もしもあの変態の血を緑谷出久が受け継いでいたら……?
君が助けを求める顔してた
幼馴染みの少年──
そのとき出久の頭上に一枚の布切れが舞う。それは風に飛ばされて飛んできた女性用の下着。そして吸い込まれるように──
出久の顔面に 女性用の下着 がジャストフィット!
慌てて自分の顔面に張り付いたそれを外そうと手を伸ばすが……何故か途中でその手をピタッと止めてしまう出久。そして下着越しからでも分かるほど苦悶の表情を浮かべ、「はあ、はあ…」と息を荒げながら体を前のめりに傾けていく。
「ちょっと君! 大丈夫か?」
出久の苦しそうな容態に気の良さそうなおじさんが声をかけるも、容態が良くなる傾向は一切見られず、それどころかますます悪化していく一方。とりあえずおじさんは原因であろう顔面に張り付いた下着を剥ぎ取ろうと手にかけた瞬間────
「 フオオオオオオオオッ!! 」
出久は雄叫びを発しながら背筋をピンと伸ばす。おじさん「うわぁっ!?」とびっくりして後ろに後ずさる。
「 気分はエクスタシ─────ッ!! 」
そう叫ぶ出久の眉は吊り上がり、目に至っては黒い瞳の部分が消失。もはや別人と言っても過言ではない変化を遂げていた
。さらに自分の学生服に手をかけると……
『 クロスアウッ!(脱衣) 』
一瞬で脱衣を完了。脱ぎ捨てられた学生服が宙に舞う。
学生服を脱ぎ捨てたことでブリーフのみになった出久。さらにブリーフの両端を掴んで思いっきり伸ばして肩にかけ──股間を強調した格好になると腕を組みつつ朗々と名乗りを上げた。
「 変態仮面デク、見参! 」
人間は通常、潜在能力の30%程度しか力を発揮することができないが、変態仮面デクは 女性用の下着 を被ることによって力を100%発揮することができるのだ!
中学生とは思えないほどの引き締まった肉体美。佇まいは老練な戦士のごとく。しかし格好はパンツ一丁に網タイツ、極めつけに頭にパンティという通報されても文句のない変態的な出で立ち。その圧倒的な存在感は見る者を黙らせた。
「む? ヴィランがいないようだな」
やたらと渋い声を発して辺りを見渡す出久。彼は地を蹴って跳ぶと、電柱や建物の壁等を次々に足場にして建物の屋上に着地。そのまま、いずこへと去っていく。そんな彼の格好と行動に誰もが呆気に取られていた。
現場から突如居なくなったヴィラン。彼は人々の視線が出久に集中している間に人気の無い路地裏へと移動していたのだ。そして身近にあった扉のドアノブに手をかけるが……
『む? なんだこのドアノブは? 回せないし、それになんだか……生温かい? 』
疑問に思いつつも再度、回してみるヴィラン。……が、やはし開かない。疑問に思っている彼のもとに、その正体を告げる声が耳に入る。
「 それはドアノブではない 」
前方、それもドアから聞こえてくる声に思わず見上げるヴィラン。そこにはパンツ一丁の変態──出久がいた。そしてヴィランが握ってたものの正体を明かす。
「 それは私の おいなりさん だ 」
ヴィランがドアノブだと思って握ってたものは出久の股間だったのだ!
『 いやぁぁぁ~~~っっっ!!!? 』
これには堪らず乙女のごとく悲鳴を上げ、股間を触った手を瞬時に引っ込めてパタパタ振るヴィラン。
出久はヴィランが悲鳴を上げてる間にパンツから縄を取り出し、ヴィランに向かって投擲。捕らわれている勝己もろともヴィランを亀甲縛りで縛り上げ、そしてヴィランを正座させるように地面に着地させる。
一方、ヴィランの方はこのままでは不利と悟り、縄から抜け出そうともがいてみせるが……どういうわけか抜け出せない。そして道に多少の傾斜があったのだろう、少しずつだが表通りへとぬるぬると滑りながら移動していく。よくよく見れば地面には油のようなものが撒かれていて、それが表通りへと続いており、その先には……
「 Welcome(ようこそ) 」
大股開きで、両手の親指を下に──それも股間に向けながら──そんなことを宣う出久がいた。ご丁寧に股間に顔面が当たるように腰を落として……
「「 いやぁぁぁぁぁぁあああああ~~~~~っ!!!! 」」
ヴィランと彼に捕らわれている勝己の声が重なり、さして広くない路地裏に響き渡り……
「 成敗 」
無情にも勝己ごとヴィランの顔面は出久の股間と接触。直後、ヴィランと勝己、二人揃って白目を剥いて頭を垂れ、口から泡を吹きつつピクピクと体を痙攣させながら気を失った。
出久が姿を消したヴィランを追って建物の屋上へと跳んでいった後、ヴィランが破壊してできた瓦礫等を町の人たちが片付けていた。そんな彼らの下に出久が戻ってきた。
「みなさん、ご安心ください。ヴィランと彼に捕らわれていた少年はこの通り無事に確保しました」
そう言って現れた出久のパンツにはヴィランの──勝己の頭が突っ込まれていた。
(´・ω・)にゃもし。
◆久々の短編。
久々の変態仮面とのクロスオーバー。
悔いは無い。
◆原作、ほとんど知らないので続けられない。
◆他にも「鼻毛真拳継承者」「しっとマスク」の話を考えていた。
◆悔いは無い。