荒魂―――
太古より人々に災厄をもたらす、異形の存在である。
通常の兵器は効かず、唯一有効な手段を持つのは、『御刀』と呼ばれる刀剣を持つ事の出来る存在、『刀使』のみ――――



―――と、いうのが一般的見解だが。


裏では刀使の活動範囲外で発生する荒魂たちを倒す者たちが存在する。それらに決まった呼び方は無く、呼び方も様々。
日本では、その者たちの呼び方を、大体はこういう。


『陰陽師』、と―――――



―――――が、これはその陰陽師、ましてや刀使の物語では無い。



いや、それもどうか。
とにかく、陰陽師でも刀使でも魔術師でもない一人の少年が、仲間と共に強大な敵に対して戦うというなんともベタな展開な物語だ。

が、侮る事なかれ。

これは、一人の少年と、消された二人の英雄の娘である二人の少女と、荒魂に右腕を喰われて右腕が荒魂になった少年。

そして、四人の魔術師やら忍者やら男の刀使やらの少年たちと、四人の刀使たちの―――


たった一年の戦いの記録である。
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