ベル・クラネルの兄が医療系ファミリアにいるのは(性格的に)間違っている! 作:超高校級の切望
『アハハハハ!』
笑いながら迫る『
「【森羅万象天地を統べた支配者よ。石塊を食らいし
新たな詠唱。魔力の流れに反応して『
『【荒ベ天ノ怒リヨ】【カエルム・ヴェール】』
全身に雷の鎧をまとい、先程よりも速い速度でヴァハへと迫る。ギリギリ回避し、追撃しようとするが踏み砕かれた床の破片が邪魔をする。
「はぁ!」
瓦礫の隙間を縫い進みフィンが攻撃するが、やはり効かない。雷をまとった前足がフィンの小柄な体を吹き飛ばすが、僅かな時間の猶予が生まれる。
「【飲み下されし
現れたのは雷で形成された巨大な戦斧。
「【パラス・ラブリュス】!」
雷を纏った角と黄金の戦斧がぶつかり合う。押し負けたのは、ヴァハ。吹き飛ばされていくヴァハを追おうとした『
「【
放たれる毒蛇が如き紫の衝撃波。さらに片目に突き刺さる短刀。
『邪魔、ヲォォ! 【
と、追加詠唱をする前に、その口に槍が突き刺さる。
「どうかな、何分女性の口を塞ぐなんて初めてでね」
「ガッハッハ! 女には困っとらんくせに、妙な誓いで童貞を貫いておるものなあ!」
槍を投げたのはフィンだ。おどけてみせたその台詞にガレスが笑う。
『ガ、ア……アアアア!!』
が、それでも深層を凌駕する異常な耐久と力の持ち主。ただ暴れまわるだけで脅威。
「くっ!」
「ぬぅ!」
「うげ!?」
直様3本の血の鎖が3人を引き寄せる。天井に張り付いたヴァハは3人を支えながらフィアナの血を吸う。
「フィン、ポーション他にあるか? ガキに飲ませてやれ」
「っ!!」
ヴァハに意識を向けられカタカタ震えだすフィアナ。フィンは何をしたんだ、とでも言いたそうな目を向ける。
「今は仮止めだからな。脳からの伝達は俺が伝えてやってるが、雷食らったら乱れるし、このままじゃ【アルテルフ】は使えないしな………と!」
床を跳ね、蹄を壁に突き刺しながら迫る『
『ア、ア……ヴァ、アアアアア!!』
吹き飛ばされながらも、ギロリとヴァハを見据え壁を蹴り迫る。巨牛の角がヴァハの腹を貫き雷がヴァハを身の内から焼く。だが……
「【
『!?』
聞こえてきた詠唱、広がる魔力の波動に『
『オ、ア……?』
「おおらぁ!」
困惑している『
「団長の硬くて太いもん咥えやがって、羨ましいんだよクソがぁ!」
「何言ってんだあの処女ビッチ」
ヴァハが呆れながら言う。槍が完全に貫き抜けなくなった『
『オオオオオ!!』
それでも暴れようとする『
「お返しだ!」
『────!?』
体内から走る電撃に体が硬直する『
「さっさとくたばれ、この不細工がぁ!」
牛の下半身より遥かに脆い女性の上半身。ガレスの一撃に耐えられるはずもなく、胸の魔石が砕かれ灰粉が霧のように舞う。
「あ〜、死ぬ。マジで死ぬ………おい勇者様、ポーションは」
「もう、ないよ」
腹と口から血を溢し倒れるヴァハ。フィンも肩で息をしながら嘆息する。
「だ、団長……」
弱まったとはいえ精霊の雷を間近で浴びたティオネも動けそうにない。
「やれやれだらしない奴らじゃ、ラウル。フィンを頼む」
「は、はいっす」
「よお、お前等結局役に立たなかったな」
「ティ、ティオネさんや団長達にポーション届けてたりはしてたし」
最終的に活躍一つもなかった冒険者達にヴァハがケラケラ笑うと彼等も彼等で仕事していたらしい。ヴァハとティオネはガレスに抱えあげられる。
「フィアナ、お前もついてこい。まあ、ママの所に帰りたいってんなら止めねえよ? また調教し直せばいいだけだしな」
「ヒッ! つ、ついていきます。だ、だから、もう酷いこと……しないで、ください」
「………お前さん子供にも容赦ないのう」
「俺は子供がママにまたあうんだ〜とか言いながら自爆してこようとしたら敢えて心臓近くを貫いて何も果たせぬまま死ぬ無力感を味わわせる派なんで」
「7年前を知っているのかい?」
「俺、元【ゼウス・ファミリア】。精霊の力取り込むために恩恵失ったけどな」
「では、君の弟は……」
「彼奴はヘスティアの眷属だよ。ゼウスが誰だったかも知らなきゃ、7年前の悪夢の実行者の一人が自分の身内だとか声がそっくりだとか何一つ知らねえ」
声は関係ないのでは? と思ったフィン。と、ヴァハは周囲の気配を電磁波で探る。
(何人か死んだな、こりゃ……ルノアは…………チッ)
ルノアに死なれたら間違いなくヴァハがミアにぶち殺される。救援に来たのであろう気配の中で、一番魔力の高い存在を狙う。
「フィン、ガレス、無事か?」
「リヴェリアか……なんとかね」
「ヴァハは………また死にかけてるな。アミッドが来ている、すぐに」
と、ヴァハは残った力で飛び出しリヴェリアに覆いかぶさる。混乱して固まったリヴェリア。露出の少ない彼女の服装で、僅かに素肌を覗かれる噛みつきやすい場所である首に噛みつく。
「な、ぐっ!?」
Lv.6のエルフの魔導師。濃密な魔力を含んだ血を啜り、傷を癒やしながら魔力を回復する。
「な、なな!? こ、この不敬も──」
付き従ってたエルフが何か言っていたが無視して地下迷宮の奥へと駆け出すヴァハ。目指す場所は、一つ。
「すいません、助けてもらって」
「いいよ、別に」
呪われた武器のせいで血が止まらなく肩を抑えながら歩くルノア。本来の目的は別にあるが、だからといって仲間を助けるために頑張ってる若者を無視できるほど非道ではない。
「戦いの音は結構近かった。今は止んでる、決着はついたんだ。急ぐよ」
「は、はい」
何を錯乱したのか
それを利用して笑っていそうなのは………
「まあ彼奴等なりに、救われてはいたんだろうけど」
じゃあ良かったね、とは言えない。同情はしないが、厄介な奴に目をつけられたと憐れみはする。と……
「おい、お前等、【ロキ・ファミリア】だな?」
血に塗れた女が姿を現す。赤い赤い、悍ましい呪の込められた短剣を持って。
「あなたは──」
暗い暗い地の底で、鮮血が、舞った。
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拷問描写
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SAN値が弱いんです(やめてください)
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可哀想だし(やめてあげて)
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可哀想だし(いいぞもっとやれ)
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可哀想は可愛い(ガンガンやれ)