決勝戦決着。さて、どちらが勝つのか…?
(しまった…気づかれたか!!)
爆豪の手から世界一頑丈な植物の手錠が外れる。それはジョルノの思惑が敵に悟られたということだ
(手首を縛っていた部分は
「ガッ…ァア!!」
痛みに悶える爆豪の呻き。たしかに爆豪は自由の身となったが、それは右手を犠牲にした捨て身の行動でもあった
(他の奴らは俺と戦う時のみ、隔絶としたハンデがある!)
火傷した右手首を押さえる爆豪
(それは勝利条件の数!奴らは必死こいて俺を気絶させるか場外にさせてェわけだが、“爆破”で空を飛べる俺に対して場外勝ちはほぼ不可!逆に俺は、敵をブッ殺そうがブッ飛ばそうが自由だ)
できれば直接ブチのめした方がスカッとするのだが、目の前の男相手に勝ち方を選べるほどの余裕はない
(自由な分、余裕だ。だからコロネ野郎はそれを防いできたッ!俺とコロネ野郎が物理的に繋がってりゃあ、ヤローは場外で勝つことを考える必要がなくなる。逆に俺はコロネ野郎を外に放り出せなくなる。それでもなお俺の方に分があるが…予想以上にダメージを受けちまった…)
「だがッ!!」
ボボボボボ!
右手首の痛みを堪えながら、爆豪は空高く飛ぶ
「忘れてねェよなぁ〜。俺の個性は汗をかけばかくほど威力が増す…!エンジン吹かしまくった車のボディが
「来るか…!」
上空10mほどで静止してホバリングする爆豪をジョルノは見上げて身構える
ボボボボボボボ!!
両手を左右逆方向に向けて爆発を連続発生させ、その反動で錐揉み回転しながら下にいるジョルノに向かって突撃する
爆炎を噴き上げながら落下していく爆豪の姿は……まさしく人間ミサイル
『
地面に叩きつけた掌から発する、もはや爆音と言うよりも特大の
そこには、勢いを乗せた特大火力の爆発によって、約2/3ほどが抉り飛んだステージの惨状
そしてその上にいるのは…この状況を生み出した男、爆豪勝己ただ1人だった
「ステージが…!!」
「なんつー威力だよ!」
「ジョルノはどこだよ!ふ、吹っ飛ばされちまったのか!?」
ジョルノの姿がどこにもないことに動揺する峰田。ジョルノに限って死ぬなんてことはないと思いたいが、それでもどこにも見当たらないことに不安を覚え始め…
BOOM!
そんな時、必殺技を放って疲れ切ってるはずの爆豪がいきなり真上に飛び始めた
「え…!?爆豪?」
「…! まさかッ!」
急な行動に呆気を取られるヒーロー科の面々だが、常闇が最初に気づいて空を見る
つられてみんなも空を見上げてみると…
「ジョルノォッ!!」
──先程の爆豪よりもさらに上、上空10m(ビルの4、5階ほどの高さ)の地点にジョルノ・ジョバァーナとゴールド・エクスペリエンスの姿が確認できた
そう、ジョルノは
とは言え、これはジョルノの最後の策であると同時に、賭けなのだ
(跳んでしまえば、空中で身動きの取れないぼくは『爆破』で飛ぶことのできる爆豪に対して
「テメェなら避けると思ってたぜ
物理法則に従って落下を始めたジョルノに狙いを定める爆豪は、この時初めてジョルノの名前を呼んだ
それはジョルノが爆豪にとって、初めて真正面から互角に戦った強敵であり、今、必ず倒すべき男だと認識したことによる無意識の変化だった
だからこそ、油断なく、容赦なく、確実にトドメの一撃をブチ込んでやるという意思で、掌の痛みを無視して爆豪は飛ぶ
両者の
(5m…3m…!)
(まだだ…引きつけろ…)
距離は
(2m…射程距離に入っても出してこねェっつうことはッ!)
(射程距離内に入ってきたらではなく…)
徐々に
(コイツの狙いも俺と同じッ!!)
(ギリギリまで懐に近寄らせるッ!!)
縮まり
「無駄ァッ!!」
「ウラァッ!!」
BOOM!!
そして、密着寸前の攻撃を先に当てたのは…
「カハッ…!」
ジョルノの胸部に両掌の爆破を叩き込んだ爆豪だ。顔の横を掠めたゴールド・Eの腕が薄れていく
「───」
勝てた。攻撃を先に当てたのは俺だ。俺が頂点を取った
しかし、望んだ勝利をもぎ取ったにも関わらず、爆豪の胸中にはなんとも言えない…胸にポッカリ穴が空いたような虚無感があった。それは勝負が終わってしまったことによる寂しさの感情だった
だが、今その気持ちを自覚することができなかった
できるはずがなかった
グッバァァァ───
──なぜなら、大口を開けた魔物のようなジョルノの体操服が爆豪の両手に迫っていたのだから
「………ハ?」
バッグゥゥゥ!
グニュウ グニュ
不意をついて爆豪の両手にまとめて絡みついた体操服が、途中で緩やかになっていた成長を一気に早め生命に生まれ変わる
この試合で何度も爆豪に辛酸を舐めさせたジャイアントセコイア、それによって作られた対爆豪用拘束ミトンが完成する
「な…!」
「おまえなら…必ず『そうすると』思っていた」
掌を爆発の通さない天然のミトンで包まれて能力を完全に封じられた爆豪に、体操服がなくなり上半身が裸になっているジョルノは語りかける
「ぼくへのトドメを確実に刺すために…両腕を使った最高火力の爆破で胴体を攻撃してくると信じていた……!完膚なきまでにッ!完璧な勝利にこだわるおまえならッ!!」
そう…だからこそ、ジョルノは自分の体操服に生命エネルギーを流し込み、植物の防爆チョッキ兼爆破封じの拘束トラップを仕込むことができたのだ
「テ…!」
「そしてここは!!すでにゴールド・Eの『射程距離圏内』だ!!」
「テメエエエエェェェェェ!!!」
「無駄無駄無駄無駄ァ!!!」
「うぐええッ!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!」
空中で繰り出された、何本にも見えるほど速いゴールド・Eの蹴りが爆豪に突き刺さる
普通ならすでに気絶してもおかしくない威力の蹴りを何度も受けてなお、爆豪の目は闘志が消えない。ゆえにジョルノはゴールド・Eで何度も爆豪に蹴りに入れる
何度も、何度も、何度も何度も何度も
そして───
「無駄アアアー!!!」
ドゴォォォーン!!
地面への直撃と同時に、最後の一撃が打ち込まれた
隕石のように落下して砂埃を巻き上げるスタジアム中央。先ほどと同じような状況だが、違う点がたった1つだけあった
それは、砂埃が晴れた先の光景
爆豪は大の字で仰向けに倒れながら白目を剥いていて…その近くには、特徴的な金色の髪を揺らしながら静かに佇むジョルノと、彼の魂の象徴であるゴールド・E
ミッドナイトが爆豪の状態を確認して、宣言する
「──爆豪くん、気絶!!よって…ジョルノくんの勝ちィ!!」
一瞬、静寂が会場を支配し…直後
『決着ゥゥ─────ッ!!どこまでも白熱した戦いを繰り広げてよぉ───そして勝利したのはッ!
ジョルノ・ジョバァーナァァァ!!お前が雄英体育祭優勝者だァ─────!!!』
ワアアアァアアアア!!
新たな優勝者の誕生に観客たちはスタンディングオベーション
そこには優勝したのが
今はただただ、素晴らしい試合の数々を見せてくれた1人のヒーローの卵に対する賞賛が、会場を埋め尽くしていくのだった