やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 雪乃アナザー 〈休止中〉 (UMAの風)
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やはり俺達の同棲生活は間違っている
 それでも雪ノ下雪乃は…


「で、でも比企谷くん…本当に良いのかしら…」

 

雪ノ下がいつもからは想像できないほど弱々しく聞いてくる。

 

「良いんですよ。 むしろ小町的にはウェルカムです。  今の小町的にポイント高かったですよ」

 

「ああ 高い高い 八万ポイントだな」 (八幡だけに)

 

「「…」」

 

二人に白い目で見られる。 なにここだけすごい冷たいよ。場の空気が凍ったと思ったくらい。俺の前では全てが凍る  みたいな。  ドS将軍はどこだ!?

 

「馬鹿なごみぃちゃんはほっといて さ、さ 雪乃さん部屋へどうぞ」

 

そう、あろう事か雪ノ下雪乃が俺の家に来たのである。事の始まりは今日の部活中に起こった。

 

 

 

 

 

 

~2時間前~

 

「比企谷菌…比企谷君 由比ヶ浜さんはどうしたのかしら?」

 

「お前今さらっと人のこと菌扱いしたよな!?」

 

「気のせいよ まだ菌なら周りに認識されるもの」

 

「確かに」

 

しかし一個だけまちがっている。俺は認識されていないのではない。皆の意識から外れるようにむしろ自分から頑張ってるくらいだ。幻の七人目(セブンメン)でも良い位だ。 いや、セブンメンはダサいな。

 

 

「たしかインフルエンザとか平塚先生が言ってたぞ。」

 

「そう  馬鹿は風邪引かないと言うのは本当に迷信なのね。」

 

後半はボソッと言っていたがはっきりと聞こえていた。

 

「確かに馬鹿は風邪引かないとか言うな。 つまり逆説的に体調を崩したふりをしていれば賢いアピールをしつつ合法的に休めるのか。」

 

「それは合法的とは言わないわ。」

 

呆れ顔で突っ込んでくる。

 

「じゃあ帰りにお見舞いにで

 

そこまで言いかけた所で部室のドアが開く。

 

「やっほー 雪乃ちゃん 未来の義弟くん♪」

 

やってきたのは雪ノ下陽乃 雪ノ下のお姉さんである。

 

「誰が未来の義弟ですか!」

 

「何の用かしら 姉さん。」

 

冷ややかな目線×2が向けられる。しかし向けられた本人は意にも介さず

 

「だって雪乃ちゃん携帯に電話しても出てくれないじゃん~」

 

だからわざわざ来たのか。

 

「で、何のよう?」

 

「いや~、父さんが県会議員の仕事の都合で姉妹都市の○○に行くことになったのよ。」

 

○○ 確かヨーロッパの方の大都市だ。

 

「それで私達も向こうについて行くから1年ほど会えなくなるのよ」

 

「それで」

 

やはり雪ノ下の視線は冷たいままだ。

 

「暫く…一年間は実家に帰っても誰もいないって事を言いに来たの。」

 

雪ノ下は一人暮らしだ。 特に関係なくは無いが 影響は無いだろう。

 

「陽乃さん いつから行くんすか?」

 

「比企谷くんは興味ある?   今日の5時の飛行機で行くよ。」

 

えらい急な話である。  いや雪ノ下が電話に出なかったからだろう。

 

「その間比企谷君、雪乃ちゃんの事お願いね。」

 

そんな笑顔で言われても…

 

「俺が人の面倒を見るとか無理ですよ! むしろ見てもらう方が得意ですよ!!」

 

何せ将来は専業主夫が希望なのだから。 それを聞くと、

 

「はっはっははは!!!  やっぱり君最高だわ~」

 

冗談だと思われたらしい。 俺は本気なのに。

 

「じゃあ、そろそろ行くね。  雪乃ちゃんも比企谷君もお土産は期待していいよ~」

 

ハイテンションのまま出かけていった。

 

「「はあ…」」

 

二人そろってため息をついてしまった。

 

 

 

 

 

「あっ!」

 

しばらくお互いに無言で本を読んでいると、突然雪ノ下が声をあげた。

 

「どうした?」

 

「いえ、 実家の方の鍵を実家に忘れてきたままで…」

 

つまり入れないと言うことだ。

 

「大丈夫だろ。 別にかえらなきゃつかわねえし。」

 

「それもそうね」

 

 

 

 

 

そしてこの日は特に依頼も無く、

 

「そろそろ今日は終わりにしましょう。」

 

「そうだな」

 

「じゃあ私は平塚先生に鍵を返してくるわ」

 

「おう じゃあ、明日」

 

「ええ、さようなら」

 

 

 

 

 

家に着くと暫くカマクラを弄り回した後、のんびりくつろぐ為、MAXコーヒーの缶を取ってくる。

 

「千葉に生まれてよかった。  MAXコーヒーサイコー…」

 

などあほな事を言っているとメールが来た。

 

差出人は、

 

「雪ノ下?」

 

気になったので早速メールを読む。すると そこに書かれていたのは 後々大きな変化をもたらすきっかけとなる内容だった。

 




これは一応 雪ノ下ルートのgoodエンドにする予定です。

ゆきのんまじゆきのん


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だから比企谷八幡は…

メールを受けて玄関に出ると、そこに居たのは学校で別れたはずの雪ノ下の姿が。

 

「あ、あの比企谷君…」

 

「どうした いきなり家の前にいるなんてメールよこして」

 

雪ノ下の声はいつもからは想像できないほど弱々しい。

 

「こんな事を頼むのはどうかと思うのだけれど 他に頼める人はいないし。 かと言ってあなたに頼むのも…まあそれは置いといて、ここなら小町さんもいるし。 何よりあなた以外となると由比ヶ浜さんくらいしかアドレスを知らなくて、けれど由比ヶ浜さんは寝込んでいるから頼めるわけも無い。だからやむなくあなたに頼みに来たの。」

 

でた、雪ノ下の照れ隠し 早口理論武装。ダンガンロンパと名付けよう。しかしと言うかやっぱりと言うか全然武装できていない。 もはやガンジークラスの非武装だ。 

 

俺なら 非暴力 非服従  ではなく 非労働 非服従だ。後どうでもいいが非労働とリロードって語感が似てるよな。

 

「答えになってないぞ。」

 

「…て欲しいのだけど」

 

? あまり聞こえなかった。

 

「暫く…泊めて欲しいのだけど…」

 

…ハ、ユキノシタサンイマナンテ!?

 

「実はさっきマンションに帰って知ったのだけど どうやらお昼ごろにマンションの下の階で火事があったらしいのよ。 私の部屋は大して被害は無かったのだけれど、火災対策もかねた修理があるらしくて暫くはマンションに戻れないのよ」

 

雪ノ下は忌々しそうにかつ めんどくさそうに呟く。

 

なるほど 泊まるあてが無かったからしぶしぶここに来たと言うことか。

 

「ホテルを取っても良かったのだけれども、学生が一人で長期となると色々ややこしくて。最悪、家に連絡がいったら こっちに来いって言われかねないのよ。」

 

普通の学生ならそこでホテルと言う選択肢は無いな。いくらかかるんだよ。 

 

まあ 流石にここまで困っていっる奴を見捨てるのは心苦しい。 なにせ俺の心はプリティでキュアキュアでMAXなハートなのだ。(自分でも意味不明だな)

 

「まあ、なんだ。 とりあえず上がれ。 うちの親には連絡して事情を伝えとくから。」

 

「えっ…その…      ありがとう」

 

顔を真っ赤にして呟く雪ノ下。  やべえよ 何この雪ノ下。普段とのギャップがありすぎてめちゃくちゃ可愛いよ。

 

そこにリビングから小町がやってきた。

 

「あれ 雪乃さんどうしたんですか? !! まさかごみぃちゃんに何かされてそのクレームとか?」

 

妹よ兄を何だと思っているのだ。 小町にも事の流れを説明する。

 

「大変ですね。 是非家に泊まって行って下さい。 小町もその方が嬉しいです。 あ!! 今の小町的にポイント高いですよ!!」

 

「ありがとう 小町さん。」

 

「いえいえ …これは雪乃さんコースかな…」

 

小町が何か言っていたが聞き取れなかった。

 

「でもいいの? 私達明日からお祖母ちゃんのほうに行くからお兄ちゃん一人だよ?」

 

 

小町は超弩級の爆弾を投下するだけして笑っている。

 

「俺 聞いてないぞ…」

 

暫く俺達二人は玄関で固まってしまった。

 

 

 

 

 

そして今に至る。

 




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彼と彼女はそれを隠す

小町の爆弾投下の後帰宅した両親に事情を説明した。 するとまさかの快諾。 何というか母親が有り得ない嬉しい奇跡が起きたみたいな顔をしていたのは何だったのだろう…

 

 

空き部屋に雪ノ下の荷物を置いて二人で話し合いを始めた。 内容はこの生活を学校でバレないように気をつける事についてだ。

「まず注意するのは由比ヶ浜さんね。彼女はアホの子みたいにあなたは思ってるでしょうけど、人の事に関してはかなり鋭いのよ。普段から空気を読んでいる賜物ね。」

 

たしかお前も馬鹿って言ってたよな…主に今日、部室で。

 

「次は平塚先生ね」

 

「何でだ?事情を話したら助けるどころか泊めてくれそうだが?」

 

「確かに泊めてくれるとは思うわ。ただあの人の場合毎日毎日婚活の愚痴を聞かされそうで…しかもあの人の家は割と遠くて…毎日先生の車に私が乗ると変でしょう? 」

 

「…」

 

本当誰か貰ってやって下さい。 マジで可哀想になってきたから。

 

 

確かにあの人ならついでに乗っていけみたいな事はするだろう。 そのせいで悪目立ちしたくないのだろう。

 

 

「あなたの友達のざ…角材くん?」

 

角材?ああ

 

「材木座か」

 

「彼は口が軽そうだから注意ね」

 

 

そんなこんな話をしているともう夕食の時間だ。

 

 

 

 

そして母親は食卓でさらなる爆弾を投下した。 絨毯爆撃も真っ青の攻撃だ。

 

「明日から私達、母さんの所に行く予定だったのよ   雪ノ下さんうちの愚息の面倒を見てもらっても良いかしら?」

 

母親のセリフにしては酷くないか?愚息って…

 

「もちろんです 泊めて頂いている身なのでその位の労働で良ければ」

 

「俺の面倒を見るのは労働なのか!!」

 

せめて世話って言って欲しい

 

 

 

「ところで二人はどこまで行ったの?」

 

 

バカな母親が聞いてくる。

親父?親父なら興味がないから黙々と飯を食っている。 しかし今の質問を小町にしていたら 間違いなく相手は殺されるだろう 主に親父に。小町が男を連れてきた時点で って

 

「「はぁ!?」」

 

付き合ってる? 俺と雪ノ下が!?

 

 

「まさか、彼と? 面白い冗談ですね」

 

あ あの…雪ノ下さん、目が笑ってませんよ。

「彼とは同じ部活で他の男子と比べれば確かに仲は良い方ですが、付き合ってませんよ。」

 

そうだ、雪ノ下は間違いなく専業主夫など認めないだろう。 そんな人に俺は養ってもらう気は無い!

 

「「………」」

 

 

心を読まれたのか、小町と雪ノ下が呆れた顔でこちらを見てくる。

 

「はあ…」

 

 

この生活はなかなかに大変そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ…」

 

食後リビングでは俺一人がくつろいでいた。

 

両親は明日行くまでに片付ける仕事が有るらしく今はそれぞれの仕事部屋にいる。

 

「社畜って大変だな…」

 

改めて専業主夫になる決心をしつつ膝の上に乗っているカマクラと戯れていると、

 

 

「あっ…」

 

リビングに雪ノ下が来た。その視線は俺の膝…主にカマクラに向けられていた。

 

 

「比企谷君 触らせて貰って良いかしら」

 

…そんな言い方をしたら誤解しちゃうだろ!

 

「ほれ」

 

膝の上のカマクラを渡してやると全力でカマクラに構い始めた。

 

「にゃー…にゃー」

 

ついに、雪ノ下さんが猫になっちまったよ…

 

あまりに過度なスキンシップだったせいかカマクラはこちらに逃げて来た。それを追って雪ノ下が来るものだから 気付けば二人の距離は30センチもなかった。

 

 

「「………」」

 

「あー 疲れた 何で今日に限ってこんなに仕事が多いかな…」

 

仕事を終えたのか母親がリビングに来る。

 

すると必然的に俺たちが視界に入る。

 

一度状況を整理しよう。

 

俺→ソファーでカマクラを抱いている

 

雪ノ下→カマクラを触ろうと俺の方へ その距離30センチ弱

 

 

客観的に見たら……疑いの余地なくイチャついている用に見えるな…。

 

整理終了。 ここまで脳内で約コンマ数秒 この頭の回転の速さはMAXコーヒーの恩恵だろう。

 

「あ、…お邪魔みたいね…」

 

やっぱりあらぬ誤解を… 俺は自分を養ってくれる人しか付き合わないのに。

 

 

「どうするの 危機谷く…比企谷君」

 

「俺はそんなに危ない名前じゃない」

 

まあ 3日もしたら誤解も解けるだろう。 …いや 人の噂も何日とか言うがあれは嘘だ。 余談だが学校で変な噂がたつと卒業までは消えない。 ソースは俺だ。

 

 

 

 

 

どれくらいの時間がだっただろう。本を読み終えた頃、既に雪ノ下はリビングにはいなかった。もちろん親も小町もだ。

 

 

「って もうこんな時間か…」

 

時計は既に12時を回っていた。

 

明日も面倒ながら学校なのでそろそろ寝るか。

 

 

 

 

 

この日はなんだかいつもより寝つきが悪かったのは気のせいだったのか?



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 やはり平塚静は格好良い

翌日朝早くに両親は小町を連れて出かけた。 俺達は今日学校だ。 小町? あいつの学校は三学期はほとんど自由登校なので行かなくてもいいのだ。 羨ましい限りだ。

 

「では比企谷君 先に行かせてもらうわね」

 

「おう」

 

厄介事を避けるため俺達は時間を開けて家を出る事になった。

 

ピーンポーン インターホンがなる。 ? 雪ノ下には一応合い鍵を渡したので 鳴らす必要はないはずだ。となるとまるで検討がつかない。

 

 

「はい」

 

ドアを開けると

 

「おはよう 八幡」

 

天使がいた。 …違う!

 

「戸塚!な、何で俺の家に!?」

 

「昨日平塚先生に頼まれて。 八幡が最近遅刻が多いから迎えに行ってやれ って」

 

平塚先生グッジョブ!

 

 

「大丈夫だ 丁度今から出るところだったから」

 

「それなら良かった。そういえば今出てきたの雪ノ下さんだったよね? どうしたの?」

 

 

いきなりピンチ! 戸塚に嘘をつくのは辛いがこればかりは仕方ない。

 

「いや、その…あれだ。戸塚と一緒で平塚先生に頼まれたらしい。ほら部活一緒出し」

 

「そうなんだ」

 

こんな嘘に引っかかる戸塚が本気で心配になってしまった。 …戸塚は俺が守る! 俺が最後の希望だ…なんて…

 

 

「じゃあ 八幡学校に行こうか」

 

戸塚と登校できる日がくるとは

 

 

 

 

やはり俺の青春ラブコメは間違っているが気にしない!

 

 

 

 

 

 

―昼休み―

 

「比企谷 これは一体どういうことだ」

 

平塚先生に呼ばれて職員室に行くと、現国の時間に出した俺の作文があった。

 

「走れメロスの感想文を書けと私はいった筈だ… なのに 何だ

 

走れメロスはまず物語として成り立たない。 というのは人間我が身が一番が可愛いのだ。他者を犠牲にして自分が助かる、他人を貶めて自らの優位を保とうとする。つまり人間の本質とは真逆の事ばかりなのだ。

むしろ王の方が人間の本質としては正しい。上っ面の取り繕いに騙されず人間の本質を知っているから 悪逆非道にもなるのだ。

リア充どもも上っ面を取り繕った偽物の偽りの関係なのだ。偽りの関係ならない方が良い。所詮は偽りだ。少しの綻びから全てが破綻し何もかもを失うだけだ。 つまり偽りの関係を持たず 失う物のない ボッチこそ正義なのだ。 よってリア充滅びろ 爆発しろ!

 

 

 

 

これのどこが感想文だ! ただのお前の意見だろう」

 

「きっと作者も俺と一緒の事がいいたかったはずです」

 

「歯ぁ 食いしb―

 

「でも 偽物と知りつつも手を伸ばすならそれは本物だと思いますよ。

だから先生も早く本物の結婚相手を―

 

「フルスロットル! ワイルド!!」

 

「グハッ!」

 

右、拳…だと…

 

「スピードとテクニックも食らっとくか」

 

「タイヤコウカンは勘弁してください」

 

「まあいい。とりあえず明日までに書き直してこい。」

 

「えっ! そんな面倒臭いこt―

 

「フルスロッt―

 

「サ― イェッサ―!喜んで書き直させて頂きます。」

 

理不尽だ…こうして善良なボッチは虐げられていくのか…

 

 

など思いつつ職員室を後にした。

 

 

昼飯を食べるため購買でコロッケパンと焼きそばパン カツサンド フルーツ牛乳を買って部室に行く。 いつも通り中には雪ノ下がいた。

 

 

 

しばらく俺は黙々とパンを食べ雪ノ下は読書に没頭していたが、ふとこちらを見ると怪訝な顔をする。

 

「ねぇ比企谷君…あなたいつもそんな偏った昼ご飯を食べているの?」

 

 

「いや、 いつもはフルーツ牛乳じゃなくMAXコーヒーだ。 あれば千葉県民のソウルフードならぬソウルドリンクだからな。 今日も売り切れてさえなければ買ってたのに…」

 

 

最近は無糖や微糖が多くなってきている。 その中であえて甘さMAXでいくその反骨精神はかなり好感が持てる。

 

「はぁ…………わかったわ。 不本意だけど明日からはあなたの分も私が作るわ。 泊めて貰ってるお礼よ」

 

そういえば雪ノ下はいつも弁当だな。

 

確かに女子の手作り弁当と言うのはかなり惹かれるがそれ以上のリスクが有る。

 

「お前は賢いのか馬鹿なのかわからねぇな…考えてもみろ。もしその弁当を由比ヶ浜にでも見つかってみろ 一発アウトだ」

 

「大丈夫よ。彼女なら普段は教室で食べているはずよ」

 

 

…………。

 

 

「面倒臭くないのか?」

 

「一人分も二人分もたいして手間は変わらないわ。」

 

まあ、考え方を変えてみよう。 将来養ってもらう事を思うと今のうちに養ってもらう事に慣れておくべきだ。 … 将来的には家事するのは俺だが。

 

 

 

「じゃあ、頼んで良いか」

 

「引き受けたわ、その代わりと言っては何だけれども…」

 

「?何だ?」

 

「帰り 買い物に付き合って貰って良いかしら…あの辺りのスーパーなどには疎くて…」

 

確かにあの辺りのスーパーに雪ノ下は行かないな。マンションからは少し遠いからな。

 

 

「任せろ。専業主夫を目指す者としては買い物関係は必須スキルだからな。」

 

 

「……」

 

 

雪ノ下がなにやら冷たい視線を向けてきたが気にしない。

 

専業主夫に俺は成る!!!

 

 

 

 

 

―放課後―

 

一度家に戻って着替えた俺と雪ノ下は家の近くのスーパーにきていた。

 

 

「失敗したな…」

 

買い物に来て速攻で後悔した。二人で買い物など見られたら 学校で変な噂が立ち死ねる。 まさにhigh school of the deadだ

そして不幸は重なる物なのだ。

 

「比企谷」

 

唐突に名前を呼ばれた。そこには…

 

 

「平塚先生…」

 

カゴにビールやおつまみを詰め込んだ平塚先生がいた。

 

「比企谷 お前も買い物か………って雪ノ下も一緒か……ほぉ―」

 

何やらいやな予感が。

 

「そういえば 雪ノ下マンションで火事があったそうじゃないか。」

 

「「!!!」」

 

「まさか 比企谷のうちに泊まっているんじゃないよな」

 

絶対確信犯だ!目が笑ってる。 しかしそこで表情を真面目なものに変えた。

 

「別に怒ってるわけじゃない。 ただ私は教師である前に一人の大人だ。困っていたら相談にも乗るし助けてやりたいとも思う。  だから困ったことがあれば私のところに来い、出来る範囲で助けてやる。」

 

…格好いいじゃないすっか。 やっぱりこの人なんで結婚できないの!?

 

 

「学校では気をつけろよ。  何かあったら私のところに来い。ある程度の便宜は図ってやる。」

 

 

そういってレジの方に去っていった。

 

 

やっぱりあの人は格好良い。 『静格好いい』と言うを作りたいぐらいだ。

 

「私達も誰かに見つかる前にさっさと買い物を済ませましょう。」

 

雪ノ下が生鮮食品コーナーへ歩いていく。 俺もそれを追いかけていった。

 




またしても登場人物が少ないです。

次回からは由比ヶ浜を復活させたり他のメンバーも登場予定なので暖かく見守ってもらえれば幸いです。


良ければコメント アドバイス等をよろしくお願いします。


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由比ヶ浜結衣は修学旅行を期待している

次の日

 

「やっはろ~ゆきのん ひっきー」

 

土日を挟んだこともあり2日休んだだけで由比ヶ浜は学校に復帰した。

 

「由比ヶ浜さん もう大丈夫なの?」

 

「大丈夫だよ。今朝もサブレの散歩にも行ったし。」

 

 

サブレは由比ヶ浜が飼っている犬の名前だ。 車から助けたせいかやたらと俺になついている。

 

ちなみに俺は犬と猫のどちら派でもない。 基本的に派閥には入らない主義だ。…決して入れて貰えない訳ではない。

 

 

だがどちらかと言えば猫派だ。 基本ボッチなところが俺と似ているからだ。

 

…そう言えば雪ノ下は猫派だったはずだ。 何せ毎日カマクラに構いに行っている位だ。 …もう飼っちまえよ猫。

 

 

 

にしても三人が朝会うのは珍しいな。 今までは 基本昼休みか放課後ぐらいしか会わなかったのに。

 

 

 

「そうだゆきのん! もうすぐ修学旅行だね!」

 

「…そう言われればそうね…忘れてたわ」

 

雪ノ下もか。 正直俺も忘れてた。

 

「部活の時にオススメの所とか教えて?」

 

「分かったわ。それじゃあまた部室で」

 

クラスの違う雪ノ下とは別れクラスに入って行った。

 

 

クラスに入るとそこそこ人がいる。俺は自分の机に行くと鞄を置いて机に突っ伏して寝る。これがボッチの有意義な休み時間の過ごし方だ。

 

 

ふと顔をあげると、一人の女子生徒と目があった。 名前は確か川……川何チャラさんだ。 前に奉仕部へ来た依頼で知り合った。 確か弟がいて小町に手を出そうとしてたな。 確か川崎大志とか言ったはずだ。 ってそうだ川崎だ。

 

「…おはよ」

 

「うっす」

 

 

挨拶なんてそんなもんだ。逆に普通に喋りかけられも困るので丁度いいぐらいの距離感だ。

 

 

 

「おはよ 八幡」

 

! この声は

 

「戸塚か!今日は遅かったな?朝練か?」

 

「もうすぐ大会だしね」

 

…やっぱり戸塚は癒される。

 

 

 

 

授業が終わり部室に向かう。 と、

 

「待ってよ ひっきー同じ所行くのに何で先に行くかな―!」

 

後ろから走ってきたのは案の定由比ヶ浜だった。

 

「別にいいだろ。どうせ行くとこ同じ何だから」

 

「そうか…って 違う!同じだから待ってくれてもいいじゃん」

 

「分かった 分かった 明日からは待ってやるよ」

 

…面倒臭いが…

 

「そう言えばひっきーはさあ、修学旅行で京都のどこに回るの?」

 

「はっ!愚問だな。俺くらいになると班の他の面子が決めた所に三歩下がって文句一つ無く付いて行く。」

 

 

「何その大和撫子…」

 

 

などと話をしていると部室に到着する。

 

「やっはろ~ゆきのん」

 

「やっ……こんにちは由比ヶ浜さん」

 

今こいつも やっはろ~って言い掛けたよな…

 

「そうだゆきのん、京都の観光名所教えてよ」

 

「やけに楽しみにしてるな」

 

ついつい突っ込んでしまう。

 

「ひっきーは楽しみじゃないの!?」

 

やっぱりこいつはアホの子だ。

 

「修学旅行は学校でいく旅行だろ?それだけで嫌だね」

 

「ボッチの比企谷君にはそうでしょうね」

 

雪ノ下の突っ込みが入るが気にしない。

 

「考えてみろ。 まず学校というものの考え方から間違ってるぞ」

 

由比ヶ浜だけで無く 珍しく雪ノ下も聞いている。

 

「そもそも学校って言うのはな 社会の邪魔ものでしかないガキを年齢別に隔離する施設の事だ。 そこで行く旅行だぜ… 。 修学旅行は社会に出た時の模倣だぞ。

 

行きたくもない出張、嫌いな上司とも顔をあわせなきゃいけない。 晩飯も宿も自分では決められない。 これのどこが楽しいんだ…」

 

「あなた、本当にひねてるわね…」

 

「ひっきーの中ではかなり嫌な行事なんだね…」

 

 

でもさ…と由比ヶ浜が続ける。

 

「学校に来たからゆきのん にも ひっきーにも会えたんだよ。…変な意味じゃなくて!」

 

「でも比企谷に会えたメリットは有ったかしら」

 

「メリット?  グリチルリチン酸2K とか入ってるシャンプーだろ?」

 

 

「「………はぁ…」」

 

本気でため息をつかれた。

 

「まぁ、ひっきーが言う程悪くも無いよ」

 

…そうかもな 確かに雪ノ下 や由比ヶ浜 戸塚 平塚先生(?) 川何チャラさん そして一応材木座

 

確かに中学までとは異なる交友関係はできた。 しかし同時にこうも思う

 

この関係も偽物なのではないか。 メロスとセリヌンティウスのような関係など有るわけがない と。

 

 

 

 

家に帰りしばらくすると雪ノ下も帰ってきた。

 

夕飯の準備は基本的に雪ノ下が担当している。まえから分かっていたがやはり雪ノ下は料理がうまい。由比ヶ浜とは雲泥の差だ。

 

 

流石に皿は俺が洗ったがその後ついついソファーで寝てしまい気が付くと11時を回っていた。

 

「…風呂でも入るか…」

 

着替えのジャージをもって風呂場のドアを開けた。

 

「きゃあぁ!!!」

 

なぜかバスタオル一枚の色々とギリギリな雪ノ下が彼女には不釣り合いな可愛らしい悲鳴をあげ… 思ってた以上に華奢な体でって 違う!

 

「間違えた!」

 

ガチャン! ととりあえず全力でドアを閉めた。

 

これは何者かの謀略だ。 ズヴィズダーとしたやつだ。

 

 

そして顔を真っ赤にした彼女が出てきた次の瞬間天地がひっくり返った。それが彼女に投げられたとわかったと同時に後頭部が床に激突。 そしてそこで意識がとぎれた。

 

最後に

 

「そんな急に… 心の…が…」

 

何か言っていた気がしたが気のせいだったのだろう。




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そして彼らは…

「ふぁぁ…て、何でソファー何だ…」

 

目をさましたのはいつもの自室ではなくリビングのソファーの上だった

 

 

「確か昨日は…?」

 

 

夕食後ソファーでくつろいだところまでは記憶が有るのだがそこから先の記憶が無い そのまま寝てしまったのだろう。ということはこの毛布は雪ノ下がかけてくれたのだろう。

 

キッチンではすでに起きていた雪ノ下が朝食&弁当の準備をしていた。

 

 

「…おはよう」

 

普通に挨拶したはずが、

 

ビクッ と過剰に反応された。

 

「…お、おはよう比企谷君…っ」

 

? 何やら雪ノ下の様子がおかしい。 まあ、それはともかく毛布の礼は言っておこう。

 

「そういえば昨日の―

 

ビクッと再び過剰な反応…

 

「飯食ってそのまま寝ちまっただろ。毛布サンキューな…」

 

「別に気にしなくて良いわ………良かった。覚えていないようね…」

 

後半はボソッと言っていたので聞き取れなかったが 大方俺をdisっていたのだろう。 長年の嫌われ&ボッチ経験がそう言っている。

 

まあ 気にするのも馬鹿らしいので学校の準備を始めた。

 

 

 

―HR―

 

「え―っと、そろそろ各自で修学旅行の準備を始めとけよ じゃあ 出席番号順に前に来てくじを引け。 向こうでの班決めをする!」

 

「自由じゃないんですか!?」

 

クラスの中からは案の定非難の声がでる。

 

「自由ならボッチがでる可能性が有るからな…」

 

 

平塚先生何気にこっち見るの止めて下さい。心が折れる。心が

 

 

 

 

 

 

そして全員が引き終わった

 

「葉山君何班だべ?」

 

お調子者の戸部が早速聞いている

 

「俺はA班だ」

 

「俺もAだべ!葉山君一緒だべ」

 

俺も自分の紙を見ると

 

「A…だと…」

 

葉山と一緒何てただの地獄だ。リア充と同じ何てただの拷問だ。せめて最後の一人は戸塚が来てくれ!

 

「私もAだよ」

 

無情かな。 最後の一人は海老名さんだった と言うことは、

 

「僕はCか」

 

戸塚はCだった。…ここで俺は大事な事に気付いた。

 

「…………」

 

紙を見て怒りとも悲しみとも取れる表情をしている人が一人。 もちろん三浦だ。

 

 

いや、待てよ。これはチャンスだ。

 

俺は自前の光化学ボッチ迷彩(非売品)を使い人の間を縫って彼女に近づく。

 

彼女の机に近づくと、誰にも見えないように折りたたんだ紙を渡す。

 

それに気が付いた三浦は最初はこちらを睨んだものの紙を開くと 一気に表情を変える。

 

これで俺は葉山の班に入らなくて済むし彼女にも利が有る。まさにwin―winの取引だ。

 

Cと書かれた新しい紙を受け取るとそっと場を離れる。

 

後ろに微かに聞こえた

 

「ありがとう ヒキオ」

 

と言うのは気のせいではなかった。………名前は間違えられたままだったが…

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の放課後奉仕部の部室に平塚先生が来た。

 

「明日修学旅行の説明会が有るんだが、会場のセッティングの準備を手伝って欲しい。」

 

「面倒くs―

 

「分かりました。手伝いは私達だけですか?」

 

「材木座と戸塚も手伝ってくれるそうだ」

 

何だと…

 

 

「分かりました 今すぐ行きましょう!」

 

「ヒッキー態度変わりすぎ…」

 

由比ヶ浜が何か言っているがそんなのは知らん!

 

 

体育館に集まったのは

 

奉仕部、材木座、戸塚 そして何故か川…川何チャラさんもいた。

 

 

「とりあえず役割分担だ。戸塚 材木座はパイプ椅子を出してくれ。 川崎 由比ヶ浜はそこの資料を整理、 比企谷と雪ノ下は買い出しだ。メモを渡すから買ってきて欲しい」

 

「先生 俺は資料整理の方がいいんですが」

 

そういう一人でやる作業は得意だ。

 

「比企谷 女子に荷物を持たせる気か…」

平塚先生が拳を握りしめながら聞いてくる。

 

 

しかしそんなことは知らん!

 

「面倒くs―

 

「30連釘P―

 

「謹んで買い出しに行かせていただきます」

 

こうして理不尽な暴力に善良な市民は屈するのか…

 

 

 

平塚先生に渡されたメモかかれていたものは全て近くのホームセンターで買えるものだった。

 

 

が…流石に量が多く割と重たい。 平塚先生に釘パンチを食らうのはごめんだったので頑張って持っている。 社畜魂はこうして鍛えられるのか…などと思っていると横断歩道を挟んだ公園に 野良だろうか猫がいた。

 

雪ノ下も見つけたらしく目が釘付けだ。

 

「比企谷君 荷物が重いだろうしそこの公園で休んでいきましょう。」

 

猫に目を向けたまま言う。 猫を触って行きたいと正直に言わない当たりこいつらしい。

 

早足の雪ノ下に2、3歩遅れて歩いていると横断歩道に車が突っ込んで来るのが見えた。

 

車の運転手は携帯をいじっているのか前を見ていないし 雪ノ下も猫に気を取られて車に気づいていない。

 

「くそったれが!」

 

荷物をその場に投げ捨てると雪ノ下のもとに走って 手を取ると全力で後ろに引く。

 

「!?」

 

間一髪助かったが問題が一つ。 雪ノ下を全力で後ろに引っ張った結果、

 

 

「痛てえ…」

 

雪ノ下の持つ運動エネルギーはベクトルを全てこちらに向ける。 つまり 俺の上に彼女が覆いかぶさっている状態だ。

 

「「………」」

 

お互いに言葉に詰まるも流石にこの状態はまずい。

 

「早く降りてくれ」

 

「ご、ごめんなさい」

 

顔を真っ赤にして俺から離れる。

 

「私の不注意で…」

 

気にするなと言いたいが流石にこれはまずいだろう。今回はなんとか無傷だったが大きな事故にも成りかねない。

 

「猫ならうちのカマクラで我慢しろ。何時でも触りにきて良いから今みたいな事はもうするな。」

 

「ごめんなさい……ありがとう」

 

雪ノ下の声を聞きながら落とした荷物を拾う。

 

 

 

 

 

 

 

無事準備も終わり先生の奢りで皆でサイゼに行き家に帰ってからの事だった。 ついに事件が起きた。

 

 

 

慣れか疲れか判断力が鈍っていたのだろう。

 

インターホンがなり、郵便だと思った雪ノ下が出てしまった。 しかし

 

「ゆき…のん…何でヒッキーの家に……」

よく知った声が聞こえたので俺も外に出ると、インターホンを鳴らしたのは郵便配達ではなく由比ヶ浜だった。

 

「何で……あっ そうか。そうだよね。何で気が付かなかったんだろう… これヒッキーの携帯。 サイゼに忘れてたから……」

 

俺に携帯を渡すとそのまま由比ヶ浜は走り去ってしまった。

 

雨が降り始めたのはまさにその時だった。



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やはり平塚静はイケメンである1

次の日 またその次の日も由比ヶ浜は部室には来なかった。

 

それどころか俺達を見たらナチュラルに避けている。 誤解を解こうにもまともに会話も出来ないのだ。

 

 

そして由比ヶ浜に見つかってから3日後

 

 

 

 

「何があったかわ聞かん。と言うか聞かなくても分かるからな。」

 

部室にやってきて開口一番平塚先生はつげた。

 

「まったく若いのは面倒臭い」

 

「先生それは自分が若くないって―

 

「死ぬか?」

 

ひらつかしずかのこわいかお

 

ひきがやはちまんのすばやさはがくっとさがった

 

 

「まあ良い、お前ら荷物を纏めてここに来い。」

 

そう言ってわたされたメモには店の名と住所が書いてある。

 

「私の名前を言えば良い。話は通してある」

 

それだけ言うと平塚先生何処かへ行ってしまった。

 

何であの人はいちいち格好いいのだろう

 

 

 

 

「こ…こだよな…」

 

「そのようね」

 

おい雪ノ下さんや 何で普通何だ…

 

平塚先生に渡されたメモにあった場所について俺は唖然とした。

 

なんとあろうことか 明らかに高級と分かる焼き肉屋だったのだ。

 

確か公務員の安月給では…

 

「とりあえず入りましょう」

 

普通にしてる雪ノ下が信じられない。 ドラマでみる主婦と言えば 昼は小洒落た 少しお高いカフェでランチはよく見るが 明らかにあれ以上に高い。

 

中に入ると明らかに俺達は浮いている。

 

「あなたが浮いているのはいつもの事でしょう」

 

「人の心を読んで心を折りに来るな。」

 

受付にいた女性がこちらに気がつくと、

 

「あなた達が静ちゃんの言っていた学生さん?」

 

静ちゃん? のび○やド○ちゃんもいるのか?

 

くだらない事を考えながら案内されたのは奥にある個室だった。

 

「もうすぐ静ちゃんがくるはずだからまっててね」

 

そう言い残すと部屋の襖を閉めていってしまった。

 

 

 

 

 

 

平塚先生が来たのはそれから15分後のことだった。

 

「「「っ!!!」」」

 

なんと平塚先生の後ろには由比ヶ浜の姿があった。向こうもこちらを見て驚いている。

 

「とりあえず座れ。…言わなくても分かるな?ここに呼んだ理由。 結論から言うと今回の非は三人全員にあるからな…コレだから若いのは…」

 

若いのって…いや今は良いか。

 

「由比ヶ浜この前起きた火事の事知ってるか?」

 

 

「? 一応知ってます…」

 

突然よく分からない質問をされて戸惑っているようだ。

 

「火事があったのは雪ノ下の住んでいるマンションだ。」

 

「!ゆきのん 怪我ない!? 大丈夫!?」

 

「大丈夫じゃなかったらここには居ないわ。だから一旦落ち着きなさい。」

 

基本的に由比ヶ浜は良い奴なのだ。今の慌てかたからもそれが伺える。

 

平塚先生の言う通り今回の非は 由比ヶ浜の早とちりと俺達があの事を隠そうとしたからおかしくなったのだ。

 

「しばらく行くマンションに帰れなくなった雪ノ下だが…あ―頼れる人が少なくてな」

 

 

平塚先生はごまかしているが友達が少ないと言うことだ。

 

「由比ヶ浜、お前インフルエンザで休んでいただろう?だから結果的にこの目が腐った男に頼んだんだろう。確か雪ノ下も比企谷の妹とは知り合いのだったはずだしな」

 

さり気なく罵倒されたのは気のせいだろう。 いや妖怪のせいか。どわっはっはっは。

 

 

「はーーーいお待たせ、  Aセット4人前ね。」

 

その時さっきの女性が肉を持ってきた。

 

「まあ続きは後だ。  とりあえず食べたまえ。面倒なことは食べて飲んでしたら大概どうにかなる。」

 

「というか 教師が生徒相手にこんなことしていいんですか?」

 

俺の疑問も当然だろう。あくまでも俺も由比ヶ浜も雪ノ下も生徒なのだ。

 

「普段のお前達の活動に対する礼だから気にせず食え」

 

 

やっぱり平塚先生は格好良い。 そこらの男なんかよりよっぽどイケメンだ。

 

 

 

 

…何で結婚できないんだろう…?

 




暫く空きましたが久々の投稿です。

コメなどよろしくお願いします。


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やはり平塚静はイケメンである2

肉を食べ終えてデザートのアイスを食べ始めた時に平塚先生が再び話を始めた。

 

「一応誤解は解けたようだがこれからどうするつもりだ?」

 

確かに今回は由比ヶ浜だったから良かったものの、もし見つかったのが他の奴ならかなり面倒くさい事になったはずだ。

 

「じゃあ、ゆきのんうちに来たら?」

 

確かに 女同士なら見つかっても問題はないな。

 

「いいかしら…お願いしても?」

 

「まかせて!大船に乗ったつもりで…もうタイタニックに乗ったつもりでいてよ」

 

アホの由比ヶ浜が大船に乗ったつもりとかタイタニックとかいう言葉を知っていたのは驚きだ…が、

 

比「それ沈むぞ」

 

雪「それ沈むわ」

 

平「それ沈むぞ」

 

三人のツッコミが見事にハモる。

 

「え―!本当に!?じゃあ…泥船?」

 

「更に沈みそうね」

 

「じゃあ……湯船?」

 

「もはや船ですらないわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう大丈夫みたいだな」

 

気がつくといつの間にか前みたいに自然な会話をしていた。 それを見て平塚先生はタバコにジッポーのライターで火を点けながら

 

「まあ、仲が戻って何よりだ。若いうちの苦労は買ってでもしろと言うぐらいだ。これも良い経験になりだろうな。 はぁ…でもな私は苦労よりも出会いが欲しいんだよ。 …結婚したい…」

 

 

誰か今すぐ貰ってあげて下さい。見てるこっちが悲しいので…

 

 

 

 

この日は荷物の整理などがあったので雪ノ下はまだうちにいた。 明日から由比ヶ浜の家に行くのだ。

 

俺が部屋で録画していた、某仮面のヒーローの特撮を見終えてリビングへ降りると、

 

「…で……に……ー」

 

部屋の中から話し声が聞こえた。大方誰かと話しているのだろう。

 

…ちょっとまてそもそもあいつが電話で話をするような友達なんていたか?

 

疑問に思いそっと部屋をのぞいてみると、

 

「明日からは由比ヶ浜さんの家に行くからしばらく会えないにゃー」

 

なんということでしょう。 あの雪ノ下が語尾ににゃーをつけてカマクラと話しているではありませんか!!

 

 

 

 

驚きのあまり口調が 大改造○的ビフォー○フター っぽくなってしまったが今はおいておこう。

 

現在俺に与えられた選択肢は二つ

 

1 何も見なかった事にしておとなしく部屋に戻る。

 

2 同じく何も見なかった事にして部屋に入る。

 

よしここは1だな。  ファイナルアンサー? ファイナルアンサー

 

自分で自分に確認をとりつつ音を立てないように回れ右をする、がしかし

 

「うぐっ!!!!」

 

盛大に右小指を角にぶつけてしまった。

 

そして

 

「……見た?」

 

案の定見つかってしまった。

 

ここで再び選択肢

 

1 あきらめて言う

 

2 あきらめて言う

 

って 選択肢がないじゃねーか!!!

 

「見たのね」

 

どうやら雪ノ下は自分としては怒っているらしいのだが いかんせん顔が真っ赤なので迫力がまったくといっていいほど無かった。

 

「お前、本当に猫好きだよな。」

 

「…悪いかしら」

 

「まあ、あれだ。小町も受験があるから勉強を教えに来てやってくれないか? その時にいくらでもかまっていいから」

 

これならwin-win の関係だ。雪ノ下は抜群に賢いのだ。

 

「本当にシスコンね……でもその提案は魅力的ね。…それなら…」

 

後半は何か言っていたのは聞き取れなかったがこれでいいはずだ。

 

小町のやつもこれで勉強ははかどるだろう。  そういえば由比ヶ浜のやつはなんで合格できたんだろう…総武高校七不思議のひとつレベルの謎だ。

 

こうして俺と雪ノ下の同居生活最後の夜は過ぎていった。

 




ここからは雪ノ下もさらにデレていく予定です。

感想お待ちしています


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やはり俺の番外編は間違っている
やはりこの番外編はまちがっている part1


「第一回 ベストオブ主夫決定戦~」

 

家庭科室でマイクを持って高めのテンションで司会をしているのは小町だ。てか何でいるんだ?

 

審査員席(?)には 雪ノ下 平塚先生  由比ヶ浜  川…川…川なんとかさんの四人が座っている

 

「それじゃあ参加者の発表です」

 

 

「サッカー部のエースにして総武高校屈指のイケメン 葉山 隼人」

 

葉山が椅子に座って苦笑いしている。………バ○ス……目が! 目がぁぁぁ!

 

嫌いなリア充を見たせいでどうでもいいことを考えてしまったが今は置いておこう。

 

「次はこの人 残念な厨二 ざ…材木座 義輝 」

 

葉山の後に紹介された事もあり普段以上に残念に見える。 小町なんて名前読み上げるのに一瞬詰まったし。 あれは恐らく… いや間違いなく名前忘れてたな。

 

「三人目はテニス部を引っ張る健気な部長 戸塚彩加」

 

呼ばれると立ち上がってお辞儀をする戸塚。…もう優勝は戸塚でいいんじゃないか?

 

「最後は総武高校が誇るボッチofボッチ  ベストofボッチ プロボッチ ごみいちゃん事 比企谷八幡」

 

「ちょっとまて 何だよその悪意しかない紹介は 」

 

「比企谷 大丈夫だ 私が構ってやるからボッチじゃないぞ」

 

平塚先生の優しさと同情の視線が辛い。 何というかバレンタインに家族からチョコを貰うような悲しさだ。

 

 

 

 

なぜこんな事になったかと言うと 事の始まりは昨日の部活中に遡る。

 

 

「…はぁ?」

 

部室にやって来た平塚先生はまた面倒臭い依頼を持って来たのだ。

 

「前にお前達にはブライダル特集の記事を作って貰っただろう? あれが思いの他評判が良くてな…次は男の側で記事を書いて欲しいと来たんだ。」

 

…つまり専業主夫特集と言うことか。

 

「向こうは報酬として○○屋の焼き肉食べ放題の券をくれるそうだ」

 

○○屋と言えばこの辺りでは有名な高級焼き肉屋だ。 この間先生が連れて行ってくれた所に勝るとも劣らない店だ。

 

「ゆきのん ヒッキーやろうよ!」

 

報酬を聞いて由比ヶ浜がやる気を出したらしい。 俺としても専業主夫を目指す者としては吝かではない。

 

 

 

 

 

そんなこんなで始まった主夫度対決 …何で材木座は呼ばれたんだ? 川…川なんとかさんも。

 

「最初のお題はこれ!! 定番の料理対決」

 

料理なら専業主夫には必須スキルだ

 

専業主夫にとって料理に大事な事は2つ

 

手間がかからない事と美味しい事だ。毎日作らないといけないのに手の込んだものは面倒臭いだけだ。

 

そこで俺がチョイスしたのは―

 

 

 

 

 

 

 

「皆の調理が終わったので審査タイム!」

 

小町がマイクを片手に進行している

 

「それじゃあ最初は葉山さんから」

 

葉山が出したのは 肉じゃがだった。

 

「おぉ!これはなかなかにあざといチョイスです」

 

小町の中で肉じゃがはあざといらしい

 

「それじゃあ食べて下さい」

 

審査員の4人が自身の前に出された肉じゃがに手をつけた。

 

 

「なんか普通に美味しいね」

 

「悪くは無いわ」

 

「…私より旨い…」

 

「…」

 

由比ヶ浜と雪ノ下は普通にコメントしていたが、何故か先生は落ち込み始めた。…何故だ?

 

川なんとかさんに至っては無言だ。審査員の面子はなかなか手ごわいかも知れない……いろんな意味で

 

 

 

 

 

「さて続いては厨二さん」

 

「八幡よ 我の名前がまともに呼んでもらえぬのだが…」

 

材木座が絡んで来るが無視だ。 こいつはさっき俺が悪意しかないような紹介された時に 腹を抱えて笑っていやがったのだ。

 

「さて厨二さんの料理は…」

 

材木座が作ったのは…

 

「なあ材木座、これは何だ…」

 

審査員の前に並べられたのは真っ黒な塊だった。

 

「何を言うか我が友八幡よ。どこから見ても豚カツではないか」

 

「…これをカツと呼ぶのはカツに対する冒涜じゃ無いかしら」

 

雪ノ下も若干引きながら指摘する。

 

「「これ食べれるの…?」」

 

由比ヶ浜と川なんとかさんの意見がハモる。

 

先生? まださっきから立ち直れないらしい。

 

意を決して皆が一口食べると、

 

「「「……アウト」」」

 

顔を真っ青にして水を飲んでいた。

 

「…これは豚カツじゃなくて炭化した脂身ね…そもそも脂身なんて炭化しないはずなのに…」

 

涙目で雪ノ下がコメントする。

 

「これ本当に食べ物?」

 

由比ヶ浜も珍しく否定的な意見だ。

 

「…肉が勿体無い」

 

川なんとかさんは何か違う視点でコメントしていた。 こういう所は何か所帯じみていた。

 

 

戸塚の前に一度口の中をリセットしないと進めなかったので一旦休憩になった。

 

 




今回は番外編です。

生暖かい目で見守っていただけると幸いです


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やはりこの番外編はまちがっている part2

休憩の間に飲み物を買いに行くと先客がいた。

 

「…うっす」

 

この距離で声をかけないのもあれだったので挨拶程度はしておく。

 

「…ああ、あんたか」

 

こちらに気付いた川…川なんとかさんも一応返事を返してきた。 確かこいつの弟の川崎大志とか言うのが小町に… って そうだ川崎だ。

 

自販機に小銭を入れボタンを押す。買うのはもちろんMAXコーヒーだ。

 

「そんな甘いの…本気!?」

 

これを買った俺を見て若干ひいている。

 

「うるせぇ ほっとけ…てか何でお前が来てるんだ?」

 

川崎は奉仕部でもない(それを言えば材木座や戸塚、葉山もだが)。 この件を受ける必要は無いのだ。

 

「平塚先生が遅刻した罰にって……遅刻って言っても前みたいにバイトじゃなくて目覚ましが壊れてただけだから…」

 

以前に川崎の弟に相談されて関わった依頼に川崎のバイト絡みの件が有ったのだ

 

「…一応あんたには感謝してるから…おかげで予備校に行けることになったし」

 

「俺は何にもしてねぇよ…」

 

俺はただスカラシップ制度を教えただけだ。 実際にスカラシップをとれたのは川崎が頑張ったからだ。

 

「…そう言えば、あんたさ…」

 

突然俯いてバツが悪そうに川崎が聞いてきた。

 

「文化祭の時さ…」

 

文化祭?……確かあの時は相模を探していたはずだ。

 

川崎には屋上への生き方を聞いて材木座と同じノリで礼を言った筈だ。

 

「あのさ k―

 

 

川崎が何か言いかけたところで携帯がなった。  平塚先生からだ。 大方さっさと帰って来いということだろう 早めに戻ろう。  べ、別に平塚先生の鉄拳制裁が怖いわけじゃないんだからね!!

 

…そういえば

 

「なあ、今何か言ってなかったか?」

 

携帯がなる前に何か言っていた気がする。

 

「…何にもない」

 

「そうか」

 

本人が言っている以上なんでもないのだろう。あまり突っ込むのも野暮と言うものだ。

 

 

…とりあえず平塚先生がキレル前には戻ろう。

 

 

 

 

 

 

 

―side平塚―

 

私は今とても後悔していた。

 

今回のこの仕事頼む相手を完全に間違えた。  というのも奉仕部は日頃のノリでなんだかんだで手伝ってくれることは分かっていた。 川崎も罰として呼んだのでよかった。

 

葉山 あいつは完全に失敗した。 まさかあいつが普通に料理が出来るなんて…

 

 

 

比企谷は専業主夫になるやら、養ってもらうやら言っていたのだからそれなりに料理が出来るのは知っていた。  おそらく、いやほぼ間違いなく戸塚も出来るのだろう。 そうなると私以下なのは材木座くらいだろう。

 

…男子よりも家事スキルが低いから結婚できないのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

…結婚したいな…



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やはりこの番外編はまちがっている part3

「それじゃ三人目戸塚さんの料理は」

 

戸塚が出したのは

 

「これは筑前煮か…渋い!なんとも渋いチョイスです!」

 

確かに渋いな。 前にミニ四駆の話をした時も アバンテという渋いチョイスだったしな

 

「これしか上手く作れなくて」

 

戸塚が俯きながら呟く。 お持ち帰り―――!

 

 

「はっ!」

 

あまりに戸塚が可愛いかったので竜○寺レ○っぽくなってしまった。 ひぐらしなんて鳴いてないよ。

 

「さて味の方は」

 

審査員の雪ノ下達が箸をつける。

 

美味しいかどうかは聞かなくても分かる。 なぜなら目に見えて先生のテンションが下がっているからだ。

 

そういえばこのメンツにした理由も聞いてなかったな。 後で聞いてみるか。

 

「最後はごみいちゃんこと比企谷八幡の出番です。…が先生のテンションが異常に下がっているので お兄ちゃん、励まして!」

 

いきなり難易度の高いムチャ振りを振られた。 これは言葉のチョイスを間違えたらヤバいやつだ。

 

 

 

 

必死に考えた結果、

 

「大丈夫ですよ先生。人間も煮物も時間がたつほど美味しくなりますから」

 

これぞまさに完璧な答え。 我ながらよく思いついた。

 

「それはまだしばらく結婚できないってことかぁぁ―!」

 

やばい、意味を曲解されて見事に地雷に着地したらしい。

 

「白神象の領域《ヤン・エラワン》!」

 

鋭い衝撃が鳩尾を貫いた。 先生いつの間にそんな技を……師匠は一影九拳のア○ガードですか…

 

あまりに凄い光景立ったため葉山ですら軽く引いてるぐらいだ。

 

「よくわからないですがムエタイの殺人拳の技が出せるぐらいには先生も回復したようなので次は、比企谷八幡です」

 

ねぇ小町さんや、コー○ンの必殺技を知ってるって いつの間に読んだの? あれうちには無いよ。

 

普段から先生に鉄拳制裁を受けていたからか回復力だけは上がっているのだ。鳩尾をさすりながら 自分の作った料理を出す。

 

「俺が作ったのはこれだ!」

 

今回俺が作ったのは

 

「ラザニア…?」

 

雪ノ下が呟く

 

「こんな面倒くさいのよく作ったな…」

 

葉山も驚いている。 端から見たらラザニアはかなり手間のかかる料理だ。

 

特にホワイトソースは玉にならないように付きっきりで混ぜないといけないと思っているはずだ。

 

「でもホワイトソースなんて作ってたっけ?」

 

川崎も疑問に思ったのか聞いてくる。

 

「専業主夫を目指す俺はこの学校の男子ではかなり料理に詳しい自信があるぜ」

 

将来のためにも今の間に腕は磨いておくのだ。

 

 

「それはな、電子レンジを使ったんだ」

 

「電子レンジ?」

 

腑に落ちないらしく雪ノ下が首を傾げる。

 

「牛乳、バター、小麦粉とかの具材を器に入れるんだ。だいたい30秒~45秒ごとに混ぜたら比較的玉が少ないんだよ。それを繰り返してる間にミートソースと麺を茹でたら後は盛り付けて焼くだけだ」

 

これぞ主夫の知恵だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは 一回戦 料理対決結果発表!」

全員の料理を出し終えて結果発表の時間だ

 

「それでは第1位は」

 

 

 

ドロロロロロロロロロッ ってドラムロールは口かよ…

 

 

「比企谷八幡!五人中五人 満場一致での優勝です!」

 

 

「なんと言うか当然の結果だな」

 

とは言え 満場一致と言うのは嬉しいな

 

 

「二位はタイで戸塚さんと葉山さんです。 ちなみに厨二さんは満場一致で あれは料理では無いと言う事でした」

 

 

「八幡!何か我disられてない!?」

 

「仕方ないぞ。あれはもはや廃棄物を超えた廃棄物だ。断じて食べ物ではない」

 

「なん………だと…」

 

横で崩れおちたが面倒くさいからほっておこう。

 

 

 

 

と そう言えば

 

「先生、何で今日呼ばれたメンツがこのメンバーなんですか?」

 

気になっていた質問をしてみた。

 

「いや…それは…たまたまだ。うんたまたま」

 

これ以上なく何か隠しています と言った様子でごまかす

 

「…平塚先生……」

 

「あぁぁ分かったよ。   …前に嫁度対決しただろう?あの時優勝したのに結婚のけの字もなくてな……  自分より低い奴がいたら安心するだろう? だから今回の特集のために対決しつつ自分より低い奴を見て安心したかったんだよ… …それで比企谷と比較的仲が良い男子の中で余り料理が上手く無さそうな奴と遅刻の罰に川崎を呼んだんだ。 なのに材木座以外は私より上手いとか…

 

 

 

先生の愚痴が延々と続く。

 

そう言えば文化祭の打ち上げに行った時も酒を飲みながら愚痴ってたっけ

 

「…ぐずっ」

 

鳴き始めたよついに…

 

それを見かねた由比ヶ浜がフォローをだす。

 

「大丈夫ですよ。先生美人だし!」

 

「…うん」

 

 

 

 

 

平塚先生が落ち着いたのはそれから15分後だった。

 

「…飯食いに行こうか。私の奢りだ。」

 

立ち直った平塚先生からの提案。流石に断るのはアレだろう。

 

 

 

 

 

…ほんと良い人なのになぁ




今回出てきたホワイトソースの作り方はだいぶと略しました。

実際にレンジで作れるんですけど一気に温めすぎると玉になって大変ですwww



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修学旅行は色々と間違っている
修学旅行編part1


あれから一週間がたった。

 

一週間なんてあっという間で特に何をしたわけでもなくただただ時間だけが過ぎていった。 そして気づけば今日は修学旅行だ。

 

なんとも時間の流れは速い。

 

「僕、新幹線に乗るのは初めてだ」

 

横にいる戸塚が目をキラキラさせて新幹線をみている。 俺? 俺の目はいつも腐っているらしい。 ソースは親…ってひどいな。

 

「彩ちゃんも初めてなんだ。私もだよ!」

 

いつの間にか目の前に由比ヶ浜の姿が。

 

「あっ、ひっきー やっはろ~」

 

「毎回思うんだがそれは挨拶なのか?」

 

 

 

などとくだらない会話をしていると新幹線に乗り込む時間だ。

 

俺の席はな、なんと戸塚の隣だ。 窓際に戸塚 その左に俺 通路を挟んだ左に由比ヶ浜と海老名さん。 ちなみに俺たちの後ろは川…川なんとかさんとあーしさん(三浦)だ。 なんか後ろが凄く怖い気がする。 これは関わらないようにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

どれくらい時間が経ったのか いつの間にか寝ていた俺は戸塚に起こされた。

 

「ねぇ八幡!富士山だよ!」

 

…富士山より戸塚の笑い顔の方がよっぽどいいな。

 

「えっ!私も見たい!」

 

隣から由比ヶ浜がきた。までから外を覗き込もうとしたため 俺が押される。

 

「…痛てぇよ」

 

「ゴメンひっきー」

 

と、そこで気がついてしまった。無理な体制で由比ヶ浜は俺を押さえながら窓を見ているため なにやら柔らかく弾力のある二つの塊が腕に… これって

 

(何も考えるな!心頭滅却すれば火もまた涼し )

 

ひたすらに無心になって耐える。ボッチの耐久力をなめるな。

 

ようやく無事に乗り切った頃には疲れきってしまった。修学旅行開始そうそうこれとは先が思いやられる

 

「ふぁぁっ寝るか…」

 

今の独り言を聞いたのか

 

「ひっきー、また寝るんだ。」

 

「別に良いだろ。朝早いせいで眠いし疲れたんだよ」

 

今朝は6時に家を出た。親が送ってくれる訳もなく駅まで徒歩だったせいだ。

 

「じゃあついたら起こすね。」

 

…戸塚 まじ天使

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…き…きー……起きて ひっきー」

 

誰かが肩を揺すっているのかゆらゆらと揺れる

 

目の前に誰かの顔があった。

 

「うぉ!………由比ヶ浜?」

 

起こしてくれるのは戸塚のはずだ。

 

「彩ちゃんも寝ちゃってるよ」

 

横で俺にもたれて戸塚が寝ている。

 

……………かわええのー

 

「ひっきーの寝顔も結構あれだったよ。」

………何ですと

 

「…見たのか」

 

「大丈夫 起こす時に見ただけだよ」

 

見てるんじゃないか。 まあ 起こして貰った以上文句は言えないな。

 

 

 

「やっと京都についたね」

 

そう、やっと京都に着いたのだ。

 

こうして俺達の修学旅行は幕を開けた。

 

 

 

 

 

ーside小町ー

 

お兄ちゃんには頼んだけどきっとお土産は適当何だろうな… 雪乃さんと由衣さんに期待しないと駄目だろうな… これだからごみいちゃんは…



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  修学旅行編part2

修学旅行初日

 

 

この日は宿泊先のホテルに行く前にクラス事に集まって有名所の見学だ。

 

以前にも思ったがやっぱり修学旅行は出張の予行みたいなものだ。

 

一緒にいたくないような人達と嫌々ながらも行きたく無い場所に行かなければ行けない。

 

全く持ってはた迷惑な話だ。

 

 

 

さっき買ったおやつ用の生八つ橋を食べつつ 一緒に買った携帯ストラップを眺めながらも 小町からのお土産希望リストを眺めながら呟いた。

 

「こんなカツカツのスケジュールで自分達が行き先すら決められない旅行を楽しめる奴なんているのか…」

 

 

「「「ヒッキー(あんた)(八幡)だよ!!!」」」

 

 

俺の呟きを聞いた由比ヶ浜 川…なんとかさん 戸塚に突っ込まれてしまった。 ……突っ込みがハモるとか 仲良さそうだな…

 

 

 

 

 

鹿苑寺(金閣寺)や慈照寺(銀閣寺) 晴明神社 八坂神社など色々と周らされた。一応事前に予習はしてきたので人並み以上の知識は持っている。

 

「すごいね八幡。色々知ってるんだね」

 

戸塚の感心したような視線がまぶしい。

 

(言えない。 予習したのが生徒会の○存でだなんて口が裂けても言えない)

 

…いや、口が裂けたら喋れないな。

 

しかしいくら同じ京都とは言っても流石に距離があったのでホテルに着いたときには疲れてしまっていた。 一日目からスケジュールがハードすぎだろ これ。

 

 

 

 

 

 

一時間後、夕食を終え部屋に行った。 俺は戸塚と葉山 戸部の四人部屋だ。

 

戸塚と一緒なのは嬉しいが他の二人に関しては正直邪魔だ。 リア充達とはあまり関わりあいたくない。

 

一時間もすると俺達の部屋には葉山と戸部がよくつるんでいる 大和や大岡が来て麻雀を打っていた。  やっぱり修学旅行で麻雀を打つやつっているんだな。

 

特にやることも無くぼーっと携帯をいじっていると、

 

「ヒキタニ君もやらない? 皆強くて勝てないべ」

 

いきなり戸部が声を掛けてきた。まともに喋ったのは夏休みのキャンプの時位のはずだ。  リア充はこうもコミュ力が高いのか

 

…それにどうやら俺は弱いと思われているらしい。  だが上海で鍛えた俺は ザクとは違うのだよ ザクとは

 

「悪いけど 点数計算できないんだ だからやめとくわ」

 

流石にあの中に入っていく度胸もないので無難に断っておく。ボッチは断り方のレパートリーが広いのだ。

 

 

 

 

 

それからさらに五分後

 

「はちまーーーーーん  ウノしようぜ!!」

 

うざいテンションで材木座がやってきた。

 

「ウノか~僕もやるよ」

 

戸塚も入ってきて三人の戦いとなった。てか二人でやってもつまらんだろ。

 

「なら罰ゲームは敗者が三人分のジュースを買ってくることでいいな!!」

 

材木座が勝手に罰ゲームを決めるが特に気にすることでもないだろう。

 

勝てばいいだけの話だ。 基本的にボッチはカードゲームが強い。 一人で何人分もの手札を持ちながらやることが多いからだ。 どの手札にも肩入れせずにやるのはなかなか難しい。 一人じゃんけんも同じだ。

 

 

 

暫くは順調に手札を出していったが、突然

 

「そういえば八幡よ。お主はあの二人とは付き合っておらんのか?」

 

いきなり材木座が爆弾発言を投下した。

 

「…はあ!? お前、頭大丈夫か?  普通に考えてあいつらが俺に好意を持つわけないだろ。 それに俺は誰も好きになることはねえよ。」

 

 

あのトラウマ(・・・・)がある限り誰かを好きになることはきっとない。

 

「ふむ、そういうものか。  時に八幡よ……お主ウノを言っておらん!!!」

 

 

なん……だと…

 

材木座の爆弾発言に気をとられてついつい忘れてしまっていた。

 

「我はこれでウノだ!!」

 

「僕もウノ!!」

 

結果 まさかの最下位。  くそ…材木座め  謀ったな。

 

 

「じゃあ八幡よろしくね」

 

ルールはルールだおとなしく買いに行こう。

 

「戸塚は何が良い?」

 

「僕は紅茶をお願い」

 

「材木座はラーメンでいいよな」

 

「八幡 よラーメンは飲み物なのか……まあいいが」

 

 

財布をズボンの後ろポケットに刺し、上着を引っ掛けて一回のロビーに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「自販機にMAXコーヒーが無いだと…」

 

流石 古都京都なかなかやりよる。  いや意味が分からんか。

 

何を買うか迷っていると、視界にある人物が写った。

 

その人物はお土産販売所の猫のキーホルダーを真剣に見比べている。

 

「…何してんだ 雪ノ下」

 

「!!!」

 

声を掛けると大きく肩を震わせて慌ててこっちを振り返る。

 

「…な、何かしら比企谷君 こんなところで」

 

「いや、むしろこっちが聞きたいよ」

 

「…私の部屋では同じ部屋の皆が 誰が好き 見たいな話になったから面倒事に巻き込まれる前に逃げてきたのよ。        …ところで比企谷君」

 

突然雪ノ下が俺の後ろを見て怪訝な顔をした。つられて振り向いた俺も若干戸惑う。

 

 

そこに居たのは…



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修学旅行編part3

そこに居たのは黒のトレンチコートにサングラスを掛けた一人の女性だった。 というか

 

「…俺は平塚先生なんて見てないぞ。」

 

「避企谷君現実逃避はやめなさい」

 

なんかいま名前のイントネーションが違ったぞ!!

 

そこでようやくこちらに気づいたのか慌てて先生が駆け寄ってくる。

 

「お前達 何でこにこにいるんだ!?」

 

「いや、むしろ聞きたいのはこっちですよ。 てか何ですかその格好」

 

いや、似合ってて格好いいんだけども…

 

「いや…じつはだな 教師と言う立場上時間外に外に出るのは規則的にアウトなんだが どうしても天下一品の本店に行きたくてだな…」

 

ほんとどんだけラーメン好きなんだよこの人

 

「こうなっては仕方ない比企谷 雪ノ下 お前達も行くぞ!!」

 

「口止めって…それこそ教師らしく無いですよ」

 

雪ノ下も呆れている。がこの人の場合はこれが平常運転だ。

 

「でも この格好じゃ…」

 

雪ノ下の格好では確かに寒いだろう。

 

「これを着るといい」

 

そういって着ていたトレンチコートを バサッ と雪ノ下にかけてやる。

 

ほんと この人はこういう動作がいちいち様になるんだよな。

 

 

 

 

 

 

そのまま外にいたタクシーに乗り込む。

 

最初に雪ノ下が乗り、

 

「先生 先にどうぞ」

 

「お前もレディーファーストができるようになったのか。 私は気にせず先に乗ると良い」

 

「…先生はレディーって言う歳か?」

 

「交通事故の時一番死亡率が高いのが真ん中だ!!」

 

きれいなアイアンクローをきめられてタクシーに放り込まれる。

 

「どちらまでですか?」

 

運転手は穏やかな顔のおじちゃんだった。  なんというかこう孫にすごく甘そうな感じの

 

「天下一品までたのむ」

 

そういえば千葉には何故か天下一品が一軒もないのだ 恐るべしラーメン激戦区

 

「もしかして修学旅行の方ですか?」

 

「そうなんですよ。 この子達の部活の顧問をやっていまして」

 

平塚先生は運転手のおじちゃんと話している。 てか先生もコミュ力高いな

 

横に座っている雪ノ下はというと、  真剣な顔で天下一品をググっていました。 まじかよ天下一品しらねえのかよ。

 

店はホテルから意外と近い距離だった。 歩いて五分といったところか

 

 

そういや天下一品を天一と略すやつがいるがそいつらは残された下品の気持ちも考えるべきだと思う。  どうでもいいが。

 

店に入り席に案内されると隣の席も修学旅行だろうか? 中学生5人と引率の教師もいた。

 

「…あのでかい教師なんか おかしくねえか?」

 

「そうね。…関節が曖昧なきがするわね」

 

 

 

 

 

―SIDE 中学生―

 

「ぬるふふふふ 一度来てみたかったのですよ」

 

「殺センセー ばれたら大変だよ」

 

「これもらうねセンセー」

 

「にゃ!! カルマ君 先生のチャーシューを返しなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

何か向こうも大変そうだな。

 

 

 

 

 

ラーメンを食べ終えて外に出るとタクシーは一台もなく歩いて帰るしかなさそうだった。

 

「私は一服してから帰るが二人とも戻れるか?」

 

タバコをくわえながら聞いてくる。 ここからホテルまでは歩いても5分ほどだ。

 

「大丈夫ですよ。小学生じゃあるまいし。  じゃあご馳走様でした。」

 

 

 

「比企谷君 少し待ってもらっていいかしら…」

 

雪ノ下が若干息をきらせながら歩いている。 そういえば体力無かったよな、こいつ

 

 

「その、あんまり早く行かれると道が…」

 

後半言い澱んでいたが大体分かった。  そういえば雪ノ下は方向音痴だったはずだ。

 

ペースを雪ノ下にあわせてホテルまで歩いている途中、ふと材木座の言葉が頭によみがえった。

 

『お主はあの二人とは付き合っておらんのか?』

 

やっぱり俺は雪ノ下も由比ヶ浜とも付き合うことは無いだろう。

 

俺みたいなやつを彼女達が好きになるわけが無い。 またあの時みたいな事になるのは二度とごめんだ。 あんなつらいのは人生で一度で十分だ。

 

 

 

 

 

ホテルに着くと都合よくロビーには誰もいなかった。

 

「ペースを合わせてくれて助かったわ。  それじゃあ おやすみなさい」

 

「おう じゃあな」

 

 

 

何か忘れている気もしたがとりあえず部屋に戻る。

 

「遅いぞ!!八幡!!!」

 

「あっ!!」

 

やべ、肝心のジュース忘れてた

 

「時に八幡  ラーメンはいずこに」

 

本気だったのかよこいつ。 

 

「ラーメンはここだよ」

 

おなかをさすって食べてきたアピール

 

「なっ!!…食べてきただと。  やるな我が宿敵よ」

 

いつから俺はお前のライバルになった。

 

「じゃあ、やり直しだね八幡(ニコッ)」

 

この日初めて戸塚の笑顔を怖いと思ってしまった。

 



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修学旅行編part4

その日俺は昔の夢を見た。

 

その日いつもと同じように同じ時間に登校し教室に入った俺を迎えたのはクラスメイトの冷ややかな視線と隠そうともしない嘲り そして誰かを庇うように呟かれる俺への罵詈雑言

 

その頃 俺は好きな人がいた。 俺にとっては初恋みたいなものだったのだ。 さすがに面と向かって言うのは恥ずかしかったので 家に帰ってメールで告白した。 返事は案の定 ごめんなさいな訳だが、分かっていたと言うのが本音だ。

 

そして次の日から俺の地獄は始まった 彼女が面白おかしく俺の告白をクラス中にバラしたのだ。俺の心を踏みにじり 完膚無きまでに折ったのだ。

 

そして俺は―

 

だからこそ俺は心を氷漬けにした。

誰かに裏切られて傷つき苦しい思いをするぐらいなら自分を好きになるのは自分だけで良い。恋愛感情 誰かを好きになるという感情は全て凍りついた心にしまい込んだ。

 

俺を好きになる奴なんていない そう思う事にしたし自分にも言い聞かせた。それが一番楽なのだから。

 

だからこの先俺はボッチで良い。独りで 一人で 小さなこの心の部屋を守っていく。氷ついた心の部屋を   それが中学で見つけた俺の―

 

そして俺は完全にボッチになったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なさい………起きなさい。比企谷君」

誰かに肩を揺すられて目が覚めた。

 

目を覚ますと目の前には……

 

「…雪ノ下?」

 

…………。

 

「…ふぅ」

 

厄介ごとに巻き込まれる気しかしない。こういうときは寝るに限る。

 

「なぜ人の顔を見て二度寝しようとするのかしら」

 

ガシッと頭を掴まれる。

 

「まさか雪ノ下が俺らの部屋にいるわけ無いからな……これは夢だ。と言うことは二度寝しても問題無い訳だ。 QED(証明完了)」

 

 

イラッ

 

「分かったわ。そこまで言うなら私も実力行使しかないようね」

 

何やら物騒な単語が聞こえたぞ

 

「ちっ 分かったよ 起きれば良いんだろ?」

 

更なる面倒事になる前に布団から出るべく立とうとすると

 

「あばっ」

 

顔から布団に倒れ込んでしまった。再び立とうとするが、

 

「ぐふっ」

 

やはり立てない。

 

「お前何すんだよ!」

 

俺が立とうとする度に絶妙のタイミングで足払いをかけて来るのだ。

 

「なんの事かしら? 貴方は寝ていたいようだから寝かせてあげてるのよ?」

 

息を軽くきらしながら答える。 てか、たかだか数回の足払いで息がきれるとかどんだけ体力無いんだよ。

 

「すいませんでした この通りです ごめんなさい (棒読み)」

 

土下座の体勢で一応謝る。土下座は失う物がない俺には痛くもかゆくも無いのだ。

 

「まったく… 早く着替えてロビーに来なさい。 由比ヶ浜さんも待っているわ。」

 

それだけ言い残して雪ノ下は出て行った。

 

朝っぱらからいったい何なんだ。   というか、誰も起こしてくれなかったんだ…

 

ここら辺はやっぱり安定のボッチクオリティーと言ったところか。 

 

携帯を確認すると戸塚からメールが来ていた。

 

 

『八幡へ

 

ごめんね。 何回か声を掛けたんだけど気持ちよさそうに寝てたから先にご飯食べにいくね   彩加』

 

律儀だな戸塚は…

 

 

 

とりあえず早く行かないとあいつらが怒りそうだし 着替えるか。

 

 

こうして修学旅行の二日目は始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~10分後~

 

「はちまーーーーーん!! 一緒に見てまわろーーーーーではないか   

 

…八幡? え、もしかして我 今日一人…?」

 

材木座が誰もいない比企谷の部屋を訪れたのはまた 別の話である。

 

 

 

 

 

 

~同時刻~

 

「よってなんか~いませんよ~    にしてもまったくおーでぃんのくそじじいめ  ごえいをわすれてかえるだなんて~ どんなあたましてるんれすか~  あざぜるせんせいものみにゃさい  にゃにー!?   わたしのさけがのめないっていうんれすかーー!!」

 

「…ここは俺が引き受けたからお前たちは行ってこい」

 

朝から酔いつぶれている酒乱の銀髪美人(ヴァルキリー兼ルーク)と苦い顔をしている渋めの男性(堕天使の総督)が近くの店にいたのもまた別の話である

 

 

 





はい ここ暫くはわりと早めのペースで投稿ています。




俺ガイル以外のキャラと微妙にコラボというか出てきたりしますので元ネタが分かる人はクスリ と笑っていただけたら幸いです。





そして気づく方は多いと思いますが八幡の回想というか夢語りの語りの中の単語はOPの歌詞を意識しています


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UHJ編

ロビーに行くと雪ノ下と由比ヶ浜 戸塚 そして川…なんとかさん がいた。

 

「こんな朝っぱらから何するんだ?」

 

時刻はまだ7時過ぎ まだ他の奴らは朝飯の最中だ

 

「あれ?ヒッキー言って無かったけ?今からUHJ行くんだよ!」

 

UHJ       ユニバーサル・ハリウッド・ジャパン 大阪に有る巨大テーマパークで規模は我らが千葉の誇るディスティニーランドの次位の規模だ。

 

「でも割と遠くないか?」

 

ここからだと1時間以上はかかるはずだ。

 

「だからこそこの時間なんじゃないの」

 

川…なんとかさんも若干眠そうな目をしている。

 

 

「と言うか何でこの面子なんだ?」

 

俺が誘われたと言うか 半強制的に連れてこられた理由が分からない。

 

「えっとね…最初はゆきのんと行こうって話だったんだけど、ゆきのんがヒッキーも一緒に連れて行こうってなって じゃあ彩ちゃんやサキちゃんも行こうってなったの」

 

雪ノ下が俺も誘うとはどういう風の吹き回しだ?

 

「別に私はどうしてもあなたに来て欲しい訳ではないわ。ただ私達が誘わないと貴方が一人で観光する事になるのは明白だから私が同情して誘ってあげただけよ。別に他意は無いわ。まあ、貴方が良いなら別に来なくても良いわ―

 

テンパったり照れたりした時限定の雪ノ下の必殺技  論破出来ていないダンガンロンパ

 

恥ずかしかったのか顔が真っ赤だ。

 

てか いつの間に 由比ヶ浜と川…なんとかさんは仲良くなったんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京都から電車を乗り継いでユニバーサルシティ前駅に到着したのは大体一時間後くらいだった。

 

「ついたーーー!!」

 

妙にテンションの高い由比ヶ浜はいつものことだとしても、何だかんだで他の面子のテンションもあがっている。

 

戸塚は目をキラキラさせながら辺りを見渡しているし、 雪ノ下ははしゃいではいないものの真剣な顔でパンフレットを読み込んでいる。 ユキペディアさんでもユニバのことはあまり詳しくないらしい。

 

えっ? 川何とかさんはさっきから妹や弟のお土産を真剣な顔で見ている。   シスコンな上にブラコンってどんだけ兄弟好きなんだよ。

 

修学旅行二日目はなかなかすさまじいことになりそうな予感がした。

 

 

 

 

 

 

―同時刻 府内某所にて―

 

「われわれはついに 西ウド川市を飛び出して世界を支配する時が来たのだ!!」

 

「お前たち!! 本場のたこ焼きが食べたいか―――!?」

 

「「「「おおおお!!」」」」

 

「通天閣にのぼりたいか―――!?」

 

「「「「おおおお!!」」」」

 

「浪花の美女にもてたいか―――!?」

 

「「「「おお…??」」」」

 

 

 

「まったくヤスには困ったものだな」

 

厳つい顔のおっさんも呆れている。

 

その後ろでヤスと呼ばれた男がボコボコにされていた

 

 

そして どう見ても小学生低学年にしか見えない一人の少女が

 

「なら行くぞ!!」

 

言うと皆が親指と人差し指と小指だけを立てて前に突き出し、

 

「我らがズヴィズダーの光を、あまねく世界に!!」

 

 

 

今日も世界は平和です。

 



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凍りついた心

平日ということもあり中は意外とすいていて待ち時間が長いアトラクションでも1時間くらいだ。

 

「何から乗る!?」

 

「由比ヶ浜さん少し落ち着きなさい」

 

未だにテンションの高い由比ヶ浜を雪ノ下が窘める

 

俺? 俺は今までの癖で皆の三歩後ろを付いて行くだけだ。 怖いな慣れって

 

全員が乗りたいものを聞いてみると

 

由比ヶ浜→ジュラシックワールド

 

雪ノ下→セサミロード

 

川なんとかさん→シャークズ

 

戸塚→バイオハンター

 

俺→とりあえず未だにありつけない朝飯

 

となった。 俺に至ってはアトラクションですらないな……

 

とりあえず現在地から一番近い バイオハンター 通称バイハから行くことになった。

 

 

いわゆるガンシュータイプのこのアトラクションは5人で行くには多すぎるので 三人と二人に分かれることになった。 そしてジャンケンの結果

 

俺 川なんとかさん 雪ノ下

 

由比ヶ浜 戸塚

 

というチーム分けになった。 俺と戸塚が違うチームだと……

 

 

 

 

 

 

 

アトラクションが始まり中に入ると雪ノ下と川なんとかさんがなかなか動こうとしない。…もしかして

 

「もしかして怖いのか……?」

 

千葉村に行った時の肝試しでもそう言えば雪ノ下は怖がってたよな…

 

「な、何を言っているのかしら比企谷君。 ゾンビや幽霊なんて非科学的な物は信じるに足りる要素が無いわ。私がそんな迷信じみたものを信じるとでも― ごめんなさい、あなたがゾンビみたいな物だったわね―

 

「後ろ」

 

日頃からの毒舌に対する仕返しも兼ねて少し悪戯をしてみた。

 

「「きゃあ!!」」

 

「!」

 

何か全く二人らしく無い可愛らしい叫び声と共に抱きつかれてしまった。

 

…ナニガイッタイドウナッテルンダ

 

(落ち着け、落ち着いて元素記号を最初から…水兵リーベ 僕の舟 七曲がり轟沈)

 

沈んだよ…ダメコンはどこだ!

 

 

少なくとも二人共黙っていれば見た目だけは相当に可愛いのだ。 そんな二人に抱きつかれてまともでいられる奴はボッチ所か男じゃ無いだろう。

 

 

そして二人ともようやく自分達の様子に気が付いたのか慌てて離れた。

 

「「…」」

 

あれ?なにこれ? いつもだったら某毒舌芸人も真っ青の口撃が始まるのに

 

「ひ、比企谷君 先に歩いて貰っても良いかしら…」

 

「…先に歩いて」

 

カッターシャツの袖を掴みながら呟く二人。

 

なにこれ 普段とのギャップが有りすぎてすげー可愛く思えるよ…

 

 

 

 

仕方なく先に歩くものの二人の歩くペースが遅いのもあったせいでアトラクションの方は早々と失敗だった。

 

 

 

余談だが由比ヶ浜と戸塚のチームはかなりの高スコアだったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

その後 ジュラシックワールドに乗った後は昼時だった事も有り昼飯にする事になった。

 

近くのレストランに入り、各々が注文をした物を受け取り席に着いた。

 

ジュラシックワールドの世界観を意識しているのか肉料理が多くボリュームもそれなりにありそうだ。

 

そしていざ食べようとしたまさにその時

 

 

「あれ?  もしかして比企谷?」

 

誰かの声が俺を呼んだ。 いや、誰かと言うのは正確では無い。 その声の正体に心あたりが有るのだから。 ただ俺が認めたく無いだけだ。

 

 

心が一瞬で冷え切っていくのが分かった 条件反射も同然に体の奥が冷たくなっていく   出来ることなら今すぐにでもここから走り去りたい。

 

 

そして覚悟を決めて俺はその名前を告げた。

 

「お、折本…」

 

そこにいたのは他でも無い 折本かおりだった。

 

彼女達も修学旅行なのだろう。 同じ学校の制服を着た 男女4人も一緒にいる。

今朝の夢はこの最悪の未来を示していたのかもしれない。

 

しかしもう どうにもならないのだ。



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雪ノ下雪乃は…

俺にとっては漆黒クラスの黒歴史を持つ相手 それが折本かおりだ。

 

「マジで比企谷だ! マジうける!」

 

いや、 ウケねーよ 普段の俺ならそう言い返していただろう。 屁理屈なり言い訳などをさせたら俺の右に出る奴はそうそういない自信がある。

 

なのに肝心な今、 全く言葉が浮かばないのだ。 何一つ これっぽっちも

 

俺が黙っているのを良いことに周りの連れも言いたい方だい言い始めた。

 

「こいつがかおりの言ってた奴? マジでないわ」

 

「なんか暗そうだしキモい」

 

……………

 

お前らが俺の何知ってんだよ。 それに俺は暗いんじゃない。あえて皆にあわしてるだけなんだよ。

 

言葉が浮かんでも今度は口が上手く動かない。 なんだよ…

 

(罵詈雑言は言われ慣れた筈なのにな…)

 

 

 

 

―side 雪ノ下 由比ヶ浜 戸塚 川崎―

 

戸塚視点

 

「何こいつら?」

 

僕の隣で川崎さんが眉間に皺を寄せて明らかにイライラしていた。 かく言う僕も突然現れて言いたい放題の彼女達には腹が立っていた

 

 

 

 

川崎視点

 

「…なんか感じ悪い」

 

向かいに座っていた由比ヶ浜が珍しく顔をしかめていた。

 

比企谷には世話になったし 聞いていて気分の良い話ではない。

 

そう想うと自分でも意外なほど腹が立ってきた

 

 

 

由比ヶ浜視点

 

「…」

 

隣でゆきのんが怒った顔で腕を組んでいた。

 

確かに知り合いかもしれないけどいきなりきて あんなにもヒッキーを馬鹿にされたら。 ヒッキーだっていっぱい良いとこあるし…って今は置いておこう。

 

その時 ヒッキー以外の私達の携帯が同時になった。

 

 

 

 

雪ノ下視点

 

私は今最高に腹が立っていた。 比企谷君に毒舌を振るっても良いのは私だけ……って何を考えて…

 

でも彼には泊めて貰った恩もあるし ここは…今度は私が彼を助ける番かしら。

 

作戦を実行に移すべく 由比ヶ浜さん 川崎さん 戸塚君の三人に急いでメールを送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何してんだろ俺 修学旅行に来てまで新たなトラウマ掘り起こすとか…

 

結婚の話題振られた平塚先生もこんなに辛いのかな………もっと優しくしないとな…

 

現実逃避で思考が停止しそうになったその時 凛とした声が俺の意識を引っ張り上げた。

 

「随分と好き勝手に言ってくれたわね」

 

声の主はもはや確認するまでもない。

 

俺の知ってる限り こんなにも堂々として こんなにも綺麗で こんなにも頼りになる声の持ち主は一人しかいない

 

「雪の―

 

「私の八幡に随分と言ってくれたわね」

 

俺を後ろから抱きしめつつ自分の方に引き寄せながら雪ノ下は言った………って え!?

 

「良いから話を合わせなさい」

 

耳もとで俺にしか聞こえないように呟いた。

 

「何の権利があって私の彼にそこまで言うのかしら  昔、彼があなたに告白したから? なら残念ね。 彼は今私と付き合っているわ。あなたごときに罵倒される筋合いは無いわね。」

 

………話を合わせろと言われたものの全く話が見えない。

 

「いやいや、あり得ないでしょ 比企谷と付き合うとか。誰だか知らないけどその冗談面白いよ」

 

やはり信じていないようだ。 まあ普通は信じないよな。俺と雪ノ下が付き合ってるとか。

 

「そう。 なら今この場でキスでも見せた方が良いかしら?」

 

………ユキノシタサン ハナシガブットビスギテマスヨ

 

「…」

 

まてまて 何で 俺の頬に手を添えて 目閉じながら顔近づけるんだよ! 冗談が過ぎるぞ

 

「公衆の面前でイチャつくとかあり得ないし。…萎えたし行こ」

 

現れた時と同様 あっという間に去ってしまった。

 

あっという間に始まって あっという間に終わるとか どこの団子三兄弟だよ

 

 

「あ…すまん。今回はまじで助かった。悪かったな嫌な思いさせて」

 

「僕は別にそれより八幡は大丈夫?」

 

戸塚はやっぱり天使だ~

 

「…別に」

 

川なんとかさん …はいつも通り無愛想か

 

「ゆきのんから急に 今から演技をするから変なリアクションをとらないでって来てなかったらビックリしたよ」

 

由比ヶ浜も笑って答える。

 

「雪ノ下もサンキューな…でも体張りすぎじゃないか?」

 

「あれくらいしないと騙せないわ   …それに…別に本当にしても……」

 

後半は雪ノ下したにしては珍しくはっきりとしない言い方だったせいで上手く聞き取れなかったがどうせ いつもの毒舌だろう。

 

「それじゃあ気を取り直して行こうよ」

 

由比ヶ浜の言葉と共に俺達は改めてパークを回ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―同時刻 府内某所―

 

『ヒッサーツ フルスロットル ベガス!』

 

『ヒッサーツ フルスロットル マッハ!』

 

爆風と共に二つのコアが破壊された。

 

『ナイスドライブ』

 

『オツカーレ』

 

赤い戦士と白い戦士がベルトを外すと二人の男になった。

 

赤い戦士は刑事 白い戦士は青年だ。

 

「キューちゃんが見つけた通り本当に関西にもロイミュードがいたな」

 

「進兄さん…それどころじゃないっぽいよ」

 

青年の指差した方には 両手にたこ焼きのパックが入った袋を持ちパトカーのミニカーを肩にのせた婦警がたっていた。

 

「泊さん 剛  ロイミュードを倒すのは確かに大事です。 だからって買ったばかりのたこ焼きの袋を投げ出して行くのはやめてください! ハンターが助けてくれたからよかったものの 落としたらリンナさんがキレますよ!」

 

デットヒートと マッシブモンスター ファンキースパイク ミッドナイトシャドーも後ろに控えている。

 

 

 

 

 

今日も世界は平和だった。





今回のコラボは映画を見たということもありドライブ&マッハにしてみました。






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由比ヶ浜と比企谷と ときどき平塚先生

実は ようやくお気に入り登録が100人超えました!! 皆さんありがとうございます




UHJで1日遊び倒してホテルに帰るとなかなかに疲れた。

 

というか部屋に来た材木座が妙にげっそりしていたのは何故だろうか…

 

 

飲み物を買うべくロビーの自販機に向かうと また先客がいた

 

 

「あっ ヒッキー」

 

「おう」

 

由比ヶ浜がオレンジジュースの缶を片手にいたのだ。

 

「ヒッキー大丈夫?」

 

「…何が?」

 

少なくとも成績のことではないだろう。 成績ならこんな時に聞く話でもないし 由比ヶ浜に心配される成績でも無い。 むしろ由比ヶ浜の方があれだろう。

 

「えっと…昼間のこと…」

 

由比ヶ浜なりに気を使ってくれているのだろう

 

「あ―…なんだ…迷惑かけたな。俺は大丈夫だ。」

 

「そっか。…あっ!そうだ ヒッキー今時間大丈夫?」

 

何かを思い出したように由比ヶ浜が聞いてくる

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

若干ニュアンスが違うが まさかこんな所で 『人生で一度は言ってみたい台詞』ランキング 第4位を言えるとは

 

ちなみにトップ3は

 

 

 

第3位 ひとっ走り付き合えよ

 

 

 

第2位 だが断る!この○○が最も好きな事の一つは自分が正しいと思っている奴にNOと言ってやる事だ!

 

 

 

そして堂々の第1位 俺が最後の希望だ!

 

 

 

なんと言うかアニメや特撮で聞くと格好いいが実際に言うとただの痛い奴だ。

 

「実はさ、近くに有名なパンケーキの店が有るんだけどさ 今から行かない?」

 

「…何で俺なんだ? あいつらと行けばいいんじゃねーの?」

 

「ほら、文化祭の時にハニト食べに行く約束したからさ…まぁパンケーキはハニトじゃないけど」

 

そういえばそんな約束もしたな… あの時は文実の仕事に忙しかった時に由比ヶ浜が差し入れしてくれたんだっけな。 なら まぁ断る理由もないな。

 

「じゃあいくか」

 

「うん 行こうよ …えへへ ヒッキーと二人……なんかデートみたい」

 

後半は聞こえなかったが由比ヶ浜は にへらっ と笑っていた。 一緒に食べに行くだけでここまで喜んで貰えるとか 俺史における最大の感謝のされ方だな。

 

 

 

 

その店はホテルから徒歩5分位の所にある小さな喫茶店のような店だった。

 

中に入るとテーブル席は3席しかなく カウンター席も4つしがない小さな店だった。

 

「いらっしゃい お好きな席へどうぞ」

 

出迎えてくれたのは優しそうな雰囲気のおばあちゃんだった。

 

 

奥のテーブル席に座ると由比ヶ浜が早速メニューを開く。

 

「…なんかどれも美味しそう」

 

確かに店自体は純喫茶みたいだがメニューは最近流行りのパンケーキ屋にも劣っていない。

 

 

「ヒッキーは決めた?」

 

「大丈夫だぞ」

 

「すいませーん 注文良いですか?」

 

奥からおばあちゃんがメモを手にやってきた。

 

「私は生クリーム&ベリーソース とミルクティーで」

 

「俺は生クリーム&オレンジソースとホットで」

 

「はい、少しお待ち下さいね」

 

注文を終えおばあちゃんが奥に去っていくと カラン と ドアの空く音がした。

 

「は~ 引率も大変だな……パンケーキでも食わずにやってられるか…」

 

なにやら聞き覚えのある声が

 

「…ねえヒッキー」

 

「聞くな…俺は何も聞いてない」

 

そう 現れたのは他でもない平塚先生だった。

 

 

「おや 比企谷に由比ヶ浜じゃないか 君達も食べに来たのか?」

 

後で聞いた話だとここは営業日が店長の気分次第で変わる変わった店だが 味は絶品という隠れた名店らしい。 営業日と営業時間が未定のため たまたま俺達が行った時は誰もいなかったらしい。

 

「すいませーんオーダーお願いします。フルーツミックスとブレンドで」

 

注文を言うと俺達の横の席に座る。

 

 

 

暫くすると俺達の注文したメニューが届いた。

 

なんか平塚先生はイメージがなんか違うな。 先生はなんかこう 漢! みたいなイメージが有るのに フルーツがいっぱい乗ったパンケーキとか…

 

 

「ヒッキーのやつちょっと貰って良い?」

 

由比ヶ浜が聞いて来たのは半分ほど食べ進めた頃だった。

 

確かに味が違うから気になるのだろう。

 

「ほれ」

 

適当に一口サイズに切り渡そうとする。

 

「あん」

 

………………………は?

 

落ち着け比企谷八幡。 一旦状況を整理しろ。

 

俺は皿に渡そうとパンケーキを出した筈だ。 それをどう勘違いしたのか由比ヶ浜が直接食べた……っ!これは俗にいう『あーん』と言うやつか!

 

「うん、これも美味しい!あっ私のもあげるね」

 

気が付かなかったのか今度は由比ヶ浜が自分のパンケーキを切り分けて差し出してくる。 俺の口に。

 

「…………旨いな」

 

いやいや味なんてわかる訳ないだろ。 女子に『あーん』されるとか。 いや、男にされたら死にたくなるが

 

「お前ら仲睦まじいな」

 

先生の一言でようやく気付いたのだろう。由比ヶ浜が顔を真っ赤にする。

 

「いや、そのあの………ううっ…」

 

先生から僅かながら殺気を感じたのは気のせいたよね? ね?

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあまあそろそろ帰るか」

 

「美味しかったね」

 

伝票を持って席を立つ。 先生は新しく頼んだカツサンドを食べている。 何というか こう ワイルドに

 

「合計2000円になります。」

 

レジに野口さん二枚を出すと

 

「あっ私の分は出すよ。」

 

由比ヶ浜が慌てて財布から出そうとするが

 

「前にハニト奢って貰ったお返しだから良いんだよ」

 

奢られっぱなしと言うのは性に合わない。養って貰うのは良いが

 

「…あ、ありがとう」

 

へへっ と笑う由比ヶ浜。 これだけで十分な気がする。 いや十分以上か。

 

 

 

 

 

 

 

帰り道 変わった人達とすれ違った

 

「HEY提督 teaタイムね」

 

「流石お姉さまです」

 

「もうすぐ着くっぽい?」

 

「夜道か…ふふふ怖いか?」

 

「はらしょー 京都は素晴らしい」

 

「こ、怖く無いのです」

 

 

 

彼女達は何だったのだろう。



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やはり俺達の生活は間違っている
比企谷八幡は珍しく働く?


ようやく20話目に突入です


やったぜブイブイ!!


バイトとか学校とかで投稿ペースは不定期ですが暖かく見守ってくださると光栄です。







修学旅行が過ぎると気温が一気に下がり布団から出たくなくなる季節になった。

 

 

 

ある日いつも通りに部室に行き某世界に七人しかいない神殺しのラノベを読んでいると、

 

「ゆきのん どうしたの?なんか元気無いけど?」

 

由比ヶ浜が何かに気付いたように雪ノ下にたずねた。

 

言われてみればいつもより疲労感が見える。

 

 

「大丈夫よ。なんとも無いから…」

 

なんともないといいつつも やはり変だ。

 

「……あ―、まあ 俺達に変な気を使う必要はねぇぞ。大抵のことなら由比ヶ浜がなんとかしてくれるから」

 

「そこはヒッキーじゃ無いんだ!」

 

「……まあ半分冗談は置いといて、悩んでんならあんま抱えこまねぇ方が良いぞ。ロクな事は無いからな。 ちなみにソースは俺」

 

すると雪ノ下は少し考える素振りを見せた後

 

「…もしも私が困っていたらあなた達は助けてくれるかしら?」

 

「「………」」

 

こいつは何を聞いてるんだ。

 

「お前な…奉仕部は生徒の悩みを解決する部だろうが。お前も生徒の中の一人だぞ。  それに奉仕部云々を置いといてもお前が困ってるなら助けるに決まってんだろが…こないだも助けて貰ったしな」

 

京都で助けてくれたのは他でもない雪ノ下だ。

 

 

「そうだよ!ヒッキーの言うとおりだよ!ゆきのんが困ってるなら絶対助けるよ!」

由比ヶ浜も俺に同意してきた つい最近まで由比ヶ浜は雪ノ下を家に泊めていたぐらいだ。

 

 

「……」

 

再び考える素振りを見せた後、

 

「実は―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ストーカー!?」」

 

雪ノ下の悩みと言うのはストーカーのことらしい。

 

 

「自分のマンションに戻れるようになって2日したくらいだったわ。帰り道に誰かにつけられてるのよ。それも毎日。今朝は郵便受けに封筒に入った隠し撮りの写真が入っていたのよ……」

 

「そいつ最低!」

 

由比ヶ浜が本気で怒っている。それに関しては俺も同感だ。 しかし今はそれ以上に、

 

「―でだよ」

 

「…えっ?」

 

「…ヒッキー?」

 

俺は雪ノ下に腹が立っていた。

 

「何でもっと早く相談しねーんだよ!! 一人でどうにかできるもんじゃねーだろ!もし何かあってからじゃ遅いだろ!!少しは俺達を頼れよ!」

 

自分でも不思議な程に腹が立っていた。こんなに腹が立ったのはいつぶりだ。

 

 

「確かにヒッキーの言うとおりかも。 でも今は先にどうするかを考えようよ。」

 

「こういう輩は中途半端に撃退しても無駄だ。やるなら徹底的にやらないとな。 由比ヶ浜、今日の放課後暇か?」

 

「空いてるけど?」

 

「ならそのまま空けといてくれ。今日中にストーカー野郎をぶっ潰す。」

 

それだけ言うと部室に来る前に買っておいたMAXコーヒーを鞄から取り出して雪ノ下に渡す。

 

「これでも飲んで元気出せ」

 

プルタブを開けて雪ノ下は一口飲み

 

「とても甘いわね…」

 

はにかむように笑った。

 

 

 

 

 

さて、 クソヤロウをぶっ潰す準備を始めますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後 俺達三人は一緒に帰っていた。 俺は仕込みを済ませていたが雪ノ下と由比ヶ浜には内容を伝えていない。 この作戦は気付かれたら終わりだからだ。

 

 

「…そこでコーヒーでも飲まねぇか?」

 

オープンテラスのコジャレたコーヒーショップを指差して言う。 太陽がでているので朝に比べればまだ随分暖かい。 外で飲むには十分な気温だろう。

 

 

「適当に買ってくるから席取っといてくれ」

 

それだけ言うとレジに向かう。 さあ、ここからが勝負の始まりだ。

 

 

 

 

 

コーヒーを飲み終え外に出ると当たりは暗くなりかけていた。 そろそろだろう。

 

 

 

雪ノ下を家まで送るべく歩き始めてすぐに協力者から合図が来た。

 

「そこ左に曲がってくれ」

 

雪ノ下と由比ヶ浜にしか聞こえないように極限まで声を落として言う。

 

曲がった所で再び合図が来た。 今だ!

その数秒後現れた男の襟と袖を掴み一本背負いの要領で地面に叩きつける。容赦は必要ないだろう。

すかさずマウントポジションを奪い、

 

「お前が雪ノs…雪乃を付け回してたストーカーか」

 

精一杯ドスを効かせた声で問いかける。

そのすぐ後ろから新しい人影が三人現れた。

 

「彩ちゃんに厨二にサキちゃん?」

 

 

今回のストーカー捕獲に当たって協力してもらったのだ。

 

「大丈夫雪ノ下さん!?」

 

「我、剣豪将軍が来たからにはもう安心だ!」

 

「大丈夫?」

 

 

……材木座 必要だったかな?

 

 

「何だよお前ら! 何なんだよ!」

 

「それはこっちの台詞だ。何雪乃に、人の女に手を出してるんだよ、ストーカー野郎が」

 

「雪ノ下さんがお前と……嘘だ!雪ノ下さんは僕のものだお前みたいなやつなんかに…」

 

俺はポケットから銀色に光るそれを取り出して地面に叩きつけたストーカー野郎の顔スレスレに叩きつける。

 

「一度しか言わないからよく聞け。二度と雪乃に関わらず二度と俺達の前に現れるな。次は………殺すぞ」

 

こういう時 俺の腐った目は便利だ。 簡単に迫力を出すことができる。

 

 

「ひぃ…や、やめてくれ………わかったから、に、二度と関わらないから殺さないでくれ…」

 

俺が立ち上がると 一目散に逃げていった。そんなに怖かったか…

 

「これで一件落着だな」

 

しかし由比ヶ浜が

 

「ねぇヒッキー…ナイフはやりすぎだよ…」

 

他の面子も同じ意見のようだ。どこか引いた顔をしている。

 

「残念だが俺はナイフなんか使ってねぇぞ。 ほれ」

 

 

「「「えっ?」」」

 

 

皆が驚いた顔をしてこちらを見る。

 

俺が手を開くと そこには、

 

「す、スプーン?」

 

スプーンを逆さに持ち 持ち手の部分を地面に叩きつけたのだ。

 

下種相手にこちらが手を汚す必要もないだろう

 

「なんだ、そうだったんだ」

 

由比ヶ浜は雪ノ下の手を握りながらこちらにくる。

 

「これでもう大丈夫だろ」

 

「…あ…え………その、皆本当にありがとう」

 

雪ノ下が頭を下げる。 これまた珍しい光景だ。

 

「気にしないで雪ノ下さん。僕も前にテニスで助けて貰ったし」

 

「うむ、人助けもまた剣豪将軍の務めなり。…それに我も小説をよんでもらっているしな」

 

「前に助けてもらったのは私だし…」

 

「そういうことだよゆきのん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これで一件落着 と思いきや

 

 

「しかし八幡よ。お主なかなかやるな。あんなに堂々と俺の女と言い切るとはな」

 

 

 

 

 

 

やっぱり材木座 いらなかったな。 新しい問題つくるだけだし…

 

 





さて、 次回でヒッキーのとった作戦などを書きたいと思っています。


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そして事件は解決なり

胸焼けするぐらい甘い展開が書きたい今日この頃です。



もうやっちまっていいよね。






マックスコーヒーくらい甘い展開にしてやんよ


ここら辺で今回の屑野郎退治の顛末を説明しようとおもう。 …誰にだって? そこは気にするな。

 

 

まず俺は部室を出る前に今回のストーカー野郎の話を 戸塚 材木座 川…なんとかさんの三人にメールをした。 加えてある手伝いを頼んだ。

 

 

彼らにして貰ったのは俺達の後ろ…50メートル位を歩いてもらい、雪ノ下をつけている人物を特定するためだ。

 

 

 

コーヒーショップで休憩したのは俺達の後ろにいた人物が本当にストーカーか確かめるためだ。 その人物が本当にストーカーでは無いならそのまま行ってしまうだろう。 しかし戸塚達に見てもらいその人物が 黒なら俺の携帯を鳴らして貰う手筈だったのだ。

 

そして案の定黒。 携帯が鳴るのを確認した俺達はコーヒーショップを後にして雪ノ下のマンションの方向へ向かいつつも人通りの少ない道を探したのだ。

 

流石に脅迫まがいの事をする場面を見られるのはマズいし、何より事を大ごとにしないためだ。

 

 

そして再び戸塚達からの合図。 奴がつけていると言う合図だ。

 

 

そして曲がった所で待ち構え、後はあの通りだ。

 

脅迫に信憑性を増す為に雪ノ下を俺の女とか言ったが 今思うとかなり恥ずかしいな。

 

 

材木座には勿論 余計なことを言った罰を与えた。 小説 ネット 晒す これらの単語から推測してほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今俺達は雪ノ下のマンションで鍋をつついていた。

 

由比ヶ浜の提案で鍋パをする事になったのだ。 あいつなりに雪ノ下を励まそうとしたのだろう。

 

戸塚や材木座、川崎もそれを察して乗ってきたし 雪ノ下も察して断りはしなかった。 …こういうノリは苦手なはずなのに

 

 

 

由比ヶ浜がキッチンに立とうとして俺と雪ノ下に全力で止められたり 材木座が買い出しで鍋に入れる豆腐を間違えてすき焼き用の焼き豆腐を買ってきたりしたが まあなかなか上手くはできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局8時をまわったくらいで御開きとなった。

戸塚は由比ヶ浜を送り、 材木座は川崎を送る…ことは無く(川崎が全力で断ったからだ。…と言うか何故断りながらちらちらこっちを見ていたのだろうか?)

 

てか、戸塚を送らなくても大丈夫なのだろうか?

 

 

 

俺は後片付けに鍋や食器を洗っていた。

 

流石に雪ノ下にやらせる訳には行かないからだ。 我ながら将来有望な専業主夫っぷりだ。

 

8時30分を回った頃にようやく全ての片付けを終えて俺も帰宅する事になった。

 

「じゃあ帰るわ」

 

それだけ言い玄関から出ようとする。すると

 

「待って…」

 

雪ノ下に服の裾を掴まれた。

 

「……? 離してくれないと帰れないんだが」

 

「―しら」

 

?雪ノ下が何か言ったようだが声が小さく殆ど聞き取れなかった。

 

「すまん、聞こえなかった」

 

「今日…今晩一緒にいてくれないかしら……悪いのだけど、その…まだ怖くて」

 

 

 

………………………。

 

「いやいやいや、それはマズいだろ。倫理的に、社会的に、俺の精神的に」

 

「貴方には一時期泊めて貰っていたし、由比ヶ浜さんにはあまり心配をかけたくないし…」

 

しかし ストーカーにあっていたコイツとしても相当怖かったのだろう。 いつもは息をするように出てくる毒舌が全く無いくらいだ。 俺が助けられるならやれるだけの事はやってやるべきだろう。

 

 

 

「……今日だけならな」

 

それを聞いた雪ノ下の顔が安堵のものへと変わる。 そんなに怖かったのか。

 

「替えの服がねえな……カッターシャツの下にきてるTシャツだけで良いか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流石に一緒の部屋で寝るのはマズいので(主に俺のイロイロが)俺は空き部屋に布団を引いて寝ていた。

 

12時を回った頃だろうか? 不意に部屋のドアが開いた。

 

「…比企谷君………一緒に寝ても良いかしら?」

 

そこに居たのは枕を抱えたパジャマ姿の雪ノ下だった。 (雪ノ下じゃなかったらそれはそれで問題だが)

 

……………………………って え!?

 

 

「えっ いや それは色々マズいだろ」

 

…そう言えば千葉村では戸塚と一緒だったな。 いや、今はどうでも良いだろう。

 

 

 

「……………お願い…」

 

「………」

 

 

雪ノ下の声はいつもの毅然としたものでは無く子供のように聞こえた。

 

…なんだよ 選択肢ねーじゃねーか

 

 

 

「分かったよ」

 

 

布団を半分開けるように移動する。

 

「服は着替えて無いからあれだけど気にするな」

 

 

「……ありがとう」

 

もぞもぞと布団の中に入ってくる雪ノ下。

 

流石に向かい合うのは恥ずかしいので背を向けて寝る。

 

何せ雪ノ下は総武高校で一番可愛いと言われる位だ。 この状況でまともなやつはまともじゃないな。       いや、どっちだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勿論寝不足になったのは言うまでも無い。




スーパーヒーロー大戦~OREGAIRU~を書き始めましたのでよろしくお願いします


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アフターモーニング

朝、目が覚めると最初に感じたのは紅茶の良い香りだった。

 

…そういえば昨日は雪ノ下の家に泊まったんだよな………

 

夜はなかなかに大変だったのは言うまでもない。 

 

早々と寝た雪ノ下が抱きついてくるのだ。 さらに寝言で、

 

「ひきがやくん…」

 

などとコンボを決めてくるのだ。   なにこの可愛い生き物。     しかも抱きついてくる訳だから慎ましやかながらも柔らかいものが     このトリプル役満には打つ術なしだ。え、これなんてムリゲー?    おかげで俺がようやく寝ることが出来たのは明け方頃だった。

 

睡眠時間にしてだいたい一時間位だろう。   ………深夜アニメをリアルタイムで見てももう少し寝れるな。 

 

眠い目を擦っていると部屋のドアが開いて雪ノ下が入ってきた。

 

「あら、比企谷君起きていたの?」  

 

「今起きたとこだよ」

 

「丁度良かったわ。朝ご飯ができた所よ」

 

「了解  着替えたらいくわ…って着替え無いんだよな」

 

学校に行く前に一回家に帰らないとな。

 

ピーンポーン とインターホンがなったのはその時だった。

 

 

こんな朝早くに誰だ?

 

「来たようね」

 

雪ノ下には来客に心当たりが有るらしい。

 

ドアを開けると

 

「雪乃さん やっはろー」

 

なんと来客は小町だった。  えっ?なんでいるの?

 

「あ、お兄ちゃん はいこれ」

 

小町が渡してきたのは替えの制服と数日分の着替えだった。

 

「制服はともかく何で着替えがいるんだ?」

 

俺が聞くとあからさまにダメ人間を見るように落胆している。

 

「これだからごみぃちゃんは……   ストーカーにあったばっかりの雪乃さんを一人にしていいわけ無いじゃん。 だからこそごみぃちゃんの出番じゃん」

 

 

じゃんじゃんってどこのアンチスキルの教師だよ。なに レベル3ぐらいまでなら素手で制圧しちゃうの? 学園都市の七不思議のちびっ子先生と知り合いなの?

 

「というわけ雪乃さん 暫くお兄ちゃんをどうぞ  …雪乃さんさえ良ければこのままずっとあげますよ」

 

 

後半は雪ノ下の耳元で喋っていたため聞き取れなかった。   雪ノ下が顔を真っ赤にしながらこちらをチラチラ見ていたのは何だったのだろうか?

 

 

 

 

「じゃあ小町は学校に行くので後はお若い二人でどうぞ~」

 

「おーい小町や 送って行こうか?」 

 

この気遣いナイス兄貴だな 俺。       しかし

 

 

「なんでそうなるかなー?  馬鹿 ボケ カス 八幡」

 

ナチュラルに俺の名前が悪口にラインナップされていた。

 

といつの間にか小町は出て行っていた。 何だっんだろうあいつは?

 

我が妹ながらなにがやりたいのか全く謎である。

 

「それじゃあ今度こそ朝ご飯を食べましょうか。」

 

雪ノ下についてリビングへいくとなかなか…いやかなり豪華な朝ご飯だった。

 

数種類のベーグルにカリカリに焼いたベーコン。  スクランブルエッグや色とりどりの野菜が入ったサラダ。   見るからに手が込んでいる。

 

 

「ベーグルなんて始めてだな」

 

テレビなどで見たことは有るが実際には食べたことは無い。

 

 

「それは、私が作ったのよ」

 

どこか誇らしそうに雪の下が慎ましやかな胸を張る。

 

「ベーグルの作り方まで知ってるとか本当にユキペディアさんだな」

 

軽口を叩きながらも一口食べてみる。

 

「本当にうめぇな」

 

「そう それは良かったわ」

 

平静を保っているつもりらしいが顔は赤い。

 

 

…しかもこっそりガッツポーズ    なんか最近雪ノ下がかなり丸くなった気がするな。     

 

 

 

こうして朝の時間はのんびりと過ぎていった。

 

 

 

 

 




久しぶりの更新です。  バイトが大変で大変てコミュ障にコンビニはきついです。




最近スーパーヒーロー対戦~OREGAIRU~と言う作品も始めました。良ければそちらもお願いします。


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奉仕部のー

朝ご飯(朝パン?)を食べ終えてコーヒーを飲むとそろそろ学校に行く時間だ。

 

「そろそろ行くか。    なあ、雪ノ下どっちから家出る?」

 

一緒に登校するとろくでもない噂がたつのは分かりきっている。     そこらに気がつく俺マジ気が利く。ここまで気が利く俺にはやはり専業主夫が天職だろう。

 

「あの…そのこと何だけれど……」

 

雪ノ下が顔を赤らめながら携帯を見せてきた。

 

『雪乃さん……雪乃お義姉さん  是非うちのごみぃちゃんと一緒に行って下さい。  そのまま貰っていただけると小町的には嬉しいです。      あっ!今の小町的にはポイント高いです!!』

 

 

なんと言うか全体的にあざといメールだった。 雪ノ下の名前を消さずにあえてお義姉さんと続ける所とか。

 

「そ、そういうことだから…………だから比企谷君  私と一緒に生きましょうか?」

 

柔らかい笑顔を浮かべながら雪ノ下が言う。 卑怯だろ。めっちゃ可愛いじゃねーか。

 

……って、うん?  なんかイントネーションが違う気がしたぞ。  なんかとんでもなく大変な事を見逃した気がするが気のせいだろう。

 

…気のせいだよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校に登校してみると意外と変な噂はたたなかった。普段から奉仕部の活動として雪ノ下や由比ヶ浜と一緒にいることが多いからだろう。

 

授業も寝ている間に殆ど終わり荷物を持つといつも通り部室へと向かった。 中に入ると珍しく平塚先生が先にきていた。

 

「おや、ようやく来たか。」

 

由比ヶ浜と雪ノ下は既に中で紅茶を飲んでいた。

 

「全員揃った所で早速話をさせてもらおう。」

 

胸の内ポケットから二通の封筒を取り出した。    …封筒?

 

「今週末の三連休 奉仕部は合宿を行う!!」

 

合宿ってあの合宿?

 

「いや、運動部でも無いのに合宿ってなにするんですか?」

 

「そうですね。 特に必要も感じませんが?」

 

「そもそも合宿って必要無いよね?」

 

皆同じ意見のようだ。

 

「異論 反論 抵抗 拒否等は一切認めない!!」

 

なんかすげー面倒くさいな。

 

先生から封筒を受け取り中を見ると北海道にある温泉旅館のペア券と飛行機のチケットが入っていた。

 

「一応聞きますけど、これどうしたんですか?」

 

なんかもう嫌な予感しかしない。

 

「知り合いの結婚式の二次会でビンゴがあってだな……二回も当ててしまったんだ。  しかもペア券を……」

 

先生がもう涙目で明らかに凹んでいた。     本当もう誰か貰ってやってくれよ。血迷った俺が貰っちゃうよ。   ……って血迷うのかよ。

 

「あ………先生  元気出して」

 

由比ヶ浜が慰めようと先生の背中をさすっている。

 

 

「ぐすっ……独りで行くのは……えぐっ……辛いんだよ……」

 

あまりにも哀れに思ったのか雪ノ下も折れた。

 

「分かりました。  奉仕部で合宿をしましょう。」

 

「……うん」

 

こうして急遽奉仕部の合宿が決まった。




駄文&短いですが読んでいただけると幸いです。



感想 評価 改善点などをお待ちしております。







こっからはゆきのんがでれまくります


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合宿PART1

あれから何事も無く……ということは無かったが、まあ 無かったことにしておこう。  決して雪ノ下が夜な夜な布団に潜り込んできたり 朝起きると至近距離で俺の顔を眺めていたなんて事は無かった。        …嘘です。もろにありました。

 

 

 

三連休になり今日から奉仕部の合宿だ。 千葉駅に集って合流したあと平塚先生の車で空港まで移動する予定だ。   ちなみに小町に合宿の事を連絡すると、

 

『お土産は特にいらないよ~。  お兄ちゃんと雪乃さんと結衣さんのお土産話だけで十分!!   でもまあ、どうしてもって言うなら  おねぇちゃんが欲しいかな~     あっ、今の小町的にはポイント高いよ!!』

 

などと電話で言われた。 まあ、てきとうにお菓子でも買っていったら十分だろう。

 

雪ノ下と千葉駅に行き五分程すると、

 

「やっはろー ゆきのん ヒッキー!」

 

由比ヶ浜がとてとて走ってきた。キャリーバックか有るから走りにくそうだ。  

 

 

とてとて…ゆさゆさ…とてとて…ゆさゆさ

 

立派なメロンだな。   北海道だけに

 

「痛っ!!」

 

右手の甲に痛みが走り見てみると雪ノ下が冷たい笑顔で俺の手をつねっていた。

 

「あら、比企谷君 どこを見ていたのかしら?」

 

「イ、イエ、ナニモミテイナイデスヨ!!」

 

ほんと八幡ウソツカナイ。

 

「はぁ……        私だって姉さんがあれなのだから可能性は無きにしもあらず…」

 

呆れたような溜め息の後何か呟いていたがまあおいておこう。  聞こえなかったが、聞き返すと何かヤバい気がする。  わざわざ地雷を踏みに行く必要も無いな。

 

「ゆきのんもヒッキーも早いね」

 

「由比ヶ浜さん 五分前行動は社会に出ると当たり前よ。」

 

「そうなんだ。 てっきり中学校の行事の間だけだと思ってた」

 

確かに学校行事では五分前行動 三分前集合とか言うな。

 

「まあ、俺は専業主夫希望だから関係無いがな。」

 

「ヒッキー まだそれ言ってたんだ…」

 

「全く…」

 

そんな話をしているといつぞやの千葉村に行くときも見た車が来た。

 

案の定降りてきたのは平塚先生だった。

 

「よし全員そろっているな。  では車に乗りたまえ。   勿論比企谷は助手席だぞ。」

 

あ…やっぱりそうなんですね。   トランクに各々の荷物を入れると車に乗り込む。

 

助手席に乗り込みシートベルトを締めると車が走り出した。

 

 

全く、微塵も これっぽっちも興味の無い話だが 隣に座る平塚先生を見るとシートベルトがこう いい感じに…………πスラッシュが…     ほ、本当に興味無いんだからね!!       なんかツンデレっぽくなってキモイなやっぱー

 

「痛ててて!!」

 

背中に痛み×2を感じて振り向くと由比ヶ浜と雪ノ下が背中をつねっていた。   と言うかなんでバレた。

 

 

 

「そう言えば君達は文系と理系どっちにするんだ?」

 

そう言えばもうすぐ文理選択の時期だな。

 

「俺は私立文系ですかね。  まあ狙えるなら国公立も狙いたいんですが理系が無理なんで」

 

「私は国立理系です。」

 

さすが総武高校一位。  堂々と言い切るのが凄い。

 

「私は私立文系かな。 そこまで賢くないから…」

 

「ふむ、まあ大体予想通りといったところかな。 まあ将来的に何がしたいのかを見据えて考えることも大事だぞ。」

 

なんか平塚先生が良い人に見える。  まあなんだかんだで結構良い人なんだが。

 

「まあ 良い大学を出てもいき遅れたら大変なんだがな………」

 

後半になるに連れてあからさまにテンションが下がっていった。

 

いや、本当に早く誰か貰ってあげて。 

 

 

 

 

 

 

 

 

空港に着いて荷物を預けると暫く時間が有ったのでフードコートで昼飯を食べることにした。

 

「ねえゆきのん 北海道の観光名所ってどこなの?」

 

まあこうなるわな。 京都の時も由比ヶ浜は雪ノ下に聞いてたし。

 

「そうね、有名どころはやっぱり札幌の時計台や富良野のラベンダー畑かしらね」

 

「後は当麻の鍾乳洞だな。龍神伝説もあるところだぞ。  マカロニ鍾乳石で有名だな。   当麻ならでんすけスイカも有名だな。」

 

「比企谷がそこまで知っているとは意外だな!!」

 

「ヒッキーって実は賢い!?」

 

なんか酷い言われようだが、あまり反論できない。  北海道に関する知識のほとんどが 櫻子さんの足下には(ry の受け売りだとは言えないからな。

 

 

 

 

そうこうしているとそろそろ搭乗時間だ。

 

「座席はどうするかね……ふむ 好きなのを一枚選ぶと良い。」

 

座席はEー3 4    Oー3 4  つまり二人ペアで席は離れているのだ。

 

ランダムに選んだ結果

 

俺&平塚先生   雪ノ下&由比ヶ浜ペアになった。

 

「それじゃあまた後でね」

 

由比ヶ浜が挨拶をして雪ノ下の手をとると座席に向かって行った。   てかあいつら本当に仲良いな。そのうちユルユリしだしてユリユララララユルユリして大事件するんじゃないかと心配だ。    いやないか。

 

「では私達も行こうか。」

 

 

 

 

 

 

 

席に着いて十分程すると飛行機は離陸した。

 

「ところで比企谷」

 

「なんすか? おやつなら無いですよ?」

 

「お前は私を何だと思っている?   そうじゃないあいつら  雪ノ下や由比ヶ浜とはどうなんだ?」

 

「どうと言われましても 他の女子よりは仲が良いですよ?」

 

「そういうことでは……いや今は良いか」

 

よくわからないが良いらしい。

 

「にしても北海道か~楽しみだな!お前もそうだろう?」

 

先生の目がキラキラしている。どんだけ楽しみなんだよこの人。

 

こうして奉仕部の合宿は始まった。

 




旅行に行きたい。   温泉に行きたいんだよー!!

一週間ぐらい大学の休みを取って温泉に行きたい今日この頃です。



というわけで合宿編をスタートさせて頂きました。

感想 評価 改善点 お待ちしておりますので是非よろしくお願いします。


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合宿PART2

新千歳空港に到着し荷物を受け取ると、まずは荷物を預けるべく旅館へ向かうことになった。 空港前にはタクシー乗り場がありそこへ向かう。

 

平塚先生が助手席に乗り込み行き先を運転手のおっちゃんに告げる。 そうなると必然的に後ろに俺達三人が乗り込むことになった。

 

 

 

………なんで俺が真ん中なんですかね?  後、左右に座っている雪ノ下と由比ヶ浜が妙にこっち詰めてきているのは気のせいだよな?   いや妖怪のせいか。

 

 

二人ともこっちに詰めてくるものだから微妙に狭いし  何よりも

 

 

(右のメロンに左のスフレ…これが北海道なのか!?)

 

右の由比ヶ浜はまさにメロンというべき大きさだし、左の雪ノ下は大きさこそあれだがとてもやわらかい。

 

意識してしまうと大事なところが五稜郭タワーになってしまいそうだったので、携帯でも見て気を紛らわせることにした。

 

ってメールが五件もきてるし。

 

一 四 五件目は       ちっ!!材木座か。内容は読まなくても判る気がする。

 

『応答せよ!! 応答せよ八幡!! む!! ミノフスキー粒子が濃いようだな。まあいい、メッセージを残しておく、連絡を求む。       我の新しい小説が書けたのでなお主に一番に読ませてやろうと思ってな。 これからどこかで会わぬか?』

 

 

 

 

 

『はははははっ!!!  実は読んでいて我の忍耐力を試しているのだろう? その程度で我は負けぬぞ!!』

 

 

 

『えっ…八幡   リアルに返信ないの?』

 

 

 

 

こいつどんだけメンタル弱いんだよ。最後なんて完全に素に戻ってるじゃねーか。  まあ一応返信位してやるか。

 

『悪いな。  今奉仕部……由比ヶ浜と雪ノ下と平塚先生と北海道に来てるんだわ。だから今度で』

 

送って一分も立たないうちに返信がきた。    いやいや、どんだけ返信まってたんだよ。

 

『美少女二人&女教師と旅行とかどこのリア充だ!!  この残念ボッチ なんちゃってイケメン  貴様などは断じて友ではないわ!!!!!!!』

 

 

こいつまじで面倒くせぇぇ!!

 

 

 

 

 

 

二件目は   戸塚だと!!!!

 

 

『八幡へ     よかったら今日遊ばない? 返事待ってます。』

 

俺としたことが戸塚を待たせちまうなんて。

 

『すまんな。今奉仕部で北海道に来てるんだ。だから悪いけどまた今度にさそってくれないか?    あと土産は何が良い?  白い恋人? 黒い恋人? 渋めに鮭トバとかホッケとかが良いか?』

 

 

土産を聞きながらナチュラルに今度遊びにいこうぜと誘う。 

 

 

三件目は………………………………え?   

 

 

『やっはろー 比企谷君。 妹ちゃんに聞いたけど雪乃ちゃん達と北海道だって?うらやましいぞ このこの~     私だけ来週の週末に少しだけ帰るからお土産よろしくね~。私のお土産も期待していいぞ☆   あ!! このメールの事と私が来週帰ることは雪乃ちゃんには内緒だぞ!!  サプライズにしたいからね~   じゃあばいば~い』

 

いっそ見なかった事にしようとか思ったがあの人の事だ、後でどんな事されるか分かったものじゃない。  お土産くらいは買っていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらい乗っていただろう。ようやく目的地の旅館に着いたらしい。

 

平塚先生がチケットを見せると。

 

「ようこそいらっしゃいました。この旅館の女将の天城といいます。 それではお部屋の方へ案内させていただきます。」

 

女将さんに連れられて客室の方へ行く。      …おい、まて

 

 

「お部屋はこちらでございます。  何かご不明な点がございましたらフロントまでお願いします。    それでは失礼いたします。」

 

女将さんが行くと、由比ヶ浜がつぶやいた。

 

「…これどうするの?」

 

あろう事か部屋は二人部屋×2部屋だったのだ。      …そういえばチケットはペアチケットだったよな。

 

「ふむ そこらへんのことを相談するにしてもひとまず部屋に入ろうではないか。」

 

平塚先生の提案によりひとまず入ることにする。

 

 

 

(しょっぱなからこれか…)

 

どうやら先の思いやられる合宿のようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―side 雪ノ下―

 

「お部屋はこちらでございます。  何かご不明な点がございましたらフロントまでお願いします。    それでは失礼いたします。」

 

 

女将さんに案内されたのは二人部屋×2部屋だった。

 

横では由比ヶ浜さんや比企谷君が戸惑っているようだったが  私は寧ろこれはチャンスだと思う。    この合宿中に彼との距離をもっとつめてしまおう。 

 

だって私は彼が―

 

 

 

 







感想 評価 改善点などお願いします。


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合宿PART3

読書用の本を忘れて電車内でやたらと暇だったので連投です。

……えっ?スマホで読めばいい?   本はやっぱりペーパー派というくだらない意地の為ですよ  はい



ひとまず部屋に入った俺達は部屋割りをどうするか話し合っていた。

 

「俺が一人でもう一部屋で三人が寝ればいいんじゃないか?  ほらあれだ。俺基本プロぼっちだし」 

 

「あら比企谷君、まさか一人で部屋を占拠するつもりかしら?」

 

「そうだよヒッキー 一人とかずるいよ」

 

と、まあこんな感じで延々と話がループしているのだ。

 

「いやだからな、お前らも男と相部屋とか嫌だろ?」

 

雪ノ下とは一時期(二時期?)同棲同様の事はしたが…

 

「いや……私は気にしないというか…むしろ………と言うか………」

 

「あら比企谷君 あなたは女子と二人きりになると襲ってしまう性犯罪者なのかしら?」

 

由比ヶ浜は途中から声が小さくなり聞こえなかったが雪ノ下の方には異議がある。  毎晩人の布団に入ってきたり、夜な夜な抱きついてきたり、本を読んでいたら真横に座ってウトウトと寝始めるお前には言われたくない。

 

 

…まあ言ったら由比ヶ浜と平塚先生が大変なことになりそうだから言わないが。

 

「さっきから話が進まないな。   それじゃあ公平にくじ引きで決めよう。  結果には一切のクレーム無し。  それで良いな?」

 

「いっーすよ このままじゃ無限ループしそうだし。  てか話の無限ループとかどこのドラ○エだよ」

 

「まあ それでしたら」

 

「ドラ○エ? 無限ループ?」

 

由比ヶ浜の中ではドラ○エと無限ループが繋がらないらしい。

 

「ならば比企谷 先に風呂に入ってくると良い。 私達は少し話がある。」

 

「はあ…わかりました」

 

平塚先生に促されてタオルと着替えを持って部屋を出る。   なんか中学校の体育みたいだな。男女別れて、   てかあれなにしてたんだろな?

 

まあ、のんびり風呂に入ってくるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside女性陣ー

 

 

平塚視点

 

 

 

比企谷が出て行くと私は聞いてみた。

 

「お前たちあいつのどこに惚れたんだ?」

 

「「ビクッ」」

 

なんとも分かり易い反応だった。本当に惚れていたとはな。

 

「な、何のことですか平塚先生。訳の分からない邪推はやめてください。 そもそもー

 

「そ、そうですよ!!な、なにいってるんですか!!」

 

もはやテンプレと呼べるレベルの狼狽っぷりだな。

 

「隠すことはない。  今ここにあいつはいないんだからな。」

 

まあいたらいたで面白いことにはなっただろうがな。

 

「………私は優しい所かな。 ヒッキーはたしかにて捻くれているけど、なんだかんだで困ってたらいつも助けてくれるから…。」

 

うん、由比ヶ浜はやっぱり素直だな。

 

「私は…全てですかね。彼の捻くれているところも 腐ったような目も 不器用な優しさも 芯の強い所も  すべてが好きです。」

 

雪ノ下がここまでいうとはな。 正しすぎるが故に理解されず、世界が生きにくいとすら感じていた彼女が…

 

いや、そんな彼女だからこそ彼に惚れたんだろう。 

 

 

 

 

「なら私が機会を作ってやろう。 部屋割りのクジに細工をして、今日は由比ヶ浜  明日は雪ノ下が彼と同部屋になると良い。」

 

「「…あ、ありがとうございます」」

 

こんな二人に惚れられるとは比企谷のやつも幸せ者だな。

 

 

 

 

 

 

………私も幸せになりたい。




毎度おなじみの駄文ですが感想 評価 改善点などお願いします。


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えくすとら 比企谷八幡の出会い

風呂はやっぱり良い。 このカポーン とした雰囲気がなんとも言えないからな。 この全身を包み込むような何ともいえない気持ちよさ。  これが風呂の醍醐味だろう。

 

風呂上がりの 一杯もまた良い。  普段はMaxコーヒー愛用(愛飲?)の俺も風呂上がりは違う。

 

王道はやはりフルーツ牛乳だと思う。 コーヒー牛乳はMaxコーヒーをこよなく愛する俺からすると物足りなく感じてしまうのだ。

 

 

 

そして俺は今まさにカポーン としている最中だ。

 

「あー  生き返る…    死んでね~けど~」

 

風呂には俺しかおらず貸切状態だ。    っと、誰か入ってきた。

 

「失礼しますね…」

 

入ってきたのは六十代くらいの外人のおじいさんだった。

 

「もしかして学生さんですか?」

 

えっ?もしかして俺に話かけてるの?  しかも日本語流暢だな。

 

「あ……え……ち、千葉県から来ました…」

 

我ながら物凄いキョドり方だな。 

 

「それはまた随分と遠くからですね。私は地元で教師をやっています。  君達のような高校生からしたら嫌いな人種かもしれませんね」

 

物凄く物腰の柔らかい人だ。  …うちの顧問にも見習わせたいくらいだ。  あの人すぐに手が出るし。

 

「え、い、いやーそんな事は無いっすよ。 失礼かもしれませんがこう、何というか親しみやすいというか 何というか…」

 

「そう言われると嬉しいです。」

 

俺の隣に浸かるとタオルを頭に載せる。    …この人なかなかの風呂ラー(意味不明)だな。

 

「もしかして君は人付き合いが苦手ですか?」

 

!!!?

 

「な、なんでそう思うんですか?」

 

突然だったしついつい声が裏がえってしまった。

 

「私も長いこと教師をやっていましてね……君のような生徒は何人か見てきたんですよ。」

 

…さすがに俺ほど目は腐ってないだろうが

 

「苦手というか…上っ面だけの偽物に見えてくるんですよ。  周りの仲良くしてる奴らを見ても結局は薄っぺらい関係だとか 欺瞞だとしか思えなくて…」

 

なぜか初めて合ったこの人にスラスラと話してしまっている。  この人の優しい雰囲気のせいだけではなく 近くの知り合いより遠くの他人のほうが言いにくいこともいえるのだろう。     それに俺はあいつらと一緒にいて最近思うのだ。   俺も本物が欲しいと…上っ面だけの欺瞞に満ちた関係ではなく 本物と呼べるレプリカではない物を

 

 

「…そうですか。   君は灯台を見たことは有りますか?」

 

急にその人は話を変えた。  えらく急だな。

 

「写真では まあ…」

 

「もしかしたら君は灯台のような人なのかもしれませんね。  灯台は周りを照らし皆を助けます。 しかし自身の足下は全くの暗闇なのです。  あなたも周りの人を助けますが、本当にあなたのことを思ってくれている人の事は気づいていないだけなのかもしれませんよ?」

 

俺の事を思ってくれる人……そんな人はいるのか…

 

「まあ、老いぼれの戯言と聞き流してください。  それではお先に失礼しますね。」

 

言うと、その外人のおじさんは脱衣所へ行ってしまった。

 

一応礼を言うべく後を追うがおじの姿はなかった。

 

「着替えるの早すぎだろ…」

 

俺が一人呟くとどこからともなく

 

『少年よ 大志を抱きなさい』

 

そんな声が聞こえた気がした。

 

今の言葉はたしか……     俺が会ったのはまさか………………

 

俺に取って人生で三本指に入る不思議な体験だった。

 

 




そうですよ かの有名なあの人ですよ。



教師と言えば今日微積の授業で担当に心の中でキレました。    dt dtと連呼するんですよ。  向こうからしたら多分公式の一種なのでしょうがこちらからすると……   まあ 忘れる方が良いですよね…




彼女欲しい…











感想 評価 改善点お待ちしております。


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えくすとら  雪ノ下と姉

先生と由比ヶ浜さんとの話の後、  私は飲み物を買いに一人近くのコンビニへ歩いていた。   どこかの誰かさんは私が方向音痴だと言っているのだけれども流石に近くのコンビニくらいなら迷わない。

 

と、コンビニの前で一人の女性がナンパと思わしき男に絡まれていた。

 

「ねぇ そんなこと言わずにさ遊びに行こうよ~」

 

 

「さっきから言っているとおり私には予定がある。 それに好みでもない男と遊ぶ趣味は無いのでね。 君に関わっている時間があれば骨組みもおおいに捗る。  さあとっとと消えたまえ。」

 

二十代半ばぐらいだろう。  男物のカッターシャツにジーパンと言う出で立ちなのに同性の私でも分かるくらいの美人だ。

 

背丈もスラッとしていて女性にしては身長も高い方だろう。

 

 

今までの私だったら関わらなかったはず。   でも彼に関わって私も少しは変わり始めているのだと思う。

 

「見つけたわ姉さん。 お父さんが青筋を立てて待っているわよ。     全く買い物一つするのにどれだけ時間がかかっているのかしら。」

 

姉さんに話しかけるようにその人に話しかけた。 その女性も察したらしく話を合わせてくる。

 

「すまない。 この馴れ馴れしい男がしつこく絡んでくるものでね。 そういえば今日は伯父貴もくる予定だったな。」

 

それを聞いた男は

 

「何だよ 家族連れかよ」

 

諦めてどこかへ歩いていってしまった。

 

 

 

 

 

 

「すまない助かった。」

 

「いえ、大丈夫そうで何よりです。」

 

「私は九条櫻子。  旭川に住んでいるのだが今はちょっとした野暮用で知り合いの所に来ていたところだ。」

 

言葉使いは男っぽいが仕草や姿勢などどこかのお嬢様だろうと思う。

 

「私は雪ノ下雪乃と言います。 今は学校の友人や顧問の先生と旅行にきている所です。」

 

すると九条さんは指を鳴らして、

 

「近くに美味しいケーキ屋を見つけたんだ。  お礼にご馳走させてくれないか?」

 

「いえ、別にそこまでしていただかなくても…」

 

「私一人じゃあまり多くの種類を食べられないんだ。  晩ご飯に支障が出ると婆やに怒られてしまう。」

 

ニヒルに笑いながら本音を語ってくる。   

 

「…わかりました。ご馳走になります。」

 

「うん。 ならば行こう」

 

 

 

 

 

歩いて三分位の所にそのケーキ屋はあった。  店内は紅茶の良い香りに包まれていてなかなか上品な香りがする。

 

「さあ、好きなものを頼みたまえ。」

 

目をキラキラさせながら九条さんはメニューを差し出してくる。

 

「九条さんは何を頼まれるのですか?」

 

あまりかぶらない方がシェアできて良いのではないかと思う。

 

「ふむ…私は君の姉なのだろう? ならば櫻子でいい」

 

さっきの話の事だろう。  静かに笑いながら提案してくる。

 

 

「それじゃあ 櫻子さんはどれに?」

 

「チョコケーキも捨てがたいしスフレもなかなかだな。  いやチーズケーキもありだし…

 

 

さっきまでの格好いい雰囲気はどこやら 目をキラキラさせまるで子供のようだ。

 

 

結局十分後、目の前の机には色とりどりのケーキが机を多い尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりここのケーキは美味しいな。」

 

ケーキ屋を出ると満面の笑顔で櫻子さんは笑っていた。

 

「本当にご馳走になってよかったのですか?」

 

会計の時に見えた金額は並みのケーキ屋よりは幾分高いものだった。

 

「気にしなくて良い。  あれだけの種類のケーキを食べることができたのだから 婆やの小言にも耐えれるさ。」

 

と、そこへ

 

「やっと見つけましたよ 櫻子さん!!」

 

私と同い年位の男子と大きな犬が走ってきた。

 

何気なく櫻子さんの後ろに隠れながら伺う。 

 

「君は犬が苦手なのか?」

 

「はい…」

 

猫ならとても大好きなのだけれども犬はどうにも苦手だ。 ましてや大型犬とくればなおさらだ。

 

「えっと 櫻子さん。そちらは?」

 

「彼女は雪ノ下雪乃。  今日だけ私の妹だ。」

 

「…?」

 

今一状況の飲み込めない男子に櫻子さんが詳しく説明する。

 

「すいません。 櫻子さんが迷惑かけたみたいで。  僕は舘脇正太郎です。   まあ櫻子さんの保護者みたいなものです。」

 

最後の部分だけ小声だったのだけれどなんとなく意味は分かった。

 

「あっ!! こらヘクター!!」

 

ワンッ  と声の後ヘクターと呼ばれた犬が私の方へ走ってきた。

 

「きゃっ!!」

 

後ろに尻餅をついてしまった所へヘクターがじゃれてきた。

 

 

ペロペロペロペロと頬をなめられる。  恐る恐る見てみると、 黒いしっとりとした鼻をこすりつけ

 

「遊びましょうよ」

 

とでもいいたげにこちらを見てくる。

 

「どうやらヘクターは君の事を気に入ったようだな。」

 

笑いながら櫻子さんがヘクターの頭を撫でる。

 

「別に噛んだりはしないから撫でてやると良い。」

 

櫻子さんに言われ恐々と頭を撫でる。  ワンッワンと尻尾を振り回しながら私にじゃれついてくる。

 

この日初めて犬を怖くないと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「旭川に来ることがあれば連絡をくれると良い」と櫻子さんの家の電話番号を教えられ(どうやら櫻子さんは携帯を持たない人らしい)別れた。

 

 

 

 

 

私に二人目の姉ができたのは私だけの秘密にしておこうと思う。

 

 

 

 

 

 




今回は雪ノ下編の番外編です。
次の由比ヶ浜編をやったら本編に戻ります………多分




というかヘクターになりたい。
ペロペロペロペロ…


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えくすとら 由比ヶ浜と生徒会

 

ゆきのんがコンビニに出かけてからしばらくして私も優美子や姫菜達のお土産を買いに近くの土産物屋に出かけた。

 

流石にあのまま部屋にいてヒッキーに会うのはまだ心の準備が…

 

 

 

歩いて十分位の所にある土産物屋につくと小学生位の女の子が一人で歩いていた。もしかして迷子かな?

 

「ねぇ? もしかして迷子?」

 

腰を落として目線を合わせて聞いてみる。

 

「私は立派な高校生で生徒会長もしてるんだからー!!」

 

怒られてしまった。   って生徒会長!?

 

「ご、ごめんね…てっきり…その 小学生と」

 

と、そこへ

 

「やっと見つけましたよ会長!!」

 

「いたいた。 探したぜ会長さん」

 

「先輩待ってください。早すぎです。」

 

「目を離すとすぐにアカちゃんは迷子になるんだから。」

 

知り合いみたいな四人が来た。…って皆美人だな…

 

「あら?アカちゃん そちらの方は?」

 

五人の中で一番大人びてる黒髪のお姉さんが聞いてきた。 なんかゆきのんみたいな感じの人だな~

 

「私が歩いてたら迷子扱いしてきたんだよ!!」

 

 

「「「「まあ、それは会長(さん)(アカちゃん)のせいだな(だわ)(ですね)」」」」

 

 

「むかー!!」

 

なんか楽しそうな人達だな。  って一応挨拶はしておかないと。

 

「千葉の総武高校から来ました由比ヶ浜結衣って言います。いまは部活の友達と顧問の先生とで旅行に来ています。」

 

「私は桜野くりむ!! 碧陽学園の生徒会長をしているの」

 

さっきのちびっ子が…って

 

「本当に会長だったんですか!?」

 

てっきりあのゆきのんみたいな人の方だと思ってた。

 

今度はその人が

「私は紅葉知弦。生徒会で書記をやっているわ。」

 

口振りも本当にゆきのんみたいだ。

 

「アカちゃん。飴をあげるから少し静かにしてくれるかしら?」

 

鞄から飴を取り出してちびっ子会長ーくりむちゃんにあげる。

 

「私は飴なんかじゃ釣られないんだよ!!!」

 

モグモグモグモグモグモグ

 

しっかりと飴を食べていた。  なにこの可愛い人

 

「私は椎名深夏。見ての通りか弱い美少女だ。」

 

「私は椎名真冬です。Bえ-  ゲフンゲフン ゲームが好きなインドア派です。  …お姉ちゃん…か弱いとは真逆の人間なので信じないで良いですよ。」

 

「二人は姉妹なの?」

 

二人とも椎名ってことはそうなのかな?

 

「はい。私が妹です。  まあ、似てないってよく言われます。」

 

まあ、ゆきのんの所も性格は真反対だし、そういうのもあるのかな。

 

「俺は杉sー

 

「そいつは杉崎鍵。 変態だから気をつけた方が良いぞ。」

 

「って深夏!!! 変なこと言うなよ!!俺ほど人畜無害 略して人害な人はいねぇぞ!!」

 

「ねえキー君 人害って略す時点で終わってると思うわよ…」

 

なんか楽しそうな人だな。 

 

「そうだ。良かったらこれからうちの生徒会を見学に来ないか? 学校はこの近くだし。」

 

杉崎と名乗った人から提案されるも迷ってしまう。

 

「今日は真儀瑠先生も居ないからあんまり仕事もないわね。」

 

「そうだな。 学校間交流は大事だぜ」

 

紅葉さんや椎名…深夏さんも賛同する。   こうして碧陽学園生徒会見学が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

「生徒会ってどんなことをするんですか?」

 

歩いてすぐの所にあった碧陽学園の生徒会室でお茶を出してもらった所で聞く。

 

「普段はお菓子食べたり だべったり かな…」

 

それって仕事してないよね!

 

「まあ、たまにはするぞ。」

 

心の中で突っ込んだつもりがついつい口から出てしまったらしい。  いつものヒッキーやゆきのんとは違う感じでこの人達を新鮮に感じてしまう。

 

「じゃあ今日は真面目にやるか。 会長お願いします。」

 

 

「生存ー戦略ー!!!」

 

「いや、確かに輪るピン○ドラム見たら一度は言いたい台詞ですけれども!」

 

「甘いんだよ杉崎!これは生徒会の一存の販売戦略  略して生存戦略何だよ。  つまり私達を新たなるメディアに売り込みをかけるんだよ!!」

 

「待ちなさいアカちゃん。その前に色々と手回しを…」

 

なんか知弦さんが悪い笑顔を…

 

「どうせならは○ま刃牙とかとコラボしようぜ!!」

 

なんか深夏さんは目がキラキラしてるし…

 

 

 

一つ分かったのはこの生徒会大丈夫なの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色々あって会議は終わり……本当に色々あったけれど。

 

私は旅館に帰ることになった。

 

「今度来るときはサブレを連れてきて良いわよ」

 

知弦さんは携帯に入っていたサブレの写真を見せると食いついてしまった。  猫を前にしたゆきのんみたいでとでも可愛かった。

 

 

「次は皆で来てくれよ!!」

 

深夏さんは奉仕部の面子にあってみたいらしい。

 

「また来てね!!」

 

このちびっ子会長さんは年上のはずなのに妹みたいですごく可愛い。ヒッキーが小町ちゃんに甘くなるのもわかるかも…

 

「それじゃあお邪魔しました~」

 

 

 

 

碧陽学園生徒会    とても賑やかで楽しい所だったけど、やっぱりゆきのんやヒッキー、平塚先生のいる奉仕部の方が私はいいな。




昨日の夜に深夜のテンション&コックリコックリしながら書いたのでものすごい駄文です。


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合宿PART4

温泉から出た後、暖簾をくぐり抜け脱衣場を出ると、前にあった自販機でフルーツ牛乳を買うとベンチに座る。

 

 

 

曰わく、未来は歪で僅かな亀裂から綻び壊れていく

 

曰わく、偽物の人間関係も僅かな綻びから破綻していく

 

だからこそ俺はこの道を行くことに決めた。 ボッチであるが故に失うものが無く、ボッチであるが故におそれるものもない。   そんな俺だからこそできる誰も傷つかない世界。  でも結局間違っていたのかもしれない。

 

俺の事を本当に気にかけてくれる、本当に思ってくれる人がいるのなら俺も違った道を行けたのだろうか…

 

 

答えは否だ。そもそも俺の事を思ってくれる人間なんているわけがない。  いないからこそのボッチなのだ。

 

 

 

 

 

 

などと柄にもなく黄昏ているとボーンと柱の時計がなった。   そういえばまだ一時何だよな。

 

「てか なんで俺温泉に入ったんだろ…湯冷めするぞ…」

 

フルーツ牛乳の瓶を回収ボックスに入れて部屋へと戻る。  流石に話も終わってるだろう。

 

ガチャ  ガチャ ………

 

「おいおい…」

 

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

 

やはり何度やっても開かない。

 

つまり締め出しだ。

 

幸い財布は持ってきているもののスマホは鞄の中だ。連絡を取ろうにも取れない状態なのだ。

 

「ここでも忘れられるとか俺マジでバスケ始めちゃうぞ…」

 

そのまま火○と光と影になっちゃうぜ。    なんか海老名さんが喜びそうな展開になりそうだからこれ以上はやめておこう。

 

 

「土産物屋でも見に行くか。」

 

旅館の外に出るとやはり寒い。早めに戻らないと湯冷めするな。

 

「材木座は忘れてたことにして、戸塚には何を買うか悩むな。  陽乃さんは変なもの買うと後で怖いからな。」

 

流石に魔王を敵に回す勇気も度胸も根性も仲間もない。    

 

近くにあった土産物屋に入るとなにやら見知った後ろ姿が…

 

北海道のパンさんグッズを漁っているその人物は…

 

「お前こんな所でなにしてんの?」

 

「ひゃう!!!」

 

彼女のイメージからはかけ離れた可愛い声と共にビクッ と反応した。    本当にパンさん好きだな  雪ノ下さんや…

 

「あ、あら スキー谷君どうしたのかしら」

 

スキー谷って…

 

「俺はそんな滑った名前じゃねぇぞ」

 

「あら、そうだったかしら。いつも会話で滑っているものだからついつい 」

 

おいそんな首を傾げながら可愛く俺をdisるなよ。 危うくいけない趣味に目覚めちまう所だったじゃねーか。

 

ふと見ると、雪ノ下が見ていたのはパンさんの彫られたリングだ。

 

「そういえば比企谷君、小町さんへのお土産は良いのかしら?」

 

流石にあのメールを見せるのは問題があるな。

 

「特に何も言ってなかったし、はずれの無さそうなお菓子でもかって帰るわ。」

 

「そう。ならいいのだけれど。」

 

そう言うと、出口の方へ歩いていってしまった。

 

「…………。」

 

それから二分後俺も雪ノ下の後を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば由比ヶ浜と平塚先生は?」

 

「由比ヶ浜さんは近くのお土産物屋さんにいるらしいから今からそっちへ向かっているところで、平塚先生は近くの乾物屋で晩酌の肴を買いに行くと行っていたわ。」

 

なんか先生自虐入ってないか。  言ったら殺されそうだから言わないが。

 

携帯の地図を見ながら、

 

「由比ヶ浜さんがいるのはここからだと五分くらいね。」

 

携帯を持っていないのでそこら辺は雪ノ下に任せるしかない。     まさか迷わないよな。  まさかな。

 

 

 

 

 

 

 

「このまま真っ直ぐに行けば衝くわ。    どうしたのかしら比企谷君? まさか私が迷うとでも?」

 

「何でもねーよ。」

 

割と本気で心配した。こいつ本気で方向音痴だしな。まあなんとか迷わずにこれて良かった。    

 

 

 

さて、由比ヶ浜の所に行く前に済ませるか。

 

「なあ、雪ノ下」

 

「何かしら?」

 

突然呼び止めた俺を怪訝な目で見る。 そんな目で見るなよ。俺が変な奴みたいだろ。

 

「これ。」

 

ポケットから小さな包みを取り出して渡す。 可愛くラッピングされた片手に乗るサイズの箱だ。

 

「これは?  開けても良いかしら?」

 

「おう。」

 

気恥ずかしさが勝り若干無愛想に…って元から俺は無愛想か。

 

「あっ…」

 

箱の中から出てきたのは先ほど雪ノ下が見ていたパンさんの彫られたリングだ。

 

「これって……」

 

「ま、まあ、普段から散々世話になってるからな……そのお返しみたいなもんだ。いらんなら適当に捨ててくれ。」

 

 

「で、でも、高かったんじゃ…」

 

「ボッチは趣味もないから小遣いはある方なんだよ。」

 

まあマッカンには使うが。

 

「あ、あの…その………あ、ありがとう。」

 

顔を真っ赤にして俯きながらも雪ノ下は呟く。

 

「お、おう」

 

「あの、一つお願いしても良いかしら?」

 

「な、なんだ?」

 

「これ、つけてくれないかしら?」

 

「それぐらいなりゃ」

 

盛大に噛んでしまった。だせぇな俺。

 

って待て待て待て待て待て待て、雪ノ下さんや何で左手を出すんでせうか。

 

「………」

 

こんな顔されたらやるしかねぇじゃねえか。

 

意を決して雪ノ下の人差し指にはめてやる。

 

「……チキン」

 

え、何で俺またdisられるの?

 

「今度は給料3カ月分…なんてね」

 

雪ノ下は何か呟いたが風のせいでうまく聞き取れなかった。

 

あそこまで喜んで貰えるなら 十分以上の価値があったな。

 




本日二度目です。

感想 評価 改善点などお待ちしております。







…春が欲しい。


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麻雀1

由比ヶ浜と合流した後部屋に戻ると、ほどなくして平塚先生も帰ってきた。    というか何故に上機嫌?

 

「いやー、酒の肴を買いにいったら店のおっちゃん達ががかなり付けてくれたんだよ」

 

袋から取り出したのは

 

スルメ(丸々一匹)  袋詰めされた白子の燻製 イカキムチ イカの塩辛 タコワサ 鮭角煮…etc.

 

「凄い量ですね…」

 

雪ノ下も由比ヶ浜も呆れて眺めている。

 

「酒の肴と言うものは大概白いご飯にあうものだ。夕食の時に君達も食べると良い。…勿論酒はダメだがな。」

 

と、そこで平塚先生が手をうつ。

 

「そういえばここの遊戯室に麻雀があったのだがやらないか?」

 

「麻雀ですか…俺はできますけど、雪ノ下と由比ヶ浜はできるか?」

 

後半は彼女達に向かって聞く。 イメージ的にはできない気がする。

 

「私は一応は出来るわ。 何度か姉さんにつき合わされたから…」

 

陽乃さん強そうだな…  なんかこう、牌に愛されてそう。  

 

 

「私も一応は出きるよ! お父さんがやってたのを見てたら教えてくれたんだ。」

 

…雪ノ下はともかくアホの子……じゃなくて由比ヶ浜ができるのは意外だな。」

 

「誰がアホの子だし!!」

 

「比企谷…声に出てるぞ」

 

「…と、ともかくやるなら行きましょう!!」

 

このままだと三方向こら口撃が来そうなので(まあ、悪いのは俺……いや違うか。悪いのは社会だな)とりあえず話を終わらせるべく 先生の手を引き遊戯室へ向かう。       が、

 

「ひ、比企谷!?  そ、そんなご、ご、強引にするな!  い、いや!べ、べ、別に嫌な訳では無いが…その心の準備というか…その何というか…」

 

顔を真っ赤にして慌てている。   麻雀わするのになんで心の準備がいるんだ?  なに、麻雀力でも高めないといけないの?   それって何ヅモ無き改革?

 

 

まあ、よくわからないが先生を連れて遊戯室へ向かった。 道中後ろの二人からとても冷たい視線を受け続けたのは何故だろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遊戯室の一角に置いてあったのは全自動卓だった。 …高いんだろな。

 

「そうだな。  普通にやってもつまらないから罰ゲームでもつけないか?      いや、勝者は敗者に何でも命令できると言うのはどうだ?」

 

それを聞いたとたん二人の目の色が変わった。

 

「そうですね。  勝負というのなら負けるわけにはいきませんね」

 

本当に勝負が好きだな、この負けず嫌いさんめ。

 

「ゆきのんにも負けないよ!!」

 

と言うかなんでこの二人こんなにやる気なの…

 

こうして急遽麻雀大会が始まった。

 

 

 

 

 

東一局  親 比企谷

 

ふむ、配牌的には面前でタンピンドラドラが安定だな。

 

とりあえず手配に一枚しかない発を切る。

 

「ポン!!」

 

いきなり由比ヶ浜が鳴く。 速攻か!! 由比ヶ浜が二枚の発を手牌から倒し横に出す。

 

 

 

ー六巡後ー

 

「リーチね」

 

雪ノ下が最初のリーチをかける。 由比ヶ浜もすでに三副露でどちらが上がってもおかしくない。

 

俺がツモり、今引いたばかりの西を切る。

 

「なら私もリーチだ。」

 

平塚先生も追っかけリーチをかける。  そして由比ヶ浜の番

 

「うわー…危険牌しかない……えい!!」

 

そう言って由比ヶ浜が出したのは萬子の2  通るか?          通った。

 

「ツモよ     リーチ一発メンタンピン三色ドラ二 裏ドラも乗って4000 8000ね」

 

親被りでいきなり8000点の出費。 これはかなり痛い。 ルールで飛んだら終わりだ。

 

「いきなり倍満とは…やるな。」

 

平塚先生が楽しそうに笑う。  本当に少年心を忘れないよなこの人は。

 

 

 

東二局  親 由比ヶ浜

 

ー七巡目ー

 

「リーチだ!!」

 

今回は俺が先制リーチをかけた。 ツモればリーチ自摸清一一通ドラの三倍満!! 裏ドラが乗れば数え役満もありえるかなりの高目だ。

 

 

 

 

 

 

 

「一発ならずか…」

 

…おい、雪ノ下さんや、あからさまにほっとした顔すんなよ。   しぶしぶ今引いた萬子の1を切る。         これが勝負を決めた。

 

「残念だったな比企谷…それロンだ。」

 

なっ!俺の三倍満を、つぶされただと…    とはいえ大方チャンタだろう。 そうそう高いわけが………嘘だろ…

 

 

「国士無双十三面《ライジングサン》!!」

 

「国士無双十三面なんて初めて見たわ…」

 

「私も…」

 

先生強すぎだろ。  首相クラスの麻雀力なの? 獅子の血族なの?

 

 

 

「これで比企谷が飛んだから私の勝ちで終わりだな。    そうだな…ならじゃあルール通り命令を聞いて貰おうか(ニヤニヤ)」

 

先生の顔が狐を見つけた狗神見たくニタニタしている。  こ○なはどこだ!!

 

「なら、これだな。  一部屋を私一人で明日まで使わせて貰う。だから今日は三人で一部屋を使いたまえ」

 

 

 

悪魔が降臨なされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside平塚ー

 

彼女達には比企谷と二人にしてやると言ったがよくよく考えると緊張して何も起こらない気がするからな。

 

それなら二人でも……      

 

はぁ…私にも誰か……(泣)




麻雀回です。

南4局まで行くと思った?   残念だったな、そこはヒッキーqualityだよ。


一応もう一回予定してます。  つぎは咲ネタかな


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ようやく彼らは……

プチ麻雀大会の後、部屋に戻り夕食となった。 やはり海産物が多くとても旨い。 そういえばよく死んだ魚のような目と言われるが、そんなにドコサヘキサエン酸が豊富に見えるのかね?

 

 

などと現実逃避しているのには訳がある。先ほどの麻雀大会の罰ゲームの結果、俺と由比ヶ浜と雪ノ下の三人が同じ部屋で寝ることになったのだ。  ……これなんてギャルゲー? いや、エロゲー?

 

と、 まあそれもあるが(七割くらい)、俺が現実逃避したいのは今目の前の事も関係している。

 

「ひきがや~  おまえものめー」

 

ベロンベロンに酔っ払った先生が先程からしつこく酒すすめてくるのだ。     あんた曲がりなりにも教師だろ…ダメだろ。

 

「すいませんが風呂に行ってきます」

 

「……わたしのさけがのめないっていうのかー!!」

 

…めんどくせー      着替えとタオルを持つと逃げるようにして部屋を出る。

 

ちなみにさっき雪ノ下と由比ヶ浜は先に風呂に行っていた。   百合くまな嵐なのあいつら?  パンさん的には百合熊猫嵐か…    パンダって字面だけ見ると猫なんだな……    もしかして雪ノ下がパンさん大好きなのはここら辺に理由が!!     世の中の心理にまた一歩近づいてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風呂から上がり、俺達が使う方の部屋に向かう。布団は宿の人が引いていてくれているらしい。

 

中に入ると既に由比ヶ浜と雪ノ下が帰っていた。

 

「「あっ!」」

 

なにやら二人とも俺の顔を見た瞬間に顔を逸らした。     なんか俺嫌われることしたっけ? よ~お~か~い~の~せいなのね ♪

 

 

 

 

まあ良いか。俺が嫌われてるのは何も今に始まったことではないからな。

 

「俺は先に寝るわ…」

 

欠伸をかみ殺して二人に言う。 流石に今日は疲れたからな。

 

 

布団にダイブするべく一番端っこの布団に向かおうとしたそのとき、

 

 

「うおっ!」

 

背中に衝撃を受けて倒れてしまう。仰向けに倒れた俺の上に…

 

「由比ヶ浜…?  雪ノ下…?」

 

彼女達が馬乗りになって来たのた。   何!? 俺殺されちゃうの?     可愛い小町を残したまま死ぬのはごめんだ。

 

「比企谷君 なんて顔してるのよ。  別に取って食おうって訳じゃあ…………違うわね、ある意味食べるのかしら?」

 

あ、あの雪ノ下さん? なんでそんなに顔が真っ赤なのでせう?

 

「そ、そうだね。  でもチャンスだから…」

 

なんなんだこれは?

 

 

「今のままだったらいつまで経ってもヒッキーは逃げると思うからさ……私達も決めたんだ。    前にも言ったけど、待ってても来ない人は待たないで私から行くんだ」

 

だからさ、と続ける。

 

「「私達の気持ちを聞いて(聞きなさい)」」

 

 

 

 

 

………本当の事を言えば薄々は気づいていた。彼女達の好意を、気持ちを。

 

だけど、それても俺は裏を探ってしまう。 実はそれは演技で影で俺のことを笑っているとか、これ自体が罰ゲームなのだとか。

 

 

 

でも今ははっきりと断言できる。 これは嘘偽りのない彼女達の本当の気持ちだと。   こんなに真剣なのが嘘であるはずがない。

 

 

 

 

 

「えっと…私からいいかな?ゆきのん?」

 

「ええ、どうぞ」

 

 

 

 

 

「私はヒッキーの事が好きです。  最初は目が腐った暗い人だなって思ったけど一緒に奉仕部で活動しててヒッキーの事を見てたら全然違ったんだ。  なんだかんだ文句言っても皆を助けるし、優しいし……だからそんなヒッキーにいつの間にか惹かれてたんだ。………ごめんねこういうの初めてだからなんていってら良いかわかんないや………。     えっとだから……私はヒッキーが大好きです!!」

 

「……」

 

「次は私の番かしら…    私、雪ノ下雪乃は比企谷八幡の事が大好きです。    あなたの捻くれた性格も 腐ったような目も 私は好きです。 だけどあなたの自己犠牲だけは好きにはなれないわ。 だから……あなたがまたそんな過ちを繰り返さないように側に寄り添って行きたいと思います。………………えっと、大好きです八幡!!」

 

 

「……えっとお前らの気持ちはよくわかった。

 

そこまで言ったところで俺の言葉は遮られた。

 

「今すぐに答えは出さなくていいよ」

 

「しっかりと考えて欲しいわ」

 

「…………そうだな。       クリスマスの日に返事をする。  それでも良いか?」

 

「「うん(ええ)」」

 

俺はもう逃げない。彼女達が勇気を振り絞って出した答えに俺も逃げずに答えよう。

 

 

「だから、それまでは」

 

「私達も全力でアタックするわ」

 

「ちょっ、浴衣の帯をずらすな!」

 

二人の手が俺の浴衣の帯を外しにかかる。

 

「ってお前ら!?なにしてんだ!?」

 

俺の浴衣の帯を外すと今度は自身の浴衣をはだけさせる。

 

 

「先生に貰ったから大丈夫よ」

 

雪ノ下の手には………それ、ゴムの箱だよな……

 

「あの不良教師 生徒になんてもん渡してんだよ!?」

 

「始めてたから優しくしてくれると嬉しいのだけれど…」

 

「えっと…よろしくね…」

 

ぱさり…………二人の纏っていた布がはらりと落ちる。

 

 

 

この日八幡達は眠れぬ熱い夜を過ごしたのだった。




R18のタグ無しではどこまでがセーフなんてすかね~?

まあ自分の文章力の無さではタグをつけても無理ですがwww


というわけでここからはクライマックスに向けてフルスロットルです!!  ひとっ走り付き合えよ!!  マッハかどうかはしりませんがデッドヒートします(嘘です)

まあクライマックスに向けていくのは本当ですので生暖かく見守っていただければ幸いです。




それではクライマックスにむけて
Start your Engine!!


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本物と呼べるもの

投稿間隔がだいぶんと開いてしまいました。


お、俺は悪くないし…… 積みゲーがいっぱい有ったんが悪いんだ。        ……はい、要は自業自得です。


「ふわぁぁぁ…」

 

窓から差し込んだ光が顔に当たり目が覚めた。   …?うん?

 

 

「oh…」

 

体が動かし辛いと思い横を見ればその理由が分かった。

 

どこぞのエロゲのop 風に言うと 右手(めて)に雪乃を左手(ゆんで)に由比ヶ浜を……語呂的に由比ヶ浜と言ったが、昨日の……その、なんだ、あれ以降結衣と呼ばないと不機嫌になるようになった。  何というかすげー恥ずかしい。 生まれてこの方女子を下の名前で呼んだ事なんて小町と戸塚ぐらい…って戸塚は女子じゃなくて性別戸塚だな。うん。

 

 

 

と、話を戻そう。  俺の右に雪乃、 左に結衣が寝ていて二人共が抱きついてきているのだ。

 

えっ  何この天国  why!?

 

若干脳がオーバーヒートして某k○y作品の○向っぽくなったが今は置いておこう。   って本当にオーバーヒートしてんのかな?意外と冷静な気が……

 

 

 

 

そのまましばらく布団の中で微睡んでいると、

 

「うん……おはよう、比企g…八幡」

 

「お、おう」

 

べー、雪乃さんまじぱねー。   おっと、あまりの破壊力(萌力 5000 6000 まだ上がるだと!?)に口調が戸部ってしまった。  

 

「ねえ、八幡…」

 

「うん?  って…うぐっー

 

「んむ…んんっ…ん…」

 

!!!?

 

「大好きよ」

 

今のが伝説のおはようのチュー!?

 

あまりの恥ずかしさと可愛さに俺も理性がフルスロットルでマッハでデッドヒートがバーストしてしまった。………いや、意味わかんねーな。

 

「きゃっ!」

 

ついつい雪乃を全力でかつソフティー(ソフトに的な意味。 うん今作った)に抱きしめる。

 

「…(ぽわーん)」

 

俺が抱きしめると一瞬照れたもののとても嬉しそうに笑う。

 

と、

 

「ヒッキー………」

 

後ろから寝ぼけた結衣が抱きついてくる。 と なると、必然的に大きな夕張メロンが当たるわけで健全な男子としてはmysun が反応してしまうわけで……そうなると、勿論腕の中の雪乃に当たってしまい

 

 

「むー」

 

頬を膨らませた雪乃が恨めしげに睨んでくる。  あの雪乃さんや、あなたキャラ崩壊していませんか?

 

「えい!」

 

「!!!?」

 

そのまま雪乃に両手で頭を掴まれると胸に抱きしめられてしまった。    慎ましいながらも柔らかくていい匂いがして………これだけ聞くと変態みたいだな。

  

 

 

 

この後暫くこの状態が続き起きた結衣がぷんすか怒り昨夜の続きの第…何戦目かは忘れたが 始まりそうになったのだがタイミング良く平塚先生が来て助かったのは余談だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後雪乃と結衣は二人で汗を流しに温泉へ行ったため、今部屋には俺と平塚先生だけになった。

 

「青春か…手助けしてなんだが比企谷爆発してしまえ!」

 

まあ、俺達の様子を見れば気付くか……。

 

「先生も美人だし面倒見もいいし、直ぐに良い人が見つかりますよ」

 

「そ、そうか………なあ、比企谷、お前の言う本物は見つかったのか?」

 

優しく笑いながら平塚先生は聞いてくる。 

 

「分かりません……俺も本物が欲しい何て言いながら本物が何か分からないんですよ。  でもー

 

 

雪ノ下雪乃の……由比ヶ浜結衣の彼女達の覚悟を…気持ちを偽物だとは思えない。

 

「今のこの時間は…あいつらとのこの時間は紛れもない本物だと思います。」

 

「そうか。 まあ、答えを焦る必要は無いんだ。醜くても情け無くても、 足掻いて必死に求めてそして見つければ良いんだからな。」

 

本当に何でこの人は結婚できないんだろうな。 もし俺が後十年早く生まれて雪乃や結衣に出会っていなければ、多分、いや間違いなく心底惚れていただろう。

 

本当に良い先生だよ、平塚先生。

 

 




お久しぶりです。

いやー 俺ガイルのアニメも良いですがグリザイアも良かったですね。   ついついやってしまいました……         はい、そのせいで投稿も遅れました。ごめんちゃい。




是非 感想 評価 改善点等お願いします。






後インテリビレッジの座敷童も書き始めたのでよろしければそちらもお願い致します。


では改めてクライマックスに向けて、start your engine!!!


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温泉 それはデンジャラス

皆様のお陰でUA20000越えました!   やったぜブイブイ!!!


感想を頂ければ幸いです、皆様お願い致します


平塚先生に勧められて 旅館にある薬湯風呂に向かった。 と言うのも、

 

「そう言えばここの旅館には薬湯風呂が有るらしい。君のその腐った目も浄化されるんじゃないか?」

 

と言われたからだ。   勿論冗談だよね。教師がそんなひどいこと言わないよね……

 

 

 

「ここか…」

 

 

サクッと服を脱ぎ腰にタオルを巻くとドアを開けて入る。

 

ガラガラッ     

 

 

「なかなか広いな……」

 

薬湯風呂は思っていた寄りも広く奉仕部の部室近い広さがあるんじゃないかという広さだ。

 

掛かり湯を済ませると早速浸かってみる。

 

「あ~    癒される~」

 

と、その時

 

ガラガラとドアの開く音が聞こえた。 またあのおじさんだったりして

 

 

 

 

…等と思っていた時期が私にもありました。  現実逃避するなって? それは無理だ。    ちなみにここまでの思考に要した時間はコンマ一秒。 やっぱり頭の回転の速さに大事なのはマッカンだよな。

 

 

 

って、違う!!! 

 

「何でお前らがここに!?」

 

あろう事かドアを開けて入ってきたのは雪乃と結衣だったのだ。

 

「やっはろー ヒッキー!」

 

「失礼するわね八幡」

 

 

 

 

 

…どうやらのぼせてしまったらしい。 バスタオル一枚の雪乃と結衣が来るなんてこれなんてエロゲだよ。

 

 

「現実逃避しているところ悪いけれど失礼するわね」

 

「お邪魔します……」

 

!!!  

 

 

「いやいや待て待てホカノヒトガキタラドウスルンダ!?」

 

余りにテンパりすぎて片言になったが今は気にしない。

 

一線を越えたとは言えやはり恥ずかしい。 それに二人の裸を他の人に見られるのは……そのなんだかあれだ。

 

「大丈夫よ。ここは予約制の貸し切りだから他の人は来ないわ。」

 

って、あの……二人とも?

 

「ち、ちかくねぇか……」

 

何故か広いにも関わらず二人とも俺の真横でピッタリとくっついてくるのだ。

 

とそこで更なる乱入者が、

 

「楽しそうだな……」

 

平塚先生が現れた。

 

 

「oh… Knockin' On Heaven's Door」

 

「何故ボブ・ディランなのかしら?」

 

「ぼぶ でぃらん?」

 

 

 

平塚先生までもがバスタオル一枚で現れたのだ。薬湯風呂のドアは天国への扉だったのか  ならボブ・ディランぴったりじゃねーか。

 

 

「私も失礼する」

 

俺は慌てて後ろを向く。  だって平塚先生バスタオル外すんだもん!!! いくらマナーだからって…

 

それを見た雪乃と結衣も

 

「マナーなら仕方ないわ」

 

「そうだよね」

 

どうやら二人もバスタオルを外したらしい。

 

「何故逃げるのかしら?」

 

「ひゃう!!!」

 

いきなり後ろから雪乃に抱きつかれたせいで変な声が………って

 

「な、な、なにしんだ!?」

 

あげく盛大に噛んだし。

 

「ヒッキーそのキョドり方キモイよ」 

 

「………この場で既成事実さえ作ってしまえば責任をとってもらえる………」

 

あ、あの平塚先生!?何か変なこと考えてませんか…

 

すると、雪乃が離れた途端、

 

ふにゅ ふにゅ

 

「!?!!!??!? ! 」

 

 

背中に柔らかい固まりが……

 

「比企谷…私にも構いたまえ~」

 

はむっ、と耳を甘噛みされ、背筋をなんかこう凄い何かが駆け抜け、  案の定息子が反応してしまう。

 

「む!」

 

「先生!?」

 

雪乃と結衣が気づく。 まあ、普通は気づくな。タオル巻いてないし。  早いところ助け船を…

 

「先生に彼はあげません!!」

 

「あげないよ!!」

 

ガバッと結衣が横から抱きついてくる。すると必然的に結衣メロンアームズのメインウエポンが……

 

「あ!!…出遅れたわ……」

 

負けず嫌いさんがなにやら思考する事僅か数秒  何か思いついたらしい。

 

 

「ん…」

 

「いやまて雪乃 それは本気でまずい、いやまじでやばい」

 

雪乃の取った体制はあろう事か大好きホールド…

 

只でさえやばいのにましてや今の俺の息子はロンギヌス。

 

「「………」」

 

ほら見ろ、結衣も平塚先生も唖然としてるぞ…

 

 

ちなみにこの後も色々と問題は続いた。雪乃と結衣が俺の背中を流そうとしてそこに平塚先生も乱入してきたり、大小どっちが良いか聞かれたり…

 

 

本当平塚先生を誰か貰ってあげて。 そろそろあの人血迷い始めたよ……

 

 

 

 

 

 

結局風呂を上がる頃には俺一人いろんな意味でのぼせてしまった。




風邪でくたばってました。

皆さんも寝冷えには気をつけてくださいね。




はい、というわけで久しい投稿です。すいませんでした。

以前の後書きにも書かせていただいた通りもうクライマックスに向かっています。 稚拙な駄文で申し訳ございませんが最後までお付き合い頂けると幸いです。



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そして彼らの物語は始まりの終わりへと進んでいく
聖夜の前の静けさ


温泉からなんとか無事(?)に逃げ出せた後、俺は部屋でぐったりしていた。  その後彼女達三人も戻ってきたが どうやら平塚先生は酔っ払っていたらしい。 朝から何やってんだよ。

 

 

先生が回復した後四人で土産物屋を覗いたり 雪乃オススメのケーキ屋(なぜ知っていたのだろう?)に行ったりして気がつくともう帰らないといけなくなっていた。(ちなみに平塚先生は酔っていた時の記憶が残っているタイプらしく凄い勢いで謝られたのは余談だろう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空港から平塚先生に送ってもらい家に帰ったのはすでに夕方頃だった。

 

「たでーまー」

 

「あっ おかえり。」

 

「ほい、安定の白い○人 」

 

小町に買ってきたお菓子を渡してやる。

 

「で、どうだった? 雪乃さんや結衣さんと進展はあった!?」

 

……目がピカーンと光ってこちらに詰め寄ってくる。  全く動きが見えなかったんだけど…何、この動きと言い 目が光るエフェクトと言い 小町ちゃん!いつのまに達人(マスター)クラスになったの?

 

「の、ノーコメントだ。」

 

「ほほう~、その反応は何かあったようですな~」

 

「…」

 

読心術なの?  平塚先生の場合は独身術(笑)か……言ったら殺されるな。 良くても抹殺のラストブリットかな……事実上の死刑宣告だよな。

 

「で、どっちがお義姉ちゃんなのかな?」

 

この流れはまずい。 このまま行くとあったこと根ほり葉ほり聞かれる。どれくらいまずいかというと、ジ○ギスカ○キャラメルくらいマズい。

 

どうにか打開策を考えないと、とその時

 

PRRRRRR と俺の携帯が鳴り響いた。誰だ?

 

 

「oh…」

 

史上最強の魔王からの着信ではありませんか。

 

普段だったら苦痛以外の何者でも無いが今だけは救いの女神に見えた。

 

 

「陽乃さんから電話だから!!」

 

慌てて部屋に逃げて電話に出る。

 

「やっはろー比企谷君。」

 

「はあ、」

 

「つれないな~、せっかくの美人のお姉さんからの電話なんだからテンション上げなよ~」

 

「自分で言いますか?」

 

しかも本当に彼女は美人だから余計にたちが悪い。

 

「で、何のようですか?」

 

小町からの質問責めから逃れられた事への安堵は隠しつつ聞く。

 

「前に比企谷君は言ったけど私だけ今度帰るんだけど、日にちが決まったの」

 

「そうですか」

 

「あれ~?気にならない?気にならない?」

 

「なんで俺に言うんですか?」

 

「さぁ~何でだろうね~?  で、私25日のクリスマスの日に帰るから~」

 

「ってもう三日後じゃないですか!!」

 

「そだね~ あ、お土産期待してるよ~」

 

それだけ言い残すと電話は切れてしまった。

 

クリスマス     その時にはオレは彼女達の決意に答えないといけない。

 

「…とりあえず寝るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日教室に行くと、

 

 

「ヒキオ ちょっとついてきな」

 

有無をいわさぬ態度で炎の女王…もとい三浦が話しかけてきた。

 

「お、お、おう」

 

彼女につれられて屋上へと続く階段の踊り場へと来た。

 

「面倒なのはあれだから聞くけど、結衣と何があったの?  休み開けて結衣の態度が何かへんなんだけど?」

 

やべぇ…心当たりしかねぇよ。

 

「結衣に告られた?」

 

「!?」

 

「やっぱね、もしかして雪ノ下さんにも?」

 

「…何で知ってんだよ?」

 

「結衣の態度見てたらわかるっつーの」

 

じゃあ何で聞いたんだよ。     と、そこで三浦は正面から俺を見ると

 

「あんたが結衣と雪ノ下さんのどっちを選ぶかは知んないけどさ      ちゃんと気持ちには答えてやんなよ」

 

 

それだけ言い残すと彼女は教室へと戻っていった。

 

 

 

あいつもなんだかんだでいいやつなんだよな…

 

てか俺の周り良い奴多すぎだろ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスマスまで後1日




お久しぶりです。   バイト大変です…




さてまもなく、と言うか後数話で完結するつもりです。  一応その後は 後日談の短編集をいくつか載せる予定です。






追記   間もなく完結予定ですが皆様からのコメントをお待ちしております。 できればよろしくお願いします。


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聖夜の約束

「八幡、明日デートをしましょう」

 

「!?」

 

部室に行くと、いつも通り先に来ていた雪乃が突然言い出したのだ。

 

「私と由比ヶ浜さんで話して決めたのだけど」

 

同じく(珍しく)先に来ていた結衣も、

 

「ゆきのんと相談したんだ。  午前中は私、午後はゆきのんとデートって。」

 

「えらく急だな。」

 

正直1日でプランを立てる自信は無い。  どころか皆無だ。

 

「……いや?」

 

雪乃の上目使いと言う核兵器も真っ青な破壊力の武器を出されてノーと断れる男がいればそいつは あっち系だろうね。

 

「…分かった、集合場所と時間はそれぞれにメールでいいか?」

 

「ええ」

 

「うん、楽しみにしてるね。」

 

 

 

 

明日はクリスマスイヴ    だから彼女達もデートを…と言い出したのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー翌日ー

 

「ごめん、ヒッキー  待った?」

 

「いや、俺も今来たところだ。」

 

とは言ったものの実は30分前から待っていた。 というのも、何故かデートの事を知っていた小町に

 

「ほらほら女の子を待たせるのはポイント低いよ!!」と半強制的に家を追い出されたのだ。

 

「じゃあ行こっか!!」

 

「おい!?」

 

結衣に腕を取られて抱きつかれる。端から見ればよくカップルがやっているスキンシップのようだが実際にやると、結衣の胸部装甲がパンパカパーンしてしまう訳ですよ。  意味わかんねーな。

 

「ねぇ、ヒッキー   何処に行くの?」

 

「ついてからの秘密だ。」

 

割と会心のアイデアだっただけに自然と顔がにやける。  と案の定、

 

「ヒッキーキモーイ」

 

結衣からの失礼なツッコミが入る。

 

「ほっとけ。」

 

そして俺達が向かったのは

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちがついたのはアクアリンク千葉だ。 ここはスケートリンクだけでなく温水プールもありなかなかの充実具合だ。

 

「千葉村でプール行きたいって言って結局いけてなかっただろ?」

 

「ヒッキー覚えてくれてたんだ……」

 

「基本的に俺は高スペックなんだよ。」

 

照れ隠しに少しぶっきらぼうになったが仕方ないだろう。 そんな嬉しそうに笑われたら仕方ない。

 

 

スケートシューズに履き替えリンクに出ると、

 

「はわわわわ」

 

ドテーンと言う効果音が似合いそうな感じで結衣がこけていた、

 

「滑れないのか?」

 

「昔家族で来たときは滑れたんだけどな……」

 

「ならすぐに感覚は取り戻すだろ、ほれ」

 

こけたままの結衣に手を差し伸べる。

 

「あ、ありがとう」

 

そのまま結衣の手を引きながら滑る。

 

「ヒッキーなんか上手だね!」

 

「伊達に毎日の会話で滑ってねーよ」

 

「何それ  ヒッキーキモーイ」

 

「キモくねーよ」

 

いつも通りの会話をしながら時間は過ぎていった。それが堪らなく心地よい時間だった。

 

 

スケートの後、温水プールに入ると他の男性客の目が結衣に向けられたのでなんとなく威嚇しながら入ったり、プールで結衣が急に後ろから抱きついて来たのでロンギヌスしたりしたのはまた別の話だろう。

 

 

 

昼飯に入ったのはあらかじめ調べておいたイタリアンの店だ。 パスタもさることながらピザも格別らしい。

 

 

席に座り、シェフオススメピザと  俺は蟹とトマトのクリームパスタ  結衣は海老とトマトのチーズパスタを注文した。

 

「美味しい!!」

 

一口頬張ると結衣は感嘆の声を上げる。   もぐもぐ……確かに旨いな。 

 

「ヒッキーの一口頂戴」

 

あーんと口を開ける結衣。 やっぱりこれはあれだろう。

 

「おう、あ、あーん…」

 

恥ずかしいながらも一口分巻き取ると結衣の口へと運ぶ。

 

「これも美味しいね。  あ、私のもあげる!!」

 

同じように一口分巻き取ると俺の口へ出される。  もぐもぐ……これも旨いな。

 

 

 

 

ちなみに周囲(主に男性客)から突き刺さるような視線を受けたのは気のせいだと思いたい。

 

 

 

 

 

 

「ヒッキー、今日はありがとね。」

 

店を出て駅まで行くと結衣がお礼を言ってきた。

 

「ちゃんとゆきのんともデートしてあげてね」

 

そういうと トン と俺の背中を押す。  

 

「ほらゆきのん待たしたらだめだから」

 

 

「おう、じゃあ行ってくる」

 

「いってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside由比ヶ浜ー

 

本当はわかってるんだ。  きっと、ううん確実にヒッキーはゆきのんが好きだって。  でも一回位はヒッキーとデートしたかったんだ。    分かってるのに、分かってるのに、何で涙が出るんだろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞浜駅につくと既に彼女は来ていた。黒いダッフルコートを身につけ、白い息を吐きながら佇んでいる少女が

 

 

 

 

 

「すまん待たせたか?」

 

「いえ、私も今来た所よ。」

 

雪乃と待ち合わせたのは舞浜駅。 勿論行き先はディステニーランドだ。

 

「行きましょうか」

 

やはりキュッと腕に抱きついてくる。 そしてやはり周りの人の視線は痛い。  しかし雪乃のような美少女を俺は今独り占めしているのだと思うとそんな視線など気にならなかった。

 

 

 

時間が時間だったのであまり多くのアトラクションは乗れないだろう。  となるとやっぱり

 

「パンさん」

 

ですよね。 アトラクションの前につくと雪乃が呟く。  勿論アトラクションはパンさんのバンブーファイトだ。

 

 

「ねぇ八幡。」

 

「どうした」

 

「手を繋ぎましょう……………繋いでくれる?」

 

俺は返事の代わりに雪乃の柔らかな手をそっと握りしめた。

 

顔を赤くしながらも嬉しそうに顔を微笑ませる。  それだけで俺にとっては十分以上だ。

 

 

 

 

 

 

 

パンさんの後はラージライトニングマウンテンやウォーターマウンテン、マスコットキャラクターのネズミと写真を撮ったりして  最後にパレードを見るとそろそろ時間だった。

 

 

 

 

「なあ、雪乃。」

 

「何かしら八幡?」

 

「今日十一時頃にマンションに行っても良いか?」

 

「えっ?」

 

だって今日は

 

 

「今日はクリスマスイヴ、約束の日だろ?」

 

それで事を察した雪乃は

 

「待っているわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ここからは俺の告白(ケンカ)だ。

 

 

 

 

 

 

と、格好をつけて言ってみたもののやはり恥ずかしいな。

 

あの第四真租ばりの勇気がほしいよ、いやマジで。

 

雪乃をマンションまで送った後、俺は携帯を取り出してメールを送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校近くの公園につくと彼女はもう既に来ていた。

 

「すまん 待たせたか?」

 

「ううん、大丈夫。」

 

なけなしの勇気を振り絞り俺は正面から彼女を見据える。 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん、俺はお前とは付き合えない。」

 

深々と頭を下げる。

 

 

 

どれだけの時間がたったかは覚えていないが、

 

「顔を上げてよヒッキー…」

 

震えた声が俺の名を呼んだ。  顔を上げると、目の前には涙をこらえた顔の結衣がいた。

 

「そんな顔…しないでよ。 本当は悲しいけど…さ、でも、でも、ヒッキーが真剣に受け止めてくれた事…が嬉しかったんだ…………」

 

嗚咽混じりに結衣が心の内を吐露する。

 

「私は…大丈夫だからさ…、ゆきのんのところに行ってあげて。…ヒッキーの事待ってるからさ……」

 

そう、結衣は言ったが鳴いている女子をほったままどこかに行けるわけもない。   と、ブーブーブーと携帯がメールの受信を告げる。

 

 

差出人は見たことのないアドレスだ。

 

アドレスは戸塚からきいたし。    結衣は任せて早くいきなよ。       三浦

 

 

 

あろうことか三浦からだった。     ってあいつ近くにいるのかよ。    大方結衣から話は聞いてたんだろな。     と言うか やっぱりあいつオカン体質だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三浦に感謝のメールを送ると俺は、雪乃の、彼女の待つマンションへと急いだ。

 

 

 

マンションの下につくと部屋番号を打ち込みインターホンを鳴らす。

 

 

「はい」

 

「俺だ。」

 

「今、開けるわ」

 

 

ガチャっと鍵の開く音がなり、エントランスへと入る。  エレベーターに乗り込みようやく彼女の部屋へとたどり着いた。  再びインターホンわーならすと、

 

「入って…」

 

部屋のドアが開き雪乃が出てきた。 そのまま部屋へ招き入れてくれる。

 

 

そうだ。   俺は知らず知らずのうちに彼女に惚れていたのだ。  才色兼備の癖に負けず嫌いで 世界が生きにくいと感じるほどに正しくて、そのくせに孤独で、 猫がとても大好きで、名前の通り雪のように美しい彼女に、

 

 

だから、今度は俺から言わなくちゃいけない。  欺瞞や嘘などで上っ面だけの薄っぺらいものではない

 本当のこの気持ちを。

 

 

リビングにつくと、俺は覚悟を決める。  

 

 

 

 

 

 

そして、俺は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大好きだ雪乃!! ずっと一緒にいてくれ!!」

 

その言葉を聞くと雪乃は泣き崩れてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………あれ?なんか間違えた?

 

 

「えっ…泣くほど   俺何か間違えたか?」

 

正直心当たりが無い。

 

「違うわ。…人間…嬉しくても……泣くのよ。   本当に嬉しいわ 」

 

 

やがて二人の影は近付き唇が合わさる。数秒ご離れると、またどちらからともなく合わさる。

 

 

 

 

 

 

 

 

目の腐ったひとりの少年と 正し過ぎる少女の物語はここから始まるのだ。

 

 

 

 

 




連投です。




なんか最終回っぽくなってしまいましたがまだ続きます。    とは言っても数話ですが。









一応一言、     由比ヶ浜ファンの皆様すいませんでした。







後もう一言だけ言わせて貰いますと、 作者は異性とデートなんてしたこと無いのでデートシーンが残念なのは許してくだせぇ。  勿論同姓ともデートなんてしたことありません   と言うかしたくねーよ。


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お気に入り登録200&UA30000突破記念  奉仕部+αでゲーム対決

皆様のおかげでついにお気に入り登録が200突破致しました。


この話は記念回ですので時系列的には二人の告白の後に入れたいと思います。


「はちまーん ゲームしよーぜ!!」

「お前ボールな」

 

いつものごとく部室に(勝手に)やってきた材木座を適当にあしらいつつ紅茶を飲む。     うん、雪乃の入れた紅茶はやっぱ旨いな。

 

 

「はーちーまーんー」

 

「うぜぇーよ…」

 

肩をガクガク揺すられたら誰でも イラッ☆ とするだろう。  あんまりすると某魔王少女(レヴィ○たん)みたく煌めいて滅ぼすぞ。

 

「実はな、なかなかに面白そうなものを手に入れたのだ。       『ドキドキ罰ゲームトランプ』」

 

 

「うん、そのトランプ考えたやつ今すぐ首にした方が良いぞその会社。」

 

 

ネーミングセンスなさすぎだろ。  厨二病こじらせた材木座と良い勝負だな。

 

 

「付属のトランプで勝負した後敗者は罰ゲームの紙を引いて、罰ゲームの内容を実行するのか。   王様ゲームに近いのな」

 

「王様を、つまり勝者を決めるとあれば逃げるわけには行かないわね。」

 

そばで、(何故か部室に来てすぐに俺の真横に座っていた)雪乃が反応する。  急に身を乗り出して来たからふわっとシャンプーのいい匂いが…………    、いかんいかん 無心に。

 

 

「厨二にしては面白そうだね」

 

あの、結衣さんや、材木座のライフはもう0よ!!

 

さらに、ドンッ!!  と音を立てて部屋に入ってきたのは、

 

「話は聞かせて貰った!! 私も参加させて貰おう!! ガンダムファイト レディー ゴー!! 」

 

こうして平塚先生の謎に少年心を忘れないかけ声と共に勝負は始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後平塚先生が連れてきた天使…もとい戸塚と川端…川越……そう、川崎も加わり一回戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー1回戦   大富豪ー

 

ルールは簡単にするため、  縛りあり 革命あり 階段ありのスぺ3 8切りだけだ。

 

 

初手は材木座からスタートだ。

 

「ふぁっふぁっふぁ  仮面○イダー剣を知り尽くした我に勝てるとでも!?     フューションジャック! アブソーブクイーン!  そして  エボリューションキング!!!」

 

 

いや、確かに一回はやってみたいけどさ、多分ここにいる全員の気持ちが一つになったぞ。

 

 

「「「「ああ、こいつ馬鹿だ。」」」」

 

 

流しだろ…こんな序盤に……とかアホか…

 

 

「ははははっ!!! こんな序盤にとか思ったか!?  8切り!!!」

 

三枚の8を出す。…嘘…だろ…

 

「そして最後は変身!!!」

 

スペードのエースを出して材木座が上がる。流石にこの予想外の展開には全員が唖然としている。 手札の少なさが有利に働いたか……

 

 

材木座が上がった後、俺、川崎、戸塚、結衣と上がり残るは雪乃と平塚先生だけとなる。

 

手札はお互い三枚。  

 

「私はこれだな。ジョーカー!!!」  

 

とてつもなく サイクロン!!!(マダオボイス)と叫びたくなったが我慢する。  しかしこれで、勝負は決まった。ここでジョーカーを出すと言うことはおそらくあの手札は二枚とも同じカード。 つまり雪乃の負けだ。

 

 

「残念ですが平塚先生、  どうやら切り札は常に私の所に来るようですよ?」

 

「なに!?」

 

雪乃が出したのはスペ3    このゲームに置いては最弱だがジョーカーに対してだけ最強になる両刃の剣。   この土壇場になるまで持っているとは恐るべき胆力。

 

「これで終わりです。平塚先生!!!」

 

手札から2を一枚出す。  これは流して終わりだろう。            しかし、

 

 

「すまないな、雪ノ下。     私も言わせて貰おう。   どうやら切り札は常に私の所に来るようだ。」

 

そう言って平塚先生が出したのは2枚目のジョーカー!!!(マダオボイス)

 

この瞬間勝敗は決した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「私としたことが負けるなんて……」

 

悔しそうに呟きながら雪乃が箱の中から罰ゲームを一枚引き抜く。

 

 

 

紙には、

 

 

 

 

 

 

好きな人と情熱的にキスor二つ隣の席の人に愛の告白

 

 

 

 

 

 

ちなみに雪乃の二つ隣と言えば材木座だ。

 

「…………」スタッ

 

なにやら覚悟を決めた顔になると立ち上がる雪乃。

 

そのままこちらに来ると    って、えっ!?

 

「んっ、んちゅっ、はぁ、んっ、はんっ、んっ、っ……」

 

突然雪乃にキスされたのだ。しかもディープなやつを

 

俺と雪乃の唇が糸を引きながら離れると、他の皆は唖然としながらみていた。      デスヨネー

 

 

 

 

 

 

さて、もう一度言おうか、      この会社はこの商品考えたやつを今すぐ首にするべきだ。早急に 今すぐに、ナウ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気を取り直して(全員顔が真っ赤だが)ー2回戦ポーカー ー

 

これはあっさりと決着が付いた。    というのも

 

 

 

俺、雪乃、結衣、戸塚、川崎、材木座   ワンペア

 

平塚先生    ノーペア

 

 

先生、男運だけじゃなくてカードの引きも悪いのか……

 

 

「死ぬか?比企谷?」

 

 

 

心を読むの本当に勘弁してくださいよ。

 

今度は先生が罰ゲームを箱から抜き取る。

 

 

 

 

紙には、

 

 

 

これを引いたあなたは暫く結婚できないでしょう(笑)

 

 

 

 

ドキドキするの俺達かよ……    死んだんじゃね?  主に俺。

 

 

 

って、平塚先生泣きながら出てったぞ…   相当答えたらしいな。    そう言えば先週知り合いの結婚式て学校休んでたっけ……

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




続きます。



次回は戸塚とサキサキが本領発揮します!!!







ここで切ったのは作者が眠たいからです!!!許してくだせぇ


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奉仕部+αでゲーム対決2

随分と間が相手しまい申し訳ございません。


何というか アカ斬る×オーズの方がついつい筆が進んでしまって……


平塚先生が深刻な(精神的)ダメージを負ったためリタイアしたあと残りの面子で他のゲームをする事となった。   とはいうもののゲーム自体は他のものになったが引き続き罰ゲームだけは使用するノリだ。

 

 

「次なにやるんだ?」

 

「そうね、この人数ならババ抜きかしら…」

 

「ゆきのんの言う通りかも。 この人数ならできること限られるしね」

 

雪乃と結衣の発言もありババ抜きを使用としたところで

 

「何やら楽しそうなことをしてますね、先輩?」

 

うちの あざとくてあざとい あざと可愛い生徒会長さんがやってきた。

 

「あぁ、一色か…なんのようだ? 仕事なら手伝いたくないと言うか働きたくないからパスな」

 

「何ですか先輩~。 可愛い可愛い後輩がわざわざ来てあげてるのにその反応酷くないですか~?」

 

小首を傾げるのやめれ。 あざとい。 そして可愛いと思っちゃったじゃねえか。

 

「何か用かしら一色さん?」

 

「いろはちゃん どうしたの?」

 

「まぁ今日は仕事の話じゃなくて純粋に暇だったので遊びに来ました。 そしたら先輩達が何やら面白そうなことやってるじゃないですか~」

 

要は遊びに来ただけかよ。   いや、いいんだけとね?  仕事持ってこられるよりかはいいんだけとね?

 

「生徒会室にこれがあったので持ってきました~」

 

そう言って鞄から取り出したのは

 

「ふむふむ、四元素を司りし太古より伝わるカード(UNO)で有るな!?」

 

「なに言ってんだ材木座? てかお前いたのかよ? かえっていーぞ」

 

「助けてー塚えもーん  八幡が虐めるよー」

 

天使…戸塚に泣きつこうとした材木座だったが戸塚にも引かれている。  ざまぁみやがれ!!!

 

 

「ならそれをやりましょうか」

 

雪乃がカードを繰り始めると、

 

「椅子が足りませんね(ニヤニヤ)」

 

「お前の目の前に有るのは何だよ?  推進エンジンでも付いてるの?天井に激突するの?」

 

俺、別に着痩せしないし天使に告白したくは……………天使=戸塚    なら別に良いか。 いやむしろそんな機会が欲しいな。

 

 

「えっ!?何のことですか?」

 

一瞬で目の前の椅子を材木座に押し付けた。

 

「先輩の友達が椅子2つ使わないといけないそうで~」

 

「いや、別に我はー

 

「ね?」

 

あの~?一色さんや?目が笑ってないですぜ?

 

「仕方ないので先輩~失礼します。」

 

「「「「!?」」」」

 

 

あろう事か一色は俺の膝の上に座った。

 

「い、い、い、いろはちゃん!?  な、な、な、なにしてるの!!!!?」

 

「一色さん、そんな所に座ると比企谷菌が……失言ね」

 

「失言じゃなくて失礼だからな。」

 

「うらやましい……」

 

あの………川崎さんや、なんてそんな目で俺を見るんでしょうかね? 

 

 

「しゃあこうしましょう。次に勝った人は次のゲーム中先輩の膝の上に座れて負けた人が罰ゲームを引く   っていうのでどうですか?」

 

「別にかまわないわ」

 

「いいよ!」

 

「負けないから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして仁義無き女(天使と野郎二名を含む)の戦いが始まった。




次で番外編は終わらせます。

その後数話後日談を書きたいと思っています。     









追伸


後日談を数話書ききった後終わる予定ですが皆様の感想お待ちしております。 是非お願いします。


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