「私が先に突撃します、第一中隊は掩護を頼みましたよ!」
叫んで、最大速度で突撃します。
...きっと大丈夫、頼りになる仲間の援護もありますから。
手に持つ小銃の先端に魔導刃を展開し、風を切り裂く。
敵まで数百...
「ここで、決着をつけなければ、いけないのです!」
爆裂術式を射撃、敵を数人巻き込みつつ、目くらましに使います...が。
「
当然、目くらましの範囲から外れていた敵が撃って来ます。敵も案山子ではありません。
幻影が敵を騙して何発か無駄に、乱数回避で可能な限り避け続け、どうしようもない弾は防殻に弾かれて。
隊長格と思しき敵に肉薄する―――
瞬間、身体を捻り衝突は避けると同時に、魔導刃を展開した小銃を思い切り振って―――
敵の左腕を、切断する。
...首を狙ったつもりでしたが、ターニャのように上手くいきませんね。
私もまだまだです。
乱れる敵集団に突撃しながら、貫通術式を至近の敵に対して射撃します。
――これで、また何人か墜ちましたね。
そして敵に囲まれるのを避けるため、上に...空に向かって一気に上昇。
「あははっ!ターニャの功績のため、私たちのために死んでくださいねっ!」
交戦空域である高度4000付近から、高度12000まで上がり。
亀のようにのろのろと追いすがる敵集団に対して、オープン回線で煽ることも忘れずに。
「ああ、ターニャ...愛するお姉様のためなら、何だってします!」
演算宝珠が壊れるギリギリの魔力で、全力射撃する――
「友軍に告ぐ、対閃光防御をお願いしますね!」
全力の爆裂術式を敵集団に向けて射撃、着弾。
爆炎と閃光、そして不完全燃焼したのであろう黒い煙の塊に包まれ。
十数人の敵を黒焦げに。
数十人と少しを血塗れに。
さらに数十人は外見は軽傷ですが、不完全燃焼の煙に包まれてしまったのでしょう、苦悶の表情で墜ちて。
何人かは爆炎と閃光を直視したらしく、目を押さえて何事か叫んでいます。
いつかのターニャのように、敵を全滅させる...には至りませんでしたが。
『アレクシア!無理をするなと言っただろう!...だが、よくやった!そのまま戦域管制を頼む!』
「はい、了解しました!」
私の全力射撃の余韻が残る中、第一中隊も合流したターニャ率いる第203航空魔導大隊が、敵を囲むようにして突撃を開始。
隊長格だけでなく、何人も死傷し混乱の渦中にある敵魔導連隊は、数で劣る私たちに成すすべなく狩られていきます。
「少し無理をしてしまいましたが...ターニャに褒めてもらえました。」
戦いの余韻、興奮しているときに、私にとって最上級の褒章――ターニャに褒められてしまっては...。
ぶるっ、と全身を電流のような快感が突き抜けますが...今はまだ、戦場です。
...帰ってから、楽しむことにしましょう、ね?
私はターニャに命令してもらえた通り、空の安全圏から周辺警戒と戦域把握に努めています。
敵がターニャに気づかないように...仲間の後ろに回り込もうとすれば、それをさせまいと他の仲間に指示を飛ばし。
敵が下がり、突出して深追いしすぎている仲間を窘めたり。
そんなことをしているうちに――
「うん?敵の通信ですか、流石に平文ではないですが...っと。」
最後方に下がった敵の1人が、何か通信をし始めたと思い傍受しますが。
――通信先を解析してみれば、モスコー市内にある廃屋の地下。
外見はいかにもただの、崩れ落ちそうな廃屋――ですが、そんな場所の地下と通信なんて、ね?
「サラマンダー02からサラマンダー01へ、敵の通信を傍受、通信経路を解析しました。モスコー市内廃屋の地下のようです。」
「サラマンダー01了解した、我々と合流しろ。フェアリー大隊各位へ、敵は負傷者を抱えて敗走しているが、深追いするな。負傷者と残弾を確認しろ、急げ!」
ターニャに報告し、残弾確認をしながら合流します。
「お待たせしました、ターニャ。負傷者はいましたか?」
「ああ、戦死はいないが6人負傷、そのうち1人は継戦不可と判断した。第二中隊に護衛を命じて下がらせ、戦える者はそのままモスコー包囲部隊と合流し戦闘支援の予定だ。」
流石に、帝国精鋭部隊である第203航空魔導大隊といえど、連隊相手の戦闘は困難でしたか...。
致し方ありませんね。
「了解しました。それで、私たちはどうしますか?このまま継戦できるのであれば、先ほどお話した廃屋を襲撃しますか?」
「その予定で、司令部には報告済みだ。廃屋周辺には伏兵、抵抗が予想されるが...まるごと更地にしてもよい、とロメール閣下は仰せだぞ?」
と言うターニャは、悪い笑みを浮かべて嬉しそうです。
はぁあ、悪巧みしているターニャも可愛いのです...。
...おっと、ターニャに見惚れてしまいました。
やはり閣下は話が早くて助かりますね、無駄な損耗を出さずに済みそうです。
「私は先ほどの戦闘で全力射撃して、少し消耗していますから...ターニャ、お願いできますか?」
「うむ、了解した。ヴィーシャ、ヴァイス大尉、例の廃屋周辺は私が吹き飛ばす。その後の地下制圧は貴官らの中隊に一任する。」
「「はい!了解しました!」」
敵の司令部...が地下に存在すると思われる、廃屋の上空。
「第一中隊!爆裂術式準備!私が先に撃つ、その後射撃せよ!」
ターニャが小銃を構え、廃屋に狙いを付け、高濃度魔力の奔流を演算宝珠に注ぎ始める。
魔力の淡い輝きがターニャを包み、その後ろ...モスコー市街外縁部では友軍と連邦軍の戦闘で発生している煙、砲撃音。
ああ...ターニャはやっぱり、戦場こそ映えます。
格好良くて、美しくて。
でもやっぱり、真剣な眼差しで、敵を屠ることに悪い笑みを浮かべているターニャは可愛い...。
...いけません、ターニャに見惚れてしまって。私も射撃準備をしないと、
「各員、対閃光対衝撃に備えつつ、射撃準備を継続!」
そして。
「我らが祖国に仇成すアカ共め...これで決着だッ!」
ターニャが怪しく笑い、射撃。
一瞬の静寂―――
閃光、次いで耳をつんざく衝撃音。
もうもうと煙が上がりますが――その隙間から見える光景は。
廃屋どころか周辺の家屋丸ごと、跡形も無く消え去りました。
「爆裂術式!廃屋跡に対し、撃て!」
ターニャが指示を飛ばすと同時、射撃します。
敵の生存者が何事かと、混乱しているところを鴨撃ちです。
あ、私の撃った分、真っ直ぐに廃屋地下に入っていきましたね。
「さて、ヴァイス大尉。急いで確認作業だ。もしここが司令部でなければ、我々はすぐに敵に包囲される可能性がある。残りの者は私たちと周辺警戒だ、いいな?」
まだそこまで継続していませんが、感想など。
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良い
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まあまあ
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イマイチ