偽伝・機動戦艦ナデシコ T・A(偽)となってしまった男の話   作:蒼猫 ささら

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この回で終わらせたかったのですが、もう一話続きます。それと今回はギャグ回とは言えない内容になってしましました。すみません…orz


第二十一話―――反撃…?

 

 助けを待つか、脱出してルリちゃんを援護するか……このどちらかだが、出来れば後者を選びたい。

 しかし、脱出できたとしてもセキュリティがユリカ嬢達の手中にある以上は、通路で隔壁を下ろされてまた閉じ込められる可能性が高い。

 

「そうなったら撹乱もルリちゃんの援護も無理だ。……いや、」

 

 ルリちゃんが侵入したとして先ずどう動く? ゴートさんはどう指示を出す?

 

「……」

 

 待つべきだ。恐らくルリちゃんはセキュリティを落としに動く。その時にこっちも動くべきだ。

 その為には、セキュリティが落ちたかどうか察知できるようにしないと。

 そう考えて俺は、手足が拘束された状態ながらも身体を転がし這わせ、出入り口の大きい搬入用ハッチの脇に位置するドアまで近づくと、そのドアに寄りかかるように背中を預ける。

 

「…ふう」

 

 手足を動かせない状態でドアまで移動した所為か、少しばかり変な疲れを覚えて息を吐く。

 背中にあるドア……その向こうに意識を向けて目を閉じ、耳を立てる。

 幸いにもハッチの方とは違い、ドアには然程厚みは無い。此処が日常雑貨や生活用品を収容している倉庫である為だ。

壁やドアが厚く頑丈であろうと、艦の維持に必要な各種機材や精密機器、危険な弾薬や薬品などがある資材庫を営倉代わりに使う訳にもいかない為だろう。

 

「…――だ。いつ…でこうしてい…ば」

「交代まで…ろ? なら…何かゲームでも…るか?」

 

 ボソボソと話し声が聞こえる。予想通りドアの傍に歩哨がいて、そいつらの会話も拾えた。

 よし! と小さな成果だが内心でガッツポーズを取る。何か動きがあればこいつらから察知できる筈だ。

 にしても――

 

士気(モラル)は高くないようだな」

 

 会話の他、本当にゲームをやり始めたらしく、何やら電子音やBGMめいたメロディーが聞こえた始めた。

 ユリカ嬢は本当に本気だと言いはしたが、やはり真似事……反乱“ごっこ”の域を出ないという事か。

 やれやれと呆れて肩を竦めたくなるが、これもチャンスだと素直にありがたくも思う。

 

「……運が良いのか、悪いのか」

 

 何となくぼやき、ドアに寄りかかってヤンキー座りのような姿勢を取り、拘束された腕を身じろぎするように動かして、脇の方へ滑っていたそれを手の平の中へ落とす。それの“柄”を握って上着の袖口から“刃”の方を引き抜く。

 ルリちゃんに出前を頼まれた所為もあって人質として巻き込まれた感がある訳だが、そのお陰でデザートに出す果物を切る為に持って来たそれを――小ぶりのナイフを隠し持ってこれた。

 

「咄嗟だったけど」

 

 銃を手にブリッジに現れたリョーコ嬢を目にした際、役に立つかと一応持っていたナイフをシューターを滑っている時に撒くっていた上着の袖を伸ばし、ナイフを滑り込ませて脇に挟んだ。流石に少し切ってしまったが……二の腕と脇の当たりに鋭い痛みを覚える。

 けど、これがあれば手足を拘束するハンドカフは切り外せる。反乱ごっこの真似事なのも助かった。身体検査をされずに済んだのだから。

 監視カメラに映らないように背中と寄り掛かるドアを影にしてナイフを握り、手首を縛るナイロン製のハンドカフに少しずつ慎重に切れ目を入れる。

 一気に切ろうとしないのはまだ早いからだ。耳を澄ませて機を待つ。

 

 

 ◇

 

 

「ジミー、頼みましたよ」

 

 ゴートさんから預かった手の平サイズの小さなケースを取り出して、収まっていた小さな機械に呼び掛け、私は右手で軽く触れてIFSを通して起動させる。

 IFSの他、コミュニケと多目的ゴーグルともリンクさせて、その小さな機械…コバエほどのサイズの機械の虫(ジミー)を飛ばす。

 ジミーをイメージでコントロールして1m先にあるダクトの出口――とある部屋の天井にある通気口を覗かせる。その際、通気口から出過ぎないように注意する。このサイズのドローンでもナデシコのセキュリティシステムは検知できる。

 

「……」

 

 五分ほどジミーが捉えた映像をゴーグルを通して観察し、

 

「…二人ですか」

 

 動きは無く、青い制服を着た二人の整備士が通気口の方を警戒して……いえ、そうとも言えませんね。その二人は呑気に取り留めのない雑談に興じており、通気口への警戒は皆無と言える。

 

「はぁ…」

 

 思わず溜息を吐く。艦長が指揮を執っている事から気を張っていたのですが、それが馬鹿らしく思えた。

 

「だらけ過ぎです」

 

 こちらとしては助かるものの仮にも警戒態勢の中。……もし私の下(ナデシコC)でこんな体たらくであったら説教では済ませない所です。

 呆れと若干の憤りを覚えながらも、私は通気口の傍まで移動して腕にしている物とは別に、ポーチからベルトの無いコミュニケを取り出して操作。ジミーの視界情報とリンクさせて……、

 

「……これで大丈夫ですね」

 

 コミュニケが機能したことを確認すると、次に胸元から小ぶりのCQCナイフを抜いて、通気口を閉じている格子蓋の隙間に突き刺し、蓋を固定している接合部を切断して行く。

 エステバリスのイミディエット・ナイフと同様の原理を持つバッテリー内蔵の高周波振動ナイフなだけに、柔らかいバターでも切るかようステンレス製の格子蓋が切れて――

 

「――っと!」

 

 外れて床へと落ちそうになるそれを慌てて掴む。

 繋がりを僅かに残した所で隙間に差し込んだナイフで梃の原理を使ってこっちに持ち上げる積りでしたが……危なかった。

 一応、ジミーの視界で確認し…ホッと息を吐く。

 『コミュニケを応用した仕掛け』のお掛けで、見張りは通気口の蓋が外れた事に気づいていない。

 私も自身の腕に付けた改良型コミュニケにインストールしたアプリを作動させ……それでも万一を考えて見張りの視線が通気口から外れた隙を見て、ダクトから降り立つ。

 

「ん?」

「なんだ?」

 

 タンッと私の軽い着地音が周囲に響く。しかし、

 

「……?」

「気のせいか?」

 

 通気口の方と私が居る方を訝しげに見つめるが、ただ首を捻るだけだ。

 そして数秒後には何も無かったかのように雑談に戻る見張り達。

 生じた数秒間の緊張から解放されて内心でほそく笑む。どうやら上手く行ったらしい。

 そう声にも出さずに呟き、今降りた通気口の方を一瞥する。

 

「…」

 

 外した筈の格子蓋は嵌ったままで何も異常はない……――ように見えるが、それは映像だ。ジミーの視界を経由してコミュニケのスーパーウィンドウを使って光学迷彩を展開している。

 そして私も同様だ。ウィンドウを応用した光学迷彩。この時代、ネルガルしか持たない遺跡由来の能動的スキャン方式カメラ技術を転用したこの迷彩は、常に360度周囲の光景を捉え、その捉えた光景を処理して自分を隠すようにウィンドウを投影する。

 赤外線隠蔽もほぼ完璧で熱感知は勿論、同じスキャン方式のカメラを使ったナデシコのセキュリティも誤魔化せる。

 

「…この時代ではまだ研究途上の技術なのですけどね、本当なら」

 

 既存のコミュニケでも僅かな改良とソフトウェアを…アプリケーションを追加するだけで済む事と、この状況の為にやむを得ず作った訳ですが、ネルガルでも研究途上の物の“答え”を出したことに不審を持たれそうです。

 

「ゴートさんもプロスさんも技術畑の人間ではありませんから、気付かないでしょうけど」

 

 この件が地球に報告されて帰った時に一悶着あるかも知れませんね。小さく呟き溜息を吐くも頭を振って思考を切り替える。

 さて、と…周囲を見回して目的の物を見つける。整備士の控え室であるここにも端末がある。コミュニケの不備など際に連絡に使うものが。

 

「……」

 

 見張りの動きに注意しつつ、音を立てずに壁に設置されているその端末の近づき、モバイル式IFSコンソールを取り出してケーブル端子を接続。

 

「すぐに気づかれるでしょうが…」

 

 端末を介して機関区にあるサブコンピューターへとアクセスする。

 このアクセスとハッキングは探知されて、艦長権限で変更された緊急用プロテクトを解除するのは恐らく無理でしょうが、最低限、セキュリティ落とすウィルスは流し込める筈です。

 

「…! やはり気付かれますか、ですが」

 

 ウィルスは流し込めた。直にセキュリティはこれで落ちる。ケーブルを外して端末を素早く片付ける。同時に、

 

「え…此処に?」

「なんだって!?」

 

 端末に操作しながらも視界に入れていた見張り二人が驚き、慌てふためく。二人は耳に手を当てており、そこにインカムを装着しているのは確認済み。コミュニケが使えない代わりにという事だ。

 艦長からか、それとも他の誰かか、予想もしない連絡が入った事で見張りは慌てた様子で端末があるこちらへ近づいて来て、

 

「…ま、侵入が察知されるのは予定通りです」

 

 呟くと、右肩に固定されているナイフケースから左手でナイフを抜き、姿が見えない私の方に無防備に歩み寄って来る二人へと踏み込んだ。

 

 

 ◇

 

  予備のCICとしての機能を有する機関区にある作戦室にてミスマル・ユリカはジッと佇み、中央の端末卓に浮かぶウィンドウ群を見つめていた。

 時折上がる定時連絡に異常を訴えるものはない。各所を映すウィンドウにも問題らしき光景は見えない。

 いや、見張りに付き、巡回に入っている人員がお喋りに興じて警戒が疎かになっているのは非常に問題であるのだが、

 

「むー…」

 

 ユリカは不機嫌そうに唸る。

 幾ら注意を呼び掛けても共に蜂起した“同志”達は真面目に受け取らない。

 しかしそれも仕方のない事だ。ホシノ・ルリが侵入…それも単独で占拠した機関区に忍び込んでくるなど同志達にとっては信じられないのだ。

 同志達のルリへの認識は、優秀なオペレーターであるが無力な子供に過ぎない。

 その子供である筈の少女の異様な戦闘力を理解しているのは、パイロット達とゴート・ホーリーのみだ。他はブリッジを制圧しに行き、捕縛されたウリバタケ・セイヤと整備士二名ぐらいだろう。

 警戒を呼び掛けたユリカにしてもパイロット達からの又聞きだ。それでも彼女はそれを信じたが。

 

「……仕方ないかな?」

 

 同志達は元々民間人。そしてやはり警戒すべき相手も子供。どうしたって油断が出来る。ましてや訓練を受けた軍人ではなく、加えて実戦でもない以上は、士気を維持するのは困難なものだ。

 

「何か少しでも不審な事があったら、すぐに報告するように通達して下さい」

 

 取りあえずは、そう再度呼びかけるしかない。

 

「はい、艦長」

 

 同志を纏めるリーダーの指示に、おさげを揺らしながら振り返って応える通信士…同志メグミ・レイナード。

 ブリッジクルーの一人でもある彼女もまたこの蜂起に加わっていた。理由はユリカと同じだ。

 例の契約の束縛があっては目当ての彼と仲を深めるのに差し障りがある。それでは困る。だからメグミもまた同志となった。

 端末を操作して艦内放送ではなく、通信機(インカム)を通じてユリカの指示を伝えると、メグミは再度振り返って同志ユリカに尋ねる。

 

「いっそルリちゃんもこっちに誘ったらどうです。あの子も私達と同じです。蜂起した事を理解してくれて賛同してくれると思いますけど」

 

 男女の接触を大きく制限するあの契約はルリにとっても煩わしいものである筈だ。そう考えて提案したのだが。

 しかし同志メグミの提案にユリカは首を振る。

 

「無理だと思うよ」

「え? どうしてです。あの子も――」

「ううん、違うよメグちゃん。あの契約がある事はあの子にとってはむしろ有利なの」

 

 ユリカは話す。

 

「ルリちゃんはまだ11歳の子供。私達と違って手を繋ぐ以上の行為は非常に限られる。仮にそれ以上の事をして、もし周囲に知られたらアキトに迷惑が掛かる事も理解している」

 

 つまりルリには元からあの契約に意味はない。年齢的に見てしようにも倫理的に許されないのである。

 

「それに例え(ルリちゃんから)キスしたとしても微笑ましく見られるだけだと思うし」

 

 とある整備士たちから聞いたプロスぺクターの話を脳裏に浮かべながらユリカは答えた。

 

「……なるほど、ルリちゃんにとって不利にはならない、というのは分かりましたけど、有利と言うのはどういう事です?」

「私達が契約に縛られている事」

「あ、」

 

 問い掛けに返った言葉にメグミは驚いて軽く目を見開く。

 

「そういう事ですか。男性へ…テンカワさんへのアプローチが制限される訳ですから」

「うん、ルリちゃんにとっては邪魔な女性(わたしたち)がアキトを距離を縮められるの抑えられて、誘惑される心配も減る訳。アキトも真面目だからそういった契約は厳守するだろうし」

 

 契約を盾にアキトを守れて、厄介な大人の女性達も牽制できるという事だ。加えて言えば子供であるルリは、本来は不利であるその事を利用して契約の隙間を縫うようにアキトと接するだろう。彼に好意を寄せる他の女性を尻目に。

 

「だから、あの契約はルリちゃんにとっては有利なものなの」

 

 その事はルリ本人も理解している。賢いあの子の事だから…とユリカは確信を持ってそう言える。

 

「……うん、だから、だから必ずあの子は来る」

 

 この蜂起を阻止しに、ネルガルの不当な権力(けいやく)同志(わたしたち)に強いる為に。

 

「! これは…っ!?」

 

 ユリカの言葉に答えるようにその報告が来た。

 

「サブコンピューターに不審なアクセスを感知! 場所は――」

 

 ユリカの権限で掌握したサブコンピューターの管理と、セキュリティの監視を任せていた整備士クルーが報告を上げる。

 

「映像を出して! それと直ぐにそこにいる同志に確認を!」

「は、はい…!」

 

 ユリカの指示にメグミが連絡を入れ、数秒後に監視映像も浮かぶ――が、

 

『お休み』『休み』『おやすみ』『一時停止』『使えないよ~ん』『お休みしてね』

 

 浮かんだ映像は消えて、そんな文字が書かれた奇妙なウィンドウが室内のあちこちに展開する。

 

「!?」

 

 展開したウインドウには、思兼という文字が入った銅鐸とデフォルメされた銀色の髪を持った少女のイラストが描かれている。

 

「やられた!」

「セキュリティが落とされました! ウィルスです!!」

 

 少女のイラストを見て察するユリカに一瞬遅れて、端末を操作する整備士が状況を叫んだ。

 

「く…! ルリちゃん!」

 

 してやられた事に悔やむ。しかしユリカは続けて指示を飛ばす。

 アクセスのあった位置に増援を送り、一帯を封鎖するように人員を回して連絡を密にするようにと。同時に考える。

 緩んでいたとはいえ、通気口の近くには見張りが付いていた。それに気づかれずにどうやってダクトから抜け出て、セキュリティにも引っ掛からずに端末からサブコンピューターにアクセス出来たのか……――!

 

「――各員に通達! 侵入者は光学迷彩を使用していると思われます。各班最低一名には熱感知器(サーマルゴーグル)を着用させて下さい。熱源対応タイプの可能性もありますから些細な物音と空気の流れにも注意するように!」

 

 真っ先にそれが頭に浮かばなかったのは、本来ならそれはナデシコには無いものだからだ。光学迷彩などという軍でも配備が限られる装備は、特殊部隊などのごく一部が使用する物だ。

 その特殊部隊の出自であるゴート・ホーリーが秘密裏に持ち込んだものかと考えてユリカは指示を出す。

 ナデシコのセキュリティにも感知されない高性能な迷彩となると気休めにしかならないが、そう警戒を呼び掛けるしかなかった。

 

「セキュリティの復旧は!」

「全力をもってウィルスの除去に当たっていますが……ああ、くそ! 駄目だ。手持ちのツールじゃ場当たり過ぎて、……すみません、艦長。直ぐには無理です」

 

 焦りと険しい表情と見せるクルーの返答にユリカは静かに頷き、復旧は当てにしない方向で対策を考える。

 

「まだ、まだ終わってないよ、ルリちゃん」

 

 姿の見えない少女の姿を幻視し、ユリカはまだ勝負は決していない!と強く拳を握り締めた。

 

「機関区にある全ての端末からの回線は遮断して下さい。それで再度サブコンピュータにアクセスされる心配は無くなります。それと閉鎖した隔壁の前にも人員を増強します。侵入者に呼応して強引に破って来る可能性もありますから」

 

 

 ◇

 

 

 狼狽える歩哨の声を聞いた俺は直ぐに行動に出た。切れ目を入れた拘束を完全に切り外し……立ち上がらせた身体を扉に向けて上着を脱ぎ。開閉スイッチを押す。

 軽く空気が抜けるような音がして予想通り扉が開いた。

 

「「なっ!?」」

 

 ロックされていた扉が開いた事でセキュリティが落ちた事を確信しつつ、驚き固まる歩哨の姿を確認。これまた聞こえる声から予想していた通りに二人一組(ツーマンセル)だ。

 左右に立つ歩哨達が硬直している隙に先手を取る。

 右の歩哨に対して脱いだ上着を広げて被せるように投げ掛け、同時に踏み込んで左の歩哨に対して右足を跳ね上げるように伸ばす。伸びる足、俺が繰り出した前蹴りに歩哨は咄嗟に後ろに下がって避けようとするが――遅く。

 

「ゴフッ!?」

 

 右足のつま先が歩哨の腹へと突き刺さる。

 空かさず戻す右足の着地させる勢いを利用して震脚を真似て踏み込み、呻き前屈みになった相手の頭を両手で抱え込むように掴むと、左膝をその抱え込んだ頭へ…顔面へ叩き込む。

 

「が…ッ!」

 

 ゴキッと何かが砕ける感触を膝に覚えるが、気にせず左足を付けると同時に素早く右へと向き。頭から上着を被ったもう一人の歩哨へと再度右足で蹴りを放つ。今度は股間に向けて、

 

「――ぐふっ!!?」

 

 視界が塞がっていた所為で避ける事も防ぐ事どころか、身構える事も出来ずにほぼ無防備に俺の足先が相手の股間にめり込む。

 上着の下から聞こえるくぐもった呻きを聞きながら、不意に目に留まった歩哨の右手から滑り落ちる物に手を伸ばし――床に落ちる前に左手でキャッチ。手の中に納まった物のスイッチを入れて歩哨の身体に押し当てる。

 

「はが…ッ、ばッ!?」

 

 押し当てられたスタンガンから電撃を受けて歩哨は痙攣しながら崩れ落ちた。それを尻目に、先程鼻を潰し白目を向いて倒れた歩哨へも一応スタンガンを押し当てる。

 やはりこちらも痙攣して直ぐに動かなくなった。

 

「…ふう」

 

 サッと周囲を見回して、他に誰もいないのを確認して溜息を吐く。

 左手に収まったスタンガンを改めて確認する。結構大きいスパークが見えた事からかなり強力っぽいが、俺が上着を被せる直前に抜いたのか……もし押し当てられていたら即ゲームオーバーだった所だ。

 気を失いつつも痙攣し、口から僅かながら泡を吹いている歩哨二人を見て冷や汗を掻く。

 

「さて、直ぐに此処から離れたい所なんだけど…」

 

 少し考え……――

 

 

「ふう…」

 

 再び息を吐く。

 歩哨二名を俺が閉じ込められていた倉庫へと運び、倉庫の中にあった雑貨類からナイロンの紐を見つけ出して上着を脱がせて拘束し、同じく倉庫にあったタオルで猿ぐつわをした。

 今にも誰か来るか…という緊張はあったが、幸いにもその様子はない。奪ったインカムから時折呼びかけはあるが、作った声で「異常無し」などと答える事で何とか誤魔化せているらしい。

 

「…というか、メグミ嬢まで参加していたんだな」

 

 インカムから聞こえる意外な声に驚かされた……のだけど、まあ動機はユリカ嬢と同様なのだろうと推測は付いた。

 だとすると、サユリさんも居そうだな。いや、そうするとホウメイガールズの全員が……それもありそうだ。

 

「……」

 

 リョーコ嬢達も原作通りに居たし、見知った女性がほぼ揃って反乱に加わっていそうな予感に溜息が零れそうになるが、それよりも……

 

「オイ!」

「……う…ぐ」

 

 パンッと大きく頬を打って、さらにバケツに入れたミネラルウォーターをぶっかける。バケツもミネラルウォーターもやはりこの倉庫にあったものだ。

 

「……いづ…っ」

 

 張り手の痛みと水の冷たさに目を覚ます元歩哨。鼻が潰れた痛みもあるだろう。青い制服であった事から整備クルーだ。

 正直、余りこういう事はしたくないがこの馬鹿騒ぎを早く終わらせる方が先決だ。

 

「大声を出すな、静かに答えろ」

 

 ナイフを首元に当てて冷たくドスの籠った声で告げる。顔も冷酷さを装う。

 

「俺以外の人質は何処にいる?」

「……」

 

 目覚めたばかりでまだ頭が働いていないのか、それとも状況を理解出来ていないのか、目を白黒させる整備士。

 その様子に構わず俺はナイフの握った柄を容赦なくそいつの折れた鼻に叩き付ける。

 

「ぐあ…ッ!?」

「これで目が覚めたか? もう一度聞く。他の人質は何処にいる?」

「…っ、……ぁ」

 

 整備士は鼻から血を流しながら何かを言いたいのか口をパクパクさせるが聞こえない。俺は敢えて苛立ったように見せて、今度はスタンガンのスイッチを入れて軽めの電撃を押し当てる。

 

「ああ…っ!!?」

「三度目の正直だ。素直に答えろ。はっきりと、確りとな」

 

 痙攣して悶える男に眉一つ動かさずに冷然と尋ねる。

 

「わ、分かった。…言う、言うから」

 

 声と表情に怯えの色を見せて応じる意思を見せる。

 思った以上に早く“素直”になる整備士に内心で安堵するが、やはり良い気分ではない。殆ど見様見真似だし、こんな尋問…いや、拷問めいた事をしたのは過去にカッとなったあの時の一度だけだ。

 

「……」

 

 思い出しそうになるそれを首を振って追い出す。嫌な思い出であるし、今は関係ない。

 ルリちゃんにこういう事を見られたらという思いも過る。

 

「まったく、この馬鹿騒ぎをやっている中で敵の襲撃を受けたらどうなるのか分かっているのか、お前ら? 自動迎撃システムは動いているようだけど、それだけで対応できない攻撃が来たら――…! って、そういう事なのか!?」

 

 気分がささくれ立った所為か、つい本当に苛立った感情が出て説教めいた事を言い――気付いた。ユリカ嬢の狙いはそれか。

 すると整備士も俺の言葉から何やら察したのか肯定の頷きを見せる。

 

「あ、ああ…。本格的な攻撃が来たら何時までも機関区を閉じている訳には行かない、プロスさんは艦長や俺達とこうしていざこざを起こしている所ではなくなる……艦長はそう言っていた」

「で、それを交渉材料にする積もりなんだな」

 

 敵襲を盾にプロスさんに反乱グループの提示する条件を飲ませる。本格的な攻撃であれば、可及的に速やかな決断が求められる。そんな状況であれば確かにプロスさんは頷かざるを得ない。

 そして乗員が皆が聞いている状況では、ただの口約束であろうと後から反故には出来ないし、一度約束した事を破ること自体、プロスさんの主義にも反するだろう。

 

「ユリカの奴も意外に喰えないな」

 

 天然で人が良い幼馴染らしからぬ思考に驚きを覚えつつも少し感心してしまう。プロスさんの性格を読んでのその計画なのだろうから。

 とはいえ、僅かな対応の遅れが致命傷になりかねないのが戦闘だ。反乱騒ぎの中で突発的な戦闘となれば、対応の切り替えが上手く行くかどうかは不安がある。

 アイツの事だからそれを理解していないとは思えないのだが……いや、あのグルグル眼を思い出して首を振る。

 何となくそこを計算に入れていない気がした。

 

「ともかく、人質は何処だ。この馬鹿騒ぎをとっとと終わらせる。万一にも対応が遅れて撃沈なんてのは洒落にならないからな。俺も勿論そうだが、お前だって死にたくはないだろう」

「……鼻を折られて今にでも死にそうなほど痛いんだが」

「痛みがあるのは生きている証拠だ。余計な事を言わずにとっとと言え。……まあ、悪かったとも思うけどさ。だけど自業自得なのも分かるだろ」

「……」

 

 皮肉気な言葉を向けたのは精一杯の強がりだったのか、俺の言葉を受けて整備士の男性は諦めたように肩を竦めると素直に人質の居所を口にした。嘘を吐いている様子はない……と思う。

 

「…悪いがまた眠らせてくれないか。ソイツの電撃はきついが今ある痛みの方が辛い。この騒ぎが終わるまで寝ていたい」

「言われなくともそうさせて貰うさ」

 

 諦めた口調で言う整備士に従う訳ではないが、目の前の男の身体にスタンガンを押し付けてスイッチを入れた。

 

「…少し時間を喰ったな」

 

 必要な事だったとはいえ、それなりに時間を消費した。

 耳に着けたインカムからはメグミ嬢が反乱グループへの指示を出す声が聞こえる。

 

「ルリちゃんは侵入に成功してセキュリティはダウン。復旧の目途は無し。……光学迷彩なんて物まであったのか」

 

 耳に入る状況を整理しながら装備を点検する。

 奪ったインカムとスタンガンの他、オートマチックの軍用拳銃もある。口径は10㎜。装弾数は13発。弾種はブリッジでゴートさんが使った弱装弾っぽいプラスチック…いや、やっぱりゴムスタン弾か。外したマガジンの上部から覗く弾丸を見てそう判断する。

 マガジンを差し込んで銃身をスライドして初弾を装填。同じく奪ったホルスターへとしまう。セーフティーは入れない。

 銃の扱いはゴートさんの指導で学んでいるが一応、元の世界でも中国や中南米なんかで射撃の経験はある。…流石に人に向けたことはないが。

 二人から一丁ずつ手に入ったので腰と左脇に持つ。予備弾倉は計六つ。持っていたナイフはケースがないので上着の袖の下にテープで巻いて隠しておく。もしまた捕まったら役に立つかも知れない。

 ちなみ今着ている上着は“青色”だ。拝借させて貰った。ついでにサングラスも倉庫にあったので同様に借りて、髪も見つけた整髪料で固めてオールバックにした。

 元来ていた上着は捨てて置くか迷ったが、こいつらが持っていたポーチに幾つかの雑貨と一緒に詰め込んで持って行く事にする。

 

「これでこいつらが見つかるまでは誤魔化せるだろう」

 

 スタンガンで気絶させ、猿ぐつわを噛ませて拘束した二人を尻目に倉庫のドアを潜る。

 余り上等とは言えない変装とツーマンセルではなく一人で行動している事に不審を持たれそうな不安はあるが……成るようにしかならない。

 

 一抹の不安を殺して俺は機関区の通路を進み出た。

 

 

 ◇

 

 

『ホシノ、どうだ』

「はい、人質の場所は分かりました」

 

 ゴートさんからの連絡に応える。

 端末の回線が切断されるのは予測通り、それで場所が分からないのなら直接人から聞き出すだけだ。

 

「少し手荒な事をしましたが…」

 

 そう言い、私は目の前で便器に寄り掛かって気絶している男性を見る。此処は機関区にある女子トイレの一つで、その個室の中だ。

 やはりナデシコの人員は民間人の所為か警戒時の動きが徹底されていない。

 この男性もそうだ。二人一組(ツーマンセル)か、四人一組(フォーマンセル)で行動すべき所を愚鈍にも一人で動いていた。どうやら組んでいた人間とバラけて私を捜索していたらしい。

 そこを、このトイレの前を通りかかった所で背後から膝裏を蹴ってバランスを崩してやり、頭の位置が私の背丈まで落ちた瞬間に首を絞めてここまで引きずり込んだ。

 勿論、抵抗されたがダクトから出たあの部屋に居た見張りを気絶させたスタンナイフを使って、気を失わないように適度に電撃を与えて大人しくさせた。完全に気絶させなかったのは、尻餅を着かれては私の腕力では持ち上げられなくなるからだ。

 このように一人で行動してくれていたお陰で、恰好の尋問相手を捕まえられた訳ですが……どうもスッキリしない。

 

『艦長と違って、他の連中はホシノが侵入者という事で油断があるのだろう。だとしてもしかし……定期的に訓練を行うべきだな、これは』

 

 ゴートさんも同様の思い…いえ、保安担当故に私以上に憂鬱そうに通信越しで溜息を吐いた。

 

『まあ良い、人質の場所が分かったのは幸いなのだからな。直ぐに向かってくれ』

「了解」

『それと予定を変更してこちらも動く事にする』

「…? 隔壁を破るのですか?」

『…………ああ、今突入部隊の隔壁前へと移動させている』

 

 若干返事に間があった。隔壁だけとはいえ、なるべく艦内を傷つけるのを避ける為、サブコンピュータを奪還してから突入部隊を動く筈でしたが……ゴートさんは微かに額に汗を浮かべており、その背後にはミナトさんの姿がある。ゴートさんをジッと睨む感じで。

 どうやらミナトさんに催促された模様。

 

「大変ですね、ゴートさんも」

『……』

 

 事情を察して僅かに同情して言うもゴートさんは無言だ。お遊びのような反乱騒ぎとはいえ、私を一人で送り出した事で相当絞られたらしい。屈強な大男が女性に問い詰められてタジタジしている姿が頭に浮かんで思わず頬が緩む。

 クスクス笑う私にゴートさんは憮然とするも、誤魔化す様に咳払いして話を続ける。

 

『……だが、人質が居ては突入部隊の動きは鈍くなるのは避けられない。だから――』

「――私が人質の救出に動くと同時に……という事ですね」

『その通りだ。お互い間接的に援護(フォロー)し合う形で行こうと思う』

「分かりました。こちらから合図の連絡を入れます」

『そうしてくれ』

 

 ゴートさんと私、お互いの思考を読み合って同意して頷いた。

 

「やっぱりゴートさんの戦闘指揮はやり易いですね」

 

 通信を切ると私は何となしに呟く。

 『南雲の乱』の時もそうでしたが、その後も何度か特務でゴートさんは私の(ふね)へ……ナデシコCへ乗艦する事があり、その度に戦闘指揮も任せていた。言葉を多く交わす必要もなく阿吽で状況に合わせて動き、部隊に指示を出し、時に進言を出してくれるのはとても助かった。

 副長の役職と共にそれを兼任していたサブロウタさんも及第点ではありますが、ゴートさんの方が隙が無く的確で戦術的思考と判断は優に上だ。またサブロウタさんを補佐していたハーリー君はまだまだ途上でこれからと言った所。

 南雲の乱以降、参謀本部勤務となったユリカさんは言うまでもなく最上。幾度かシミュレーションで対戦しましたが一度も勝てた事がない。

 他に上手く合わせてくれたのは、艦長候補生として南雲の乱を共に戦った“彼女”ぐらいだ。候補生で乗り込んだ臨時だったはいえ、一時的にも“ナデシコ”の艦長に選ばれていただけはある…という事でしょう。あの後は再改修されたナデシコBの正式な艦長となりましたし。

 あの彼女の読みの深さと勘はユリカさんに通じるものがあった。確か今のこの時期(じだい)では……。

 

「……いえ、懐かしむのはまた今度です」

 

 未来(過去)に想い馳せるのを僅かに、私は両手で銃を握り締めると再度ウィンドウ迷彩を展開して通路へと出る。

 何時までも光学迷彩(こんな物)に頼る積もりは無い……などと言うほど、私の兵士としてのスキルは正直高くはない。存分に利用して巡回の眼を掻い潜る。

 しばらくして――

 

 ――パンッ、

 

 乾いた破裂音が何処からか聞こえた。

 

「――じゅ…!?」

 

 銃声!? と一瞬大きく声を漏らしそうなったのを堪える。周囲に人が居ない事を確認して直ぐに通信を入れる。

 その間にも銃声は断続的に耳に入る。

 

「ゴートさん…!」

『ああ、こちらもセンサーで反響音を確認した』

 

 事態を告げる必要もなく、ゴートさんは状況を察して情報を送って来る。艦内図が網膜に投影される。

 

『オモイカネが算出した位置は――』

「――遠いですね」

『うむ』

 

 遠い……そう、人質の要る区画から。

 その事の意味と意図を考えようとして私が付けているインカムにゴートさん以外の声が交じる。先程トイレに放置した整備士のインカムに取り付けた小型盗聴器から拾ったものだ。敢えてそれを奪わなかったのはそうする事で向こうに対策を取られるのを避ける為だ。

 盗聴した音声を聞き、ウィンドウの向こうのゴートさんもコミュニケ経由で耳にし、

 

『ふむ、…ホシノ』

「はい、提督達のいる区画へ向かいます」

 

 ゴートさんの言いたい事を察して私は頷き、静かにされど素早く移動を開始する。

 本当は援護しに行きたいのですが……我慢するしかない。

 

「直ぐに終わらせますから、それまでどうか…」

 

 呟き、グッと奥歯を噛みしめて私は急ぐ。人質の救出へと。

 

 

 ◇

 

 

「艦長、B班が指示した区画の通路へ撒き終わったそうです」

「分かりました。ではその次は…」

 

 ユリカは光学迷彩を使っていると思われる侵入者(ホシノ・ルリ)に対する為、幾つかの主要な通路へ水と小麦粉や消火剤などを撒くように指示を出した。

 姿は消せても存在が無くなる訳ではない。水の上を歩き、小麦などの粉を踏めばその見えない存在を浮き彫りに出来る。とはいえ――

 

「これも気休めだけどね」

 

 あの子は簡単に引っ掛からないだろう。せいぜい動きづらくするのが限度だ。ユリカはそう考える。

 

 ―――だから、やっぱり待ち構えるしかない。

 

 人質のいる区画とサブコンピューターのある区画へ人員を増強する。隔壁の方へも注意は必要だが、件の侵入者の目的はそっちだ。

 ならそこを訪れた所を押さえるしかない。あの子を押さえて言う事を聞かせられればセキュリティの復旧も可能になる。ネルガル側の打つ手も抑えられ、交渉材料にもなるだろう。

 

「その為にはもう一手必要かな?」

 

 ユリカは、その思い付いた一手が有効かどうかを考えて――

 

「艦長! 大変で――」「――艦長、区画E-8にて銃声があったとの連絡が!」

「え!?」

 

 メグミとその彼女の隣にいる別の連絡役が急報を告げた。

 

「人質が逃げだしてこちらの武器を奪ったらしく、銃撃戦になっているようです!」

「ええっ!?」

「…え!?」

 

 突然の報告にユリカと、そしてメグミが驚く。

 そのメグミの様子がユリカは気に掛かる。隣にいる連絡役と同様の報告を上げようとしたのだと思っていたからだ。

 

「え、じゃあ、まさか…」

 

 メグミは戸惑い、大きく動揺を示す。そのメグミにユリカは尋ねる。

 

「どうしたの、メグちゃん?」

「……テンカワさんが居ないそうです。ルリちゃんが来るかもしれないからと送った人達からそう連絡があって…」

「――!!?」

 

 メグミの報告にユリカは愕然とする。

 

「ま、まさか、それじゃあアキトが!?」

「艦長、交戦中の班から連絡が! 相手の一人は“生活班の制服”を着ているとの事です」

「――! 直ぐにE-8に人員を回して下さい! 最優先です! ただし人質及びサブコンピュータの傍の人員は動かさないように!」

 

 ユリカは自身が浮かべた想像を裏付ける報告を受けて迅速に指示を出した。逃げ出した想い人を逃がしたくないという心理や私情もあるが、侵入者――ルリを追い詰める一手となる人物だからだ。

 しかしこの時、ユリカもメグミも、そして作戦室に詰めるその他の人員ももう少し冷静であるべきであった。

 銃撃戦などという民間人が殆どであるナデシコでは慣れない事態、それもテンカワ・アキトがそれを引き起こしているという事にユリカは気を取られ過ぎていた。

 

 

 ◇

 

 

「……上手いタイミングでバレてくれたな。後は――」

 

 インカムから聞こえる焦った声と慌ただしい周囲の様子に密かに呟く。厄介そうだった三人の内、二人を無力化でき、その上でこの状況だ。

 

「――こっちが何とかなるまで捕まるなよ」

 

 都合よく転んでくれた状況であるが、だからこそ不安もあって俺は急ぐ。すれ違う反乱クルー達に不審に思われない程度の足の速さで。

 脱出がバレてはいるもののまだ有効らしく、着込む“青い制服”のお陰か。反乱クルーとすれ違う度に緊張で心臓の鼓動は大きくなるが、呼び止められる事はなく、俺は目的の区画へと着実に近付いていた。

 

「あの子がどう動いているかが、心配だけど…」

 

 拘束されたと時に身体検査こそ避けられたが、コミュニケを取られたのが痛い。手元にあれば連絡出来たのだろうが……。

 

 




 今回の流れ、
 ルリちゃん、セキュリティを落とす。
 アキトはその機会を察知して脱出。撹乱行動前に独自に人質を捜索。
 ユリカさん、ルリちゃんの捜索と対応を打つ。ゴートさん達へも警戒。
 ルリちゃん、間抜けな反乱クルーを尋問して情報を入手。ゴートさんも鎮圧に動きを見せる。
 直後、アキトがクルーに発見されて銃撃戦が発生。
 ユリカさん、ルリちゃんを警戒しつつ銃撃戦を起こしたアキトの再度捕縛を試みる。
 何者かがルリちゃんと同様に人質の奪還に動いている模様。

 ウィンドウ迷彩はそういう事も出来そうなのでは?と考えて独自解釈で出しました。
 能動的スキャン方式カメラは、コミュニケがどうやって相手や周囲の光景を捉えているのかと考えて、Z.O.E…アヌビスの題名で知られているゲームの設定からアイディアを持って来てます。
 遺跡由来の技術なので現状ネルガルしか有していない技術とし、従来のカメラや光学センサーと合わせてエステやナデシコのセンサーにも搭載されているとしています。

ケンタウロス様、MinorNovice様、ソフィア様、黒祇式夜様、誤字報告などありがとうございます。助かります。

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