死んでしまった麻婆神父(ショタ)が女神アクアに出会い答えを得てしまった話。


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勢いで書いてしまった。
アクア様、マジで女神。


その日、彼は答えを得たのだ!

 

 

 

そこは恐ろしく静かで、けれど、どこか温かさを感じさせてくれる空間だった。

周りに何もないその場所には一つだけ椅子が置かれていて、そこには見たことも無いほど美しい女性が座っていた。

 

青い髪をした女性は言った。

 

「アナタは死んでしまいました」と。

 

女神アクアを名乗る女性の言葉に私は素直に納得した。

確かに私には死ぬ瞬間の記憶がある。

 

祖父に連れられてやってきた日本という国で暴走したトラックに轢かれそうになっていた少女を守る為に飛び出して、私は死んだのだ。

 

「さて、死んでしまったアナタには三つの道があります」

 

女神アクアは指を一つ立てて言う。

 

「一つは天国的な所に行ってお爺ちゃんみたいな暮らしをすること。まあ、天国っていっても退屈でしょうがない場所だから、おススメはしないわ。死んでるんだから、何かを食べる必要はないし、物も要らない。勿論、エロいことも…って、アナタみたいな子供に言う事じゃないわね。まあ、日向ぼっこと世間話くらいしか出来ないし退屈よ」

 

女神アクアは二本目の指を立てて言う。

 

「二つ目はアナタが死んだ国。日本で転生することよ。生まれ変わりって奴ね。一番ポピュラーな選択肢だわ。…けど、私としてはアナタみたいな美少年が生まれ変わりを選ぶのは勿体ないと思うのよね。生まれ変わったら、顔が変わっちゃうかもしれないし…うん。おススメはしないわ」

 

女神アクアは三本目の指を立てて言う。

三つ目の提案は前の二つとは違い、瞳を輝かせ子供の様な無邪気な笑顔を浮かべながら言った。

 

「三つ目はおススメよ。アナタが居た世界とは別の世界に行くの。別の世界でアナタは今の身体と記憶を持ったまま転生者として生きるのよ。まあ、その世界には魔王とか魔物とか物騒な奴らがいるけど、私が転生特典を持たせてあげるから心配いらないわ。それに異世界には私こと女神アクアを信仰しているアクシズ教という宗教があるの。私の可愛い教徒達はみんな良い子だからアナタを助けてくれる筈よ。アナタ美少年だし」

 

---という訳で異世界に行きましょう。そうしましょう。

 

そう捲し立てる女神アクアに私は困り顔で言う。

 

「あの、少し待ってください」

 

「あら、なにかしら?」

 

「いくつか確認したいことがあるのですが…その日本で生まれ変わるというのは、文字通り、別の誰かに成れるという意味ですか?記憶も身体も、()()も、変えることができますか?」

 

「出来るわよ。記憶は失っちゃうし、姿形も別の両親から生まれることになるから、多分、今とは違うものよ。生まれも何も違うんだもの、感性?…それが何かわからないけど、多分、変わるんじゃないかしら」

 

それはとても嬉しい。あるいは救いですらあると私は息を飲んだ。

 

---物心ついた時から抱えていた悩みを転生することで捨てることができるのなら。

 

「なら…私は…--

 

「けど、ね」

 

私の言葉を遮るように女神アクアは文字通り女神の様な憂いを帯びた表情でいう。

 

「もしもアナタが、今の自分を捨てる為に転生を選ぶのなら、それはとても悲しいことだわ」

 

「…」

 

女神アクアの言葉に私は言葉を失う。

 

「アナタがどういう人生を歩んできたのかは私は知らないわ。女神と言っても全人類の人生を眺めている程、私は暇じゃないもの。だから、アナタの抱える悩みを私は知らない。けどね、私はこう思うのよ。アナタみたいな美少年の人生が、否定されるようなものではない筈ってね」

 

女神アクアは女神の様に微笑んだ。

私は生まれて初めて、目頭が熱くなるのを感じた。

 

「…しかし、私は…」

 

「いいわ。なら、懺悔なさい。この女神アクアがアナタの懺悔を聞いてあげるわ。だから、アナタが抱えた罪を告白しなさい。人の子よ」

 

椅子から立ち上がった女神アクアには後光がさしていた。

私は女神アクアの前に跪き、誰にも言えなかった悩みを打ち明ける。

 

 

---”お前たちが幸福と感じるものが、私には幸福と感じられなかった”---

 

 

「私は…破綻者です。教えてください。女神アクア。…何者にも望まれぬモノ。生まれながらに悪であるモノに、生きる価値と、生まれる事に意味はあるのですか」

 

 

私は女神アクアに問いかけながらも、答えなど返ってくるとは思ってはいなかった。

私の価値観。生まれながらに抱いていた欠陥は、神と呼ばれる者達にとって許せないモノだという事を私は理解している。

ならば女神アクアは私を消すだろう。

それが神だと信じていた。

 

けれど、女神アクアは---

 

「アナタは悪くないわ」

 

「…なにを?」

 

「破綻とか?難しいことはちょっと私にはわからないけれど、未来のアクシズ教徒であるアナタはきっとやればできる子よ。やればできる子なのだから、出来ないのはアナタが悪い訳じゃない。そう、出来ないのは世間が悪いのよ」

 

「世間が…悪い?」

 

「そう。それに生まれる意味に生きる価値?そんなモノはアナタに限らず誰にだってありません」

 

「…誰にも生きる価値などないのですか?」

 

「ええ。まあ、無いというよりもきっと()()()()でしょうけどね。いい、よく聞きなさい。未来のアクシズ教徒である美少年」

 

 

 

「未来の貴方が笑っているか。それは女神である私ですらわからない事よ。だから、せめて今だけでも笑いなさい」

 

 

 

「その年で生きる意味とか生まれた意味とか難しいことを考えちゃ駄目よ。無表情の美少年も絵になるけど、笑った方が可愛いわ」

 

「けど、私は破綻者です。そんな私が、愉悦を得るなんて、きっといけないことです」

 

「うーん。…アナタその年で特殊性癖の持ち主なのかしら…まあ、けど、別にいいじゃない」

 

「いいのですか?」

 

「ええ。汝、巨乳を愛しなさい。汝、貧乳を愛しなさい。同性愛者でも、人外獣耳愛好者でも、ロリコンでも、ニートでも、そこに愛があり犯罪でないのなら、女神(わたし)は全てを許します。だから、アナタはもう悩まなくていいのよ」

 

女神アクアはそう言って跪く私に手を差し伸べてくれた。

 

「アナタは少し悩み過ぎね。何かに悩む位なら、今を楽しく生きなさい。楽な方へと流されなさい。自分を抑えず、本能の赴くままに進みなさい」

 

「…本能の赴くままに」

 

「ええ、そうすればきっと生きることは楽しいって思える筈よ」

 

「…愉しいと思える」

 

 

 

---生まれながらに悪であるモノが、有りの侭生きることに罪はあるのかどうか---

 

 

 

「そして、楽しいと思えたのなら、我慢せずに笑いなさい。良いわね?」

 

 

 

---私はその時、答えを得た。

 

 

 

「それじゃあ。送るわ。良いわね」

 

「はい。…女神アクア。ありがとうございました。私は貴女に救われました。この御恩、必ずお返しします」

 

「えへへ、別にいいわよ。可愛い信者達を導くのは私の役目だもの」

 

「そんな謙虚に…女神アクア。なんて慈悲深く美しいのでしょう」

 

「でへへ。そんなに褒めないでよ。もう!それじゃ、後も詰まっているし、名残惜しいけど、送るわ」

 

 

 

「それでは、言峰綺礼。幼くして死んでしまったアナタを異世界へと送ります。魔王討伐への道はきっと辛く苦しいものになるでしょう。アナタの様な美少年を虐めることは私の趣味ではありません。なので、転生と共にアナタにはこの言葉を送りましょう。

 

---言峰綺礼。アナタになら、もしかしたら、世界を救えるかも知れません。けれど、アナタは別に、世界を救わなくてもいいのよ」

 

 

 

こうして後に魔王よりも魔王らしいと呼ばれることになるアークプリーストが誕生した。

 

 

 

 





アクア様の好きな子(信者)は全力で甘やかしていくスタイルが大好きです。


続かない。

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