没作品なので文字数も少ないです。
無数に生まれた可能性の世界の一つで、また同期が開始された。個が群であることを認識する為に、願いの奔流の果てを見る為。全ては、劇の舞台装置として。役者は目覚め、元の台本は書き換えられる。そこに存在するのは、兎か蛇か。はたまた獣か。それは誰にもわからない。
とある山の中にある小屋に一人の老人と幼子が住んでいた。老人の名前はゼウス。かつてオラリオで二大巨頭として覇を唱えたファミリアの主神だった人物だ。共に住んでいる幼子の名前はベル・クラネル。かつてのファミリアの遺児と言って差し支えない人物だった。しかし、その親も既にこの世におらず。天に還らず残っていたゼウスの手によってスクスクと育っていった。
そんなある日。ゼウスはいつもの日課を終え、家に帰るとそこはいつもと雰囲気が大きく変わっていた。何処無く、神を感じさせる気配と神ではない別のナニカの様な気配。その交じり合った気配が家を中心に広がっているのをゼウスは感じた。家の中には最近絵本を読み始めた彼の義孫のベルが居る。ゼウスは自身の身の危険を顧みず家の中に突入した。
「ベル!無事…か…」
「ん?あぁ、貴様はこの体の知人か。すまないね、
そこに居たのは、藍色に毛先がシルバーの長髪の男性。ゼウスに気が付き振り返った目は赤く、瞳の奥には剣に巻き付く二匹の蛇が浮かび上がっていた。
「お前は何者だ?ベルを何処へやった?」
「あぁ、私の名前は…カール・クラフトとでも呼んでもらって構わない。それで、ベル…だったか。彼は
その言葉と同時にゼウスはカールへと渾身の一撃を放った。下界では神気を使うことが出来なくても、それでも主神の名に恥じないその剛腕から放たれた一撃は吸い寄せられるように顔へと向かい、何か硬いものにぶつかった。
「あぁ、君の攻撃を私が受ける事は無い。霊的装甲がある限り、誰にも私は止められんさ」
「……何が目的だ?」
「何が目的…か。なにもおかしい事は無い。私も貴様らと同じだ。ただ眺めているだけでは
事も無げにそう言い放ったカールに警戒を解かないゼウス。そんな彼を気にすることなくカールは横を通り過ぎ外へと出た。
既に日は沈み、辺りには静寂が訪れていた。ゼウスは出ていったカールの後を追うと既にカールの
姿は何処にもなく、ただそこには闇が広がっていた。
「ベル…すまぬ…すまぬ…」
カールが居ないという事実と、ベルが帰ってくる可能性が限りなく少ないという現実を突きつけられたゼウスは膝を折り、その場でうわ言の様にそう呟くだけだった。
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「成程、此処がオラリオと言う場所か…。いやいや、どうして総じて未知であり既知である空間とは度し難い。だが、そうだからこそ面白いというものなのやもしれんな」
この世界では物珍しい、しかし元居た世界では少しばかり時代を感じさせる服装に身を包み崖から迷宮都市オラリオを眺めるカール。そして、次の瞬間その場から消えうせた。それは、最初からそこにカールが存在しなかったかのように。
だが、ゆがめられた運命は歪に交差し新たな道を生み出してゆく
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「そこな神よ、私と契約してはくれまいか」
「ん?ぼ、僕の事かい?僕と契約してくれるのかい!?」
道外れの路地裏で出会った水銀と竈の女神。白兎の運命は別の形で収束し、物語は回る。
「初めまして、私はヘスティアファミリア所属、カール・クラフトと言う。ミノタウロスの兼、なにやら知っている様子。差し支えなければ、教えてくれはしないか」
「…?」
甘き恋の出会いは、精霊と神の邂逅へと変わり。
「なんなのよ…何なのよ…アレは!?」
「…」
「オッタル!アレに気が付かれない様に監視しなさい!アレは、
見初めた美の女神は、恐怖する。
「手前、ナニモンや?」
「失礼な事を聞く。私は、
悪神は存在を警戒する。
物語は本来たどり着かない方向へと向かって行った。誰も止めない止められない。既に舞台には役者が上がり、劇は始まった。
さぁ、今宵の
コレの没原因がカールがえげつなく強いのと、そもそもカールの性格だと原作イベントは悉くブッチする事を確信したから。
仕方ない()