マダオ戦士Goddamn   作:はんがー

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side 江戸川コナン

 

連絡を受けた俺たちは、赤井さんたちと急いで羽田へむかう。取り引き現場ではルパン一味とマフィア、FBIも加わり激しい銃撃戦が繰り広げられた。 

 

俺はルパンと互いに拳銃を向け合い、ルパンはFBIに捕まりそうになった。だが、そのときルパンがマフィアに銃で狙われていると察した俺は危険を顧みずに彼をかばい負傷した。

 

ちょうどそのとき物影からテム君が飛び出した。何やってんだよ......!危ねぇぞ!逃げろ!!そう言いたいのに、視界はぼんやり薄れていく。拘束されているから思うように身体を動かせない。

 

大人が誰一人俺のせいで動けない状況なのにテム君はルパンとほんの数秒、目配せしたかと思うと、ルチアーノに話しかけている。

 

 

 

 

そんななか、アラン・スミシーは負傷した俺を人質にとり鉱石を手に入れて逃走する。 負傷した俺はそのまま拘束され、人質として輸送機に乗せられてしまった。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

アラン・スミシーが機長室に入ったのをみて、脱出のタイミングをうかがう。眼鏡にスイッチを入れて、赤井さんに連絡を入れていると、この輸送機にルパンが潜り込んでいた。

 

 

 

俺は乗客室で出会したルパンに「もう少し早く鉱石を奪った犯人を突き止めていたらドンパチする事はなかったんじゃねーか?」と冷たく言う。 

 

 

「ここにいる小生意気な名探偵に会うためについつい手を抜いちまったのよ…」

 

 

ルパンは少し嬉しそうな表情を浮かべながら、冗談半分に答える。

 

 

 

すると、赤井さんからルパンに代わってほしいと言われたため、スピーカーをONにした。

 

「......沖矢昴に変装していたのは、お前だな?」

 

「あ~らら。バレちった?」と舌を出しながら、扉越しに機長室の様子を窺っていた。

 

「日本で起こったアメリカ絡みの連続狙撃事件があっただろ?......次元と撃ち合った(やりあった)っていう男が一般人に紛れたFBI捜査官だったとはな......

まっ!それはさておき。......―――もしもーし」

 

 

 

あぁ、FBIと日本警察が合同捜査したあの事件か......って、赤井さん!!潜伏中なのに何してるの!?

 

 

 

その間にルパンはスマホを取りだし、操作していた。

 

「はいはーい、こちらルチアーノ制圧完了。どうぞ」

「こちら、ルパン三世。ガキンチョと合流した。どうぞ」

 

 

 

この声は......!

 

 

テム君......!無事なのかッ?ホッと安堵していると、テム君がおそるおそるといったように俺と赤井さんに告げた。

 

 

 

「正義の味方も、悪党もさ......()()()()()()()()()()()。うまくバランス取り合って持ちつ持たれつやってる。相容れない関係かもしれないけど、おれは思うんだ......

 

 

 

友だちを助けたい、力になりたいっていう気持ちは同じだって

 

 

 

 

じっと黙ったまま、テム君の言葉に耳を傾ける。ルパンも空気を読んでか、静かに見守っている。

 

「―――もしも大切な人が恐怖に震えていたり困っていたりしたらどうする?」

 

「「助ける」」

 

「その人が例えば痴漢とか誘拐とか、犯罪に巻き込まれたら?」

 

「「守ってやるさ」」

 

当たり前だ。赤井さんも俺も、危険だと承知していて、黒ずくめの組織を追っている。だからこそ、蘭やおっちゃん、灰原、博士、少年探偵団に、もちろん、テム君......お前だって、その中に入ってんだ。お前にも、そう思われてる人はいるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

俺と赤井さんの答えにテム君は「......そっか!さすがホームズ」と、心の憂いが晴れたように言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、一番恐いのは、隣家や自宅に上がり込んで一日中、付きまとってる男だよな」

 

「ぐふふふッ......だぁってよ!擬似小学生、ロリコン捜査官!やーけどすっぞー!」

 

 

おいッ!!!何てことを言うんだ!!!

 

テム君はとんでもないことをさらっと投下してくれた。人を持ち上げさせて落とすなよ......そういうところあるよな、ほんと......

 

 

「え?オトンから聞いたよ。江戸川君って落とされると燃えるタイプなんだろ?」

 

ちげーよ!!“脅されると燃えるタイプ”って言ったんだよ!!!

 

 

テム君とルパンのやり取りにだんまりな赤井さんに「赤井さん!しっかり気をもって!!」と正気に戻させた。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

バンッ!と機長室の扉を開けると、アラン・スミシーは驚いた顔をしてこちらをみた。

 

「少年に、ルパン三世......

 

 

 

 

それからICPOの銭形」

 

 

 

 

......え?ICPOの銭形??

 

 

人数確認するために俺自身に指をさし、ルパン三世、そしてルパン三世の腕にガチャリとかけられた手錠を辿っていくと、トレンチコートを着た銭形警部がいた。あんた、テレビのワイドショーに出てたはずじゃ......

 

 

「相手が誰であろうと悪党にはワッパをかける。それが儂の主義だ」

 

銭形警部はガシッと手錠の縄を掴み、「とっつぁん、いつの間に?」「ルパン在るところに銭形あり......儂から逃れられると思うなよ、ルパン」と言い合っている。

 

 

「アラン・スミシー......貴様はジランバ共和国の工作員だな?先日、ヴェスパニアで盗まれた鉱石を闇の取引で入手しようとしたことはわかってるんだ!おおかた不二子を利用して、ルパンにチェリーサファイアを盗ませた。が、この状況をみると、まんまとルパンたちに偽の情報を流され取引は失敗したようだな」

 

 

銭形警部は操縦席に座るアラン・スミシーを一瞥し、追い詰めるように語る。

 

 

「とっつぁん、有能なデカってのはあんまりしゃべんないもんなのよ?You know?」

 

「うるせー!そういうのはたいした問題じゃねーんだよ!」

 

 

だが、銭形の取調べにルパンが横から茶々を入れる。アラン・スミシーはふぅとため息をつき、その重たい口を開いた。

 

 

「......そうだ。我が祖国は隣国の圧倒的な武力によって植民地同様の扱いを受けていた。だからルチアーノから得ようとしていたヴェスパニア鉱石を使って隣国と対等な立場で戦うつもりだった。だが、それももう出来ないようだ......」 

 

計画を認め、消沈するアラン・スミシーを他所にルパンが真面目な顔つきで告げる。

 

 

「そのヴェスパニア鉱石で誰かさん(ルチアーノ)が闇ルートで商売しようとしてるんだ。お宅らがよぉ~く知っているような組織にな。それを不二子が嗅ぎ付けたってわけさ。」

 

 

それって、黒ずくめの組織のことか!?

 

 

どういうことだと問い詰めようとしたとき、突然機内のレーダーがけたたましく響く。焦る俺たちにルパンはニッと口角をあげる。

 

 

「大人しくしてろ。こういうときはwizardの出番なのさ」

 

wizard(魔法つかい)......?」

 

 

得意気にそう言ったルパンを不思議そうに眺めると、「な!?コントロールを奪われている!?」と、あわてふためくアラン・スミシーの姿が目に入る。みると、機体は180度旋回し、戻ろうとしていた。

 

 

「......遠隔操作、か......?」

 

 

俺の小さな呟きを拾ったテム君が「ファンネル・ビットっていう遠隔操作アプリだよ」と種明かしをする。どうやらルパンが機体に潜り込み、俺と合流するまでの間にインストールさせたらしい。

 

 

......それって、一歩間違えたらハイジャックじゃねーか!

 

俺の指摘を華麗にスルーして、テム君は冷静に落ち着かせるように言う。

 

 

「ところで諸君らにいいニュースとわるいニュースがあるんだけど......」

 

「なんだ?」

 

「オカンがそっちに向かって、援護にまわる」

 

「五ェ門の助太刀か。そりゃ安心だ。で、わるいニュースってのは?」

 

 

 

「ヴェスパニアが日本政府に対し輸送機の撃墜を要請し......その許可がたった今下されてしまった。 」

 

 

「「「「何だって!?」」」」

 

 

その場の全員の声が重なった。

 

 

どうやらルパンは「万一鉱石を取り戻せなかった場合は、日本から運び出される前にどんな手を使ってでもそれを阻止しろ」と要求していたらしい。 

 

 

「よし!テム、撃ち落とせ」

「簡単に言ってくれる......!付け焼刃程度のチャフとフレアでなんとかするしか......!」

「おいおい......まだ追ってきてるぞ。課金(追加)できないのか?」

「ゲームと一緒にすんな!!」

 

 

そうか!チャフで航空機を探知して追尾するレーダー電波を回避......フレアを多数打ち出すことによって、ロックオンを逸らすことができる!

 

 

迫り来る戦闘機から逃れるために、機体は最大速度を出しながら空を駆け巡り、耳の奥がキーンと響く。

 

ルパンとテム君がギャーギャー言い争いをする中、とうとう戦闘機から追尾ミサイルが発射される。 急旋回して一度は回避したものの、まだミサイルは飛んで来る。

 

 

 

「あぁ…大きな星が点いたり消えたりしてる…アハハ、大きい…彗星かな?いや違う、違うなぁ…彗星はもっとバァーって動くもんな…」

 

 

 

 

地上からミサイルを視認したテム君の渇いた声と現実逃避する様がスピーカー越しに聞こえた。

 

 

くそっ!何かこの状況を打開する策を思いつかねーと!本気(マジ)であぶねーッ!......

 

 

 

 

 

絶体絶命かと思われたそのとき―――

 

 

 

間一髪のところで高層ビルをかけ上った石川五ェ門が大きく飛来し、ミサイルを両断。そのまま輸送機の片翼に着地し、機体が傾いた。

 

 

「つまらぬものを......斬ってしまった」

 

「五ェ門~!!」

 

五ェ門の助けに一同歓喜する。

 

しかし、追い討ちをかけるように事態はわるい方向へ転がっていく。俺たちは戦闘機と連絡を取ろうとするも通信機が壊れてしまい連絡不可能となり、 戦闘機はまだ攻撃体制を解いてない。チャフも使い果たしたため万策尽きてしまった。すると、ルパンはこそこそと俺に奪還したチェリーサファイアを託した。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

俺はすぐさま格納庫にある高電圧パネルの元へ向かった。

 

チェリーサファイアは宝石状に加工されたヴェスパニア鉱石。 

 

その鉱石を使って輸送機の高電圧パネルに異常を起こし、周辺の電子機器の機能を全て無効化する事でこの危機を脱することができる! 

 

 

難を逃れたけれども、結局、緊急離脱することになり、パラシュートを使って脱出し海へ降下。

 

 

 

俺たちが搭乗していた輸送機は、爆発し、海面には機体の火が燃え広がっていた。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、警視庁の会議室で再会したテム君は俺の顔をみるなり、しみじみと語った。

 

 

「これがホンマの落とされると燃えるタイプやねんな」

 

 

 

言ってる場合かッ!!

 

 

 

 

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