秩序の騎空団でグラブる 作:秩序派
可愛いですね? なんなら、この先を読む必要がないぐらいに。
目の前に、2割増ぐらい可愛い顔をしたリーシャがいる。言うまでもなく今日(14~28日)はバレンタインデーであり、おそらく『彼女』となった彼女から本命チョコが貰えるのだ。
「あの……これ、貴方のために作ったので……」
笑顔でチョコを差し出す彼女のことを一生大事にしようと……思いかけたところで、俺は正気に戻った。危ない危ない。俺の夢はハーレム王であって、リーシャ一人に縛られるわけにはいかないのだ。ゲーム以外でチョコを貰うのは初めてだが、それぐらいで俺を止められると思うなよ。
「お、おう……その、ありがとな」
ラッピングされた箱を受け取って、自然に視線をそちらへ移す。決して、可愛さ2割増の笑顔に負けたわけではない。だいたい、2割増なんて最終天司武器以下の効果量のくせに。そう、心の準備さえしておけば何も問題は無いのだ。俺は再び彼女と向き合った。
「貴方の好みに合わせたつもりなんですけど、上手くできたかどうか……」
負けた。いや負けてない。死んでないから負けてない。だが、そろそろ主導権を握る必要はあるだろう。そもそも、こっちはまだ起きたばかりなのだ。真の力を解放するのはこれから……ん? つまりリーシャは朝一番にチョコを渡そうと――いや、これ以上は取り返しがつかなくなる。今は効果的な返事を考えるのに専念するべきだ。ぱっと思いついた選択肢は3つ。
A:嬉しいよ、リーシャ……愛してる。
B:食べてもらいたいなら口移ししろよ。
C:リーシャの手で食べさせてほしいな。
まずAは無い。局地的には勝てるかもしれないが、最終的に未来が確定してしまいそうな予感がする。あの時うっかり『リーシャ、フォーエバー』って言ってしまったから、こんな状況になっているんだ。同じ失敗は二度としない!
次にBも止めた方がいいだろう。断られて怒らせるならいい。だが、もし断られなかったら? きっと俺はリーシャから抜け出せなくなる。故にハイリスクローリターンなのだ。
Cは問題なさそうだ。リーシャが羞恥から拒否すれば主導権を得られるし、『あーん』されても俺は大丈夫だ。むしろ膝枕とセットで頼むのもいいかもしれない。リーシャが視界の大半を占め、リーシャの『あーん』を聞きながら、リーシャの太ももを後頭部で堪能しつつ、リーシャの匂いに包まれて、リーシャの指をチョコと一緒にくわえてしまう(事故)。これこそが俺のバレンタインなのだ! 俺はCの『リーシャの手で食べさせてほしいな』を選ぶことにした。
「リーシャが食べたい」
あっ、違った。今のやり直し。
「えっ……それは……」
「リーシャ?」
「えーと、その……そういうのはまだ早いと思うので! し、失礼しますっ!」
リーシャは撤退した。
「フッ、また勝ってしまった……」
俺は悠然と目の前にある勝者の証を味わうことにした。
甘すぎて味なんか分からなかった。
急に書きたくなった恋愛頭脳戦(仮)です。
なお、2個目以降は味覚が回復してから食べました。
他のキャラについては、きっと以下のような感じです。
モニカ:義理チョコすら渡したくなかったが、秩序者として我慢した(未変身)。
ソシエ:手作りぜんざいを2人で食べていたらユエルに乱入された。
ユエル:イベントなし(ソシエには贈った)。
オリヴィエ:騙されてチョコを身体に塗ろうとしたが、リーシャで未遂に。
ニオ:何度か試作チョコを食べたことにより、当日は嫉妬で脳をやられていた。
妹:王立フィロス教導学校に新たな文化を根付かせた。
Q:前話で浮気に成功してしまったら、どうなった?
A:数年後、ガルゲニア皇帝である主人公は皇妃と共に断頭台へ……。
次こそはモブ隊員の話を投稿しようと思っています。
以下、1つを除いて外伝の没案です。没案でないそれを、いずれ投稿します。
・ワールドに送還されて元の世界で死んだ主人公は、なぜか鬼のいる世界に転生する。「日の出まで戦えって? 古戦場より短いじゃないか」と9本の刀を背負って戦う主人公。
・ワールドに送還されて元の世界で死んだ主人公は、なぜかグラブルでない世界に転生して七ちゃん瓔ちゃんと旅をする。
・主人公の【武神】VSリーシャの【ライトロード】の一戦。
・秩序の騎空団殺人事件。主人公が殺される。真実はいつもひとつ。
・秩序不足だと騎空団を追放されたので狐耳三姉妹と山奥で王家再興を始めます~リーシャの秩序的ディストピアを阻止してほしいと言われてももう遅い~