馬鹿野郎、お前、俺は勝つぞお前

一人の男が今立ち上がる

嘘です。

ほぼネタです。

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興が乗ったこともあり、また書きます。
今回はギャグをなんとかやってみようかと
魔法科のなんかみんなハッピーあるかなぁと考えてとある小説が目に入りました。
すべての大元?である大漢が変態の集まりだったらってやつだったんですけど、個人的にとても面白く。

では、始まります。


四葉元造大変身

 

彼女というか少女、四葉真夜の思考は停止していた。

誘拐されたと分かった。日本の魔法師、さらに四葉の直系である。なるほど、彼らはその才目当てに私を誘拐したのか。

なら今から始まるのは私の体を使った実験。どんな酷いことをされるか分かったものではない。それ故絶望した。

もう私に外の光は見れない。家族と会えないと。姉に会えないと。若いが未来の日本を担う魔法師だからこそ分かった。理解した。

しかしなんだこれは。目を開けば絶望も何もない今この目の前に広がる景色は何といえばいいのだろうか。

 

「ウッキー!今年は申年ィ!アーイアーイアーイ!ヤッターブッパー!」

 

「そらそら逃げろぉ!逃げるMSはただのMSだ!逃げないやつはニュータイプMSだぁ!」

 

「このゲーム敵が三人いる!(真理)」

 

なんとそこには数十年前に流行ったとされている某アーケードゲームがあるではないか。しかも私の誘拐犯?は楽しんでいる様子だし。

といってもそれだけでは思考は停止しない。思考停止に拍車をかけた存在が今目の前にいるからだ。

 

「馬鹿野郎お前ら!俺は勝つぞ!(天下無双)」

 

そこには猿へと大☆変☆身した四葉真夜の父、現四葉家当主、四葉元造がいるではないか。しかも楽し気。いつもと違う雰囲気に誘拐犯と思わしき男たちとゲーム。もう何も言えない。

 

「ん?起きたか真夜。」

 

画面にWINの文字を浮かび上がらせる四葉元造。そこに四葉家当主の貫禄はなく、ただ、ロボットに心を奪われた少年のような無邪気な笑顔に真夜は白目を剥くしかない。

 

「ん?どうしたんですか?元造殿。あ~なるほど。娘さんが目を覚ましたんですね。」

 

ふと元造の対面にいる年が50になるであろう初老の男性が元造に問いかける。そして元造の目線にいる少女に目を向け理解した。しかし、白目はまずい。そこからの行動は早かった。まず、少女に話をするのが先だと。

 

「こんばんは。四葉真夜さんですね?」

 

先ほどウッキー!などと奇声を発していた初老の男性は真夜に問いかける。その問いに何とか意識を戻した真夜は答える。

 

「は、はい。四葉真夜です、が…。」

 

問いに答える最中に先ほどまであった絶望が蘇る。いくらお父様がいろうともこの身、心はまだ少女。人体実験されると思ってしまう。問いへの答えも徐々に震えを含んだ声となっていく。

しかし。ここではそんなものは似合わない。初老の男性はその気持ちを察し、柔らかな笑顔を浮かべ少女に返事を返す。

 

「安心してください。私たちはあなたに何もしませんよ。」

 

その言葉は上辺だけのものではないと真夜は感じた。初老の男性の目がとても奇麗だったからだ。それだけは普段心を許さない真夜も今はその言葉を信じた。信じることができた。まぁお父様があたたかな目を向けてきているのも原因の一つだが。

初老の男性は急に顔を真剣なものに変えた。言葉を紡ぐ。少女は目を見開く。

 

「時間がないなぁ、お前ら、戦力ゲージは十分か?」

 

その言葉はもちろん真夜には理解できない。しかし、お父様を含む他3人は、すぐに理解した。

 

「当たり前だこの野郎!今度こそ勝つぞオラァ!」

 

「次は勝つ…!必ず…!」

 

「四葉家当主四葉元造、勝者として次の試合も勝たせてもらう。」

 

4人は再発熱。その場は魔法の干渉場へと変わった。一角では暑く、一角では寒く、一角では謎の光、もう一角では闇を。

たったこれだけでこの4人が最強の魔法師たるものだと本能が理解した。真夜は戦慄を覚える。

そして始まる戦い。

 

「あ!オメェ!なにリボー〇ズF覚乗ってんだ!こんなんチートよチート!どうやって赤枠で勝てと!?」

 

「憤るな!これでもランダムで出てきたんだ。恨むなら自分の運のなさに嘆くんだなぁ!」

 

「…お前、大丈夫か?その機体。ドア「大丈夫だ。問題ない。」…そうか」

 

これから始まるは魔法での戦いではなく、その腕と操作技術、キャラパワー、そして少しの反射神経強化魔法で決着が決まる。

漢と漢、力と力、パワーオブパワー。這いよる混沌ニャルラトホテプ。ちくわ大明神。誰だ今の。今はどの言葉もこの戦場には似合わない。たとえ低俗な言葉とてここではすべて肯定され、正義となる。

戦いの火蓋は切って落とされた…!

 

とりあえず、真夜はもう一度寝ることにした。現実逃避ではない。今一度頭の整理のためだ。そうに決まっている。そうであってほしい。そうだったら…いいなぁ。その顔は不条理をすべて背負っていた。

 

 

突然だが、なぜこの場になぜ四葉元造がいるのか、その理由はもはや知れたこと。この4人は友であり、戦友であり、宿敵であり、親友だから。

もちろん魔法のこともあるが、魔法だけではなく、今実際にプレイしているアキュオンというゲーム媒体でもある。元造は幼少期一度親の元を離れてゲーセンというものに訪れていた。そこで見たものがすべて新鮮だった。

そして元造は見つける。少年の夢であるロボット、合体、変形、とにかく、そのロボットに目を奪われた。参戦機体数は300機以上、しかし、アーケードゲームなどやったことがない。うろうろしているときにあったのが、彼らだった。

元造は彼らに頼み、操作方法、基本戦術などを吸収していった。それから彼らは宿敵となり、戦友となった。いかんせんこのゲームは2対2。敵だったものが味方になり、味方だったものが敵になる。シャッフルとはそういうシステム。

それが逆に己を成長させ、宿敵達を成長させていく。魔法とはまた違う面からみる成長という概念。強くなればなるほど戦術も増えていく。基本戦術だったものが実は悪手だったり。

元造は満足した。だが同時に思う。まだ足りない、と。世界を取るためにはまだ足りない。私の得意技はなにか。そこで魔法の登場だった。彼はゲーム界を震撼させた。ゲーム如きに魔法を使うだと?何を馬鹿な!ただ使った魔法は身体強化だけで妨害行為はしていない。

だが、罵られたこともあるが、戦績は戦友たち以外とは常勝不敗。故にゲーム界は判断した。魔法師限定のルールと大会作っちゃえと。

もちろん、対魔法師が操るリボー〇ズを何度も見た。しかし、それでもまだ戦友たちには程遠い。戦友がどれほど強かったのかが分かった。

ここから驚愕なのが、戦友たちも魔法の才能があったらしく、元造のいる大会と乗り込んだ。理由は単純。

 

「「「お前を倒すため」」」

 

心が震えた。また戦友たちと戦えるのだと。また試合が組めると。心からの歓喜に彼、現アキュオン王者の一角、四葉元造氏の名言はここで生まれた。

 

「馬鹿野郎。俺は勝つぞお前ら」

 

そこから先は言うまでもない。彼らはずっと戦ってきたのだ。もはや言葉はいらない。

 

ちなみにそれぞれのハンドルネームは、

初老の男性       →さすおに

係長らしき人      →里芋剥き係長

優雅そうに紅茶を飲む人 →パパ頑張ります。

四葉元造        →幸せクローバー

 

だったりする。

 

 

時間は戻り現在。今も彼らは戦い続ける。少女は眠り続ける。眠らされているのではない。自ら寝ているのだ。だってほら、いつも厳しくも愛のある態度の頼れるお父様が無邪気にゲームをしているなんて…魔法こそすべてって言っているような人だと思っていたのに。

 

「くっそー!また負けた!」

 

「次は勝つ!」

 

「やっぱ相性…ですかねぇ」

 

「抵抗したで、拳で」

 

でも、楽しそう。あんな表情のお父様を私は見たことがない。

あ、それはそうと

 

「あ、あの~」

 

「ん?どうしたんだい?真夜ちゃん」

 

係長らしき人は少女の目をのぞき込み質問する。

 

「私ってなんで誘拐?みたいなことされたのか分からないんですが…」

 

その瞬間、場が凍った。お父様以外の大人が皆お父様を見る。

 

「元造…もしかして…」

 

元造は目を泳がせる。顔が青ざめていく。しかし流石は魔法師、冷静になる。すると言い放つのだ。

 

「忘れちゃった☆」

 

「この…ばかぁあああああああああああ!」

 

真夜の魔法発動!固有魔法の流星群だ!全プレイヤーに一律999のダメージ!LOSE!新のラスボスは真夜だったのだ!これにて完結!

少し荒い息を整える真夜。死屍累々と化したおじさんたち。もうほんとなんだこれ。

とりあえず、流星群を受けた元造+αを放置して座り込む真夜。その目には涙がたまっているのがわかる。

いち早く復帰したハンドルネームパパ頑張ります。さんは言う。

 

 

「本当は真夜ちゃんを私たちの娘たちと合わせる予定でね。そこで君のお父さんが、『サプライズで誘拐みたいなことしようぜ!大丈夫!ちゃんとサプライズのことは言わないで説明してくるから』って言ってたんだけどね。ごめんね?怖い思いしたね」

 

そんな優しい言葉、心に響きます。本当にお父様がお父様で申し訳ございません。

 

「はははは。大丈夫だよありがとう真夜ちゃん。これでももう30年来の付き合いなんだ。こんなことは慣れたよ。本当は怒るところだったんだけど、真夜ちゃんのあの魔法で反省すると思うよ。」

 

そうしてくださらないと困りますよ。ところでお姉さまはどうしているのですか?

 

「ああ、深夜ちゃんか、深夜ちゃんは別室でもう私たちの子供たちとあってお話しているよ。真夜ちゃんも来る?というかそれが目的なんだけど。」

 

苦笑いで話してくれるこのおじさんには好感が持てる。少なくとも悪い人ではない。でなければハンドルネームにパパ頑張ります。なんてかわいらしい名前を付けるわけない。

頷く真夜にそのおじさんは苦笑いから微笑みへと表情を変え、頷く。

 

「それじゃあ、行こうか」

 

もちろんである。もうこれ以上困惑したくないとは決して思っていない。思っていないんだったら思っていない。

 

まぁそのあといろいろとあって人生の親友ともいえる子ができるのだから世の中何があるのかわからない。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「っていうことがあったわね」

 

真夜(さんじゅうろくさい)は感慨深く昔を思い出していた。その様子は何か疲れたようなそれでいて慈しむような顔であった。

 

「なんだか大変だったんだな」

 

それはそれで面白いと思っていた七草弘一は妻を優しく抱く。真夜はその抱かれたほうによりかかるように体重をかける。

 

「それで今の私がいるもの。大変だったけれど楽しかったわ。だから今も大漢との交流は続けているもの」

 

そう。この世界線では大漢は真夜をさらってR-18をするのではなく、全年齢対象のゲームを楽しむゲーム国家となっている。ちなみに、そのゲーム国家の頂点には、あのパパ頑張ります。さんがいるのだとか。

四葉元造もその国家ではかなり有名らしく、今もなおあの名言は語り継がれている。父は「あれ有名になっちゃまずい言葉だったはず…」と恐怖をあおだてることを言うがまぁ大丈夫だろう。

ちなみに今真夜は幸せの中にいる。政略結婚だったとはいえ、弘一さんは優しいし、こちらにも気を使ってくれる。それだけで十分に愛しているといえる。

さらには今魔法大学付属第一高校へ入学した愛娘1人、現中学三年の愛息子が1人いる。二人とも両親である私たちからみてもかわいいし、かっこいいので学校で告白合戦があって困っているとのことだった。懐かしいなあと思いながら、真夜と弘一は二人の話を聴いていた。

姉の深夜は四葉の当主を継ぐことになって、二人の子供を授かった。名前は達也と深雪だそう。姉もまた二人を溺愛しており、その二人は結構迷惑しているのだと娘たちから聞いた。

これには苦笑いである。達也さんと深雪さんは4月生まれと3月生まれということがあり、学年が一緒だそうで。しかも娘と一緒の第一高校へ進学している。

娘の美夜は楽しみです!とのこと。

 

とにかく今は真夜は幸せだということである。

 

 

 

余談

 

「私は!あなたに!!勝ぁぁぁぁぁぁつ!!!!」

 

弘一は咆哮した。必ず、かの東西南北中央不敗の絶対強者を除かなければならぬと決意した。弘一には基本ルールがわからぬ。弘一は、一般的な魔法師である。

CADを扱い、娘たちと遊んで暮して来た。けれども勝負事に関しては、人一倍に敏感であった。

 

「フ、ならばここまでたどり着いてみせい!」

 

敵対するは覇者。古今東西あらゆる対戦にて勝利を収めたただ一人の王。四葉元造。

 

「ししょうぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!」

 

「こんの・・ばぁか弟子がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

二人が使うはアスト〇イ赤枠Kai。無言の腹パンを繰り出しあう漢を決める戦い。この戦い、熱いな!

 

なお、結果はタイムアップとなった。

お互いが横特掠らせるだけだったからね。仕方ないね。

そこ、カウンターあるとか言わない。一応トップの戦いなんだから。

 

戦場はバーチャルである。

 

国際条約前文

戦いはネット世界で!リアルは家族を愛せ!




FGO始めました。
なかなか難しいですね。うん


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