雪深い峠を越えた先にある、葦名の国。
そこには、天涯孤独の御子と、それに仕える忍びが居た。
己が血に宿る異端の力を憂えた御子は、股肱の臣たる忍びの力を借り、その力を消し去り、只人となって定めから解き放たれた。
――自らに尽くしてくれた、その忍びを喪う事と引き換えに。



それから凡そ四百年後の日本。

人の世を脅かす存在である『荒魂』と、それを祓う役目を負った『刀使』と呼ばれる神薙ぎの巫女。
異形の咆哮と剣戟が木霊する戦場にて、狼の魂の片割れが目を覚ます――
  その終わりと始まり()
  飛燕の少女(前編)
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