わたくしは変態ではありません、仮に変態だとしても変態という名の淑女ですわ!

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変態という名の淑女

 IS操縦者を育成する学校、IS学園。

 ここでは平和な学園生活が約束されている──はずだった。

 

「俺のパンツがない!?」

 

 男子更衣室から響き渡った織斑一夏の叫びにより、凶悪な事件が起きていることが発覚した。

 

 事件が起きたのはクラス代表の座をかけて、セシリア・オルコットと織斑一夏の決闘が行なわれた翌日。

 時刻は午前中にあったISの実技授業が終わった後に当たる。一夏が、IS展開時に使用する下着着用不可のピッチリドスケベスーツから制服に着替えようとした時に盗難が発覚したのだ。

 世間からの学園に対するイメージ低下を招く恐れがあるので表立って騒ぎにするわけにいかない。まずは警察などの外部機関に頼ることなく、教師陣や有志の生徒たちによって捜査が開始された。

 

 捜査開始から二時間後、イチゴパンツならぬイチカパンツの泥棒候補は三人にまで絞られた。

 

 

 第一容疑者、篠ノ之箒。

 潔白を主張してはいるものの、挙動不審で周囲の目を伺っているのが怪しい。犯人の可能性が最も高い。

 

「わっ、わたしではない! いくら幼馴染の仲だとはいえ、からかいやふざけたりなどで一夏のパン……下着を盗むような愚行にはおよばない!」

 

 第二容疑者、女生徒の制服を着ている胸の大きな金髪男子。

 いつの間にかいた詳細不明の人物だ。女生徒かと思いきや、当人が男だと言ったので間違いなく男子生徒である。

 

「僕は犯人じゃないよ。だって男の子だからね。仮にボクがパンツを盗むような変態だったとする。だとすれば、男子として堂々と男子更衣室に入り込んてパンツを盗むことはできる。それどころか一夏がさっきまで着用していた制服に鼻を押し当てて一夏スメルを堪能することもできるよ。でも僕は男だからそんなことはしないし、していないよ」

 

 第三容疑者、セシリア・オルコット。

 一般的な男性用下着であるトランクスをモグモグしながら弁明している。

 

「わたくしはふぁんにではありまふぇんわ」

 

 真相が未だ闇の中にある、今回の難事件。犯人は一体誰なのか。

 

 

 意外なことに、犯人はセシリア・オルコットだった。

 犯人を突き止めたのは、胸の大きい金髪男子。彼は自分のことをシャルル・デュノアと自己紹介すると共に、自慢げにこう語った。

 

「僕は鼻が効くからね。嗅いでからそう経っていない臭いを間違えたりしないよ」

 

 一方で、セシリア。

 彼女は犯人として連行される際、このようなことをほざいていた。

 

「知っていますか? 男性が朝起きた時、自身の興奮状態とは関係なしに勃起する朝立ちにはちゃんとした名称があることを。正式名称で言いますと、夜間陰茎勃起現象(やかんいんけいぼっきげんしょう)。つまりですね、わたくしが口の中で転がしていたパンツはただのパンツではなく、一夏さんのイチンカさんが元気になって直に触れていたパンツです。午前中に確保したことから新鮮度も保たれています。以上のことからわたくしは一夏さんのイチンカさんを咥えたといっても過言ではないということですわ」

 

 実に論理的な発言である。

 こうして、事件は一人の生徒が学園を去ることで幕を閉じる。

 逮捕されたセシリアだが、翌日には普通にクラスにいた。イギリスの国家権力は凄い。やはり持つべきものは国家の後ろ盾である。

 余談だが、一夏は返却された涎まみれのパンツをゴミ箱にダンクシュートして廃棄した。

 

 

  ◇ ◇ ◇

 

 IS学園の臨海学校が幕開け。

 ここでは平和なひと時が約束されている──はずだった。

 

「俺のパンツがない! またかよ!?」

 

 砂浜近くの男子更衣室から響き渡った織斑一夏の叫びにより、凶悪なる事件が起きていることが発覚した。

 

 事件が起きたのは臨海学校の当日。

 タイミングはみんなでビーチバレーなどで楽しみ尽くして旅館に戻る時。夕食の前である。一夏が水着からパンツに履き替えようとした際に気がついた。

 

 勉強と実技で疲弊した心を潤す臨海学校で起きた凶悪なる事件。深海よりも深くて暗いところに隠れた真相を見つけるべく、手分けして捜査を開始。

 迅速な行動と前回の事件で得た経験により、容疑者はすぐに絞られることになる。

 

 

 第一容疑者、篠ノ之箒。

 なんと、臨海学校の日程と誕生日が被っていた。自分への誕生日プレゼントとしてイチカパンツを盗んでいてもおかしくない。つまり犯人の可能性が最も高い。

 

「そのようなおかしな理由で盗んだりはしない。待て、一夏が嫌いとかそういうわけじゃなくてむしろ私は……いや、なんでもない。とにかく! 私はやってないぞ」

 

 第二容疑者、シャルル・デュノア。

 世界で二番目に現れた男性IS操縦者だ。胸は大きく、女性のような肩回りかつ線の細さで学園では女子生徒の制服を着ている。水着も女性用だが、胸が大きい体形ゆえに仕方のないこと。まるで女性のようだが、あの大手企業の一つであるデュノア社が発表したから間違いなく男性だろう。疑う余地はない。

 IS学園の生徒はみんな良い子なので他人の体形や服装についてどうこう言う娘はいない。

 むしろ「まるで同性と話しているかのように話しやすい」と好印象である。

 

「僕は犯人じゃないよ。なんたって、僕は男の子だもんね。仮にボクがイチカパンツを盗みたくなる変態だったとする。でも、それなら男子更衣室から盗んだりしない。狙うなら旅館で温泉に入って着替えた後だね。コッソリと一夏が着た水着とイチカパンツのセットで楽しむ。それが同性で同室な僕が取る一番賢い選択。もちろんこれは仮定の話だから、する予定はないよ。なぜなら男だからね」

 

 第三容疑者、ラウラ・ボーデヴィッヒ。

 一般的な男性用下着であるトランクスを眼前に持ってきて匂いを嗅いでいる。

 

「これが嫁の匂いか。心に安寧を与えてくれる優しい匂いだな」

 

 第四容疑者、セシリア・オルコット。

 今回は何もモグモグしていない。ラウラに目を向けた後、はにかんだ微笑みを見せる。

 

「まだ真の理解までは至りませんが参考にはなりましたわ」

 

 真相が未だ闇の中にある、今回の難事件。犯人は一体誰なのか。

 

 

 意外なことに、犯人はセシリア・オルコットだった。

 犯人を突き止めたのは、シャルル・デュノア。大きな胸を揺らし、気づいた理由を述べる。

 

「女の……間違えた。男の勘ってやつだね」

 

 一方で、セシリア。

 彼女は犯人として連行される際、目を伏せて静かに語った。

 

「日本のHENTAI文化を学んだ際に、わたくしはどうしても理解できないものがありました。それはNTR、寝取りや寝取られを意味する言葉。この寝取られでは興奮や高揚感を得るのではなく、無力感や虚しさや怒りを覚えるのみでした。ですが、理解できないことを理解できないままにするのは過ちですわ。わたくしは前に進むことを決めました。だから一夏さんのブツと同等の価値に至れるパンツをラウラさんに渡して寝取られの疑似体験を目論んだのです。結果としては他の誰かの手の内にあるからこその魅力がなんとなくの段階ではあるものの感じ取れました。この調子で歩み続けて新たな自分を広げていく所存ですわ」

 

 性癖の開拓に努力する、実に前向きな発言である。イギリスのスコットランドヤードなら思わず恩赦をくれたかもしれない。

 

 こうして、事件は一人の生徒が学園を去ることで幕を閉じる。

 逮捕されたセシリアだが、夕食時には普通にいた。イギリスの代表候補生は凄い、そういうことである。

 余談だが、一夏は返却されたパンツをちょっと迷った上でゴミ箱に捨てた。

 

 

  ◇ ◇ ◇

 

「俺のパンツがない!? またかよ! なんなんだよ!!」

 

 非道極まりない事件が起きたのは、暇つぶしで悪ふざけにきたウサ耳博士が千冬先生によって地面にめり込まされた翌日。

 時刻は午前中にあったISの実技授業が終わった後に当たる。一夏が、IS展開時に使用する下着着用不可のピッチリドスケベスーツから制服に着替えようとした時に盗難が発覚したのだ。

 これまでの経験により、事件発覚から驚くべきスピードで容疑者が絞り込まれた。

 

 

 第一容疑者、篠ノ之箒。

 実技授業中にチラチラと熱っぽい視線で一夏の身体を見ていた。これは怪しい。つまり犯人の可能性が最も高い。

 

「見てない! ちょっと、あのっ……そうだ、どのようにトレーニング指南するべきかの参考に筋肉量を見ていただけだ!」

 

 第二容疑者、シャルル・デュノア。

 シャルルは呆れた様子で説明する。

 

「僕は犯人じゃないよ。仮にボクが変態だったとする。それなら一夏のベッドに寝て匂いを吸い込んだり一夏の枕を僕のシャルルに擦りつけてイグニッションブーストするね。バレない行為で同室特権を活用するよ。もちろん可能性を話しただけで実際はすることはないけどね。だって僕は男の子だから」

 

 

 第三容疑者、セシリア・オルコット。

 セシリアがそっと箒の肩に手をおいて言葉をかける。

 

「わかっていますわ。箒さんは犯人ではありません。周りの方はどうして優しい箒さんを疑うのかしら。周りへの気遣いができる大和撫子だというのに。もはや周りの思考レベルがチンパンと評価せざるをえません。大事なことですから二回言いますわね。チンチンパンパンですわ!」

「ちんっ!?」

 

 セシリアの言葉に感銘を受けたのか箒の顔は赤くなる。女性同士の友情は素晴らしいものだ。

 箒ではないとして、今回の犯人はいったい誰なのか。

 

 

 意外なことに、犯人はセシリア・オルコットだった。なんとセシリアは盗んだ一夏のパンツを履いていたのだ。

 犯人を突き止めたのは、シャルル・デュノア。彼は得意げな表情で語る。

 

「イグニッションしてセカンドシフトに至った僕に見抜けないことなんてないよ」

 

 一方で、セシリア。

 彼女は犯人として連行される際、このように語った。

 

「わたくしは遂に気づきました。パンツとは本来、嗅いだり咥えたりするものではなく──履くもの。一夏さんのパンツに脚を通す際に感じた胸の高鳴りと抑えがたい内なる熱。パンツを上げきって履いた際に味わった女性用の下着にはない緩さと開放感のある履き心地。それに伴う、わたくしことセシリア・オルコットのオルンコと一夏さんのイチンカの直接的かつ間接的かつ精神的な合体。一夏さんのパンツを履いてわたくしは……いえ、わたくし達は一つになったのです。身心一体となってわかりましたわ。わたくしの心は彼のパンツだったのですね」

 

 己の心の真理へたどり着いた発言である。イギリスのシャーロック・ホームズが聞いていたら常用者仲間と勘違いしてコカインを分けてくれるだろう。

 

 こうして、事件は一人の生徒が学園を去ることで幕を閉じる。

 逮捕されたセシリアだが、次の授業時には普通にいた。イギリス人は凄い、そういうことである。

 余談だが、一夏は返却された謎の染みがついたパンツを焼却炉にダンクシュートして廃棄した。

 

 きっとこれからも事件は続くが、なんだかんだいつまでもIS学園の平和は続いていく。

 

 




【人物解説】
『セシリア・オルコット』
 過去に両親を列車の事故で亡くして……いない。むしろ両親が列車事故を未然に防いでいたりする。名門貴族って凄い。
 日本のことを調べた際にHENTAI文化に出逢ってしまった。しかもハマった。
 日本が原因ということで、日本人代表として一夏くんが責任取って貰い受けてください。


『織斑 一夏』
 基本的に被害者。男でありながらISのピッチリドスケベスーツが似合う凄い奴。


『篠ノ之 箒』
 心が一番乙女かつマトモ。なにかしらの事件が起きるとなぜか一番疑われる不憫な娘。


『シャルル・デュノア』
 胸がデカい。肌がきめ細かくて美しく腰回りのプロポーションが完璧な男子生徒。
 父親との関係は良好でよく電話をしている。


『ラウラ・ボーデヴィッヒ』
 最近、セシリアからHENTAI文化に関することを教わっている。同人誌の作成に手を出した。


『凰鈴音』
 所属クラスが違うので、巻き込まれずに済んだ。


『黒ウサギ隊』
 信じて送り出した隊長が日本のHENTAI文化に染まり自身をモデルにしたエロ同人誌を送って感想を求めてくるなんて……!


『あなた』
 and you.(巻き込んでいくスタイル)
 この作品を最後まで読みきったHENTAI読者。


【後書き】
ハーメルン投稿四作品目です。一度、ギャグ系を書いてみたかったので執筆しました。ISはみんな魅力的でいいですよね。
最後まで読んで下さりありがとうございました。

評価』、『感想』、『ここすき』等、よろしくお願いします。
貰えると作者がいっぱい嬉しくなります!

気が向いたら、作者の『他作品』もよろしくお願いします。

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