俺、踏み台転生者にされました   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第百五話Ⅱ

地球に転送されはしたが、そんなにことが簡単に進むはずもなく、転送地点に現れたのはサーヴァント達や高町なのは達だった

 

「マスター......」

 

そう悲しそうにつぶやくサーヴァント達だが、俺はそれを特に気にせずに睨みつけている奴らに声をかける

 

「久しぶりだな」

 

「今のこの状況で、よくそんな能天気なのこと言えるなぁ、理樹君」

 

フェイト・テスタロッサはもちろんだが、俺を睨んでいるのは八神はやてもだった。 守護騎士は何とも言えない表情で、リインフォースは感情が読めない

 

「お前には悪いが、神木理樹。 拘束の命令が出ている、抵抗すれば......」

 

そんな風に分析していると、シグナムがはやての前に出て愛刀に手をかけながら俺に言ってくる。 ふむ、拘束命令ね。 こんなことをしでかしておいて拘束命令とは、甘いものだ。 と言っても、今更拘束命令を出したことすら覚えていないだろうし、履歴も消えているだろうけどな。 そう考えると少しおかしくなるが、表情には出さない

 

「それに従うつもりはない。 それに俺は、コレを発動させに来ただけだしな」

 

そう言って、用意していた魔術を空に打ち上げる。 アースラ内で発動したのと同じ魔術。 ()()()()()魔術だ。 前に高町なのはには記憶を封印する魔術を使ったが、アレの消す秘薬が見つかったのだ。 それに少し魔術的に手を加え、効果を限定的にしたものだ。 その効果は、俺の記憶だけを消す。 これで俺は晴れて自由になったわけだが、この魔術発動するまでラグがある。 だから発動するまで見届けないといけないのだが、目の前の奴らがな。 俺が魔法を使ったことには驚いたようだが、全員が...... いや、高町なのはとサーヴァント達を除く全員がデバイスを構える

 

「・・・・・・何してるんや? 地球での許可のない魔法発動は

 

「重罪だろ? 俺だって局員の端くれ...... いや、元局員だから知っているさ」

 

「だったらなおさら!」

 

ヴィータが何か言おうとしたようだが、それを遮ったのは意外にもプレシアさんだった

 

「そう。 もうあなたは、私たちの知っている神木理樹ではない、そう言うことね?」

 

「・・・・・・そのお前らが知っている神木理樹ですら、本当の神木理樹じゃないかもしれませんけどね」

 

「なぞかけとか、そんなのどうでもいいよ。 お前は犯罪者で、私たちは捕まえる義務がある、それだけだ!!」

 

「一瞬で距離を詰めてきたのは見事だが、それだけだな」

 

「っ!? は......」

 

それまで何も言わなかったフェイト・テスタロッサだが、突如として俺を襲ってくる。 少ない装甲をパージし、急襲してきたフェイト・テスタロッサだが、そんなものでは俺には届かない。 バルディッシュをつかみ、その鳩尾に拳をねじ込む。 すると力の抜けたフェイト・テスタロッサを、そのまま放り投げる。 それを見て以外にも冷静なプレシアさんが次の攻撃を放ってくる。 フォトンランサーのジェノサイドシフト。 高密度の魔力で作られたバリアジャケットを展開していない俺には一発が必殺の威力だが、俺もここで死ぬつもりはない。 フェイト・テスタロッサの急襲により、俺はもうスイッチが入ってしまっている。 直撃のものを王の財宝で相殺し、大部分は受け流しながらプレシアさんとの距離を詰めていく。 こいつらで厄介なのは、後方組。 プレシアさん、八神はやて、、リインフォース、シャマルだろう。 ここに高町なのはやサーヴァント達も入るのだが、サーヴァント達は戦意喪失しているし高町なのはは呆然としながらもフェイト・テスタロッサを助けに行っているので戦闘に介入する様子はない。 なので後方組からつぶす。 

 

「そう来ると思っていたわよ!!え......」

 

ある程度まで距離が詰まると、バインドが発動する。 設置型に追加でぐるぐる巻きにされるが、王の財宝を自分に向けて発射しそのことごとくを壊す。 それを見て驚き攻撃の手が止まるプレシアさんに容赦せず、プレシアさんも一撃で沈める

 

「リイン!」

 

「お任せください!」

 

ブラッティダガーが飛んでくるがそれを避けると、広範囲殲滅魔法、ディアボリックエミッションを発動する八神はやて。 殺す気満々な気もしないでもないが、相手の手札が分かっている以上それを対策しないはずもない

 

「残念だったな」

 

「はやて!?」

 

背後から気配を消してはやてを襲い、これも一発で気絶させる。 守護騎士は警護に当たっていたが、俺の気配遮断はそれ以上だったのだ。 動揺している守護騎士、一番近いヴィータを気絶させる

 

「ヴィータ!くっ!いったい何なのだ、お前は!!」

 

主をやられたことへの怒りと、自分への不甲斐なさか、冷静さを失うシグナム。 何の策もなしに俺に向かってくる。 不利だと悟ったのか、ザフィーラも同時に向かってくるが牽制に王の財宝を射出する。 その隙に、俺はシャマルのもとに向かうが

 

「これ以上やらせはしない!」

 

リインフォースに阻まれる。 こいつがかなり厄介だ。 なんせ、聖杯を持っているからな。 早めに退場させておきたかったが、ここまで後手に回ってしまった。 牽制に王の財宝を射出しても、こっちにまっすぐ向かってくるし。 剣を爆破しても、砲撃で逆にこちらを撃墜しようとしてくる。 ・・・・・・こいつに関してだけは、多少被弾覚悟するしかないか? そうなると、先に守護騎士をつぶさなければならない。 そんなことを考えている間に、ザフィーラがこちらに向かってくる。 それをあえて迎撃し、戦闘不能にすることに成功する。 だが、ここでリインフォースの説得により冷静になったシグナムは距離を開け、冷静に立ち回る。 こうなると長引く。 魔術の発動までもう少し。 発動確認と同時にここを離れたいが、間に合うかどうか...... いや、もう無理やり行くか

 

「将!」

 

「ああ!ここで決めに行く!!」

 

魔力の流れで大体わかったのか、あちらも決着を付けにくるようだ。 切りかかってくるシグナムの剣の腹を殴り、弾くが鞘が俺のボディーに吸い込まれる。 俺はそれをあえて弾かずに、そのままシグナムに魔力弾を乗せた一撃をたたき込む。 俺も相応のダメージを貰ったが、これでシグナムは。 間髪入れずに、リインフォースから砲撃が飛んでくる。 俺はそれを宝具の盾の原点で防御しようとするが、砲撃は前から来なく後ろから。 気が飛びそうになりながら確認すれば、空間が切り取られていた。シャマルの魔法か!!盾で視界が隠れたため、確認できなかったようだ。 だが、砲撃でお前も注意力が散漫になってるみたいじゃないか!王の財宝から剣を射出し、爆発させる。 いくらプロテクション等で防御していたとしてもかなりの数だ、砲撃はすぐに終わりリインフォースは落ちていく。 シャマルも無事に気絶させ、魔法発動までもうわずかだ。 俺は肩で息をしながら、空を見上げる

 

「どうして...... どうしてこんなことを、理樹君......」

 

「全員回収したのか。 お疲れ様だな、高町なのは」

 

流石に全員高町なのはが抱えられるはずもなく、サーヴァント達も手伝ったようだが。 泣きながら俺のことを見る高町なのはだが、俺は質問に答えずにまた空を見上げる。 直後空は光り始め、雪のようなものが落ちてくる。 まぁ、これこそが魔術なのだが

 

「さて、魔術の発動も確認したからな、さよならだ。 もう会うこともないだろう」

 

そう言い残し、俺は転移した

 




これで、こっちの続編も一旦終わりとなります。 新作というか、続編はもう少し待ってね? いや、年末忙しくてまだ買ったリフレクション、見てないんですよ。 それと明日や、元旦とかも忙しいので、更新はできないかも? まぁ、出来たらやっておきます

それでは皆様、残りも少ないですがよいお年を

それと結構早いですが、新年からもよろしくお願いいたします。

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