私のお姉ちゃんは、優しくて、明るくて、いつも勇気をくれる、私のヒーローです。
だから、私の全てが、ほんの少しでも、お姉ちゃんの手助けになれますように。

1 / 1
世界を笑顔に

 

 

私には姉が一人いる。

私の姉は、明るくて、前向きで、笑顔が素敵で、優しく、聡明で、自分以外の誰かの笑顔のために行動できる人だ。

 

頼りになる仲間がいて、少しだけ向こう見ずなところがあるけれど、最後には必ずみんなを笑顔にしてくれる、物語の中から飛び出してきたような、主人公の様な、私のヒーローだ。

 

私、弦巻ひかりは、お姉ちゃんが、弦巻こころが、大好きだ。

 

 

 

 

 

 

私は生まれてこのかた、生きていく上で苦労をしたことがありません。

私の生まれた弦巻という家で、私は、ひいては姉である弦巻こころは、おおよそ願ってきた全てを与えられて生きてきました。

 

姉も私も、子供の頃は大層やんちゃだった様で、見るものすべてに興味を示し、あれは何かしら? これはどんなものなの? と、父や母、護衛の黒服達を、それはそれは困らせていたらしい。

 

違うところといえば、私はインドア系の、特別音楽に強く興味を示し、姉のこころは、アウトドア系の趣味に没頭していたと聞きます。

 

そんな訳で、小学校に上がる頃には、こころは外で、私ことひかりは室内で、自分にとっての「笑顔になれること」を次々に発見していきました。

だからといって、一緒に遊ぶ頻度が減ったわけではなく、ある日はお歌を歌おう! またある日は駆けっこしましょう!なんて、姉妹仲良く遊んでいたわけです。

そんなこんなで、姉妹それぞれ得意なことは別れながらも、いろんなことを体験して大きくなって、私達姉妹は高校生になりました。

 

まあ、すぐにこころが始めた活動のおかげで、色々と充実した高校生活になりそうですが。

 

 

 

「ひかり!私達、バンドを始めることにしたの!」

 

そんなこころの一言が全ての始まりでした。

 

「なんでいきなりバンドなの?お姉ちゃんがいつも言ってた、世界を笑顔にするため?」

「そうよ!世界を笑顔にするために、バンドを結成したのよ!」

 

すでにメンバーも集まっている様で、これからの予定を楽しそうに話してくれるこころに

「何か手伝えることがあったら言ってね、音楽のことなら出来ること多いと思うから。」

と、すでに色々と手伝うつもりの私でした。

 

ギター担当の瀬田薫さん、ベース担当の北沢はぐみさん、ドラム担当の松原花音さん、DJ担当のミッシェル…奥沢美咲さん

 

皆がこころに、ある人は誘われ、ある人は半ば無理やりにバンドに参加している人たちで、誰かのために頑張れる強い人たちです。

 

私が手伝わせてもらったことは、例えば知り合いの楽器屋さんで必要な楽器を揃えることだったり、演奏の練習だったり、衣装作製のお手伝いだったりと、本当に裏方の仕事で、ステージで輝いていたハロー、ハッピーワールド!の活躍を見ているだけで、私は満足でした。

 

「ありがとう!流石はひかりね!」

「ひかり、…キミに感謝を!」

「ひかりん!本当にありがとう!」

「ひかりちゃん、色々とお手伝いしてくれて、ありがとう!」

「ひかりさん、今回のライブもお疲れ様でした、ありがとうございます!」

 

皆がそう言ってくれるから、私は笑顔でいられます、

 

「こちらこそ、最高のライブでした!ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

私にしか、分からない。

 

大好きな人達が、多くの人の前で、大勢の人の中心で、その輝きで周囲を魅了していく姿を、特等席で見ることができる幸せを。

 

笑顔が世界に広がっていく姿を、ハロー、ハッピーワールド!が、世界を笑顔で満たしていく瞬間を、その中に、ほんの少しでも私の思いが込められていることへの感動を。

 

わたしの胸に、大事にしまっておきますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




続きません

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。