日常なんて、つまらない。
同じ事の繰り返し。
自分のやりたい事を見出せない。

そんな事を最近考える様になった葉山奏多。

しかし、ある少女との出会いがその日常に一手間を加えていく……

これは、日常に変化を求める青年と、普通の少女……そして、普通になりたい少女のおりなす日常である

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どもども、初めての方ははじめまして、そうでない方はお久しぶり。猫又侍です。さて、連載してる方の執筆意欲が格段に下がっているので思ってる事吐き出す様に書いたのでクソみたいな文になってる可能性があります。

それでもいい方は本編へGO


青年は日常について考える

人生なんて、生まれた時から決まっている。

 

どう生きて、どう死ぬか。

 

どう幸せになり、どう不幸になるか。

 

全ては神のみぞ知り、神が僕達の人生を決めている。

 

どれだけ自由気ままに生きようと、それは神が定めた生き方、性格なのだ。

 

そして、人生には分岐点と言うものが存在する。勿論、誰にでも平等に。

 

人生とは木の枝の様に分かれている。

 

けれど、その分岐点に立つまでが途方もなく長い人間と、短い人間が居る。

 

短い者はたった数年で分岐点に立つ者もいる。

 

しかし、長い者は十数年……あるいは数十年は掛かるだろう。

 

その間、長い者は同じ様な日常を何度も何度も繰り返して生きている様に感じる。

 

ここで、何故僕がこんな話をしているのか気になった人も居るだろう。

 

それは僕、葉山奏多(はやまかなた)がその途方もなく長い者に分類される人間だからだ。

 

****

 

突然だが、みんなは"日常"がつまらないと思った事はないだろうか。

 

特に深い意味はないが、この場を借りて聞きたかった。まぁ、別に答えて貰っても答えて貰わなくても大丈夫だ。

 

僕は日常がつまらない。

 

毎日同じ様なことを繰り返して過ぎていく日常、特になにか異能力に目覚めるわけもなくドキドキの恋愛が始まる訳でもない。

 

そして、僕の退屈な日常は、アラームから始まる。

 

****

 

ピピピピッとセットしていたアラームが鳴り、慣れた手つきでタイマーを止める。

 

「……もう朝か」

 

昨日は軽く遅い時間に寝てしまったのでまだ眠い状態だ。しかし、この眠気を覚ますために制服を着て誰も居ない家を出る。

 

時刻は6:30まだ学校は開かない時間だが、こうして制服を着ている訳がある。勿論、学校に向かっているわけではない。

僕はいつもと同じ道を辿り、いつものお店に着き店のドアを開ける。カランカランと音を鳴らすドア。それと同時に店のカウンターに居るマスターがこちらに気づく。

 

「お? 奏多くんか。今日も早いね」

 

「いえいえ、昨日夜更かししちゃって……モーニングセット貰えますか?」

 

僕が注文すると、マスターは了解と言って店の奥に消えて行った。

 

この店の名前は『羽沢珈琲店』。僕の行きつけの店だ。行きつけと言っても、最近通いはじめたばかりの人だ。

ここにくる様になった理由は、いつかの土曜日にたまたま寝不足で珈琲でも飲んで目を覚そうと思い入店してからここに通う様になった。

ここに居るのは落ち着く。が、これも最近は習慣になって来たためそこまでるんるんな訳ではない。

 

そんな事を考えていると、マスターがサンドイッチと珈琲が乗ったトレーを僕の前に置いて来た。

 

「はいよ、モーニングセット」

 

「ありがとうございます」

 

僕は目の前に置かれたサンドイッチを頬張り、飲み込んだ後に珈琲を啜る。

 

これが絶品で、眠気覚ましにもなる。

 

この時間帯は、人が少なく静かな時間だ。

 

「ふぅ……マスター、今日も珈琲美味しいですね」

 

「そうだろ? うちはしっかり研究して作ってるからな」

 

そう言いながら、子供みたいに胸を張るマスター。これでもいい歳の大人なのだと考えると、なんだかギャップがある。まぁ、普段は大人っぽくて優しいから大人な雰囲気はある。ただ、この時間はこんなテンションでやっている。

 

「ねぇ、マスター」

 

「ん? なんだい奏多くん」

 

「人生って、なんだと思います?」

 

「……それはまた、難しい話だね」

 

僕の質問に対して、マスターは少し難しそうな顔をして答える。確かに、一言に人生と言うのは簡単だ。しかし、説明しろと言われると誰もが一瞬止まる。

 

しばらくすると、マスターが顎に添えていた手を話してこう告げた。

 

「私としては、喜怒哀楽が詰まったとても不思議な物だと思う。勿論、これは私の考えた人生だ。奏多くんが感じる人生がどうかは分からない。まぁ、要するに人生は人それぞれって事だよ」

 

相変わらず大人の対応をしている様に見えて、誰でも思い付きそうな言葉を並べた説明。でも、その言葉は嘘ではない。

 

この考えはマスターの考えであり、僕個人の考えではない。

 

また、色々と考え事が増えそうだな。

 

そんな事をしていると、そろそろ学校が開く時間となった。

 

「それじゃ、学校に行って来ます」

 

「あぁ。………そうだ、いつか娘にも会ってくれないか? 奏多くんみたいに良く物事を深く考えている所があるから、話が合うと思うよ」

 

「………考えときます」

 

そう言って、羽沢珈琲店を出る。

僕が通う学校は、羽丘学園。近年共学化したばかりの学校だ。そのため、男子の方が少ない。とはいえ、不便がある訳でもなく平和にやっている。

 

まぁ、その繰り返される日常が楽しい訳でもない。

 

朝起きて、羽沢珈琲店に行き、学校に行って授業を受け、帰宅して色々やって就寝。

 

この動作をほぼ毎日繰り返す。

ここ最近では、自分がなにをやりたいのかすら分からなくなって来ている。

 

勿論、この発言がおじさんみたいだと言われても仕方ない。

 

「ガールズバンドね……」

 

ふと、道端に貼ってあるチラシを見る。

 

先程の羽沢珈琲店のテレビでもしていたが、最近では大ガールズバンド時代なるものが来ているらしい。

 

僕も、そんな事が出来たら毎日が少し変わるのかな。

 

そんな馬鹿馬鹿しい事を考えながら、学校に向かった。

 

「さて、今日も退屈な一日になるな」

 

そんな事を呟いても、今日一日で僅かな変化が起きようとしている事なんて僕が分かるわけもなかった。




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