おじさん、今年で36歳になるんだけれども 作:ジャーマンポテトin納豆
短めですが生存報告を兼ねて投稿。
本編の方もチマチマと書き進めていますので気長にお待ち頂ければ。
休みの日、久々に家に帰ってのんびりと過ごす。
一夏は代表候補生の訓練があるとかで朝から外出中、千冬も仕事が忙しいので学園に泊まり込み、しかも二十連勤超えてる。
お兄ちゃんはブラックな職場に勤める妹が心配で堪りません。
まぁIS学園って確かに勤務は辛いけどその分給料は半端じゃ無いぐらいに良い。
休みは流石にやらなければならない事が多過ぎるから可能な限り振り替え休日で取らせてもらえるけど有給は中々無理だ。
給料は一般サラリーマンが見たらぶっ倒れるぐらい、具体的には月給三桁万円とだけ言っておこう。
単純な基本給だけじゃなくて機密保持だったり、技術分野とかの特別手当とか、立地が立地だから特別地域手当なんてのも丸ごと含めた金額だ。
そんなわけで本日は一人家で寂しく過ごす、筈だったんだが。
「兄さん、洗濯物干し終わったぞ」
「父、トカゲ見つけた!」
なんでか皆が我が家に遊びに来ている訳である。
いつものメンツが勢揃いで、あれやこれやと家の手伝いをしてくれているわけだ。
そんな訳もあって本日の我が家は騒がしいのである。
ラウラ、キッチンにトカゲ持って来るのはやめなさい。
そんなこんなで昼飯も済ませて暫くすると束がやってきた。
「おじさんにプレゼント!」
「プレゼント?俺に?」
「そうそう!ほらこれ!」
そう言って差し出してきたのは黒縁眼鏡である。
色合いは在り来たりだがデザインは良いものだ。
と言っても俺、眼鏡が必要な視力してないんだよな。
自慢じゃねぇけどこれでも視力は両目共に2.0もある。
これで眼鏡掛ける必要とは何か?
「なんで眼鏡?俺全く視力悪くねぇけど」
「伊達眼鏡だよ、おじさん」
「伊達眼鏡ェ?なんだって俺に?」
「だっておじさんの眼鏡姿見てみたいじゃん?」
「なるほどね」
うん、理由はそんなもんだろうとは思ってたよ。
束が俺に必要無いモンを意味も無く渡してくる事なんて滅多に無いからな。
「まぁ、有難く貰っときますわ」
「うんうん、それじゃいっちょ掛けてみよー!」
「今?」
「今」
まぁ良いかと思って掛けてみる。
度は入ってないからなんだかゴーグルを掛けているような、そんな感じがする気がする。
「お似合いですわ、小父様」
そう言って微笑んでくれるセシリアを見て取り合えず顔を逸らした。
「小父様?」
あっれおかしいぞ、なんで服を着てない?
取り合えず確認の為に眼鏡を外してみるとさっきと同じでちゃんと白色の、清楚なワンピースを着ていた。
箒もさっきまで着ていたジーパンと白のTシャツが消えているし、鈴は動きやすい運動向きの短パンとTシャツ、シャルロットは短めのスカートを履いていた筈だが?
あ~、あれだな、俺、疲れてるか溜まってんだな。
そう思って眼鏡を外そうとすると止められる。
「あら、外しちゃうの?似合ってんだから暫く掛けとけば?」
鈴にそう言われて詰まる。
いや、この眼鏡が普通の眼鏡なら別に幾らでも掛けてていいんだけどさ、流石にこんなバカげた眼鏡だとちょっと……。
つかこんなもん束はなんで作りやがったんだ?しかもなんだって俺に渡した?覗き魔になれと?犯罪者になれと?
大変眼福でございます。
「おじさん?なんか顔変だよ?」
そりゃこんな眼鏡渡されたらおかしくもなるわ!
「眼鏡掛けてるから違和感があるんだよ。変な顔とか言うな」
あぶねぇあぶねぇ、勘繰られるとこだった。
にしてもどうすっかな?これこのまま掛けて皆の事見るわけにはいかんだろ。
「佐々木さん?どーしたの?」
あー駄目ですシャルロットさん!私の前に立たないでください下着姿が丸見えになってしまいます!
リビングでトランプ、テレビゲーム、雑談とそれぞれ興じながら過ごす。
しかし俺の内心は大騒ぎどころの話じゃなかった。
あくまでも平静を装わなければならない。
これは男の静かな戦いなのだ!
この一、二時間で分かったことがある。
それはみんなの下着の色とデザイン!ではなくこの眼鏡がどんな代物なのかということだ。
どうやら設定を弄れるらしく、深度設定にすると身体の内部、臓器とかまで見れるらしい。
お陰でなんの覚悟も無いままに見ちゃったもんでちょっと気分が悪くなった。
流石に内蔵見て興奮するような異常性癖持ちじゃねぇし。
で、だったら服が映るようにすればいいじゃないかと思ったがこの眼鏡、親切設計なので一番見えないようにしても下着姿なのである。
どうすりゃええねん。
辺に外すと不審がられるし、かといってこのまま掛け続けるのもなぁ、と悩んでいる。
下着姿はばっちり見てしまっている。
箒は赤色、セシリアは紫、シャルロットはピンク、鈴は薄い青、束はピンク。
ラウラとクロエに関してはノーコメントだ、娘だからね!
さてどうすればいいのかおじさんには全く分からない。
どうにかして眼鏡を外したいが、皆は割と気に入っているらしく今日一日掛けとけば、と言ってくるわけで俺としては嬉しい事を言ってくれるじゃないのと言うわけですよ。
決してもっと皆の下着姿を見たいわけじゃありませんとも、えぇ。
それはそれとしてくっ付いてくるのちょっと待って頂けません?
色々と想像しちゃうので。
「外しちゃうんですね」
「違和感が凄くてちょっと……」
「まぁ、また今度お掛けになれば良いだけの話ですし」
「そうだね」
「あ、束ちょっと」
「なになにー?」
どうにかしていい感じに誤魔化して眼鏡を外して束を手招きで呼ぶ。
「お前これどういう事やねん」
「え?」
「これ掛けたら皆の服が消えて見えてたんだけど」
「えぇ?嘘だぁ、私ちゃんとした普通のやつ渡したはずなんだけど……」
「ほら」
「……あっ」
束は気まずそうに声を漏らしていそいそと懐に眼鏡をしまう。
「……ちゃんと渡そうとしたの、今度持ってくるね」
「……おう。頼むわ」
なんとも微妙な雰囲気と空気である。
「ってことは、おじさん私達の下着、見てたってこと?」
「……ノーコメントで」
「それならもっとちゃんとした、気合入れたの着てくれば良かったなぁ」
「そうじゃねぇだろ」
「てへっ」
可愛らしく言っても駄目です。
「にしてもなんだってんなモン作った?」
「いやぁ、おじさんよく怪我するでしょ?特に最近」
「そうだな。つかIS学園に入ってからだけど」
「だからおじさんの診察とかする時に体の中とか簡単に見れるようにしたなぁって思って作ったんだけどちょっと性能足りなくて」
「なるほどな。で、下着姿が丸見えになっちゃうトンデモ眼鏡が出来上がったと」
「そうそう。渡そうとした眼鏡とデザイン一緒にしちゃって間違えて持って来ちゃったんだね」
束はちょっと顔を赤くしながらごめんね、と謝る。
まぁいいけどね。
リビングに戻ると、皆はちゃんと服を着ていた。
元から着てたんだけど、うん、ややこしいな。
ただおじさんのたくましい妄想力のお陰で服を着ていてその下に見てしまった下着を着ていると思っちゃうとちょっとえぇ、大変でございます。
久しぶりの投稿で、短くてしかも本編進まなかったけど許して。