「ーーーです。つまり、今の貴女に積める善行は仕事をサボらず毎日を過ごすこと。わかりましたか?」
「はい、四季さまー。あたいしっかり反省してますー」

いつもの彼岸。外の世界からたまに流れてくる魂。

死神の少女、小野寺小町は今日もしぶしぶ渡し舟をする。



いろんな作品から死んじゃったキャラや死にかけなキャラの魂がこまっちゃんとからみます。

処女作です。キャラ崩壊やこんなのあのキャラじゃない!って人はブラウザバック推奨です。

それでもって方は是非見てください!

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おはこんばんにちは、亀です。

初めての小説ですが、見てくださると嬉しいです。

感想をくださると回転しながら喜びます。

それでは、楽しんでください!


一人目 彼岸少女

ーーー幻想郷は全てを受け入れるのよ。

それはそれは残酷な話ですわ。

 

ーーー『幻想の境界』 八雲紫

 

とある小さな国の辺境の地、その最深部の古びた神社。其処には誰も気付けぬように張られた大きな結界があった。

結界の名は「博麗大結界」。とある大妖怪と少女が張った強力な結界である。

その結界の中には一つの美しく、残酷な、小さな「世界」があった。

その「世界」は忘れ去られた者達の楽園。

鬼、付喪神、天狗等妖怪達の、楽園。

彼らの願い、人間との共存が叶う「世界」だった。

「世界」は基本的に平和だった。

人間は人間なりの営みを。

妖怪は妖怪なりの営みを。

偶に異変とよばれる事件が起こったり妖怪と人間の間にいざこざがあったりするが、それらは総じて博麗の巫女の手によってすぐに解決されている。

だから、基本的に「世界」…幻想郷は平和だ。

 

そんな平和な世界には外から流れて来るものがある。

それは機械であったり食べ物であったり武器であったり人間であったり、魂であったり。

それらは総じて一つの共通点があった。

それはーーー

 

 

 

「ーーーです。つまり、今の貴女に積める善行は仕事をサボらず毎日を過ごすこと。わかりましたか?」

「はい、四季さまー。あたいしっかり反省してますー」

そこは名も無き河川敷。辺り一面に霧が立ち込め視界は最悪。

きっと昼なのだろうが、霧のせいで明るくない。

そんな中、二人の女性の話し声が聞こえた。

一人はスタイル抜群の赤髪の女性。

河川敷の砂利の上に正座をしてうなだれている。多分もう一人の方に説教されているのだろう。しかし返事は適当。

その彼女を一言で表すなら…

ボン、キュッ、ボン。

………次。

もう一人は女性というより少女であった。

緑髪の少女はまるで地獄の閻魔様が持つような笏を、それこそ閻魔様のようにもち、明らかに年上であろう赤髪の女性を説教していた。

「…はぁ…。それでは小町、私は行きますからね?サボらずしっかりとやりなさい。いいですね?」

「了解です四季さまー」

「伸ばさない」

「きゃん」

四季さまー…もとい四季映姫は笏で赤髪の女性…小野寺小町を叩く。

「まったく…貴女はもっと真面目にやりなさい。はずかしくないのですか?」

「全然はずかしく…いや、はい」

「はぁ…」

四季映姫はため息をついてようやく彼岸へと帰っていった。

後には小町一人が残った。

「やれやれ、四季様の説教癖もここまでになると逆に尊敬ものだねぇ」

自分のサボり癖を棚に上げてぼやきながら小町は立ち上がる。

「さて、久々に真面目に仕事しますか」

そう呟き、地面に置いてあった彼女の身体程ありそうな大鎌に手をかける。

その大鎌は明らかに女性が持てるようなものではない。たとえ力自慢の男性で両手で持ち上げるのがいいところ。しかし小町は片手で軽々と持ち上げると霧の中へと歩きだす。

そうして、河川敷にはだれもいなくなった。

 

 

「ここは…?」

気がた付いたら彼は川の前にいた。

辺りは霧に覆われ、視界がとても悪い。

「私は…?」

ここに至る経緯を思い出そうとするが、まったく思い出せない。

少し混乱する彼だが、少しずつ思い出していくうちに、とある記憶がきになった。

自分は、赤髪の青年に何かを聞く。

その答えに自分は満足し、駆け出す。

そして…

「そうか…。私は、死んだのだな」

自分達御庭番衆は蒼紫様の為、回転式機関砲の盾となり、全身穴だらけになった。そう、自分の記憶は言っている。

「なら、ここは三途の川の前か…」

男…般若は納得する。

「ご明察。凄いね、あんた」

「っ!」

長年の癖で直ぐに身構えてしまう。突然後ろから声をかけられて驚くのは何年ぶりだろう。密偵として短くない時を過ごしてきたので周りの気配には敏感なつもりではある。

「普通の魂は大体まだ混乱してると思うんだがね…。こんな短時間で来た事ない場所まで分かっちまうなんて…。あんたは如何やら普通じゃないみたいだ」

般若を驚かせた人物は、赤髪の若い女性だった。

彼女は女性にしては長身で、何より眼を引くのはそのナイスバd…否、

「その大鎌、かなり重いだろ?そんな物軽々持っている貴様こそ何者だ?」

凶悪な大鎌を彼女は軽々持っている事だろう。

そもそも大鎌なんて物は武器には向かない。リーチはあるが振り回さなければ相手に攻撃出来ない上、近接されると両手が塞がっている為格好の的。さらにかさばるため持っていける場所に制限ができる。

そんな武器を持っているのは二種類。

格好にこだわる阿保か、かなりの達人か。

こんな場所にいる時点で前者はないはずだ。

「賢いあんたならわかるんじゃないか?こんな場所に居て鎌なんて物騒な物持っている奴なんて」

「死神、か」

「そうさ、私は三途の水先案内人、小野寺小町だよ。短い間だがよろしく、賢い密偵さん?」

「…もう私は驚かんからな」

はぁ…と、般若はため息をついた。

しかし目の前の女性に警戒する必要はないだろう、と全身の力を少し抜く。

そんな般若を見て笑いながら言う。

「さっそく彼岸へ送ってやるから私の舟まで来なよ」

「私は金なんかないが?」

ついさっきまで命懸けの戦いをして居たのである。(結局死んでしまったが。)金なんてある訳が無い。

「ん?金?あ、渡し賃か。ならポケットに入ってることが多いけど」

「本当だ…」

「理由はあたいにも分からないから聞かないでくれ」

「分かった」

大方ご都合主義とかなんとかなんだろう、と思いつつ般若は渡し賃を小町に渡す。

舟まで歩来ながら、三途の川を渡るのだからそれなりに見栄えのいい舟なのだろう。般若は勝手にそう思っていた。

「よし、じゃ、乗ってくれ」

しかしそこにあったのは、古い木造りの舟。見栄えは決してよくない。

それだけならまだよい。

「…凄い古いな。大丈夫なのか?これで」

側面に大きな穴が空き、木は腐り、乗った瞬間沈みそうな舟がそこにあった。

「地獄も狭くなって来ていろいろとお金がかかるんだ。舟にかける分なんてないんだよ」

まぁ、沈みはしないから安心しなと苦笑する。

「大丈夫ならいいが…」

「さぁ乗った乗った!」

不安そうな般若を無理矢理乗せた小町は直ぐに舟を出す。

そうして小町と般若を乗せたボロ舟、通称三途のタイタニックは三途の川を渡り始めた。

 

 

 

霧の中、舟は進む。

舟が川を進む音だけが辺りに響く。

どのくらい経っただろうか。

「なぁ、あんた」

突然、小町は般若に話しかける。

「なんだ?」

「あんた、名前はなんて言うんだい?」

そういえば名乗っていなかったと思い、般若は名乗った。

「私は…元、江戸御庭番衆密偵型、般若」

元のところを強調して喋る。

自分はもう死んだ。だからもう、違う。

「般若か…」

「なんだ?」

「いや、聞き覚えのある名前だと思ってな」

小町は少し首を傾げながら思い出そうとする。

「大方役者かなんかと間違えているのだろう。般若なんて名、人につけていい名じゃないからな」

「あんただって人だろう」

「今はもう人じゃない」

「確かにな」

はは、と笑う小町。

そして、こんな事を言ってきた。

「なぁ般若。あんたが悩んでる事ここで話していきなよ」

「私が何か悩んでいるように見えたか?」

聞き返す般若。

「あぁ。一応これでも長年死神やってるからさ、魂は沢山みてきてるんだ。あんたからは後悔の念を感じるんだ」

「私が、後悔?」

するはずがない。

あの時、蒼紫様に拾われたあの時から反省はあっても後悔はない。

後悔しても意味などないし、第一そんな暇はなかった。

「とりあえず話してみなよ。ない訳ない。どうせこっから先は自分の意思なんて関係無しに物事は進むんだ。ちょっとここらでスッキリしておかないか?」

そんな事言われても、と思う。

無いものはない。たった一つも…

いや、後悔はない。後悔は。だが、

「…後悔はないが心残りはある」

「…聞くよ、あたいは」

「私は職業柄、少なく無い数人を殺してきた。そう望まれてきたし、私も後悔はない」

般若の頭にあるのは、蒼紫様と、自分が可愛がった一人の少女。

「しかし、蒼紫様は、操は、幸せだったのか、幸せになれるだろうか」

こんな血に塗れた手に触れて。

こんな顔すら無い男と共にいて。

「今更どうこう言ってもしょうがないが、それだけが、心残りだ」

「…そうか」

小町は静かに頷き、ハンカチを差し出す。

「?なにを?」

「あんた、泣いてるぜ?」

顔に手をやると、確かに濡れている。

もしかすると、泣いたのは物心ついてから初めてかもさはれない。

「…確かにあんたは血に塗れた人生だっかもしれない」

静かに、小町は般若に言う。

「あんたは地獄へ行くだろう。どんな理由があれ、人殺しは地獄行きだ」

「だろうな。私はそれだけの事をしていた」

「でもよ、あたいはひとつ、確かな事を知ってる」

「…地獄での苦しみか?」

自虐的に般若は笑う。

しかし小町は首を振る。

「いいや、違うね」

「なら、なんだ?」

「あんたの大切な人達は、今幸せっていうのがーーー」

瞬間、小町の首に般若の手がかかる。

「…慰めのつもりなら今すぐやめるんだな」

般若は生前は凄腕の拳法家。この位置なら人一人殺すのに1秒もいらない。死神にもきっとその腕は届き得るだろう。

しかし小町は、おお怖い怖いと笑う。

「あたいは慰める積もりもないし嘘も言ってない」

「ならなぜ」

「これが、理由っ」

 

般若は頭を掴まれたのを知った。

自分の反応出来ない速度。

般若は抵抗できず、そのまま顔をーーー

 

「これ、は…?」

「見てわかるだろ?あんたの大切な人達さ」

 

三途の川の水面。

ーーーそこには、とある店が写っていた。

店は賑わい、沢山の笑顔があった。

その人達に般若は見覚えがあった。

「黒尉、白尉、増髪、近江女…」

 

「蒼紫様、操…」

 

「その店ぐらい見覚えあるだろ?」

「葵屋…」

 

「まだ心残りはあるか?」

「…いや、大丈夫だ」

ようやく頭を離して貰った般若は、小町に礼を言う。

「感謝する。最期にいいものを見た」

「いや、あたいは特になにもしてないよ」

あくまで「見た」のはあんただしね、と笑う。

「ほら、ついたよ」

ようやく舟は彼岸に着いた。

「こっからまっすぐ行けば建物があるから中に入ればいい。そうすれば、」

「後は裁かれるのみ、と」

「そういうこと」

「なら、大丈夫だ」

「そうか。じゃ、元気で」

「…それでは」

般若は頭を下げ、歩きだした。

小町はその後ろ姿を見送ると、向こう岸へ戻るため、また舟をだす。

舟はすぐに霧の中へと消えていった。

 

般若は先程見た光景を思い出す。

 

仲間達は、皆笑顔だった。

それだけで、救われた気になった。

般若は生前、こんな話を聞いたことがあった。

「三途の川はこの世とあの世の境界。

だから三途の川を除けばあらゆる場所を見ることができる」と。

きっと自分が見たのもそれだったんだろう。

だから、あの光景は、きっと本物。

 

ここは忘れられた者達の楽園、「幻想郷」。

しかし、偶に忘れらぬ魂が迷い込む。

「幻想郷」は、それをも受け入れる。

それはそれは、美しく、残酷な話。

 

「幻想郷」は今日も平和だった。

 




今回の魂

般若
「るろうに剣心」のキャラ。
亀の中では序盤の敵キャラ最強だと思っている。
般若さんのイケメンさが文字にだせなかった…。

だいたいこんな感じでかいていきたいです。

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