アンケートはもうやめることとしました。ネタに走り過ぎたので反省といった次第で。
「清!!てる子――!!」
「きゃああ!」「わーーー!!」
出迎えた清のてる子がその辺りに置いてあるものを炭治郎に投げつける。急須やら本やら。横切るそれらは室内にあるものを手当たり次第投げているような様子。熱烈な歓迎だ。一番殺傷率の高い急須や花瓶が割れていく音がして、いよいよ炭治郎は危機感を覚えた。
「なんでものを投げつけるんだ!」
大事な頭部を守りながら炭治郎が制止を求めれば猛攻はようやく止まった。
「た、炭治郎さん、ごめんなさい鼓が消えて混乱しちゃって」「童磨さんが置いていったお守りも崩れ落ちちゃって」
相当心細かったことが窺えた。鬼は倒したから外に出よう、そう優しく言い聞かせて清を負ぶって外に出ようとする。途中から血の匂いがして外に出れば善逸が血まみれになって背負い箱を抱きしめていた。
「刀抜いて戦え、この弱味噌が!!」
その横で善逸を別の少年が罵倒する。猪の頭部を被った少年だった。彼の拳や足からは善逸の血の匂いがする。何があったのかは察するのは容易だった。
「炭治郎…俺…守ったよ」
炭治郎に気付いた善逸が声を掛けてくる。
「お前が…これ…命より大事なものだって…言ってたから」
庇って守るそれは死んでしまった家族を庇っていた
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少しだけ揉めてしまったが炭治郎の頭突きで全て収束した。猪の被り物がずり落ちれば随分と綺麗な顔が出てきた。善逸がそれを見ればむきむきしてるのに可愛い女の子みたいな顔が乗っていると不評な様子であったが。暫く少年と炭治郎は話し合っていた、その後ようやく少年の名前を知ることとなる。
「おい、でこっぱち!俺の名を教えてやる!」
少年は
「どういう字を書くんだ」
今度は伊之助が固まる番だった。
「字!?じっ…、俺は読み書きが出来ねぇんだよ!」
名前はふんどしに書いてあるけどな…、そう言いかけて伊之助が固まる。地頭が良いようだが学がないようだ、暫く考えていると判断して様子を伺っていると途中で泡を吹いて倒れてしまった。知恵熱か、死んでしまったのか?そう考えていると炭治朗があっさりとそれを否定する。脳震盪だ、と。頭突きで脳を揺さぶられて倒れたようだった。どれだけ頭硬いんだ、善逸がドン引きした。
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脳震盪で倒れた伊之助を介抱して善逸の上着を被せて寝かせて遺体の埋葬を始めていた。鬼が複数居たので当然ながら屋敷内に居る犠牲者は決して少なくはない。全員で埋葬することになったが、人手がとにかく足りなかった。人一人運んでは土を掘る、更に埋めるという作業もあるのだから猫の手も借りたいくらいだった。炭治郎達だって人数は決して少なくはなかったが、埋葬という作業とは時間はかかるものだ。屋敷内では童磨が寝ているがまだ日が頭上にあるので
「……あ」
屋敷に居る童磨のことを思い出して、伊之助を見てようやくといった様子だった。不意に出た声が漏れる。伊之助の名前を何処かで聞いたような気がする、その感覚が確信に変わった。童磨と別れる時に言われたんだ、あの時は慌てていたし童磨も眠そうにしていたから後回しにしていた。聞き流してしまった言葉だったのかもしれない。まどろむ童磨が小さな声で、確かにそれを言っていた。
『伊之助によろしくね』
最初は分からない人の名前を呼ばれていた筈だったのに、今となっては意味のある言葉になった気がしてならない。伊之助を知っているのは何故なんだ、童磨にまた聞きたいことが増えていくが、伊之助が目を覚ました。
「勝負、勝負ゥ!!」
興奮して鼻息荒くしていて、童磨との関係も聞けず仕舞いになりそうだ。口を開きかけるも、炭治郎は思考を切り替えた。分からないことは多いけど今は弔う方が優先だ、炭治郎は優先順位を変えることにする。伊之助にも埋葬の手伝いを催促するもあっさりと拒否される。
「生き物の死骸なんて埋めて何の意味がある!やらねぇぜ、手伝わねぇぜ!」
そんなことより俺と戦え、伊之助は捲し立ててそう言い切った。弔うなんてことの意味を知らない伊之助には何の価値もない行為である。野生の猪に育てられた伊之助にとっては至極当然の価値観である故の不幸であるが、そんな事情など知らない善逸にとっては理解できない価値観だった。それでも炭治郎だけは優しく穏やかな顔で伊之助に理解を示した。
「そうか…、傷が痛むからできないんだな?」
憐憫を隠せぬ言い方で炭治郎は伊之助を労わる。本気の度合いで心配すらされていた。
「……は?」
戦えと言った筈だ、まだ俺は動けるが。伊之助は聞き捨てならぬ様子で聞き返した。それなのに目の前の男の言動がまるで理解できない。
「いや、いいんだ。痛みの我慢できる度合いは人それぞれだ」
炭治郎は長男だから我慢できるが、周りはそうでないことも分かっていた。勿論無理強いするつもりはなかったから、埋葬を手伝わないと言った伊之助にもしなかった。
「亡くなっている人を屋敷の外まで運んで土を掘って埋葬するのは本当に大変だし」
勝手に解釈して伊之助を労わる炭治郎。それらの言葉は伊之助を煽るには十分である。
「善逸とこの子たちで頑張るから大丈夫だよ」
伊之助は休んでいるといい、にっこりと仏のように笑う炭治郎に全くもって悪意はないが伊之助はそう捉えなかった。これでは善逸たち以下だと言われているようだ。ズレた解釈で無自覚に煽る炭治郎の言動に伊之助は我慢ならなくなった。
「はあ゛――ん!?舐めるんじゃねぇぞ!!百人でも二百人でも埋めてやるよ!俺が誰よりも埋めてやるわ!!」
すっかりとその気になった伊之助はあっさりと穴を掘る。負けず嫌いな性分で誰よりも早く屋敷から遺体を持ち出し土に埋めた。どうだ、と胸を張る伊之助を偉いぞと炭治郎が褒める。それだけか、と首を傾げた伊之助は煮え切らない様子であるのに炭治郎は上手くいなしていた。ある意味で、伊之助を動かすのが上手いのは炭治郎なのかもしれない。そもそも長男なのだから年下の面倒なんて手慣れたものであったのも伊之助が勝てない要因であるのも事実だった。鬼との戦闘で負傷した炭治郎達は発つことにした。善逸は途中で離れることを拒んでいたがそれを引き剝がして炭治郎は歩く。また夜になれば鬼が来るかもしれない。負傷した身体では満足に動けないことも長居することが出来ない理由ではあった。童磨にはまだ話したいこともあったが、仕方がない。後ろ髪を引かれる思いで炭治郎は屋敷を後にした。
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バチリと、白橡色のまつ毛が開く。見開けば虹色の双眸が室内を認識する。此処何処だっけ?不思議そうに首を傾げていたが少しずつ思い出してきた。響凱という鬼と戦って炭治郎くんが出ていった後に暫く寝てたんだった。
「ああ、そうだったね」
屈託なく笑って童磨は起き上がって屋敷から出る。頭上には月が浮かんでいた。木々を切り取るように暗闇が包んで星々が散らばっている。
「あぁ…、良い夜だねぇ」
雨も降っていないのならば出歩くには十分な天気だった。発つには十分な気候で、童磨は当てもなく歩き出す。もう炭治郎は出て行ってしまった後だというのは埋葬後の墓を見て判断できた。置いてきぼりとは誰も彼もつれないぜ、とほほと嘆く童磨は相変わらずの百面相を晒していた。
「……ん?」
バサバサと何かが飛んでくる気配を察知する。音から察するに羽音だろうか、随分と大きな鳥か。夜に飛ぶ鳥なんて限られてくるが。梟なのか、はたまた夜鷹であろうか。それもまた違うことも察するのは容易であった。夜行性の鳥であるのならば餌を求めて飛ぶものだ。だが此方に向かって来ている鳥は意味もなく飛んでいる訳でもないことも分かっていた。鳥は間違いなく目的を以ってこちらにやって来る。姿を現した鳥は黒い闇である。夜を切り取るようにそこにある黒い鳥、その鳥を童磨はよく知っていた。何週もしていた最終決戦の無限城で飛び回っていた
「こんばんは、童磨さん」
口を開けば鎹鴉は流暢にそして丁寧に話し出す。首元にある紫色の飾り紐を揺らして童磨に挨拶をした。
「やあ、こんばんは」
良い夜だねぇ、のんびりと童磨も鎹鴉に笑いかけた。
さて、この童磨さん逆行ループものも原作には入りました。この周回で私は打ち止めようかと企んではおりまして。まあ少し早かったかなと反省すべきところも多いこともあります。もう一周させたかったなとかそういう後悔もありましてこの逆行の周回は失敗したかとも悩んでいたりで。……まあ、脱線しそうなので個人的な感想は此処までにします。本題に入ります。書く予定を予め話しておきます。恐らくなのですが炭次郎と話せるタイミングって中々ないと分析しています。原作の流れからすると炭次郎とのタイミングには会えないかなって考えておりまして。童磨さんとの会話がビジョンとして想像できないという意味です。まあ、私の力量不足というのもありますがね。
つまり、那田蜘蛛山編の話は概ねカットとなるのでしょう。つまり伊之助の再会も無限列車編あたりでどうこうとなります。そういう予定になりますね。次に無限列車編は煉獄さんだけではなくてもう一人柱入れようかなとも。誰かって言われたらお察しして下さい、無理があるって言われても出してしまいたい描写があるのでそこらへんは二次創作なのでね…。同時に上弦弐が不在なので繰り上げて猗窩座殿が上弦弐なのは確定です、上弦陸も繰り上がって魘夢がなるのかなとも。下弦としての哀愁があるのも魘夢らしさはあって気に入ってはおりましたがこの辺りは仕方がないのかと判断します。魘夢はこの周回においては上弦陸になったばかりの新参者として扱います。上弦伍になれなかったっていう断末魔も良いなとは思いました。下弦解体も好きな描写でありますがあの辺りはこの二次創作ではカットです。二次創作なのでこの辺りは無礼講にさせて頂きたいです。どうかご了承を。予定は書きましたが此処から書けるかも私のモチベーション次第ですね。長文失礼しました。