「来たわね。博麗の巫女、白黒の魔法使い」
真なる春雪異変の黒幕。幻想郷全域から春を奪い、終わらない冬を導くという大それた事象を引き起こした輩が今、私と魔理沙の目の前に居る。
紫と同等レベルの妖力のみならず、対峙した者に底知れぬ恐怖と根源的な生への欲求を生じさせる濃密な死の気配を放つところを鑑みるに、この主犯は相当格の高い亡霊なのは確定。滅却するともなれば、洒落にならない被害を被るのは言わずもがな。
で、隣の半分霊魂の人間はその従者ってところか。主犯に比べれば幾分か劣れど、それでも決して弱い相手ではなさそうだ。
うん。油断していれば、如何に弾幕ごっことはいえ私や魔理沙の命に間違いなく関わるわね。
だが、それだけでは退く理由にはならない。様々な要素から、総合的に退却が最善もしくは唯一であるならともかく、今は決してそうじゃないし。
何より、私の隣には昔馴染みの
そして、異変解決以外の面でも魔理沙には色々と助けられている。具体的に挙げろと言われれば、それこそきりがないくらいには挙げられる。
もし、魔理沙が存在していなかったら。果たして、私は今のように博麗の巫女としての役割をこなせていただろうか。いや、こなせてはいなかっただろう。
「単刀直入に言うわ。今すぐ、あの『桜』に『春』を集める行為を止めて、それを全て幻想郷に返しなさい」
「これ以上冬が長引くとな、私らもそうだが大体の連中にとっても迷惑でしかないんだぜ。一足先に満開桜でも見たかったのか?」
「ふふっ。確かに、桜の木の下でのお花見は素晴らしいけれど、今回は違うわ」
さてと、過去に浸っているのもここまでね。春雪異変の黒幕の下へと辿り着けたならばやることは1つ、容赦なくぶっ飛ばして春を集めさせるのを止めさせるだけ。
こうしてやり取りを交わしている間にも、幻想郷中の春は結界を通って冥界へ流れ、あの異常な妖気を発する桜の木へと集まっていく訳なんだもの。
「あの桜の下にはね、何かが封じられているの」
「つまり、その何かの封印を解くために春を集める必要があるってことか?」
「ええ。だから、うちの
「なるほど……まあ、意味もなく集めるはずがないものね。で、止めるつもりはないと」
「当然よ。満開にするまで、止めるつもりはないわ」
しかし、あれは一体何なのか。そもそも、見た目こそ同じであれ妖気を発する桜の木を本質的に同じ桜と呼べるのかすら不明だ。
後はそう、私の勘が囁いているけれど、あれが満開になろうものなら春雪異変が比にならない事態が起こる可能性が極めて高い。余波か何か、目の前の異変の黒幕ですら消滅するような程の。
けれど、刀持ちの従者……妖夢と呼ばれた方は恐らく消滅することはないだろう。これも、根拠は私の巫女としての勘である。
まあ、教えてあげる義理はない。その辺のリスクは従者の方はともかく、当の本人は理解しててやっているはずだから。
「なら、力ずくで止めるしかないわね。魔理沙!」
「おうよ! こいつらをぶっ飛ばして、盗られた春を取り返してやるぜ! 季節自体は嫌いじゃないが、永遠の冬は懲り懲りだ!」
「……妖夢、来るわよ。貴女も構えなさい」
「はい、了解しました。幽々子様」
という訳で一応言いはしたけれど、まあ当然私が止めろと言って止めるはずがないので、弾幕ごっこによる勝負を仕掛けて力ずくで止めにかかる。
(あの立ち振る舞い……力量的にもそうだけど、簡単には行かなそうね)
なお、スペルの使用は1人3枚。弾幕ごっこ前最後のやり取りにて、幽々子と呼ばれた黒幕も込みの全員一致でそう決まった。奇しくも、紅霧異変の時に吸血鬼姉妹と対峙した際と似たような感じで決まったけど、私が特段意識した訳ではない。
何にせよ、とにかく全力でぶっ飛ばしてやるわ。そうしたら、花見でもしようかしら。
「さあ、私の方から行くぜ! 食らいな!」
そして、この場で1番最初に攻撃を仕掛けたのは魔理沙。惚れ惚れするような手際の良さで、後先考えないと言わんばかりの密度のカラフルで綺麗な星弾をばら撒いた。
けれど、魔理沙はこと弾幕ごっこにおいては強者側の人間。前回の異変でも、かなりの強敵だった吸血鬼姉妹を追い込んだ実力者が、何も考えていないはずがないから心配は要らない。
というか、仮に考えなしの適当だったとしても、私には真似できない凄まじい努力が自然と修正していってくれるから、まあ大丈夫ね。
「あらあら、とても綺麗な星の弾ね〜。星見好きなのかしら?」
「ははっ、私と霊夢を前にして随分と余裕じゃねえか……っと! そう安々と当たってやらねえぞ!」
「何と、やはり一筋縄では行きませんか。流石は、幻想郷に名を馳せる異変解決者……むっ!?」
「へぇ、グレイズなんてやるじゃない。あんた」
しかし、案の定これでどうにかなるような相手ではない。あっさりと避けられ続けているのみならず、反撃の弾幕までも差し込んできていた。
加えて、相手には優秀な剣士の従者の妖夢が居る。近接戦闘は当然として弾幕勝負の腕も相当な手練れ、黒幕……幽々子と同時に相手をするには厄介ね。
阿吽の呼吸というべきか、あの
「あら……行けるわね、これ」
「っ! 体勢が悪い……!」
それでも、今回も私1人で同時に相手をしている訳ではない。魔理沙が幽々子の紫色の蝶弾を宙返りしながら避けると同時、彗星の如く突撃してきたのを避けた妖夢の体勢が、ほんの一瞬だけ崩れる。
1秒か、それにも満たないような時間ではあったものの、戦闘に慣れた私ならば十分な間。避け終わりのタイミングを狙い、拡散する御札弾を叩き込む。
ルール上は回避不能弾幕ではないけど、本来であれば困難を極めると言えるはずだった。
「しまった……幽々子様!」
「危なかったわ〜。妖夢も弱くはないんだけど、あの2人に集中砲火を受けると流石に厳しいところね」
でも、それは妖夢1人が相手だった場合の話。すんでのところで、幽々子に咄嗟に腕を引かれるという形で今の弾幕は避けられてしまう。
追撃で魔理沙の弾幕に合わせ、蝶弾や刃型弾など2人の弾幕を避けつつ上下左右から御札を叩き込むも、その全てが避けられ斬り飛ばされていく。
向こうの攻撃も当たらないものの、私や魔理沙の攻撃もグレイズこそあれ当たらない、まさしく千日手な状況。スペルを切れば追い込めるかもだけど、それであの2人に使わせられなかったら単に自分たちが不利になって終わるだけ。
それに、私の勘はスペルをこのタイミングで使用すべきではないと、暗にそう告げてきていた。後もう少し、通常の弾幕で上手いこと局面を乗り切る必要がありそうね。
だけど、これこそ2対2の弾幕ごっこのいざという時に、相方が何かしらの形で助けてくれるというメリットである。
時と場合によっては、相手の2人を自分1人で相手する必要が出てくるというデメリットもあるけれど、まあそこは上手いこと技術とかでカバーしていくしかない。
「しかしまあ、これで博麗の巫女の方は修行をほぼしていないとは……末恐ろしいわ〜」
「あんたこそ、私が相対してきた相手の中でもトップクラスよ。従者の方も色々と、引けを取らないレベルね」
「私も同意見だぜ。紅霧異変の時のレミリア然り」
さてと、相変わらずの千日手なこの状況。このまま避けて耐え続け、
ただし、やろうと思えばもう少し積極的に攻めることも出来なくはない。魔理沙との共同戦線だしね。
それに、幽々子の方はともかく妖夢の方が、さっきのやり取りで殆んど無意識に私の一挙手一投足に警戒してか、動きが多少消極的になっているから。
(当たり前だけど、そうやすやすとは行かないわね)
とはいえ、それもよく観察していなければ見逃してしまいそうなくらいに、小さな変化ではある。紅魔館の咲夜といい、異変の黒幕には必ず1人は相当優秀な従者がついているジンクスでもあるのだろうか。
「ここっ! 獄神剣『業風神閃斬』」
「うおっ!?」
すると、今が好機と直感したのだろう。幽々子の蝶弾と大玉弾の嵐を避け切り、八卦炉を構えていた魔理沙に向けて、妖夢が高らかにスペル発動の宣言を行った。
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幻想郷の住人に完全なオリキャラを追加するとしたら、どの程度なら許容範囲でしょうか?
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1人
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2人
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3人
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追加しない方が望ましい