せっかくモードレッドに憑依したんだから遠坂凛ちゃん助けちゃおうぜ!   作:主(ぬし)

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もしも連載していたらこういうストーリーにしていました、というお知らせみたいなものです。


主人公の設定と、連載するにあたって考えていたアイデア

【憑依モードレッドの設定】

 

 Fラン大学に通う資格マニアのなんちゃって大学生の弟。兄と違って勉強熱心で頭はよく回るが社会経験は少ない様子。最近、兄の影響を受けてFateシリーズにハマったオタク初心者。遠坂凛とモードレッドに自分に無い要素を感じており、好きなキャラの一位と二位となっている。兄と共有する狭い部屋の二段ベッドの下で寝ていると、身に覚えのない声を聞いた気がして、気づいたらFateの第五次聖杯戦争のアーチャーとしてモードレッドの姿となって遠坂凛に召喚されていた。

 口癖は「よくあるやつだ~」。モードレッドの能力や知識にはアクセスできる様子。目を合わせたくない時や、気まずくなった時は、すぐにあの可動式兜をガシャガシャさせて顔を引っ込める。その度に凛から「顔を隠すのやめなさい!」と爪でガリガリ引っかかれて、「黒板を爪で引っ掻くみたいな音がするぅう」と情けない悲鳴を兜の中で反響させる。

 中の人は気弱な性格なので、勝ち気そうな外見とのギャップが激しい。凛から自己紹介を求められた際は「モードレッド、です、一応…」とオズオズしながら答えたりする。電子機器に精通している。スマホを使えないことを馬鹿にされた凛の代わりに、LINEの文字入力やスタンプなどの代筆、タブレット端末の設定などをしたりする。

 

 

 

「美綴さんから『えっ!遠坂、LINE使えたの!?やるじゃん』って返事が来ましたけど」

「ふふ、驚いてるわね。アーチャー、こう返信してやりなさい。“女子3日会わざれば刮目して見よ!”ってね。あ、なんかカッコいい感じの、スタンプ?っていうのも一緒にね。……あ~、その“ふりっく入力”っていつ見ても目が痛くなりそうになるわね」

「慣れればこっちの方が楽ですよ」

 

 

 

 一番好きなキャラである凛を護ろうと、原作知識を活かしながら憑依モードレッドは懸命に頑張る。

 序盤、士郎が土蔵で召喚したセイバー(アーサー王)に遭遇し、あわや斬りかかられる寸前、機転を利かせた土下座を超える五体投地で「ごめんなさい父上!!!!」と額を地面に擦り付けて謝罪することで何とか事なきを得た。

 

 

「悪かったと思ってますホントに!裏切りとかホントかっこ悪いですよね!若気の至りっていうかなんていうか!今はもうホントに心の底から反省してるんで!ホントにホント!」

 

 

 ……と凄まじい勢いで謝罪することでセイバーはドン引きしつつ「お前も丸くなったのだな」と納得。以後、セイバーと憑依モードレッドは不思議な同盟関係となる。

 モードレッドの知識にアクセス出来るのでセイバーの質問にもちゃんと答えられるし、モードレッドの複雑な気持ちを客観的に整理した上でセイバーに伝えたりする。なので、セイバーはモードレッドが感じていた惨めさや寂しさ、誰よりも父上に認めて欲しいと願っていたことを知らされ、衝撃を受けたりする。

 

 

 

「……あの時、オレは、認めて欲しかったんだと思います。貴方に対して弓を引けるのは―――貴方を振り向かせられるのは、他でもない、貴方の血を引く自分自身だけなのだと、貴方に伝えたかったんです。でも、素直じゃなくて、口下手で、馬鹿だから、あんな伝え方しかできなかったんです」

「……私は……」

「父上は頑張ってましたよ。人の気持ちがわからない、なんて起きてるのか眠ってるのかわからない奴の言うことなんて気にしないでください。本当は誰よりもわかってるけど、どうしていいのか誰も父上に助言しなかった。父上を一人にしたオレたちこそ、父上に謝るべきなんだと思います」

「………」

 

 

 

 中盤、ツイッターでギルガメッシュ(“金ピカ”、“冬木”で検索)の居場所を特定するなどして戦いの流れを有利に進めることに貢献。終盤には、セイバーの『エクスカリバー』と、自らの宝具『クラレント・ブラッドアーサー』を同時に開放して威力を倍増させることに成功し、ギルガメッシュの撃破に成功する。

 それまで使用を控えていた3つ全ての令呪をブースターとして使用し、さらに自らを構成する魔力すら総動員しての宝具全力開放だったため、憑依モードレッドはセイバーを残して消滅する。消滅する寸前、自分がモードレッドだったら何と言い残すかを考え、セイバーに「後悔なんてしないでくれ。アンタが王でよかったんだ」と言って消える。

 

 その後、残されたセイバーはスッキリした面持ちで士郎らとともに聖杯を破壊し、彼女にとっての英霊の座、即ち死屍累々のカムランの丘に帰還する。けれどもそこにはもう後悔はなく、傍らで血の海に沈むモードレッドを「すまなかった、愛する我が子よ」と抱きしめる。モードレッドは涙を流して微笑み、そっと息絶える。

 動く者のいないカムランの丘を見渡しながら、けれどもセイバーは後悔しない。全員がひたすらに全力で走ってきた結果をもう否定しない。そう心に決めて、彼女は再び剣を取って歩き出す。するとチラホラと生き残った騎士たちが立ち上がり、また彼女についていく。そうして、歴史に無い新たな騎士王伝説が始まったのだった。

 

 

 

終わり




モーさん好き

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