PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。 作:五月時雨
どうせなら面白おかしくしたくて、こちらを急遽書きました。戦闘描写って人数が増えるほど難しいですね……はぁ。
全然上手く書けないから進まない。
プレイヤーの入れない、仮想世界の特殊空間。
そこで運営はイベントの監視を行っていた。
「お、ツキヨ達に寄生体が近づいてる」
一人が、ラプトルの群れに追い回されるツキヨたちを見て、声を上げた。
「ということは」
「あぁ」
「観察だな!」
もはや恒例行事と言うべきか。ツキヨ達がおかしな事になる度に、彼らはこうしてモニターを観察する。仕事をサボっている訳ではない。事実、彼らの手元は動き続けており、時折それぞれのモニターにも視線を送っている。
しかし如何せん、やる事が少ないのだ。
前回イベントよりも前から練り続けた第二回イベント。フィールドもダンジョンも、モンスターの行動も緻密に設計し、準備を万全にしてきた。バグなんて出さないよう最善の注意を払うのは、運営として当然という信条の元、このイベントはできたのである。
ならば後は、プレイヤーの突飛な行動によって引き起こされる小事を観察し、明らかにヤバイことが起きた場合のみ、これに対処すれば良い。
そこまで入念に準備したのだから、運営に抜かりはない。だからこそ、こうして観察する余裕があった。
「すげっ……一回の遭遇で寄生って見抜いたか」
「特徴的ですしね……でもあの精密射撃は凄いですね。あれもプレイヤースキルでしょう?」
「自身も敵も動いてるのに、寸分違わず花だけ撃ち抜いて、ラプトルにダメージ0。いっそ鮮やかな手並みですね」
「しかもツキヨ、炎帝を抱えてますよ。あれじゃバランス取るの大変だろうなぁ……」
その後、寄生ラプトルの一団を余裕を持って無力化したツキヨとミィだったが、直後に起こった事態を受けて、運営ルームは爆笑に包まれる。
「ぎゃははははははははははははッ!!」
「アハハ、アハハハハハハハハハハっ!!」
「ぎゃーっはっはっはっはっはっはっ!?」
「………!………………!!」(最早声が出ない)
「く、くくく………。あはははははは!ダ、ダメだ。笑いが止まらな………あははははは!」
「にげ、逃げられてる……ッ!!ラプトルに逃げられてるーッ!あはははは!」
「ここ、これ、レベル差あり過ぎるとモンスターに怯えられるやつ……ッ!ぎゃはははははッ!」
「こ、今回導入して、いきなりやってくれた……っ!ぷくくくくくくっ!!」
要は、いつもの運営の悪ふざけだった。
一部のモンスターに積んだ、プレイヤーとのレベル差を感知して襲うか逃げるを決めるプログラム。ツキヨ達は、三日目にして初めてそれを起動したのだ。
主にノンアクティブモンスターに搭載したのだが、その大半が寄生なり洗脳なりで別モンスターから操られており、それに気付かず討伐されることばかりだった。それが遂に、ツキヨ達の手によって叶い、このおもしろ映像を激写できたのである。
「録画、録画しとけ!イベント動画の中に組み込もうぜ!」
『さんせーっ!』
題名は、きっと『逃げて、超逃げて!』とかそんな所だろう。プレイヤー
裏で運営達が爆笑しているのも知らず、ツキヨとミィはやがて、彼らが『幹部候補』と呼ぶ五人と合流した。
「これは……寄生アルラウネやられそうだな」
「まぁ、防御は紙だからなぁ……」
「同士討ちに持っていけば御の字だろー」
直後、七人のうち五人が【毒耐性中】を持って絶望した。
「ツキヨとミィも【毒竜の指輪】もってるしな」
「いや、回数制限あるからワンチャン……」
何の躊躇もなく地面の縦穴に飛び込んでいく七人を眺めながら、後の展開を予想する。
案の定ボス部屋に入った七人は、円陣を組んで慎重に進み、中央付近まで来た。
「よし、いけ!」
「ツキヨとミィを落とせ!」
目的が酷い。
胞子を振りまいて寄生しようとするアルラウネ。対応する七人は、円陣を組んで隙がない。しかし、魔法特化な数人が胞子を受けていく。
そしてミィの頭に咲いた一輪のバラを見て。
「よーしよしよし!」
『よしよしよーし!』
コール&レスポンスが凄い。どこぞのエースを目指す野球漫画の主人公と応援席の部員の如く。
まぁ、物事はそう上手くことが運ぶ訳がないのだが。特に、ここには『不可能の文字を忘れた少女』『人型の理不尽』『近接最強?いやいや人類としての枠組み超えてるよね』などと運営の瞳からハイライトさんを職務放棄させる天才、ツキヨがいるのだから。
『え、いいの?助かるわ』
途中から音声ありにしたスクリーンに映し出されたのは、“きょとん…”とした顔で容赦なく薔薇を頭スレスレで撃ち落とすツキヨの姿。
『えっ………』
思わず、運営一同で絶句。文字通り、言葉通りに空いた口塞がらない。ついでとばかりに、ミィの後ろにいたアルラウネも貫かれている。
「『あー……何ていうか、うん、なんだ』」
「『あぁ、そうだな』」
「『えぇ、ですね』」
「『あのなぁ……流石に』」
「『うん、本当に』」
呆れから回復した運営達は、奇しくも映像の中の五人と全く同じ言葉を紡いでいた。
どんな確率か。
『流石に、それは無い……っ!』
◇◆◇◆◇◆
この後、【炎帝ノ国】で合流を果たしたツキヨたちを見て、流石にそろそろ仕事に戻ろうと思い、思い思いに自らの正面に体を向けた途端。
『ではこれより、拠点
―――ガタッ、ガタガタッ!?
「今、作成って言ったか?」
「………言ったな」
「確実に言ってたな」
『………見るか!』
満場一致だった。
……………
「おおすげっ。流石大所帯、作業効率も良いな」
「こりゃ先に計画立ててたな。明らかにスムーズすぎる」
「【炎帝ノ国】って人多すぎて動き辛いイメージだったが、かなり早いな?」
「ありゃツキヨが指示系統を一括で受け持ってそうだな……」
「
大規模な拠点がみるみる出来上がっていく光景を目の当たりにして、やはり驚愕に包まれる運営ルーム。しかし、抱く思いは共通していた。
『
である。
本格VRMMORPGで戦闘でも生産でもなく、なんで独自に防衛ミッションを始めるのか。甚だ、理解に苦しむ運営一同。
「実際問題、【炎帝ノ国】ってかなり色んなプレイヤー抱えてるよな?」
「戦闘職が一番多いのは勿論、生産職に趣味に突っ走った奴ら、ロールプレイ集団もいるな」
「むしろ居ないバリエーションが無いまである」
当たり前のようにあらゆるプレイヤーを確保しており、使用武器も様々である。生産職も、戦闘職に比べれば少ないもののかなりの人数を擁しており、それがイベント前の準備段階で際立っていた。しかし、この拠点作成でも猛威を奮っていたのである。
「もう若干だが、砦になりつつある件……」
「物見櫓まで設置してるな……」
「罠……罠の海じゃ……っ!」
「拠点内にもモンスター湧くからって、巡回とローテーション完璧すぎませんかね……」
なんかもう、完璧すぎて言うことなしだった。と言うか、運営達が想像していたものの数段上だった。
「トラップえげつなくないですか……」
「いや、あの防壁見ろよ。壁の中にいくつかトラップ仕込んでるぜ……触っただけでオワる」
「いやいや
なお魔法使いと弓使いによる、拠点内部から外部への一斉掃射もできたりする。罠に捕まったモンスターやプレイヤーを安全な所から狙い撃ち。容赦?なにそれ美味しいの?を地で突き進んでいる。
「並のダンジョンより攻略できないだろあれ」
「てか到達するだけなら最高難易度ですね……」
「待ち構えてるのは無数のプレイヤー。倒せばメダル獲得できるチャンスだが、割に合わなすぎるんだよなぁ」
「最奥では【比翼】と【炎帝】。悪夢かな?」
「悪夢の方がマシですね。実害ないし」
『ハハハハッ!ダヨナー!…………はぁ』
あれだ。魔王の城に行ったら魔王は二人いるし、四天王だと思ったら五人目が隠れてるし、まず城に入るだけで罠がエグすぎて全滅の危機。なにそれ魔王城より酷い。魔王でも、もう少し
そしてそんな魔王の一人は、宴だとか呟いていて
………しばらくして会場準備が終わった頃、ミィが現れてメンバーと挨拶を交わしていく。
「やっぱこういう所しっかりしてんだな」
「メンバーと会話を欠かさない。ああいう『れっきとした形のない組織』を纏める時の鉄則だな」
「そっか。まだ一応ギルドじゃないし、あそこに集まってるのは自由意志なんだよな」
「自由意志で百人規模にまで大きくするミィとツキヨ、やべえな……」
誰もがミィとツキヨを信用し、一つの集団として纏まりがある。それは、確固たる目標を以前に二人が掲げた事と、二人のカリスマ故であろう。
なんて、思っていたら。
「ぎゃははははははははははははッ!!」
「アハハ、アハハハハハハハハハハっ!!」
「ぎゃーっはっはっはっはっはっはっ!?」
「ひ、ひーっひっひっひっひっひっひっ!!はははゲホッ!ゲホッ!
「く、くくく………。あはははははは!ダ、ダメだ。笑いが止まらな………あははははは!」
「ハハハハハ。
クハハハハハハハハ。
アーッハッハッハッハッハッハッハッ!!」
「おい黒幕紛れ込んでるぞ」
彼らが先程以上に爆笑している理由。
それは。
『玉座とかやべぇっ!最高かよ!』
夫婦のように寄り添う二色の玉座が、ミィとツキヨに隠れて作られたからである。それもミィの玉座への気合の入れ方が凄まじく、さながら悪の魔王。対するツキヨは純白で清楚に作られており、清貧さの伺える様相は魔王と対を成す神の如し。
あの玉座には鋭利な気配を漂わせる二人なら似合うだろう。しかし、運営は知っているのだ。二人の素の性格が、あんなカリスマ溢れていない事を。無駄によく観察するから。ツキヨとは直接話したし。
だからこそ、内心でテンパりまくるツキヨ達を想像し、爆笑の嵐だった。
「はぁー…はぁー……くくっ、最っ高」
「今日だけでめっちゃ笑ったわ……」
「その分驚きもあったけどな……」
「てか料理美味そう……飯テロやめろください」
「現実はともかく、ここも夜だしな……何となく腹減ったー」
「カップ麺ならあるぞ」
「なんで普通の料理じゃなくてカップ麺再現してんだよ」
「美味いだろカップ麺!ちゃんと三分待つんだぞ!?」
「再現度たけーなおい」
立食パーティーしてるのを見てる運営。飯テロされて涎ジュルリ。しかも料理をするためだけにゲームを始めたような趣味廃人プレイヤーが作った料理である。完成度も高く、見ただけで美味しそう。ぶっちゃけ生殺しだった。
「何気にツキヨの料理も美味そうだな」
「あれか。海皇のいた海で乱獲した魚介類使ったパエリア」
「米なんてどこに……あぁ持ち込んでたんですね分かります。……食わせろー!」
「落ち着け俺らが混ざれるわけ無いだろ」
その後、ツキヨ達の宴が落ち着くまで、運営ルームも『うまそー!』『食わせろー!』の二つが響き続けた。
そして宴もたけなわといった頃。
「お、ツキヨが動いた」
「今度は何すんだ?もうお腹いっぱいなんだが」
勿論、出来事がありすぎて。
飯テロによる空腹は収まってないので、皆してカップ麺をズルズル啜っていた。
『乱闘は冒険者の花でしょう?』
「よっしゃなんか乱闘始まんぞ!」
「スマッシュ○ラザーズ!?」
「乱闘違いだ馬鹿」
先ほどまでと打って変わって、不気味な青白い炎が囲む会場に、人垣で即席のバトルフィールドが出来上がる。
「ウォーレンか」
「かなり前だが、ミィに絡んでツキヨにぶっ飛ばされてたな」
「なるほど、リベンジマッチか。熱いな!」
トントン拍子に進む話をニヤニヤしながら眺める運営一同。カップ麺片手に盛り上がる。
『よっしゃ!どっちが勝つか博打と行くか!』
「よし、俺たちもやるか!」
『さんせーっ!』
スクリーンのドヴェルグが賭けを始めたので、面白そうだと参戦。
「やっぱツキヨだろ。プレイヤースキルで【最速】再現する『歩く理不尽』だぞ?」
「いや、五人掛かりなら行けると思うぞ。幹部候補の連携は悪くないし、何よりツキヨは決定打がスキル頼りが多いからな」
などなど。思いの外投票は割れ、白熱の様相を呈していた。そこへ。
『ふむ。面白そうだ。私も混ぜろよ、ツキヨ』
「炎帝きたぁぁぁあああ!!」
ちなみに運営の賭けは、6:4でツキヨ側が優勢だったのだが……果たして結果は。
私いま、2作品投稿してるのですが、合計で100話超えてたんですよね。で、文字数足してみたら、2作品で約68万字で。
ふと原作の『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』ってどのくらいかなーと小説家になろうで見てみたら、大体73万字だったんですよ。
書籍の方は加筆修正も入ってるでしょうが、原作は73万字で9巻。ちょっとびっくりでした。2作品ではありますが、私ってそんなに書いてたんだ……ってかあと五話ずつ書いたら総文字数超えるなぁ……とか。
だってPS特化は44万字くらいなんですが、単純計算で字数なら4巻超えてますからね。頭おかしいです。その頃にはギルドイベント入ってるはずが……。
PS特化が73万字になっても、多分ギルド出来たてだからね。ギルドできてからが本番なのに、原作換算で9巻から本編って頭おかしいです。
明日は無しー