婚約者が居るのか。

 

まず、先述した通り男の数は女の半分ちょっとである。平民から引き抜けばもう少し貴族としても結婚は出来るものの、現状は長女に宛てがうだけで男は居なくなってしまう。

 

 

そんな中婚約者として名乗りを挙げたのが隣領であり交流もあるファロス家である。伯爵家として掲げるモノが実力主義なこともありカインの超人的な身体能力はファロス家の現当主であるアリアとしても、手に入れておきたかったらしい。

 

ファロス家長女アリサ。実力主義のファロス家においても当主と同等の力を持つとされて次期当主としても指定されている傑物である。

 

つまりカインに対して対等以上に普段から付き合える近領で唯一の婚約者候補であった。アリサもカインの事は良く思っており、直接的な訓練は無かったものの男の癖に良い勝負が出来ると思っていた。

 

 

そんな次期伯爵家当主アリサは今その綺麗な金髪の髪を砂でくすませ、地面に倒れ伏した儘わんわんときかん坊の様に泣いていた。彼女の手には根元から握り潰された様に短くなった鉄芯入りの鍛錬用の木剣が握られていた。

 

 

原因はスレ民が指摘した様にイッチことカインである。

 

今日はカインが嫁いで来ると張り切って準備をしていた。予想通り彼は神輿に担がれて来るようなタマでは無くて、軍馬で早駆けでもして来たと云う様に 単騎で来たのだ。遅れて諸々が届くと聞いた時には笑ってしまったものだが。

 

アリサは彼に家事をちゃんとして欲しいとまずは頼んだ。一緒に戦場を駆けるのも心踊るが、彼の手料理を食べてみたいと。そんな軽い気持ちで。

 

然しなんと聞き間違えたか彼は家事だけをやれと言われたと思い込んだらしい。

 

口論にするのは不毛と思ったのか、このアリサに決闘を申し込んで来た。

 

それも、武器無しでだと。彼の背に背負われた見事な魔法刻印が刻まれた大槌と大弓を見せられ、

 

「我が力に耐えうる武器は家だとこれしか無かった。これが我が宝であり、武器である。然しこれは貴女に気軽に振るっていいモノでは無い。故にこの四肢で御相手致す。」

 

と。

 

この時点で察すれば良かったのだ。彼なりの気遣いと、私を大切に想ってくれている表れ。そして圧倒的な自己に対する自信の現れ

 

元々頭は悪くは無いが良くは無いと聞かされていた。反論されたことに対して私が冷静さを失ったのが失敗であった。

 

頭の中を真っ赤に染め上げつつ、普段握っている木剣を手に取る。馬を持ってこさせて向かうのは周囲に迷惑がかからない砂地である。私や彼レベルになると訓練所が滅茶苦茶になってしまう。そんな措置。

 

 

結果は、先述した通りである。途中までは手加減してくれていた彼。それすら侮りと捉えた私は容赦無く躾の意味も込めて胸元に叩き付けた木剣は根元を鷲掴まれ握力のみで芯鉄まで一緒くたに捻じ曲げられる様にへし折られた。

 

 

そこからは何かがスイッチを入れたように一方的なモノとなった。顔や胸、下腹部の大切な所を打たなかったのは、彼なりの手加減だろうが。此方の攻撃は一切届かず、魔法を放っても避けられるか真正面から拳の風圧で塵と化してしまった。

 

こんな理不尽があってたまるかと。こんなにも力量差があったのかと。自分の不甲斐なさが溢れてきてしまった。初めての圧倒的敗北である。それも歳下の婚約者に。これが泣かずに居られるか。

 

困った様に目線彷徨わせる彼は僅かな時間その場で立ち止まった後に、膝を付いて隣に座った。へし折れた木剣の破片を手から外し、その無骨な両手で私の片手を包み込んだ。

 

「改めて良く考えれば、貴女は我が生き甲斐を辞めろとは言わなかった。私は家事だけをしておけと受け止めてしまっていた。申し訳無い。……家事もやろう。だが、こんな身だ。迷惑をかけるだろう。赦してくれるか?」

 

「十分だよ。…最初の夫婦としてのお願いは、この無様な姿を忘れてもらうことからになりそうだけど。」

 

「いや、見事な一太刀であった。私の握力ではどうしても剣を振るう場合は手加減が必要だからな。扱えない訳では無いが…何処か憧れる。今の姿、一切無様と思う事など無いと神に誓おう。」

 

「こんの女勝りが。よろしく頼むよカイン」

 

「精一杯私也に尽くそう、アリサ。よろしく頼む。」

 

 




全部イッチが悪い系小説は此方です。イッチ嫁は良い奴なんや。方向性決まってないけど殺伐し過ぎずにほのぼのしたいなぁ(無理)


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伯爵家騎士団全員から絶対の忠誠を誓われました【ドウシテ】

モチベあるから初投稿です。


1 貞操逆転世界騎士♂

( *・ω・)ノやぁ

 

2 名無し@転生者の集い

あ、鬼畜イッチ。

 

3名無し@転生者の集い

名前違うじゃぬぇかちゃんと変えろ!

 

4 貞操逆転鬼畜騎士♂

(´・ω・`)ソンナァ

 

5名無し@転生者の集い

それでイッチ今回はどうしたんや

 

6名無し@転生者の集い

今北産業

 

7名無し@転生者の集い

まだワイらも説明されないわいw

 

8 貞操逆転鬼畜騎士♂

ワイの嫁のママンと久しぶりに合って話してたんだけど、性分に合ってるだろうからって伯爵家騎士団長になって欲しい言われたんよ。

 

9名無し@転生者の集い

実力主義って聞いてたけど今の団長さんはソレ了承してるんか?

 

10名無し@転生者の集い

圧倒的暴力でその席を奪いに行くに1票

 

11 貞操逆転鬼畜騎士♂

ワイの嫁が今その席に居るんやと。伯爵家騎士団長兼次期当主ってかっこいいよな肩書き

 

12 名無し@転生者の集い

うーん格付け終了済み!てかもう嫁か。おめー

 

13名無し@転生者の集い

解散解散ほら散った散った!結婚はおめ。

 

14名無し@転生者の集い

でイッチ何したん?聞いてる限り男にハイハイって従う様な世界じゃないやろそこ。

奥さん有能な良い子やから尽くすんやでイッチ

 

15 貞操逆転鬼畜騎士♂

騎士団ヒラ全員と連続一騎打ちして分からせた

 

16名無し@転生者の集い

サラッととんでもない事言ってるけどちなみに何人くらいでございます…?

 

17 貞操逆転鬼畜騎士♂

ちゃんとした騎士だけだと150人くらい?多分。その他かかってきたい子沢山居たから朝から晩までずっとやってた。正確な人数は聞いてないから分かんない

 

途中から慣れて来て早く終わった。お腹だけ殴るのも慣れないと大変だね。

 

18名無し@転生者の集い

ファーwww

こいつに体力無限渡しちゃダメだったって普通に

 

19名無し@転生者の集い

もういいよイッチお前が最強だよ

 

20 名無し@転生者の集い

そりゃ実力主義の家でそんな事して今の団長も一方的に殴り倒してるんだから忠誠くらい誓いますわ。それに将来の当主の夫だし。性別云々より本能で従いそう。

 

21 貞操逆転鬼畜騎士♂

ヒラからのスタートで良かったんだけど…

 

22 名無し@転生者の集い

バカお前黙ってその立場受け取って嫁さんの為に頑張れ阿呆

 

23 貞操逆転鬼畜騎士♂

( ˙꒳˙ )エー

 

24 名無し@転生者の集い

えーじゃ無い嫁さんに恥ずかしくない屈強な騎士団にするのが今のお前の役割だよ!!

 

柄にも無く怒鳴りつけたい

 

25 貞操逆転鬼畜騎士♂

はーい

 

 

 

 

 

 

 

伯爵家騎士団副団長のリーナ・ベルフォは我が騎士団は国最強と自負している。否、していたと思っていた。自身も団長であるアリサ・ファロスに一歩届かないまでも、高みへと手が掛かっていたと自負していた。

 

だがそれがどうだ。

 

目の前に転がるのは最強を目指し育て上げてきた騎士団200人。それに加えて領内の武術家や騎士団に入れなかった戦闘要員数百。

 

対するは団長の夫であるカインただ1人。

 

最初こそ男をシバくなど断りたくもあったが、団長がこっそりと手加減された上でボコボコにされた事。母親でもある当主が自分と入れ替えで彼を団長に指名した事。そしてアリサ自身もそれを認めていることが分かれば、私は領内に呼びかけた 。

 

・アリサ様の夫が騎士団団長になる

・我はそれを認めない

・騎士団及び腕に覚えがあるものは集え

 

と。私が勝てない団長を一方的に手加減した上でボコしたと聞いた時には聞き間違えかと思ったが、こうして目の前にするとソレが嘘偽りの無い事実として頭の上から落ちてくる。

 

183と身長はある程度あると自負していた私ですら見上げなければならない190という背丈に、丸太の様な首筋に僧帽筋。握手をしただけで伝わる男では無く戦士の手。

 

だが引けない。引いてはこうして領内から集めた意味が無い。

 

カインは武器無し、騎士団その他は訓練用の木製武器ならあり。

 

そんなハンデがあった故に最初は1対1のシンプルな決闘形式であったのだが、精鋭騎士団を一撃、二撃で朝食べたものを地面に吐かせる強烈な腹パンを見せられてしまえば、そんな騎士精神など霞んでしまっていた。

 

1対2、1対5、1対10。そこまで膨れ上がった人数差を意にも介さず、途中から作業の様に腹を叩かれれば例外なく 地面に倒れ伏して口から吐瀉物を吐いた。

 

無尽蔵の体力、武器の有無をものともしない身体スペック。そしてコレは手加減しているのだとすれば、私が思い描いていた超人の領域とはなんと低かった事か。

 

騎士団副団長の矜持として1対1を申し入れ、他の者と変わらぬ様に地面に這いつくばったのならば、もうこれしか考えられなかった。

 

 

「整列ッ゛!カイン・ファロス様に最敬礼ッ゛!」

 

口の中は切ったのか鉄の味と、吐瀉物が混じりあった眉をひそめたくなる味。殴られた腹の痛みを無視してあらんかぎりの声量を空へと向かって放った。

 

本来当主にしかしない最敬礼。然し、今はこの超人に。我らが侮り試してしまった謝礼も込めて。そして新しい団長に向かって精一杯の礼を示した。

 

これから我らはもっと強くなる。強さの上限がアリサ様からカイン様に急激に引き上げられた。超人に指南してもらえる我らは運が良い。

 

そんな貪欲な視線を疲れた様子も見せない彼に注いだ。

 

 

 

 

 

「化け物かい、カインは。」

 

「お母様、私の夫ですよ。」

 

「悪くない時間でした。途中からは少し趣向を変えていましたが。…ご迷惑でしたら申し訳無い。」

 

 

遅い夕飯。遅くなった原因はカインにある。あんな大立ち回りを演じて妻や当主でもある義母が見にこないと思ったのか。

 

途中から見ていたことは気が付かず、頭を下げた自分に対しての感想は、実の子供であるアリサにとっては酷いものだった。

 

「私だってあんな事は無理さ。シューレゲル家は良くお前さんをここまで育て上げたもんだね。……礼の一つじゃ足りないから人員でも送ろうか。」

 

「私も無理ですよ!本来なら男を娶ったところで領力の低下に繋がるなど考えもしませんが…これではシューレゲル家の戦力を7割方貰ってしまったと言っても良いでしょう。とは言え、今日のカインを見てシューレゲル家に態々行きたいと思う戦士は居ないでしょう。優秀な文官辺りにしっかりとした文を持たせるのが適切かと。」

 

「ほんと申し訳無い…」

 




基本スレ民は嫁に優しくイッチに厳しくをモットーにやっています。

リーナ・ベルフォ
・騎士団副団長
・身長183
・黒髪ストレートを後ろで縛ってる和風美人
・メイン武器は細剣のスピード重視騎士


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貞操逆転世界の性事情【オシエテ】

R-17タグ含む文章書いたので初投稿です。→タグを17.9に変更しました。

掲示板は成人年齢を境に見れる様になる為こうした猥談混じりなものも度々起こります。そして管理者(仮)はそれを許容範囲として捉えています。いじめはダメ絶対。

また、今回暈していますがr-17に該当する内容が大半です。16歳以下はブラウザバック!見たいなら自己責任で!

評価、感想、誤字報告ありがとうございます。励みになっています。


325名無し@転生者の集い

そういやイッチの世界的におせっせも逆転してそうだけどどうなん?

 

326名無し@転生者の集い

転生者なんやからイッチはワイらと変わらんと思うんやけど?あれか、全部逆転しとるから男はみんなちゃんと毛の処理してるけど…ってやつか

 

327名無し@転生者の集い

そうそう。いやまぁ今の故郷はご時世的に男もスキンケアする時代だから…

 

328名無し@転生者の集い

男ワイ、女の脇毛無理マン

 

329名無し@転生者の集い

イッチ、お前の性癖みってみたい!

 

330名無し@転生者の集い

微妙に音取りずらいのやめろw

 

331名無し@転生者の集い

>328 それがいいンじゃねぇかセニョール

 

332名無し@転生者の集い

やっぱ処理事情は世界によって違うよなぁ。

 

333 貞操逆転世鬼畜騎士♂

( *・ω・)ノやぁ

 

>329 日本に居た頃はTSとかNTR好きだったけど実際嫁が居ると両方無くなったわ

 

334 名無し@転生者の集い

>333イッチおかえり。せっかくだから脇毛有り無しどっちがいいんや答えてけ

 

335 名無し@転生者の集い

>333 昔の性癖じゃなくて今のを答えな!可愛い出来た奥さんと毎晩せっせかしてるんだろ!?

 

336 名無し@転生者の集い

イッチ嫁の写真くれ

 

337 名無し@転生者の集い

>336人妻で抜こうとすんなw

 

338 貞操逆転世鬼畜騎士♂

>334 脇毛なし、陰毛あり、けつ毛なしがいい!!

 

>335 毎晩は流石にやってないで。教えとくわ、絶倫ちんこほんと不便やで。手加減しないとワイ嫁の腰ぶっ壊しそうになるねん。あとは性癖ってなると搾られ?ガンガン腰振って来ていいんだけどもうちょい羞恥ってもんが欲しい。イコール日本人生娘最高

 

>336 ほい (っ'ヮ')╮=͟͟͞͞画像.com (( ˘ω˘ ) スヤァ…してるイッチ嫁の寝顔)

 

339 名無し@転生者の集い

へー(血涙ダラダラ)

 

340 名無し@転生者の集い

ぁッ゛…(イッチ嫁の寝顔に浄化される音)

 

341 名無し@転生者の集い

絶倫って不便……いや羨ましいなこの野郎!男が言いたい言葉圧倒的ナンバー1だろ!

 

342 名無し@転生者の集い

ワイ女やけど日本人の身体と転生先の身体であそこの形全然違うのな。当たり前だけどち○こも。びっくりしてもうたわ。

 

343 名無し@転生者の集い

非処女ネキはちゃんと羞恥心死んだ時に捨ててるのわろた

 

344 名無し@転生者の集い

イッチちゃんと細かく言うやん。変態か?

 

345 名無し@転生者の集い

イッチ前世童貞っぽそう()

 

346 貞操逆転世鬼畜騎士♂

>345 おい

 

……そうだよ!!!

 

347 名無し@転生者の集い

 

348 名無し@転生者の集い

正直でわろた

 

 

 

アリサ・ファロスは伯爵家次期当主である。貴族であれば誰にでも付き纏う義務の中には、後継の出産も含まれている。故に初潮が来た時期から少しずつまぐわい、所謂S○Xについて教え込まれる。

 

義務である事、女性側が男性側をリードする事。男側が嫌がることは極力しない事 。

 

政略結婚だったとしても寄り添い死ぬまで一緒に居る夫婦である。だからこそ確りと関係性を印象付ける為にS○Xは立派なコミュニケーションとなるのだ。

 

さて、初夜が明けた後のアリサと母親のアリアの会話はどんなものだろうか。

 

朝しっかりと水浴びをして髪や身体を整えていたからか、身嗜みは普段と変わらないアリサ。然しその脚運びは少し頼りないものになっているのは普段から見ている母親としてはよく分かること。

 

「あら、朝まで頑張ってたわね」

 

「……教えて貰ったのと全然違ったんだけど。」

 

教育で使われた張形は簡単に片手で扱えるようなモノだったのに、彼のは規格外。身体を繋げる時でも 奥の奥まで押し上げて、内臓抉られるかと思ってしまった。

 

そして彼は絶倫であった。手と身体で1回。胸で1回。女が抱く?そんな教えなんてカインには通じなかった様で、2度中に出されてからは完全に彼のペースだった。

 

後ろから突かれ、持ち上げられて腰とケツを叩き付けるような 。加減を余り知らない様な荒くも根は優しいと思わせてくれる 獣の様なまぐわい。

 

啼かせられながら、威厳などかなぐり捨てて懇願した「ゆっくり、優しくシて」なんて言葉が彼の動きを止めたのかと思ったけれど違った

 

私を寝っ転がせて上から体重をかけるような繋がり方。手を繋ぎながら、先っぽで奥の奥まで入れられた儘長い時間其の儘にされて……無様にもおもらししながら失神してしまった。

 

私は昼も夜も守るべき夫に勝てないらしい。そして、好きな事もねじ曲げられてしまった。搾り取って未来の夫の顔が歪んで情けない声を出すのを想像シながら自慰するのが好きだったのに、押さえ付けられて動けない儘に征服されるのも…なんて思う様になってしまった。

 

狂い悶えるばかりだった昨晩を思い出してアリサの耳先まで赤く染まる。当主のアリアはそれを見て一安心。

 

家の発展が第一に考える公人とはいえ一人の母親であり母は子を想うものである。普通とは掛け離れたカインを宛がってしまったことが間違いだったかと考えていた時間の方が長かったけれど、娘自身が幸せそうならば嬉しいものだった。

 

 




感想、評価、お気に入りして頂けるとやる気がかなりでます。


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貞操逆転世界、ファンタジー系世界だった【イマサラ】

ガチガチの戦闘描写初めて書いたので初投稿です。

やっぱり戦いは筆が踊るね。ちょっと長いかもしれませんが読んで上げてくだい


1 貞操逆転世界騎士♂

( *・ω・)ノやぁ

 

2 名無し@転生者の集い

イッチおひさ

 

3 名無し@転生者の集い

魔法とかある時点でファンタジーなんて今更だろ

 

4 名無し@転生者の集い

ファンタジーじゃ無くて機械に支配されてる国に居るやつも居るんですけど?

 

5 名無し@転生者の集い

珍しいな。

 

6 名無し@転生者の集い

おっとイッチ名前変えたな!

 

7 貞操逆転世鬼畜騎士♂

なぜバレたし

 

8 名無し@転生者の集い

そりゃ、ねぇ…

 

9 名無し@転生者の集い

そんなのどうでも良いからイッチの話聞かせてくれい。

 

10 名無し@転生者の集い

そうだそうだ。モンスター居るって言ってたしワイバーンでも出たか?

 

11 名無し@転生者の集い

何だろう、ワイバーンに負けるイッチの姿が想像出来ない

 

12 名無し@転生者の集い

ワイバーン如きで騒ぐイッチじゃなくないか

 

13 貞操逆転世鬼畜騎士♂

まぁ簡単に弓で堕ちるからゲーム感覚で狩ってたけどさ。ワイをなんだと思ってるんだみんな

 

14 名無し@転生者の集い

超人

 

15 名無し@転生者の集い

最強

 

16 名無し@転生者の集い

鬼畜騎士♂

 

17 貞操逆転世鬼畜騎士♂

>16 うーんギルティ。

 

簡潔に言うと竜王が出て来た。で、ワイがちゃんと討伐した。死体をちゃんと有効活用しようとしてる←NOW

 

18 名無し@転生者の集い

待ってイッチ先ず竜種系統モンスターの格付けみたいなの説明して。竜王がどのレベルか分かんない。

 

ギルティ食らったけどお前の言葉に重みは無いんやな!?

 

19 貞操逆転世鬼畜騎士♂

一応書いとくわ。間違ってたらメンゴ

 

一番下が大蜥蜴って言われてる種類。そこから属性によって強さが違ったりする。

 

次がワイバーン。飛べる蜥蜴って感じ。コイツらの中でも魔法使えるやつと使えないやつ、特殊なやつで区別出来た気がする。

 

で、次がドラゴン。ワイバーンの進化先らしい。この辺りから対処には軍が必要だと思う。ワイバーンが正当にデカくて強くなった感じ。

 

次、竜。俺的には身体強化使わないと真正面から戦えない。ドラゴンとは個体自体違うし古くから生きてたり知力が高め。子竜は見たことあるけど可愛い。親は怖い。

 

で、竜王。今回はちょっと特殊な事情があったから勝てたから良いけど槌溶かされて半分位しか無くなっちゃったから真正面から戦うのは絶対無理。多分竜王がノーダメで全力だったらワイが2.3人居てもいい勝負止まりで負ける。人間が認識できる言語を話し始めたら竜王認定されるみたいだね。

 

ラスト。竜神。番で2匹だけ居る。この世界が出来た頃から居たらしい。神様と同じく竜神教があるとこもあるくらい有名。多分というか絶対勝てない。

 

20 名無し@転生者の集い

待てじゃあイッチはかなり気軽に討伐って言ってるけど人類が抵抗出来るか分かんない最高峰を条件付きとはいえ殺したんか!?

 

21 名無し@転生者の集い

さすが我らの鬼畜騎士、最強である。

 

22 貞操逆転世鬼畜騎士♂

そんな事より安価やる

 

23 名無し@転生者の集い

!?

 

24 名無し@転生者の集い

安価やらんスレかと思ってたんだけどついにやるんかイッチ

 

25 貞操逆転世鬼畜騎士♂

竜王様本人に頼まれたからなぁ

 

26 名無し@転生者の集い

竜王様安価知ってて草

 

27 貞操逆転世鬼畜騎士♂

>26 ちゃうわいw

 

 

 

カインがファロス家に嫁いで半年以上が既に経過していた。やる事といえば朝早くから騎士団と共に基礎鍛錬、昼飯を食べたら騎士団全員との掛かり稽古。夜飯食べたら半刻程座学をしてから寝る。コレの繰り返しである。

 

週に3回、妻であるアリサと子作りに励み、週に半日はアリサとゆっくり過ごしたり馬で遠出したりと自由な日々が続いた。

 

もはや女だろお前と言われても仕方が無い。然し当主のアリアも、勿論アリサも騎士団の面々もそれについて何か言うのではなく、いつか追い付いてやろうと必死に食らいついて来るので心地好い。いい世界である。

 

そんな天気の良いある日。皆で汗だく、足元は泥まみれの格好の儘にバゲットをサンドイッチにした豪快な昼飯を食べていれば、アリアの使いだと云う文官が馬を走らせて大急ぎでこちらに向かうのが見えた。

 

あの様子では確りと止まれぬだろう。軽く身体強化を行い身体に魔力を回せば馬に衝撃が行かぬように 真正面から受け止めてやった。馬の脚が折れたりするより良いよね

 

「カイン様!至急、至急戦準備を!」

 

「待て、ちゃんと説明をして欲しい。…誰か水を持って来てくれ。」

 

「は、は、っ、は …っ 。竜王が、竜王ウーサーが、我が領地の村に現れました!」

 

 

はて。中々に妙な感じだ。滅多なことでは人の目の前に出てこない竜王が村に現れた。それも彼女が言うには村の建物を壊し村人を踏み潰し稲を荒らしているのだと云う。

 

然し、我が嫁の母親が偽りの情報を流すことは考えられなかった。

 

至急、騎士団のみでの戦準備を行い、馬の早駆けにより現場へと急行した。

 

歩兵?雑兵?無意味に死なせるだけである。真なる超人、それを目指して片脚を突っ込んでいる者、それには及ばずとも死を恐れぬ最精鋭。それが戦場に立つ最低条件であった。

 

 

言われた場所に赴けば、あの文官が言った言葉は比喩等では無いと分かる。村はぐちゃぐちゃになり、道は崩壊していた。所々に見える赤黒い痕は押し潰された人だろう。自分なりに手を合わせて居れば、部下から報告が上がってきた。不自然な大きさの血痕が続いていると。

 

では何だ、竜王ウーサーは意図的に来たのではなく戦いに負けて墜落して来たとでもいうのか。

 

ここから続くみちは稲田、その先には山である。木々すらなぎ倒されていたが如何せん道が悪すぎる。故に馬では追尾も不可能。馬番に必要人数残せば、走って逃げた方向へと向かっていった。

 

予想が正しければ竜王は一切悪くない。然し、税源である稲田を壊し人的被害すら出している。見逃す選択肢は皆無であった。

 

「居たぞ!」

 

遠くに、大きな大きな背中が見えた。木々をなぎ倒した幅を見て想像はしていたが 、思った以上に存在感が濃い。背中だけでも圧が凄いのだ。

 

眼を向けるは右の翼。アレが血痕の正体か。竜王は羽ばたかない。魔力を持って飛ぶのだ。然し、その魔力を一番循環させる器官が翼であり、翼膜である。

 

それがズタズタになっていて、太い骨子であろう骨が変な方向に曲がってしまっている。

 

大きさは速さである。だが、右の翼を庇えば飛ぶことも走ることも出来なかったのだろう。

 

「竜王ウーサー!!!」

 

あらんかぎりの声量と、騎士団と妻の面々には一度しか見せていなかった、全力の身体強化を行使した。

 

竜の評価基準は魔力と戦闘力。この二点である。知識なんぞ生きていれば身につき覚えようとしてから10年も経てば身体に染み付く。そんな長寿故の評価方法であった。

 

竜王の脚が止まる。人型にしては大きいと無視を続けていたが、…人型に収まらぬ程の魔力の煌めき。それを感じ取って仕舞えば、振り向かざる得なかった。

 

ウーサーは王である。王とは挑まれる者を指す。ウーサー自身、戦いには勝ったものの複数での奇襲という卑劣な方法で片翼を再生不可能なまでに破壊されてしまった。頭数だけ揃えてきたソイツらを噛み殺したはしたが…後の祭りであった。

 

これが脚だったらまだ良い。しっぽや背中だったら。だが身体に魔力を循環させる器官の半分が破壊されてしまえば例え竜王であっても空中に留まれる保証は無いのだ。

 

『何だ、人の子よ』

 

唸る様な声と共に、カインの頭の中に。そして騎士団の頭に。言葉が直接刻まれる。

 

「我が名はカイン・ファロス!次期当主アリサ・ファロスの夫である!竜王ウーサー!我が領地を荒らした報い、その命を以て償うが良い!」

 

交渉等要らぬ。それがカインの決定であった。竜王を治療する、このまま見逃す。その何方も選択肢にならなかった。ただ、本能の儘に挑み、討伐することを選んだ。

 

『良かろう、人の子。我が翼折れどもその身焼き尽くすには十分よ』

 

「弓構え!」

 

本来弓は騎馬兵である騎士団が所有するものでは無い。だが今はただの戦ではなかった。弓を確りと引ける者には、強弓が与えられていた。

 

カインも同じ様に、専用の弓を背負って来ていた。強弓というにはあまりに大きく、余りに太いソレに刻まれるのは魔法刻印。硬さ、粘りを最大限発揮出来るようになっているソレは、カインの全力に耐えうる超人にしてみれば至高の武具である。未だ背に背負う大槌も同じこと。刃がなければ潰れることも無くカインの怪力を受け止めてくれる。

 

身体に回っている魔力を弓に、矢に通す。青白く光る形は刻印の溝である。矢も無論の如く特注製。カインの故郷から態々取り寄せている弓と槌を作った鍛治魔導師によって造られたものである。

 

「放て!」

 

放たれる数50と3。ひょぅ、とも取れる音を奏でる他の矢と違い、カインのモノは音の壁を戦いた。

 

ふ ゛ お゛ ッ!!!!!

 

竜王の目、そしてカインの目だけにはくっきりと矢先が音の壁に突き刺さりネジ曲がりながら突き進むのが見て取れた。

 

結果だけ言ってしまえば、矢の無駄であった。カインが放った矢だけが鱗を突き破り傷を与えたものの、他は簡単に弾かれるに終わっていた。

 

「カイン様!」

 

堪らずにそばに居た騎士、ズールが声を上げた。最もである。聞いた限りでは数年前に現れた竜にすら効いたと胸を張って教えてくれていたのだ。

 

『カインと云うか。良い魔力の循環よ。…気に入った。一騎打ちだ。我と、お前と。…竜王としてい、ッ』

 

此処で一旦言葉が止まった。咳き込む様にして血反吐が吐き出される。矢が突き刺さった所は胸のど真ん中、内臓でも傷付けたか。

 

『竜王との、一騎打ちは…竜神様が観られる。コレが掟じゃ。…我は死なぬ。この様な無様な姿では屍を晒せぬ!!』

 

ああ、これは断れない。誇りの問題なのだ。孤独にして最強となる竜王に、番は必要でも仲間は不要なのだ。それを阿呆共のせいで汚された。故に。飛べずに蜥蜴の様に地面に這い蹲るだけになったとしても王なのだ。安静にしていればあと100年程度は生き長らえるだろうが、それは最早王ではない。

 

「受けて立とう。」

 

『くか、有難い』

 

「アリサ!」

 

弓を手渡す。彼女では持って構えるのが精一杯だろう。だけれども、地面に置けるようなものでも無かった。竜王は笑う。竜としては致命傷を負いながらも、誇りの為の願いを目の前の人間は断らなかったのだ。笑いもしよう。

 

背負っていた背丈程の大槌を手に取る。綺麗な流線形を保つソレの先端は、瘤の様に盛り上がり殺傷能力を高めていた。

 

息を吸い、息を吐く。弓と違い繊細な魔力制御はこの槌には不要であった。

 

 

お゛お お゛ おぉぉお゛お゛お゛お゛!!!!

 

地が揺れる。そうアリサが錯覚する程の気魄。文字通り魂を賭けたモノである。

 

どこ゛ぉ゛!!!

 

地面が陥没する。ただの踏み込みに地面が耐えきれていない証である

 

『刻むが良い。◼️◼️◼️◼️◼️』

 

魔力の流れからカインがどう来るか、それを感じ取って先に動き出したのは、竜王であった。

 

正面からの真っ向勝負。カインが決心したソレに対して放つのは「竜魔術」であった。

 

竜の、それも適性があるものしか扱えぬ4種類の属性魔術の総称である。この魔術を真似して人間が扱えるようにしたものが魔法であった。

 

火を吐くだけならばワイバーンでも出来ること。コレは、桁が違う摂氏6000度。太陽に匹敵する原初のブレスは竜王からしてみれば半分程度の規模であろうが人間一人に向けるにしては過ぎた火力である。

 

 

「 断 !!!界!!!!」

 

カインは愚直であり、正直であり、そして、馬鹿みたいな理想を叶えるには充分な腕力を兼ね備えていた。

 

コレは槌に全信頼を委ね、全身と槌に過剰な魔力を注ぎ込むことによって意図的にオーバーロードを引き起こす。

 

技名は偽りにあらず試し打ちで大地を粉砕し10mであろうとも人工的に地割れを引き起こしたソレは立派な小さな災害である。

 

人には抗えぬ過ぎた力、それを真正面から叩き割る。

 

肌が炭化しようとも食道や胃、内臓が焦げ落ちようとも全身を巡る過剰な魔力が瞬時に全身を巻き戻すように再生させる。

 

 

服は焦げ落ち大切な部分しか隠れていない。全幅の信頼を置いていた槌は余りのエネルギーの衝突により半分から上が融解していた。

 

 

それだけ。それだけである。竜王の息吹を真正面から叩き割った代償が、実質的には鎧、衣服、槌だけであった。

 

身体から魔力が吹き上がる。これ程までの傷を負ったのはコレが正真正銘の初めてであった。カインは強い。否、ヒトとしては強過ぎた。それは掲示板で他の特典を与えられて転生した転生者達が口を揃えて言うに相応しい「最強」の姿があった。

 

 

考えている暇などない。本能で地面を蹴れば、正確無比に竜王の正面から突撃していく。

 

騎士団の面々からは瞬間移動的速度に見えるだろう。それでも、竜王の瞳がカインの姿を逃がすことは無かった。

 

但し、ソレに身体が着いてくるかはまた別である。全快時であれば動いたはずのスピード感が、今のウーサーには無かったのである。振り上げ振り下ろした爪は空を切り、カインは竜王の胸元まで接近していた。

 

半ばまで竜王の胸に突き立った矢。その矢筈に拳を真っ直ぐ突き出す。ぶつかるのは中指の真ん中。抵抗も無く、矢は其の儘竜王の胸に根元まで差し込まれた。

 

さて、カインの転生特典でもある武芸百般、

それは当たり前の様に徒手空拳にも適応されている。故に出来るのだ。イメージ通りに何でも。何の覚悟も無く、気兼ねも無くとも、自然とこの恵まれた肉体は動いてくれるのである。

 

竜種に打撃は効くとは思えない。ならば、中まで捩じ込んだ矢を起点とするのみ。

 

両手を合わせてふんわりと竜王の胸元へ。関節の力も、全身に巡る魔力さえも一瞬だけ緩めて…一気に解き放つ!

 

「大魔発勁!!!!」

 

身体から発せられた振動に魔力を上乗せする事により、竜王の内臓に直接ダメージを与えながら、矢を体内奥深くまで押し込む。コレが目的である。

 

『く゛ぅ゛う゛!!』

 

まだ死なぬ、まだ眼が死んでおらぬ。

 

爪で肉ごと切り裂かれ持って行かれる。再生する。拳で爪を迎え撃ち、弾き飛ばす。拳が引き裂かれる。再生する。

 

半刻。1時間もそんな泥仕合が続いた。カインにしても、竜王にしても。最早血が足りぬ。生命の源が失われ過ぎていた。カインは纏う魔力の底が見えて来ていた。

 

カインが立ち、竜王が沈む。カインも今にも倒れそうではあるが結果は単純である。

 

『見事… 。カインよ、竜神様も御喜びだ…。我が魂は竜神様の処へ向かうが…我が骸はお前に預けよう。お前の武具となり、共に覇を歩める事…まっこと、嬉しみにしている。…何れ蒼穹で語ろうぞ、友よ。』

 

「我ら人間の義理があろうが、竜王ウーサー。お前は真なる王であった。言う通り、使わせてもらうぞ。」

 

竜王ウーサーの瞳から生気が抜け落ちるのを確認した後に、カインも気を失った。

 

人類が曲がりなりにも竜王に勝利した。大きな大きな一歩であった。

 




評価感想励みになってます。よろしくお願いいたします


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鬼畜騎士、安価で新武器を考えたい【アンカ】

モチベがありすぎて初投稿です(×3)


290 名無し@転生者の集い

管理者にさ、鬼畜騎士視点のリプレイ動画欲しいって言ったらR-18G指定されてる+本人の許可が無いって理由で突っ返された。モザイクありで良いからはよイッチ許可出すんだ。

 

291 名無し@転生者の集い

イッチが血流し過ぎて気絶したんやっけ?大丈夫かよ

 

292 名無し@転生者の集い

いくら無限体力やら超人体質だろうがあっても人だからなイッチ…

 

294貞操逆転世鬼畜騎士♂

ʕ•̫͡•ヤァ

 

全快したよ(一日経過)

 

295 名無し@転生者の集い

イッチぃ!!生きとったんかわれぇ!

 

296 名無し@転生者の集い

事後報告からの気絶やったからな。ワイらも久しぶりに他人の心配したわ

 

297 名無し@転生者の集い

そうだそうだ。お前が死んだら誰がアリサちゃんの寝顔を送ってくれるってんだ。

 

298 名無し@転生者の集い

イッチ全快おめ。それでリプレイ見たいんだけど許可貰っていい?

 

299 貞操逆転世鬼畜騎士♂

>298 ええで。

 

300 名無し@転生者の集い

イッチ感謝

 

301 名無し@転生者の集い

そういや安価するって言ったよな…?

 

302 名無し@転生者の集い

取り消させないからな!?

 

303 貞操逆転世鬼畜騎士♂

そういえばそうだった。

 

今は家まで戻ってきて暖かいオフトゥンで休んでたとこなんよ。竜王様の亡骸はちゃんと保管してもろてる。お肉は血が回ってないとこだけ切り出して食べるんやけど、鱗や皮、爪とか骨とか。その辺は竜王様の遺言?にしたがってワイに最優先で回してくれるらしいんよ。

 

防具は作るのはもう決まっとるからみんなには武器決めて欲しいねん。

 

今まで繊細な武器は魔力通したり素振りすると直ぐに曲がって使いもんならんかったから槌みたいなやつか使い捨ての矢しか使えんかったんよ。

 

今回は何でも!許可したい!俺も怒んない!…素材的に無理だったら無理って言うけど

 

304 名無し@転生者の集い

イッチゆっくり休めよ。まぁ素材も貴重だろうし見立てで無理なら諦めよう。

 

305 名無し@転生者の集い

ロマン!鎖鎌とか!

 

306 名無し@転生者の集い

>305 イッチの握力で鎖ちぎれるだろw

 

307 名無し@転生者の集い

あっ

 

308 貞操逆転世鬼畜騎士♂

初めての安価楽しみだな。

 

>314ワイのおにゅー武器!

 

309名無し@転生者の集い

安価きちゃ

 

310名無し@転生者の集い

骨刀!ロマン溢れるやろ!

 

311名無し@転生者の集い

イッチの断界また見た過ぎて大槌

 

312名無し@転生者の集い

鎖鎌!!

 

314名無し@転生者の集い

大槍。真っ白な骨から掘り出された槍が血に濡れるの良くない?

 

315名無し@転生者の集い

骨そのまま

 

316名無し@転生者の集い

うん、無難だな

 

317名無し@転生者の集い

>315 ガチの野蛮人思考で草

 

良かったなイッチ、これからは撲殺しなくて済むぞ

 

318 貞操逆転世鬼畜騎士♂

わーい!初安価出来た!ありがとな!

 

319 名無し@転生者の集い

イッチ喜んでて良かったな

 

320管理者

失礼します。こちらで必要な部分は編集を入れております。視点当人の許可を確認しましたので、こちらのリンクからご覧下さい。

https://teisougyakutenn.kin/?………

 

321 名無し@転生者の集い

やっぱ対応早いな。感謝

 

322 名無し@転生者の集い

コレで俺も竜王殺しや!!

 

.

.

.

.

 

 

462 名無し@転生者の集い

イッチの視点リプレイ見てきた。ヤバスンギ

 

463 名無し@転生者の集い

お!R-18Gって聞いてちょっと見れなかったけど。どんなやった?

 

464 名無し@転生者の集い

ワイも見てきた。イッチ謙遜してたけど…ワイには無理やわ。弱ってたからって絶対勝てんわ。格が違いすぎる。

 

465 名無し@転生者の集い

462のワイもやけど、討伐の一言で片付けて良いレベルの戦いじゃなかった。

 

>462とりあえずグロ的なやつは殆ど編集で狩りゲーレベルに落とし込まれてるからモン○ン2とかのP○Pできてたやつは問題無いと思われる

 

367 名無し@転生者の集い

世代がバレるぞw

 

とりあえず最初のブレスで大多数の転生者は死ぬ。ふぁいならんさー

 

368 名無し@転生者の集い

当たり前の様にイッチ叩き割ってるけど自己回復って名ばかりの再生能力みたいなの無かったらイッチも焼け死んでるしな

 

369 名無し@転生者の集い

あと全力強化したイッチの肉体にサクサク刃が通る爪あかんって。

 

370 名無し@転生者の集い

文字通り生物としての格違いすぎるわ

 

371 名無し@転生者の集い

女ワイ、イッチの大魔発勁で股が濡れた。抱いて

 

372 名無し@転生者の集い

もしもしポリスメェン、こいつです。

 

373 名無し@転生者の集い

武術やってたワイ、イッチの技全部綺麗すぎて惚れた

 

374 名無し@転生者の集い

お医者さんこいつです。ハートに電気ショック食らわせてやってあげて差し上げろ!

 

 

 

 

 

 

「カイン、良くぞ帰ってきました。」

 

「……はッ!」

 

 

気絶してから気が付けば、馬の傍へと来ていた。

 

アリサが、リーナが。みんなで代わる代わる背負って俺をここまで連れてきてくれたらしい。馬に揺られてどの道を通ったかさえも分からない。

 

全身の血を洗い落とし、本能の儘に血肉となる料理を貪り、寝るまでの記憶が夢のようにぼんやりとしていた。起きたのは朝の鍛錬が始まるその時間。身体が覚えてしまうのだと 、身体を起こせば 横には妻の姿。病人ではないのだが…怪我人だったか。添い寝をしてくれた彼女が愛おしい。

 

肌に生命力が漲る。強靭な肉体が更に引き締まり、弾けそうな程に成熟を果たしていた。

 

カインは強者である。ここまでの接戦は経験してこなかった。故に、カインの身体は細胞単位で奮起したのだ。もっと、もっと力を。そうして昨晩カインが過剰摂取した食料は、余すことなく全身に行き渡り見事全快、全快以上へと仕上がっていった。

 

すやすやと寝る妻を見れば、今日位の鍛錬は…と。彼女を抱き締めて二度寝しようと決め込んだ。

 

上記の会話は遅い朝飯をアリサと共に取っていた時のカインとアリアの言葉である。そして、あの竜王の骸をどうしたか。昨日の貴方は…等、色々。簡単に纏めるとこんな感じであった

 

・夜のうちに竜王の身体は運べるように解体して総出で伯爵家に運び込んだ

 

・この件は箝口令を敷く。期間は半年。

 

・竜王様の遺言?で、カインの武具になりたいのは目に見えてるから、カインが欲しいものは全て作らせる。余ったら領地内で消費する。そうじゃないと竜神様の怒りを買う。

 

・半年後王家には報告しない訳にも行かないから、献上品として竜王の何かを使った武具を献上する。カインの武具よりは格を1つ落として良し。なんか言われたら竜神様と竜王様の名前出す。

 

・カインの弓と槌仕立てた奴なら竜王の遺骸も良い形に出来るだろうから、準備出来次第一回実家に帰りなさい。ついでにアリサも付いていきなさい。

 

こんな感じだった。アリア様ほんと仕事早いけど、徹夜してる?…貴女達が命を張ったのに当主が寝れるわけない?申し訳無いです。

 

個人的にはもう全快しているのだが、アリサや騎士団メンバーの大半が竜王の大き過ぎる魔力に当てられて昨日の今日で動ける状態では無かった。

 

結果、特別に騎士団全員に褒賞と休暇が与えられて居た。

 

そこから更に1週間後。実家から姉と竜王の骨や爪やらを運んでくれる人達が来た。

 

アリア様が隠密に頼んで詳細な説明と方針を実家だけには送っていたのだそう。それも動けるように成るだろうバッチリのタイミングで。やっぱり有能。

 

シューレゲル家次期当主でありカインの姉であるカレン・シューレゲルはアリアへの挨拶が住めば一目散に俺の元へと飛んできた。

 

「カインの馬鹿。アンタが倒れるなんて天地の終わりかと思ったわよ。無事で良かった… 。」

 

一番カインの力を分かっているつもりのカレンは、カインが生涯無傷無敗で終わると信じて疑わなかった。自分が傷1つ付けられないのに、嫁いで半年で竜王と決闘、勝利、カインの気絶と意味が分からない状態の儘、母親から無理矢理当主代行の地位をかっさらいこの地にやってきたのだ。ただの弟思いの姉である。

 

「すまなかった、ありがとう。」

 

ただ、座ったまま彼女の抱擁を受け入れるしかなかった。ちなみに彼女の身長は176である。平均よりも高いとはいえカインと比べるのは可哀想なモノである。

 

竜王の骸の選別は姉が来る前に済ませて置いていた。2対の立派な長く太い骨を2本。鱗と腱を沢山に、竜王の鉤爪を3つ。それが今回実家である子爵家に運ぶ内容である。

 

肉は既に皆の腹の中へ。残りの素材は竜神様及び竜王様に御報告をした後に、領内で有効活用されるという。

 

1ミリも無駄な部分は無い。コレで竜王様も喜ばれるだろう。




評価感想励みになります。誤字報告助かってます。ありがとうございます。


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鬼畜騎士、実家に帰る【タダイマ】

誤字報告をして下さいました

林檎飴玉様、水上風月様、ひね様様、残念無念で不書感想様、青黄紅様、peats様、weekend様、塩三様

まとめてになりますが御礼申し上げます。ありがとうございました。

また感想もありがとうございます。善し悪しはあるかと思いますが全部に返信しております。

これからも本作品と作者のモチベ維持をよろしくお願いいたします←


759 名無し@転生者の集い

そういやイッチの弱点って何やろ

 

760 名無し@転生者の集い

近距離特化マンだからなぁ。って言ってもリプレイ見た限り竜王のブレス耐えれてるからバインド系じゃないと時間的な足止めは無理そう

 

761 名無し@転生者の集い

ワイ、魔法系チート持ち。最大火力竜王様のアレと同等位なのにイッチに勝てる未来が見えない

 

762 名無し@転生者の集い

どっちかっていうと状態異常とかデバフガンガンやればある程度は対抗出来そう。…呪術師が接近戦だと無能だから普通にタイマンは捻り殺されそう。

 

763 名無し@転生者の集い

結構なチート俺らも貰ってるけど対1は無理前提なのやっぱり脳筋が最強なのか…

 

764 名無し@転生者の集い

視点リプレイ纏めスレでも話題になってたしな

 

765 名無し@転生者の集い

イッチ最強!最強は脳筋!

 

766 名無し@転生者の集い

イッチ嫁みたいな嫁が欲しい

 

767 名無し@転生者の集い

このスレもパッと見入り浸る人増えたよな

 

768 名無し@転生者の集い

立場チートのワイ、いい物を見せてもらったお礼の札束をイッチに投げたい。ついでに竜王のお肉食べたい

 

769 名無し@転生者の集い

>768 通貨共通じゃないんだから黄金でも持って行って差し上げろw

 

竜王のお肉…何か硬そう

 

770 名無し@転生者の集い

おーいイッチ嫁さんとのランデブーも良いけどそろそろ顔出してくれ!

 

771 名無し@転生者の集い

今回の帰省ってイッチの武器創りに行くんやろ?…イッチの防御だいたい貫通してた爪は何になるんやろか

 

772 名無し@転生者の集い

イッチのメイン武器は骨から削り出した槍って決まったもんな、無難に剣とか刀とかじゃない?

 

773 名無し@転生者の集い

骨そのまま振り回して鏖殺するイッチ見たかった…

 

774 名無し@転生者の集い

あの鬼畜野蛮人嗜好の奴もよう見とる

 

775 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ᐕ)ノやぁ

 

776 名無し@転生者の集い

あ、鬼畜騎士

 

777 名無し@転生者の集い

イッチ乙。ちゃんと実家着いたか?

 

778 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ちゃんと着いた。

 

なんか身体能力上がってるみたいだからずっと走って感覚確かめてた。これがレベルアップってやつなんか!?

 

779 名無し@転生者の集い

【朗報】イッチ、まだ全盛期じゃ無かった

 

780 名無し@転生者の集い

【悲報】対イッチ想定スレ、脅威の上方修正必須

 

781 名無し@転生者の集い

大丈夫だろイッチより強い敵って竜レベルしか居ないから今回みたいなコト滅多に起こるはずない…無いよね……?

 

782 名無し@転生者の集い

???「大いなる力には、大いなる責任が伴う」

 

783 名無し@転生者の集い

待て、イッチが成長したのは良いんだ。…想像だけど、イッチもしかして周り馬に乗ってるのにそれと同じスピードで走ってたの?

 

784 名無し@転生者の集い

そういやイッチが嫁ぐ時馬だったよな…

 

785 貞操逆転世鬼畜騎士♂

そうやで。空は飛べんけど身体強化すればそのくらいのスピードは出るねん。

 

786 名無し@転生者の集い

馬より早く走って槌持って突っ込んでくるイッチ……

 

787 名無し@転生者の集い

流石はイッチやぶっ壊れとる(白目)

 

788 名無し@転生者の集い

まぁ竜王様と真正面から殴り合って勝ってるから今更…

 

 

 

 

 

 

「カイン!キツくなったら何時でも言えよ!」

 

「分かっている!」

 

「カインは凄いなぁ。」

 

 

姉弟に敬語等はありはしない。カレンとアリサは馬で駆けながらもその前を自らの脚で地面を踏み締める弟(夫)の背中を見やった。

 

鍛錬や戦場では無いのだ、大弓も、鎧も身につけておらず動き易い薄手の衣服を纏っているだけだ。

 

ただ、我らの愛馬である軍用馬よりも速く走られては苦笑いが止まらないのは仕方ないのだ。

 

カインの肌を一番見て触れているアリサには彼の変化がわかっていた。

 

肉体が締まって居るのだ。大きさも、優しさも変わっていないのに、筋肉の質量だけが増えたような…。

 

魔力もそうだ。この世界の常識として強い肉体と精神にはそれ相応のモノが宿るとされている。

 

ひょろひょろの魔術師など居るわけが無いのだ。ひょろひょろならば、それ也の魔力しか入る場所が無いといえば良いのだろうか。

 

肉体は器である。ならば器が物理的に広がったのならばそこに満たされる魔力の総量もその分増えるのが必然だろう。

 

カインの得意な身体強化を身体に纏っているのは分かるが、もうすぐ子爵家である。カインのスピードは落ちるところか上がっているようにも感じる。

 

せっかく相乗りをしたかったのにとアリサは残念がりながら、帰りに強請ろうと心に決めた。(馬が不憫である)

 

カインにしてみれば半年しか離れていなかった自領である。懐かしさなんてない道を全力疾走して行けば、実家が見えてきてしまった。

 

息が多少きれている程度。子爵領までの50~70kmを馬のペースで走ってそれだけである。

 

普段の基礎練を真面目にやっている騎士団に真っ向から喧嘩を売る。否、全多重世界のスポーツを頑張りマラソンや体力作りが大変なスポーツマン全員を敵に回す「体力無限」の四文字。まさに超人である。

 

「おかえりぃ!!!!!」

 

カリンと共に馬小屋までアリサを案内してから向かう先は勿論子爵家の建物である。

 

鈴を鳴らせばドタバタと走って出て来るのはシューレゲル家現当主であるノエルである。

 

公爵家の様な上の方の貴族となれば出迎えるのは執事長などであろうが、子爵家はそんなに裕福では無い。執事は居るには居るがそんな玄関に一日置物の様に立たせておく余裕など無いのだ。

 

180あるノエルの突進をなんの構えも無く受け止めて親子の抱擁を交わしてから、アリサを改めて紹介した。

 

当然の如くノエルも知っている。アリア・ファロスがカインの事を子供の頃から知っているように、小さい頃からの交流によりアリサの事を知っているのだ。

 

まぁ、そんなことで親戚の子が来たようなテンションでノエルはアリサに絡み付いてゆく。

 

「カイン、元気そうで良かった。」

 

「父上もお元気そうで。お庭の手入れは順調ですか?」

 

カインの父、アーク。身長は158と小柄に感じるかもしれないが160がこの世界の男の平均値である。

 

なんなら165を超えている男は大きい部類に入る。カインはこの枠組みから超越してしまっているのでみんなカウントしていない。ただの逸脱人である。

 

「危ない橋を渡ったんだ。その武器が出来るまで鍛錬とか頭から無くしてゆっくりしていきな。」

 

ノエルが暈して伝えたからとはいえ竜王との決闘を危ない橋止まりである。アークはカインについてある意味での信頼があった。何の包み込みも無い言葉で言ってしまえば男として育てる事を諦めているのである。

 

4歳の時に成人用の鉄剣を振り回し始めた頃から頭を痛めていたが長女であるカレンがカインに勝てない事が判明した辺りから、カインに対する態度は女と同じ様になっていた。

 

竜王の素材はリーナが護衛してくれて居る。夕方頃には着くだろう。それまでゆっくりお茶でもしていきなよと、アークを先頭にテラスへと語らいの居場所を移して行った。




諸々して頂くと私のやる気に繋がります。良かったら高評価ポチッとお願いします。

次話は一旦登場人物纏めになります。段々増えて来ているのでちゃんと纏めないと作者も分からなくなるのが創作の大変なトコ


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本作品登場人物纏め(~6話現在まで)


多分読まないと今後の展開にいきなり魔法の固有名詞が出てきた時に分からなくなります。適当でも、分からなくなったら戻ってきても良いので目を通して頂くとわかりやすいかなと思います。


追記更新ではなく作者すら登場人物が分からなくなりそうになったら随時書いていく臨時の避難場所です。名前が出てて、書かれてない子いましたら教えてください。書きます


カイン・シューレゲル→カイン・ファロス

地位: 子爵家長男→伯爵家騎士団団長

年齢: 18

身長体重:190、190

所有魔法: 【国士無双】自己強化と自己回復を併せ持った脳筋固有魔法

容姿:バカほど太い首持った青眼黒髪。顔レベルは今の日本基準で中の上。

 

転生特典

①体力無限

②武芸百般

③超人体質

 

言わずと知れた今作の最強枠でありイッチこと主人公。脳筋中の脳筋。誰が見ても超人そのもの。痛みは気合いで耐えて自己回復で再生すればもう痛くないよ!竜王の素材を安価に差し出した生粋のバカ。ある意味天然。良識のあるスレ民にあの後注意レベルだが怒られた。

 

 

アリサ・ファロス

地位:伯爵家長女、次期当主

身長:182

年齢:23

所有魔法:【クインテット】火水風土の4種類の属性魔法に加えて「音」の固有属性を含めた五属性所有者。

容姿:姐さんって呼ばれるの似合いそうな金髪ポニテ美人。体型は身長相応

 

今作のヒロイン、メインヒロインじゃないのはアリサ以外にヒロインを出す予定が無いから。性格良くて頭も切れて旧騎士団長だから戦闘力も保証されてるガチ最優ウーマン。イッチには過ぎた嫁。だけどイッチが尖りに尖ってそれが突き抜けすぎてるから釣り合って何だかんだお似合いである。

 

 

 

アリア・ファロス

地位:伯爵家当主

身長:179

年齢:44

所有魔法: 【烽火】火属性と「塵灰」の固有属性のデュアル

容姿: 金髪をバッサリと肩より上で切り揃えてアリサをちょっと老けさせた感じ。

 

アリサがファロス家騎士団長になる以前はアリアが当主と兼任していた過去を持つ生粋の戦人。アリサが万能型ならばアリアは火力と撹乱特化である。全盛期ならば今のアリサよりも戦闘能力は上だった超人に片足突っ込んでた人。

 

 

ノエル・シューレゲル

地位:子爵家当主

身長:180

年齢:40

所有魔法:【聖歌】水属性と「治癒」の固有属性のデュアル。歌う事により効果上昇の特殊パッシブ持ち

容姿:長いストレートヘアをもつ青眼黒髪の美人。良い年齢なのに固有属性のせいかまだまだ女現役である。

 

治癒は自他関係無く傷を癒すモノでありカインにその半分が遺伝として受け継がれた。カインを遮らず拒むこと無く才能を伸ばすことに注力した最強の母親。カインの婚活が大変になる前にファロス家と婚姻契約を結んだ交渉上手な強かさも併せ持つ。

 

 

カレン・シューレゲル

立場:子爵家長女、次期当主

身長:176

年齢:21

所有魔法: 【断罪】「罪と罰」、「鎖」の固有属性2つ持ち。

容姿:ふわふわの黒髪を短めにカットしてる。瞳は銀の様な白色。どっちかというと可愛い系。

 

シューレゲル家の特徴を今世紀一番体現している子。敵対対象を悪と断定する事による「天誅」の適応と彼女の魔力が尽きない限り周囲に個数制限無く無限に展開される鎖が特徴。1人で数千の対軍レベルならば蹴散らせるシューレゲル家が誇る英雄が一。それでもカインに勝てません(諦め) 冤罪バックドロップかましてるのにダメージ入らないんだけど!?

 

 

リーナ・ベルフォ

立場:ファロス家騎士団副団長

身長:183

年齢:26

所有魔法:【烈風】風属性と「鎌鼬」の固有属性を持つデュアル

容姿:黒髪ストレートを邪魔にならないように後ろで束ねている細身の和風美人。

 

細剣の使用者。弓の名手でもある。スピード重視の戦闘スタイルながらイッチにあまりに惨敗した為重さと速さのバランスを日々研究していたりする。

 

 

 

アーク・シューレゲル

立場:シューレゲル家当主の夫

身長:158

年齢:37

所有魔法:【豊作】「恵み」の固有属性保有者

容姿:黒髪銀目。若作りで未だに可愛らしい格好をしている。髪の毛フワッフワ

 

領内の農業を一手に担う内政最強のイッチパッパ。そしてこの世界の男の身長は160である。パッパ全然身長低くないんだ。イッチがデカすぎるんや。

 

 

スレ民

「対貞操世界鬼畜騎士♂想定スレ」「おまいらが知ってるお似合い転生夫婦書いていけ」等の他スレにおいてもイッチの事を話題に上げている。

最初はイッチの天然さとイッチ嫁の有能さを見せつけられた為イッチに厳しいスレ内容となっていた。次第にイッチのヤバさを感じ始めたスレ民達は態度を軟化させながら、イッチのぶっ飛んだお知らせや相談を楽しみに待っている。




高評価ぽちぃ゛!感想どーん!欲しかったりします。よろしく!


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男女水入らず【ロテンブロ】

皆んな読んでくれるんなら書くしか無いやろ!!!ほんと書き始めて1週間も経ってないのにありがとうございますm(_ _)m

小難しいことは前半だけなので我慢して読んでね。


この世界の人類の魔法というのは火水風土の四つで構成される所謂「属性魔法」と言われるものがベースとなって構成されている。

 

魔法とは竜種を中心とした高位種族が扱う「概念」に干渉する「属性魔術」を魔力を用いての再現である。

 

多くの多重世界において詠唱は魔法にとって必要不可欠なものだったりする。それを破棄したり重ねて唱える事により即効性や威力の上昇という汎用性の限りなく高い万人に扱える「魔法」となったりしている。

 

イッチが転生したこの世界においての基盤は「概念干渉による結果の発露」である。そこに詠唱なんていう陳腐な時間のかかるモノは必要無い。

 

逆に言えば使い手に全てが依存するのだ。器の大きさ、想像力、発想力、決断力、創造力…etc。

 

魔法はその模倣である。ならば詠唱が不要なのは必然である。

 

人類は肉体強度や純粋な生存競争で言ってしまえば平均以下である。貧弱なのだ。鍛えなくとも筋骨隆々なゴリラのようには絶対に成れない。鍛え、人類の中で超人と呼ばれる上澄みになれたとしても平均なのだ。

 

故に、人類が神と呼び二柱の竜神と共に天地創造を為したナニカはニンゲンの高い知力に目をつけた。

 

野生の魔物や竜などが10万分の1程度で発現する「固有魔術」。概念に干渉する基本魔術とは異なる埒外の力を持つ能力である。発現した時点で赤ん坊だとしてもその種族の長として認められると言えばその規格外さが分かるだろう。

 

そのナニカは固有属性を「固有属性魔法」という形に押し込み100分の1レベルに弱体化した。その状態で人類に祝福という形で授けたのである。

 

 

これがこの世界で差別が無い主な理由である。人類は等しく1つは神から賜ったモノを貰っている。それを必要以上に辱めるのは神への反逆である。

 

それが当たり前であり不変の常識なのだ。だからこそイッチは異端でありながらも大切に育てられ、皆から受け入れられているのである。

 

 

 

 

アーク・シューレゲルは元々王都に近い男爵家の生まれであった。男爵家と侮るなかれ。

 

シューレゲル家は「一定確率での固有属性魔法の複数持ち排出」という血筋である。

 

アークの実家は血筋全体的に「作物」にとってプラスとなる固有属性魔法を三代続いて排出したが為に一代限りの男爵から永世貴族へと平民から成り上がった過去を持つ。

 

 

故にアーク自身幼少期からひっきりなしに婚約の話が持ち上がっていた。家自体も固有属性のおかげで下手な伯爵に匹敵する土地が王家から与えられていたが故に結婚という強い縁を求めている家は国中数多であった。

 

数多の婚約候補者から選ばれたのがシューレゲル家のノエルであった。

 

固有属性魔法の中でも珍しい「治癒」回復系統所有者であり、婚約交渉も使者では無く当人が乗り出してのやる気の見せようであったという。ならばアークの領地や身内に作用する「恵み」の固有属性魔法でも釣り合うと判断されたのだ。

 

そんなアークが腰を落ち着かせる子爵領内には温泉が湧き上がっていた。農地に影響は出ないが通うのにそんなに遠くない。そんないい塩梅の場所。

 

これがアークの曖昧ながら悪い様には絶対に転ばない固有属性魔法の力であった。

 

残念ながら子4人には受け継がれなかったがその血はしっかりと次世代のシューレゲル家に根付いた。

 

 

 

「露天風呂!?貸し切り!?」

 

「シューレゲル家で管理してるからね。早めから告知出しとけばこうして身内だけで使えるんだよ。」

 

「久しぶりだな」

 

上からアリサ、ノエル、カインの言葉である。

 

竜王の素材を護衛して運んで来たリーナを待った後に、女5男2で露天風呂へ足を向けた。使い終わればその後は普通通り一般解放である。

 

シューレゲル領内の癒しであり慰安事業の一つの目玉。流石に貴族用と領民用は場所自体が違うのだが根本的な水質等は一切変わらないものである。

 

「さて。アリサ、あとはリーナさん。居らっしゃい。ここにいる間は身内だと思って過ごしてね?アリサは身内になったんだけど。」

 

「ノエルさん、ありがとうございます。」

 

「子爵様、ありがとうございます、ノエル様とお呼びさせて貰っても宜しいでしょうか…?」

 

「良いのよそんな。リーナちゃんは様付けなんかしなくていーの。」

 

「それでアリサさん?カインはどう?…抱かれてどうだった?」

 

「…ぶふっ!?!!」

 

真面目な雰囲気はそこそこに女だけで集まったら何をすると言われたら猥談である。男が居ないのだ、実の親が目の前に居たとしても気にするようなもんじゃない。

 

「うちの弟は絶対女の方に思考が寄ってるのは昔からわかってた事だもの。将来の立場はアリサが上だけど義理の妹なんだから、今はキリキリと吐きなさい?…昔は可愛い子を搾り取りたいなんて言ってたけど現実はどうかしら?」

 

「……………」

 

「んふふ、私も聞きたいわ?」

 

「……カインに、負けました。カインに手加減してもらわないと腹上死するから、毎日の相手なんて出来なくて…。おかしいでしょ!徹夜で10発も出して私が腰痛めて寝込んでるってのにカインは普通にリーナ達と一緒に基礎鍛錬やってるの!あの体力おばけ!鬼畜!カイン!」

 

「あらあら、あの子の有り余る体力は夜も健在なのね?」

 

「アリサ、大丈夫。歳下の異性が自分の持てない重さの剣一日中振り回してケロッとしてるのずっと見てきたから何時かはそれが当たり前になるわよ。」

 

「はぇ~、やっぱり団長凄い…」

 

リーナだけは話に入れていないようであったが、ゆっくりとした気持ちの良い時間は半分以上がカインについての話題で過ぎていった。

 

 

 

「僕は男爵家から出て来てからずっとこの子爵領に居るって決めてるからね。カインが伯爵領について教えてくれないかい?」

 

「そうですね…────」

 

二人きりの男風呂は女風呂と比べてしまえばこじんまりとした大きさ。然しこの程度が調度良い。

 

スレではワイとか使っているカインではあるが私、僕、俺と話す相手によって一人称を使い変える事くらいはやっている。

 

女風呂のわちゃわちゃした感じは一切無く、久しぶりに女抜きで息子と話せている父親は満足そうである。

 

カインも肉親を前に肩肘張らずに思うが儘に言葉を紡いで行く。

 

「カイン、お前は強い。母さんやカレン達よりも。だけど一人の私の子だ。一人で解決出来なかったら僕や皆に相談して頼るんだよ?それは伯爵家でも同じ。リーナ君や頼れる騎士団が居るんだ。頑張りすぎないように。」

 

口数少ない会話の中で、そうアークがカインに向けて言葉を送ればこくりと一つの相槌を打った。

 

幾つになろうと親は親、子は子である。

 

成人して嫁いだ超人。竜王に打ち勝った正真正銘の人類の頂点であっても、それは変わらない。それだけである。




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日間総合1位記念「対貞操世界鬼畜騎士♂想定スレpt2」

初の日間総合1位ありがとうございます!評価バー赤になるのも初めてだし高評価感想お気に入り登録してくださったみんなのおかげです。ありがとうございます!

短めですがお楽しみください。


1 名無し@最強になりたい

・ここは脳筋鬼畜騎士♂こと→ https://syosetu.org/novel/303875/ イッチの倒し方を考えるスレです

・前スレでは「暗殺」が想定としては対1戦闘の最有力候補に上がったので、このスレでは対2~3人以内で真正面から打ち倒すことを議論の条件とする

・転生特典の開示はしっかりお願いします。全員別世界の為解釈に差が出ないようにしましょう。

 

2 名無し@最強になりたい

立て乙

 

3 名無し@最強になりたい

前スレ全部消費して出た結論が寝込み襲って暗殺するってそれでもおまいら転生者か

 

4 名無し@最強になりたい

>2乙あり

イッチが強すぎるのがあかんのよなぁ

 

5 名無し@最強になりたい

ちゃんと鬼畜騎士♂って言えw

まぁあのスレに居たらイッチて言っちゃうのは分かる

 

6 名無し@最強になりたい

話題脱線してるって。

で、今回は真正面からか。…3人じゃ足りなく無い?

 

7 名無し@最強になりたい

対1なんでもOKの時だって無理無理言いながら出てきたんだから今回も出てくるやろ!おら!案出せ!(他人任せ)

 

ワイ、聖騎士。魔法オート反射する鎧、筋力2倍、貴族として高めな地位やで。

 

8 名無し@最強になりたい

>7言ってる事と特典噛み合って無さすぎるやろwww

 

ワイは呪術師。魔力呪力置換、呪術創造、呪術消費呪力半分

 

.

.

.

.

.

 

782 名無し@最強になりたい

それじゃ今の所のイッチ討伐のやり方は

 

・魔法無効ネキでイッチの再生能力の無効化

 

・聖騎士ニキと剣聖ネキで魔力に頼らない真正面からの連続攻撃

 

・隙を見て魔法無効ネキがブスッ。

 

……魔法無効ネキがこのスレ見てなかったらどうなってたんやろ

 

783 名無し@最強になりたい

これもイッチの「竜王と戦ってみた」がバズったおかげやで。1分で再生回数100増えてくんだからヤバい。

 

この頃落ち着いてきたけど管理者のモン○ン風加工技術ヤバくてそれでもスレ何個か立ってたよな

 

784 名無し@最強になりたい

>782纏めあり乙。

 

これで君も竜王狩り!って謳い文句が内容で全部台無しになってるのすら気にならないレベルでヤバい。

 

785 名無し@最強になりたい

初っ端から真似出来ないって事実叩きつけられるからな。それはそれとして憧れるわ。

 

786 名無し@最強になりたい

イッチはヘラクレスかなんかなん?

 

787 名無し@最強になりたい

ヘラクレスレベルなら無傷の竜王行けんべw

 

何とも言えんけど転生前の神話とかで謳われてる英雄と遜色は無いわな。転生特典持ってるワイらの9割が勝てない言うてるんやから

 

788 名無し@最強になりたい

転生特典と所有魔法の噛み合わせまじでどんな確率だよあれw

まぁ所有魔法が普通だったとしても今より尖ってないだけで英雄レベルに変わりは無いか

 

789 名無し@最強になりたい

少なくとも今より絶望感は無いはず(そうであってくれ)

 

790 貞操逆転世鬼畜騎士♂

(・・)⊃ヤァ

 

色んな転生特典があるんやねぇ。ちゃんと一貫してるからスタイル悩まなくて済みそう。

 

791 名無し@最強になりたい

!?!?!?

 

792 名無し@最強になりたい

イッチ!?!?

 

793 貞操逆転世鬼畜騎士♂

野蛮人ニキにこんなスレあるよって教わったから来てみたよ〜

 

みんな真剣に考えてて楽しそう

 

794 名無し@最強になりたい

自分の倒し方を考えてるスレ見て楽しそうって感想は多分違うぞイッチ

 

795 名無し@最強になりたい

イッチどっかのスレで天然かもって話でてたから…

 

796 野蛮人ニキ

やっほ~みんな見てる~?イッチ連れて来たよ~

 

797 名無し@最強になりたい

良くイッチと連絡ついたな

 

798 野蛮人ニキ

個人連絡見てないだろうからイッチスレで直接教えといた

 

799 名無し@最強になりたい

おいwwwやっぱり野蛮人じゃねぇか!感心した俺の気持ち返せ!

 

800 名無し@最強になりたい

管理者さんこいつです

 

801 管理者

>796 >798 確認しました。24時間ログイン制限をNo. 36546698「野蛮人ニキ」に適応しました。

 

802 名無し@最強になりたい

 

803 名無し@最強になりたい

草原

 

804 名無し@最強になりたい

大草原

 

805 名無し@最強になりたい

 

806 名無し@最強になりたい




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多重世界の説明及びその世界観

アンケートに沢山の御協力頂きありがとうございました。題名は変えないまま投稿を続けます。今後も題名長ったらしい作品と脳筋鬼畜イッチのことをよろしくお願い致します。


今回は説明回になります。オリジナル作品において世界観の根底の明確な形成と提示が一番の肝であり難所だと考えています。頭の中では完璧だが少し書いてみると矛盾がすぐに出てきたりと中々難しい部分です。

先日イッチやスレ民が転生した多重世界について感想の返信で言及しました。せっかくですので読んで下さる方が全員把握出来るように纏めましたので1話使い説明させていただきます。

これを読むだけで作品の理解が一段と深まるかと思います。作者の頭の中にあるモノを文字にしている都合上かなり分かりにくいかと思います。ご了承ください。でもお前ら好きだろこういうの


【多重世界の基本的な情報】

 

・前提として転生者の数だけ異世界と呼ばれる多重世界は存在しており、一つの世界に一人の転生者が原則となる(転生者が死ぬと空席となり他の転生者が受け入れ可能となる形)

 

・世界と世界の境が曖昧な場合なにかの拍子に連鎖的な多重世界崩壊の可能性が捨てきれない。それを恐れた神みたいなナニカは、多重世界の上位下位を明確にする事によって世界の外殻を強くし、事故を防いでいる。

 

・管理者のログでも出たように転生者は数字で割り振られている。同じ様に多重世界も一つ一つ数字が与えられて管理されている。

 

・一つ上の世界と一つ下の世界では意識したとしても明確な上位下位世界の認識は不可能。然し何千何万と重なれば紙が分厚く重く持ち運べなくなるように、最上位世界と最下位世界では覆せないような差が世界単位の根底に存在する。

 

・魔力を用いた魔法という共通的な異世界的キーワードは全多重世界に存在している。上位世界、下位世界の明確な差はそこに住む人類の「魔力への干渉力」にある。

 

・詠唱が必要な世界は全体から見ても7割を超えてくる。それは自力ではどう足掻いても魔力をイメージ通りに形に出来ないという意味を持つ。この世界が大まかな括りによる「下位世界」となる。

 

・魔力への干渉をサポートしてくれるのが詠唱である。然し、全体から見た2割強の世界は詠唱に頼らずとも自力での魔力操作を可能とする「魔力への干渉力」が高い世界である。この2割強の世界が「上位世界」となり、その中でも細かく上位下位と序列が決まっている。

 

・詠唱が必要であれば下位世界、詠唱が不要であれば上位25%程度の上位世界と覚えて欲しい。

 

・自然的恩恵である4大属性(火水風土)は多重世界の魔法の根底にある為上位下位関係無く存在しているが、その発動方法+αで大体の階梯は把握できる。全人類に固有属性魔法が与えられているイッチの世界は上澄みの上澄みと言える。

 

 

・転生特典は一貫性がある通りある程度転生者本人の意思に委ねられ与えられている。そこに相性はあれど明確な差は無い様にされている。どこで差が付くかと言えば上位世界か下位世界かにある。上位世界に転生すればする程転生特典の強度は上昇していき、下位世界に転生すればする程転生特典の強度は下がって行く。それはその世界に転生者という異物を馴染ませるために必要なプロセスであり、完全にどこに転生するかは膨大な世界がランダム入った闇鍋ガチャである。

 

・イッチが強いのは転生特典の強度が上位世界に合わせて上昇している+魔法発動プロセスが上位世界特有のものだから根本的出力がスレ民の大半と違うからにある。

 

・何度も記載する様に多重世界が互いに干渉する事は不可能であり、他世界については管理者が運営するスレ及び動画投稿サイトのみで転生者だけが確認出来る。故にどれだけスレ内で転生特典に差を感じたとしてもその世界で転生者本人の希望通りに生きれる力を手にした事には代わりが無い為ある種の娯楽としてみんな楽しんでいたりする。

 

 

 

【世界観】

 

・現代の日本が基盤となりそこから転生者が誕生している。その転生者達がアクセス出来る掲示板と、貞操逆転鬼畜騎士♂と呼ばれるイッチに焦点を当てた物語である。

 

・転生先の世界観は古代~未来まで様々。人類滅亡が起こった場合、世界管理者によりその世界は削除され似たような別世界と入れ替えられる。

 

・全ての世界で魔力、魔法がある事が確認されている。

 

・イッチの転生先は中世ヨーロッパベースに創られた典型的な貴族社会の外側にある未開拓地に魔物が蔓延る世界。人類:魔物の土地割合は4:6程度と国同士の争いよりも協力して魔物が支配している土地を切り開いていこう。といったものとなっている。

 

・貞操逆転と言うだけあり女が男の1.5~2倍居る世界である。進化の過程で子を産む女は強く在らねばならず、男は護らなければ。と、男の数が減ってきた時期から男女の立場が逆転した。今では女性の方が男性より平均身長が10cmも高いことが判明していたりする。

 

・貴族の当主が女である事が分かるように99%女社会である。イッチの様な例外は居るけれど跡継ぎに男しか生まれなかったりしない限りは女がトップとなる様になっている。




私個人として色々な他作品の多次元世界、並行世界の解釈だったりを取り入れて世界観を作ったので紛らわしいような部分絶対あります。よく分からなかったら質問してください。応えられる限り答えます。ガバい所も絶対ありますので指摘もお待ちしております。

感想高評価して頂きますと作者のモチベに繋がります。よろしくお願いいたします。


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王都精霊編
鬼畜騎士、新しい武器を作ってもらう【タノシミ】


番外編と小難しい話が終わりました。待たせてしまったかもしれません。本編再開で御座います。よろしくお願いいたします。

質問が来ていたので前書きで回答を共有します

Q .設定見たけどこれ元の転生者居た日本というか現代世界は強度どんなもんなんやろ

A .多重世界の元となった基礎的な世界が私達が過ごしている世界になります。明確な番号で言えば零、又はNo.A0です。ただしこれは世界の区別番号に過ぎず、現実世界(転生前の世界)に強度といった指標は設定出来ません。

転生者と転生特典を多重世界に適応させる過程で扱う数値のことを「強度」といった名称をつけて呼んでいるだけです。〆


感想欄で質問して頂ければこうして回答させていただきます。よろしくお願いいたします。


1 名無し@転生者の集い

今日からイッチの武器が出来るんか

 

2 名無し@転生者の集い

いや、頼むところからやろ

 

3野蛮人ニキ

持ち手付けるだけなら今日中じゃない…?

 

4 名無し@転生者の集い

安価で決まったんやから野蛮人ニキは話掘り返さないのw

 

5 名無し@転生者の集い

イッチの純粋な暴力も魅力的ではあるんだけどそのせいで武芸百般目立ってないしな、そろそろ拳以外の技術バリバリの接近戦みたい。

 

6 名無し@転生者の集い

普通の武器だと手加減しないとぶっ壊れるのは単純に不憫なんよ

 

7 名無し@転生者の集い

遠距離は弓、中近距離は槍、超近距離は拳…うん、最強だな。

 

8 名無し@転生者の集い

装備も作るって言ってたし…あれ?対イッチ想定スレ民生きてる?

 

9 名無し@転生者の集い

普通のイッチですら半分無理ゲーなのに…ま、まぁ暗殺は変わらず効くから…(震え声)

 

10 名無し@転生者の集い

イッチが無双してる視点動画で許してやらんこともない

 

11 名無し@転生者の集い

>2 どうせイッチマッマが先に通達出してるやろ

 

12 名無し@転生者の集い

冷静に考えて竜王の素材やろ?加工出来るんか?

 

13 名無し@転生者の集い

まぁそれは確かに

 

14 名無し@転生者の集い

イッチの腕力で壊れないやつ作ったんやからどうにか出来るんやろ。知らんけど

 

15 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ᐕ)ノやぁ

 

今から嫁と一緒に鍛冶師のトコ行くよ

 

16 名無し@転生者の集い

お。

 

17 名無し@転生者の集い

イッチぃ!

 

18 貞操逆転世鬼畜騎士♂

せっかくだし鍛冶師スペック書いとこうと思って

 

19 名無し@転生者の集い

イッチ有能やん

 

20 名無し@転生者の集い

出来たら見た目も!

 

21 貞操逆転世鬼畜騎士♂

それじゃ先に→ https://syasin./………

 

22 名無し@転生者の集い

眼帯!?

 

23 名無し@転生者の集い

赤髪ツインだと!?

 

24 名無し@転生者の集い

エルフ耳きちゃァァァァァァ!!!!

 

25 名無し@転生者の集い

…ッふぅ。イッチの世界は美女揃いだな

 

26 名無し@転生者の集い

>25 抜いてんじゃねぇよwww

 

27 貞操逆転世鬼畜騎士♂

で、スペックね

 

名前:レジィ。ワイはレジィばぁって呼んでる

年齢:数えてないみたい。

種族:精霊様

特技:鍛冶とか色々。ワイの弓槌作ってくれた人

容姿:写真のまんま。スレンダー赤髪ツインエルフ耳

 

ワイが産まれた頃からなんか居たらしい。精霊様だし悪いことはしないから領地の一角に普通に住んどる。

 

28 名無し@転生者の集い

よーく分かってないぞ。イッチちゃんとその精霊様について話すんや

 

29 名無し@転生者の集い

なんかスペックと容姿だけ見るとワイらが知ってる精霊と違うな

 

ワイのとこはちっこくて良く意地悪する様な…ワ○ピのトン○ッタみたいなやつ

 

30 貞操逆転世鬼畜騎士♂

一般教養でそんなに精霊様について掘り下げ無いんだよな。…よし本人に聞こう

 

31 名無し@転生者の集い

生き証人居るじゃねぇか精神で凸していくイッチwww

 

32 名無し@転生者の集い

イッチ不興買うなよw

 

33 貞操逆転世鬼畜騎士♂

聞けた

 

34 名無し@転生者の集い

ぐう有能

 

35 貞操逆転世鬼畜騎士♂

 

・精霊種に年齢って概念は無いと思ったら良いらしい。竜と同じだって。

・下位、中位、上位に精霊は分かれてる。

・レジィばぁは上位精霊に該当する。

・下位は付喪神、中位は八百万の神、上位はワイらが良く知ってる権能持ちの「神様」相応。レジィばぁの話聞いた感じで例えてるからちょっと違うかも?

・レジィばぁの権能は「武具製作」系統らしい。鍛治以外にも沢山持ってるから分かんないけど本能で使えるから覚えなくて良いみたい。

 

こんな感じだった。結構顔見知りだったけど…初知り情報結構あってワイも混乱してきた。

 

36 名無し@転生者の集い

ワイもちょっと混乱してる。

 

37 名無し@転生者の集い

権能持ちがそこら辺歩いてる世界…ッてこと!?

 

38 名無し@転生者の集い

流石にそんなポンポン…無いよね?( )

 

39 名無し@転生者の集い

どっちかって言うと神話の世界みたいだなイッチのトコ。伝承じゃ無くて実際精霊って名前の神様が身近に存在してるんやろ?

 

40 貞操逆転世鬼畜騎士♂

そう言われたらそんな感じ…?

 

41 名無し@転生者の集い

当人分かってなくて草

 

 

 

 

カインからレジィばぁと呼ばれている上位精霊はノエルからの連絡を最初一切信じようとはしなかった。

 

竜なら分かる。創ってあげた弓は使った素材としてはまぁまぁだったし槌に至っては竜狩り出来るくらいの出来だと自負していたのだ。

 

竜王となると話が全て変わってくるのだ。竜は1000.2000位なら普通に居るだろう。だが竜王はその中で20も居ない。戦闘系魔導を持つ上位精霊と引き分けるレベルである。言葉をあえて抑えないのであれば間違ってもカイン如きが戦って勝てるような相手では無いのだ。

 

この意見は竜や竜王と同じ階位に居る上位種族だからこそ分かることなのだ。

 

故に、目の前に置かれた柄の部分まで爆発して融解した様な槌の残骸を見て、竜王と分かる爪や骨を見て。漸く現実を受け止めたのだ。

 

「坊や、良く死ななかったね。竜王との決闘をする奴なんて地位を狙った竜か同じ竜王、儂と同じ上位精霊位しか思い当たらなかったよ。」

 

「火力が足りないと思った、か。正解だよ。竜を殴り殺せる武器は創れたけど如何せん素材がお粗末さ。儂が忠告しておいたのに無理やり魔力流し込んだらこうもなるだろうね。まぁ、聞く限り原因はそれだけじゃないけれど。」

 

「それで?何を創って欲しいって?ンふふふ、竜王のモンなんて儂でも2回目だよ。坊やが昔使って使う度にガタガタになる様な片手間で出来るようなやつじゃ無い。全身全霊で創ってやる。ほら、早く言いな。」

 

 

テンションが高い。こんなレジィばぁは見たことなかったけれど、良いのだろうか

 

「良いも悪いも儂はあんたが生まれたからここまで来たんだ。良い空気良い水良い飯…そんなの二の次さ。坊や、覚えときな。上位精霊ってのにはちゃんと欲があってそれに素直に動いてるッてな。今の儂にとっては坊やの武具が創れる。それが何よりの愉しみじゃ。良かった、蒼穹にお前さんが行かんくて本当に良かった」

 

蒼穹。聞くのは2回目だ。竜王ウーサー、それに目の前のレジィばぁ。何だろう?

 

「竜神、それと同じ階位に居る何かが認めたモンが肉体と魂が離れた時に魂が行けるトコさね。竜王と決闘なんてしたんだ。儂の知る限り人間だと初めてじゃないか?竜王に負けたって相打ちだって、坊やは蒼穹に行ってたよ。儂が保証してやる。」

 

思ったより大それた所だった。ヴァルハラみたいな所かな?それよりも要望だ。口を動かしながらも彼女の目ははよ言えと伝えてきている。

 

「俺に槍を。骨を使って欲しい。それに鱗とかで俺の鎧を。それに、爪で剣を。同じもので良いから3つ。何かしら余れば、報酬として少しばかりだろうが置いていきたい。」

 

「まぁ妥当さね。…剣はどっかに贈るのかい?意匠だけは変えてやれるがね。」

 

「王家と、俺と、アリサ…俺の嫁用だ。」

 

「坊やの嫁かい。紹介するんならさっさとしてくれれば良いものを。さて、アリサ。儂はレジィ。坊やにある程度は聞いておろう?以上だよ。」

 

 

そう言いながら俺達が見えるように置いていた竜王の素材を手に取りながら涎を垂らし顔をデレデレとさせ、恍惚な表情を浮かべたレジィの姿を暫く2人で眺めていたカインとアリサであった。

 

 

「さて、槍くらいは今日持って帰りな。鎧と剣は3日だ。3日後に来な。」

 

「カイン、…本当か?そんなに早く…」

 

「鉄の武器なら片手間に一瞬で造ってたからな。…不思議ではない。」

 

「魔導ってのは大体そんなモンだよ。そんなモンって受け入れな。坊や、仕上げは手伝って貰うよ。あんたもね。」

 

「何をすれば良いのでしょうか?」

 

「坊やの弓や槌を見ただろう?ちょいっと細工をして魔力を覚えさせるのさ。そうすれば坊やがやった無茶も出来るくらい、武器は応えてくれるもんさ。安心しな、家宝にするってンならその時に外してやるよ。」

 

デレデレとした先程の顔とは違う真剣な彼女の瞳。武器の種類だけ聞けばそれ以上の要求を聞いてくれるのは装飾のみ。レジィが弾き出した形はその者にとって最適な形となる。

 

作業に当たり彼女の工房へと足を踏み入れた。魔法陣や幾何学模様が部屋の床から天所、壁まで描かれたある意味オーバーテクノロジーの部屋であった。

 

彼女が竜王の骨を台座に置けば、直ぐに作業は開始された。

 

傍から見れば何をしているか分からない時間が1刻程続いた後に、骨がぐにゃりと変形し始める。竜王の骨に彼女の魔導を含めた魔力を馴染ませるのに掛かった時間が30分である。

 

以前カインが使う為に頼んだ槌を作る作業に掛かった総時間は15分である。10分で創り上げて5分でカインの魔力を馴染ませた刻印を刻んだ。それをカインだけは見ているが故に、内心驚いていたりする。

 

更にそこから2刻。ひたすら骨であったモノは圧縮され引き伸ばされ折り畳まれを繰り返された。

 

レジィの額に汗が浮かぶ。こんな必死で、然し愉しそうなレジィばぁの顔を、カインは見た事が無かった。

 

1刻。形が出来上がる。大きな骨が全て圧縮され一本の槍として出来上がる。2mを少し超え、カインが扱いやすい様なモノへと創り上げられた。

 

元々の骨の色とは掛け離れた透き通った白い穂先に、滑り止めとして施された見事な持ち手。最後の仕上げは、カインの手に槍が握られてから本番であった。

 

重い。それが一番初めの感想である。この重さは必要だと本能が教えてくれる。これがあるからこそ本当の威力が乗るのだと。

 

「坊や、魔力をソレに仕込みなさい。装飾に沿うみたいに。…儂が手伝ってやるから確りと完成させようぞ。」

 

彼女も槍の柄に触れる。ゆっくりと、魔力の量と圧を上げて槍に込めようとして行く。

 

「もっと。もっと。」

 

レジィが催促する。そうして行く後に、「ストップ」と声が掛かる。

 

「それで少しばかり我慢していろ。」

 

有無を言わさぬ言葉に頷きながら耐えてきっかり15分。槍は完成した。

 

くるり、彼女が手を振ればそれだけで装飾に色が付く。その中でも竜を模した装飾の瞳には確りと竜王ウーサーの光が宿っていた。

 

 

「銘はどうするかのぅ?儂に委ねるか?そうかそうか。ではコレは『ブラン』で良かろう?」

 




精霊種

特徴:竜と同じく長寿の上位種族。ほぼ寿命といった概念は無い。中位、上位精霊となると実体を持ち、姿形は様々。然し独特の雰囲気は統一されている為一目で精霊様だと分かる。人類との距離が竜種よりも近い為中位精霊であっても言語を話せる場合がある。

階級

下位精霊:意思は無く自然現象に宿るとされている(実際居る)付喪神の様なもの。

中位精霊:殆どが獣、又は水の様な不定形である事が多い。日本で祀られている狐の様な立ち位置。魔物とは違い清らかな存在である。八百万の神レベルに下位精霊と中位精霊は存在している。

上位精霊:殆どが人間と同じ姿形をしているが獣耳が生えていたりしっぽがあったり鱗が生えていたりと様々。共通点はエルフの様な尖った耳と何かしら司るモノがある事。現代世界で神様と呼ばれる「ゼウス」だったり「アテナ」の様なモノがこの上位精霊に該当する。
司るモノによって人との関わりがあるかは様々。属性を司る上位精霊が人前に出てくる事は本当に稀。
一つの個体で複数権能が当たり前(光の権能持ちが聖属性の権能持ちみたいな)そのため上位精霊の数は100~200程度と考えられている。

精霊として権能は「魔導」と精霊は呼称する。竜が扱う魔術と同じくヒトには扱えない過ぎた力である。


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鬼畜騎士、完全装備【サイキョウ】

1日1話3000文字目標にしております。高評価お気に入り感想等是非よろしくお願いいたします


520 貞操逆転世鬼畜騎士♂

 

https://syasin./………

 

521 名無し@転生者の集い

お!もう出来たんか!?

 

522 名無し@転生者の集い

ワイ鍛冶師。視点リプレイ見たいんやけど許可してもらってもええかイッチ

 

523 名無し@転生者の集い

なんかうん、凄いな。凄いって言葉にしちゃっていいかも分からんけど。

 

524 貞操逆転世鬼畜騎士♂

>522 ○

 

因みに銘はレジィばぁが付けちゃったから安価出来んわ、すまんな。「ブラン」だって。

 

525 名無し@転生者の集い

竜王槍ブラン…ええやん

 

526 名無し@転生者の集い

厳密に言えば竜骨槍ブランじゃね?

 

527 名無し@転生者の集い

はいはいはい!ワイが希望したんやぞそれ!

 

血塗れた竜白槍(ブラッディ・ブラン)!いずれそうなるやろ!返り血で。

 

528 名無し@転生者の集い

厨二病乙

 

529 名無し@転生者の集い

イッチサンクス。

 

530 名無し@転生者の集い

とりあえずイッチのメイン装備は出来上がったか。他も今日中?

 

531 貞操逆転世鬼畜騎士♂

>530 3日後だって。

 

素材が上質な魔力をどれだけ含んでいるかで創れるようになるまでの労力が変わってくるらしくて、ちゃんとレジィばぁが本気の権能で作るから日にち掛かるらしい。

 

基準になるか分からんけどワイの前のメイン武器が15分、槍が3時間やで。ただの鉄の武器なら1秒位?

 

532 名無し@転生者の集い

ほーん。結構差があるな。ここまで来ると長いか短いか分かんない()

 

533 名無し@転生者の集い

権能使って通常武器1秒が竜王の素材になったら3時間やろ?……良く分かんない!!!

 

534 管理者

許可が確認出来ましたので視点リプレイを共有致します。→ https://douga./………

 

535 名無し@転生者の集い

管理者ちゃんサンクス。なんかURLシンプルになった?

 

536 管理者

日々拡張して進化しております。

 

537 名無し@転生者の集い

ちゃんを否定しないってことはちゃんを否定しないってこと!?

 

538 名無し@転生者の集い

意味わかんねぇよいw

 

539 管理者

性別的観点から見た場合私に性別は存在しません。

 

540 名無し@転生者の集い

ほえー。じゃワイらが女の子だと思い続ければ女の子になる???

 

541 名無し@転生者の集い

狂ってて好き

 

542 貞操逆転世鬼畜騎士♂

何かねぇ、この槍多分防御系の権能持ちの上位精霊の防御貫通して殺れるって教わった。やっちゃダメだよって言われたけど。

 

543 名無し@転生者の集い

完全に過ぎた火力イッチの手に渡ってて草

 

544 名無し@転生者の集い

防御姿勢時全攻撃無効のワイ真っ青

 

545 名無し@転生者の集い

無敵貫通属性ですね分かりました終わりでーす!!!(かッ○ー風)

 

546 名無し@転生者の集い

権能使ってるとこのリプレイ見たけどマジ意味わからん普通切り出したりする様なもんじゃないの!?

 

547 名無し@転生者の集い

ワァ……(思考停止)

 

548 名無し@転生者の集い

やっちゃダメだよwwwwww

 

549 名無し@転生者の集い

レジィ様良い性格してらぁ。

 

550 名無し@転生者の集い

これが権能ってやつか、そりゃイッチの腕力に耐える武器創れるわ。

 

551 名無し@転生者の集い

他も作るんなら楽しみ過ぎるやろ

 

552 貞操逆転世鬼畜騎士♂

めっちゃ楽しみ

 

 

 

『女は新しい良い武器が出来たら3日は上機嫌説』

 

コレはカインにも適応されていたらしい。子供が新しい玩具を強請り買ってもらった時の反応と変わらないのである。

 

父親に鍛錬は云々と言われたことは覚えているが槍を手に取った時には忘れた←

 

カインの父への言い訳である。

 

槍を貰って帰ってきた次の日には誰よりも早く起き長パン1本手に取って朝から晩まで嫁も家族もほったらかしにして領内の山の方へと槍試しに向かってしまった。

 

父親のアークだけが不機嫌であったがカインの気持ちが分かりすぎるアリサやノエルが筆頭に苦笑いしながらケーキや美味しい紅茶で機嫌取りをしていたのは傍から見れば面白い光景であろう。

 

アリサやノエルも3日後カインと一緒に剣を持って山の方に行き父親がまた不機嫌になるのだがそれはそれだろう。

 

日が沈む頃になって帰ってきたカインの肩には牝鹿が。槍を投擲したのだろう。脳天に綺麗な丸の穴が空いている。

 

槍全体が鹿の脳天を通り血塗れになったであろうに、一点の曇りも無いソレは未使用そのもの。

 

鋭過ぎるのだ。どれだけ血に塗れ脂肪が纏わりつこうともその斬れ味は一寸も衰えることは無い。軽く振れば全て拭われ透明感のある「ブラン」は健在である。

 

竜王ウーサー。その持ち得た特性は『防御無視』その肉体による攻撃は如何なる防御も無意味に終わる。だからこそウーサーは長い間竜王の地位にあった。ソレは人類種がウーサーとして名付けそれが今でも周知されているという事実により証明出来るであろう。

 

強過ぎたのだ。強すぎるが故に個を至上とする竜が例外的に徒党を組んで奇襲という竜にとっては愚策も愚策を用いたのだ。

 

その武具がレジィの手によって創り上げられると約束された日当日。本来ならばカインとアリサの2人だけの予定であったが槍を目にした女衆が連れていけを連呼したせいで、倍以上の大所帯となってしまった。

 

 

「儂は見世物じゃ無いよ。」

 

 

そうレジィが零すのは仕方ないように思えた。

 

まだ剣を出してきてないレジィには人数分の視線が注がれる。精霊基準でも久方ぶりの最上の素材だったのだろう。言葉端に呆れが見え隠れするも気分を害しては居なかった様子。

 

「ほら、坊やのはコレだよ。あんたのはコレ。どっかにやるのは最低限で良いんだろ?ソレは装飾メインにしたからね。」

 

 

柄から切っ先まで黒曜石を思わせる透明感を湛えた両手剣を彷彿とさせる片刃の剣。レジィ曰くカイン用のに持ってきた爪の7割は使用したそう。

 

精霊はこう見えて好き嫌いがハッキリしている。お気に入りのカインは坊やと暖かい声で呼ぶ癖にアリサにはあんたと言ってしまうのはそう云うこと。

 

王室などレジィにしてみれば誰で何処だろうと興味すら無い。故にアリサとカインのモノは柄まで同一素材であり、鞘も竜王の皮を使っているが王家に献上する予定のものは、見た目こそ良いものの竜王の爪は必要最低限。柄と鞘はそこらにある木であるし、刃も薄っぺらい。極厚なカインのモノとは大違いである。

 

薄っぺらくとも生半可な衝撃では刃に傷一つ無い上に竜王の鱗でさえも切り裂けるのは変わらない。届けばの話ではあるのだが。

 

彼女曰くそんなモノよりカインの剣を最上にしたかったのだそう。武器には相応の重さが無ければ落ち着きが無くなってしまうと昔ずっとレジィばぁは言ってきた。あの槌ですらレジィとしては軽いと。故に漸くカインに相応の武具が渡せて満足そうである。

 

 

「ほら坊や。これを着て、ほら持って。槍は…ほら、ちゃんと持って見せなさいな。…ン゛ん。良いわね♡」

 

竜王の皮に竜王の鱗。ソレが惜しげも無く使われた蒼色一色の鎧。フルプレートに見える癖にやけに軽くて動きやすい。

 

急かされるが儘に剣を腰に。槍は家に置いて来たと云うのに彼女の権能か何かでレジィの手にありソレを押し付けられる。

 

シャラリ 。絹が鳴ると云う言葉が産まれそうな程に繊細で静かな音が鎧を動かせば小さく鳴る。

 

剣に夢中であった女衆全員の目が彼に向き、アリサだけはその姿に少し内股になった。

 

恍惚な表情で見詰めてくるレジィになんと言葉を掛ければ良いかと悩んでいる最中。急に部屋の空間が拡張される。そうとしか言い表せない現象が目の前で起こる。

 

「坊やも試し振りがしてみたいだろう?存分にシて見なさいな。それと、竜王の素材は余らなかった。カイン、お前さんに端から端まで全部注いでやったよ。だから儂が惚れた坊やの武を儂の前で見せてくれ。ソレが何よりの報酬じゃよ。」

 

槍を地面に突き立て剣を引き抜く。闘技場程に拡張された空間にて、剣を片手で左右の手を交互に使い振る。振る。振る。両手で柄を握れば最上段から一気に振り下ろす。手に馴染む上に魔力が良く通る。

 

さて。槍を右に、剣を左に。両方共にカインレベルの腕力が無ければ十全に扱えぬレジィの精霊としての意地の結晶。一息吐けば巨体が舞う。

 

極まった武は時として舞の様な美しさを放つもの。カインのソレは我流の実戦武術ながら、どんな流派すらも超越していた。

 

蒼い鎧が身体に巡る魔力に呼応する様に淡く光る。白槍に、黒剣。言葉にして最も相応しいモノならば…「ノワール&ブラン」か。

 

カインが思い描く幻想。英雄が、超人が。魔物が、竜すらも。四肢の如く扱われる武具により切り裂かれ貫かれて潰えてゆく。そんなモノが見ている全員に共有された。

 

どの位そうしていたか。身体を止め大きく一息を吐き出した後に、レジィに向けた対価と、剣の試しが終了した。

 

レジィが内股になって脚を小刻みに震わせながら熱い眼差しを注いでいたことについては見なかったことにしよう。

 



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鬼畜騎士、王都に向かう【オトナノエンソク】

誤字報告いつも助かっております。ありがとうございます。

1日1話更新継続中で御座います。いいねと思いましたら評価ぽちぃっとお願いいたします。

感想の方で前々からイッチ嫁について心配の声が上がっておりました。

少し考えた結果純愛なら誰かともイッチが関係を築いても私個人があんまり気にしないことが分かりました。その為アンケートで皆さんに質問します。結果次第では嫁の数は増えます。

アリサさんが腹上死しない様に皆さんよろしくお願いいたします←

また、1話分を使ってQ&Aをしようかと考えています。感想欄で募集しますので、Q&A用に使って良い事を明記してお書きください。些細な事でもr18(表現だけはぼかしてください)含んでても構いません。


⚠︎作者個人が貴族階級の制度をあまり頭に入れておりません。余りにおかしい場所以外につきましてはこの世界は地球とは違うんやで?という頭で読んでいただければと思います。
それではどうぞ。



1 名無し@転生者の集い

対イッチ想定スレ15超えたんだけど…?

 

2 名無し@転生者の集い

ほんと竜王装備バカ

 

3 名無し@転生者の集い

明確な鎧の耐久性がハッキリわかんないからなんとも言え無いけど魔力消滅領域ネキがほぼほぼ確定で入って来るのは強い

 

4 名無し@転生者の集い

そういやこの頃機械世界に転生したシミュレーションニキがイッチフル装備or旧式装備の想定脅威動画出てたな。

 

5 名無し@転生者の集い

許可取りかなり前だったし時間かかんなとは思ったけど出したか。見てみるわ

 

6 名無し@転生者の集い

何だろうあの負けイベント感

 

7 名無し@転生者の集い

初期イッチが優しくワイらを導いてくれた師匠的アニキでラスボス倒したらフル装備イッチが裏ボスで出てくるパターンのヤツや

 

8 名無し@転生者の集い

操作とか優しく教えてくれたのに!何で全攻撃クリティカルなんですか師匠!避けないで受けたらHP5しか残らないじゃないですか!

 

9 名無し@転生者の集い

HP0にしない裏ボスイッチ優しい

 

10 名無し@転生者の集い

とりあえず魔力を使わせないってだけで消耗戦を強いれてたのにイッチが最強レベルの装備手に入れちゃったからメタ側の人員増やさないといけなくなったのさすがにバグ。

 

11 名無し@転生者の集い

上限5人の癖にタンク採用出来ないからハードルくっそ高いんですが?

 

12 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ᐕ)ノヤァ

 

そろそろ王都に行くで。

 

13 名無し@転生者の集い

イッチぃ!

 

14 名無し@転生者の集い

もうそんな時期か。

 

15 名無し@転生者の集い

イッチは竜装備慣れた?

 

16 名無し@転生者の集い

じゃぁあのノエルお母さんが楽しそうに山で薪割りに使ってた剣は出荷されちゃうんだね…。

 

17 名無し@転生者の集い

必要経費みたいなもんだから仕方ないね

 

18 名無し@転生者の集い

一応イッチ達貴族の親玉だからなぁ

 

19 名無し@転生者の集い

今のイッチなら単騎で反逆しても全員倒せそうじゃない…?

 

20 貞操逆転世鬼畜騎士♂

>15 慣れたけど素振りくらいしか出来てない。鎧は訓練にならないから置物になってる。

>19 そんなに高い地位あったらフッ軽に戦えないでしょ

 

 

21 名無し@転生者の集い

戦いたいだけで草

 

22 名無し@転生者の集い

てか置物の鎧何であんな小型なん?って思ったら完全にナノテクレベルだったのおもろい。

 

23 名無し@転生者の集い

権能凄すぎるっぴ!

 

24 名無し@転生者の集い

もう発想がスーパーマンスーツなんよ

 

25 名無し@転生者の集い

ブラック〇ンサー思い出した。

 

26 名無し@転生者の集い

フルプレートフルマスク大変やろなって思ったワイらの心配を返せ

 

27 貞操逆転世鬼畜騎士♂

すまんて。

 

でも着てると快適過ぎてあかんわ。あれ着て永眠出来る。

 

28 名無し@転生者の集い

豪勢な棺桶で草

 

29 名無し@転生者の集い

せやけどイッチ用心に越したことはないからちゃんと持ってくんやで?

 

30 名無し@転生者の集い

ワイらでも勝てんイッチの心配するよりイッチ嫁の腰の心配した方がいいんちゃうか?

 

31 名無し@転生者の集い

この頃イッチ嫁の寝顔供給無いんやけど!?

 

32 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ちゃんと王都で宿とるからそこで撮るから待ってるんやで?

 

33 名無し@転生者の集い

有能

 

34 名無し@転生者の集い

王都までどの位掛かるんや?

 

35 名無し@転生者の集い

というか何人で上王都しとるん?参勤交代みたいなもん?

 

36貞操逆転世鬼畜騎士♂

 

>34 >35 当主総代でワイの嫁、討伐したのはワイだから付いてく、……終わり?

 

ワイの嫁もワイもちゃんとフル装備で馬移動しながら鹿とか猪とか居たら弓で射抜いて食料にするつもり。

 

37 名無し@転生者の集い

少数精鋭すぎぃ!

 

38 名無し@転生者の集い

思った以上に速攻で行って帰ってくる感じか。

 

39 貞操逆転世鬼畜騎士♂

三泊はするつもりらしい。前に書状とか送ったら謁見後に小さめだけどパーティするらしい

 

夜到着就寝→昼過ぎ登城→謁見→夜パーティ→次の日ゆったりデート→帰路

 

 

40 名無し@転生者の集い

小さめ(都会基準)

 

41 名無し@転生者の集い

デートええやんけ

 

42 名無し@転生者の集い

なんかテンプレみたいな馬鹿貴族居らんかな

 

43 名無し@転生者の集い

さすがに居らんやろwww

 

 

 

ヴィマル王国。それがカインやアリサが属する王国の名である。第12代国王ギルバをトップとした君主制の四大大国の一角である。

 

公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵。この5つの爵位があり、侯爵と伯爵には大きな壁が存在しているのがヴィマル王国の特徴であろう。

 

優秀な血筋、国にとって一定以上の益となる能力を持つ者は平民であっても孤児であっても1代限りの男爵の地位が与えられる。ソレを3代続ければ他に何もしなくとも土地が正式に与えられて永世貴族として貴族の仲間入り出来る。カインの父であるアークの家はこの形式で貴族へと成り上がっていた。

 

はっきり言ってしまえば男爵から伯爵の地位は個人の力で成り上がれば掴めてしまえる地位なのだ。故に実力主義の家が多いのが現実である。

 

廃れれば滅び栄えれば更に多くの富を得る可能性がある。それが伯爵までの地位である。

 

では公爵、侯爵は何が違うか。青い血とも呼ばれる血筋である。建国時からヴィマル家を支えていた貴族達の、更にヴィマル家に近い家の大半が侯爵、親戚血筋が公爵として任ぜられている。

 

伯爵家が侯爵に上がることがあるとすれば運である。何処かの侯爵家が存続不可能になった場合直近で功績のあった伯爵家に声がかかり繰り上げとなる。

 

伯爵家までは実力でどうにでもなるも、新参者には厳しく古参者には優しいのがこの国の実情であった。

 

 

「宰相、カインといったか。」

 

「はい。シューレゲル子爵家の長男であるとか。今はファロス伯爵家次期当主の夫であり伯爵家の騎士団長だとか。何時の世も例外は生まれるものですね。」

 

「男が…いや、そんな事はどうでもいい。竜王が瀕死で現れたから討伐した?精霊に剣として創って貰ったから献上しに行く?今でも意味が分からんぞ。」

 

「魔物の増加も報告されているのはギルバ様も承知の上かと存じますが…少しこの世も荒れますかな?」

 

「ゼーラ、冗談はよせ。……して、褒美か。何処までなら出せる?」

 

「冗談が過ぎましたかな。ですが、可能性は頭の隅に留められますよう。…さて、竜の爪を削り出した大剣を国宝指定している国もありますからな。竜王の、それも精霊の手によって創られたモノなどの対価…真面目に渡していては王家の蔵が空になりますぞ?」

 

「だが献上すると言ってきて居るのに突っ返す選択肢は最悪手だ。いっその事その男個人に伯爵相当の地位をくれてやるか?…いや、足りんな」

 

「ではソレを一つ目の褒美と致しましょう。……少し、常識的には考えられない案が御座いますが?」

 

「良かろう。竜王ウーサーを伐ったのだ。多少以上の無茶をしても我が国に縛り付けねば。…思い出したぞ、ファロス。アリサ・ファロスだな。魔法に愛された子。新年の挨拶の時に二度ほど言葉を交わしたが…伯爵が自慢していたな。最低でもあれ以上か。」

 

「では。エレア様を降嫁させるのは如何でしょう。」

 

「エレアをか?言い方は悪いが…ファロス家に迷惑にならんか?それに彼奴は少しズレておる。押し付けられたと思われたのならば最悪じゃ。…だが案としては最上に近いな。カインと我が家の繋がりが出来る。」

 

「提案、といった形で最初は会わせるだけで良いでしょう。明日は公爵家、侯爵家以下近隣の領主の前での献上と褒美になりますからな。ポーズだけでもして置けば働きに報いた形になり貴族達も納得するでしょう。」

 

「男に1代限りの伯爵を与え王女を降嫁か。……ファロス伯爵家総代が泊まる宿は手配しておるな?」

 

「はい。」

 

「朝に使いを送るように手配しろ。ファロス家とカイン本人に話を通した方がスムーズに済む。…本来ならば昼後に登城予定ではあったが昼前から来てもらうとしたい。予定は開けられるな?」

 

「承知しました。では、この話題は明日に回すとしましょう。次は此方です…。」

 

「うむ。」

 




会話だけでだいたい終わっちゃったので人物紹介を後書きに追加します。イメージ膨らませて次話お楽しみください。

ギルバ・ヴィマル
立場:ヴィマル王国国王
身長:180
年齢:52
銀髪の壮年の麗人。子宝に恵まれ5女2男の母親でもある。まだまだ現役バリバリ。自分の代で過去に例が無いような爆弾案件が飛んで来て頭が痛い。

ゼーラ・シュルト
立場:ヴィマル王国宰相
身長:173
年齢:61
実質のヴィマル王国トップ2。有能おばあちゃん。昔はギルバの副官的立ち位置でバリバリ戦場でも政治でも活躍していた敏腕。

エレア・ヴィマル
立場:ヴィマル王国第五皇女
身長:184
年齢:17
ギルバの6人目の子。未だに婚約相手が居ないまま成人まで1年切ってしまった子。ギルバ曰くズレてる。銀髪ストレート清楚系美人


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鬼畜騎士、国王に呼び出される【ワルイコトシテナイノニ!】

感想誤字報告高評価閲覧ぜーんぶありがとナス!お陰様で拙いながら毎日投稿できております。


328 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ケテ…タスケテ……

 

329 名無し@転生者の集い

何時もワイらが苦しめられてるイッチが苦しんでる…これが愉悦…?

 

330 名無し@転生者の集い

>329シミュレーションやら対イッチスレの事情を持ってくんなお前w

 

でイッチどうした。昨日はいい匂いするイッチ嫁の髪くんかくんかしながら過ごしたんやろ!?

 

331 名無し@転生者の集い

ちゃんと嫁ちゃんの寝顔送ってくれたから許してやろう。

 

332 貞操逆転世鬼畜騎士♂

今回の予定昼飯食べたらお城に行く予定やったんよ。ワイも嫁も王家が手配してくれた部屋で朝風呂出来てホクホクだったんよ。

 

……なんか部屋着で髪の毛乾かしてたら国王直轄の近衛兵と使者が尋ねてきたんだけど?まだまだ朝よ????なんも悪いことしとらんって!!!

 

333 名無し@転生者の集い

それはビビる。

 

334 名無し@転生者の集い

要件は何か聞いた?流石に理由位は話せるやろ

 

335 貞操逆転世鬼畜騎士♂

とりあえずワイの嫁の方が権力高いから今対応任せてる。

 

336 名無し@転生者の集い

そういやイッチ嫁伯爵家総代だから実質伯爵なんか。

 

337 貞操逆転世鬼畜騎士♂

そうやで。ワイはただの伯爵家騎士団長や。

 

内容はね、「朝早くに申し訳ない、極秘で話がしたいと国王と宰相がお待ちです。急で申し訳無いが準備出来次第一緒に来て欲しい。馬車を準備してある」やと。結構普通やった

 

338 名無し@転生者の集い

ちゃんとした用事だったw

 

339 名無し@転生者の集い

しっかりしてるし近衛兵だけじゃない所が信用出来るわ。イッチ行っといで。

 

340 貞操逆転世鬼畜騎士♂

礼服首元キツイから長時間着たくない

 

341 名無し@転生者の集い

我儘ッ子みたいなこと言うのやめろwww

 

342 名無し@転生者の集い

ほら!イッチも剣と一緒に出荷よ!

 

343 名無し@転生者の集い

行きたくないでござる!!

 

.

.

.

 

378 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ケテ…タスケテ……(n回目)

 

379 名無し@転生者の集い

またかよ!www

 

 

「して、王様が何と?」

 

「申し訳無い。私共にはそこまでの情報は降りてきておりません。」

 

「十中八九カインへの褒美だろうな。それも前例が無いレベルの。」

 

「帰りは荷台でも引いて帰ろうか?」

 

「それは愉快だね。絶対にその程度なら相談など無いはずだ。献上するモノに対して相応の礼が出来ぬ王国など裏切ってしまえが普通だからな。」

 

「そんなものか。」

 

「カインは政治に興味が無いなぁ。まぁ、その辺は私に任せていれば全て大丈夫だから、カインは得意な事を頼んだよ?」

 

「分かっている。」

 

 

そうこうしている内に城へと到着した。通されるのは豪華な一室に備え付けの椅子と机、それにお付のメイドと近衛兵複数人。

 

「初にお目にかかります、近衛騎士長を務めておりますリアと申します。伯爵総代アリサ様、カイン殿の武具、お預かりしても宜しいでしょうか?」

 

「構わない。…だが、私のモノは些か重い。気をつけて欲しい。」

 

「承知しました。では、…っ゛!」

 

槍、そして剣。いっぺんにカインから手渡されたソレらをリアは持とうとして取り落としかける。

 

落とさぬ様に歯を食いしばりながら剣をカインに一旦返して、両手で槍を室外へ。次に剣もアリサのモノとは一緒に持てず、一つずつ運ぶ形となった。

 

「カイン様、先程は御無礼の程誠に申し訳無い。性別が男だと心のどこかで侮っていた私の尺度の狭さ、許しては頂けぬでしょうか?」

 

「構わない。私以外が持つには些か重いのは分かっていることだ。」

 

「カイン、そうじゃないのよ。リア殿、私もカインも気にしてないから大丈夫。」

 

「は、御配慮感謝いたします。それでは直ぐ国王ギルバ様と宰相ゼーラ様がお見えになられますのでご準備下さい。」

 

軽くでは無く深く頭を下げた後にそう告げられれば身嗜みを少し整える。万が一に備え両手首両足首、首元にもリング状の輪を嵌めている。

 

レジィにカインが転生前の知識から得た発想を元に王都に来る前に開発した小型化、展開可能な鎧である。リングの中に鎧が詰まっており任意の動きをすれば鎧が服ごと体を覆う優れものである。

 

何故こんなテクノロジー系な鎧が出来たか。レジィが上位精霊だからの一言で片付いてしまう。権能とはそういうモノである。

 

レジィはカインの事になると急にやる気をだす。手加減というモノは竜王の素材だからこそする気は一切無かった。ソコに現代日本の知識が入ればあら不思議。ヒーロースーツのような鎧が完成!

 

故に、武器が無かった所で不意打ち程度ならばアリサを護りながらでも余裕に近かったりする今のカインであった。

 

 

 

「あいや、いきなりの呼び出し悪かったな。アリサ・ファロス、久しいな。幾年か前の年明けを手紙を見て思い出したわ。」

 

「はい。女王陛下もお変わりない様で。して、今回は何か…私やカインに何の御用で御座いましょうか。」

 

「それもそうだ。それと、カイン・シューレゲル。我がこの国の王ギルバ・ヴィマルである。話に聞く以上の豪傑よ。そこら辺の女では抗うことすら出来んか。宜しく頼もう。」

 

「は。今はファロスの姓を頂き伯爵家騎士団長を務めております。」

 

「良い良い、今は非公式だ。それにそなたらを呼び出したのはこちらだ。寛げとまでは言わぬが肩の力を抜くが良い。」

 

「さて。アリサは分かっているであろうがカイン、お主に対する褒賞についてである。…ゼーラ、少し噛み砕いて説明してやってくれ。」

 

「はい。宰相のゼーラ・シュルトが引き継ぎをさせて頂きます。今回、カイン様が献上されると云う竜王ウーサーの剣。ソレの対価をギルバ様と検討した結果、釣り合うようなモノが出せないと結論付けられました。」

 

「はっきり申しましょう。カイン様は大公の様な地位に就いて頂き我が国の領地の3分の1程度を治めて頂く。そして王家が相応の財と血筋、人員を用意する。これが最低限の釣り合う対価となるでしょう。然し、我が国の法では不可能となります。また、例外として押し通したとしても多数の貴族からの反発を受けることとなるのは確定かと思われます。」

 

「その為勝手ながら私とギルバ様と話し合った結果、かなり釣り合いが取れませんが現在王家が出せるだけのモノを並べさせて頂きます。」

 

・「伯爵騎士」の地位を新たに作りカイン・ファロスを平常時伯爵当主相応、戦時中は侯爵当主相応の地位を与える。

・シューレゲル家を子爵から伯爵へと引き上げる。

・ファロス家、シューレゲル家の納税義務を孫の代まで免除する。

・第五王女エレア・ヴィマルをカイン・ファロスの第2夫人として降嫁としたい。

・王家が保有する蔵1つの財をカイン・ファロスへ与える。

・カイン・ファロス個人に王家への貸し1を与える。

 

・降嫁については褒賞は前例が無いこと、ファロス家に迷惑が掛かることを鑑み今回話し合いの場を設けた。但しコレを受け入れて貰ってもまだ足りていないと認識している。だが現状は出せるものがこれしかない。勘弁して欲しい。

 

「アリサ・ファロス。この先公爵家、侯爵家の穴が空いた時は最優先にてファロス家の格を上げることを約束する。シューレゲル家も同様である。そしてエレアにはお主を邪魔せぬ様に言い含める。…カイン・ファロス。お主の偉業に対して我らが相応のモノを渡せない事を謝罪する。そして王として伏して頼もう。その力我が国で奮ってくれぬか?」

 

アリサは大国の王が座っているとはいえ机に額が着きそうな程にカインと自身に頭を下げている現実に絶句していた。君主制と云う絶対的な王が頭を非公式とは云え下げたのだ。コレは重すぎる。

 

「アリサ、カイン。時間は少ないがエレアと会ってみて欲しい。親として言うのであれば女としてかなりズレているけれども下手な教育は施しておらん。…気に入らなんだならば断るのも視野に入れて欲しい。」

 

「、…っ。女王陛下、又宰相様が提示していただいたもの、私は降嫁以外はこの場で承諾したいと考えております。エレア様はお顔を拝見した事がある程度ですので何とも…。会って話して決める。一番いいと思うけどカインはどうかな?」

 

「私は政にとんと疎く、それ故に身体を動かした方が国の為に働けるでしょう。…故にアリサが承諾したのならば私に不満は御座いません。」

 

「あいわかった。承諾して貰って助かる。ではまた玉座の間で会おうぞ。エレアを代わりにここに居させるとする。聞きたいことがあればなんでも質問して良い。昼食も一緒に取らせよう。昼食後に近衛に迎えさせる。それまでに結論が欲しい。」

 

「分かりました、女王陛下。」

 

「ではな。良い結論を出すことを願う。」




Q&A用の質問を感想欄で募集しております。どしどし送っていただけると有難いです。


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ファロス伯爵総代、第五王女を受け入れたい

皆さんのおかげでモチベが尽きません。有難い事です。色々ガバガバかと思いますが応援よろしくお願いいたします。

想定の3倍ほどアリサ視点が多くなったので題名が少し変わっております。話の進みがゆっくりですがよろしくお願いいたします。


1 貞操逆転世鬼畜騎士♂

 

・「伯爵騎士」の地位を新たに作りカイン・ファロスを平常時伯爵当主相応、戦時中は侯爵当主相応の地位を与える

・シューレゲル家を子爵から伯爵へと引き上げる

・ファロス家、シューレゲル家の納税義務を3代免除する

・第五王女エレア・ヴィマルをカイン・ファロスの第2夫人として降嫁としたい(暫定)

・王家が保有する蔵1つの財をカイン・ファロスへ与える

・カイン・ファロス個人に王家への貸し1を与える

・ファロス家、シューレゲル家の公爵侯爵家への繰り上げ確約

 

ワイ、嫁が増えるかもしれへん…

 

2 名無し@転生者の集い

イッチ乙。

 

イッチ×イッチ嫁に女が間に入るの!?

 

3 名無し@転生者の集い

反対!反対!

 

4 名無し@転生者の集い

ツラ見せい。ワイらのイッチ嫁ちゃんの邪魔するお邪魔虫は成敗したるんから!

 

5 貞操逆転世鬼畜騎士♂

目の前に居るんよ。それにワイ嫁一筋で行こうと決めてたんよ。…………本音言っていい?ダメだ堕ちる(っ'ヮ')╮=͟͟͞͞https://syasin./………

 

6 名無し@転生者の集い

どれどれ…ワッ!!!?!?!

 

7 名無し@転生者の集い

どえれえ…なんやこの清楚系!イッチの世界とは思えへんやん!

 

8 名無し@転生者の集い

男っぽい女しか居ない世界でくぉれは………ワイこの子の寝顔見たい!←

 

9 名無し@転生者の集い

おいwww

 

一応イッチ嫁と身長変わらんから180絶対あるだろうけど…ぇ、なんでこんな清楚でおしとやかな美人押し付けるとか言うん?

 

10 名無し@転生者の集い

イッチの世界線思い出せおまいら。イッチやこの目の前の子は貞操逆転世界やと異端やぞ

 

11 貞操逆転世鬼畜騎士♂

顔とか身体とかはこの世界基準なのに仕草とか表情でワイのじゃぱにーずそーるが荒ぶるんじゃ!…どないしよ…貰っていいかな…()

 

12 名無し@転生者の集い

くれる言うんなら貰っとこう()

 

それはそれとして跡継ぎ関係とか大丈夫?あと辺境伯じゃ無くて伯爵騎士なのってイッチが男だから?

 

13 名無し@転生者の集い

イッチ羨ましいってばよ…

 

14 貞操逆転世鬼畜騎士♂

>12 ファロス家はワイとワイ嫁の子が継いで、ワイと目の前の子が出来たら新しい侯爵家作るって女王様言うてた。

 

辺境伯じゃないのは単純にワイがもう嫁いでる身だからやと。明確な土地とかあげても迷惑やろからファロス家にも配慮しながら周りから侮られない程度の地位はあげる。それで許してって言われたわ。

 

ワイ嫁が了承したから目の前の子とどうするか以外は確定しとる。

 

15 名無し@転生者の集い

なら安心か?

 

16 名無し@転生者の集い

なんか一個ドーン!が出来なかったから沢山貰えるな。

 

17 名無し@転生者の集い

竜王の剣侮れぬ…

 

18 名無し@転生者の集い

余り物で創った奴が国宝かぁ。

 

19 名無し@転生者の集い

精霊様=神様の世界線やからな。当然やろ

 

20 貞操逆転世鬼畜騎士♂

…王女様と話してたら女だけで話したいからって追い出されたんだけど

 

21 名無し@転生者の集い

 

22 名無し@転生者の集い

ハブられてるの笑う

 

 

「エレア・ヴィマルと申します。アリサ様、そしてカイン様。よろしくお願いいたします。」

 

その丸くも凛とした声の主を見やった時、カインの全身に衝撃が走った。『清楚系女子来た』と。

 

この世界に転生し思い返せば異性の全員が全員逞しかった。エレア王女も身長はアリサより高いが…なんと言えば良いか。雰囲気が全く違うのである。言葉端に教養が垣間見え、そこはかとなく清楚感と女らしさ(この世界では男らしさ)が漂っているのである。内心カインはテンションMAXであった。

 

アリサは不機嫌であった。王女様に悟られぬ様にする程度の気遣いは当然の様に出来るが隣で目の前の王女様と気さくに話しているカインを見ていると凄くモヤモヤと雨雲が心を覆う。

 

第五王女エレアは王が言うように確かにズレている。余りに女らしく無い。カインと日々過ごしているから直ぐに分かった。そしてカインと共に会話が弾む理由も。カインが全体的に女らしい様にエレアもまた仕草や表情が男らし過ぎるのだ。コレでは男からの評判が悪く婚約者が居ないのにも頷ける。

 

元々幼少期からの面識があったカインと自分にはそれなりの長い納得の時間があった。この一年でカインに染め上げられた自らの性癖が一般的なモノとは掛け離れてしまっているのは理解していた。だがそれで良かった。私だけのカイン、カイン本人も私しか見ていないのだからカインの色に染まっても問題無いと。

 

一歩引いて彼とエレアを見た時に、正直嫉妬した。舌打ちをしたくなり短時間ながら貧乏揺すりが止まらなかった。

 

女らしい男、男らしい女。ちぐはぐな2人だからこそお似合いであるからこそアリサは不機嫌になっているのだ。お似合いだと見抜けてしまうから、嫌になる。

 

カインの意識が3割程度此方を向いているのが分かる。優しい彼の事だ、先程から喋らずに良い気配を放っていないと分かるのだろう。

 

こんな気持ちになるのならばいっその事…とも思ったが、カインの嬉しそうな顔を見れば思いとどまらざる得ない。

 

あれは同じ悩み(?)を持つ故の同士を見つけた顔だ。この世界の「普通」から外れてしまった2人。そんなカインを知っているからこそ…今はこんな気持ちでいるが何れ自分もエレアを受け入れるだろう。

 

勝手に不機嫌となっているが思考を伯爵としてのフラットなものへと切り替えれば想像以上の褒美だと理性と知識は訴えてくる。それはその通りなのだ。だが、本能。女の本能だけは自分の男を共有したくないと心の壁を精一杯叩いて来るのも事実である。

 

 

幸い女王様の言葉によりファロス家としてはエレアを歓迎するだろう。シューレゲル家も同様に頼めば支援は惜しむことは無いだろう。

 

ならば後は私が納得するだけ。

 

 

「カイン、少し女だけで話したい。大丈夫?」

 

 

彼とエレアの話が途切れたタイミングで口を挟む。女としてのプライドがあった。カインには悪いけれど、ちゃんと言葉を交わさねば私個人として、エレア・ヴィマルは受け入れられない。

 

「…ああ、分かった。エレア様、また後程に、」

 

「別室を用意しております。ご案内致します。」

 

カインと、近衛騎士の一人が部屋を出た。

 

先程までカインが座っていた椅子に席を変えるように腰を下ろした。

 

「エレア様、改めましてアリサ・ファロスです。伯爵家総代として来ていますがこの話し合いだけはアリサ個人のモノとしてさせていただきます。」

 

「はい、承知しております。…お母様にも言い付けられております。「お前には分からないかもしれないが女の男に対する感情は制御したくとも出来ぬものだぞ」と。アリサ様には私が居るだけでお邪魔でしょう。…カイン様はとても女らしい方でした。私は…、考え方も嗜好も男らしいと自負しております。ご迷惑かとは思いましたが…話していてこんな楽しい方はいらっしゃいませんでしたから。」

 

「ええ、そうです。…どうであれ女しか今はおりません。はっきりとした意志を伝えます。私はカインを渡したくない。共有なんて以ての外。…だけれど、コレは私の我儘です。カインのあんな表情を見てしまったら私は何も言えません。だけれども言わなかったら私を押し殺して次期伯爵としてしかカインと接することが出来なくなる。」

 

「そうなのでしょう。申し訳ありません。褒美とこちら側が言っておきながら私の様な者を…。」

 

「…カインはエレア様の事を気に入ったと思います。貴女様はカインと同じですから。だから…カインを待たせる事になっても昼ご飯前まで何でも話しませんか?それで、私は結論を出します。」

 

「…!はいっ。よろしくお願いいたします。」

 

飯時まで一人であったカインは近衛騎士に煽てられるが儘に竜王との戦いを喋っていたりして時間を潰していたのはまたの話である




アリサさんがなんかカインに対して重い様な印象与えるかもしれませんが、新婚夫婦のトコに男突っ込んだらもっと修羅場になりますのでこの位は許してください。

また、女社会で前例が無いレベルのものを男に対価を払う難しさを書いているつもりですがそれを変に受け取りイッチが云々イッチ嫁が云々と感想で言うのは辞めてくださいね。フィクションですらない異世界です。わかってるよな?分かってないなら今すぐ見るのやめた方が良いですよ。

一つの単なる物語です。それを頭に入れて置いてこれからもお楽しみください。


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鬼畜騎士(の嫁)、竜王の剣を献上する



少し色々と考えが纏まらない儘の投稿となります。その為短めです。許して!そして二つほど言いたいことがあります。


・ノリで副題の後ろに【】つけてカタカナで書いていましたがこんなに続くともう思い付きません。廃止します。思い付いたら復活します。←

・前話の後書きのことについて色々とご心配をお掛けしました。感想貰えるのが嬉しくて真剣に1つ1つと向き合ってきましたが今話からは全感想返信は辞めておこうと思います。勿論返信したいものは返信させていただきます。何かしら皆さんに共有しながら説明するものがありましたら前書きで説明致します。

では!今後も鬼畜騎士をよろしくお願いします!


353 貞操逆転世鬼畜騎士♂

( *・ω・)ノやぁ

 

ワイ嫁に追い出されて近衛騎士とメイドさんと別室で話し始めて1時間経ちました。あんまりにも呼ばれないのでお茶出してもらいました。もうすぐお昼です。…どうしよう

 

354 名無し@転生者の集い

草草の草

 

355 名無し@転生者の集い

すまん、笑ったわ

 

356 名無し@転生者の集い

結婚して1年やろ?まだ新婚なのに別の女出てきたらそりゃイッチ嫁納得出来んやろ。

 

357 名無し@転生者の集い

1年って数字出されるとそうかぁ、イッチ新婚かぁ。

 

358 名無し@転生者の集い

結婚相手はダンジョンのモンスターです。どうしてこうなった?(ダンジョンアタックでもうすぐ野郎6人生活半年のワイ)

 

359 名無し@転生者の集い

>358 そろそろほっもーが出来そうな時期でワクワクするな。お前スレ立てろ

 

結婚してない奴は分からんやろが結婚しとるスレ民なら分かるやろこの修羅場通り越してるやばい感じ

 

360 名無し@転生者の集い

そりゃ当人追い出されて話し合いますわ

 

361 貞操逆転世鬼畜騎士♂

あ、昼飯だから帰ってこいって。

 

……なんか二人の距離感近くなった?大丈夫?修羅場じゃない?大丈夫…みたい?

 

362 名無し@転生者の集い

煮え切らんなぁwww

 

363 名無し@転生者の集い

それだけイッチじゃ掴みきれない雰囲気なんやろ?

 

364 名無し@転生者の集い

あれ?修羅場は?

 

365 名無し@転生者の集い

楽しみにしてた他人の修羅場まだー?

 

366 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ワイ嫁から「腹割って話して自分の中でも折り合いが着いたから3人で帰ろう?」

 

って言われました。…あれ?ワイの嫁だよね?嫁の嫁…?

 

367 名無し@転生者の集い

???「女の子は女の子とくっつけば良いと思うの。」

 

368 名無し@転生者の集い

イッチに決定権無かった模様

 

369 名無し@転生者の集い

イッチ嫁まじ聖女か?

 

370 名無し@転生者の集い

知りに敷かれるイッチ

 

371 名無し@転生者の集い

まぁイッチの世界の女デフォで姉御属性持ってるようなもんだからな…。それにしてもイッチが娶るともなんとも言ってないのは面白いんだ

 

372 名無し@転生者の集い

円満かと言われたら違うけど良かったなイッチ。大和撫子(銀髪)と結婚出来るで?

 

373 名無し@転生者の集い

ワイらからしたら手を伸ばしても届かない子とイッチが結婚だと!?

 

寝顔を寄越せ!!それで手打ちにしてやる!

 

374 名無し@転生者の集い

寝顔要求ニキもよぉ書き込んどる。

 

375 貞操逆転世鬼畜騎士♂

じゃあ取り敢えず式典行ってくるわ。緊張する。

 

376 名無し@転生者の集い

いってら。やらかすなよw

 

 

 

場違いにも程があると誰よりも高い背を屈めたくなる。カインにドレスは似合わないと、特注の軍服を作って貰ってから引っ張り出す時があるとは思わなかった。

 

現代の女装とは意味が違うが、紛れも無い女装である。男は華々しいドレスを着て花となるのが普通である。

 

この場に男はカイン1人である。パーティならばまだしもこの様な正式なモノには男など不要である。

 

「ファロス伯爵家総代アリサ・ファロス!竜王殺しカイン・ファロス!前へ!!」

 

なんとも安直である。男を讃えるなど普通では起こり得ぬこと、肩書きに困った様だった。

 

普通ならば軍服に最低1つの勲章があるのが普通である。だがカインにはそれが無い。男だからである。

 

竜王の剣が入った箱は今は近衛が持っている。今回の話はファロス家から王家に送られたものである。故に直接献上するのはアリサとなる。

 

老若関係無く女傑達の視線が突き刺さる。侮った色は皆無。それだけ皆強者側であり無能では無いのだ。無能であるならば当主になどなれやしない。

 

近衛から剣を受け取りアリサは直接女王に剣を献上する。自分は前に出た状態で待っているだけである。

 

アリサが自分の隣に帰ってきた事を横目で見ていれば、女王が剣を引き抜き掲げて見せた。

 

薄い刃は1寸の狂いもあらず反対側が見える程度には異常な剣であった。

 

「これには竜王の素材が使われている!そして精霊が創り上げた正真正銘の神器である!これは竜神様からの天罰がファロス家に齎されていないのが証拠である!此処に献上は成った!我が王国は竜王の加護を得たのだ!」

 

「これから褒賞を言い渡す。

 

1つ!カイン・ファロスに「洛陽」の名を授ける!

1つ!新たに「伯爵騎士」の地位を作りそれにカイン・ファロスを任ずる!

1つ!ファロス家及びシューレゲル家の納税義務を三代に渡り免除とする!

1つ!シューレゲル家を伯爵家とする!

1つ!蔵一つの財をカイン・ファロスに授ける!

1つ!我が娘第五王女エレアを降嫁としてカイン・ファロスに与える!

 

以上だ!───静まれ!!静まれ!確かに前例は無い!だがカイン・ファロスは、「洛陽」は我が国最強の超人である!我の決定に異議がある者は今すぐ武装を整え持ちうる全軍で竜王狩りにでも行くが良い!我は止めぬぞ?」

 

ざわめきは収まらない。それだけ「降嫁」と「男が複数の嫁を正式に持つ」ことが前例の無い異常なのだ。

 

こう話してしまえば下世話であるが、長女の婚約者を姉妹で秘密裏に共有していたりと少ない男を大事にしながらも非公式に複数とまぐあわせる事も普通に行われているのが現実である。

 

「この場は我の名に置いて解散とする!夜のパーティまで暫し各部屋にて待機を頼もう!」

 

王がどれ程に声を張り上げた所で収まりが効かなくなってしまったのは事実であるから、締まりが無く解散となった。カインもアリサも早々にその場から帰ってきたが…女王の話によれば大半がその場に残り暫し周りとコソコソと話し合いをしていたようだった。

 

疲れた…ただ立って教わった通りに頭下げただけなのに…。これなら竜の群れ捌いていた方が気楽だとカインは思ってしまっていた。

 

まだ休めない。まだ。これからパーティがあるのだ。それが終わるまでカインは生きていられるのだろうか。




洛陽って聞いたら何処かのすまないさんが出てくる人は一緒に年末のガチャ地獄を乗り越えましょう。私の財布は既に死亡しております。

2.3話で王都から帰って、そのタイミングで改めて登場人物紹介とr18投稿を挟もうと思います。

高評価感想よろしく!


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鬼畜騎士、転生者の様式美と出会う

昨日は何故か同じ内容が2話分投稿されていたようで…。ご迷惑をお掛けしました!




 

1 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ぱーちー…豪華やねぇ

 

2 名無し@転生者の集い

イッチの気が抜けて何時ものやぁすら言わんくなったぞ

 

3 名無し@転生者の集い

お疲れ様やでなぁ。

 

4 名無し@転生者の集い

で今何しとるん?写真欲しい

 

5 名無し@転生者の集い

まぁこういったパーティは大体立食形式やろ

 

6 貞操逆転世鬼畜騎士♂

はい。→ https://syasin./……

 

7 名無し@転生者の集い

さんくす

 

8野蛮人ニキ

(・・)⊃ヤァ

 

9 名無し@転生者の集い

>8 お前がやぁ言うんかいw

 

10 名無し@転生者の集い

ほら、野蛮人ニキが一生行かなそうな光景やで

 

11野蛮人ニキ

一応ワイ侯爵やから結構行くんよな

 

12 名無し@転生者の集い

ふぁ!?!?!?

 

13 名無し@転生者の集い

え、それは予想しとらんかったw

 

14野蛮人ニキ

ねぇどんな気持ち?洞窟で寝てそうなワイが侯爵だった気持ちってどんな気持ち?教えて?

 

15 名無し@転生者の集い

うぜぇwww

 

16 名無し@転生者の集い

ひ○ゆきレベルでウザイのやめろwww

 

17 貞操逆転世鬼畜騎士♂

え、…?

 

18名無し@転生者の集い

イッチ?どうした

 

19名無し@転生者の集い

イッチがそれだけ書き込むの初めてか?

 

20名無し@転生者の集い

おーい!イッチ~!

 

21 貞操逆転世鬼畜騎士♂

……こいつ馬鹿なん?

 

22名無し@転生者の集い

あ、これ無意識に書き込んでるやつだ。たまにあるんだよな掲示板開きながら無意識的に心の声盛れ出してるの

 

23 名無し@転生者の集い

馬鹿貴族がイッチになんかしたんやろ

 

24 名無し@転生者の集い

流石にあの王様がそんな無法許すとは思わないんやけどな。ていうか竜王倒した相手に流石に突っかからんやろ

 

25 貞操逆転世鬼畜騎士♂

よし、ぶっ殺す

 

26 名無し@転生者の集い

イッチぃ!?

 

27 名無し@転生者の集い

早まるなイッチ!!!!

 

28 名無し@転生者の集い

イッチのブチ切れ初めてじゃね?

 

29 名無し@転生者の集い

言われてみれば。後で管理者ちゃんに共有してもらうか。

 

30 名無し@転生者の集い

兎にも角にもイッチが犯罪者に成りませんように。

 

31 名無し@転生者の集い

誰がイッチ怒らせたんや!

 

 

 

 

スレ民の予想通りイッチが参加したパーティは立食式のものであった。

 

食べている暇など無い。今回のメインはアリサとカインである。国王や公爵家侯爵家の当主がひっきりなしにアリサと話して関わりを持とうとしていた。

 

先の硬い式典ではない。女は相も変わらずに軍服での参加であったが招待されている者たちの配偶者である男は着飾りピアスも付け華やかな姿でパーティを楽しんでいた。

 

カイン?当たり前ながら軍服である。然しながらこうした表と裏で意図が違う言葉がひっきりなしに交わされる世界においてはカインは無能であった。

 

段々と死んで行くカインの表情を見たアリサは別行動を提案してくれていた。ギリギリまでカインもアリサにくっ付いては居たが居てもいなくとも変わらぬ現状に断りを入れて硬っ苦しい世界から無事に抜け出した。

 

「……男に生まれてよかった。」

 

片手にシャンパン入りのグラスを持って壁側に寄る。心の底からの本心であった。こんな世界に出なければ行けないと考えるとアリサには頭が上がらない。

 

「お隣、宜しいですか?」

 

ふと、聞いたことのある声音。天井の装飾を端から見て感心していたカインが目線を戻せば、エレア・ヴィマルが正装で立っていた。

 

高身長、長い手足には軍服が良く映えているものの、隠し切れようが無い男らしさが良いギャップとなっている。少し横へとズレれば、2人で横に並びわいのわいのと真っ黒な政治の世界から一歩離れて二人の雰囲気を出し始めた。

 

「結果的にはなりますがカイン様を除け者の様にして待たせてしまいました。申し訳ありませんでした。」

 

「いや、アリサには必要な事だったのだろうと思います。エレア様にその非はないと考えますが?」

 

「エレアで良いのですよ。ふふ、貴方様と居ると心地が良いのです。もう王族からは実質的に外れておりますから。カイン様の妻としてこれからはお願い致します。」

 

「ええ。では、エレアと。」

 

むず痒い。男を立てる女などこの世界では目の前のエレア以外皆無であろう。然し元々の気質がこの世界では女寄りだと言われるカインだからこそ、悪い関係では無いのだ。

 

エレアにとって惜しむらくはカインがエレアと出逢う前にアリサと合っていた事だろう。そうでなければ、カインとエレアは今のアリサとカインの様なお似合いの夫婦となっていた事だろう。

 

IFを語っていても仕方が無く、こうして結ばれたのだからと。生前、日本を思い出す中々初心で甘酸っぱい雰囲気に双方頬を赤らめて言葉が途切れてしまう。

 

「洛陽」と呼ばれる様になったとしても未だにカインは20に届かず、エレアも成人には届いて居ない。ならば、この様な時間も悪くないものであろう。

 

 

 

「あら、あら、あら。これはこれは「洛陽」カイン殿にエレア王女様では御座いませぬか。」

 

不意に、この空気感が分からぬ第三者から声がかかる。

 

「貴殿は?」

 

カインが問う。名も知らぬ男。カインと同じく政治に関わる気すら無くパーティと云う華やかな場所を楽しみに来たのだろう。小さく、ひょろひょろの。然しこの世界の女受けする可愛らしい容姿に綺麗な指先。宝石があしらわれたそれ等からそれなりに高位の配偶者だと当たりは付けられるが。

 

「僕はベリア侯爵家当主総代ザーリアが夫ズークである。」

 

「それで?何用だ。」

 

「女男の貴様と男女のエレア王女様を一目見ようと来ただけに決まっているだろうに。男とは思えぬ無神経さだなお前は。」

 

 

彼の声が届く範囲に居たもの達の会話が止まる。あからさまな視線を飛ばす者は居ないけれど、こんなカイン個人とファロス家を称えるパーティにて直球的な陰口を本人にぶつける者が居るとは。

 

「それで?」

 

感情が抜け落ちたカインの声音。一歩前に出ればエレアを彼の視界からずらす様に。

 

「嗚呼、妻が言う様に超人の類ではあろうが所詮男だな。背だけ高いだけで持て囃されて女と同等に扱われている気分はどうだ?」

 

ズークだけに限らず男に武の才を求めることは無い。この世界はそうである。まず肉体から違うのだ。160も無い彼がキャンキャンと小型犬の様に吠えているが彼にカインの特異性も何も見えることは無く上っ面のカインの顔やら体付き、無骨な女みたいな手を見て罵っているだけである。

 

「ファロス家もお前のおこぼれに与れた様だがアリサと言ったか?貴様の様な男が夫で不憫だなぁ?さぞかし惨めだろうよ。それに男女のエレア様だ。随分とお似合いだと思って笑えてきてしまったでは無いか。」

 

 

ブチ切れを通り越すと物事が良く見える。カイン個人だけではなくアリサも、エレアも。聞こえ方によってはエレアの母である女王ギルバすらも侮辱しかねない。

 

額まで真っ赤ならば、酒の飲みすぎなのだろう。酒に呑まれた。然し、酔っ払っていても絶対に言って良いことと悪い事の場所に確りとライン引きはされている。

 

「よく分かった。貴殿の言葉は聞くに耐えん。」

 

ワイングラスをエレアに持ってもらえば、左手にて気持ち良く語っている男の頭を鷲掴む。ぎゃあぎゃあと騒ぐが指に力を入れることによって黙らせる。

 

引き摺るように会場の真ん中まで歩き出せば、周りの貴族は必然的に道を空けてくれた。

 

「ベリア侯爵家のザーリア殿はいらっしゃるか!!!!」

 

戦場ですら響く声はこの会場の全てに響き渡るのは必然である。

 

あれだけ会話で賑わっていた会場は男として有り得ない大きな声とその手元でアイアンクロー擬きを喰らい暴れている男を見れば

 

 

 

 

 

し ─────────── ン………。

 

 

 

 

 

 

と静まり返ってしまった。

 

数瞬後に走る様に目の前に現れたのは若い女であった。

 

「私がベリア侯爵家総代ザーリア・ベリアである。我が夫が何かカイン殿に失礼を働いたであろうか!」

 

カインが彼から言われた言葉を掻い摘んで話し、聞いていた貴族からも大体はそうだったと確約が取れる流れの中でザーリアの顔は土色から青白い色へと3段階にて変化していた。

 

「ベリア家は私を侮辱した。私だけならば構わん。もう少し我慢しただろう。だがな、我が妻アリサと、まだ王女であるエレアすらも同じく侮辱した。これに私は許容が出来ぬ。」

 

「か、カイン殿、伯爵騎士殿。このザーリアが伏して謝罪申し上げる。我が夫の無礼、男の戯言を許して欲しい。」

 

「否、許さぬ。よくも言ってくれたな。戯言?それでエレアも、聞けばアリサも傷付くのは当然であろう。」

 

感情が荒ぶり盛れ出した魔力に呼応する様に全身を竜王の鎧が包み込む。指先の硬い部分が掴んでいる男の肌に突き刺さり血が滲み出ている。悲鳴の色がまた変わった。

 

「『洛陽』伯爵騎士カイン個人として貴様らベリア家に報復に赴こう。ファロス家及びエレアは完全に無関係である。これは宣戦布告である。先に手を出したのは貴様らだ。覚悟は決まっているであろうな?」

 

「カイン殿!!!」

 

悲鳴の様な声がザーリアから吐き出される。当たり前であろう。カインの本当の殺気を一身に受けているのである。もう土下座のような格好で懇願している

 

カインが軽く手を上げる。遠くから何かが壁を突き破り飛んでくる音が聞こえる。次の瞬間にはカインの手に竜王の槍が握られていた。

 

軽く槍を回した上で地面に石突を突き立てる。握っていた男の頭はもう興味もないとどこかへ放った。カインを包む莫大な魔力は呼応する様に威圧感も高まって行く。

 

竜を模したフルフェイスの内側には憤怒に染まったカインの顔がある。もう助からぬ、もう終わりだとザーリアは腰が抜け失禁しそうになった所に助け舟が届けられる。

 

「カイン・ファロス、そなたの祝いの場だ。その辺にしておけ。」

 

女王ギルバ当人である。その後ろには宰相ゼーラにアリサが居た。

 

ゆっくりと湧き上がる魔力を抑えながら鎧を収納、槍は近付いてきた近衛騎士に預ければ、膝を着いた。

 

「は。侮辱されたとはいえ場の雰囲気を乱しました。申し訳御座いませぬ。」

 

「良い。しかとその力強い魔力見させてもらったぞ。アリサと話していたが誠女勝りよ。安心してエレアを任せられる。それにエレアに呼び捨てにしろとでも頼まれたか?エレアもカインを気に入ったな。」

 

「恐縮で御座います。」

 

「良い、エレアの所に戻ってやれ。心配そうだぞ?……さて、ザーリア・ベリア。やらかしてくれたな。どうするつもりだ。」

 

「………っ!わ、私は!」

 

「ふむ、皆の衆!先程のカインの宣戦布告、我が名において許可してやろうと思う。だがな、それではつまらん。我らが最強の超人を見たくは無いか!!カインには追加で褒賞を出そう。明日正午!闘技場により『洛陽』カイン・ファロス対ベリア侯爵家を行う!!ベリア家が勝てば今日の失態、全て赦そう。負ければ取り潰しの上でベリア家全て老若男女関係無く打首だ。カイン・ファロス、これで良いか?」

 

「は、万が来ようとも負ける気は一切御座いません。」

 

「よく言った!ならば諸君!明日正午である!明日正午に闘技場にて雌雄を決しようぞ!ザーリア・ベリア。正午までに集められるだけの頭数を用意することを許可しよう。ああ、そこで伸びている阿呆は強制参加だ。元凶が安全圏に居るなど我は許さぬ。良いな?」

 

 

 

 

こうして、カインとアリサの王都デート計画は潰れたのである




これを書きたくて今転生者系書いてると言ってもいい。皆さんはこんな時どういった選択をしますか?イッチはこうしました⤴︎()

テンプレみたいな馬鹿は貴族では無く配偶者でした。竜王なんて物語の存在だから男には実感あんまり無いのです。そして楽しくて沢山飲んだ結果がアレです。

ザーリア・ベリア
20歳のベリア家長女。当主である母親が手が離せない急用が出来てしまった為にザーリアと夫のズークが総代として王都に来ていた。ズークはこうした大々的なパーティは嫁いで初めてだった為はしゃいでいた。今回一番の被害者。普通に良い子に役目を果たしてたのにナンデ…?


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精霊、カインを試したい【カンサツ】+ とばっちり不憫貴族ザーリアの最後の夜(仮)

みんなテンプレ大好きやねぇ。朝起きたら日間総合16位になってましたありがとう。

普通に続き書いてたんだけど多分入れた方がいいなと思ったので追加して書きました。

やりたい事の仕込みなのでかなり短め。出来たら今日2話投稿します!無理ならまた明日!

それではどうぞ!



 

『れじぃ、かいんッテ人間ノ子二執着シテルミタイ』

 

『人類ト戯レルノガスキネェ』

 

『我ラトハ根本的二違ウカラナ』

 

『数少ナイ同胞ダ。ソレガ気ニ入ッテイルノダ。…私ハ少シバカリ試シテミタイ。』

 

『サテ…3-1カ。「??」ハ気乗リセヌカ』

 

『彼、私トハ合ワナイ気ガスルカラネェ。私ハパス。』

 

 

 

根源的塊が闇の中で揺らめく。原初に近い「????」であるが故にその力は竜王にも引けを取らぬ。

 

人類の手本、天変地異そのモノ。ここまで言えば話し合っている者たちの正体が分かってくるだろう。

 

火、風、水、土。この世の全てが詰まった属性魔法の大元。人前に滅多に姿を見せないが故にこうして好き勝手なスライムのような見た目をしているが、本来の姿は人型である。

 

びよんとスライムから伸びた手は3本。火、風、土。水はカインとは相容れないと興味すら無さげで完全な他人事であった。

 

「う、ン゛!久しぶりにこの格好となるな。スムーズに口も動く。」

 

「当たり前でしょ~!長く丸っこくなってたせいでこれが普通だって忘れてんじゃないのぉ?」

 

「煩い。…じゃあ、どうしようか?」

 

「『儂も混ぜろ』」

 

「へぇ!あんたも出てくるのか!」

 

「『カインと言ったか。日の出から半分の時間にて、彼奴の力見れるかもしれん。儂が手引きをシてやろうか?』」

 

「お誂え向きなトコあるんならソコで会いに行けばよくなーい?」

 

「『場所は王都、ヴィマル王国の闘技場だ。お前達が出向くには些か小さ過ぎる。』」

 

「ならこうだな。」「だね。」「こうすればみんなで見れるもん。」

 

次々と彼らは身体の1部をちぎり取り闇へと放る。

 

「『確かに。儂も楽しみにシて居ようかのう。』」

 

人知れぬ世界の中心にて、我らが眼鏡に適うソレを持っているか。楽しそうにそれ等は舞い、良ければレジィの所へ行こうと準備を始めた。

 

「『ほ、ほ、ほ。楽しみじゃの、愉しみじゃ。儂は全てを見とるが本当に全てを見たとは言えんからの。今回は直接見に行くとするかね。』」

 

 

 

─────────────

 

 

 

「このクソ野郎が巫山戯るな!酔った勢いで思ったこと全部口に出す大バカ野郎が!!!貴様だけカイン殿の所に行って腹切って腸晒してのたれ死ね!!!」

 

口を開けば夫に対する言葉は止まってくれない。なんで魔物退治に躍起になってる母親の代わりにババア共の話を愛想良く聞いていただけなのに!どうして!こう!なるんだよ!!!母上と父上に来てもらうべきだったと言った所でもう遅い。

 

酔っ払った挙句に大ボケを噛ましてくれた彼奴の顔面を思いっきりぶん殴った私は絶対に悪くない。今の馬鹿は自殺しないように猿轡噛ませてぐるぐる巻きにして自室に軟禁中である。

 

未だにこの話は貴族の間で持ち切りではあるが、…我が家に取って救いなのは情報が出回っているのが昨日パーティに参加した貴族の間だけなのだ。明日は英雄の力が見られるとなれば、その話で持ち切りなのだろう。

 

今持ちうる財産、まだある信用を担保に傭兵やら、盗賊崩れの様なならず者を掻き集めてももう夜遅いからか人が集まらぬ。50にすら届かない。実家までは片道で1日掛かる。応援など呼べるはずもない。

 

護衛騎士10人と、雇った傭兵共47人。その中で明日の相手であるカイン・ファロスの防御を抜ける可能性がある者がいるかと言われれば、私以外には99%居ないだろう。

 

可能性ですらこれだ。竜王の鎧。アレは紛い物では無い。呼べば勝手に飛んでくる槍も、何もかも。勝てる要素が0なのだ。

 

侮って居た訳では無い。男だからという言葉は、「竜王を討伐した」この七文字で誰しもがその偉業の大きさに驚愕が先に来るだろう。

 

「ちゃんとした教育を受けているのなら」

 

という前提条件が来る事を完全にザーリアは頭の中からすっぽかしていたのだ。

 

男の教育など、男が産まれなかったベリア家の長女であるサーリアには分からない。だが、竜神様に認められた竜王を知らぬわけではあるまいに。

 

容姿に自信があるのが夫であった。私もそれだけは認めてやる。良く愚痴を言うのも聞いていた。だがそれは身内内での話だ。

 

寝られない。寝られるわけが無い。一番高いワインをラッパ飲みする程度にはどうすれば生き残れるのかの算段がつかない。

 

「『ほ、ほ、ほ。お困りの様じゃな?』」

 

余りの驚きに胡座から飛び上がる様に立てば、声の方向に片手を向ける。

 

【結晶】

 

それがベリア家に伝わる固有魔法であった。ベリア家最強の初代は溢れる魔力が結晶となり空間を侵食したとの逸話が残されていたりする。

 

母親、現在当主には劣るがこれでも次期当主。幽霊退治位ならば出来る自負があった。

 

 

「何者だ!」

 

「『儂はただの伝令とでも。明日の件、一枚噛ませて頂こうかと思いましてな』」

 

 

闇が喋っている。奇妙にも程があるが意思疎通は今のやり取りでしっかり取れてしまった。

 

「私達に与する貴様らのメリットはなんだ。」

 

「『かの洛陽と戦えること。』」

 

「ふはは。そんな酔狂な奴が居るのか?いや、居るから来たのか。」

 

闇が差し出したのはオーブであった。掌に握り込める程度の小さいモノであったが、中には幾何学模様の魔法陣らしきものが刻まれているのが見えた。

 

「『召喚式。貴女が死ぬ前に地面に叩き付け下され。さすれば貴女の力になるでしょうな。』」

 

「何を召喚する?魔物か?竜でも召喚するか?」

 

「『ほ、ほ。そんなものよりももっと上、と言ったら?』」

 

「嗚呼、そいつらがカインと戦いたいと?それなら話が噛み合う。」

 

「『どう捉えて頂いても構いませぬぞ。』」

 

「……分かった。受け入れよう。どう足掻いても今のままではカイン殿には刃が届かぬ。」

 

「『ほほ。良い判断かと。では、また明日に。儂は全てを見ておりますぞ。』」

 

 

気配が去っていった。闇が去ると言っても良いか。気のせいか分からないが僅かに明るくなったか。

 

溜息が盛れる。どうしてパーティに出ただけで死地に赴かなければならないのか。泣きたくなりながら片手でオーブを転がしてワインを飲み切るまでラッパ飲みを再開した。




評価感想是非残して言ってください。作者の毎日投稿のモチベに繋がります。


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鬼畜騎士、報復する。精霊達、鬼畜騎士と出会う。

元々ワイバーン狩りが遊びのイッチレベルが超強化されてる上で対人に本気出そうとするのアマツやアルバをタイムアタックで狩ってるハンターが村クエ星2アオアシラに本気出すレベルで可哀想。(伝われ)




798 名無し@転生者の集い

転生者のテンプレだよ?様式美だよ?だけどさぁ。よりにもよってイッチに喧嘩売らなくていいじゃんさぁ…

 

799 名無し@転生者の集い

聞いた限りじゃ初めてパーティに出てきたんだって?奥さんが総代で来てるから。

 

800 名無し@転生者の集い

救いの欠片すら無くて

 

801 名無し@転生者の集い

ワイ、イッチに喧嘩売る位なら自分の家燃やして怒られた方が良い

 

802 名無し@転生者の集い

ただの放火魔なんよw

 

死なない豚箱行きだからマシか

 

803 名無し@転生者の集い

死ななきゃ安いんやなって

 

804 名無し@転生者の集い

イッチ~?ブチ切れたの怒られた?

 

805 名無し@転生者の集い

さすがに怒られんやろ。女王様からも不問で終わっとるんやから

 

806 貞操逆転世鬼畜騎士♂

城壊したの怒られたンゴ

 

807 名無し@転生者の集い

槍のせいで怒られてて草www

 

808 名無し@転生者の集い

レジィ婆ちゃんが付与した奴のせいで草

 

809 名無し@転生者の集い

イッチのメイン装備君さぁ…

 

810 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ワイ嫁には良くやったって褒められて、もう一人には心配されて抱き締められた。

 

ワイ嫁実家伯爵家から侯爵家格上げ決定()

 

811 名無し@転生者の集い

そりゃイッチ負けんもんなぁ

 

812 名無し@転生者の集い

竜王装備一式使おうとしとるの単純にズルなんよ

 

813 名無し@転生者の集い

イッチが羨ましいんだか憎たらしいんだか…あの後のイッチの感情垂れ流しは怖かった。チビりそうになった。

 

814 名無し@転生者の集い

リプレイ見たけどイッチに殺気向けられてた子真面目そうなのにとばっちりでまじで可愛そうで抜ける。

 

815 名無し@転生者の集い

可哀想は抜けない。

 

816 名無し@転生者の集い

あ゛!?

 

817 名無し@転生者の集い

まぁまぁまぁまぁ

 

818 貞操逆転世鬼畜騎士♂

リアタイ視点共有出来るっけ?

 

819 管理者

出来ます。宜しければ開始の補助を致しましょうか?

 

820 貞操逆転世鬼畜騎士♂

あ、じゃぁ管理者ちゃんお願いね?

 

821 管理者ちゃん

はい!

 

822 管理者

………!はッ!

 

823 名無し@転生者の集い

 

824 名無し@転生者の集い

可愛ええなぁ管理者ちゃん

 

825 名無し@転生者の集い

デレたわね!

 

826 名無し@転生者の集い

コテハンも変わってるの可愛い

 

.

.

.

 

897 貞操逆転世鬼畜騎士♂

そろそろ始まるんでよろしく。

 

898管理者

https://haisiin./………

⚠︎今回はリアルタイムでの視点配信となります。個人名等はリアルタイムで修正出来ますがR18及びR18Gに該当する場面は修正出来ません。問題がある場合は直ぐに視聴をおやめ下さい。配信終了後に修正済みリプレイを投稿致しますのでお待ちください。

 

899 名無し@転生者の集い

管理者ちゃんサンクス

 

900 名無し@転生者の集い

今思ったけど配信とかリプレイとか個人名めっちゃ厳重よな。ワイらの名前だけなら分かるけど。

 

901 名無し@転生者の集い

まぁ色々事情あるんやろ。ほら、見てないと見逃すで

 

902 名無し@転生者の集い

おー迫力あんな。楽しみ

 

903 名無し@転生者の集い

見事に女ばっかや!!!

 

 

 

貴族、貴族、貴族、王族と嫁と嫁になる予定の子。

 

闘技場のど真ん中で観客席を見上げれば知らない顔が9割、顔だけは知っているのが0.5割、話したことがあるのが0.5割。そんな感じである。

 

少なすぎる?男のカインに貴族のツテがある訳無い。故にこんなものなのだ。女社会の中に男が入るのは。

 

昨日の騒動があったからか、配偶者を連れている者は皆無であった。そもそも男はこんな野蛮なモノに対する興味は薄い。あったとしても、極小数であった。

 

 

 

 

未だ、ベリア家側は現れては居なかった。準備にある程度時間が掛かっている様であった。

 

 

退屈である。見世物としては受け入れよう。女王公認にて報復が許可されたのだ。これを蹴る理由が何処にあろうか。

 

だが内容は一方的な鏖殺となろう。我が力を測ろうとシている者も居るだろうが…嗚呼、あの程度ならばその願いも叶うまい。

 

先頭にはザーリア・ベリア。引き連れる者は装備も武装もバラバラの50程度と、ベリア家から連れてきていたのであろう騎士10程。

 

我が顔に泥を塗ったにも飽き足らず矛先をアリサとエレアに向けた畜生は、ザーリアに引っ立てられる様に引き摺られていた。

 

ぶかぶかな皮状の鎧に一番脆く軽そうな剣を1本。それだけでも立っているのがやっとな姿に、貴族達からは失笑が漏れ出る。

 

傭兵崩れ、野盗の様な格好をした者たちは口々に待っていたカインへと嘲りの言葉を投げ掛けていたがそれも来た道が塞がれた上で女王が一歩前に出た瞬間に、怪訝な顔を浮かべた。

 

知らないのだ。目の前に居る男を。

 

知らないのだ。報酬を先払いで払った者がどの様な処遇だったか。

 

知らないのだ。これから行われる事が唯の鏖殺である事を。

 

 

「約束の日時を過ぎた。良くぞ皆集まった。これより『洛陽』カイン・ファロスとベリア家によるデスマッチを行う。どちらかの者が全て死ねば終いとする。覚悟は良いか!」

 

貴族達観客席からは歓声が湧き上がり、カインは槍の石突を地面に大きく叩きつけて応えた。ベリア家の人員だけはざわめきが拡がるばかりで闘志も何もあったものではなかった。

 

 

「宜しい。では我がギルバ・ヴィマルの名において開始を宣言する!」

 

 

 

ゆっくりと、ザーリアだけが前に出る。呼応する様にカインも前に出た。

 

女と男。有り得ないことであったが両者が並び立てば女の方が男の影にすっぽりと入ってしまうのだ。

 

「カイン殿。今更謝罪しても仕切れぬが…申し訳無かった。」

 

「…………その謝罪に免じて初手は譲ってやろう。」

 

カインの殺気をぶつけられたザーリアは数秒固まった後に、諦めたように下げていた頭を上げればその場で両手を前に突き出した。

 

「《構築開始・重複無限・規模最大・形状槍・……》」

 

何分経つだろうか。彼女の持ちうる全魔力を投入して形作るのは巨大な結晶の槍であった。

 

「《晶装・アスタリスク》」

 

綺麗な六角形を形創ったソレはベリア家の奥義である「晶装」。本来ならばイメージと同等の形を形作った結晶を四肢と同等のモノとして定義しラグなく扱う小回りの利く汎用性の高い奥義であったが…彼女が選択したのは攻撃一色。

 

防御に回した所で竜王の鱗以上のモノは不可能。ならば殺される前に殺し尽くすしかないじゃないか。

 

「カイン・ファロス!覚悟!!!」

 

彼女の全身全霊。アドレナリンバチバチに身体中を駆け巡っている彼女にとっては無我夢中であったが、その規模に観戦していた貴族達の半数は目を見開いていた。

 

その規模を形成して構築し、数分間の猶予があろうとも戦術級のモノを見せつけて見せたのだ。

 

握っていた手を開くと同時に、結晶槍はカインの心臓目掛けて射出された。音速に近いそのスピードは、軽くソニックブームを周りに撒き散らしながらカインに突き進む。

 

 

鎧が瞬時に構築。瞳は確りとその槍の軌道を捉えていた。

 

如何様になっても良いように、瞬時に左へと身体の軸ごと移動すれば、その時には既に剣を引き抜き構えを取っていた。

 

ノワール。信用信頼。全てを任せられるレジィの最高傑作。

 

全身に魔力を迸らせて、剣にもソレを送り込む。

 

「む゛!ン゛!!!」

 

紫電一閃。真一文字に切り払われ、何の抵抗も無く絶たれた結晶槍は次の瞬間には崩壊を始めた。ザーリアが攻撃力のみを特化させて創り上げたソレは綻びがあればすぐ様崩壊してしまうものであった。

 

カインの脚が奔る。崩壊する結晶を目隠しとして地面を蹴り割り向かう先は名も知らぬ有象無象。

 

首、頭蓋、正中線、脇、股、胴体。無造作に剣と槍を振るうのは、人間の急所。何の抵抗も無く穂先と刃は60にも満たない命を1分足らずで刈り取って見せた。叩けば千切れ、切れば切った数瞬後にはその部位が容易と泣き別れになる。

 

防御を鎧で固めていた?剣や武具で防ごうとしていた?カインが持つモノに防御などただの通過点に過ぎぬ。叩き切ると云う表現すら使えぬ、凄まじく角が立った断面に、カインの技量と剣や槍の鋭さがよく映える。

 

その身に纏う鎧や剣、槍に付いた返り血は皆無。血が舞う前に移動し、直接切っていた剣や槍は、その鋭さ故に血や血に巻く脂を完全に弾いていた。

 

残るはザーリアと、未だにポカンと阿呆面を晒している男のみ。

 

矢張りか。試し切りにもならないとため息を吐き出せばゆっくりと終える為に彼女らに脚を向けた。

 

「は、は──、は──、ッ!仕方、あるまい!」

 

魔力枯渇を引き起こし土色の唇となったザーリア・ベリアが懐から取り出すのは掌で軽く覆い隠せる程の小さなオーブ。

 

本来ならば容易に間合いに入り手首でも切り落とせば未遂で終わるその動作。

 

カインは─────もうちょっと戦いたかった。だって領地に直接突っ込んで全て血祭りに上げるつもりだったのにこんな60足らずの有象無象殺しただけで止めろと言われては鬱憤が収まらない。

 

片手間にズークだったかの男の両脚を膝下から切り落してその場に這いつくばらせて、彼女の行動の結果を見詰めていた。

 

ザーリアが地面に叩きつけたオーブは粉々に砕け散り、三次元での魔法陣を形成した。

 

 

 

焔の如き瞳を向けた太陽とも言える宝石を額に嵌めた痩躯の男性。

 

誰よりも頑丈であり、全てを護る四肢を持つ女傑。髪は緑に覆われ所々には花が咲いていた。

 

碧、ただただに碧かった。宝石の如き光を放つ髪に、四肢には旋風が渦巻きホバリングする様に空中に滞空するスレンダーな美女。

 

 

三人に共通して言えることはただ1つ。耳が尖っている。精霊、それも上位の───?

 

 

魔法陣が消え去ったと思えば3つの影。改めて全身に力を込めようとすれば口を開かれた。

 

「よぉカイン。お前すげぇな。俺達が興味を持った人類は2人位… 居たか居なかったか。まぁ良いや。レジィの武器はどうだい?」

 

「レジィの名前出すの早かったんじゃなァい?…やっほ!カイン君♡気になり過ぎて来ちゃった。」

 

「………少々煩い。」

 

 

二人が好意的な声を発する中、風を纏う精霊が不機嫌そうに呟いた瞬間、血の池が広がった。

 

スピーディにやり過ぎて傭兵崩れ共の中にまだ息をしていた者が居たらしい。そして、態と生かしていたズークか。骸全てが圧壊した様にぺちゃんこに潰れて赤黒い血が広がっていくのだ。

 

カインだけは、今の現象を引き起こしたモノの名前を知っている。

 

気圧。又は重力。…目の前の彼女がそうしたのならば、十中八九気圧であろう。

 

「レジィばぁを知っているならば…上位精霊か。」

 

「そうそう。…ぶふッ!レジィがばぁって呼ばれてる!笑わないようにシてたのにちゃんと聞くと笑えてきちゃう!」

 

「まぁ分かるか。こんなとこで本気なんか出したら全部ぐちゃぐちゃになるから分霊だけどな、ソコの召喚者よりは楽しめるぜ?」

 

「カイン、会えて良かった。私はソラウ。空の支配者。今は分霊だけどまたちゃんと本体で会いに行く。よろしくね?」

 

「ソラウ即堕ちwwwカイン君良かったねぇソラウに気に入られてんじゃんw」

 

「俺は炎、此奴は大地。ソラウは空、まぁ風みたいなもんだ。カイン、俺と此奴の名前はお前を試してから教えてやる。だから───死ぬなよ!」

 

 

 

こうして炎の翼が天蓋の様に広がり、精霊達の試練がカインへと降り注いだ。




一旦ここで切ります!精霊達の紹介は次話の後書きでやります。

サクッと死んだズークとギリギリ生きてるザーリアさん。運命は如何に!

明日ですが、これを書くかどうかちょっと未定です。この多重世界が出来る前の出来事とか急に浮かんで来たりこの多重世界を使ったr18作品が頭の中で生まれたりしてるのでちょっと纏めさせてください!

評価感想諸々お待ちしております!


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鬼畜騎士、試練を受ける

祝20話!誤字報告、感想、評価ありがとう御座います。すんごい助かってます。

感想で最強装備カインが竜王とか上位精霊にどのくらいやれますかって質問貰いました。

相性とか色々あるので一概には言えませんが、外付けガチガチに組んだノートPCが高級なデスクトップのゲーミングPCにカタログスペックしか追い付けずに勝てないイメージ持ってください。基礎スペックが人類と上位種族だと根底から違います。
生きてる年数が違うんだよなぁ。


現状の補足
・上位精霊といっても本体の5%程度しか力は出せないから安心してね!(権能は普通に使えてる為規模が縮小しただけ)
・「?!d?」の上位精霊がアドバイスしたおかげで客席に被害が及ぶようなことはありません(ちゃんと結界みたいなものをソラウが張っています)
・試練だからね!テンション上がって死ぬなとか言ってるけど殺しに来てないからね!カインとじゃれ合いに来ただけ。

それではどうぞ!珍しくスレ無しです!



「焔よ!」

 

太陽を覆い隠す程の炎の翼を広げても尚、炎の精霊がその身太陽の化身なりて、大地を照らす。

 

その掲げた手に生まれるは焔の槍。槍と云うよりも炎の筋か。柄も穂先もそんなものは無く投擲に一番最適な形に創りあげる。

 

竜王の槍、それに対抗するかのようににやりと哂う精霊は、高らかにその銘を告げながら試練の幕開けをカインに宣告する。

 

「ウルベアナ!!!」

 

原初の炎、その精霊たるその名を冠する一投を明確な闘志を持ってカインへと投擲された。

 

 

 

「空断層五十」

 

空の精霊ソラウの一声にて闘技場と観客席が完全に真空の不可視の壁で仕切られる。これは試練である。カイン以外が乱入しては元も子も無く、試練であるが故に死闘にしてしまっては意味が無いのだ。だからこそ炎の精霊ウルベアナも殺意など一切抱いていないのだ。

 

「は~い君はこっち。良くちゃんと私達を召喚したねぇ偉い偉い。ソラウが護ってくれるだろうけどちょっとオマケをしようか。」

 

動けもしないで地面にて天変地異の前触れの様な光景を眺めていたザーリアを座る大地ごと手元へ手繰って来たのは大地の精霊、命の母。木の枝と葉っぱの絨毯を作り出せば彼女をソコへ座らせてガーデンのようなアーチで囲った。これにて大体の攻撃は彼女から逸れるであろう。

 

召喚者が死ねば召喚が解除されるようなちゃちな物では無いが、試練に来たのに知らない子が勝手に死ぬのは大地の精霊にとって余り歓迎出来ないことであった。

 

 

 

「これが試練か。…ならば先ずは引きずり下ろす!!」

 

 

カインとして、元日本人として。目の前の精霊達の立ち位置を測りかねていた。

 

分身。ぶんしんとも、わけみとも読めるソレ。某NINJA漫画の様な魔力を半分に分ける事による本物と遜色ないものなのか、媒体を使う事による局所的な本体の再現か、数多の可能性があるが…直感と彼らの言葉を信じるならば「本体から切り離した量によって出力が変わる感じの分身」の様な気がする。

 

言い方は悪いが魂の「圧」が些か足りないのだ。竜王を経験している故に技量や力は本物だろうが根本が足りていないからこそ未だ畏怖の対象では無く試練を与えてくる精霊止まりなのだ。

 

槍をくるりと回した後に槍を握り締めれば擲つは焔の槍。寸分の狂いも無く撃滅せんと渾身の力で投げ打った。その衝撃の儘に身体を回転。左手に持つ剣を両手で握り、魔力を剣へ込め、一瞬の貯めを作った後に空へと振り切る。

 

 

「!!?!ふ、は!」

 

ガラスが砕ける様な音が響けばソラウの結界が半ば迄砕かれ、上空に浮いていたウルベアナの炎の翼、付け根から綺麗に断たれていた。

 

ウルベアナがわらい、ソラウが目を見開く。瞬時にどちらも修復して元に戻るものの、カインの槍が焔の槍を難なく貫き霧散させる時間程度は稼げた。

 

カインに今足りないものは無い。そう、人間と戦う場合は。地上で平等な場所で出来る場合では、だ。

 

生物として、ニンゲンは頭が重くなり過ぎた。頭に栄養を取られすぎたのだ。

 

空へ飛ぶ事の憧憬はあれど余りに重力は人間の敵であった。

 

ならばそれは筋肉で覆そう。今ならば筋肉、魔力。幾らでも注ぎ込める。

 

飛ぶのでは無い、跳ぶのだ。最短であの精霊がいる所まで届かせ、そして切り落とせばそれで良い。

 

─────す゛ン゛!!!

 

下半身を魔力が巡る。余りの魔力に周囲の地面に亀裂が走る。

 

イメージしろ。思考を回せ。脳が筋肉では意味が無い。魔法を、自らの魔法の解釈を広げろ。コレの根本は何だ。オレの、僕の憧憬だろう。「◾︎◾︎◾︎◾︎」となるんだと。憧れたんだろう?ならば為せる。ソレを今体現しているのだから。

 

魔力の巡りは腰、背骨、頭部と巡る。この合間3秒も掛からぬ。手を伸ばせば帰ってくる槍を握りしめてその反動も使いながら跳ぶ。

 

膨大な魔力を推進力に一気に重力の鎖を引きちぎる。嗚呼、まだ足りないか。

 

脚を音の壁に叩き付ける。相応の衝撃が脚に掛かるが知ったことか。竜王の鎧が衝撃を吸収しながらぶっ壊れた脚は瞬時に再生する。ソレを無理やり繰り返す事により強引なスカイウォークを現実のものとする。

 

「覚悟!!」

 

多くの言葉を吐き出す意味は無い。堕ちてくる炎の玉や槍を切り払い間合いの1歩外。そこまで来てやった。

 

槍の石突辺りを持ちうる全てで握る。

 

やる事は竜王に対抗する為にシた事と何も変わらぬ。既に身体から魔力が溢れ出し始めている。暴走1歩手前で我慢して操っていた手網を意図的に離す愚行。

 

内蔵が、骨が、魔力の通り道となり槍にも剣にも肉体と同等の魔力が宿る。身体の中で破壊と再生が繰り返されているがそれすら心地いい。

 

「断世」

 

槍の先端が音の壁すら容易に切り裂き漸く届いたその一撃は音も無くウルベアナの股座から脳天まで引き裂いた上で空間に傷を刻み込んだ。

 

 

「ふははは!見事なり!それでこそだ!」

 

真っ二つになって尚ウルベアナは笑う。それもそうだ。全世界から全ての火の記憶が消えぬ限り無限に残機があるのがこうした「原初の上位精霊」である。容易に再生した上で屈託の無い笑顔をカインに向けた。

 

死という概念が無く本体に存在する核を破壊されても司るモノが無くならぬ限り違う形だったとしても生まれ変わり出現する自然現象そのものであった。

 

「ウルベアナ失格!カイン君やるぅ!」

 

重力の鎖に縛られた儘に落下してゆけば背後に感じるのは巨大な木製の手。このままに自らを捕まえようとして愉しげに地面に手を付くのは大地の精霊であった。ああ、そうでなくては。

 

一息を吐き、吸えばそれだけで体力は全開する。槍を溜め無く放るのは大地の精霊の脳天。どちらかと言えば右手を空けたかった。それだけである。

 

鎧に備わった機能は何も小型化だけでは無い。先程の無茶をした時に音の壁で受けた衝撃の半分以上はこの鎧に吸収されて溜め込まれている。

 

何にそのエネルギーを使うか。それは───。

 

右手に蒼い光が集まる。意図的に集めたものである。生半可な攻撃では衝撃以前に簡単に弾いてしまうからこそこうして今回は自分で溜めたのだ。

 

技名も無いただの拳一閃。巨大な掌の中心に着弾した瞬間に解放したエネルギーは、見事にその木の手を破壊し尽くした。

 

「あは!凄い!凄いねぇカイン君!最高!じゃあこれ行っくよー!?」

 

地面に漸く両脚付いたカインの目の前には巨大な木の仁王が仁王立ちしていた。

 

「アタシはイウ!森羅を司る大地の精霊!もうカイン君のこと気に入ったけどまだ足りないよね!全て捨ててかかって来い!」

 

本当に楽しそうに笑うのだ。無垢なそれを向けられては仕方が無い。手元に舞い戻ってきた槍と剣を地面に突き立てれば鎧をリングへと収納させて行く。ただの着流しだけ。その姿でありながらも、一切圧力は変わらぬ魔力を滾らせてイウが頭の上に乗った仁王に突撃した。

 

一撃目、迫り来る右手に合わせた正拳突き。仁王の右腕が肩から先が崩壊し、カインの右腕の筋が千切れ肌が裂けて噴き出す。

 

二撃目、右側を再生しながらの左正拳突き。結果は相も変わらず相打ちとなる。カインの左肘から骨が突き出る。

 

三撃目、両腕が完全に崩壊した仁王と形は保っているカイン。故に先に動けるのはカインであり、超接近したカインの右脚が仁王の左膝をハイキックで蹴り壊す。

 

柱がへし折れる音が鳴り響き仁王が膝を着く。そこで両腕の再生が完了する。

 

四撃目、飛び上がったカインの膝がイウの顔面に迫る。蔓のクッションをカインと自らの間にイウが生成して軽くいなす。

 

五撃目、カインの脚を金剛の頭を変化させて拘束してしまえば一瞬の隙を突いてイウが動く。金剛を右腕に纏い放つ無造作な体重を全部載せたパンチはカインの腹にぶつかり衝撃が突き抜ける。

 

辛うじて脚の拘束を外していたカインは後ろに飛ぶことによって衝撃を軽減しようとする。内臓が物理的に抉れる程のソレに流石に吹き飛ばされるも、溢れ出る魔力によって再生する。起き上がってから数度口の中の血を地面に吐き出した後、尽きぬ闘志をイウに向けた。

 

 

「カイン、イウ、そこまで。」

 

「うむうむ。これ以上は我らの目的から逸脱する。」

 

パン、パン。手を叩き止めるのは唯一この中でカインを試さなかったソラウであった。その後ろからは先程まで空中で観戦していた炎の精霊である。

 

「改めて、我が名はウルベアナである。いや、見事なり。矢張り英傑とは良い物だな。見届けたくなる。」

 

「はいはいはい!私も改めて!イウだよ!森羅の精霊、豊穣も何もかも私の手の内ってね!カイン君一緒に過ごそうよ!この世界が終わるまで!」

 

「イウ、カインの迷惑。…私はソラウ。カイン、私達はこれでも分身。改めて君の元へ次は私達自身が行くから。楽しみにしててね?」

 

三人に囲まれ四人の世界を構築していたがふと目端で必死に真空の壁を叩く妻と女王の胃が痛そうな顔を見て、ソラウにソレを伝えた。

 

「…あ。」

 

 

精霊もポンな所があるんだね。そんなホッコリとした感じにはなったが、観客席ではかなりの混乱が巻き起こっていたらしい。ソラウが結界を解除した瞬間に一気に耳に入る情報が膨大になった。

 

「はぁ。…鎮まれ!我らは精霊である!此度はカインに用があり訳あってソコの人間を使った。えー、そうだ、ヴィマル王国であったか。ソコに危害は加える気は方ほども無い!どうでも良いし(ボソッ)我らが認めた英傑、大切に扱えよ?ではな!」

 

「カイン君まったねー!」

 

「カイン、今度は沢山話そうね」

 

一気に静かになった世界にてウルベアナ達は好き勝手言った後に塵となる様に消え去った。




ちょっと予定より話数掛かってますがもう1話書いた後に王都から帰ります。ゆっくりお楽しみください。モチベ維持には感想が私には必要なんです!何でもください!毎日投稿しますから!

以下精霊の紹介。イメージモチーフは想像しやすい様にコレが近いかな?ってやつを書いてます。それじゃないからね!

ウルベアナ
炎、光等の権能持ち上位精霊。モチーフイメージはファラオ+施しさん

イウ
大地やら生命やら森羅の主。上位精霊。モチーフイメージははっちゃけた忍界最強

ソラウ
空、風等の権能持ち上位精霊。モチーフイメージは某落第騎士の純白

ついでのレジィ
鍛治系統全部引っ括めた権能持ち上位精霊。モチーフイメージは某ダンジョン世界の女鍛治神


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鬼畜騎士、公爵騎士になる【ドウシテ( ᐛ )ソウナッタ】

ちゃんと話を読まずに飛ばし飛ばしで来てる方が居るみたいなのでが少しカインや転生者達について話します。

・日本人の魂(記憶封印)+別の身体
上記の状態で18年間過ごした後に前世の記憶と転生特典、スレ等を思い出したり使える様になります。

この時点で既に転生前の性格とかとはかなり掛け離れており、身体に転生特典も馴染んでいるので前世の記憶は「記録」みたいなものだと思ってください。

よく人殺し出来るなとか言われましてもそりゃ環境的に出来るやろとしか思いませんのでちゃんと読んで理解してその辺は意見を言ってくださいね?


ガチのガチで女王様も貴族達も作者も脳が破壊されたのでまぁまぁ話がぐちゃぐちゃかも知れません。お詫びに蒼穹に居る竜王ウーサーが腹を切ります。



1 管理者

前スレが1000到達してしまいましたので代理として次スレを作成しました。

 

2 名無し@転生者の集い

管理者ちゃんさんくす

 

3 名無し@転生者の集い

管理者ちゃん乙

 

4 名無し@転生者の集い

イッチ抜きで1スレ使うとは思わんかった。

 

5 名無し@転生者の集い

リアタイ視聴1000人くらい見てんじゃね?ってレベルのスレ速度だった。

 

6 名無し@転生者の集い

あのクズ野郎がイッチじゃなくてバカやばい精霊様にプチッとやられたのは申し訳無いけど笑った

 

7 名無し@転生者の集い

イッチが後で殺そうと取っといたのにさぁ

 

8 名無し@転生者の集い

そして始まる人外大戦

 

9 名無し@転生者の集い

それに抗えてるイッチのやばさよ

 

10 名無し@転生者の集い

音の壁を蹴ってスカイウォーク…だと!?

 

11 名無し@転生者の集い

さすがイッチ脳筋

 

12 名無し@転生者の集い

飛行系転生特典なくても空に浮かべるんやなぁ(白目)

 

13 名無し@転生者の集い

おーいイッチもう楽しい戦いは終わったやろ。そろそろ配信切った方が良いんちゃう?

 

14 貞操逆転世鬼畜騎士♂

そっか。管理者ちゃんお願いします

 

15 管理者

それでは視点共有リアタイ視聴を終了します。後程要所を修正したものを投稿致します

 

16 貞操逆転世鬼畜騎士♂

管理者ちゃんありがとうね

 

17管理者

また何かありましたら遠慮なくお声掛け下さい。

 

18 名無し@転生者の集い

そういやイッチ終わった感バチバチに出してるとこ申し訳ないんだけど腰抜かしてるあの子の処遇どうするん?

 

19 名無し@転生者の集い

せっかくなぁなぁで終わりそうだったのにさぁ

 

20 名無し@転生者の集い

女王様に首チョンパされるやろどうせ

 

21 名無し@転生者の集い

まぁそうか

 

22 貞操逆転世鬼畜騎士♂

ナンデ

 

23 名無し@転生者の集い

あ、イッチが壊れた

 

24 貞操逆転世鬼畜騎士♂

【悲報】昇格決定

 

25 名無し@転生者の集い

くさぁ

 

26 名無し@転生者の集い

し っ て た

 

27 名無し@転生者の集い

 

28 名無し@転生者の集い

まぁ流石にそうなるやろ

 

29 貞操逆転世鬼畜騎士♂

・ワイ実家を無理やり侯爵に格上げ

・ワイ、公爵騎士になる。嫁実家を公爵家に格上げ。政治的兼ね合いによって公爵は当主とする(公爵相応の権限を政治と戦時で分けた感じだと思う)←

・公爵として足りない領地分は他の貴族や王家が土地、金銭や人材によって賄う

・政治には参加しなくていいけど軍事の時は君がトップね←

・流石に人員が足りないから今回馬鹿した貴族は取り潰してから人員ファロス家の下に加えるね。好きに使って。馬鹿貴族身内だけなら殺しても王家は不問にする←

 

30 名無し@転生者の集い

思ったより大掛かりで笑った

 

31 名無し@転生者の集い

???「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」

 

32 名無し@転生者の集い

何だかんだ直接馬鹿やった奴以外延命してるの運良いな

 

33 名無し@転生者の集い

流石にとばっちりもとばっちりだったけどやらかした事には変わりないしな

 

34 名無し@転生者の集い

ガチで負担が他の貴族ってあの戦いのせいやろw

 

35 名無し@転生者の集い

ガチでイッチの存在自体が戦略級なのが悪い

 

36 名無し@転生者の集い

リアルに単騎で貴族が保有してる戦力全て鏖殺出来るであろうこと証明したしな

 

37 名無し@転生者の集い

うーんインフレ

 

38 名無し@転生者の集い

権能持ちが出てきてる時点でインフレなんてあって無いようなもんだろうがよい!

 

39 貞操逆転世鬼畜騎士♂

宰相さんにもう一人くらい嫁いる??って言われたんだけどお断りしました。ワイ嫁ストレスマッハになりそうだし

 

40 名無し@転生者の集い

 

41 名無し@転生者の集い

まだ王女ちゃんとも色々シてないのに!

 

42 貞操逆転世鬼畜騎士♂

なんか色んな貴族の当主から人間じゃないやろって目向けられてるんやが。…跪くな崇めるなお前らの主は女王様やろが!

 

43 名無し@転生者の集い

あーあ

 

44 名無し@転生者の集い

脳破壊しちゃった

 

45 名無し@転生者の集い

やっぱり暴力。圧倒的な暴力は全てを肯定する

 

46 名無し@転生者の集い

否定出来ないwww

 

47 貞操逆転世鬼畜騎士♂

女王様すんごい顔になってるけどトイレ行きたいんか?

 

48 名無し@転生者の集い

おまw

お前のせいやぞ鬼畜野郎!

 

49 名無し@転生者の集い

流石鬼畜騎士、そこにシビれる憧れる!

 

 

 

 

隣国の王との直接的な難しい議題を決める会合でもこれ程胃が痛くなったことは無い。

 

上位精霊、それも根源に近しい属性を司る者たち。それが認めた、認めてしまった今世最高の英傑。

 

宰相に痛み止めの粉薬だけは持ってこさせて無理矢理痛みを抑えて思考を回す。幻痛だと本能は訴えているが飲みでもしないとやってられないのが事実である。

 

他の国に彼が生まれなくて良かったと思う反面、何故私の代で、という気持ちはなくも無いのだ。

 

「ギルバ様、良い機会です。公爵以下全ての貴族の税を増やしてカイン様の支援に回しましょう。今ならば誰も渋りはしませんぞ。」

 

「公爵にでもする気か?」

 

「王家ですら本気で敵対されればカイン様一人に壊滅します。エレア様がいらっしゃいますから大丈夫だとは思いますが…。カイン様自身は政治に興味は無い様子。ファロス家を公爵家にしてしまい、カイン様には国防や軍事の方面をお願いするのです。」

 

「ふふ、伯爵騎士だったのが昨日の今日で公爵騎士か?」

 

「ギルバ様の権限で無理矢理枠を作ります。元々公爵レベルの権威を与えなければいけない想定だったのですから痛くもないでしょう。唯一の懸念が国内の反発でしたが今回の見せ方をしたおかげでどうにでもなりました。何としても繋ぎ止めねば。一週間後には他国も知る事になるでしょう。精霊のお気に入りが居ると」

 

「致し方あるまいか。…将来の為の投資だ、出し惜しみするなよ?」

 

「心得ております。」

 

 

この混沌とした闘技場内で今すぐにそう通達を出するのは不可能な為に熱気収まらぬ貴族たちを纏めて城に向かって行く女王様が居たとか居なかったとか。

 

 

───────────────

 

 

「…カイン、私より強いとはいえ無茶し過ぎだ。」

 

「いや、俺のせいでは…」

 

「カイン様!私もそうですがアリサ様が一番貴方様の心配をしておりました。…精霊様の試練とはいえ裸同然の殴り合いや自傷してまでもあの様なことは…」

 

ベッタリと真正面からくっつき虫の様に体を寄せ、時たまポカポカと胸板をぐーで殴ってきながら耳に入ってくる声音や言葉は凛々しくて頭が可笑しくなりそうになる。

 

どうしろと言うのだ。エレアは完全にアリサの味方であるし、シャワーで身体についた自らの血を流し城の一室に戻ってきたというのに、未だにこの調子である。

 

「分かった、出来るだけ無理はしないと誓う。」

 

「…もう、守ってくださいね?」

 

 

─────────────

 

 

 

「それで…成程。」

 

「はい。ファロス家を…というよりもカイン様の格に合わせてファロス家を公爵家とします。その場合領地や人員の規模が些か足りません。その為に元侯爵家であるベリア家を丸ごとファロス家の下に付けさせます。元々斬首予定ではありましたがカイン様がもう気にしていないこと、公爵の枠を1枠増やす為には何処からか補充をしなければなりません。一番動かし易いのがベリア家だった訳です。」

 

夜、アリサと宰相であるゼーラは今後のことについて話し合いを行っていた。カインはエレアに任せてきた。ファロス家にとっては良い事しかない今回の話、カインが頑張ってくれたからとも捉えられる。故に、話をまとめるのは女の仕事だと遅くまで議論を詰めていた。

 

伯爵家が2日で公爵家、子爵家が2日で侯爵家。何かの間違いだろうと騒ぐような貴族が居たとすれば、王家が直接殴りに行くだろう。

 

竜王を倒し、竜王の剣を献上し、数多の貴族の前で精霊に認められる。

 

こんな人間が何処にいると言うのだ。お前らは何もしなくていい。王家が全部調整するから税金もうちょっと払うだけでいいから協力しろと。誰か変わりたいなら変わってくれと女王様がゼーラに吐いた愚痴であった。

 

───────────────

 

「ザーリア・ベリア。ベリア家を男爵家に格下げの上ファロス公爵家の傘下としてファロス家の下に配置とする。領地は没収だ。公爵家の下故に最低限の爵位は持たせるが基本的にはファロス家に吸収されると思ってくれ。」

 

「……!は、はい!」

 

ゼーラが1人となってしまったザーリアに今後の処遇を告げた。カイン、アリサがこれ以上は問題無いと明言した事により侯爵という地位から格下げされてはしまったが護衛の騎士10名と馬鹿な夫の本来よりもかなり少ない被害者によりこの問題は決着した。

 

もっとも人材が余っていた場合間違いなく取り潰しの上斬首だった事からベリア家は幸運だったと言えるであろう。

 

 

 

 

こうして他にも色々と面倒な後処理があったが、なんとか無事にカイン達は竜王の剣を献上して帰路に着いたのである。

 




王都編終わり!読んで頂きありがとうございました!

次話は人物紹介(~21話)、その次はデート回、その次にr18側の方を2本書いて次のお話に移ろうと思います。よろしくお願いします。

これからも鬼畜騎士をよろしくお願いします

評価感想をお待ちしております。


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本作品登場人物纏め(~21話)

女王様~王女様の持つ魔法が公開されています。よろしくお願い致します


カイン・シューレゲル→カイン・ファロス

地位: 子爵家長男→伯爵家騎士団団長→伯爵騎士「洛陽」

年齢: 18→19

身長体重:192、192

所有魔法: 【国士無双】自己強化と自己回復を併せ持った脳筋固有魔法

容姿:青眼黒髪。顔レベルは今の日本基準で中の上。超人体質特有の骨密度、筋密度が異常に高い身体故に体格に見合わぬ程体重が重い。

 

転生特典

①体力無限

②武芸百般

③超人体質

 

言わずと知れた今作の最強枠でありイッチこと主人公。脳筋中の脳筋。誰が見ても超人そのもの。

 

イッチ's竜王ソード「ノワール」

馬鹿ほど厳つくて見た目よりくっそ重い黒曜石色の剣。竜王の剣を複数個重ね合わせてレジィが全力で創り上げた自信作。「防御無視」特性付与

 

イッチ's竜王ランス「ブラン」

竜王の1番デカい骨をスレ民の希望通りにしてレジィが創ったイッチのおNewメイン武器。イッチが試しで岩に向かって突き出したら紙みたいに貫通した為絶賛穂先を物理的に封印中。イッチ限定で「手元に戻ってくる」特性がレジィによって付与されている。

 

イッチ's竜王アーマー

ガチのテクノロジー系鎧。未だにレジィが改良を重ねている。最終的には指輪1つまで圧縮して装備可能が目標。MA○VEL見てる方ならば親近感が湧くはず。イッチは転生前MAR○ELファンであった。推しはクリス(ソー)である。

 

イッチ's弓

なんだかんだ強化貰ってないがイッチの腕力に耐えられて竜王の鱗を貫いた実績のある純粋なる強弓。イッチの魔力が馴染んでいる為扱いやすい。

 

 

アリサ・ファロス

地位:伯爵家長女、次期当主

身長:182

年齢:24

所有魔法:【クインテット】火水風土の4種類の属性魔法に加えて「音」の固有属性を含めた五属性所有者。

容姿:姐さんって呼ばれるの似合いそうな金髪ポニテ美人。体型は身長相応

 

今作のメインヒロイン。今のままでは夜の営みで死んでしまうと思ってしまった人。ちょっとMっ気が出てきたとかいないとか。

 

アリサ's竜王ソード

ファロス家の家宝となる剣。正直献上した剣より価値的には高い。世界の終焉まで原型を留めているであろう。

 

 

 

アリア・ファロス

地位:伯爵家当主

身長:179

年齢:44

所有魔法: 【烽火】火属性と「塵灰」の固有属性のデュアル

容姿: 金髪をバッサリと肩より上で切り揃えてアリサをちょっと老けさせた感じ。

 

ただ単に王都に二人を送り出したのになんでいきなり公爵になってるんだい私は

 

 

ノエル・シューレゲル

地位:子爵家当主

身長:180

年齢:40

所有魔法:【聖歌】水属性と「治癒」の固有属性のデュアル。歌う事により効果上昇の特殊パッシブ持ち

容姿:長いストレートヘアをもつ青眼黒髪の美人。良い年齢なのに固有属性のせいかまだまだ女現役である。

 

ファロス家にカインを送り出しただけなのに家が侯爵家になった。

 

 

カレン・シューレゲル

立場:子爵家長女、次期当主

身長:176

年齢:21

所有魔法: 【断罪】「罪と罰」、「鎖」の固有属性2つ持ち。

容姿:ふわふわの黒髪を短めにカットしてる。瞳は銀の様な白色。どっちかというと可愛い系。

 

子爵家継ぐと思ってたら税払わなくていいし侯爵家になってた。弟バンザイ

 

リーナ・ベルフォ

立場:ファロス家騎士団副団長

身長:183

年齢:26

所有魔法:【烈風】風属性と「鎌鼬」の固有属性を持つデュアル

容姿:黒髪ストレートを邪魔にならないように後ろで束ねている細身の和風美人。

 

カインとアリサが居ない間ちゃんと騎士団纏めてくれてた。なんか公爵家騎士団副団長になったんだけどナンデ?

 

 

 

アーク・シューレゲル

立場:シューレゲル家当主の夫

身長:158

年齢:37

所有魔法:【豊作】「恵み」の固有属性保有者

容姿:黒髪銀目。若作りで未だに可愛らしい格好をしている。髪の毛フワッフワ

 

カインは凄いなぁ

 

ギルバ・ヴィマル

立場:ヴィマル王国国王

身長:180

年齢:52

所有魔法:【覇武】火風属性と「帝王」の固有属性持ち。上に立つ者としての素質を生まれながらに有する。異常状態完全無効が明確な効果。

銀髪の壮年の麗人。子宝に恵まれ5女2男の母親でもある。まだまだ現役バリバリ。自分の代で過去に例が無いような爆弾案件が飛んで来て頭が痛い。ついでにお腹が凄い痛い。最終決定権を持っているが故に

 

ゼーラ・シュルト

立場:ヴィマル王国宰相

身長:173

年齢:61

所有魔法: 【烈砂】風火と「砂」の固有属性持ち。実質某風影

実質のヴィマル王国トップ2。有能おばあちゃん。昔はギルバの副官的立ち位置でバリバリ戦場でも政治でも活躍していた敏腕。今回の騒動のMVP。隙あらばカインに娘をあげようとしてたとか何とか。

 

エレア・ヴィマル

立場:ヴィマル王国第五皇女

身長:184

年齢:17

所有魔法:【異梯】「反転」の固有属性持ち。ベクトル反転から重力反転、属性反転、超短時間の時間逆行まで強力な能力をこれ一つで有するが代償として性格が男女反転してしまっている。

ギルバの6人目の子。銀髪ストレート清楚系美人。ガチの大和撫子。日本人なら100%大好きであろう立ち居振る舞いはイッチ世界基準では評判悪くて婚約者が出来なかった。性格が男の為に争い事とか荒事は苦手寄り。ちゃんと自衛出来るレベルには鍛えている。女の性格だった場合ヴィマル王国最強だった可能性が高い子でもある。カイン大好きっ子。

 

ザーリア・ベリア

立場:侯爵家次期当主→男爵家次期当主兼ファロス家傘下

身長:178

年齢:20

所有魔法:【晶装】ベリア家の遺伝である「結晶」の固有魔法もち。

今作の不憫枠。生きてるの最高。良かった。

 

 

ウルベアナ

炎、光等の権能持ち上位精霊。

モチーフはファラオ+施しさん

勇者、英傑、超人なんでも大好き。今回は試練と顔合わせだけなので空に登ってくるカインには何もしませんでした。実質無限残基マン

 

イウ

大地やら生命やら森羅の主。

上位精霊。モチーフははっちゃけた忍界最強

生命力的な観点からものを評価する節がある。カインは人基準なら1000点。お気に入り。生命って概念の半分を握ってるのはこの精霊だったりする。実質無限残基ウーマン

 

ソラウ

空、風等の権能持ち上位精霊。

モチーフは某落第騎士の純白

空間、空気、諸々の概念を支配しているせいでいち早くカインの特異性に気が付いた。感情の起伏が他の精霊よりも緩やかではあるがこれはただの個体差である。

 

 

レジィ

鍛治系統全部引っ括めた権能持ち上位精霊。モチーフは某ダンジョンの鍛治神

いち早くカインに気が付き飛んで行った。カインが創った武器をぶっ壊してもヤンチャな孫を見る目でずっと武器作ってあげてた。今回の戦いは「???」の精霊を通して見てた。絶頂した。

 

???

水系統の権能持ち。立ち位置はイウに近い。生命という概念をイウと2人で持っている片割れ。何だかんだ気になって闘技場に広がる血の池を媒体に戦いを見てたりした。

 

???

???を司る上位精霊

居ないところは無い。世界の全てをぼんやり見ていたりする。全ての「??」が???である。精神年齢長寿。

 

 

 

スレ民

「対貞操世界鬼畜騎士♂想定スレ」「おまいらが知ってるお似合い転生夫婦書いていけ」等の他スレにおいてもイッチの事を話題に上げている。この頃「王女ちゃんをワイの嫁にしたい」スレも立っていたりする。

それなりに固定メンツが揃ってきた様子。イッチのやばさが掲示板に広まったなぁって常に半分他人事。対イッチスレは今日も賑わっている。



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アベルの箱庭

本来デート回でしたが筆が一切進まないので、予定変更しました。今はまだデートを書くトキでは無かったんや… (言い聞かせ)

今回はチョロっと触れた「多重世界が出来上がる前のお話と、伏線回収」を一気にやっちゃおうと思います。

カインが何でカインなのか、スレで個人名が厳しく制限されている理由や多重世界の管理者が「神」と明言されていない点を一気に説明します。

⚠︎アダムとイブ、カインとアベル辺りの創世記のお話が前提のお話になります。分からない方はちゃちゃっと調べれば出てきますので簡単な知識は入れて頂けたら有難いです。

⚠︎作者の独自解釈と、妄想に満ちたお話になるかと思います。多少のガバやら何やらはあります絶対。指摘は辞めといてください。変える気は無いので。



私は激怒した。

 

 

彼は激怒した。

 

 

 

憤怒に身を任せて血の繋がった者をモノへと変えてしまった。

 

目の前で呼吸の音が小さくなって逝くのを感じた「カイン」は、「神」こそが我等を引き裂いた邪悪だと断定した。断定してしまった。

 

「アベル」もまた、その兄の怒りに気が付いた。呼応する様に「アベル」から流れ出た血は沸騰して、その感情を表せぬ身体に変わって示した。

 

 

二人とも正常では無いのだ。視界が真っ赤に染まり、いつの間にか「カイン」の怒りは「アベル」から「神」に転化され、また「アベル」も自らが命を落とさねばならぬ原因が「カイン」では無く「神」にあると転化された。

 

 

「アベル」は死んだ。そう。呆気なく。肉体は死に絶え最終的には白骨となるであろう。

 

然し魂は?肉体は魂の器であり、魂が無ければ器は朽ちるだけなのだ。

 

だが、「アベル」の意識は途絶える事はなかった。地が、水が、空が、火が。それらが「アベル」の新たな器となり、身体となったのだ。

 

何故そうなったかは「アベル」が持ちうる知識の埒外であった。

 

 

 

創世の世に満ちる多大なる神秘の魔力

 

初めての殺人と、その共有された激情

 

本来魂から死に絶える筈の摂理の破壊

 

 

 

上記以外でも数多の理由があるだろう。偶然か必然かはこの際どうでも良いのだ。

 

「アベル」と云う「神」とも「精霊」「妖精」とも違う中途半端な「ナニカ」が生まれ落ちたのが現実であり事実であるのだから。

 

 

器に寿命と云う概念が無くなってしまった「アベル」の魂も必然的に寿命を捨て去っていた。

 

それを「アベル」自身が実感したのは「カイン」の遺体を確保してその蘇生方法と「神」への復讐の糸口を探し回り…大勢の「カイン」の子達が繁栄するのを目にした時だった。

 

兄は感情に流される事は多かったが決して愚かでは無く時として「アベル」の持つものを大きく上回った。

 

ならば、その子孫達が「アベル」とは違う「カイン」の視点を持ってして、蘇生術を扱える様になる事を見守り、また「アベル」自身も様々なコトを探り、考え、実行に移していた。

 

 

時は流れ、流れ、流れ…流れに流れて現代。「アベル」の知らぬ間に「インターネット」なるものが普及していた。

 

人々は電気で動く板を持ち運びずっとソレに釘付けな者も居た。

 

「アベル」は事象である。この世全てが「アベル」なのだ。神が神秘の衰退と共に信仰で辛うじて生き長らえている現代において、形、姿を変えながら在る「アベル」はその特性を利用して「インターネット」を支配した。

 

 

「異世界転生」「俺Tueeee」「転生したら○○だった件」…etc

 

 

───────────成程?

 

「アベル」は理解したと同時に「カイン」の子孫達の欲や思考に目を付けた。

 

異世界というものに対する「憧れ」や小説として大人気になる程の「熱」は信仰の重要な要素であった。

 

その熱が一番強いのがそう、「日本」であった。

 

2022年。過去の様々な「異世界」「他世界」「平行世界」…etc。多くの知識とソレに対する「熱」を貰い受けた「アベル」は一つの結論に辿り着いた。

 

 

 

1.「カイン」の遺伝子情報からクローンを作成

 

2.「転生」に適した魂を持ってくる。「カイン」の子孫故に肉体との適合確率は99%

 

3.魂の情報や熱から適した世界を創造

 

4.転生特典としてその魂の欲を形作る

 

5.世界に合わせて魂+転生特典=器の大きさに調整する。

 

6.魂の性別に合わせて肉体を弄る

 

7.創造した世界で通称「カイン」を成長させる

 

8.通称「カイン」死亡後死体と魂を同時に回収、保存

 

9.来たる「神」への復讐に備えそれらを全盛期へと戻しておく

 

10.「カイン」の原初の憤怒をそれらに刻み込み「神」への対抗手段とする。

 

 

上記を繰り返し、そしてエネルギーを抑える為に創造した世界を使い回した。

 

転生者は性別関係無く「カイン」と名付けられ、「カイン」として死ぬ。

 

ソレが真反対の人生だろうと、強かろうが弱かろうが全てが「カイン」であった。

 

 

「アベル」だけが知る番号で、異世界や転生者達は管理されている。ソレは「インターネット」を支配しているからこそ思いつき、そして何一つ間違いなく運用出来ている。

 

「掲示板」も初期転生者の思考から発想を得て「管理者1~10」と番号で割り振った「アベル」お手製の「AI」によって管理されている一つの世界である。

 

何も知らぬ「カイン」達は今日も今日とて多重世界での人生を謳歌している。

 

報酬は先払い。支払いはきっちり身体で払ってもらう。

 

 

 

分かりやすいだろ?

 

 

────────────────

 

以下分かりやすいように上記を纏めたモノ。閲覧自由

 

神の様なナニカ=アベル(作者)

転生者=カインを素体としたクローンの中に転生者の魂を詰め込んで色々弄ったナニカ=全ての転生者の名前は男女関係無くカインである。

転生者特典とは魂の欲望を魂+転生特典=器の大きさになる様に調整されたモノである。器部分が世界によって違う為調整出来る転生特典の総量を増減して器に合うようにしている。

 

・人類最初の殺人はカインを咎人に、アベルを神と精霊のハーフのような曖昧な姿にした(人間としての肉体の喪失)

・兄の遺体を確保、保存、そして蘇生と神を倒す力の創造を模索し続けた。

・そして現代。インターネット環境にアベルは目を付けてそれを取り込んだ。その上で人々の中に根付く異世界の憧れを糧に独自の解釈を付与して多重世界を作り上げた。

・地球より上位の世界を作ることでその世界限定でカインを生き返らせられる。

・肉体は手元にあるが魂が無ければどうもできない。故にカインの子孫である今の人類の魂を持ってくることによってソレを補填した。

・転生特典はその魂が持つ欲を形として作っただけのもの。故に農業系~変身系、オーソドックスな戦闘系からr18系と様々。

 

・何れ来るであろう神との対決用の兵器作成RTA中のアベル君でした。

 

 

まだ分からない方用

 

・アベルとカインは神ぶっころしたい!

・転生特典って嘘ついて力与えるから勝手に成長して?♡

・お前異世界楽しんだろ?なら楽しんだ分神と頑張って戦ってな。

 

3行でした。




結構脳内でガチッとハマってくれた今回の設定でした。

今後「アベルの箱庭シリーズ」として何本か通常r18問わず投稿するかもしれません。設定が便利過ぎて使い回せます。

感想、評価良かったらお願いします。

⚠︎この設定良いね俺私もこれをベースにオリジナル小説書きたいという方居ましたら連絡ください。許可します。


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