とりあえずサクっと人理修復   作:十六夜やと

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 おっひさっしぶっりでーす。十六夜やとです。
 今回この回を執筆させていただきましたが、ぶっちゃけあんまり納得してない終わり方となりました。鉄血のオルフェンズ48話の最後は万能だな、と。つか皇帝あんま活躍してないじゃん。
 そんなわけで次回の沖田さん回でお茶を濁します2章を終了とさせていただきます。

 補足ですが、今回のあとがきであるサーヴァント紹介で、ジャンヌ(白)の紹介は保留にしています。理由は後に判明します。


さらば、レフ・ライノール

「来たか、(ローマ)こそが」

 

「えええええええええええええいいいいいいいいいいっっっ!!」

 

 城塞の最奥。

 必要最低限のそうしょくが施された大広間に、その巨躯な男は存在していた。どちらかと言えばアマゾンの原住民族の長老と言われても納得してしまいそうな服装の男は、俺達を──特に皇帝陛下に視線を注ぐ。彼の瞳には優しさは慈しみを内包しているにもかかわらず、なぜか本能的な恐怖を覚えてしまう。いや、これは恐怖じゃなく『畏怖』なのだろうか?

 俺の人生では出会ったことのないタイプのサーヴァントだ。

 さっき鬼島津に吹っ飛ばされたけど。

 

「「神祖おおおおおおおおおおおおお!?」」

 

 縮地した沖田さん以上の速度で、義弘公はロムルスの懐に入り、手に持った大槍を神祖の首に振り下ろす。結果だけで推測したから他に工程があったかもしれないが、義弘公が槍を振りおろしたモーションで止まっており、ロムルスが壁にめり込んでいるから、あながち間違ってはいないだろう。

 薔薇の皇帝はダッシュで建国王の神祖に駆け寄る。敵に無防備に近づくなど愚の骨頂だが、状況が状況なだけに俺は止められなかった。

 

 本来ならば皇帝が神祖を止めるはずだったのだ。

 ウチのバーサーカーが名前通りに暴走しただけなのだ。本当にすみません。

 

「神祖ロムルスよ、大丈夫か!?」

 

「いや、どう見ても致命傷だろソレ」

 

「……案ずるな、我が子よ。あれもまた、キチガイ(ローマ)なのだから」

 

 ローマって単語便利だな。

 自分を介抱する皇帝陛下にかけたロムルスの言葉に、俺は呆れ半分で溜息をつくのだった。

 

 しかし、さすがは建国の祖。ローマの礎となった偉人だ。

 花子のバーサーカーの首を狙った一撃は致命傷だったと思うが、未だにロムルスの首はつながったままだ。島津のバーサーカーも、その事実に首を捻っている。

 

「……ろむるす生きてる? トドメ刺す?」

 

「良かど! 首ば捥ぐ──」

 

「オーバーキルは止めなさい」

 

 皇帝陛下のようにロムルスへ駆け寄る二人を止める俺とマシュ。

 やはり花子の奥の手は間違いだったか?

 

「……ねぇ、クソマスター」

 

「んだよレティシア。俺は脳筋×2を止めるのに忙しいんだよ」

 

「アンタの忙しそうな面でメシウマだけれど、そうも言ってられないお客様の登場よ。ほら、現時点での黒幕ね」

 

 俺達の立ってる場所を接点として、ロムルスたちとは逆の空間に、その人物は立っていた。

 モスグリーンのタキシードとシルクハットを着用し、ぼさぼさの赤みがかった長髪の紳士。不自然なほどにこやかに微笑む人物は、手に黄金の杯を握っていた。

 

 俺は一瞬誰か分からんかったが、ロマンと所長の言葉で思いだす。

 レフ・ライノール。カルデアがこんなにも苦労して人理修復している原因を作った張本人であり、現段階で俺達の敵性勢力側の魔術師。コイツがそもそもの原因なのか、他にも仲間が居るのか定かではないが、紳士風の魔術師が現れたのだ。

 過去にいる俺達が警戒色を示す中、未来にいる所長が声を絞り出す。

 

〔レフ……〕

 

「やあ、オルガマ」

 

「ちぇすとー」

 

「ぐぎゃぶれお゛お゛お゛お゛お゛おあああああああああ」

 

 所長の何とも言えない切なさを含んだ言葉に、紳士風の男──レフ教授は皮肉の一つでも飛ばそうとしたのだろう。その証拠に、にこやかな微笑みは残虐な笑みに変わっていたのだから。

 しかし、それは小柄な一人の少女に阻まれる。

 高速で相手の懐に潜り込んだ花子は、レフの腹部めがけて光速で殴打を何千発も繰り出す。ワンパンマンのサイタマを実写で見ているような気分だった。レフはキチガイの猛攻を受けて壁にめり込む。

 

 聖杯は連続殴打でレフの手を離れ、空中にとどまっている間にレフを片付けた花子が、落下と共に格好良くキャッチする。

 そして俺に差し出す。

 

〔〔「………」〕〕

 

「はい、聖杯」

 

「はいじゃねぇよ!? お、おいレフ教授! お、お前大丈夫か!?」

 

 まさか彼を心配する日が来ようとは思わなかったが、花子を無視してレフ教授の元に駆け寄ろうとするが、何かレフの身体が黄金の粒子となって消え去ろうとしている。

 いくら不意打ちとはいえ脆すぎないか? それとも花子が馬鹿力なのか?

 

「教授? 何やってんだよ、教授!」

 

「ぐっ……、く、くそぉぉおおああああああ──」

 

「うっさい」

 

 死亡フラグ満載の呼びかけを行ってみたが、オルガマリー所長殺害未遂の容疑者はこんなところで諦めるほど貧弱ではなかった。彼の目はまだ死んでいない。彼は迫真の表情を浮かべ、最後の力を振り絞ろうとする。

 よろよろと立ち上がった彼は、喉から力を絞り出して叫ぶ。刹那、彼の周囲は禍々しくも濃厚な魔力を纏う。聖杯とはまた違ったベクトルの暴力的な魔力であり、それこそオルレアンに出たと言われている悪竜を彷彿とさせる歪さだ。あのドラゴンはカルデア砲で木っ端微塵に吹き飛ばしたが。

 つまり幻想種とかと類似する存在なのだろう。

 

 しかし、そのような悪あがきは神話生物を打倒するには至らなかった。

 花子はレフ教授を黙らせるために、今回の成果である聖杯をレフ教授に投げつける。只の投擲じゃない。オルレアンの黒幕だったキャスターを一発で座に還すレベルの威力だ。瀕死のレフ・ライノールでは耐えることはできないだろう。

 鳩尾に聖杯を受けたレフは、せき込むように倒れ込んだ。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……。なんだよ、全然歯が立たないじゃないか。クソっ……」

 

「きょ、教授……あっ……あぁ……」

 

「あ、私この流れ知ってる」

 

 そんな重症でもなお、教授は立ち上がる。

 光の粒子を撒き散らしながら。

 

 そして竜の魔女は何かを悟ったように自分のスマホを操作している。

 

「なんて、声、出してやがる……キチガイィ」

 

 ~BGM:フリージア~

 

「だって・・・だって・・・。」

 

「私はレフ・ライノール・()()()()()、七十二柱の魔神が一人、魔神フラウロスだぞ。我が王の為、このくらいなんてことはない……っ!」

 

〔……フラウロス?〕

 

 何か伏線やら何やらを詰め込んだ発言を聞いた気がするが、それは今重要なことではないだろう。せっかくレティシアが最高に面白い感激できる舞台を用意してくれたのだから、俺はそれを演じるべきだ。

 皇帝は消えゆく神祖と会話しているし、花子と義弘公は邪魔する気配はない。

 

「そんな……(誰かは知らんけど)王様なんかの為に……」

 

「人類史を壊すのが私の役目だ」

 

「でもっ!」

 

「いいから行くぞ。我が王が、待ってんだ。それに……。(我が王よ、やっと理解しました。神殿から離れていて力を出し切れなかった──何て関係ありません。この下等生物共は何やっても止まりません)」

 

 ちなみに()の部分もレフは口にしている。

 確かに俺達は何があっても止まる気はないし、花子のせいで止まる要因が思い浮かばない。というか花子がダメだったら何やってもダメだろう。

 

 レフの脳裏には彼が忠誠を誓う王の言葉がよぎる。

 

 

 

『お前何やっとんねん。連中シバくまで戻って来んな』

 

 

 

「えぇ、分かっております」

 

 レフは俺達を睨みつける。

 最後の最後まで下等生物と見下していた連中に、最後の言葉を残すのだろう。

 

 彼は膝から崩れ落ち、俯せになって倒れる。

 左腕を上げて、人差し指で前を差しながら。

 

「我が王は止まんねぇからよ、貴様等が止まんねぇかぎり、その先に我等が王はいるぞ! だからよ、止まるんじゃねぇぞ……

 

 止まるんじゃねぇぞ。

 その言葉を口にした瞬間、レフ・ライノール・フラウロスは光の粒子となって消えた。ぶっちゃけレフ・ライノールって結局は何だったのか、何をしたかったのか俺は知らんけど、最後の彼は何かを悟ったかのように満足していた。

 彼は何に満足したのだろう。それともキチガイに感化され狂ったのか。

 

 俺は粒子となって空へ消えた彼を見上げる。

 特異点を解決した証として、時空が歪んでいく現象を眺めながら、俺は小さく呟いたのだった。

 

「……オルガ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……え、何? 何で私呼ばれたの?

 

 お前じゃねぇよ所長。

 

 

 

 




【サーヴァントのステイタス】

・島津 義弘
クラス バーサーカー
属性 混沌/悪

筋力B+++  耐久B+
敏捷B++  魔力E
幸運C   宝具E

クラス別スキル




保有スキル
薩摩兵子:EX
軍略:C
鬼島津:A
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