また思いついてしまったネタです。





※11/20、日刊一位ッ・・・・!!ガタガタ
何が起こったと言うのだ(白目)


1 / 1
タイトルはうまいものを思いつかなかったので、ファイル名から。
例のごとく、深く考えてはだめです。


ゲットだぜ(仮

――――サイレンが響いている。

腹の底に響くような、不快な音。

その中を闊歩するのは、人類共通の敵『ノイズ』。

逃げ惑う人々を、次々炭に変えて前進していく。

()()()()を除いて、人間では殺しえない彼らは。

やがて自壊するまでの間、一人でも多くを殺さんと彷徨い続けていた。

と。

 

「――――」

 

彼らの目の前、立ちはだかる人影。

フードを目深くかぶったパーカー姿の、恐らく少女。

ノイズの群れをにらみつけた彼女は、徐にポケットをまさぐった。

取り出したのは、音楽プレイヤー。

延びたコードが、フード下のヘッドホンと繋がっている。

なお睨む目をやめないまま、再生ボタンを押した。

途端に流れ出す軽快な音楽。

まるでゲームのように愉快な中、今度は赤と白が半々のボールを()()取り出して、

 

「いけっ、ゴウカザルッ!」

 

掛け声と共に、放り投げる。

するとボールが二つに割れて、中から光が零れる。

零れた光は地面に落ちると、どんどん形を作っていき。

 

「ウーッ!エゥッ!」

 

爆ぜると同時に、異形の生き物が出現した。

体形や顔つきから猿らしいことは分かるが、色や体の模様が既存のどれにも当てはまらない。

一際目を引くのは、頭。

そいつの猛々しさを象徴するように、真っ赤な炎が燃え盛っていた。

一方のノイズ達は、だからなんだと結論付けて突撃。

立ちはだかるというのなら、もろとも炭に変えるのみ。

相手は一人、負ける気など毛頭なく。

 

「――――『マッハパンチ』ッ!」

「キキーッ!」

 

だからこそ、その攻撃をモロにくらった。

 

「『マッハパンチ』で速さを維持したまま、『ほのおのうず』ッ!」

「キャキャキャッ!」

 

少女の指示を受けた『猿』は、風のような速さを維持したまま、頭の炎を燃え盛らせる。

すると、まるで意思を持っているように動いた炎は渦を巻き始めて。

ノイズの群れに襲い掛かった。

 

「もういっちょ『ほのおのうず』!からの、そこのデカブツに『インファイト』ッ!!」

「エゥー!」

 

同じ渦をもう一度生み出し叩きつけてから、小型を次々吐き出している大型へ接近。

懐に潜り込んだと思うと、怒涛の連撃を突き刺していく。

反撃の暇もなく、徐々に仰け反った大型は。

抵抗むなしく崩壊するしかなかった。

 

「・・・・ッ」

 

厄介なものを討ち取った隙をついて、少女の背後から強襲するノイズ。

頼みの綱の『猿』が離れている今、彼女は無防備――――

 

「ッムクホーク!『でんこうせっか』ッ!」

「キイィーッ!!」

 

――――ではなかった。

にやっと笑った少女が号令をかければ、甲高い鳥の声。

風を超えてやってきた、猛禽類のような『鳥』が。

主人を襲う不届き者を貫いた。

 

「続けて『きりばらい』!」

「キィ!」

 

ノイズの残骸が視界の邪魔をし始めたので、『鳥』に命じて振り払わせる。

戻ってきた『猿』と一緒に見渡せば、まだまだ多くのノイズが残っていた。

上等だと鼻っ柱を親指でかすめ、少女は前のめりになっていた背筋を正す。

 

「いけッ!」

「ウキャーッ!!」

「キイィーッ!!」

 

号令と共に、二匹は再び飛び出した。

 

「ムクホーク『はがねのつばさ』ッ、ゴウカザルは『フレアドライブ』ッ!」

 

『鳥』は翼を鋼鉄のように煌かせて、『猿』は全身に炎を滾らせて。

それぞれの前方へ攻撃。

 

「ゴウカザル『インファイト』で千切って投げろッ、ムクホーク『でんこうせっか』で次々やれッ!」

「キィアー!」

「ゥキャァー!」

 

かと思えばあっという間に合流して、阿吽のコンビネーション。

拳に、炎に、翼に、風に。

ノイズ達は成すすべなく、蹂躙されていく。

 

「仕上げッ!ムクホーク『かぜおこし』ッ、ゴウカザルは『ほのおのうず』を風に乗せろッ!」

「キイィー!!」

「ウー!エゥッ!」

 

残り少なくなった敵を一掃すべく、仕上げにかかる。

『鳥』が巻き起こした風に、『猿』の炎を乗せる。

すると、風で巻き上げられた炎が勢い良く燃え上がり。

その猛威を増大させた。

『鳥』の制御下に置かれた風は、狙い通り最後の群れに直撃。

宙に巻き上げ、文字通り塵も残さず焼き尽くした。

警戒を解かない『鳥』と『猿』の後ろで、熱気から己を庇っていた少女もまた、険しい顔を続ける。

そうして神経を尖らせていた彼らは、やがて『鳥』と『猿』が緊張を解いたのを皮切りに。

少女が一息ついたことで、完全に緊張が霧散した。

 

「二人とも、お疲れ様。今日もよくやったね」

「キュイー」

「ウキキッ」

 

先ほどまでの勇ましさはどこへやら。

労いの言葉を欠ける少女へ、二匹は頭や頬を摺り寄せている。

少女もまた、そんな彼らの頭を撫でて、慈しんでいた。

しかし、そんな微笑ましい光景も束の間。

何かに気付いた『猿』が、突然唸り声を上げる。

続けて『鳥』も周囲を睨み始めた。

二匹の異変を感じ取った少女もまた、一緒になって視線をめぐらせると。

 

「あー、悪い。そう睨まないでくれ」

 

物陰から、人。

ここのところよく会う、同い年くらいの少女。

その後ろには、彼女の相棒である剣士の少女が控えていた。

 

「今の見てたよ、やっぱりすげえなアンタ」

「・・・・どうも」

 

立派な突撃槍を担いだ彼女は、快活な笑みを向けてくる。

褒められたので、一応頭を下げておいた。

突撃槍の彼女は笑い返した後、どこかさみしそうな顔になる。

 

「・・・・やっぱり、あんたとも仲間になりたいな。『そいつら』ももちろんだけど」

 

ちら、と『動物』二匹を見やってから、少女を見据える。

いやな気配を微塵も感じさせない、どこまでもまっすぐな目。

 

「あんたのアドバイスがあったら、もっとよくなれると思う」

 

いった後で、『いや、違うな』と頭をかく。

ひとしきり唸ってから、ふとまた笑って。

 

「そういうのどうでもいいや。あたしはあんたと、あんたの『相棒達』とも、仲良くなりたいんだ」

 

少女たちの警戒をあおらないように、数歩近づいてから。

手を差し出した。

先ほどから黙している剣士の少女は、相棒に判断に任せているらしい。

しかし表情が控えめなその顔は、やはり同じことを願っているように見えた。

一方の少女は『猿』と『鳥』に守られたまま、差し出された手と突撃槍の彼女を何度も見比べる。

フードから垣間見える表情からして、戸惑っているようだ。

だが、その沈黙もやがて終わる。

 

「・・・・二人とも、戻って」

 

おもむろに紅白のボールを取り出し、『猿』と『鳥』を収める。

その行為に突撃槍の彼女は、『おっ?』と期待のこもった眼を向けたが。

 

「・・・・ケーシィ」

 

再び新たな『動物』をだしたことで、がっくり肩を落とした。

全体的に黄色っぽい色合いをしたそいつは、起きているのか寝ているのか判断がしづらい。

 

「・・・・人を襲うつもりはこれっぽっちもないし、悪巧みとか疲れるだけ。だから、あなたたちが危惧している行動は起こさない」

 

残念そうに笑う突撃槍へ、淡々と口を開く少女。

 

「だけど、あなた達が『組織』である限り、そちらにつくこともない・・・・この子達は、あなた達の想像以上に、『強すぎる』」

 

どこか、痛みをこらえるような声で言いきって、一区切り。

 

「・・・・ケーシィ、『テレポート』」

「ケー」

 

少女の支持を受けた『動物』は、閉じているまぶたの間を光らせる。

すると二者を赤い光が包み込み、次の瞬間には消えてしまった。

 

「あーあ、またフラれちまった」

 

彼女達がいた場所を見つめていた突撃槍は、大きくため息。

 

「落ち込むことはないと思う、取りつく島もなかった前に比べたら、十分な進歩だよ」

 

そんな彼女へ、剣士の少女が歩み寄りフォローする。

 

「まあ、地道に口説いていくしかないかぁ」

 

相棒へ笑顔を向けた突撃槍は、何の気なしに天井の月を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

突然だけど。

わたしこと『渡良瀬律(ワタラセリツ)』は、トリッパーである。

ノイズなんて危険生物もいないふつーの人間世界にいたはずなんだけど、気が付いたら平行世界とやらに来てしまっていた。

金もない戸籍もないの、ないないづくしで正直困っていたけれど。

一つだけわたしに与えられた、異世界トリップなんかでよくある『特典』ってやつがあった。

それが、『ポケモントレーナー』である。

前の世界でプレイしたことのある、『ダイヤモンド・パール・プラチナ』『ルビー・サファイヤ・エメラルド』『金・銀・クリスタル』の三世代のポケモンを中心に使役できるという能力だ。

備え付けられていた音楽プレイヤーでバトルBGMなんかを流せば、ノイズ達にも対抗できる親切(?)使用。

さすがに伝説や幻レベルになると、ポケモンを所有できる数に制限がかかっちゃうけど。

どこにも頼るとこがなかったわたしにとって、非常に頼もしいことこの上ない。

・・・・・ただ、だからこそ気がかりもできるというか、なんというか。

ここのところちょくちょく『仲間になろうぜ!』と勧誘してきている二人組。

表では歌手活動をやっているみたいで、テレビでもよく顔を見かけるんだけど。

正直言って、お誘いはうれしいし、出来ることならお仲間にもなれたらと思ってたりする。

だけど、と。

スマホ型の端末で、ポケモンボックスを開く。

閲覧するのは、伝説・幻のポケモン達。

・・・・・・こいつらのこと知られたら、最悪悪用なんかされてしまったら。

罪悪感やらなんやらで、押しつぶされてしまいそうなんよなぁ。

アルセウスあたりとか、よそに渡したらぜってーやべぇ(確信)

だから、大変、ひじょーに、とてつもなく、申しわけないのだけれど。

お誘いを断っている日々である。

いや、なまじいい人達なのが分かっている分、胸がきりきりして・・・・・。

あれ?結局こっちもこっちでメンタルやばい感じ・・・・?

い、いやいや、でもやっぱり悪用されちゃたまったもんじゃないし!うん!

ここは、もうしばらく様子見ってことで!

 

「んー・・・・」

 

セーフハウスとなっているアパートで、伸びひとつ。

いやぁ、DPtで掘りまくった鉱石やらが売れてよかった・・・・。

今日も今日とて晴天なり。

ベランダから街を見渡して、耳を澄ませば。

色んな年代の、色んな人の、笑い声。

・・・・ポケモンでノイズ退治なんて始めたのは、結局のところ、青臭い正義感からだ。

学校教育やらなんやらで刷り込まれてきた『道徳感』が、『見捨てられない』と無謀な決意を抱いて。

だけど、助けるたびに言ってもらえる『ありがとう』はうれしいことに変わりはなく・・・・。

結局いつも通りの、『ま、いっか』の精神で、日々生きている次第でございます。

 

「さぁーて、今日は何しようかな」

 

吹いてきた風に気持ちよさを覚えながら、また伸びをした。




ぶっちゃけ、こんな感じのポケモンクロスは見たことないなと思ったので。
シーンを思いついてしまったのが運のつきでございます。

ほかにも、『女の子ってかわいいもの好きだよね』と、各種かわいいポケモンでクリスちゃんやらF.I.S.やら口説くシーンもイメージしたのですが、収集つかなくなりそうなのでこの辺にしておきます。




・・・・・・・誰か書いてもいいのよ?チラッチラッ


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。