私のお姉ちゃんは、優しくて、明るくて、いつも勇気をくれる、私のヒーローです。
だから、私の全てが、ほんの少しでも、お姉ちゃんの手助けになれますように。
私には姉が一人いる。
私の姉は、明るくて、前向きで、笑顔が素敵で、優しく、聡明で、自分以外の誰かの笑顔のために行動できる人だ。
頼りになる仲間がいて、少しだけ向こう見ずなところがあるけれど、最後には必ずみんなを笑顔にしてくれる、物語の中から飛び出してきたような、主人公の様な、私のヒーローだ。
私、弦巻ひかりは、お姉ちゃんが、弦巻こころが、大好きだ。
私は生まれてこのかた、生きていく上で苦労をしたことがありません。
私の生まれた弦巻という家で、私は、ひいては姉である弦巻こころは、おおよそ願ってきた全てを与えられて生きてきました。
姉も私も、子供の頃は大層やんちゃだった様で、見るものすべてに興味を示し、あれは何かしら? これはどんなものなの? と、父や母、護衛の黒服達を、それはそれは困らせていたらしい。
違うところといえば、私はインドア系の、特別音楽に強く興味を示し、姉のこころは、アウトドア系の趣味に没頭していたと聞きます。
そんな訳で、小学校に上がる頃には、こころは外で、私ことひかりは室内で、自分にとっての「笑顔になれること」を次々に発見していきました。
だからといって、一緒に遊ぶ頻度が減ったわけではなく、ある日はお歌を歌おう! またある日は駆けっこしましょう!なんて、姉妹仲良く遊んでいたわけです。
そんなこんなで、姉妹それぞれ得意なことは別れながらも、いろんなことを体験して大きくなって、私達姉妹は高校生になりました。
まあ、すぐにこころが始めた活動のおかげで、色々と充実した高校生活になりそうですが。
「ひかり!私達、バンドを始めることにしたの!」
そんなこころの一言が全ての始まりでした。
「なんでいきなりバンドなの?お姉ちゃんがいつも言ってた、世界を笑顔にするため?」
「そうよ!世界を笑顔にするために、バンドを結成したのよ!」
すでにメンバーも集まっている様で、これからの予定を楽しそうに話してくれるこころに
「何か手伝えることがあったら言ってね、音楽のことなら出来ること多いと思うから。」
と、すでに色々と手伝うつもりの私でした。
ギター担当の瀬田薫さん、ベース担当の北沢はぐみさん、ドラム担当の松原花音さん、DJ担当のミッシェル…奥沢美咲さん
皆がこころに、ある人は誘われ、ある人は半ば無理やりにバンドに参加している人たちで、誰かのために頑張れる強い人たちです。
私が手伝わせてもらったことは、例えば知り合いの楽器屋さんで必要な楽器を揃えることだったり、演奏の練習だったり、衣装作製のお手伝いだったりと、本当に裏方の仕事で、ステージで輝いていたハロー、ハッピーワールド!の活躍を見ているだけで、私は満足でした。
「ありがとう!流石はひかりね!」
「ひかり、…キミに感謝を!」
「ひかりん!本当にありがとう!」
「ひかりちゃん、色々とお手伝いしてくれて、ありがとう!」
「ひかりさん、今回のライブもお疲れ様でした、ありがとうございます!」
皆がそう言ってくれるから、私は笑顔でいられます、
「こちらこそ、最高のライブでした!ありがとうございます!」
私にしか、分からない。
大好きな人達が、多くの人の前で、大勢の人の中心で、その輝きで周囲を魅了していく姿を、特等席で見ることができる幸せを。
笑顔が世界に広がっていく姿を、ハロー、ハッピーワールド!が、世界を笑顔で満たしていく瞬間を、その中に、ほんの少しでも私の思いが込められていることへの感動を。
わたしの胸に、大事にしまっておきますね。
続きません