アナキンの親友になろうとしたら暗黒面に落ちた件   作:紅乃 晴@小説アカ

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RISE of Force
物語のあと。


 

 

秘密の惑星、エクセゴル。

 

古来より銀河系の未知領域に属す惑星であり、伝説においてシスの隠された星としてその名は記されていた。

 

惑星上に浮かぶ幾千のスター・デストロイヤー。武官派が、連邦と化した政府を打倒するために用意した最終作戦「ファイナル・オーダー」は決行されようとしていた。

 

無人の大艦隊による銀河の征服。船一隻には惑星を破壊できるエネルギー砲が積まれており、その艦隊が一度銀河に飛散すれば、銀河中の惑星がスター・デストロイヤークラスまで小さくなったデス・スターの脅威に晒されることになる。

 

おそらく、ファイナル・オーダーの目標となるのは連邦首都となった惑星コルサントだ。連邦議会とフォース・アカデミーなどの政府基盤を司る機関が集約された星が破壊されれば、連邦体制が乱れることになる。

 

その隙に武官派の士官たちによる銀河征服が敢行され、銀河は再び帝国の手に落ちると言うシナリオとなる。

 

「なんとしてもスター・デストロイヤーをエクセゴルから出してはならん!!全艦、攻撃!!」

 

「レッド・チーム、ゴールド・チームはブラック・チームに続け!ファルコンを目印にして砲塔を破壊するんだ!!」

 

その進撃を阻止するべく、エクセゴルに到着した連邦艦隊と、ファイナル・オーダーの艦隊による戦闘が勃発。

 

歴戦の艦長であるアクバー提督指揮による旗艦からなる連邦艦隊は、エクセゴルから出立しようとするファイナル・オーダー艦隊の頭上を取り、その進路を妨害。連邦軍きってのエースパイロット、ポー・ダメロンやレン騎士団のパイロットによる奇襲攻撃により、ファイナル・オーダー艦隊の足は止められていた。

 

苛烈な空中戦が繰り広げられる中、エクセゴルの地表に存在するシス寺院の中。

 

降り立ったレン騎士団の長であるベン・スカイウォーカーと、探究の末にこの星への道を切り開いたレイ・パルパティーンは、窮地に立たされていた。

 

「そなたらの生体エネルギーを得た余の力があれば、銀河を手中に収めるなど容易いことよ」

 

武官派とシス信者によって蘇った皇帝、シーヴ・パルパティーンは、レイとベンの心にあるダークサイドを巧みに操り、シスの陣営へと取り込もうとしたが、二人からの返答は拒絶であった。その言葉に怒った皇帝の残光は、二人から溢れる生体エネルギーを得て、完全なる存在として復活を果たしたのだ。

 

共にライトセーバーを構えるベンとレイだが、生体エネルギーを吸われた二人は息も絶え絶えであり、笑みを浮かべる皇帝から放たれたフォース・ライトニングを受け吹き飛ばされる。

 

「余の遺恨もここで消え去る。連邦という惰弱な存在を消し去り、再び余が皇帝として銀河へと君臨するのだ」

 

高笑いする皇帝を睨みつけながら、ベンとレイはライトセーバーを握りしめて立ち上がる。ここで負けるわけにはいかない。

 

フォースがささやいている。

 

彼を逃しても、見逃してもならない。

 

ここで必ず決着をつけなければ、再びライトサイドとダークサイドの飽くなき戦いが始まる。

 

ベンとレイは互いの顔を見合わせて頷く。ライトセーバーを構え、見下ろす皇帝と対峙する。この命で差し違えても、必ず皇帝を———。

 

「よくぞ戦ったな、レイよ」

 

その時、寺院の中に声が響いた。シス信者の声や皇帝の高笑いすらもかき消す、しかし、穏やかな声。ベンとレイが振り返ると、そこには古びたローブを羽織り、フードで顔を隠した人影があった。

 

レイはそれを知っている。いつかの島でライトセーバーを手渡し、自分をフォースの導きへと連れ出してくれた存在だ。

 

「オールドマスター…?」

 

レイに名乗っていた彼は緩やかな歩調で歩き、レイとベンの間を抜けて皇帝がいる玉座の前へと出た。その姿を見て、笑みを浮かべていた皇帝の顔つきが一変する。

 

「馬鹿な、何故貴様がここにいる…!!ログ・ドゥーラン!!」

 

皇帝の言葉と同時に、オールドマスターと呼ばれた彼はフードを脱ぎ去った。その下にあったのは、旧共和国時代の姿のままであるログ・ドゥーランその人であった。

 

「俺はフォースであり、フォースは全てにある。彼にも、彼女にも、そしてお前にも。この星の全て、銀河の全てにフォースは満ち溢れていて、フォースがあるところに俺はいる」

 

「余の在り方を汚した大罪人めが!」

 

「それはそなたのことではないか?シーヴ・パルパティーンよ」

 

絶叫のような皇帝の声に答えたのは、ログではなかった。まるで煙が立つようにログと皇帝の間にフォースの渦が上がり、そのもやが晴れると同時に、真っ黒なローブに身を包んだ老人が姿をあらわす。

 

レイが幾度も目にしたファインダーから語りかけてくれていた優しげな顔つき。レイが震える声で言った。

 

「貴方は…」

 

その声に振り向く。レイにとっての祖父は、優しげな笑みを浮かべて頷いた。

 

「レイよ。大きくなったな。そして美しくなった。私の幻影が随分と世話をかけてしまったな」

 

シーヴ・パルパティーン。フォースの中から現れた人物に、皇帝は目を見開き、口をアングリと開けた。そんなバカな…そんな馬鹿げた話があるものか。シーヴ・パルパティーンは死んだのだ。〝第二のデス・スターの中で死を迎えたはずなのだ〟!!

 

「馬鹿な…余の肉体は滅んでいた。余こそが、史上一人のシス・マスターだと言うのに」

 

「今に固執するとは何とも初歩的な物言いだな?私の偶像よ。シス信者にとって帝国と皇帝が力強い結びつきで繋がれてるとは知ってはいたが、よもや私のクローンを使ってファーストオーダーを操っていたとは…哀れなものだ」

 

蘇った皇帝を前にして、パルパティーンは哀れな物を見つめる目でそう呟く。震える声で信じられない様子でいる皇帝がひどく愚かに見える。彼は信じきっている。シーヴ・パルパティーンは死に、今復活を果たした自分こそが本物であるということを。だが、パルパティーンにとってそんなものに意味などなかった。そもそも、もう意味などありはしないのだ。

 

「余の肉体は滅んでおる。だが、フォースを前にして肉体にこだわる必要がどこにある?血肉によって得られる生など、フォースが渦巻く生き物のなりわいの一つにすぎぬと言うのに」

 

たしかに、〝シーヴ・パルパティーンは第二のデス・スターで死亡した〟。それはどの時間、どの時空においても変えられない真実であり、それによりフォースのバランスがもたらされたのだ。何人たりともその真実を覆すことはできない。たとえそれが、パルパティーン本人であったとしても。

 

だが、その真実にこだわる必要がどこにある?

 

少なくとも、あの第二のデス・スターで死亡したパルパティーンの死には意味があった。フォースのバランスを取り戻したという意味が。その意味があるだけでも、彼は満足したはずだ。

 

彼にとって死は〝事象〟に過ぎない。あるのはフォースへの知識とシスとしての本懐だ。彼は〝弟子であるダース・ヴェイダーの手によって命を落とした〟のだ。弟子によって生を終わらせることができたパルパティーンに、無念はあれど後悔も遺恨もない。それこそがシスとしての本懐なのだから。

 

故に、目の前にいる復活した皇帝が、哀れに見えて仕方がなかった。

 

「余こそがシーヴ・パルパティーンよ…世迷言を言うか、裏切り者が!」

 

「私は裏切ってはおらぬよ。私はシスだ。だが、そなたらが裏切ったのだ。フォースの側面であるダークサイドの教えを。シスたる由縁の全てを」

 

「ほざけ!!」

 

皇帝の手に迸るフォース・ライトニングが走る。その一撃を、パルパティーンは緩やかに上げた片手のみで受け止めた。慟哭とも思える一撃はあまりにも力弱く、己から遠い。そして無知だ。パルパティーンは思慮深い顔つきで言葉を紡ぐ。

 

「そなたはダークサイドの力を知らぬ。ライトサイドを知らぬ。フォースを知らぬ。何もかもを知らぬ。故に、私には勝てん」

 

受け止めたフォース・ライトニングにさらなるフォースを加え、雷の稲光を大きく瞬かせる。何も言えずに立つ皇帝という名の〝偶像〟目掛けて、パルパティーンは手に宿したフォースを解き放った。

 

「何故ならば…私こそが、ダース・シディアスなのだから」

 

その光はシス寺院を照らし、哀れにも〝皇帝〟を崇拝したシス信者もろとも打ち消してゆくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファイナル・オーダーを打倒し、武官派で構成されたファースト・オーダーとの戦いに勝利した連邦軍は祝賀ムードに包まれていた。

 

エクセゴルから程近い惑星へと帰還した連邦艦隊の誰もが長きにわたって繰り広げられてきた戦いの終わりに喜び、失った者たちへの鎮魂に祈りを捧げる。

 

シスを打ち倒した英雄として讃えられるベンとレイであったが、その祝賀式典にレイは姿を見せることはなかった。単身、Xウイングを駆る彼女は、オールドマスターであるログと最初に出会った水の惑星へと向かった。

 

太古のジェダイ寺院の残骸が残る島へと降りたレイを待っていたのは、あの日の姿のままだったログとパルパティーンであった。

 

「お爺さま…」

 

長く、長く探していた。ファインダーから語りかけてくれる自分の祖父を。彼はフォースそのものであった。肉体という鎖にすら縛られることなく、自由に銀河を飛び回る探究者。

 

パルパティーンは訪ねてくれた孫娘に微笑む。手には最後のファインダーが握られており、それをレイへと差し出した。孫の手へと受け渡されたファインダー。

 

それにレイがフォースを流し込むと、そのファインダーは砂のように溶けて、惑星の風に流れて散っていった。驚いた顔をするレイに、パルパティーンは悪戯っぽく笑ってみせる。

 

「わかっておろう、レイよ。そなたこそが、フォース・ファインダーなのだ。そなたが経験したこと、学んだこと、探求したことこそが、フォースへと通じておる。そなたは、スタートラインに立ったのだ」

 

「スタートライン…?」

 

「そうだとも。我らは常にスタートラインに立っておる。過去の栄光や、過去の成功の光によって、そのことを見失っておるのだ」

 

パルパティーンは大海原を見る。この海の広大さ。深く、浅く、そして小さく、広く。こんな場所よりも何百、何千、何億、何兆倍も広い銀河に、知識と経験は眠っているのだ。

 

フォースの全てなど、ちっぽけなファインダーに収まるはずがない。フォースとはこの銀河のように広く、深淵の如く深さを持っている。

 

「今までの経験と成功。その光の裏側にこそ、我らが知るべき真実が隠されておるのだ。それを見つけることをやめてはならん。そこにこそ、探求と浪漫があるのだ」

 

探究すること。探し、追い求め、掴み取ってまた走り出す。それこそがフォースだ。終わりなどない。掴んだ先には続きがあるのだ。それを終わりにするか、続けるかは、それを見た者の主観によって決められているだけであって、終わりなど存在しない。故にと、パルパティーンは微笑む。

 

「そなたの冒険は、ここからはじまるのだ。何、銀河は広い。そなたの冒険は浪漫となり、伝説となる。その行く道の先で、我々は待っておるぞ?」

 

握りしめた祖父の手を握りしめて、レイは頷く。

 

「はい、お爺さま」

 

「ただのレイ・パルパティーンよ。そなたがフォースと共にあらんことを願ってある」

 

その言葉とともに、ログとパルパティーンはフォースの粒子となって、風の中へと消えた。きっとまた銀河へと旅立ったのだろう。

 

レイは草原の中に立つ。

 

海原の地平線には太陽が沈もうとしていた。地平線が終わりじゃない。それを見つめることが終わりじゃない。その先へと歩んでゆく。ずっとずっと、歩み続ける。

 

それこそがフォースなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はレイ。

 

ただのレイ。

 

そして、これから冒険へと繰り出す。

 

新たなるフォースの導きを信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

end






ここまで読んでいただき、ありがとうございます。皆様のアクセスや感想が大変励みとなりました。

これまで作品のURLを貼っておくので興味があればご覧ください。

(完結済)

機動戦士ガンダムSEED
白き流星の軌跡
https://syosetu.org/novel/183599/

魔法少女リリカルなのは外伝
Memory of Maxwell
https://syosetu.org/novel/219562/

(連載中)

エルフ「ウチの夫が黒騎士で最強な件について」
https://syosetu.org/novel/220195/

お付き合い頂き、ありがとうございました。
別作品でも小説を書いてゆくので、機会があればよろしくお願いします。

シナリオを練り直すのを許せるか?

  • 細かい描写も見たい
  • ログの心の移り変わりを見たい
  • とりあえずエンディングまで突っ走れ
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