3度目の人生は魔法世界で   作:恋音

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第27話 ホラー耐性はゼロ

 

 ダンブルドアを味方にしたら心強いな、と考えているけれど前途多難なことに一切変わりはなくて。

 

「はあ〜〜……」

 

 ため息が止まらない。

 

「リィン、そのため息はどっちの?」

「──奇天烈ワクワクどすこいイベントにぞ参加半分野次馬根性の閲覧希望だったぞり」

「なんて???」

 

 クリスマスの少し前からグリフィンドールでハリー、ロン、ハーミーは忙しそうに図書館で調べ物をしていた。確かニコラス・フラメルだったかな?

 多分授業の課題か何かだろうし、ろくに文字も読めない私が手伝おうとしても足を引っ張るだけだからスルーしていた。

 そしてクリスマス休暇明けで戻ってきたハリーの透明マント騒ぎでそれどころでは無くなったのだけど、ニコラス・フラメルは錬金術のなんかすごい人だったようだ。

 

 そこまではいいよ。

 

 別にそこまでは私も大して興味無いし。

 

 問題はそこからだ。

 

 

「深夜の罰則、めっちゃ馬鹿笑いすたかった!」

「そっちなんだ?」

 

 どうやらハグリッドがドラゴンの卵を入手し、違法にドラゴンを育てていたようだった。そこでどうするか悩んだ結果、ロンのお兄さんがドラゴンの専門家だったので迎えに来てもらうことにしたのだと。

 それを見送ったハリー、ハーミー。そしてネビルと計画をチクっていたドラコ。ドラコに関してはチクるついでに寮の外に出てたという大馬鹿かましていたせいで、四人は罰則になったらしい。

 

 

 それが深夜の罰則である。

 流石に聞いた瞬間ドラコが間抜けすぎて腹よじれるかと思うくらい爆笑した。

 

「見たかったぞり〜!!間抜けな姿!!!」

「もー!」

 

 ドラコ曰く『危険な真似をしている同級生を先生に報告しないのは流石に馬鹿だろう』と言っていたが、その報告のせいで外出している判定になってるのガチガチに面白すぎて。

 

 しかも罰則中になんか不審者が現れたって言うじゃん!?

 

 参加しなくて巻き込まれなくてめちゃくちゃ良かったけどそれはそれとしてめっちゃ見たかったー!!!

 

「ドラゴンはめっちゃ凄かったんだよ、でもハグリッドが飼えないからって。ロンは噛まれて医務室とお友達になってたから」

「へぇ……」

「うわ、興味無さそう」

 

 私が試験に必死になっている中、なんか面倒くさそうな出来事になっているようだった。

 

「とりあえずハグリッドがドラゴンぞ入手したのも、罰則中にユニコーンを殺して血を啜ってる変な人も見たし、もう最悪だったよ。君は大爆笑だし」

「まぁ、巻き込まれなくてラッキー!でも見たかった!」

「最悪ー!」

 

 

 話をまとめると、ニコラス・フラメルが発明した賢者の石というものをホグワーツの4階のとある場所で守っており、ハグリッドはその守りの一部をになっていた。

 その賢者の石について聞いた時にハグリッドのドラゴンの孵化を一緒に見てしまい、それが原因でドラゴンを輸送する際罰則になった。

 

 そして罰則先でユニコーンの血を啜ってる不審者に会った。

 

「ふぅん……」

 

 私は顎に手を当てて少しだけ考えた。

 

「どうしたの?」

「あぁいや、わたしハグリッドの事じょんじょん詳しく無きですが」

「君が全然詳しくないハグリッドがなんだって?」

「彼、何故ドラゴンの卵を手に入れたですか?口ぶりから飼育許可が無いと育てられぬでしょう?」

 

 わざわざロンのお兄さんのドラゴン専門家に連絡したくらいだし、噛まれたロンが医務室に行くくらいには毒性がある危険な動物。

 『資格いるんじゃない?』って聞きながら足元にいたグリムに目をやれば、微かに頷いた。やっぱいるんだ。

 

「となると入手先って裏取引だと思うですけど、いつもお酒飲むすて呑んだくれてるハグリッドって、裏取引出来るくらいのお金所有すてるですか?」

 

 ホグワーツの給料はそこそこ高いだろうけど、教師でもない森番のハグリッドがドラゴンという違法素材を購入出来る資金源があるのか?

 

「……なんか、パブがどこかで話を持ちかけられたとか言ってたかな?」

「罠ではなき?」

 

 ドラゴンを与えてハグリッドもしくはホグワーツに不利になるようにしていた……?

 いや、代わりにハグリッドから何かの情報を抜き出そうとした?

 

「……。そう考えるとおかしいよ。いきなり見ず知らずの人がたまたまドラゴンの卵をポケットに入れて現れるかって、そんなの。魔法界の法律で禁止に。話がうますぎる」

 

 ハリーは顔を上げて私の方を見た。

 

「ぼく、ハグリッドに話を聞いてくる」

「うん、行ってらっしゃい」

「リィンも着いてき──」「行ってらっしゃい」

 

「行ってくる……」

 

 ハロウィンの時にトロール相手に散々な目にあったんだからハリーにはついて行かないぞ。

 

 

 

 数分後、慌てた様子でハリーが戻ってきた。

 

「──ハグリッド、フラッフィーの大人しくさせる方法を漏らしちゃったみたいだ!」

 

 青い顔をしたその言葉に狙いが賢者の石だということが判明した。

 

 

 

「僕今夜石を守りに行く。誰が狙っているのか、検討つかないけど。でもきっと、闇の帝王の手下だ。もしくは例のあの人本人……」

「……。スネイプ先生じゃない?」

「それはない!」

 

 だってバリバリ手下だし。陰気臭い感じとか、疑わずして誰を疑うんだって話。

 

「スネイプ先生はとてもすごい先生で、口は悪いけど僕のこといつも見守ってくれているから僕の悪い所が目に付いちゃうんだ。だって興味なかったり嫌いだったら見ないはずだよ。それにそれに、校内に現れたトロールを倒した時の先生の心強さと言ったら!」

 

 このグリフィンドール脳。

 

 盲目的にスネイプ先生凄いんだ精神が出ているのでため息が止まらなかった。

 

「それに僕が最初のクィディッチの試合の時に箒にイタズラされたから、2度目のクィディッチの試合の審判を買って出てくれたんだ!きっと僕がこれ以上酷い目に合わないようにね!不器用だけど可愛くて優しい先生だよ…!」

 

 多分、セブさんそんなこと一切考えて無いと思う。うん、絶対。ちょっと美化しすぎてないかな…?

 

 

「ということで今夜リィンも一緒に行──」

「嫌」

「……だよねぇ」

 

 だってダンブルドアから見れば賢者の石を守ろうとしている私が一番怪しいポジションなんだもん。

 私が闇の帝王の娘だと知っている人からすれば、一番の味方だって思うよ。

 

「じゃあまた進展があったら教えるね」

「はぁい」

 

 ハリーは私に無理強いをしない。ここら辺はリリー・ポッターの教育の賜物だろうし、私が人一倍小柄で食も細いからというのがあるのかもしれない。

 

 

 ……。さて。

 まぁグダグダうだうだと考えていてもしんどいだけなので、私はさっさと答えを得に行くことにしよう。

 

 

 ==========

 

 

 

「こんばんは、先生」

 

 夕食のちょっと前。

 私はとある教師の部屋に来ていた。

 

「こ、ここ、こんばんは、み、Ms.アズカバン」

 

 吃りながら答えたのはクィリナス・クィレル先生だった。私は、ひと足早く答えの元に向かっていた。

 

 結託と思われるかもしれない。だからグリムを連れてきた。念の為、監視として。

 

「クィディッチの、ハリーの、箒。犯人、判明すたですか?」

 

 私は最初にそれを問いかけた。

 クィレル先生は吃りながらも否定の言葉を口にしたけど、私はなんだかまどろっこしい感じがして、首を横に振った。

 

「お前だよねぇ?」

「……。」

 

 挑発とも取れる言葉にクィレルは眉をひそめた。

 

「ハリーの箒も、ユニコーンも、全部全部、お前ですぞね」

 

 根拠というか、理由はたった一つ。

 

 ──消去法だ。

 

 それにそもそも、ハリーの箒を無茶苦茶にしたいのがクィレルだと私は確信があった。セブさんかクィレルかの二択だったけど、セブさんはハリーに手を出せない。というか、出す意味がない。

 

 多分リリーの息子という点は大きいと思うんだけど、それ以上に『闇の帝王の娘(このわたし)の友人』というレッテルがでかいと思う。

 私の初めての友人。だから私の不況を買いたくないという理由を使って、セブさんはリリーの息子に不干渉という結果に至るだろう。

 

 だから、ハリーに手を出したのは消去法でクィレルということになる。

 

 外部犯、といった可能性は捨てきれないけどね。『お前だろ(どやぁ)』して外れても恥かくのは私だけだし、この場にはクィレルしか居ないので大恥かくことはないと思う。

 

 

 後、それから。

 

「賢者の石、ですたっけ?」

「っ」

「ユニコーンも賢者の石も、共に延命」

 

 私は鼻を摘んだ。

 

「お前から漂う、吸魂鬼(ディメンター)と似た匂い。死亡間際のその体で一体、何が出来るです?」

 

 やばい環境で育ったからか分からないけれど、私は人の死臭が何となくわかる。

 顔を見て『あ、死にそうだな』とか、そういう第六感みたいな勘が働くのだ。これは今のところ『死』というジャンルでしか発揮したことないけどね。

 

 吸魂鬼(ディメンター)が死に近すぎるから、慣れちゃった。

 

 もしかしたらパパ上、闇の帝王側ではない第三勢力の可能性もあるけれど。クィレルの顔は難しそうに歪んでいる。

 

「Ms.アズカバン、君は、自分のお父上が誰かはご存知ですか?」

「それは関係なき」

 

 当たりだ。

 やはりパパ上の関係者だったみたい。

 

「私が、嫌って言うすたの。私が。貴方はそれに、従うするべきじゃなくて?」

 

 どっちにも取れる発言をすべきだ。

 普通なら1歳程度で親元を離された子供が父親を覚えているはずがない。

 

 でも周りには闇の帝王の娘には見える。そう把握している可能性も含めて。

 

「今、賢者の石を狙うと、すること、は。私の不興ぞ、購入すると、思えぞ」

 

 今日はダンブルドアが居ない。

 だからハリーも敵が狙うなら今日だと思っているはず。私も普通ならそう推理する。だから私は今日だけは動かしてはならないと牽制しに来たのだ。

 

 今日賢者の石を狙われれば、その場にいるハリーが危ない。『殺す気はなかった、事故だった』と言い逃れてしまえば私はどうすることも出来ないから。

 

「……貴方のお父上は、闇の」

 

 私はそれをバァンという大きな音でかき消した。

 

「──何もしてない、何もご存知ない、そんな私をアズカバンに入れるすた親の話はしないで!!!!」

 

 存在していることが罪だと、私はアズカバンに入った。そんな状況になったのはハロウィンのあの日、パパ上がしくったからだ。

 

 あぁ本当に愚かな人。衝動に任せず、念入り念入りに計画して、殺せば良かったのに。

 そのしくじりのせいで私はアズカバンにいるのに。

 

 

 

 まぁそこら辺に関してはどうでもいいんだけどね!

 

 答え合わせされるとちょっと立場的にまずいというか。闇側を完全に敵に回すつもりは無いし、光側を敵に回すつもりはないので、あの、知らない子扱いしてくれるのが一番良くてですね。今はまだ立場も弱くて。

 

 もちろん知っていることを利用するし次々カミングアウトはしてくつもりなんですけど!

 

 

 

 するとクィレルは顔をサァッと青くした。

 

「あぁ…ぁあ姫君!なんと、なんと恐ろしいことを!今この場には!──貴方のお父上もいらっしゃるというのに」

「は………い……?」

 

 

 今、私の胃がぎゅるんと3回転くらいした気がする。

 

「なんっ、な、え」

 

 ちょっとそれは予想外すぎて胃が特大級の悲鳴を上げている。

 

 するとクィレルはしゅるしゅるとターバンをはずし始めた。

 

「貴方様のお父上は、私の後ろに──」

 

 クィレルが後ろを向いた瞬間、そこには顔があった。あ、パパ上だ。間違いねぇ、化け物がそこにいる。

 

「リ……」

「ぎゃああああ!悪霊退散ーーーー!!!」

 

 私は手元のいちばん硬そうなものをぶん投げて、バターンと倒れた。気絶します。めっちゃ聞こえないフリします。無理ーー!!!!!怖いーーー!!!!

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