私は。
私は、比企谷君が好きだ。
きっかけ?
さぁ。
だって。
すごく魅力的な人よ?
ー気づいたら好きになってたわー
彼は、いつも。
いつだって自分勝手だ。
勝手にいなくなったり。
問題を解決したと思ったら。
新しく問題ごとを持ってくる。
彼は、きっと。
彼の世界にはきっと。
きっと私なんていないのだろう。
もう一度言わせてほしいわ。
私は彼が好き。
嘘偽りなく。
彼が他の女子を一緒に居るところを見れば妬むし。
不安になる。
彼が近づいてきたときは、酷く焦ってしまう。
顔が熱くなってしまう。
彼が。彼が。彼が。
恋と気づいたのはいつだったかしら。
恋と気づいてしまった。
気づかされてしまった。
先に好きになってしまった。
悔しい。
悔しすぎるわ。
彼ったら、私たちに興味が無さそうな雰囲気でいつもいる。
私なんて。
いつだって彼のことを考えると。
考えるだけで胸が高鳴る。
でも。だからこそ不安になる。
彼におかしくされてしまった。
彼のせいだ。
全部彼が悪い。
彼が一瞬照れた表情を見せた。
本当に一瞬だった。
なのに。
なのに忘れられない。
布団に入り。目を閉じる。
再生されるのは彼の色々な表情。
まず出てくるのは。
悔しそうに顔をしかめた顔。
次に出てくるのは。そうね。
こちらを睨んでくるときの表情かしら。
ゾクゾクするのよね。彼の目。
ここだけの話。私は彼の目が大好きなの。
射貫かれて。見透かされて。
私の事を私以上に知ってしまう。
そんなあの目が。
私は愛おしく感じてしまう。救われてしまう。
彼が私に何か言うたびに。
私は鼓動が早くなってしまう。
こんなこと。認めたくなかった。
認めるわけにはいかなかったのに。
好きになってしまった。
彼が。
彼だけが。
きっと私の最後の話し相手になるのだろう。
正真正銘最初で最後。
分かっているわ。
私では彼に釣り合わないことくらい。
彼の傍に立つ資格なんて無いことくらい。
分かっている。
理解している。
彼のように理性だけで律し。
こんな希望なんて持たずに。
そんなもの捨ててしまえ。
何度だって私は自問自答を繰り返すばかり。
その間にも、彼は傷ついていく。
彼が傷ついていく。
許さない。
許したくない。
自分も。誰かさんも。
比企谷君を傷つけている自分や。
彼自身も許せない。
彼はいつだってその身を。心を犠牲にする。
彼だって。
そう。彼だって傷つくはずなのだ。
目を背けたかった。
背けてやり過ごして。
彼なんて放って置けばよかったのだ。
きっとそれが正しくて。
それが一般的で。
そして、普通なのだろう。
でも私にはできない。
生憎私もひねくれている。
彼以上なのではないかしら。
それを分かっている。
自覚してなお。
ー私は、彼が好きなのよー