先に動いたのはパチュリーだった。結界で狼人間に変身したルーピン先生を隔離しようとしたのだが、ルーピン先生は野生の勘によるものなのか、一瞬でその場を飛び退いて結界を躱してしまった。
「チッ・・・・勘が良いわね」
パチュリーは予想以上に素早い動きと鋭い勘をしているルーピン先生に小さく舌打ちをしてしまう。
パチュリーが使う魔法に限らず、相手を閉じ込めるタイプの結界を張る魔法には、ある共通の欠点がある。それは発動してから実際に結界が相手を閉じ込めるのに一瞬のラグが発生する事だ。更に基本的に目視で座標を指定しなければならないので、熟練の魔法使いなどは相手の視線を読んで簡単に躱す事も出来てしまう。
(だから基本的に不意打ちで使うのが一番効果を発揮するのだけど・・・・多分、この魔法はもうルーピン先生には当たらないでしょうね)
パチュリーが次の手に移ろうとすると、今度はルーピン先生がパチュリーに向かって飛び掛かって来た。パチュリーは防御魔法でバリアを張ろうとしたが、その前に背後に回っていた犬に変身したシリウスがルーピン先生の首に食らい付き、彼を後ろに引き戻した。
狼人間を相手にするにあたって、一番注意しなければならないのは、彼等に噛まれる事である。彼等の唾液には特殊な成分が含まれていて、噛まれると普通の方法では傷口が塞がらず、失血死してしまう。一応銀粉とハナハッカの混合物を速やかに塗布すれば傷口を塞ぐ事は出来るのだが、更に厄介な事に、彼等の唾液と血液には人間の体を狼人間に変異させるウイルスの様な存在が含まれており、噛まれると傷口から唾液と一緒にそのウイルスが体内に入って狼人間になってしまうのだ。
それをシリウスも理解しているのか、ルーピン先生が噛みつこうとすると素早く離れ、ルーピン先生を挟んでパチュリーの反対側に降り立った。
「グルルルル・・・・!!」
「分かってるでしょうけど、噛まれない様気を付けなさいよ?」
「バウ!!」
分かっていると答える様に一鳴きしたシリウスは、再びルーピン先生に背後から飛び掛かった。パチュリーも次の魔法を放とうとすると、背後からハリーの叫び声が聞こえて来た。
「シリウス!あいつが逃げた!ペティグリューが変身した!」
「な!?・・・くっ!」
パチュリーが驚いて一瞬視線をハリー達の方に向けるが、すぐさまルーピン先生が襲い掛かって来たので慌てて防御魔法でバリアを張る。ルーピン先生はガリガリと牙と鉤爪でバリアを破ろうとしているが、そんなものではパチュリーのバリアは破れない。
「貴方達、ちゃんと見張ってたんでしょうね!?」
「あいつがルーピン先生の杖を拾って、ロンに何かの呪文を掛けたんだ!その隙にネズミに変身されて、森の方に逃げられたんだ!」
チラリとハリー達の方を向くと、倒れてピクリとも動かないロンに必死に声を掛けるハーマイオニーとハリーの姿があった。しかしピーターの姿は何処にも無く、地面にはピーターを拘束していた紐が落ちていた。
「シリウス!しばらくルーピン先生の相手を頼むわ!」
「バウ!!」
パチュリーがシリウスに向かって叫ぶと、シリウスは一鳴きして再びルーピン先生に背後から首に食らい付いた。ルーピン先生が怯んでいる内にパチュリーはハリー達の下へ行き、ロンの様子を確認する。ロンは目を半眼に見開き、口はダラリと開いていた。意識は無い様だが、呼吸はしている。
「・・・・死んではいないわね。ただ気絶してるだけよ。放置してても直に目が覚めるわ」
「そ、そう・・・良かった・・・」
「問題はピーター・ペティグリューの方ね」
ハリー達がホッと息を吐いている横で、パチュリーは魔法書を開くと、探索魔法を発動させた。
(森にある人間の反応は・・・・2つ?)
探索魔法が探知した反応は2つ、それも森の入口付近に並んで止まっていた。片方はピーターだとして、もう1つの反応は誰のものだろうか?こんな時間に森の中を生徒や教師が彷徨いている筈は無い。更にホグワーツ周辺をディメンターが警戒している現在、外部からの侵入者と言う可能性も低い。
(そもそも何故2人並んで森の入口で動かずにいるのかしら?
疑問に思って探索魔法の精度を上げ、その反応の姿形を調べる。そしてその反応の正体が判明すると、パチュリーは驚いて目を見開いた。
(
なんと森の入口に居たのはハリーとハーマイオニーだった。しかしその2人は今パチュリーの隣に居る。ならば偽物かと思ったが、姿形どころか体重や魔力の反応まで、その全てがハリー達と全く同じなのだ。
ポリジュース薬や魔道具、変身魔法などによる変身ではない。どんなに上手く化ける事が出来ても、その人間の魔力まで全く同じにする事は出来ない。魔力は指紋の様に人によって違いがある。限りなく似せる事は出来ても、全く同じにする事は不可能なのだ。
(魔法による妨害はされてない・・・となると、今この世界にハリー達が2人ずついる事になる。今の魔法界でそんな事が出来るとすれば・・・・
『
(あの魔道具を使えば違う場所に同じ人間が同時に存在する事が出来る。それは理解出来たけど・・・・)
ならば何故ピーターは探索魔法の探知に引っ掛からないのか?パチュリーが気にしているのはそこだった。この際、何故ハリー達が魔法界でも貴重な魔道具を持っているのかだとか、何の為に未来から過去に戻って来たのかは、気にはなるが一旦置いておく。
(私の探索魔法をピーターが魔法で誤魔化せる事はどう考えても不可能。でも杖も持っていない人間が私の探索魔法を掻い潜れる筈が・・・・・人間?)
そこでパチュリーは自分の失態に気付き、探知する対象を人間ではなく
「・・・・見つけた!」
探索魔法に反応したネズミの数は6つ。その中の1匹だけが、この場から離れる様に今も移動していた。
(この探索魔法、『
また改良しなければと考えていると、パチュリーの背後からキャンキャンと苦痛を訴える様な犬の鳴き声が聞こえて来た。ハッ!として振り返ると、ルーピン先生が鋭い牙が生えた口を大きく開いて、パチュリーの方へ飛び掛かって来るところだった。
「あ──っぶないわね!!」
ガチン!!
咄嗟に飛び退く事でギリギリ躱す事が出来た。どうやら探索魔法に集中し過ぎて防御魔法が疎かになっていた様だ。しかし今ので探索魔法も解除してしまった。
「グルルルルル・・・・!」
「・・・先にこっちを片付けた方が良さそうね」
パチュリーがルーピン先生に向き直ると、彼の背後で鼻面と背に深手を負っているシリウスがヨロヨロと立ち上がるところだった。これ以上シリウスにルーピン先生の相手をさせるのは厳しそうだ。
「シリウス!ルーピン先生は私がどうにかするから、貴方はピーターを追いなさい!まだそんなに離れてないわ!」
パチュリーがそう叫ぶと、シリウスは一瞬迷った様子だったが、再び一鳴きするとピーターが逃げた森に向かって疾駆して行った。
「さてと、ルーピン先生には悪いけど、力尽くで大人しくなってもらうわ!」
パチュリーはルーピン先生を囲う様に弾幕を放った。ほぼ予備動作無しで放ったにも関わらず、狼人間の身体能力でその殆どが躱されてしまったが、それでも最後の数発は命中し、ルーピン先生を吹っ飛ばした。
「土符『レイジィトリリトン』!」
フラフラとまだ立ちあがろうとしたので、パチュリーは念には念を入れてスペルカードを発動した。白く輝く魔法陣がパチュリーの足元に展開され、そこからふわりと黄色く輝く弾幕が浮かび上がると、ルーピン先生に向かって次々と放たれた。
自身に向かって飛んで来る無数の弾幕に気付いたルーピン先生は、最初こそ上手く弾幕の間を縫う様にして躱していたが、途中でランダムな方向に軌道が変わる弾幕を躱し切る事が出来ずに段々と被弾して行き、スペルが終わる頃にはボロボロの状態で倒れていた。
「・・・・ちょっとやり過ぎたかしら?」
狼人間の体は丈夫な毛皮で覆われている為、強めに弾幕を撃ったパチュリーだったが、ピクリとも動かなくなってしまったルーピン先生に流石に心配になり、警戒しながらも近付いて生死を確認する。幸いにも意識を失っているだけで死んではいなかった為、ホッと息を吐きながら落ちていた紐を変身魔法で頑丈な鋼鉄の鎖に変身させ、それを操ってルーピン先生を拘束した。
「・・・ルーピン先生、今夜は散々だな」
「・・・そうね」
ハリーとハーマイオニーは、鎖でグルグル巻きにされているルーピン先生を気の毒に思った。死んだと思っていた親友が生きていたが実は裏切り者で、再会したもう1人の親友と捕まえたと言うのに、偶々今日が満月の日で、しかも薬を飲み忘れていたので狼人間になってしまい、裏切り者に逃げられた挙句、パチュリーに意識を失うまでボコボコにされてしまったのだ。間違い無く今日一番運が無かったのは彼だろう。
「さてと、シリウスはちゃんとピーターを捕まえられたかしら・・・・?」
パチュリーが魔法書を開いて再び探索魔法を発動させようとすると、急激に周囲の気温が下がるのを感じた。冷たい風が吹き始め、吐いた息が白くなり、薄っすらと霧まで出て来た。嫌な予感がして空を見上げると、少なくとも100人以上のディメンターが、森の方に向かって飛んで行っていた。
「どうやら森にシリウスが居る事がディメンターに気付かれたみたいね・・・・」
「そんな・・・!」
その時、森の方からシリウスの叫び声が聞こえて来た。どうやらディメンターに見つかってしまった様だ。しかも変身が解けてしまっているのか、聞こえて来たのは犬の鳴き声ではなく人間の声だった。
「・・・ッ!?シリウス!!」
「ハリー!」
シリウスの叫び声を聞いたハリーは森に向かって駆け出し、ハーマイオニーもその後に続いた。パチュリーも続こうと一瞬思ったが、ここには気を失っているロンとぐっすりと眠っているスネイプ先生がいる。
「流石に放置は不味いわよね・・・」
ディメンターが近くに居る今、この2人を放置して行くと勝手に魂を吸われかねない。森へ向かったハリー達も気にはなるが、ハリーは『守護霊の呪文』を未完成だが使えるし、森には未来から来たであろうハリーとハーマイオニーがいる。その2人がどれくらい先の未来から来たかは知らないが、少なくともディメンターをどうにか出来た事は確かだ。なら特に何かする必要も無いだろう。
(気にはなるのは、ハリー達が何故未来から過去へ戻って来ているのか?と言う事なのよね。まぁ、恐らく未来で何か不都合な事が起きて、ハリー達はそれをどうにかする為に戻って来たってところでしょうけど)
考えられるとすればピーターを取り逃してシリウスが捕まったか、シリウスが死んでしまったと言う可能性。
(前者ならまだ良いのだけど、もし後者だった場合はかなり不味いのよね・・・・)
パチュリーは『逆転時計』に使われている時間逆転呪が、今の魔法界に全く伝わっていない理由を知っている。過去に戻れるのは確かに便利ではあるが、同時に魔法界が思っているよりも遥かに危険な行為なのだ。
「・・・仕方ないわね」
パチュリーはそう呟くと、眠っているスネイプ先生の記憶を書き換え始めた。
(私は最初から居なかった事にして、スネイプ先生を眠らせたのは・・・そうね、適当にルーピン先生がやった事にしましょう)
さらっと自分がやった事をルーピン先生の所為にしながら、パチュリーはスネイプ先生の記憶の書き換えを終える。続いてロンの記憶を同じ様に書き換えて、念の為にルーピン先生の記憶も書き換えた。
「これで良し。後は・・・・」
パチュリーは最後にスネイプ先生に状態異常回復魔法を掛けると、森の入口にある木の陰に転移した。チラリと様子を伺うと、目を覚ましたスネイプ先生が杖を抜いて気絶しているロンを起こしているところだった。
「・・・問題無さそうね。さてと、ハリー達は何処に居るのかしら?」
パチュリーは魔法書を開き、今度こそ探索魔法を発動させた。すると少し離れた場所にある湖の側に、5つの人間の反応があった。湖を挟んで3つと2つに分かれて固まっている。
(恐らくこの3つの反応はシリウスと今の時間のハリー達でしょうから、こっちの対岸にある2つの反応が未来から来たハリー達か・・・)
念の為にネズミの反応も探ってみたが、範囲内に居るネズミはそれぞれ固まって動いていない。最後に確認したピーターの反応の場所とスピードからして、やはり既に探索魔法の範囲外へ逃げてしまった様だ。
「追いかけたいけど、今はこっちが優先ね」
パチュリーは魔法書を閉じると、
「お願いだから、これ以上面倒な状況にしないでちょうだいよ?」
樹々の間を縫う様に進み続けて、後少しで湖に到着するその時、目が眩む程眩しい銀色の光が辺りを照らした。目を細めながら湖の方を覗き見ると、未来から来た方のハリーが杖を構え、『守護霊の呪文』で出した銀色の牡鹿でディメンターを追い払っていた。
「へぇ?上手く発動出来たじゃない。以前見た時とは威力が桁違いだわ」
短期間でこれだけの威力を持った守護霊を出せる様になっていたハリーにパチュリーが少しだけ感心していると、ディメンターは全てハリーの牡鹿に追い払われ、何故かバックビークを連れたハーマイオニーがハリーの元へ駆けて行った。
「ハリー!何をしたの?何が起きているか見るだけだって、貴方そう言ったじゃない!!」
「僕たち全員の命を救っただけだ・・・・ここに来て──茂みの陰に──説明するから」
どうやらハーマイオニーは、ハリーがディメンター達を追い払った事に怒っているらしい。ハリーの説明を受けて口をポカンと開け、焦った様子で誰かに見られたかを聞いているところを見るに、どうやら『逆転時計』の持主はハーマイオニーの様だ。
(そう言えば、談話室でハーマイオニーの授業の時間割が変だと誰かが話してるのを何度か聞いたわね・・・・)
大方ハーマイオニーが今年の授業を全部受けたくてマクゴナガル先生辺りに相談したら特別に貸してもらえたのだろう(正解)と予想しながら、パチュリーは未来から来た方のハリー達の元へ歩み寄った。
「ッ!?パ、パチュリー!?なんで君がここに居るんだ!?」
「あぁ、なんて事なの!?誰にも姿を見られてはいけないのに!」
近付いて来たパチュリーに気付いたハリー達は、顔を驚愕に染めて慌て始めた。そんな2人を落ち着かせる様にパチュリーは声を掛ける。
「落ち着きなさい2人共、貴方達が未来から戻って来たと言う事はもう知ってるから・・・恐らくハーマイオニーが持ってる『逆転時計』を使ったんでしょう?」
「し、知ってたの・・・?」
「使ってるのを知ったのはついさっきだけれどね。まぁ、今はそんな事どうでもいいわ。それより貴方達に幾つか聞きたい事があるのよ」
「き、聞きたい事・・・?」
恐る恐る聞いて来るハリーからパチュリーは一度視線を逸らすと、対岸で倒れているシリウスと今の時代のハリー達を見て、次にジッとこちらを見詰めるバックビークを見ると、未来から来たハリー達に視線を戻した。
「単刀直入に聞くわ。貴方達はシリウスが死んだから、過去に戻って来たの?」
「ッ!違う!シリウスは死んでない!」
「じゃあ貴方達が『逆転時計』を使った時点では、まだ生きてたのね?」
「え、えぇ・・・処刑される予定だったけど」
「バックビークは処刑されたんじゃなかったかしら?」
「うん。でもその前に助けたんだ」
パチュリーはそこまで聞くと一旦質問をストップして考え込んだ。険しい顔になっているパチュリーに、ハリー達は気不味そうに互いに顔を見合わせる。
「・・・・過去の自分達に対して何かしたかしら?魔法を掛けたりとか」
「えっと・・・僕は『守護霊の呪文』を使って、ハーマイオニーは石を投げてた。僕にも当たったよ」
「それは『逆転時計』を使う前に、貴方達の身に起きた事かしら?」
「えぇ、起きてたわ。まさか犯人が私達だとは思わなかったけど・・・」
「・・・・なら、問題無いわね。聞きたい事は全部聞けたから、もう行ってもいいわよ」
そう言ってパチュリーは湖の岸に沿って歩き始めた。今の時間のハリー達の記憶を書き換える為だ。
「あ!ちょ、ちょっと待ってよパチュリー!さっきの質問の意味は!?そもそも何で君がシリウスの事を知ってるんだ!?」
「気にしなくて良いわ。あ、今回の件で私に関係する事は誰にも喋らないでね?もし喋ったらウィーズリー兄弟が考案したいたずらグッズの実験台になってもらうから」
「だからこっちの質問に───!!」
「ハリー!これ以上は関わっちゃダメよ!こっちも時間が無いんだから!」
まだ何か言いた気だったハリーをハーマイオニーが止めた。どうやら戻った時間はそんなに長く無い様だ。今から大体1〜2時間後からかな?と予想しながら、パチュリーは歩みを進めた。
「う・・・うぅ・・・」
「良し、ちゃんと生きてるわね」
シリウス達が居る対岸に辿り着き、生きている事を確認したパチュリーは、先ず1番近くに居たハーマイオニーの記憶を書き換えと同時に、回復魔法で怪我をゆっくりと回復させて行った。
(これで未来から来たハリー達は私が怪我の治療をしている様に見えるでしょうね)
それから約数十秒程でハーマイオニーの怪我の治療と記憶の書き換えが終わり、今度はハリーの治療と書き換えを始めた。
(・・・・ふぅ、これでハリーの方も完了───ッ!)
また数十秒程でハリーの方も終わり、最後にシリウスの記憶の書き換えと治療を行おうとしたパチュリーだったが、城の方角から聞き覚えのある話し声が聞こえて来たので、急いで近くの木の陰に身を隠した。
「──から!シリウス・ブラックじゃなかったんだ!」
「良い加減にしろウィーズリー!次また我輩に向かってその様な戯言を発したら、貴様の口を縫い付けるぞ!」
ガサガサと茂みを抜けてやって来たのは、ロンとスネイプ先生の2人だった。ロンは何故か紐でグルグル巻きにされており、その紐の先をスネイプ先生が握っている。2人は倒れているシリウス達に気付くと、慌てた様子で駆け寄って行った。
(・・・ここはスネイプ先生に任せて良さそうね。後の事も未来から来たハリー達がなんとかするでしょう)
テキパキと生死と怪我の確認を行い、魔法で担架を作って3人を乗せて行くスネイプ先生を見ながら、パチュリーはそう判断した。
(それにしても、こうも立て続けに面倒事が起こると、流石に疲れるわね・・・夕食も食べ損ねたし)
試験で自分と大切な家族が死ぬ未来を見るわ、食料を持って行けばシリウスがタイミング悪くやらかすわ、満月の日なのにルーピン先生は脱狼薬を飲み忘れて暴走するわ、その所為で折角捕まえたピーターは取り逃すわ・・・空腹に加え、こんなにも面倒事が連続で発生すると、流石のパチュリーも疲労を感じた。
(はぁ・・・早く部屋に戻って、こぁに何か作って貰いましょう。あの子も心配してるでしょうし)
小さく溜め息を吐いたパチュリーは、小悪魔に何を作ってもらうか考えながら、空間魔法で自室に戻るのだった。
やっと書けました。逆転時計とか過去とか未来とか色々考えてたら遅くなってしまいました。本当は前回の投稿から1週間前後で書き上げたかったです。