問題児? 失礼な、俺は常識人だ   作:怜哉

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オリ主まじで動かねぇな()


最初から本気を出すのはだいたい負けフラグ

 

 

 

 

 

 

「それではバトルパート第三試合! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)Bチーム、ラクサス・ドレアー! VS. 大鴉の尻尾(レイヴンテイル)、アレクセイだカボ!」

 

 第三試合のカードが発表され、会場が沸く。

 絶賛人気沸騰中の妖精の尻尾(フェアリーテイル)が出るから、というのもある。それにプラスして、各ギルドのマスターが実の親子というスパイス付きだ。

 

「レイヴン...ラクサスなら大丈夫だろうけど、またアイツらが妨害なんかして来た日にぁ...」

「そん時は俺が出る」

 

 カナの不安を含む呟きに対し、凌太は「ちょっかい出されたら大鴉を潰す」と宣言する。

 

「...少し意外です。リョータさんは、あまり妖精の尻尾(フェアリーテイル)に執着は無いものだと思っていました」

「別に執着はねぇよ。ただ、このギルドもラクサスも嫌いじゃないってだけだ」

 

 凌太の意外な言葉にBチームが多少驚いていると、会場中央にラクサスとアレクセイが辿り着いた。

 

 大鴉の尻尾(レイヴンテイル)の連中の妨害を防ぐ。そんな思いでマスター・イワンやアレクセイ以外の選手を監視する妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々。武器まで持ち出し、徹底的に妨害行為を妨害するつもり満々だが...それは無駄だった。

 

「おい。あれ、幻術だぞ」

 

 凌太が呟く。

 突然の言葉に反応が遅れるBチームを置き去りに、試合開始のゴングは鳴り響く。それと同時、アレクセイの拳がラクサスの顔面を捉え、ラクサスの巨体が宙を舞った。

 ラクサスの強さを身をもって知っているガジルが驚愕の声を上げ、すぐに凌太に問いを投げた。

 

「幻術っつったか、お前」

「ああ。まだラクサス達は動いてすらいねぇ。つーか、ありゃ確実にルール違反だろ。五対一だぞ。一人はマスターだし」

「五対一に、マスターだと!?」

 

 思わず大きな声を出したガジルは、もう一度会場を凝視する。しかし、幻術かどうかが分からないのだろう。数秒、数十秒と凝視するが、困惑したような表情は晴れない。

 ガジルだけではなく、他の面々も幻術かどうかは分かっていない。だが、凌太が無意味な嘘をつくとも思えなかった。

 

「あちらが五人できているのなら、こちらも出ましょう!」

「ストップがかからないってことは、運営側も幻術を見抜けてないってことだ。敵がどこにいるのかも分からないアタシ達が今出たら、逆にこっちが反則負けしちまう...!」

 

 ジュビアとカナがアタフタとするが、対する凌太は大人しいものだ。

 肘を付き、興味が薄そうな目で会場を見つめる。

 

「焦んなよ。アイツら五人合わせたって、ラクサスの方が強い。ほら、今一人倒したぞ。ルーシィの魔力を消した奴だ。こりゃ万が一も無くなったな」

 

 淡々と語られる不可視の事象。

 ガジル達に見えるのは一方的にやられているラクサスだけで、それが本当かどうかさえ分からない。だが、自分達が焦っても状況が好転しないと考え直したのか、ジュビアとカナは未だ困惑しながらも試合(幻)を見守ることにした。

 

 

 数分後。

 ドムス・フラウに現れたのは、倒れ伏した大鴉の尻尾(レイヴンテイル)の面々と、悠然と立つラクサスの姿だった。

 幻術を使っていたアレクセイ、もといマスター・イワンが倒されたと同時に幻術は解け、運営側がやれ反則だ失格だと騒いだ後にラクサスの勝利宣告がなされた。それにより、またもや力量を見せつけた妖精の尻尾(フェアリーテイル)に向けて大歓声が鳴り響く。

 

 警備隊に連れられて行くイワンと何かしら言葉を交わしたラクサスは、どこか浮かない顔で帰ってきた。

 

「お疲れさん、ラクサス」

「...お前、あれ全部見えてただろ」

「ああ。一瞬助けに出ようかとは思ったけど、お前なら大丈夫だろうと思って無視した。良かったな? 家族の敵を自分の手で潰せて」

「ッ!? おまっ、聞こえてたのかよ!?」

「神殺しの五感舐めんな」

 

 柄にもなく顔を真っ赤に染めるラクサスを揶揄うように、凌太はニヨニヨとした笑みを浮かべる。

 他にもラクサスが吐いたカッコ恥ずかしい台詞を羅列し、ラクサスが照れ隠しで雷を乱射。観覧席が一部壊れるという事故もあったが、それはまた別の話。すぐに凌太が直したので問題にもならなかった。

 

「(ルーメン・イストワール、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の闇ねぇ...。ちっとだけだけど、気になるな)」

 

 五感が優れている凌太は、普通なら観声にかき消されて聞こえないはずのイワンの呟きすらも聞き取れる。別に聞き耳を立てたわけでもないが、聞こえてしまったものは仕方がない。

 凌太がチラリと妖精の尻尾(フェアリーテイル)の応援席を見てみれば、メイビスが凌太を凝視していた。尋常ならざる存在であるメイビスもイワンの言葉を聞き取り、さらに凌太も聞き取ったということにも気付いているのかもしれない。

 それにより、凌太はさらに興味を抱く。単なる興味本位の域を出ないが、凌太はルーメン・イストワールという単語を頭の隅に置いておくことにした。

 

 

 * * * *

 

 

 

「三日目最終試合、対戦発表だカボ! 蛇姫の鱗(ラミアスケイル)、シェリア・ブレンディ! VS. 妖精の尻尾(フェアリーテイル)Aチーム、ウェンディ・マーベル、カボ!」

 

「おっ、ウェンディか」

 

 対戦カードの発表を聞き、凌太は会場に目をやる。

 ウェンディの相手は、蛇姫の鱗(ラミアスケイル)のシェリアという少女。ピンク色の髪を大きなリボンでピッグテールに纏めている。

 

「そういや、ウェンディはリョータと一緒に修行してたんだってな?」

「ああ。アイツは強くなったぞ? ガジル、今のウェンディならお前とでもいい勝負が出来ると思う」

「ギヒ、言ってくれるじゃねぇか」

 

 凌太の発言を親バカ的な台詞だと捉えたのか、ガジルは鼻で笑うように答えた。実際、たった三ヶ月でウェンディがガジルに追い付くなど考え難い。それに加え、ガジルもこの三ヶ月で尋常ではないほどの修行を積んでいる。普通に考えて、凌太の台詞は親バカのそれにしか聞こえない。

 だが、凌太は身内贔屓こそするものの、意味の無い嘘はつかない。

 

「まぁ見てろって。相手もそこそこ強いみたいだし、ウェンディの本気も見れるかもしれないぞ」

 

 そう言って、凌太はウェンディの対戦相手、シェリアに視線を向ける。と同時、シェリアが何もない場所で躓き、転んだ。

 会場が呆気に取られる中、真っ先にシェリアに手を貸そうと駆けようとしたウェンディもまた、何もない場所で躓き、そして転んだ。

 先のラクサスの試合とはうって変わり、なんとも和やかな空気がドムス・フラウを包む。

 

「...本当に俺とタイマン張れるくらい強くなったんだろうな?」

「.....ま、まぁあれはほら、愛嬌だから?」

 

 少しだけ不安になりつつ、しかし凌太は言葉を覆すことはしない。目は泳いでいるが。

 

 

 

『さぁ、両者立ち上がり位置に着いたため、ただいまより大魔闘演武三日目バトルパート、最終試合を開始します!』

 

 司会の宣言に合わせ、開戦の合図である鐘が鳴る。

 最初に動いたのはウェンディだった。

 

「行きます! 天竜の翼撃!!」

 

 風が集まり、塊となってシェリアに迫る。

 それ自体はシェリアに避けられてしまったが、その威力は三ヶ月前とは比べ物にならないほどに上がっていた。

 妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々がウェンディの成長に驚いているうちに、二撃目が放たれる。

 

「天竜の鉤爪! 砕牙!」

「ッ...!」

 

 シェリアに言葉を発する間すら与えず、ウェンディは猛攻する。

 全て紙一重で避けられているが、それすらもウェンディの想定内。むしろ予定通りだった。

 シェリアが攻撃を避けるために大きく跳び、自由に動けなくなったところで、ウェンディは魔力を高める。

 

「天竜の、咆哮ォ!!!」

 

 直径十メートルはある巨大な竜巻が、ウェンディの口から放出される。殺傷力の高い攻撃でもある咆哮は、空中で身動きの取れないシェリアを呑み込んだ。

 しばらくして暴風が治まると、傷だらけで地面に伏して動かないシェリアと、無傷のまま息一つ崩していないウェンディの姿が確認できた。

 

 圧倒的。

 相手に一切の反撃の余地も与えず、ウェンディの完勝が決まった。

 

 

 ───ように見えた、次の瞬間。

 

「ふぅー! いやぁ、アナタ凄いね! 今のはすっごく痛かった!」

 

 ウェンディが一瞬目を離した隙に、傷だらけだったはずのシェリアが、無傷で立ち上がっていた。

 これにはウェンディも驚きを隠せない。が、そこはさすが凌太と時間を共にした者。すぐに戦闘態勢を整えた。

 

「(自己回復の魔法、しかも凄い速さ...!)」

 

 自身にはできない自己回復魔法。体力を回復させるウェンディとは違い、シェリアは傷を癒す。

 

「(傷は見える限り全部塞がってる。じゃあ体力は? 魔力は? 情報が少ない。少し様子見...)」

 

 シェリアの魔法について考察を立てていくウェンディ。

 それを見たシェリアは、なんとも楽しそうに笑みを浮かべる。

 

「さぁ! 戦いを楽しもう!」

 

 そう言ったシェリアは、ウェンディと同じように風を集める。

 ただウェンディと違う点が一つ。それは、集まった風が黒いこと。

 

「天神の北風(ボレアス)!!」

「ッ! 天竜の翼撃ッ!!」

 

 ぶつかり合う風は拮抗し、爆風となって霧散する。

 

「スキありだねっ。天神の舞!」

「なっ、きゃぁあ!!!」

 

 視界の悪さを利用し、ウェンディの懐に潜り込んだシェリアは黒い風を巻き起こしてウェンディを吹き飛ばした。

 宙に舞ったウェンディを目掛けて、シェリアは更なる追撃をかける。

 

「まだまだ行くよっ! 天神の...怒号ッ!!」

「くっ...天竜の咆哮!!」

 

 荒れ狂う神の息吹は、竜の咆哮を呑み込み、更に巨大な嵐となってウェンディを襲う。なんとか避けようと藻掻くウェンディだったが、間に合わず。黒風の渦に巻き込まれ、ズタボロになって落下した。

 

「く、ぅ...!」

「! ...凄いね、アナタ。今のをまともに受けてまだ意識があるんだ?」

 

 本当に意外だったのであろう表情を浮かべ、シェリアはウェンディに問いかける。

 

「ねぇ。アナタじゃ私には勝てない。だから降参して? これ以上は無駄にアナタを傷付けるだけだよ」

 

 シェリアは決してふざけているわけでもなければ、ウェンディを蔑んでいる訳でもない。本心から「無駄だからやめよう」と提案している。

 

 その慢心が命取りだ。

 

「──.....“アームズ”...“アーマー”、“バーニア”ッ!」

 

 シェリアの提案を受け入れることなど到底できず、ウェンディは得意の付与魔法を発動した。“アームズ”(攻撃力向上)“アーマー”(防御力向上)、そして“バーニア”(速度向上)。シンプルだが、それゆえに使いやすく、何にでも対応できる強化だ。

 ウェンディは痛む傷を我慢し、歯を食いしばりながらも立ち上がった。

 

「...うそ。立っちゃった...」

「シェリアさん、さっき言ってましたよね? 『戦いを楽しもう』って。...私は貴女やあの人みたいに、戦いが好きとは思えません。けど!! 私は、私の家族(フェアリーテイル)のために全力で貴女と戦います!」

 

 小さな体からは想像もつかないほどの迫力を伴うウェンディを見て、シェリアの表情はますます明るくなっていく。

 

「愛! 愛だよウェンディ! うん、やっぱり愛は素敵だね!」

 

 言って、シェリアは膨大な魔力を練り始める。

 シェリアの元へ風が集まり、黒へと変わり、さらにそれは漆黒の羽へと姿を変えた。

 蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の面々からかかる静止の声を全て無視し、シェリアは己の全力の『愛』をもってウェンディと対峙する。

 

「全力の気持ちには全力で応える。それが『愛』!! ──滅神奥義! 天叢雲剣!!!」

 

 生物の命を容易に刈り取る暴力は、ウェンディを丸々呑み込んで大空へと羽ばたいた。

 

 

 * * * *

 

 

「──滅神奥義! 天叢雲剣!!!」

 

 シェリアの放った攻撃を見て、妖精の尻尾(フェアリーテイル)Bチームでは動揺が走っていた。

 

「避けろウェンディ!!」

 

 カナが大声で叫ぶも、そんなものは風に邪魔されてウェンディに届くことはない。

 今シェリアが放ったのは、人一人程度であれば簡単に挽肉にできそうな威力の攻撃だ。さすがに危険だと思ったのか、ラクサスやガジルが止めに入ろうと飛び出しかける。だが、それを止めたのは凌太だった。

 

「どけ!!」

「黙ってろガジル。ラクサスもだ。心配すんな、ウェンディはあの程度の攻撃じゃ負けない。それにもう遅せぇよ」

 

 凌太の言う通り、既に天叢雲剣はウェンディに直撃したあとだった。

 ウェンディの姿は漆黒の羽の中へと消え、目視できない。

 感じ取れる魔力量、それから推察できる魔法の威力からして、アレをまともに受けて人間が生きていられる確率は低い。ましてやウェンディでは、と妖精の尻尾(フェアリーテイル)では絶望が生まれる。

 

「ウェンディイイイイ!!!!」

 

 Aチームの方からも、悲痛を叫ぶナツの声がした。

 それらを見て、聞いてもなお、凌太の顔から余裕が消えることはない。

 代わりに、というわけでもないだろうが。凌太は小さな声で呟く。

 

「やれ、ウェンディ」

 

 

 

「──天竜の、波颪(なみおろし)!」

 

 天に向かって羽ばたいていた黒羽が、内側から爆散する。

 そこから現れたのはウェンディだった。だが、先程までとは違う点が数個。

 淡いピンクに染まった髪と、背中から生える小さな純白の羽。

 外見だけではない。魔力も身体能力も、何もかもが桁違いに上がっている。

 

『ドラゴン...フォース...』

 

 解説として大会に招かれた元評議員、ヤジマが、マイク越しにそう呟いた。

 ドラゴンフォース。滅竜魔法の最終形態。竜を滅するために竜と同じ力を宿した魔導士が、内に眠る真の力を引きずり出した結果のもの。その魔力は本物の竜ですら凌ぐのではと囁かれるほどだ。

 滅竜魔導士が辿り着く究極点に、ウェンディは今立っている。

 

「はぁああ!!」

 

 今のウェンディは、大気を支配下に置く天空の王。

 風を手足のように操り、飛行まで可能にした彼女は、シェリアに向かって直進する。

 本来ならそれは悪手だ。馬鹿正直に正面から突っ込むなど、愚かにも程がある。

 だが、今のウェンディにはそれを覆すだけのスピードがあった。

 

 シェリアが反応するより遥かに速く、ウェンディは風を纏った拳をシェリアにぶつける。

 

「ガッ...!」

 

 肺から息を吐きながら、シェリアは後方に殴り飛ばされた。

 一度地面をバウンドし、壁に衝突する。骨の一本や二本は確実に飛び出ているだろう。

 瞬時に回復魔法を使用するシェリアだが、すぐにウェンディの追撃が襲う。

 ダメージを受けては回復し、すぐにまたダメージを受ける。そのやり取りが何度かなされた後、シェリアが反撃に出た。

 

「凄い! 凄いよウェンディ! これが愛、これぞ愛! でも、私の愛も負けてない! いくよっ。滅神奥義、天叢雲剣!!」

 

 空気がある限り、魔力がある。

 少しずつ空気を食べて魔力を貯めていたシェリアは、それを一気に解放した。威力は先程より上。荒ぶる暴風がウェンディに迫る。

 

「なら私も応えます、シェリアさん! 滅竜奥義! 照破・天空穿!!」

 

 風が結界のように周囲を囲み、その中央で怒号が如き旋風が巻き荒れる。

 漆黒の羽と風の波動。この二つは逸れることなく正面からぶつかり合った。激しく拮抗するかと思われた奥義のぶつかり合いは、予想を反して一瞬でケリがつく。

 

 激しい風に曝され、まともに目も開けられない。そんな状況から脱した観客、そして司会者が見たものは、今度こそ地に伏せ沈黙するシェリアと、肩で息をする傷だらけのウェンディだった。

 

『こ、これは...今度こそシェリアたんダウンです! 勝者! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)Aチーム、ウェンディ・マーベルぅうう!!!』

 

 

 

 * * * *

 

 

 

 [凌太side]

 

 時間は少し巻き戻る。

 

「さぁ! 戦いを楽しもう!」

 

 そう言ったシェリアは、黒い風を纏ってウェンディと戦い始める。

 その中で、シェリアが技を繰り出す度に気になる単語を発しているのを俺は聞き取った。

 

「...天神?」

 

 感じる魔力は多少異質だけど、神のそれじゃない。神性も何一つ感じないし、シェリアが天神だって可能性はないだろう。ってことは...。

 

「天神を殺した、滅神魔導士?」

「神を殺したのかどうかは知らねぇが、アレがサラマンダーの言ってた滅神魔法なのかもしれねぇな」

 

 ふむ。確かにガジルの言う通り、滅神魔導士だからっていって必ず神を殺したのかなんて分からないし、多分殺してはないんだろう。ナツやガジル、ウェンディなんかは竜を殺すどころか育てられたって言ってたしな。ってことは、シェリアは神に育てられたってことか?

 

 滅神魔法。いつか見てみたいとは思ってたけど、まさかこんなに早くお目にかかれるとは。てかこの魔力の感じ、セイバーの黒雷使いと似てね? 何、もしかしてアイツも滅神魔導士なの? 雷の滅神魔導士? 何それ面白そう。一回戦ってみてぇな。

 

 そんなことを考えながら、俺はわりと真剣に試合を見守る。

 ウェンディが本気を出せば多分勝てるだろうけど、相手が隠し球を持ってない確証はない。というか持ってるって思ってた方がいい。滅竜魔導士(ウェンディ)がドラゴンフォースなら、滅神魔導士(シェリア)はゴッドフォースとか? ...なんか世界とか創れそうだな(小並感)

 

「天神の怒号!」

「ッ! 天竜の咆哮!」

 

 両者のブレスが激突し、暴風が吹き荒れる。

 付与(エンチャント)なしとはいえ、ウェンディよりシェリアの方が威力は上だ。

 力比べに負けたウェンディは、そのまま倒れる。まだ意識はあるようだが、ダメージは決して少なくないだろう。

 ウェンディはシェリアと違って自己回復はできないし、少しヤバいかとも思ったが、それでもウェンディは立ち上がった。

 この時シェリアに言われたように、このままじゃ負けると思ったのだろう。ようやく得意の付与魔法を使い、自身にバフを盛る。これでシェリアの魔法と互角、もしくはそれ以上になったはずだ。

 

「...すげぇ」

 

 奮闘するウェンディを見て、ガジルがポツリと呟いた。成長したとはなんとなく分かっていたが、ここまでとは思っていなかったのだろう。ふふん、師匠として鼻が高いぜ。いやまぁ模擬戦したり実践積ませたりしてたら勝手に俺の動きを吸収して強くなってたんだけど。ウェンディに関しては俺特になんもしてねぇな。師匠とかおこがましがったですわ。

 

 その後、滅神奥義とやらを受けそうになったウェンディが、直撃する直前にドラゴンフォースを発動。黒い羽に巻き込まれながらも、中から粉砕するという演出をしでかした。

 それからはウェンディの独壇場だ。相手の攻撃は薙ぎ払い、俺の戦いを見て身に付けたであろう拳法擬きでシェリアを圧倒する。

 

「どうだガジル。お前とでもいい勝負くらいできそうだろ? ま、まだまだ足りないところは多いし、今はまだお前やナツの方が強いだろうけどな」

「.....ギヒッ。予想以上だクソッタレ。どんな修行をしたらあんなに強くなりやがるんだ」

「俺に着いてきたからだろうなぁ」

 

 実際問題、ウェンディがドラゴンフォースを発動させたのは俺が原因だと思う。

 聞いた話では、過去にナツがドラゴンフォースを発動させた際には、外部からの干渉があったらしい。自身と同じ属性で、なおかつ自身の許容量を大きく超える魔力を喰らうことが発動の鍵なんだとか。

 

「模擬戦の途中、俺が実験で天空魔法の真似事をしたんだよ。滅竜魔法に興味あったし、『天竜の咆哮ー』つってな。まあ滅竜なんていう属性は付かなかったんだけど、天の属性は付いた。それを避けきれなかったウェンディがそれを喰っちまってな? そしたらああなった」

「いや、ああなった、って...」

 

 ジュビアが呆れたように俺を見る。こいついっつも呆れてんな。

 ウェンディが最初にドラゴンフォースを発動させたのは、まぁ言うなれば事故みたいなもんだ。そこから自由に発動できるようになったのは、ウェンディが頑張ったから。いやー、あの子結構努力家よ?

 

「滅神奥義! 天叢雲剣!」

「滅竜奥義! 照破・天空穿!!」

 

 滅神と滅竜。神と竜では、確かに神の方が上かもしれない。

 だが、それがどうした。ウェンディはこの三ヶ月、権能(神の力)を操る俺を相手にしてきたのだ。

 

『こ、これは...今度こそシェリアたんダウーン! 勝者、 妖精の尻尾(フェアリーテイル)Aチーム、ウェンディ・マーベルぅうう!!!』

 

 いやシェリアたんてお前(蔑み)

 

 

 




今まで黙ってたんですけど、フェアリーテイルのキャラの中ではウェンディ推しなんですよ(多分周知)


《3日目終了時点 結果》
1、剣咬の虎   34P
2、人魚の踵   32P
2、妖精の尻尾A  32P
4、妖精の尻尾B  30P
5、蛇姫の鱗   26P
6、青い天馬   18P
7、四つ首の仔犬 14P
✕、大鴉の尻尾  失格
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