『男を養うためにバイトしてそう』
そんな独断と偏見に満ちた作者の第一印象を基に構成されています。
※この話には暴力描写が含まれます、苦手な方はご注意ください。
新たにR-15、残虐な描写の必須タグも追加いたしました。
また、今後の話数でも予告無しに指定タグに該当する描写が発生する可能性があります。
重巡洋艦の艦娘である『那智』は、ちらりとオフィスの時計に目をやった。
時間は十七時、終業の時間である。
同時にそれを知らせるチャイムがなった。
伸びをして仕事の疲れを癒すもの、アフターファイブの約束のためにいそいそと帰り支度を始めるもの、終わらない仕事に絶望しながらも残業の覚悟を決めるもの。
各々だが、幸い那智は定時帰宅組だったので帰り支度をさっさと終わらせ、美しい黒髪のサイドポニーを揺らしながら立ち上がる。
立つと女性にしては高めの身長とスレンダーな体つきがよくわかった。
那智はそんな立ち姿や振る舞い、そしてその美しいゆえの冷たい容貌と切れ長の瞳とあいまって、武人然とした凛々しい印象を周りに抱かせていた。
「先輩っ! よかったら飲みに行きませんか?」
そんな那智に小動物を思わせるかわいらしいスーツ姿の女性が声をかける。
彼女は那智が研修を受け持った社員で、今でも那智を慕い時々声をかけてくるのだ。
特に言う必要もないため、自分が艦娘だということは同僚たちには伝えていない。
つまりただの派遣でしかない自分と親しくしてもあまり利益は無いんだがな、と思いながらも、那智はこの明るい後輩が嫌いではなかった。
だが今日は日が悪い。
「すまない、今日は記念日でな。早く帰らなければならないんだ」
言動が厳しめだと自覚のある那智は、無愛想にならないようになるべくやさしめの声色で返事を返す。
「あっ、もしかして彼氏さんですかぁ~」
ニヤニヤしながら聞いてくる後輩、特に隠すことでもなかったので那智はさらりと返事を返す。
「ん、そうだが?」
「ええええええええええええ!?」
思わず大声を上げる後輩、なぜか周りも騒然としていた。
「せせせせせ、先輩付き合ってる人がいたんですか!!??」
「ああ、というか同棲しているしほとんど結婚しているようなものだが」
後輩はふらりふらりと後ずさりながら、
「先輩は仕事が生きがいのバリバリの仕事人間だとばかり思ってました……」
と、割と失礼なことを言った。
でもなぜか見ていた人間のほとんどが、うんうん、と同意をあらわにしている。
那智はそんな同僚たちの様子にどこか勝ち誇った笑みを浮かべた。
「ふふふ、悪いな」
そういってバッグを肩に掛け颯爽とオフィスを出て行く那智を、同僚たちはあんなにかっこいい那智と付き合うなんて、いったいどんなにすごい男なんだという思いを胸に見送る。
那智は会社を出ると近くの駐車場に止めてあった黒い乗用車に乗り込む。
普段は無愛想で冷たい雰囲気の那智が、今日ばかりはどこか機嫌がよさそうだった。
その様子を離れた場所で監視している存在がいた。
無地の黒い戦闘服を着た、中東系の傷だらけの顔に太い首。
腰には隠すつもりも無いのか、堂々と大型ホルスターに拳銃がぶら下がっている。
那智の姿を見て、その恐ろしい男は獰猛な笑みを浮かべた。
職場から車で三十分ほどの所にある、中ランク程度のマンション。
値段の割にベランダから見える海沿いの埠頭の風景が絶景で、艦娘である那智はその景色を気に入っていた。
那智は綺麗に掃除された玄関を抜け、リビングに入る。
そこにはきちんと掃除のされた部屋とは反対に、伸びたスエットを着ただらしない感じの男が家庭用ゲーム機をプレイしていた。
「帰ったぞ」
「あ、なっちんおかえりー」
にへら、というようなしまりのない笑みを浮かべる男、お世辞にも美形とはいえないがどこか温かみのある顔の男だった。
那智はその姿を見て、
「うわーーーーん! 今日も大変だったよー!」
と、バッグも艦娘としてのプライドもなにもかも放り投げて男にダイブした。
男は割と大柄である那智を難なく優しく抱きとめる。
「よしよし、今日もいっぱい頑張ったんだねー」
慣れた手つきでよしよしと那智をあやす男、那智はしばらく甘えてから立ち上がる。
「よし、食事にしよう!」
「ご飯作ってあるから温めるねー」
慣れた手つきで食事の準備を始める男、那智はその間に部屋着へと着替える。
リビングに戻ると、まだ男が料理の準備の最中だったので、テーブルに座ってその姿を眺める。
「直ぐできるからもうちょっと待っててねー」
「いや、退屈はしていない。それなりに面白いぞ。貴様の様子を眺めているのもな」
やがて料理の準備を追えて二人が席に着く。
メニューはおいしそうなクリームシチューに、濃厚な麦の香りがするパン。そして自家製ドレッシングを使ったサラダ。
食事の挨拶を終え二人は食べ始める。
「なんかごめんねー、置いて貰って」
「いや、構わないといつも言っているだろう? むしろ働かずとも言ってくれればいくらでも渡すぞ? むしろ言ってくれ」
出撃や遠征を行い、戦果や資材を持って帰るという状況にとても近い(と思っている)今の現状。
那智の中では今の状態が、むしろ艦娘としてこれ以上無い位充実した日々といえた。
「やめてなっちん、駄目になるからそういうのやめてー」
「正直家事などは任せっきりなのだ。渡してる生活費だけではなくもっと必要なのではないか? 飲む打つ吸うなど必要であろう」
那智のその言葉は厳しそうに聞こえるのに、内容を聞けばもう骨の髄まで侵食されているのが伺える。
「お金が欲しいんじゃなくて労働したいんだよぉー」
「やれやれ、まぁそうあせることもなかろう。それよりもあれだ、あれ」
落ち着かないようにチラチラと男に目配せをする那智。
男は那智がなにを言いたいのかもちろん分かっているかのようで、
「もちろん用意してあるよー、ちょっと待っててねー」
そういって男は冷蔵庫から準備してあったものを持ってくる。
「はい、同棲三周年記念のケーキだよー」
「ふふふ、まだ三周年ではないか、そんなに大げさにするな」
「だって今日は特別な日だからねー、大げさにしちゃうよー」
那智は言葉とは裏腹に万遍の笑みを浮かべ、
「ああそうだ、今日は特別な日だな。今夜ばかりは飲ませてもらおう。貴様と共にな」
そう嬉そうに言った。
■□■□■
朝が来た、希望の朝だ。
「出るぞ! 怖気づくものは残っておれ!」
「働くのが怖いんじゃなくて働けないのが怖いー、けどなっちんいってらっしゃーい」
男に見送られ、戦意高揚状態のキラキラが見えるような凛々しい姿で出勤する那智。
男は那智を見送ると掃除、洗濯をはじめた。
その手際とこまめさは熟練の主婦にも匹敵するものだ、まさにパーフェクト。
家事が一段落して、ポストに入っていた手紙の中に自分宛の封筒を見つける。
そして中を開けて書かれている内容をみて唸った。
「また書類審査落かー、きびしー」
那智はああ言ってくれてるが、自分も男である、なんとかほれた女を養うくらいの甲斐性は持ちたいというのが本音だった。
だが、どうしてものんびり屋であるこの男は、色々な仕事に向いていない。
それでも諦めない、そんな姿勢もまた那智をキュンキュンさせている要因だと気が付いていなかった。
天然のヒモとはかくも恐ろしきモノだ。
男は「よしー」と立ち上がると、コンビニまで自転車で行くことにした。
無料の求人情報誌を取りに行くためである。
そして雑誌を手に入れ家に戻る最中、那智の提督はさらわれた。
■□■□■
「かえったぞ!」
夜、そう声をあげながら部屋に帰ると、何時もで迎えてくれる温かい返事が無く、那智は「おや?」と部屋に上がる。
リビングに入ると、何時もは提督が綺麗にしてくれている部屋のあちこちが荒らされ、まるで別の世界にでも入ってしまったかのような印象を与える。
那智は自分の鼓動が早くなったのがわかった、戸惑い、不安、それらが渦巻いていく。
ふと見ると、一番広い壁に『男は預かった。埠頭のA-三番倉庫で待つ』というメッセージが赤いスプレーで書かれていた。
那智の肩からバッグがするりと落ち、手に握っていた二人で飲もうと思い買ってきたワインの入った袋がガチャンと音を立てて床に落ちる。
那智はしばらく呆然としていたが、やがて覚悟を決めた顔になり、クローゼットに向かう。
そしてその裏にある隠しスペースから、頑丈そうな黒いケースを取り出した。
リビングでそのケースを開け、中身を確認しながら那智はとある場所に電話をかける。
『はい』
「私だ、至急欲しい情報がある、場合によっては後処理も頼みたい」
『……いいわ、任せなさい』
「すまんな、またお前を頼ることになってしまった」
電話の向こうの声は「気にしないで」と優しげな声色で答える。
そして那智の話を聞き終えると、まるでその気持ちが今ならよくわかる、といったかのような恐ろしい声色で答える。
『私たちを怒らせるなんて馬鹿なやつらね』
那智はケースの中身の一つを取り出し、動作を確認する。
カシャン、と凍えるような金属音がした。
「まったくだ」
そう答える那智の目は恐ろしいまでに冷たく、だが凄まじい怒りの炎が渦巻いていた。
■□■□■
指定された埠頭の倉庫に着くと、そこには十人近くの戦闘服を着た男たちが自動小銃を構えて待ち受けていた。
那智の提督は倉庫の中央、十メートルほどの高さの天井からたらされた鎖に繋がれつるされている。
幸い意識はあり、特に暴行は加えられては居ないようで「あ、なっちーん」とのんきに那智を見て声をあげた。
那智はその様子を見てホッとするも、腕組みをして那智の提督がつるされている真下に仁王立ちしている大男を睨みつける。
「さて、どういうつもりだ、なぜ私を呼び出した?」
「くくく、あんたに勝つためだよ、元腕利きの女傭兵さんよぉ……」
大男がかぶっていたベレー帽を取ると、一部隠れていた傷だらけの恐ろしい容貌があらわになる。
「……誰だお前?」
「忘れたとはいわせんぞ、この俺の顔に傷をつけただろうが!」
その顔を那智はじっと凝視するも、頭にクエッションマークを無限に浮かべ首をかしげる。
「すまん、本当に思い出せん、なんというか、すまん」
その言葉を聞いて大男は顔を真っ赤にして怒鳴りちらす。
「十五年前! 貴様一人に小隊丸ごとつぶされた生き残りだ! ようやくようやくようやく見つけたんだぞ! 十五年だ! 十五年探し続けてやっとだ! この日のために俺は貴様と一対一で勝利するためにひたすら強さを追い求め……クドクド」
えらそうに言っているが、実の所この大男。たまたま仕事でこの街に来ていて、たまたま那智を見つけて、その瞬間封印していた忌まわしい過去がよみがえり復讐しようとずさんな計画を立てただけだったりする。
人というのは過去を美化したがる物で、本当の所は当時放浪していた那智を見つけ、無謀にも襲おうとしてあっさり返り討ちにされた自業自得でしかない過去だった。
「おいちょっと待て、十五年前のこととか言われてもその、困るしちょっともう黙ってくれ。提督、き、貴様は今の話を聞いてその、なんだ。私の年を数えたりはしないよな、な?」
もう大男のことは完全に眼中に無いように提督に話しかける那智。
提督は提督で「なっちんは永遠の十八歳だよー」とのんきに返事をする。
その様子に、すでに大分加熱されていた大男の怒りは一気に沸点に達してしまった。
多分本人としては那智に「ボスのお前を殺した手ごたえも無く……ああそうか、部下の死体の中に隠れていたのか」みたいなことを言われて「叩き壊してやる! 過去にお前がそうしたように!」みたいなかっこいい展開を期待していたのにもう台無しである。
「ふざけやがって!! ブッコロシテヤルー!!」
大男が腰にぶら下げた大型拳銃を引き抜き、那智に銃口を向ける。
が、すでに大男の視界から那智は消えていた。
「ぶふぇ!!」
そして大男の顔面に凄まじい衝撃が走り、ラグビーボールのようにきりもみしながら十五メートルほど先に積まれた木箱にぶち当たる。
直後には、あ、死んだ、と誰もが思う派手な音を立てて、大男は粉砕された木箱と崩れてきた木箱の中に埋もれてしまった。
なんというか大男にとっての積年の十五年(と思っていた物)は、そんな感じで実にあっさりと終わった、悲しいなぁ。
大男が居た場所には、いつの間にか銃剣の付いた二丁の拳銃を構えた那智が居て、残った兵士たちに照準を合わせている。
一瞬で十メートル以上の距離をつめ、大男の顔面に蹴りをぶち込んだ那智の姿を誰も捉えることはできなかった。
「「「ぐっ、軍曹ーーーーー!!」」」
「さて、お前たちのボスはこうしてご退場願ったわけだがまだやるか? 私としてはお前たちが悔い改めて家に帰るというのを望むが……」
「なめやがってぇ! お前なんか怖くねえ来いよベネッ!?」
言い終わるより早く、お約束の台詞を言おうとした兵士は那智の拳銃から発射された銃弾を受けぶっ飛ばされる。
位置的に撃てる兵士は銃を構え、接近戦しか手段が無い兵士たちはナイフを構える。
だが、そんな武器がなんの意味も成さないことを彼らはわかっていなかった。
「まったく、口だけは達者なトーシロばかりよくそろえたものだな」
軍曹と呼ばれた男の認識は、あっているようでその実、とても大きく大きく外れていた。
本人は那智という存在をただの腕利きの“人間の傭兵”と思い込んでいたが、それは大きな誤りなのである。
もし、もしも那智が艦娘だと、そして彼女ら姉妹の異名を知っていれば関わってはいけないものだとわかったはずなのだ。
その昔、戦場を渡り歩く伝説の傭兵姉妹が居た。
時を翔る『妙高』
笑う餓狼『足柄』
闇染めの『羽黒』
そして
悪魔の尾『那智』
ただの艦娘というだけでも絶望的なのに、さらに最悪を掛けた陸上戦闘技術を極めた艦娘の傭兵、戦場という戦場を恐怖のどん底に陥れた絶望の代名詞。
自分や誰かを護る為以外には、基本的に力を振るうことは無いとされる艦娘でありながら、なにかを探すために力を振るったといわれる異色の存在。
かつて戦場で彼女らが相手にいることを伝える連絡は撤退の命令と同義とされた。
だが、彼女らはある日唐突に姿を消す。
そして彼女たちは今や戦場で聞く御伽噺でのみ語られる恐怖の存在となった。
彼らの前に居るのはその御伽噺の中から出てきた悪魔の尾だ。
彼女の提督に手を出す、文字通り悪魔の尾を踏んだ彼らの命運はとっくに決まっていた。
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「ぐっ、軍曹……」
「……あのアマァ……なめたまねを……」
戦闘が終わり、那智と提督の二人が去った倉庫。
絶妙に手加減され、全員生存していたソルジャーたちは身動きできずビクンビクンしていた。
そこに、倉庫の持ち主であるとある組織の長が兵隊(港湾労働者組合員)を引き連れてやってくる。
「ウチの倉庫でなめたまねしてくれたのはコイツらですか、じゃあ皆さん、気合、入れて、回収しましょうねー」
『ウイーッス!』
「なんだおまえらぁ!? 俺たちがなにをしたとツッ!?」
「……提督と艦娘に手を出したんだ。……覚悟はできてるんでしょう?」
とある組織の長が発した、凄まじくドスの利いた低く恐ろしい声を聞いて、凍りつく傭兵たち。
那智たちの本当の意味での正体を知らなかった傭兵たちは、自分がしでかしたことの重大さに、いまさら、気がついた。
できれば那智の姿が十五年前と変わっていない時点で、気がついてほしかった。
「んあ!? まってくれ俺たちは!!」
「はーい、黙りましょうねー」
声をあげた軍曹の顔をボールのように蹴飛し、真っ黒い笑みを浮かべるとある組織の長。
軍曹はもう一回木箱に突っ込む羽目になった。
そして僅か数分で動けないソルジャーたちは全員速やかに収容される。
彼らのその後を知るものはあまり居ない。
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「ごめんねー、なっちん」
「いや、私こそすまない、その、色々隠していて……お、驚いたか? だがその、その、できれば私は、その……」
夜空に星空がきらめく埠頭の倉庫からの帰り道、二人は手をつないで家に向かって歩いていた。
だが、那智はといえば先ほどの鬼気迫る戦いがうそだったように恥ずかしそうに、そしてなにか言いたいことをどうしても言い出せないように顔を伏せながら、提督に引っ張られるように後ろを歩いている。
「なっちんの恥ずかしいことなら、もうとっくにいろいろ知ってるから大丈夫だよー」
「あう……」
色々思い当たる節のある那智は、提督のそんな優しい言葉を聞いてさらに顔を赤くする。
「それにあの雨の日になっちんを拾ったのは僕なんだから、なっちんが心配してるかもしれないようなことはないよ、安心してー」
姉妹とはなれ、宛てもなく生き、旅をする生活。
そんな終わりの見えない空虚な日々に終止符を打ったあの日を思い出す。
雨の中かさもささずに歩いていた那智に、かさを差し出してくれたその男こそ、今目の前にいる那智の提督だった。
なにもいわず抱きつく自分を優しく抱き返してくれた提督。
あの日のぬくもりを那智は決して忘れない。
だが、今回のことのように、もし彼になにか被害が及ぶなら、自分はもう……。
「まぁ正直今考えるとどっちが拾われたのかわから無いし、それに今なっちんに捨てられちゃったら僕の方が干からびちゃうわけでー」
いったいどこまで那智の心の中を把握しているのかわからないが、その言葉全てがことごとく那智の不安を溶かしていく。
那智は無意識に握っていた提督の手を強く握り締めた。
「そんなことはない!! わ、私は貴様が居なければ一日で駄目になってしまうと断言できるぞ!!」
必死に否定の声をあげる那智を見て、提督はニッコリと笑みを浮かべる。
「帰ったらお酒でも飲もうかなー。なっちんせっかくだし付き合ってよー」
「……いいだろう、今夜は飲もう! なあに一生逃がさんぞ!」
満天の星がきらめく綺麗な夜、那智の宣言がこだまする。
苦しいことも悲しいこともたくさんあったが、今はとても幸せだとそう思っている。
どうにかしてその気持ちを提督に伝えたい、そう願い那智は笑って見せた。
修羅場デフォルトイメージ払拭回、那智の提督は個別適性です。
悪者からお姫様を助け出すラブコメ話を書いてみたかった。