FGO微課金ユーザーが『HUNTER×HUNTER』の世界にいく話   作:あきしょう

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お久しぶりです。みなさん。
久々の投稿です! 新生活にもようやく慣れてきたんで、これからちょくちょく投稿を再開していこうかなーと思っています。よろしくお願いいたします。

あと名前をあきしょうに変更しました。


〇〇連して爆死しました!

ゲームで欲しいアイテムがあるとき、プレイヤーはどうやって手に入れるのか?

 

 その答えは周回である。

 要はアイテムが出るまで何度でもクエストを繰り返すのだ!

 周回は少しガチャと似ていると思う。

 ガチャを回すとリアルマネーを失い、クエストを周るとリアルタイムを失う。ちなみにどちらも気力はどっしりと失われることになる。

 

 なぜたかがゲームにそのような大切なものをつぎ込むのか、納得のいく回答を持っているものなどいないだろう。

 少なくとも俺にはない。

 もし俺がそのような愚かな問いをされたらこう答えるだろう。

 

 魂が欲しがっているからだ!

 

 ……そう俺がそう決めたのだ。

 

 

 

 

 

 

 さて、絶賛俺が与えた仕事、もといクエストを周回しているゴン君とキルア君。

こう見えても俺には今まで様々な難しい仕事を請け負い、そのすべてを達成してきた実績とコネがある。そのコネを使い適当な『危険だがその分報酬がよい仕事』を彼らにあてがうのはそう難しい話ではなかった。

 そしてゴンとキルアはその仕事をいくつか無事達成し、順調に金を稼いでおり、その裏方で俺自身も『クエスト』をいくつも達成し、順調に石を稼いでいる。

 そう、誰かに邪魔をされるわけでもなく、石を使わされることもなく、爆死することもなく、そして沖田さんが血を吐くこともなく、すべてが順調に進んでいた。

 

 しかし、目の前にいる女神様はそんな素晴らしい状況をよくは思ってくれないようだった。本当に、女神というのはろくでもないということが分かる。

 

 

「あーもー! 暇暇暇! 暇よマスター! いつになったらあの子たちに試練を与えてくれるのかしら?」

 

「何を言っているんだ……。もうすでにいくつか与えているじゃないか。彼らは実によくやってるよ」

 

 そう言うと、俺の三番目のサーヴァント、女神エウリュアレは俺の顔を見上げて盛大にため息をつく。

 

「あんなものは試練ではないわ。いい? マスター。一度しか言わないからよく聞きなさい。試練というのはね、その人間が頑張ればまず達成できる、なんて生易しいものではないの。日頃から努力している人間が、頑張って頑張って知恵を絞って最善を尽くして……それでいて奇跡が起きてようやく乗り越えることができる、かもしれない壁……。それが試練なのよ」

 

 無茶をいう。クレーマーかな? いえ女神です。

 

「そんなもん無理だ。完全に俺のキャパオーバーだわ」

 

「つかえないわねー」

 

 エウリュアレはもう一度盛大にため息をつく。

 

 試練というのは困難なものだ。

 それは試練を課された側だけでなく、課すほうにも当てはまるようだ。

 そのことを今俺は痛感させられているところだった。

 

 召喚してからずっとエウリュアレはこの調子だった。なんといえばいいのか、機嫌があまりよろしくない。俺は必死に機嫌を取ろうとしているのだが、それもあまりうまくいっておらず、完全に八方ふさがりの状態だった。

 おそらく俺とは相性が悪いのだろう。今まで沖田さんとかエルバサとかあまり気を使わなくてもいい(エルバサは別方向で気を付けなければならないが)相手ばかりなのでマヒしていたが、これはなかなか厄介な問題だ。原作のマスターたちの中にもこれが原因で死ぬものも少なくなかった。

 

 FGOのぐだーずはどのように彼女と関わっていたのだろうか? 

 俺は人理を救ったことよりも、彼女のような癖のあるサーヴァントたちと良好な関係を築いていけたことに驚きを隠せない。おそらく主人公は『コミュニケーションスキルEX』とか持っていたのだろう。リアルコミュニケーション能力がアンリマユな俺としてはうらやましい限りだ。

 しかし能力がないからと何も手を打たずこのまま機嫌が悪くなれば、エウリュアレがマスターである俺に対して悪意ある行動をとる可能性もありえなくはない。その時は沖田さんやバーサーカーに対処させるなり、令呪で自害させるなりする必要があるが……、俺もできればそんなことはしたくはないのだ。

 実際どうすればいいのか悩むがいい考えはなかなか出ない。

 

 フレンドガチャがあればアステリオスを引いたんだがな~。

……いや、よし! ここはメデューサさんならガチャで引けたな! 彼女を生贄に捧げる方向性も考えてみるか。ライダーピックアップガチャがあったら積極的に引いていくか!

 

「マスター」

 

 ふとそこで後ろから声をかけられたことに気づいた。

 声をかけてきたのはパワハラ女神ではなく、俺の頼れるダメダメサーヴァント沖田さんだった。

 普段は霊体化し姿を隠したまま俺の周囲を警護をしてくれているのだが、今は霊体化を解いている。そこにあったのは普段の柔和で子供らしいいつもの顔ではなく、どこか血なまぐさい人斬りの顔だった。

 

「……どうした?」

 

「あちらをご覧ください」

 

 沖田さんが指す方向を見る。

 俺の目には幅の広い道路とそこをせわしなく歩く無数の通行人が映るだけだ。なんてことはない光景。しかし沖田さんが珍しくこんな真面目な表情をしているのだ。そこには何かあるはずだと通行人1人1人を注意深く観察していくと…。

 

「……あ!」

 

 俺は群衆に紛れて歩いているある3人組に気づいた。

 眼鏡をかけた女は知らないが、ほかの2人はかろうじて記憶に残っていた。

 どうしてこんなところに? と思ったが、そういえばここヨークシンではそろそろ大規模なオークションが開催されることを思い出す。こいつらの職業上、その商品を狙ってここにいるのもおかしくないな、と考える。

 

 そして、その時、俺にある天啓が舞い降りた。

 

 試練、エウリュアレの機嫌、最善を尽くしなお奇跡が起きてようやく乗り越えることができるかもしれない困難、やつらとの面倒くさい因縁。

 

 それらすべてを一度に解消できるかもしれない素晴らしい案だった。

 思わず俺はほころばせニヤニヤと笑みを浮かべてしまい、その様子をエウリュアレはまた面白そうに見ていた。

 

「あら? 何か面白いことでもあったのかしら?」

 

「……いや、これから面白いことが起きるかもしれないんだ」

 

「そう……。それは私の退屈を少しでも紛らわせるものなのかしら? マスター」

 

「それはやつらに聞いてくれ」

 

 俺はその3人組を指さして言った。

 どうやらあちらも俺の存在に気づいたらしく、目と目が合う。俺は沖田さんに言われてかろうじて気付くことができたが、さすが世界的に有名な実力派盗賊集団のメンバーたちだ。普段の警戒心も索敵能力も並外れているらしい。まあ、血も涙もない犯罪者集団とはいえさすがにこんな白昼堂々人通りの多いところで仕掛けてくることはないだろう。

 ただ……、俺はベンチに座ったまま一言つぶやいた。

 

「試練、みーつけたっ!」

 

 彼らとの距離はかなりあり、周囲は賑わい俺の小さな声など彼らには届いていないはずだった。しかし、彼らの3人中2人、金髪の優男と、ジャージ姿の強面の男はひどく疲れたような、なんだか悪い予感がするとでも言いたげな顔を浮かべたのが分かった。

 

 

 

 

 

 幻影旅団。それは十三人全てが超一流の念能力者で構成される盗賊団の名称である。そのメンバーはみな危険度Aクラスの賞金首であり、0番と1~12番の団員ナンバーが入っている12本の脚の蜘蛛の刺青が、体の何処かに彫られているという特徴がある。

 

 ヨークシン市内のはずれにある今にも崩れてしまいそうな廃ビル。

 そこにはその世界中から恐れられている幻影旅団の団員たちが次々と集結していっていた。

 

「よお! 久しぶりじゃねえか! 着いたぜ団長! 今度の獲物はなんだ?」

 

 そのビル全体に響き渡るほどの大声を出しながら姿を現したのは、毛深い野性的な大男、ウボォーギンであった。

 

「ちっ! おせーよ。もっと前にきやがれこの野郎」

 

「あわてるなよ。ウボォー。フェイタン組が夜に到着する。話は全員そろってからだ」

 

「ウボォーは相変わらずせっかちね。まあ元気そうで何よりだわ」

 

 ウボォーギンより先に到着した団員――シャルナーク、パグノダ、コルトピ、フィンクス、がまるで家族のように軽口を叩きながら出迎える。いつもの、幻影旅団結成時から数えきれないほど交わしてきたやり取り。しかし、ウボォーギンは彼ら、いや彼らだけではなく一番奥に座っている団長のクロロ=ルシルフルすらなにやら神妙な顔をしていることに気づいた。

 

「おいおいどうしたんだよお前ら! これから久しぶりに団員全員が集まって大きな祭りをやろうって時に辛気臭い顔しやがって! 何かあったんだったら教えろよぉ」

 

 ウボォーギンは強い。極めた強化系オーラで増強した、ただでさえ常識外れの屈強な肉体から繰り出される攻撃はもはや兵器と呼べるまでの威力を持つ。単純な肉弾戦ならば彼に勝てるものなど世界にもほとんどいないと言っていい。

 だが、それだけの力を持つゆえに、ウボォーギンは本気で戦える機会はほとんどない。たとえ数百人の重火器を持ったマフィアに囲まれても、彼にとってそれは遊び以上のものにはなりえない。

 ウボォーギンは今高揚していた。

 心配性のシャルナークやフィンクスならともかく団長までもが浮かない表情を浮かべている。あの、いつも冷静で鉄仮面なクロロ=ルシルフルがだ。これは相当のことが起きたとみて間違いない。もしかしたら自分が本気を…、いや、120%出さなければならないような案件かもしれない。

 ウボォーギンは自分の口角がどんどん吊り上がっていくのが分かったが、それは止められないし、止めるつもりもない。彼はバトルジャンキーなのだ。

 

「……まあ、いいか。」

 

 そのことをよく知るシャルナークはある程度の情報を渡すことにする。

 

「出たんだよ。あいつが…」

 

「あいつ? 出たってなんだよ。幽霊でも出たか?」

 

「それならまだましだよ…。ほら、ウボォーも聞いてるだろ。前にフェイタンの片腕をぶった切った…」

 

「おおっ! それなら知ってるぜ! 今日も会ったら笑ってやろうと思ってたが…。なんだよ! その切った張本人がこの街にいんのかっ!!」

 

「……ああ、まさか着いてそうそう出会うとは思わなかったよ…」

 

「なんだ? 妙に疲れてんな。まさかもう殺りあったっていうんじゃねえだろうな?」

 

「それこそまさかさ。彼とは一応休戦協定を結んでいるしね。だがまあ、彼の顔を見るのは精神衛生上よろしくないんだ。なんというか…、彼と出会うというのは大量の黒猫に横切られるとか、連続で鼻緒が切れるとか。そういう類のことなんだ…」

 

「おいおいおいおい、あんまり期待させるんじゃねえよ!」

 

 ウボォーギンがオールバックの髪型と額に十字架の入れ墨を入れた青年に向けて叫ぶ。

 

「団長――! もしそいつを殺るんだったら俺にやらせてくれよ―――! なあ!!」

 

 今ここに集結した旅団メンバーの視線を一身に受けた彼、クロロ=ルシルフルは、何かを考えているのか何もないところをただじっと見つめているだけだった。

 

 

 

 

 

 

 俺と幻影旅団とかいう盗賊集団との関係は、言ってしまえば仕事で殺しあいをしていた仲、だ。

 詳しく説明しよう。

 あいつらに最初にあったのはクエストだった。

 俺はある宝物の警備員として、あいつらはその宝物を狙う強盗として出会い、必然的に殺し合いが繰り広げられた。

 やつらは一人ひとりがやけに強く、さすがの沖田さんでも1人では荷が重い相手であり、令呪では足りず、石も複数消費しなんとかその場は撃退した。

 クエスト完了後新たな石は手に入ったが、使った聖晶石の数を思い出すと割に合わず、もう絶対会いたくないと思った。もしかしたらそれがフラグになってしまったのかもしれない。

 最悪なことに似たような出会いがその後も時折続き、そのたびに石が無駄に消費されていくことになるのだった。

 だが、最悪だと感じていたのはこちらだけではなかったようだ。

 幻影旅団側にとっても、文字通り必死になって殺したはずの沖田さんが、一瞬でよみがえるという光景は悪夢だったのだろう。聖晶石を消費しこちらの目が死んでいくたびに、あちらの顔も曇っていくのが分かった。

 

 戦っても大切なものが失われていくだけで何も益がない。

 できることなら殺したいが、決め手に欠けている。

 それならいっそ、柄ではないが戦わない取り決めをした方がいいのではないか。

 

 何回かの殺し合いを経てそのような共通認識に至った俺たちは、一応の休戦協定を交わすことになった。

 

 休戦協定といっても簡単だ。

 もし仕事でお互い敵対した際は……殺し合いではなくコインで決める。

 俺が勝てば向こうが引き下がり、向こうが勝てば俺は引き下がらなければならない。なんでもこれは旅団内で身内での殺し合いを避けるためのルールらしいが、例外的に部外者の俺にも適用されることになったそうだ。

 

 なんだか俺も犯罪者集団の一員にされたみたいで不愉快ではあったが、その休戦協定以後、確かにこの無益な戦いが終結することとなったので俺も一応守っている。

 今からやろうとしていることも、協定を破ることにはならないはずだ。

 なぜなら協定には俺のサーヴァントを刺客としてさしむけていけないというものはあるが、裏を返せばサーヴァントでなければ問題ではないということだ。

 

 とはいえゴン達が実際にやつらを倒すのは力量的にまず無理だろう。

 だがだからこそ、これは試練となりうるのだ。

 一応言っておくが、俺は提案するだけだ。強制はしない。このクエストを受けるのか決めるのは彼ら自身だ。

 だが、彼らは受けるだろう。付き合いの短い自分でもなんとなく分かる。

 まあ、正直彼らが死のうが生きようがどうでもいい。肝心なのはエウリュアレの機嫌がこれ以上悪化しないという、ただそれだけなのだ。なので、みんなはぜひ俺のガチャのために命をはって頑張ってほしい。

 

 そこで俺と出会ったときの、まるでこの世のすべての不幸が降りかかってきたような顔をした幻影旅団のメンバー(名前は知らん)を思い出す。

 

 他人が不幸だととてもうれしい。周囲の人間が不幸だとその分俺に運が回ってくるような感じがするからだ。

 前世では俺にとってSNSとはFGOプレイヤーたちの爆死報告を確認するためのツールにすぎない。

 『〇〇連して爆死しました!』という他プレイヤーの報告を見ることが、爆死し戦えなくなった俺をいやす唯一の手段だった。

 

 だけどこんな方法を思いつくなんて、俺にも運がむいてきたかもしれない。これは……チャンスか?

 そんなことを思いながら、俺はルンルン気分でホテルに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 爆死した。

 くそがっ!!

 

 




2つ報告です。
沖田さんの宝具レベルが4になりました。
あと、ニコニコ動画にパワポケとFGOのクロスオーバー作品を投稿しています。下記リンクからぜひ見ていってください。
もちろん沖田さんも出ます!

https://www.nicovideo.jp/watch/sm36572095?
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